JP2889087B2 - 医療物品の製造方法 - Google Patents

医療物品の製造方法

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JP2889087B2
JP2889087B2 JP5178235A JP17823593A JP2889087B2 JP 2889087 B2 JP2889087 B2 JP 2889087B2 JP 5178235 A JP5178235 A JP 5178235A JP 17823593 A JP17823593 A JP 17823593A JP 2889087 B2 JP2889087 B2 JP 2889087B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】本発明は、クエン酸エステルを含むポリビ
ニルクロリド樹脂組成物から製造される医療物品の製造
方法に関するものである。 【0002】クエン酸エステルはポリビニルクロリド
(PVC)樹脂用の有用な可塑剤である。何故なら、こ
れらのエステルのあるものは、従来使用されていたフタ
ル酸エステルと比して低い毒性度を示すからである。あ
る種のクエン酸エステルをPVC組成物およびPVC物
品中に可塑剤として使用した場合、石ケン水抽出に対す
る改良された耐性、および低温性および移行特性を含め
た他の利点が認められた。 【0003】ある種のクエン酸エステルを可塑剤として
使用したPVC組成物から形成された医療用物品は、従
来の可塑剤を使用したPVC配合物と比して、全血およ
び血小板に対して改良された環境を与える。そのような
医療用物品は下記から構成され得る: 1.全血、充填赤血球、血小板および血漿の貯蔵用バッ
グ; 2.血液、血液製品および品質静脈内流体の輸送用の静
脈内配管; 3.留置用静脈内および動脈用カテーテル;および 4.(a)腎透析器具; (b)心臓切開手術に使用されるような小体酸素供給
器; (c)肺動脈不全用の膜酸素供給器; (d)輸血用の血小板および白血球を収集するための食
作用;および (e)集約的(intensive)血漿交換器具、に使用され
る、全血と接触する配管用可撓性材料。 【0004】クエン酸エステルの製造は、エステル化反
応工程後に過剰のアルコールを除去せしめるある種のチ
タネート触媒を使用することにより、著しく増進される
ことが見出された。 【0005】 【従来の技術】クエン酸を使用して商業的に製造したク
エン酸エステルは以前から長期間市販されており、そし
てPVC樹脂の可塑剤として使用されている。しかしな
がら、PVC樹脂組成物から製造した物品の性能は、今
までに知られているクエン酸エステル又は従来のフタル
酸エステル可塑剤のいずれを使用したものでも多くの固
有の欠点があった。例えば、医薬品等級のPVC組成物
が血液バッグ、管および多様の健康に関連した物品の形
成に使用されており、そして近年、そのような物品の製
造に毒性が主な関心事となっている。最近の報告で、ジ
−2−エチルヘキシルフタレート(DEHP)又は(D
OP)およびジ−2−エチル−ヘキシルアジペート(D
EHA)が歯類動物の肝臓発癌物質であることが確認さ
れた。 【0006】インビトロの研究で、慣用の血液バッグ内
に21日間貯蔵した全血および24時間貯蔵した血小板
で見られるDEHA濃度にて、人間の二倍体線維芽細胞
の生長が著しく阻止されることが証明された。サルの輸
血の研究で、輸血の停止後から26カ月までの間、生理
学的および組織学的な肝臓異常が明らかにされた。腎臓
透析を受けている患者は、サルに肝臓障害を生じさせた
量のほぼ10ないし20倍の量のDEHPを受け入れて
いた。DEHPはまた、動物内でペルオキシソーム増殖
体でありそして多分肝発癌物質であることが証明され
た。これらの結果は、ラットおよびマウスの標準国立癌
