本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い意味での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductor又は単にOSともいう)等に分類される。例えば、トランジスタの活性層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、及びスイッチング作用の少なくとも1つを有するトランジスタのチャネル形成領域を構成し得る場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)と呼称することができる。また、OSトランジスタと記載する場合においては、金属酸化物又は酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
また、本明細書等において、各実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて、本発明の一態様とすることができる。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、互いに構成例を適宜組み合わせることが可能である。
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)との少なくとも一つの内容に対して、適用、組み合わせ、又は置き換え等を行うことができる。
なお、実施の形態の中で述べる内容とは、各々の実施の形態において、様々な図を用いて述べる内容、又は明細書に記載される文章を用いて述べる内容のことである。
なお、ある一つの実施の形態において述べる図(一部でもよい)は、その図の別の部分、その実施の形態において述べる別の図(一部でもよい)と、一つ若しくは複数の別の実施の形態において述べる図(一部でもよい)との少なくとも一つの図に対して、組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることができる。
本明細書に記載の実施の形態については、図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨及びその範囲から逸脱することなく、その形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態の発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、斜視図等において、図面の明確性を期すために、一部の構成要素の記載を省略している場合がある。
本明細書等において、複数の要素に同じ符号を用いる場合、特に、それらを区別する必要があるときには、符号に“_1”、“[n]”、“[m,n]”等の識別用の符号を付記して記載する場合がある。
また、本明細書の図面において、大きさ、層の厚さ、又は領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状又は値等に限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、又は、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき等を含むことが可能である。
また、本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものである。従って、構成要素の数を限定するものではない。また、構成要素の順序を限定するものではない。例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素が、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において「第2」に言及された構成要素とすることもありうる。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素を、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲において省略することもありうる。
また、本明細書等において、「上に」、「下に」等の配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている場合がある。また、構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。従って、明細書等で説明した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。例えば、「導電体の上面に位置する絶縁体」の表現では、示している図面の向きを180度回転することによって、「導電体の下面に位置する絶縁体」と言い換えることができる。
また、「上」、及び「下」の用語は、構成要素の位置関係が直上又は直下で、かつ、直接接していることを限定するものではない。例えば、「絶縁層A上の電極B」の表現であれば、絶縁層Aの上に電極Bが直接接して形成されている必要はなく、絶縁層Aと電極Bとの間に他の構成要素を含むものを除外しない。
また、本明細書等において、「膜」、「層」等の語句は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、場合によっては、又は、状況に応じて、「膜」、「層」等の語句を使わずに、別の用語に入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」又は「導電膜」という用語を、「導電体」という用語に変更することが可能な場合がある。又は、例えば、「絶縁層」、「絶縁膜」という用語を、「絶縁体」という用語に変更することが可能な場合がある。
また、本明細書等において「電極」、「配線」、「端子」等の用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」、又は「配線」の用語は、複数の「電極」又は「配線」が一体となって形成されている場合等も含む。また、例えば、「端子」は「配線」又は「電極」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。更に、「端子」の用語は、複数の「電極」、「配線」、「端子」等が一体となって形成されている場合等も含む。そのため、例えば、「電極」は「配線」又は「端子」の一部とすることができ、また、例えば、「端子」は「配線」又は「電極」の一部とすることができる。また、「電極」、「配線」、「端子」等の用語は、場合によって、「領域」等の用語に置き換える場合がある。
また、本明細書等において、「配線」、「信号線」、「電源線」等の用語は、場合によっては、又は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「配線」という用語を、「信号線」という用語に変更することが可能な場合がある。また、例えば、「配線」という用語を、「電源線」等の用語に変更することが可能な場合がある。また、その逆も同様で、「信号線」、「電源線」等の用語を、「配線」という用語に変更することが可能な場合がある。「電源線」等の用語は、「信号線」等の用語に変更することが可能な場合がある。また、その逆も同様で「信号線」等の用語は、「電源線」等の用語に変更することが可能な場合がある。また、配線に印加されている「電位」という用語を、場合によっては、又は、状況に応じて、「信号」等という用語に変更することが可能な場合がある。また、その逆も同様で、「信号」等の用語は、「電位」という用語に変更することが可能な場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置、及びその駆動方法について説明する。
本発明の一態様は、メモリセルを有する半導体装置に関し、例えば記憶装置に関する。本発明の一態様の半導体装置が有するメモリセルには、強誘電性を有し得る材料を誘電体として用いた容量が設けられる。当該半導体装置を駆動させる場合、メモリセルに例えば2値データを書き込んで保持させた後、当該2値データを読み出し、書き戻す。ここで、メモリセルに保持された2値データの値が“0”又は“1”のいずれであっても、1回の読み出しと、1回の書き戻しと、を行う期間内に、上記誘電体を1回分極反転させる。つまり、メモリセルに保持された2値データの値が“0”の場合における上記誘電体の分極反転の回数と、“1”の場合における上記誘電体の分極反転の回数と、を同一にする。これにより、例えばメモリセルに保持された2値データの値が“0”である場合は、上記誘電体を分極反転させずに読み出し及び書き戻しを行い、例えばメモリセルに保持された2値データの値が“1”である場合は、上記誘電体を合計2回分極反転させて読み出し及び書き戻しを行う場合より、半導体装置の信頼性を高めることができる。
<半導体装置の構成例>
図1は、本発明の一態様の半導体装置である半導体装置10の構成例を示すブロック図である。半導体装置10は、例えば記憶装置とすることができる。
半導体装置10には、m行n+1列(m,nは1以上の整数)のメモリセルMCがマトリクス状に配列されたメモリセルアレイMCAが設けられる。また、半導体装置10は、ワード線駆動回路WDと、プレート線駆動回路PDと、電位生成回路SDと、ビット線駆動回路BDと、を有する。
ワード線駆動回路WDは、配線WWLを介してメモリセルMCと電気的に接続され、また配線RWLを介してメモリセルMCと電気的に接続される。プレート線駆動回路PDは、配線PLを介してメモリセルMCと電気的に接続される。電位生成回路SDは、配線SLを介してメモリセルMCと電気的に接続される。ビット線駆動回路BDは、配線BLを介してメモリセルMCと電気的に接続される。
ここで、同一行のメモリセルMCは、同一の配線WWL、及び同一の配線RWLを介してワード線駆動回路WDと電気的に接続することができ、同一の配線PLを介してプレート線駆動回路PDと電気的に接続することができる。また、同一列のメモリセルMCは、同一の配線BLを介してビット線駆動回路BDと電気的に接続することができる。
本明細書等において、例えば1行1列目のメモリセルMCをメモリセルMC[1,1]と記載して示し、m行n+1列目のメモリセルMCをメモリセルMC[m,n+1]と記載して示す。また、例えば1行目のメモリセルMCと電気的に接続される配線WWL、配線RWL、及び配線PLを、それぞれ配線WWL[1]、配線RWL[1]、及び配線PL[1]と記載して示し、m行目のメモリセルMCと電気的に接続される配線WWL、配線RWL、及び配線PLを、それぞれ配線WWL[m]、配線RWL[m]、及び配線PL[m]と記載して示す。さらに、例えば1列目のメモリセルMCと電気的に接続される配線BLを、配線BL[1]と記載して示し、n+1列目のメモリセルMCと電気的に接続される配線BLを、配線BL[n+1]と記載して示す。なお、他の要素でも同様の記載をする場合がある。
ワード線駆動回路WDは、配線WWLの電位、及び配線RWLの電位を制御する機能を有する。具体的には、ワード線駆動回路WDは、配線WWLの電位を制御することにより、データを書き込むメモリセルMCを選択する機能を有し、配線RWLの電位を制御することにより、データを読み出すメモリセルMCを選択する機能を有する。
プレート線駆動回路PDは、配線PLの電位を制御する機能を有する。電位生成回路SDは、配線SLの電位を制御する機能を有する。電位生成回路SDは、例えば配線SLに定電位を供給することができ、例えば配線SLに接地電位を供給することができる。
ビット線駆動回路BDは、メモリセルMCに書き込むデータを生成し、所定の列のメモリセルMCに供給する機能を有する。また、ビット線駆動回路BDは、メモリセルMCに書き込まれたデータを読み出して出力する機能を有する。
ビット線駆動回路BDの詳細を説明する。ビット線駆動回路BDは、センスアンプ回路SA[1]乃至センスアンプ回路SA[n+1]と、ラッチ回路LATと、論理演算回路LCと、を有する。センスアンプ回路SAは、配線BL、配線REFL、配線ENL、及び配線PRELと電気的に接続される。また、センスアンプ回路SA[1]乃至センスアンプ回路SA[n]は、論理演算回路LCと電気的に接続され、センスアンプ回路SA[n+1]は、ラッチ回路LATを介して論理演算回路LCと電気的に接続される。論理演算回路LCは、配線OUT[1]乃至配線OUT[n]と電気的に接続される。なお、ラッチ回路LAT、及び論理演算回路LCは、ビット線駆動回路BDの外部にあってもよい。また、半導体装置10は、ラッチ回路LATを有さなくてもよい。半導体装置10がラッチ回路LATを有さない場合、センスアンプ回路SA[n+1]から出力されるデータを、論理回路LCに例えば直接入力することができる。
センスアンプ回路SAは、配線BLの電位と、配線REFLの電位と、の差を増幅する機能を有する。例えば、配線BLの電位が、配線REFLの電位より高い場合は、センスアンプ回路SAは高電位を出力することができる。一方、配線BLの電位が、配線REFLの電位より低い場合は、センスアンプ回路SAは低電位を出力することができる。これにより、ビット線駆動回路BDは、2値データ、具体的には2値のデジタルデータをメモリセルMCに書き込むことができ、またメモリセルMCに書き込まれた2値データを読み出すことができる。例えば、配線BLの電位が配線REFLの電位より高い場合は、メモリセルMCに“0”が書き込まれる、又は“0”が読み出されているとすることができる。一方、配線BLの電位が配線REFLの電位より低い場合は、メモリセルMCに“1”が書き込まれる、又は“1”が読み出されているとすることができる。
配線ENLには、センスアンプ回路SAを活性化するか否かを制御する、イネーブル信号を供給することができる。イネーブル信号は、例えば2値のデジタル信号とすることができる。例えば、配線ENLの電位が高電位である場合は、センスアンプ回路SAを活性化状態とすることができ、配線BLの電位と、配線REFLの電位と、の差が増幅される。一方、配線ENLの電位が低電位である場合は、センスアンプ回路SAを非活性化状態とすることができ、上記増幅は行われない。
配線PRELには、配線BL、及び配線REFLの電位をプリチャージするか否かを制御する、プリチャージ信号を供給することができる。プリチャージ信号は、例えば2値のデジタル信号とすることができる。例えば、配線PRELの電位が高電位である場合は、配線BLを高電位にプリチャージすることができる。また、配線REFLの電位を、メモリセルMCから値が“0”のデータが読み出されている場合の配線BLの電位と、メモリセルMCから値が“1”のデータが読み出されている場合の配線BLの電位と、の間の電位とすることができる。
なお、配線ENL[1]乃至配線ENL[n+1]に供給する電位を、互いに共通としてもよい。この場合、配線ENL[1]乃至配線ENL[n+1]を、互いに電気的に接続する構成とすることができる。また、配線PREL[1]乃至配線PREL[n+1]に供給する電位を、互いに共通としてもよい。この場合、配線PREL[1]乃至配線PREL[n+1]を、互いに電気的に接続する構成とすることができる。
ラッチ回路LATは、センスアンプ回路SA[n+1]から出力されるデータを保持する機能を有する。つまり、ラッチ回路LATは、n+1列目のメモリセルMCから出力されるデータを保持することができる。ラッチ回路LATは、1ビットのデータを保持できるラッチ回路を、m個有することができる。これにより、ラッチ回路LATは、メモリセルMC[1,n+1]乃至メモリセルMC[m,n+1]から読み出されたデータをすべて保持することができる。
論理演算回路LCは、入力されたデータを用いた論理演算を行う機能を有する。論理演算回路LCは、例えば、センスアンプ回路SAから出力されたデータと、ラッチ回路LATから出力されたデータと、の論理演算を行う機能を有する。演算結果を表すデータは、配線OUTから出力される。論理演算回路LCは、例えば、センスアンプ回路SA[1]から出力されたデータと、ラッチ回路LATから出力されたデータと、の論理演算を行い、演算結果を表すデータを配線OUT[1]から出力することができる。また、論理演算回路LCは、例えば、センスアンプ回路SA[n]から出力されたデータと、ラッチ回路LATから出力されたデータと、の論理演算を行い、演算結果を表すデータを配線OUT[n]から出力することができる。
以上より、論理演算回路LCは、センスアンプ回路SA[1]乃至センスアンプ回路SA[n]から出力されるデータのそれぞれに対して、センスアンプ回路SA[n+1]から出力されるデータとの論理演算を行う。また、センスアンプ回路SA[n+1]は、n+1列目のメモリセルMCから読み出されるデータを増幅する機能を有する。以上より、メモリセルMC[1,n+1]乃至メモリセルMC[m,n+1]は、参照メモリセルということができる。また、参照メモリセルに書き込まれるデータ、及び参照メモリセルから読み出されるデータは、参照データということができる。さらに、2値の参照データを、参照2値データということができる。
<メモリセルの構成例>
図2Aは、メモリセルMCの構成例を示す回路図である。メモリセルMCは、トランジスタM1と、トランジスタM2と、トランジスタM3と、容量FECと、を有する。
以下では、トランジスタM1乃至トランジスタM3が、nチャネル型トランジスタであるとして説明を行うが、電位の大小関係を適宜逆転させること等により、トランジスタM1乃至トランジスタM3の少なくとも一部がpチャネル型トランジスタであっても、以下の説明を適用することができる。例えば、トランジスタM2及びトランジスタM3がpチャネル型トランジスタである場合、配線SLの電位は高電位とすることができる。
トランジスタM1のソース又はドレインの一方は、トランジスタM2のゲートと電気的に接続される。トランジスタM2のゲートは、容量FECの一方の電極と電気的に接続される。トランジスタM2のソース又はドレインの一方は、トランジスタM3のソース又はドレインの一方と電気的に接続される。
トランジスタM1のソース又はドレインの他方、及びトランジスタM3のソース又はドレインの他方は、配線BLと電気的に接続される。トランジスタM2のソース又はドレインの他方は、配線SLと電気的に接続される。トランジスタM1のゲートは、配線WWLと電気的に接続される。トランジスタM3のゲートは、配線RWLと電気的に接続される。容量FECの他方の電極は、配線PLと電気的に接続される。
ここで、トランジスタM1のソース又はドレインの一方と、トランジスタM2のゲートと、容量FECの一方の電極と、が電気的に接続されるノードを、ノードNとする。
トランジスタM1及びトランジスタM3は、スイッチング素子としての機能を有する。具体的には、トランジスタM1のゲートの電位を高電位とすることにより、トランジスタM1をオン状態とすることができ、トランジスタM1のゲートの電位を低電位とすることにより、トランジスタM1をオフ状態とすることができる。つまり、配線WWLの電位を高電位とすることにより、トランジスタM1をオン状態とすることができ、配線WWLの電位を低電位とすることにより、トランジスタM1をオフ状態とすることができる。同様に、トランジスタM3のゲートの電位を高電位とすることにより、トランジスタM3をオン状態とすることができ、トランジスタM3のゲートの電位を低電位とすることにより、トランジスタM3をオフ状態とすることができる。つまり、配線RWLの電位を高電位とすることにより、トランジスタM3をオン状態とすることができ、配線RWLの電位を低電位とすることにより、トランジスタM3をオフ状態とすることができる。トランジスタM1及びトランジスタM3は、スイッチング素子としての機能を有することから、トランジスタM1及びトランジスタM3は、線形領域で駆動させることが好ましい。
トランジスタM2は、ノードNに保持された電位を増幅する、増幅トランジスタとしての機能を有する。よって、トランジスタM2は、飽和領域で駆動させることが好ましい。
容量FECは、誘電体として強誘電性を有し得る材料を有する容量である。本明細書等において、強誘電性を有し得る材料を誘電体として用いた容量を、強誘電キャパシタという。
強誘電性を有しうる材料としては、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、HfZrOX(Xは0よりも大きい実数とする)、酸化ハフニウムに元素J1(ここでの元素J1は、ジルコニウム(Zr)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)等。)を添加した材料、酸化ジルコニウムに元素J2(ここでの元素J2は、ハフニウム(Hf)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)等。)を添加した材料、等が挙げられる。また、強誘電性を有しうる材料として、PbTiOX、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、タンタル酸ビスマス酸ストロンチウム(SBT)、ビスマスフェライト(BFO)、チタン酸バリウム、等のペロブスカイト構造を有する圧電性セラミックを用いてもよい。また、強誘電性を有しうる材料としては、例えば、上記に列挙した材料から選ばれた複数の材料、又は、上記に列挙した材料から選ばれた複数の材料からなる積層構造とすることができる。ところで、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、HfZrOX、及び酸化ハフニウムに元素J1を添加した材料等は、成膜条件だけでなく、各種プロセス等によっても結晶構造(特性)が変わり得る可能性があるため、本明細書等では強誘電性を発現する材料のみを強誘電体と呼ぶだけでなく、強誘電性を有しうる材料と呼んでいる。
中でも強誘電性を有しうる材料として、酸化ハフニウム、あるいは酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウムを有する材料は、数nmといった薄膜に加工しても強誘電性を有しうることができるため、好ましい。
また、強誘電性を有しうる材料の膜厚は、100nm以下、好ましくは50nm以下、より好ましくは20nm以下、さらに好ましくは、10nm以下(代表的には、2nm以上9nm以下)にすることができる。また、強誘電性を有しうる材料としてHfZrOX用いる場合、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法、特に熱ALD法を用いて成膜することが好ましい。
また、熱ALD法を用いて、強誘電性を有しうる材料を成膜する場合、プリカーサとして炭化水素(Hydro Carbon、HCともいう)を含まない材料を用いると好適である。強誘電性を有しうる材料中に、水素、及び炭素のいずれか一方又は双方が含まれる場合、強誘電性を有しうる材料の結晶化を阻害する場合がある。このため、上記のように、炭化水素を含まないプリカーサを用いることで、強誘電性を有しうる材料中の、水素、及び炭素のいずれか一方又は双方の濃度を低減することが好ましい。例えば、炭化水素を含まないプリカーサとしては、塩素系材料があげられる。なお、強誘電性を有しうる材料として、酸化ハフニウム及び酸化ジルコニウムを有する材料(HfZrOx)を用いる場合、プリカーサとしては、HfCl4、及び/又はZrCl4を用いればよい。
また、熱ALD法を用いて、強誘電性を有しうる材料を成膜する場合、酸化剤はH2O又はO3を用いることができる。ただし、熱ALD法の酸化剤としては、これに限定されない。例えば、熱ALD法の酸化剤としては、O2、O3、N2O、NO2、H2O、及びH2O2の中から選ばれるいずれか一又は複数を含んでもよい。
また、強誘電性を有しうる材料の結晶構造は、特に限定されない。例えば、強誘電性を有しうる材料の結晶構造としては、立方晶系、正方晶系、直方晶系、及び単斜晶系の中から選ばれるいずれか一又は複数とすればよい。特に強誘電性を有しうる材料としては、直方晶系の結晶構造を有すると、強誘電性が発現するため好ましい。又は、強誘電性を有しうる材料として、アモルファス構造と、結晶構造とを有する複合構造としてもよい。
強誘電性を有しうる材料は、絶縁体であって、外部から電場を与えることによって内部に分極が生じ、かつ当該電場をゼロにしても分極が残る性質を有するため、不揮発性の記憶素子として応用することができる。そのため、当該材料を、容量の一対の電極に挟まれる誘電体として用いることで、当該容量を「強誘電性を有しうるキャパシタ」、「強誘電キャパシタ」とすることができる。また、本明細書等では、強誘電性を有しうる材料は、当該キャパシタの一方の電極と他方の電極との間に有する、という場合がある。なお、強誘電性を有しうるキャパシタを用いた記憶回路は、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、強誘電体メモリ等と呼ばれることがある。
なお、本明細書等において、強誘電キャパシタ(例えば、容量FEC)の回路記号は、図2Aのとおり、容量の回路記号に斜線を加えたものとしている。また、別の回路記号としては、図2Bのとおり、容量の回路記号において、互いに平行である2本の線の間に複数の斜線を加えたものとしてもよい。
トランジスタM1乃至トランジスタM3として、チャネル形成領域にシリコンを有するトランジスタ(以下、Siトランジスタという)を適用することができる。特に、トランジスタM1乃至トランジスタM3として、チャネル形成領域に単結晶シリコンを有するトランジスタ、又は低温ポリシリコンを有するトランジスタを適用すると、トランジスタM1乃至トランジスタM3のオン電流を高めることができる。これにより、メモリセルMCを高速に駆動させることができるため、半導体装置10を高速に駆動させることができる。また、トランジスタM1乃至トランジスタM3として、チャネル形成領域にアモルファスシリコンを有するトランジスタを適用してもよい。
また、トランジスタM1乃至トランジスタM3として、Siトランジスタ以外のトランジスタを適用してもよい。例えば、トランジスタM1乃至トランジスタM3として、OSトランジスタを適用することができる。OSトランジスタは、高耐圧であるという特性を有する。よって、トランジスタM1乃至トランジスタM3をOSトランジスタとすることにより、トランジスタM1乃至トランジスタM3を微細化しても、トランジスタM1乃至トランジスタM3に高電圧を印加することができる。トランジスタM1乃至トランジスタM3を微細化することにより、メモリセルMCの占有面積を小さくすることができる。よって、メモリセルMCを高密度に配置することができる。これにより、半導体装置10を、記憶容量が大きな半導体装置とすることができる。
また、例えばメモリセルMCが有するトランジスタM1乃至トランジスタM3をOSトランジスタとし、ワード線駆動回路WD、プレート線駆動回路PD、電位生成回路SD、及びビット線駆動回路BDが有するトランジスタをSiトランジスタとすることができる。これにより、メモリセルアレイMCAを、ワード線駆動回路WD、プレート線駆動回路PD、電位生成回路SD、又はビット線駆動回路BDと重なる領域を有するように積層して設けることができる。これにより、半導体装置10の記憶容量を維持しつつ、半導体装置10を小型化することができる。なお、ワード線駆動回路WD、プレート線駆動回路PD、電位生成回路SD、及びビット線駆動回路BDが有するトランジスタをOSトランジスタとする場合であっても、これらの回路と、メモリセルアレイMCAと、が重なる領域を有するように積層して設けることができる。
