本明細書等において、半導体装置とは、半導体特性を利用した装置であり、半導体素子(トランジスタ、ダイオード、フォトダイオード等)を含む回路、同回路を有する装置等をいう。また、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般をいう。例えば、集積回路、集積回路を備えたチップ、パッケージにチップを収納した電子部品は半導体装置の一例である。また、記憶装置、表示装置、発光装置、照明装置および電子機器等は、それ自体が半導体装置であり、半導体装置を有している場合がある。
また、本明細書等において、XとYとが接続されていると記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも、図または文章に開示されているものとする。X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層など)であるとする。
XとYとが電気的に接続されている場合の一例としては、XとYとの電気的な接続を可能とする素子(例えば、スイッチ、トランジスタ、容量素子、インダクタ、抵抗素子、ダイオード、表示デバイス、発光デバイス、負荷など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、スイッチは、オン状態とオフ状態が制御される。つまり、スイッチは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有していると言える。
XとYとが機能的に接続されている場合の一例としては、XとYとの機能的な接続を可能とする回路(例えば、論理回路(インバータ、NAND回路、NOR回路など)、信号変換回路(デジタルアナログ変換回路、アナログデジタル変換回路、ガンマ補正回路など)、電位レベル変換回路(電源回路(昇圧回路、降圧回路など)、信号の電位レベルを変えるレベルシフタ回路など)、電圧源、電流源、切り替え回路、増幅回路(信号振幅または電流量などを大きく出来る回路、オペアンプ、差動増幅回路、ソースフォロワ回路、バッファ回路など)、信号生成回路、記憶回路、制御回路など)が、XとYとの間に1個以上接続されることが可能である。なお、一例として、XとYとの間に別の回路を挟んでいても、Xから出力された信号がYへ伝達される場合は、XとYとは機能的に接続されているものとする。
なお、XとYとが電気的に接続されている、と明示的に記載する場合は、XとYとが電気的に接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子または別の回路を挟んで接続されている場合)と、XとYとが直接接続されている場合(つまり、XとYとの間に別の素子または別の回路を挟まずに接続されている場合)とを含むものとする。
また、例えば、「XとYとトランジスタのソース(または第1の端子など)とドレイン(または第2の端子など)とは、互いに電気的に接続されており、X、トランジスタのソース(または第1の端子など)、トランジスタのドレイン(または第2の端子など)、Yの順序で電気的に接続されている。」と表現することができる。または、「トランジスタのソース(または第1の端子など)は、Xと電気的に接続され、トランジスタのドレイン(または第2の端子など)はYと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(または第1の端子など)、トランジスタのドレイン(または第2の端子など)、Yは、この順序で電気的に接続されている」と表現することができる。または、「Xは、トランジスタのソース(または第1の端子など)とドレイン(または第2の端子など)とを介して、Yと電気的に接続され、X、トランジスタのソース(または第1の端子など)、トランジスタのドレイン(または第2の端子など)、Yは、この接続順序で設けられている」と表現することができる。これらの例と同様な表現方法を用いて、回路構成における接続の順序について規定することにより、トランジスタのソース(または第1の端子など)と、ドレイン(または第2の端子など)とを、区別して、技術的範囲を決定することができる。なお、これらの表現方法は、一例であり、これらの表現方法に限定されない。ここで、X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、など)であるとする。
なお、回路図上は独立している構成要素同士が電気的に接続しているように図示されている場合であっても、1つの構成要素が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合もある。例えば配線の一部が電極としても機能する場合は、一の導電膜が、配線の機能、および電極の機能の両方の構成要素の機能を併せ持っている。したがって、本明細書における電気的に接続とは、このような、一の導電膜が、複数の構成要素の機能を併せ持っている場合も、その範疇に含める。
また、本明細書等において、「抵抗素子」とは、例えば、0Ωよりも高い抵抗値を有する回路素子、配線などを用いることができる。そのため、本明細書等において、「抵抗素子」は、抵抗値を有する配線、ソース-ドレイン間に電流が流れるトランジスタ、ダイオード、コイルなどを含むものとする。そのため、「抵抗素子」という用語は、「抵抗」「負荷」「抵抗値を有する領域」などの用語に言い換えることができ、逆に「抵抗」「負荷」「抵抗値を有する領域」という用語は、「抵抗素子」などの用語に言い換えることができる。抵抗値としては、例えば、好ましくは1mΩ以上10Ω以下、より好ましくは5mΩ以上5Ω以下、更に好ましくは10mΩ以上1Ω以下とすることができる。また、例えば、1Ω以上1×109Ω以下としてもよい。
また、配線を抵抗素子として用いる場合、当該配線の長さによって抵抗値決める場合がある。または、配線として用いる導電体とは異なる抵抗率を有する導電体を抵抗素子として用いる場合がある。または、半導体に不純物をドーピングすることで抵抗値を決める場合がある。
また、本明細書等において、「容量素子」とは、例えば、0Fよりも高い静電容量の値を有する回路素子、0Fよりも高い静電容量の値を有する配線の領域、寄生容量、トランジスタのゲート容量などとすることができる。そのため、本明細書等において、「容量素子」は、1対の電極と、当該電極の間に含まれている誘電体と、を含む回路素子だけでなく、配線と配線との間に生じる寄生容量、トランジスタのソースまたはドレインの一方とゲートとの間に生じるゲート容量などを含むものとする。また、「容量素子」「寄生容量」「ゲート容量」などという用語は、「容量」などの用語に言い換えることができ、逆に、「容量」という用語は、「容量素子」「寄生容量」「ゲート容量」などの用語に言い換えることができる。また、「容量」の「1対の電極」という用語は、「一対の導電体」「一対の導電領域」「一対の領域」などに言い換えることができる。なお、静電容量の値としては、例えば、0.05fF以上10pF以下とすることができる。また、例えば、1pF以上10μF以下としてもよい。
また、本明細書等において、トランジスタは、ゲート、ソース、およびドレインと呼ばれる3つの端子を有する。ゲートは、トランジスタの導通状態を制御する制御端子である。ソースまたはドレインとして機能する2つの端子は、トランジスタの入出力端子である。2つの入出力端子は、トランジスタの導電型(nチャネル型、pチャネル型)およびトランジスタの3つの端子に与えられる電位の高低によって、一方がソースとなり他方がドレインとなる。このため、本明細書等においては、ソースおよびドレインの用語は、言い換えることができるものとする。また、本明細書等では、トランジスタの接続関係を説明する際、「ソースまたはドレインの一方」(または第1電極、または第1端子)、「ソースまたはドレインの他方」(または第2電極、または第2端子)という表記を用いる。なお、トランジスタの構造によっては、上述した3つの端子に加えて、バックゲートを有する場合がある。この場合、本明細書等において、トランジスタのゲートまたはバックゲートの一方を第1ゲートと呼称し、トランジスタのゲートまたはバックゲートの他方を第2ゲートと呼称することがある。更に、同じトランジスタにおいて、「ゲート」と「バックゲート」の用語は互いに入れ換えることができる場合がある。また、トランジスタが、3以上のゲートを有する場合は、本明細書等においては、それぞれのゲートを第1ゲート、第2ゲート、第3ゲートなどと呼称することがある。
また、本明細書等において、「ノード」は、回路構成、デバイス構造等に応じて、端子、配線、電極、導電層、導電体、不純物領域等と言い換えることが可能である。また、端子、配線等を「ノード」と言い換えることが可能である。
また、本明細書等において、「電圧」と「電位」は、適宜言い換えることができる。「電圧」は、基準となる電位からの電位差のことであり、例えば基準となる電位をグラウンド電位(接地電位)とすると、「電圧」を「電位」に言い換えることができる。なお、グラウンド電位は必ずしも0Vを意味するとは限らない。また、電位は相対的なものであり、基準となる電位が変わることによって、配線に与えられる電位、回路などに印加される電位、回路などから出力される電位なども変化する。
また、本明細書等において、「高レベル電位(「ハイレベル電位」、「H電位」、または「H」ともいう)」「低レベル電位(「ローレベル電位」、「L電位」、または「L」ともいう)」という用語は、特定の電位を意味するものではない。例えば、2本の配線において、両方とも「高レベル電位を供給する配線として機能する」と記載されていた場合、両方の配線が与えるそれぞれの高レベル電位は、互いに等しくなくてもよい。また、同様に、2本の配線において、両方とも「低レベル電位を供給する配線として機能する」と記載されていた場合、両方の配線が与えるそれぞれの低レベル電位は、互いに等しくなくてもよい。
「電流」とは、電荷の移動現象(電気伝導)のことであり、例えば、「正の荷電体の電気伝導が起きている」という記載は、「その逆向きに負の荷電体の電気伝導が起きている」と換言することができる。そのため、本明細書等において、「電流」とは、特に断らない限り、キャリアの移動に伴う電荷の移動現象(電気伝導)をいうものとする。ここでいうキャリアとは、電子、正孔、アニオン、カチオン、錯イオン等が挙げられ、電流の流れる系(例えば、半導体、金属、電解液、真空中など)によってキャリアが異なる。また、配線等における「電流の向き」は、正のキャリアが移動する方向とし、電流量を正の値で記載する。換言すると、負のキャリアが移動する方向は、電流の向きと逆の方向となり、電流量が負の値で表現される。そのため、本明細書等において、電流の正負(または電流の向き)について断りがない場合、「素子Aから素子Bに電流が流れる」等の記載は「素子Bから素子Aに電流が流れる」等に言い換えることができるものとする。また、「素子Aに電流が入力される」等の記載は「素子Aから電流が出力される」等に言い換えることができるものとする。
また、本明細書等において、「第1」、「第2」、「第3」という序数詞は、構成要素の混同を避けるために付したものである。従って、構成要素の数を限定するものではない。また、構成要素の順序を限定するものではない。例えば、本明細書などの実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素が、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲などにおいて「第2」に言及された構成要素とすることもありうる。また例えば、本明細書等の実施の形態の一において「第1」に言及された構成要素を、他の実施の形態、あるいは特許請求の範囲などにおいて省略することもありうる。
また、本明細書等において、「上に」、「下に」などの配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている場合がある。また、構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。従って、明細書等で説明した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。例えば、「導電体の上面に位置する絶縁体」の表現では、示している図面の向きを180度回転することによって、「導電体の下面に位置する絶縁体」と言い換えることができる。
また、「上」および「下」の用語は、構成要素の位置関係が直上または直下で、かつ、直接接していることを限定するものではない。例えば、「絶縁層A上の電極B」の表現であれば、絶縁層Aの上に電極Bが直接接して形成されている必要はなく、絶縁層Aと電極Bとの間に他の構成要素を含むものを除外しない。
また、本明細書等において、「膜」、「層」などの語句は、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を、「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。または、場合によっては、または、状況に応じて、「膜」、「層」などの語句を使わずに、別の用語に入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」または「導電膜」という用語を、「導電体」という用語に変更することが可能な場合がある。または、例えば、「絶縁層」「絶縁膜」という用語を、「絶縁体」という用語に変更することが可能な場合がある。
また、本明細書等において「電極」「配線」「端子」などの用語は、これらの構成要素を機能的に限定するものではない。例えば、「電極」は「配線」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。さらに、「電極」または「配線」の用語は、複数の「電極」または「配線」が一体となって形成されている場合なども含む。また、例えば、「端子」は「配線」または「電極」の一部として用いられることがあり、その逆もまた同様である。更に、「端子」の用語は、複数の「電極」「配線」「端子」などが一体となって形成されている場合なども含む。そのため、例えば、「電極」は「配線」または「端子」の一部とすることができ、また、例えば、「端子」は「配線」または「電極」の一部とすることができる。また、「電極」「配線」「端子」などの用語は、場合によって、「領域」などの用語に置き換える場合がある。
また、本明細書等において、「配線」、「信号線」、「電源線」などの用語は、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「配線」という用語を、「信号線」という用語に変更することが可能な場合がある。また、例えば、「配線」という用語を、「電源線」などの用語に変更することが可能な場合がある。また、その逆も同様で、「信号線」「電源線」などの用語を、「配線」という用語に変更することが可能な場合がある。「電源線」などの用語は、「信号線」などの用語に変更することが可能な場合がある。また、その逆も同様で「信号線」などの用語は、「電源線」などの用語に変更することが可能な場合がある。また、配線に印加されている「電位」という用語を、場合によっては、または、状況に応じて、「信号」などという用語に変更することが可能な場合がある。また、その逆も同様で、「信号」などの用語は、「電位」という用語に変更することが可能な場合がある。
本明細書等において、半導体の不純物とは、例えば、半導体層を構成する主成分以外をいう。例えば、濃度が0.1原子%未満の元素は不純物である。不純物が含まれることにより、例えば、半導体の欠陥準位密度が高くなること、キャリア移動度が低下すること、結晶性が低下することなどが起こる場合がある。半導体が酸化物半導体である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、第1族元素、第2族元素、第13族元素、第14族元素、第15族元素、主成分以外の遷移金属などがあり、特に、例えば、水素(水にも含まれる)、リチウム、ナトリウム、シリコン、ホウ素、リン、炭素、窒素などがある。具体的には、半導体がシリコン層である場合、半導体の特性を変化させる不純物としては、例えば、酸素、水素を除く第1族元素、第2族元素、第13族元素、第15族元素などがある。
本明細書等において、スイッチとは、導通状態(オン状態)、または、非導通状態(オフ状態)になり、電流を流すか流さないかを制御する機能を有するものをいう。または、スイッチとは、電流を流す経路を選択して切り替える機能を有するものをいう。一例としては、電気的なスイッチ、機械的なスイッチなどを用いることができる。つまり、スイッチは、電流を制御できるものであればよく、特定のものに限定されない。
電気的なスイッチの一例としては、トランジスタ(例えば、バイポーラトランジスタ、MOSトランジスタなど)、ダイオード(例えば、PNダイオード、PINダイオード、ショットキーダイオード、MIM(Metal Insulator Metal)ダイオード、MIS(Metal Insulator Semiconductor)ダイオード、ダイオード接続のトランジスタなど)、またはこれらを組み合わせた論理回路などがある。なお、スイッチとしてトランジスタを用いる場合、トランジスタの「導通状態」とは、トランジスタのソース電極とドレイン電極が電気的に短絡されているとみなせる状態をいう。また、トランジスタの「非導通状態」とは、トランジスタのソース電極とドレイン電極が電気的に遮断されているとみなせる状態をいう。なおトランジスタを単なるスイッチとして動作させる場合には、トランジスタの極性(導電型)は特に限定されない。
機械的なスイッチの一例としては、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いたスイッチがある。そのスイッチは、機械的に動かすことが可能な電極を有し、その電極が動くことによって、導通と非導通とを制御して動作する。
本明細書において、「平行」とは、二つの直線が-10°以上10°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、-5°以上5°以下の場合も含まれる。また、「略平行」または「概略平行」とは、二つの直線が-30°以上30°以下の角度で配置されている状態をいう。また、「垂直」とは、二つの直線が80°以上100°以下の角度で配置されている状態をいう。したがって、85°以上95°以下の場合も含まれる。また、「略垂直」または「概略垂直」とは、二つの直線が60°以上120°以下の角度で配置されている状態をいう。
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い意味での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)などに分類される。例えば、トランジスタの半導体層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、およびスイッチング作用の少なくとも1つを有するトランジスタのチャネル形成領域を構成し得る場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)と呼称することができる。また、「OSトランジスタ」と記載する場合においては、金属酸化物または酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
また、本明細書等において、各実施の形態に示す構成は、他の実施の形態に示す構成と適宜組み合わせて、本発明の一態様とすることができる。また、1つの実施の形態の中に、複数の構成例が示される場合は、互いに構成例を適宜組み合わせることが可能である。
本明細書に記載の実施の形態については、図面を参照しながら説明する。但し、実施の形態は多くの異なる態様で実施することが可能であり、趣旨およびその範囲から逸脱することなく、その形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は、実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、実施の形態の発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面を理解しやすくするため、斜視図または上面図などにおいて、一部の構成要素の記載を省略している場合がある。
また、本明細書の図面において、大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもその大きさもしくは縦横比などに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状または値などに限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、または、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつきなどを含むことが可能である。
本明細書等において、複数の要素に同じ符号を用いる場合、特に、それらを区別する必要があるときには、符号に“_1”、“[i]”、“[m,n]”等の識別用の符号を付記して記載する場合がある。例えば、2つある配線CLの一方を配線CL[1]と記載し、他方を配線CL[2]と記載する場合がある。
(実施の形態1)
メモリセル10(「記憶素子」ともいう。)を含む半導体装置100の構成例について説明する。
図1Aに、本発明の一態様である半導体装置100の構成例を示すブロック図を示す。図1Aに示す半導体装置100は、駆動回路21と、メモリアレイ20と、を有する。メモリアレイ20は、複数のメモリセル10を有する。図1Aでは、メモリアレイ20がm行n列(mおよびnは2以上の整数。)のマトリクス状に配置された複数のメモリセル10を有する例を示している。
なお、行と列は互いに直交する方向に延在する。本実施の形態では、X方向を「行」とし、Y方向を「列」としているが、X方向を「列」とし、Y方向を「行」としてもよい。
図1Aでは、1行1列目のメモリセル10をメモリセル10[1,1]と示し、m行n列目のメモリセル10をメモリセル10[m,n]と示している。また、i行j列目(iは1以上m以下の整数。jは1以上n以下の整数。)のメモリセル10をメモリセル10[i,j]と示している。
また、メモリアレイ20は、行方向に延在するm本の配線WL(ワード線)と、列方向に延在するn本の配線BL(ビット線)と、n個のスイッチSW1と、n個のスイッチSW2と、を備える(図示せず)。j列目に設けられた複数のメモリセル10は、j列目の配線BL(配線BL[j])と電気的に接続される。i行目に設けられた複数のメモリセル10は、i行目の配線WL(配線WL[i])と電気的に接続される。
駆動回路21は、PSW22(パワースイッチ)、PSW23、および周辺回路31を有する。周辺回路31は、周辺回路41、コントロール回路32(Control Circuit)、および電圧生成回路33を有する。
