JP3447391B2 - 医療用器具 - Google Patents

医療用器具

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な医療用器具に関
するもので、詳しく述べると、安全性の高い新規な医療
用器具に関するものである。さらに詳しく述べると、血
液および血液成分の保存性能を維持しつつ、かつ安全性
の高い血液バッグに関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、医療用器具、特に輸血用の血液の保
存容器としては、おもに赤血球の損傷を少なくするた
め、硬いガラス容器から柔軟なポリ塩化ビニル製のソフ
トバッグに変更されてきた。その柔軟な軟質ポリ塩化ビ
ニル製の血液バッグは、その加工性、柔軟性、透明性、
低水蒸気透過性、耐熱性などの良好さの故にますます使
用されてきている。
【0003】これらの軟質ポリ塩化ビニルは、可塑剤と
してフタル酸エステルが30〜60重量部含まれてい
る。そのフタル酸エステル等の可塑剤は血液保存時に経
時的に血液中に溶出し、血液成分である各種細胞の、特
に赤血球の表面の細胞膜を保護するという肯定的な作用
が知られていた。またフタル酸エステルは輸血によって
体内に送り込まれたときにその安全性を心配する声があ
った。
【0004】そのため、フタル酸より安全性の高いリン
ゴ酸を骨格とするリンゴ酸エステル誘導体を可塑剤とし
て使用することが考えられるが、溶出した可塑剤が血液
中で分解されやすいため、長期間には溶血抑制効果が不
十分である。また、血液中での分解速度を遅くし溶血抑
制効果を維持したエステル鎖長を長くした構造のリンゴ
酸エステルが考えられるが、エステル鎖長を長くすると
可塑化効率が悪くなる。
【0005】従って、溶血抑制効果と可塑化効率のバラ
ンスを取れた軟質ポリ塩化ビニル製の医療用器具、特に
血液バッグが望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、従
来から医療用軟質ポリ塩化ビニルに用いている可塑剤の
ジ(2−ジエチルヘキシル)フタレート(DEHP)と
同等以上の可塑化効率を維持し、また、長期に亘ってD
EHPと同等以上の赤血球膜保護効果を有し、さらにD
EHPより安全性が高い可塑剤を選定することによっ
て、従来と同等以上の血液保存性能をもち、安全性の高
い軟質ポリ塩化ビニル樹脂組成物から成形された医療用
器具を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記構成に
より解決される。 (1)塩化ビニル系樹脂100重量部に対して、一般式
(I)
【0008】
【化2】
【0009】(ただし、一般式(I)中のR1およびR2
はそれぞれ炭素数2〜18の飽和または不飽和の炭化水
素であり、R3は2級炭素または3級炭素を含む炭化水
素を示す)を有するアシル化リンゴ酸ジアルキルエステ
ルを5および150重量部、および安定剤1ないし20
重量部を配合してなる樹脂組成物で作られた成形物から
なる医療用器具。
【0010】(2)一般式(I)のR1およびR2の炭素
数が4〜10である(1)記載の医療用器具。
【0011】(3)一般式(I)のR3がiso−プロピ
ル、iso−ブチル、iso−ペンチル、iso−ヘキシル、iso
−ヘプチル、1−エチルペンチル、tert−ブチル、tert
−ペンチル、tert−ヘキシルである(1)または(2)
に記載の医療用器具。
【0012】(4)前記安定剤がエポキシ化植物油およ
びカルシウム−亜鉛系安定剤またはバリウム−亜鉛系安
定剤を主成分とする(1)〜(3)に記載の医療用器
具。
【0013】(5)前記成形物がチューブおよび血液バ
ッグである(1)〜(4)に記載の医療用器具。
【0014】本発明による医療用器具用樹脂組成物に使
用される塩化ビニル系樹脂としては、塩化ビニルの単独
重合体の他に、ポリ塩化ビニリデンや塩化ビニルを70
重量%以上、好ましくは85重量%以上含有する他の共
重合し得る単量体との共重合が好ましく、その平均重合
度は700〜3000、好ましくは1000〜2400
である。また、塩化ビニルに対する共単量体として、塩
