本発明は、APOC3遺伝子の発現を低減または阻害するiRNA剤、例えば二本鎖iRNA剤、および組成物を提供する。この遺伝子は、細胞内、例えばヒトなどの対象の体内にある細胞内にあり得る。
本発明はまた、APOC3の発現の阻害または低減から利益を受け得る障害、例えば高トリグリセリド血症などのアポリポタンパク質C3関連疾患または障害を有する対象を、APOC3遺伝子の発現を阻害または低減するiRNA組成物を使用して治療する方法も提供する。
本発明のiRNAは、約30ヌクレオチド長以下、例えば、15~30、15~29、15~28、15~27、15~26、15~25、15~24、15~23、15~22、15~21、15~20、15~19、15~18、15~17、18~30、18~29、18~28、18~27、18~26、18~25、18~24、18~23、18~22、18~21、18~20、19~30、19~29、19~28、19~27、19~26、19~25、19~24、19~23、19~22、19~21、19~20、20~30、20~29、20~28、20~27、20~26、20~25、20~24、20~23、20~22、20~21、21~30、21~29、21~28、21~27、21~26、21~25、21~24、21~23、または21~22ヌクレオチド長の領域を有するRNA鎖(アンチセンス鎖)を含み、この領域は、APOC3遺伝子のmRNA転写物の少なくとも一部と実質的に相補的である。これらのiRNAを使用すると、細胞におけるAPOC3遺伝子のmRNAを標的化して分解することが可能になる。詳細には、極めて低い投薬量の本発明のiRNAがRNA干渉(RNAi)を特異的かつ効率的に媒介することができ、APOC3遺伝子の発現の有意な阻害をもたらし得る。本発明者らは、インビトロおよびインビボアッセイを使用して、APOC3遺伝子を標的化するiRNAがRNAiを媒介し、APOC3遺伝子の発現の有意な阻害およびAPOC3タンパク質レベルの低下をもたらし得ることを実証している。本発明者らはまた、APOC3遺伝子を標的化するiRNAが、アポリポタンパク質C3関連障害に伴う症状を低減し得る、例えばトリグリセリドレベルを低下させ得ることも実証している。したがって、これらのiRNAを含む方法および組成物は、高トリグリセリド血症などのアポリポタンパク質C3関連障害(disoerder)を有する対象の治療に有用である。
以下の詳細な説明は、iRNAを含有する組成物をどのように作製および使用してAPOC3遺伝子の発現を阻害するか、ならびにAPOC3の発現の阻害および/または低減から利益を受け得る疾患および障害を有する対象を治療するための組成物、使用、および方法を開示する。
I.定義
本発明がより容易に理解されるように、特定の用語を最初に定義する。これに加えて、パラメータの値または値範囲が列挙される場合は常に、列挙された値の中間の値および範囲もまた、本発明の一部であることが意図されることに留意すべきである。
冠詞「a」および「an」は、冠詞の1つまたは2つ以上(すなわち少なくとも1つ)の文法的目的に言及するために、本明細書で使用される。一例として「因子(an element)」は、1つの因子、または例えば複数の因子などの2つ以上の因子を意味する。
「含む」という用語は、本明細書では、「をはじめとするが、これに限定されるものではない」という用語を意味するために使用され、またそれと区別なく使用される。
「または」という用語は、本明細書では、文脈上、明確に別の意味でない限り、「および/または」という用語を意味するために使用され、またそれと区別なく使用される。
本明細書で使用されるとき、用語「APOC3」は、アポリポタンパク質C3をコードする周知の遺伝子、ならびに当該技術分野においてHALP2またはAPOCIIIとしても知られるそのタンパク質産物を指す。
用語「APOC3」には、ヒトAPOC3(そのアミノ酸および完全コード配列については、例えば、GenBank受託番号GI:4557322(NM_000040.1;配列番号1)を参照し得る);マカカ・ファシキュラリス(Macaca fascicularis)APOC3(そのアミノ酸および完全コード配列については、例えば、GenBank受託番号GI:544489959(XM_05579730.1、配列番号3)を参照し得る);マカカ・ムラタ(Macaca mulatta)APOC3(そのアミノ酸および完全コード配列については、例えば、GenBank受託番号GI:297269260(XM_001090312.2;配列番号5)を参照し得る);マウス(ムス・ムスクルス(Mus