研究所国立毒物学生物検査プログラム研究(standard Na
tional Cancer Institute National Toxicology Bioass
ay ProgramStudy)により大いに支持された。 【0007】別のPVC可塑剤を開発する工業的試み
は、制限された範囲で成功した。最近の比較研究で使用
されるポリマーの二つ、PVC−TOTMおよびポリオ
レフィン、は現在血小板を7日間まで貯蔵することを許
可されている。これはインビボでの生存および機能の研
究並びにPVC−DEHPと比較してそれらのポリマー
のガス透過性が改良されていることの両者に基づく。上
記の組成物(PVC−DEHPおよびポリオレフィン)
およびその他の今まで試みられた全ての組成物は赤血球
生存の研究に適していないことが証明された。上述の組
成物はまた赤血球の浸透脆弱性の増大、血漿ヘモグロビ
ン量の増大、および赤血球カリウム量の増大を示す。こ
のことは、赤血球膜病変を意味する。 【0008】フタル酸エステルのあるものは優れた可塑
化性を有するが、それらは発癌性の疑いがあるために、
将来医薬品として使用する候補としては疑問がある。代
替物として、アセチルトリ−n−ブチルおよびトリ−n
−ブチルシトレートのような公知のクエン酸エステルが
医薬級用途のPVC可塑剤として試みられたが、これら
の化合物は高い石ケン水抽出パーセントを有するため、
充分満足なものではなく、従って多くの医学分野の用途
に有用ではないであろうことが判明された。また、PV
C可塑剤として使用した場合に適切な毒性および物理的
特性を有することが判明された新規なクエン酸エステル
について、新しい製造技術を考案しなければならないこ
とがわかった。 【0009】 【発明が解決しようとする問題点】従って本発明の目的
は、生理学的研究において優れた毒性試験結果を与える
PVC可塑剤を提供することである。 【0010】本発明の別の目的は、従来の押出成形法、
カレンダーリング法又はプラスチゾル法を用いて容易に
加工することができるPVC組成物用の可塑剤を提供す
ることである。 【0011】本発明の更に別の目的は、新規なクエン酸
エステル、即ち:PVC組成物中に加えた場合に望まし
い物性を有する可塑剤として使用することができるアセ
チルトリ−n−ヘキシルシトレート、n−ブチリルトリ
−n−ヘキシルシトレート、アセチルトリ−n−(ヘキ
シル/オクチル/デシル)シトレート、およびアセチル
トリ−n−(オクチル/デシル)シトレート、を提供す
ることにある。 【0012】本発明の更に別の目的は、皮膚毒性、経口
毒性および遺伝子検定(genetic assay)に関する毒物学
研究で優れた結果を示すPVC組成物およびそれから形
成した物品を提供することにある。 【0013】本発明の他の目的は、全血又は血小板を収
容するのに改良された環境を与える血液バッグのような
医療用物品およびその製法を提供することにある。 【0014】本発明はまた、有機チタネートを使用した
4種の新規なクエン酸エステルの製法を提供して、経済
的且つ効率的な製法を提供することを目的とする。 【0015】本発明の他の目的および利点は、以下の詳
述から当業者に明らかであろう。 【0016】 【問題を解決するための手段】 次式: 【化6】 (式中、R1 、R2 およびR3 はCH3 ないしC1837
を表わし、R4 はCH3 ないしC715を表わす)で表
わされるクエン酸エステル、より詳しくはアセチルトリ
−n−ヘキシルシトレート、n−ブチルトリ−n−ヘキ
シルシトレート、アセチルトリ−n−(ヘキシル/オク
チル/デシル)シトレート、およびアセチルトリ−n−
(オクチル/デシル)シトレート、は有機チタネート触
媒を使用して製造され、そのようなエステルはPVC組
成物の医薬品等級可塑剤として有用であることが見出さ
れた。該可塑剤は低い毒性度を有し、そして健康管理お
よび医薬品等級の用途に必要な、適当に釣合った物性を
