JPH08188687A - エラストマー組成物及び医療用容器 - Google Patents

エラストマー組成物及び医療用容器

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JPH08188687A
JPH08188687A JP7262068A JP26206895A JPH08188687A JP H08188687 A JPH08188687 A JP H08188687A JP 7262068 A JP7262068 A JP 7262068A JP 26206895 A JP26206895 A JP 26206895A JP H08188687 A JPH08188687 A JP H08188687A
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JP
Japan
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copolymer
weight
elastomer composition
methylpentene
units
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Withdrawn
Application number
JP7262068A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Masubuchi
徹夫 増渕
Masatoshi Watanabe
正年 渡邉
Shunji Ichikawa
俊二 市川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
SB Kawasumi Laboratories Inc
Original Assignee
Kawasumi Laboratories Inc
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Kawasumi Laboratories Inc, Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kawasumi Laboratories Inc
Priority to JP7262068A priority Critical patent/JPH08188687A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記の(a)、(b)、(c)、(d)の混
合物からなるエラストマー組成物及び該エラストマー組
成物からなる医療用容器。 (a)ポリ(メチルペンテン)または、メチルペンテン
とα−オレフィンとの共重合体50〜90重量%、
(b)スチレンの単独重合体ブロックとブタジエンの単
独重合体ブロックとからなる共重合体の水素添加誘導体
5〜50重量%、(c)ポリプロピレンまたは、プロピ
レンを主体とする共重合体5〜30重量%、(d)エチ
レン共重合体5〜50重量%。 【効果】 柔軟性と耐熱性のバランスに優れている。特
に高い応力特性、耐熱性、透明性、安全性を利用して高
温殺菌の必要な食品包装材、医療用基材の用途に適して
いる。とりわけ血小板の長期保存が可能な医療用容器と
して好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性、耐熱性、
強度、透明性、成形性に優れた熱可塑性エラストマー組
成物及びその組成物からなる血液バッグ、血小板保存用
バッグ、血液成分用バッグ、輸液・薬液バッグ、人工透
析液用バッグ等の医療用容器に関する。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】従来、食
品包装材、医療用基材において軟質塩化ビニル樹脂を主
体とする組成物を成形加工した成形物が使用されてい
る。この軟質塩化ビニル樹脂は、柔軟性、透明性に優
れ、耐熱性においても100℃以上の高温殺菌が可能で
あるという利点を有している。しかし、軟質塩化ビニル
樹脂は、可塑剤(ジ−2−エチルヘキシルフタレート
等)が多量に添加されており可塑剤が溶出し衛生上の問
題を生じる恐れがあった。また、軟質塩化ビニル樹脂に
替えて柔軟で透明な成形物を得る組成物としてLDP
