JP2006083233A - 管状体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 成形加工性に優れ、柔軟性、耐水蒸気透過性、耐酸素透過性、耐油性、耐熱性、及び耐キンク性等に優れた管状体を提供する。
【解決手段】 下記の成分(1)、成分(2)、及び成分(3)を含有する熱可塑性エラストマー組成物からなる管状体。
(1)下記一般式(I) 又は(II)で表され、重量平均分子量が15万〜100万であるブロック共重合体、又は/及び、それを水素添加して得られた水添ブロック共重合体
A−(B−A)n (I) (A−B)m (II) 〔式(I) 及び(II)中、Aはビニル芳香族炭化水素の重合体ブロックを示し、Bはエラストマー性重合体ブロックを示す。n及びmは1〜5の整数である。〕
(2)数平均分子量が700〜3,000のブテン系液状重合体
(3)オレフィン系樹脂

Description

本発明は、非塩化ビニル系材料による軟質のチューブやホース等の管状体に関し、特に医療分野や食品分野等に好適に用いられる軟質の管状体に関する。
従来より、医療分野や食品分野等における軟質の管状体としては、管状体を折り曲げたときの曲がり目の内側に山形の折線が生じる、所謂「キンク」に対して耐性を有する軟質塩化ビニル樹脂が広く用いられている。しかしながら、塩化ビニル樹脂を用いた製品には、環境に十分配慮して廃棄しなければならないという制約があるため、非塩化ビニル系材料による管状体が望まれている。
これに対して、その非塩化ビニル系材料として、エチレン−酢酸ビニル共重合体が既に用いられており、又、低密度ポリエチレン、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、及び流動パラフィンの組成物からなる医療用チューブが提案されている(特許文献1参照。)。しかしながら、これらの材料においては、耐キンク性が劣る上に、耐熱性も劣っていて加熱滅菌処理等を施すことができないことが問題となっていた。
特開2001−104473号公報。
一方、従来より、スチレン系熱可塑性エラストマーは、成形加工性及び柔軟性等に優れ、自動車分野、工業分野、建築分野、土木分野、医療分野、食品分野等の様々な分野で用いられているものの、耐キンク性が劣る上に、耐水蒸気透過性や耐酸素透過性等のガスバリア性にも劣り、軟質の管状体として用いるには限界があった。
本発明は、上記の現状に鑑みてなされたものであり、成形加工性に優れ、柔軟性、耐水蒸気透過性、耐酸素透過性、耐油性、耐熱性、及び耐キンク性等に優れた管状体を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のブロック共重合体と特定の液状重合体とオレフィン系樹脂とを含有する熱可塑性エラストマー組成物からなる管状体が、前記課題を解決できることを見出し本発明に到達したもので、従って、本発明は、下記の成分(1)、成分(2)、及び成分(3)を含有する熱可塑性エラストマー組成物からなる管状体、を要旨とする。
(1)下記一般式(I) 又は(II)で表され、重量平均分子量が15万〜100万であるブロック共重合体、又は/及び、それを水素添加して得られた水添ブロック共重合体
A−(B−A)n (I) (A−B)m (II) 〔式(I) 及び(II)中、Aはビニル芳香族炭化水素の重合体ブロックを示し、Bはエラストマー性重合体ブロックを示す。n及びmは1〜5の整数である。〕
(2)数平均分子量が700〜3,000のブテン系液状重合体
(3)オレフィン系樹脂
本発明によれば、成形加工性に優れ、柔軟性、耐水蒸気透過性、耐酸素透過性、耐油性、耐熱性、及び耐キンク性等に優れた管状体を提供することができる。
本発明の管状体を構成する熱可塑性エラストマーは、成分(1)の、下記一般式(I) 又は(II)で表されるブロック共重合体、又は/及び、それを水素添加して得られた水添ブロック共重合体を含有することを必須とする。
A−(B−A)n (I) (A−B)m (II) 〔式(I) 及び(II)中、Aはビニル芳香族炭化水素の重合体ブロックを示し、Bはエラストマー性重合体ブロックを示す。n及びmは1〜5の整数である。〕
前記一般式(I) 又は(II)で表されるブロック共重合体において、ビニル芳香族炭化水素の重合体ブロックである重合体ブロックAは熱可塑性エラストマーとしてのハードセグメントを、エラストマー性重合体ブロックである重合体ブロックBは熱可塑性エラストマーとしてのソフトセグメントを、それぞれ構成し、共重合体構造の代表例は、A−B−A、又は、A−Bで表され、エラストマー性重合体ブロックB中の二重結合が部分的に或いは完全に水素添加されていてもよいブロック共重合体であって、代表的にはスチレン系熱可塑性エラストマーと称されるものが挙げられる。
