以下、本発明に係る防護フレームを備えたスピードスプレーヤの好適な実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。図1~図7は、本発明の第1実施形態を、図8及び図9は、本発明の第2実施形態を各々示すものであり、各図において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
先ず、図1~図7に示す第1実施形態を説明する。図1~図4は、本発明の実施形態に係る防護フレームを備えたスピードスプレーヤを示す各図、図5は、薬液タンク及び防護フレームを示す斜視図、図6は、メインフレームの延出フレームと薬液タンクとの連結部を拡大して示す斜視図、図7は、薬液タンク、防護フレームの分解斜視図であり、本実施形態のスピードスプレーヤは、例えば果樹園等を走行しながら薬液を散布するものである。なお、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」は、スピードスプレーヤを基準とした方向とする。
図1~図4に示すように、スピードスプレーヤ100は、運転者が着座し運転操作する自走式の車両1を備え、車両1は、車両前後方向に延在する車体フレーム(車体)2(図2参照)の左右に前輪3及び後輪4をそれぞれ回転可能に有している。
スピードスプレーヤ100を構成する車両1には、前側から後側へ向けて順に、運転者が着座しハンドルによる運転操作や、薬液散布操作等を行うための座席5、薬液を貯留する薬液タンク6、駆動源としてのエンジンや薬液圧送ポンプ等を格納するエンジンルーム7、薬液圧送ポンプの駆動により薬液タンク6から圧送される薬液を車両1の周囲に散布するための噴頭部8、後方から吸引した空気を噴頭部8へ送るための送風機9が配設されている。
薬液タンク6は。図5に示すように、車両前後方向視において略蒲鉾形とされ、内部に薬液が貯留される。薬液タンク6の前面は、座席5の車両右後方側の前面6aが、若干車両右前方を向くように傾斜する平坦面とされ、座席5の真後ろ側の前面6bが、ほぼ垂直な平坦面とされている。薬液タンク6において座席5の車両左側方側は、座席5の車両左側方に回り込むようようにして前方へ突出し、その突出する前面6cが、若干車両右前方且つ座席5を向くように傾斜する平坦面とされている。
図1~図3に示すように、送風機9は、送風機カバー10により覆われ、送風機9より前側の噴頭部8には、薬液が上方及び側方へ向かって散布されるように噴霧ノズル11が円弧状に沿って複数離間配置されている。
座席5の右側の位置には、前輪3を上方から覆うフェンダー12が位置し、フェンダー12上には、薬液を手作業で散布するためのホースを巻き付け/繰り出し可能とするホース巻取器50が設置されている。なお、図2においては、座席5及び後述の延出フレーム13cの薬液タンク6に対する取付位置を見やすくするため、ホース巻取器50は、省略されている。
このスピードスプレーヤ100にあっては、運転者を保護するめの防護フレーム13が設けられている。防護フレーム13は、図1~図5に示すように、前側のメインフレーム13aと、後側のサポートフレーム13bと、を備えている。
メインフレーム13aは、薬液タンク6の前面に連結されて上方へ延出し、車両前後方向視において略台形状の門形をなしている。
サポートフレーム13bは、車両前後方向に延びるようにして一対が車両左右方向に離間して設けられ、一端がメインフレーム13aの上部に連結されると共に、他端が薬液タンク6の上部に連結されている。
メインフレーム13aのうち車両前後方向視において門形を形成するハの字は、延出フレーム13c,13cにより形成されている。車両右側の延出フレーム13cの一端(下端部)は、座席5の車両右後方側の薬液タンク6の前面6aに連結され、車両左側の延出フレーム13cの一端は、座席5の車両左側方側の薬液タンク6の前面6cに連結されている。これらの薬液タンク6の前面6a,6cに連結された延出フレーム13c,13cは、ほぼ斜め鉛直上方へ向かうように延出し、車両前後方向視において門形のハの字を形成している。
メインフレーム13aは、図5に示すように、斜め上方へ延びる延出フレーム13c,13cを、曲りフレーム13dを介して、車両左右方向に水平に延びる連結フレーム13eで連結したものである。連結フレーム13eは、座席5に着座した運転者の頭部後方辺に位置している(図2参照)。このように、メインフレーム13aは、図1~図5に示すように、座席5を後部側から囲むように構成されている。そして、連結フレーム13eに、サポートフレーム13b,13bの一端がそれぞれ連結され、メインフレーム13aが補強されている。なお、メインフレーム13a及びサポートフレーム13bは、ここでは、丸パイプで構成されている。
車両右側の延出フレーム13cの一端と車両右側の薬液タンク6の前面6aとの間、車両左側の延出フレーム13cの一端と車両左側の薬液タンク6の前面6cとの間、サポートフレーム13b,13bの他端と薬液タンク6の上部との間は、ここでは、図7に示すように、着脱可能に連結されている。
具体的に説明すると、図7に示すように、延出フレーム13cの一端(下部)やサポートフレーム13bの他端(後端)には、L字状のロックピン13fが進入可能な貫通孔13gが開口されている。図6に示すように、車両左側の薬液タンク6の前面6cを例に取れば、コの字状のブラケット13hが当該前面6cに、例えばボルト等の締結手段により連結され、コの字状のブラケット13hの対向する部分には、ロックピン13fが進入可能な貫通孔13jが開口されている。
