JP3549246B2 - 医療用器具 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、医療用器具に関するもので、詳しく述べると、安全性の高い医療用器具に関するものである。さらに詳しく述べると、血液および血液成分の保存性能を維持しつつ、かつ安全性の高い血液バッグに関するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、輸血用の血液の保存容器としては、おもに赤血球のダメージを少なくするために硬いガラス容器から柔軟なポリ塩化ビニル製のソフトバッグに変更されてきた。その柔軟な軟質ポリ塩化ビニル製の血液バッグは、その加工性、柔軟性、透明性、低水蒸気透過性、耐熱性などの良好さの故にますます使用されてきている。これらの軟質ポリ塩化ビニルは、可塑剤としてフタル酸エステルが30〜60重量部含まれている。そのフタル酸エステル等の可塑剤は血液保存時に経時的に血液中に溶出し、血液成分である各種細胞の、特に赤血球の表面の細胞膜を保護するという肯定的な作用が知られている。またフタル酸エステルは、輸血によって体内に送り込まれたときに、その安全性を心配する声があることも事実である。 それにより、フタル酸より安全性の高いリンゴ酸を骨格とするリンゴ酸エステル系の可塑剤が発明されたが、4℃で、4週間目までは良好な血液保存性能を示したが、その後6週間目では十分な血液保存性能を示さなかった。これは、血液中での可塑剤の分解が早すぎ、溶血抑制効果を十分発揮できるほどの血中濃度を維持することができなかったからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように、従来から医療用軟質ポリ塩化ビニルに用いている可塑剤のフタル酸エステルやリンゴ酸エステルと同程度の可塑化効率を維持し、また、フタル酸エステルやリンゴ酸エステルと同等以上の赤血球膜保護効果を有し、さらにフタル酸エステルより安全性が高い可塑剤を選定することによって、従来と同等以上の血液保存性能をもち、安全性の高い軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物から成形された医療用器具を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、一般式(I)
【0005】
【化2】
【0006】
(ただし、一般式(I)中のR1およびR2はそれぞれ炭素数2〜18での飽和または不飽和の炭化水素であり、R3は炭素数4〜18の飽和または不飽和の炭化水素を示す)を有するアシル化リンゴ酸ジアルキルエステル5〜150重量部、および安定剤1〜20重量部を配合してなる樹脂組成物で作られた医療用器具である。また本発明は、一般式(I)中のR1およびR2が4、6、8、10、12の飽和または不飽和の炭化水素で、R3の炭素数が4〜12の飽和または不飽和の炭化水素であることを特徴とする医療用具である。また、本発明のアシル化リンゴ酸ジアルキルエステルがペンチリルリンゴ酸ジブチルエステル、ペンチリルリンゴ酸ジヘキシルエステル、ペンチリルリンゴ酸ジオクチルエステル、ペンチリルリンゴ酸ジ(2−エチル−ヘキシル)エステル、ペンチリルリンゴ酸ジデシルエステル、ペンチリルリンゴ酸ジドデシルエステル、ヘキシリルリンゴ酸ジブチルエステル、ヘキシリルリンゴ酸ジヘキシルエステル、ヘキシリルリンゴ酸ジオクチルエステル、ヘキシリルリンゴ酸ジ(2−エチル−ヘキシル)エステル、ヘキシリルリンゴ酸ジデシルエステル、ヘキシリルリンゴ酸ジドデシルエステル、ヘプチリルリンゴ酸ジブチルエステル、ヘプチリルリンゴ酸ジヘキシルエステル、ヘプチリルリンゴ酸ジオクチルエステル、ヘプチリルリンゴ酸ジ(2−エチル−ヘキシル)エステル、ヘプチリルリンゴ酸ジデシルエステル、ヘプチリルリンゴ酸ジドデシルエステル、オクチリルリンゴ酸ジブチルエステル、オクチリルリンゴ酸ジヘキシルエステル、オクチリルリンゴ酸ジオクチルエステル、オクチリルリンゴ酸ジ(2−エチル−ヘキシル)エステル、オクチリルリンゴ酸ジデシルエステル、オクチリルリンゴ酸ジドデシルエステル、ノニリルリンゴ酸ジブチルエステル、ノニリルリンゴ酸ジヘキシルエステル、ノニリルリンゴ酸ジオクチルエステル、ノニリルリンゴ酸ジ(2−エチル−ヘキシル)エステル、ノニリルリンゴ酸ジデシルエステル、ノニリルリンゴ酸ジドデシルエステル、デシリルリンゴ酸ジブチルエステル、デシリルリンゴ酸ジヘキシルエステル、デシリルリンゴ酸ジオクチルエステル、デシリルリンゴ酸ジ(2−エチル−ヘキシル)エステル、デシリルリンゴ酸ジデシルエステル、デシリルリンゴ酸ジドデシルエステル、ドデシリルリンゴ酸ジブチルエステル、ドデシリルリンゴ酸ジヘキシルエステル、ドデシリルリンゴ酸ジオクチルエステル、ドデシリルリンゴ酸ジ(2−エチル−ヘキシル)エステル、ドデシリルリンゴ酸ジデシルエステル、ドデシリルリンゴ酸ジドデシルエステルであることを特徴とする医療用器具である。また、本発明の安定剤がエポキシ化植物油、バリウム−亜鉛系およびカルシウム−亜鉛系安定剤を主成分とするものであることを特徴とする医療用器具である。また、本発明の成形物が血液バッグおよびチューブであることを特徴とする医療用器具である。