musculus))APOC3(そのアミノ酸および完全コード配列については、例えば、GenBank受託番号GI:577019555(NM_023114.4、配列番号7)を参照し得る);ラット(ラッツス・ノルベギクス(Rattus norvegicus))APOC3(そのアミノ酸および完全コード配列については、例えば、GenBank受託番号GI:402534545(NM_012501.2、配列番号9)を参照し得る);およびウサギ(オリクトラグス・クニクルス(Oryctolagus cuniculus))、GenBank受託番号GI:655601498(XM_002708371.2、配列番号11)が含まれる。
APOC3mRNA配列のさらなる例は、公的に利用可能なデータベース、例えば、GenBank、UniProt、OMIM、およびマカク属(Macaca)ゲノムプロジェクトウェブサイトなどで容易に利用可能である。
用語「APOC3」は、本明細書で使用されるとき、APOC3遺伝子の一塩基変異多型(SNP)など、APOC3遺伝子の天然に存在するDNA配列変異もまた指す。APOC3 DNA配列の例示的なSNPは、www.ncbi.nlm.nih.gov/projects/SNP/において利用可能なdbSNPデータベースで参照し得る。APOC3遺伝子内の配列変異の非限定的な例として、例えば、Petersen,K.F.et al.,(2010),N.Engl.J.Med.362(12):1082-1089(この内容は全て、参照により本明細書に援用される)に記載される2つの変異rs2854116およびrs2854117が挙げられる。
本明細書の用法では、「標的配列」は、一次転写産物のRNAプロセシング産物であるmRNAをはじめとする、APOC3遺伝子の転写中に形成されるmRNA分子のヌクレオチド配列の連続部分を指す。一実施形態では、配列の標的部分は、APOC3遺伝子の転写中に形成されるmRNA分子のヌクレオチド配列の部分またはその近辺における、iRNA指向切断のための基質としての役割を果たすのに、少なくとも十分長い。
標的配列は、例えば約15~30ヌクレオチド長などの約9~36ヌクレオチド長であってもよい。例えば、標的配列は、15~29、15~28、15~27、15~26、15~25、15~24、15~23、15~22、15~21、15~20、15~19、15~18、15~17、18~30、18~29、18~28、18~27、18~26、18~25、18~24、18~23、18~22、18~21、18~20、19~30、19~29、19~28、19~27、19~26、19~25、19~24、19~23、19~22、19~21、19~20、20~30、20~29、20~28、20~27、20~26、20~25、20~24,20~23、20~22、20~21、21~30、21~29、21~28、21~27、21~26、21~25、21~24、21~23、または21~22ヌクレオチドなど、約15~30ヌクレオチド長であり得る。列挙された範囲および長さの中間の範囲および長さもまた、本発明の一部であることが意図される。
本明細書の用法では、「配列を含む鎖」という用語は、標準ヌクレオチド命名法を使用して、言及される配列によって記載されるヌクレオチド鎖を含む、オリゴヌクレオチドを指す。
「G」、「C」、「A」、「T」、および「U」は、通常、塩基としてそれぞれグアニン、シトシン、アデニン、チミジン、およびウラシルを含有するヌクレオチドをそれぞれ表す。しかし「リボヌクレオチド」または「ヌクレオチド」という用語はまた、以下でさらに詳述されるような修飾ヌクレオチドにも、または代替置換部分にも言及し得るものと理解される(例えば表3を参照されたい)。当業者は、このような置換部分を有するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドの塩基対形成特性を実質的に変更することなく、グアニン、シトシン、アデニン、およびウラシルをその他の部分で置き換え得ることを十分承知している。制限を意図しない例として、塩基としてイノシンを含むヌクレオチドは、アデニン、シトシン、またはウラシルを含有するヌクレオチドと塩基対形成し得る。したがってウラシル、グアニン、またはアデニンを含有するヌクレオチドは、本発明で取り上げるdsRNAのヌクレオチド配列中で、例えばイノシンを含有するヌクレオチドで置き換え得る。別の実施例では、アデニンおよびシトシンは、オリゴヌクレオチドのどこでも、それぞれグアニンおよびウラシルで置換され得て、標的mRNAとG-Uゆらぎ塩基対を形成する。このような置換部分を含有する配列は、本発明で取り上げる組成物および方法に適する。
