JPH039749B2 - - Google Patents

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JPH039749B2
JPH039749B2 JP60080409A JP8040985A JPH039749B2 JP H039749 B2 JPH039749 B2 JP H039749B2 JP 60080409 A JP60080409 A JP 60080409A JP 8040985 A JP8040985 A JP 8040985A JP H039749 B2 JPH039749 B2 JP H039749B2
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Japan
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vinyl chloride
chloride resin
medical device
peroxide
organic
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Teruko Umemoto
Yoshinori Oohachi
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Terumo Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、医療用具に関するものである。詳し
く述べると、放射線(γ線)滅菌が可能な医療用
具に関するものである。さらに詳しくは、放射線
滅菌が可能な塩化ビニル樹脂製の輸液セツト用チ
ユーブ等の医療用具に関するものである。 (従来技術) 塩化ビニル樹脂は、その優れた加工性、生理的
安全性、透明性、低価格等の点から、例えば血液
バツグ、輸液セツト、カテーテル等の医療用具用
樹脂として汎用されている。 従来、血液バツグ、輸液セツト、カテーテル等
の医療用具は、水蒸気等により加熱滅菌される
か、あるいはエチレンオキサイドガス等の滅菌剤
で滅菌処理を施したのち、同様に滅菌処理を施し
た包装容器に収容されるか、あるいは包装容器で
包装したのちに滅菌処理が施されている。しかし
ながら、加熱滅菌法の場合には、医療用具に高い
耐熱性を必要とし、また熱変形が小さいことが要
求されるという問題点があり、一方、エチレンオ
キサイドガス滅菌法の場合には、滅菌後の残留エ
チレンオキサイドの脱離に長時間を要するという
問題点がある。 最近、熱もしくは滅菌剤を使用しない滅菌方法
として、γ線の放射線による滅菌法が注目を浴び
ている。放射線滅菌法は、低温で行われるので材
料の耐熱性や変形の問題はなくかつ取扱方法の問
題もなくなるが、医療用具の素材によつては、材
質劣化をみるものや、有害副産物を発生するもの
もある。上述の塩化ビニル樹脂製、医療用具、例
えば、従来、一般に医用軟質塩化ビニル樹脂組成
物として用いられる、ポリ塩化ビニル100重量部
に、ジ−2−エチルヘキシルフタレート30〜80重
量部、カルシウム−亜鉛系金属せつけん安定剤
0.01〜5重量部、安定助剤としてのエポキシ化大
豆油約0〜10重量部およびその他必要に応じ滑剤
等を0〜5重量部程度配合してなる組成を有する
塩化ビニル樹脂製医療用具等に放射線(γ線)滅
菌を行うと、放射線(γ線)照射により塩化ビニ
ル樹脂が劣化し、経時的に着色が激しく医療用具
として不適なものとなる。 このような塩化ビニル樹脂の放射線照射による
着色の機構は、明らかでないが、一般に塩化ビニ
ル樹脂は熱、光または放射線の作用により脱塩酸
による分解反応を起こし、該分解反応が開始する
と連鎖的に脱塩酸を促進してつぎつぎに共役二重
結合のいわゆるポリエン構造を生じる(ジツパー
反応)ことが原因といわれており〔平山:日化
75、27、667(1954)〕、またこの共役ポリエンの鎖
長は(−CH=CH)−oで表現した場合n=7以上で
着色が発生することが知られている。[工化65、
3、100(1962)]。 このような塩化ビニル樹脂の熱、光おび放射線
による劣化性を改善するために、従来より多くの
研究がなされており、鉛、カドミウム等の重金属
の有機化合物を安定剤として添加することが効果
的であるとされている。しかしながら、これらの
重金属の有機化合物は毒性が強く、人間に有害で
あるため医療用具中には配合することができず、
現在、一般的には上記したように無毒性とされる
カルシウム、亜鉛等の金属せつけん系安定剤が配
合されたものが使用されている。 また有機系の安定剤として、例えばβ−アミノ
クロトン酸エステルが放射線劣化に対して効果的
であり、脱塩酸を少量におさえる報告[W.
