JP2020114909A - プロピレン重合体組成物からなる微多孔フィルム - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献4には、耐熱性及び強度に優れた微多孔フィルム用ポリプロピレン樹脂及び微多孔フィルムが開示されている。
[1]下記要件(A−1)〜(A−4)を満たすプロピレン重合体組成物(A)からなる微多孔フィルム
(A−1)メソペンタッド分率(mmmm)が94.0%以上であること
(A−2)メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が0.5〜5.0g/10分であること
(A−3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量を数平均分子量で除した値(Mw/Mn)が7.0〜17.0であること
(A−4)分子量1000万以上のプロピレン単独重合体の含有割合が0.20〜0.50質量%であること
[2]前記プロピレン重合体組成物(A)が、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が10.0〜12.0dL/gであるプロピレン単独重合体(b1)0.4〜10質量%と、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が1.5〜3.0dL/gであるプロピレン単独重合体(D)99.6〜90質量%とを含有する、前記[1]に記載された微多孔フィルム。
[3]下記要件(B−1)〜(B−2)を満たすプロピレン単独重合体(B)2〜20質量%と、下記要件(C−1)を満たすプロピレン単独重合体(C)98〜80質量%とをブレンドして得られる前記プロピレン重合体組成物(A)からなる、前記[1]〜[2]のいずれか1項に記載された微多孔フィルム
(B−1)メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が0.01〜5.0g/10分であること
(B−2)135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が10.0〜12.0dL/gであるプロピレン単独重合体(b1)の含有割合が20〜50質量%であり、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が0.5〜3.0dL/gであるプロピレン単独重合体(b2)の含有割合が50〜80質量%であること(但し、プロピレン単独重合体(b1)とプロピレン単独重合体(b2)の合計量を100質量%とする。)
(C−1)メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が0.5〜10.0g/10分であること
[4]前記プロピレン重合体組成物(A)が、下記要件(A−5)を満たす、前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載された微多孔フィルム。
(A−5)Tダイ成膜機を用いて前記プロピレン重合体組成物(A)から得られた厚さ50μmのフィルムの3000cm2当たりのフィッシュアイの個数が50個以下であること
[5]前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載された微多孔フィルムを少なくとも1層有する電池用セパレーター。
[6]前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載された微多孔フィルムを少なくとも1層有する分離膜。
[7]前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載された微多孔フィルムを少なくとも1層有する濾過フィルム。
プロピレン重合体組成物(A)は、下記要件(A−1)〜(A−4)を満たしている。前記プロピレン重合体組成物(A)は、更に要件(A−5)および/または(A−6)も満たすことが好ましい。
前記プロピレン重合体組成物(A)のメソペンタッド分率は、94.0%以上であり、好ましくは95.5%以上99.5%以下、より好ましくは95.5%以上99.0%以下である。メソペンタッド分率が上記範囲内にあると、原反フィルムの結晶化度が高くなり、延伸工程においてラメラが変形せずに非晶だけが変形するために効率的に微小孔が形成され、優れた通気性が得られる点で好ましい。一方、メソペンタッド分率が前記範囲の下限値未満になると、結晶化度、結晶サイズの低下により、延伸工程においてラメラが変形しやすく、微多孔フィルムの通気性が低下する場合があるため好ましくない。
前記プロピレン重合体組成物(A)のメルトフローレート(MFR、ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)は、0.5〜5.0g/10分であり、好ましくは1.0〜4.0g/10分、より好ましくは1.0〜3.0g/10分である。前記MFRが下限値未満になると成形時の樹脂圧やモーター負荷の上昇等の押出負荷の増大が起こり、また、樹脂の流れ性の低下により、溶融ムラやスジ等が発生し、原反フィルムの厚み精度が低下することで、次工程の延伸に適した原反フィルムを作製することが困難となるため好ましくない。前記MFRが上限値を超えるとフィルム強度が低下するため好ましくない。