なお、トランジスタM1乃至トランジスタM3をOSトランジスタとする場合、トランジスタM1乃至トランジスタM3のチャネル形成領域が有する金属酸化物は、インジウム、ガリウム、亜鉛の少なくとも一を含む酸化物であることが好ましい。また、当該酸化物の代わりとしては、インジウム、元素M(元素Mとしては、例えば、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウム等から選ばれた一種、又は複数種等が挙げられる。)、亜鉛の少なくとも一を含む酸化物を用いてもよい。
ここで、トランジスタM1乃至トランジスタM3の全てを、同一種類のトランジスタとしなくてもよい。例えば、トランジスタM1乃至トランジスタM3の一部をSiトランジスタとし、残りをOSトランジスタとしてもよい。例えば、トランジスタM1乃至トランジスタM3のうち、高電圧が印加されるトランジスタをOSトランジスタとし、他のトランジスタをSiトランジスタとしてもよい。
<誘電体の特性>
強誘電キャパシタが有する誘電体は、ヒステリシス特性を有する。図3Aは、当該ヒステリシス特性の一例を示すグラフである。図3Aにおいて、横軸は誘電体に印加する電圧を示す。当該電圧は、例えば容量FECの一方の電極の電位から、容量FECの他方の電極の電位を引いた値とすることができる。つまり、例えばノードNの電位から、配線PLの電位を引いた値を、誘電体に印加する電圧とすることができる。
また、図3Aにおいて、縦軸は誘電体の分極を示し、正の値の場合は負電荷が容量FECの一方の電極側に偏り、正電荷が容量FECの他方の電極側に偏っていることを示す。一方、分極が負の値の場合は、負電荷が容量FECの他方の電極側に偏り、正電荷が容量FECの一方の電極側に偏っていることを示す。
なお、図3Aのグラフの横軸に示す電圧を、容量FECの他方の電極の電位から、容量FECの一方の電極の電位を引いた値としてもよい。また、図3Aのグラフの縦軸に示す分極を、負電荷が容量FECの他方の電極側に偏り、正電荷が容量FECの一方の電極側に偏っている場合に正の値とし、負電荷が容量FECの一方の電極側に偏り、正電荷が容量FECの他方の電極側に偏っている場合に負の値としてもよい。
図3Aに示すように、誘電体のヒステリシス特性は、曲線11と、曲線12と、により表すことができる。曲線11と曲線12の交点における電圧を、VSP、及び-VSPとする。
誘電体に-VSP以下の電圧を印加した後に、誘電体に印加する電圧を高くしていくと、誘電体の分極は、曲線11に沿って増加する。一方、誘電体にVSP以上の電圧を印加した後に、誘電体に印加する電圧を低くしていくと、誘電体の分極は、曲線12に沿って減少する。よって、VSP、及び-VSPは、飽和分極電圧ということができる。なお、例えばVSPを第1の飽和分極電圧と呼び、-VSPを第2の飽和分極電圧という場合がある。
ここで、誘電体の分極が曲線11に沿って変化する際の、誘電体の分極が0である場合における、誘電体に印加される電圧をVcとする。また、誘電体の分極が曲線12に沿って変化する際の、誘電体の分極が0である場合における、誘電体に印加される電圧を-Vcとする。Vc、及び-Vcは、抗電圧ということができる。Vcの値、及び-Vcの値は、-VSPとVSPの間の値であるということができる。なお、例えばVcを第1の抗電圧と呼び、-Vcを第2の抗電圧と呼ぶ場合がある。
なお、第1の飽和分極電圧の絶対値と、第2の飽和分極電圧の絶対値と、は異なってもよい。また、第1の抗電圧の絶対値と、第2の抗電圧の絶対値と、は異なってもよい。
<半導体装置の駆動方法の一例>
以下では、半導体装置10の駆動方法の一例を説明する。以下の説明において、容量FECの誘電体に印加される電圧とは、ノードNの電位から配線PLの電位を引いた値を示すものとする。
図3B1、及び図3B2は、半導体装置10の駆動方法の一例を示す回路図である。図3B1、及び図3B2において、“H”は高電位を示し、“L”は低電位を示す。メモリセルMCの駆動方法等を示す他の図面においても同様の記載をする。
また、図3B1、及び図3B2において、オフ状態となるトランジスタを、×印を付して示している。さらに、容量FECの誘電体に印加される電圧を、強調のために一点鎖線で囲って示している。
図3B1には、メモリセルMCに値が“0”の2値データを書き込む例を示し、図3B2には、メモリセルMCに値が“1”の2値データを書き込む例を示す。ここで、図3B1、又は図3B2に示す動作が行われる期間を、書き込み期間ということができる。
図3B1、及び図3B2に示すように、書き込み期間において、配線WWLの電位を高電位とし、配線RWLの電位を低電位とする。これにより、トランジスタM1がオン状態となり、トランジスタM3がオフ状態となる。
メモリセルMCに値が“0”の2値データを書き込む場合は、図3B1に示すように、配線BLの電位をGNDとし、配線PLの電位をVwとする。GNDは、例えば接地電位とすることができる。Vwは、VSP以上とすることが好ましい。なお、GNDは、半導体装置10を本発明の一態様の趣旨を充足するように駆動させることができるのであれば、必ずしも接地電位としなくてもよい。
以下では、VwはVSP以上の高さの電位であり、GNDは接地電位であるとして説明を行う。また、配線BL、及び配線PLに供給される電位について、Vwを高電位、GNDを低電位として説明を行う。
図3B1に示す例では、容量FECの誘電体に電圧-Vwが印加される。これにより、容量FECの一方の電極側(ノードN側)に正電荷が偏り、容量FECの他方の電極側(配線PL側)に負電荷が偏る。よって、メモリセルMCに値が“0”の2値データを書き込むことができる。また、容量FECの誘電体に印加される電圧を高くしていくと、当該誘電体の電圧がVSP未満である場合において、曲線11に沿って当該誘電体の分極が増加する。
メモリセルMCに値が“1”の2値データを書き込む場合は、図3B2に示すように、配線BLの電位をVwとし、配線PLの電位をGNDとする。これにより、容量FECの誘電体に電圧Vwが印加される。よって、容量FECの一方の電極側(ノードN側)に負電荷が偏り、容量FECの他方の電極側(配線PL側)に正電荷が偏る。これにより、メモリセルMCに値が“1”の2値データを書き込むことができる。また、容量FECの誘電体に印加される電圧を低くしていくと、当該誘電体の電圧が-VSPより高い場合において、曲線12に沿って当該誘電体の分極が減少する。
なお、図3B1に示す動作を行うことによりメモリセルMCに値が“1”の2値データが書き込まれるとし、図3B2に示す動作を行うことによりメモリセルMCに値が“0”の2値データが書き込まれるとしてもよい。
図4A、及び図4Bは、半導体装置10の駆動方法を示すタイミングチャートである。図4Aでは、メモリセルMCに値が“0”の2値データが書き込まれて保持されている状態で、メモリセルMCからの2値データの読み出し、及び書き戻しを行う例を示す。図4Bでは、メモリセルMCに値が“1”の2値データが書き込まれて保持されている状態で、メモリセルMCからの2値データの読み出し、及び書き戻しを行う例を示す。なお、図4A、及び図4Bに示すタイミングチャートでは、トランジスタM1乃至トランジスタM3は全てnチャネル型トランジスタとしている。
まず、メモリセルMCに値が“0”の2値データが保持されている場合について説明する。この場合、図4Aに示すように、時刻T10乃至時刻T11において、配線WWLの電位を低電位とする。これにより、トランジスタM1がオフ状態となる。また、配線RWLの電位を低電位とする。これにより、トランジスタM3がオフ状態となる。さらに、配線PLの電位をGNDとする。
また、配線ENLの電位を低電位とする。これにより、センスアンプ回路SAが非活性状態となる。なお、ノードNの電位は、GNDであるとする。
以上のような状態で、配線PRELの電位を高電位とする。これにより、配線BL、及び配線REFLがプリチャージされる。よって、配線BLの電位が例えばVwとなり、配線SLの電位より高くなる。また、配線REFLの電位が、GNDとVwの間の電位となる。
時刻T11乃至時刻T12において、配線RWLの電位を高電位とする。これにより、トランジスタM3がオン状態となる。また、配線PRELの電位を低電位とする。これにより、配線BL、及び配線REFLのプリチャージが終了する。
時刻T12乃至時刻T13において、配線PLの電位をVwとする。容量FEC等による容量結合により、ノードNの電位が上昇する。ここで、ノードNの容量結合係数は1未満であり、時刻T12以前におけるノードNの電位はGNDであることから、電位上昇後のノードNの電位は、Vwより低くなる。なお、ノードNの電位が上昇しても、容量FECの誘電体において分極反転は発生しないものとする。つまり、ノードNの電位から配線PLの電位を引いた値は、Vc以下であるとする。
本明細書等において、容量FEC等の強誘電キャパシタの誘電体において分極反転させることを、強誘電キャパシタに分極反転を発生させるという場合がある。
なお、時刻T11乃至時刻T12において、配線PLの電位をVwとし、時刻T12乃至時刻T13において、配線RWLの電位を高電位としてもよい。また、時刻T11乃至時刻T12では配線PRELの電位を高電位のままとし、時刻T12乃至時刻T13において配線PRELの電位を低電位としてもよい。
以上より、時刻T11乃至時刻T13において、トランジスタM3がオン状態となり、ノードNの電位が上昇するということができる。配線BLの電位が配線SLの電位より高くなるようにプリチャージされているため、配線BLの電位が、トランジスタM2のゲートと電気的に接続されるノードNの電位に応じて低下する。これにより、メモリセルMCに保持された、値が“0”のデータが、メモリセルMCから読み出されたとすることができる。
時刻T13乃至時刻T14において、配線ENLの電位を高電位とする。これにより、センスアンプ回路SAが活性化状態となり、配線BLの電位と、配線REFLの電位と、の差が増幅される。ここで、配線ENLが高電位となった時点において、配線BLの電位が配線REFLの電位より高いものとすると、配線BLの電位が高電位であるVwとなり、配線REFLの電位が低電位であるGNDとなる。これにより、メモリセルMCから読み出された、値が“0”のデータを、センスアンプ回路SAから出力することができる。
以上、半導体装置10が時刻T10乃至時刻T14における動作を行うことにより、メモリセルMCに保持されたデータを読み出し、配線OUTから出力することができる。よって、時刻T10乃至時刻T14は、読み出し期間ということができる。また、配線BLのプリチャージ行う期間である時刻T10乃至時刻T11を除いた、時刻T11乃至時刻T14を、読み出し期間ということができる。
時刻T14乃至時刻T15において、配線WWLの電位を高電位とする。これにより、トランジスタM1がオン状態となる。また、配線RWLの電位を低電位とする。これにより、トランジスタM3がオフ状態となる。トランジスタM1がオン状態となることにより、ノードNの電位が、配線BLの電位であるVwとなる。
時刻T14乃至時刻T15において、ノードNの電位、及び配線PLの電位が共にVwとなる。よって、容量FECの誘電体に印加される電圧は、0Vとなる。図3A等に示すように、容量FECの誘電体に印加される電圧が0Vとなっても、当該誘電体において分極反転は発生しない。
時刻T15乃至時刻T16において、配線PLの電位をGNDとする。これにより、容量FECの誘電体に印加される電圧が、Vwとなる。よって、当該誘電体において分極反転が発生し、値が“1”のデータがメモリセルMCに書き込まれる。つまり、時刻T10乃至時刻T14においてメモリセルMCから読み出された2値データの値を反転させた2値データが、メモリセルMCに書き戻される。
時刻T16乃至時刻T17において、配線ENLの電位を低電位とする。これにより、センスアンプ回路SAが非活性状態となる。また、配線BLの電位をGNDとする。トランジスタM1はオン状態であるため、ノードNの電位はGNDとなる。
時刻T17において、配線WWLの電位を低電位とする。これにより、トランジスタM1がオフ状態となる。
以上、半導体装置10が時刻T14乃至時刻T17における動作を行うことにより、メモリセルMCにデータを書き戻すことができる。よって、時刻T14乃至時刻T17は、書き戻し期間ということができる。また、時刻T14乃至時刻T17のうち、センスアンプ回路SAが活性化状態である時刻T14乃至時刻T16を、書き戻し期間ということができる。
次に、メモリセルMCに値が“1”の2値データが保持されている場合について説明する。この場合、図4Bに示すように、時刻T20乃至時刻T21において、配線WWLの電位を低電位とする。これにより、トランジスタM1がオフ状態となる。また、配線RWLの電位を低電位とする。これにより、トランジスタM3がオフ状態となる。さらに、配線PLの電位をGNDとする。
また、配線ENLの電位を低電位とする。これにより、センスアンプ回路SAが非活性状態となる。なお、ノードNの電位は、GNDであるとする。
以上のような状態で、配線PRELの電位を高電位とする。これにより、配線BL、及び配線REFLがプリチャージされる。よって、配線BLの電位が例えばVwとなり、配線SLの電位より高くなる。また、配線REFLの電位が、GNDとVwの間の電位となる。
時刻T21乃至時刻T22において、配線RWLの電位を高電位とする。これにより、トランジスタM3がオン状態となる。また、配線PRELの電位を低電位とする。これにより、配線BL、及び配線REFLのプリチャージが終了する。
時刻T22乃至時刻T23において、配線PLの電位をVwとする。容量FEC等による容量結合により、ノードNの電位が上昇する。ここで、メモリセルMCには値が“1”のデータが保持されていることから、図3B2に示すように、容量FECの一方の電極側(ノードN側)に負電荷が偏っている。よって、ノードNの容量結合係数は、メモリセルMCに値が“0”のデータが保持されている場合より大きくなる。したがって、時刻T22乃至時刻T23におけるノードNの電位の上昇幅は、図4Aに示す時刻T12乃至時刻T13におけるノードNの電位の上昇幅より大きくなる。なお、ノードNの容量結合係数は1未満であり、時刻T22以前におけるノードNの電位はGNDであることから、電位上昇後のノードNの電位は、Vwより低くなる。また、ノードNの電位が上昇しても、容量FECの誘電体において分極反転は発生しないものとする。つまり、ノードNの電位から配線PLの電位を引いた値は、-Vc以上であるとする。
なお、時刻T21乃至時刻T22において、配線PLの電位をVwとし、時刻T22乃至時刻T23において、配線RWLの電位を高電位としてもよい。また、時刻T21乃至時刻T22では配線PRELの電位を高電位のままとし、時刻T22乃至時刻T23において配線PRELの電位を低電位としてもよい。
以上より、時刻T21乃至時刻T23において、トランジスタM3がオン状態となり、ノードNの電位が上昇するということができる。配線BLの電位が配線SLの電位より高くなるようにプリチャージされているため、配線BLの電位が、トランジスタM2のゲートと電気的に接続されるノードNの電位に応じて低下する。具体的には、時刻T22乃至時刻T23における配線BLの電位の低下幅は、図4Aに示す時刻T12乃至時刻T13における配線BLの電位の低下幅より大きくなる。よって、例えば時刻T23における配線BLの電位は、時刻T13における配線BLの電位より低くなる。これにより、メモリセルMCに保持された、値が“1”のデータが、メモリセルMCから読み出されたとすることができる。
時刻T23乃至時刻T24において、配線ENLの電位を高電位とする。これにより、センスアンプ回路SAが活性化状態となり、配線BLの電位と、配線REFLの電位と、の差が増幅される。ここで、配線ENLが高電位となった時点において、配線BLの電位が配線REFLの電位より低いものとすると、配線BLの電位が低電位であるGNDとなり、配線REFLの電位が高電位であるVwとなる。これにより、メモリセルMCから読み出された、値が“1”のデータを、センスアンプ回路SAから出力することができる。
以上、半導体装置10が時刻T20乃至時刻T24における動作を行うことにより、メモリセルMCに保持されたデータを読み出し、配線OUTから出力することができる。よって、時刻T20乃至時刻T24は、読み出し期間ということができる。また、配線BLのプリチャージ行う期間である時刻T20乃至時刻T21を除いた、時刻T21乃至時刻T24を、読み出し期間ということができる。
なお、時刻T22乃至時刻T23において、配線PLの電位上昇に遅れて、ノードNの電位が上昇する場合がある。この場合、容量FECの誘電体に、瞬間的に大電圧(負の方向に大きな電圧)が印加される。これにより、当該誘電体において分極反転が発生し、メモリセルMCに保持されたデータが破壊される可能性がある。
時刻T24乃至時刻T25において、配線WWLの電位を高電位とする。これにより、トランジスタM1がオン状態となる。また、配線RWLの電位を低電位とする。これにより、トランジスタM3がオフ状態となる。トランジスタM1がオン状態となることにより、ノードNの電位が、配線BLの電位であるGNDとなる。
時刻T24乃至時刻T25において、ノードNの電位がGNDとなる。一方、配線PLの電位は、Vwのままである。よって、容量FECの誘電体に印加される電圧が、-Vwとなる。したがって、当該誘電体において分極反転が発生し、値が“0”のデータがメモリセルMCに書き込まれる。つまり、時刻T20乃至時刻T24においてメモリセルMCから読み出された2値データの値を反転させた2値データが、メモリセルMCに書き戻される。なお、時刻T22乃至時刻T23において、メモリセルMCに保持されたデータが破壊された場合は、時刻T24乃至時刻T25では、容量FECの誘電体における分極反転は発生しない。
時刻T25乃至時刻T26において、配線PLの電位がGNDとなる。これにより、ノードNの電位、及び配線PLの電位が共にGNDとなる。よって、容量FECの誘電体に印加される電圧は、0Vとなる。図3A等に示すように、容量FECの誘電体に印加される電圧が0Vとなっても、当該誘電体において分極反転は発生しない。
時刻T26乃至時刻T27において、配線ENLの電位を低電位とする。これにより、センスアンプ回路SAが非活性状態となる。
時刻T27において、配線WWLの電位を低電位とする。これにより、トランジスタM1がオフ状態となる。
以上、半導体装置10が時刻T24乃至時刻T27における動作を行うことにより、メモリセルMCにデータを書き戻すことができる。よって、時刻T24乃至時刻T27は、書き戻し期間ということができる。また、時刻T24乃至時刻T27のうち、センスアンプ回路SAが活性化状態である時刻T24乃至時刻T26を、書き戻し期間ということができる。
以上のように、メモリセルMCに保持された2値データの値が“0”であるか“1”であるかに関わらず、1回の読み出し期間と、1回の書き戻し期間と、を通して、容量FECの誘電体における分極反転が合計1回発生する。
ここで、メモリセルMCが、図5Aに示す構成である場合を考える。図5Aに示すメモリセルMCは、図2Aに示すメモリセルMCから、トランジスタM2、及びトランジスタM3を省略した構成である。図5Aに示すメモリセルMCでは、トランジスタM1のゲートには配線WLが電気的に接続される。
図5B1、及び図5B2は、メモリセルMCが図5Aに示す構成である場合における、半導体装置10の駆動方法を示すタイミングチャートである。図5B1では、メモリセルMCに値が“0”の2値データが書き込まれて保持されている状態で、メモリセルMCからの2値データの読み出し、及び書き戻しを行う例を示す。図5B2では、メモリセルMCに値が“1”の2値データが書き込まれて保持されている状態で、メモリセルMCからの2値データの読み出し、及び書き戻しを行う例を示す。
図5B1に示す例では、時刻T30乃至時刻T33において、メモリセルMCに保持されているデータが読み出される。つまり、時刻T30乃至時刻T33は、読み出し期間である。また、時刻T33乃至時刻T35において、メモリセルMCにデータが書き戻される。つまり、時刻T33乃至時刻T35は、書き戻し期間である。時刻T30以前において、値が“0”の2値データが保持されていることから、容量FECの一方の電極側(ノードN側)に正電荷が偏り、容量FECの他方の電極側(配線PL側)に負電荷が偏っている。この場合、時刻T30乃至時刻T35において、容量FECの誘電体における分極反転は発生しない。つまり、メモリセルMCに保持されている2値データの値が“0”である場合は、読み出し期間と、書き戻し期間と、を通して、容量FECの誘電体における分極反転は発生しない。
図5B2に示す例では、時刻T40乃至時刻T43において、メモリセルMCに保持されているデータが読み出される。つまり、時刻T40乃至時刻T43は、読み出し期間である。また、時刻T43乃至時刻T45において、メモリセルMCにデータが書き戻される。つまり、時刻T43乃至時刻T45は、書き戻し期間である。時刻T30以前において、値が“1”の2値データが保持されていることから、容量FECの一方の電極側(ノードN側)に負電荷が偏り、容量FECの他方の電極側(配線PL側)に正電荷が偏っている。この場合、時刻T41乃至時刻T42、及び時刻T43乃至時刻T44において、容量FECの誘電体における分極反転が発生する。つまり、メモリセルMCに保持されている2値データの値が“1”である場合は、1回の読み出し期間と、1回の書き戻し期間と、を通して、容量FECの誘電体における分極反転が合計2回発生する。
以上より、値が“1”のデータが保持されることが多いメモリセルMCが有する容量FECの誘電体では、分極反転が多数回発生することとなる。これにより、当該誘電体において疲労劣化が発生しやすくなる。よって、半導体装置10が有するメモリセルMCが図5Aに示す構成である場合、半導体装置10の信頼性が低下する場合がある。一方、半導体装置10が有するメモリセルMCが例えば図2Aに示す構成である場合、メモリセルMCに保持されるデータの値が“1”であっても、1回の読み出し期間と、1回の書き戻し期間と、を通して発生する、容量FECの誘電体における分極反転の回数は1回である。以上より、メモリセルMCを例えば図2Aに示す構成とすることにより、メモリセルMCを図5Aに示す構成とする場合より、半導体装置10の信頼性を高めることができる。
ここで、図4A、及び図4Bに示す方法でメモリセルMCを駆動させる場合、メモリセルMCへのデータの書き戻しのたびに、メモリセルMCに保持されるデータの値が反転する。しかしながら、配線OUTから出力されるデータの値は、データの書き戻しがあっても変化しないことが好ましい。データの書き戻しがあっても配線OUTから出力されるデータの値が変化しないようにするために、センスアンプ回路SAと配線OUTの間に、論理演算回路LCを設ける。
具体的には、例えばメモリセルMC[i,1]乃至メモリセルMC[i,n](iは1以上m以下の整数)から読み出されたデータと、メモリセルMC[i,n+1]から読み出されたデータと、の論理演算を、論理演算回路LCが行う。当該論理演算は、排他的論理和とすることができる。演算結果は、配線OUTから出力される。具体的には、メモリセルMC[i,1]から読み出されたデータと、メモリセルMC[i,n+1]から読み出されたデータと、の排他的論理和を表すデータを、配線OUT[1]から出力する。また、メモリセルMC[i,n]から読み出されたデータと、メモリセルMC[i,n+1]から読み出されたデータと、の排他的論理和を表すデータを、配線OUT[n]から出力する。これにより、例えばメモリセルMC[i,n+1]に値が“0”のデータが保持されている場合は、メモリセルMC[i,1]乃至メモリセルMC[i,n]に保持されているデータと同じ値のデータが、配線OUT[1]乃至配線OUT[n]からそれぞれ出力される。一方、例えばメモリセルMC[i,n+1]に値が“1”のデータが保持されている場合は、メモリセルMC[i,1]乃至メモリセルMC[i,n]に保持されているデータの値を反転させた値のデータが、配線OUT[1]乃至配線OUT[n]からそれぞれ出力される。例えばi行目のメモリセルMCに対してデータの書き戻しを行う場合、メモリセルMC[i,1]乃至メモリセルMC[i,n+1]の全てについて、保持されているデータの値が反転する。以上により、メモリセルMCへのデータの書き戻しによりメモリセルMCに保持されるデータの値が反転しても、読み出し期間において、配線OUTからは所望の値のデータを出力し続けることができる。
以上より、n+1列目のメモリセルMCに保持されるデータは、1乃至n列目のメモリセルMCから読み出されるデータの値を反転させるか否かを表すデータとすることができる。よって、n+1列目のメモリセルMCは、参照メモリセルということができる。また、n+1列目のメモリセルMCに保持されるデータは、参照データということができる。メモリセルMCに保持されるデータは、2値データとすることができるため、n+1列目のメモリセルMCに保持されるデータは、参照2値データということができる。
表1は、半導体装置10の駆動方法の一例を示す表である。表1では、半導体装置10がステップS1乃至ステップS8で示される駆動モードにより駆動する例を示している。表示1には、各ステップの動作を行った後における、メモリセルMC[i,j1]、メモリセル[i,j2](j1,j2は1以上n以下の整数)、メモリセルMC[i,n+1]に保持されるデータの値、及び配線OUT[j1]、配線OUT[j2]から出力されるデータの値を示している。
まず、ステップS1において、例えば全てのメモリセルMCに、値が“0”のデータを書き込む。つまり、例えば全てのメモリセルMCに対して、図3B1に示す動作を行う。これにより、メモリセルMCに保持されるデータを初期化する。
次に、ステップS2において、1乃至n列目のメモリセルMCに、所望のデータを書き込む。具体的には、値が“0”のデータを書き込むメモリセルMCは図3B1に示す動作を行い、値が“1”のデータを書き込むメモリセルMCは図3B2に示す動作を行う。表1では、メモリセルMC[i,j1]には値が“0”のデータを書き込み、メモリセルMC[i,j2]には値が“1”のデータを書き込むとしている。また、ステップS2において、n+1列目のメモリセルMCに、値が“0”のデータを書き込む。
その後、ステップS3において、メモリセルMCに保持されているデータを読み出した後、データの書き戻しを行う。具体的には、値が“0”のデータが保持されているメモリセルMCは図4Aに示す動作を行い、値が“1”のデータが保持されているメモリセルMCは図4Bに示す動作を行う。
ステップS3の開始時点(ステップS2の終了時点)では、n+1列目のメモリセルMCには値が“0”のデータが保持されている。よって、配線OUT[1]乃至配線OUT[n]からは、ステップS3の開始時点(ステップS2の終了時点)において1乃至n列目のメモリセルMCに保持されているデータがそのまま出力される。前述のように、ステップS3の開始時点(ステップS2の終了時点)においてメモリセルMC[i,j1]に保持されているデータの値は“0”で、メモリセルMC[i,j2]に保持されているデータの値は“1”である。以上より、i行目のメモリセルMCに保持されているデータを読み出す場合、配線OUT[j1]からは値が“0”のデータが出力され、配線OUT[j2]からは値が“1”のデータが出力される。
また、メモリセルMCにデータを書き戻すことにより、メモリセルMCに保持されるデータが反転する。よって、表1に示すように、ステップS3の終了時点では、メモリセルMC[i,j1]に保持されるデータの値は“1”となり、メモリセルMC[i,j2]に保持されるデータの値は“0”となる。
ステップS4においても、ステップS3と同様に、メモリセルMCに保持されているデータを読み出した後、データの書き戻しを行う。