半導体装置100において、各回路、各信号および各電圧は、必要に応じて、適宜取捨することができる。あるいは、他の回路または他の信号を追加してもよい。信号BW、信号CE、信号GW、信号CLK、信号WAKE、信号ADDR、信号WDA、信号PON1、信号PON2は外部からの入力信号であり、信号RDAは外部への出力信号である。信号CLKはクロック信号である。
また、信号BW、信号CE、および信号GWは制御信号である。信号CEはチップイネーブル信号であり、信号GWはグローバル書き込みイネーブル信号であり、信号BWはバイト書き込みイネーブル信号である。信号ADDRはアドレス信号である。信号WDAは書き込みデータであり、信号RDAは読み出しデータである。信号PON1、信号PON2は、パワーゲーティング制御用信号である。なお、信号PON1、信号PON2は、コントロール回路32で生成してもよい。
コントロール回路32は、半導体装置100の動作全般を制御する機能を有するロジック回路である。例えば、コントロール回路は、信号CE、信号GWおよび信号BWを論理演算して、半導体装置100の動作モード(例えば、書き込み動作、読み出し動作)を決定する。または、コントロール回路32は、この動作モードが実行されるように、周辺回路41の制御信号を生成する。
電圧生成回路33は負電圧を生成する機能を有する。信号WAKEは、信号CLKの電圧生成回路33への入力を制御する機能を有する。例えば、信号WAKEにHレベルの信号が与えられると、信号CLKが電圧生成回路33へ入力され、電圧生成回路33は負電圧を生成する。
周辺回路41は、メモリセル10に対するデータの書き込みおよび読み出しをするための回路である。周辺回路41は、行デコーダ42(Row Decoder)、列デコーダ44(Column Decoder)、行ドライバ43(Row Driver)、列ドライバ45(Column Driver)、入力回路47(Input Cir.)、出力回路48(Output Cir.)、センスアンプ46(Sense Amplifier)を有する。
行デコーダ42および列デコーダ44は、信号ADDRをデコードする機能を有する。行デコーダ42は、アクセスする行を指定するための回路であり、列デコーダ44は、アクセスする列を指定するための回路である。行ドライバ43は、行デコーダ42が指定する配線WLを選択する機能を有する。列ドライバ45は、データをメモリセル10に書き込む機能、メモリセル10からデータを読み出す機能、読み出したデータを保持する機能等を有する。
入力回路47は、信号WDAを保持する機能を有する。入力回路47が保持するデータは、列ドライバ45に出力される。入力回路47の出力データが、メモリセル10に書き込むデータ(Din)である。列ドライバ45がメモリセル10から読み出したデータ(Dout)は、出力回路48に出力される。出力回路48は、Doutを保持する機能を有する。また、出力回路48は、Doutを半導体装置100の外部に出力する機能を有する。出力回路48から出力されるデータが信号RDAである。
PSW22は周辺回路31へのVDDの供給を制御する機能を有する。PSW23は、行ドライバ43へのVHMの供給を制御する機能を有する。ここでは、半導体装置100の高電源電圧がVDDであり、低電源電圧はGND(接地電位)である。また、VHMは、ワード線を高レベルにするために用いられる高電源電圧であり、VDDよりも高い。信号PON1によってPSW22のオン・オフが制御され、信号PON2によってPSW23のオン・オフが制御される。図1Aでは、周辺回路31において、VDDが供給される電源ドメインの数を1としているが、複数にすることもできる。この場合、各電源ドメインに対してパワースイッチを設ければよい。
駆動回路21とメモリアレイ20は同一平面上に設けてもよい。また、図1Bに示すように、駆動回路21とメモリアレイ20を重ねて設けてもよい。駆動回路21とメモリアレイ20を重ねて設けることで、信号伝搬距離を短くすることができる。また、半導体装置100の小型化が実現できる。
図2Aを用いて、メモリセル10[i,j]、j列目の配線BLである配線BL[j]、i行目の配線WLである配線WL[i]、行ドライバ43、およびセンスアンプ46の接続関係を説明する。
図2Aに、メモリアレイ20に含まれるメモリセル10[i,j]の回路図を示す。メモリセル10[i,j]は、トランジスタ120[i,j]、および容量素子130[i,j]を備える。1つのトランジスタと1つの容量素子で構成されるメモリセルを、1T1C型のメモリセルともいう。
トランジスタ120[i,j]のゲートは、配線WL[i]と電気的に接続され、トランジスタ120[i,j]のソースまたはドレインの一方は配線BL[j]と電気的に接続される。容量素子130[i,j]の一方の電極は配線PL(プレート線)と電気的に接続され、他方の電極は、トランジスタ120[i,j]のソースまたはドレインの他方と電気的に接続される。容量素子130[i,j]の他方の電極と、トランジスタ120[i,j]のソースまたはドレインの他方が電気的に接続する領域をノードSN[i,j]と呼ぶ。
配線BL[j]はスイッチSW1[j]およびスイッチSW2[j]と電気的に接続される。スイッチSW1[j]の一方の端子は配線BL[j]と電気的に接続され、他方の端子は配線COMと電気的に接続される。スイッチSW2[j]の一方の端子は配線BL[j]と電気的に接続され、他方の端子はセンスアンプ46と電気的に接続される。スイッチSW2[j]の他方の端子とセンスアンプ46が電気的に接続する領域をノードSAN[j]と呼ぶ。配線WL[i]は行ドライバ43と電気的に接続される。
n個のスイッチSW1とn個のスイッチSW2は、メモリアレイ20以外に設けてもよい。例えば、スイッチSW1とスイッチSW2を、メモリアレイ20とセンスアンプ46の間に設けてもよい(図3参照)。または、スイッチSW1とスイッチSW2を、駆動回路21に設けてもよい。例えば、スイッチSW1とスイッチSW2を、センスアンプ46に設けてもよい。または、スイッチSW1またはスイッチSW2の一方をメモリアレイ20に設け、他方を駆動回路21に設けてもよい。
センスアンプ46にはイネーブル信号SAEが供給される。イネーブル信号SAEが電位Hの時、センスアンプ46に電力が供給されて、センスアンプ46が動作状態となる。イネーブル信号SAEが電位Lの時、センスアンプ46への電力供給が停止されて、センスアンプ46が停止状態となる。センスアンプ46の動作が必要な場合にのみセンスアンプ46へ電力を供給することで、半導体装置100の消費電力を低減できる。
また、図2Bおよび図2Cに示すように、トランジスタ120として、バックゲートを備えるトランジスタを用いてもよい。ゲートとバックゲートは、ゲートとバックゲートで半導体のチャネル形成領域を挟むように配置される。ゲートとバックゲートは導電体で形成される。バックゲートはゲートと同様に機能させることができる。また、バックゲートの電位を変化させることで、トランジスタのしきい値電圧を変化させることができる。バックゲートの電位は、ゲートと同電位としてもよく、接地電位もしくは任意の電位としてもよい。
ゲートとバックゲートは導電体で形成されるため、トランジスタの外部で生じる電場が、チャネルが形成される半導体に作用しないようにする機能(特に静電気に対する静電遮蔽機能)も有する。すなわち、静電気などの外部の電場の影響によりトランジスタの電気的な特性が変動することを防止することができる。また、バックゲートを設けることで、BT試験前後におけるトランジスタのしきい値電圧の変化量が低減できる。
図2Bは、トランジスタ120のバックゲートが配線BGLと電気的に接続される例を示している。図2Cは、トランジスタ120のゲートとバックゲートが電気的に接続される例を示している。
また、前述した通り、スイッチはトランジスタに置き換えることができる。図4A乃至図4Cは、スイッチSW1[j]をトランジスタTr1[j]に置き換え、スイッチSW2[j]をトランジスタTr2[j]に置き換えた場合の回路図である。
容量素子130を構成する誘電体に強誘電性を有しうる材料を用いる。容量素子130は強誘電体キャパシタとして機能する。
強誘電性を有しうる材料として、例えば、元素M1と、元素M2と、窒素と、を有する金属窒化物が挙げられる。なお、元素M1は、第1の元素に相当し、元素M2は、第2の元素に相当する。ここで、元素M1は、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などから選ばれた一つまたは複数である。また、元素M2は、ホウ素(B)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、セリウム(Ce)、ネオジム(Nd)、ユーロピウム(Eu)などから選ばれた一つまたは複数である。なお、元素M1および元素M2の原子数の和と、窒素の原子数の比を1:1またはその近傍にすればよい。ここで、元素M1の原子数と元素M2の原子数の比は適宜設定することができる。例えば、元素M1の原子数は、元素M2の原子数よりも大きいことが好ましく、元素M2の原子数の1.5倍以上であることがより好ましい。なお、元素M1の原子数と、元素M2の原子数の比は、金属窒化物が固溶体を形成しうる範囲であることが好ましい。なお、元素M1として、アルミニウム、ガリウム、インジウムなどから2つ以上が選ばれる場合、元素M1と、窒素と、を有する金属窒化物は、元素M2を含まなくても、強誘電性を有する場合がある。
元素M1と、元素M2と、窒素と、を有する金属窒化物として、代表的には、窒化アルミニウムスカンジウム(Al1-aScaNb(aは0より大きく、0.5より小さい実数であり、bは1またはその近傍の値である。))、Al-Ga-Sc窒化物(Al1-c-dGacScdNb(cおよびdのそれぞれは、正の実数であり、c+dは、0より大きく、0.5より小さく、bは1またはその近傍の値である。))、Ga-Sc窒化物(Ga1-eSceNb(eは0より大きく、1より小さい実数であり、bは1またはその近傍の値である。))などの金属窒化物がある。つまり、強誘電性を有しうる材料として、窒化アルミニウムおよび/または窒化スカンジウムを有する材料が挙げられる。
また、強誘電性を有しうる材料として、例えば、元素M1と、元素M3と、窒素と、を有する金属窒化物が挙げられる。なお、元素M1は、第1の元素に相当し、元素M3は、第2の元素に相当する。ここで、元素M1は、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などから選ばれた一つまたは複数である。元素M3は、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)などから選ばれた一つまたは複数である。チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、またはクロムの金属窒化物において、これらの金属元素の価数は+3価である。よって、元素M1と、元素M3と、窒素と、を有する金属窒化物においても、元素M3の価数は+3価となりうる。したがって、元素M1および元素M3の原子数の和と、窒素の原子数の比を1:1またはその近傍にすると、当該金属窒化物の電荷が補償される場合がある。
なお、元素M1と、元素M3と、窒素と、を有する金属窒化物は、元素M4を含んでいてもよい。ここで、元素M4は、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)などから選ばれた一つまたは複数である。チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、またはクロムは、+4価以上の価数を取りうる。そこで、当該金属窒化物に価数が+2価である元素M4が含まれることで、当該金属窒化物の電荷が補償されると推定される。なお、元素M1、元素M3、および元素M4の原子数の比は適宜設定することができる。例えば、元素M1の原子数は、元素M3および元素M4の原子数の和よりも大きいことが好ましい。
また、元素M1と、元素M2と、窒素と、を有する金属窒化物に、元素M3または元素M4が含まれてもよい。このとき、元素M1および元素M2の原子数の和に対する、元素M3または元素M4の原子数の比は、0.05以下が好ましく、0.02以下がより好ましい。これにより、当該金属窒化物の電荷を補償するために形成される欠陥の量を抑制することができる。欠陥の量が抑制されることで、当該金属窒化物の結晶性が向上し、強誘電性が発現しやすくなる。
また、元素M1と、元素M3と、窒素と、を有する金属窒化物に元素M2が含まれてもよい。このとき、元素M1および元素M3の原子数の和と、元素M2の原子数の比に特に制限はない。当該金属窒化物に元素M2が含まれても、当該金属窒化物の電荷は補償されるためである。
また、元素M1と、元素M3と、元素M4と、窒素と、を有する金属窒化物に元素M2が含まれてもよい。このとき、元素M1、元素M3、および元素M4の原子数の和と、元素M2の原子数の比に特に制限はない。当該金属窒化物に元素M2が含まれても、当該金属窒化物の電荷は補償されるためである。
なお、上記金属窒化物は、少なくとも、第13族元素と、第15族元素である窒素とを含むため、当該金属窒化物を、13-15族の強誘電体、13族窒化物の強誘電体などと呼ぶ場合がある。
強誘電性を有しうる材料としては、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、HfZrOX(Xは0よりも大きい実数とする)などの金属酸化物が挙げられる。また、強誘電性を有しうる材料としては、酸化ハフニウムに元素J1(ここでの元素J1は、ジルコニウム(Zr)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)などから選ばれた一つまたは複数)を添加した材料が挙げられる。ここで、ハフニウム原子と元素J1の原子数の比は適宜設定することができ、例えば、ハフニウム原子と元素J1の原子数を1:1またはその近傍にすればよい。また、強誘電性を有しうる材料としては、酸化ジルコニウムに元素J2(ここでの元素J2は、ハフニウム(Hf)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、ガドリニウム(Gd)、イットリウム(Y)、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)などから選ばれた一つまたは複数)を添加した材料、などが挙げられる。また、ジルコニウム原子と元素J2の原子数の比は適宜設定することができ、例えば、ジルコニウム原子と元素J2の原子数を1:1またはその近傍にすればよい。なお、酸化ハフニウム、または酸化ハフニウムおよび酸化ジルコニウムを有する材料の結晶構造としては、立方晶系、正方晶系、直方晶系、および単斜晶系の中から選ばれるいずれか一または複数とすればよい。
また、強誘電性を有しうる材料として、チタン酸鉛(PbTiOX)、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、タンタル酸ビスマス酸ストロンチウム(SBT)、ビスマスフェライト(BFO)、チタン酸バリウム、などのペロブスカイト構造を有する圧電性セラミックスを用いてもよい。また、強誘電性を有しうる材料としては、SrTaO2N、BaTaO2Nなどのペロブスカイト型酸窒化物、κアルミナ型構造のGaFeO3などが挙げられる。
なお、上記の説明においては、金属酸化物、及び金属窒化物について例示したがこれに限定されない。例えば、上述の金属酸化物に窒素が添加された金属酸化窒化物、または上述の金属窒化物に酸素が添加された金属窒化酸化物などを用いてもよい。
また、強誘電性を有しうる材料としては、例えば、上記に列挙した材料から選ばれた複数の材料からなる混合物または化合物を用いることができる。ところで、上記に列挙した材料などは、成膜条件だけでなく、各種プロセスなどによっても結晶構造(特性)が変わり得る可能性があるため、本明細書等では強誘電性を発現する材料を強誘電体と呼ぶだけではなく、強誘電性を有しうる材料または強誘電性を有せしめる材料とも呼んでいる。別言すると、本明細書等で「強誘電体」と呼ぶ場合は、強誘電性を発現する材料と強誘電性を有しうる材料のどちらも含まれる。
また、酸化ハフニウム、あるいは酸化ハフニウムおよび酸化ジルコニウムを有する材料は、数nmの膜厚でも強誘電性が発現しやすい。容量素子130の誘電体に薄膜化可能な強誘電体を用いることで、微細化されたトランジスタなどの半導体素子と強誘電体キャパシタとして機能する容量素子130を組み合わせやすくなる。すなわち、占有面積が低減された半導体装置の実現が容易となる。なお、本明細書等において、強誘電性を有しうる材料を層状にしたものを指して、「強誘電体層」と呼ぶ場合がある。また、本明細書等において、強誘電体層を有する装置を、強誘電体デバイスと呼ぶ場合がある。
強誘電体層はヒステリシス特性を有する。図5は、ヒステリシス特性の一例を示す図である。ヒステリシス特性は、強誘電体層を誘電体として用いた容量素子(強誘電体キャパシタ)で測定できる。図5において、横軸は強誘電体層に印加する電圧(電界)を示す。当該電圧は、強誘電体層を誘電体として用いた容量素子の、一方の電極と他方の電極の電位差である。なお、該電位差を強誘電体層の厚さで除算すると電界強度が求められる。
図5において、縦軸は強誘電体層の分極を示す。分極が正の場合は、強誘電体層中の正電荷が容量素子の一方の電極側に偏り、負電荷が容量素子の他方の電極側に偏っていることを示す。一方、分極が負の場合は、強誘電体層中の負電荷が容量素子の一方の電極側に偏り、正電荷が容量素子の他方の電極側に偏っていることを示す。
また、図5のグラフの縦軸に示す分極を、負電荷が容量素子の一方の電極側に偏り、正電荷が容量素子の他方の電極側に偏っている場合に正とし、正電荷が容量素子の一方の電極側に偏り、負電荷が容量素子の他方の電極側に偏っている場合に負としてもよい。
図5に示すように、強誘電体層のヒステリシス特性は、曲線51と、曲線52と、により表すことができる。曲線51と曲線52の交点における電圧を、飽和分極電圧VSP、および飽和分極電圧-VSPと呼ぶ。VSPと-VSPは、極性が異なるということができる。
強誘電体層に-VSP以下の電圧を印加した後に、強誘電体層に印加する電圧を高くしていくと、強誘電体層の分極は、曲線51に従って増加する。一方、強誘電体層にVSP以上の電圧を印加した後に、強誘電体層に印加する電圧を低くしていくと、強誘電体層の分極は、曲線52に従って減少する。なお、VSPを「正の飽和分極電圧」または「第1の飽和分極電圧」と呼び、-VSPを「負の飽和分極電圧」または「第2の飽和分極電圧」と呼ぶ場合がある。第1の飽和分極電圧の絶対値と、第2の飽和分極電圧の絶対値は同じでもよいし異なっていてもよい。
ここで、強誘電体層の分極が曲線51に従って変化する際の、分極が0になる電圧を抗電圧Vcと呼ぶ。また、強誘電体層の分極が曲線52に従って変化する際の、分極が0になる電圧を抗電圧-Vcと呼ぶ。Vcの値および-Vcの値は、-VSPとVSPの間の値である。なお、Vcを「正の抗電圧」または「第1の抗電圧」と呼び、-Vcを「負の抗電圧」または「第2の抗電圧」と呼ぶ場合がある。第1の抗電圧の絶対値と、第2の抗電圧の絶対値とは同じでもよいし異なっていてもよい。
また、強誘電体層に電圧が印加されていない時(電圧が0Vの時)の、分極の最大値を「残留分極Pr」と呼び、最小値を「残留分極-Pr」と呼ぶ。また、残留分極Prと残留分極-Prの差の絶対値を「残留分極2Pr」と呼ぶ。残留分極2Prが大きいほど、分極の反転による強誘電体キャパシタの容量値の変動幅が大きくなる。残留分極2Prは大きいほど好ましい。
メモリセル10は、強誘電体キャパシタである容量素子130と、トランジスタ120を含み、容量素子130の分極の反転による容量値の変化を用いて情報を記憶する機能を有する。メモリセル10は、強誘電体メモリとして機能する。1つのトランジスタと1つの強誘電体キャパシタで構成されるメモリセルを、1T1F型のメモリセルともいう。
トランジスタ120のチャネルが形成される半導体層としては、単結晶半導体、多結晶半導体、微結晶半導体、または非晶質半導体などを、単体でまたは組み合わせて用いることができる。半導体材料としては、例えば、シリコン、ゲルマニウムなどを用いることができる。また、シリコンゲルマニウム、炭化シリコン、ヒ化ガリウム、酸化物半導体、窒化物半導体などの化合物半導体を用いてもよい。
なお、トランジスタ120は、チャネルが形成される半導体層に金属酸化物の一種である酸化物半導体を用いたトランジスタ(「OSトランジスタ」ともいう。)であることが好ましい。酸化物半導体はバンドギャップが2eV以上であるため、オフ電流が著しく少ない。よって、メモリセル10の消費電力を低減できる。よって、メモリセル10を含む半導体装置100の消費電力を低減できる。
また、OSトランジスタを含むメモリセルを「OSメモリ」と呼ぶことができる。また、当該メモリセルを含む半導体装置100も「OSメモリ」と呼ぶことができる。
また、OSトランジスタは高温環境下においても動作が安定し、特性変動が少ない。例えば、高温環境下でもオフ電流がほとんど増加しない。具体的には、室温以上200℃以下の環境温度下でもオフ電流がほとんど増加しない。また、高温環境下でもオン電流が低下しにくい。よって、OSメモリは、高温環境下においても動作が安定し、高い信頼性が得られる。
また、OSトランジスタは、ソースとドレイン間の絶縁耐圧が高い。トランジスタ120にOSトランジスタを用いることで、トランジスタ120のチャネル長を小さくしても、分極の反転に必要な電圧を容量素子130に供給することができる。よって、メモリセル10の占有面積を低減できる。よって、半導体装置の記憶容量および/または記憶密度を高めることができる。
続いて、強誘電体メモリであるメモリセル10の読み出し動作および書き込み動作について図面を用いて説明する。なお、本実施の形態で説明する動作は、全てのメモリセル10に共通の事柄であるため、“[i]”、“[i,j]”等の識別用の符号の記載は省略する。
前提条件として、分極の反転に必要なVSPが4V、-VSPが-4Vであるものとする。また、容量素子130に印加される電圧の絶対値が3V以下の場合は、分極の反転が生じないものとする。また、容量素子130は、分極が正の時よりも負の時の方が、容量値が大きいものとする。また、容量素子130の分極が負の時にデータ“1”が保持され、正の時に“0”が保持されているものとする。また、配線COMに0Vが供給されているものとする。
<読み出し動作>
メモリセル10から、データを読み出す動作について説明する。図6および図14は、読み出し動作を説明するためのタイミングチャートである。図7乃至図13、図15、および図16におけるAは、メモリセル10の動作状態を説明するための回路図である。図7乃至図13、図15、および図16におけるBは、容量素子130の分極のヒステリシス特性であり、Aに示す動作状態における分極55を白丸で示している。なお、図7乃至図13、図15、および図16におけるBの横軸は容量素子130に印加される電圧を示す。より具体的には、ノードSNが0Vの時の配線PLの電位である。また、図7乃至図13、図15、および図16におけるBの縦軸は容量素子130の分極を示す。
