JP2007236782A - 医療用チューブ - Google Patents

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Abstract

【課題】チューブを潰して送液するタイプの輸液ポンプで使用しても剥離が生じにくい医療用チューブを提供する。
【解決手段】無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体から形成される中間層、前記中間層の外側に設けられ、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂から形成される外層、および前記中間層の内側に設けられ、オレフィン系重合体から形成される内層を備える、医療用チューブである。
【選択図】図1

Description

本発明は、医療用チューブに関し、より詳細には耐剥離性に優れ、チューブを潰して薬液等を輸送する際に使用する医療用途に好適な医療用チューブに関する。
透明性、機械的強度、柔軟性に優れるため、軟質ポリ塩化ビニル製の医療用チューブが多用されるが、ニトログリセリンやジアゼパムなどの薬剤を輸液すると、これらがチューブへ吸着されるという問題がある。また、軟質ポリ塩化ビニルの中にはDEHP(ジエチルヘキシルフタレート)などの可塑剤を含有させて柔軟性を付与するものがあり、薬剤の可溶化剤として界面活性剤を含有する薬剤、例えば抗癌剤のペプシドやタキソール、脂肪乳剤、麻酔剤のプロポフォールなどを輸液する場合には、チューブから可塑剤が溶出され、可塑剤の生体への影響や経時的なチューブの硬化が問題となる。
これらの問題に対処するため、可塑剤を含まないエラストマーよりなるチューブ素材や、薬剤が吸着しにくいポリブタジエン製のチューブ素材が開発され使用されている。しかしこれらのチューブ素材は、軟質ポリ塩化ビニル製チューブと比較して耐キンク性に乏しく折れやすい。また、ポリエチレン等のポリオレフィン素材からなるチューブは、反発弾性が大きく操作性に劣る場合がある。
一方、ポリ塩化ビニルとポリオレフィン素材とを多層化することにより、上記の課題に対応することも検討されている。例えば、2以上の層から構成される多層チューブであって、外層として塩素化ポリエチレン層を有し、内層としてポリエチレン系樹脂層を含む多層チューブが開示されている(特許文献1参照)。この多層チューブは、チューブを折り曲げた時にキンクや曲りぐせが発生せず適度の柔軟性を有すること、滅菌しても形状、寸法等の変化がなく、及びチューブを径の異なるチューブや射出成形部品と溶剤接着等を可能とし、および透明性、柔軟性、耐キンク性、耐鉗子性、耐熱性に優れ、可塑剤の溶出がない多層チューブとして開発されたものである。
特許文献2には、外層に塩化ビニル樹脂を、内層に低密度ポリエチレン、接着層にエチレン−ビニル酢酸共重合体を使用した3層チューブが開示されている。内層に低密度ポリエチレンを使用するため、ニトログリセリンやインスリンなどの投与に適し、かつ溶剤接着が可能で、柔軟かつ可撓性に優れる、としている。また、特許文献3には、医療用多層チューブに求められる特性として構造層の離層抵抗を問題とし、多層チューブなどの接着層としてエチレン−アクリル酸エステル−無水マレイン酸の3元共重合体を用いる方法が開示されている。
特開2002−282356号公報 米国特許第4,627,844号明細書 特開平8−300575号公報
従来の医療用多層チューブは、上記のように、内層にポリエチレン系樹脂を用いることなどによって薬剤の吸収が防止され、薬液の送液や延長チューブとしても使用できるようになり、特定の接着層の導入によって加熱滅菌後の剥離抵抗も向上している。
しかしながら、輸液用チューブの使用態様として、体外循環の際に血液を回路中に循環させるためにローラー式ポンプや薬液を体内に注入するための蠕動式ポンプでしごかれる場合がある。このようなポンプ用チューブとしては、柔軟性を必要とすると共に耐久性が要求される。この点、従来の多層チューブは、ローラー式ポンプや蠕動式ポンプにしごかれると層間での剥離が生じ、耐久性や安全性の点で問題となっていた。
そこで本発明は、チューブを潰して送液するタイプの輸液ポンプで使用しても剥離が生じにくい医療用チューブを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記問題点を鑑み鋭意研究を積み重ねた結果、中間層に無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体を使用すると、内層および外層との接着性に優れ、輸液ポンプによる送液にも耐えうる耐剥離性が確保できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体から形成される中間層、前記中間層の外側に設けられ、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂から形成される外層、および前記中間層の内側に設けられ、オレフィン系重合体から形成される内層を備える、医療用チューブを提供する。