【0007】
本発明による医療用器具用樹脂組成物に使用される塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルの単独重合体の他に、塩化ビニルを70重量%以上、好ましくは85重量%以上含有する塩化ビニリデン等の他の単量体との共重合体の使用も可能である。また、その平均重合度は700〜3000、好ましくは1000〜2400である。さらに、塩化ビニルに対する共単量体としては、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、スチレン、ビニルトルエン、ビニルピリジン、アクリル酸、アルキルアクリレート(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなど)、メタクリル酸、アルキルメタクリレート(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなど)、アクリロニトリル、メタクリニトリルなどがある。また、塩化ビニル樹脂には、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メタクリロニトリル共重合体を配合する事もできる。
【0008】
可塑剤として使用されるアシル化リンゴ酸ジアルキルエステルは、一般式(I)で示されるもので、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して5〜150重量部、好ましくは40〜100重量部、さらに好ましくは50〜80重量部使用される。一般式(I)におけるR1およびR2はそれぞれ炭素数2〜18の飽和または不飽和の炭化水素、好ましくは炭素数が2、4、6、8、10、12の飽和または不飽和の炭化水素である。さらに好ましくは炭素数が4、6、8の飽和または不飽和の炭化水素である。すなわちR1またはR2の炭素数が1以下では可塑剤の溶出量が高くなり、一方R1またはR2の炭素数が19以上では可塑化効率が低いので十分な柔軟性を得るには過量の配合量を必要とし、塩化ビニル系樹脂との相溶性の点で劣る。また、R1およびR2は直鎖または側鎖でもよく、構造異性体を含むものである。
【0009】
また、一般式(I)におけるR3は炭素数が4〜18の飽和または不飽和の炭化水素、好ましくは炭素数が4〜12、さらに好ましくは炭素数が4〜10である。すなわち、R3の炭素数が4より小さいと、R1、R2とのバランスにもよるが、可塑剤の血液中での加水分解速度が早く、溶血を抑制するのに十分な可塑剤濃度(血中有効濃度)を維持できない。また、18より大きいと血液中に溶出する速度が遅く溶血を抑制するのに十分な可塑剤濃度(血中有効濃度)が得られなくなり、また、可塑化効率が悪く、柔軟なシートを得るには過量の可塑剤を使用しなくてはならない。
【0010】
これらのアシル化リンゴ酸ジアルキルエステルの合成法は特に特別の方法ではなく、リンゴ酸の酸のエステル化反応はリンゴ酸と2倍モル強に相当するアルコールを硫酸存在下で加熱して反応させた。反応生成物をカセイソーダで中和し、水洗した後、蒸留にて精製した。さらにリンゴ酸の水酸基のエステル化反応は、相当する酸無水物または酸クロライドを硫酸存在下で反応させた。反応生成物をカセイソーダで中和し、水洗した後、蒸留にて精製した。
【0011】
また、安定剤としては、エポキシ化合物、例えばエポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などのエポキシ化植物油、ジ−2−エチルヘキシルエポキシヘキサヒドロフタレート、ビニルシクロヘキサンジオキサイド、3、4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3、4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカーボネート、ジシクロペンタジエンジオキサイドなどのシクロヘキセンオキサイド誘導体やカルシウム、亜鉛、バリウム、マグネシウム、錫などとステアリン酸、ラウリン酸、リシノール酸、ナフテン酸、2−エチルヘキソイン酸などとの金属せっけん類、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸錫などあるいは前記エポキシ化合物と金属せっけん類との混合物が配合される。また、この他に、ジデシルフェニルホスファイトなどの亜リン酸エステル、ステアロイルベンゾメタンとパルミトイルベンゾイルメタンとの混合物のような有機系安定剤がある。