JP7533049B2 - 熱転写シート - Google Patents

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Description

本開示は、熱転写シートに関する。
熱転写方式による印画物の耐久性を高める手段として、熱転写方式によって得られた画像上に、熱転写性の保護層(以下、転写層とも称する)を備えた転写シートを用いて、サーマルヘッドや加熱ロール等の加熱手段によって転写層を転写させることにより、画像上に転写層を形成することが行われている。このような転写層を、印画された画像上に設けることによって、画像の耐摩耗性や耐可塑材薬品性等を向上できる。
また、上記したような転写層を備えた熱転写シートは、基材側から加熱手段により加熱された際に、速やかに且つ確実に転写層が画像上に転写されて接着する必要がある。
例えば、特許文献1には、熱転写性保護層として、転写時に熱転写受像シートと接着するための接着層と、耐可塑材性に優れる(メタ)アクリル樹脂を含む層とを有する保護層転写シート(熱転写シート)が開示されている。
特開2020-97132号公報
ところで、上記のような熱転写シートにおいては、低コスト化及び生産性向上の観点から、転写層の構成をより単純にすることが望まれている。本発明者らは、熱転写シートの転写層を単層とすることで、低コスト化及び生産性の向上を実現できると考えた。
しかしながら、1つの層では、熱転写シートから得られた印画物において転写層の接着性と耐可塑材性とを両立することは困難であることに本発明者らは気が付いた。
今般、本発明者らは、単層の転写層であっても、転写層に特定の2種類の樹脂を用いることにより、転写層の接着性と耐可塑材性とを両立できることを見出した。また、本発明者らは、このように転写層を単層とすることにより、マット調質感の再現等で、転写時にサーマルプリントヘッドから高エネルギーを受けた際においても、転写層の凝集破壊を抑制できることを見出した。
従って、本開示の目的は、熱転写シートから得られた印画物における転写層の接着性と耐可塑材性とを両立できると共に、高エネルギー印画での転写性が向上された熱転写シートを提供することである。
本開示は、基材と、基材の一方の面側に剥離可能に設けられた転写層とを備える熱転写シートであって、
転写層は、(メタ)アクリル樹脂及び塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含む単層である、熱転写シートである。
本開示によれば、熱転写シートから得られた印画物における転写層の接着性と耐可塑材性とを両立できると共に、高エネルギー印画での転写性が向上された熱転写シートを提供できる。
本開示の熱転写シートの一実施形態を表す模式断面図である。 本開示の熱転写シートの一実施形態を表す模式断面図である。 本開示の熱転写シートの一実施形態を表す模式断面図である。 本開示の熱転写シートの一実施形態を表す模式断面図である。
[熱転写シート]
本開示の熱転写シートは、基材と、基材の一方の面側に剥離可能に設けられた転写層とを備えるものである。
以下、図を参照して、本開示の熱転写シートを説明する。
一実施形態において、図1に示すように、熱転写シート10は、基材11と、転写層12とを備える。図1に示すように、転写層12は、基材11の一方の面側に設けられている。図1に示すように、転写層12は単層である。図1に示すように、転写層12は、基材11に直接積層されている。
一実施形態において、図2に示すように、熱転写シート10は、基材11と、転写層12と、離型層13とを備える。図2に示すように、転写層12は、基材11の一方の面側に設けられている。図2に示すように、転写層12は単層である。図2に示すように、熱転写シート10は、基材11と、転写層12との間に離型層13を備える。
一実施形態において、図3に示すように、熱転写シート10は、基材11と、転写層12と、色材層14とを備える。図3に示すように、転写層12は、基材11の一方の面側に設けられている。図3に示すように、転写層12は単層である。図3に示すように、転写層12は、基材11に直接積層されている。図3に示すように、熱転写シート10は、転写層12と面順次となるように色材層14を備える。
一実施形態において、図4に示すように、熱転写シート10は、基材11と、転写層12と、離型層13と、色材層14とを備える。図4に示すように、転写層12は、基材11の一方の面側に設けられている。図4に示すように、転写層12は単層である。図4に示すように、熱転写シート10は、基材11と、転写層12との間に離型層13を備える。図4に示すように、熱転写シート10は、転写層12と面順次となるように色材層14を備える。
熱転写シート10は、基材11と、色材層14との間にプライマー層を備えてもよい(図示せず)。
熱転写シート10は、基材11の、転写層12とは反対側の面側に背面層を備えてもよい(図示せず)。
上記の熱転写シート10の層構成は、適宜組み合わせることが可能である。
以下、本開示の熱転写シートが備える得る各層について説明する。
<転写層>
転写層は、加熱により熱転写シートから被転写体等へ転写される層である。
また、転写層は、(メタ)アクリル樹脂及び塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含む単層である。