前記プロピレン重合体組成物(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるMw/Mnは、7.0以上17.0以下であり、好ましくは10.0以上17.0以下、より好ましくは12.0を超え17.0以下である。前記Mw/Mnが下限値未満になると低分子量成分が減少し成形時の樹脂圧が上昇するため、原反フィルム作製時に溶融樹脂の流れムラが発生する傾向にある。また、前記Mw/Mnが上限値を超えると低分子量成分が増えすぎて溶融樹脂とスクリュー壁面との滑りが発生し、吐出量の低下や押出しサージングが発生する傾向にある。押出しサージングが発生すると、原反フィルムの厚みにムラが生じる傾向にある。
前記プロピレン重合体組成物(A)は、分子量1000万以上のプロピレン単独重合体を0.20〜0.50質量%含有し、好ましくは0.20〜0.40質量%含有する。この範囲内に調整することで微多孔フィルムの強度を低下させずに通気性を改良することができることが判明した。下限値未満になると、超高分子量成分が少なくなるため、原反フィルムの分子配向が低下とともに延伸工程でフィルム上の微細孔の生成効率が低下して、通気性が低下する。また、上限値を超えると、超高分子量成分が均一に混ざらなくなり、フィルム上にフィッシュアイが発生し、延伸工程時に微小孔が不均一になって、フィルム強度が低下する。
Tダイ成膜機を用いて前記プロピレン重合体組成物(A)から厚さ50μmのフィルムを製造した場合に、当該フィルムのフィッシュアイ(大きさ100μm以上)の個数が50個/3000cm2以下であり、更には20個/3000cm2以下であり、更には10個/3000cm2以下であることが好ましい。上限値を超えると微多孔フィルムにフィッシュアイに起因する大口径の孔が発生し、通気性が向上するが、フィルム強度が著しく低下する傾向にある。
前記プロピレン重合体組成物(A)は、分子量5万以下のプロピレン単独重合体を10質量%以上25質量%未満含有することが好ましく、より好ましくは15質量%以上25質量%未満、更に好ましくは20質量%以上25質量%未満含有する。下限値未満になると溶融粘度が上昇しフィルムの厚みムラが生じ、また、上限値以上になると微多孔フィルムの強度が低下する傾向にある。
前記プロピレン重合体組成物(A)は、一実施態様において、下記要件(B−1)、好ましくはさらに下記要件(B−2)、より好ましくはさらに下記要件(B−3)を満たすプロピレン単独重合体(B)と、下記要件(C−1)、好ましくはさらに下記要件(C−2)を満たすプロピレン単独重合体(C)とを含有することが好ましい。
以下、各成分について説明する。
<要件(B−1)>
プロピレン単独重合体(B)のメルトフローレート(MFR、ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)は、0.01〜5.0g/10分であり、好ましくは0.05〜4.0g/10分、より好ましくは0.1〜3.0g/10分である。
MFRが上記範囲にあるプロピレン単独重合体(B)は、例えば、プロピレン単独重合体(b1)及びプロピレン単独重合体(b2)の極限粘度及び配合比を変えることにより製造することができる。
プロピレン単独重合体(B)において、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が10.0〜12.0dL/gであるプロピレン単独重合体(b1)の含有割合が20〜50質量%であり、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が0.5〜3.0dL/gであるプロピレン単独重合体(b2)の含有割合が50〜80質量%である(但し、プロピレン単独重合体(b1)とプロピレン単独重合体(b2)の合計量を100質量%とする。)。
プロピレン単独重合体(b1)の極限粘度[η]は、10.0〜12.0dL/gであり、好ましくは10.5〜11.5dL/gである。また、プロピレン単独重合体(b1)の含有割合は、20〜50質量%であり、好ましくは20〜45質量%、より好ましくは20〜40質量%である(但し、プロピレン単独重合体(b1)とプロピレン単独重合体(b2)の合計量を100質量%とする。)。
プロピレン単独重合体(b1)は、後述するように公知の触媒を適宜選択し、水素濃度、重合温度、重合時間等の重合条件を調整することにより製造することができる。
プロピレン単独重合体(b2)の極限粘度[η]は、0.5〜3.0dL/gであり、好ましくは0.6〜2.5dL/g、より好ましくは0.8〜1.5dL/gである。また、プロピレン単独重合体(b2)の含有割合は、50〜80質量%であり、好ましくは55〜80質量%、より好ましくは60〜80質量%である(但し、プロピレン単独重合体(b1)とプロピレン単独重合体(b2)の合計量を100質量%とする。)。