化ビニリデン、エチレン、プロピレン、酢酸ビニル、臭
化ビニル、フッ化ビニル、スチレン、ビニルトルエン、
ビニルピリジン、アクリル酸、アルキルアクリレート
(例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、
イソプロピルアクリレート、nーブチルアクリレート、
2ーエチルヘキシルアクリレートなど)、メタクリル
酸、アルキルメタクリレート(例えば、メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、2ーエチルヘキシルメ
タクリレートなど)、アクリロニトリル、メタクリニト
リルなどがある。また、塩化ビニル樹脂には、スチレン
ーアクリロニトリル共重合体、スチレンーメタクリロニ
トリル共重合体を配合する事もできる。
【0015】可塑剤として使用されるアシル化リンゴ酸
ジアルキルエステルは、一般式(I)で示されるもの
で、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して5〜150
重量部、好ましくは25〜100重量部、さらに好まし
くは35〜75重量部使用される。一般式(I)におけ
るR1およびR2はそれぞれ炭素数2〜18の飽和または
不飽和の炭化水素、好ましくは炭素数が2、4、6、
8、10の飽和または不飽和の炭化水素である。すなわ
ち炭素原子数1以下では可塑剤の溶出量が高くなりす
ぎ、一方炭素原子数19以上では可塑化効率が低いので
十分な柔軟性を得るには過量の配合量を必要とし、塩化
ビニル系樹脂との相溶性の点で劣る。また、R1および
2は直鎖状または側鎖を持つものでもよく、構造異性
体を含むものである。一般式(I)におけるR3は2級炭
素または3級炭素を含む炭化水素、好ましくは、iso−
プロピル、iso−ブチル、iso−ペンチル、iso−ヘキシ
ル、iso−ヘプチル、1−エチルペンチル、tert−ブチ
ル、tert−ペンチル、tert−ヘキシルである。すなわ
ち、R3が2級炭素または3級炭素を含まない炭化水
素、つまり直鎖状の炭化水素であると、R3の嵩高さが
小さいためR3の隣のエステル基の加水分解が早すぎる
ため、血中に溶出しても溶血抑制効果を得るための血中
濃度を維持することができない、またアシル化リンゴ酸
ジアルキルエステル分子全体の嵩高さが小さいため可塑
化効率があまり高くない。
【0016】これらのアシル化リンゴ酸ジアルキルエス
テルの合成法は特別の方法である必要はない。以下にそ
の一例を示す。リンゴ酸あるいはその誘導体と、2倍モ
ル強のR1ないしR2に相当するアルコールを硫酸存在下
加熱して反応させた。反応生成物をカセイソーダで中和
し、水洗した後、蒸留にて精製した。リンゴ酸の水酸基
との反応は、リンゴ酸あるいはその誘導体とR3に相当
する酸無水物を硫酸存在下反応させた。あるいはR3
相当する酸クロライドをピリジン存在下反応させた。反
応生成物をカセイソーダあるいは弱酸で中和し、水洗し
た後、蒸留あるいはカラムクロマトグラフィーにて精製
した。
【0017】また、安定剤としては、エポキシ化合物、
例えばエポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などのエ
ポキシ化植物油、ジ−2−エチルヘキシルエポキシヘキ
サヒドロフタレート、ビニルシクロヘキサンジオキサイ
ド、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチ
ル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカー
ボネート、ジシクロペンタジエンジオキサイドなどのシ
クロヘキセンオキサイド誘導体やカルシウム、亜鉛、バ
リウム、マグネシウム、錫などとステアリン酸、ラウリ
ン酸、リシノール酸、ナフテン酸、2−エチルヘキソイ
ン酸などとの金属せっけん類、例えばステアリン酸カル
シウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラ
ウリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マ
