JP7837742B2 - プロピレン系樹脂組成物および成形体 - Google Patents
プロピレン系樹脂組成物および成形体Info
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Description
上記のような従来技術に鑑み、本発明は、剛性が高く、かつ線膨張係数の小さい成形体、およびこのような成形体を形成することのできるプロピレン系樹脂組成物を提供することを目的とする。
[1]
下記要件(i)~(iii)を満たすプロピレン系重合体(A)を30~80質量部、
下記要件(iv)を満たすプロピレン系重合体(B)を10~50質量部、および
無機充填剤(D)を1~20質量部、ならびに
任意にエラストマー(C)を0~5質量部(ただし、(A)、(B)、(C)および(D)の合計量は100質量部である。)
含有するプロピレン系樹脂組成物。
(i)135℃、テトラリン溶媒中で測定される極限粘度[η]が7~12dl/gであるプロピレン系重合体(A1)を5~25重量部を含む。
(ii)230℃、2.16kg荷重で測定されるメルトフローレート(MFR)が1~20g/10分である。
(iii)13C-NMRにより求められるメソペンタッド分率(mmmm)が97.0~100%である。
(iv)135℃、テトラリン溶媒中で測定される極限粘度[η]が0.15~0.28dl/gである。
[2]
前記プロピレン系重合体(B)の13C-NMRにより求められるメソペンタッド分率(mmmm)が90.0~100%である、前記[1]のプロピレン系樹脂組成物。
[3]
前記プロピレン系重合体(B)の、昇温溶出分別測定法(TREF)により-20℃以下の温度で溶出する成分の割合が3.5質量%以下である、前記[1]または[2]のプロピレン系樹脂組成物。
[4]
核剤を0.01~1質量部を含む、前記[1]~[3]のいずれかのプロピレン系樹脂組成物。
[5]
前記[1]~[4]のいずれかのプロピレン系樹脂組成物からなる成形体。
以下に説明する各物性の測定条件の詳細は、実施例欄に記載する。135℃、テトラリン溶媒中で測定される極限粘度[η]を単に「極限粘度[η]」ともいう。また、以下に説明する各成分は、特に言及しない限りそれぞれ1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
本発明に係るプロピレン系樹脂組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)は、以下にそれぞれ説明する、プロピレン系重合体(A)、プロピレン系重合体(B)、および無機充填剤(D)を含有する。
プロピレン系重合体(A)は、下記要件(i)~(iii)を満たす。
要件(i):プロピレン系重合体(A)は、135℃、テトラリン溶媒中で測定される極限粘度[η]が7~12dl/gの範囲にあるプロピレン系重合体成分(A1)を含んでいる。この極限粘度[η]の値は、たとえば後述するプロピレン系重合体(A)の製造方法の中のプロピレン系重合体成分(A1)の製造方法において、重合系内の水素濃度により調整できる。
プロピレン系重合体(A)のメルトフローレートが上記範囲にあると、プロピレン系樹脂組成物の剛性と耐衝撃性のバランスに優れる。
メソペンタッド分率(mmmm)が上記範囲にあると、プロピレン系樹脂組成物の剛性に優れる。一方、メソペンタッド分率(mmmm)が上記範囲を下回るとプロピレン系樹脂組成物の剛性が低下する。
第1step:10℃/分の昇温速度で230℃まで昇温し、10分間保持する。
第2step:10℃/分の降温速度で30℃まで降温する。
第3step:10℃/分の昇温速度で230℃まで昇温する。
プロピレン系重合体(A)は、好ましくは、プロピレン系重合体成分(A1)に加えてプロピレン系重合体成分(A2)を含むプロピレン系重合体混合物である。