PVCに付与する。該クエン酸エステルの製造工程はエ
ステル化、過剰のアルコールの除去、およびその後のア
シル化を含む。次に慣用の中和および仕上げ工程が行わ
れる。アシル化工程は約110℃未満の温度で行われ
る。 【0017】PVC樹脂を、適当な安定剤および潤滑剤
と共に上記のクエン酸エステルの一つを合わせて、可塑
化されたPVCを形成し、そのPVCを押出成形、カレ
ンダーリング又はその他の方法の加工を行って、血液バ
ッグ、管およびその他の製品を含む適当な製品とするこ
とができる。このようにして製造した物品は低い毒性度
を有し、そして優れた抽出性、特に石ケン水抽出試験に
おいて優れた抽出性を与える。石ケン水抽出試験は標準
的な試験であり、その結果は人間の血液のような体液を
用いて得られる結果と非常に似ている。 【0018】上記のクエン酸エステルを使用してPVC
組成物から成形した医療用物品は、全血又は血小板の貯
蔵に使用した場合、改良された安定性を示す。 【0019】クエン酸エステルの四つの好ましい形態は
以下の通りである: 【化7】 上記記載のクエン酸エステルの好ましい製造方法は、1
50℃、好ましくは125〜130℃の温度範囲の低温
で、適当なアルコール(例えばクエン酸アセチルトリ−
n−ヘキシルの製造の場合にはn−ヘキシルアルコー
ル)を、有機チタネート(テトラ−n−ブチルチタネー
ト)の存在下においてクエン酸によってエステル化し、
過剰のn−ヘキシルアルコールを除去し、次に生成した
エステルを酸無水物と反応させる工程を含む。150℃
を超える温度でエステル化を行うとクエン酸エステルが
迅速な分解を受け、多数の分解生成物が生成する。15
0℃よりも若干低い程度の温度においては、主たる分解
生成物はアコニテートエステルである。生成したエステ
ルと酸無水物との反応は約110℃未満の温度で起こ
る。テトラ−n−ブチルチタネートが好ましい。何故な
ら、チタネートのアルキル基とクエン酸エステルのアル
キル基との間で起きるエステル交換が、通常クエン酸エ
ステル中に存在しないアルキル基を導入する結果となら
ないからである。 【0020】好ましいPVC組成物は、中程度の分子量
のPVC樹脂を上記のクエン酸エステルの一種と2ない
し1の割合で、必要に応じて安定剤、潤滑剤および増量
剤と共に混合・微粉砕することを含む。好ましいPVC
組成物から製造した物品には血液バッグ、管およびその
他の医学および健康管理分野の物品が含まれる。 【0021】血液バッグのような医療用物品は医薬級の
成分から、PVC樹脂とクエン酸エステル可塑剤と以下
のその他の成分とを有するPVC組成物を生成して製造
することができる:重量部 (a) 固有粘度0.97を有するPVC樹脂 100 (b) n−ブチリルトリ−n−ヘキシルシトレート 50 (c) エポキシ化大豆油 10 (d) 安定剤 Ca/Zn 1 (e) 潤滑剤(ステアリン酸) 0.1 成分を慣用法により混合しそして融解する。成分を混合
しそして310〜360°F(154〜182℃)の範
囲の温度でブレンダーを使用する等の慣用手段により融
解し、次いで押出機からペレット化する。ペレットを次
に押出機内で再融解しそして混合して、第2回の押出成
形でフィルム、成形物品等を生成させる。 【0022】次にフィルム素材を切断しそして合わせて
シールして、全血、充填赤血球、血小板、血漿および静
脈内溶液の貯蔵用のバッグを形成する。そのような血液
バッグは一般に、充填および空にするための又は管挿入
用の一つ又はそれ以上の開口部を有する透明な小袋から
成る。 【0023】 【作用】ある種のクエン酸エステル、即ちアセチルトリ
−n−ヘキシルシトレート、n−ブチリルトリ−n−ヘ
キシルシトレート、アセチルトリ−n−(ヘキシル/オ
クチル/デシル)シトレートおよびアセチルトリ−n−
(オクチル/デシル)シトレートは、慣用のプラスチゾ