ここで、ビニル芳香族炭化水素の重合体ブロックAにおけるビニル芳香族炭化水素としては、具体的には、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−、m−、p−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等が挙げられ、特にスチレンが好ましい。
又、エラストマー性重合体ブロックBにおける重合体を構成する単量体としては、重合体としてエラストマー性が発現される限り限定されるものではないが、共役ジエンからなるものが好ましく、その共役ジエンとしては、具体的には、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等が挙げられ、特に、ブタジエン、イソプレン、又は、ブタジエンとイソプレンの2/8〜6/4の重量割合の混合物が好ましい。
従って、本発明における前記一般式(I) 又は(II)で表されるブロック共重合体としては、重合体ブロックAがスチレンの重合体ブロックであり、重合体ブロックBが、ブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック、及び、ブタジエン−イソプレン共重合体ブロックよりなる群から選択されたいずれかであるブロック共重合体が特に好ましい。
又、本発明において、ブロック共重合体としては、ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素の重合体ブロックAの含有量が、10〜50重量%であるのが好ましく、15〜45重量%であるのが更に好ましく、20〜40重量%であるのが特に好ましい。重合体ブロックAの含有量が前記範囲未満では、熱可塑性エラストマー組成物ひいては管状体として機械的強度や耐熱性が劣る傾向となり、一方、前記範囲超過では、熱可塑性エラストマー組成物ひいては管状体として柔軟性、ゴム弾性が劣ると共に、後述する成分(2)のブテン系液状重合体がブリードし易い傾向となる。
又、エラストマー性重合体ブロックBにおいて、その重合体を構成する単量体がブタジエンのみである場合、熱可塑性エラストマー組成物ひいては管状体としてのゴム弾性を保持する面から、ブタジエンの1,2−結合の割合は、20〜50%であるのが好ましく、25〜45%であるのが特に好ましい。
本発明において、成分(1)のブロック共重合体としては、前記ブロック共重合体を水素添加して得られた水添ブロック共重合体であるのが好ましく、その場合、エラストマー性重合体ブロックB中の二重結合の水素添加率は、30%以上であるのが好ましく、50%以上であるのが更に好ましく、90%以上であるのが特に好ましい。水素添加率が前記範囲未満では、熱可塑性エラストマー組成物ひいては管状体として耐熱性や耐候性が劣る傾向となる。
又、本発明において、管状体を構成する熱可塑性エラストマーにおける成分(1)の前記ブロック共重合体は、重量平均分子量が、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の値として、15万〜100万であることを必須とし、18万〜70万であるのが好ましく、20万〜50万であるのが特に好ましい。重量平均分子量が15万未満では、熱可塑性エラストマー組成物としての成形加工性が劣り、ひいては管状体として耐油性、耐熱性、耐キンク性等が低下し、又、後述する成分(2)のブテン系液状重合体がブリードして管状体表面にべたつきが生じ易いこととなり、一方、100万以上では、熱可塑性エラストマー組成物としての成形加工が困難となる等の問題が生じることとなる。
尚、本発明における前記ブロック共重合体は、前述の構造、物性を有する限り、いかなる方法で製造されたものであってもよい。例えば、特公昭40−23798号公報に記載された方法、即ち、リチウム触媒の存在下に不活性溶媒中でブロック共重合を行う方法等を採用することができる。又、ブロック共重合体の水素添加処理は、例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6636号公報、特開昭59−133203号公報、特開昭60−79005号公報等に記載された方法により、水素添加触媒の存在下に不活性溶媒中で行うことができる。