ステップS4の開始時点(ステップS3の終了時点)では、n+1列目のメモリセルMCには値が“1”のデータが保持されている。よって、配線OUT[1]乃至配線OUT[n]からは、ステップS4の開始時点(ステップS3の終了時点)において1乃至n列目のメモリセルMCに保持されているデータの値を反転させた値のデータが出力される。前述のように、ステップS4の開始時点(ステップS3の終了時点)においてメモリセルMC[i,j1]に保持されているデータの値は“1”で、メモリセルMC[i,j2]に保持されているデータの値は“0”である。以上より、i行目のメモリセルMCに保持されているデータを読み出す場合、配線OUT[j1]からは値が“0”のデータが出力され、配線OUT[j2]からは値が“1”のデータが出力される。つまり、ステップS3で配線OUTから出力されたデータと同じ値のデータが、ステップS4でも配線OUTから出力される。
ステップS5においても、ステップS3等と同様に、メモリセルMCに保持されているデータを読み出した後、データの書き戻しを行う。これにより、ステップS3と同様に、配線OUT[j1]から値が“0”のデータが出力され、配線OUT[j2]から値が“1”のデータが出力される。
次に、ステップS6において、1乃至n列目のメモリセルMCに、所望のデータを書き込む。具体的には、ステップS2と同様に、値が“0”のデータを書き込むメモリセルMCは図3B1に示す動作を行い、値が“1”のデータを書き込むメモリセルMCは図3B2に示す動作を行う。これにより、1乃至n列目のメモリセルMCに保持されるデータを更新することができる。
表1では、メモリセルMC[i,j1]には値が“0”のデータを書き込み、メモリセルMC[i,j2]には値が“1”のデータを書き込むとしている。また、ステップS6において、n+1列目のメモリセルMCには、データの書き込みを行わない。表1に示す例では、ステップS5の終了時点ではn+1列目のメモリセルMCに値が“1”のデータが保持されている。よって、ステップS6の終了時点において、n+1列目のメモリセルMCには、値が“1”のデータが引き続き保持される。
なお、ステップS6において、n+1列目のメモリセルMCに保持されているデータの値によらず、n+1列目のメモリセルに値が“0”のデータを書き込んでもよい。
次に、ステップS7において、ステップS3等と同様に、メモリセルMCに保持されているデータを読み出した後、データの書き戻しを行う。
ステップS7の開始時点(ステップS6の終了時点)では、n+1列目のメモリセルMCには値が“1”のデータが保持されている。よって、配線OUT[1]乃至配線OUT[n]からは、ステップS7の開始時点(ステップS6の終了時点)において1乃至n列目のメモリセルMCに保持されているデータの値を反転させた値のデータが出力される。前述のように、ステップS7の開始時点(ステップS6の終了時点)においてメモリセルMC[i,j1]に保持されているデータの値は“0”で、メモリセルMC[i,j2]に保持されているデータの値は“1”である。以上より、i行目のメモリセルMCに保持されているデータを読み出す場合、配線OUT[j1]からは値が“1”のデータが出力され、配線OUT[j2]からは値が“0”のデータが出力される。
ステップS8においても、ステップS7等と同様に、メモリセルMCに保持されているデータを読み出した後、データの書き戻しを行う。これにより、ステップS7と同様に、配線OUT[j1]から値が“1”のデータが出力され、配線OUT[j2]から値が“0”のデータが出力される。
以上のように、本発明の一態様の半導体装置の駆動方法では、メモリセルMCへのデータの書き戻しによりメモリセルMCに保持されるデータの値が反転しても、読み出し期間において、配線OUTからは所望の値のデータを出力し続けることができる。
本実施の形態は、本明細書等で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した半導体装置の構成例、及び上記の実施の形態で説明した半導体装置に適用できるトランジスタの構成例について説明する。
<半導体装置の構成例1>
図6は、一例として、上記実施の形態で説明した半導体装置であって、当該半導体装置は、トランジスタ300と、トランジスタ500と、容量600と、を有する。また、図7Aにはトランジスタ500のチャネル長方向の断面図、図7Bにはトランジスタ500のチャネル幅方向の断面図を示しており、図7Cにはトランジスタ300のチャネル幅方向の断面図を示している。
トランジスタ500は、チャネル形成領域に金属酸化物を有するトランジスタ(OSトランジスタ)である。トランジスタ500は、オフ電流が小さく、また、高温でも電界効果移動度が変化しにくい特性を有する。トランジスタ500を、半導体装置、例えば、上記実施の形態で説明した、図2A等に示すメモリセルMCが有するトランジスタM1等に適用することにより、高温でも動作能力が低下しにくい半導体装置を実現できる。
トランジスタ500は、例えば、トランジスタ300の上方に設けられ、容量600は、例えば、トランジスタ300、及びトランジスタ500の上方に設けられている。なお、容量600は、上記実施の形態で説明した、図2A等に示す容量FEC等とすることができる。
トランジスタ300は、基板310上に設けられ、素子分離層312、導電体316、絶縁体315、基板310の一部からなる半導体領域313、ソース領域又はドレイン領域として機能する低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bを有する。なお、トランジスタ300は、例えば、上記実施の形態で説明した、図2A等に示すトランジスタM2等に適用することができる。
また、基板310としては、半導体基板(例えば単結晶基板又はシリコン基板)を用いることが好ましい。
トランジスタ300は、図7Cに示すように、半導体領域313の上面及びチャネル幅方向の側面が絶縁体315を介して導電体316に覆われている。このように、トランジスタ300をFin型とすることにより、実効上のチャネル幅が増大することによりトランジスタ300のオン特性を向上させることができる。また、ゲート電極の電界の寄与を高くすることができるため、トランジスタ300のオフ特性を向上させることができる。
なお、トランジスタ300は、pチャネル型、あるいはnチャネル型のいずれでもよい。
半導体領域313のチャネルが形成される領域、その近傍の領域、ソース領域、又はドレイン領域となる低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314b等において、シリコン系半導体等の半導体を含むことが好ましく、単結晶シリコンを含むことが好ましい。又は、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、GaAlAs(ガリウムアルミニウムヒ素)、GaN(窒化ガリウム)等を有する材料で形成してもよい。結晶格子に応力を与え、格子間隔を変化させることで有効質量を制御したシリコンを用いた構成としてもよい。又はGaAsとGaAlAs等を用いることで、トランジスタ300をHEMT(High Electron Mobility Transistor)としてもよい。
低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bは、半導体領域313に適用される半導体材料に加え、ヒ素、リン等のn型の導電性を付与する元素、又はホウ素等のp型の導電性を付与する元素を含む。
ゲート電極として機能する導電体316は、ヒ素、リン等のn型の導電性を付与する元素、もしくはホウ素等のp型の導電性を付与する元素を含むシリコン等の半導体材料、金属材料、合金材料、又は金属酸化物材料等の導電性材料を用いることができる。
なお、導電体の材料によって仕事関数が決まるため、当該導電体の材料を選択することで、トランジスタのしきい値電圧を調整することができる。具体的には、導電体に窒化チタン、窒化タンタル等の材料を用いることが好ましい。さらに導電性と埋め込み性を両立するために導電体にタングステン、アルミニウム等の金属材料を積層として用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが耐熱性の点で好ましい。
素子分離層312は、基板310上に形成されている複数のトランジスタ同士を分離するために設けられている。素子分離層は、例えば、LOCOS(LOCal Oxidation of Silicon)法、STI(Shallow Trench Isolation)法、メサ分離法等を用いて形成することができる。
なお、図6に示すトランジスタ300は一例であり、その構造に限定されず、回路構成、駆動方法等に応じて適切なトランジスタを用いればよい。例えば、トランジスタ300は、図7Cに示すFIN型ではなく、プレーナ型の構造としてもよい。また、例えば、半導体装置をOSトランジスタのみの単極性回路とする場合、図8に示すとおり、トランジスタ300の構成を、酸化物半導体を用いているトランジスタ500と同様の構成にすればよい。なお、トランジスタ500の詳細については後述する。なお、本明細書等において、単極性回路とは、nチャネル型トランジスタ又はpチャネル型トランジスタの一方のみの極性のトランジスタを含む回路のことをいう。
なお、図8において、トランジスタ300は、基板310A上に設けられているが、この場合、基板310Aとしては、図6の半導体装置の基板310と同様に半導体基板を用いてもよい。また、基板310Aとしては、例えば、SOI基板、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板、サファイアガラス基板、金属基板、ステンレス・スチル基板、ステンレス・スチル・ホイルを有する基板、タングステン基板、タングステン・ホイルを有する基板、可撓性基板、貼り合わせフィルム、繊維状の材料を含む紙、又は基材フィルム等を用いることができる。ガラス基板の一例としては、バリウムホウケイ酸ガラス、アルミノホウケイ酸ガラス、又はソーダライムガラス等がある。可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルム等の一例としては、以下のものがあげられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるプラスチックがある。又は、一例としては、アクリル等の合成樹脂等がある。又は、一例としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、又はポリ塩化ビニル等がある。又は、一例としては、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、エポキシ樹脂、無機蒸着フィルム、又は紙類等がある。
図6に示すトランジスタ300には、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、絶縁体326が、基板310側から順に積層して設けられている。
絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326として、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウム等を用いればよい。
なお、本明細書中において、酸化窒化シリコンとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化シリコンとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。また、本明細書中において、酸化窒化アルミニウムとは、その組成として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指し、窒化酸化アルミニウムとは、その組成として、酸素よりも窒素の含有量が多い材料を示す。
絶縁体322は、絶縁体320及び絶縁体322に覆われているトランジスタ300等によって生じる段差を平坦化する平坦化膜としての機能を有していてもよい。例えば、絶縁体322の上面は、平坦性を高めるために化学機械研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)法等を用いた平坦化処理により平坦化されていてもよい。
また、絶縁体324には、基板310、又はトランジスタ300等から、トランジスタ500が設けられる領域に、水素、不純物等が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ500等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、当該半導体素子の特性が低下する場合がある。したがって、トランジスタ500と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
水素の脱離量は、例えば、昇温脱離ガス分析法(TDS)等を用いて分析することができる。例えば、絶縁体324の水素の脱離量は、TDS分析において、膜の表面温度が50℃から500℃の範囲において、水素原子に換算した脱離量が、絶縁体324の面積当たりに換算して、10×1015atoms/cm2以下、好ましくは5×1015atoms/cm2以下であればよい。
なお、絶縁体326は、絶縁体324よりも誘電率が低いことが好ましい。例えば、絶縁体326の比誘電率は4未満が好ましく、3未満がより好ましい。また例えば、絶縁体326の比誘電率は、絶縁体324の比誘電率の0.7倍以下が好ましく、0.6倍以下がより好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
また、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326には容量600、又はトランジスタ500と接続する導電体328、及び導電体330等が埋め込まれている。なお、導電体328、及び導電体330は、プラグ又は配線としての機能を有する。また、プラグ又は配線としての機能を有する導電体は、複数の構造をまとめて同一の符号を付与する場合がある。また、本明細書等において、配線と、配線と接続するプラグとが一体物であってもよい。すなわち、導電体の一部が配線として機能する場合、及び導電体の一部がプラグとして機能する場合もある。
各プラグ、及び配線(導電体328、導電体330等)の材料としては、金属材料、合金材料、金属窒化物材料、又は金属酸化物材料等の導電性材料を、単層又は積層して用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステン、モリブデン等の高融点材料を用いることが好ましく、タングステンを用いることが好ましい。又は、アルミニウム、銅等の低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。
絶縁体326、及び導電体330上に、配線層を設けてもよい。例えば、図6において、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354が、絶縁体326、及び導電体330の上方に、順に積層して設けられている。また、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354には、導電体356が形成されている。導電体356は、トランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。なお導電体356は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
なお、例えば、絶縁体350は、絶縁体324と同様に、水素、水等の不純物に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。また、絶縁体352、及び絶縁体354としては、絶縁体326と同様に、配線間に生じる寄生容量を低減するために、比誘電率が比較的低い絶縁体を用いることが好ましい。また、導電体356は、水素、水等の不純物に対するバリア性を有する導電体を含むことが好ましい。特に、水素に対するバリア性を有する絶縁体350が有する開口部に、水素に対するバリア性を有する導電体が形成される。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、バリア層により分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
なお、水素に対するバリア性を有する導電体としては、例えば、窒化タンタル等を用いるとよい。また、窒化タンタルと導電性が高いタングステンを積層することで、配線としての導電性を保持したまま、トランジスタ300からの水素の拡散を抑制することができる。この場合、水素に対するバリア性を有する窒化タンタル層が、水素に対するバリア性を有する絶縁体350と接する構造であることが好ましい。
また、絶縁体354、及び導電体356上には、絶縁体360と、絶縁体362と、絶縁体364が順に積層されている。
絶縁体360は、絶縁体324等と同様に、水、水素等の不純物に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。そのため、絶縁体360としては、例えば、絶縁体324等に適用できる材料を用いることができる。
絶縁体362、及び絶縁体364は、層間絶縁膜、及び平坦化膜としての機能を有する。また、絶縁体362、及び絶縁体364は、絶縁体324と同様に、水、水素等の不純物に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。このため、絶縁体362、及び/又は絶縁体364としては、絶縁体324に適用できる材料を用いることができる。
また、絶縁体360、絶縁体362、及び絶縁体364のそれぞれの、一部の導電体356と重畳する領域に開口部が形成されて、当該開口部を埋めるように導電体366が設けられている。また、導電体366は、絶縁体362上にも形成されている。導電体366は、一例として、トランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。なお、導電体366は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
絶縁体364、及び導電体366上には絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516が、順に積層して設けられている。絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516のいずれかは、酸素、水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。
例えば、絶縁体510、及び絶縁体514には、基板310、又はトランジスタ300を設ける領域等から、トランジスタ500が設けられている領域に、水素、不純物が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。したがって、絶縁体324と同様の材料を用いることができる。
水素に対するバリア性を有する膜の一例として、CVD法で形成した窒化シリコンを用いることができる。ここで、トランジスタ500等の酸化物半導体を有する半導体素子に、水素が拡散することで、当該半導体素子の特性が低下する場合がある。したがって、トランジスタ500と、トランジスタ300との間に、水素の拡散を抑制する膜を用いることが好ましい。水素の拡散を抑制する膜とは、具体的には、水素の脱離量が少ない膜とする。
また、水素に対するバリア性を有する膜として、例えば、絶縁体510、及び絶縁体514には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル等の金属酸化物を用いることが好ましい。
特に、酸化アルミニウムは、酸素、及びトランジスタの電気特性の変動要因となる水素、水分等の不純物、の両方に対して膜を透過させない遮断効果が高い。したがって、酸化アルミニウムは、トランジスタの作製工程中及び作製後において、水素、水分等の不純物のトランジスタ500への混入を防止することができる。また、トランジスタ500を構成する酸化物からの酸素の放出を抑制することができる。そのため、トランジスタ500に対する保護膜として用いることに適している。
また、例えば、絶縁体512、及び絶縁体516には、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、これらの絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を適用することで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体512、及び絶縁体516として、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜等を用いることができる。
また、絶縁体510、絶縁体512、絶縁体514、及び絶縁体516には、導電体518、及びトランジスタ500を構成する導電体(例えば、図7A、及び図7Bに示す導電体503)等が埋め込まれている。なお、導電体518は、容量600、又はトランジスタ300と接続するプラグ、又は配線としての機能を有する。導電体518は、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
特に、絶縁体510、及び絶縁体514と接する領域の導電体518は、酸素、水素、及び水に対するバリア性を有する導電体であることが好ましい。当該構成により、トランジスタ300とトランジスタ500とは、酸素、水素、及び水に対するバリア性を有する層で、分離することができ、トランジスタ300からトランジスタ500への水素の拡散を抑制することができる。
絶縁体516の上方には、トランジスタ500が設けられている。
図7A、及び図7Bに示すように、トランジスタ500は、絶縁体514上の絶縁体516と、絶縁体514又は絶縁体516に埋め込まれるように配置された導電体503(導電体503a、及び導電体503b)と、絶縁体516上、及び導電体503上の絶縁体522と、絶縁体522上の絶縁体524と、絶縁体524上の酸化物530aと、酸化物530a上の酸化物530bと、酸化物530b上の導電体542aと、導電体542a上の絶縁体571aと、酸化物530b上の導電体542bと、導電体542b上の絶縁体571bと、酸化物530b上の絶縁体552と、絶縁体552上の絶縁体550と、絶縁体550上の絶縁体554と、絶縁体554上に位置し、酸化物530bの一部と重なる導電体560(導電体560a、及び導電体560b)と、絶縁体522、絶縁体524、酸化物530a、酸化物530b、導電体542a、導電体542b、絶縁体571a、及び絶縁体571b上に配置される絶縁体544と、を有する。ここで、図7A、及び図7Bに示すように、絶縁体552は、絶縁体522の上面、絶縁体524の側面、酸化物530aの側面、酸化物530bの側面及び上面、導電体542の側面、絶縁体571の側面、絶縁体544の側面、絶縁体580の側面、及び絶縁体550の下面と接する。また、導電体560の上面は、絶縁体554の上部、絶縁体550の上部、絶縁体552の上部、及び絶縁体580の上面と高さが概略一致するように配置される。また、絶縁体574は、導電体560の上面、絶縁体552の上部、絶縁体550の上部、絶縁体554の上部、及び絶縁体580の上面の少なくともいずれかの一部と接する。なお、本明細書等において、導電体542aと導電体542bをまとめて導電体542といい、絶縁体571aと絶縁体571bをまとめて絶縁体571という場合がある。他の要素も同様の表現をする場合がある。
絶縁体580、及び絶縁体544には、酸化物530bに達する開口が設けられる。当該開口内に、絶縁体552、絶縁体550、絶縁体554、及び導電体560が配置されている。また、トランジスタ500のチャネル長方向において、絶縁体571a、及び導電体542aと、絶縁体571b、及び導電体542bと、の間に導電体560、絶縁体552、絶縁体550、及び絶縁体554が設けられている。絶縁体554は、導電体560の側面と接する領域と、導電体560の底面と接する領域と、を有する。
酸化物530は、絶縁体524の上に配置された酸化物530aと、酸化物530aの上に配置された酸化物530bと、を有することが好ましい。酸化物530b下に酸化物530aを有することで、酸化物530aよりも下方に形成された構造物から、酸化物530bへの不純物の拡散を抑制することができる。
なお、トランジスタ500では、酸化物530が、酸化物530a、及び酸化物530bの2層を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、トランジスタ500は、酸化物530bの単層、又は3層以上の積層構造を有する構成とすることができる。又は、酸化物530a、及び酸化物530bのそれぞれが積層構造を有する構成とすることができる。
導電体560は、第1のゲート(トップゲートともいう。)電極として機能し、導電体503は、第2のゲート(バックゲートともいう。)電極として機能する。また、絶縁体552、絶縁体550、及び絶縁体554は、第1のゲート絶縁体として機能し、絶縁体522、及び絶縁体524は、第2のゲート絶縁体として機能する。なお、ゲート絶縁体は、ゲート絶縁層、又はゲート絶縁膜と呼ぶ場合もある。また、導電体542aは、ソース又はドレインの一方として機能し、導電体542bは、ソース又はドレインの他方として機能する。また、酸化物530の導電体560と重畳する領域の少なくとも一部はチャネル形成領域として機能する。
ここで、図7Aにおけるチャネル形成領域近傍の拡大図を図9Aに示す。酸化物530bに酸素が供給されることで、導電体542aと導電体542bの間の領域にチャネル形成領域が形成される。よって、図9Aに示すように、酸化物530bは、トランジスタ500のチャネル形成領域として機能する領域530bcと、領域530bcを挟むように設けられ、ソース領域又はドレイン領域として機能する領域530ba及び領域530bbと、を有する。領域530bcは、少なくとも一部が導電体560と重畳している。言い換えると、領域530bcは、導電体542aと導電体542bの間の領域に設けられている。領域530baは、導電体542aに重畳して設けられており、領域530bbは、導電体542bに重畳して設けられている。
チャネル形成領域として機能する領域530bcは、領域530ba及び領域530bbよりも、酸素欠損(本明細書等では、金属酸化物中の酸素欠損をVO(oxygen vacancy)と呼称する場合がある。)が少なく、又は不純物濃度が低いため、キャリア濃度が低い高抵抗領域である。よって領域530bcは、i型(真性)又は実質的にi型であるということができる。
金属酸化物を用いたトランジスタは、金属酸化物中のチャネルが形成される領域に不純物又は酸素欠損(VO)が存在すると、電気特性が変動しやすく、信頼性が悪くなる場合がある。また、酸素欠損(VO)近傍の水素が、酸素欠損(VO)に水素が入った欠陥(以下、VOHと呼称する場合がある。)を形成し、キャリアとなる電子を生成する場合がある。このため、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域に酸素欠損が含まれていると、トランジスタはノーマリーオン特性(ゲート電極に電圧を印加しなくてもチャネルが存在し、トランジスタに電流が流れる特性)となりやすい。したがって、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域では、不純物、酸素欠損、及びVOHはできる限り低減されていることが好ましい。