ル法、カレンダーリング又は押出成形法によりPVC樹
脂と配合した場合に、医学の用途に特に有用であること
が見出された。そのような可塑化PVCは良好な透明
度、良好な低温性、低い揮発性および種々の媒体に対し
て低い抽出性を有する。また、激毒性が低いことが示さ
れ、そして中程度の分子量のPVC樹脂と完全な相溶性
を有するために、上記の4種の指定されたエステルは無
比且つ貴重なものとなる。研究により、上記4種のクエ
ン酸エステルは毒性物質でなく、直接的な皮膚刺激性又
は注ぎ洗いしない目に対する眼刺激性でないことが示さ
れ、そして経口投与しても全身毒性の徴候が生じずそし
て断食したマウス又はラットで死亡が示されなかった。
遺伝子又は染色体量での変異原性を検出するための遺伝
子毒物学的検出で、これらのエステルはインビトロで微
生物細胞又は哺乳類細胞のいずれの遺伝子突然変異も又
はインビボ又はインビトロにおいて染色体突然変異を誘
発しないことが示された。研究によりまた、インビボ条
件において、これらのクエン酸エステルは、人間が曝さ
れると予想される現実的レベルの濃度において急速且つ
完全に加水分解することも示された。 【0024】 【実施例】クエン酸エステルの製法は次の通りである: 例 1. アセチルトリ−n−ヘキシルシトレートの製
造 n−ヘキシルアルコール330ポンド(150kg)、
クエン酸180ポンド(82kg)、テトラ−n−ブチ
ルチタネート1.54ポンド(0.70kg)およびヘ
プタン15ガロン(56.775リットル)を、攪拌
器、温度計、蒸気カラム、コンデンサーおよびヘプタン
を還流しながら反応を行う間に形成した水を除去するた
めに設置されたデカンターを備えた容器に充填する。エ
ステル化は140℃で行ない、アコニテート(THA)
レベルを0.5%以下に保持する。アコニテートレベル
は、反応時間をより長くし、より低温で最適な時間行う
ことによって0.2%以下の範囲に保持することがで
き、約125〜130℃の温度によってこの範囲のアコ
ニテートレベルを得ることができる。約130℃の温度
においては、アコニテート生成が一定になり優れた純度
を有するクエン酸エステルが得られるという独特の結果
が得られる。エステル化の間、水をデカンターから定期
的に除去して、適当な温度と反応速度を維持する。エス
テル化反応は、140℃で、エステル化混合物がクエン
酸として最大酸度0.5%を分析するまで継続するが、
より純度の高い生成物を得るためにより低い温度のエス
テル化反応及びより低い酸度を用いることができる。次
に、容器を120℃に冷却し、そして水を分離器から除
去し、そしてその中のヘプタンもまた将来使用するため
に除去する。容器の還流ラインを閉じそして系の圧力を
ゆっくり下げる。反応がまを再び140℃に加熱し、そ
して蒸気を導入して残留アルコールの除去を助ける。こ
の真空蒸気抜取りは、アルコールが慣用の実験室テスト
で検出されなくなるまで続ける。も早アルコールが見出
せなくなった時、蒸気を止め、温度を100℃に下げ、
そしてチッ素ガスを用いて真空破壊する。 【0025】次に、濃硫酸(H2 SO4 )0.4ポンド
(0.18kg)を容器に充填し、その後容器を密閉
し、そして無水酢酸約107ポンド(49kg)(所定
のモル量)を温度が110℃を越えないように遅い速度
で添加する。無水酢酸の全量を添加した後、混合物の攪
拌をアセチル化反応が完了するまで約1時間続ける。 【0026】次に、系を十分な真空にしそして十分な熱
を加えて、蒸留を適当な速度で進行させる。この工程
は、酢酸が慣用の実験室テストで5%以下であることが
示されるまで続け、その時点で混合物を中和するために
75℃に冷却する。 【0027】残りの中和、漂白、洗浄等の工程は、慣用
のエステル化工程における場合と同様にして行う。 【0028】例 2. n−ブチリルトリ−n−ヘキシ
ルシトレートの製造: 例1で使用した容器に再びn−ヘキシルアルコール33