又、前記ブロック共重合体は、スチレン又はその誘導体とエラストマー性ブロックを重合し、これをカップリング剤によりカップリングすることにより得ることもできる。又、ジリチウム化合物を開始剤としてエラストマー性ブロックを重合し、次いで、スチレン又はその誘導体を逐次重合して得ることもできる。
これらのブロック共重合体は、例えば、クレイトンポリマー社より商品名「KRATON−G」として、又、クラレ社より商品名「セプトン」として、又、旭化成社より商品名「タフテック」として、それぞれ市販されている。
又、本発明の管状体を構成する熱可塑性エラストマーは、成分(2)のブテン系液状重合体を含有することを必須とする。
ここで、ブテン系液状重合体としては、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン等の単独重合体、及びそれらを主成分とする共重合体等が挙げられるが、中で、イソブテンの単独重合体、或いは、イソブテンを主成分とする1−ブテン又は/及び2−ブテンとの共重合体が好ましい。
又、本発明において、管状体を構成する熱可塑性エラストマーにおける成分(2)の前記ブテン系液状重合体は、数平均分子量が700〜3,000であることを必須とし、800〜2,500であるのが好ましい。数平均分子量が700未満では、熱可塑性エラストマー組成物としてひいては管状体として耐熱性が劣ると共に、ブリードして管状体表面にべたつきが生じ易いこととなり、一方、3,000超過では、熱可塑性エラストマー組成物として前記成分(1)のブロック共重合体に均一に分散することが困難となる。
尚、本発明において、前記ブテン系液状重合体としては、40℃での動粘度が2,000〜200,000cStであるのが好ましく、5,000〜100,000cStであるのが特に好ましく、又、流動点が−40〜10℃であるのが好ましく、−30〜5℃であるのが更に好ましく、又、引火点(COC)が180〜300℃であるのが好ましく、200〜280℃であるのが特に好ましい。
又、本発明の管状体を構成する熱可塑性エラストマーは、成分(3)のオレフィン系樹脂を含有することを必須とする。
ここで、オレフィン系樹脂としては、例えば、エチレンの単独重合体、エチレンを主成分とした、プロピレン、1−ブテン等の他αーオレフィンや、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等のビニル単量体等との共重合体等のエチレン系樹脂、プロピレンの単独重合体、プロピレンを主成分とした、エチレン、1−ブテン等の他αーオレフィン等との共重合体等のプロピレン系樹脂、1−ブテンの単独重合体、1−ブテンを主成分とした、エチレン、プロピレン等の他αーオレフィン等との共重合体等のブテン系樹脂等が挙げられるが、中で、プロピレン系樹脂が好ましい。
本発明における成分(3)のオレフィン系樹脂として好ましいとするプロピレン系樹脂としては、JIS K7210に準拠して温度230℃、荷重21.18Nで測定したメルトフローレートが、0.05〜200g/10分であるのが好ましく、0.1〜100g/10分であるのが特に好ましい。プロピレン系樹脂のメルトフローレートが前記範囲未満では、熱可塑性エラストマー組成物としての成形加工性が劣って管状体の表面外観が不良となる傾向となり、一方、前記範囲超過では、熱可塑性エラストマー組成物ひいては管状体として機械的強度が低下する傾向となる。
本発明において、前記成分(1)、成分(2)、及び成分(3)を必須成分として含有する熱可塑性エラストマー組成物は、前記成分(1)と成分(2)の含有量が、両者の合計量に対して成分(1)が20〜80重量%、成分(2)が80〜20重量%であるのが好ましく、成分(1)が30〜75重量%、成分(2)が70〜25重量%であるのが特に好ましい。成分(1)の含有量が前記範囲未満で成分(2)の含有量が前記範囲超過では、熱可塑性エラストマーひいては管状体として耐キンク性が劣る傾向となると共に、成分(2)がブリードして管状体表面にべたつきが生じ易い傾向となり、一方、成分(1)の含有量が前記範囲超過で成分(2)の含有量が前記範囲未満では、熱可塑性エラストマーとしての成形加工性が劣る傾向となると共に、熱可塑性エラストマーひいては管状体として柔軟性、ガスバリア性、耐キンク性等が低下する傾向となる。