プロピレン単独重合体(b2)は、後述するように公知の触媒を適宜選択し、水素濃度、重合温度、重合時間等の重合条件を調整することにより製造することができる。
前記プロピレン単独重合体(B)のメソペンタッド分率(mmmm分率)は、好ましくは94.0%以上、より好ましくは95.5%以上99.5%以下、さらに好ましくは95.5%以上99.0%以下である。メソペンタッド分率が上記範囲内にあると、原反フィルムの結晶化度が高くなり、延伸工程においてラメラが変形せずに非晶だけが変形するために効率的に微小孔が形成され、優れた通気性が得られる点で好ましい。一方、メソペンタッド分率が前記範囲の下限値未満になると、結晶化度、結晶サイズの低下により、延伸工程においてラメラが変形しやすく、微多孔フィルムの通気性が低下する場合があるため好ましくない。
mmmm分率が上記範囲にあるプロピレン単独重合体(B)は、例えば、後述する公知の触媒を適宜選択することにより製造することができる。
プロピレン単独重合体(B)は、種々公知の製造方法、例えば、夫々、上記物性を満たすプロピレン単独重合体(b1)およびプロピレン単独重合体(b2)を重合した後、上記範囲で、プロピレン単独重合体(b1)とプロピレン単独重合体(b2)とを混合、あるいは溶融混練してプロピレン単独重合体(B)を得る方法、あるいは、上記物性を満たすプロピレン単独重合体(b1)およびプロピレン単独重合体(b2)を一つの重合系あるいは二つ以上の重合系で重合する方法等を例示できる。
プロピレン単独重合体(B)の好ましい製造方法として、例えば高立体規則性ポリプロピレン製造用触媒の存在下に、プロピレンを2段以上の多段重合で重合させて製造する方法を挙げることができる。
ハロゲンとしては、塩素、臭素、又はヨウ素が好ましく、特にヨウ素を好適に使用できる。また、ハロゲン含有化合物としては、MgCl2、MgI2が好適に使用できる。
ハロゲン又はハロゲン含有化合物の使用量は、金属マグネシウム1グラム原子に対して、ハロゲン原子又はハロゲン含有化合物中のハロゲン原子が、通常は0.0001グラム原子以上、好ましくは0.0005グラム原子以上、さらに好ましくは0.001グラム原子以上である。ハロゲン及びハロゲン含有化合物はそれぞれ1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
S=(E1/E2)2 ・・・(I)
ここで、E1は粒子の投影の輪郭長、E2は粒子の投影面積に等しい円の周長を示す。
P=D90/D10 ・・・(II)
このチタン化合物としては、一般式(III)
TiX1n(OR1)4-n・・・(III)
(式(III)中、X1はハロゲン原子、特に塩素原子が好ましく、R1は炭素数1〜10の炭化水素基、特に直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、R1が複数存在する場合にはそれらは互いに同じでも異なってもよい。nは0〜4の整数である。)で表されるチタン化合物を用いることができる。具体的には、Ti(O−i−C3H7)4、Ti(O−C4H9)4、TiCl(O−C2H5)3、TiCl(O−i−C3H7)3、TiCl(O−C4H9)3、TiCl2(O−C4H9)2、TiCl2(O−i−C3H7)2、TiCl4等を挙げることができるが、特にTiCl4が好ましい。
また、上記担体にチタン化合物と電子供与性化合物を接触させる際に、四塩化ケイ素等のハロゲン含有ケイ素化合物を接触させるとよい。
なお、反応終了後は不活性炭化水素(例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン)で、生成した固体触媒成分を洗浄するのが好ましい。
この有機アルミニウム化合物としては、一般式(IV)
AlR2nX23-n・・・(IV)
(式中、R2は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、X2はハロゲン原子であり、塩素原子または臭素原子が好ましい。nは1〜3の整数である。)で表される化合物が広く用いられる。例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム化合物、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、ジエチルアルミニウムモノエトキシド、エチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げることができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<要件(C−1)>