プロピレン系重合体成分(A2)としては、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレンと炭素数2~20のα-オレフィン(ただし、プロピレンを除く)との共重合体が挙げられる。炭素数2~20のα-オレフィンとしては、例えば、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンが挙げられる。これらα-オレフィンとしてはエチレンが好ましい。前記α-オレフィンは1種または2種以上用いることができる。
プロピレン系重合体(A)は、スラリー重合、バルク重合など、公知の方法で製造することができる。また、後述するプロピレン系重合体製造用触媒を使用することが好ましい。
プロピレン系重合体(A)の製造に使用することのできるプロピレン系重合体製造用触媒(以下、単に「触媒」ともいう。)は、例えば、マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物等の有機金属化合物触媒成分と、有機ケイ素化合物等の電子供与性化合物触媒成分とから形成することができるが、代表的なものとして、以下のような触媒成分が使用できる。
固体触媒成分を構成する担体としては、金属マグネシウムと、アルコールと、ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物とから得られる担体が好ましい。
得られた担体は粒状に近く、しかも粒径分布がシャープである。さらには、粒子一つ一つをとってみても、粒形度のばらつきは非常に小さい。この場合、下記の式(I)で表される球形度(S)が1.60未満、特に1.40未満であり、かつ下記の式(II)で表される粒径分布指数(P)が5.0未満、特に4.0未満であることが好ましい。
式(I)中、E1は粒子の投影の輪郭長を示し、E2は粒子の投影面積に等しい円の周長を示す。
式(II)中、D90は質量累積分率が90%に対応する粒子径をいう。すなわち、D90で表される粒子径より小さい粒子群の質量和が全粒子総質量和の90%であることを示している。D10は質量累積分率が10%に対応する粒子径をいう。
式(III)中、X1はハロゲン原子であり、特に塩素原子が好ましく、R1は炭素数1~10の炭化水素基であり、直鎖または分岐鎖のアルキル基が好ましく、R1が複数存在する場合にはそれらは互いに同じでも異なってもよく、nは0~4の整数である。
固体触媒成分は、通常、上記担体にさらに電子供与性化合物を接触させて得られる。電子供与性化合物としては、例えば、フタル酸ジ-n-ブチルが挙げられる。電子供与性化合物は1種または2種以上用いることができる。
接触させる際の温度は、通常は-70~200℃、好ましくは10~150℃である。
触媒成分の内、有機金属化合物触媒成分としては、有機アルミニウム化合物が好ましい。有機アルミニウム化合物としては、例えば、一般式(IV)で表される化合物が挙げられる。
式(IV)中、R2は炭素数1~10のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、X2はハロゲン原子またはアルコキシ基であり、塩素原子または臭素原子が好ましく、nは1~3の整数である。
有機金属化合物触媒成分の使用量は、固体触媒成分中のチタン原子1モルに対して、通常は0.01~20モル、好ましくは0.05~10モルである。
触媒成分の内、重合系に供する電子供与性化合物成分としては、有機ケイ素化合物が好ましい。有機ケイ素化合物としては、例えば、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジエチルアミノトリエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソブチルジメトキシシランが挙げられる。
電子供与性化合物成分の使用量は、固体触媒成分中のチタン原子1モルに対して、通常は0.01~20モル、好ましくは0.1~5モルである。
上記固体触媒成分は、予備重合等の前処理をしてから、重合に用いることが好ましい。例えば、ペンタン、ヘキサン、ペプタン、オクタン等の不活性炭化水素を溶媒として用い、前記溶媒に、上記の固体触媒成分、有機金属化合物触媒成分、および必要に応じて電子供与性化合物成分を投入し、攪拌しながら、プロピレンを供給し、反応させる。プロピレンは、大気圧よりも高いプロピレンの分圧下で供給し、0~100℃にて、0.1~24時間前処理することが好ましい。反応終了後は、n-ヘキサン、n-ヘプタン等の不活性炭化水素を用いて、前処理したものを洗浄することが好ましい。
