JP2023119475A - プロピレン系樹脂組成物および成形体 - Google Patents

プロピレン系樹脂組成物および成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】剛性が高く、かつ線膨張係数が小さいポリプロピレン系樹脂材料を提供すること。
【解決手段】要件(i)~(iii)を満たすプロピレン系重合体(A)を30~80質量部、要件(iv)を満たすプロピレン系重合体(B)を10~50質量部、および無機充填剤(D)を1~20質量部、ならびに任意にエラストマー(C)を0~5質量部((A)~(D)の合計量は100質量部である。)含有するプロピレン系樹脂組成物。
(i)極限粘度[η](135℃、テトラリン溶媒)が7~12dl/gであるプロピレン系重合体(A1)を5~25重量部を含む。
(ii)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が1~20g/10分である。
(iii)メソペンタッド分率が97.0~100%である。
(iv)極限粘度[η](135℃、テトラリン溶媒)が0.15~0.28dl/gである。
【選択図】なし

Description

本発明は、プロピレン系樹脂組成物および成形体に関する。
ポリプロピレン系樹脂材料を射出成形することにより得られる成形体は、機械物性や成形性に優れ、他材料に比べて相対的にコストパフォーマンスが有利であることにより、自動車用部品や家電用部品など様々な分野での利用が進んでいる(たとえば、特許文献1)。
一方、ポリプロピレン成形品は、一般に寸法安定性が低く、製品とした時に寒暖の差が大きくなる部材への適用は、困難であるという問題を抱えているため、その高い意匠性や優れた経済効果が充分に享受されていないという問題があった。
このような問題を解決する技術として、たとえば特許文献2には、ポリプロピレン系樹脂基材と、エチレンと、炭素原子数4~10のα-オレフィンから選ばれる1種以上のオレフィンとの共重合体とからなる基材成分と、数平均分子量が10000以下であるオレフィン系(共)重合体とを含有するポリプロピレン系樹脂組成物が開示され、特許文献3には、プロピレン系重合体と、プロピレン単独重合体と、エチレン・α-オレフィン共重合体と、無機充填剤とを含むポリプロピレン系樹脂組成物が開示され、特許文献4には、プロピレン系重合体と、オレフィン系重合体と、無機フィラーとを含有するプロピレン系樹脂組成物が開示されている。
国際公開第2021/025141号 特開2014-214202号公報 特開2017-88742号公報 特開2017-222850号公報
しかしながら、従来技術のポリプロピレン系樹脂材料には、剛性が高く、かつ線膨張係数の小さい成形体を形成する観点から、さらなる改善の余地があった。
上記のような従来技術に鑑み、本発明は、剛性が高く、かつ線膨張係数の小さい成形体、およびこのような成形体を形成することのできるプロピレン系樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、たとえば以下の[1]~[5]に関する。
[1]
下記要件(i)~(iii)を満たすプロピレン系重合体(A)を30~80質量部、
下記要件(iv)を満たすプロピレン系重合体(B)を10~50質量部、および
無機充填剤(D)を1~20質量部、ならびに
任意にエラストマー(C)を0~5質量部(ただし、(A)、(B)、(C)および(D)の合計量は100質量部である。)
含有するプロピレン系樹脂組成物。
(i)135℃、テトラリン溶媒中で測定される極限粘度[η]が7~12dl/gであるプロピレン系重合体(A1)を5~25重量部を含む。
(ii)230℃、2.16kg荷重で測定されるメルトフローレート(MFR)が1~20g/10分である。
(iii)13C-NMRにより求められるメソペンタッド分率(mmmm)が97.0~100%である。
(iv)135℃、テトラリン溶媒中で測定される極限粘度[η]が0.15~0.28dl/gである。
[2]
前記プロピレン系重合体(B)の13C-NMRにより求められるメソペンタッド分率(mmmm)が90.0~100%である、前記[1]のプロピレン系樹脂組成物。
[3]
前記プロピレン系重合体(B)の、昇温溶出分別測定法(TREF)により-20℃以下の温度で溶出する成分の割合が3.5質量%以下である、前記[1]または[2]のプロピレン系樹脂組成物。
[4]
核剤を0.01~1質量部を含む、前記[1]~[3]のいずれかのプロピレン系樹脂組成物。
[5]
前記[1]~[4]のいずれかのプロピレン系樹脂組成物からなる成形体。
本発明に係るプロピレン系樹脂組成物によれば、剛性が高く、かつ線膨張係数の小さい成形体を製造することができる。また、本発明に係る成形体は、剛性が高く、かつ線膨張係数が小さい。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
以下に説明する各物性の測定条件の詳細は、実施例欄に記載する。135℃、テトラリン溶媒中で測定される極限粘度[η]を単に「極限粘度[η]」ともいう。また、以下に説明する各成分は、特に言及しない限りそれぞれ1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
[プロピレン系樹脂組成物]
本発明に係るプロピレン系樹脂組成物(以下、単に「組成物」ともいう。)は、以下にそれぞれ説明する、プロピレン系重合体(A)、プロピレン系重合体(B)、および無機充填剤(D)を含有する。
<プロピレン系重合体(A)>
プロピレン系重合体(A)は、下記要件(i)~(iii)を満たす。
要件(i):プロピレン系重合体(A)は、135℃、テトラリン溶媒中で測定される極限粘度[η]が7~12dl/gの範囲にあるプロピレン系重合体成分(A1)を含んでいる。この極限粘度[η]の値は、たとえば後述するプロピレン系重合体(A)の製造方法の中のプロピレン系重合体成分(A1)の製造方法において、重合系内の水素濃度により調整できる。
プロピレン系重合体成分(A1)の極限粘度[η]は、好ましくは10~12dl/g、より好ましくは10.5~12dl/gの範囲にある。プロピレン系重合体成分(A1)の極限粘度[η]が前記範囲にあると、剛性に優れ、かつ外観に優れた成形体が得られる傾向にある。
要件(ii):プロピレン系重合体(A)の230℃、2.16kg荷重で測定されるメルトフローレート(MFR)は、1~20g/10分であり、好ましくは2~18g/10分であり、より好ましくは4~15g/10分である。
このメルトフローレートの値は、たとえば後述するプロピレン系重合体(A)の製造方法において、重合系内の水素濃度により調整できる。
プロピレン系重合体(A)のメルトフローレートが上記範囲にあると、プロピレン系樹脂組成物の剛性と耐衝撃性のバランスに優れる。