また、動作状態を示す回路図などにおいて、配線などの電位をわかりやすく示すため、配線などに隣接して、電位Hを示す“H”または電位Lを示す“L”などの記号を記す場合がある。また、電位変化が生じた配線などに、前述した“H”または前述した“L”などの記号を囲み文字で記す場合がある。また、オフ状態のトランジスタおよびオフ状態の回路などに重ねて“×”の記号を記す場合がある。
なお、本明細書などにおいて、nチャネル型トランジスタのゲートに印加する電位Hは、該トランジスタをオン状態にする電位であり、電位Lはオフ状態にする電位である。また、pチャネル型トランジスタのゲートに印加する電位Lは、該トランジスタをオン状態にする電位であり、電位Hはオフ状態にする電位である。
〔データ“1”の読み出し動作〕
図6はデータ“1”の読み出し動作を説明するためのタイミングチャートである。図7Aは、メモリセル10の初期状態を示す回路図である。図7Bは、メモリセル10が初期状態の時の分極55を示している。初期状態として、メモリセル10にデータ“1”が保持されているものとする。また、スイッチSW1およびスイッチSW2が導通状態であり、配線BLおよびノードSANに0Vが供給されているものとする。また、イネーブル信号SAEの電位が電位Lであるものとする。また、配線WLの電位が電位Lであるものとする。よって、トランジスタ120はオフ状態である。また、配線PL、およびノードSNの電位が0Vであるものとする。初期状態において、容量素子130には電圧が印加されていないため、分極55は-Prである(図5参照。)。
期間T11において、スイッチSW1をオフ状態にする。すると、配線BLおよびノードSANがフローティング状態になる。また、配線WLに電位Hを供給し、トランジスタ120をオン状態にする。
また、期間T11において、配線PLに4Vを供給する。すると、容量素子130の分極が反転する。この時、ノードSN、配線BL、およびノードSANに電流が流れる。ノードSN、配線BL、およびノードSANはフローティング状態であるため、ノードSN、配線BL、およびノードSANの電位が上昇する。ノードSN、配線BL、および、ノードSANの電位は電位Vf2まで上昇する(図8A参照。)。この時の分極55を図8Bに示す。
電位Vf2の大きさは、ノードSN、配線BL、および、ノードSANの寄生容量と、容量素子130の容量の比で決定される。また、電位Vf2は、後述する電位Vf1よりも高い電位である。
また、期間T11において、容量素子130の分極が反転するため、メモリセル10に書き込まれたデータ“1”は破壊される。
期間T12において、スイッチSW1をオン状態にし、スイッチSW2をオフ状態にする(図9A参照。)。すると、配線BLおよびノードSNの電位が0Vになり、容量素子130に4V(飽和分極電圧VSP)が印加される。この時の分極55を図9Bに示す。容量素子130にVSPが印加されることにより、容量素子130の分極がほぼ完全に反転する。
また、イネーブル信号SAEを電位Hにして、センスアンプ46に電力を供給する。センスアンプ46は、基準電位とノードSANの電位を比較する機能を有する。基準電位は、電位Vf2と後述する電位Vf1の間の電位であることが好ましい。
センスアンプ46は、基準電位よりもノードSANの電位が高い場合に、ノードSANに電位VSAHを供給する機能を有する。また、ノードSANの電位が基準電位以下である場合は、ノードSANに電位VSALを供給する機能を有する。電位VSAHは、VSPの80%以下が好ましく、VSPの50%以下がより好ましく、VSPの20%以下がさらに好ましい。電位VSALは電位VSAHよりも低い電位である。本実施の形態では、電位VSAHを1Vとし、電位VSALを0Vとする。電位Vf2は基準電位よりも高い電位であるため、センスアンプ46はノードSANに電位VSAHを供給する。
センスアンプ46の出力電圧を用いて、メモリセル10に保持されているデータを知ることができる。
期間T13において、スイッチSW1をオフ状態にし、スイッチSW2をオン状態にする(図10A参照。)。すると、配線BLおよびノードSNの電位が1Vになり、容量素子130に3Vが印加される。この時の分極55を図10Bに示す。
期間T14において、配線PLに-3Vを供給する(図11A参照。)。この時、ノードSNの電位が1Vであるため、容量素子130には-4Vが印加される。すなわち、容量素子130に-VSPが印加される。この時の分極55を図11Bに示す。このようにして、破壊されたデータ“1”を書き戻すことができる。
期間T15において、配線PLに0Vを供給する(図12A、図12B参照。)。
期間T16において、スイッチSW1をオン状態にし、イネーブル信号SAEを電位Lにする。すると、センスアンプ46への電力供給が停止し、配線BL、ノードSAN、およびノードSNの電位が0Vになる(図13A、図13B参照。)。その後、配線WLに電位Lを供給し、トランジスタ120をオフ状態にする。
〔データ“0”の読み出し動作〕
続いて、メモリセル10にデータ“0”が保持されている場合の読み出し動作を説明する。説明の繰り返しを少なくするため、主に、データ“1”の読み出し動作と異なる点について説明する。図14はデータ“0”の読み出し動作を説明するためのタイミングチャートである。図15Aは、メモリセル10の初期状態を示す回路図である。図15Bは、メモリセル10が初期状態の時の分極55を示している。初期状態として、メモリセル10にデータ“0”が保持されているものとする。初期状態において、容量素子130には電圧が印加されていないため、分極55はPrである(図5参照。)。
期間T11において、スイッチSW1をオフ状態にする。すると、配線BLおよびノードSANがフローティング状態になる。また、配線WLに電位Hを供給し、トランジスタ120をオン状態にする。
また、期間T11において、配線PLに4Vを供給する。前述したデータ“1”の読み出し動作では、容量素子130の分極反転に伴いノードSNへ電荷が供給され、ノードSNの電位が電位Vf2まで上昇した。一方で、データ“0”の読み出し動作では、分極反転がほとんど起こらない。読み出し動作における期間T11において、配線PLに4Vを供給した後のノードSNの電位を電位Vf1とすると、電位Vf1は電位Vf2よりも低い電位になる(図16A、図16B参照。)。
期間T12において、スイッチSW1をオン状態にし、スイッチSW2をオフ状態にする。期間T11と同様に、データ“0”の読み出し動作では、容量素子130の分極は反転しない。また、期間T12において、イネーブル信号SAEを電位Hにすると、センスアンプ46に電力が供給され、基準電位とノードSANの電位を比較する。その結果、ノードSANに電位VSAL(0V)が供給される。
データ“1”の読み出し動作と同様に、センスアンプ46の出力電圧を用いて、メモリセル10に保持されているデータを知ることができる。
期間T13において、スイッチSW1をオフ状態にし、スイッチSW2をオン状態にする。すると、センスアンプ46からノードSAN、配線BL、およびノードSNに電位VSAL(0V)が供給される。
期間T14において、配線PLに-3Vを供給する。この時、ノードSNの電位は0Vであるため、容量素子130には-3Vが印加される。すなわち、容量素子130に印加される電圧が-VSPに到達せず、分極の反転は生じない。データ“0”の読み出しにおいては、データを破壊せずに読み出すことができる。
データ“0”の読み出し動作における期間T15以降の説明は、データ“1”の読み出し動作の説明を参酌して理解できる。
<書き込み動作>
続いて、メモリセル10の書き込み動作について説明する。
〔データ“1”の書き込み動作〕
図17Aに、メモリセル10にデータ“1”を書き込む動作を説明するタイミングチャートを示す。期間T21において、スイッチSW1をオフ状態にし、スイッチSW2をオン状態にする。また、配線WLに電位Hを供給し、トランジスタ120をオン状態にする。
期間T22において、イネーブル信号SAEを電位Hにし、センスアンプ46から電位VSAH(1V)を出力する。すると、ノードSAN、配線BL、ノードSNの電位が1Vになる。また、配線PLに-3Vを供給する。すると、容量素子130に-4Vが印加される。すなわち、容量素子130に-VSPが印加される。図18Aは、期間T22におけるメモリセル10の動作状態を示す回路図である。図18Bは、期間T22における分極55を示す図である。
期間T23において、イネーブル信号SAEを電位Lにし、センスアンプ46への電力供給を停止する。また、スイッチSW1をオン状態にする。すると、ノードSAN、配線BL、ノードSNの電位が0Vになる。また、配線PLに0Vを供給する。その後、配線WLに電位Lを供給し、トランジスタ120をオフ状態にする。このようにして、メモリセル10にデータ“1”を書き込むことができる。
〔データ“0”の書き込み動作〕
図17Bに、メモリセル10にデータ“0”を書き込む動作を説明するタイミングチャートを示す。期間T21において、イネーブル信号SAEを電位Lにし、スイッチSW1およびスイッチSW2をオン状態にする。また、配線WLに電位Hを供給し、トランジスタ120をオン状態にする。よって、ノードSAN、配線BL、ノードSNの電位が0Vになる。
期間T22において、イネーブル信号SAEを電位Hにし、センスアンプ46から電位VSAL(0V)を出力する。すると、ノードSAN、配線BL、ノードSNの電位も0Vになる。また、配線PLに4Vを供給する。すると、容量素子130に4Vが印加される。すなわち、容量素子130にVSPが印加される。図19Aは、期間T22におけるメモリセル10の動作状態を示す回路図である。図19Bは、期間T22における分極55を示す図である。
期間T23において、イネーブル信号SAEを電位Lにし、センスアンプ46への電力供給を停止する。また、スイッチSW1をオン状態にし、配線PLに0Vを供給する。その後、配線WLに電位Lを供給し、トランジスタ120をオフ状態にする。このようにして、メモリセル10にデータ“0”を書き込むことができる。
また、データ“0”の書き込み動作においてノードSNに0Vを供給する場合は、イネーブル信号SAEを電位Lとし、スイッチSW1をオン状態にしてもよい。すなわち、センスアンプ46を用いずにノードSNへ0Vを供給してもよい。センスアンプ46を用いないことで、消費電力を低減できる。
データの読み出し動作および書き込み動作においては、メモリアレイ20よりもセンスアンプ46の消費電力が大きい。本実施の形態に示した構成および/または動作方法によれば、センスアンプ46の出力電圧をVSPの80%以下、好ましくは50%以下、より好ましくはVSPの20%以下にすることができる。よって、センスアンプ46の動作電圧を低減できる。よって、センスアンプ46の消費電力を低減できる。また、半導体装置の消費電力を低減できる。
<変形例>
前述したデータの読み出し動作において、期間T12を省略してもよい。図20に期間T12を行なわない場合のデータ“1”の読み出し動作を説明するタイミングチャートを示す。期間T12を行なわないため、期間T13でイネーブル信号SAEを電位Hにする。
また、期間T12を行なわない場合、図21Aに示すように、スイッチSW2を設けなくてもよい。図21Aに示す回路構成においても、前述したデータの読み出しおよび書き込み動作を行うことができる。
また、図21Bに示すように、隣接する2列のメモリセル10を、1つの配線BLと電気的に接続する構成としてもよい。1つの配線BLを2列のメモリセル10で共有することで、メモリアレイ20の占有面積を低減し、メモリセル10の実装密度を高めることができる。
本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態などと適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置の断面構成例等について説明する。
図22は、本発明の一態様に係る半導体装置の構成例を示す断面図である。図22には、本発明の一態様に係る半導体装置の構成要素のうち、トランジスタ300、トランジスタ200a、および容量素子400等を示している。ここで、トランジスタ200aは、トランジスタ300の上方に設けられる。容量素子400はトランジスタ200aの上方に設けられる。トランジスタ200aは、酸化物半導体を有する半導体層にチャネルが形成されるトランジスタとすることができる。
トランジスタ300は、例えば、実施の形態1に示す駆動回路21に含まれるトランジスタに相当する。トランジスタ200aは、例えば、実施の形態1に示すトランジスタ120に相当する。容量素子400は、例えば、実施の形態1に示す容量素子130に相当する。
図22において、配線1001はトランジスタ300のソース又はドレインの一方と電気的に接続され、配線1002はトランジスタ300のソース又はドレインの他方と電気的に接続される。また、配線1003はトランジスタ200aのソース又はドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ200aのソース又はドレインの他方は、容量素子400の一方の電極と電気的に接続され、容量素子400の他方の電極は、配線1005と電気的に接続される。配線1004はトランジスタ200aのゲートと電気的に接続され、配線1006はトランジスタ200aのバックゲートと電気的に接続される。さらに、配線1007はトランジスタ300のゲートと電気的に接続される。
<トランジスタ300>
トランジスタ300は、基板311上に設けられ、ゲートとして機能する導電体316、ゲート絶縁体として機能する絶縁体315、基板311の一部からなる半導体領域313、及びソース領域又はドレイン領域として機能する低抵抗領域314a、及び低抵抗領域314bを有する。トランジスタ300は、pチャネル型、あるいはnチャネル型のいずれでもよい。
ここで、図22に示すトランジスタ300はチャネルが形成される半導体領域313(基板311の一部)が凸形状を有する。また、半導体領域313の側面の一部及び上面の一部を、絶縁体315を介して、導電体316が覆うように設けられている。なお、導電体316は仕事関数を調整する材料を用いてもよい。このようなトランジスタ300は半導体基板の凸部を利用していることからFIN型トランジスタとも呼ばれる。なお、凸部の上部に接して、凸部を形成するためのマスクとして機能する絶縁体を有していてもよい。また、ここでは半導体基板の一部を加工して凸部を形成する場合を示したが、SOI基板を加工して凸形状を有する半導体膜を形成してもよい。
なお、図22に示すトランジスタ300は一例であり、その構造に限定されず、回路構成又は駆動方法に応じて適切なトランジスタを用いればよい。
<配線層>
各構造体の間には、層間膜、配線、及びプラグ等が設けられた配線層が設けられていてもよい。また、配線層は、設計に応じて複数層設けることができる。ここで、プラグ又は配線としての機能を有する導電体は、複数の構造をまとめて同一の符号を付与する場合がある。また、本明細書等において、配線と、配線と電気的に接続するプラグとが一体物であってもよい。すなわち、導電体の一部が配線として機能する場合、及び導電体の一部がプラグとして機能する場合もある。
例えば、トランジスタ300上には、層間膜として、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326が順に積層して設けられている。また、絶縁体320、絶縁体322、絶縁体324、及び絶縁体326には導電体328、及び導電体330等が埋め込まれている。なお、導電体328、及び導電体330はプラグ、又は配線として機能する。
また、層間膜として機能する絶縁体は、その下方の凹凸形状を被覆する平坦化膜として機能してもよい。例えば、絶縁体322の上面は、平坦性を高めるために化学機械研磨(CMP)法等を用いた平坦化処理により平坦化されていてもよい。
絶縁体326、及び導電体330上に、配線層を設けてもよい。例えば、図22において、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354が順に積層して設けられている。また、絶縁体350、絶縁体352、及び絶縁体354には、導電体356が形成されている。導電体356は、プラグ、又は配線として機能する。
同様に、絶縁体211、絶縁体212、絶縁体214、及び絶縁体216には、導電体218等が埋め込まれている。また、絶縁体222、絶縁体275、絶縁体280、絶縁体282、絶縁体283、及び絶縁体285には、導電体240等が埋め込まれている。さらに、導電体240上には、導電体209が設けられている。なお、導電体218、導電体240、及び導電体209は、プラグ、又は配線としての機能を有する。
ここで、プラグとして機能する導電体218の側面に接して絶縁体217が設けられる。絶縁体217は、絶縁体211、絶縁体212、絶縁体214、及び絶縁体216に形成された開口の内壁に接して設けられている。つまり、絶縁体217は、導電体218と、絶縁体211、絶縁体212、絶縁体214、及び絶縁体216と、の間に設けられている。
絶縁体217としては、例えば、窒化シリコン、酸化アルミニウム、又は窒化酸化シリコン等の絶縁体を用いればよい。絶縁体217は、絶縁体211、絶縁体212、絶縁体214、及び絶縁体216等に接して設けられるので、絶縁体211又は絶縁体216等から水又は水素等の不純物が、導電体218を通じてトランジスタ200aの半導体層に混入するのを抑制することができる。特に、窒化シリコンは水素に対するブロッキング性が高いので好適である。また、絶縁体211又は絶縁体216に含まれる酸素が導電体218に吸収されるのを抑制することができる。
なお、本明細書等において、「酸化窒化物」とは、主成分として窒素よりも酸素の含有量が多い材料を指す。例えば「酸化窒化シリコン」とは、窒素よりも酸素の含有量が多い、シリコンと、窒素と、酸素と、を含む材料を指す。また、本明細書等において、「窒化酸化物」とは、主成分として酸素よりも窒素の含有量が多い材料を指す。例えば「窒化酸化アルミニウム」とは、酸素よりも窒素の含有量が多い、アルミニウムと、窒素と、酸素と、を含む材料を示す。
層間膜として用いることができる絶縁体としては、絶縁性を有する酸化物、窒化物、酸化窒化物、窒化酸化物、金属酸化物、金属酸化窒化物、金属窒化酸化物等がある。
例えば、層間膜として機能する絶縁体には、比誘電率が低い材料を用いることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。したがって、絶縁体の機能に応じて、材料を選択するとよい。
例えば、絶縁体211、絶縁体352、及び絶縁体354等には、比誘電率の低い絶縁体を有することが好ましい。例えば、当該絶縁体は、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコン又は樹脂等を有することが好ましい。又は、当該絶縁体は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素及び窒素を添加した酸化シリコン又は空孔を有する酸化シリコンと、樹脂との積層構造を有することが好ましい。酸化シリコン及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、樹脂と組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の低い積層構造とすることができる。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネート又はアクリル等がある。
また、酸化物半導体を用いたトランジスタは、水素等の不純物及び酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体で囲うことによって、トランジスタの電気特性を安定にすることができる。従って、絶縁体214、絶縁体212及び絶縁体350等には、水素等の不純物及び酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体を用いればよい。
水素等の不純物及び酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウム又はタンタルを含む絶縁体を、単層で、又は積層で用いればよい。具体的には、水素等の不純物及び酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム又は酸化タンタル等の金属酸化物、窒化酸化シリコン又は窒化シリコン等を用いることができる。
配線、プラグに用いることができる導電体としては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウム等から選ばれた金属元素を1種以上含む材料を用いることができる。また、リン等の不純物元素を含有させた多結晶シリコンに代表される、電気伝導度が高い半導体、ニッケルシリサイド等のシリサイドを用いてもよい。
例えば、導電体328、導電体330、導電体356、導電体218、導電体240、及び導電体209等としては、上記の材料で形成される金属材料、合金材料、金属窒化物材料、又は金属酸化物材料等の導電性材料を、単層又は積層して用いることができる。耐熱性と導電性を両立するタングステン、モリブデン等の高融点材料を用いることが好ましく、タングステンを用いることが好ましい。又は、アルミニウム、銅等の低抵抗導電性材料で形成することが好ましい。低抵抗導電性材料を用いることで配線抵抗を低くすることができる。
<酸化物半導体が設けられた層の配線、又はプラグ>
なお、トランジスタ200aの半導体層に、酸化物半導体を用いる場合、酸化物半導体の近傍に過剰酸素領域を有する絶縁体を設けることがある。その場合、該過剰酸素領域を有する絶縁体と、該過剰酸素領域を有する絶縁体に設ける導電体との間に、バリア性を有する絶縁体を設けることが好ましい。
例えば、図22では、過剰酸素を有する絶縁体280と、導電体240との間に、絶縁体241を設けるとよい。絶縁体241と、絶縁体222、絶縁体282、及び絶縁体283とが接して設けられることで、トランジスタ200aは、バリア性を有する絶縁体により、封止する構造とすることができる。
つまり、絶縁体241を設けることで、絶縁体280が有する過剰酸素が、導電体240に吸収されることを抑制することができる。また、絶縁体241を有することで、不純物である水素が、導電体240を介して、トランジスタ200aへ拡散することを抑制することができる。
