JP2020114909A - プロピレン重合体組成物からなる微多孔フィルム - Google Patents

プロピレン重合体組成物からなる微多孔フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】通気性及び強度に優れた微多孔フィルムを提供すること。【解決手段】下記要件(A−1)〜(A−4)を満たすプロピレン重合体組成物(A)からなる微多孔フィルム:(A−1)メソペンタッド分率(mmmm)が94.0%以上であること、(A−2)メルトフローレートが0.5〜5.0g/10分であること、(A−3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したMw/Mnが7.0〜17.0であること、(A−4)分子量1000万以上のプロピレン単独重合体の含有割合が0.20〜0.50質量%であること。【選択図】なし

Description

本発明はプロピレン重合体組成物からなる微多孔フィルムに関する。より詳しくは、通気性及び強度に優れた微多孔フィルムに関する。高分子材料から形成される微多孔フィルムは、医療用、工業用の濾過膜、分離膜や、電池用セパレーター、コンデンサー用セパレーター等のセパレーター等、様々な用途に使用されている。
近年、携帯電話、モバイルパソコン、自動車用の一電源として、二次電池の需要量が増大してきており、電池用セパレーターに対する需要が増大している。その中で自動車用電池への普及とともにエネルギーの高密度化が検討されており、ますます電池の安全性の確保が必要となっている。セパレーターは安全性を確保するためにシャットダウン機能を備えることが必須であるが、シャットダウン後も温度が更に上昇してセパレーター全体が溶融して破膜すると電気的絶縁性を維持できなくなる。このため、セパレーターの耐熱性の向上が求められている。しかしながら、セパレーターの主要材料である超高分子量ポリエチレンは、融点が135〜140℃程度と低く、耐熱性に限界がある、そこで、耐熱性の高い微多孔フィルムとして融点の高いポリプロピレン樹脂が用いられている。また、一般的に微多孔フィルムには、その強度が低く、かつ外力が加わったときの損傷を防止する突刺強度も求められている。
ポリプロピレン樹脂の微多孔フィルムの製造方法として、湿式法と乾式法がある。湿式法はポリプロピレン樹脂に充填剤や可塑剤を配合した樹脂組成物からフィルムを成形し、そのフィルムから充填剤や可塑剤を抽出して微多孔フィルムを製造する方法である。この方法は抽出工程における作業環境問題及び抽出液の処理等の環境問題があるだけでなく、微多孔フィルムに微量の充填剤、可塑剤、抽出液が残る可能性があり、電池の性能や安全性に懸念がある。一方、乾式法は、ポリプロピレン樹脂の原反フィルムを作製した後に冷延伸、温延伸によりフィルムに微多孔を形成させる方法である。この方法は充填剤、可塑剤、抽出液を全く使用しないことから、上記のような作業環境問題や抽出液の処理等の環境問題もなく、かつ充填剤、可塑剤、抽出液を使用しないので低コストの製法であり、セパレーターに微量の充填剤等が残余する可能性もなく、電池特性の性能や安全性を損なうこともない。
しかしながら、乾式法において、充填剤や可塑剤を配合せずに溶融押出しにより原反フィルムを成形することから、ポリプロピレン樹脂の流動性をある程度確保する必要がある。このためにはポリプロピレン樹脂の分子量を下げる必要があり、その結果、湿式法と比べて乾式法で得られる微多孔フィルムの強度と通気性のバランスに課題があった。また、微多孔フィルムを薄くすれば通気性が向上するが、フィルム強度が低下するためバランスを改良するには至らなかった。
特許文献1、特許文献2には、リチウムイオンの透過性に優れており高性能のリチウムイオン電池を構成することができ且つデンドライトによる正極と負極の短絡を防止することができるポリプロピレン樹脂からなる微孔フィルムが開示されている。
特許文献3には、耐熱性及び強度に優れた微多孔膜形成用ポリプロピレン樹脂組成物が開示されている。
特許文献4には、耐熱性及び強度に優れた微多孔フィルム用ポリプロピレン樹脂及び微多孔フィルムが開示されている。
特開2011−246658号公報 特開2011−246659号公報 WO2010/079799号公報 WO2014/065331号公報
しかしながら、特許文献1、特許文献2には、微多孔フィルムの透気度が小さいと(すなわち通気性が大きいと)強度が低下し、一方、微多孔フィルムの透気度が大きいと(すなわち通気性が低いと)強度が大きくなると記載されており、微多孔フィルムの通気性と強度の物性バランスを向上させる技術について提案がなされていない。
特許文献3では、超高分子量プロピレン単独重合体を含有する微多孔フィルム用ポリプロピレン組成物について超高分子量プロピレン単独重合体の分子量及び昇温溶離分別(TREF)による半値幅により微多孔フィルムの通気性と強度の改良手法について提案がなされている。しかしながら、当該発明においては微多孔フィルムに適したポリプロピレン組成物全体の構造を規定していないため、結果として微多孔フィルムの通気性と強度の物性バランスの向上に関する技術について十分な提案がなされているとは言えない。
特許文献4には、耐熱性及び強度に優れた微多孔フィルム用ポリプロピレンについて、重量平均分子量を数平均分子量で除した値(Mw/Mn)を所定の範囲に調整してフィルム強度と通気性の物性バランスを維持して、Z平均分子量を重量平均分子量で除した値(Mz/Mw)(超高分子量成分の指標)の増加により通気性を向上させることを提案している。しかしながら、当該発明に係る微多孔フィルムの通気性と強度のバランス改良に限界があった。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、下記の要件を満たした微多孔フィルムにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の態様を以下に示す。
[1]下記要件(A−1)〜(A−4)を満たすプロピレン重合体組成物(A)からなる微多孔フィルム
(A−1)メソペンタッド分率(mmmm)が94.0%以上であること
(A−2)メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が0.5〜5.0g/10分であること
(A−3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量を数平均分子量で除した値(Mw/Mn)が7.0〜17.0であること
(A−4)分子量1000万以上のプロピレン単独重合体の含有割合が0.20〜0.50質量%であること
[2]前記プロピレン重合体組成物(A)が、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が10.0〜12.0dL/gであるプロピレン単独重合体(b1)0.4〜10質量%と、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が1.5〜3.0dL/gであるプロピレン単独重合体(D)99.6〜90質量%とを含有する、前記[1]に記載された微多孔フィルム。
[3]下記要件(B−1)〜(B−2)を満たすプロピレン単独重合体(B)2〜20質量%と、下記要件(C−1)を満たすプロピレン単独重合体(C)98〜80質量%とをブレンドして得られる前記プロピレン重合体組成物(A)からなる、前記[1]〜[2]のいずれか1項に記載された微多孔フィルム
(B−1)メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が0.01〜5.0g/10分であること
(B−2)135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が10.0〜12.0dL/gであるプロピレン単独重合体(b1)の含有割合が20〜50質量%であり、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が0.5〜3.0dL/gであるプロピレン単独重合体(b2)の含有割合が50〜80質量%であること(但し、プロピレン単独重合体(b1)とプロピレン単独重合体(b2)の合計量を100質量%とする。)
(C−1)メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が0.5〜10.0g/10分であること
[4]前記プロピレン重合体組成物(A)が、下記要件(A−5)を満たす、前記[1]〜[3]のいずれか1項に記載された微多孔フィルム。
(A−5)Tダイ成膜機を用いて前記プロピレン重合体組成物(A)から得られた厚さ50μmのフィルムの3000cm2当たりのフィッシュアイの個数が50個以下であること
[5]前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載された微多孔フィルムを少なくとも1層有する電池用セパレーター。