要件(iii):プロピレン系重合体(A)の13C-NMRにより求められるメソペンタッド分率(mmmm)は、97.0~100%であり、好ましくは97.3~100%であり、より好ましくは97.5~100%である。
メソペンタッド分率は、分子鎖中の五連子アイソタクティック構造の存在割合を示しており、プロピレン単位が5個連続してメソ構造を有する連鎖の中心にあるプロピレン単位の分率である。
このメソペンタッド分率の値は、たとえば後述するプロピレン系重合体(A)の製造方法において、プロピレン系重合体製造用触媒により調整できる。
メソペンタッド分率(mmmm)が上記範囲にあると、プロピレン系樹脂組成物の剛性に優れる。一方、メソペンタッド分率(mmmm)が上記範囲を下回るとプロピレン系樹脂組成物の剛性が低下する。
プロピレン系重合体(A)は、示差走査熱量計(DSC)により測定した融点(Tm)が、好ましくは150℃以上、より好ましくは155~170℃、さらに好ましくは157~170℃である。Tmが前記下限値以上であると、耐熱性の観点から好ましい。以下の測定条件での第3stepにおける吸熱ピークの頂点における温度を融点(Tm)と定義する。
(測定条件)
第1step:10℃/分の昇温速度で230℃まで昇温し、10分間保持する。
第2step:10℃/分の降温速度で30℃まで降温する。
第3step:10℃/分の昇温速度で230℃まで昇温する。
プロピレン系重合体(A)は1種または2種以上用いることができる。
プロピレン系重合体(A)は、好ましくは、プロピレン系重合体成分(A1)に加えてプロピレン系重合体成分(A2)を含むプロピレン系重合体混合物である。
プロピレン系重合体成分(A1)は、プロピレンの単独重合体である。
プロピレン系重合体成分(A2)としては、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレンと炭素数2~20のα-オレフィン(ただし、プロピレンを除く)との共重合体が挙げられる。炭素数2~20のα-オレフィンとしては、例えば、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンが挙げられる。これらα-オレフィンとしてはエチレンが好ましい。前記α-オレフィンは1種または2種以上用いることができる。
プロピレンと炭素数2~20のα-オレフィンとの共重合体において、プロピレンに由来する構成単位数と炭素数2~20のα-オレフィンに由来する構成単位数との合計に対して、プロピレンに由来する構成単位の含有割合は、通常は90モル%を超えて100モル%未満、好ましくは93~99モル%であり、炭素数2~20のα-オレフィン(ただし、プロピレンを除く)に由来する構成単位の含有割合は、通常は0モル%を超えて10モル%未満、好ましくは1~7モル%である。前記含有割合は、13C-NMRにより測定することができる。前記共重合体は、一実施態様においてランダム共重合体である。
プロピレン系重合体混合物であるプロピレン系重合体(A)におけるプロピレン系重合体成分(A1)の割合は、好ましくは5~40質量%、より好ましくは7~35質量%、さらに好ましくは10~30質量%である(ただし、プロピレン系重合体成分(A1)およびプロピレン系重合体成分(A2)の合計を100質量%とする。)。
≪プロピレン系重合体(A)の製造方法≫
プロピレン系重合体(A)は、スラリー重合、バルク重合など、公知の方法で製造することができる。また、後述するプロピレン系重合体製造用触媒を使用することが好ましい。
プロピレン系重合体(A)が重合体成分としてプロピレン系重合体成分(A1)のみを含む場合には、たとえば、水素の非存在下で、原料モノマーを、重合温度を好ましくは20~80℃、より好ましくは40~70℃として、重合圧力を一般に常圧~9.8MPa、好ましくは0.2~4.9MPaとして原料モノマーバルク重合する方法により、プロピレン系重合体(A)を製造することができる。
プロピレン系重合体(A)がプロピレン系重合体成分(A2)を含む場合には、たとえば2段以上の多段重合により、プロピレン系重合体(A1)およびプロピレン系重合体(A2)を含むプロピレン系重合体(A)を得ることができる。
プロピレン系重合体成分(A1)を製造する段では、好ましくは、水素の非存在下で、重合温度を好ましくは20~80℃、より好ましくは40~75℃として、重合圧力を一般に常圧~9.8MPa、好ましくは0.2~4.9MPaとして原料モノマーをバルク重合してプロピレン系重合体成分(A1)が製造される。
プロピレン系重合体成分(A2)を製造する段では、好ましくは、重合温度を好ましくは20~80℃、より好ましくは40~75℃、重合圧力を一般に常圧~9.8MPa、好ましくは0.2~4.9MPaとして、分子量調節剤としての水素が存在する条件下で原料モノマーをバルク重合してプロピレン系重合体成分(A2)が製造される。
前記プロピレン系重合体(A)の好ましい製造方法としては、例えば、後述するポリプロピレン製造用触媒の存在下に、プロピレンを単独で、またはプロピレンと他のモノマーとを併用して、2段以上の多段重合で重合させる方法が挙げられる。
具体的には、第1段目の重合において、実質的に水素の非存在下で、プロピレンを重合させて、[η]が7~12dl/gのプロピレン系重合体成分(A1)を製造し、第2段目以降の重合において、[η]が7dl/g未満のプロピレン系重合体成分(A2)を製造する方法が挙げられる。第2段目以降で製造するプロピレン系重合体の極限粘度[η]の調整方法は特に制限されないが、分子量調整剤として水素を使用する方法が好ましい。
プロピレン系重合体成分(A1)とプロピレン系重合体成分(A2)の製造順序(重合順序)としては、第1段目で、実質的に水素の非存在下で相対的に高分子量のプロピレン系重合体成分(A1)を製造した後、第2段目以降で、例えば水素の存在下で相対的に低分子量のプロピレン系重合体成分(A2)を製造することが好ましい。製造順序を逆にすることもできるが、第1段目で相対的に低分子量のプロピレン系重合体成分(A2)を製造した後、第2段目以降で相対的に高分子量のプロピレン系重合体成分(A1)を製造するためには、第1段目の反応生成物中に含まれる水素などの分子量調整剤を、第2段目以降の重合開始前に限りなく除去する必要があるため、重合装置が複雑になり、また第2段目以降の極限粘度[η]が上がりにくい。
多段重合における各段の重合は、連続的に行うこともできるし、バッチ式で行うこともできるが、バッチ式で行うことが好ましい。前記プロピレン系重合体混合物を連続多段重合方法によって製造する場合、滞留時間分布によって重合粒子間の組成ムラが生じ、フィッシュアイが増加することがあるからである。バッチ式で重合することにより、フィッシュアイの少ないプロピレン系重合体混合物を得ることができる。
≪プロピレン系重合体製造用触媒≫
プロピレン系重合体(A)の製造に使用することのできるプロピレン系重合体製造用触媒(以下、単に「触媒」ともいう。)は、例えば、マグネシウム、チタンおよびハロゲンを必須成分とする固体触媒成分と、有機アルミニウム化合物等の有機金属化合物触媒成分と、有機ケイ素化合物等の電子供与性化合物触媒成分とから形成することができるが、代表的なものとして、以下のような触媒成分が使用できる。