本開示の熱転写シートは、転写層が(メタ)アクリル樹脂及び塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含むことにより、熱転写シートから得られた印画物における転写層の接着性と耐可塑材性(以下、単にそれぞれ「接着性」及び「耐可塑材性」とも称する)とを両立できる。
具体的には、転写層が(メタ)アクリル樹脂を含むことにより、転写層に耐可塑材性能を付与できる。そして、転写層が塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含むことにより、転写層に耐可塑材性能を付与しつつ、転写層に接着性能を付与できる。
また、転写層が(メタ)アクリル樹脂を含むことにより、印画物における光沢性(以下、単に「光沢性」とも称する)を向上できる。
また、転写層が塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含むことにより、熱転写シートにおける転写層の転写性(以下、単に「転写性」とも称する)を向上できる。
さらに、転写層が(メタ)アクリル樹脂を含むことにより、本開示の熱転写シートが色材層を備える場合に、熱転写シートにおけるバック現象を抑制できる。即ち、熱転写シートにおけるバック抑制性(以下、単に「バック抑制性」とも称する)を向上できる。
ここで、基材と、基材の一方の面側に背面層と、基材の他方の面側に面順次に色材層及び転写層とを備える熱転写シートを例にして、バック現象を説明する。バック現象とは、熱転写シートが巻き取られた際に、色材層に含まれる染料が背面層へ移行し(キック現象)、背面層に移行した染料が、熱転写シートが備える転写層又は色材層へ再移行することである。
本開示の熱転写シートは、転写層を単層とすることにより、マット調質感の再現等で、転写時にサーマルプリントヘッドから高エネルギーを受けた際においても、転写層の凝集破壊を抑制できる。即ち、熱転写シートの高エネルギー印画での転写性(以下、単に「高エネルギー転写性」とも称する)を向上できる。その理由を以下に説明する。
転写層が多層、例えば、特開2020-97132号公報の熱転写シートのように、転写層が保護層と接着層との積層である場合、保護層と接着層との間に界面が存在する。このような界面が存在すると、転写時に転写層内の界面で剥がれる可能性があるため、転写の制御が難しくなる。また、マット転写(マットモード)は、通常の転写(グロスモード)と比べて、非常に大きい印画エネルギーを必要とするため、転写の制御が更に難しくなる。
本開示の熱転写シートは、(メタ)アクリル樹脂と、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体とを組み合わせることにより、単層であっても、接着性及び耐可塑材性が両立された転写層を実現できる。さらに、転写層を単層とすること、即ち、転写層内に上記のような界面が存在しなくなることで、転写の制御が容易になり、転写層の凝集破壊を抑制できる。
本開示の熱転写シートは、接着性の観点から、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含む受容層を備える被転写体に用いられることが好ましい。
転写層に含まれる(メタ)アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、及び(メタ)アクリル酸モノマー及び/又は(メタ)アクリレートモノマーと、他のモノマーとの共重合体等が挙げられる。
本開示において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」の両方を包含することを意味する。「(メタ)アクリレート」とは「アクリレート」と「メタクリレート」の両方を包含することを意味する。
(メタ)アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸モノマーを構成単位とする(メタ)アクリル樹脂、及び(メタ)アクリレートを構成単位とする(メタ)アクリル樹脂等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル樹脂は、1種のモノマーの単独重合体又はその誘導体であってもよいし、2種以上のモノマーの共重合体又はその誘導体であってもよい。
(メタ)アクリル酸モノマー及び(メタ)アクリレートモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルマルブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、セカンダリーブチル(メタ)アクリレート、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレート、2-メチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート、及び2-エチル-2-アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリル樹脂において、他のモノマーは、(メタ)アクリル酸モノマー又は(メタ)アクリレートモノマーと共重合可能なものである。他のモノマーとしては、例えば、スチレン、(無水)マレイン酸、フマル酸、ジビニルベンゼン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、フッ化ビニル、ビニルアルコール、アクリロニトリル、アクリルアミド、ブタジエン、イソプレン、イソブテン、1-ブテン、2-ブテン、N-ビニル-2-ピロリドン、ジシクロペンタジエン、エチリデンノルボルネン、ノルボルネン類などの脂環式オレフィンモノマー、ビニルカプロラクタム、シトラコン酸無水物、N-フェニルマレイミドなどのマレイミド類、及びビニルエーテル類等が挙げられる。これらのモノマーを2種以上用いてもよい。他のモノマーは、スチレンが好ましい。