Szyman′ski、G.S′mietan′ska、Journal of
Applied Polymer Science、19、1955(1975)]
があるが、β−アミノクロトン酸エステルを安定
剤として配合した塩化ビニル樹脂製医療用具は、
放射線滅菌されることによつて、該安定剤の無配
合のものよりも、その着色は強くなるとともに必
要な安定性基準として満足しなくなり、医療用具
としては不適である。また、着色防止に対して、
大きな効果をもつといわれる安定剤β−ジケトン
(カレンズDK−1、ローヌプーラン社(仏)製)
を配合した塩化ビニル樹脂製医療用具において放
射線滅菌した場合の着色状態は、該安定剤を配合
しない塩化ビニル樹脂製の医療用具と同じかある
いはむしろ着色が強くなる傾向にあり、放射線滅
菌される医療用具としては不適である。 このように、従来、良好に放射線滅菌ができる
塩化ビニル樹脂製医療用具は存在しなかつた。 発明の目的 したがつて、本発明の目的は、改良された医療
用具を提供することにある。本発明の他の目的
は、放射線滅菌が可能な医療用具を提供すること
にある。本発明のさらに別の目的は、安全性が高
くかつ放射線滅菌が可能な輸液セツト用チユーブ
等として好適な医療用具を提供することにある。 これらの諸目的は塩化ビニル樹脂100重量部に
対し有機過酸化物を0.05〜5.0重量部配合してい
ることを特徴とする塩化ビニル樹脂製の放射線滅
菌可能な医療用具により達成される。 本発明は有機過酸化物が一般式 R1−00−R2 () [ただし、R1、R2は水素原子または有機基であ
るが、R1、R2が同時に水素原子であることはな
い。]で表わされるものである医療用具を示すも
のである。 本発明は、また、有機過酸化物の分解温度が1
分間半減期で150℃以上のものである医療用具を
示すものである。本発明はさらに有機過酸化物が
ジアルキルペルオキサイド、ジアシルペルオキサ
イドおよびペルオキシエステルからなる群から選
ばれたいずれか1種のものまたはこれらの組合せ
である医療用具を示すものである。 発明の具体的説明 本発明による医療用具としては、血液バツグ等
の体液保存容器、カテーテル、輸血セツト、輸液
セツト、血液回路等の医療器具および該医療器具
用包装容器、錠剤等の薬剤包装容器等が考えられ
る。 本発明による医療用具の製造に使用される樹脂
組成物中の塩化ビニル樹脂としては、塩化ビニル
の単独重合体の他のポリ塩化ビニリデン、塩化ビ
ニルを40重量%以上、好ましくは65重量%以上、
最も好ましくは75重量%以上含有する他の共重合
し得る単量体との共重合等があり、その平均重合
度は400〜3000、好ましくは600〜2700、最も好ま
しくは800〜1700である。塩化ビニルに対する共
単量体としては、塩化ビニリデン、エチレン、プ
ロピレン、酢酸ビニル、臭化ビニル、弗化ビニ
ル、スチレン、ビニルトルエン、ビニルピリジ
ン、アクリル酸、アルキルアクリレート(例えば
メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソ
プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート等)、メタ
クリル酸、アルキルメタクリレート(例えば、メ
チルメタクリレート、エチルメタクリレート、2
−エチルヘキシルメタクリレート等)、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル等がある。また、
塩化ビニル樹脂には、スチレン−アクリロニトリ
ル共重合体、スチレン−メタクリロニトリル共重
合体を配合することができる。 しかして、本発明の医療用具の最大特徴は、塩
化ビニル樹脂に、有機過酸化物を配合することで
ある。驚くべきことに有機過酸化物を医療用具を
構成する塩化ビニル樹脂中に配合すると、該塩化
ビニル樹脂製医療用具の放射線(γ線)照射によ
る劣化性が著しく改善され、しかも該医療用具の
安全性面には何ら影響を及ぼすことがないことが
明らかとなつた。 塩化ビニル樹脂の放射線照射による着色の原因
は、上記したように、脱塩酸に始まるジツパー反
応により、共役ポリエンが生じることが原因とい