(固体触媒成分)
固体触媒成分を構成する担体としては、金属マグネシウムと、アルコールと、ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物とから得られる担体が好ましい。
金属マグネシウムとしては、顆粒状、リボン状、粉末状等のマグネシウムを用いることができる。また、金属マグネシウムは、表面に酸化マグネシウム等の被覆が生成されていないものが好ましい。
アルコールとしては、炭素数1~6の低級アルコールを用いることが好ましく、特に、エタノールを用いると、触媒性能の発現を著しく向上させる担体が得られる。アルコールの使用量は、金属マグネシウム1モルに対して、好ましくは2~100モル、より好ましくは5~50モルである。アルコールは1種または2種以上用いることができる。
ハロゲンとしては、塩素、臭素、ヨウ素が好ましく、ヨウ素が好ましい。また、ハロゲン含有化合物としては、MgCl2、MgI2が好ましい。ハロゲン又はハロゲン含有化合物の使用量は、金属マグネシウム1グラム原子に対して、ハロゲン原子又はハロゲン含有化合物中のハロゲン原子が、通常は0.0001グラム原子以上、好ましくは0.0005グラム原子以上、さらに好ましくは、0.001グラム原子以上である。ハロゲンおよびハロゲン含有化合物はそれぞれ1種または2種以上用いることができる。
金属マグネシウムと、アルコールと、ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物とを反応させて、担体を得る方法としては、例えば、金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物とを、還流下(例:約79℃)で水素ガスの発生が認められなくなるまで(通常20~30時間)反応させる方法が挙げられる。前記反応は、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
得られた担体を固体触媒成分の合成に用いる場合、乾燥させたものを用いてもよく、また濾別後ヘプタン等の不活性溶媒で洗浄したものを用いてもよい。
得られた担体は粒状に近く、しかも粒径分布がシャープである。さらには、粒子一つ一つをとってみても、粒形度のばらつきは非常に小さい。この場合、下記の式(I)で表される球形度(S)が1.60未満、特に1.40未満であり、かつ下記の式(II)で表される粒径分布指数(P)が5.0未満、特に4.0未満であることが好ましい。
S=(E1/E2)2・・・(I)
式(I)中、E1は粒子の投影の輪郭長を示し、E2は粒子の投影面積に等しい円の周長を示す。
P=D90/D10・・・(II)
式(II)中、D90は質量累積分率が90%に対応する粒子径をいう。すなわち、D90で表される粒子径より小さい粒子群の質量和が全粒子総質量和の90%であることを示している。D10は質量累積分率が10%に対応する粒子径をいう。
固体触媒成分は、通常、上記担体に少なくともチタン化合物を接触させて得られる。チタン化合物による接触は複数回に分けて行ってもよい。チタン化合物としては、例えば、一般式(III)で表されるチタン化合物が挙げられる。
TiX1 n(OR14-n・・・(III)
式(III)中、X1はハロゲン原子であり、特に塩素原子が好ましく、R1は炭素数1~10の炭化水素基であり、直鎖または分岐鎖のアルキル基が好ましく、R1が複数存在する場合にはそれらは互いに同じでも異なってもよく、nは0~4の整数である。
チタン化合物としては、具体的には、Ti(O-i-C374、Ti(O-C494、TiCl(O-C253、TiCl(O-i-C373、TiCl(O-C493、TiCl2(O-C492、TiCl2(O-i-C372、TiCl4が挙げられ、TiCl4が好ましい。
チタン化合物は1種または2種以上用いることができる。
固体触媒成分は、通常、上記担体にさらに電子供与性化合物を接触させて得られる。電子供与性化合物としては、例えば、フタル酸ジ-n-ブチルが挙げられる。電子供与性化合物は1種または2種以上用いることができる。
上記担体にチタン化合物と電子供与性化合物とを接触させる際に、四塩化ケイ素等のハロゲン含有ケイ素化合物を接触させることができる。ハロゲン含有ケイ素化合物は1種または2種以上用いることができる。
固体触媒成分は、公知の方法で調製することができる。例えば、ペンタン、ヘキサン、ペプタンまたはオクタン等の不活性炭化水素を溶媒として用い、前記溶媒に、上記の担体、電子供与性化合物およびハロゲン含有ケイ素化合物を投入し、攪拌しながらチタン化合物を投入する方法が挙げられる。通常は、マグネシウム原子換算で担体1モルに対して電子供与性化合物は、0.01~10モル、好ましくは0.05~5モルを加え、また、マグネシウム原子換算で担体1モルに対してチタン化合物は、1~50モル、好ましくは2~20モルを加え、0~200℃にて、5分~10時間の条件、好ましくは30~150℃にて30分~5時間の条件で接触反応を行えばよい。反応終了後は、n-ヘキサン、n-ヘプタン等の不活性炭化水素を用いて、生成した固体触媒成分を洗浄することが好ましい。
また、固体触媒成分は、液状マグネシウム化合物と液状チタン化合物とを、電子供与性化合物の存在下に接触させて得られる成分であってもよい。液状チタン化合物による接触は複数回に分けて行ってもよい。
液状マグネシウム化合物は、例えば、公知のマグネシウム化合物およびアルコールを、好ましくは液状炭化水素媒体の存在下に接触させ、液状とすることにより得られる。マグネシウム化合物としては、例えば、塩化マグネシウム、臭化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウムが挙げられる。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、2-エチルヘキシルアルコールなどの脂肪族アルコールが挙げられる。液状炭化水素媒体としては、例えば、ヘプタン、オクタン、デカンなどの炭化水素化合物が挙げられる。液状マグネシウム化合物を調製する際のアルコールの使用量は、マグネシウム化合物1モルに対して、通常は1.0~25モル、好ましくは1.5~10モルである。液状マグネシウム化合物は1種または2種以上用いることができる。
液状チタン化合物としては、前述した一般式(III)で表されるチタン化合物が挙げられる。液状マグネシウム化合物に含まれるマグネシウム原子(Mg)1モルに対する、液状チタン化合物の使用量は、通常は0.1~1000モル、好ましくは1~200モルである。液状チタン化合物は1種または2種以上用いることができる。