[6]前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載された微多孔フィルムを少なくとも1層有する分離膜。
[7]前記[1]〜[4]のいずれか1項に記載された微多孔フィルムを少なくとも1層有する濾過フィルム。
前記プロピレン重合体組成物(A)は、分子量1000万以上の超高分子量プロピレン単独重合体を少量含有しているためフィッシュアイやブツが少ないため微多孔フィルムの強度を低下させることなく、かつ微多孔形成が効果的であるために、通気性及び強度の物性バランスに優れた微多孔フィルムが得られる。
以下、本発明に係る、プロピレン重合体組成物(A)からなる微多孔フィルムについて具体的に説明する。なお、以下に記載する各物性の測定条件の詳細は、実施例欄に記載する。
[プロピレン重合体組成物(A)]
プロピレン重合体組成物(A)は、下記要件(A−1)〜(A−4)を満たしている。前記プロピレン重合体組成物(A)は、更に要件(A−5)および/または(A−6)も満たすことが好ましい。
<要件(A−1)>
前記プロピレン重合体組成物(A)のメソペンタッド分率は、94.0%以上であり、好ましくは95.5%以上99.5%以下、より好ましくは95.5%以上99.0%以下である。メソペンタッド分率が上記範囲内にあると、原反フィルムの結晶化度が高くなり、延伸工程においてラメラが変形せずに非晶だけが変形するために効率的に微小孔が形成され、優れた通気性が得られる点で好ましい。一方、メソペンタッド分率が前記範囲の下限値未満になると、結晶化度、結晶サイズの低下により、延伸工程においてラメラが変形しやすく、微多孔フィルムの通気性が低下する場合があるため好ましくない。
プロピレン重合体組成物(A)のmmmm分率とは、当該組成物試料について13C−NMR測定した場合におけるmmmm分率を意味する。メソペンタッド分率(mmmm分率)は、分子鎖中の五連子アイソタクティック構造の存在割合を示しており、プロピレンモノマー単位が5個連続してメソ構造を有する連鎖の中心にあるプロピレン構造単位の分率である。
mmmm分率が上記範囲にあるプロピレン重合体組成物(A)は、例えば、後述する公知の触媒を適宜選択することにより製造することができる。具体的には、プロピレン重合体組成物(A)は、通常、mmmm分率が上記範囲にあるプロピレン単独重合体を含有する。このような要件を満たすプロピレン単独重合体は、例えば、後述する公知の固体状チタン触媒成分と有機金属化合物触媒成分と必要に応じて用いられる電子供与体とを含むオレフィン重合用触媒によりプロピレンを重合させることによって得ることができる。
<要件(A−2)>
前記プロピレン重合体組成物(A)のメルトフローレート(MFR、ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)は、0.5〜5.0g/10分であり、好ましくは1.0〜4.0g/10分、より好ましくは1.0〜3.0g/10分である。前記MFRが下限値未満になると成形時の樹脂圧やモーター負荷の上昇等の押出負荷の増大が起こり、また、樹脂の流れ性の低下により、溶融ムラやスジ等が発生し、原反フィルムの厚み精度が低下することで、次工程の延伸に適した原反フィルムを作製することが困難となるため好ましくない。前記MFRが上限値を超えるとフィルム強度が低下するため好ましくない。
MFRが上記範囲にあるプロピレン重合体組成物(A)は、例えば、後述するプロピレン単独重合体(B)及びプロピレン単独重合体(C)のMFR及び配合比を変えることにより製造することができる。
<要件(A−3)>
前記プロピレン重合体組成物(A)のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるMw/Mnは、7.0以上17.0以下であり、好ましくは10.0以上17.0以下、より好ましくは12.0を超え17.0以下である。前記Mw/Mnが下限値未満になると低分子量成分が減少し成形時の樹脂圧が上昇するため、原反フィルム作製時に溶融樹脂の流れムラが発生する傾向にある。また、前記Mw/Mnが上限値を超えると低分子量成分が増えすぎて溶融樹脂とスクリュー壁面との滑りが発生し、吐出量の低下や押出しサージングが発生する傾向にある。押出しサージングが発生すると、原反フィルムの厚みにムラが生じる傾向にある。
Mw/Mnが上記範囲にあるプロピレン重合体組成物(A)は、例えば、後述するプロピレン単独重合体(B)及びプロピレン単独重合体(C)のMFR及び配合比を変えることにより製造することができ、また、プロピレン単独重合体(B)に含まれるプロピレン単独重合体(b1)及びプロピレン単独重合体(b2)の極限粘度及び配合比を変えることにより製造することができる。
<要件(A−4)>
前記プロピレン重合体組成物(A)は、分子量1000万以上のプロピレン単独重合体を0.20〜0.50質量%含有し、好ましくは0.20〜0.40質量%含有する。この範囲内に調整することで微多孔フィルムの強度を低下させずに通気性を改良することができることが判明した。下限値未満になると、超高分子量成分が少なくなるため、原反フィルムの分子配向が低下とともに延伸工程でフィルム上の微細孔の生成効率が低下して、通気性が低下する。また、上限値を超えると、超高分子量成分が均一に混ざらなくなり、フィルム上にフィッシュアイが発生し、延伸工程時に微小孔が不均一になって、フィルム強度が低下する。
分子量1000万以上のプロピレン単独重合体は、少量であっても原反フィルムの配向への効果が極めて高く、通気性が著しく改良されるが、一方、含有割合が極少であるために原反フィルムの成形時の樹脂圧上昇等による不具合、それに伴うフィルムの微細孔の不均一化、フィッシュアイの発生等の不具合がない点が特徴である。
特許文献4にて分子量700万以上のポリプロピレン0.3〜1.5%を含有する微多孔フィルム用ポリプロピレンが提案されているが、この含有割合を調整すればフィルムの成形条件の範囲が変わるが、上記のような通気性への改良効果は認められなかった。
分子量1000万以上のプロピレン単独重合体の含有割合が上記範囲にあるプロピレン重合体組成物(A)は、例えば、後述するプロピレン単独重合体(B)に含まれるプロピレン単独重合体(b1)の極限粘度及び配合量を変えることにより製造することができる。
<要件(A−5)>
Tダイ成膜機を用いて前記プロピレン重合体組成物(A)から厚さ50μmのフィルムを製造した場合に、当該フィルムのフィッシュアイ(大きさ100μm以上)の個数が50個/3000cm2以下であり、更には20個/3000cm2以下であり、更には10個/3000cm2以下であることが好ましい。上限値を超えると微多孔フィルムにフィッシュアイに起因する大口径の孔が発生し、通気性が向上するが、フィルム強度が著しく低下する傾向にある。
フィッシュアイの個数が上記範囲にあるフィルムを形成可能なプロピレン重合体組成物(A)は、例えば、プロピレン単独重合体(B)に含まれるプロピレン単独重合体(b1)とプロピレン単独重合体(b2)の極限粘度の差を小さくしたり、プロピレン単独重合体(B)の重合方法としてバッチ式を選択したりすることで製造することができる。
<要件(A−6)>
前記プロピレン重合体組成物(A)は、分子量5万以下のプロピレン単独重合体を10質量%以上25質量%未満含有することが好ましく、より好ましくは15質量%以上25質量%未満、更に好ましくは20質量%以上25質量%未満含有する。下限値未満になると溶融粘度が上昇しフィルムの厚みムラが生じ、また、上限値以上になると微多孔フィルムの強度が低下する傾向にある。
分子量5万以下のプロピレン単独重合体の含有割合が上記範囲にあるプロピレン重合体組成物(A)は、例えば、後述するプロピレン単独重合体(B)及びプロピレン単独重合体(C)のMFR及び配合比を変えることにより製造することができ、また、プロピレン単独重合体(B)に含まれるプロピレン単独重合体(b1)及びプロピレン単独重合体(b2)の極限粘度及び配合比を変えることにより製造することができる。
[好ましい組成]
前記プロピレン重合体組成物(A)は、一実施態様において、下記要件(B−1)、好ましくはさらに下記要件(B−2)、より好ましくはさらに下記要件(B−3)を満たすプロピレン単独重合体(B)と、下記要件(C−1)、好ましくはさらに下記要件(C−2)を満たすプロピレン単独重合体(C)とを含有することが好ましい。
前記プロピレン重合体組成物(A)において、プロピレン単独重合体(B)の含有割合は通常は2〜20質量%であり、プロピレン単独重合体(C)の含有割合は通常は98〜80質量%である。
前記プロピレン重合体組成物(A)は、一実施態様において、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が10.0〜12.0dL/gであるプロピレン単独重合体(b1)と、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が1.5〜3.0dL/gであるプロピレン単独重合体(D)とを含有することが好ましい。