そして、延出フレーム13cの一端やサポートフレーム13bの他端を、コの字状のブラケット13hの内部空間に通すように上下方向から進入させ、ロックピン13fを、コの字状のブラケット13hの貫通孔13j、延出フレーム13cやサポートフレーム13bの貫通孔13g(図7参照)に通し、ロックピン13fの端部に形成されている開口に、ボールロックピン13iを挿入することにより、L字状のロックピン13fが抜け止めとして機能し、延出フレーム13cの一端やサポートフレーム13bの他端が薬液タンク6に連結され装着される。
一方、ボールロックピン13iを抜き出し、L字状のロックピン13fを引き抜けば、延出フレーム13cの一端やサポートフレーム13bの他端を薬液タンク6から取り外すことができる。
このように構成されたスピードスプレーヤ100によれば、エンジンの駆動により例えば果樹園を走行しながら、当該エンジンの駆動により噴霧用ポンプが作動して薬液タンク6の薬液が噴頭部8の噴霧ノズル11へ供給され、噴霧ノズル11から噴霧されると共に、エンジンの駆動により送風機9が作動し、当該送風機9により後方から空気が吸い込まれ、空気流が噴霧ノズル11の周囲から径方向外方へ噴出されることによって、噴霧された薬液が車体周囲に拡散され、薬液が好適に散布される。
ここで、防護フレーム13として、車両前後方向視において門形をなし座席5の上方へ延びる延出フレーム13c及び延出フレーム13cの上部同士を連結する連結フレーム13eを備えるメインフレーム13aと、一対が車両左右方向に離間して車両後方へ向かって下り勾配で設けられ、メインフレーム13aをサポートするサポートフレーム13bが設けられており、延出フレーム13cは、その下端部のそれぞれが、座席5の後方又は側方の位置で、薬液タンク6の前面6a,6cに連結されている。また、サポートフレーム13bは、その一端が、メインフレーム13aの連結フレーム13eに連結されると共に、その他端が、薬液タンク6の上部に連結されている。
このため、図2に示すように、メインフレーム13aの連結フレーム13eとスピードスプレーヤ100の先端部の上部とを結ぶ仮想線VL1より下方に、スピードスプレーヤ100の走行中における車両横転時の安全領域S1が形成され、座席5に着座し運転操作する運転者の安全領域S1を確保できる。
また、メインフレーム13a及びサポートフレーム13bの車両1に対する取付位置が、薬液タンク6の前面6a,6c及び薬液タンク6の上部とされ薬液タンク6が利用されて高くなっている。このため、防護フレーム13自体の高さ方向の長さを短くでき、防護フレーム13の軽量化及びコンパクト化を図りつつ運転者の安全領域S1を確保できる。
なお、剛性の高い車体フレーム2(図2参照)から立設する防護フレームを設けるとすると、車体フレーム2の車両左右方向の側面から立ち上げる必要があるため、車両左右方向に防護フレームが飛び出してしまうと共に、高さが高くなってしまい。防護フレームの軽量化及びコンパクト化が図れないという問題がある。
また、本実施形態によれば、メインフレーム13a及びサポートフレーム13bを薬液タンク6から取り外すことで、例えば倉庫やテント等へスピードスプレーヤ100を容易に格納できる。
図8は、本発明の第2実施形態に係る防護フレームを備えたスピードスプレーヤを前方右斜め上方から見た斜視図、図9は、スピードスプレーヤの右側面図である。
この第2実施形態が第1実施形態と違う点は、延出フレーム13cに代えて、上方へ行くに従い車両後方へ傾斜する延出フレーム23cを用いた点である。これに伴い、延出フレーム23c及び連結フレーム13eによりメインフレーム23aが構成され、メインフレーム23a及びサポートフレーム13bにより防護フレーム23が構成されている。なお、サポートフレーム13bの角度等も多少変えられているが、延出フレーム23cへの変更が要点である。
このような第2実施形態によれば、座席5に着座し運転操作する運転者の肩及び背中並びに後頭部辺りと、連結フレーム13eとの間に大きな隙間S2が形成される(図9参照)。このため、当該箇所に車両横転時の安全領域S2を拡大して確保できる。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、特に好適であるとして、防護フレーム13,23を丸パイプにより構成しているが、例えば、丸棒や角パイプや平板等であっても良く、要は、剛性が担保できれば良い。
また、上記実施形態においては、延出フレーム13c,23cの薬液タンク6に対する連結位置を、座席5の後方又は側方の位置としているが、スペースがあれば、両方とも座席5の後方としても良く、また、薬液タンク6の先端部で座席5を車両左右方向両側から挟む構成とすれば、両方とも座席5の側方としても良い。
また、上記実施形態においては、門形を車両前後方向視においてハの字を含む構成としているが、矩形状としても良い。
また、上記実施形態においては、車両1の前部から後部へ向かって、噴頭部8、送風機9の順に配置し、送風機9の駆動により車両後方から前方の噴頭部8へ空気を送り込み、噴頭部8から薬液を車両1の周囲に散布するスピードスプレーヤ100に対する適用を述べているが、車両1の前部から後部へ向かって、送風機9、噴頭部8、噴頭板の順に配置し、送風機9の駆動により車両前方から後方の噴頭部8、噴頭板へ空気を送り込み、噴頭部8及び噴頭板から薬液を車両1の周囲に散布するスピードスプレーヤに対しても適用できる。