プロピレン系重合体(B)は、135℃、テトラリン溶媒中で測定される極限粘度[η]が、0.15~0.28dl/gの範囲にあり、好ましくは0.19~0.25dl/gの範囲にある。プロピレン系重合体(B)の極限粘度[η]が前記上限値以下であると、プロピレン系樹脂組成物の剛性が著しく向上かつ低線膨張性に優れ、極限粘度[η]が前記下限値以上であるとプロピレン系樹脂組成物の靭性が保持できる。
プロピレン系重合体(B)は、好ましくは、メタロセン触媒の存在下でプロピレンを単独重合するか、またはプロピレンと他のモノマーとを共重合することによって製造される。
前記プロピレン系重合体(A)および前記プロピレン系重合体(B)は、それぞれ、少なくとも1種以上のバイオマス由来モノマー(プロピレン)に由来する構成単位を含んでいてもよい。重合体を構成する同じ種類のモノマーがバイオマス由来モノマーのみでもよいし、化石燃料由来モノマーのみであってもよいし、バイオマス由来モノマーと化石燃料由来モノマーの両方を含んでもよい。バイオマス由来モノマーとは、菌類、酵母、藻類および細菌類を含む、植物由来または動物由来などの、あらゆる再生可能な天然原料およびその残渣を原料としてなるモノマーで、炭素として14C同位体を1×10-12程度の割合で含有し、ASTMD 6866に準拠して測定したバイオマス炭素濃度(pMC)が100(pMC)程度である。バイオマス由来モノマー(プロピレン)は、たとえば、従来から知られている方法により得られる。
本発明に係るプロピレン系樹脂組成物は、無機充填剤(D)を含む。
無機充填剤(D)としては、例えば、タルク、クレー、マイカ、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、リン酸アンモニウム塩、珪酸塩類、炭酸塩類、カーボンブラック;硫酸マグネシウム繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維が挙げられる。
本発明に係るプロピレン系樹脂組成物は、任意にエラストマー(C)を含んでいても良い。
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上述した成分以外の、樹脂、ゴム、核剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤などの他の成分を含有することができる。
本発明に係る組成物におけるプロピレン系重合体(A)の含有割合は30~80質量部、好ましくは32~75質量部、より好ましくは35~70質量部であり、
本発明に係る組成物におけるプロピレン系重合体(B)の含有割合は10~50質量部、好ましくは15~50質量部、より好ましくは20~50質量部であり、
本発明に係る組成物におけるエラストマー(C)の含有割合は0~5質量部、好ましくは0~3質量部であり、
本発明に係る組成物における無機充填剤(D)の含有割合は1~20質量部、好ましくは5~20質量部、より好ましくは10~20質量部である。
プロピレン系重合体(A)の含有割合が前記下限値よりも過小であると、得られる成形体の剛性が不足する傾向にあり、前記上限値よりも過大であると、得られる成形体の外観が不良(例えば、ブツの発生)となる傾向にある。
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、上述した各成分を配合することにより製造することができる。各成分は、任意の順番で逐次配合してもよく、同時に混合してもよい。また、一部の成分を混合した後に他の成分を混合するような多段階の混合方法を採用してもよい。
本発明の成形体は、上述した本発明の組成物を少なくとも用いて形成される。
本発明の成形体は、例えば、自動車用部品、家電用部品、食品容器、医療容器など様々な分野に好適に用いることができ、自動車用部品として特に好適である。前記自動車用部品としては、例えば、バンパー、ピラー、インストルメンタルパネル等の自動車内外装部材;エンジンファン、ファンシェラウド等の自動車機能部材;ルーフ、ドアパネル、フェンダー等の外板材が挙げられる。