電子供与性化合物としては、例えば、フタル酸エステル類等のジカルボン酸エステル化合物、無水フタル酸等の酸無水物、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジシクロヘキシルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン等の有機ケイ素化合物、ポリエーテル類、酸ハライド類、酸アミド類、ニトリル類、有機酸エステル類が挙げられる。液状マグネシウム化合物に含まれるマグネシウム原子(Mg)1モルに対する、電子供与性化合物の使用量は、通常は0.01~5モル、好ましくは0.1~1モルである。電子供与性化合物は1種または2種以上用いることができる。
接触させる際の温度は、通常は-70~200℃、好ましくは10~150℃である。
(有機金属化合物触媒成分)
触媒成分の内、有機金属化合物触媒成分としては、有機アルミニウム化合物が好ましい。有機アルミニウム化合物としては、例えば、一般式(IV)で表される化合物が挙げられる。
AlR2 n2 3-n・・・(IV)
式(IV)中、R2は炭素数1~10のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、X2はハロゲン原子またはアルコキシ基であり、塩素原子または臭素原子が好ましく、nは1~3の整数である。
有機アルミニウム化合物としては、具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム化合物、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、ジエチルアルミニウムモノエトキシド、エチルアルミニウムセスキクロリドが挙げられる。
有機アルミニウム化合物は1種または2種以上用いることができる。
有機金属化合物触媒成分の使用量は、固体触媒成分中のチタン原子1モルに対して、通常は0.01~20モル、好ましくは0.05~10モルである。
(電子供与性化合物触媒成分)
触媒成分の内、重合系に供する電子供与性化合物成分としては、有機ケイ素化合物が好ましい。有機ケイ素化合物としては、例えば、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジエチルアミノトリエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソブチルジメトキシシランが挙げられる。
有機ケイ素化合物は1種または2種以上用いることができる。
電子供与性化合物成分の使用量は、固体触媒成分中のチタン原子1モルに対して、通常は0.01~20モル、好ましくは0.1~5モルである。
(前処理)
上記固体触媒成分は、予備重合等の前処理をしてから、重合に用いることが好ましい。例えば、ペンタン、ヘキサン、ペプタン、オクタン等の不活性炭化水素を溶媒として用い、前記溶媒に、上記の固体触媒成分、有機金属化合物触媒成分、および必要に応じて電子供与性化合物成分を投入し、攪拌しながら、プロピレンを供給し、反応させる。プロピレンは、大気圧よりも高いプロピレンの分圧下で供給し、0~100℃にて、0.1~24時間前処理することが好ましい。反応終了後は、n-ヘキサン、n-ヘプタン等の不活性炭化水素を用いて、前処理したものを洗浄することが好ましい。
<プロピレン系重合体(B)>
プロピレン系重合体(B)は、135℃、テトラリン溶媒中で測定される極限粘度[η]が、0.15~0.28dl/gの範囲にあり、好ましくは0.19~0.25dl/gの範囲にある。プロピレン系重合体(B)の極限粘度[η]が前記上限値以下であると、プロピレン系樹脂組成物の剛性が著しく向上かつ低線膨張性に優れ、極限粘度[η]が前記下限値以上であるとプロピレン系樹脂組成物の靭性が保持できる。
プロピレン系重合体(B)は、後述の実施例で採用された測定条件下での昇温溶出分別測定法(TREF)において-20℃以下の温度で溶出する成分の割合が好ましくは3.5質量%以下であり、より好ましくは3.2質量%以下、さらに好ましくは3.0質量%以下である。下限は、たとえば0.1質量%であってもよい。ここで、TREFにおける測定温度-20~130℃において溶出する全成分量を100質量%とする。前記溶出成分の割合が前記範囲内にあると、得られる成形体において剛性および耐熱性が向上する傾向にある。
プロピレン系重合体(B)は、13C-NMRにより求められるメソペンタッド分率(mmmm)が、好ましくは90.0~100%、より好ましくは96.0~100%、さらに好ましくは97.0~100%である。mmmmの上限値は、一実施態様では99.9%、99.5%または99.0%であってもよい。mmmmが前記下限値以上であると、耐熱性の観点から好ましい。
プロピレン系重合体(B)としては、例えば、プロピレンの単独重合体、プロピレンと炭素数2~20のα-オレフィン(ただし、プロピレンを除く)との共重合体が挙げられる。炭素数2~20のα-オレフィンとしては、例えば、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンが挙げられる。
これらの重合体の中でも、プロピレン単独重合体、プロピレン/エチレン共重合体、プロピレン/1-ブテン共重合体、プロピレン/1-ヘキセン共重合体、プロピレン/4-メチル-1-ペンテン共重合体、プロピレン/1-オクテン共重合体、プロピレン/エチレン/1-ブテン共重合体、プロピレン/エチレン/1-ヘキセン共重合体、プロピレン/エチレン/4-メチル-1-ペンテン共重合体、プロピレン/エチレン/1-オクテン共重合体が好ましく、特にプロピレン単独重合体が好ましい。
プロピレンと炭素数2~20のα-オレフィンとの共重合体において、プロピレンに由来する構成単位数と炭素数2~20のα-オレフィンに由来する構成単位数との合計に対して、プロピレンに由来する構成単位の含有割合は、通常は98モル%以上100モル%未満、好ましくは99モル%以上100モル%未満であり、炭素数2~20のα-オレフィン(ただし、プロピレンを除く)に由来する構成単位の含有割合は、通常は0モル%を超えて2モル%以下、好ましくは0モル%を超えて1モル%以下である。前記含有割合は、13C-NMRにより測定することができる。
≪プロピレン系重合体(B)の製造方法≫
プロピレン系重合体(B)は、好ましくは、メタロセン触媒の存在下でプロピレンを単独重合するか、またはプロピレンと他のモノマーとを共重合することによって製造される。
プロピレン系重合体(B)は、たとえば国際公開第2021/025141号公報の段落[0064]~[0125]に記載の方法で製造することができる。
前記プロピレン系重合体(A)および前記プロピレン系重合体(B)は、それぞれ、少なくとも1種以上のバイオマス由来モノマー(プロピレン)に由来する構成単位を含んでいてもよい。重合体を構成する同じ種類のモノマーがバイオマス由来モノマーのみでもよいし、化石燃料由来モノマーのみであってもよいし、バイオマス由来モノマーと化石燃料由来モノマーの両方を含んでもよい。バイオマス由来モノマーとは、菌類、酵母、藻類および細菌類を含む、植物由来または動物由来などの、あらゆる再生可能な天然原料およびその残渣を原料としてなるモノマーで、炭素として14C同位体を1×10-12程度の割合で含有し、ASTMD 6866に準拠して測定したバイオマス炭素濃度(pMC)が100(pMC)程度である。バイオマス由来モノマー(プロピレン)は、たとえば、従来から知られている方法により得られる。