なお、絶縁体241としては、水又は水素等の不純物、及び酸素の拡散を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いるとよい。例えば、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム又は酸化ハフニウム等を用いることが好ましい。特に、窒化シリコンは水素に対するブロッキング性が高いため好ましい。また、他にも、例えば、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム又は酸化タンタル等の金属酸化物等を用いることができる。
ここで絶縁体283、及び絶縁体282には導電体240が、絶縁体214、及び絶縁体212には導電体218が貫通しているが、上記の通り、絶縁体241が導電体240に接して設けられ、絶縁体217が導電体218に接して設けられている。これにより、導電体240及び導電体218を介して、絶縁体212、絶縁体214、絶縁体282、及び絶縁体283の内側に混入する水素を低減することができる。このようにして、絶縁体212、絶縁体214、絶縁体282、絶縁体283、絶縁体241、及び絶縁体217でトランジスタ200aを封止し、絶縁体274等に含まれる水素等の不純物が外側から混入するのを低減することができる。
容量素子400は、導電体208と、導電体208を覆う絶縁体221と、絶縁体221を介して導電体208と重なる領域を有する導電体220(導電体220a、及び導電体220b)と、を有する。絶縁体221は、強誘電性を有し得る材料を用いればよい。
導電体208は、導電体209と同じ層に形成されており、導電体240の上面に接する。導電体208は、導電体240を介してトランジスタ200aのソース又はドレインの他方と電気的に接続される。
また、導電体220、絶縁体221、及び導電体209を覆って、絶縁体155が設けられることが好ましい。絶縁体155は、水素を捕獲及び固着する機能を有する絶縁体を用いることが好ましい。例えば、酸化アルミニウムなどを用いることが好ましい。このような絶縁体155を、容量素子400を覆うように設けることにより、容量素子400の絶縁体221に含まれる水素を捕獲および固着し、絶縁体221中の水素濃度を低減することができる。これにより、絶縁体221の強誘電性を高めることができる。また、導電体208と導電体220間のリーク電流を低減できる。なお、これに限られず、絶縁体155を設けない構成にしてもよい。
また、導電体209及び導電体220の上に、水素に対するバリア絶縁膜として機能する、絶縁体152a及び絶縁体152bを設けることが好ましい。絶縁体152a及び絶縁体152bは、絶縁体155の上に設けられる。このような絶縁体152a及び絶縁体152bを設けることで、絶縁体152b上の絶縁体286に含まれる水素等の不純物が、容量素子400、導電体209、及び導電体240を介して、トランジスタ200aに拡散することを抑制することができる。
<ダイシングライン>
以下では、大面積基板を半導体素子ごとに分断することによって、複数の半導体装置をチップ状で取り出す場合に設けられるダイシングライン(スクライブライン、分断ライン、又は切断ラインと呼ぶ場合がある)について説明する。分断方法としては、例えば、まず、基板に半導体素子を分断するための溝(ダイシングライン)を形成した後、ダイシングラインにおいて切断し、複数の半導体装置に分断(分割)する場合がある。
ここで、例えば、図22に示すように、絶縁体283と、絶縁体214とが接する領域がダイシングラインと重なるように設計することが好ましい。つまり、複数のトランジスタ200aを有するメモリセルの外縁に設けられるダイシングラインとなる領域近傍において、絶縁体282、絶縁体280、絶縁体275、絶縁体222、及び絶縁体216に開口を設ける。
つまり、絶縁体282、絶縁体280、絶縁体275、絶縁体222、及び絶縁体216に設けた開口において、絶縁体214と、絶縁体283とが接する。
また、例えば、絶縁体282、絶縁体280、絶縁体275、絶縁体222、及び絶縁体216の他、絶縁体214に開口を設けてもよい。このような構成とすることで、絶縁体282、絶縁体280、絶縁体275、絶縁体222、絶縁体216、及び絶縁体214に設けた開口において、絶縁体212と、絶縁体283とが接する。このとき、絶縁体212と、絶縁体283とを同材料及び同方法を用いて形成してもよい。絶縁体212、及び絶縁体283を、同材料、及び同方法で設けることで、密着性を高めることができる。例えば、窒化シリコンを用いることが好ましい。
当該構造により、絶縁体212、絶縁体214、絶縁体282、及び絶縁体283で、トランジスタ200aを包み込むことができる。絶縁体212、絶縁体214、絶縁体282、及び絶縁体283の少なくとも一は、酸素、水素、及び水の拡散を抑制する機能を有しているため、本実施の形態に示す半導体素子が形成された回路領域ごとに、基板を分断することにより、複数のチップに加工しても、分断した基板の側面方向から、水素又は水等の不純物が混入し、トランジスタ200aに拡散することを防ぐことができる。
また、当該構造により、絶縁体280の過剰酸素が外部に拡散することを抑制することができる。従って、絶縁体280の過剰酸素は、効率的にトランジスタ200aにおけるチャネルが形成される酸化物に供給される。当該酸素により、トランジスタ200aにおけるチャネルが形成される酸化物の酸素欠損を低減することができる。これにより、トランジスタ200aにおけるチャネルが形成される酸化物を欠陥準位密度が低い、安定な特性を有する酸化物半導体とすることができる。つまり、トランジスタ200aの電気特性の変動を抑制すると共に、信頼性を向上させることができる。
<トランジスタの構成例>
図23A乃至図23Dは、トランジスタ200aに適用することができるトランジスタ200の構成例を示す上面図、及び断面図である。ここで、図23Bは、図23AにA1-A2の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ200のチャネル長方向の断面図でもある。また、図23Cは、図23AにA3-A4の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ200のチャネル幅方向の断面図でもある。また、図23Dは、図23AにA5-A6の一点鎖線で示す部位の断面図である。なお、図23Aの上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いている。
図23B乃至図23Dには、絶縁体212と、絶縁体212上の絶縁体214と、絶縁体214上のトランジスタ200と、トランジスタ200上の絶縁体280と、絶縁体280上の絶縁体282と、絶縁体282上の絶縁体283と、絶縁体283上の絶縁体274と、絶縁体283上、及び絶縁体274上の絶縁体285と、を示している。絶縁体212、絶縁体214、絶縁体216、絶縁体280、絶縁体282、絶縁体283、絶縁体285、及び絶縁体274は層間膜として機能する。また、トランジスタ200と電気的に接続し、プラグとして機能する導電体240(導電体240a、及び導電体240b)を有する。なお、プラグとして機能する導電体240の側面に接して絶縁体241(絶縁体241a、及び絶縁体241b)が設けられる。また、絶縁体285上、及び導電体240上には、導電体240と電気的に接続し、配線として機能する導電体246(導電体246a、及び導電体246b)が設けられる。また、絶縁体283は、絶縁体214の上面の一部、絶縁体216の側面、絶縁体222の側面、絶縁体275の側面、絶縁体280の側面、ならびに絶縁体282の側面及び上面と接する。
絶縁体280、絶縁体282、絶縁体283、及び絶縁体285の開口の内壁に接して絶縁体241aが設けられ、絶縁体241aの側面に接して導電体240aが設けられている。また、絶縁体280、絶縁体282、絶縁体283、及び絶縁体285の開口の内壁に接して絶縁体241bが設けられ、絶縁体241bの側面に接して導電体240bが設けられている。なお、絶縁体241は、第1の絶縁体が上記開口の内壁に接して設けられ、さらに内側に第2の絶縁体が設けられる構造になっている。また、導電体240は、第1の導電体が絶縁体241の側面に接して設けられ、さらに内側に第2の導電体が設けられる構造になっている。ここで、導電体240の上面の高さと、導電体246と重なる領域の、絶縁体285の上面の高さと、は同程度にできる。
なお、トランジスタ200では、絶縁体241の第1の絶縁体及び絶縁体241の第2の絶縁体を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、絶縁体241を単層、又は3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。また、トランジスタ200では、導電体240の第1の導電体及び導電体240の第2の導電体を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体240を単層、又は3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。構造体が積層構造を有する場合、形成順に序数を付与し、区別する場合がある。
[トランジスタ200]
図23A乃至図23Dに示すように、トランジスタ200は、絶縁体214上の絶縁体216と、絶縁体214及び/又は絶縁体216に埋め込まれるように配置された導電体205(導電体205a、及び導電体205b)と、絶縁体216上、及び導電体205上の絶縁体222と、絶縁体222上の絶縁体224と、絶縁体224上の酸化物230aと、酸化物230a上の酸化物230bと、酸化物230b上の導電体242aと、導電体242a上の絶縁体271aと、酸化物230b上の導電体242bと、導電体242b上の絶縁体271bと、酸化物230b上の絶縁体250と、絶縁体250上に位置し、酸化物230bの一部と重なる導電体260(導電体260a、及び導電体260b)と、絶縁体222、絶縁体224、酸化物230a、酸化物230b、導電体242a、導電体242b、絶縁体271a、及び絶縁体271b上に配置される絶縁体275と、を有する。ここで、図23B及び図23Cに示すように、絶縁体250は、絶縁体222の上面、絶縁体224の側面、酸化物230aの側面、酸化物230bの側面及び上面、導電体242の側面、絶縁体271の側面、絶縁体275の側面、及び絶縁体280の側面と接する。また、導電体260の上面は、絶縁体250の最上部、及び絶縁体280の上面と高さが概略一致するように配置される。また、絶縁体282は、導電体260、絶縁体250、及び絶縁体280のそれぞれの上面の少なくとも一部と接する。
なお、以下において、酸化物230aと酸化物230bをまとめて酸化物230と呼ぶ場合がある。また、導電体242aと導電体242bをまとめて導電体242と呼ぶ場合がある。また、絶縁体271aと絶縁体271bをまとめて絶縁体271と呼ぶ場合がある。
絶縁体280、及び絶縁体275には、酸化物230bに達する開口が設けられる。当該開口内に、絶縁体250、及び導電体260が配置されている。また、トランジスタ200のチャネル長方向において、絶縁体271a、及び導電体242aと、絶縁体271b、及び導電体242bと、の間に導電体260、及び絶縁体250が設けられている。絶縁体250は、導電体260の側面と接する領域と、導電体260の底面と接する領域と、を有する。
酸化物230は、絶縁体224の上に配置された酸化物230aと、酸化物230aの上に配置された酸化物230bと、を有することが好ましい。酸化物230b下に酸化物230aを有することで、酸化物230aよりも下方に形成された構造物から、酸化物230bへの不純物の拡散を抑制することができる。
なお、トランジスタ200では、酸化物230が、酸化物230a、及び酸化物230bの2層を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、酸化物230bの単層、又は3層以上の積層構造を設ける構成にしてもよいし、酸化物230a、及び酸化物230bのそれぞれが積層構造を有していてもよい。
導電体260は、ゲート電極として機能し、導電体205は、バックゲート電極として機能する。また、絶縁体250は、ゲート電極に対するゲート絶縁体として機能し、絶縁体222、及び絶縁体224は、バックゲート電極に対するゲート絶縁体として機能する。また、導電体242aは、ソース又はドレインの一方として機能し、導電体242bは、ソース又はドレインの他方として機能する。また、酸化物230の導電体260と重畳する領域の少なくとも一部はチャネル形成領域として機能する。
ここで、図23Bにおけるチャネル形成領域近傍の拡大図を図24に示す。酸化物230bに酸素が供給されることで、導電体242aと導電体242bの間の領域にチャネル形成領域が形成される。よって、図24に示すように、酸化物230bは、トランジスタ200のチャネル形成領域として機能する領域230bcと、領域230bcを挟むように設けられ、ソース領域又はドレイン領域として機能する領域230ba及び領域230bbと、を有する。領域230bcは、少なくとも一部が導電体260と重畳している。言い換えると、領域230bcは、導電体242aと導電体242bの間の領域に設けられている。領域230baは、導電体242aに重畳して設けられており、領域230bbは、導電体242bに重畳して設けられている。
チャネル形成領域として機能する領域230bcは、領域230ba及び領域230bbよりも、酸素欠損が少なく、又は不純物濃度が低いため、キャリア濃度が低い高抵抗領域である。よって領域230bcは、i型(真性)又は実質的にi型であるということができる。
また、ソース領域又はドレイン領域として機能する領域230ba及び領域230bbは、酸素欠損が多く、又は水素、窒素、金属元素等の不純物濃度が高い、ことでキャリア濃度が増加し、低抵抗化した領域である。すなわち、領域230ba及び領域230bbは、領域230bcと比較して、キャリア濃度が高く、低抵抗なn型の領域である。
ここで、チャネル形成領域として機能する領域230bcのキャリア濃度は、1×1018cm-3以下であることが好ましく、1×1017cm-3未満であることがより好ましく、1×1016cm-3未満であることがさらに好ましく、1×1013cm-3未満であることがさらに好ましく、1×1012cm-3未満であることがさらに好ましい。なお、チャネル形成領域として機能する領域230bcのキャリア濃度の下限値については、特に限定は無いが、例えば、1×10-9cm-3とすることができる。
また、領域230bcと領域230ba又は領域230bbとの間に、キャリア濃度が、領域230ba及び領域230bbのキャリア濃度と同等、又はそれよりも低く、領域230bcのキャリア濃度と同等、又はそれよりも高い、領域が形成されていてもよい。つまり、当該領域は、領域230bcと領域230ba又は領域230bbとの接合領域として機能する。当該接合領域は、水素濃度が、領域230ba及び領域230bbの水素濃度と同等、又はそれよりも低く、領域230bcの水素濃度と同等、又はそれよりも高くなる場合がある。また、当該接合領域は、酸素欠損が、領域230ba及び領域230bbの酸素欠損と同等、又はそれよりも少なく、領域230bcの酸素欠損と同等、又はそれよりも多くなる場合がある。
なお、図24では、領域230ba、領域230bb、及び領域230bcが酸化物230bに形成される例について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、上記の各領域が酸化物230bだけでなく、酸化物230aまで形成されてもよい。
また、酸化物230において、各領域の境界を明確に検出することが困難な場合がある。各領域内で検出される金属元素、ならびに水素、及び窒素等の不純物元素の濃度は、領域ごとの段階的な変化に限らず、各領域内でも連続的に変化していてもよい。つまり、チャネル形成領域に近い領域であるほど、金属元素、ならびに水素、及び窒素等の不純物元素の濃度が減少していればよい。
トランジスタ200は、チャネル形成領域を含む酸化物230(酸化物230a、及び酸化物230b)に、半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう。)を用いることが好ましい。
また、半導体として機能する金属酸化物は、バンドギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上のものを用いることが好ましい。このように、バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
酸化物230として、例えば、インジウム、元素M及び亜鉛を有するIn-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、錫、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、又はマグネシウム等から選ばれた一種、又は複数種)等の金属酸化物を用いるとよい。また、酸化物230として、In-Ga酸化物、In-Zn酸化物、インジウム酸化物を用いてもよい。
ここで、酸化物230bに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物230aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。
このように、酸化物230bの下に酸化物230aを配置することで、酸化物230aよりも下方に形成された構造物からの、酸化物230bに対する、不純物及び酸素の拡散を抑制することができる。
また、酸化物230a及び酸化物230bが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする)ことで、酸化物230aと酸化物230bの界面における欠陥準位密度を低くすることができる。酸化物230aと酸化物230bとの界面における欠陥準位密度を低くすることができるため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さく、高いオン電流が得られる。
酸化物230bは、結晶性を有することが好ましい。特に、酸化物230bとして、CAAC-OS(c-axis aligned crystalline oxide semiconductor)を用いることが好ましい。
CAAC-OSは、結晶性の高い、緻密な構造を有しており、不純物及び欠陥(例えば、酸素欠損(VO等)が少ない金属酸化物である。特に、金属酸化物の形成後に、金属酸化物が多結晶化しない程度の温度(例えば、400℃以上600℃以下)で加熱処理することで、CAAC-OSをより結晶性の高い、緻密な構造にすることができる。このようにして、CAAC-OSの密度をより高めることで、当該CAAC-OS中の不純物又は酸素の拡散をより低減することができる。
一方、CAAC-OSは、明確な結晶粒界を確認することが難しいため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。したがって、CAAC-OSを有する金属酸化物は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する金属酸化物は熱に強く、信頼性が高い。
酸化物半導体を用いたトランジスタは、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域に不純物及び酸素欠損が存在すると、電気特性が変動しやすく、信頼性が悪くなる場合がある。また、酸素欠損近傍の水素が、酸素欠損に水素が入った欠陥(以下、VOHと呼ぶ場合がある。)を形成し、キャリアとなる電子を生成する場合がある。このため、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域に酸素欠損が含まれていると、トランジスタはノーマリーオン特性(ゲート電極に電圧を印加しなくてもチャネルが存在し、トランジスタに電流が流れる特性)となりやすい。したがって、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域では、不純物、酸素欠損、及びVOHはできる限り低減されていることが好ましい。言い換えると、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域は、キャリア濃度が低減され、i型(真性化)又は実質的にi型であることが好ましい。
これに対して、酸化物半導体の近傍に、加熱により脱離する酸素(以下、過剰酸素と呼ぶ場合がある。)を含む絶縁体を設け、熱処理を行うことで、当該絶縁体から酸化物半導体に酸素を供給し、酸素欠損、及びVOHを低減することができる。ただし、ソース領域又はドレイン領域に過剰な量の酸素が供給されると、トランジスタ200のオン電流の低下、又は電界効果移動度の低下を引き起こすおそれがある。さらに、ソース領域又はドレイン領域に供給される酸素の量が基板面内でばらつくことで、トランジスタを有する半導体装置の特性にばらつきが出ることになる。
よって、酸化物半導体中において、チャネル形成領域として機能する領域230bcは、キャリア濃度が低減され、i型又は実質的にi型であることが好ましいが、ソース領域又はドレイン領域として機能する領域230ba及び領域230bbは、キャリア濃度が高く、n型であることが好ましい。つまり、酸化物半導体の領域230bcの酸素欠損、及びVOHを低減し、領域230ba及び領域230bbには過剰な量の酸素が供給されないようにすることが好ましい。
そこで、本実施の形態では、酸化物230b上に導電体242a及び導電体242bを設けた状態で、酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行い、領域230bcの酸素欠損、及びVOHの低減を図る。ここで、マイクロ波処理とは、例えばマイクロ波を用いて高密度プラズマを発生させる電源を有する装置を用いた処理のことを指す。
酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行うことで、マイクロ波、又はRF等の高周波を用いて酸素ガスをプラズマ化し、当該酸素プラズマを作用させることができる。このとき、マイクロ波、又はRF等の高周波を領域230bcに照射することもできる。プラズマ、マイクロ波等の作用により、領域230bcのVOHを分断し、水素Hを領域230bcから除去し、酸素欠損VOを酸素で補填することができる。つまり、領域230bcにおいて、「VOH→H+VO」という反応が起きて、領域230bcの水素濃度を低減することができる。よって、領域230bc中の酸素欠損、及びVOHを低減し、キャリア濃度を低下させることができる。