われており、また、共役ポリエンの鎖長は(−CH
=CH)−oで表現した場合n=7以上で着色が発生
するといわれている。このことから放射線照射後
の着色を解消するためには、(1)共役ポリエン鎖の
鎖長を長くならないようにする(すなわちn≦7
で共役ポリエン連鎖の生長を停止する。)、あるい
は(2)長くなつた共役ポリエン鎖の鎖長を短くする
(すなわちn<7の共役ポリエン連鎖中の二重結
合に付加反応を起こさせ、二つ以上のn≦7の連
鎖に分断する。)ことが肝要であり、このような
作用を行う物質を塩化ビニル組成物中に添加する
ことが極めて有効であると考えられる。このよう
な物質を得るため、本発明者らは鋭意研究の結
果、有機過酸化物が有効であることを見出した。 有機過酸化物が着色を軽減している反応機構は
明らかでないが、次のように推察される。すなわ
ち有機過酸化物は、比較的不安定な化合物である
ためγ線照射により容易に分解しラジカルとな
る。この有機過酸化物ラジカルが、連鎖形成途中
のポリエンの停止反応(上述(1)の作用)や、すで
に形成された二重結合への付加反応(上述(2)の作
用)等の反応を生じ、共役ポリエン連鎖長を短く
し、着色を大幅に低減したものと考えられる。 有機過酸化物は、通常熱、光ないしは放射線等
の作用で分解し、ラジカルを発生させて重合開始
剤あるいは架橋剤として使用されるものであり、
これを塩化ビニル樹脂組成物中に添加した場合、
ラジカルの発生により脱塩酸が起こり、劣化が促
進されるであろうことが予測されたが、驚くべき
ことに、塩化ビニル樹脂の放射線照射による劣化
反応、特にその着色に対しては、逆に安定剤とし
ての作用を持つことが明らかになつたものであ
る。 本発明の医療用具を構成する塩化ビニル樹脂組
成物中に配合される該有機過酸化物において、一
般式 R1−00−R2 () [ただしR1、R2は水素原子または有機基である
が、R1、R2が同時に水素原子であることはな
い。]で表わされる有機過酸化物が好ましい。 ここで、一般式におけるR1、R2とは上記の
ごとく水素原子または有機基であるが、該有機基
としては、例えば脂肪族炭化水素基、脂環式炭化
水素基、芳香族炭化水素基、アシル基等、さらに
は、これらの基の一部が、ヒドロペルオキシ基、
ジオキシ基等の特性基により置換されたものなど
が含まれる。しかして、一般式で表わされる有
機過酸化物としては具体的には、ジ−t−ブチル
ペルオキシド、ジ−t−アミルペルオキシド、t
−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキ
シド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−
3,α,α′−ビス(t−ブチルペルオキシイソプ
ロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t−ブチルペ
ルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シ
クロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルペルオ
キシ)オクタン、2,2−ビス(t−ブチルペル
オキシ)ブタン等のようなジアルキルペルオキシ
ド、m−トルオイルペルオキシド、ベンゾイルペ
ルオキシド、オクタノイルペルオキシド、デカノ
イルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ス
テアロイルペルオキシド、プロピオニルペルオキ
シド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイ
ルパ−オキシ)ヘキサン等のようなジアシルペル
オキシド、t−ブチルパーオキシマレエート、t
−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパー
オキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシ−
3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブ
チルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t
−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパー
オキシベンゾエート、n−ブチル−4,4−ビス
(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−
ブチルパーオキシイソフタレート等のようなペル
オキシエステル、ジペルオキシコハク酸等のよう
な過酸およびt−ブチルヒドロペルオキシド、ク
メンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼ
ンヒドロペルオキシド、P−メンタンヒドロペル
オキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジヒドロ
ペルオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5
−ジヒドロペルオキシヘキシン−3、ピネンハイ
ドロペキオキシド等のようなアルキルヒドロペル
オキシドなどが含まれる。 しかしながら、本発明の医療用具を構成する塩
化ビニル樹脂組成物中に配合される有機過酸化物
としては、一般式で表わされるものに限られる
ことなく、分子構造中にジオキシ基(−00−)を
有するものであればいずれでもよく、例えばフタ
ロイルペルオキシドのような環状のモノペルオキ
シドや、メチルエチルケトンペルオキシド、シク
ロヘキサノンペルオキシドのような環状のジペル
オキシドなどの有機過酸化物を配合してもよい。 これらの有機過酸化物は、医療用具を構成する
塩化ビニル樹脂組成物の塩化ビニル樹脂100重量
部に対し0.05〜5.0重量部、好ましくは0.1〜2.0重
量部添加される。すなわち0.05重量部未満である
と医療用具の放射線照射による劣化を阻止するの
に十分でなく、一方5.0重量部を越えると該有機
過酸化物のラジカルにより医療用具の劣化が促進
される虞れがあためである。 さらにこれらの有機過酸化物は好ましくは、そ
の分解温度が1分間半減期で150℃以上、さらに
好ましく180℃以上であることが望まれる。これ
は本発明の医療用具には、その成形加工の際例え
ば150〜190℃の温度がかけられるが、医療用具を
構成する塩化ビニル樹脂組成物中に含まれる有機
過酸化物が該成形加工温度において、完全に分解
してしまつては、医療用具の放射線滅菌時におい
て、塩化ビニル樹脂の劣化に対する阻止作用が望
めなくなるためであり、該形成加工温度において
は極力分解の少ないものが望まれるためである。 さらにまた、本発明の医療用具に添加される上
記のごとき有機過酸化物のうち、医療用具の安全
性の面から、難水溶性であるジアルキルペルオキ
シド、ジアシルペルオキシドおよびペルオキシエ
ステル等が好ましい。また使用の安全性の面から
衝撃摩擦や貯蔵の安全性が酸素量が望まれるので
使用する有機過酸化物は理論活性13.0以下のもの
が好ましい。 このような点から、本発明の医療用具を構成す
る塩化ビニル樹脂組成物中に添加される有機過酸
化物としてもつとも好ましいものとしては、例え
ば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチル
ペルオキシ)ヘキシン−3等があげられる。な
お、これらの有機過酸化物はコンパウンドの段階
で塩化ビニル樹脂組成物中に添加させ得るので、
医療用具の成形加工工程は従来の工程と何ら変わ
りないものである。 本発明の医療用具を構成する塩化ビニル樹脂組
成物中には、塩化ビニル樹脂および有機過酸化物
の他に可塑性を塩化ビニル樹脂100重量部に対し
て0〜200重量、好ましくは5〜100重量部、最も
好ましくは10〜80重量部配合されている。該可塑
剤としては、ジブチルフタレート(DBP)、ジヘ
キルフタレート(DHP)、ジ−2−エチルヘキシ
ルフタレート(DOP)、ジ−2−オクチルフタレ
ート(DnOP)、ジイソオクチルフタレート
(DIOP)、ジヘプチルフタレート、ジデシルフタ
レート(DDP)、ジイソデシルフタレート