E、エチレン−アクリレート共重合体、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体等が使用されているが、耐熱性に劣り、1
00℃以下の温度で軟化してしまい高温殺菌ができない
という問題点がある。
【0003】一方、スチレン−ブタジエン−ブロック共
重合体、スチレン−イソプレン共重合体等のスチレン系
エラストマーは、柔軟性、透明性、強度に優れるが、耐
熱性は充分ではなく100℃以下で軟化してしまうとい
う問題点を有する。そこで上記スチレン系エラストマー
を改良した水素添加誘導体(以下水添ブロック共重合
体)を用いたエラストマー組成物に関し、いくつかの報
告がなされている。例えば、特開平4−220449号
公報には、柔軟性、透明性、耐熱性及び食品用包装材、
医療用基材としての安全性、衛生性の問題を解決したエ
ラストマー組成物が提案されているが、クリープ特性
(材料に応力が加わった時に経時的に変形する性質)と
柔軟性のバランスが充分とはいえず、高荷重時に変形が
起こり、食品包装材、医療用基材に使用された場合、内
容物の重量により経時的に変形してしまうという問題点
を有していた。
【0004】医療用容器としては、血液、血漿、血小板
等の血液成分を保存したり運搬したりするために血液バ
ッグ、血小板保存用バッグが使用されている。これらの
バッグは、柔軟で透明性が高く、血液と長時間接触して
も安全であることが要求される。
【0005】現在使用されている血液バッグの構成材料
として軟質塩化ビニル樹脂が一般に使用されているがこ
れら軟質塩化ビニル樹脂は、可塑剤としてジ−2−エチ
ルヘキシルフタレート(以下DEHP)を含有している
ために血液との接触によりこのDEHPが溶出して生体
への毒性が懸念されている。特に血小板に対しては、D
EHPが血小板の機能を阻害するため好ましくない。ま
た、血小板の保存において軟質塩化ビニル樹脂は、ガス
透過性が不充分なため保存とともに血小板の好気的代謝
が維持されにくくなり嫌気的代謝が亢進し、乳酸の蓄積
により血漿pHの低下を招いてしまい血小板機能、活性
が損なわれる。
【0006】このような問題を解決するためにスチレン
−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物とポリプロ
ピレン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(またはポリ
エチレン)を混合した組成物や、前記組成物のエチレン
−酢酸ビニル共重合体に替えてエチレン−アクリル酸エ
チル共重合体やエチレン−α−オレフィン共重合体との
エラストマー組成物が報告されている(特公昭62−1
9461号公報)。さらに、軟質塩化ビニル樹脂に添加
する可塑剤にジ−n−デシルフタレート(DnDP)や
トリオクチルトリメリテート(TOTM)などの可塑剤
を使用してガス透過性の高い軟質塩化ビニル樹脂を使用
することも報告されている(特公平1−36384号公
報)。
【0007】前記のエラストマー組成物から作製された
血小板保存容器は、可塑剤を含有していないため、可塑
剤の溶出による血小板機能の阻害や、毒性の問題は、解
決されたがこれらの組成物の物性は、柔軟性を持たせる
ため降伏点が低く強遠心時にバッグの部分的な延伸やピ
ンホールを生じることがある。また、この部分的な延伸
やピンホールを防止するために、肉厚を厚くすることに
よりガス透過性が不足し、血小板を保存できる保存単位
数の上限が低くなる。(一単位=2×1010個血小板以
上) 一方、後述の軟質塩化ビニル樹脂もガス透過性の高いも
のや、可塑剤の溶出の少ないものが可塑剤の選択により
使用可能となったが、充分なガス透過性を得るためには
肉厚を薄くする必要があり、バッグシートの物性は低い
ものとなってしまう。
【0008】また、ガス透過性においては、酸素の透過
性以上に不必要に炭酸ガスの透過性が高過ぎるために血
小板の保存初期に血小板が充分な代謝を行わず、生成す
る炭酸ガスの量が少ないため、バッグ外に抜け出ていく
炭酸ガスの量が過多になり血漿中の重炭酸系緩衝作用の
バランスがくずれpHの上昇を招いてしまう。このため
保存初期のpHの上昇が起こらないようにするために
は、バッグ外に抜け出して行く炭酸ガスの量と、血小板