また、酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行う際、マイクロ波、又はRF等の高周波、酸素プラズマ等の作用は、導電体242a及び導電体242bに遮蔽され、領域230ba及び領域230bbには及ばない。さらに、酸素プラズマの作用は、酸化物230b、及び導電体242を覆って設けられている、絶縁体271、及び絶縁体280によって、低減することができる。これにより、マイクロ波処理の際に、領域230ba及び領域230bbで、VOHの低減、及び過剰な量の酸素供給が発生しないので、キャリア濃度の低下を防ぐことができる。
また、絶縁体250となる絶縁膜の成膜後に、酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行うとことが好ましい。このように絶縁体250を介して、酸素を含む雰囲気でマイクロ波処理を行うことで、効率よく領域230bc中へ酸素を注入することができる。
また、領域230bc中に注入される酸素は、酸素原子、酸素分子、酸素ラジカル(Oラジカルともいう、不対電子をもつ原子又は分子、あるいはイオン)等様々な形態がある。なお、領域230bc中に注入される酸素は、上述の形態のいずれか一又は複数であればよく、特に酸素ラジカルであると好適である。また、絶縁体250の膜質を向上させることができるので、トランジスタ200の信頼性が向上する。
このようにして、酸化物半導体の領域230bcで選択的に酸素欠損、及びVOHを除去して、領域230bcをi型又は実質的にi型とすることができる。さらに、ソース領域又はドレイン領域として機能する領域230ba及び領域230bbに過剰な酸素が供給されるのを抑制し、導電性を維持することができる。これにより、トランジスタ200の電気特性の変動を抑制し、基板面内でトランジスタ200の電気特性がばらつくのを抑制することができる。
以上のような構成にすることで、トランジスタ特性のばらつきが少ない半導体装置を提供することができる。また、信頼性が良好な半導体装置を提供することができる。また、良好な電気特性を有する半導体装置を提供することができる。
また、図23Cに示すように、トランジスタ200のチャネル幅方向の断面視において、酸化物230bの側面と酸化物230bの上面との間に、湾曲面を有してもよい。つまり、当該側面の端部と当該上面の端部は、湾曲してもよい(以下、ラウンド状ともいう。)。
上記湾曲面での曲率半径は、0nmより大きく、導電体242と重なる領域の酸化物230bの膜厚より小さい、又は、上記湾曲面を有さない領域の長さの半分より小さいことが好ましい。上記湾曲面での曲率半径は、具体的には、0nmより大きく20nm以下、好ましくは1nm以上15nm以下、さらに好ましくは2nm以上10nm以下とする。このような形状にすることで、絶縁体250、及び導電体260の、酸化物230bへの被覆性を高めることができる。
酸化物230は、化学組成が異なる複数の酸化物層の積層構造を有することが好ましい。具体的には、酸化物230aに用いる金属酸化物において、主成分である金属元素に対する元素Mの原子数比が、酸化物230bに用いる金属酸化物における、主成分である金属元素に対する元素Mの原子数比より、大きいことが好ましい。また、酸化物230aに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、酸化物230bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、酸化物230bに用いる金属酸化物において、元素Mに対するInの原子数比が、酸化物230aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。
また、酸化物230bは、CAAC-OS等の結晶性を有する酸化物であることが好ましい。CAAC-OS等の結晶性を有する酸化物は、不純物及び欠陥(酸素欠損等)が少なく、結晶性の高い、緻密な構造を有している。よって、ソース電極又はドレイン電極による、酸化物230bからの酸素の引き抜きを抑制することができる。これにより、熱処理を行っても、酸化物230bから酸素が引き抜かれることを低減できるので、トランジスタ200は、製造工程における高い温度(所謂サーマルバジェット)に対して安定である。
ここで、酸化物230aと酸化物230bの接合部において、伝導帯下端はなだらかに変化する。換言すると、酸化物230aと酸化物230bの接合部における伝導帯下端は、連続的に変化又は連続接合するともいうことができる。このようにするためには、酸化物230aと酸化物230bとの界面に形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
具体的には、酸化物230aと酸化物230bが、酸素以外に共通の元素を主成分として有することで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、酸化物230bがIn-M-Zn酸化物の場合、酸化物230aとして、In-M-Zn酸化物、M-Zn酸化物、元素Mの酸化物、In-Zn酸化物、インジウム酸化物等を用いてもよい。
具体的には、酸化物230aとして、In:M:Zn=1:3:4[原子数比]もしくはその近傍の組成、又はIn:M:Zn=1:1:0.5[原子数比]もしくはその近傍の組成の金属酸化物を用いればよい。また、酸化物230bとして、In:M:Zn=1:1:1[原子数比]もしくはその近傍の組成、In:M:Zn=1:1:2[原子数比]もしくはその近傍の組成、又はIn:M:Zn=4:2:3[原子数比]もしくはその近傍の組成の金属酸化物を用いればよい。なお、近傍の組成とは、所望の原子数比の±30%の範囲を含む。また、元素Mとして、ガリウムを用いることが好ましい。
なお、金属酸化物をスパッタリング法により成膜する場合、上記の原子数比は、成膜された金属酸化物の原子数比に限られず、金属酸化物の成膜に用いるスパッタリングターゲットの原子数比であってもよい。
酸化物230a及び酸化物230bを上述の構成とすることで、酸化物230aと酸化物230bとの界面における欠陥準位密度を低くすることができる。そのため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さくなり、トランジスタ200は大きいオン電流、及び高い周波数特性を得ることができる。
絶縁体212、絶縁体214、絶縁体271、絶縁体275、絶縁体282、絶縁体283、及び絶縁体285の少なくとも一は、水、水素等の不純物が、基板側から、又は、トランジスタ200の上方からトランジスタ200に拡散するのを抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。したがって、絶縁体212、絶縁体214、絶縁体271、絶縁体275、絶縁体282、絶縁体283、及び絶縁体285の少なくとも一は、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(N2O、NO、NO2等)、銅原子等の不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい)絶縁性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子等の少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい)絶縁性材料を用いることが好ましい。
なお、本明細書において、バリア絶縁膜とは、バリア性を有する絶縁膜のことを指す。本明細書において、バリア性とは、対応する物質の拡散を抑制する機能(透過性が低いともいう)とする。又は、対応する物質を、捕獲、及び固着する(ゲッタリングともいう)機能とする。
絶縁体212、絶縁体214、絶縁体271、絶縁体275、絶縁体282、絶縁体283、及び絶縁体285としては、水、水素等の不純物、及び酸素の拡散を抑制する機能を有する絶縁体を用いることが好ましく、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウム、インジウムガリウム亜鉛酸化物、窒化シリコン、又は窒化酸化シリコン等を用いることができる。例えば、絶縁体212、絶縁体275、及び絶縁体283として、より水素バリア性が高い、窒化シリコン等を用いることが好ましい。また、例えば、絶縁体214、絶縁体271、絶縁体282、及び絶縁体285として、水素を捕獲及び水素を固着する機能が高い、酸化アルミニウム又は酸化マグネシウム等を用いることが好ましい。これにより、水、水素等の不純物が絶縁体212、及び絶縁体214を介して、基板側からトランジスタ200側に拡散するのを抑制することができる。又は、水、水素等の不純物が絶縁体285よりも外側に配置されている層間絶縁膜等から、トランジスタ200側に拡散するのを抑制することができる。又は、絶縁体224等に含まれる酸素が、絶縁体212、及び絶縁体214を介して基板側に、拡散するのを抑制することができる。又は、絶縁体280等に含まれる酸素が、絶縁体282等を介してトランジスタ200より上方に、拡散するのを抑制することができる。この様に、トランジスタ200を、水、水素等の不純物、及び酸素の拡散を抑制する機能を有する絶縁体212、絶縁体214、絶縁体271、絶縁体275、絶縁体282、絶縁体283、及び絶縁体285で取り囲む構造とすることが好ましい。
ここで、絶縁体212、絶縁体214、絶縁体271、絶縁体275、絶縁体282、絶縁体283、及び絶縁体285として、アモルファス構造を有する酸化物を用いることが好ましい。例えば、AlOx(xは0より大きい任意数)、又はMgOy(yは0より大きい任意数)等の金属酸化物を用いることが好ましい。このようなアモルファス構造を有する金属酸化物では、酸素原子がダングリングボンドを有しており、当該ダングリングボンドで水素を捕獲又は固着する性質を有する場合がある。このようなアモルファス構造を有する金属酸化物をトランジスタ200の構成要素として用いる、又はトランジスタ200の周囲に設けることで、トランジスタ200に含まれる水素、又はトランジスタ200の周囲に存在する水素を捕獲又は固着することができる。特にトランジスタ200のチャネル形成領域に含まれる水素を捕獲又は固着することが好ましい。アモルファス構造を有する金属酸化物をトランジスタ200の構成要素として用いる、又はトランジスタ200の周囲に設けることで、良好な特性を有し、信頼性の高いトランジスタ200、及び半導体装置を作製することができる。
また、絶縁体212、絶縁体214、絶縁体271、絶縁体275、絶縁体282、絶縁体283、及び絶縁体285は、アモルファス構造であることが好ましいが、一部に多結晶構造の領域が形成されていてもよい。また、絶縁体212、絶縁体214、絶縁体271、絶縁体275、絶縁体282、絶縁体283、及び絶縁体285は、アモルファス構造の層と、多結晶構造の層と、が積層された多層構造であってもよい。例えば、アモルファス構造の層の上に多結晶構造の層が形成された積層構造でもよい。
絶縁体212、絶縁体214、絶縁体271、絶縁体275、絶縁体282、絶縁体283、及び絶縁体285の成膜は、例えば、スパッタリング法を用いて行えばよい。スパッタリング法は、成膜ガスに水素を含む分子を用いなくてよいので、絶縁体212、絶縁体214、絶縁体271、絶縁体275、絶縁体282、絶縁体283、及び絶縁体285の水素濃度を低減することができる。なお、成膜方法は、スパッタリング法に限られるものではなく、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、パルスレーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法等を適宜用いてもよい。
また、絶縁体212、絶縁体275、及び絶縁体283の抵抗率を低くすることが好ましい場合がある。例えば、絶縁体212、絶縁体275、及び絶縁体283の抵抗率を概略1×1013Ωcmとすることで、半導体装置作製工程のプラズマ等を用いる処理において、絶縁体212、絶縁体275、及び絶縁体283が、導電体205、導電体242、導電体260、又は導電体246のチャージアップを緩和することができる場合がある。絶縁体212、絶縁体275、及び絶縁体283の抵抗率は、好ましくは、1×1010Ωcm以上1×1015Ωcm以下とする。
また、絶縁体216、絶縁体274、絶縁体280、及び絶縁体285は、絶縁体214よりも誘電率が低いことが好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。例えば、絶縁体216、絶縁体274、絶縁体280、及び絶縁体285として、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素及び窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコン等を適宜用いればよい。
導電体205は、酸化物230、及び導電体260と、重なるように配置する。ここで、導電体205は、絶縁体216に形成された開口に埋め込まれて設けることが好ましい。また、導電体205の一部が絶縁体214に埋め込まれる場合がある。
導電体205は、導電体205a、及び導電体205bを有する。導電体205aは、当該開口の底面及び側壁に接して設けられる。導電体205bは、導電体205aに形成された凹部に埋め込まれるように設けられる。ここで、導電体205bの上面の高さは、導電体205aの上面の高さ及び絶縁体216の上面の高さと概略一致する。
ここで、導電体205aは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(N2O、NO、NO2等)、銅原子等の不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子等の少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。
導電体205aに、水素の拡散を低減する機能を有する導電性材料を用いることにより、導電体205bに含まれる水素等の不純物が、絶縁体224等を介して、酸化物230に拡散するのを防ぐことができる。また、導電体205aに、酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることにより、導電体205bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、酸化ルテニウム等を用いることが好ましい。したがって、導電体205aとしては、上記導電性材料を単層又は積層とすればよい。例えば、導電体205aは、窒化チタンを用いればよい。
また、導電体205bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。例えば、導電体205bは、タングステンを用いればよい。
導電体205は、バックゲート電極として機能する場合がある。その場合、導電体205に印加する電位を、導電体260に印加する電位と、連動させず、独立して変化させることで、トランジスタ200のしきい値電圧(Vth)を制御することができる。特に、導電体205に負の電位を印加することにより、トランジスタ200のVthをより大きくし、オフ電流を低減することが可能となる。したがって、導電体205に負の電位を印加したほうが、印加しない場合よりも、導電体260に印加する電位が0Vのときのドレイン電流を小さくすることができる。
なお、酸化物230を高純度真性とし、酸化物230から不純物が極力排除された状態であるとする場合、導電体205、及び/または導電体260に電位を与えずに、トランジスタ200をノーマリーオフとする(トランジスタ200のしきい値電圧を0Vより大きくする)ことが期待できる場合がある。この場合においては、導電体260と、導電体205とを接続し、同一電位が与えられるようにすると好適である。
また、導電体205の電気抵抗率は、上記の導電体205に印加する電位を考慮して設計され、導電体205の膜厚は当該電気抵抗率に合わせて設定される。また、絶縁体216の膜厚は、導電体205とほぼ同じになる。ここで、導電体205の設計が許す範囲で導電体205及び絶縁体216の膜厚を薄くすることが好ましい。絶縁体216の膜厚を薄くすることで、絶縁体216中に含まれる水素等の不純物の絶対量を低減することができるので、当該不純物が酸化物230に拡散するのを低減することができる。
なお、導電体205は、図23Aに示すように、酸化物230の導電体242a及び導電体242bと重ならない領域の大きさよりも、大きく設けるとよい。特に、図23Cに示すように、導電体205は、酸化物230a及び酸化物230bのチャネル幅方向の端部よりも外側の領域においても、延伸していることが好ましい。つまり、酸化物230のチャネル幅方向における側面の外側において、導電体205と、導電体260とは、絶縁体を介して重畳していることが好ましい。当該構成を有することで、ゲート電極として機能する導電体260の電界と、バックゲート電極として機能する導電体205の電界によって、酸化物230のチャネル形成領域を電気的に取り囲むことができる。本明細書において、ゲート、及びバックゲートの電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(S-channel)構造とよぶ。
なお、本明細書等において、S-channel構造のトランジスタとは、一対のゲート電極の一方及び他方の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を表す。また、本明細書等で開示するS-channel構造は、Fin型構造及びプレーナ型構造とは異なる。S-channel構造を採用することで、短チャネル効果に対する耐性を高める、別言すると短チャネル効果が発生し難いトランジスタとすることができる。
トランジスタ200を、ノーマリーオフとして、且つ上記のS-Channel構造とすることで、チャネル形成領域を電気的に取り囲むことができる。そのため、トランジスタ200をGAA(Gate All Around)構造、またはLGAA(Lateral Gate All Around)構造と捉えることもできる。トランジスタ200をS-Channel構造、GAA構造、またはLGAA構造とすることで、酸化物230と、ゲート絶縁膜との界面または界面近傍に形成されるチャネル形成領域を、酸化物230のバルク全体とすることができる。別言すると、トランジスタ200をS-Channel構造、GAA構造、またはLGAA構造とすることで、キャリアパスをバルク全体として用いる、いわゆるBulk-Flowタイプとすることができる。Bulk-Flowタイプのトランジスタ構造とすることで、トランジスタに流れる電流密度を向上させることが可能となるため、トランジスタのオン電流の向上、またはトランジスタの電界効果移動度を高めることが期待できる。
また、図23Cに示すように、導電体205は延伸させて、配線としても機能させている。ただし、これに限られることなく、導電体205の下に、配線として機能する導電体を設ける構成にしてもよい。また、導電体205は、必ずしも各トランジスタに一個ずつ設ける必要はない。例えば、導電体205を複数のトランジスタで共有する構成にしてもよい。
なお、トランジスタ200では、導電体205は、導電体205a、及び導電体205bを積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電体205は、単層、又は3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。
絶縁体222、及び絶縁体224は、ゲート絶縁体として機能する。
絶縁体222は、水素(例えば、水素原子、水素分子等の少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。また、絶縁体222は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子等の少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。例えば、絶縁体222は、絶縁体224よりも水素及び酸素の一方又は双方の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。
絶縁体222は、絶縁性材料であるアルミニウム及びハフニウムの一方又は双方の酸化物を含む絶縁体を用いるとよい。当該絶縁体として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウム及びハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)等を用いることが好ましい。又は、ハフニウム及びジルコニウムを含む酸化物、例えばハフニウムジルコニウム酸化物を用いることが好ましい。このような材料を用いて絶縁体222を形成した場合、絶縁体222は、酸化物230から基板側への酸素の放出及び、トランジスタ200の周辺部から酸化物230への水素等の不純物の拡散を抑制する層として機能する。よって、絶縁体222を設けることで、水素等の不純物が、トランジスタ200の内側へ拡散することを抑制し、酸化物230中の酸素欠損の生成を抑制することができる。また、導電体205が、絶縁体224及び、酸化物230が有する酸素と反応することを抑制することができる。
又は、上記絶縁体に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。又は、これらの絶縁体を窒化処理してもよい。また、絶縁体222は、これらの絶縁体に酸化シリコン、酸化窒化シリコン又は窒化シリコンを積層して用いてもよい。
また、絶縁体222は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、ハフニウムジルコニウム酸化物等の、いわゆるhigh-k材料を含む絶縁体を単層又は積層で用いてもよい。トランジスタの微細化、及び高集積化が進むと、ゲート絶縁体の薄膜化により、リーク電流等の問題が生じる場合がある。ゲート絶縁体として機能する絶縁体にhigh-k材料を用いることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減が可能となる。また、絶縁体222として、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、(Ba,Sr)TiO3(BST)等の誘電率が高い物質を用いることができる場合もある。
酸化物230と接する絶縁体224は、例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン等を適宜用いればよい。