前記プロピレン単独重合体(C)のメルトフローレート(MFR、ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)は、0.5〜10.0g/10分であり、好ましくは1〜8g/10分である。プロピレン単独重合体(C)のMFRが上記範囲を満たすことにより、得られるプロピレン重合体組成物(A)の押出加工性が良好で、通気性と強度の優れた微多孔フィルムが得られる。
前記プロピレン単独重合体(C)のメソペンタッド分率(mmmm分率)は、好ましくは94.0%以上、より好ましくは95.5%以上99.5%以下、さらに好ましくは95.5%以上99.0%以下である。メソペンタッド分率が上記範囲内にあると、原反フィルムの結晶化度が高くなり、延伸工程においてラメラが変形せずに非晶だけが変形するために効率的に微小孔が形成され、優れた通気性が得られる点で好ましい。一方、メソペンタッド分率が前記範囲の下限値未満になると、結晶化度、結晶サイズの低下により、延伸工程においてラメラが変形しやすく、微多孔フィルムの通気性が低下する場合があるため好ましくない。
mmmm分率が上記範囲にあるプロピレン単独重合体(C)は、例えば、後述する公知の触媒を適宜選択することにより製造することができる。
前記プロピレン単独重合体(C)の製造方法は特に限定されず、触媒はチーグラ・ナッタ触媒でもメタロセン触媒でも用いることができるが、チーグラ・ナッタ触媒を用いた方が好ましい。メタロセン触媒よりもチーグラ・ナッタ触媒の方が得られるプロピレン単独重合体の分子量分布が広いため、プロピレン単独重合体(C)とプロピレン単独重合体(B)とが混ざりやすく、そのためプロピレン重合体組成物(A)から得られるフィルムにフィッシュアイが発生するおそれが少なくなるためである。
一実施態様のプロピレン重合体組成物(A)に含まれるプロピレン単独重合体(D)の135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]は、1.5〜3.0dL/gであり、好ましくは1.5〜2.5dL/g、より好ましくは1.5〜2.0dL/gである。また、この一実施態様のプロピレン重合体組成物(A)におけるプロピレン単独重合体(D)の含有割合は、好ましくは90.0〜99.6質量%、より好ましくは94.0〜99.5質量%である(但し、プロピレン単独重合体(b1)とプロピレン単独重合体(D)の合計量を100質量%とする。)。極限粘度[η]は、後述する式(2)を用いて算出することができる。
プロピレン単独重合体(D)は、例えば、プロピレン単独重合体(b2)とプロピレン単独重合体(C)の極限粘度及び配合比を調整することにより製造することができる。
前記プロピレン重合体組成物(A)は、種々公知の製造方法、例えば、前記プロピレン単独重合体(B)および前記プロピレン単独重合体(C)を所望の量で、ドライブレンドや押出機内での溶融混練等の通常の方法で混合して製造することが好ましい。例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、バンバリーミキサーなどの通常の混練装置を用いて、上述した各種成分を混練する方法が挙げられる。溶融混練およびペレタイズは、通常の単軸押出機あるいは2軸押出機、ブラベンダー又はロールを使用して、通常は170〜280℃、好ましくは190〜250℃で溶融混練し、ペレタイズする。2軸押出機では超高分子量成分が分解して減少する場合があるので、単軸押出機がより好ましい。
前記プロピレン重合体組成物(A)には、添加剤としては、一般的にポリプロピレン樹脂に配合可能な公知の酸化防止剤、中和剤を配合することが好ましい。酸化防止剤の配合量はプロピレン重合体組成物(A)に対して通常は500〜8000質量ppm、好ましくは750〜7500質量ppmであり、一方でフィッシュアイやベタつき成分の増加といったフィルムの不良につながる中和剤の配合量は通常は5〜1000質量ppm、好ましくは10〜750質量ppm、より好ましくは15〜500質量ppmである。
前記プロピレン重合体組成物(A)には、本発明の目的に反しない限り、例えばシャットダウン特性等の機能を付与する目的で、プロピレン・エチレン共重合体その他のプロピレン系共重合体、あるいはポリエチレン等のポリオレフィンを配合させてもよい。
前記プロピレン・エチレン共重合体のエチレン単位の含有割合は、付与される特性により異なるが、通常は0.1〜5質量%、好ましくは0.1〜4質量%である。
前記プロピレン重合体組成物(A)には、本発明の目的を阻害しない範囲で可塑剤を配合してもよい。可塑剤としては、室温で液体の溶剤として、ノナン、デカン、デカリン、パラキシレン、流動パラフィン等の脂肪族、環式脂肪族又は芳香族の炭化水素、及び沸点がこれらに対応する鉱油留分、室温で固体の溶剤として、ステアリルアルコール、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらの中では、室温で液体の溶剤が好ましく、特に流動パラフィンが好ましい。可塑剤を配合する場合は、微多孔フィルムの作製工程の一部に、溶剤を用いたフィルムの洗浄工程があることが好ましい。