本発明によれば、チューブを潰して送液するタイプの輸液ポンプで使用しても剥離が生じにくい医療用チューブが提供されうる。
本発明は、図1に示すように、無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体から形成される中間層2、前記中間層2の外側に設けられ、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂から形成される外層3、および前記中間層2の内側に設けられ、オレフィン系重合体から形成される内層1を備える、医療用チューブである。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の医療用チューブにおいて、中間層2は無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体から形成される。本発明で用いられる無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体の原料となるエチレン−酢酸ビニル共重合体としては、全ての単量体を100質量%として、好ましくは50〜95質量%のエチレンと5〜50質量%の酢酸ビニルとを共重合させた共重合体、より好ましくは、60〜85質量%のエチレンと15〜40質量%の酢酸ビニルとを共重合させた共重合体が挙げられる。
上記のようなエチレン−酢酸ビニル共重合体は、無水マレイン酸により変性され、本発明に用いられる無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体となる。前記無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体の製造方法としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体を溶融させた後無水マレイン酸を添加して付加反応またはグラフト重合させる方法、エチレン−酢酸ビニル共重合体をトルエン、キシレンなどの溶媒に溶解させた後無水マレイン酸を添加して付加反応またはグラフト重合させる方法などが挙げられる。前記の製造方法は、通常、約40〜350℃程度の温度で行われる。
無水マレイン酸をエチレン−酢酸ビニル共重合体に付加反応またはグラフト重合させる場合、通常、ラジカル開始剤の存在下で付加または重合を実施する。ラジカル開始剤の例としては、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメサルシクロヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−アミルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられる。
エチレン−酢酸ビニル共重合体への無水マレイン酸の付加量またはグラフト量は、エチレン−酢酸ビニル共重合体100質量%に対し、好ましくは0.0001〜15質量%、より好ましくは0.001〜10質量%である。
前記無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体の分子量について特に制限はないが、外層および内層との接着性、本発明の医療用チューブとした場合の柔軟性などを考慮すると、重量平均分子量が好ましくは10,000〜100,000であり、より好ましくは10,000〜50,000である。なお、前記重量平均分子量は、GPC法により測定したポリスチレン換算の値を採用するものとする。
なお、前記無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体は、単独で用いてもまたは2種以上を混合して用いることもできる。また、外層および内層との接着力を向上させるために、前記無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体に対して、タッキファイヤーなどの助剤を添加してもよい。前記タッキファイヤーとしては例えば、ロジン系、ロジン誘導体系、テルペン樹脂系、テルペン誘導体系等の天然系タッキファイヤーや、石油樹脂系、スチレン樹脂系、クマロンインデン樹脂系、フェノール樹脂系、キシレン樹脂系等の合成系タッキファイヤー等が挙げられる。
本発明の医療用チューブにおいて、前記中間層の外側に設けられる外層は、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂から形成される。軟質ポリ塩化ビニル系樹脂の初期弾性率は、好ましくは5〜20MPaである。外層として軟質ポリ塩化ビニル系樹脂を使用すると、透明性、柔軟性、機械的強度などが確保できるため好ましい。特に、輸液ポンプは、接続するチューブの圧力を検知し、一定の圧力範囲で送液を行っている。このため、柔軟性が高すぎると過度に圧力が高まり、検知機構に敏感に反応し過ぎて実際の使用が困難となり、硬すぎても検知機構に反応せずに安全性が低下する。この点、従来から輸液ポンプで使用された軟質ポリ塩化ビニル系樹脂を外層に使用することで、従来の基準をそのまま採用して輸液を行った場合でも、このような安全機構の検出感度をそのまま採用して輸液時の安全性を確保することができる。