また、トランジスタ200の作製工程中において、酸化物230の表面が露出した状態で、加熱処理を行うと好適である。当該加熱処理は、例えば、100℃以上600℃以下、より好ましくは350℃以上550℃以下で行えばよい。なお、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気、又は酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、もしくは10%以上含む雰囲気で行う。例えば、加熱処理は酸素雰囲気で行うことが好ましい。これにより、酸化物230に酸素を供給して、酸素欠損(VO)の低減を図ることができる。また、加熱処理は減圧状態で行ってもよい。又は、加熱処理は、窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理した後に、脱離した酸素を補うために、酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、又は10%以上含む雰囲気で行ってもよい。又は、酸化性ガスを10ppm以上、1%以上、又は10%以上含む雰囲気で加熱処理した後に、連続して窒素ガスもしくは不活性ガスの雰囲気で加熱処理を行っても良い。
なお、酸化物230に加酸素化処理を行うことで、酸化物230中の酸素欠損を、供給された酸素により修復させる、別言すると「VO+O→null」という反応を促進させることができる。さらに、酸化物230中に残存した水素に供給された酸素が反応することで、当該水素をH2Oとして除去する(脱水化する)ことができる。これにより、酸化物230中に残存していた水素が酸素欠損に再結合してVOHが形成されるのを抑制することができる。
なお、絶縁体222、及び絶縁体224が、2層以上の積層構造を有していてもよい。その場合、同じ材料からなる積層構造に限定されず、異なる材料からなる積層構造でもよい。また、絶縁体224は、酸化物230aと重畳して島状に形成してもよい。この場合、絶縁体275が、絶縁体224の側面及び絶縁体222の上面に接する構成になる。
導電体242a、及び導電体242bは酸化物230bの上面に接して設けられる。導電体242a及び導電体242bは、それぞれトランジスタ200のソース電極又はドレイン電極として機能する。
導電体242(導電体242a、及び導電体242b)としては、例えば、タンタルを含む窒化物、チタンを含む窒化物、モリブデンを含む窒化物、タングステンを含む窒化物、タンタル及びアルミニウムを含む窒化物、チタン及びアルミニウムを含む窒化物等を用いることが好ましい。本発明の一態様においては、タンタルを含む窒化物が特に好ましい。また、例えば、酸化ルテニウム、窒化ルテニウム、ストロンチウムとルテニウムを含む酸化物、ランタンとニッケルを含む酸化物等を用いてもよい。これらの材料は、酸化しにくい導電性材料、又は、酸素を吸収しても導電性を維持する材料であるため、好ましい。
なお、酸化物230b等に含まれる水素が、導電体242a又は導電体242bに拡散する場合がある。特に、導電体242a及び導電体242bに、タンタルを含む窒化物を用いることで、酸化物230b等に含まれる水素は、導電体242a又は導電体242bに拡散しやすく、拡散した水素は、導電体242a又は導電体242bが有する窒素と結合することがある。つまり、酸化物230b等に含まれる水素は、導電体242a又は導電体242bに吸い取られる場合がある。
また、導電体242の側面と導電体242の上面との間に、湾曲面が形成されないことが好ましい。当該湾曲面が形成されない導電体242とすることで、図23Dに示すような、チャネル幅方向の断面における、導電体242の断面積を大きくすることができる。これにより、導電体242の導電率を大きくし、トランジスタ200のオン電流を大きくすることができる。
絶縁体271aは、導電体242aの上面に接して設けられており、絶縁体271bは、導電体242bの上面に接して設けられている。絶縁体271は、少なくとも酸素に対するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。したがって、絶縁体271は、酸素の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。例えば、絶縁体271は、絶縁体280よりも酸素の拡散を抑制する機能を有することが好ましい。絶縁体271としては、例えば、酸化アルミニウム又は酸化マグネシウム等の絶縁体を用いればよい。
絶縁体275は、絶縁体224、酸化物230a、酸化物230b、導電体242、及び絶縁体271を覆うように設けられる。絶縁体275として、水素を捕獲及び水素を固着する機能を有することが好ましい。その場合、絶縁体275としては、窒化シリコン又は、アモルファス構造を有する金属酸化物、例えば、酸化アルミニウム又は酸化マグネシウム等の絶縁体を含むことが好ましい。また、例えば、絶縁体275として、酸化アルミニウムと、当該酸化アルミニウム上の窒化シリコンの積層膜を用いてもよい。
上記のような絶縁体271及び絶縁体275を設けることで、酸素に対するバリア性を有する絶縁体で導電体242を包み込むことができる。つまり、絶縁体224、及び絶縁体280に含まれる酸素が、導電体242に拡散するのを防ぐことができる。これにより、絶縁体224、及び絶縁体280に含まれる酸素によって、導電体242が直接酸化されて抵抗率が増大し、オン電流が低減するのを抑制することができる。
絶縁体250は、ゲート絶縁体の一部として機能する。絶縁体250は、絶縁体224と同様に、絶縁体250中の水、水素等の不純物濃度が低減されていることが好ましい。絶縁体250の膜厚は、1nm以上20nm以下とするのが好ましく、0.5nm以上15.0nm以下とするのがより好ましい。この場合、絶縁体250は、少なくとも一部において、上記のような膜厚の領域を有していればよい。
導電体260は、トランジスタ200のゲート電極として機能する。導電体260は、導電体260aと、導電体260aの上に配置された導電体260bと、を有することが好ましい。例えば、導電体260aは、導電体260bの底面及び側面を包むように配置されることが好ましい。また、図23B及び図23Cに示すように、導電体260の上面は、絶縁体250の上面と概略一致している。なお、図23B及び図23Cでは、導電体260は、導電体260aと導電体260bの2層構造として示しているが、単層構造でもよいし、3層以上の積層構造であってもよい。
導電体260aは、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子、銅原子等の不純物の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。又は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子等の少なくとも一)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。
また、導電体260aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、絶縁体250に含まれる酸素により、導電体260bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、チタン、窒化チタン、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、酸化ルテニウム等を用いることが好ましい。
また、導電体260は、配線としても機能するため、導電性が高い導電体を用いることが好ましい。例えば、導電体260bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、導電体260bは積層構造としてもよく、例えば、チタン、又は窒化チタンと上記導電性材料との積層構造としてもよい。
また、トランジスタ200では、導電体260は、絶縁体280等に形成されている開口を埋めるように自己整合的に形成される。導電体260をこのように形成することにより、導電体242aと導電体242bとの間の領域に、導電体260を位置合わせすることなく確実に配置することができる。
また、図23Cに示すように、トランジスタ200のチャネル幅方向において、絶縁体222の底面を基準としたときの、導電体260の、導電体260と酸化物230bとが重ならない領域の底面の高さは、酸化物230bの底面の高さより低いことが好ましい。ゲート電極として機能する導電体260が、絶縁体250等を介して、酸化物230bのチャネル形成領域の側面及び上面を覆う構成とすることで、導電体260の電界を酸化物230bのチャネル形成領域全体に作用させやすくなる。よって、トランジスタ200のオン電流を増大させ、周波数特性を向上させることができる。絶縁体222の底面を基準としたときの、酸化物230a及び酸化物230bと、導電体260とが、重ならない領域における導電体260の底面の高さと、酸化物230bの底面の高さと、の差は、0nm以上100nm以下、好ましくは、3nm以上50nm以下、より好ましくは、5nm以上20nm以下とする。
絶縁体280は、絶縁体275上に設けられ、絶縁体250、及び導電体260が設けられる領域に開口が形成されている。また、絶縁体280の上面は、平坦化されていてもよい。
層間膜として機能する絶縁体280は、誘電率が低いことが好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。絶縁体280は、例えば、絶縁体216と同様の材料を用いて設けることが好ましい。特に、酸化シリコン及び酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため好ましい。特に、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、空孔を有する酸化シリコン等の材料は、加熱により脱離する酸素を含む領域を容易に形成することができるため好ましい。
絶縁体280は、絶縁体280中の水、水素等の不純物濃度は低減されていることが好ましい。例えば、絶縁体280は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン等のシリコンを含む酸化物を適宜用いればよい。
絶縁体282は、水、水素等の不純物が、上方から絶縁体280に拡散するのを抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましく、水素等の不純物を捕獲する機能を有することが好ましい。また、絶縁体282は、酸素の透過を抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。絶縁体282としては、アモルファス構造を有する金属酸化物、例えば、酸化アルミニウム等の絶縁体を用いればよい。この場合、絶縁体282は、少なくとも酸素と、アルミニウムと、を有する絶縁体となる。絶縁体212と絶縁体283に挟まれた領域内で、絶縁体280に接して、水素等の不純物を捕獲する機能を有する、絶縁体282を設けることで、絶縁体280等に含まれる水素等の不純物を捕獲し、当該領域内における、水素の量を一定値にすることができる。特に、絶縁体282として、アモルファス構造を有する酸化アルミニウムを用いることで、より効果的に水素を捕獲又は固着できる場合があるため好ましい。これにより、良好な特性を有し、信頼性の高いトランジスタ200、及び半導体装置を作製することができる。
絶縁体283は、水、水素等の不純物が、上方から絶縁体280に拡散するのを抑制するバリア絶縁膜として機能する。絶縁体283は、絶縁体282の上に配置される。絶縁体283としては、窒化シリコン又は窒化酸化シリコン等の、シリコンを含む窒化物を用いることが好ましい。例えば、絶縁体283としてスパッタリング法で成膜された窒化シリコンを用いればよい。絶縁体283をスパッタリング法で成膜することで、密度が高い窒化シリコン膜を形成することができる。また、絶縁体283として、スパッタリング法で成膜された窒化シリコンの上に、さらに、PEALD法又は、CVD法で成膜された窒化シリコンを積層してもよい。
導電体240a及び導電体240bは、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、導電体240a及び導電体240bは積層構造としてもよい。
また、導電体240を積層構造とする場合、絶縁体285、絶縁体283、絶縁体282、絶縁体280、絶縁体275、及び絶縁体271の近傍に配置される第1の導電体には、水、水素等の不純物の透過を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。例えば、タンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、ルテニウム、酸化ルテニウム等を用いることが好ましい。また、水、水素等の不純物の透過を抑制する機能を有する導電性材料は、単層又は積層で用いてもよい。また、絶縁体283より上層に含まれる水、水素等の不純物が、導電体240a及び導電体240bを通じて酸化物230に混入するのを抑制することができる。
絶縁体241a及び絶縁体241bとしては、絶縁体275等に用いることができるバリア絶縁膜を用いればよい。例えば、絶縁体241a及び絶縁体241bとして、窒化シリコン、酸化アルミニウム、窒化酸化シリコン等の絶縁体を用いればよい。絶縁体241a及び絶縁体241bは、絶縁体283、絶縁体282、及び絶縁体271に接して設けられるので、絶縁体280等に含まれる水、水素等の不純物が、導電体240a及び導電体240bを通じて酸化物230に混入するのを抑制することができる。特に、窒化シリコンは水素に対するブロッキング性が高いので好適である。また、絶縁体280に含まれる酸素が導電体240a及び導電体240bに吸収されるのを防ぐことができる。
絶縁体241a及び絶縁体241bを、図23Bに示すように積層構造にする場合、絶縁体280等の開口の内壁に接する第1の絶縁体と、その内側の第2の絶縁体は、酸素に対するバリア絶縁膜と、水素に対するバリア絶縁膜を組み合わせて用いることが好ましい。
例えば、第1の絶縁体として、ALD法で成膜された酸化アルミニウムを用い、第2の絶縁体として、PEALD法で成膜された窒化シリコンを用いればよい。このような構成にすることで、導電体240の酸化を抑制し、さらに、導電体240に水素が混入するのを低減することができる。
また、導電体240aの上面、及び導電体240bの上面に接して配線として機能する導電体246(導電体246a、及び導電体246b)を配置してもよい。導電体246は、タングステン、銅、又はアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、当該導電体は、積層構造としてもよく、例えば、チタン、又は窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。なお、当該導電体は、絶縁体に設けられた開口に埋め込むように形成してもよい。
<結晶構造の分類>
以下では、酸化物半導体における、結晶構造の分類について、図25Aを用いて説明を行う。図25Aは、酸化物半導体、代表的にはIGZO(Inと、Gaと、Znと、を含む金属酸化物)の結晶構造の分類を説明する図である。
図25Aに示すように、酸化物半導体は、大きく分けて「Amorphous(無定形)」と、「Crystalline(結晶性)」と、「Crystal(結晶)」と、に分類される。また、「Amorphous」の中には、completely amorphousが含まれる。また、「Crystalline」の中には、CAAC(c-axis-aligned crystalline)、nc(nanocrystalline)、及びCAC(cloud-aligned composite)が含まれる(excluding single crystal and poly crystal)。なお、「Crystalline」の分類には、single crystal、poly crystal、及びcompletely amorphousは除かれる。また、「Crystal」の中には、single crystal、及びpoly crystalが含まれる。
なお、図25Aに示す太枠内の構造は、「Amorphous(無定形)」と、「Crystal(結晶)」との間の中間状態であり、新しい境界領域(New crystalline phase)に属する構造である。すなわち、当該構造は、エネルギー的に不安定な「Amorphous(無定形)」及び、「Crystal(結晶)」とは全く異なる構造と言い換えることができる。
なお、膜又は基板の結晶構造は、X線回折(XRD:X-Ray Diffraction)スペクトルを用いて評価することができる。ここで、「Crystalline」に分類されるCAAC-IGZO膜のGIXD(Grazing-Incidence XRD)測定で得られるXRDスペクトルを図25Bに示す。なお、GIXD法は、薄膜法又はSeemann-Bohlin法ともいう。以降、図25Bに示すGIXD測定で得られるXRDスペクトルを、単にXRDスペクトルと記す。なお、図25Bに示すCAAC-IGZO膜の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]近傍である。また、図25Bに示すCAAC-IGZO膜の厚さは、500nmである。
図25Bでは、横軸は2θ[deg.]であり、縦軸は強度(Intensity)[a.u.]である。図25Bに示すように、CAAC-IGZO膜のXRDスペクトルでは、明確な結晶性を示すピークが検出される。具体的には、CAAC-IGZO膜のXRDスペクトルでは、2θ=31°近傍に、c軸配向を示すピークが検出される。なお、図25Bに示すように、2θ=31°近傍のピークは、ピーク強度が検出された角度を軸に左右非対称である。
また、膜又は基板の結晶構造は、極微電子線回折法(NBED:Nano Beam Electron Diffraction)によって観察される回折パターン(極微電子線回折パターンともいう。)にて評価することができる。CAAC-IGZO膜の回折パターンを、図25Cに示す。図25Cは、電子線を基板に対して平行に入射するNBEDによって観察される回折パターンである。なお、図25Cに示すCAAC-IGZO膜の組成は、In:Ga:Zn=4:2:3[原子数比]近傍である。また、極微電子線回折法では、プローブ径を1nmとして電子線回折が行われる。
図25Cに示すように、CAAC-IGZO膜の回折パターンでは、c軸配向を示す複数のスポットが観察される。
<<酸化物半導体の構造>>
なお、酸化物半導体は、結晶構造に着目した場合、図25Aとは異なる分類となる場合がある。例えば、酸化物半導体は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、上述のCAAC-OS、及びnc-OSがある。また、非単結晶酸化物半導体には、多結晶酸化物半導体、擬似非晶質酸化物半導体(a-like OS:amorphous-like oxide semiconductor)、非晶質酸化物半導体、等が含まれる。
ここで、上述のCAAC-OS、nc-OS、及びa-like OSの詳細について、説明を行う。
[CAAC-OS]
CAAC-OSは、複数の結晶領域を有し、当該複数の結晶領域はc軸が特定の方向に配向している酸化物半導体である。なお、特定の方向とは、CAAC-OS膜の厚さ方向、CAAC-OS膜の被形成面の法線方向、又はCAAC-OS膜の表面の法線方向である。また、結晶領域とは、原子配列に周期性を有する領域である。なお、原子配列を格子配列とみなすと、結晶領域とは、格子配列の揃った領域でもある。さらに、CAAC-OSは、a-b面方向において複数の結晶領域が連結する領域を有し、当該領域は歪みを有する場合がある。なお、歪みとは、複数の結晶領域が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。つまり、CAAC-OSは、c軸配向し、a-b面方向には明らかな配向をしていない酸化物半導体である。
なお、上記複数の結晶領域のそれぞれは、1つ又は複数の微小な結晶(最大径が10nm未満である結晶)で構成される。結晶領域が1つの微小な結晶で構成されている場合、当該結晶領域の最大径は10nm未満となる。また、結晶領域が多数の微小な結晶で構成されている場合、当該結晶領域の大きさは、数十nm程度となる場合がある。
また、In-M-Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、スズ、チタン等から選ばれた一種、又は複数種)において、CAAC-OSは、インジウム(In)、及び酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛(Zn)、及び酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能である。よって、(M,Zn)層にはインジウムが含まれる場合がある。また、In層には元素Mが含まれる場合がある。なお、In層にはZnが含まれる場合もある。当該層状構造は、例えば、高分解能TEM像において、格子像として観察される。
CAAC-OS膜に対し、例えば、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut-of-plane XRD測定では、c軸配向を示すピークが2θ=31°又はその近傍に検出される。なお、c軸配向を示すピークの位置(2θの値)は、CAAC-OSを構成する金属元素の種類、組成等により変動する場合がある。
また、例えば、CAAC-OS膜の電子線回折パターンにおいて、複数の輝点(スポット)が観測される。なお、あるスポットと別のスポットとは、試料を透過した入射電子線のスポット(ダイレクトスポットともいう。)を対称中心として、点対称の位置に観測される。
上記特定の方向から結晶領域を観察した場合、当該結晶領域内の格子配列は、六方格子を基本とするが、単位格子は正六角形とは限らず、非正六角形である場合がある。また、上記歪みにおいて、五角形、七角形等の格子配列を有する場合がある。なお、CAAC-OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリー)を確認することはできない。即ち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC-OSが、a-b面方向において酸素原子の配列が稠密でないこと、金属原子が置換することで原子間の結合距離が変化すること等によって、歪みを許容することができるためと考えられる。
なお、明確な結晶粒界が確認される結晶構造は、いわゆる多結晶(polycrystal)と呼ばれる。結晶粒界は、再結合中心となり、キャリアが捕獲されトランジスタのオン電流の低下、電界効果移動度の低下等を引き起こす可能性が高い。よって、明確な結晶粒界が確認されないCAAC-OSは、トランジスタの半導体層に好適な結晶構造を有する結晶性の酸化物の一つである。なお、CAAC-OSを構成するには、Znを有する構成が好ましい。例えば、In-Zn酸化物、及びIn-Ga-Zn酸化物は、In酸化物よりも結晶粒界の発生を抑制できるため好適である。