前記プロピレン重合体組成物(A)には、孔の形状や量、耐熱性を調整する目的で、無機粉体を配合させてもよい。無機粉体としては、タルク、クレー、炭酸カルシウム、マイカ、ケイ酸塩類、炭酸塩類や、ケイ素、アルミニウム、チタン等の金属の酸化物、窒化物などが挙げられる。これらの中では、金属の酸化物や窒化物が好ましく、特にシリカ粉体が好ましい。無機粉体の平均粒径は、0.001〜10μm、好ましくは0.01〜5μmの範囲内にあることが望ましい。無機粉体は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。プロピレン重合体組成物(A)における無機粉体の含有割合は、通常は1〜80質量%、好ましくは10〜60質量%である。
前記プロピレン重合体組成物(A)を用いて本発明の微多孔フィルムを調製する際の好ましい態様は以下のとおりである。すなわち、プロピレン重合体組成物(A)を用いて、以下の原反フィルムの作製工程、延伸工程(冷延伸工程に次いで温延伸工程)を経て成形することで、より良好な強度と通気性のバランスに優れた微多孔フィルムを作製できる。また必要に応じて、後述のとおり微多孔フィルムの表面処理、多層フィルム化を行うこともできる。
原反フィルムの作製工程において、円筒状ダイスを使用するインフレーション成形機、長方形の口金形状のダイ(Tダイ)を使用するキャスト成形機、シート成形機などの一般的なフィルム成形機を用いることができる。特に、Tダイを有するキャスト成形機やシート成形機は一軸延伸が容易であるので好ましい。
原反フィルムの延伸としては、ロール延伸法、テンター延伸法及びチューブラー延伸法等の一般的な延伸方法が適用できる。特に延伸方法は限定されるものではないが、ロール延伸法を用いた一軸延伸が好ましい。延伸工程は例えば2工程からなり、最初に冷延伸を行い、ラメラ間に亀裂を生じさせ、次いで冷延伸の延伸倍率を維持したまま温延伸を行い、亀裂を広げて微小孔を形成させる。
必要に応じて、得られた微多孔フィルムに耐熱性や耐薬品性を付与するための無機物コーティングや、濡れ性を変化させるための界面活性剤等を利用した表面処理をフィルムの両表面もしくはどちらか片方の表面にほどこしてもよい。また、シャットダウン機能を付与する等の目的で、得られた微多孔フィルムに、例えば前記プロピレン重合体組成物(A)よりも低融点の(エチレン系重合体を含む)樹脂との多層化、更なる耐熱性付与を目的に前記プロピレン重合体組成物(A)よりも高融点の樹脂との多層化が行われてもよい。
前記プロピレン重合体組成物(A)(以下PP−Aと略す)はポリエチレンや低融点ポリプロピレンと共押出成形を行う方法を用いてもよい。たとえば、シャットダウン性を付与することを目的に、PP−A/(ポリエチレン(PE)または低融点ポリプロピレン(PP))/PP−A、あるいは(PEまたは低融点PP)/PP−A/(PEまたは低融点PP)といった3層構成の多層化原反フィルムを作製する方法が挙げられる。また、PP−A、ポリエチレン、低融点ポリプロピレンを使用した微多孔フィルムをそれぞれ作製し、張り合わせる方法を用いてもよい。
本発明に係る微多孔フィルムは、セパレーター、濾過フィルムおよび分離膜からなる群より選ばれる1種に用いられることが好ましい。すなわち、本発明に係る微多孔フィルムを少なくとも有する、セパレーター、濾過フィルムまたは分離膜が挙げられる。
(1)メソペンタッド分率(mmmm)
重合体の立体規則性の指標の1つであり、そのミクロタクティシティーを調べたメソペンタッド分率(mmmm,%)は、プロピレン単独重合体においてA.ZambelliらのMacromolecules 8,687(1975)に基づいて帰属により定められた値であり、13C−NMRにより、下記条件で測定し、メソペンタッド分率=(21.7ppmでのピーク面積)/(19〜23ppmでのピーク面積)×100とした。
装置:ブルカー・イオスピン製
AVANCE III cryo−500型核磁気共鳴装置
測定核:13C(125MHz)
測定モード:シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング
パルス幅:45°(5.00マイクロ秒)
繰り返し時間:5.5秒
積算回数:256回
測定溶媒:o−ジクロロベンゼン/重ベンゼン(80/20体積%)混合溶媒
試料濃度:50mg/0.6mL
測定温度:120℃
ケミカルシフト基準:21.59ppm
(2)メルトフローレート(MFR)
メルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に従い、230℃、2.16kg荷重の条件下で測定した。
(3)平均分子量及び分子量分布
液体クロマトグラフ:Waters製ALC/GPC150−Cplus型
(示差屈折計検出器一体型)
カラム: 東ソー株式会社製GMH6−HT×2本および
GMH6−HTL×2本を直列接続した。
移動相媒体: o−ジクロロベンゼン
流速: 1.0mL/分
測定温度: 140℃
検量線の作成方法: 標準ポリスチレンサンプルを使用した
サンプル濃度: 0.10%(W/W)
サンプル溶液量: 500μL