本発明に用いられる軟質ポリ塩化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニルの他に、塩化ビニル−エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体変性ポリ塩化ビニル、アクリル変性ポリ塩化ビニル、ポリウレタン変性ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。これらの中でも、本発明の医療用チューブの製造コスト低減や耐キンク性向上などの観点から、ポリ塩化ビニルが好ましい。
前記軟質ポリ塩化ビニル樹脂は、本発明の医療用チューブとしての性能を損なわない範囲の量で可塑剤を含むことができる。含まれうる可塑剤としては、特に限定されないが、好ましくはフタル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジノルマルオクチル(DnOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジノニル(DNP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)などのフタル酸エステル類、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル(TOTM)、トリメリット酸トリノルマルオクチル(n−TOTM)、トリメリット酸トリイソデシルなどのトリメリット酸エステル類、アジピン酸ジイソブチル(DIBA)、アジピン酸ジオクチル(DOA)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)、アジピン酸ジイソデシル(DIDA)などのアジピン酸エステル類、アゼライン酸ジオクチル(DOZ)、セバシン酸ジブチル(DBS)、セバシン酸ジオクチル(DOS)、アセチルクエン酸トリブチルなどの脂肪酸エステル類、エポキシ化大豆油などのエポキシ類、アジピン酸ポリエステルなどのポリエステル類、リン酸トリクレシルなどのリン酸エステル類、クエン酸エステル類などが挙げられる。これらの中でも、安全性の観点からTOTMがより好ましい。
これら可塑剤の配合量は、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂100質量%に対して40〜170質量%が好ましく、60〜100質量%がより好ましい。この範囲であれば、輸液ポンプの圧力検知に適度に対応できる柔軟性が確保できる。なお、ポリ塩化ビニルは、透明性、耐滅菌性、機械強度等の材料の物性、価格、成形加工性、取り扱いやすさ等の点で他材料より優れ、特にそのしなやかさと機械的強度とを併せ持つ。したがって、輸液ポンプへの使用以外にも、輸液チューブ、延長チューブなどの用途にも使用できる。
前記軟質ポリ塩化ビニル系樹脂の分子量について特に制限はないが、可塑剤の吸収のしやすさ、本発明の医療用チューブの製造コスト低減などを考慮すると、重量平均分子量が40,000〜200,000であることが好ましい。なお、前記重量平均分子量は、GPC法により測定したポリスチレン換算の値を採用するものとする。
本発明の医療用チューブにおいて、前記中間層の内側に設けられる内層は、オレフィン系重合体から形成される。オレフィン系重合体は薬液の吸着や収着が少ないため、特に薬液との接触率が高い内層にオレフィン系重合体を使用すると輸送液からの薬剤の吸着や収着と、外層の軟質ポリ塩化ビニル系樹脂からの可塑剤の溶出との双方を防止することができる。
本発明に用いられるオレフィン系重合体は、α−オレフィンの単独重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体およびこれらの混合物、またはα−オレフィンと他の不飽和単量体とのランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、およびこれら重合体を酸化またはスルホン化したもの等を、単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。具体的には、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、超超低密度ポリエチレン(ULDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などのポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−メチル(メタ)アクリレート共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリレート共重合体などのエチレン系共重合体、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレンなどのポリプロピレン系重合体、ポリシクロペンテン、ポリシクロヘキセンなどの環状オレフィンの重合体、ポリブテン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテン等が例示できる。これらの中でコスト、物性バランスの点から、ポリエチレン、エチレン系共重合体、ポリプロピレン系重合体、またはこれらの混合物が好ましく使用できる。これらの中でも、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン系重合体がより好ましい。特に本発明の医療用チューブの輸液ポンプへの適合性、耐剥離性などを考慮すると、低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレンがさらに好ましい。