グネシウム、ステアリン酸錫などあるいは前記エポキシ
化合物と金属せっけん類との混合物が配合される。ま
た、この他に、ジデシルフェニルホスファイトなどの亜
リン酸エステル、ステアロイルベンゾメタンとパルミト
イルベンゾイルメタンとの混合物のような有機系安定剤
がある。
【0018】安定剤の量は、塩化ビニル系樹脂100重
量部に対して通常1〜20重量部、好ましくは2〜15
重量部である。前記安定剤は、それぞれ単独でも使用可
能であるが、前記エポキシ化合物と金属せっけん類、亜
リン酸エステルまたは有機系安定剤と併用することが好
ましい。前記エポキシ化合物は、塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対して通常1〜15重量部、好ましくは5〜
10重量部出あり、エポキシ化大豆油が最も好ましい。
また金属せっけん類、亜リン酸エステルまたは有機安定
剤は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して0.01
〜8重量部、好ましくは0.05〜5重量部であり、C
a−Zn系あるいはBa−Zn系金属せっけんが好まし
い。
【0019】リンゴ酸ジアルキルエステルが輸血等によ
り血液中に投与されたときの毒性データは示されていな
いが、リンゴ酸自体は生体内にありふれた物質であり、
生体内に無いフタル酸構造を持つフタル酸エステル系の
DEHPに比べて毒性が低いことが容易に推定できる。
【0020】次に、図面を参照しながら、本発明の医療
用器具の一例として、血液バッグを製造した場合につい
て説明する。すなわち、図1は血液バッグを示すもの
で、複数個のピールタブ付き排出口1および排出口2を
備えた本発明の樹脂組成物製の採血バッグ3は、その周
縁部4が高周波加熱あるいはその他の加熱手段により融
着されており、該採血バッグの内部空間5に連通する本
発明の樹脂組成物製の採血チューブ6が連結されてい
る。この採血バッグの内部空間5には、抗凝固剤として
CPD液などが収納されている(図示せず)。また、前
記採血チューブ6の先端には、採血針7がとりつけられ
る。
【0021】また、前記採血バッグ3の他に本発明の樹
脂組成物製の子バッグ13、22を連結する場合には、
ピールタブ付き排出口9を備えた本発明の樹脂組成物製
の周縁部10が融着され、かつその内部空間11に連通
する本発明の樹脂組成物製の連結チューブ12を備えた
第1の子バッグ13が分岐管14を介して採血バッグ3
の連結用排出口2に、先端の連結部15により連結され
た連結チューブ16と連結される。また、ピールタブ付
き排出口17を備えかつ周縁部18を高周波シールさ
れ、その内部空間19に連通する本発明の樹脂組成物製
の連結チューブ21を備えた本発明の樹脂組成物製の子
バッグ22の前記連結チューブ21が分岐管14を介し
て連結チューブ12、16と連結される。
【0022】以上は、血液バッグを例にとって説明した
が、その他の血液保存容器、輸血システム用容器、血液
回路用容器、輸液入りバッグ等あるいはカテーテルや透
析用チューブなどの各種医用チューブや人工腎臓、人工
肺、人工肝臓などの人工臓器、呼吸回路用チューブなど
の呼吸回路装置関連器具などについても同様に使用でき
る。本発明の医療用器具としての用途は特に耐寒性が優
れているので、血液等の凍結保存容器や血液バッグとし
て好適であり、さらに血液バッグおよびこれに接続され
たチューブに用いた場合に効果が顕著であるが、要は体
液・薬液等の液体や気体といった流体が該医療用器具に
注入、排出もしくは保存されたり接触したりするもので
ある場合、好適であり、本発明の目的に合致するもので
あれば特に限定されるものではない。
【0023】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説
明する。また特性については、下記方法によって測定し
た。
【0024】(1)引張り試験 東洋精機製作所製ストログラフを用い、日本工業規格J
ISK6301に準じて行い、ゴム3号ダンベルを引っ
張り速度毎分200mm、23℃で測定した。
【0025】(2)溶出物試験 厚生省公示第448号「塩化ビニル樹脂製血液セット基