また、ソース領域又はドレイン領域として機能する領域530ba及び領域530bbは、酸素欠損(VO)が多く、又は水素、窒素、金属元素等の不純物濃度が高い、ことでキャリア濃度が増加し、低抵抗化した領域である。すなわち、領域530ba及び領域530bbは、領域530bcと比較して、キャリア濃度が高く、低抵抗なn型の領域である。
ここで、チャネル形成領域として機能する領域530bcのキャリア濃度は、1×1018cm-3以下であることが好ましく、1×1017cm-3未満であることがより好ましく、1×1016cm-3未満であることがさらに好ましく、1×1013cm-3未満であることがさらに好ましく、1×1012cm-3未満であることがさらに好ましい。なお、チャネル形成領域として機能する領域530bcのキャリア濃度の下限値については、特に限定は無いが、例えば、1×10-9cm-3とすることができる。
また、領域530bcと領域530ba又は領域530bbとの間に、キャリア濃度が、領域530ba及び領域530bbのキャリア濃度と同等、又はそれよりも低く、領域530bcのキャリア濃度と同等、又はそれよりも高い、領域が形成されていてもよい。つまり、当該領域は、領域530bcと領域530ba又は領域530bbとの接合領域として機能する。当該接合領域は、水素濃度が、領域530ba及び領域530bbの水素濃度と同等、又はそれよりも低く、領域530bcの水素濃度と同等、又はそれよりも高くなる場合がある。また、当該接合領域は、酸素欠損が、領域530ba及び領域530bbの酸素欠損と同等、又はそれよりも少なく、領域530bcの酸素欠損と同等、又はそれよりも多くなる場合がある。
なお、図9Aでは、領域530ba、領域530bb、及び領域530bcが酸化物530bに形成される例について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、上記の各領域が酸化物530bだけでなく、酸化物530aまで形成されてもよい。
また、酸化物530において、各領域の境界を明確に検出することが困難な場合がある。各領域内で検出される金属元素、ならびに水素、及び窒素等の不純物元素の濃度は、領域ごとの段階的な変化に限らず、各領域内でも連続的に変化していてもよい。つまり、チャネル形成領域に近い領域であるほど、金属元素、ならびに水素、及び窒素等の不純物元素の濃度が減少していればよい。
トランジスタ500は、チャネル形成領域を含む酸化物530(酸化物530a、及び酸化物530b)に、半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう。)を用いることが好ましい。
また、半導体として機能する金属酸化物は、バンドギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上のものを用いることが好ましい。このように、バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
酸化物530として、例えば、インジウム、元素M及び亜鉛を有するIn-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、錫、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウム等から選ばれた一種、又は複数種)等の金属酸化物を用いるとよい。また、酸化物530として、In-Ga酸化物、In-Zn酸化物、インジウム酸化物を用いてもよい。
ここで、酸化物530bに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物530aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。
このように、酸化物530bの下に酸化物530aを配置することで、酸化物530aよりも下方に形成された構造物からの、酸化物530bに対する、不純物及び酸素の拡散を抑制することができる。
また、酸化物530a及び酸化物530bが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、酸化物530aと酸化物530bの界面における欠陥準位密度を低くすることができる。酸化物530aと酸化物530bとの界面における欠陥準位密度を低くすることができるため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さく、高いオン電流が得られる。
酸化物530bは、結晶性を有することが好ましい。特に、酸化物530bとして、CAAC-OS(c-axis aligned crystalline oxide semiconductor)を用いることが好ましい。
CAAC-OSは、結晶性の高い、緻密な構造を有しており、不純物、及び欠陥(例えば、酸素欠損(VO等)が少ない金属酸化物である。特に、金属酸化物の形成後に、金属酸化物が多結晶化しない程度の温度(例えば、400℃以上600℃以下)で加熱処理することで、CAAC-OSをより結晶性の高い、緻密な構造にすることができる。このようにして、CAAC-OSの密度をより高めることで、当該CAAC-OS中の不純物又は酸素の拡散をより低減することができる。
一方、CAAC-OSは、明確な結晶粒界を確認することが難しいため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。したがって、CAAC-OSを有する金属酸化物は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する金属酸化物は熱に強く、信頼性が高い。
酸化物半導体を用いたトランジスタは、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域に不純物及び酸素欠損が存在すると、電気特性が変動しやすく、信頼性が悪くなる場合がある。また、酸素欠損近傍の水素が、酸素欠損に水素が入った欠陥(以下、VOHと呼ぶ場合がある。)を形成し、キャリアとなる電子を生成する場合がある。このため、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域に酸素欠損が含まれていると、トランジスタはノーマリーオン特性(ゲート電極に電圧を印加しなくてもチャネルが存在し、トランジスタに電流が流れる特性)となりやすい。したがって、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域では、不純物、酸素欠損、及びVOHはできる限り低減されていることが好ましい。言い換えると、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域は、キャリア濃度が低減され、i型(真性化)又は実質的にi型であることが好ましい。
これに対して、酸化物半導体の近傍に、加熱により脱離する酸素(以下、過剰酸素と呼ぶ場合がある。)を含む絶縁体を設け、熱処理を行うことで、当該絶縁体から酸化物半導体に酸素を供給し、酸素欠損、及びVOHを低減することができる。ただし、ソース領域又はドレイン領域に過剰な量の酸素が供給されると、トランジスタ500のオン電流の低下、又は電界効果移動度の低下を引き起こすおそれがある。さらに、ソース領域又はドレイン領域に供給される酸素の量が基板面内でばらつくことで、トランジスタを有する半導体装置の特性にばらつきが出ることになる。
よって、酸化物半導体中において、チャネル形成領域として機能する領域530bcは、キャリア濃度が低減され、i型又は実質的にi型であることが好ましいが、ソース領域又はドレイン領域として機能する領域530ba及び領域530bbは、キャリア濃度が高く、n型であることが好ましい。つまり、酸化物半導体の領域530bcの酸素欠損、及びVOHを低減し、領域530ba及び領域530bbには過剰な量の酸素が供給されないようにすることが好ましい。
そこで、本実施の形態では、酸化物530b上に導電体542a及び導電体542bを設けた状態で、酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行い、領域530bcの酸素欠損、及びVOHの低減を図る。ここで、マイクロ波処理とは、例えばマイクロ波を用いて高密度プラズマを発生させる電源を有する装置を用いた処理のことを指す。
酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行うことで、マイクロ波、又はRF等の高周波を用いて酸素ガスをプラズマ化し、当該酸素プラズマを作用させることができる。このとき、マイクロ波、又はRF等の高周波を領域530bcに照射することもできる。プラズマ、マイクロ波等の作用により、領域530bcのVOHを分断し、水素Hを領域530bcから除去し、酸素欠損VOを酸素で補填することができる。つまり、領域530bcにおいて、「VOH→H+VO」という反応が起きて、領域530bcの水素濃度を低減することができる。よって、領域530bc中の酸素欠損、及びVOHを低減し、キャリア濃度を低下させることができる。
また、酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行う際、マイクロ波、又はRF等の高周波、酸素プラズマ等の作用は、導電体542a及び導電体542bに遮蔽され、領域530ba及び領域530bbには及ばない。さらに、酸素プラズマの作用は、酸化物530b、及び導電体542を覆って設けられている、絶縁体571、及び絶縁体580によって、低減することができる。これにより、マイクロ波処理の際に、領域530ba及び領域530bbで、VOHの低減、及び過剰な量の酸素供給が発生しないので、キャリア濃度の低下を防ぐことができる。
また、絶縁体552となる絶縁膜の成膜後、又は絶縁体550となる絶縁膜の成膜後に、酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行うとことが好ましい。このように絶縁体552、又は絶縁体550を介して、酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行うことで、効率良く領域530bc中へ酸素を注入することができる。また、絶縁体552を導電体542の側面、及び領域530bcの表面と接するように配置することで、領域530bcへ必要量以上の酸素の注入を抑制し、導電体542の側面の酸化を抑制することができる。また、絶縁体550となる絶縁膜の成膜時に導電体542の側面の酸化を抑制することができる。
また、領域530bc中に注入される酸素は、酸素原子、酸素分子、酸素ラジカル(Oラジカルともいう、不対電子をもつ原子又は分子、あるいはイオン)等様々な形態がある。なお、領域530bc中に注入される酸素は、上述の形態のいずれか一又は複数であれば好ましく、特に酸素ラジカルであると好適である。また、絶縁体552、及び絶縁体550の膜質を向上させることができるので、トランジスタ500の信頼性が向上する。
このようにして、酸化物半導体の領域530bcで選択的に酸素欠損、及びVOHを除去して、領域530bcをi型又は実質的にi型とすることができる。さらに、ソース領域又はドレイン領域として機能する領域530ba及び領域530bbに過剰な酸素が供給されるのを抑制し、n型の電気特性を維持することができる。これにより、トランジスタ500の電気特性の変動を抑制し、基板面内でトランジスタ500の電気特性のばらつきを少なくすることができる。
以上のような構成にすることで、トランジスタ特性のばらつきが少ない半導体装置を提供することができる。また、信頼性が良好な半導体装置を提供することができる。また、良好な電気特性を有する半導体装置を提供することができる。
また、図7Bに示すように、トランジスタ500のチャネル幅方向の断面視において、酸化物530bの側面と酸化物530bの上面との間に、湾曲面を有してもよい。つまり、当該側面の端部と当該上面の端部は、湾曲してもよい(以下、ラウンド状ともいう。)。
上記湾曲面での曲率半径は、0nmより大きく、導電体542と重なる領域の酸化物530bの膜厚より小さい、又は、上記湾曲面を有さない領域の長さの半分より小さいことが好ましい。上記湾曲面での曲率半径は、具体的には、0nmより大きく20nm以下、好ましくは1nm以上15nm以下、さらに好ましくは2nm以上10nm以下とする。このような形状にすることで、絶縁体552、絶縁体550、絶縁体554、及び導電体560の、酸化物530bへの被覆性を高めることができる。
酸化物530は、化学組成が異なる複数の酸化物層の積層構造を有することが好ましい。具体的には、酸化物530aに用いる金属酸化物において、主成分である金属元素に対する元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、主成分である金属元素に対する元素Mの原子数比より、大きいことが好ましい。また、酸化物530aに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物530bに用いる金属酸化物において、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物530aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。
また、酸化物530bは、CAAC-OS等の結晶性を有する酸化物であることが好ましい。CAAC-OS等の結晶性を有する酸化物は、不純物、及び欠陥(酸素欠損等)が少なく、結晶性の高い、緻密な構造を有している。よって、ソース電極又はドレイン電極による、酸化物530bからの酸素の引き抜きを抑制することができる。これにより、熱処理を行っても、酸化物530bから酸素が引き抜かれることを低減できるので、トランジスタ500は、製造工程における高い温度(所謂サーマルバジェット)に対して安定である。
ここで、酸化物530aと酸化物530bの接合部において、伝導帯下端はなだらかに変化する。換言すると、酸化物530aと酸化物530bの接合部における伝導帯下端は、連続的に変化又は連続接合するともいうことができる。このようにするためには、酸化物530aと酸化物530bとの界面に形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
具体的には、酸化物530aと酸化物530bが、酸素以外に共通の元素を主成分として有することで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、酸化物530bがIn-M-Zn酸化物の場合、酸化物530aとして、In-M-Zn酸化物、M-Zn酸化物、元素Mの酸化物、In-Zn酸化物、インジウム酸化物等を用いてもよい。
具体的には、酸化物530aとして、In:M:Zn=1:3:4[原子数比]もしくはその近傍の組成、又はIn:M:Zn=1:1:0.5[原子数比]もしくはその近傍の組成の金属酸化物を用いればよい。また、酸化物530bとして、In:M:Zn=1:1:1[原子数比]もしくはその近傍の組成、又はIn:M:Zn=4:2:3[原子数比]もしくはその近傍の組成の金属酸化物を用いればよい。なお、近傍の組成とは、所望の原子数比の±30%の範囲を含む。また、元素Mとして、ガリウムを用いることが好ましい。
なお、金属酸化物をスパッタリング法により成膜する場合、上記の原子数比は、成膜された金属酸化物の原子数比に限られず、金属酸化物の成膜に用いるスパッタリングターゲットの原子数比であってもよい。
また、図7A等に示すように、酸化物530の上面及び側面に接して、酸化アルミニウム等により形成される絶縁体552を設けることにより、酸化物530と絶縁体552の界面及びその近傍に、酸化物530に含まれるインジウムが偏在する場合がある。これにより、酸化物530の表面近傍が、インジウム酸化物に近い原子数比、又はIn-Zn酸化物に近い原子数比になる。このように酸化物530、特に酸化物530bの表面近傍のインジウムの原子数比が大きくなることで、トランジスタ500の電界効果移動度を向上させることができる。
酸化物530a及び酸化物530bを上述の構成とすることで、酸化物530aと酸化物530bとの界面における欠陥準位密度を低くすることができる。そのため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さくなり、トランジスタ500は大きいオン電流、及び高い周波数特性を得ることができる。
絶縁体512、絶縁体514、絶縁体544、絶縁体571、絶縁体574、絶縁体576、及び絶縁体581の少なくとも一は、水、水素等の不純物が、基板側から、又は、トランジスタ500の上方からトランジスタ500に拡散するのを抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。したがって、絶縁体512、絶縁体514、絶縁体544、絶縁体571、絶縁体574、絶縁体576、及び絶縁体581の少なくとも一は、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(N2O、NO、NO2等)、銅原子等の不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい)絶縁性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子等の少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)絶縁性材料を用いることが好ましい。
なお、本明細書において、バリア絶縁膜とは、バリア性を有する絶縁膜のことを指す。本明細書において、バリア性とは、対応する物質の拡散を抑制する機能(透過性が低いともいう)とする。又は、対応する物質を、捕獲、及び固着する(ゲッタリングともいう)機能とする。
絶縁体512、絶縁体514、絶縁体544、絶縁体571、絶縁体574、絶縁体576、及び絶縁体581としては、水、水素等の不純物、及び酸素の拡散を抑制する機能を有する絶縁体を用いることが好ましく、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウム、インジウムガリウム亜鉛酸化物、窒化シリコン、又は窒化酸化シリコン等を用いることができる。例えば、絶縁体512、絶縁体544、及び絶縁体576として、より水素バリア性が高い、窒化シリコン等を用いることが好ましい。また、例えば、絶縁体514、絶縁体571、絶縁体574、及び絶縁体581として、水素を捕獲及び水素を固着する機能が高い、酸化アルミニウム又は酸化マグネシウム等を用いることが好ましい。これにより、水、水素等の不純物が絶縁体512、及び絶縁体514を介して、基板側からトランジスタ500側に拡散することを抑制できる。又は、水、水素等の不純物が絶縁体581よりも外側に配置されている層間絶縁膜等から、トランジスタ500側に拡散するのを抑制することができる。又は、絶縁体524等に含まれる酸素が、絶縁体512、及び絶縁体514を介して基板側に、拡散するのを抑制することができる。又は、絶縁体580等に含まれる酸素が、絶縁体574等を介してトランジスタ500より上方に、拡散するのを抑制することができる。この様に、トランジスタ500を、水、水素等の不純物、及び酸素の拡散を抑制する機能を有する絶縁体512、絶縁体514、絶縁体571、絶縁体544、絶縁体574、絶縁体576、及び絶縁体581で取り囲む構造とすることが好ましい。
ここで、絶縁体512、絶縁体514、絶縁体544、絶縁体571、絶縁体574、絶縁体576、及び絶縁体581として、アモルファス構造を有する酸化物を用いることが好ましい。例えば、AlOx(xは0より大きい任意数)、又はMgOy(yは0より大きい任意数)等の金属酸化物を用いることが好ましい。このようなアモルファス構造を有する金属酸化物では、酸素原子がダングリングボンドを有しており、当該ダングリングボンドで水素を捕獲又は固着する性質を有する場合がある。このようなアモルファス構造を有する金属酸化物をトランジスタ500の構成要素として用いる、又はトランジスタ500の周囲に設けることで、トランジスタ500に含まれる水素、又はトランジスタ500の周囲に存在する水素を捕獲又は固着することができる。特にトランジスタ500のチャネル形成領域に含まれる水素を捕獲又は固着することが好ましい。アモルファス構造を有する金属酸化物をトランジスタ500の構成要素として用いる、又はトランジスタ500の周囲に設けることで、良好な特性を有し、信頼性の高いトランジスタ500、及び半導体装置を作製することができる。
また、絶縁体512、絶縁体514、絶縁体544、絶縁体571、絶縁体574、絶縁体576、及び絶縁体581は、アモルファス構造であることが好ましいが、一部に多結晶構造の領域が形成されていてもよい。また、絶縁体512、絶縁体514、絶縁体544、絶縁体571、絶縁体574、絶縁体576、及び絶縁体581は、アモルファス構造の層と、多結晶構造の層と、が積層された多層構造であってもよい。例えば、アモルファス構造の層の上に多結晶構造の層が形成された積層構造でもよい。
絶縁体512、絶縁体514、絶縁体544、絶縁体571、絶縁体574、絶縁体576、及び絶縁体581の成膜は、例えば、スパッタリング法を用いて行えばよい。スパッタリング法は、成膜ガスに水素を含む分子を用いなくてよいので、絶縁体512、絶縁体514、絶縁体544、絶縁体571、絶縁体574、絶縁体576、及び絶縁体581の水素濃度を低減することができる。なお、成膜方法は、スパッタリング法に限られるものではなく、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、パルスレーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法等を適宜用いてもよい。
また、絶縁体512、絶縁体544、及び絶縁体576の抵抗率を低くすることが好ましい場合がある。例えば、絶縁体512、絶縁体544、及び絶縁体576の抵抗率を概略1×1013Ωcmとすることで、半導体装置作製工程のプラズマ等を用いる処理において、絶縁体512、絶縁体544、及び絶縁体576が、導電体503、導電体542、導電体560等のチャージアップを緩和することができる場合がある。絶縁体512、絶縁体544、及び絶縁体576の抵抗率は、好ましくは、1×1010Ωcm以上1×1015Ωcm以下とする。
また、絶縁体516、絶縁体574、絶縁体580、及び絶縁体581は、絶縁体514よりも誘電率が低いことが好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体516、絶縁体580、及び絶縁体581として、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコン等を適宜用いればよい。
また、絶縁体581は、一例として、層間膜、平坦化膜等として機能する絶縁体とすることが好ましい。
導電体503は、酸化物530、及び導電体560と、重なるように配置する。ここで、導電体503は、絶縁体516に形成された開口に埋め込まれて設けることが好ましい。また、導電体503の一部が絶縁体514に埋め込まれる場合がある。
導電体503は、導電体503a、及び導電体503bを有する。導電体503aは、当該開口の底面及び側壁に接して設けられる。導電体503bは、導電体503aに形成された凹部に埋め込まれるように設けられる。ここで、導電体503bの上部の高さは、導電体503aの上部の高さ及び絶縁体516の上部の高さと概略一致する。
ここで、導電体503aは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(N2O、NO、NO2等)、銅原子等の不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子等の少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。
導電体503aに、水素の拡散を低減する機能を有する導電性材料を用いることにより、導電体503bに含まれる水素等の不純物が、絶縁体524等を介して、酸化物530に拡散するのを防ぐことができる。また、導電体503aに、酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることにより、導電体503bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、酸化ルテニウム等を用いることが好ましい。したがって、導電体503aとしては、上記導電性材料を単層又は積層とすればよい。例えば、導電体503aは、窒化チタンを用いればよい。
また、導電体503bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。例えば、導電体503bは、タングステンを用いればよい。
導電体503は、第2のゲート電極として機能する場合がある。その場合、導電体503に印加する電位を、導電体560に印加する電位と、連動させず、独立して変化させることで、トランジスタ500のしきい値電圧(Vth)を制御することができる。特に、導電体503に負の電位を印加することにより、トランジスタ500のVthをより大きくし、オフ電流を低減することが可能となる。したがって、導電体503に負の電位を印加したほうが、印加しない場合よりも、導電体560に印加する電位が0Vのときのドレイン電流を小さくすることができる。
また、導電体503の電気抵抗率は、上記の導電体503に印加する電位を考慮して設計され、導電体503の膜厚は当該電気抵抗率に合わせて設定される。また、絶縁体516の膜厚は、導電体503とほぼ同じになる。ここで、導電体503の設計が許す範囲で導電体503及び絶縁体516の膜厚を薄くすることが好ましい。絶縁体516の膜厚を薄くすることで、絶縁体516中に含まれる水素等の不純物の絶対量を低減することができるので、当該不純物が酸化物530に拡散するのを低減することができる。
なお、導電体503は、上面から見て、酸化物530の導電体542a及び導電体542bと重ならない領域の大きさよりも、大きく設けるとよい。特に、図7Bに示すように、導電体503は、酸化物530a及び酸化物530bのチャネル幅方向の端部よりも外側の領域においても、延伸していることが好ましい。つまり、酸化物530のチャネル幅方向における側面の外側において、導電体503と、導電体560とは、絶縁体を介して重畳していることが好ましい。当該構成を有することで、第1のゲート電極として機能する導電体560の電界と、第2のゲート電極として機能する導電体503の電界によって、酸化物530のチャネル形成領域を電気的に取り囲むことができる。本明細書において、第1のゲート、及び第2のゲートの電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(S-channel)構造とよぶ。
なお、本明細書等において、S-channel構造のトランジスタとは、一対のゲート電極の一方及び他方の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を表す。また、本明細書等で開示するS-channel構造は、Fin型構造及びプレーナ型構造とは異なる。S-channel構造を採用することで、短チャネル効果に対する耐性を高める、別言すると短チャネル効果が発生し難いトランジスタとすることができる。