(1)質量分率:
製造例1のプロピレン系重合体(A-1)の製造において、第1段目(第1重合器)で得られたプロピレン系重合体の質量分率は、重合時に生じた反応熱の徐熱量から求めた。
極限粘度[η](dl/g)は、135℃、テトラリン溶媒中で測定した。
メルトフローレート(MFR)(g/10分)は、JIS-K7210に準拠し、測定温度230℃、荷重2.16kgf(21.2N)にて測定した。
重合体の立体規則性の指標の1つであり、そのミクロタクティシティーを調べたペンタド分率(mmmm,%)は、プロピレン系重合体においてMacromolecules 8,687(1975)に基づいて帰属した13C-NMRスペクトルのピーク強度比より算出した。13C-NMRスペクトルは、日本電子製EX-400の装置を用い、TMSを基準とし、温度130℃、o-ジクロロベンゼン溶媒を用いて測定した。
昇温溶出分別法(TREF)は、下記測定条件にて行い、-20℃以下での溶出成分割合を算出した。
装置 :Polymer Char製CFC2型クロス分別クロマトグラフ
検出器:Polymer Char製IR4型赤外分光光度計(内蔵)
移動相:o-ジクロロベンゼン、BHT添加
流速 :1.0mL/分
試料濃度:90mg/30mL
注入量:0.5mL
溶解条件:145℃、30分
安定化条件:135℃、30分
降温速度:1.0℃/分
溶出区分:-20℃~0℃ 10℃刻み、0℃~80℃ 5℃刻み、
80℃~104℃ 3℃刻み、104~130℃ 2℃刻み
溶出時間:3分
予備重合触媒成分中のジルコニウム含量は、島津製作所社製のICP発光分光分析装置(ICPS-8100型)を用いて測定した。サンプルは硫酸および硝酸にて湿式分解した後、定容(必要に応じてろ過および希釈を含む)したものを検液とし、濃度既知の標準試料を用いて作成した検量線から定量を行った。
固体助触媒成分の体積基準のメジアン径(中位径、D50)および粒度分布は、Microtrac社製のMicrotrac MT3300EX IIを利用し、レーザー回折・散乱法により求めた。粒度分布測定には、固体助触媒成分を、窒素流通下、湿潤デシケーター中で事前に失活させたサンプルを用いた。分散媒には主にメタノールを用いた。
均一性指数 = ΣXi|D50-Di|/D50ΣXi
式中、Xiは粒度分布測定における粒子iのヒストグラム値、D50は体積基準のメジアン径、Diは粒子iの体積基準径を示す。固体助触媒成分粒子のXi、D50およびDiは、前記レーザー回折・散乱法により求めた。
曲げ弾性率(FM)(MPa)は、JIS K7171に従って、下記条件で測定した。
試験片:10mm(幅)×80mm(長さ)×4mm(厚さ)
曲げ速度:2mm/分
曲げスパン:64mm
線膨張係数(10-5/℃)は、JIS K7197に準拠し、TMA法(測定範囲:-30~80℃)にて測定した。小型角板(30mm(幅)×30mm(長さ)×2mm(厚さ))の中央部付近からMD方向およびTD方向にそれぞれ約10mm×5mm×2mm厚の形状の試験片を切り出した。切り出した試験片に対して120℃、2時間のアニール操作を実施した後、MD方向に切り出した試験片およびTD方向に切り出した試験片のそれぞれについて線膨張係数を測定し、両者の平均値を求めた。
射出成形機:東芝機械(株)製「EC40」
シリンダー温度:190℃
金型温度:40℃
射出時間-保圧時間:13秒(一次充填時間:1秒)
冷却時間:15秒
特に断りのない限り、全ての実施例は乾燥窒素雰囲気下、乾燥溶媒を用いて行った。
(1)固体状チタン(a-1)の調製:
内容積2リットルの高速撹拌装置(特殊機化工業製)を充分窒素置換した後、該装置に精製灯油700ml、塩化マグネシウム10g、エタノール24.2gおよびソルビタンジステアレート(花王アトラス(株)製「エマゾール320」)3gを装入した。この系を撹拌下で昇温し、120℃および800rpmの条件で30分間撹拌した。高速撹拌下、内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブを用いて、予め-10℃に冷却された精製灯油1リットルを張り込んである2リットルのガラスフラスコ(攪拌機付)に移液した。得られた固体を濾過し、精製n-ヘキサンで充分洗浄することにより、塩化マグネシウム1モルに対してエタノールが2.8モル配位した固体状付加物を得た。