準」に準じて行い、合格・不合格を判断した。
【0026】(3)安全性試験(細胞毒性試験) シート表裏合計18cm2の試験片と3mlのMEM培
地(日本製薬社製)をスクリューバイアル瓶に入れ、1
21℃60分オートクレーブ処理を行って抽出液を得
る。その液をHela−S3細胞に投与し、37℃2日
間培養したのち顕微鏡で観察をし、抽出液を投与してい
ない空試験と比較して差のないものを陰性、細胞の増殖
が妨げられるあるいは細胞が死滅したものを陽性とし
た。
【0027】(4)溶血試験(42日間の血漿ヘモグロ
ビン量) シート表裏合計6cm2の試験片をガラス製試験管中に
入れた後に高圧蒸気滅菌(121℃20分)した。これ
にCPD加人全血5mlを無菌的に分注した後密栓し、
4℃で42日間静置保存した。保存後1500rpm、
10分室温で遠心分離して得た上澄の血漿中に含まれる
ヘモグロビンの濃度をシアンメトヘモグロビン法で測定
し、これを保存中に生じた溶血の指標とした。
【0028】(実施例1〜5および比較例1〜2)ポリ
塩化ビニル(鐘ヶ淵化学社製S−1003;平均重合度
1300)100重量部に対して表1に示す可塑剤およ
び安定剤を、表1に示す割合で混合し、常法すなわち押
し出し成形によって約0.4mm厚みのシートを得た。
該シートの引張り試験、溶出物試験、安全性試験、溶血
試験を行い結果を表1に示した。また、該シートを図1
に示すように所定の形状に裁断した後2枚を重ね合わ
せ、内表面積が約50cm2になるように高周波シール
によって試験用の血液バッグ3を作製した。この血液バ
ッグ3の採血チューブ6および連結チューブ12を切断
融封したのち高圧蒸気滅菌を施したところ、実施例、比
較例のいずれのものも顕著な変形は見られず、実用上問
題ないことがわかった。
【0029】
【表1】
【0030】i−BDOM:iso−ブチリルリンゴ酸
ジオクチルエステル、(一般式(I)のR1=R2=オク
チル基、R3=iso−プロピル基) i−BDHM:iso−ブチリルリンゴ酸ジヘキシルエ
ステル、(一般式(I)のR1=R2=ヘキシル基、R3
iso−プロピル基) t−PDOM:tert−ペンチリルリンゴ酸ジオクチ
ルエステル、(一般式(I)のR1=R2=オクチル基、
3=tert−ブチル基) 2EHDOM:2−エチルヘキシリルリンゴ酸ジオクチ
ルエステル、(一般式(I)のR1=R2=オクチル基、
3=1−エチルペンチル基) nBDOM:n−ブチリルリンゴ酸ジオクチルエステル
(一般式(I)のR1=R2=オクチル基、R3=n−プロ
ピル基) DnDP:フタル酸ジ−n−デシルエステル
【0031】(実施例6〜9および比較例3〜4)表2
に示す各可塑剤をエタノールに溶解して50000pp
m溶液とし、一種の可塑剤につき2本のガラス試験管を
用意した。それぞれに10mMリン酸緩衝生理食塩水
(PBS、pH7.4)を4.90ml入れ、可塑剤エ
タノール溶液を50μl加え(可塑剤最終濃度500p
pm)よく撹拌した。2本のうち1本はCPD加ヒト血
漿50μlを加え、もう1本の試験管にはPBS50μ
lを加え対照とし、両方の試験管を37℃でインキュベ
ートした。
【0032】4時間(条件1)あるいは24時間(条件
2)経過後に500μlをサンプリングし、これにイソ
プロパノール5mlを加えよく撹拌し、さらにジエチル
エーテル5mlを加えて再度よく撹拌した後、遠心分離
(250rpm、10分)した。上層を取って30℃、
窒素ガス下で溶媒を留去し、残渣を500μlの酢酸エ
チルに溶解させ、可塑剤残存量をガスクロマトグラフィ
ーで定量した。その結果から可塑剤残存率1(条件1)
および残存率2(条件2)を求め表2に示した。
【0033】<ガスクロマトグラフィー条件> ・カラム:Silicone SE-30、Chromosorb WAW DMCS 5%、
1.1m ・ヘリウムガス流量:60ml/min. ・検出器:FID ・試料添加量:5μl ・カラム温度:200℃
【0034】
【表2】
【0035】血漿を添加しない対照においては、37℃
4時間のインキュベーションでは、いずれの可塑剤もほ
とんど分解されていなかった(表2に示さず)。これに