また、図7Bに示すように、導電体503は延伸させて、配線としても機能させている。ただし、これに限られることなく、導電体503の下に、配線として機能する導電体を設ける構成にしてもよい。また、導電体503は、必ずしも各トランジスタに一個ずつ設ける必要はない。例えば、導電体503を複数のトランジスタで共有する構成にしてもよい。
なお、トランジスタ500では、導電体503は、導電体503a、及び導電体503bを積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体503は、単層、又は3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。
絶縁体522、及び絶縁体524は、ゲート絶縁体として機能する。
絶縁体522は、水素(例えば、水素原子、水素分子等の少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。また、絶縁体522は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子等の少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。例えば、絶縁体522は、絶縁体524よりも水素及び酸素の一方又は双方の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。
絶縁体522は、絶縁性材料であるアルミニウム及びハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体を用いるとよい。当該絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)等を用いることが好ましい。このような材料を用いて絶縁体522を形成した場合、絶縁体522は、酸化物530から基板側への酸素の放出と、トランジスタ500の周辺部から酸化物530への水素等の不純物の拡散と、を抑制する層として機能する。よって、絶縁体522を設けることで、水素等の不純物が、トランジスタ500の内側へ拡散することを抑制し、酸化物530中の酸素欠損の生成を抑制することができる。また、導電体503が、絶縁体524、又は酸化物530が有する酸素と反応することを抑制することができる。
又は、上記絶縁体に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。又は、これらの絶縁体を窒化処理してもよい。また、絶縁体522は、これらの絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコン又は窒化シリコンを積層して用いてもよい。
また、絶縁体522は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム等の、いわゆるhigh-k材料を含む絶縁体を単層又は積層で用いてもよい。トランジスタの微細化、及び高集積化が進むと、ゲート絶縁体の薄膜化により、リーク電流等の問題が生じる場合がある。ゲート絶縁体として機能する絶縁体にhigh-k材料を用いることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減が可能となる。また、絶縁体522として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、(Ba,Sr)TiO3(BST)等の誘電率が高い物質を用いることができる場合もある。
酸化物530と接する絶縁体524は、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン等を適宜用いればよい。
また、トランジスタ500の作製工程中において、酸化物530の表面が露出した状態で、加熱処理を行うと好適である。当該加熱処理は、例えば、100℃以上600℃以下、より好ましくは350℃以上550℃以下で行えばよい。なお、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気、又は酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、もしくは10%以上含む雰囲気で行う。例えば、加熱処理は酸素雰囲気で行うことが好ましい。これにより、酸化物530に酸素を供給して、酸素欠損(VO)の低減を図ることができる。また、加熱処理は減圧状態で行ってもよい。又は、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために、酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、又は10%以上含む雰囲気で行ってもよい。又は、酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、又は10%以上含む雰囲気で加熱処理した後に、連続して窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理を行ってもよい。
なお、酸化物530に加酸素化処理を行うことで、酸化物530中の酸素欠損を、供給された酸素により修復させる、別言すると「VO+O→null」という反応を促進させることができる。さらに、酸化物530中に残存した水素に供給された酸素が反応することで、当該水素をH2Oとして除去する(脱水化する)ことができる。これにより、酸化物530中に残存していた水素が酸素欠損に再結合してVOHが形成されるのを抑制することができる。
なお、絶縁体522、及び絶縁体524が、2層以上の積層構造を有していてもよい。その場合、同じ材料からなる積層構造に限定されず、異なる材料からなる積層構造でもよい。また、絶縁体524は、酸化物530aと重畳して島状に形成してもよい。この場合、絶縁体544が、絶縁体524の側面及び絶縁体522の上面に接する構成になる。
導電体542a、及び導電体542bは酸化物530bの上面に接して設けられる。導電体542a及び導電体542bは、それぞれトランジスタ500のソース電極又はドレイン電極として機能する。
導電体542(導電体542a、及び導電体542b)としては、例えば、タンタルを含む窒化物、チタンを含む窒化物、モリブデンを含む窒化物、タングステンを含む窒化物、タンタル及びアルミニウムを含む窒化物、チタン及びアルミニウムを含む窒化物等を用いることが好ましい。本発明の一態様においては、タンタルを含む窒化物が特に好ましい。また、例えば、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物等を用いてもよい。これらの材料は、酸化しにくい導電性材料、又は、酸素を吸収しても導電性を維持する材料であるため、好ましい。
なお、酸化物530b等に含まれる水素が、導電体542a又は導電体542bに拡散する場合がある。特に、導電体542a及び導電体542bに、タンタルを含む窒化物を用いることで、酸化物530b等に含まれる水素は、導電体542a又は導電体542bに拡散しやすく、拡散した水素は、導電体542a又は導電体542bが有する窒素と結合することがある。つまり、酸化物530b等に含まれる水素は、導電体542a又は導電体542bに吸い取られる場合がある。
また、導電体542の側面と導電体542の上面との間に、湾曲面が形成されないことが好ましい。当該湾曲面が形成されない導電体542とすることで、チャネル幅方向の断面における、導電体542の断面積を大きくすることができる。これにより、導電体542の導電率を大きくし、トランジスタ500のオン電流を大きくすることができる。
絶縁体571aは、導電体542aの上面に接して設けられており、絶縁体571bは、導電体542bの上面に接して設けられている。絶縁体571は、少なくとも酸素に対するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。したがって、絶縁体571は、酸素の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。例えば、絶縁体571は、絶縁体580よりも酸素の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。絶縁体571としては、例えば、窒化シリコン等のシリコンを含む窒化物を用いればよい。また、絶縁体571は、水素等の不純物を捕獲する機能を有することが好ましい。その場合、絶縁体571としては、アモルファス構造を有する金属酸化物、例えば、酸化アルミニウム又は酸化マグネシウム等の絶縁体を用いればよい。特に、絶縁体571として、アモルファス構造を有する酸化アルミニウム、又はアモルファス構造の酸化アルミニウムを用いることで、より効果的に水素を捕獲又は固着できる場合があるため好ましい。これにより、良好な特性を有し、信頼性の高いトランジスタ500、及び半導体装置を作製することができる。
絶縁体544は、絶縁体524、酸化物530a、酸化物530b、導電体542、及び絶縁体571を覆うように設けられる。絶縁体544として、水素を捕獲及び水素を固着する機能を有することが好ましい。その場合、絶縁体544としては、窒化シリコン又は、アモルファス構造を有する金属酸化物、例えば、酸化アルミニウム又は酸化マグネシウム等の絶縁体を含むことが好ましい。また、例えば、絶縁体544として、酸化アルミニウムと、当該酸化アルミニウム上の窒化シリコンの積層膜を用いてもよい。
上記のような絶縁体571及び絶縁体544を設けることで、酸素に対するバリア性を有する絶縁体で導電体542を包み込むことができる。つまり、絶縁体524、及び絶縁体580に含まれる酸素が、導電体542に拡散するのを防ぐことができる。これにより、絶縁体524、及び絶縁体580に含まれる酸素によって、導電体542が直接酸化されて抵抗率が増大し、オン電流が低減するのを抑制することができる。
絶縁体552は、ゲート絶縁体の一部として機能する。絶縁体552としては、酸素に対するバリア絶縁膜を用いることが好ましい。絶縁体552としては、上述の絶縁体574に用いることができる絶縁体を用いればよい。絶縁体552として、アルミニウム及びハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体を用いるとよい。当該絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)、ハフニウム及びシリコンを含む酸化物(ハフニウムシリケート)等を用いることができる。本実施の形態では、絶縁体552として、酸化アルミニウムを用いる。この場合、絶縁体552は、少なくとも酸素と、アルミニウムと、を有する絶縁体となる。
図7Bに示すように、絶縁体552は、酸化物530bの上面及び側面、酸化物530aの側面、絶縁体524の側面、及び絶縁体522の上面に接して設けられる。つまり、酸化物530a、酸化物530b、及び絶縁体524の導電体560と重なる領域は、チャネル幅方向の断面において、絶縁体552に覆われている。これにより、熱処理等を行った際に、酸化物530a及び酸化物530bで酸素が脱離するのを、酸素に対するバリア性を有する絶縁体552でブロックすることができる。よって、酸化物530a及び酸化物530bに酸素欠損(Vo)が形成されるのを低減することができる。これにより、領域530bcに形成される、酸素欠損(Vo)、及びVOHを低減することができる。よって、トランジスタ500の電気特性を良好にし、信頼性を向上させることができる。
また、逆に、絶縁体580及び絶縁体550等に過剰な量の酸素が含まれていても、当該酸素が酸化物530a及び酸化物530bに過剰に供給されるのを抑制することができる。よって、領域530bcを介して、領域530ba及び領域530bbが過剰に酸化され、トランジスタ500のオン電流の低下、又は電界効果移動度の低下を起こすのを抑制することができる。
また、図7Aに示すように、絶縁体552は、導電体542、絶縁体571、絶縁体544、及び絶縁体580、それぞれの側面に接して設けられる。よって、導電体542の側面が酸化され、当該側面に酸化膜が形成されるのを低減することができる。これにより、トランジスタ500のオン電流の低下、又は電界効果移動度の低下を起こすのを抑制することができる。
また、絶縁体552は、絶縁体554、絶縁体550、及び導電体560と、ともに、絶縁体580等に形成された開口に設ける必要がある。トランジスタ500の微細化を図るにあたって、絶縁体552の膜厚は薄いことが好ましい。絶縁体552の膜厚は、0.1nm以上、0.5nm以上、又は1.0nm以上とすることが好ましく、かつ1.0nm以下、3.0nm以下、又は5.0nm以下とすることが好ましい。なお、上述した下限値、及び上限値はそれぞれ組み合わせることができるものとする。この場合、絶縁体552は、少なくとも一部において、上記のような膜厚の領域を有していればよい。また、絶縁体552の膜厚は絶縁体550の膜厚より薄いことが好ましい。この場合、絶縁体552は、少なくとも一部において、絶縁体550より膜厚が薄い領域を有していればよい。
絶縁体552を上記のように膜厚を薄く成膜するには、ALD法を用いて成膜することが好ましい。ALD法は、プリカーサ及びリアクタントの反応を熱エネルギーのみで行う熱ALD(Thermal ALD)法、プラズマ励起されたリアクタントを用いるPEALD(Plasma Enhanced ALD)法等がある。PEALD法では、プラズマを利用することで、より低温での成膜が可能となり好ましい場合がある。
ALD法は、原子の性質である自己制御性を利用し、一層ずつ原子を堆積することができるので、極薄の成膜が可能、アスペクト比の高い構造への成膜が可能、ピンホール等の欠陥の少ない成膜が可能、被覆性に優れた成膜が可能、低温での成膜が可能、等の効果がある。よって、絶縁体552を絶縁体580等に形成された開口の側面等に被覆性良く、上記のような薄い膜厚で成膜することができる。
なお、ALD法で用いるプリカーサには炭素等を含むものがある。このため、ALD法により設けられた膜は、他の成膜法により設けられた膜と比較して、炭素等の不純物を多く含む場合がある。なお、不純物の定量は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)、又はX線光電子分光法(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy)を用いて行うことができる。
絶縁体550は、ゲート絶縁体の一部として機能する。絶縁体550は、絶縁体552の上面に接して配置することが好ましい。絶縁体550は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコン等を用いることができる。特に、酸化シリコン、及び酸化窒化シリコンは熱に対し安定であるため好ましい。この場合、絶縁体550は、少なくとも酸素とシリコンと、を有する絶縁体となる。
絶縁体550は、絶縁体524と同様に、絶縁体550中の水、水素等の不純物濃度が低減されていることが好ましい。絶縁体550の膜厚は、1nm以上、又は0.5nm以上とすることが好ましく、かつ15nm以下、又は20nm以下とすることが好ましい。なお、上述した下限値、及び上限値はそれぞれ組み合わせることができるものとする。この場合、絶縁体550は、少なくとも一部において、上記のような膜厚の領域を有していればよい。
図7A、及び図7B等では、絶縁体550を単層とする構成について示したが、本発明はこれに限られず、2層以上の積層構造としてもよい。例えば図9Bに示すように、絶縁体550を、絶縁体550aと、絶縁体550a上の絶縁体550bの2層の積層構造にしてもよい。
図9Bに示すように、絶縁体550を2層の積層構造とする場合、下層の絶縁体550aは、酸素を透過しやすい絶縁体を用いて形成し、上層の絶縁体550bは、酸素の拡散を抑制する機能を有する絶縁体を用いて形成することが好ましい。このような構成にすることで、絶縁体550aに含まれる酸素が、導電体560へ拡散するのを抑制することができる。つまり、酸化物530へ供給する酸素量の減少を抑制することができる。また、絶縁体550aに含まれる酸素による導電体560の酸化を抑制することができる。例えば、絶縁体550aは、上述した絶縁体550に用いることができる材料を用いて設け、絶縁体550bは、アルミニウム及びハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体を用いるとよい。当該絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)、ハフニウム及びシリコンを含む酸化物(ハフニウムシリケート)等を用いることができる。本実施の形態では、絶縁体550bとして、酸化ハフニウムを用いる。この場合、絶縁体550bは、少なくとも酸素と、ハフニウムと、を有する絶縁体となる。また、絶縁体550bの膜厚は、0.5nm以上、又は1.0nm以上とすることが好ましく、かつ3.0nm以下、又は5.0nm以下とすることが好ましい。なお、上述した下限値、及び上限値はそれぞれ組み合わせることができるものとする。この場合、絶縁体550bは、少なくとも一部において、上記のような膜厚の領域を有していればよい。
なお、絶縁体550aに酸化シリコン、酸化窒化シリコン等を用いる場合、絶縁体550bは、比誘電率が高いhigh-k材料である絶縁性材料を用いてもよい。ゲート絶縁体を、絶縁体550aと絶縁体550bとの積層構造とすることで、熱に対して安定、かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。したがって、ゲート絶縁体の物理膜厚を保持したまま、トランジスタ動作時に印加するゲート電位の低減化が可能となる。また、ゲート絶縁体として機能する絶縁体の等価酸化膜厚(EOT)の薄膜化が可能となる。よって、絶縁体550の絶縁耐圧を高くすることができる。
絶縁体554は、ゲート絶縁体の一部として機能する。絶縁体554としては、水素に対するバリア絶縁膜を用いることが好ましい。これにより、導電体560に含まれる水素等の不純物が、絶縁体550、及び酸化物530bに拡散するのを防ぐことができる。絶縁体554としては、上述した絶縁体576に用いることができる絶縁体を用いればよい。例えば、絶縁体554としてPEALD法で成膜した窒化シリコンを用いればよい。この場合、絶縁体554は、少なくとも窒素と、シリコンと、を有する絶縁体となる。
また、絶縁体554が、さらに酸素に対するバリア性を有してもよい。これにより、絶縁体550に含まれる酸素が、導電体560へ拡散するのを抑制することができる。
また、絶縁体554は、絶縁体552、絶縁体550、及び導電体560と、ともに、絶縁体580等に形成された開口に設ける必要がある。トランジスタ500の微細化を図るにあたって、絶縁体554の膜厚は薄いことが好ましい。絶縁体554の膜厚は、0.1nm以上、0.5nm以上、又は1.0nm以上とすることが好ましく、かつ3.0nm以下、又は5.0nm以下とすることが好ましい。なお、上述した下限値、及び上限値はそれぞれ組み合わせることができるものとする。この場合、絶縁体554は、少なくとも一部において、上記のような膜厚の領域を有していればよい。また、絶縁体554の膜厚は絶縁体550の膜厚より薄いことが好ましい。この場合、絶縁体554は、少なくとも一部において、絶縁体550より膜厚が薄い領域を有していればよい。
導電体560は、トランジスタ500の第1のゲート電極として機能する。導電体560は、導電体560aと、導電体560aの上に配置された導電体560bと、を有することが好ましい。例えば、導電体560aは、導電体560bの底面及び側面を包むように配置されることが好ましい。また、図7A及び図7Bに示すように、導電体560の上部の高さの位置は、絶縁体550の上部の高さの位置と概略一致している。なお、図7A及び図7Bでは、導電体560は、導電体560aと導電体560bの2層構造として示しているが、導電体560は、当該2層構造以外としては、単層構造、又は3層以上の積層構造とすることができる。
導電体560aは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子、銅原子等の不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子等の少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。
また、導電体560aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、絶縁体550に含まれる酸素により、導電体560bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、酸化ルテニウム等を用いることが好ましい。
また、導電体560は、配線としても機能するため、導電性が高い導電体を用いることが好ましい。例えば、導電体560bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、導電体560bは、積層構造とすることができる。具体的には、例えば、導電体560bは、チタン、又は窒化チタンと上記導電性材料との積層構造とすることができる。
また、トランジスタ500では、導電体560は、絶縁体580等に形成されている開口を埋めるように自己整合的に形成される。導電体560をこのように形成することにより、導電体542aと導電体542bとの間の領域に、導電体560を位置合わせすることなく確実に配置することができる。
また、図7Bに示すように、トランジスタ500のチャネル幅方向において、絶縁体522の底面を基準としたときの、導電体560の、導電体560と酸化物530bとが重ならない領域の底面の高さは、酸化物530bの底面の高さより低いことが好ましい。ゲート電極として機能する導電体560が、絶縁体550等を介して、酸化物530bのチャネル形成領域の側面及び上面を覆う構成とすることで、導電体560の電界を酸化物530bのチャネル形成領域全体に作用させやすくなる。よって、トランジスタ500のオン電流を増大させ、周波数特性を向上させることができる。絶縁体522の底面を基準としたときの、酸化物530a及び酸化物530bと、導電体560とが、重ならない領域における導電体560の底面の高さと、酸化物530bの底面の高さと、の差は、0nm以上、3nm以上、又は5nm以上とすることが好ましく、かつ20nm以下、50nm以下、又は100nm以下とすることが好ましい。なお、上述した下限値、及び上限値はそれぞれ組み合わせることができるものとする。
絶縁体580は、絶縁体544上に設けられ、絶縁体550、及び導電体560が設けられる領域に開口が形成されている。また、絶縁体580の上面は、平坦化されていてもよい。
層間膜として機能する絶縁体580は、誘電率が低いことが好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。絶縁体580は、例えば、絶縁体516と同様の材料を用いて設けることが好ましい。特に、酸化シリコン及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため好ましい。特に、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、空孔を有する酸化シリコン等の材料は、加熱により脱離する酸素を含む領域を容易に形成することができるため好ましい。
絶縁体580は、絶縁体580中の水、水素等の不純物濃度は低減されていることが好ましい。例えば、絶縁体580は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン等のシリコンを含む酸化物を適宜用いればよい。
絶縁体574は、水、水素等の不純物が、上方から絶縁体580に拡散するのを抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましく、水素等の不純物を捕獲する機能を有することが好ましい。また、絶縁体574は、酸素の透過を抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。絶縁体574としては、アモルファス構造を有する金属酸化物、例えば、酸化アルミニウム等の絶縁体を用いればよい。この場合、絶縁体574は、少なくとも酸素と、アルミニウムと、を有する絶縁体となる。絶縁体512と絶縁体581に挟まれた領域内で、絶縁体580に接して、水素等の不純物を捕獲する機能を有する、絶縁体574を設けることで、絶縁体580等に含まれる水素等の不純物を捕獲し、当該領域内における、水素の量を一定値にすることができる。特に、絶縁体574として、アモルファス構造を有する酸化アルミニウムを用いることで、より効果的に水素を捕獲又は固着できる場合があるため好ましい。これにより、良好な特性を有し、信頼性の高いトランジスタ500、及び半導体装置を作製することができる。
絶縁体576は、水、水素等の不純物が、上方から絶縁体580に拡散するのを抑制するバリア絶縁膜として機能する。絶縁体576は、絶縁体574の上に配置される。絶縁体576としては、窒化シリコン又は窒化酸化シリコン等の、シリコンを含む窒化物を用いることが好ましい。例えば、絶縁体576としてスパッタリング法で成膜された窒化シリコンを用いればよい。絶縁体576をスパッタリング法で成膜することで、密度が高い窒化シリコン膜を形成することができる。また、絶縁体576として、スパッタリング法で成膜された窒化シリコンの上に、さらに、PEALD法又は、CVD法で成膜された窒化シリコンを積層してもよい。
また、トランジスタ500の第1端子、又は第2端子の一方は、プラグとして機能する導電体540aに電気的に接続され、トランジスタ500の第1端子、又は第2端子の他方は、導電体540bに電気的に接続されている。なお、本明細書等では、導電体540a、及び導電体540bをまとめて導電体540と呼ぶこととする。
導電体540aは、一例として、導電体542aと重畳する領域に設けられている。具体的には、導電体542aと重畳する領域において、図7Aに示す絶縁体571、絶縁体544、絶縁体580、絶縁体574、絶縁体576、及び絶縁体581、更に図6に示す絶縁体582、及び絶縁体586には開口部が形成されており、導電体540aは、当該開口部の内側に設けられている。また、導電体540bは、一例として、導電体542bと重畳する領域に設けられている。具体的には、導電体542bと重畳する領域において、図7Aに示す絶縁体571、絶縁体544、絶縁体580、絶縁体574、絶縁体576、及び絶縁体581、更に図6に示す絶縁体582、及び絶縁体586には開口部が形成されており、導電体540bは、当該開口部の内側に設けられている。なお、絶縁体582、及び絶縁体586については後述する。
さらに、図7Aに示すとおり、導電体542aと重畳する領域の開口部の側面と導電体540aとの間には、不純物に対してバリア性を有する絶縁体として、絶縁体541aを設けてもよい。同様に、導電体542bと重畳する領域の開口部の側面と導電体540bとの間には、不純物に対してバリア性を有する絶縁体として、絶縁体541bを設けてもよい。なお、本明細書等では、絶縁体541a、及び絶縁体541bをまとめて絶縁体541と呼ぶこととする。
導電体540a及び導電体540bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、導電体540a及び導電体540bは積層構造としてもよい。