以下、各成分について説明する。
[プロピレン単独重合体(B)]
<要件(B−1)>
プロピレン単独重合体(B)のメルトフローレート(MFR、ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)は、0.01〜5.0g/10分であり、好ましくは0.05〜4.0g/10分、より好ましくは0.1〜3.0g/10分である。
プロピレン単独重合体(B)のMFRが上記範囲にあると、押出し成形性に優れ、微孔の均一な微多孔フィルムが得られる。
MFRが上記範囲にあるプロピレン単独重合体(B)は、例えば、プロピレン単独重合体(b1)及びプロピレン単独重合体(b2)の極限粘度及び配合比を変えることにより製造することができる。
<要件(B−2)>
プロピレン単独重合体(B)において、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が10.0〜12.0dL/gであるプロピレン単独重合体(b1)の含有割合が20〜50質量%であり、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が0.5〜3.0dL/gであるプロピレン単独重合体(b2)の含有割合が50〜80質量%である(但し、プロピレン単独重合体(b1)とプロピレン単独重合体(b2)の合計量を100質量%とする。)。
《プロピレン単独重合体(b1)》
プロピレン単独重合体(b1)の極限粘度[η]は、10.0〜12.0dL/gであり、好ましくは10.5〜11.5dL/gである。また、プロピレン単独重合体(b1)の含有割合は、20〜50質量%であり、好ましくは20〜45質量%、より好ましくは20〜40質量%である(但し、プロピレン単独重合体(b1)とプロピレン単独重合体(b2)の合計量を100質量%とする。)。
また、プロピレン単独重合体(b1)とプロピレン単独重合体(D)の合計量を100質量%とすると、プロピレン単独重合体(b1)の含有割合は、0.4〜10質量%であり、好ましくは0.5〜6質量%の範囲にある。
プロピレン単独重合体(b1)の極限粘度[η]が10.0dL/g未満になると、得られる微多孔フィルムの通気性が低下することがあり、その極限粘度[η]が12.0dL/gを超えると、得られる微多孔フィルムの強度が低くなることがある。また、プロピレン単独重合体(b1)の含有割合が20質量%未満では、微多孔フィルムの通気性が低下することがあり、50質量%を超えると、原反フィルム成形時の樹脂圧が大きくなり、押出成形時の不良現象の原因となることがある。
プロピレン単独重合体(b1)は、後述するように公知の触媒を適宜選択し、水素濃度、重合温度、重合時間等の重合条件を調整することにより製造することができる。
《プロピレン単独重合体(b2)》
プロピレン単独重合体(b2)の極限粘度[η]は、0.5〜3.0dL/gであり、好ましくは0.6〜2.5dL/g、より好ましくは0.8〜1.5dL/gである。また、プロピレン単独重合体(b2)の含有割合は、50〜80質量%であり、好ましくは55〜80質量%、より好ましくは60〜80質量%である(但し、プロピレン単独重合体(b1)とプロピレン単独重合体(b2)の合計量を100質量%とする。)。
プロピレン単独重合体(b2)の極限粘度[η]が0.5dL/g未満になると、フィッシュアイが発生し、微多孔フィルムの強度を低下させることがある。また、プロピレン単独重合体(b2)の含有割合が50質量%未満では、押出し不良となることがあり、80質量%を超えると、微多孔フィルムの通気性が低下することがある。
プロピレン単独重合体(b2)は、後述するように公知の触媒を適宜選択し、水素濃度、重合温度、重合時間等の重合条件を調整することにより製造することができる。
<要件(B−3)>
前記プロピレン単独重合体(B)のメソペンタッド分率(mmmm分率)は、好ましくは94.0%以上、より好ましくは95.5%以上99.5%以下、さらに好ましくは95.5%以上99.0%以下である。メソペンタッド分率が上記範囲内にあると、原反フィルムの結晶化度が高くなり、延伸工程においてラメラが変形せずに非晶だけが変形するために効率的に微小孔が形成され、優れた通気性が得られる点で好ましい。一方、メソペンタッド分率が前記範囲の下限値未満になると、結晶化度、結晶サイズの低下により、延伸工程においてラメラが変形しやすく、微多孔フィルムの通気性が低下する場合があるため好ましくない。
mmmm分率が上記範囲にあるプロピレン単独重合体(B)は、例えば、後述する公知の触媒を適宜選択することにより製造することができる。
<プロピレン単独重合体(B)の製造方法>
プロピレン単独重合体(B)は、種々公知の製造方法、例えば、夫々、上記物性を満たすプロピレン単独重合体(b1)およびプロピレン単独重合体(b2)を重合した後、上記範囲で、プロピレン単独重合体(b1)とプロピレン単独重合体(b2)とを混合、あるいは溶融混練してプロピレン単独重合体(B)を得る方法、あるいは、上記物性を満たすプロピレン単独重合体(b1)およびプロピレン単独重合体(b2)を一つの重合系あるいは二つ以上の重合系で重合する方法等を例示できる。
中でも2段以上の多段重合により、相対的に高分子量のプロピレン単独重合体から相対的に低分子量のプロピレン単独重合体を含むように製造するのが好ましい。
プロピレン単独重合体(B)の好ましい製造方法として、例えば高立体規則性ポリプロピレン製造用触媒の存在下に、プロピレンを2段以上の多段重合で重合させて製造する方法を挙げることができる。
具体的には、第1段目の重合において、実質的に水素の非存在下でプロピレンを重合させて、135℃テトラリン中で測定した極限粘度[η]が10.0〜12.0dL/g、好ましくは10.5〜11.5dL/gの相対的に高分子量のプロピレン単独重合体(b1)を、全重合体中の20〜50質量%、好ましくは20〜45質量%、さらに好ましくは20〜40質量%製造し、第2段目の重合において、相対的に低分子量のプロピレン単独重合体(b2)を製造する。第2段目以降の重合において製造するプロピレン単独重合体(b2)の極限粘度[η]は0.5〜3.0dL/g、好ましくは0.6〜2.5dL/g、より好ましくは0.8〜1.5dL/g(この極限粘度〔η〕は、その段単独で製造されるプロピレン単独重合体(b2)の極限粘度[η]であり、その段の前段までのプロピレン単独重合体(b1)を含むプロピレン単独重合体(B)の極限粘度[η]ではない。)で、かつ最終的に得られるプロピレン多段重合体、すなわちプロピレン単独重合体(B)のMFRが0.01〜5.0g/10分、好ましくは0.05〜4.0g/10分、さらに好ましくは0.1〜3.0g/10分となるように調整する。第2段目以降で製造するプロピレン単独重合体の極限粘度[η]の調整方法は特に制限されないが、分子量調整剤として水素を使用する方法が好ましい。
プロピレン単独重合体(b1)とプロピレン単独重合体(b2)の製造順序としては、第1段目で、実質的に水素の非存在下で、相対的に高分子量のプロピレン単独重合体(b1)を得た後、第2段目以降で相対的に低分子量のプロピレン単独重合体(b2)を製造するのが好ましい。製造順序を逆にすることもできるが、第1段目で相対的に低分子量のプロピレン単独重合体を得た後、第2段目以降で相対的に高分子量のプロピレン単独重合体を重合するためには、第1段目の反応生成物中に含まれる水素などの分子量調整剤を、第2段目以降の重合開始前に限りなく除去する必要があるため、重合装置が複雑になり、また第2段目以降の極限粘度[η]が上がりにくい。
プロピレン単独重合体(B)の重合はスラリー重合、バルク重合など、公知の方法で行うことができる。また、各段の重合は連続的に行うこともできるし、バッチ式に行うこともできるが、バッチ式に行うことが特に好ましい。プロピレン単独重合体(B)を連続重合方法によって製造する場合、滞留時間分布によって重合粒子間にプロピレン単独重合体の分子量分布の違いが生じて、フィッシュアイが増加するおそれがあるからである。バッチ式で重合することにより、フィッシュアイの少ないプロピレン単独重合体(B)を得ることができる。
プロピレン単独重合体(B)を製造する際に使用するオレフィン重合用触媒としては、マグネシウム、チタン、及びハロゲンを必須成分とする固体触媒成分、有機アルミニウム化合物等の有機金属化合物触媒成分、及び有機ケイ素化合物等の電子供与体化合物触媒成分から形成することができるが、代表的なものとして、以下のような触媒成分が使用できる。
固体触媒成分の好ましい担体となるものは、金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物から得られる。この場合、金属マグネシウムは、顆粒状、リボン状、粉末状等のマグネシウムを用いることができる。また、この金属マグネシウムは、表面に酸化マグネシウム等の被覆が生成されていないものが好ましい。
アルコールとしては、炭素数1〜6の低級アルコールを用いるのが好ましく、特に、エタノールを用いると、触媒性能の発現を著しく向上させる上記担体が得られる。