オレフィン系重合体の製造方法は、特に制限されるものではなく、従来公知の方法を適宜選択して採用することができる。例えば、チーグラー−ナッタ触媒やメタロセン触媒を用いた配位重合、ラジカル重合、アニオン重合などにより、オレフィン系重合体が製造されうる。
前記オレフィン系重合体の分子量について特に制限はないが、本発明の医療用チューブの成形性、強度、柔軟性などの観点から、重量平均分子量が10,000〜400,000であることが好ましい。なお、前記重量平均分子量は、GPC法により測定したポリスチレン換算の値を採用するものとする。
前記オレフィン系重合体には、輸液の際の薬剤の吸収が起こらない範囲で、プロセスオイルなどを配合してもよい。本発明で使用されるプロセスオイルとしては特に限定されないが、通常、25℃などの室温で液体または液状の材料が好適に用いられる。具体的には、鉱物油系、植物油系、動物系、合成系等のゴム用または樹脂用のプロセスオイルが挙げられる。鉱物油系としては、ナフテン系鉱油、流動パラフィンなどのパラフィン系鉱油等が、植物油系としては、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木ろう、パインオイル、オリーブ油等が、動物系としてはスクワレン等が、合成系としてはポリブテン、低分子量ポリブタジエン等が例示できる。これらの中でも、相溶性と物性バランスの点から、流動パラフィンやスクワレンが好ましく用いられる。これらは所望の物性を得るために2種以上を適宜組み合わせて使用することも可能である。
本発明で使用するポリオレフィン樹脂には、上記ポリオレフィン樹脂100質量%に対して好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下の範囲で他の樹脂を配合してもよい。配合し得る他の樹脂の例としては、スチレン系ブロック共重合体、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステルなどが挙げられる。これらの他の樹脂の配合量が30質量%を超えると、ポリアクリル酸やポリアクリル酸エステルが有する極性基によって、ニトログリセリン等の薬剤が吸着される場合があり、好ましくない。
本発明に用いられる、無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂、およびオレフィン系重合体は、本発明の医療用チューブとしたときの特性を損なわない範囲で、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤等の各種添加剤を含むことができる。具体的には、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、スリップ剤、架橋剤、架橋助剤、染料、顔料、難燃剤、分散剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤などの各種添加剤、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、マイカなどの無機フィラー類などを含むことができる。前記の各種添加剤または無機フィラーの添加量は、無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂、またはオレフィン系重合体を100質量%としたとき、好ましくは0.001〜5質量%、より好ましくは0.01〜3質量%である。
本発明の医療用チューブは、チューブの総断面積に対する前記外層の断面積の比率が好ましくは35〜92%、より好ましくは50〜80%であり、チューブの総断面積に対する前記中間層の断面積の比率が好ましくは5〜45%、より好ましくは10〜35%であり、チューブの総断面積に対する前記内層の断面積の比率が好ましくは3〜20%、より好ましくは5〜15%である。
前記外層の断面積の比率が35%未満であると、チューブのポンプ適合性や耐キンク性が低下する場合があり、92%を超えるとチューブの耐剥離性が低下する場合があるため好ましくない。
また、前記中間層の断面積の比率が5%未満であると、チューブの耐剥離性が低下する場合があり、45%を超えるとチューブの弾性回復率(復元性)が低下する場合があり、本発明の医療用チューブが高コストとなる場合があるため好ましくない。
さらに、前記内層の断面積の比率が3%未満であると、チューブの外層に含まれている可塑剤に対する溶出抑制効果が低下する場合があり、20%を超えるとチューブの弾性回復率(復元性)が低下する場合があるため好ましくない。