充分に窒素置換された200mlのガラス製反応器に、得られた固体状チタン(a-1)6.8g、パラキシレン113ml、デカン11ml、四塩化チタン2.5ml(23ミリモル)及びジイソブチルフタレ-ト0.34ml(1.2ミリモル)を入れた。反応器内の温度を130℃に昇温し、その温度で1時間攪拌して接触処理した後、熱ろ過により固体部を採取した。この固体部を101mlのパラキシレンに再懸濁させ、さらに四塩化チタン1.7ml(15ミリモル)及びジイソブチルフタレート0.22ml(0.8ミリモル)を添加した。
合成した固体触媒成分(i-1)100g、トリエチルアルミニウム34.2mL、エチルジエチルアミノジメトキシシラン36.7mL、ヘプタン10Lを内容量20Lの攪拌機付きオートクレーブに挿入し、内温15~20℃に保ちプロピレンを600g挿入し、120分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去及びヘプタンによる洗浄を3回行った。得られた前重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分で、1.2g/Lとなるよう、ヘプタンによる調整を行った。この予備重合触媒(b-1)は、1g当りポリプロピレンを6g含んでいた。
内容量1000Lの攪拌器付きベッセル第1重合器に、プロピレンを300L装入し、この液位を保ちながら、プロピレンを117.1kg/h、予備重合触媒(b-1)を固体状チタン触媒成分として1.5g/h、トリエチルアルミニウム7.4mL/h、エチルジエチルアミノジメトキシシラン3.6mL/hを連続的に供給した。重合温度74℃、圧力3.17MPa/Gの水素遮断下で重合を行った。
(1)遷移金属錯体(メタロセン化合物(M-1))の合成):
国際公開第2014/050817号の合成例4に従い、(8-オクタメチルフルオレン-12’-イル-(2-(アダマンタン-1-イル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン))ジルコニウムジクロライド(メタロセン化合物(M-1))を合成した。
固体助触媒成分である固体状ポリアルミノキサン組成物を、公知の手法(国際公開第2014/123212号に記載の手法)に基づいて調製した。具体的には、攪拌機付の1Lガラス製オートクレーブにトルエン40mL、アルベマール社製ポリメチルアルミノキサンの20質量%トルエン溶液(Al濃度=2.95mmol/mL、166mL、490mmol)を加え、その後撹拌しながら45℃に昇温した。続いてn-Octanophenone(14.7g、71.8mmol)のトルエン溶液(20.5mL)を80分かけて添加した。添加後45℃で30分間攪拌し、0.80℃/分の昇温速度で115℃まで昇温し、115℃で30分間反応させた。その後、0.58℃/分の昇温速度で150℃まで昇温し、150℃で150分間反応させた。反応後室温まで冷却し、得られたスラリーをフィルター濾過し、フィルター上の粉体を脱水トルエンで3回洗浄した。その後脱水トルエンを加えて固体助触媒成分(1)である固体状ポリアルミノキサン組成物のトルエンスラリーを得た。得られた固体状ポリアルミノキサン組成物の粒度分布を測定した。体積基準のメジアン径(D50)は9.8μm、均一性指数は0.237であった。