ハロゲンとしては、塩素、臭素、又はヨウ素が好ましく、特にヨウ素を好適に使用できる。また、ハロゲン含有化合物としては、MgCl2、MgI2が好適に使用できる。
アルコールの量は、金属マグネシウム1モルに対して好ましくは2〜100モル、特に好ましくは5〜50モルである。
ハロゲン又はハロゲン含有化合物の使用量は、金属マグネシウム1グラム原子に対して、ハロゲン原子又はハロゲン含有化合物中のハロゲン原子が、通常は0.0001グラム原子以上、好ましくは0.0005グラム原子以上、さらに好ましくは0.001グラム原子以上である。ハロゲン及びハロゲン含有化合物はそれぞれ1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物との反応方法は、例えば、金属マグネシウムとアルコールとハロゲン及び/またはハロゲン含有化合物とを、還流下(約79℃)で水素ガスの発生が認められなくなるまで(通常20〜30時間)反応させて、担体を得る方法である。これは、不活性ガス(例えば窒素ガス、アルゴンガス)雰囲気下で行うことが好ましい。
得られた担体を次の固体触媒成分の合成に用いる場合、乾燥させたものを用いてもよく、また濾別後ヘプタン等の不活性溶媒で洗浄したものを用いてもよい。また、この担体は粒状に近く、しかも粒径分布がシャープである。さらには、粒子一つ一つをとってみても、粒形度のばらつきは非常に小さい。この場合、下記の式(I)で表される球形度(S) が1.60未満、特に1.40未満であり、かつ下記の式(II)で表される粒径分布指数(P)が5.0未満、特に4.0未満であることが好ましい。
S=(E1/E2)2 ・・・(I)
ここで、E1は粒子の投影の輪郭長、E2は粒子の投影面積に等しい円の周長を示す。
P=D90/D10 ・・・(II)
ここで、D90は重量累積分率が90%に対応する粒子径をいう。すなわち、D90で表される粒子径より小さい粒子群の重量和が全粒子総重量和の90%であることを示している。D10も同様である。
固体触媒成分の製造のため、上記担体に少なくともチタン化合物を接触させている。
このチタン化合物としては、一般式(III)
TiX1n(OR1)4-n・・・(III)
(式(III)中、X1はハロゲン原子、特に塩素原子が好ましく、R1は炭素数1〜10の炭化水素基、特に直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、R1が複数存在する場合にはそれらは互いに同じでも異なってもよい。nは0〜4の整数である。)で表されるチタン化合物を用いることができる。具体的には、Ti(O−i−C374、Ti(O−C494、TiCl(O−C253、TiCl(O−i−C373、TiCl(O−C493、TiCl2(O−C492、TiCl2(O−i−C372、TiCl4等を挙げることができるが、特にTiCl4が好ましい。
固体触媒成分は、上記担体にさらに電子供与性化合物を接触させて得られる。この電子供与性化合物としては、フタル酸ジ−n−ブチルを用いる。
また、上記担体にチタン化合物と電子供与性化合物を接触させる際に、四塩化ケイ素等のハロゲン含有ケイ素化合物を接触させるとよい。
上記固体触媒成分は、公知の方法で調製することができる。例えば、ペンタン、ヘキサン、ペプタン又はオクテン等の不活性炭化水素を溶媒に、上記の担体、電子供与性化合物及びハロゲン含有ケイ素化合物を投入し、攪拌しながらチタン化合物を投入する方法である。通常は、マグネシウム原子換算で担体1モルに対して電子供与性化合物は、0.01〜10モル、好ましくは0.05〜5モルを加え、また、マグネシウム原子換算で担体1モルに対してチタン化合物は、1〜50モル、好ましくは2〜20モルを加え、0〜200℃にて、5分〜10時間の条件、好ましくは30〜150℃にて30分〜5時間の条件で接触反応を行えばよい。
なお、反応終了後は不活性炭化水素(例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン)で、生成した固体触媒成分を洗浄するのが好ましい。
また、触媒成分の内、有機金属化合物触媒成分としては、有機アルミニウム化合物を好適に用いることができる。
この有機アルミニウム化合物としては、一般式(IV)
AlR2nX23-n・・・(IV)
(式中、R2は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、X2はハロゲン原子であり、塩素原子または臭素原子が好ましい。nは1〜3の整数である。)で表される化合物が広く用いられる。例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム化合物、ジエチルアルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、ジエチルアルミニウムモノエトキシド、エチルアルミニウムセスキクロリド等が挙げることができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
さらに、触媒成分の内、重合系に供する電子供与体化合物触媒成分としては、ジシクロペンチルジメトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、ジエチルアミノトリエトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、シクロヘキシルイソブチルジメトキシシランからなる群から選ばれる少なくとも1つの有機ケイ素化合物を用いる。
上記固体触媒成分は、前処理してから、重合に用いるとよい。例えば、ペンタン、ヘキサン、ペプタン又はオクテン等の不活性炭化水素を溶媒に、上記の固体触媒成分、有機金属化合物触媒成分及び電子供与体化合物触媒成分を投入し、攪拌しながら、プロピレンを供給し、反応させる。また、通常、有機金属化合物触媒成分は、固体触媒成分中のチタン原子1モルに対して0.01〜20モル、好ましくは0.05〜10モルを加え、電子供与体化合物触媒成分は、固体触媒成分中のチタン原子1モルに対して0.01〜20モル、好ましくは0.1〜5モルを加えるとよい。プロピレンは、大気圧よりも高いプロピレンの分圧下で供給し、0〜100℃にて、0.1〜24時間前処理するとよい。なお、反応終了後は不活性炭化水素(例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン)で、前処理したものを洗浄するのが好ましい。
プロピレン単独重合体(B)の製造方法において、プロピレン単独重合体(b1)の製造条件としては、水素不存在下で、重合温度として、好ましくは20〜80℃、より好ましくは40〜70℃、重合圧力として、一般に常圧〜9.8MPa、好ましくは0.2〜4.9MPaの条件下で原料モノマーをバルク重合して製造することが好ましい。
また、プロピレン単独重合体(b2)の製造条件としては、上記オレフィン重合用触媒を使用すること以外は特に制限されないが、重合温度として、好ましくは20〜80℃、より好ましくは40〜70℃、重合圧力として、一般に常圧〜9.8MPa、好ましくは0.2〜4.9MPa、分子量調節剤としての水素が存在する条件下で原料モノマーを重合して製造することが好ましい。
プロピレン単独重合体(B)には、必要に応じて、酸化防止剤、中和剤、難燃剤、結晶核剤等の添加剤を含むことができる。添加剤の割合は特に制限されず、適宜調節することが可能である。
[プロピレン単独重合体(C)]
<要件(C−1)>
前記プロピレン単独重合体(C)のメルトフローレート(MFR、ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)は、0.5〜10.0g/10分であり、好ましくは1〜8g/10分である。プロピレン単独重合体(C)のMFRが上記範囲を満たすことにより、得られるプロピレン重合体組成物(A)の押出加工性が良好で、通気性と強度の優れた微多孔フィルムが得られる。
なお、プロピレン単独重合体(C)は、一実施態様において、前記要件(B−1)〜(B−2)を満たすプロピレン単独重合体(B)以外の、前記要件(C−1)を満たすプロピレン単独重合体である。
<要件(C−2)>
前記プロピレン単独重合体(C)のメソペンタッド分率(mmmm分率)は、好ましくは94.0%以上、より好ましくは95.5%以上99.5%以下、さらに好ましくは95.5%以上99.0%以下である。メソペンタッド分率が上記範囲内にあると、原反フィルムの結晶化度が高くなり、延伸工程においてラメラが変形せずに非晶だけが変形するために効率的に微小孔が形成され、優れた通気性が得られる点で好ましい。一方、メソペンタッド分率が前記範囲の下限値未満になると、結晶化度、結晶サイズの低下により、延伸工程においてラメラが変形しやすく、微多孔フィルムの通気性が低下する場合があるため好ましくない。
mmmm分率が上記範囲にあるプロピレン単独重合体(C)は、例えば、後述する公知の触媒を適宜選択することにより製造することができる。