上記条件下で得られたGPC曲線から分子量1000万以上の面積割合から算出した。
(5)分子量5万以下のプロピレン単独重合体の含有割合
上記条件下で得られたGPC曲線から分子量5万以下の面積割合から算出した。
(6)極限粘度[η]
ウベローデ粘度計を用いて、135℃、テトラリン中で行った。
プロピレン単独重合体(b2)の極限粘度[η]b2は、下記式より計算した。
[η]b2=(100[η]total−Wb1[η]b1)/Wb2 (1)
[η]total:プロピレン単独重合体(B)の極限粘度
[η]b1:プロピレン単独重合体(b1)の極限粘度
Wb1:プロピレン単独重合体(b1)の質量分率(質量%)
Wb2:プロピレン単独重合体(b2)の質量分率(質量%)
但し、プロピレン単独重合体(b1)とプロピレン単独重合体(b2)の合計量を100質量%とする。
[η]D=(Wb2[η]b2+WC[η]C)/100 (2)
[η]D:プロピレン単独重合体(D)の極限粘度
[η]C:プロピレン単独重合体(C)の極限粘度
Wb2:プロピレン単独重合体(b2)の質量分率(質量%)
WC:プロピレン単独重合体(C)の質量分率(質量%)
但し、プロピレン単独重合体(b2)とプロピレン単独重合体(C)の合計量を100質量%とする。従って、式(2)のWb2の値は、式(1)のWb2の値と異なる。
プロピレン重合体組成物(A)のフィッシュアイの個数の評価は下記の方法に従って測定した。すなわち、株式会社プラスチック工学研究所製の25mmΦのTダイ成膜機で作成した厚さ50μmのフィルムのフィッシュアイの個数を、ジェルカウンターとして(株)ヒューテック製のフィッシュアイカウンター(商標)を用いて測定した。測定数を、フィルム単位面積(3000cm2)当たりのフィッシュアイ(大きさ100μm以上)の個数として示した。なお、微多孔フィルムのフィッシュアイは白色のため測定できないため、本条件にて測定した。
フィルム作成条件は次の通りである。
Tダイ製膜機:(株)プラスチック工学研究所製
型式:GT−25−A
スクリュー直径:25mm、L/D=24
スクリュー回転数:60rpm
シリンダー温度設定:C1=230℃、C2=260℃
ヘッド温度設定:260℃
Tダイ温度設定:D1〜D3=260℃
Tダイ幅:230mm,リップ開度=1mm
フィルム巻取速度:4m/s
ロール温度:65℃
ジェルカウンター(大きさ100μm以上)の測定条件は次の通りである。
装置構成
(1)受光器(4096画素)
(2)投光器
(3)信号処理装置
(4)パルスジェネレーター
(5)装置間ケーブル
通気性の指標としてガーレ透気度(以下「透気度」と略す)を用いた。透気度が小さいほど通気性が良いことを示す。透気度はJIS P8117により測定した。測定装置はB型ガーレ式デンソメーター(東洋製機製作所製)を使用した。試験温度23℃、湿度50%RH。試料面積は645mm2。円筒重量567gにより、筒内の空気を試験円孔部から、筒外へ通過させる。空気100mLが通過する時間を測定し、透気度(sec/100mL)とした。
(9)突刺強度(N)
直径1mm、0.5mmRの針を用いて2mm/秒で突刺した時の最大荷重から突刺強度(N)を算出した。測定条件を下記に記す:
試験機: (株)東洋精機製作所ストログラフV10−D
試験速度:120mm/min
先端: 1.0mmΦ、0.5mm
R受け: 30.0mmΦ(グロス試験治具)
(B)プロピレン単独重合体
(B1)プロピレン単独重合体
〔製造例1〕
(1)マグネシウム化合物の調製
攪拌機付き反応槽(内容積500リットル)を窒素ガスで充分に置換し、エタノール97.2kg、ヨウ素640g、および金属マグネシウム6.4kgを投入し、攪拌しながら還流条件下で系内から水素ガスの発生が無くなるまで反応させ、固体状反応生成物を得た。この固体状反応生成物を含む反応液を減圧乾燥させることにより目的のマグネシウム化合物(固体触媒の担体)を得た。
窒素ガスで充分に置換した撹拌機付き反応槽(内容積500リットル)に、前記マグネシウム化合物(粉砕していないもの)30kg、精製ヘプタン(n−ヘプタン)150リットル、四塩化ケイ素4.5リットル、およびフタル酸ジ−n−ブチル5.4リットルを加えた。系内を90℃に保ち、攪拌しながら四塩化チタン144リットルを投入して110℃で2時間反応させた後、固体成分を分離して80℃の精製ヘプタンで洗浄した。さらに、四塩化チタン228リットルを加え、110℃で2時間反応させた後、精製ヘプタンで充分に洗浄し、固体触媒成分を得た。
ヘプタン200mL中にトリエチルアルミニウム10mmol、ジシクロペンチルジメトキシシラン2mmol、および(2)で得られた固体触媒成分をチタン原子換算で1mmol添加した。内温を20℃に保持し、攪拌しながらプロピレンを連続的に導入した。60分後、攪拌を停止し、結果的に固体触媒成分1gあたり4.0gのプロピレンが重合した前重合触媒を得た。
600リットルのオートクレーブ中にプロピレン336リットル装入し、60℃に昇温した。その後、トリエチルアルミニウム8.7mL、ジシクロペンチルジメトキシシラン11.4mL、(3)で得られた前重合触媒を2.9g装入して重合を開始した。重合開始より83分後に、10分間かけて45℃まで降温した(第1段目の重合終了)。