「iRNA」、「RNAi剤」、「iRNA剤」、「RNA干渉剤」という用語は、本明細書で同義的に使用され、本明細書定義で定義されるRNAを含有して、RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)経路を通じたRNA転写物の標的切断を媒介する薬剤を指す。iRNAは、RNA干渉(RNAi)として知られている過程を通じて、mRNAの配列特異的分解を誘発する。iRNAは、例えば哺乳類対象などの対象内の細胞などの細胞内で、APOC3発現を調節し、例えば阻害する。
一実施形態において、本発明のRNAi剤は、標的RNA配列、例えばAPOC3標的mRNA配列と相互作用する一本鎖RNAを含み、標的RNAの切断を誘導する。理論によって拘束されることを望むものではないが、細胞に導入された長い二本鎖RNAは、ダイサーとして知られるIII型エンドヌクレアーゼによってセンス鎖とアンチセンス鎖とを含む二本鎖低分子干渉RNA(siRNA)に分解されると考えられる(Sharp et al.(2001)Genes Dev.15:485)。リボヌクレアーゼIII様酵素であるダイサーがこれらのdsRNAをプロセシングすると、特有の2塩基3’オーバーハングを有する19~23塩基対の低分子干渉RNAになる(Bernstein,et al.,(2001)Nature 409:363)。これらのsiRNAは、次にRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)に組み込まれ、そこで1つ以上のヘリカーゼがsiRNA二重鎖をほどき、相補的なアンチセンス鎖が標的認識をガイドすることが可能になる(Nykanen,et al.,(2001)Cell 107:309)。適切な標的mRNAに結合すると、RISC内の1つ以上のエンドヌクレアーゼが標的を切断してサイレンシングを誘導する(Elbashir,et al.,(2001)Genes Dev.15:188)。したがって、一態様において本発明は、細胞内で生成される、かつRISC複合体の形成を促進して標的遺伝子、すなわちAPOC3遺伝子のサイレンシングを生じさせる一本鎖RNA(ssRNA)(siRNA二重鎖のアンチセンス鎖)に関する。したがって、用語「siRNA」はまた、本明細書では、上記に記載したとおりのRNAiも指して使用される。
別の実施形態において、RNAi剤は、細胞または生物体内に導入されて標的mRNAを阻害する一本鎖RNAであってもよい。一本鎖RNAi剤はRISCエンドヌクレアーゼ、アルゴノート2に結合し、次にこれが標的mRNAを切断する。一本鎖siRNAは概して15~30ヌクレオチドであり、化学修飾されている。一本鎖RNAの設計および試験については、米国特許第8,101,348号明細書およびLima et al.,(2012)Cell 150:883-894(その各々の内容全体が、本明細書によって参照により本明細書に援用される)に記載されている。本明細書に記載されるアンチセンスヌクレオチド配列のいずれも、本明細書に記載されるとおりの一本鎖siRNAとして、またはLima et al.,(2012)Cell 150:883-894に記載される方法によって化学修飾されたものとして使用し得る。
別の実施形態において、本発明の組成物、使用、および方法において用いられる「iRNA」は二本鎖RNAであり、本明細書では、「二本鎖RNAi剤」、「二本鎖RNA(dsRNA)分子」、「dsRNA剤」、「RNAi剤」、「RNAi」、または「dsRNA」と称される。用語「dsRNA」は、標的RNA、すなわちAPOC3遺伝子に対して「センス」および「アンチセンス」方向を有すると称される、2つの逆平行の、かつ実質的に相補的な核酸鎖を含む二重鎖構造を有するリボ核酸分子の複合体を指す。本発明の一部の実施形態において、二本鎖RNA(dsRNA)は、本明細書においてRNA干渉またはRNAiと称される転写後遺伝子サイレンシング機構を介した標的RNA、例えばmRNAの分解を引き起こす。