前記プロピレン系重合体(A)または前記プロピレン系重合体(B)がバイオマス由来モノマーに由来する構成単位を含むことは環境負荷低減の観点から好ましい。重合用触媒、重合温度などの重合体製造条件が同等であれば、原料オレフィンがバイオマス由来オレフィンを含むプロピレン系重合体であっても、14C同位体を1×10-12程度の割合で含む以外の分子構造は化石燃料由来モノマーからなるプロピレン系重合体と同等である。従って、性能も変わらないとされる。
<無機充填剤(D)>
本発明に係るプロピレン系樹脂組成物は、無機充填剤(D)を含む。
無機充填剤(D)としては、例えば、タルク、クレー、マイカ、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、リン酸アンモニウム塩、珪酸塩類、炭酸塩類、カーボンブラック;硫酸マグネシウム繊維、ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維が挙げられる。
これらの中では、剛性に優れるという観点では、タルク、硫酸マグネシウム繊維、ガラス繊維、炭素繊維が好ましく、剛性と低反り変形性に優れるという観点でタルクがより好ましい。
<エラストマー(C)>
本発明に係るプロピレン系樹脂組成物は、任意にエラストマー(C)を含んでいても良い。
エラストマー(C)としては、特に限定されないが、上述したプロピレン系重合体(A)およびプロピレン系重合体(B)との相容性が良好であることから、オレフィン系エラストマーが好ましい。オレフィン系エラストマーとしては、エチレン-プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン-ブテン共重合体ゴム(EBR)、エチレン-オクテン共重合体ゴム(EOR)、スチレン-ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリスチレン-エチレン/ブテン-ポリスチレンブロック共重合体(SEBS)などが挙げられる。
<任意成分>
本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上述した成分以外の、樹脂、ゴム、核剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤などの他の成分を含有することができる。
核剤としては、例えば、フォスフェート系核剤(有機リン酸金属塩)、ソルビトール系核剤、芳香族カルボン酸の金属塩、脂肪族カルボン酸の金属塩、ロジン系化合物等の有機系の核剤;無機化合物等の無機系の核剤が挙げられる。
核剤の市販品としては、例えば、フォスフェート系核剤「アデカスタブNA-11」((株)ADEKA製)、ソルビトール系核剤「ミラッドNX8000」(ミリケン社製)、脂肪族カルボン酸の金属塩からなる核剤「ハイパーフォームHPN-20E」(ミリケン社製)、ロジン系化合物からなる核剤「パインクリスタルKM1610」(荒川化学(株)製)が挙げられる。
本発明に係る組成物が核剤を含有する場合、組成物中の核剤の含有割合は、一実施態様において、好ましくは0.01~1質量部、より好ましくは0.02~0.8質量部、さらに好ましくは0.03~0.5質量部である。ただし、プロピレン系重合体(A)、プロピレン系重合体(B)、エラストマー(C)および無機充填剤(D)の合計量を100質量部とする。
<各成分の含有量>
本発明に係る組成物におけるプロピレン系重合体(A)の含有割合は30~80質量部、好ましくは32~75質量部、より好ましくは35~70質量部であり、
本発明に係る組成物におけるプロピレン系重合体(B)の含有割合は10~50質量部、好ましくは15~50質量部、より好ましくは20~50質量部であり、
本発明に係る組成物におけるエラストマー(C)の含有割合は0~5質量部、好ましくは0~3質量部であり、
本発明に係る組成物における無機充填剤(D)の含有割合は1~20質量部、好ましくは5~20質量部、より好ましくは10~20質量部である。
いずれの含有割合も、プロピレン系重合体(A)、プロピレン系重合体(B)、エラストマー(C)および無機充填剤(D)の合計量を100質量部とする。
プロピレン系重合体(A)の含有割合が前記下限値よりも過小であると、得られる成形体の剛性が不足する傾向にあり、前記上限値よりも過大であると、得られる成形体の外観が不良(例えば、ブツの発生)となる傾向にある。
プロピレン系重合体(B)の含有割合が前記下限値よりも過小であると、プロピレン系樹脂組成物の流動性が不足し、また得られる成形体の剛性が劣る傾向にあり、前記上限値よりも過大であると、得られる成形体の強度が低下する傾向にある。
無機充填剤(D)の含有割合が前記下限値よりも過小であると、得られる成形体の剛性が劣る傾向にあり、前記上限値よりも過大であると、得られる成形体の強度が低下する傾向にある。
本発明では、高分子量のプロピレン系重合体成分(A1)を含むプロピレン系重合体(A)、低分子量のプロピレン系重合体(B)、および無機充填剤(D)をそれぞれ特定量用いることで、プロピレン系重合体成分(A1)による配向促進およびプロピレン系重合体(B)による結晶化促進がなされることにより、剛性が高く、かつ線膨張係数が小さい成形体が得られると推測される。
<プロピレン系樹脂組成物の製造方法>
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、上述した各成分を配合することにより製造することができる。各成分は、任意の順番で逐次配合してもよく、同時に混合してもよい。また、一部の成分を混合した後に他の成分を混合するような多段階の混合方法を採用してもよい。
例えば、プロピレン系重合体(A)と、プロピレン系重合体(B)と、無機充填剤(D)と、必要に応じて任意成分(たとえば、エラストマー(C)または核剤)(D)とを混合して、プロピレン系樹脂組成物を製造することができる。
各成分の配合方法としては、例えば、バンバリーミキサー、単軸押出機、二軸押出機、高速二軸押出機などの混合装置を用いて、各成分を同時にもしくは逐次に、混合または溶融混練する方法が挙げられる。溶融混練時の樹脂温度は、通常は180~280℃、好ましくは180~260℃である。
本発明の組成物は、230℃、2.16kg荷重で測定されるメルトフローレート(MFR)が、好ましくは1~300g/10分、より好ましくは3~250g/10分、さらに好ましくは5~120g/10分である。MFRが前記範囲内にあると、前記組成物は成形性と機械強度とのバランスが優れる。
[成形体]