転写層に含まれる(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、40℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。これにより、耐可塑材性をより向上できる。
転写層に含まれる(メタ)アクリル樹脂のTgは、150℃以下であってもよい。
なお、本開示において、Tgは、JIS K 7121:2012に準拠して、DSC(示差走査熱量測定)により求めた値である。
転写層に含まれる(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、10000以上100000以下が好ましく、20000以上90000以下がより好ましい。
本開示においてMwは、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した値を意味し、JIS K 7252-1:2008に準拠して測定する。
転写層に含まれる(メタ)アクリル樹脂の含有量は、転写層の固形分総量に対して、20質量%以上80質量%以下が好ましく、40質量%以上80質量%以下がより好ましく、50質量%以上75質量%以下がさらに好ましく、55質量%以上65質量%以下が特に好ましい。
(メタ)アクリル樹脂の含有量を20質量%以上とすることにより、耐可塑材性、光沢性及びバック抑制性をより向上できる。
(メタ)アクリル樹脂の含有量を80質量%以下とすることにより、接着性及び転写性をより向上できる。
転写層に含まれる塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体としては、例えば、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体若しくはその誘導体、及び塩化ビニルと酢酸ビニルと他のモノマーとの共重合体等が挙げられる。
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合において、他のモノマーとしては、上記したモノマーが挙げられる。
転写層に含まれる塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体のTgは、20℃以上100℃以下が好ましく、50℃以上80℃以下がより好ましい。
転写層に含まれる塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の数平均分子量(Mn)は、5000以上100000以下が好ましく、10000以上80000以下がより好ましい。
本開示においてMnは、ポリスチレンを標準物質としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した値を意味し、JIS-K-7252-1:2008に準拠して測定する。
転写層に含まれる塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の含有量は、転写層の固形分総量に対して、5質量%以上65質量%以下が好ましく、5質量%以上50質量%以下がより好ましく、15質量%以上40質量%以下がさらに好ましく、20質量%以上30質量%以下が特に好ましい。
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の含有量を5質量%以上とすることにより、接着性及び転写性より向上できる。
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の含有量を65質量%以下とすることにより、耐可塑材性、光沢性及びバック抑制性をより向上できる。
転写層において、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体に対する(メタ)アクリル樹脂の比率((メタ)アクリル樹脂/塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体)は、質量基準において、0.3以上10以下が好ましく、1.1以上8以下がより好ましく、1.7以上3.5以下がさらに好ましい。これにより、接着性、耐可塑材性、光沢性、転写性及びバック抑制性をより向上できる。
転写層は、粒子を含むことが好ましい。これにより、印画物における転写層の耐キズ性(以下、単に「耐キズ性」とも称する)を向上できる。
粒子としては、例えば、有機粒子、及び無機粒子等が挙げられる。また、粒子は、粉体であっても、ゾル状のものであってもよい。粒子は、高い硬度を有し、耐キズ性を向上させることができるため、無機粒子が好ましい。
無機粒子としては、例えば、例えば、タルク及びカオリン等の粘土鉱物、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウム等の水酸化物、硫酸カルシウム等の硫酸塩、シリカ等の酸化物、グラファイト、硝石、並びに窒化ホウ素等の無機粒子が挙げられる。無機粒子としては、タルクが好ましい。