の代謝によって産出する炭酸ガスの量が平衡になるよう
に、より多くの血小板が必要となり、保存単位数の下限
を高くしなければならず、保存単位数の幅が狭くなって
しまう。
【0009】本発明は、上記の技術課題を解決した新規
なエラストマー組成物を提供しその組成物からなる医療
用容器を提供する。すなわち、本発明は柔軟性、透明
性、耐熱性、強度、成形性に優れ、無毒、無臭のエラス
トマ−組成物を提供することであり、さらには前記エラ
ストマ−組成物を用いて、ガス透過性、生体適合性、血
小板保存性に優れた医療用容器を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記した水添
ブロック共重合体にポリプロピレンまたはプロピレンを
主体とする共重合体及びエチレン共重合体及びポリメチ
ルペンテンまたは、メチルペンテンとα−オレフィンと
の共重合体を組み合わせることにより、柔軟性、透明
性、耐熱性、強度、成形性に優れ無毒、無臭のエラスト
マー組成物が得られる。前記エラストマー組成物を用
いた医療用容器は、ガス透過性、生体適合性、血小板保
存性に優れる。上記二点の驚くべき事実に基づきなされ
たものである。
【0011】すなわち本発明[1]は下記の(a)、
(b)、(c)、(d)の混合組成物からなるエラスト
マー組成物及びその組成物からなる医療用容器を提供す
るものである。 [1](a)ポリ(メチルペンテン)または、メチルペ
ンテンとα−オレフィンとの共重合体50〜90重量
%、(b)スチレンの単独共重合体ブロックとブタジエ
ンの単独共重合体ブロックとからなる共重合体の水素添
加誘導体0〜50重量%、(c)ポリプロピレンまた
は、プロピレンを主体とする共重合体0〜30重量%、
(d)エチレン共重合体5〜50重量%、
【0012】また本発明[2]は下記の(e)、
(f)、(g)、(h)混合組成物からなるエラストマ
ー組成物及びその組成物からなる医療用容器を提供する
ものである。 [2](e)スチレンの単独共重合体ブロックとブタジ
エン単独共重合体ブロクとからなる共重合体の水素添加
誘導体30〜85重量%、(f)ポリプロピレンまたは
プロピレンを主体とする共重合体5〜30重量%、
(g)エチレン共重合体5〜60重量%、(h)ポリ
(メチルペンテン)またはメチルペンテンとα−オレフ
ィンとの共重合体3〜20重量%、
【0013】上記発明[1],[2]の成分(a)、
(h)は、メチルペンテンの単独重合体または、メチル
ペンテンを主体とするエチレン、プロピレン等のα−オ
レフィンとの共重合体を単独で用いるかあるいは単独重
合体と共重合体の混合物を用いる。その割合は、成分
(a)は40重量%以上で良く、好ましくは50〜90
重量%である。90重量%を越えると医療用容器が硬く
なって機能を果さなくなり、40重量%未満ではガス透
過性が低下するので好ましくない。他方、成分(h)は
3重量%以上で良く好ましくは、3〜20重量%であ
る。
【0014】成分(b)、(e)は、スチレンの単独重
合体ブロックAとブタジエンの単独重合体ブロックBの
ブロック共重合体の水素添加誘導体であり一般式 (B−A)n 、B(A−B)n 、[(A−B)m ]p −
[B(A−B)m']q −Z (nは2以上6以下の整数m、m’は1以上6以下の整
数でmm’は同一でも異なっていても良い、Pは0以上
5以下の整数,gは1以上6以下の整数、P+qは2以
上6以下、Zは2個以上の官能基を有するカップリング
剤の残基を表す。)で表され、その割合は成分(b)は
60%以下で良く、好ましくは0〜50重量%である。
他方、成分(e)は30〜85重量%である。
【0015】成分(c)、(f)はプロピレンの単独重
合体または、プロピレンとエチレンやブテン−1等との
共重合体または曲弾性率が20000kgf/cm2
上、密度が0.95g/cm3 以下の高結晶性プロピレ
ン重合体でありその割合は、成分(c)は5%以上で良
く好ましくは5〜30重量%である。他方、成分(f)
は5重量%以上で良く好ましくは5〜30重量%であ
る。
【0016】成分(d)、(g)はエチレンと他のオレ
フィン類やビニル系化合物との共重合体であり例えばエ
チレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エ
チレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−
ジエン三元共重合体などがあり、その割合は、成分
(d)は5%以上で良く好ましくは5〜50重量%であ
る。他方成分(g)は5重量%以上で良く好ましくは5
〜60重量%である。エチレン−α−オレフィン共重合
体は、α−オレフィンとしてブテン−1、ヘキセン−
1、オクテン−1等があげられる。
【0017】上記の組成からなるエラストマー組成物を
製造する方法としては、重合体成分をブレンドするため
に従来技術で知られているいかなる方法を使用しても良
い。最も均質なブレンド物を得るためには、ミキシング
ロール、ニーダー、バンバリーミキサー及び押出機のよ
うな各種の混練機を使用して溶融混練する方法が好まし
い。さらに、溶融混練する前に、これらの配合物をヘン
シェルミキサー、タンブラーのような混合機を用いてあ
らかじめドライブレンドし該混合物を溶融混練すること
により均質なエラストマー組成物が得られる。
【0018】なお本発明のエラストマー組成物には、上
記必須主要成分のほかに用途に応じて適量の可塑剤、シ
リコンオイル、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、滑
剤、加工助剤等を含有することも可能である。本発明の
エラストマー組成物を医療用容器に形成するには、イン
フレーション、Tダイ、カレンダー成形の方法でシート
化して2枚のシートを袋形状に熱溶着したり、直接容器
形状に中空成形する方法などがある。本発明の医療用容
器は、同材質のものや、他の材質で出来た容器とチュー
ブで接続して多連バッグとして使用することもできる。
【0019】本発明のエラストマー組成物を使用した医
療用容器は、血液バッグや血液成分用バッグとして使用
するためには、特に血小板保存容器としては、シートの
厚さが、150〜400μmの範囲に設定され単位厚さ
当たりの酸素透過率(PO2)がPO2 ≧250(ml
・mm/m2 ・day・atm)でかつ単位厚さ当たり
の二酸化炭素透過率(PCO2 )PCO2 ≦4000
(ml・mm/m2 ・day・atm)である。
【0020】シートの厚さは、150μm〜400μm
の範囲が好ましく、150μm未満ではシートの物性が
充分でなく遠心時にシートの部分的延伸、ピンホールを
引き起こして好ましくない。400μmを越えると厚く
なりすぎて柔軟性が損なわれ、血小板保存性の上で必要
な酸素透過性が低くなってしまい好ましくない。単位厚
さ当りの酸素透過性(PO2 )は、250(ml・mm
/m2 ・day・atm)以上あれば良く、250(m
l・mm/m2 ・day・atm)未満ではシート厚さ
を150μm未満にしなければ充分な実際のシート厚さ
での酸素透過性が得られないが、前記理由によりシート
厚さは150μm未満にはできない。したがってPO2
≧250(ml・mm/m2 ・day・atm)が好ま
しい。
【0021】また単位厚さ当りの二酸化炭素透過性(P
CO2 )は、4000(ml・mm/m2 ・day・a
tm)以下であれば良く4000(ml・mm/m2
day・atm)を越えると血小板保存性の上では、シ
ートの厚さを400μmを越えて形成する必要があり、
前記理由によりシートの厚さでは400μmを越えるこ
とはできない。したがってPCO2 ≦4000(ml・
mm/m2 ・day・atm)が好ましい。
【0022】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるも
のではない。 (a)メチルペンテン共重合体、(b)スチレン−ブタ
ジエンブロック共重合体、(c)プロピレン共重合体、
(d)エチレン共重合体の各成分を表1に示すように各
種組成(実施例1から6)にブレンドして、種々の厚さ
のシートに成形し、このシートを用いて次の各種試験を
行い、結果を表1、表3から表5に示した。また表2に
示すように、比較例1から3の組成をブレンドし実施例
と同様に成形し、実施例と同様に各種試験を行い、結果
を表2から表5に示した。
【0023】(e)スチレン−ブタジエンブロック共重
合体、(f)ポリプロピレンまたはプロピレン共重合
体、(g)エチレン共重合体、(h)メチルペンテン共
重合体の各成分を表6に示すように各種組成(実施例7
から12)にブレンドした後、種々の厚さのシートに成