<プロピレン単独重合体(C)の製造方法>
前記プロピレン単独重合体(C)の製造方法は特に限定されず、触媒はチーグラ・ナッタ触媒でもメタロセン触媒でも用いることができるが、チーグラ・ナッタ触媒を用いた方が好ましい。メタロセン触媒よりもチーグラ・ナッタ触媒の方が得られるプロピレン単独重合体の分子量分布が広いため、プロピレン単独重合体(C)とプロピレン単独重合体(B)とが混ざりやすく、そのためプロピレン重合体組成物(A)から得られるフィルムにフィッシュアイが発生するおそれが少なくなるためである。
チーグラ・ナッタ触媒を用いる場合には、プロピレン単独重合体(C)は、固体状チタン触媒成分(I)と、周期律表の第1族、第2族および第13族からなる群から選択される金属原子を含む有機金属化合物(II)と、必要に応じて電子供与体(III)とを含むオレフィン重合用触媒の存在下に、プロピレンを重合して得られたものであることが好ましい。
[プロピレン単独重合体(D)]
一実施態様のプロピレン重合体組成物(A)に含まれるプロピレン単独重合体(D)の135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]は、1.5〜3.0dL/gであり、好ましくは1.5〜2.5dL/g、より好ましくは1.5〜2.0dL/gである。また、この一実施態様のプロピレン重合体組成物(A)におけるプロピレン単独重合体(D)の含有割合は、好ましくは90.0〜99.6質量%、より好ましくは94.0〜99.5質量%である(但し、プロピレン単独重合体(b1)とプロピレン単独重合体(D)の合計量を100質量%とする。)。極限粘度[η]は、後述する式(2)を用いて算出することができる。
プロピレン単独重合体(D)の極限粘度[η]が1.5dL/g未満になると、フィッシュアイが発生し、微多孔フィルムの強度を低下させる傾向にあり、3.0dL/gを超えると、押出不良となる傾向にある。また、プロピレン単独重合体(D)の含有割合が99.6質量%未満では、押出し不良となる傾向にあり、90.0質量%を超えると、微多孔フィルムの通気性が低下する傾向にある。
プロピレン単独重合体(D)は、例えば、プロピレン単独重合体(b2)とプロピレン単独重合体(C)の極限粘度及び配合比を調整することにより製造することができる。
[プロピレン重合体組成物(A)の製造方法]
前記プロピレン重合体組成物(A)は、種々公知の製造方法、例えば、前記プロピレン単独重合体(B)および前記プロピレン単独重合体(C)を所望の量で、ドライブレンドや押出機内での溶融混練等の通常の方法で混合して製造することが好ましい。例えば、ヘンシェルミキサー、リボンブレンダー、バンバリーミキサーなどの通常の混練装置を用いて、上述した各種成分を混練する方法が挙げられる。溶融混練およびペレタイズは、通常の単軸押出機あるいは2軸押出機、ブラベンダー又はロールを使用して、通常は170〜280℃、好ましくは190〜250℃で溶融混練し、ペレタイズする。2軸押出機では超高分子量成分が分解して減少する場合があるので、単軸押出機がより好ましい。
前記プロピレン重合体組成物(A)の製造方法として、プロピレン単独重合体(b1)およびプロピレン単独重合体(D)を、ドライブレンドや押出機内での溶融混錬等の方法で混合する方法よりも、プロピレン単独重合体(B)およびプロピレン単独重合体(C)を混合する方法の方が、均一で、強度の高い微多孔フィルムが得られる点で好ましい。
また、本発明の目的を阻害しない範囲で、プロピレン重合体組成物(A)は、添加剤、プロピレン単独重合体以外のポリオレフィン、可塑剤および無機粉体からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の材料を含有してもよい。
1.添加剤
前記プロピレン重合体組成物(A)には、添加剤としては、一般的にポリプロピレン樹脂に配合可能な公知の酸化防止剤、中和剤を配合することが好ましい。酸化防止剤の配合量はプロピレン重合体組成物(A)に対して通常は500〜8000質量ppm、好ましくは750〜7500質量ppmであり、一方でフィッシュアイやベタつき成分の増加といったフィルムの不良につながる中和剤の配合量は通常は5〜1000質量ppm、好ましくは10〜750質量ppm、より好ましくは15〜500質量ppmである。
また、酸化防止剤、中和剤以外の添加剤についても、ポリプロピレン樹脂に配合可能な公知の添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲でいずれも用いることができ、例えば、核剤(リン酸エステル金属塩やソルビトール系化合物等のα晶核剤やアミド系化合物等のβ晶核剤)、紫外線吸収剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤などを用いることができる。
2.プロピレン単独重合体以外のポリオレフィン
前記プロピレン重合体組成物(A)には、本発明の目的に反しない限り、例えばシャットダウン特性等の機能を付与する目的で、プロピレン・エチレン共重合体その他のプロピレン系共重合体、あるいはポリエチレン等のポリオレフィンを配合させてもよい。
前記プロピレン・エチレン共重合体のエチレン単位の含有割合は、付与される特性により異なるが、通常は0.1〜5質量%、好ましくは0.1〜4質量%である。
3.可塑剤
前記プロピレン重合体組成物(A)には、本発明の目的を阻害しない範囲で可塑剤を配合してもよい。可塑剤としては、室温で液体の溶剤として、ノナン、デカン、デカリン、パラキシレン、流動パラフィン等の脂肪族、環式脂肪族又は芳香族の炭化水素、及び沸点がこれらに対応する鉱油留分、室温で固体の溶剤として、ステアリルアルコール、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらの中では、室温で液体の溶剤が好ましく、特に流動パラフィンが好ましい。可塑剤を配合する場合は、微多孔フィルムの作製工程の一部に、溶剤を用いたフィルムの洗浄工程があることが好ましい。
4.無機粉体
前記プロピレン重合体組成物(A)には、孔の形状や量、耐熱性を調整する目的で、無機粉体を配合させてもよい。無機粉体としては、タルク、クレー、炭酸カルシウム、マイカ、ケイ酸塩類、炭酸塩類や、ケイ素、アルミニウム、チタン等の金属の酸化物、窒化物などが挙げられる。これらの中では、金属の酸化物や窒化物が好ましく、特にシリカ粉体が好ましい。無機粉体の平均粒径は、0.001〜10μm、好ましくは0.01〜5μmの範囲内にあることが望ましい。無機粉体は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。プロピレン重合体組成物(A)における無機粉体の含有割合は、通常は1〜80質量%、好ましくは10〜60質量%である。
<微多孔フィルムの調製方法>
前記プロピレン重合体組成物(A)を用いて本発明の微多孔フィルムを調製する際の好ましい態様は以下のとおりである。すなわち、プロピレン重合体組成物(A)を用いて、以下の原反フィルムの作製工程、延伸工程(冷延伸工程に次いで温延伸工程)を経て成形することで、より良好な強度と通気性のバランスに優れた微多孔フィルムを作製できる。また必要に応じて、後述のとおり微多孔フィルムの表面処理、多層フィルム化を行うこともできる。
1.原反フィルムの作製工程
原反フィルムの作製工程において、円筒状ダイスを使用するインフレーション成形機、長方形の口金形状のダイ(Tダイ)を使用するキャスト成形機、シート成形機などの一般的なフィルム成形機を用いることができる。特に、Tダイを有するキャスト成形機やシート成形機は一軸延伸が容易であるので好ましい。
Tダイを用いて成形する場合、押出温度は通常は180〜250℃、好ましくは180〜240℃、更に好ましくは190〜230℃に設定する。下限温度未満では未溶融ブツ、溶融ムラが発生することがあり、上限温度を超えると原反フィルムの分子配向が不十分となることがあるため好ましくない。また、Tダイのリップ開度を原反フィルムの厚みで除した値(引き落とし倍率)は、通常は30〜300、好ましくは40〜200、より好ましくは50〜150に設定する。下限値未満になると原反フィルムの配向が小さくなるため微多孔フィルムの通気性が低下することがあり、上限値を超えると原反フィルムの厚みのムラが生じることがあり好ましくない。この範囲では原反フィルムの配向が大きく、厚みムラが小さくなるため好ましい。
原反フィルム作製時の冷却ロールの温度(チルロール温度)は、通常は60〜160℃、好ましくは80〜150℃、更に好ましくは100〜140℃に設定する。チルロール温度を下限温度未満に設定すると、原反フィルムが急冷され、その結果、結晶化度及び結晶サイズが小さくなり、次の延伸工程において、原反フィルム中のラメラが変形して、微小孔が形成されないことがあるため好ましくない。また、チルロール温度が上限温度を越えると、溶融膜が十分に固化することができないため、原反フィルムを作製することが困難になることがあるため好ましくない。