有機粒子としては、テフロン(登録商標)樹脂、シリコーン樹脂、ラウロイル樹脂、フェノール樹脂、アセタール樹脂、スチレン樹脂及びポリアミド等からなる有機樹脂粒子、又はこれらを架橋材と反応させた架橋樹脂粒子等が挙げられる。
転写層に含まれる粒子の平均粒径(D50)は、0.1μm以上20μm以下が好ましく、1μm以上10μm以下がより好ましい。これにより、転写層の透明性を維持しつつ、耐キズ性をより向上できる。
本開示において、粒子の平均粒径は、JIS Z 8825-1:2013に準拠して、レーザー回折法により測定できる。
転写層に含まれる粒子の含有量は、転写層の固形分総量に対して、0.1質量%以上2質量%以下が好ましく、0.3質量%以上1質量%以下がより好ましい。これにより、転写層の透明性を維持しつつ、耐キズ性をより向上できる。
転写層は、紫外線吸収材を含むことが好ましい。これにより、印画物の耐光性を向上できる。紫外線吸収材としては、ベンゾフェノン紫外線吸収材、ベンゾトリアゾール紫外線吸収材、及びトリアジン紫外線吸収材等が挙げられる。これらの紫外線吸収材を2種以上用いてもよい。
転写層に含まれる紫外線吸収材の含有量は、転写層の固形分総量に対して、1質量%以上15質量%以下が好ましく、5質量%以上10質量%以下がより好ましい。
紫外線吸収材の含有量を1質量%以上とすることにより、耐光性をより向上できる。
紫外線吸収材の含有量を15質量%以下とすることにより、耐可塑材性をより向上できる。
転写層は、充填材、紫外線安定化材、着色防止材、蛍光増白材、艶消し材、消臭材、難燃材、耐候材、帯電防止材、摩擦低減材、スリップ材、抗酸化材、イオン交換材、分散材、重合開始材及び顔料や染料等の着色材等の添加材を含んでもよい。
転写層の厚さは、0.3μm以上5μm以下が好ましく、0.5μm以上1.5μm以下がより好ましい。
転写層は、上記材料を水又は適当な溶媒へ分散又は溶解して、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法等の公知の手段により、基材又は離型層等の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。
<基材>
基材としては、樹脂材料から構成されるフィルム(以下、単に「樹脂フィルム」という。)を使用できる。樹脂材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、1,4-ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、テレフタル酸-シクロヘキサンジメタノール-エチレングリコール共重合体等のポリエステル、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びポリビニルピロリドン(PVP)等のビニル樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート及びポリメチルメタアクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、ポリイミド及びポリエーテルイミド等のイミド樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース樹脂、ポリスチレン(PS)等のスチレン樹脂、ポリカーボネート、並びにアイオノマー樹脂等の樹脂材料から構成されるフィルム(以下、単に「樹脂フィルム」という。)を使用できる。
上記した樹脂の中でも、耐熱性及び機械的強度という観点、及び転写性の観点から、PET及びPEN等のポリエステルが好ましく、PETが特に好ましい。
上記した樹脂フィルムの積層体も基材として使用できる。樹脂フィルムの積層体は、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法又はエクストリュージョン法等を利用して作製できる。
基材が樹脂フィルムである場合、該樹脂フィルムは、延伸フィルムであっても、未延伸フィルムであってもよいが、強度という観点からは、一軸方向又は二軸方向に延伸された延伸フィルムが好ましい。
基材の厚さは、2μm以上25μm以下が好ましく、3μm以上16μm以下がより好ましい。これにより、基材の機械的強度及び熱転写時の熱エネルギーの伝達を良好にできる。
<離型層>
離型層は、熱転写シートの熱転写時に、基材上に留まる層である。熱転写シートが離型層を備えることにより、転写性をより向上できる。
離型層は、少なくとも1種の樹脂材料含む。離型層に含まれる樹脂材料としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン、アセタール樹脂、ポリアミド、ポリエステル、メラミン樹脂、ポリオール樹脂、セルロース樹脂及びシリコーン樹脂等が挙げられる。
離型層は、少なくとも1種の離型材を含んでもよい。離型材としては、例えば、フッ素化合物、リン酸エステル化合物、シリコーンオイル及び高級脂肪酸アミド化合物、金属石けん及びパラフィンワックス等のワックス等が挙げられる。
離型層における離型材の含有量は、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、0.5質量%以上5質量%以下がより好ましい。これにより、熱転写シートの転写性をより向上できる。
離型層は、上記添加材を含んでもよい。
離型層の厚さは、例えば、0.1μm以上2.0μm以下である。