CAAC-OSは、結晶性が高く、明確な結晶粒界が確認されない酸化物半導体である。よって、CAAC-OSは、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、酸化物半導体の結晶性は不純物の混入、欠陥の生成等によって低下する場合があるため、CAAC-OSは不純物及び欠陥(酸素欠損等)の少ない酸化物半導体ともいえる。従って、CAAC-OSを有する酸化物半導体は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC-OSを有する酸化物半導体は熱に強く、信頼性が高い。また、CAAC-OSは、製造工程における高い温度(所謂サーマルバジェット)に対しても安定である。したがって、OSトランジスタにCAAC-OSを用いると、製造工程の自由度を広げることが可能となる。
[nc-OS]
nc-OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。別言すると、nc-OSは、微小な結晶を有する。なお、当該微小な結晶の大きさは、例えば、1nm以上10nm以下、特に1nm以上3nm以下であることから、当該微小な結晶をナノ結晶ともいう。また、nc-OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc-OSは、分析方法によっては、a-like OS又は非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。例えば、nc-OS膜に対し、XRD装置を用いて構造解析を行うと、θ/2θスキャンを用いたOut-of-plane XRD測定では、結晶性を示すピークが検出されない。また、nc-OS膜に対し、ナノ結晶よりも大きいプローブ径(例えば50nm以上)の電子線を用いる電子線回折(制限視野電子線回折ともいう。)を行うと、ハローパターンのような回折パターンが観測される。一方、nc-OS膜に対し、ナノ結晶の大きさと近いかナノ結晶より小さいプローブ径(例えば1nm以上30nm以下)の電子線を用いる電子線回折(ナノビーム電子線回折ともいう。)を行うと、ダイレクトスポットを中心とするリング状の領域内に複数のスポットが観測される電子線回折パターンが取得される場合がある。
[a-like OS]
a-like OSは、nc-OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する酸化物半導体である。a-like OSは、鬆又は低密度領域を有する。即ち、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、結晶性が低い。また、a-like OSは、nc-OS及びCAAC-OSと比べて、膜中の水素濃度が高い。
<<酸化物半導体の構成>>
次に、上述のCAC-OSの詳細について、説明を行う。なお、CAC-OSは材料構成に関する。
[CAC-OS]
CAC-OSとは、例えば、金属酸化物を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、又はその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、金属酸化物において、一つ又は複数の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上3nm以下、又はその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、又はパッチ状ともいう。
さらに、CAC-OSとは、第1の領域と、第2の領域と、に材料が分離することでモザイク状となり、当該第1の領域が、膜中に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。つまり、CAC-OSは、当該第1の領域と、当該第2の領域とが、混合している構成を有する複合金属酸化物である。
ここで、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSを構成する金属元素に対するIn、Ga、及びZnの原子数比のそれぞれを、[In]、[Ga]、及び[Zn]と表記する。例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSにおいて、第1の領域は、[In]が、CAC-OS膜の組成における[In]よりも大きい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、CAC-OS膜の組成における[Ga]よりも大きい領域である。又は、例えば、第1の領域は、[In]が、第2の領域における[In]よりも大きく、且つ、[Ga]が、第2の領域における[Ga]よりも小さい領域である。また、第2の領域は、[Ga]が、第1の領域における[Ga]よりも大きく、且つ、[In]が、第1の領域における[In]よりも小さい領域である。
具体的には、上記第1の領域は、インジウム酸化物、インジウム亜鉛酸化物等が主成分である領域である。また、上記第2の領域は、ガリウム酸化物、ガリウム亜鉛酸化物等が主成分である領域である。つまり、上記第1の領域を、Inを主成分とする領域と言い換えることができる。また、上記第2の領域を、Gaを主成分とする領域と言い換えることができる。
なお、上記第1の領域と、上記第2の領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
例えば、In-Ga-Zn酸化物におけるCAC-OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X-ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、Inを主成分とする領域(第1の領域)と、Gaを主成分とする領域(第2の領域)とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC-OSをトランジスタに用いる場合、第1の領域に起因する導電性と、第2の領域に起因する絶縁性とが、相補的に作用することにより、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC-OSに付与することができる。つまり、CAC-OSとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。導電性の機能と絶縁性の機能とを分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。よって、CAC-OSをトランジスタに用いることで、高いオン電流(Ion)、高い電界効果移動度(μ)、及び良好なスイッチング動作を実現することができる。
酸化物半導体は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a-like OS、CAC-OS、nc-OS、CAAC-OSのうち、二種以上を有していてもよい。
<酸化物半導体を有するトランジスタ>
続いて、上記酸化物半導体をトランジスタに用いる場合について説明する。
上記酸化物半導体をトランジスタに用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
トランジスタのチャネル形成領域には、キャリア濃度の低い酸化物半導体を用いることが好ましい。例えば、酸化物半導体のチャネル形成領域のキャリア濃度は1×1017cm-3以下、好ましくは1×1015cm-3以下、さらに好ましくは1×1013cm-3以下、より好ましくは1×1011cm-3以下、さらに好ましくは1×1010cm-3未満であり、1×10-9cm-3以上である。なお、酸化物半導体膜のキャリア濃度を低くする場合においては、酸化物半導体膜中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性又は実質的に高純度真性と言う。なお、キャリア濃度の低い酸化物半導体を、高純度真性又は実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ場合がある。
また、高純度真性又は実質的に高純度真性である酸化物半導体膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
また、酸化物半導体のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い酸化物半導体にチャネル形成領域が形成されるトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
従って、トランジスタの電気特性を安定にするためには、酸化物半導体中の不純物濃度を低減することが有効である。また、酸化物半導体中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
<不純物>
ここで、酸化物半導体中における各不純物の影響について説明する。
酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコン又は炭素が含まれると、酸化物半導体において欠陥準位が形成される。このため、酸化物半導体のチャネル形成領域におけるシリコン及び炭素の濃度と、酸化物半導体のチャネル形成領域との界面近傍のシリコン又は炭素の濃度(二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1017atoms/cm3以下とする。
また、酸化物半導体にアルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。従って、アルカリ金属又はアルカリ土類金属が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、SIMSにより得られる酸化物半導体のチャネル形成領域中のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm3以下、好ましくは2×1016atoms/cm3以下にする。
また、酸化物半導体において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリア濃度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を半導体に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。又は、酸化物半導体において、窒素が含まれると、トラップ準位が形成される場合がある。この結果、トランジスタの電気特性が不安定となる場合がある。このため、SIMSにより得られる酸化物半導体のチャネル形成領域中の窒素濃度を、5×1019atoms/cm3未満、好ましくは5×1018atoms/cm3以下、より好ましくは1×1018atoms/cm3以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm3以下にする。
また、酸化物半導体に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。従って、水素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、酸化物半導体のチャネル形成領域における中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、酸化物半導体のチャネル形成領域において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm3未満、好ましくは5×1019atoms/cm3未満、より好ましくは1×1019atoms/cm3未満、さらに好ましくは5×1018atoms/cm3未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm3未満にする。
不純物が十分に低減された酸化物半導体をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態などと適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態に示す半導体装置などが形成された半導体ウェハ、および当該半導体装置が組み込まれた電子部品の一例を示す。
<半導体ウェハ>
初めに、半導体装置などが形成された半導体ウェハの一例を、図26Aを用いて説明する。
図26Aに示す半導体ウェハ4800は、ウェハ4801と、ウェハ4801の上面に設けられた複数の回路部4802と、を有する。なお、ウェハ4801の上面において、回路部4802の無い部分は、スペーシング4803であり、ダイシング用の領域である。
半導体ウェハ4800は、ウェハ4801の表面に対して、前工程によって複数の回路部4802を形成することで作製することができる。また、その後に、ウェハ4801の複数の回路部4802が形成された反対側の面を研削して、ウェハ4801の薄膜化してもよい。この工程により、ウェハ4801の反りなどを低減し、部品としての小型化を図ることができる。
次の工程としては、ダイシング工程が行われる。ダイシングは、一点鎖線で示したスクライブラインSCL1およびスクライブラインSCL2(ダイシングライン、または切断ラインと呼ぶ場合がある)に沿って行われる。なお、スペーシング4803は、ダイシング工程を容易に行うために、複数のスクライブラインSCL1が平行になるように設け、複数のスクライブラインSCL2が平行になるように設け、スクライブラインSCL1とスクライブラインSCL2が垂直になるように設けるのが好ましい。
ダイシング工程を行うことにより、図26Bに示すようなチップ4800aを、半導体ウェハ4800から切り出すことができる。チップ4800aは、ウェハ4801aと、回路部4802と、スペーシング4803aと、を有する。なお、スペーシング4803aは、極力小さくなるようにするのが好ましい。この場合、隣り合う回路部4802の間のスペーシング4803の幅が、スクライブラインSCL1の切りしろと、またはスクライブラインSCL2の切りしろとほぼ同等の長さであればよい。
なお、本発明の一態様の素子基板の形状は、図26Aに図示した半導体ウェハ4800の形状に限定されない。例えば、矩形の形状の半導体ウェハあってもよい。素子基板の形状は、素子の作製工程、および素子を作製するための装置に応じて、適宜変更することができる。
<電子部品>
図26Cに電子部品4700および電子部品4700が実装された基板(実装基板4704)の斜視図を示す。図26Cに示す電子部品4700は、モールド4711内にチップ4800aを有している。チップ4800aとして、本発明の一態様に係る半導体装置などを用いることができる。
図26Cは、電子部品4700の内部を示すために、一部を省略している。電子部品4700は、モールド4711の外側にランド4712を有する。ランド4712は電極パッド4713と電気的に接続され、電極パッド4713はチップ4800aとワイヤ4714によって電気的に接続されている。電子部品4700は、例えばプリント基板4702に実装される。このような電子部品が複数組み合わされて、それぞれがプリント基板4702上で電気的に接続されることで実装基板4704が完成する。
図26Dに電子部品4730の斜視図を示す。電子部品4730は、SiP(System in package)またはMCM(Multi Chip Module)の一例である。電子部品4730は、パッケージ基板4732(プリント基板)上にインターポーザ4731が設けられ、インターポーザ4731上に半導体装置4735、および複数の半導体装置4710が設けられている。
半導体装置4710としては、例えば、チップ4800a、上記実施の形態で説明した半導体装置、広帯域メモリ(HBM:High Bandwidth Memory)などとすることができる。また、半導体装置4735は、CPU、GPU、FPGA、記憶装置などの集積回路(半導体装置)を用いることができる。
パッケージ基板4732は、セラミックス基板、プラスチック基板、またはガラスエポキシ基板などを用いることができる。インターポーザ4731は、シリコンインターポーザ、樹脂インターポーザなどを用いることができる。
インターポーザ4731は、複数の配線を有し、端子ピッチの異なる複数の集積回路を電気的に接続する機能を有する。複数の配線は、単層または多層で設けられる。また、インターポーザ4731は、インターポーザ4731上に設けられた集積回路をパッケージ基板4732に設けられた電極と電気的に接続する機能を有する。これらのことから、インターポーザを「再配線基板」または「中間基板」と呼ぶ場合がある。また、インターポーザ4731に貫通電極を設けて、当該貫通電極を用いて集積回路とパッケージ基板4732を電気的に接続する場合もある。また、シリコンインターポーザでは、貫通電極として、TSV(Through Silicon Via)を用いることも出来る。
インターポーザ4731としてシリコンインターポーザを用いることが好ましい。シリコンインターポーザでは能動素子を設ける必要が無いため、集積回路よりも低コストで作製することができる。一方で、シリコンインターポーザの配線形成は半導体プロセスで行なうことができるため、樹脂インターポーザでは難しい微細配線の形成が容易である。
HBMでは、広いメモリバンド幅を実現するために多くの配線を接続する必要がある。このため、HBMを実装するインターポーザには、微細かつ高密度の配線形成が求められる。よって、HBMを実装するインターポーザには、シリコンインターポーザを用いることが好ましい。
また、シリコンインターポーザを用いたSiPまたはMCMなどでは、集積回路とインターポーザ間の膨張係数の違いによる信頼性の低下が生じにくい。また、シリコンインターポーザは表面の平坦性が高いため、シリコンインターポーザ上に設ける集積回路とシリコンインターポーザ間の接続不良が生じにくい。特に、インターポーザ上に複数の集積回路を横に並べて配置する2.5Dパッケージ(2.5次元実装)では、シリコンインターポーザを用いることが好ましい。
また、電子部品4730と重ねてヒートシンク(放熱板)を設けてもよい。ヒートシンクを設ける場合は、インターポーザ4731上に設ける集積回路の高さを揃えることが好ましい。例えば、本実施の形態に示す電子部品4730では、半導体装置4710と半導体装置4735の高さを揃えることが好ましい。
電子部品4730を他の基板に実装するため、パッケージ基板4732の底部に電極4733を設けてもよい。図26Dでは、電極4733を半田ボールで形成する例を示している。パッケージ基板4732の底部に半田ボールをマトリクス状に設けることで、BGA(Ball Grid Array)実装を実現できる。また、電極4733を導電性のピンで形成してもよい。パッケージ基板4732の底部に導電性のピンをマトリクス状に設けることで、PGA(Pin Grid Array)実装を実現できる。
電子部品4730は、BGAおよびPGAに限らず様々な実装方法を用いて他の基板に実装することができる。例えば、SPGA(Staggered Pin Grid Array)、LGA(Land Grid Array)、QFP(Quad Flat Package)、QFJ(Quad Flat J-leaded package)、またはQFN(Quad Flat Non-leaded package)などの実装方法を用いることができる。
本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態などと適宜組み合わせることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様に係る半導体装置の応用例について説明する。
本発明の一態様に係る半導体装置は、例えば、各種電子機器(例えば、情報端末、コンピュータ、スマートフォン、電子書籍端末、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、録画再生装置、ナビゲーションシステム、ゲーム機など)の記憶装置に適用できる。また、イメージセンサ、IoT(Internet of Things)、ヘルスケア関連機器などに用いることもできる。なお、ここで、コンピュータとは、タブレット型のコンピュータ、ノート型のコンピュータ、デスクトップ型のコンピュータの他、サーバシステムのような大型のコンピュータを含むものである。
本発明の一態様に係る半導体装置を有する電子機器の一例について説明する。なお、図27A乃至図27J、図28A乃至図28Eには、当該半導体装置を有する電子部品4700または電子部品4730が各電子機器に含まれている様子を図示している。
[携帯電話]
図27Aに示す情報端末5500は、情報端末の一種である携帯電話(スマートフォン)である。情報端末5500は、筐体5510と、表示部5511と、を有しており、入力用インターフェースとして、タッチパネルが表示部5511に備えられ、ボタンが筐体5510に備えられている。
情報端末5500は、本発明の一態様に係る半導体装置を適用することで、アプリケーションの実行時に生成される一時的なファイル(例えば、ウェブブラウザの使用時のキャッシュなど)を保持することができる。
[ウェアラブル端末]
また、図27Bには、ウェアラブル端末の一例である情報端末5900が図示されている。情報端末5900は、筐体5901、表示部5902、操作スイッチ5903、操作スイッチ5904、バンド5905などを有する。
ウェアラブル端末は、先述した情報端末5500と同様に、本発明の一態様に係る半導体装置を適用することで、アプリケーションの実行時に生成される一時的なファイルを保持することができる。
[情報端末]
また、図27Cには、デスクトップ型情報端末5300が図示されている。デスクトップ型情報端末5300は、情報端末の本体5301と、表示部5302と、キーボード5303と、を有する。
デスクトップ型情報端末5300は、先述した情報端末5500と同様に、本発明の一態様に係る半導体装置を適用することで、アプリケーションの実行時に生成される一時的なファイルを保持することができる。
なお、上述では、電子機器としてスマートフォン、ウェアラブル端末、デスクトップ用情報端末を例として、それぞれ図27A乃至図27Cに図示したが、スマートフォン、ウェアラブル端末、デスクトップ用情報端末以外の情報端末を適用することができる。スマートフォン、ウェアラブル端末、デスクトップ用情報端末以外の情報端末としては、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型情報端末、ワークステーションなどが挙げられる。
[電化製品]