その量は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して通常1〜20重量部、好ましくは2〜15重量部である。前記安定剤は、それぞれ単独でも使用可能であるが、前記エポキシ化合物と金属せっけん類、亜リン酸エステルまたは有機系安定剤と併用することが好ましい。前記エポキシ化合物は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して通常1〜15重量部、好ましくは5〜10重量部であり、エポキシ化大豆油が最も好ましい。また金属せっけん類、亜リン酸エステルまたは有機安定剤は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.01〜8重量部、好ましくは0.05〜5重量部であり、Ca−Zn系あるいはBa−Zn系金属せっけんが好ましい。
【0012】
アシル化リンゴ酸ジアルキルエステルが輸血等により血液中に投与されたときの毒性データは示されていないが、リンゴ酸自体は生体内にある物質であり、生体内に無いフタル酸構造を持つフタル酸エステルに比べて毒性が低いことが容易に推定できる。
【0013】
次に、図面を参照しながら、本発明の医療用器具の一例として、血液バッグを製造した場合について説明する。すなわち、図1は血液バッグを示すもので、複数個のピールタブ付き排出口1と排出口2を備えた本発明の樹脂組成物製の採血バッグ3は、その周縁部を高周波加熱あるいはその他の加熱手段により融着されており、該採血バッグの内部空間5に連通する本発明の樹脂組成物製の採血チューブ6が連結されている。この採血バッグの内部空間には、抗凝固剤としてCPD液などが収納されている。また、前記採血チューブ6の先端には、採血針7がとりつけられる。
【0014】
また、前記採血バッグ3の他に本発明の樹脂組成物製の子バッグを連結する場合には、ピールタブ付き排出口9を備えた本発明の樹脂組成物製の周縁部10を融着され、かつその内部空間11に連通する本発明の樹脂組成物製の連結チューブ12を備えた第1の子バッグ13が分岐管14を介して採血バッグ3の連結用排出口2に、連結部15により連結された連結チューブ16と連結される。また、ビールタブ付き排出口17を備えかつ周縁部18を高周波シールされ、その内部空間19に連通する本発明の樹脂組成物製の連結チューブ21を備えた本発明の樹脂組成物製の子バッグ22の前記連結チューブ21が分岐管14を介して連結チューブ12、16と連結される。
【0015】
以上は、血液バッグを例にとって説明したが、その他の血液保存容器、輸血システム用容器、血液回路用容器、輸液入りバッグ等あるいはカテーテルや透析用チューブなどの各種医用チューブや人工腎臓、人工肺、人工肝臓などの人工臓器、呼吸回路用チューブなどの呼吸回路装置関連器具などについても同様に使用できる。本発明の医療用器具としての用途は特に耐寒性が優れているので、血液等の凍結保存容器や血液バッグとして好適であり、さらに血液バッグおよびこれに接続されたチューブに用いた場合に効果が顕著であるが、要は体液・薬液等の液体や気体といった流体が該医療用器具に注入、排出もしくは保存されたり接触したりするものである場合、好適であり、本発明の目的に合致するものであれば特に限定されるものではない。
【0016】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【0017】
(実施例1〜4および比較例1〜2)
ポリ塩化ビニル(鐘ヶ淵化学社製S−1003;平均重合度1300)100重量部に対して表1に示す可塑剤および安定剤を、同表に示す割合で混合し、常法すなわち押し出し成形によって約0.4mm厚みのシートを得た。該シートの引張り物性、溶出物試験、安全性試験(細胞毒性試験)の結果を同表に示した。また、該シートを所定の形状に裁断した後、2枚を重ね合わせ、内表面積が約50平方センチメートルになるように高周波シールし試験用の血液バッグを作製した。このバッグを融封したのち高圧蒸気滅菌を施した所、実施例、比較例のいずれにも、顕著な変形は見られず、実用上問題なかった。
【0018】
このシート表裏合計6平方センチメートルの試験片をガラス製試験管中に入れた後に高圧蒸気滅菌(121℃20分)した。これにCPD加人全血5mlを無菌的に分注した後密栓し、4℃で42日間静置保存した。保存後1500rpm、10分、室温で遠心分離し、上澄の血漿中に含まれるヘモグロビンの濃度をシアンメトヘモグロビン法で測定し、これを保存中に生じた溶血の指標とした。結果を表1に示した。
【0019】
【表1】
【0020】
HDOM:ヘキシリルリンゴ酸ジオクチルエステル
ODOM:オクチリルリンゴ酸ジオクチルエステル
DDOM:ドデシリルリンゴ酸ジオクチルエステル
DDDM:デシリルリンゴ酸ジデシルエステル
ADOM:アセチルリンゴ酸ジオクチルエステル、
DnDP:フタル酸ジ−n−デシルエステル