一般に、dsRNA分子の各鎖のヌクレオチドの大多数はリボヌクレオチドであるが、本明細書に詳細に記載されるとおり、各々または両方の鎖がまた、1つ以上の非リボヌクレオチド、例えばデオキシリボヌクレオチドおよび/または修飾ヌクレオチドも含み得る。加えて、本明細書で使用されるとき、「RNAi剤」は、化学修飾を有するリボヌクレオチドを含み得る;RNAi剤は、複数のヌクレオチドに実質的な修飾を含み得る。本明細書で使用されるとき、用語「修飾ヌクレオチド」は、修飾糖部分、修飾ヌクレオチド間結合、および/または修飾核酸塩基を独立に有するヌクレオチドを指す。したがって、用語の修飾ヌクレオチドには、ヌクレオシド間結合、糖部分、または核酸塩基に対する例えば官能基または原子の置換、付加または除去が包含される。本発明の薬剤中での使用に好適な修飾には、本明細書に開示される、または当該技術分野において公知のあらゆる種類の修飾が含まれる。いずれのかかる修飾も、siRNA型分子において用いられるとき、本明細書および特許請求の範囲の目的上「RNAi剤」に包含される。
二本鎖領域は、RISC経路を通じた所望の標的RNA特異的分解を可能にするあらゆる長さであってもよく、約9~36塩基対長さなどの範囲であってもよく、例えば約9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、または36塩基対長さなどの約15~30塩基対長さ、例えば約15~30、15~29、15~28、15~27、15~26、15~25、15~24、15~23、15~22、15~21、15~20、15~19、15~18、15~17、18~30、18~29、18~28、18~27、18~26、18~25、18~24、18~23、18~22、18~21、18~20、19~30、19~29、19~28、19~27、19~26、19~25、19~24、19~23、19~22、19~21、19~20、20~30、20~29、20~28、20~27、20~26、20~25、20~24,20~23、20~22、20~21、21~30、21~29、21~28、21~27、21~26、21~25、21~24、21~23、または21~22塩基対長さなどである。列挙された範囲および長さの中間の範囲および長さもまた、本発明の一部であることが意図される。
二本鎖構造を形成する2本の鎖は、より大型のRNA分子の異なる部分であってもよく、またはそれらは別のRNA分子であってもよい。2本の鎖が1つのより大型の分子の部分であり、したがって二本鎖構造を形成する1本の鎖の3’末端と、それぞれの他方の鎖の5’末端との間が中断されていないヌクレオチド鎖によって結合される場合、結合RNA鎖は「ヘアピンループ」と称される。ヘアピンループは、少なくとも1つの不対ヌクレオチドを含み得て;いくつかの実施形態では、ヘアピンループは、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも23以上の不対ヌクレオチドを含み得る。
dsRNAの2本の実質的に相補的な鎖が、別のRNA分子によって構成されている場合、これらの分子は共有結合的に連結され得るが、必ずしもそうである必要はない。2本の鎖が、二本鎖構造を形成する1本の鎖の3’末端と、それぞれの他方の鎖の5’末端との間で、中断されていないヌクレオチド鎖以外の手段によって共有結合される場合、結合構造は「リンカー」と称される。RNA鎖は、同じまたは異なるヌクレオチド数を有してもよい。最大塩基対数は、dsRNAの最短鎖中のヌクレオチド数から、二本鎖中に存在するあらゆるオーバーハングを差し引いた数である。二本鎖構造に加えて、RNAiは、1つまたは複数のヌクレオチドオーバーハングを含んでもよい。
一実施形態において、本発明のRNAi剤はdsRNAであり、その各鎖が、標的RNA配列、例えばAPOC3標的mRNA配列と相互作用する20~30ヌクレオチドを含み、標的RNAの切断を誘導する。理論によって拘束されることを望むものではないが、細胞に導入された長い二本鎖RNAは、ダイサーとして知られるIII型エンドヌクレアーゼによってsiRNAに分解される(Sharp et al.(2001)Genes Dev.15:485)。リボヌクレアーゼIII様酵素であるダイサーがdsRNAをプロセシングすると、特有の2塩基3’オーバーハングを有する19~23塩基対の低分子干渉RNAになる(Bernstein,et al.,(2001)Nature 409:363)。これらのsiRNAは、次にRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)に組み込まれ、そこで1つ以上のヘリカーゼがsiRNA二重鎖をほどき、相補的なアンチセンス鎖が標的認識をガイドすることが可能になる(Nykanen,et al.,(2001)Cell 107:309)。適切な標的mRNAに結合すると、RISC内の1つ以上のエンドヌクレアーゼが標的を切断してサイレンシングを誘導する(Elbashir,et al.,(2001)Genes Dev.15:188)。