又、熱可塑性エラストマー組成物は、前記成分(3)の含有量が、成分(1)と成分(2)の合計量100重量部に対して、1〜300重量部であるのが好ましく、5〜200重量部であるのが更に好ましく、10〜100重量部であるのが特に好ましい。成分(3)の含有量が前記範囲未満では、熱可塑性エラストマーとしての成形加工性が劣る傾向となると共に、熱可塑性エラストマーひいては管状体として耐油性、耐熱性が劣る傾向となり、一方、前記範囲超過では、熱可塑性エラストマーひいては管状体として柔軟性、耐キンク性が劣る傾向となる。
尚、本発明において、前記成分(1)、成分(2)、及び成分(3)を必須成分として含有する熱可塑性エラストマー組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、例えば、ポリスチレン等のスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂等の他の各種熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体ゴム等のオレフィン系ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリブタジエンゴム等の他の各種ゴム等を含有していてもよい。
又、更に、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、分散剤、難燃剤、導電性付与剤、着色剤等の各種添加剤、及び、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、タルク、マイカ、シリカ、チタニア、炭酸カルシウム、カーボンブラック等の各種充填材等、熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーに通常用いられる各種添加剤、充填材等を含有していてもよい。
その酸化防止剤としては、例えば、モノフェノール系、ビスフェノール系、トリ以上のポリフェノール系、チオビスフェノール系、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、フェニレンジアミン系等の化合物が挙げられ、中で、モノフェノール系、ビスフェノール系、トリ以上のポリフェノール系、チオビスフェノール系の化合物が好ましい。又、酸化防止剤の含有量としては、前記成分(1)〜(3)の合計量100重量部に対して、0.01〜5重量部であるのが好ましく、0.05〜3重量部であるのが特に好ましい。
又、本発明において、前記成分(1)〜(3)を含有する熱可塑性エラストマー組成物は、架橋剤の存在下に動的に熱処理されて部分架橋物とされていてもよく、これにより、熱可塑性エラストマー組成物ひいては管状体に耐油性、耐熱性等を付与することができる。
その際の架橋剤としては、例えば、有機過酸化物、硫黄、及び、フェノール系、マレイミド系、オキシム系、ポリアミン系等の架橋剤等が用いられるが、中で、有機過酸化物が好ましく、その有機過酸化物としては、具体的には、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のジアルキルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3等のパーオキシエステル類、アセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド等のヒドロパーオキサイド類等が挙げられる。中で、1分間の半減期温度が140℃以上のものが好ましく、例えば、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等が好ましい。
又、その際、前記有機過酸化物と共に、必要に応じて架橋助剤を用いることもでき、その架橋助剤としては、具体的には、例えば、硫黄、p−キノンジオキシム、p−ジニトロソベンゼン、1,3−ジフェニルグアニジン、m−フェニレンビスマレイミド等の過酸化物架橋用助剤、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ジアリルフタレート等の多官能ビニル化合物、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート化合物等が用いられる。