十分に窒素置換した、撹拌器を取り付けた200mL三つ口フラスコ中に、窒素気流下で精製ヘキサンを17.8mL、および先に合成した固体助触媒成分(1)のトルエンスラリー20.5mL(固体状ポリアルミノキサン組成物(固体助触媒成分)の固形分として2.00g)を装入し、懸濁液とした。その後撹拌しながら35℃に昇温した。続いて、先に合成したメタロセン化合物(M-1)80.0mg(10mg/mLのトルエン溶液として8.0mL)を撹拌しながら加えた。60分間反応させた後、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(アルミニウム原子換算で1mol/L)を3.75mL加え、60分間反応させた。室温まで降温し撹拌を停止した後、上澄み液(17mL)をデカンテーションで除去した。得られた固体触媒成分(1)はヘキサン(75mL)を用いて室温で3回洗浄し、その後ヘキサンを加えて全量を50mLに調製した。
上記のとおり調製した固体触媒成分(1)のスラリーに、窒素気流下、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(アルミニウム原子換算で1mol/L)を2.0mL加えた。その後20℃に冷却し、エチレン(6.3g)を6時間かけて装入した。エチレン装入完了後、撹拌を停止し、室温にてヘキサンによるデカンテーション洗浄を行い(洗浄効率98%)、50mLのヘキサンスラリーとした。得られたスラリー10mLをフィルター濾過し、フィルター上の粉体を脱水ヘキサン10mLで2回洗浄した。洗浄後の粉体を2時間減圧乾燥して予備重合触媒成分(BPP-1)を粉体として得た。これをミネラルオイルと混合して、予備重合触媒成分濃度が9.98質量%のミネラルオイルスラリーを得た。得られた予備重合触媒成分(BPP-1)中のジルコニウム含量を測定したところ、0.087質量%であった。
充分に窒素置換した内容量3.4LのSUS製オートクレーブに、上記のとおり調製した予備重合触媒成分(BPP-1)のミネラルオイルスラリー160.0mgとトリエチルアルミニウムのデカン溶液(Al=0.5M)1.5mLとの混合物を装入した。次いで液体プロピレン750g、水素13.1Lを装入し、充分に撹拌しながら70℃で40分間重合を行った。得られたポリマーは80℃で10時間、減圧乾燥を行い、176.3gのプロピレン系重合体(B-1)を得た。プロピレン系重合体(B-1)の物性を表2に示す。
プロピレン系重合体(B-2)の製造:
充分に窒素置換した内容量3.4LのSUS製オートクレーブに、上記のとおり調製した予備重合触媒成分(BPP-1)のミネラルオイルスラリー160.0mgとトリエチルアルミニウムのデカン溶液(Al=0.5M)1.5mLとの混合物を装入した。次いで液体プロピレン750g、水素16.9Lを装入し、充分に撹拌しながら70℃で40分間重合を行った。得られたポリマーは80℃で10時間、減圧乾燥を行い、179.7gのプロピレン系重合体(B-2)を得た。プロピレン系重合体(B-2)の物性を表2に示す。
プロピレン系重合体(B-3)の製造:
充分に窒素置換した内容量3.4LのSUS製オートクレーブに、上記のとおり調製した予備重合触媒成分(BPP-1)のミネラルオイルスラリー160.0mgとトリエチルアルミニウムのデカン溶液(Al=0.5M)1.5mLとの混合物を装入した。次いで液体プロピレン750g、水素9.2Lを装入し、充分に撹拌しながら70℃で40分間重合を行った。得られたポリマーは80℃で10時間、減圧乾燥を行い、171.2gのプロピレン系重合体(B-3)を得た。プロピレン系重合体(B-3)の物性を表2に示す。
製造例1で得られたプロピレン系重合体(A-1)57.5質量部、製造例2で得られたプロピレン系重合体(B-1)26.5質量部、タルク(D-1)(「HAR 3G77L」、(株)イメリス ミネラルズ(製))16質量部、および添加剤(具体的には、耐熱安定剤「IRGANOX1010」(ビーエスエフ社)0.1質量部、耐熱安定剤「IRGAFOS168」(ビーエスエフ社)0.1質量部、ステアリン酸カルシウム0.1質量部、および酸化防止剤「H-BHT」(本州化学工業(株))0.1質量部)をタンブラーにて混合した。次いで、二軸混練押出機にて下記の条件で溶融混練してペレット状のプロピレン系樹脂組成物を得た。プロピレン系樹脂組成物の物性を表3に示す。
同方向二軸混練押出機:(株)テクノベル社製「KZW-15」
混練温度:190℃
スクリュー回転数:500rpm
フィーダー回転数:50rpm