また、図27Dには、電化製品の一例として電気冷凍冷蔵庫5800が図示されている。電気冷凍冷蔵庫5800は、筐体5801、冷蔵室用扉5802、冷凍室用扉5803等を有する。例えば、電気冷凍冷蔵庫5800は、IoT(Internet of Things)に対応した電気冷凍冷蔵庫である。
電気冷凍冷蔵庫5800に本発明の一態様に係る半導体装置を適用することができる。電気冷凍冷蔵庫5800は、電気冷凍冷蔵庫5800に保存されている食材、その食材の消費期限などの情報を、インターネットなどを通じて、情報端末などに送受信することができる。電気冷凍冷蔵庫5800は、当該情報を送信する際に生成される一時的なファイルを、当該半導体装置に保持することができる。
本一例では、電化製品として電気冷凍冷蔵庫について説明したが、その他の電化製品としては、例えば、掃除機、電子レンジ、電気オーブン、炊飯器、湯沸かし器、IH調理器、ウォーターサーバ、エアーコンディショナーを含む冷暖房器具、洗濯機、乾燥機、オーディオビジュアル機器などが挙げられる。
[ゲーム機]
また、図27Eには、ゲーム機の一例である携帯ゲーム機5200が図示されている。携帯ゲーム機5200は、筐体5201、表示部5202、ボタン5203等を有する。
更に、図27Fには、ゲーム機の一例である据え置き型ゲーム機7500が図示されている。据え置き型ゲーム機7500は、本体7520と、コントローラ7522を有する。なお、本体7520には、無線または有線によってコントローラ7522を接続することができる。また、図27Fには示していないが、コントローラ7522は、ゲームの画像を表示する表示部、ボタン以外の入力インターフェースとなる、タッチパネル、スティック、回転式つまみ、またはスライド式つまみなどを備えることができる。また、コントローラ7522は、図27Fに示す形状に限定されず、ゲームのジャンルに応じて、コントローラ7522の形状を様々に変更してもよい。例えば、FPS(First Person Shooter)などのシューティングゲームでは、トリガーをボタンとし、銃を模した形状のコントローラを用いることができる。また、例えば、音楽ゲームなどでは、楽器、音楽機器などを模した形状のコントローラを用いることができる。更に、据え置き型ゲーム機は、コントローラを使わず、代わりにカメラ、深度センサ、マイクロフォンなどを備えて、ゲームプレイヤーのジェスチャー、および/または音声によって操作する形式としてもよい。
また、上述したゲーム機の映像は、テレビジョン装置、パーソナルコンピュータ用ディスプレイ、ゲーム用ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイなどの表示装置によって、出力することができる。
携帯ゲーム機5200または据え置き型ゲーム機7500に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、低消費電力の携帯ゲーム機5200または低消費電力の据え置き型ゲーム機7500を実現することができる。また、低消費電力により、回路からの発熱を低減することができるため、発熱によるその回路自体、周辺回路、およびモジュールへの影響を少なくすることができる。
更に、携帯ゲーム機5200または据え置き型ゲーム機7500に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、ゲームの実行中に発生する演算に必要な一時ファイルなどの保持をおこなうことができる。
ゲーム機の一例として図27Eに携帯ゲーム機を示す。また、図27Fに家庭用の据え置き型ゲーム機を示す。なお、本発明の一態様の電子機器はこれに限定されない。本発明の一態様の電子機器としては、例えば、娯楽施設(ゲームセンター、遊園地など)に設置されるアーケードゲーム機、スポーツ施設に設置されるバッティング練習用の投球マシンなどが挙げられる。
[移動体]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、移動体である自動車、および自動車の運転席周辺に適用することができる。
図27Gには移動体の一例である自動車5700が図示されている。
自動車5700の運転席周辺には、スピードメーター、タコメーター、走行距離、燃料計、ギア状態、エアコンの設定などを表示することで、様々な情報を提供するインストゥルメントパネルが備えられている。また、運転席周辺には、それらの情報を示す表示装置が備えられていてもよい。
特に当該表示装置には、自動車5700に設けられた撮像装置(図示しない。)からの映像を映し出すことによって、ピラーなどで遮られた視界、運転席の死角などを補うことができ、安全性を高めることができる。すなわち、自動車5700の外側に設けられた撮像装置からの画像を表示することによって、死角を補い、安全性を高めることができる。
上記実施の形態で説明した半導体装置は、情報を一時的に保持することができるため、例えば、当該半導体装置を、自動車5700の自動運転、道路案内、危険予測などを行うシステムなどにおける、必要な一時的な情報の保持に用いることができる。当該表示装置には、道路案内、危険予測などの一時的な情報を表示する構成としてもよい。また、自動車5700に備え付けられたドライビングレコーダの映像を保持する構成としてもよい。
なお、上述では、移動体の一例として自動車について説明しているが、移動体は自動車に限定されない。例えば、移動体としては、電車、モノレール、船、飛行体(ヘリコプター、無人航空機(ドローン)、飛行機、ロケット)なども挙げることができる。
[カメラ]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、カメラに適用することができる。
図27Hには、撮像装置の一例であるデジタルカメラ6240が図示されている。デジタルカメラ6240は、筐体6241、表示部6242、操作スイッチ6243、シャッターボタン6244等を有し、また、デジタルカメラ6240には、着脱可能なレンズ6246が取り付けられている。なお、ここではデジタルカメラ6240を、レンズ6246を筐体6241から取り外して交換することが可能な構成としたが、レンズ6246と筐体6241とが一体となっていてもよい。また、デジタルカメラ6240は、ストロボ装置、ビューファインダー等を別途装着することができる構成としてもよい。
デジタルカメラ6240に上記実施の形態で説明した半導体装置を適用することによって、低消費電力のデジタルカメラ6240を実現することができる。また、低消費電力により、回路からの発熱を低減することができるため、発熱によるその回路自体、周辺回路、およびモジュールへの影響を少なくすることができる。
[ビデオカメラ]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、ビデオカメラに適用することができる。
図27Iには、撮像装置の一例であるビデオカメラ6300が図示されている。ビデオカメラ6300は、第1筐体6301、第2筐体6302、表示部6303、操作スイッチ6304、レンズ6305、接続部6306等を有する。操作スイッチ6304およびレンズ6305は第1筐体6301に設けられており、表示部6303は第2筐体6302に設けられている。そして、第1筐体6301と第2筐体6302とは、接続部6306により接続されており、第1筐体6301と第2筐体6302の間の角度は、接続部6306により変更が可能である。表示部6303における映像を、接続部6306における第1筐体6301と第2筐体6302との間の角度に従って切り替える構成としてもよい。
ビデオカメラ6300で撮影した映像を記録する際、データの記録形式に応じたエンコードを行う必要がある。上述した半導体装置を利用することによって、ビデオカメラ6300は、エンコードの際に発生する一時的なファイルの保持を行うことができる。
[ICD]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、植え込み型除細動器(ICD)に適用することができる。
図27Jは、ICDの一例を示す断面模式図である。ICD本体5400は、バッテリー5401と、電子部品4700と、レギュレータと、制御回路と、アンテナ5404と、右心房へのワイヤ5402、右心室へのワイヤ5403とを少なくとも有している。
ICD本体5400は手術により体内に設置され、二本のワイヤは、人体の鎖骨下静脈5405および上大静脈5406を通過させて一方のワイヤ先端が右心室、もう一方のワイヤ先端が右心房に設置されるようにする。
ICD本体5400は、ペースメーカとしての機能を有し、心拍数が規定の範囲から外れた場合に心臓に対してペーシングを行う。また、ペーシングによって心拍数が改善しない場合(速い心室頻拍、心室細動など)、電気ショックによる治療が行われる。
ICD本体5400は、ペーシングおよび電気ショックを適切に行うため、心拍数を常に監視する必要がある。そのため、ICD本体5400は、心拍数を検知するためのセンサを有する。また、ICD本体5400は、当該センサなどによって取得した心拍数のデータ、ペーシングによる治療を行った回数、時間などを電子部品4700に記憶することができる。
また、アンテナ5404で電力が受信でき、その電力はバッテリー5401に充電される。また、ICD本体5400は複数のバッテリーを有することにより、安全性を高くすることができる。具体的には、ICD本体5400の一部のバッテリーが使えなくなったとしても残りのバッテリーが機能させることができるため、補助電源としても機能する。
また、電力を受信できるアンテナ5404とは別に、生理信号を送信できるアンテナを有していてもよく、例えば、脈拍、呼吸数、心拍数、体温などの生理信号を外部のモニタ装置で確認できるような心臓活動を監視するシステムを構成してもよい。
[PC用の拡張デバイス]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、PC(Personal Computer)などの計算機、情報端末用の拡張デバイスに適用することができる。
図28Aは、当該拡張デバイスの一例として、持ち運びのできる、情報の記憶が可能なチップが搭載された、PCに外付けする拡張デバイス6100を示している。拡張デバイス6100は、例えば、USB(Universal Serial Bus)などでPCに接続することで、当該チップによる情報の記憶を行うことができる。なお、図28Aは、持ち運びが可能な形態の拡張デバイス6100を図示しているが、本発明の一態様に係る拡張デバイスは、これに限定されず、例えば、冷却用ファンなどを搭載した比較的大きい形態の拡張デバイスとしてもよい。
拡張デバイス6100は、筐体6101、キャップ6102、USBコネクタ6103および基板6104を有する。基板6104は、筐体6101に収納されている。基板6104には、上記実施の形態で説明した半導体装置などを駆動する回路が設けられている。例えば、基板6104には、電子部品4700、コントローラチップ6106が取り付けられている。USBコネクタ6103は、外部装置と接続するためのインターフェースとして機能する。
[SDカード]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、情報端末、デジタルカメラなどの電子機器に取り付けが可能なSDカードに適用することができる。
図28BはSDカードの外観の模式図であり、図28Cは、SDカードの内部構造の模式図である。SDカード5110は、筐体5111、コネクタ5112および基板5113を有する。コネクタ5112が外部装置と接続するためのインターフェースとして機能する。基板5113は筐体5111に収納されている。基板5113には、半導体装置および半導体装置を駆動する回路が設けられている。例えば、基板5113には、電子部品4700、コントローラチップ5115が取り付けられている。なお、電子部品4700とコントローラチップ5115とのそれぞれの回路構成は、上述の記載に限定せず、状況に応じて、適宜回路構成を変更してもよい。例えば、電子部品に備えられている書き込み回路、ロードライバ、読み出し回路などは、電子部品4700でなく、コントローラチップ5115に組み込んだ構成としてもよい。
基板5113の裏面側にも電子部品4700を設けることで、SDカード5110の容量を増やすことができる。また、無線通信機能を備えた無線チップを基板5113に設けてもよい。これによって、外部装置とSDカード5110との間で無線通信を行うことができ、電子部品4700のデータの読み出し、書き込みが可能となる。
[SSD]
上記実施の形態で説明した半導体装置は、情報端末など電子機器に取り付けが可能なSSD(Solid State Drive)に適用することができる。
図28DはSSDの外観の模式図であり、図28Eは、SSDの内部構造の模式図である。SSD5150は、筐体5151、コネクタ5152および基板5153を有する。コネクタ5152が外部装置と接続するためのインターフェースとして機能する。基板5153は筐体5151に収納されている。基板5153には、記憶装置および記憶装置を駆動する回路が設けられている。例えば、基板5153には、電子部品4700、メモリチップ5155、コントローラチップ5156が取り付けられている。基板5153の裏面側にも電子部品4700を設けることで、SSD5150の容量を増やすことができる。メモリチップ5155にはワークメモリが組み込まれている。例えば、メモリチップ5155には、DRAMチップを用いればよい。コントローラチップ5156には、プロセッサ、ECC回路などが組み込まれている。なお、電子部品4700と、メモリチップ5155と、コントローラチップ5115と、のそれぞれの回路構成は、上述の記載に限定せず、状況に応じて、適宜回路構成を変更してもよい。例えば、コントローラチップ5156にも、ワークメモリとして機能するメモリを設けてもよい。
[計算機]
図29Aに示す計算機5600は、大型の計算機の例である。計算機5600には、ラック5610にラックマウント型の計算機5620が複数格納されている。
計算機5620は、例えば、図29Bに示す斜視図の構成とすることができる。図29Bにおいて、計算機5620は、マザーボード5630を有し、マザーボード5630は、複数のスロット5631、複数の接続端子を有する。スロット5631には、PCカード5621が挿されている。加えて、PCカード5621は、接続端子5623、接続端子5624、接続端子5625を有し、それぞれ、マザーボード5630に接続されている。
図29Cに示すPCカード5621は、CPU、GPU、記憶装置などを備えた処理ボードの一例である。PCカード5621は、ボード5622を有する。また、ボード5622は、接続端子5623と、接続端子5624と、接続端子5625と、半導体装置5626と、半導体装置5627と、半導体装置5628と、接続端子5629と、を有する。なお、図29Cには、半導体装置5626、半導体装置5627、および半導体装置5628以外の半導体装置を図示しているが、それらの半導体装置については、以下に記載する半導体装置5626、半導体装置5627、および半導体装置5628の説明を参酌すればよい。
接続端子5629は、マザーボード5630のスロット5631に挿すことができる形状を有しており、接続端子5629は、PCカード5621とマザーボード5630とを接続するためのインターフェースとして機能する。接続端子5629の規格としては、例えば、PCIeなどが挙げられる。
接続端子5623、接続端子5624、接続端子5625は、例えば、PCカード5621に対して電力供給、信号入力などを行うためのインターフェースとすることができる。また、例えば、PCカード5621によって計算された信号の出力などを行うためのインターフェースとすることができる。接続端子5623、接続端子5624、接続端子5625のそれぞれの規格としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)、SATA(Serial ATA)、SCSI(Small Computer System Interface)などが挙げられる。また、接続端子5623、接続端子5624、接続端子5625から映像信号を出力する場合、それぞれの規格としては、HDMI(登録商標)などが挙げられる。
半導体装置5626は、信号の入出力を行う端子(図示しない。)を有しており、当該端子をボード5622が備えるソケット(図示しない。)に対して差し込むことで、半導体装置5626とボード5622を電気的に接続することができる。
半導体装置5627は、複数の端子を有しており、当該端子をボード5622が備える配線に対して、例えば、リフロー方式のはんだ付けを行うことで、半導体装置5627とボード5622を電気的に接続することができる。半導体装置5627としては、例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)、GPU、CPUなどが挙げられる。半導体装置5627として、例えば、電子部品4730を用いることができる。
半導体装置5628は、複数の端子を有しており、当該端子をボード5622が備える配線に対して、例えば、リフロー方式のはんだ付けを行うことで、半導体装置5628とボード5622を電気的に接続することができる。半導体装置5628としては、例えば、記憶装置などが挙げられる。半導体装置5628として、例えば、電子部品4700を用いることができる。
計算機5600は並列計算機としても機能できる。計算機5600を並列計算機として用いることで、例えば、人工知能の学習、および推論に必要な大規模の計算を行うことができる。
上記の各種電子機器などに、本発明の一態様の半導体装置を用いることにより、電子機器の小型化、および/または低消費電力化を図ることができる。また、本発明の一態様の半導体装置は低消費電力が少ないため、回路からの発熱を低減することができる。よって、当該発熱によるその回路自体、周辺回路、およびモジュールへの悪影響を低減できる。また、本発明の一態様の半導体装置を用いることにより、高温環境下においても動作が安定した電子機器を実現できる。よって、電子機器の信頼性を高めることができる。
本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態などと適宜組み合わせることができる。
本実施例では、Siトランジスタ(SiFET)と強誘電性キャパシタ(FE)を用いた1T1F型のメモリセルと、OSトランジスタ(OSFET)とFEを用いた1T1F型のメモリセルサイズについて説明する。
図30に、SiFETとFEを用いたメモリセルと、OSFETとFEを用いたメモリセルのそれぞれに係る、回路図、設計パラメータ、およびレイアウト図を示す。SiFETのテクノロジーノードは130nmノードを想定し、OSFETのテクノロジーノードは55nmノードと7nmノードを想定した。
130nmノードにおけるSiFETのチャネル長Lとチャネル幅Wは、使用可能電圧を3.3Vとした場合、Lが350nm程度、Wが300nm程度必要になる。この時のチャネル面積は0.105μm2である。使用可能電圧が3.3Vの場合、FEにおいて十分な分極の反転が実現可能な誘電体の厚さは、おおよそ8~11nmと見積もられる。
55nmノードにおけるOSFETでは、Lが60nmでWが60nmであっても使用可能電圧を4.5Vにできる。この時のチャネル面積は0.0036μm2である。また、7nmノードにおけるOSFETでは、Lが30nmでWが30nmであっても、使用可能電圧を4.5Vにできる。この時のチャネル面積は0.0009μm2である。また、使用可能電圧が4.5Vの場合、FEにおいて十分な分極の反転が実現可能な誘電体の厚さは、おおよそ10~12.5nmと見積もられる。
130nmノードで作製するSiFETを用いたメモリセルでは、メモリサイズが0.5μm2、FEサイズが0.112μm2になると見積もられる。また、55nmノードで作製するOSFETを用いたメモリセルでは、メモリサイズが0.153μm2、FEサイズが0.05μm2になると見積もられる。また、7nmノードで作製するOSFETを用いたメモリセルでは、メモリサイズが0.018μm2、FEサイズが0.004μm2になると見積もられる。
これらのことから、メモリセルサイズは、ほぼトランジスタの性能によって決まると言える。図30中のレイアウト図に示すように、メモリセルにOSFETを用いることにより、メモリセルサイズを約1/3、さらに約1/8にすることができる。
また、OSFETは、ソースとドレイン間の絶縁耐圧が高いため、LおよびWが小さくても使用可能電圧を高めることができる。よって、FEの分極の反転に必要な電圧を十分に供給できる。OSFETを用いたメモリセルでは使用可能電圧を高めることができるため、FEを構成する強誘電性を有しうる誘電体の膜厚を厚くし、2Prを高めることができる。よって、メモリセルの信頼性を高めることができる。
本実施例では、1つのトランジスタ(FET)と1つの強誘電性キャパシタ(FE)を有する1T1F型メモリセルの集積化について説明する。図31A1は、メモリセルの断面模式図であり、図31A2は、図31A1に示すメモリセルの平面図である。図31B1は、メモリセルの断面模式図であり、図31B2は、図31B1に示すメモリセルの平面図である。図31C1は、メモリセルの断面模式図であり、図31C2は、図31C1に示すメモリセルの平面図である。
図31A1および図31A2は、FEの2Prが比較的小さい場合のメモリセルを示す。この場合、FEのサイズが大きくなるため、集積度が上がらない。集積度を上げるため、図31B1および図31B2に示すようなシリンダ型のFEが知られている。ただし、シリンダ型のFEは製造プロセスが複雑で、強誘電体の結晶性制御が難しいなどの問題がある。図31C1および図31C2に示すように、2Prが大きい場合は、FEのサイズを小さくできる。
FEのサイズが小さくなると、ビット線(配線BL)の配線容量(寄生容量)も小さくする必要がある。図31D1は、メモリセルアレイ81と周辺駆動回路82を平面状に並べて配置する例を示している。図31D1に示す構成では、ビット線の配線容量の低減が難しい。
図31D2は、周辺駆動回路82の上にメモリセルアレイ81を重ねて配置する例を示している。周辺駆動回路82の上にメモリセルアレイ81を重ねて設けることで、ビット線が短くなり、ビット線の配線容量を低減できる。また、占有面積が低減できるため、メモリセルの集積化に好適である。
ここで、長さ4.8μmのビット線1本に16個のメモリセル(16 cells)が接続する場合を考える(図31E参照)。1μm当たりのビット線の配線容量を0.5fF/μmとすると、長さ4.8μmのビット線の配線容量は2.4fFになる。FEの2Prが40μC/cm2で、FEのサイズが0.004μm2とすると、電荷量が1.6fCでビット線の電位が0.7V変化する。
図31Fに、1本のビット線に電気的に接続するメモリセルの数と読み出される電圧の関係を示す。メモリセルの数が増えると、読み出される電圧が小さくなることがわかる。メモリセルアレイの微細化、高集積化において、SiFETよりもOSFETを用いることが好適である。