また、導電体540を積層構造とする場合、絶縁体574、絶縁体576、絶縁体581、絶縁体580、絶縁体544、及び絶縁体571の近傍に配置される第1の導電体には、水、水素等の不純物の透過を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。例えば、タンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、ルテニウム、酸化ルテニウム等を用いることが好ましい。また、水、水素等の不純物の透過を抑制する機能を有する導電性材料は、単層又は積層で用いてもよい。また、絶縁体576より上層に含まれる水、水素等の不純物が、導電体540a及び導電体540bを通じて酸化物530に混入することを抑制することができる。
絶縁体541a及び絶縁体541bとしては、絶縁体544等に用いることができるバリア絶縁膜を用いればよい。例えば、絶縁体541a及び絶縁体541bとして、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化酸化シリコン等の絶縁体を用いればよい。絶縁体541a及び絶縁体541bは、絶縁体580に接して設けられるので、絶縁体580等に含まれる水、水素等の不純物が、導電体540a及び導電体540bを通じて酸化物530に混入するのを抑制することができる。特に、窒化シリコンは水素に対するブロッキング性が高いので好適である。また、絶縁体580に含まれる酸素が導電体540a及び導電体540bに吸収されるのを防ぐことができる。
絶縁体541a及び絶縁体541bを、図7Aに示すように積層構造にする場合、絶縁体580等の開口の内壁に接する第1の絶縁体と、その内側の第2の絶縁体は、酸素に対するバリア絶縁膜と、水素に対するバリア絶縁膜を組み合わせて用いることが好ましい。
例えば、第1の絶縁体として、ALD法で成膜された酸化アルミニウムを用い、第2の絶縁体として、PEALD法で成膜された窒化シリコンを用いればよい。このような構成にすることで、導電体540の酸化を抑制し、さらに、導電体540に水素が混入するのを低減することができる。
なお、トランジスタ500では、絶縁体541の第1の絶縁体及び絶縁体541の第2の導電体を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、絶縁体541を単層、又は3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。また、トランジスタ500では、導電体540の第1の導電体及び導電体540の第2の導電体を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体540を単層、又は3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。
また、図6に示すとおり、導電体540aの上部、及び導電体540bの上部に接して配線として機能する導電体610、導電体612等を配置してもよい。導電体610、導電体612は、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、当該導電体は、積層構造としてもすることができる。具体的には、例えば、当該導電体は、チタン、又は窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。なお、当該導電体は、絶縁体に設けられた開口に埋め込むように形成してもよい。
なお、本発明の一態様の半導体装置に含まれるトランジスタの構造は、図6、図7A、図7B、及び図8に示したトランジスタ500に限定されない。本発明の一態様の半導体装置に含まれるトランジスタの構造は、状況に応じて、変更してもよい。
例えば、図6、図7A、図7B、及び図8に示すトランジスタ500は、図10に示す構成としてもよい。図10のトランジスタは、酸化物543a、及び酸化物543bを有する点で、図6、図7A、図7B、及び図8に示すトランジスタ500と異なっている。なお、本明細書等では、酸化物543a、及び酸化物543bをまとめて酸化物543と呼ぶこととする。また、図10のトランジスタのチャネル幅方向の断面の構成については、図7B示すトランジスタ500の断面と同様の構成とすることができる。
酸化物543aは、酸化物530bと導電体542aの間に設けられ、酸化物543bは、酸化物530bと導電体542bの間に設けられる。ここで、酸化物543aは、酸化物530bの上面、及び導電体542aの下面に接することが好ましい。また、酸化物543bは、酸化物530bの上面、及び導電体542bの下面に接することが好ましい。
酸化物543は、酸素の透過を抑制する機能を有することが好ましい。ソース電極、又はドレイン電極として機能する導電体542と酸化物530bとの間に酸素の透過を抑制する機能を有する酸化物543を配置することで、導電体542と、酸化物530bとの間の電気抵抗が低減されるので好ましい。このような構成とすることで、トランジスタ500の電気特性、電界効果移動度、及び信頼性を向上させることができる場合がある。
また、酸化物543として、元素Mを有する金属酸化物を用いてもよい。特に、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、又は錫を用いるとよい。また、酸化物543は、酸化物530bよりも元素Mの濃度が高いことが好ましい。また、酸化物543として、酸化ガリウムを用いてもよい。また、酸化物543として、In-M-Zn酸化物等の金属酸化物を用いてもよい。具体的には、酸化物に用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物530bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物543の膜厚は、0.5nm以上、又は1nm以上であることが好ましく、かつ2nm以下、3nm以下、又は5nm以下であることが好ましい。なお、上述した下限値、及び上限値はそれぞれ組み合わせることができるものとする。また、酸化物543は、結晶性を有すると好ましい。酸化物543が結晶性を有する場合、酸化物530中の酸素の放出を好適に抑制することが出来る。例えば、酸化物543としては、六方晶等の結晶構造であれば、酸化物530中の酸素の放出を抑制できる場合がある。
絶縁体581上には、絶縁体582が設けられ、絶縁体582上には絶縁体586が設けられている。
絶縁体582は、酸素、及び水素に対してバリア性のある物質を用いることが好ましい。したがって、絶縁体582には、絶縁体514と同様の材料を用いることができる。例えば、絶縁体582には、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル等の金属酸化物を用いることが好ましい。
また、絶縁体586は、絶縁体320と同様の材料を用いることができる。また、これらの絶縁体に、比較的誘電率が低い材料を適用することで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体586として、酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜等を用いることができる。
続いて、図6、及び図8に示す半導体装置に含まれている。容量600、及びその周辺の配線、又はプラグについて説明する。なお、図6、及び図8に示すトランジスタ500の上方には、容量600と、配線、及び/又はプラグが設けられている。
容量600は、一例として、導電体610と、導電体620、絶縁体630とを有する。
導電体540a又は導電体540bの一方、導電体546、及び絶縁体586上には、導電体610が設けられている。導電体610は、容量600の一対の電極の一方としての機能を有する。
また、導電体540a、又は導電体540bの他方、及び絶縁体586上には、導電体612が設けられる。導電体612は、トランジスタ500と、上方に配置される回路素子、配線等と、を電気的に接続するプラグ、配線、端子等としての機能を有する。
なお、導電体612、及び導電体610は、同時に形成してもよい。
導電体612、及び導電体610には、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた元素を含む金属膜、又は上述した元素を成分とする金属窒化物膜(窒化タンタル膜、窒化チタン膜、窒化モリブデン膜、窒化タングステン膜)等を用いることができる。又は、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物等の導電性材料を適用することもできる。
図6では、導電体612、及び導電体610は単層構造を示したが、当該構成に限定されず、2層以上の積層構造でもよい。例えば、バリア性を有する導電体と導電性が高い導電体との間に、バリア性を有する導電体、及び導電性が高い導電体に対して密着性が高い導電体を形成してもよい。
絶縁体586、導電体610上には、絶縁体630が設けられている。絶縁体630は、容量600の一対の電極に挟まれる誘電体として機能する。
絶縁体630としては、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、窒化酸化ハフニウム、窒化ハフニウム、酸化ジルコニウム等を用いることができる。また、絶縁体630は、上述した材料を用いて、積層又は単層として設けることができる。
また、例えば、絶縁体630には、酸化窒化シリコン等の絶縁耐力が大きい材料と、高誘電率(high-k)材料との積層構造を用いてもよい。当該構成により、容量600は、高誘電率(high-k)の絶縁体を有することで、十分な容量を確保でき、絶縁耐力が大きい絶縁体を有することで、絶縁耐力が向上し、容量600の静電破壊を抑制することができる。
なお、高誘電率(high-k)材料(高い比誘電率の材料)の絶縁体としては、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、アルミニウム及びハフニウムを有する酸化物、アルミニウム及びハフニウムを有する酸化窒化物、シリコン及びハフニウムを有する酸化物、シリコン及びハフニウムを有する酸化窒化物又はシリコン及びハフニウムを有する窒化物等がある。
又は、絶縁体630は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)又は(Ba、Sr)TiO3(BST)等のhigh-k材料を含む絶縁体を単層又は積層で用いてもよい。また、絶縁体630としては、ハフニウムと、ジルコニウムとが含まれる化合物等を用いても良い。半導体装置の微細化、及び高集積化が進むと、ゲート絶縁体、及び容量素子に用いる誘電体の薄膜化により、トランジスタ、容量素子等のリーク電流等の問題が生じる場合がある。ゲート絶縁体、及び容量素子に用いる誘電体として機能する絶縁体にhigh-k材料を用いることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減、及び容量素子の容量の確保が可能となる。
絶縁体630を介して、導電体610と重畳するように、導電体620を設ける。導電体610は、容量600の一対の電極の一方としての機能を有する。
なお、導電体620は、金属材料、合金材料、又は金属酸化物材料等の導電性材料を用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステン、モリブデン等の高融点材料を用いることが好ましく、特にタングステンを用いることが好ましい。また、導電体等の他の構造と同時に形成する場合は、低抵抗金属材料であるCu(銅)、Al(アルミニウム)等を用いればよい。また、例えば、導電体620は、導電体610に適用できる材料を用いることができる。また、導電体620は、単層構造ではなく、2層以上の積層構造としてもよい。
導電体620、及び絶縁体630上には、絶縁体640が設けられている。絶縁体640としては、例えば、トランジスタ500が設けられている領域に、水素、不純物等が拡散しないようなバリア性を有する膜を用いることが好ましい。したがって、絶縁体324と同様の材料を用いることができる。
絶縁体640上には、絶縁体650が設けられている。絶縁体650は、絶縁体320と同様の材料を用いて設けることができる。また、絶縁体650は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。そのため、絶縁体650としては、例えば、絶縁体324に適用できる材料とすることができる。
ところで、図6、及び図8に示す容量600は、プレーナ型としているが、容量素子の形状はこれに限定されない。容量600は、プレーナ型ではなく、例えば、シリンダ型としてもよい。
また、容量600の上方には、配線層を設けてもよい。例えば、図6において、絶縁体411、絶縁体412、絶縁体413、及び絶縁体414が、絶縁体650の上方に、順に設けられている。また、絶縁体411、絶縁体412、及び絶縁体413には、プラグ、又は配線として機能する導電体416が設けられている構成を示している。また、導電体416は、一例として、後述する導電体660に重畳する領域に設けることができる。
また、絶縁体630、絶縁体640、及び絶縁体650には、導電体612と重畳する領域に開口部が設けられ、当該開口部を埋めるように導電体660が設けられている。導電体660は、上述した配線層に含まれている導電体416に電気的に接続するプラグ、配線として機能する。
絶縁体411、及び絶縁体414は、例えば、絶縁体324等と同様に、水、水素等の不純物に対するバリア性を有する絶縁体を用いることが好ましい。そのため、絶縁体411、及び絶縁体414としては、例えば、絶縁体324等に適用できる材料を用いることができる。
絶縁体412、及び絶縁体413は、例えば、絶縁体326と同様に、配線間に生じる寄生容量を低減するために、比誘電率が比較的低い絶縁体を用いることが好ましい。
また、導電体612、及び導電体416は、例えば、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
<トランジスタと強誘電キャパシタの構成例>
次に、金属酸化物がチャネル形成領域に含まれているトランジスタ500内に、またその周辺に強誘電性を有しうる誘電体が設けられている構成について説明する。
図11Aは、図6、図7A等のトランジスタ500の構成に強誘電性を有しうる誘電体が設けられた、トランジスタの構成の一例を示している。
図11Aに示すトランジスタは、第2のゲート絶縁体として機能する絶縁体522を絶縁体520に置き換えた構成となっている。絶縁体520は、一例として、強誘電性を有しうる誘電体を用いることができる。
このため、図11Aのトランジスタは、第2のゲート電極として機能する導電体503と、酸化物530と、の間に強誘電キャパシタを設けることができる。換言すると、図11Aのトランジスタは、第2のゲート絶縁体の一部に強誘電性を有しうる誘電体が設けられた、FeFET(Ferroelectric FET)とすることができる。
なお、強誘電性を有しうる材料として、上記実施の形態に示した容量FECの誘電体に用いることができる材料と同様の材料を用いることができる。
また、図11Aにおいて、絶縁体520は1層として図示したが、絶縁体520は、強誘電性を有しうる誘電体を含む2層以上の絶縁膜としてもよい。その具体的な一例のトランジスタを図11Bに示す。図11Bにおいて、例えば、絶縁体520は、絶縁体520aと絶縁体520bとを有する。絶縁体520aは、絶縁体516と、導電体503と、のそれぞれの上面に設けられ、絶縁体520bは、絶縁体520aの上面に設けられている。
絶縁体520aとしては、例えば、強誘電性を有しうる誘電体を用いることができる。また、絶縁体520bとしては、例えば、酸化シリコン等を用いることができる。また、例えば、逆に絶縁体520aに酸化シリコンを用いて、絶縁体520bに強誘電性を有しうる誘電体を用いてもよい。
図11Bに示すとおり、絶縁体520を2層として、一方の層に強誘電性を有しうる誘電体を設けて、他方の層に酸化シリコンを設けることで、ゲート電極として機能する導電体503と酸化物530との間に流れる電流リークを抑えることができる。
また、図11Cには、絶縁体520を3層とする、トランジスタの構成例を示している。図11Cにおいて、絶縁体520は、例えば、絶縁体520aと、絶縁体520bと、絶縁体520cと、を有する。絶縁体520cは、絶縁体516と、導電体503と、のそれぞれの上面に設けられ、絶縁体520aは、絶縁体520cの上面に設けられ、絶縁体520bは、絶縁体520aの上面に設けられている。
絶縁体520aとしては、例えば、強誘電性を有しうる誘電体を用いることができる。また、絶縁体520b、及び絶縁体520cとしては、例えば、酸化シリコン等を用いることができる。
図11A乃至図11Cに示す、トランジスタと強誘電キャパシタのそれぞれの構成は、例えば、上記実施の形態で説明した、図2A等に示すトランジスタM1及び容量FEC等に適用することができる。
図12は、図11A乃至図11Cのそれぞれのトランジスタとは異なる、図6、図7A等のトランジスタ500の構成に強誘電性を有しうる誘電体が設けられた、トランジスタの構成の一例を示している。
図12に示すトランジスタは、第1のゲート絶縁体として機能する絶縁体552、絶縁体550、及び絶縁体554と、第1のゲート電極として機能する導電体560と、絶縁体580の一部の領域と、の上方に、強誘電性を有しうる誘電体が設けられた、トランジスタの構成の一例を示している。
具体的には、絶縁体552と、絶縁体550と、絶縁体554と、導電体560と、絶縁体580の一部の領域と接するように、絶縁体561が設けられている。絶縁体561は、一例として、図11Aの絶縁体520に適用できる、強誘電性を有しうる誘電体を用いることができる。
また、絶縁体561の上部には、導電体562が接するように設けられている。導電体562としては、例えば、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
このため、図12のトランジスタの構成によって、第1のゲート電極として機能する導電体503と、導電体562と、の間に強誘電キャパシタを設けることができる。
なお、絶縁体561は、図11B、及び図11Cに示した絶縁体520と同様に、2層以上の積層構造としてもよい。
また、図12に示す、トランジスタと強誘電キャパシタのそれぞれの構成は、例えば、上記実施の形態で説明した、図2A等に示すトランジスタM2及び容量FEC等に適用することができる。
図13Aは、図11A乃至図11C、及び図12のそれぞれのトランジスタとは異なる、図6、図7A等のトランジスタ500の構成に強誘電性を有しうる誘電体が設けられた、トランジスタの構成の一例を示している。
図13Aに示すトランジスタには、導電体542bに重畳する領域における、絶縁体544、絶縁体571b、絶縁体580、絶縁体574、絶縁体576、絶縁体581に設けられている開口部内に、絶縁体602が設けられている。具体的には、当該開口部内において、当該開口部の側面に絶縁体541bが設けられ、絶縁体541b上と、当該開口部の底部である導電体542b上と、に導電体540bが設けられ、絶縁体581の一部の領域上と、導電体540b上と、に絶縁体602が設けられ、残りの開口部を埋めるように、絶縁体602上に導電体613が設けられている。
なお、別の具体的な構成例としては、当該開口部内において、当該開口部の側面に絶縁体541bが設けられ、絶縁体541b上に導電体540bが設けられ、絶縁体581の一部の領域上と、導電体540b上と、当該開口部の底部である導電体542b上と、に絶縁体602が設けられ、残りの開口部を埋めるように、絶縁体602上に導電体613が設けられていてもよい。
絶縁体602は、一例として、図11Aの絶縁体520に適用できる、強誘電性を有しうる誘電体を用いることができる。
導電体613は、例えば、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
このため、図13Aのトランジスタの構成によって、導電体542bに重畳する領域に含まれる開口部内に、導電体540bと、導電体613と、の間に強誘電キャパシタを設けることができる。
なお、絶縁体602は、図11B、及び図11Cに示す絶縁体520と同様に、2層以上の積層構造としてもよい。
また、図13Aに示す、トランジスタと強誘電キャパシタのそれぞれの構成は、例えば、上記実施の形態で説明した、図2A等に示すトランジスタM2及び容量FEC等に適用することができる。
図13Bは、図11A乃至図11C、図12、及び図13Aのそれぞれのトランジスタとは異なる、図6、図7A等のトランジスタ500の構成に強誘電性を有しうる誘電体が設けられた、トランジスタの構成の一例を示している。
図13Bに示すトランジスタは、第1のゲート絶縁体として機能する絶縁体552、絶縁体550、及び絶縁体554を絶縁体553に置き換えた構成となっている。絶縁体553は、一例として、図11Aの絶縁体520に適用できる、強誘電性を有しうる誘電体を用いることができる。
このため、図13Bのトランジスタは、第1のゲート電極として機能する導電体560と、酸化物530と、の間に強誘電キャパシタを設けることができる。換言すると、図13Bのトランジスタは、第1のゲート絶縁体の一部に強誘電性を有しうる誘電体が設けられた、FeFETとすることができる。
なお、絶縁体553は、図11B、及び図11Cに示す絶縁体520と同様に、2層以上の積層構造としてもよい。
また、図13Bでは、絶縁体552、絶縁体550、及び絶縁体554を絶縁体553に置き換えた構成としたが、別の構成例としては、絶縁体552、絶縁体550、及び絶縁体554の少なくとも一を絶縁体553に置き換えて、残りの絶縁体と絶縁体553との積層構造とした構成としてもよい。
また、図13Bに示す、トランジスタと強誘電キャパシタのそれぞれの構成は、例えば、上記実施の形態で説明した、図2A等に示すトランジスタM2及び容量FEC等に適用することができる。
図14Aは、トランジスタ500の周辺に、強誘電性を有しうる誘電体を含む容量が設けられた、トランジスタ500と当該容量の構成の一例を示している。
図14Aに示すトランジスタは、一例として、導電体542bと重畳する領域において、絶縁体544、絶縁体571b、絶縁体580、絶縁体574、絶縁体576、絶縁体581に複数の開口部が形成されている。また、1つの開口部の内側には、プラグとして機能する導電体540cが設けられ、また、当該開口部の側面と導電体540cとの間には、不純物に対してバリア性を有する絶縁体として、絶縁体541cが設けられている。また、別の1つの開口部の内側には、プラグとして機能する導電体540dが設けられ、また、当該開口部の側面と導電体540dとの間には、不純物に対してバリア性を有する絶縁体として、絶縁体541dが設けられている。なお、導電体540c、及び導電体540dとしては、例えば、導電体540a、及び導電体540bに適用できる材料を用いることができ、また、絶縁体541c、及び絶縁体541dとしては、例えば、絶縁体541a、及び絶縁体541bに適用できる材料を用いることができる。
導電体540c、及び導電体540dの上部には、絶縁体601が接するように設けられている。絶縁体601は、一例として、図11Aの絶縁体520に適用できる、強誘電性を有しうる誘電体を用いることができる。
また、絶縁体601の上部には、導電体611が接するように設けられている。導電体611としては、例えば、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
このため、図14Aに示す構成によって、プラグとして機能する導電体540c及び導電体540dと、導電体611と、の間に強誘電キャパシタを設けることができる。
なお、絶縁体601は、図11B、及び図11Cに示す絶縁体520と同様に、2層以上の積層構造としてもよい。
また、図14Aでは、絶縁体601に接しているプラグの数は2つ(導電体540c及び導電体540d)となっているが、当該プラグの数は1つでもよいし、3つ以上としてもよい。換言すると、図14Aでは、絶縁体601に重畳する領域において、プラグとして導電体を有する2つの開口部が設けられた例を図示したが、絶縁体601に重畳する領域に設けられる開口部は1つでもよいし、3つ以上としてもよい。
また、図14Aに示す、トランジスタと強誘電キャパシタのそれぞれの構成は、例えば、上記実施の形態で説明した、図2A等に示すトランジスタM2及び容量FEC等に適用することができる。
図14Bは、図14Aとは異なる、トランジスタ500の周辺に、強誘電性を有しうる誘電体を含む容量が設けられた、トランジスタ500と当該容量の構成の一例を示している。
図14Bに示すトランジスタにおいて、プラグとして機能する導電体540b上に位置する導電体610、及び絶縁体581の一部の領域の上面には、絶縁体631が設けられている。絶縁体631は、一例として、図11Aの絶縁体520に適用できる、強誘電性を有しうる誘電体を用いることができる。
また、絶縁体631の上面には、導電体620が設けられ、また、絶縁体581と、導電体612と、導電体620と、絶縁体631の一部の領域と、の上面には、絶縁体640、及び絶縁体650が順に設けられている。
このため、図14Bに示す構成によって、導電体610と、導電体620と、の間に強誘電キャパシタを設けることができる。
なお、絶縁体631は、図11B、及び図11Cに示す絶縁体520と同様に、2層以上の積層構造としてもよい。
図14Bに示すトランジスタと強誘電キャパシタのそれぞれの構成は、例えば、上記実施の形態で説明した、図2A等に示すトランジスタM1及び容量FEC等に適用することができる。
図15は、図14A、及び図14Bとは異なる、トランジスタ500の周辺に、強誘電性を有しうる誘電体を含む容量が設けられた、トランジスタ500と当該容量の構成の一例を示している。
図15において、絶縁体516には複数の開口が形成されており、一の開口には導電体503が埋め込まれており、別の開口には導電体503Aが埋め込まれている。
導電体503Aとしては、例えば、導電体503に適用できる材料を用いることができる。
また、導電体503Aの上部には、絶縁体517と、導電体519と、が順に設けられている。また、絶縁体517、及び導電体519上には、図7Aのトランジスタ500で説明した絶縁体522が覆われている。また、絶縁体522上には、図7Aのトランジスタ500で説明した絶縁体544が覆われている。
絶縁体517としては、一例として、図11Aの絶縁体520に適用できる、強誘電性を有しうる誘電体を用いることができる。
導電体519としては、例えば、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
このため、図15に示す構成によって、導電体503Aと、導電体519と、の間に強誘電キャパシタを設けることができる。
なお、絶縁体517は、図11B、及び図11Cに示す絶縁体520と同様に、2層以上の積層構造としてもよい。
また、絶縁体581まで設けた後に、導電体503に重畳する領域において、絶縁体522、絶縁体544、絶縁体580、絶縁体574、絶縁体576、及び絶縁体581に開口部が形成される。また、当該開口部の内側には、プラグとして機能する導電体540eが設けられ、また、当該開口部の側面と導電体540eとの間には、不純物に対してバリア性を有する絶縁体として、絶縁体541eが設けられている。なお、導電体540eとしては、例えば、導電体540a、及び導電体540bに適用できる材料を用いることができ、また、絶縁体541eとしては、例えば、絶縁体541a、及び絶縁体541bに適用できる材料を用いることができる。