第1段目と同一重合槽において降温後、圧力が3.3MPaGで一定となるよう水素を連続的に投入し、112分間重合を行った。次いでベントバルブを開け、未反応のプロピレンを積算流量計を経由させてパージした(第2段目の重合終了)。
このようにして最終的に得られたプロピレン単独重合体(B1)のMFRは0.2g/10分であった。また、物質収支から算出した最終的に得られたプロピレン単独重合体(B1)に占める第1段目の重合で生成したプロピレン単独重合体(b1)の割合は38質量%であった。
〔製造例2〕
製造例1において、本重合の内、1段目の重合時間を75分間、2段目の重合温度を50℃、重合時間を160分間とした以外は同様の方法で重合を行った。その結果、54.4kgのプロピレン単独重合体(B2)を得た。MFRは1.9g/10分で、物質収支から算出した最終的に得られたプロピレン単独重合体(B2)に占める第1段目の重合で生成したプロピレン単独重合体(b1)の割合は24質量%であった。
プロピレン単独重合体(b1):極限粘度[η]=8dL/g、成分量=20質量%
プロピレン単独重合体(b2):極限粘度[η]=1.44dL/g、成分量=80質量%
MFR=3g/10分
製造例1、2で得たプロピレン単独重合体、VP103Wの物性を表1に示す。
(C1)プロピレン単独重合体
WO2014/65331号公報の実施例3に準じて作製した。
(C2)プロピレン単独重合体
〔製造例3〕
<固体状チタン(a−1)の調製>
内容積2リットルの高速撹拌装置(特殊機化工業製)を充分窒素置換した後、該装置に精製灯油700mL、塩化マグネシウム10g、エタノール24.2gおよびソルビタンジステアレート(花王アトラス(株)製「エマゾール320」)3gを装入した。この系を撹拌下で昇温し、120℃および800rpmの条件で30分間撹拌した。高速撹拌下、内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブを用いて、予め−10℃に冷却された精製灯油1リットルを張り込んである2リットルのガラスフラスコ(攪拌機付)に移液した。得られた固体を濾過し、精製n−ヘキサンで充分洗浄することにより、塩化マグネシウム1モルに対してエタノールが2.8モル配位した固体状付加物を得た。
充分に窒素置換された200mLのガラス製反応器に、得られた固体状チタン(a−1)6.8g、パラキシレン113mL、デカン11mL、四塩化チタン2.5mL(23ミリモル)及びジイソブチルフタレ−ト0.34mL(1.2ミリモル)を入れた。反応器内の温度を130℃に昇温し、その温度で1時間攪拌して接触処理した後、熱ろ過により固体部を採取した。この固体部を101mLのパラキシレンに再懸濁させ、さらに四塩化チタン1.7mL(15ミリモル)及びジイソブチルフタレート0.22mL(0.8ミリモル)を添加した。
固体状チタン触媒成分(i−1)140.0g、トリエチルアルミニウム51.9mL、ジシクロペンチルジメトキシシラン17.7mL、ヘプタン140Lを内容量200Lの攪拌機付きオートクレーブに挿入し、内温10〜15℃に保ちプロピレンを840g挿入し、60分間攪拌しながら反応させた。得られた前重合触媒(b−1)は、固体状チタン触媒成分(i−1)1g当りポリプロピレンを6g含んでおり、固体状チタン触媒成分(i−1)濃度で1.0g/Lであった。
内容積500リットルの攪拌機付き重合槽に液化プロピレンを300リットル装入し、この液位を保ちながら、液化プロピレン 100kg/h、前重合触媒(b−1) 0.9g/h、トリエチルアルミニウム 5.0mL/h、ジシクロペンチルジメトキシシラン 4.6mL/hを連続的に供給し、温度70℃で重合した。また重合槽内の気相部の水素濃度が1.8mol%となるように、水素を連続的に供給した。得られたスラリーは失活後、液体プロピレンによる洗浄槽に送液し、プロピレン重合体パウダーを洗浄した。得られたスラリーを気化後、気固分離を行い、プロピレン単独重合体(C2)を得た。得られたプロピレン単独重合体(C2)は、MFRが4.0g/10分であった。
特開2006−143975号公報の比較例2に準じて作製した。得られたプロピレン単独重合体(C3)は、MFRが3.0g/10分であった。
(1)造粒工程
得られたプロピレン単独重合体(B1)パウダー5質量部、プロピレン単独重合体(C1)パウダー95質量部に加えて、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエンを0.2質量部、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.5質量部、ステアリン酸カルシウム0.005質量部を配合した後、230℃で溶融し、(株)ジーエムエンジニアリング製GMZ50−32(L/D=32)単軸押出機でペレット化して測定試料とし、物性評価を行った。さらに作製したペレットを原料として以下の方法にて微多孔フィルムの製造を行い、微多孔フィルムの物性評価結果もペレットの物性評価結果と合わせて表3に記載した。