(DIDP)、オクチルデシルフタレート、ブチルベ
ンジルフタレート(BBP)等のフタル酸エステ
ル類、トリブチルトリメリテート、トリオクチル
トリメリテート等のトリメリツト酸エステル類、
ジオクチルアジペート(DOA)、ジオクチルアゼ
レート(DOZ)、ジオクチルセバケート(DOS)
等の脂肪族多塩基酸エステル類、トリクレジルホ
スフエート(TCP)、トリキシレニルホスフエー
ト(TXP)、モノオクチルジフエニルホスフエー
ト(Santicizer141)、モノブチルジキシレニルホ
スフエート、(B−2−X)、トリオクチルホスフ
エート(TOF)類のリン酸エステル類、トリブ
チルアセチルシトレート、トリオクチルアセチル
シトレート、トリブチルシトレート等のクエン酸
エステル類、ブチルフタリルブチルグリコレート
(BPBG)等一般に塩化ビニル樹脂用として使用
できるものであればいずれも使用できるが、好ま
しくはフタル酸ジアルキルエステル(各アルキル
基の炭素数は6〜13である。)である。これらの
化合物のアルキル基の炭素数が6以下であると毒
性の心配があり、また13以上になると塩化ビニル
樹脂への混練性が悪くなるためである。また該ア
ルキル基は直鎖状のものであることが安全性の面
から好ましい。なお、それぞれのアルキル基は同
一である必要はなくそれぞれ鎖長の異なるアルコ
ール混合物のエステルであることはいつこうに差
つかえない。 さらに同様のアルキル基をもつエポキシヘキサ
イドフタル酸ジアルキルエステルも可塑剤として
好ましく使用される。 さらに、本発明の医療用具を構成する塩化ビニ
ル樹脂組成物中には、必要によりカルシウム、亜
鉛等とステアリン酸、ラウリン酸、リシノール
酸、ナフテン酸等との金属せつけん類などの安定
剤や、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等
のエポキシ化植物油などの安定助剤、滑剤、その
他の酸化防止剤が配合されている。前記可塑剤と
しては従来知られている高分子重合体による可塑
剤、例えばポリクロロプレン樹脂、熱可塑剤ポリ
ウレタン樹脂等をポリマーブレンドの手法で使用
することも可能である。 なお、本発明による医療用具の滅菌に使用され
る放射線としてはガンマ線、電子線等の電磁放射
線があり、好ましくはガンマ線であり、その照射
強度は1〜5Mrad、好ましくは1.5〜3Mradであ
る。 つぎに、図面を参照しながら、輸液セツトを例
にとり本発明による医療用具の一実施態様を説明
する。すなわち、図面は、輸液セツトを示すもの
で、プロピレン−α−オレフイン共重合体を射出
成形して製造された軟質かつ透明な筒状部1の開
口部の先端部附近に形成されたフランジ部2に、
ポリプロピレン等を射出成形して製造された硬質
キヤツプ部3の開口部先端附近に形成されたフラ
ンジ部4を当接し、該フランジ部4側より超音波
ウエルダーの振動子(図示せず)を作動させて超
音波融着を行うことにより点滴筒が形成される。
なお該キヤツプ部には瓶針5が一体的に形成され
ており、該瓶針は5は必要により保護用キヤツプ
6がかぶせられる。また前記軟質透明筒状部1の
一端にはポート7が形成され、該ポート7には医
療用液体を搬送させるための前記塩化ビニル樹脂
組成物製の柔軟チユーブ8が連結されている。こ
の柔軟チユーブ8の先端には、必要によりゴム製
軟質コネクタ9および硬質材料によるコネクタ1
0が連結され、コネクタ10の先端には必要によ
り静脈への刺通針11が連結され刺通針11には
必要により保護用キヤツプ12がかぶせられる。
またその中間部には必要によりクレンメ13が取
付けられており、該柔軟チユーブ8のクランプを
行うように構成されている。 以上は輸液セツトを例にとつて説明したが、そ
の他血液バツグ、血液回路、血液保存容器、輸血
システム、輸液システム、カテーテル、透析用チ
ユーブ等についても同様に使用できる。これらの
うちチユーブ類、カテーテル類等、特に輸液セツ
トのチユーブである場合、特に好適な結果が得ら
れる。 つぎに実施例をあげて本発明をさらに詳細に説
明する。 実施例1〜3および比較例1 平均重合度1250のポリ塩化ビニル100重量部に