【0021】
尚、引張り物性は、東洋精機製作所製ストログラフを用い、日本工業規格JISK−6301に準じて行い、ゴム3号ダンベルを引っ張り速度毎分200mm、23℃で測定した。溶出物試験は、厚生省公示第448号「塩化ビニル樹脂製血液セット基準」に準じて行い、合格・不合格を判断した。細胞毒性試験は、18平方センチメートルの検体シートと3mlのMEM培地(日本製薬社製)をスクリューバイアル瓶に入れ、121℃60分オートクレーブ処理を行って抽出液を得る。その液をHela−S3細胞に投与し、37℃2日間培養したのち顕微鏡で観察し、抽出液を投与していない空試験と比較して差のないものを陰性、細胞の増殖が妨げられていたもの、あるいは細胞が死滅したものを陽性とした。
【0022】
(実施例5〜8および比較例3〜4)
表2に示す各可塑剤をエタノールに溶解して50000ppm溶液とし、一種の可塑剤につき2本のガラス試験管を用意した。それぞれに10mMリン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)を4.90ml入れ、可塑剤エタノール溶液を50μl加え(可塑剤最終濃度500ppm)よく撹拌した。2本のうち1本にCPD加ヒト血漿50μlを加え、もう1本の試験管にはPBS50μlを加えて対照とした、両方の試験管を37℃でインキュベートした。
【0023】
240分経過後に500μlをサンプリングし、これにイソプロパノール5mlを加えてよく撹拌し、さらにジエチルエーテル5mlを加えて再度よく撹拌した後、遠心分離(2500rpm、10min)した。上層を取って30℃、窒素ガス下で溶媒を留去し、残渣を500μlの酢酸エチルに溶解させ、可塑剤残存量をガスクロマトグラフィーで定量した。その結果を可塑剤残存率として表2に示す。
【0024】
<ガスクロマトグラフィー条件>
・カラム : Silicone SE-30、 Chromosorb WAW DMCS 5%、 1.1m
・ヘリウムガス流速 : 60 ml/min
・検出器 : FID
・試料添加量 : 5μl
・カラム温度 : 200℃
【0025】
【表2】
【0026】
可塑剤残存率を示す表2より、血漿を添加しない対照においては、37℃4時間のインキュベーションでは、いずれの可塑剤もほとんど分解されていなかった(表2に示さず)。これに対し、血漿を添加した場合は、フタル酸エステル(比較例4)は、37℃240分のインキュベーションでは、ほとんど分解されなかったのに対し、アセチルリンゴ酸ジオクチルエステル(比較例3)では38%が分解されていた。一方、本発明のアシル化リンゴ酸ジアルキルエステル(実施例1〜4)では、フタル酸エステルより分解は早いが、比較例で示したリンゴ酸エステルより分解が遅いことがわかった。この結果は、分解されることによって、フタル酸エステルより安全性が高く、血液中に溶出後の本発明のアシル化リンゴ酸ジアルキルエステルの血中濃度は、長期間、高く維持される事を示唆している。
【0027】
【発明の効果】
本発明による医療用器具は、従来からの可塑剤であるフタル酸エステルに比べて、同様の物性(引張弾性)を持ち、同様の加工(押し出し成形、高周波シール、接着、滅菌など)が可能であり、しかも安全性が高いという効果があった。また、従来のリンゴ酸エステルに比べて、血液中での分解速度が遅いため長期にわたって血中濃度(血液中の可塑剤濃度)が維持され、溶血抑制効果を発揮できるという効果が見られた。さらに、血液バッグ用材料として使用された場合には、血液成分特に赤血球の保存性能が良く、しかも安全性が高いという効果があった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による血液バッグの一例を示す平面図。
【符号の説明】
1,2,9,17・・・排出口
3・・・採血バッグ
6,16,21・・・チューブ
7・・・採血針
13,22・・・子バッグ
Claims (2)
- 塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、ヘキシリルリンゴ酸ジオクチルエステル、ヘキシリルリンゴ酸ジ(2−エチル−ヘキシル)エステル、オクチリルリンゴ酸ジオクチルエステル、オクチリルリンゴ酸ジ(2−エチル−ヘキシル)エステル、デシリルリンゴ酸ジデシルエステル、ドデシリルリンゴ酸ジオクチルエステル、ドデシリルリンゴ酸ジ(2−エチル−ヘキシル)エステルのいずれかを5〜150重量部、および安定剤1〜20重量部を配合してなる樹脂組成物で作られた成形物からなることを特徴とする医療用器具。
- 前記安定剤は、エポキシ化植物油、バリウム−亜鉛系安定剤およびカルシウム−亜鉛系安定剤のうちのいずれか1つ以上を主成分とするものである請求項1に記載の医療用器具。
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