一実施態様では、得られた原反フィルムに対して、通常は80〜170℃、好ましくは80〜160℃、より好ましくは80〜150℃の温度で、通常は5分以上、好ましくは30分以上、より好ましくは1時間以上のエージングをする。上記範囲で原反フィルムをエージングすることにより、次の延伸工程において均一で多くの微小孔が形成され、微多孔フィルムの通気性が向上するからである。エージング温度範囲を下限温度未満に設定するとエージング中に結晶が十分に成長せず、エージングの効果が認められないことがあり、上限温度を超えて設定すると原反フィルムが溶融してしまうことがあるため好ましくない。
必要に応じて、原反フィルムの両面もしくはどちらか片方の表面に、コロナ処理、フレーム処理、オゾン処理などの表面処理、親水化処理等の工程が行われてもよい。また、シャットダウン機能を付与する等の目的で、例えば前記プロピレン重合体組成物(A)よりも低融点の樹脂(例えば、ポリエチレン)との多層フィルムを作製してもよい。更なる耐熱性付与を目的に、前記プロピレン重合体組成物(A)よりも高融点のポリオレフィン、ポリアミドなどの樹脂との多層化が行われてもよい。
2.延伸工程
原反フィルムの延伸としては、ロール延伸法、テンター延伸法及びチューブラー延伸法等の一般的な延伸方法が適用できる。特に延伸方法は限定されるものではないが、ロール延伸法を用いた一軸延伸が好ましい。延伸工程は例えば2工程からなり、最初に冷延伸を行い、ラメラ間に亀裂を生じさせ、次いで冷延伸の延伸倍率を維持したまま温延伸を行い、亀裂を広げて微小孔を形成させる。
冷延伸工程において原反フィルムの延伸温度は、通常は0〜80℃、好ましくは0〜60℃、より好ましくは0〜40℃であり、延伸倍率は、原反フィルムに対して通常は1.05〜3.00倍、好ましくは1.10〜2.50倍、より好ましくは1.15〜2.50倍である。延伸温度が下限値未満になると、ラメラ間に亀裂が生じずに、原反フィルムが破断する場合があるため好ましくない。一方、上限温度を超えるとラメラも変形し、亀裂が生じないことがある。延伸倍率が下限値未満になると亀裂が生じず、上限値を超えると原反フィルムが破断するおそれがある。
温延伸工程において、延伸温度は、通常は100〜160℃、好ましくは100〜150℃、より好ましくは100〜140℃であり、延伸倍率は、冷延伸後のフィルムに対して通常は1.05〜3.00倍、好ましくは1.10〜2.50倍、より好ましくは1.15〜2.50倍である。延伸温度が下限値未満になると、微小孔が形成されず、効果的に貫通孔が形成されなくなることがある。一方、上限温度を超えると結晶が溶融して微小孔が形成されないことがある。延伸倍率が下限値未満になると微小孔が形成されず、上限値を超えると原反フィルムが破断するおそれがある。また、冷延伸でされたフィルムの延伸倍率を維持したまま温延伸することが好ましい。
微多孔フィルムの熱収縮率を調整する場合、必要に応じて温延伸後の微多孔フィルムのエージングを行ってもよい。エージング温度は、通常は30〜160℃、好ましくは40〜160℃、より好ましくは50〜140℃であり、エージング時のフィルムの固定比は、温延伸後のフィルムに対して通常は0.70〜1.0倍、好ましくは0.75〜1.00倍、より好ましくは0.80〜0.95倍である。エージング温度の下限値未満になると微多孔フィルムの熱収縮率の調整ができず、上限温度を超えるとプロピレン重合体組成物の結晶が融解して通気性が低下するおそれがある。また、エージング時のフィルムの固定比が下限値未満になると、延伸により形成された微小孔が閉じてしまう、または微小孔のサイズが極端に小さくなってしまうことで通気性が低下するおそれがあり、上限値を超えると熱収縮率が調整することができないため好ましくない。
また、微多孔フィルムのフィルム厚みは、通常は5〜50μm、好ましくは10〜40μm、より好ましくは10〜30μmにする。フィルム厚みが下限値未満になると、微多孔フィルムの強度が低くなるため好ましくなく、上限値を超えると貫通孔を形成することが困難になるため、通気性が低下するおそれがある。
本発明の、プロピレン重合体組成物(A)からなる微多孔フィルムにおけるガーレ透気度は、通常は400sec/100mL以下、好ましくは350sec/100mL以下、より好ましくは300sec/100mL以下である。透気度の下限値は、一実施態様において例えば150または200sec/100mLである。透気度はJIS P8117により測定する。
3.表面処理
必要に応じて、得られた微多孔フィルムに耐熱性や耐薬品性を付与するための無機物コーティングや、濡れ性を変化させるための界面活性剤等を利用した表面処理をフィルムの両表面もしくはどちらか片方の表面にほどこしてもよい。また、シャットダウン機能を付与する等の目的で、得られた微多孔フィルムに、例えば前記プロピレン重合体組成物(A)よりも低融点の(エチレン系重合体を含む)樹脂との多層化、更なる耐熱性付与を目的に前記プロピレン重合体組成物(A)よりも高融点の樹脂との多層化が行われてもよい。
4.微多孔フィルムの多層フィルム化
前記プロピレン重合体組成物(A)(以下PP−Aと略す)はポリエチレンや低融点ポリプロピレンと共押出成形を行う方法を用いてもよい。たとえば、シャットダウン性を付与することを目的に、PP−A/(ポリエチレン(PE)または低融点ポリプロピレン(PP))/PP−A、あるいは(PEまたは低融点PP)/PP−A/(PEまたは低融点PP)といった3層構成の多層化原反フィルムを作製する方法が挙げられる。また、PP−A、ポリエチレン、低融点ポリプロピレンを使用した微多孔フィルムをそれぞれ作製し、張り合わせる方法を用いてもよい。
さらに、耐熱性を付与することを目的に、アラミド樹脂等の耐熱樹脂を使用した微多孔フィルムを作製し、本発明に係るプロピレン重合体組成物(A)で作製した微多孔フィルムに貼り合わせることによって多層化する方法によって微多孔フィルムの多層化を行ってもよい。
<用途>
本発明に係る微多孔フィルムは、セパレーター、濾過フィルムおよび分離膜からなる群より選ばれる1種に用いられることが好ましい。すなわち、本発明に係る微多孔フィルムを少なくとも有する、セパレーター、濾過フィルムまたは分離膜が挙げられる。
前記セパレーターが電池用セパレーターまたはコンデンサー用セパレーターであることが好ましく、前記電池用セパレーターがリチウムイオン二次電池用セパレーターであることが特に好ましい。また、前記濾過フィルムが医療用濾過フィルムであり、前記分離膜が医療用分離膜であることが好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。実施例および比較例における物性の測定方法は次のとおりである。
1.試験方法
(1)メソペンタッド分率(mmmm)
重合体の立体規則性の指標の1つであり、そのミクロタクティシティーを調べたメソペンタッド分率(mmmm,%)は、プロピレン単独重合体においてA.ZambelliらのMacromolecules 8,687(1975)に基づいて帰属により定められた値であり、13C−NMRにより、下記条件で測定し、メソペンタッド分率=(21.7ppmでのピーク面積)/(19〜23ppmでのピーク面積)×100とした。
装置:ブルカー・イオスピン製
AVANCE III cryo−500型核磁気共鳴装置
測定核:13C(125MHz)
測定モード:シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング
パルス幅:45°(5.00マイクロ秒)
繰り返し時間:5.5秒
積算回数:256回
測定溶媒:o−ジクロロベンゼン/重ベンゼン(80/20体積%)混合溶媒
試料濃度:50mg/0.6mL
測定温度:120℃
ケミカルシフト基準:21.59ppm
(2)メルトフローレート(MFR)
メルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に従い、230℃、2.16kg荷重の条件下で測定した。
(3)平均分子量及び分子量分布
液体クロマトグラフ:Waters製ALC/GPC150−Cplus型
(示差屈折計検出器一体型)
カラム: 東ソー株式会社製GMH6−HT×2本および
GMH6−HTL×2本を直列接続した。
移動相媒体: o−ジクロロベンゼン
流速: 1.0mL/分
測定温度: 140℃
検量線の作成方法: 標準ポリスチレンサンプルを使用した
サンプル濃度: 0.10%(W/W)
サンプル溶液量: 500μL
以上の条件で測定し、得られたクロマトグラムを公知の方法によって解析することで、プロピレン重合体組成物の重量平均分子量Mw、数平均分子量Mnを計算してMw/Mnを算出した。分子量の算出はユニバーサルキャリブレーション法により行い、ポリスチレン換算の値を算出した。GPCクロマトグラムのベースラインは、溶出曲線の立ち上がる保持時間を起点とし、分子量1000に相当する保持時間を終点とした。
(4)分子量1000万以上のプロピレン単独重合体の含有割合
上記条件下で得られたGPC曲線から分子量1000万以上の面積割合から算出した。