本明細書の用法では、「ヌクレオチドオーバーハング」という用語は、例えばdsRNAなどのiRNAの二本鎖構造から突出する、少なくとも1つの不対ヌクレオチドを指す。例えばdsRNAの1本の鎖の3’末端が他方の鎖の5’末端を越えて伸びる、またはその逆の場合、ヌクレオチドオーバーハングがある。dsRNAは、少なくとも1つのヌクレオチドのオーバーハングを含み得て;代案としては、オーバーハングは、少なくとも2つのヌクレオチド、少なくとも3つのヌクレオチド、少なくとも4つのヌクレオチド、少なくとも5つ以上のヌクレオチドを含み得る。ヌクレオチドオーバーハングは、デオキシリボヌクレオチド/ヌクレオシドをはじめとする、ヌクレオチド/ヌクレオシド類似体を含み得て、またはそれからなる。オーバーハングは、センス鎖、アンチセンス鎖、またはそのあらゆる組み合わせの上にあり得る。さらにオーバーハングのヌクレオチドは、dsRNAのアンチセンスまたはセンス鎖のいずれかの5’末端、3’末端、または双方の末端上に存在し得る。
一実施形態では、dsRNAのアンチセンス鎖は、例えば3’末端および/または5’末端でオーバーハングする、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチドなどの1~10ヌクレオチドを有する。一実施形態では、dsRNAのセンス鎖は、例えば3’末端および/または5’末端でオーバーハングする、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ヌクレオチドなどの1~10ヌクレオチドを有する。別の実施形態では、オーバーハング中の1つまたは複数のヌクレオチドは、チオリン酸ヌクレオシドで置換されている。
「平滑末端化する」または「平滑末端」は、二本鎖RNAi剤の当該の末端に、対になっていないヌクレオチドがない、すなわちヌクレオチドオーバーハングがないことを意味する。「平滑末端の」RNAi剤は、その全長にわたって二本鎖である、すなわち分子のいずれの末端にもヌクレオチドオーバーハングがないdsRNAである。本発明のRNAi剤は、一端にヌクレオチドオーバーハングを有するか(すなわち、1つのオーバーハングと1つの平滑末端とを有する薬剤)、または両端にヌクレオチドオーバーハングを有するRNAi剤を含む。
「アンチセンス鎖」または「ガイド鎖」という用語は、例えばAPOC3 mRNAなどの標的配列と実質的に相補的な領域を含む、dsRNAなどのiRNA鎖を指す。本明細書の用法では、「領域相補性」という用語は、例えば本明細書で定義されるようなAPOC3ヌクレオチド配列のような標的配列などの配列と実質的に相補的な、アンチセンス鎖上の領域を指す。相補性領域が標的配列と完全に相補的でない場合、分子の内部または末端領域にミスマッチがあり得る。一般に、最も耐容されるミスマッチは、例えばiRNAの5’および/または3’末端の5、4、3、または2ヌクレオチド内などの末端領域にある。
「センス鎖」または「パッセンジャー鎖」という用語は、本明細書の用法では、本明細書で定義されるアンチセンス鎖の領域と実質的に相補的な領域を含む、iRNA鎖を指す。
本明細書で使用されるとき、用語「切断領域」は、切断部位に直ちに隣接して位置する領域を指す。切断部位は、標的上で切断が起こる部位である。一部の実施形態において、切断領域は、切断部位の両側の、かつそれに直ちに隣接した3塩基を含む。一部の実施形態において、切断領域は、切断部位の両側の、かつそれに直ちに隣接した2塩基を含む。一部の実施形態において、切断部位はアンチセンス鎖のヌクレオチド10および11が結合する部位に特異的に存在し、切断領域はヌクレオチド11、12および13を含む。
本明細書の用法では、特に断りのない限り、「相補的」という用語は、第2のヌクレオチド配列との関連で第1のヌクレオチド配列を記述するのに使用される場合、当業者に理解されるであろうように、第1のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドが、特定条件下で、第2のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドとハイブリダイズして、二本鎖構造を生成する能力を指す。このような条件は、例えばストリンジェントな条件であり得て、ストリンジェントな条件としては、400mMのNaCl、pH6.4の40mMのPIPES、1mMのEDTA、50℃または70℃で12~16時間と、それに続く洗浄が挙げられる(例えば“Molecular Cloning:A Laboratory Manual,Sambrook,et al.(1989)Cold Spring Harbor Laboratory Pressを参照されたい)。生物中で遭遇し得る生理学的に妥当な条件などのその他の条件が、適用され得る。当業者は、ハイブリダイズしたヌクレオチドの最終用途に従って、2つの配列の相補性試験に最適な条件の組を判定することができる。