0ポンド(150kg)、クエン酸180ポンド(82
kg)およびテトラ−n−ブチルチタネート1.54ポ
ンド(0.70kg)を充填する。エステル化反応を、
ヘプタン−アルコール抜取りである例1における場合と
同様にして行う。その後ブチリル化を、アセチル化工程
で前に記載したように濃硫酸0.4ポンド(0.18k
g)および無水n−酪酸166ポンド(72kg)を添
加して行う。酪酸は上記のようにして又は中和により除
去し得る。 【0029】 【表1】 【表2】 慣用のエステル化工程においては、アルコール抜取り
は、硫酸、メタンスルホン酸又はp−トルエンスルホン
酸のような酸触媒を使用した場合、有害な結果を引起す
ことなく行うことができる。しかしながら、本発明のク
エン酸エステルの製造においては、アルコール抜取り
は、これらの酸触媒を使用するとアコニテート形成、色
の悪さ、低い収率およびその他の純度の問題のために行
えないことが見出された。本発明の方法は従来の方法と
比して明らかな利点を与える。 【0030】エステル化温度を130℃又は好ましくは
125〜130℃の範囲に低めることによって、クエン
酸エステルの収率を高純度にし、かつアコニテート生成
及び非アセチル化エステルを最小にすることができるこ
とが分かった。下表は、クエン酸アセチルトリ−n−ヘ
キシルの製造中に生成するトリ−n−ヘキシルアコニテ
ート(THA)の割合を示すものであり、これによれ
ば、反応はクエン酸として酸度約0.2%において停止
している。アコニテートレベルは、反応時間25〜19
時間、温度125〜130℃で約0.14〜0.19の
範囲である。温度を140℃から130℃に低めること
によって、アコニテートレベルを0.35から0.19
%に低下させる(約45%の減少)のにわずか90分し
か要しないことが分かった。示されているように、アコ
ニテートレベルは、温度を140℃から130℃に約1
0℃低下させることによって、反応完了指標としての酸
度0.2%(クエン酸)に基づく反応時間を実質的に増
加させることなく大きく低下させることができる。アコ
ニテートレベルの安定化は、エステル化における約13
0℃の温度において起こり、これは、低いアコニテート
レベルを有する高純度のエステルを製造する方法を提供
する。アコニテートの割合及び他の不純物がより低い
と、医療グレードの生成物に必要な高品質の可塑剤を提
供する。 【0031】 【表3】 低いpK値を有するクエン酸のような酸は、150℃又
はそれより低い範囲の低温においてチタネート触媒と共
に相乗効果を示すと考えられる。高いpK値を有するフ
タル酸はこれらの低温においてはチタネート触媒によっ
てはエステル化を受けない。 【0032】また、テトラキス−2−エチルヘキシルチ
タネートのような他の有機チタネート触媒も本発明の4
種のエステルの製造に使用できるが、テトラ−n−ブチ
ルチタネートを使用した場合に優れた結果が得られるこ
とが証明された。 【0033】PVC組成物の製造および試験 組 成 重量部 樹脂(中程度の分子量のPVC) 100 可塑剤 50 安定剤(カルシウム/亜鉛) 2.5 潤滑剤(ステアリン酸) 0.25 上記の配合物を325〜340°F(163−171
℃)にて5〜10分間混合微粉砕した。微粉砕素材をプ
レス〔340〜360°F(171〜182℃)および
32,000psiにて3分間〕して40−および−7
0ミルシートとし、そして評価のために室温にて48時
間老化させた。40ミル試料について行った抽出試験を
除いて全ての試験は、70ミルプレス素材から切断した
試料を用いて行った。性能データは、以下に詳述するよ
うに、許容されるASTM法に変更を加えて得た。 【0034】 【表4】【表5】#1−アセチルトリ−n−ブチルシトレート #2−アセチルトリ−n−ヘキシルシトレート #3−n−ブチリルトリ−n−ヘキシルシトレート #4−アセチルトリ−n−(ヘキシル/オクチル/デシ