又、動的熱処理は、代表的には、前記成分(1)〜(3)、及び他の任意成分と、前記(1)〜(3)の合計量100重量部に対して、好ましくは0.1〜3重量部、特に好ましくは0.1〜1重量部の前記架橋剤と、好ましくは5重量部以下、特に好ましくは0.1〜3重量部の架橋助剤とを、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等により均一に混合した後、ミキシングロール、ニーダー、バンバリーミキサー、ブラベンダープラストグラフ、一軸又は二軸押出機等の混練装置を用いて、好ましくは100〜300℃、特に好ましくは110〜280℃の温度で、好ましくは10秒〜30分、特に好ましくは20秒〜20分間の時間で溶融混練することによりなされる。尚、その際、各成分を分割して混練装置に供給する多段分割混練法を用いてもよい。
本発明の管状体は、前記熱可塑性エラストマー組成物を押出成形することにより製造される。その際の押出成形時の組成物の温度としては、130〜220℃とするのが好ましく、150〜200℃とするのが特に好ましい。又、本発明の管状体は、前記熱可塑性エラストマー組成物の単層構造のものに限定されず、例えば、発泡体層、織布層、不織布層、綿布層、紙層等を外層として有するとか、又は、表面コート層を内面或いは外面に有する等の積層構造のものであってもよい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例により限定されるものではない。尚、以下の実施例、比較例で用いた成分(1)、成分(2)、及び成分(3)、並びにその他成分を以下に示す。
<成分(1)>
(1)−1:スチレン重合体ブロック−ブタジエン重合体ブロック−スチレン重合体ブロックの共重合構造からなるスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物(スチレン含有量33重量%、水素添加率98%以上、重量平均分子量245,000)
(1)−2:スチレン重合体ブロック−ブタジエン/イソプレン共重合体ブロック−スチレン重合体ブロックの共重合構造からなるスチレン−ブタジエン/イソプレンブロック共重合体の水素添加物(スチレン含有量30重量%、ブタジエン/イソプレン(重量比)=4/6、水素添加率98%以上、重量平均分子量243,000)
(1)−3(比較例用):スチレン重合体ブロック−ブタジエン重合体ブロック−スチレン重合体ブロックの共重合構造からなるスチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物(スチレン含有量31重量%、水素添加率98%以上、重量平均分子量100,000)
<成分(2)>
(2)−1:イソブチレンを主成分とし、1−ブテン等が共重合したイソブテン共重合体(数平均分子量980、日本石油化学社製「HV100」)
(2)−2:イソブチレンを主成分とし、1−ブテン等が共重合したイソブテン共重合体(数平均分子量1,400、日本石油化学社製「HV300」)
(2)−3(比較例用):イソブチレンを主成分とし、1−ブテン等が共重合したイソブテン共重合体(数平均分子量630、日本石油化学社製「HV15」)
(2)−4(比較例用):イソブチレンを主成分とし、1−ブテン等が共重合したイソブテン共重合体(数平均分子量3,700、日本石油化学社製「HV3000」)
<成分(3)>
(3)−1:プロピレン単独重合体樹脂(メルトフローレート0.9g/10分、日本ポリケム社製「EA9」)
<その他成分>
(4)−1(比較例用):パラフィン系オイル(重量平均分子量746、40℃の動粘度382cSt、流動点−15℃、引火点300℃、出光興産社製「PW380」)
実施例1〜3、比較例1〜5
表1に示す配合量(重量部)にて配合した熱可塑性エラストマー組成物の成分(1)〜(3)と、その合計量100重量部に対して、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(チバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガノックス1010」)0.1重量部とを、44mm径、L/D=33の二軸押出機を用いて前段110℃、後段200℃としてその間を徐々に昇温しつつ溶融混練し、ストランド状に押出した後、カッティングして熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。
得られたペレットを用い、以下に示す方法で、熱可塑性エラストマー組成物としての硬度、水蒸気透過度、酸素透過度を測定し、結果を表1に示した。
<硬度>
熱可塑性エラストマー組成物ペレットから、インラインスクリュータイプ射出成形機(東芝機械社製「IS130」)で射出圧力50MPa、シリンダー温度220℃、金型温度40℃の条件で、120mm×80mm、厚み2mmのシートを射出成形し、JIS K6253に準拠してJIS A硬度を測定した。