例えば本明細書に記載されるdsRNA内などのiRNA内の相補配列は、片方または双方のヌクレオチド配列全長にわたる、第1のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドと、第2のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドとの塩基対合を含む。このような配列は、本明細書で互いに「完全に相補的」と称し得る。しかし本明細書で第1の配列が第2の配列に関して「実質的に相補的」と称される場合、2つの配列は完全に相補的であり得て、またはそれらは最大で30塩基対の二本鎖のハイブリダイゼーションに際して、例えばRISC経路を通じた遺伝子発現の阻害などのそれらの最終用途に最も妥当な条件下でハイブリダイズする能力を保ちながら、1つまたは複数であるが概して5、4、3または2以下のミスマッチ塩基対を形成し得る。しかしハイブリダイゼーションに際して、1つまたは複数の一本鎖オーバーハングを形成するように、2つのオリゴヌクレオチドがデザインされる場合、このようなオーバーハングは、相補性の判定に関してミスマッチと見なされないものとする。例えば21ヌクレオチド長の1つのオリゴヌクレオチドと、23ヌクレオチド長の別のオリゴヌクレオチドとを含み、より長いオリゴヌクレオチドがより短いオリゴヌクレオチドと完全に相補的な21ヌクレオチドの配列を含むdsRNAは、本明細書に記載される目的では、なおも「完全に相補的」と称される。
「相補的」配列は、本明細書の用法ではまた、それらのハイブリダイズ能力に関する上の要件が満たされる限りにおいて、非ワトソン・クリック塩基対および/または非天然および修飾ヌクレオチドから形成される塩基対も含み、またはそれから完全に形成され得る。このような非ワトソン・クリック塩基対としては、G:Uゆらぎ塩基対またはフーグスティーン型塩基対が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本明細書では、「相補的」、「完全に相補的」、および「実質的に相補的」という用語は、それらが使用される文脈から理解されるであろうように、dsRNAのセンス鎖とアンチセンス鎖間の、またはiRNA剤のアンチセンス鎖と標的配列間の塩基整合に関して使用し得る。
本明細書の用法では、メッセンジャーRNA(mRNA)の「少なくとも一部と実質的に相補的」なポリヌクレオチドは、対象mRNA(例えばAPOC3をコードするmRNA)の連続部分と、実質的に相補的なポリヌクレオチドを指す。例えばポリヌクレオチドは、配列が、APOC3をコードするmRNAの非中断部分と実質的に相補的であれば、APOC3 mRNAの少なくとも一部と相補的である。
したがって、一部の実施形態において、本明細書に開示されるアンチセンスポリヌクレオチドは、標的APOC3配列に完全に相補的である。他の実施形態において、本明細書に開示されるセンス鎖ポリヌクレオチドおよび/またはアンチセンスポリヌクレオチドは標的APOC3配列と実質的に相補的であり、配列番号1~12のいずれか1つのヌクレオチド配列の等価な領域とその全長にわたって少なくとも約80%相補的、例えば約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約%91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%相補的な連続ヌクレオチド配列、または配列番号1~12のいずれか1つの断片を含む。