対し有機過酸化物として2,5−ジメチル−2,
5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−(3)
(パーヘキシン2.5B、(株)日本油脂製)または2,
5−ジメチル−2,5−ジヒドロペルオキシヘキ
サン(パーヘキサ25H、(株)日本油脂製)、可塑剤
としてジ−2−エチルヘキシルフタレート
(DOP)、安定剤としてカルシウム−亜鉛系複合
安定剤およびエポキシ化大豆油をそれぞれ第1表
に示す重量部、およびその他通常医療用具に用い
られる滑剤等の添加剤を適量添加し、成形温度約
170℃で内径2mm、肉厚0.6mmのチユーブ状医療用
具に成形した。 得られたチユーブ状医療用具に2.0Mradのガン
マ線を照射した後、1年間室温にて保存した後、
着色の度合を500nmと390nmにおける可視光の
吸収度により測定した。結果を第2表に示す。な
お、ガンマ線照射前の500nmの吸収度は0.05、
390nmの吸収度は0.06であつた。 さらにガンマ線照射後のチユーブ状医療用具に
対して厚生省告示輸液セツト基準に準じる溶出物
試験および第十改正日本薬局方、一般試験法、
42、輸液用プラスチツク容器試験法に準じる溶血
毒性試験を行なつた、結果第3表に示す。
【表】 豆油
【表】
【表】 溶出物試験 適 適 適 適
溶血毒性試験 適 適 適 適
第2表からも明らかなように有機過酸化物を添
加した実施例1〜3と無添加の比較例との間では
可視光の吸収の差が15〜30%あり、着色が15〜30
%軽減される。また一般に製品の保証期間は2〜
3年とされるがこの期間内に比較例のものは黄色
から赤褐色へと経時的に変色するが、実施例1〜
3のものはわずかに黄変するのみであることが観
察された。 発明の具体的効果 以上述べたように本発明は、塩化ビニル樹脂
100重量部に対し有機過酸化物を0.05〜5.0重量部
配合されていることを特徴とする塩化ビニル樹脂
製の医療用具であるから放射線滅菌を行なつても
経時的に着色したりせず、かつ溶出試験、溶血毒
性試験等の安全基準にも合格する極めて優れた放
射線滅菌可能な医療用具である。 これらの効果は、有機過酸化物が一般式で表
わされるものである場合また有機過酸化物の分解
過度が1分間半減期で150℃以上のものである場
合、さらには、有機過酸化物がジアルキルペルオ
キシド、ジアシルペルオキシドおよびペルオキシ
エステルからなる群から選ばれたいずれか1種の
ものまたはこれらの組合せである場合には、一段
と優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明による医療用具の一実施例を用
いた輸液セツトを示す正面図である。 1……筒状部、3……硬質キヤツプ部、5……
瓶針、7……ポート、8……柔軟チユーブ、9…
…硬質コネクタ、10……コネクタ、11……刺
通針、13……クレンメ。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 塩化ビニル樹脂100重量部に対し有機過酸化
    物を0.05〜5.0重量部配合していることを特徴と
    する塩化ビニル樹脂製の放射線滅菌可能な医療用
    具。 2 有機過酸化物が一般式 R1−00−R2 () [ただしR1、R2は水素原子または有機基である
    が、R1、R2が同時に水素原子であることはな
    い。] で表わされるものである特許請求の範囲第1項に
    記載の医療用具。 3 有機過酸化物の分解温度が1分間半減期で
    150℃以上のものである特許請求の範囲第1項ま
    たは第2項に記載の医療用具。 4 有機過酸化物がジアルキルペルオキシド、ジ
    アシルペルオキシドおよびペルオキシエステルか
    らなる群から選ばれたいずれか1種のものまたは
    これらの組み合わせである特許請求の範囲第1項
    〜第3項のいずれかに記載の医療用具。
JP60080409A 1985-04-17 1985-04-17 医療用具 Granted JPS61240959A (ja)

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