<水蒸気透過度>
熱可塑性エラストマー組成物ペレットから、厚み約1mmのシートをプレス成形し、JIS K7129のB法に準拠して、40℃、90%RHでの水蒸気透過度を測定した。 <酸素透過度>
熱可塑性エラストマー組成物ペレットから、厚み約1mmのシートをプレス成形し、JIS K7126のB法に準拠して、23℃での酸素透過度を測定した。
引き続いて、得られたペレットを、40mm径、L/D=28のフルフライトスクリューを備えたパイプ成形機(アイ・ケー・ジー社製)の環状ダイから、シリンダー温度190℃、ダイ温度190℃、スクリュー回転数20rpmの条件で管状に溶融押出し、外径8mm、内径5mmの管状体を成形した。
その際、以下に示す方法で、成形加工性を評価し、更に、得られた管状体について、以下に示す方法で、耐油性、耐熱性、耐キンク性を測定、評価し、結果を表1に示した。
<成形加工性>
押出成形時の作業性、及び得られた管状体の外観について、以下の基準で評価した。
良好:材料に起因する問題がなく、得られた管状体に著しい外観不良がない。
不良:材料に起因する問題が生じるか、得られた管状体に著しい外観不良が生じた。
<耐油性>
管状体を80℃の軽質流動パラフィンに24時間浸漬した後、取り出して表面に付着した流動パラフィンを拭き取り、重量を測定し、浸漬前の重量に対する重量の増加率を算出した。
<耐熱性>
管状体を120℃のギャーオーブン中に720時間静置した後、外観の変化を目視観察し、以下の基準で評価した。
良好:耐熱性評価前と比べて外観の変化がなく、表面のブリードやべたつきも生じていない。
不良:耐熱性評価前と比べて変形等の外観の変化が認められるか、表面のブリードやべたつきが生じている。
<耐キンク性>
管状体を曲げて両端を揃え、その両端を径24mmにリングに通した後、両端を一体として引っ張って形成されている輪を縮め、キンクが発生したときの管状体の輪の直径を測定した。
Figure 2006083233
本発明の管状体は、柔軟性、耐水蒸気透過性、耐酸素透過性、耐油性、耐熱性、及び耐キンク性等に優れ、例えば、カテーテル類、輸液用チューブ、腹膜透析用チューブ、輸血用チューブ、人工心肺用や血液透析用の血液回路等の回路用チューブ類、その他医療分野における液体移送用ホース類等として医療分野、ウオッシャーチューブ等として自動車分野、散水用ホース、温冷水混合栓用ホース等として工業分野、飲料自動販売機内のチューブ類等として食品分野等の様々な分野での応用が期待できる。

Claims (5)

  1. 下記の成分(1)、成分(2)、及び成分(3)を含有する熱可塑性エラストマー組成物からなることを特徴とする管状体。
    (1)下記一般式(I) 又は(II)で表され、重量平均分子量が15万〜100万であるブロック共重合体、又は/及び、それを水素添加して得られた水添ブロック共重合体
    A−(B−A)n (I) (A−B)m (II) 〔式(I) 及び(II)中、Aはビニル芳香族炭化水素の重合体ブロックを示し、Bはエラストマー性重合体ブロックを示す。n及びmは1〜5の整数である。〕
    (2)数平均分子量が700〜3,000のブテン系液状重合体
    (3)オレフィン系樹脂
  2. 熱可塑性エラストマー組成物の成分(1)のブロック共重合体における重合体ブロックAが、スチレンの重合体ブロックであり、重合体ブロックBが、共役ジエンの重合体ブロックである請求項1に記載の管状体。
  3. 熱可塑性エラストマー組成物の成分(1)のブロック共重合体における共役ジエンの重合体ブロックBが、ブタジエン重合体ブロック、イソプレン重合体ブロック、及び、ブタジエン−イソプレン共重合体ブロックよりなる群から選択されたいずれかであり、且つ、ブロック共重合体中のスチレンの重合体ブロックAの含有量が、10〜50重量%である請求項2に記載の管状体。
  4. 熱可塑性エラストマー組成物の成分(3)のオレフィン系樹脂が、プロピレン系樹脂である請求項1乃至3のいずれかに記載の管状体。
  5. 熱可塑性エラストマー組成物中の成分(1)と成分(2)の含有量が、両者の合計量に対して成分(1)が20〜80重量%、成分(2)が80〜20重量%であり、且つ、成分(3)の含有量が、成分(1)と成分(2)の合計量100重量部に対して1〜300重量部である請求項1乃至4のいずれかに記載の管状体。
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