また、プラグとして機能する導電体540a及び540eと、絶縁体581の一部の領域の上面には、導電体611が設けられている。導電体611としては、例えば、導電体328、及び導電体330と同様の材料を用いて設けることができる。
また、導電体611と、絶縁体581の一部の領域と、の上面には、絶縁体640、及び絶縁体650が順に設けられている。
図15に示すトランジスタと強誘電キャパシタのそれぞれの構成は、例えば、上記実施の形態で説明した、図2A等に示すトランジスタM1及び容量FEC等に適用することができる。
<半導体装置の構成例2>
次に、上述した半導体装置に、強誘電キャパシタを備えた場合の構成例を説明する。
図16は、図6に示した半導体装置において、絶縁体582、及び導電体546の上面に位置する容量600の構成を変更した例を示している。
具体的には、容量600は、一例として、導電体610と、導電体620と、絶縁体630と、絶縁体631と、を有する。特に、絶縁体631としては、図14Bで説明したとおり、強誘電性を有しうる誘電体を用いることができる。
図16において、導電体610、及び導電体612は、図6の導電体610、及び導電体612と同様の材料とすることができる。また、図16において、導電体610、及び導電体612は、図6の導電体610、及び導電体612と同様の方法で形成することができる。
また、図16において、絶縁体630は、導電体610と、絶縁体586の一部の領域と、の上面に設けられている。また、絶縁体631は、絶縁体630の上面に設けられ、導電体620は、絶縁体631の上面に設けられている。
絶縁体630としては、例えば、図6の絶縁体630に適用できる材料を用いることができる。
また、図16において、絶縁体640は、絶縁体630の端部を含む領域と、絶縁体631の端部を含む領域と、導電体620と、絶縁体586の一部の領域と、の上面に設けられている。
絶縁体640としては、例えば、図6の絶縁体640に適用できる材料を用いることができる。
図16のとおり、容量600の構成を適用することによって、図6に示した半導体装置に、強誘電キャパシタを設けることができる。
次に、図16とは異なる、強誘電キャパシタを備えた場合の半導体装置の構成例について、説明する。
図17に示す半導体装置は、図16の半導体装置の変形例であって、絶縁体571、絶縁体544、絶縁体574、絶縁体576、絶縁体581、絶縁体641、絶縁体642等によって、トランジスタ500と、容量600を取り囲む構造となっている。
また、図6、及び図16のそれぞれの半導体装置では、基板310から絶縁体574までが順に設けられた後に、絶縁体514まで達する開口部が設けられているが、図17の半導体装置では、基板310から絶縁体640までが順に設けられた後に、絶縁体514まで達する開口部が設けられている。
また、図17の半導体装置において、当該開口部の底部と、絶縁体640と、の上面には、絶縁体641、絶縁体642、及び絶縁体650が順に設けられている。
絶縁体641、絶縁体642としては、例えば、水、水素等の不純物が、トランジスタ500、及び容量600の上方からトランジスタ500、及び容量600に拡散するのを抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。
絶縁体641の成膜方法としては、例えば、スパッタリング法を用いることができる。例えば、絶縁体641として、スパッタリング法で成膜した窒化シリコンを用いることができる。スパッタリング法は、成膜ガスに水素を含む分子を用いなくてよいので、絶縁体641の水素濃度を低減することができる。絶縁体641の水素濃度が低減されていることで、絶縁体641から、導電体610、導電体612、及び絶縁体586に水素が拡散することを抑制できる。
絶縁体642としては、例えば、ALD法、特にPEALD法を用いて成膜することが好ましい。例えば、絶縁体642として、PEALD法で成膜した窒化シリコンを用いることができる。これにより、絶縁体642を被覆性良く成膜することができるので、下地の凹凸によって絶縁体641にピンホール又は段切れ等が形成されたとしても、絶縁体642でそれらを覆うことで、水素が導電体610、導電体612、及び絶縁体586に拡散することを低減することができる。
図17に示す構成を適用することによって、水、水素等の不純物が、絶縁体512、絶縁体514、絶縁体641、絶縁体642等を介して、トランジスタ500、及び容量600側への拡散を防ぐことができる。また、絶縁体580等に含まれる酸素が、絶縁体574、絶縁体641、絶縁体642等を介して、外部への拡散を防ぐことができる。
酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置として、本実施の形態で説明した本構造を適用することにより、当該トランジスタの電気特性の変動を抑制するとともに、信頼性を向上させることができる。
また、酸化物半導体を有するトランジスタを用いた半導体装置において、積層構造、微細化、高集積化等を図ることで、半導体装置を構成する回路の面積を低減することができる。特に、半導体装置に含まれる容量素子として、強誘電キャパシタを用いることによって、当該容量素子の静電容量の値を大きくすることができるため、容量素子の微細化を図ることができる。このため、当該容量素子を含む回路の面積を低減することができる。また、本実施の形態で説明したとおり、トランジスタ及び容量素子を積層することにより、半導体装置の回路面積の増加を抑えつつ、回路規模が大きくすることができる。
本実施の形態は、本明細書等で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記の実施の形態で説明したOSトランジスタに用いることができる金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう。)について説明する。
金属酸化物は、少なくともインジウム又は亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウム及び亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、スズ等が含まれていることが好ましい。また、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウム、コバルト等から選ばれた一種、又は複数種が含まれていてもよい。
<結晶構造の分類>
まず、酸化物半導体における、結晶構造の分類について、図18Aを用いて説明を行う。図18Aは、酸化物半導体、代表的にはIGZO(Inと、Gaと、Znと、を含む金属酸化物)の結晶構造の分類を説明する図である。
図18Aに示すように、酸化物半導体は、大きく分けて「Amorphous(無定形)」と、「Crystalline(結晶性)」と、「Crystal(結晶)」と、に分類される。また、「Amorphous」の中には、completely amorphousが含まれる。また、「Crystalline」の中には、CAAC(c-axis-aligned crystalline)、nc(nanocrystalline)、及びCAC(Cloud-Aligned Composite)が含まれる。なお、「Crystalline」の分類には、single crystal、poly crystal、及びcompletely amorphousは除かれる。また、「Crystal」の中には、single crystal、及びpoly crystalが含まれる。
なお、図18Aに示す太枠内の構造は、「Amorphous(無定形)」と、「Crystal(結晶)」との間の中間状態であり、新しい境界領域(New crystalline phase)に属する構造である。すなわち、当該構造は、エネルギー的に不安定な「Amorphous(無定形)」、及び「Crystal(結晶)」とは全く異なる構造と言い換えることができる。
なお、膜又は基板の結晶構造は、X線回折(XRD:X-Ray Diffraction)スペクトルを用いて評価することができる。ここで、「Crystalline」に分類されるCAAC-IGZO膜のGIXD(Grazing-Incidence XRD)測定で得られるXRDスペクトルを図18Bに示す。なお、GIXD法は、薄膜法又はSeemann-Bohlin法ともいう。以降、図18Bに示すGIXD測定で得られるXRDスペクトルを、単にXRDスペクトルと記す場合がある。なお、図18Bに示すCAAC-IGZO膜の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]近傍である。また、図18Bに示すCAAC-IGZO膜の厚さは、500nmである。
図18Bに示すように、CAAC-IGZO膜のXRDスペクトルでは、明確な結晶性を示すピークが検出される。具体的には、CAAC-IGZO膜のXRDスペクトルでは、2θ=31°近傍に、c軸配向を示すピークが検出される。なお、図18Bに示すように、2θ=31°近傍のピークは、ピーク強度(intensity)が検出された角度を軸に左右非対称である。
また、膜又は基板の結晶構造は、極微電子線回折法(NBED:Nano Beam Electron Diffraction)によって観察される回折パターン(極微電子線回折パターンともいう。)にて評価することができる。CAAC-IGZO膜の回折パターンを、図18Cに示す。図18Cは、電子線を基板に対して平行に入射するNBEDによって観察される回折パターンである。なお、図18Cに示すCAAC-IGZO膜の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]近傍である。また、極微電子線回折法では、プローブ径を1nmとして電子線回折が行われる。
図18Cに示すように、CAAC-IGZO膜の回折パターンでは、c軸配向を示す複数のスポットが観察される。
<<酸化物半導体の構造>>
なお、酸化物半導体は、結晶構造に着目した場合、図18Aとは異なる分類となる場合がある。例えば、酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、上述のCAAC-OS、及びnc-OSがある。また、非単結晶酸化物半導体には、多結晶酸化物半導体、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)、非晶質酸化物半導体、等が含まれる。
ここで、上述のCAAC-OS、nc-OS、及びa-like OSの詳細について、説明を行う。
[CAAC-OS]
CAAC-OSは、複数の結晶領域を有し、当該複数の結晶領域はc軸が特定の方向に配向している酸化物半導体である。なお、特定の方向とは、CAAC-OS膜の厚さ方向、CAAC-OS膜の被形成面の法線方向、又はCAAC-OS膜の表面の法線方向である。また、結晶領域とは、原子配列に周期性を有する領域である。なお、原子配列を格子配列とみなすと、結晶領域とは、格子配列の揃った領域でもある。さらに、CAAC-OSは、a-b面方向において複数の結晶領域が連結する領域を有し、当該領域は歪みを有する場合がある。なお、歪みとは、複数の結晶領域が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。つまり、CAAC-OSは、c軸配向し、a-b面方向には明らかな配向をしていない酸化物半導体である。
なお、上記複数の結晶領域のそれぞれは、1つ又は複数の微小な結晶(最大径が10nm未満である結晶)で構成される。結晶領域が1つの微小な結晶で構成されている場合、当該結晶領域の最大径は10nm未満となる。また、結晶領域が多数の微小な結晶で構成されている場合、当該結晶領域の大きさは、数十nm程度となる場合がある。
また、In-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、スズ、チタン等から選ばれた一種、又は複数種)において、CAAC-OSは、インジウム(In)、及び酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛(Zn)、及び酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能である。よって、(M,Zn)層にはインジウムが含まれる場合がある。また、In層には元素Mが含まれる場合がある。なお、In層にはZnが含まれる場合もある。当該層状構造は、例えば、高分解能TEM像において、格子像として観察される。
CAAC-OS膜に対し、例えば、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut-of-plane XRD測定では、c軸配向を示すピークが2θ=31°又はその近傍に検出される。なお、c軸配向を示すピークの位置(2θの値)は、CAAC-OSを構成する金属元素の種類、組成等により変動する場合がある。
また、例えば、CAAC-OS膜の電子線回折パターンにおいて、複数の輝点(スポット)が観測される。なお、あるスポットと別のスポットとは、試料を透過した入射電子線のスポット(ダイレクトスポットともいう。)を対称中心として、点対称の位置に観測される。
上記特定の方向から結晶領域を観察した場合、当該結晶領域内の格子配列は、六方格子を基本とするが、単位格子は正六角形とは限らず、非正六角形である場合がある。また、上記歪みにおいて、五角形、七角形等の格子配列を有する場合がある。なお、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリー)を確認することはできない。即ち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向において酸素原子の配列が稠密でないこと、金属原子が置換することで原子間の結合距離が変化すること、等によって、歪みを許容することができるためと考えられる。
なお、明確な結晶粒界が確認される結晶構造は、いわゆる多結晶(polycrystal)と呼ばれる。結晶粒界は、再結合中心となり、キャリアが捕獲されトランジスタのオン電流の低下、電界効果移動度の低下等を引き起こす可能性が高い。よって、明確な結晶粒界が確認されないCAAC-OSは、トランジスタの半導体層に好適な結晶構造を有する結晶性の酸化物の一つである。なお、CAAC-OSを構成するには、Znを有する構成が好ましい。例えば、In-Zn酸化物、及びIn-Ga-Zn酸化物は、In酸化物よりも結晶粒界の発生を抑制できるため好適である。
CAAC-OSは、結晶性が高く、明確な結晶粒界が確認されない酸化物半導体である。よって、CAAC-OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、酸化物半導体の結晶性は不純物の混入、及び欠陥の生成等によって低下する場合があるため、CAAC-OSは不純物、欠陥(酸素欠損等)等の少ない酸化物半導体ともいえる。従って、CAAC-OSを有する酸化物半導体は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する酸化物半導体は熱に強く、信頼性が高い。また、CAAC-OSは、製造工程における高い温度(所謂サーマルバジェット)に対しても安定である。したがって、OSトランジスタにCAAC-OSを用いると、製造工程の自由度を広げることが可能となる。
[nc-OS]
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。別言すると、nc-OSは、微小な結晶を有する。なお、当該微小な結晶の大きさは、例えば、1nm以上10nm以下、特に1nm以上3nm以下であることから、当該微小な結晶をナノ結晶ともいう。また、nc-OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OS、及び非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。例えば、nc-OS膜に対し、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut-of-plane XRD測定では、結晶性を示すピークが検出されない。また、nc-OS膜に対し、ナノ結晶よりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子線回折(制限視野電子線回折ともいう。)を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc-OS膜に対し、ナノ結晶の大きさと近いかナノ結晶より小さいプローブ径(例えば1nm以上30nm以下)の電子線を用いる電子線回折(ナノビーム電子線回折ともいう。)を行うと、ダイレクトスポットを中心とするリング状の領域内に複数のスポットが観測される電子線回折パターンが取得される場合がある。
[a-like OS]
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。a-like OSは、鬆又は低密度領域を有する。即ち、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、結晶性が低い。また、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、膜中の水素濃度が高い。
<<酸化物半導体の構成>>
次に、上述のCAC-OSの詳細について、説明を行う。なお、CAC-OSは材料構成に関する。
[CAC-OS]
CAC-OSとは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、又はその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つ又は複数の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、又はその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、又はパッチ状ともいう。
さらに、CAC-OSとは、第1の領域と、第2の領域と、に材料が分離することでモザイク状となり、当該第1の領域が、膜中に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。つまり、CAC-OSは、当該第1の領域と、当該第2の領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。
ここで、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSを構成する金属元素に対するIn、Ga、及びZnの原子数比のそれぞれを、[In]、[Ga]、及び[Zn]と表記する。例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSにおいて、第1の領域は、[In]が、CAC-OS膜の組成における[In]よりも大きい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、CAC-OS膜の組成における[Ga]よりも大きい領域である。又は、例えば、第1の領域は、[In]が、第2の領域における[In]よりも大きく、且つ、[Ga]が、第2の領域における[Ga]よりも小さい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、第1の領域における[Ga]よりも大きく、且つ、[In]が、第1の領域における[In]よりも小さい領域である。
具体的には、上記第1の領域は、インジウム酸化物、インジウム亜鉛酸化物等が主成分である領域である。また、上記第2の領域は、ガリウム酸化物、ガリウム亜鉛酸化物等が主成分である領域である。つまり、上記第1の領域を、Inを主成分とする領域と言い換えることができる。また、上記第2の領域を、Gaを主成分とする領域と言い換えることができる。
なお、上記第1の領域と、上記第2の領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、Inを主成分とする領域(第1の領域)と、Gaを主成分とする領域(第2の領域)とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC-OSをトランジスタに用いる場合、第1の領域に起因する導電性と、第2の領域に起因する絶縁性とが、相補的に作用することにより、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OSに付与することができる。つまり、CAC-OSとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。導電性の機能と絶縁性の機能とを分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。よって、CAC-OSをトランジスタに用いることで、高いオン電流(Ion)、高い電界効果移動度(μ)、及び良好なスイッチング動作を実現することができる。
酸化物半導体は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-like OS、CAC-OS、nc-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
<酸化物半導体を有するトランジスタ>
続いて、上記酸化物半導体をトランジスタに用いる場合について説明する。
上記酸化物半導体をトランジスタに用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
トランジスタには、キャリア濃度の低い酸化物半導体を用いることが好ましい。例えば、酸化物半導体のキャリア濃度は1×1017cm-3以下、好ましくは1×1015cm-3以下、さらに好ましくは1×1013cm-3以下、より好ましくは1×1011cm-3以下、さらに好ましくは1×1010cm-3未満であり、1×10-9cm-3以上である。なお、酸化物半導体膜のキャリア濃度を低くする場合においては、酸化物半導体膜中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性又は実質的に高純度真性と言う。なお、キャリア濃度の低い酸化物半導体を、高純度真性又は実質的に高純度真性な酸化物半導体を呼称する場合がある。
また、高純度真性又は実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
また、酸化物半導体のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物半導体にチャネル形成領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
従って、トランジスタの電気特性を安定にするためには、酸化物半導体中の不純物濃度を低減することが有効である。また、酸化物半導体中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
<不純物>
ここで、酸化物半導体中における各不純物の影響について説明する。
酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコン、炭素が含まれると、酸化物半導体において欠陥準位が形成される。このため、酸化物半導体におけるシリコン、炭素の濃度と、酸化物半導体との界面近傍のシリコン、炭素の濃度(二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体にアルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。従って、アルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、SIMSにより得られる酸化物半導体中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
また、酸化物半導体において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリア濃度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を半導体に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。又は、酸化物半導体において、窒素が含まれると、トラップ準位が形成される場合がある。この結果、トランジスタの電気特性が不安定となる場合がある。このため、SIMSにより得られる酸化物半導体中の窒素濃度を、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下にする。
また、酸化物半導体に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは1×1019atoms/cm3未満、より好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満にする。
不純物が十分に低減された酸化物半導体をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
本実施の形態は、本明細書等で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態は、上記実施の形態に示す半導体装置等が形成された半導体ウェハ、及び当該半導体装置が組み込まれた電子部品の一例を示す。
<半導体ウェハ>
初めに、半導体装置等が形成された半導体ウェハの例を、図19Aを用いて説明する。
図19Aに示す半導体ウェハ4800は、ウェハ4801と、ウェハ4801の上面に設けられた複数の回路部4802と、を有する。なお、ウェハ4801の上面において、回路部4802の無い部分は、スペーシング4803であり、ダイシング用の領域である。
半導体ウェハ4800は、ウェハ4801の表面に対して、前工程によって複数の回路部4802を形成することで作製することができる。また、その後に、ウェハ4801の複数の回路部4802が形成された反対側の面を研削して、ウェハ4801の薄膜化してもよい。この工程により、ウェハ4801の反り等を低減し、部品としての小型化を図ることができる。
次の工程としては、ダイシング工程が行われる。ダイシングは、一点鎖線で示したスクライブラインSCL1及びスクライブラインSCL2(ダイシングライン、又は切断ラインと呼ぶ場合がある)に沿って行われる。なお、スペーシング4803は、ダイシング工程を容易に行うために、複数のスクライブラインSCL1が平行になるように設け、複数のスクライブラインSCL2が平行になるように設け、スクライブラインSCL1とスクライブラインSCL2が垂直になるように設けるのが好ましい。
ダイシング工程を行うことにより、図19Bに示すようなチップ4800aを、半導体ウェハ4800から切り出すことができる。チップ4800aは、ウェハ4801aと、回路部4802と、スペーシング4803aと、を有する。なお、スペーシング4803aは、極力小さくなるようにするのが好ましい。この場合、隣り合う回路部4802の間のスペーシング4803の幅が、スクライブラインSCL1の切りしろと、又はスクライブラインSCL2の切りしろとほぼ同等の長さであればよい。