対し、表2に示した血漿を添加した場合は、フタル酸エ
ステル(比較例4)は、37℃4時間のインキュベーシ
ョンでは、ほとんど分解されなかったのに対し、n−ブ
チリルリンゴ酸ジオクチル(比較例3)では4時間(条
件1)で27%、24時間(条件2)で76%が分解さ
れていた。一方、本発明のアシル化リンゴ酸エステル
(実施例6〜9)では、4時間(条件1)ではフタル酸
エステル(比較例4)と同等の残存率を示したが、24
時間(条件2)ではフタル酸エステル(比較例4)より
分解は早いが、比較例3に示したリンゴ酸エステルより
分解が遅いことがわかった。従って、本発明のアシル化
リンゴ酸エステルは分解されることによってフタル酸エ
ステルより安全性が高いとともに、血液中に溶出後の本
発明のアシル化リンゴ酸ジアルキルエステルの血中濃度
は、長時間、高く維持されていた。
【0036】
【発明の効果】本発明による医療用器具は、塩化ビニル
系樹脂100重量部に対して一般式(I)で示されるリ
ンゴ酸ジアルキルエステルを5〜150重量部、安定剤
1〜20重量部配合してなる樹脂組成物で成形したの
で、従来からの可塑剤であるDEHPと同様の物性(柔
軟性など)を持ち、同様の加工方法(押し出し成形、高
周波シール、接着、滅菌など)が行える。しかも本発明
の医療用器具に用いられている可塑剤は、リンゴ酸のア
ルコール部に対するアルキルエステルが分岐しているた
め、血液中に溶出した場合の分解速度が遅く、血液中の
溶出濃度を維持できるため、溶血抑制効果を長期に亘っ
て維持することができる。そのため、血液バッグ用材料
として使用された場合には、血液成分特に赤血球の保存
性能が良く、しかも安全性が高いという効果があった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による医療用器具の一実施例を示す正面
図である。
【符号の説明】
1,2,9,17 排出口 3 採血バッグ 4,10,18 周縁部 5 採血バックの内部空間 6 採血チューブ 7 採血針 11,19 子バッグの内部空間 12,16,21 連結チューブ 13,22 子バッグ 14 分岐管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 27/06 C08K 5/15 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 15/00 - 33/18 A61J 1/10 C08K 3/00 - 13/08 CAPLUS(STN) REGISTRY(STN) JSTPlus/JMEDPlus(J OIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
    て、一般式(I) 【化1】 (ただし、一般式(I)中のR1およびR2はそれぞれ炭
    素数2〜18の飽和または不飽和の炭化水素であり、R
    3は2級炭素または3級炭素を含む炭化水素を示す)を
    有するアシル化リンゴ酸ジアルキルエステルを5ないし
    150重量部、および安定剤1ないし20重量部を配合
    してなる樹脂組成物で作られた成形物からなることを特
    徴とする医療用器具。
  2. 【請求項2】 前記一般式(I)のR1およびR2の炭素
    数が4〜10である請求項1に記載の医療用器具。
  3. 【請求項3】 前記一般式(I)のR3は、iso−プロピ
    ル、iso−ブチル、iso−ペンチル、iso−ヘキシル、iso
    −ヘプチル、1−エチルペンチル、tert−ブチル、tert
    −ペンチル、tert−ヘキシルである請求項1または2に
    記載の医療用器具。
  4. 【請求項4】 前記安定剤は、エポキシ化植物油および
    カルシウム−亜鉛系安定剤またはバリウム−亜鉛系安定
    剤を主成分とする請求項1ないし3のいずれかに記載の
    医療用器具。
  5. 【請求項5】 前記成形物は、血液バッグである請求項
    1ないし4のいずれかに記載の医療用器具。
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