形し、このシートを用いて次の各種試験を行い、結果を
表6、表8から表10に示した。また表7に示すように
比較例1から4の組成をブレンドし、実施例と同様に成
形し実施例と同様に各種試験を行い結果を表7から表1
0に示した。
【0024】(1)ガス透過性試験 上記方法で作製したシートをASTM D1434に準
拠して(株)東洋精機製作所のガス透過性測定装置MC
−1を用いて,ガス透過率(ml/m2 ・day・at
m)及び単位厚さ当たりのガス透過率(ml・mm/m
2 ・day・atm)を温度23℃で測定した。表1及
び表2の結果より、本発明の実施例1から6は比較例1
から3と比較してガス透過率が良好であることが確認で
きた。また表6及び表7の結果より本発明の実施例6か
ら12は比較例3と比較してガス透過率が良好であっ
た。
【0025】(2)物性試験 ASTM D2240に準拠して3mm厚のインジェク
ションシートを試料としたDタイプの硬度を測定した。
JIS K6301及び JIS K7127に準拠し
て100%モジュラス、引張破断強度及び伸びを測定し
た。表1及び表2の結果より、本発明の実施例1から6
は比較例1から3と比較して引張応力が大きく引張強度
が優れていることが確認できた。表6及び表7の結果よ
り、実施例7から12は全ての項目で優れた特性を示し
たが比較例1から2は、100%引張応力に劣り、比較
例4は、引張強さにおいて劣っている。
【0026】(3)耐遠心性試験 2枚のシートを内寸160×210mmの袋状に熱溶着
してバッグを作成し、疑似血液(比重1.06〜1.0
5 例えばポリビニルピロリドンとソルビトールの混合
水溶液)を500ml充填し、3620G 10分間2
2℃で遠心した。遠心分離後バッグシートの部分的延伸
による変形,内溶液の漏れの有無を調べた。表3の結果
より本発明の実施例2、4、6はシートの破損、変形等
がなく比較例1から2と比較して耐遠心性が優れている
ことが確認できた。表8の結果より実施例8、10、1
2は、空気混入量0〜300mlでシートの破損、変形
等がなく、比較例1、2と比較して耐遠心性が優れてい
ることが示された。
【0027】(4)高圧蒸気滅菌後のブロッキング性試
験 成形したシートを二枚重ねにして、これをオートクレー
ブで121℃,20分間高圧蒸気滅菌処理して、引張り
試験機にて剥離強度を求めた。表4の結果より本発明の
実施例1、3、5はブロッキングが起こらず耐ブロッキ
ング性が比較例3より優れていることが確認できた。さ
らに実施例8、10、12、比較例3において二枚のシ
ートを内寸160×210mmの袋状に熱溶着して同様
に高圧蒸気滅菌処理した後、袋内にシリンジで空気注入
したときの袋内面剥離圧を水柱マノメーターで測定し
た。表9の結果より本発明の実施例8、10、12は、
ブロッキングが少なく、耐ブロッキング性が比較例3よ
り優れていることが確認できた。
【0028】(5)血小板保存性試験 実施例6の組成のシートを熱溶着によりバッグ形状に製
袋し、このバッグ中に血小板を10単位(平均11.8
単位 10.5〜14.2単位)と20単位(平均2
2.1単位 20.2〜24.3単位)に調整した血小
板濃厚液を入れ室温にて振とう保存を行い10単位〜2
0単位の保存を確認した。比較例3について同じ大きさ
のバッグを作製し、5単位(平均5.8単位 5.1〜
6.9単位)と10単位(平均10.8単位,10.2
〜11.6単位)の血小板濃厚液を同じく保存した。保
存開始0時間、72時間、120時間後の血小板濃厚液
についてpH、血小板平均容積、血小板濃度、凝集能
(ADP凝集能)、血小板変形能、低浸透圧ショック回
復率(%HSR)を測定比較した。表5の結果より本発
明の実施例6は比較例3と比較して血小板の保存期間が
長期に及んでもpHの低下が少ないこと、血小板の凝集
能が減少しにくいこと、血小板が変形しにくいこと、低
浸透圧ショック回復率(%HSR)の低下が少ないこと
等より血小板の保存性に優れていることが確認できた。
【0029】実施例10の組成のシートを熱溶着により
バッグ形状に製袋し、このバッグ中に血小板を10単位
(平均11.6単位、10.4〜13.4単位)と20
単位(平均21.4単位、20.5〜22.6単位)に
調整した血小板濃厚液を入れ室温にて振とう保存を行い