離型層は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液を作成し、上記塗布手段により、基材等の上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥することにより形成できる。
<色材層>
色材層は、画像を形成するために用いられる層である。色材層は、昇華転写型の層であり、少なくとも1種の昇華性染料を含む。昇華性染料としては、例えば、ジアリールメタン染料、トリアリールメタン染料、チアゾール染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン染料、インドアニリン染料、アセトフェノンアゾメチン染料、ピラゾロアゾメチン染料、キサンテン染料、オキサジン染料、チアジン染料、アジン染料、アクリジン染料、アゾ染料、スピロピラン染料、インドリノスピロピラン染料、フルオラン染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料及びキノフタロン染料等が挙げられる。
色材層は、少なくとも1種の樹脂材料を含む。色材層に含まれる樹脂材料としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ビニル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、セルロース樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート、フェノキシ樹脂、アイオノマー樹脂及びアセタール樹脂等が挙げられる。
色材層は、上記添加材を含んでもよい。
色材層の厚さは、例えば、0.1μm以上3μm以下である。
色材層は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液を作成し、上記塗布手段により、基材又はプライマー層等の上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥することにより形成できる。
<プライマー層>
プライマー層は、熱転写シートの熱転写時に、基材上に留まる層である。熱転写シートがプライマー層を備えることにより、基材と色材層との密着性を向上できる。
プライマー層は、少なくとも1種の樹脂材料を含む。プライマー層に含まれる樹脂材料としては、例えば、ポリエステル、ビニル樹脂、ポリウレタン、(メタ)アクリル樹脂、ポリアミド、ポリエーテル、スチレン樹脂及びセルロース樹脂等が挙げられる。
プライマー層は、上記添加材を含んでもよい。
プライマー層の厚さは、例えば、0.05μm以上2.0μm以下である。
プライマー層は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液を作成し、上記塗布手段により、基材等の上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥することにより形成できる。
<背面層>
背面層は、基材の、転写層が設けられている側とは反対側に設けられている層である。熱転写シートが背面層を備えることにより、熱転写時の加熱によるスティッキングやシワの発生を防止できる。
背面層は、少なくとも1種の樹脂材料を含んでもよい。背面層に含まれる樹脂材料としては、例えば、ビニル樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリウレタン、セルロース樹脂及びフェノール樹脂等が挙げられる。
背面層は、少なくとも1種のイソシアネート化合物を含んでもよい。背面層に含まれるイソシアネート組成物としては、例えば、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
背面層は、上記添加材を含んでもよい。
背面層の厚さは、例えば、0.01μm以上3.0μm以下である。
背面層は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液を作成し、上記塗布手段により、基材の上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥することにより形成できる。
以下に、本開示の、熱転写シートの一実施形態を示す。なお、本開示の、熱転写シートは、これらの実施形態に限定されるものではない。
本開示は、基材と、基材の一方の面側に剥離可能に設けられた転写層とを備える熱転写シートであって、
転写層は、(メタ)アクリル樹脂及び塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含む単層である、熱転写シートである。
一実施形態において、転写層は、基材に直接積層されていてもよい。
一実施形態において、基材と、転写層との間に離型層を備えてもよい。
一実施形態において、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体に対する(メタ)アクリル樹脂の比率が、質量基準において、1.1以上8以下であってもよい。
一実施形態において、転写層は、粒子を更に含んでもよい。
一実施形態において、(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度が、80℃以上であってもよい。
一実施形態において、熱転写シートは、転写層と面順次となるように色材層を更に備えてもよい。
一実施形態において、熱転写シートは、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含む受容層を備える被転写体に用いられてもよい。