(5)分子量5万以下のプロピレン単独重合体の含有割合
上記条件下で得られたGPC曲線から分子量5万以下の面積割合から算出した。
(6)極限粘度[η]
ウベローデ粘度計を用いて、135℃、テトラリン中で行った。
プロピレン単独重合体(b2)の極限粘度[η]b2は、下記式より計算した。
[η]b2=(100[η]total−Wb1[η]b1)/Wb2 (1)
[η]total:プロピレン単独重合体(B)の極限粘度
[η]b1:プロピレン単独重合体(b1)の極限粘度
b1:プロピレン単独重合体(b1)の質量分率(質量%)
b2:プロピレン単独重合体(b2)の質量分率(質量%)
但し、プロピレン単独重合体(b1)とプロピレン単独重合体(b2)の合計量を100質量%とする。
一方、プロピレン単独重合体(D)の極限粘度[η]Dは下記式より計算した。
[η]D=(Wb2[η]b2+WC[η]C)/100 (2)
[η]D:プロピレン単独重合体(D)の極限粘度
[η]C:プロピレン単独重合体(C)の極限粘度
b2:プロピレン単独重合体(b2)の質量分率(質量%)
C:プロピレン単独重合体(C)の質量分率(質量%)
但し、プロピレン単独重合体(b2)とプロピレン単独重合体(C)の合計量を100質量%とする。従って、式(2)のWb2の値は、式(1)のWb2の値と異なる。
(7)フィッシュアイの個数
プロピレン重合体組成物(A)のフィッシュアイの個数の評価は下記の方法に従って測定した。すなわち、株式会社プラスチック工学研究所製の25mmΦのTダイ成膜機で作成した厚さ50μmのフィルムのフィッシュアイの個数を、ジェルカウンターとして(株)ヒューテック製のフィッシュアイカウンター(商標)を用いて測定した。測定数を、フィルム単位面積(3000cm2)当たりのフィッシュアイ(大きさ100μm以上)の個数として示した。なお、微多孔フィルムのフィッシュアイは白色のため測定できないため、本条件にて測定した。
フィルム作成条件は次の通りである。
Tダイ製膜機:(株)プラスチック工学研究所製
型式:GT−25−A
スクリュー直径:25mm、L/D=24
スクリュー回転数:60rpm
シリンダー温度設定:C1=230℃、C2=260℃
ヘッド温度設定:260℃
Tダイ温度設定:D1〜D3=260℃
Tダイ幅:230mm,リップ開度=1mm
フィルム巻取速度:4m/s
ロール温度:65℃
ジェルカウンター(大きさ100μm以上)の測定条件は次の通りである。
装置構成
(1)受光器(4096画素)
(2)投光器
(3)信号処理装置
(4)パルスジェネレーター
(5)装置間ケーブル
(8)ガーレ透気度
通気性の指標としてガーレ透気度(以下「透気度」と略す)を用いた。透気度が小さいほど通気性が良いことを示す。透気度はJIS P8117により測定した。測定装置はB型ガーレ式デンソメーター(東洋製機製作所製)を使用した。試験温度23℃、湿度50%RH。試料面積は645mm2。円筒重量567gにより、筒内の空気を試験円孔部から、筒外へ通過させる。空気100mLが通過する時間を測定し、透気度(sec/100mL)とした。
(9)突刺強度(N)
直径1mm、0.5mmRの針を用いて2mm/秒で突刺した時の最大荷重から突刺強度(N)を算出した。測定条件を下記に記す:
試験機: (株)東洋精機製作所ストログラフV10−D
試験速度:120mm/min
先端: 1.0mmΦ、0.5mm
R受け: 30.0mmΦ(グロス試験治具)
2.プロピレン単独重合体
(B)プロピレン単独重合体
(B1)プロピレン単独重合体
〔製造例1〕
(1)マグネシウム化合物の調製
攪拌機付き反応槽(内容積500リットル)を窒素ガスで充分に置換し、エタノール97.2kg、ヨウ素640g、および金属マグネシウム6.4kgを投入し、攪拌しながら還流条件下で系内から水素ガスの発生が無くなるまで反応させ、固体状反応生成物を得た。この固体状反応生成物を含む反応液を減圧乾燥させることにより目的のマグネシウム化合物(固体触媒の担体)を得た。
(2)固体触媒成分の調製
窒素ガスで充分に置換した撹拌機付き反応槽(内容積500リットル)に、前記マグネシウム化合物(粉砕していないもの)30kg、精製ヘプタン(n−ヘプタン)150リットル、四塩化ケイ素4.5リットル、およびフタル酸ジ−n−ブチル5.4リットルを加えた。系内を90℃に保ち、攪拌しながら四塩化チタン144リットルを投入して110℃で2時間反応させた後、固体成分を分離して80℃の精製ヘプタンで洗浄した。さらに、四塩化チタン228リットルを加え、110℃で2時間反応させた後、精製ヘプタンで充分に洗浄し、固体触媒成分を得た。
(3)前重合触媒の製造
ヘプタン200mL中にトリエチルアルミニウム10mmol、ジシクロペンチルジメトキシシラン2mmol、および(2)で得られた固体触媒成分をチタン原子換算で1mmol添加した。内温を20℃に保持し、攪拌しながらプロピレンを連続的に導入した。60分後、攪拌を停止し、結果的に固体触媒成分1gあたり4.0gのプロピレンが重合した前重合触媒を得た。
(4)本重合
600リットルのオートクレーブ中にプロピレン336リットル装入し、60℃に昇温した。その後、トリエチルアルミニウム8.7mL、ジシクロペンチルジメトキシシラン11.4mL、(3)で得られた前重合触媒を2.9g装入して重合を開始した。重合開始より83分後に、10分間かけて45℃まで降温した(第1段目の重合終了)。
第1段目と同様の条件にて重合したプロピレン単独重合体(b1)の極限粘度[η]は11dL/gであった。
第1段目と同一重合槽において降温後、圧力が3.3MPaGで一定となるよう水素を連続的に投入し、112分間重合を行った。次いでベントバルブを開け、未反応のプロピレンを積算流量計を経由させてパージした(第2段目の重合終了)。
こうして、バッチ式で重合を行い、35.3kgのパウダー状のプロピレン単独重合体(B1)を得た。
このようにして最終的に得られたプロピレン単独重合体(B1)のMFRは0.2g/10分であった。また、物質収支から算出した最終的に得られたプロピレン単独重合体(B1)に占める第1段目の重合で生成したプロピレン単独重合体(b1)の割合は38質量%であった。
(B2)プロピレン単独重合体
〔製造例2〕
製造例1において、本重合の内、1段目の重合時間を75分間、2段目の重合温度を50℃、重合時間を160分間とした以外は同様の方法で重合を行った。その結果、54.4kgのプロピレン単独重合体(B2)を得た。MFRは1.9g/10分で、物質収支から算出した最終的に得られたプロピレン単独重合体(B2)に占める第1段目の重合で生成したプロピレン単独重合体(b1)の割合は24質量%であった。
(B3)プライムポリマー社製:商品名「VP103W」
プロピレン単独重合体(b1):極限粘度[η]=8dL/g、成分量=20質量%
プロピレン単独重合体(b2):極限粘度[η]=1.44dL/g、成分量=80質量%
MFR=3g/10分
製造例1、2で得たプロピレン単独重合体、VP103Wの物性を表1に示す。
Figure 2020114909
(C)プロピレン単独重合体
(C1)プロピレン単独重合体
WO2014/65331号公報の実施例3に準じて作製した。
(C2)プロピレン単独重合体
〔製造例3〕
<固体状チタン(a−1)の調製>
内容積2リットルの高速撹拌装置(特殊機化工業製)を充分窒素置換した後、該装置に精製灯油700mL、塩化マグネシウム10g、エタノール24.2gおよびソルビタンジステアレート(花王アトラス(株)製「エマゾール320」)3gを装入した。この系を撹拌下で昇温し、120℃および800rpmの条件で30分間撹拌した。高速撹拌下、内径5mmのテフロン(登録商標)製チューブを用いて、予め−10℃に冷却された精製灯油1リットルを張り込んである2リットルのガラスフラスコ(攪拌機付)に移液した。得られた固体を濾過し、精製n−ヘキサンで充分洗浄することにより、塩化マグネシウム1モルに対してエタノールが2.8モル配位した固体状付加物を得た。
次いで、前記固体状付加物(マグネシウム原子に換算して45ミリモル)をデカン20mLに懸濁させた後、−20℃に保持した四塩化チタン195mL中に、攪拌下で全量導入した。この混合液を5時間かけて80℃に昇温し、ジイソブチルフタレート1.8mL(6.2ミリモル)を添加した。引き続き110℃まで昇温して1.5時間攪拌した。
1.5時間の反応終了後、熱濾過にて固体部を採取し、100℃のデカンおよび室温のヘキサンによって、ろ液中にチタンが検出されなくなるまで洗浄した。このようにして、チタン3.8質量%、マグネシウム16質量%、ジイソブチルフタレ−ト18.2質量%、エタノ−ル残基1.1質量%を含有する固体状チタン(a−1)を得た。
<固体状チタン触媒成分(i−1)の調製>
充分に窒素置換された200mLのガラス製反応器に、得られた固体状チタン(a−1)6.8g、パラキシレン113mL、デカン11mL、四塩化チタン2.5mL(23ミリモル)及びジイソブチルフタレ−ト0.34mL(1.2ミリモル)を入れた。反応器内の温度を130℃に昇温し、その温度で1時間攪拌して接触処理した後、熱ろ過により固体部を採取した。この固体部を101mLのパラキシレンに再懸濁させ、さらに四塩化チタン1.7mL(15ミリモル)及びジイソブチルフタレート0.22mL(0.8ミリモル)を添加した。