なお、本発明の一態様の素子基板の形状は、図19Aに図示した半導体ウェハ4800の形状に限定されない。例えば、矩形の形状の半導体ウェハあってもよい。素子基板の形状は、素子の作製工程、及び素子を作製するための装置に応じて、適宜変更することができる。
<電子部品>
図19Cに電子部品4700及び電子部品4700が実装された基板(実装基板4704)の斜視図を示す。図19Cに示す電子部品4700は、モールド4711内にチップ4800aを有している。なお、図19Cに示すチップ4800aには、回路部4802が積層された構成を示している。つまり、回路部4802として、上記の実施の形態で説明した半導体装置を適用することができる。図19Cは、電子部品4700の内部を示すために、一部を省略している。電子部品4700は、モールド4711の外側にランド4712を有する。ランド4712は電極パッド4713と電気的に接続され、電極パッド4713はチップ4800aとワイヤ4714によって電気的に接続されている。電子部品4700は、例えばプリント基板4702に実装される。このような電子部品が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板4702上で電気的に接続されることで実装基板4704が完成する。
図19Dに電子部品4730の斜視図を示す。電子部品4730は、SiP(System in package)又はMCM(Multi Chip Module)の一例である。電子部品4730は、パッケージ基板4732(プリント基板)上にインターポーザ4731が設けられ、インターポーザ4731上に半導体装置4735、及び複数の半導体装置4710が設けられている。
電子部品4730では、半導体装置4710を有する。半導体装置4710としては、例えば、上記実施の形態で説明した半導体装置、広帯域メモリ(HBM:High Bandwidth Memory)等とすることができる。また、半導体装置4735は、CPU、GPU、FPGA、記憶装置等の集積回路(半導体装置)を用いることができる。
パッケージ基板4732は、セラミック基板、プラスチック基板、又はガラスエポキシ基板等を用いることができる。インターポーザ4731は、シリコンインターポーザ、樹脂インターポーザ等を用いることができる。
インターポーザ4731は、複数の配線を有し、端子ピッチの異なる複数の集積回路を電気的に接続する機能を有する。複数の配線は、単層又は多層で設けられる。また、インターポーザ4731は、インターポーザ4731上に設けられた集積回路をパッケージ基板4732に設けられた電極と電気的に接続する機能を有する。これらのことから、インターポーザを「再配線基板」又は「中間基板」と呼ぶ場合がある。また、インターポーザ4731に貫通電極を設けて、当該貫通電極を用いて集積回路とパッケージ基板4732を電気的に接続する場合もある。また、シリコンインターポーザでは、貫通電極として、TSV(Through Silicon Via)を用いることも出来る。
インターポーザ4731としてシリコンインターポーザを用いることが好ましい。シリコンインターポーザでは能動素子を設ける必要が無いため、集積回路よりも低コストで作製することができる。一方で、シリコンインターポーザの配線形成は半導体プロセスで行なうことができるため、樹脂インターポーザでは難しい微細配線の形成が容易である。
HBMでは、広いメモリバンド幅を実現するために多くの配線を接続する必要がある。このため、HBMを実装するインターポーザには、微細かつ高密度の配線形成が求められる。よって、HBMを実装するインターポーザには、シリコンインターポーザを用いることが好ましい。
また、シリコンインターポーザを用いたSiP、MCM等では、集積回路とインターポーザ間の膨張係数の違いによる信頼性の低下が生じにくい。また、シリコンインターポーザは表面の平坦性が高いため、シリコンインターポーザ上に設ける集積回路とシリコンインターポーザ間の接続不良が生じにくい。特に、インターポーザ上に複数の集積回路を横に並べて配置する2.5Dパッケージ(2.5次元実装)では、シリコンインターポーザを用いることが好ましい。
また、電子部品4730と重ねてヒートシンク(放熱板)を設けてもよい。ヒートシンクを設ける場合は、インターポーザ4731上に設ける集積回路の高さを揃えることが好ましい。例えば、本実施の形態に示す電子部品4730では、半導体装置4710と半導体装置4735の高さを揃えることが好ましい。
電子部品4730を他の基板に実装するため、パッケージ基板4732の底部に電極4733を設けてもよい。図19Dでは、電極4733を半田ボールで形成する例を示している。パッケージ基板4732の底部に半田ボールをマトリクス状に設けることで、BGA(Ball Grid Array)実装を実現できる。また、電極4733を導電性のピンで形成してもよい。パッケージ基板4732の底部に導電性のピンをマトリクス状に設けることで、PGA(Pin Grid Array)実装を実現できる。
電子部品4730は、BGA及びPGAに限らず様々な実装方法を用いて他の基板に実装することができる。例えば、SPGA(Staggered Pin Grid Array)、LGA(Land Grid Array)、QFP(Quad Flat Package)、QFJ(Quad Flat J-leaded package)、又はQFN(Quad Flat Non-leaded package)等の実装方法を用いることができる。
本実施の形態は、本明細書等で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、上記の実施の形態の半導体装置を備えることができるCPUについて説明する。
図20は、上記の実施の形態で説明した半導体装置を一部に用いたCPUの一例の構成を示すブロック図である。
図20に示すCPUは、基板1190上に、ALU1191(ALU:Arithmetic logic unit、演算回路)、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、タイミングコントローラ1195、レジスタ1196、レジスタコントローラ1197、バスインターフェース1198(Bus I/F)、書き換え可能なROM1199、及びROMインターフェース1189(ROM I/F)を有している。基板1190は、半導体基板、SOI基板、ガラス基板等を用いる。ROM1199及びROMインターフェース1189は、別チップに設けてもよい。もちろん、図20に示すCPUは、その構成を簡略化して示した一例にすぎず、実際のCPUはその用途によって多種多様な構成を有している。例えば、図20に示すCPU又は演算回路を含む構成を一つのコアとし、当該コアを複数含み、それぞれのコアが並列で動作するような構成、つまりGPUのような構成としてもよい。また、CPUが内部演算回路、データバスで扱えるビット数は、例えば8ビット、16ビット、32ビット、64ビット等とすることができる。
バスインターフェース1198を介してCPUに入力された命令は、インストラクションデコーダ1193に入力され、デコードされた後、ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195に入力される。
ALUコントローラ1192、インタラプトコントローラ1194、レジスタコントローラ1197、タイミングコントローラ1195は、デコードされた命令に基づき、各種制御を行なう。具体的にALUコントローラ1192は、ALU1191の動作を制御するための信号を生成する。また、インタラプトコントローラ1194は、CPUのプログラム実行中に、外部の入出力装置、周辺回路等からの割り込み要求を、その優先度、マスク状態から判断し、処理する。レジスタコントローラ1197は、レジスタ1196のアドレスを生成し、CPUの状態に応じてレジスタ1196の読み出し、又は書き込みを行なう。
また、タイミングコントローラ1195は、ALU1191、ALUコントローラ1192、インストラクションデコーダ1193、インタラプトコントローラ1194、及びレジスタコントローラ1197の動作のタイミングを制御する信号を生成する。例えばタイミングコントローラ1195は、基準クロック信号を元に、内部クロック信号を生成する内部クロック生成部を備えており、内部クロック信号を上記各種回路に供給する。
図20に示すCPUでは、レジスタ1196に、メモリセルが設けられている。レジスタ1196は、例えば、先の実施の形態に示した半導体装置等を有してもよい。
図20に示すCPUにおいて、レジスタコントローラ1197は、ALU1191からの指示に従い、レジスタ1196における保持動作の選択を行う。すなわち、レジスタ1196が有するメモリセルにおいて、フリップフロップによるデータの保持を行うか、容量素子によるデータの保持を行うかを、選択する。フリップフロップによるデータの保持が選択されている場合、レジスタ1196内のメモリセルへの、電源電圧の供給が行われる。容量素子におけるデータの保持が選択されている場合、容量素子へのデータの書き換えが行われ、レジスタ1196内のメモリセルへの電源電圧の供給を停止することができる。
本実施の形態は、本明細書等で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した半導体装置を有する電子機器の一例について説明する。なお、図21A乃至図21J、図22A乃至図22Eには、当該半導体装置を有する電子部品4700が各電子機器に含まれている様子を図示している。
[携帯電話]
図21Aに示す情報端末5500は、情報端末の一種である携帯電話(スマートフォン)である。情報端末5500は、筐体5510と、表示部5511と、を有しており、入力用インターフェースとして、タッチパネルが表示部5511に備えられ、ボタンが筐体5510に備えられている。
情報端末5500は、上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することで、アプリケーションの実行時に生成される一時的なファイル(例えば、ウェブブラウザの使用時のキャッシュ等)を保持することができる。
情報端末5500に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、信頼性が高い情報端末5500を実現することができる。
[ウェアラブル端末]
また、図21Bには、ウェアラブル端末の一例である情報端末5900が図示されている。情報端末5900は、筐体5901、表示部5902、操作ボタン5903、操作子5904、バンド5905等を有する。
ウェアラブル端末は、先述した情報端末5500と同様に、上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することで、アプリケーションの実行時に生成される一時的なファイルを保持することができる。
情報端末5900に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、信頼性が高い情報端末5900を実現することができる。
[情報端末]
また、図21Cには、デスクトップ型情報端末5300が図示されている。デスクトップ型情報端末5300は、情報端末の本体5301と、ディスプレイ5302と、キーボード5303と、を有する。
デスクトップ型情報端末5300は、先述した情報端末5500と同様に、上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することで、アプリケーションの実行時に生成される一時的なファイルを保持することができる。
なお、上述では、電子機器としてスマートフォン、ウェアラブル端末、デスクトップ用情報端末を例として、それぞれ図21A乃至図21Cに図示したが、スマートフォン、ウェアラブル端末、デスクトップ用情報端末以外の情報端末を適用することができる。スマートフォン、ウェアラブル端末、デスクトップ用情報端末以外の情報端末としては、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型情報端末、ワークステーション等が挙げられる。
デスクトップ型情報端末5300に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、信頼性が高いデスクトップ型情報端末5300を実現することができる。
[電化製品]
また、図21Dには、電化製品の一例として電気冷凍冷蔵庫5800が図示されている。電気冷凍冷蔵庫5800は、筐体5801、冷蔵室用扉5802、冷凍室用扉5803等を有する。
電気冷凍冷蔵庫5800に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、電気冷凍冷蔵庫5800を、例えば、IoT(Internet of Things)として利用することができる。IoTを利用することによって、電気冷凍冷蔵庫5800は、電気冷凍冷蔵庫5800に保存されている食材、その食材の消費期限等の情報を、インターネット等を通じて、上述したような情報端末等に送受信することができる。また、電気冷凍冷蔵庫5800は、当該情報を送信する際に、当該情報を一時ファイルとして、当該半導体装置に保持することができる。
本一例では、電化製品として電気冷凍冷蔵庫について説明したが、その他の電化製品としては、例えば、掃除機、電子レンジ、電気オーブン、炊飯器、湯沸かし器、IH調理器、ウォーターサーバ、エアーコンディショナーを含む冷暖房器具、洗濯機、乾燥機、オーディオビジュアル機器等が挙げられる。
電気冷凍冷蔵庫5800に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、信頼性が高い電気冷凍冷蔵庫5800を実現することができる。
[ゲーム機]
また、図21Eには、ゲーム機の一例である携帯ゲーム機5200が図示されている。携帯ゲーム機5200は、筐体5201、表示部5202、ボタン5203等を有する。
更に、図21Fには、ゲーム機の一例である据置型ゲーム機7500が図示されている。据置型ゲーム機7500は、本体7520と、コントローラ7522を有する。なお、本体7520には、無線又は有線によってコントローラ7522を接続することができる。また、図21Fには示していないが、コントローラ7522は、ゲームの画像を表示する表示部、ボタン以外の入力インターフェースとなるタッチパネル、スティック、回転式つまみ、スライド式つまみ等を備えることができる。また、コントローラ7522は、図21Fに示す形状に限定されず、ゲームのジャンルに応じて、コントローラ7522の形状を様々に変更してもよい。例えば、FPS(First Person Shooter)等のシューティングゲームでは、トリガーをボタンとし、銃を模した形状のコントローラを用いることができる。また、例えば、音楽ゲーム等では、楽器、音楽機器等を模した形状のコントローラを用いることができる。更に、据置型ゲーム機は、コントローラを使わず、代わりにカメラ、深度センサ、マイクロフォン等を備えて、ゲームプレイヤーのジェスチャー、及び/又は音声によって操作する形式としてもよい。
また、上述したゲーム機の映像は、テレビジョン装置、パーソナルコンピュータ用ディスプレイ、ゲーム用ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ等の表示装置によって、出力することができる。
携帯ゲーム機5200、及び据置型ゲーム機7500に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、信頼性が高い携帯ゲーム機5200を実現することができる。
更に、携帯ゲーム機5200、及び据置型ゲーム機7500に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、ゲームの実行中に発生する演算に必要な一時ファイル等の保持をおこなうことができる。
図21E、及び図21Fでは、ゲーム機の一例として携帯ゲーム機、及び据置型ゲーム機を図示しているが、本発明の一態様の電子機器はこれに限定されない。本発明の一態様の電子機器としては、例えば、娯楽施設(ゲームセンター、遊園地等)に設置されるアーケードゲーム機、スポーツ施設に設置されるバッティング練習用の投球マシン等が挙げられる。
[移動体]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、移動体である自動車、及び自動車の運転席周辺に適用することができる。
図21Gには移動体の一例である自動車5700が図示されている。
自動車5700の運転席周辺には、スピードメーター、タコメーター、走行距離、燃料計、ギア状態、エアコンの設定等を表示することで、様々な情報を提供するインストゥルメントパネルが備えられている。また、運転席周辺には、それらの情報を示す表示装置が備えられていてもよい。
特に当該表示装置には、自動車5700に設けられた撮像装置(図示しない。)からの映像を映し出すことによって、ピラー等で遮られた視界、運転席の死角等を補うことができ、安全性を高めることができる。
上記実施の形態で説明した半導体装置は、情報を一時的に保持することができるため、例えば、当該コンピュータを自動車5700の自動運転システム、当該コンピュータを道路案内、危険予測等を行うシステム等における、必要な一時的な情報の保持に用いることができる。当該表示装置には、道路案内、危険予測等の一時的な情報を表示する構成としてもよい。また、自動車5700に備え付けられたドライビングレコーダの映像を保持する構成としてもよい。
なお、上述では、移動体の一例として自動車について説明しているが、移動体は自動車に限定されない。例えば、移動体としては、電車、モノレール、船、飛行体(ヘリコプター、無人航空機(ドローン)、飛行機、ロケット)等も挙げることができる。
自動車5700に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、信頼性が高い自動車5700を実現することができる。
[カメラ]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、カメラに適用することができる。
図21Hには、撮像装置の一例であるデジタルカメラ6240が図示されている。デジタルカメラ6240は、筐体6241、表示部6242、操作ボタン6243、シャッターボタン6244等を有し、また、デジタルカメラ6240には、着脱可能なレンズ6246が取り付けられている。なお、ここではデジタルカメラ6240を、レンズ6246を筐体6241から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ6246と筐体6241とが一体となっていてもよい。また、デジタルカメラ6240は、ストロボ装置、ビューファインダー等を別途装着することができる構成としてもよい。
デジタルカメラ6240に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、信頼性が高いデジタルカメラ6240を実現することができる。
[ビデオカメラ]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、ビデオカメラに適用することができる。
図21Iには、撮像装置の一例であるビデオカメラ6300が図示されている。ビデオカメラ6300は、第1筐体6301、第2筐体6302、表示部6303、操作キー6304、レンズ6305、接続部6306等を有する。操作キー6304及びレンズ6305は第1筐体6301に設けられており、表示部6303は第2筐体6302に設けられている。そして、第1筐体6301と第2筐体6302とは、接続部6306により接続されており、第1筐体6301と第2筐体6302の間の角度は、接続部6306により変更が可能である。表示部6303における映像を、接続部6306における第1筐体6301と第2筐体6302との間の角度に従って切り替える構成としてもよい。
ビデオカメラ6300で撮影した映像を記録する際、データの記録形式に応じたエンコードを行う必要がある。上述した半導体装置を利用することによって、ビデオカメラ6300は、エンコードの際に発生する一時的なファイルの保持を行うことができる。
ビデオカメラ6300に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、信頼性が高いビデオカメラ6300を実現することができる。
[ICD]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、植え込み型除細動器(ICD)に適用することができる。
図21Jは、ICDの一例を示す断面模式図である。ICD本体5400は、バッテリー5401と、電子部品4700と、レギュレータと、制御回路と、アンテナ5404と、右心房へのワイヤ5402、右心室へのワイヤ5403とを少なくとも有している。
ICD本体5400は手術により体内に設置され、二本のワイヤは、人体の鎖骨下静脈5405及び上大静脈5406を通過させて一方のワイヤ先端が右心室、もう一方のワイヤ先端が右心房に設置されるようにする。
ICD本体5400は、ペースメーカのとしての機能を有し、心拍数が規定の範囲から外れた場合に心臓に対してペーシングを行う。また、ペーシングによって心拍数が改善しない場合(速い心室頻拍、心室細動等)、電気ショックによる治療が行われる。
ICD本体5400は、ペーシング及び電気ショックを適切に行うため、心拍数を常に監視する必要がある。そのため、ICD本体5400は、心拍数を検知するためのセンサを有する。また、ICD本体5400は、当該センサ等によって取得した心拍数のデータ、ペーシングによる治療を行った回数、時間等を電子部品4700に記憶することができる。
また、アンテナ5404で電力が受信でき、その電力はバッテリー5401に充電される。また、ICD本体5400は複数のバッテリーを有することにより、安全性を高くすることができる。具体的には、ICD本体5400の一部のバッテリーが使えなくなったとしても残りのバッテリーが機能させることができるため、補助電源としても機能する。
また、電力を受信できるアンテナ5404とは別に、生理信号を送信できるアンテナを有していてもよく、例えば、脈拍、呼吸数、心拍数、体温等の生理信号を外部のモニタ装置で確認できるような心臓活動を監視するシステムを構成してもよい。
ICD本体5400に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、信頼性が高いICD本体5400を実現することができる。
[PC用の拡張デバイス]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、PC(Personal Computer)等の計算機、情報端末用の拡張デバイスに適用することができる。
図22Aは、当該拡張デバイスの一例として、持ち運びのできる、情報の記憶が可能なチップが搭載された、PCに外付けする拡張デバイス6100を示している。拡張デバイス6100は、例えば、USB(Universal Serial Bus)等でPCに接続することで、当該チップによる情報の記憶を行うことができる。なお、図22Aは、持ち運びが可能な形態の拡張デバイス6100を図示しているが、本発明の一態様に係る拡張デバイスは、これに限定されず、例えば、冷却用ファン等を搭載した比較的大きい形態の拡張デバイスとしてもよい。
拡張デバイス6100は、筐体6101、キャップ6102、USBコネクタ6103及び基板6104を有する。基板6104は、筐体6101に収納されている。基板6104には、上記実施の形態で説明した半導体装置等を駆動する回路が設けられている。例えば、基板6104には、電子部品4700、コントローラチップ6106が取り付けられている。USBコネクタ6103は、外部装置と接続するためのインターフェースとして機能する。
拡張デバイス6100に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、信頼性が高い拡張デバイス6100を実現することができる。
[SDカード]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、情報端末、デジタルカメラ等の電子機器に取り付けが可能なSDカードに適用することができる。
図22BはSDカードの外観の模式図であり、図22Cは、SDカードの内部構造の模式図である。SDカード5110は、筐体5111、コネクタ5112及び基板5113を有する。コネクタ5112が外部装置と接続するためのインターフェースとして機能する。基板5113は筐体5111に収納されている。基板5113には、半導体装置及び半導体装置を駆動する回路が設けられている。例えば、基板5113には、電子部品4700、コントローラチップ5115が取り付けられている。なお、電子部品4700とコントローラチップ5115とのそれぞれの回路構成は、上述の記載に限定せず、状況に応じて、適宜回路構成を変更してもよい。例えば、電子部品に備えられている書き込み回路、ロードライバ、読み出し回路等は、電子部品4700でなく、コントローラチップ5115に組み込んだ構成としてもよい。
基板5113の裏面側にも電子部品4700を設けることで、SDカード5110の容量を増やすことができる。また、無線通信機能を備えた無線チップを基板5113に設けてもよい。これによって、外部装置とSDカード5110との間で無線通信を行うことができ、電子部品4700のデータの読み出し、書き込みが可能となる。
SDカード5110に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、信頼性が高いSDカード5110を実現することができる。
[SSD]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、情報端末等電子機器に取り付けが可能なSSD(Solid State Drive)に適用することができる。
図22DはSSDの外観の模式図であり、図22Eは、SSDの内部構造の模式図である。SSD5150は、筐体5151、コネクタ5152及び基板5153を有する。コネクタ5152が外部装置と接続するためのインターフェースとして機能する。基板5153は筐体5151に収納されている。基板5153には、半導体装置及び半導体装置を駆動する回路が設けられている。例えば、基板5153には、電子部品4700、メモリチップ5155、コントローラチップ5156が取り付けられている。基板5153の裏面側にも電子部品4700を設けることで、SSD5150の容量を増やすことができる。メモリチップ5155にはワークメモリが組み込まれている。例えば、メモリチップ5155には、DRAMチップを用いればよい。コントローラチップ5156には、プロセッサ、ECC回路等が組み込まれている。なお、電子部品4700と、メモリチップ5155と、コントローラチップ5115と、のそれぞれの回路構成は、上述の記載に限定せず、状況に応じて、適宜回路構成を変更してもよい。例えば、コントローラチップ5156にも、ワークメモリとして機能するメモリを設けてもよい。
SSD5150に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、信頼性が高いSSD5150を実現することができる。
上記実施の形態で説明した半導体装置を、上述した電子機器に含まれている半導体装置に適用することによって、新規の電子機器を提供することができる。
本実施の形態は、本明細書等で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。