次に実施例を挙げて、本開示をさらに詳細に説明するが、本開示は、これら実施例に限定されない。以下、固形分比率が書いてある材料については固形分換算前の含有量を示す。
実施例及び比較例において、(メタ)アクリル樹脂及び塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体は、表1に示すものを用いた。
Figure 0007533049000001
[実施例1]
基材として、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(三菱ケミカル(株)製、ダイアホイル(登録商標)K880-4.5W)を準備した。
基材の一方の面に、下記組成の背面層用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ0.1μmの背面層を形成した。
次いで、基材の、背面層とは反対の面の一部に、下記組成の色材層用塗工液A~Cを塗布、乾燥し、それぞれ厚さ0.5μmの色材層A~Cを形成した。
次いで、色材層と面順次となるように、下記組成の転写層用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ0.8μmの転写層を形成し、熱転写シートを得た。
<背面層用塗工液>
・ポリビニルブチラール 2質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)BX-1)
・ポリイソシアネート 9.2質量部
(DIC(株)製、バーノック(登録商標)D750)
・リン酸エステル界面活性材 1.3質量部
(第一工業製薬(株)製、プライサーフ(登録商標)A208N)
・タルク 0.3質量部
(日本タルク工業(株)製、ミクロエース(登録商標)P-3)
・メチルエチルケトン(MEK) 43.6質量部
・トルエン 43.6質量部
<色材層用塗工液A>
・Solvent Yellow 93 2質量部
・Disperse Yellow 231 2質量部
・ポリビニルアセタール 3.5質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS-5)
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・MEK 45質量部
・トルエン 45質量部
<色材層用塗工液B>
・分散染料(MSレッドG) 1.5質量部
・分散染料(マクロレックスレッドバイオレットR) 2質量部
・ポリビニルアセタール 4.5質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS-5)
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・MEK 45質量部
・トルエン 45質量部
<色材層用塗工液C>
・Solvent Blue 63 2質量部
・Disperse Blue 354 2質量部
・ポリビニルアセタール 3.5質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS-5)
<転写層用塗工液組成>
・(メタ)アクリル樹脂A 30質量部
・塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体A 70質量部
・タルク 0.82質量部
(日本タルク工業(株)製、ミクロエース(登録商標)P-3)
・分散材 0.12質量部
(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK-180)
・紫外線吸収材 10.0質量部
(ベンゾトリアゾール紫外線吸収材、サンケミカル(株)製、UV-329)
・リン酸エステル界面活性材 5.3質量部
(第一工業製薬(株)製、プライサーフ(登録商標)A208N)
・MEK 117質量部
・酢酸プロピル 50質量部
[実施例2~13,参考例14、比較例1~2]
転写層の組成を表2に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして熱転写シートを作製した。
[実施例15]
基材に、下記組成の離型層用塗工液を塗布、乾燥し、基材と転写層との間に、厚さ0.1μmの離型層を形成したこと以外は、実施例4と同様にして熱転写シートを得た。
<離型層用塗工液>
・アクリルシリコーングラフトポリマー 10質量部
(東亜合成(株)製、サイマック(登録商標)US350)
・MEK 20質量部
・トルエン 20質量部
[比較例3]
転写層を以下のように形成したこと以外は、実施例1と同様にして熱転写シート得た。
色材層と面順次となるように、下記組成の保護層用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ0.8μmの保護層を形成した。
次いで、保護層上に下記組成の接着層用塗工液を塗布、乾燥し、厚さ0.8μmの接着層を形成し、熱転写シートを得た。
熱転写シートの保護層及び接着層は、転写層に相当する。
<保護層用塗工液>
・(メタ)アクリル樹脂A 30質量部
・塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体A 70質量部
・タルク 0.82質量部
(日本タルク工業(株)製、ミクロエース(登録商標)P-3)