微多孔フィルムは以下のように製造した。GMエンジニアリング社製のシート成形機を用いて、幅200mm、リップ開度2.0mmのTダイにて上記(1)で得られたペレットを230℃で溶融押出した後に120℃の冷却ロールにて12m/分で引き取った。このとき得られた原反フィルムの膜厚は25μmであった。その後、120℃で1時間アニールを実施した。次に一軸延伸機を用いて25℃に保持されたニップロール間で1.4倍に冷延伸し、引き続き120℃に加熱されたロールで1.7倍に温延伸した後、120℃に加熱されたロールで0.9倍に緩和させ、微多孔フィルムを得た。
表1に示すプロピレン単独重合体の配合量にした以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
なお、比較例1で得た微多孔フィルムの通気性は、特許文献4の実施例3と比較して通気性が低い。この理由として特許文献4の実施例3ではフィルム成形時の溶融温度210℃に対して本明細書の比較例1では溶融温度が230℃と高く原反フィルムの配向度の低下とともに微多孔形成率が低下し、通気性が低下するからである。もう1つの理由として特許文献4の実施例3ではロール温度130℃に対して本明細書の比較例1では120℃と低く、フィルム内のプロピレン単独重合体の結晶化度の低下とともに微多孔形成率が低下するからである。
Claims (7)
- 下記要件(A−1)〜(A−4)を満たすプロピレン重合体組成物(A)からなる微多孔フィルム。
(A−1)メソペンタッド分率(mmmm)が94.0%以上であること
(A−2)メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が0.5〜5.0g/10分であること
(A−3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量を数平均分子量で除した値(Mw/Mn)が7.0〜17.0であること
(A−4)分子量1000万以上のプロピレン単独重合体の含有割合が0.20〜0.50質量%であること - 前記プロピレン重合体組成物(A)が、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が10.0〜12.0dL/gであるプロピレン単独重合体(b1)0.4〜10質量%と、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が1.5〜3.0dL/gであるプロピレン単独重合体(D)99.6〜90質量%とを含有する、請求項1に記載された微多孔フィルム。
- 下記要件(B−1)〜(B−2)を満たすプロピレン単独重合体(B)2〜20質量%と、下記要件(C−1)を満たすプロピレン単独重合体(C)98〜80質量%とをブレンドして得られる前記プロピレン重合体組成物(A)からなる、請求項1〜2のいずれか1項に記載された微多孔フィルム。
(B−1)メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が0.01〜5.0g/10分であること
(B−2)135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が10.0〜12.0dL/gであるプロピレン単独重合体(b1)の含有割合が20〜50質量%であり、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が0.5〜3.0dL/gであるプロピレン単独重合体(b2)の含有割合が50〜80質量%であること(但し、プロピレン単独重合体(b1)とプロピレン単独重合体(b2)の合計量を100質量%とする。)
(C−1)メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が0.5〜10.0g/10分であること - 前記プロピレン重合体組成物(A)が、下記要件(A−5)を満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載された微多孔フィルム。
(A−5)Tダイ成膜機を用いて前記プロピレン重合体組成物(A)から得られた厚さ50μmのフィルムの3000cm2当たりのフィッシュアイの個数が50個以下であること - 請求項1〜4のいずれか1項に記載された微多孔フィルムを少なくとも1層有する電池用セパレーター。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載された微多孔フィルムを少なくとも1層有する分離膜。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載された微多孔フィルムを少なくとも1層有する濾過フィルム。
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