次いで、130℃に昇温し、該温度を保持しながら1時間攪拌して反応させた。反応終了後、再び熱ろ過にて固液分離を行い、得られた固体部を100℃のデカン及び室温のヘキサンによって触媒中のパラキシレンが1質量%以下となるまで洗浄した。このようにして、チタン1.3質量%、マグネシウム20質量%、ジイソブチルフタレート13.8質量%、ジエチルフタレート0.8質量%を含有する固体状チタン触媒成分(i−1)を得た。
なお、本発明者は、固体状チタン触媒成分(i−1)中に検出されたジエチルフタレートは、おそらく、固体状チタン触媒成分の製造過程で、ジイソブチルフタレートと、上記固体状チタン(a−1)を製造するのに用いたエタノールとのエステル交換が随伴したことに起因するのではないかと推測している。
<前重合触媒(b−1)の調製>
固体状チタン触媒成分(i−1)140.0g、トリエチルアルミニウム51.9mL、ジシクロペンチルジメトキシシラン17.7mL、ヘプタン140Lを内容量200Lの攪拌機付きオートクレーブに挿入し、内温10〜15℃に保ちプロピレンを840g挿入し、60分間攪拌しながら反応させた。得られた前重合触媒(b−1)は、固体状チタン触媒成分(i−1)1g当りポリプロピレンを6g含んでおり、固体状チタン触媒成分(i−1)濃度で1.0g/Lであった。
<プロピレン単独重合体(C2)の製造>
内容積500リットルの攪拌機付き重合槽に液化プロピレンを300リットル装入し、この液位を保ちながら、液化プロピレン 100kg/h、前重合触媒(b−1) 0.9g/h、トリエチルアルミニウム 5.0mL/h、ジシクロペンチルジメトキシシラン 4.6mL/hを連続的に供給し、温度70℃で重合した。また重合槽内の気相部の水素濃度が1.8mol%となるように、水素を連続的に供給した。得られたスラリーは失活後、液体プロピレンによる洗浄槽に送液し、プロピレン重合体パウダーを洗浄した。得られたスラリーを気化後、気固分離を行い、プロピレン単独重合体(C2)を得た。得られたプロピレン単独重合体(C2)は、MFRが4.0g/10分であった。
(C3)プロピレン単独重合体
特開2006−143975号公報の比較例2に準じて作製した。得られたプロピレン単独重合体(C3)は、MFRが3.0g/10分であった。
Figure 2020114909
[実施例1]
(1)造粒工程
得られたプロピレン単独重合体(B1)パウダー5質量部、プロピレン単独重合体(C1)パウダー95質量部に加えて、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエンを0.2質量部、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを0.5質量部、ステアリン酸カルシウム0.005質量部を配合した後、230℃で溶融し、(株)ジーエムエンジニアリング製GMZ50−32(L/D=32)単軸押出機でペレット化して測定試料とし、物性評価を行った。さらに作製したペレットを原料として以下の方法にて微多孔フィルムの製造を行い、微多孔フィルムの物性評価結果もペレットの物性評価結果と合わせて表3に記載した。
(2)微多孔フィルムの製造
微多孔フィルムは以下のように製造した。GMエンジニアリング社製のシート成形機を用いて、幅200mm、リップ開度2.0mmのTダイにて上記(1)で得られたペレットを230℃で溶融押出した後に120℃の冷却ロールにて12m/分で引き取った。このとき得られた原反フィルムの膜厚は25μmであった。その後、120℃で1時間アニールを実施した。次に一軸延伸機を用いて25℃に保持されたニップロール間で1.4倍に冷延伸し、引き続き120℃に加熱されたロールで1.7倍に温延伸した後、120℃に加熱されたロールで0.9倍に緩和させ、微多孔フィルムを得た。
[実施例2]〜[実施例5]、[比較例1]〜[比較例5]
表1に示すプロピレン単独重合体の配合量にした以外は、実施例1と同様の方法で実施した。
なお、比較例1で得た微多孔フィルムの通気性は、特許文献4の実施例3と比較して通気性が低い。この理由として特許文献4の実施例3ではフィルム成形時の溶融温度210℃に対して本明細書の比較例1では溶融温度が230℃と高く原反フィルムの配向度の低下とともに微多孔形成率が低下し、通気性が低下するからである。もう1つの理由として特許文献4の実施例3ではロール温度130℃に対して本明細書の比較例1では120℃と低く、フィルム内のプロピレン単独重合体の結晶化度の低下とともに微多孔形成率が低下するからである。
表4は、表3における実施例および比較例の配合組成を、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が10.0〜12.0dL/gであるプロピレン単独重合体(b1)と、プロピレン単独重合体(C)とプロピレン単独重合体(b2)からなる、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が1.5〜3.0dL/gであるプロピレン単独重合体(D)という配合組成に再構成した表である。
Figure 2020114909
Figure 2020114909

Claims (7)

  1. 下記要件(A−1)〜(A−4)を満たすプロピレン重合体組成物(A)からなる微多孔フィルム。
    (A−1)メソペンタッド分率(mmmm)が94.0%以上であること
    (A−2)メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が0.5〜5.0g/10分であること
    (A−3)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した重量平均分子量を数平均分子量で除した値(Mw/Mn)が7.0〜17.0であること
    (A−4)分子量1000万以上のプロピレン単独重合体の含有割合が0.20〜0.50質量%であること
  2. 前記プロピレン重合体組成物(A)が、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が10.0〜12.0dL/gであるプロピレン単独重合体(b1)0.4〜10質量%と、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が1.5〜3.0dL/gであるプロピレン単独重合体(D)99.6〜90質量%とを含有する、請求項1に記載された微多孔フィルム。
  3. 下記要件(B−1)〜(B−2)を満たすプロピレン単独重合体(B)2〜20質量%と、下記要件(C−1)を満たすプロピレン単独重合体(C)98〜80質量%とをブレンドして得られる前記プロピレン重合体組成物(A)からなる、請求項1〜2のいずれか1項に記載された微多孔フィルム。
    (B−1)メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が0.01〜5.0g/10分であること
    (B−2)135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が10.0〜12.0dL/gであるプロピレン単独重合体(b1)の含有割合が20〜50質量%であり、135℃、テトラリン中で測定される極限粘度[η]が0.5〜3.0dL/gであるプロピレン単独重合体(b2)の含有割合が50〜80質量%であること(但し、プロピレン単独重合体(b1)とプロピレン単独重合体(b2)の合計量を100質量%とする。)
    (C−1)メルトフローレート(ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重)が0.5〜10.0g/10分であること
  4. 前記プロピレン重合体組成物(A)が、下記要件(A−5)を満たす、請求項1〜3のいずれか1項に記載された微多孔フィルム。
    (A−5)Tダイ成膜機を用いて前記プロピレン重合体組成物(A)から得られた厚さ50μmのフィルムの3000cm2当たりのフィッシュアイの個数が50個以下であること
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載された微多孔フィルムを少なくとも1層有する電池用セパレーター。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載された微多孔フィルムを少なくとも1層有する分離膜。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載された微多孔フィルムを少なくとも1層有する濾過フィルム。
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