10単位〜20単位の保存を確認した。比較例3につい
て同じ大きさのバッグを作製し、5単位(平均5.8単
位、5.1〜6.9単位)と10単位(平均10.8単
位、10.2〜11.6単位)の血小板濃厚液を同じく
保存した。保存開始0時間、72時間、120時間後の
血小板濃厚液についてpH、血小板平均容積、血小板濃
度、凝集能(ADP凝集能)、血小板変形能、低浸透圧
ショック回復率(%HSR)を測定比較した。表10の
結果より本発明の実施例10は、比較例3と比較して血
小板の保存期間が長期に及んでもpHの低下が少ないこ
と、血小板の凝集能が低下しにくいこと、血小板の変形
能が低下しにくいこと、低浸透圧ショック回復率(%H
SR)の低下が少ないこと等により血小板の保存性に優
れていることが確認できた。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】
【表7】
【0037】
【表8】
【0038】
【表9】
【0039】
【表10】
【0040】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によ
るエラストマー組成物は、柔軟性と耐熱性のバランスに
優れ、一般産業資材、家庭用品等の分野に使用が可能な
各種の特徴を兼ね備えているが、特にこの高い応力特
性、耐熱性、透明性、安全性を利用して高温殺菌の必要
な食品包装材、医療用基材の用途に好適に使用すること
ができる。さらに、その高いガス透過性、透明性、柔軟
性、耐ブロッキング性の特徴を利用しての医療用容器と
しての使用は、極めて好適であることが示されている。
特に、血小板保存バッグとして使用した場合、前記の各
種物性が優れていることに加えて、ガス透過性、耐ブロ
ッキング性、血小板保存性が優れていることから、高単
位の血小板の長期保存が可能で使用時の安全性及び作業
性について著しい改善が図れる等の効果を有する優れた
発明である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 53/02 LLY //(C08L 23/20 23:10) (72)発明者 市川 俊二 大分県大野郡三重町大字玉田7番地の1 川澄化学工業株式会社三重工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(a)、(b)、(c)、(d)
    の混合物からなることを特徴とするエラストマー組成
    物。(a)ポリ(メチルペンテン)または、メチルペン
    テンとα−オレフィンとの共重合体50〜90重量%、
    (b)スチレンの単独重合体ブロックとブタジエンの単
    独重合体ブロックとからなる共重合体の水素添加誘導体
    5〜50重量%、(c)ポリプロピレンまたは、プロピ
    レンを主体とする共重合体5〜30重量%、(d)エチ
    レン共重合体5〜50重量%。
  2. 【請求項2】 下記の(e)、(f)、(g)、(h)
    の混合物からなることを特徴とするエラストマー組成
    物。(e)少なくとも2個のビニル芳香族化合物を主体
    とする共重合体ブロックAと、少なくとも1個の共役ジ
    エン化合物を主体とする重合体ブロックBとからなるブ
    ロック共重合体を水素添加してなるブロック共重合体:
    30〜85重量%、(f)プロピレン単独共重合体また
    はプロピレンを主体とする共重合体:5〜30重量%、
    (g)エチレン共重合体:5〜60重量%、(h)ポリ
    (メチルペンテン)または、メチルぺンテンとα−オレ
    フィンとの共重合体3〜20重量%、
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の組成物か
    らなる医療用容器。
  4. 【請求項4】 厚さが150から400μmで、単位厚
    さあたりの酸素透過率(PO2 )が、PO2 ≧250
    (ml・mm/m2 ・day・atm)でかつ単位厚さ
    あたりの二酸化炭素透過率(PCO2 )が、PCO2
    4000(ml・mm/m2 ・day・atm)である
    ことを特徴とする請求項3記載の医療用容器。
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