・分散材 0.12質量部
(ビックケミー・ジャパン(株)製、BYK-180)
・リン酸エステル界面活性材 5.3質量部
(第一工業製薬(株)製、プライサーフ(登録商標)A208N)
・MEK 117質量部
・酢酸プロピル 50質量部
<接着層用塗工液>
・ポリエステル 100質量部
(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)700)
・紫外線吸収材を反応結合した共重合体 10質量部
(BASFジャパン社製、UVA-635L)
・MEK 220質量部
・トルエン 220質量部
[比較例4]
転写層の組成を表2に示すように変更したこと以外は、比較例3と同様にして熱転写シートを作製した。
<<接着性評価>>
大日本印刷(株)製プリンタ、DS620用の純正受像紙の上に、以下評価プリンタ、並びに実施例及び比較例にて作製した熱転写シートを用いて、熱転写シートの転写層を階調0~255のグラデーション画像の階調パターンにて印画した。
〔評価プリンタ〕
・サーマルヘッド:F3598(東芝ホクト電子(株)製)
・発熱体平均抵抗値:5015(Ω)
・主走査方向印字密度:300(dpi)
・副走査方向印字密度:300(dpi)
・印加電圧:19.0(V)
・ライン周期:2(msec./line)
・パルスDuty:85%
その後、転写した転写層の上に、メンディングテープを貼り付け、剥離角度90°でテープ剥離したときの、テープ、及び印画物の状態を目視で確認し、下記の評価基準に基づいて接着性を評価した。評価結果を表2に示す。
なお、下記の評価基準において、「転写層が接着している」とは、転写層がメンディングテープによって剥がれなかったことを意味する。
また、下記の評価基準において、「画像階調」は、サーマルヘッドによる加熱エネルギーのエネルギー階調とは異なる指標である。画像階調の階調値が減少すると、エネルギー階調は増加する。従って、「0/255画像階調」は、高エネルギーでの転写となる。
〔評価基準〕
A:0~120/255画像階調の部分で転写層が受像紙に接着している。
B:0~90/255画像階調の部分で転写層が受像紙に接着している。
C:0~60/255画像階調の部分で転写層が受像紙に接着している
D:0~30/255画像階調の部分で転写層が受像紙に接着している。
NG:0/255画像階調の部分のみ転写層が受像紙に接着している。
<<耐可塑材性評価>>
上記実施例及び比較例において作製した熱転写シートと、昇華型熱転写プリンタ(大日本印刷(株)製、DS620)と、当該プリンタ用の純正受像紙とを用意した。20℃30%RH環境にて、受像紙が備える受容層上に、熱転写シートから昇華性染料を転写し、黒ベタ画像(0/255階調(画像階調))を形成し、転写層を、グロスモードで形成し、印画物を得た。
印画物の転写層転写面に、可塑材入り軟質塩化ビニル(PVC)シート(三菱ケミカル(株)製、アルトロン#480 厚み400μm)を重ね合わせ、1kgの重りをのせた状態で50℃環境下に24時間保存した。PVCシートを剥がした後、可塑材による印画物の画像の劣化状態を目視により観察し、下記の評価基準に基づいて耐可塑材性を評価した。評価結果を表2に示す。
〔評価基準〕
A:印画物の画像がPVCシートに全くとられていない。
B:印画物の画像がPVCシートに移行しているが、微小サイズの画像がPVCシートに僅かにとられただけであり、ほとんど目立たない。
C:印画物の画像がPVCシートに移行しているが、微小サイズの画像がPVCシートに部分的にとられただけであり、製品として良好である。
D:印画物の画像がPVCシートに全面的に移行しているが、画像がPVCシートにうっすらととられただけであり、製品として問題はない。
NG:印画物の画像がPVCシートに全面的に移行し、画像がPVCシートに完全にとられており、製品として問題がある。
<<高エネルギー転写性評価>>
上記実施例及び比較例において作製した熱転写シートと、昇華型熱転写プリンタ(大日本印刷(株)製、DS620)と、当該プリンタ用の純正受像紙とを用意した。20℃30%RH環境にて、受像紙が備える受容層上に、熱転写シートから転写層のみ(昇華性染料は転写せず)を、マットモードで形成し、印画物を得た。
得られた印画物を目視により観察し、下記評価基準に基づいて高エネルギー転写性を評価した。評価結果を表2に示す。
〔評価基準〕
A:転写層が転写されていない箇所は存在せず、転写領域全面で良好な高エネルギー転写性を確認できた。
NG:転写層がインクリボンから剥がれず、転写がなされなかった(NG1)か、転写層の一部がインクリボンから剥がれず、転写されていない箇所が部分的に存在した(NG2)。
<<光沢性評価>>
上記耐可塑材性評価のときと同様にして、印画物を得た。
得られた印画物について、Gloss Meter VG7000(日本電色工業(株)製)を用いて、反射角20°で測定し、以下の評価基準に基づいて光沢性を評価した。評価結果を表2に示す。
〔評価基準〕
A:印画物が極めて高い光沢感を有していることを確認できた。
B:印画物が高い光沢感を有していることを確認できた。
C:印画物の光沢感を確認できた。
D:印画物の光沢感がやや不十分であった。
NG:印画物の光沢感が不十分であった。
<<転写性評価>>
印加電圧を17.0Vとしたこと以外は、上記接着性評価と同様にして、印画物を得た。
得られた印画物の状態を目視で確認し、下記の評価基準に基づいて転写性を評価した。評価結果を表2に示す。
〔評価基準〕