核剤(E-1)(「HPN-20E」、(株)ミリケンジャパン合同会社製))0.2質量部をさらに加えたこと以外は実施例1と同様にして、プロピレン系樹脂組成物を得た。プロピレン系樹脂組成物の物性を表3に示す。
プロピレン系重合体(A-1)の量を38質量部に、プロピレン系重合体(B-1)の量を46質量部に変えた以外は実施例1と同様にして、プロピレン系樹脂組成物を得た。プロピレン系樹脂組成物の物性を表3に示す。
プロピレン系重合体(B-1)26.5質量部をプロピレン系重合体(B-2)26.5質量部に変えた以外は実施例1と同様にして、プロピレン樹脂組成物を得た。プロピレン系樹脂組成物の物性を表3に示す。
プロピレン系重合体(A-1)の量を79質量部に、プロピレン系重合体(B-1)の量を5質量部に変えた以外は実施例1と同様にして、プロピレン系樹脂組成物を得た。プロピレン系樹脂組成物の物性を表3に示す。
プロピレン系重合体(B-1)26.5質量部をプロピレン系重合体(B-3)26.5質量部に変えた以外は実施例1と同様にして、プロピレン系樹脂組成物を得た。プロピレン系樹脂組成物の物性を表3に示す。
Claims (5)
- 下記要件(i)~(iii)を満たすプロピレン系重合体(A)を30~80質量部、
下記要件(iv)および(v)を満たすプロピレン系重合体(B)を10~50質量部、および
無機充填剤(D)を1~20質量部、ならびに
任意にエラストマー(C)を0~5質量部(ただし、(A)、(B)、(C)および(D)の合計量は100質量部である。)
含有するプロピレン系樹脂組成物。
(i)135℃、テトラリン溶媒中で測定される極限粘度[η]が7~12dl/gであるプロピレン系重合体(A1)を5~25質量部、および前記極限粘度[η]が7dl/g未満のプロピレン系重合体(A2)を含み、
前記プロピレン系重合体(A1)は、プロピレン単独重合体であり、
前記プロピレン系重合体(A2)は、プロピレン単独重合体およびプロピレンと炭素数2~20のα-オレフィン(ただし、プロピレンを除く)との共重合体(a)から選択され、前記共重合体(a)において、プロピレンに由来する構成単位数と炭素数2~20のα-オレフィンに由来する構成単位数との合計に対して、プロピレンに由来する構成単位の含有割合は93モル%以上であり、炭素数2~20のα-オレフィン(ただし、プロピレンを除く)に由来する構成単位の含有割合は7モル%以下である。
(ii)230℃、2.16kg荷重で測定されるメルトフローレート(MFR)が1~20g/10分である。
(iii)13C-NMRにより求められるメソペンタッド分率(mmmm)が97.0~100%である。
(iv)135℃、テトラリン溶媒中で測定される極限粘度[η]が0.15~0.28dl/gである。
(v)プロピレン単独重合体およびプロピレンと炭素数2~20のα-オレフィン(ただし、プロピレンを除く)との共重合体(b)から選択され、前記共重合体(b)において、プロピレンに由来する構成単位数と炭素数2~20のα-オレフィンに由来する構成単位数との合計に対して、プロピレンに由来する構成単位の含有割合は98モル%以上100モル%未満であり、炭素数2~20のα-オレフィン(ただし、プロピレンを除く)に由来する構成単位の含有割合は0モル%を超えて2モル%以下である。 - 前記プロピレン系重合体(B)の13C-NMRにより求められるメソペンタッド分率(mmmm)が90.0~100%である、請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 前記プロピレン系重合体(B)の、昇温溶出分別測定法(TREF)により-20℃以下の温度で溶出する成分の割合が3.5質量%以下である、請求項1または2に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 核剤を0.01~1質量部を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
- 請求項1~4のいずれか一項に記載のプロピレン系樹脂組成物からなる成形体。
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