ル)シトレート #5−アセチルトリ−n−(オクチル/デシル)シトレ
ート 表6の可塑剤性能データはクエン酸エステル/エポキシ
化大豆油(ESO)ブレンドを用いた試験の結果を示
す。ESOはDEHPと組合せて、DEHPを基準とし
て1〜5%の範囲の量で安定化の助剤として通常使用さ
れる。2.5/97.5 ESO/クエン酸エステルの
割合を、研究の基点として使用した。この組合せの試験
結果を第1欄に示す。性質、特に石ケン水抽出について
の著しい改良が認められる。 【0035】 【表6】ESO−エステル/エポキシ化大豆油 #2−アセチルトリ−n−ヘキシルシトレート #3−n−ブチリルトリ−n−ヘキシルシトレート #5−アセチルトリ−n−(オクチル/デシル)シトレ
ート ESOはクエン酸エステルよりも安価なので、ESOを
クエン酸エステルの一部の代りにすることができれば可
塑剤コストの低減となる。表6の第2〜5欄に、より高
いESO/クエン酸エステル比を用いた試験結果が示さ
れ、そして20/80のESO/クエン酸エステル比ま
でそして多分その比を越える割合において著しい性質の
改良が示される。 【0036】全血および血小板のインビトロ評価を、ジ
−2−エチルヘキシルフタレート(DEPH)、又はト
リ−2−エチルヘキシルトリメリテート(TOTM)を
用いて可塑化したPVC組成物から製造した血液バッグ
中で行い、そして本発明のクエン酸エステルを使用した
バッグと比較した。その結果は表7において、改良され
たクエン酸エステルを用いて形成したPVC血液バッグ
中に貯蔵した場合に全血および血小板の特性が改良され
ることを示す。これらの研究において、以下に示される
ように、グルコースの減量は生きた血液細胞による消費
の増大を示す。 【0037】 【表7】 下記の表8に示されるように、血小板を7日間血液バッ
グに貯蔵した後、ポリオレフィンポリマーを使用したP
VCバッグについては血小板総数は47%の減少、TO
TMを用いて可塑化したPVCバッグについては血小板
総数は38%の減少、そして新規なクエン酸エステルに
て可塑化したPVCバッグについては血小板総数はわず
か25%の減少であった。 【0038】 【表8】これらの試験結果は、新規なクエン酸エステルで可塑化
したPVC組成物中における血小板の生存率はポリオレ
フィン又はPVC−TOTM組成物中のそれよりも大き
いことを示す。 【0039】管の押出成形、シート又はフィルムに圧延
して血液バッグおよびその他の医療用物品を形成するの
に適したPVC組成物は、下記の一般式の可塑剤を含
む: 【化8】 式中、R1 、R2 およびR3 はCH3 ないしC1837
あり、R4 はCH3 ないしC715である。 【0040】上記の可塑剤は、PVC樹脂の固有粘度が
約0.90ないし1.20である、粘度により決定して
中程度の分子量のPVC樹脂;多くの商標名で販売され
ているステアリン酸カルシウム/亜鉛安定剤;およびス
テアリン酸のような潤滑剤を含む、医薬級又はFDA許
可の成分を有するPVC組成物中に混入される。或い
は、医療用物品は、エポキシ化大豆油を0ないし30重
量部の範囲で添加したPVC組成物から形成することが
できる。出発配合物は下記成分を含み得る:成 分 重量部 (a)PVC樹脂(固有粘度0.90ないし1.20) 100 (b)クエン酸エステル 40〜70 (c)エポキシ化大豆油 0〜30 (d)安定剤 0.5〜5.0 (e)潤滑剤 0.050〜0.5 血小板15を収容し本発明のクエン酸エステル可塑剤を
用いて形成した管11を有する典型的な血液バッグ10
を第1図および第2図に示す。注ぎ口12および13は
バッグ10を充填又は空にするのに使用し得、そして注
ぎ口13はそれに挿入された管11と共に示されてい
る。バッグ10は本発明のPVC組成物から、業界で従