上記の各層の断面積の比率は、下記数式1〜3により算出する。
Figure 2007236782
本発明の医療用チューブは、押出成形、射出成形、ブロー成形、回転成形など、公知の成形方法に従って成形することができる。医療用チューブの内径、外径、長さなどに制限はなく、用途に応じて適宜選択すればよい。なお、一般的な医療用チューブの外径は1〜10mmであり、内径は0.5〜7mmである。
また、本発明の医療用チューブは、引張強度が好ましくは5MPa以上、より好ましくは7MPa以上、初期弾性率が好ましくは3〜20MPa、より好ましくは4〜15MPaである。引張強度が5MPa未満であると、輸液時の圧力によって破裂する場合がある。一方、初期弾性率が3MPa未満であると、チューブが柔らかすぎて、輸液ポンプに使用したとき過度に圧力が高まり、輸液ポンプの検知機構に敏感に反応し過ぎて実際の使用が困難となる場合があり、20MPaを超えるとチューブが硬くなり、市販の輸液ポンプの圧力センサーに適合しなくなる場合がある。上記範囲は、従来の塩化ビニル系樹脂製チューブが保持する性能であり、多層チューブとした場合にも上記特性を維持することで、従来の塩化ビニル系樹脂製チューブの用途のいずれにも好ましく使用することができる。
加えて、本発明の医療用チューブは、チューブ内を移動する液体や気泡が確認できるように実質的に透明であることが好ましい。ここで、「実質的に透明」という語句は、チューブ内の液体、または液体に混入する気泡が視認できるレベルの透明性であることを意味する。具体的には、JIS規格 K7105 「プラスチックの光学的特性試験方法」により測定したチューブの全光線透過率が、好ましくは75〜100%、より好ましくは80〜100%である。
本発明の医療用チューブは、従来の塩化ビニル製チューブの用途に加えて、薬剤投与用のカテーテルチューブ、輸液チューブ、特に輸液ポンプ用チューブ、延長チューブ、血液回路チューブ、翼付静脈針用チューブなどに好適に使用することができる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を限定するものではない。
(実施例1)
内層にポリエチレン樹脂、外層に可塑剤としてトリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル(TOTM)を73質量%含有するポリ塩化ビニル、中間層に無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体を使用し、三層押し出し機を用いて内層の厚みが100μm、中間層の厚みが150μm、外層の厚みが400μm、内径2.10mm、外径3.40mmの多層チューブを作製した。
(比較例1〜6)
中間層として、下記表1に示す樹脂を使用し、外層、中間層、および内層の厚みを下記表1のようにした以外は、実施例1と同様にして多層チューブを作製した。
(評価)
輸液ポンプ(テルモ株式会社製、TE−112)に、水を満たした実施例1および比較例1〜6のチューブを設置し、流量25ml/minおよび300ml/minにて連続動作を行い、24時間経過後のチューブの状態を目視にて確認した。評価は、○:層間剥離がない、×:層間剥離が有る、とした。結果を表1に示す。
Figure 2007236782
(結果)
本発明の医療用チューブは、輸液ポンプの流量の大小にかかわらず、24時間の輸液ポンプによる連続使用によっても剥離が起こらず、極めて耐剥離性に優れることが判明した
本発明の医療用チューブは、耐剥離性に優れるため、輸液ポンプによる送液に好適に使用できる。
本発明の医療用チューブの断面図である。
符号の説明
1 内層、
2 中間層、
3 外層。

Claims (5)

  1. 無水マレイン酸変性エチレン−酢酸ビニル共重合体から形成される中間層、
    前記中間層の外側に設けられ、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂から形成される外層、および
    前記中間層の内側に設けられ、オレフィン系重合体から形成される内層、
    を備える、医療用チューブ。
  2. チューブの総断面積に対する前記外層の断面積の比率が35〜92%であり、
    チューブの総断面積に対する前記中間層の断面積の比率が5〜45%であり、
    チューブの総断面積に対する前記内層の断面積の比率が3〜20%である、
    請求項1に記載の医療用チューブ。
  3. 前記軟質ポリ塩化ビニル系樹脂がトリメリット酸トリ−2−エチルヘキシルを含む、請求項1または2に記載の医療用チューブ。
  4. 前記オレフィン系重合体がポリエチレンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の医療用チューブ。
  5. 前記ポリエチレンが、低密度ポリエチレンまたは直鎖状低密度ポリエチレンである、請求項4に記載の医療用チューブ。
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