A:0~120/255画像階調の部分で転写層が受像紙に転写している。
B:0~90/255画像階調の部分で転写層が受像紙に転写している。
C:0~60/255画像階調の部分で転写層が受像紙に転写している
D:0~30/255画像階調の部分で転写層が受像紙に転写している。
NG:0/255画像階調の部分のみ転写層が受像紙に転写している。
<<バック抑制性評価>>
上記実施例及び比較例において作製した熱転写シートの背面層とマゼンタ染料層を対向させ、1.96MPaの荷重をかけて、40℃90%RT環境にて96時間保管し、背面層側にマゼンタ染料層のマゼンタ染料を移行(キック)させた。この背面層と、実施例及び比較例で作製した熱転写シートの転写層面とを対向させ、1.96MPaの荷重をかけて、50℃20%RT環境にて24時間保管し、転写層側に背面層のマゼンタ染料を移行(バック)させた。その後、転写層面とDS620用純正受像紙の受像面とを重ね合わせ、ラミネート試験機(ラミパッカーLPD2305PRO、フジプラ(株)製)を用いて、110℃、1.0m/min.にて転写を行った。熱転写シートのPETフィルムを剥がした後、転写層の着色度合いを目視で確認し、下記評価基準に基づいてバック抑制性を評価した。評価結果を表2に示す。
〔評価基準〕
A:目視で全く見えない。
B:注意すればわずかに見える。
C:うっすらみえるが問題ない。
D:見える。
NG:はっきり見える。
<<耐キズ性評価>>
上記耐可塑材性評価のときと同様にして、印画物を得た。
得られた印画物の受像面側を、試験用添付白布(綿、カナキン3号)と重ね合わせて、10g/cmの荷重をかけて、50回往復摩擦試験を行った。目視にて、印画物に形成された画像の状態を確認し、下記評価基準に基づいて耐キズ性を評価した。評価結果を表2に示す。
〔評価基準〕
A:画像が全く影響を受けていない。
B:画像が僅かに摩擦の影響を受け始めているが、全く目立たない。
C:画像がやや摩擦の影響を受けているが、ほとんど目立たない。
D:画像が摩擦の影響を受けているが、目立たない。
NG:かなり摩耗しており、使用上問題がある。
<<耐光性評価>>
上記実施例及び比較例において作製した熱転写シートと、昇華型熱転写プリンタ(大日本印刷(株)製、DS620)と、当該プリンタ用の純正受像紙とを用意した。20℃30%RH環境にて、受像紙が備える受容層上に、熱転写シートから昇華性染料を転写すると共に、転写層を転写し、黒のステップ画像を、グロスモードで形成し、印画物を得た。得られた印画物について、以下に示す耐光性試験の条件で、ランプ照射を行った。
〔耐光性試験の条件〕
・照射試験器:アトラス社製Ci4000
・光源:キセノンランプ(6.5kW)
・フィルター:内側=CIRA
外側=ソーダライム
・ブラックパネル温度:45(℃)
・照射強度:1.2(W/m2)・・・420(nm)での測定値
・照射エネルギー:400(kJ/m2)・・・420(nm)での積算値
上記耐光性試験の条件において、ランプ照射前後の光学反射濃度の変化を光学濃度計(Spectrolino X-Rite社)により測定し、照射前の光学反射濃度が1.0近傍のステップについて、濃度残存率を下記の式により算出した。
濃度残存率={(照射後の光学濃度)/(照射前の光学濃度)}×100
下記評価基準に基づいて耐光性を評価した。評価結果を表2に示す。
〔評価基準〕
A:濃度残存率が90%以上である。
B:濃度残存率が85%以上90%未満である。
C:濃度残存率が80%以上85%未満である。
D:濃度残存率が75%以上80%未満である。
NG:濃度残存率が75%未満である。
10:熱転写シート、11:基材、12:転写層、13:離型層、14:色材層

Claims (7)

  1. 基材と、前記基材の一方の面側に剥離可能に設けられた転写層とを備える熱転写シートであって、
    前記転写層は、(メタ)アクリル樹脂及び塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含む単層であり、
    前記転写層は、タルクをさらに含み、
    前記転写層に含まれるタルクの含有量は、前記転写層の固形分総量に対して、0.1質量%以上2質量%以下である、熱転写シート。
  2. 前記転写層は、前記基材に直接積層されている、請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 前記基材と、前記転写層との間に離型層を備える、請求項1に記載の熱転写シート。
  4. 前記塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体に対する前記(メタ)アクリル樹脂の比率が、質量基準において、1.1以上8以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の熱転写シート。
  5. 前記(メタ)アクリル樹脂のガラス転移温度が、80℃以上である、請求項1~のいずれか一項に記載の熱転写シート。
  6. 前記転写層と面順次となるように色材層を更に備える、請求項1~のいずれか一項に記載の熱転写シート。
  7. 塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体を含む受容層を備える被転写体に用いられる、請求項1~のいずれか一項に記載の熱転写シート。
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