来製造されている適当な厚さのPVCシートを切断した
パネルをヒトシールすることにより形成される。管11
は本発明のクエン酸エステルを使用してPVC組成物か
ら製造され、そして所望の厚さ、直径および長さに押出
成形又はその他の方法で成形し得る。 【0041】種々の他のPVC組成物を配合でき、そし
て本願明細書に示された例および説明は例示のためのも
のであり、本発明の範囲を限定するためのものではな
い。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のクエン酸エステル可塑剤を用いて形成
した典型的な血液バッグを示す図である。 【図2】図1の血液バッグの側面図である。 【符号の説明】 10:血液バッグ 11:管 12:注ぎ口 13:注ぎ口 15:血小板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 27/06 C08K 5/11

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.クエン酸を、式:ROH又はROH及び/又は
    OH(ここで、R、R及びRはCH〜C
    1837である)の一以上のアルコールと共に、エス
    テル化のために有機チタネートの存在下で加熱し; 過剰のアルコールを除去し; 温度を約110℃以下に保持しながら適当な酸無水物及
    び硫酸を加えることによって、150℃で2時間加熱し
    た後に25℃において穏やかな臭いを示す熱安定特性を
    有するエステルが得られるまでクエン酸を反応させるこ
    とによって次式 【化1】 (式中、R、R及びRは上記に定義した通りであ
    り、RはCH〜C15である)の純度99%の
    クエン酸エステルを製造し; 該クエン酸エステルを、ポリビニルクロリド樹脂組成物
    に配合し、該組成物を加熱し、その後それから医療物品
    を形成する; 工程を含む医療物品の製造方法。 2.クエン酸エステルを製造する該工程が、次式: 【化2】のクエン酸エステル(クエン酸アセチルトリ−n−ヘキ
    シル)を製造する工程である特許請求の範囲第1項記載
    の医療物品の製造方法。 3.クエン酸エステルを製造する該工程が、次式: 【化3】 のクエン酸エステル(クエン酸n−ブチリルトリ−n−
    ヘキシル)を製造する工程である特許請求の範囲第1項
    記載の医療物品の製造方法。 4.クエン酸エステルを製造する該工程が、次式: 【化4】 (式中、xは、6、8又は10であり、yは、これに対
    応して13、17又は21である)のクエン酸エステル
    [クエン酸アセチルトリ−n−(ヘキシル/オクチル/
    デシル)]を製造する工程である特許請求の範囲第1項
    記載の医療物品の製造方法。 5.クエン酸エステルを製造する該工程が、次式: 【化5】 (式中、xは8又は10であり、yは、これに対応して
    17又は21である)のクエン酸エステル[クエン酸ア
    セチルトリ−n−(オクチル/デシル)]を製造する工
    程である特許請求の範囲第1項記載の医療物品の製造方
    法。 6.該ポリビニルクロリド樹脂が中分子量PVC樹脂で
    ある特許請求の範囲第1項記載の医療物品の製造方法。 7.該中分子量PVC樹脂が、内部粘度で測定して0.
    90〜1.2の分子量を有する樹脂である特許請求の範
    囲第6項記載の医療物品の製造方法。 8.ポリマー組成物中にカルシウム/亜鉛ステアレート
    安定剤を含ませる特許請求の範囲第1項記載の医療物品
    の製造方法。 9.ポリマー組成物中にステアリン酸からなる潤滑剤を
    含ませる特許請求の範囲第1項記載の医療物品の製造方
    法。
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