本発明の成形体は、上述した本発明の組成物を少なくとも用いて形成される。
本発明の成形体は、例えば、自動車用部品、家電用部品、食品容器、医療容器など様々な分野に好適に用いることができ、自動車用部品として特に好適である。前記自動車用部品としては、例えば、バンパー、ピラー、インストルメンタルパネル等の自動車内外装部材;エンジンファン、ファンシェラウド等の自動車機能部材;ルーフ、ドアパネル、フェンダー等の外板材が挙げられる。
本発明の成形体の成形法としては、特に限定されず、樹脂組成物の成形法として公知の様々な方法を採用することができるが、特に射出成形やプレス成形が好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
[各種物性の測定方法]
(1)質量分率:
製造例1のプロピレン系重合体(A-1)の製造において、第1段目(第1重合器)で得られたプロピレン系重合体の質量分率は、重合時に生じた反応熱の徐熱量から求めた。
(2)極限粘度[η]:
極限粘度[η](dl/g)は、135℃、テトラリン溶媒中で測定した。
(3)メルトフローレート(MFR):
メルトフローレート(MFR)(g/10分)は、JIS-K7210に準拠し、測定温度230℃、荷重2.16kgf(21.2N)にて測定した。
(4)メソペンタッド分率(mmmm):
重合体の立体規則性の指標の1つであり、そのミクロタクティシティーを調べたペンタド分率(mmmm,%)は、プロピレン系重合体においてMacromolecules 8,687(1975)に基づいて帰属した13C-NMRスペクトルのピーク強度比より算出した。13C-NMRスペクトルは、日本電子製EX-400の装置を用い、TMSを基準とし、温度130℃、o-ジクロロベンゼン溶媒を用いて測定した。
(5)昇温溶出分別測定法(TREF)による-20℃以下での溶出成分割合:
昇温溶出分別法(TREF)は、下記測定条件にて行い、-20℃以下での溶出成分割合を算出した。
装置 :Polymer Char製CFC2型クロス分別クロマトグラフ
検出器:Polymer Char製IR4型赤外分光光度計(内蔵)
移動相:o-ジクロロベンゼン、BHT添加
流速 :1.0mL/分
試料濃度:90mg/30mL
注入量:0.5mL
溶解条件:145℃、30分
安定化条件:135℃、30分
降温速度:1.0℃/分
溶出区分:-20℃~0℃ 10℃刻み、0℃~80℃ 5℃刻み、
80℃~104℃ 3℃刻み、104~130℃ 2℃刻み
溶出時間:3分
(6)予備重合触媒成分中のジルコニウム含量:
予備重合触媒成分中のジルコニウム含量は、島津製作所社製のICP発光分光分析装置(ICPS-8100型)を用いて測定した。サンプルは硫酸および硝酸にて湿式分解した後、定容(必要に応じてろ過および希釈を含む)したものを検液とし、濃度既知の標準試料を用いて作成した検量線から定量を行った。
(7)固体助触媒成分の体積基準のメジアン径(D50)、粒度分布および均一性:
固体助触媒成分の体積基準のメジアン径(中位径、D50)および粒度分布は、Microtrac社製のMicrotrac MT3300EX IIを利用し、レーザー回折・散乱法により求めた。粒度分布測定には、固体助触媒成分を、窒素流通下、湿潤デシケーター中で事前に失活させたサンプルを用いた。分散媒には主にメタノールを用いた。
固体助触媒成分粒子の均一性を下記式で表される均一性指数により評価した。
均一性指数 = ΣXi|D50-Di|/D50ΣXi
式中、Xiは粒度分布測定における粒子iのヒストグラム値、D50は体積基準のメジアン径、Diは粒子iの体積基準径を示す。固体助触媒成分粒子のXi、D50およびDiは、前記レーザー回折・散乱法により求めた。
(8)曲げ弾性率(FM):
曲げ弾性率(FM)(MPa)は、JIS K7171に従って、下記条件で測定した。
試験片:10mm(幅)×80mm(長さ)×4mm(厚さ)
曲げ速度:2mm/分
曲げスパン:64mm
(9)線膨張係数(平均):
線膨張係数(10-5/℃)は、JIS K7197に準拠し、TMA法(測定範囲:-30~80℃)にて測定した。小型角板(30mm(幅)×30mm(長さ)×2mm(厚さ))の中央部付近からMD方向およびTD方向にそれぞれ約10mm×5mm×2mm厚の形状の試験片を切り出した。切り出した試験片に対して120℃、2時間のアニール操作を実施した後、MD方向に切り出した試験片およびTD方向に切り出した試験片のそれぞれについて線膨張係数を測定し、両者の平均値を求めた。
なお、曲げ弾性率および線膨張係数(平均)の測定に用いた各試験片は、実施例または比較例で得られたプロピレン系樹脂組成物を用いて、射出成形機にて下記条件で、作製した。
(JIS小型試験片、小型角板/射出成形条件)
射出成形機:東芝機械(株)製「EC40」
シリンダー温度:190℃
金型温度:40℃
射出時間-保圧時間:13秒(一次充填時間:1秒)
冷却時間:15秒
特に断りのない限り、全ての実施例は乾燥窒素雰囲気下、乾燥溶媒を用いて行った。
[製造例1]
(1)固体状チタン(a-1)の調製:
内容積2リットルの高速撹拌装置(特殊機化工業製)を充分窒素置換した後、該装置に精製灯油700ml、塩化マグネシウム10g、エタノール24.2gおよびソルビタンジステアレート(花王アトラス(株)製「エマゾール320」)3gを装入した。この系を撹拌下で昇温し、120℃および800rpmの条件で30分間撹拌した。高速撹拌下、内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブを用いて、予め-10℃に冷却された精製灯油1リットルを張り込んである2リットルのガラスフラスコ(攪拌機付)に移液した。得られた固体を濾過し、精製n-ヘキサンで充分洗浄することにより、塩化マグネシウム1モルに対してエタノールが2.8モル配位した固体状付加物を得た。
次いで、前記固体状付加物(マグネシウム原子に換算して45ミリモル)をデカン20mlに懸濁させた後、-20℃に保持した四塩化チタン195ml中に、攪拌下で全量導入した。この混合液を5時間かけて80℃に昇温し、ジイソブチルフタレート1.8ml(6.2ミリモル)を添加した。引き続き110℃まで昇温して1.5時間攪拌した。
1.5時間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、100℃のデカンおよび室温のヘキサンによって、ろ液中にチタンが検出されなくなるまで洗浄した。このようにして、チタン3.8重量%、マグネシウム16重量%、ジイソブチルフタレ-ト18.2重量%、エタノ-ル残基1.1重量%を含有する固体状チタン(a-1)を得た。
(2)固体状チタン触媒成分(i-1)の調製:
充分に窒素置換された200mlのガラス製反応器に、得られた固体状チタン(a-1)6.8g、パラキシレン113ml、デカン11ml、四塩化チタン2.5ml(23ミリモル)及びジイソブチルフタレ-ト0.34ml(1.2ミリモル)を入れた。反応器内の温度を130℃に昇温し、その温度で1時間攪拌して接触処理した後、熱ろ過により固体部を採取した。この固体部を101mlのパラキシレンに再懸濁させ、さらに四塩化チタン1.7ml(15ミリモル)及びジイソブチルフタレート0.22ml(0.8ミリモル)を添加した。
次いで、130℃に昇温し、該温度を保持しながら1時間攪拌して反応させた。反応終了後、再び熱ろ過にて固液分離を行い、得られた固体部を100℃のデカン及び室温のヘキサンによって触媒中のパラキシレンが1重量%以下となるまで洗浄した。このようにして、チタン1.3重量%、マグネシウム20重量%、ジイソブチルフタレート13.8重量%、ジエチルフタレート0.8重量%を含有する固体状チタン触媒成分(i-1)を得た。
なお、本発明者は、固体状チタン触媒成分(i-1)中に検出されたジエチルフタレートは、おそらく、固体状チタン触媒成分の製造過程で、ジイソブチルフタレートと、上記固体状チタン(a-1)を製造するのに用いたエタノールとのエステル交換が随伴したことに起因するのではないかと推測している。
(3)予備重合触媒(b-1)の調製:
合成した固体触媒成分(i-1)100g、トリエチルアルミニウム34.2mL、エチルジエチルアミノジメトキシシラン36.7mL、ヘプタン10Lを内容量20Lの攪拌機付きオートクレーブに挿入し、内温15~20℃に保ちプロピレンを600g挿入し、120分間攪拌しながら反応させた。重合終了後、固体成分を沈降させ、上澄み液の除去及びヘプタンによる洗浄を3回行った。得られた前重合触媒を精製ヘプタンに再懸濁して、固体触媒成分で、1.2g/Lとなるよう、ヘプタンによる調整を行った。この予備重合触媒(b-1)は、1g当りポリプロピレンを6g含んでいた。
(4)プロピレン系重合体(A-1)の製造:
内容量1000Lの攪拌器付きベッセル第1重合器に、プロピレンを300L装入し、この液位を保ちながら、プロピレンを117.1kg/h、予備重合触媒(b-1)を固体状チタン触媒成分として1.5g/h、トリエチルアルミニウム7.4mL/h、エチルジエチルアミノジメトキシシラン3.6mL/hを連続的に供給した。重合温度74℃、圧力3.17MPa/Gの水素遮断下で重合を行った。
得られたスラリーを内容量500Lの攪拌機付きベッセル第2重合器へ送り、更に重合を行った。第2重合器では、プロピレンを300L装入し、この液位を保ちながら、プロピレンを10.1kg/時間、水素を気相部の水素濃度が5.3mol%になるように供給した。重合温度65.0℃、圧力2.94MPa/Gで重合を行った。
得られたスラリーを内容量500Lの攪拌機付きベッセル第3重合器へ送り、更に重合を行った。第3重合器では、プロピレンを250L装入し、この液位を保ちながら、プロピレンを10.0kg/時間、水素を気相部の水素濃度が4.5mol%になるように供給した。重合温度61.5℃、圧力2.75MPa/Gで重合を行った。
得られたスラリーを内容量1.9Lの移液管に移送し、当該スラリーをガス化させ、気固分離操作を実施し、プロピレン系重合体(A’-1)を得た。得られたプロピレン系重合体(A’-1)は80℃で真空乾燥を行った。
また、第1重合器のスラリーを内容量1.6Lの移液管で抜き出し、当該スラリーをガス化させ、気固分離操作を実施し得られたポリプロピレンパウダーの極限粘度[η]を測定したところ11.5dl/gであった。
重合時に生じた反応熱の除熱量から求めた、最終的に得られたプロピレン系重合体(A’-1)に占める第1重合器で生成したプロピレン系重合体(A1)の割合は、22質量%であった。
100質量部のプロピレン系重合体(A’-1)に対して、酸化防止剤として、イルガノックス1010〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製〕0.2質量部、イルガホス168〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製〕0.3質量部、中和剤として、ステアリン酸カルシウム0.1質量部を添加し、二軸押出機で溶融混錬しペレット状のプロピレン系重合体(A-1)を得た。プロピレン系重合体(A-1)の物性を表1に示す。
Figure 2023119475000001
〔製造例2〕
(1)遷移金属錯体(メタロセン化合物(M-1))の合成):
国際公開第2014/050817号の合成例4に従い、(8-オクタメチルフルオレン-12’-イル-(2-(アダマンタン-1-イル)-8-メチル-3,3b,4,5,6,7,7a,8-オクタヒドロシクロペンタ[a]インデン))ジルコニウムジクロライド(メタロセン化合物(M-1))を合成した。
(2)固体助触媒成分(1)の調製:
固体助触媒成分である固体状ポリアルミノキサン組成物を、公知の手法(国際公開第2014/123212号に記載の手法)に基づいて調製した。具体的には、攪拌機付の1Lガラス製オートクレーブにトルエン40mL、アルベマール社製ポリメチルアルミノキサンの20質量%トルエン溶液(Al濃度=2.95mmol/mL、166mL、490mmol)を加え、その後撹拌しながら45℃に昇温した。続いてn-Octanophenone(14.7g、71.8mmol)のトルエン溶液(20.5mL)を80分かけて添加した。添加後45℃で30分間攪拌し、0.80℃/分の昇温速度で115℃まで昇温し、115℃で30分間反応させた。その後、0.58℃/分の昇温速度で150℃まで昇温し、150℃で150分間反応させた。反応後室温まで冷却し、得られたスラリーをフィルター濾過し、フィルター上の粉体を脱水トルエンで3回洗浄した。その後脱水トルエンを加えて固体助触媒成分(1)である固体状ポリアルミノキサン組成物のトルエンスラリーを得た。得られた固体状ポリアルミノキサン組成物の粒度分布を測定した。体積基準のメジアン径(D50)は9.8μm、均一性指数は0.237であった。
(3)固体触媒成分(メタロセン触媒)(1)の調製:
十分に窒素置換した、撹拌器を取り付けた200mL三つ口フラスコ中に、窒素気流下で精製ヘキサンを17.8mL、および先に合成した固体助触媒成分(1)のトルエンスラリー20.5mL(固体状ポリアルミノキサン組成物(固体助触媒成分)の固形分として2.00g)を装入し、懸濁液とした。その後撹拌しながら35℃に昇温した。続いて、先に合成したメタロセン化合物(M-1)80.0mg(10mg/mLのトルエン溶液として8.0mL)を撹拌しながら加えた。60分間反応させた後、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(アルミニウム原子換算で1mol/L)を3.75mL加え、60分間反応させた。室温まで降温し撹拌を停止した後、上澄み液(17mL)をデカンテーションで除去した。得られた固体触媒成分(1)はヘキサン(75mL)を用いて室温で3回洗浄し、その後ヘキサンを加えて全量を50mLに調製した。
(4)予備重合触媒成分(BPP-1)の調製:
上記のとおり調製した固体触媒成分(1)のスラリーに、窒素気流下、トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(アルミニウム原子換算で1mol/L)を2.0mL加えた。その後20℃に冷却し、エチレン(6.3g)を6時間かけて装入した。エチレン装入完了後、撹拌を停止し、室温にてヘキサンによるデカンテーション洗浄を行い(洗浄効率98%)、50mLのヘキサンスラリーとした。得られたスラリー10mLをフィルター濾過し、フィルター上の粉体を脱水ヘキサン10mLで2回洗浄した。洗浄後の粉体を2時間減圧乾燥して予備重合触媒成分(BPP-1)を粉体として得た。これをミネラルオイルと混合して、予備重合触媒成分濃度が9.98質量%のミネラルオイルスラリーを得た。得られた予備重合触媒成分(BPP-1)中のジルコニウム含量を測定したところ、0.087質量%であった。
(5)プロピレン系重合体(B-1)の製造:
充分に窒素置換した内容量3.4LのSUS製オートクレーブに、上記のとおり調製した予備重合触媒成分(BPP-1)のミネラルオイルスラリー160.0mgとトリエチルアルミニウムのデカン溶液(Al=0.5M)1.5mLとの混合物を装入した。次いで液体プロピレン750g、水素13.1Lを装入し、充分に撹拌しながら70℃で40分間重合を行った。得られたポリマーは80℃で10時間、減圧乾燥を行い、176.3gのプロピレン系重合体(B-1)を得た。プロピレン系重合体(B-1)の物性を表2に示す。
[製造例3]
プロピレン系重合体(B-2)の製造:
充分に窒素置換した内容量3.4LのSUS製オートクレーブに、上記のとおり調製した予備重合触媒成分(BPP-1)のミネラルオイルスラリー160.0mgとトリエチルアルミニウムのデカン溶液(Al=0.5M)1.5mLとの混合物を装入した。次いで液体プロピレン750g、水素16.9Lを装入し、充分に撹拌しながら70℃で40分間重合を行った。得られたポリマーは80℃で10時間、減圧乾燥を行い、179.7gのプロピレン系重合体(B-2)を得た。プロピレン系重合体(B-2)の物性を表2に示す。
[製造例4]
プロピレン系重合体(B-3)の製造:
充分に窒素置換した内容量3.4LのSUS製オートクレーブに、上記のとおり調製した予備重合触媒成分(BPP-1)のミネラルオイルスラリー160.0mgとトリエチルアルミニウムのデカン溶液(Al=0.5M)1.5mLとの混合物を装入した。次いで液体プロピレン750g、水素9.2Lを装入し、充分に撹拌しながら70℃で40分間重合を行った。得られたポリマーは80℃で10時間、減圧乾燥を行い、171.2gのプロピレン系重合体(B-3)を得た。プロピレン系重合体(B-3)の物性を表2に示す。
Figure 2023119475000002
[実施例1]
製造例1で得られたプロピレン系重合体(A-1)57.5質量部、製造例2で得られたプロピレン系重合体(B-1)26.5質量部、タルク(D-1)(「HAR 3G77L」、(株)イメリス ミネラルズ(製))16質量部、および添加剤(具体的には、耐熱安定剤「IRGANOX1010」(ビーエスエフ社)0.1質量部、耐熱安定剤「IRGAFOS168」(ビーエスエフ社)0.1質量部、ステアリン酸カルシウム0.1質量部、および酸化防止剤「H-BHT」(本州化学工業(株))0.1質量部)をタンブラーにて混合した。次いで、二軸混練押出機にて下記の条件で溶融混練してペレット状のプロピレン系樹脂組成物を得た。プロピレン系樹脂組成物の物性を表3に示す。
(溶融混練条件)
同方向二軸混練押出機:(株)テクノベル社製「KZW-15」
混練温度:190℃
スクリュー回転数:500rpm
フィーダー回転数:50rpm
[実施例2]
核剤(E-1)(「HPN-20E」、(株)ミリケンジャパン合同会社製))0.2質量部をさらに加えたこと以外は実施例1と同様にして、プロピレン系樹脂組成物を得た。プロピレン系樹脂組成物の物性を表3に示す。
[実施例3]
プロピレン系重合体(A-1)の量を38質量部に、プロピレン系重合体(B-1)の量を46質量部に変えた以外は実施例1と同様にして、プロピレン系樹脂組成物を得た。プロピレン系樹脂組成物の物性を表3に示す。
[実施例4]
プロピレン系重合体(B-1)26.5質量部をプロピレン系重合体(B-2)26.5質量部に変えた以外は実施例1と同様にして、プロピレン樹脂組成物を得た。プロピレン系樹脂組成物の物性を表3に示す。
[比較例1]
プロピレン系重合体(A-1)の量を79質量部に、プロピレン系重合体(B-1)の量を5質量部に変えた以外は実施例1と同様にして、プロピレン系樹脂組成物を得た。プロピレン系樹脂組成物の物性を表3に示す。
[比較例2]
プロピレン系重合体(B-1)26.5質量部をプロピレン系重合体(B-3)26.5質量部に変えた以外は実施例1と同様にして、プロピレン系樹脂組成物を得た。プロピレン系樹脂組成物の物性を表3に示す。
Figure 2023119475000003

Claims (5)

  1. 下記要件(i)~(iii)を満たすプロピレン系重合体(A)を30~80質量部、
    下記要件(iv)を満たすプロピレン系重合体(B)を10~50質量部、および
    無機充填剤(D)を1~20質量部、ならびに
    任意にエラストマー(C)を0~5質量部(ただし、(A)、(B)、(C)および(D)の合計量は100質量部である。)
    含有するプロピレン系樹脂組成物。
    (i)135℃、テトラリン溶媒中で測定される極限粘度[η]が7~12dl/gであるプロピレン系重合体(A1)を5~25重量部を含む。
    (ii)230℃、2.16kg荷重で測定されるメルトフローレート(MFR)が1~20g/10分である。
    (iii)13C-NMRにより求められるメソペンタッド分率(mmmm)が97.0~100%である。
    (iv)135℃、テトラリン溶媒中で測定される極限粘度[η]が0.15~0.28dl/gである。
  2. 前記プロピレン系重合体(B)の13C-NMRにより求められるメソペンタッド分率(mmmm)が90.0~100%である、請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物。
  3. 前記プロピレン系重合体(B)の、昇温溶出分別測定法(TREF)により-20℃以下の温度で溶出する成分の割合が3.5質量%以下である、請求項1または2に記載のプロピレン系樹脂組成物。
  4. 核剤を0.01~1質量部を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロピレン系樹脂組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載のプロピレン系樹脂組成物からなる成形体。
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