一実施形態において、本発明のRNAi剤は、標的APOC3配列と相補的なアンチセンスポリヌクレオチドと実質的に相補的なセンス鎖を含み、ここでこのセンス鎖ポリヌクレオチドは、配列番号1~12のいずれか1つのヌクレオチド配列の等価な領域とその全長にわたって少なくとも約80%相補的、例えば、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約%91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%相補的な連続ヌクレオチド配列、または配列番号1~12のいずれか1つの断片を含む。別の実施形態において、本発明のRNAi剤は、標的APOC3配列と実質的に相補的なアンチセンス鎖を含み、配列番号1~12のいずれか1つのヌクレオチド配列の等価な領域とその全長にわたって少なくとも約80%相補的、例えば、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約%91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、または約99%相補的な連続ヌクレオチド配列、または配列番号1~12のいずれか1つの断片を含む。
一般に、各鎖のヌクレオチドの大部分はリボヌクレオチドであるが、本明細書で詳細に記載されるように、片方または双方の鎖はまた、例えばデオキシリボヌクレオチドおよび/または修飾ヌクレオチドなどの1つまたは複数の非リボヌクレオチドも含み得る。さらに「iRNA」としては、化学修飾のあるリボヌクレオチドが挙げられる。このような修飾としては、本明細書で開示され、または当該技術分野で公知の全てのタイプの修飾が挙げられる。本明細書および特許請求の目的で、あらゆるこのような修飾は、iRNA分子における用法では「iRNA」に包含される。
本発明の一態様において、本発明の方法および組成物に使用される薬剤は、アンチセンス阻害機構によって標的mRNAを阻害する一本鎖アンチセンス核酸分子である。一本鎖アンチセンス核酸分子は標的mRNA内の配列と相補的である。一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドは、mRNAとの塩基対合および翻訳機構の物理的な妨害によって化学量論的に翻訳を阻害し得る(Dias,N.et al.,(2002)Mol Cancer Ther 1:347-355を参照)。一本鎖アンチセンス核酸分子は約15~約30ヌクレオチド長であってもよく、標的配列と相補的な配列を有し得る。例えば、一本鎖アンチセンス核酸分子は、本明細書に記載されるアンチセンス配列のいずれか1つからの少なくとも約15、16、17、18、19、20、またはそれ以上の連続ヌクレオチドである配列を含み得る。
本明細書の用法では、「対象」は、霊長類(ヒト、例えばサルおよびチンパンジーなどの非ヒト霊長類など)、非霊長類(ウシ、ブタ、ラクダ、ラマ、ウマ、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ハムスター、モルモット、ネコ、イヌ、ラット、マウス、ウマ、およびクジラなど)をはじめとする哺乳類、または鳥類(例えばアヒルまたはガチョウ)などの動物である。一実施形態では、対象は、APOC3発現低下から利益を受ける、疾患、障害または病状を治療されまたは評価されるヒト;APOC3発現低下から利益を受ける、疾患、障害または病状のリスクがあるヒト;APOC3発現低下から利益を受ける、疾患、障害または病状を有するヒト;および/または本明細書に記載されるようにAPOC3発現低下から利益を受ける、疾患、障害または病状を治療されるヒトなどのヒトである。
本明細書で使用されるとき、用語「治療する」または「治療」は、望ましくないまたは過剰なAPOC3発現に関連する1つ以上の症状、例えば高トリグリセリド血症(または高トリグリセリドレベル)の、限定はされないが軽減または改善を含めた、有益なまたは所望の結果を指す。かかる症状には、例えば、皮膚症状(例えば、発疹性黄色腫);眼異常(例えば、網膜脂血症);肝脾腫(肝臓および脾臓の肥大);神経症状;または膵炎の軽度のエピソードであり得る腹痛発作が含まれ得る。望ましくないまたは過剰なAPOC3発現に関連する他の症状にはまた、高トリグリセリド血症によって引き起こされ得るか、それに関連し得るか、またはそれの結果であり得る疾患、障害または病態、例えば、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、多嚢胞性卵巣症候群、腎疾患、肥満症、2型真性糖尿病(インスリン抵抗性)、アテローム性動脈硬化症(artherosclerosis)、心血管疾患または膵炎の任意の症状も含まれ得る。「治療」はまた、治療がない場合に予想される生存と比較したときの生存の延長も意味し得る。
対象のAPOC3レベルまたは疾患マーカもしくは症状の文脈で、用語「より低い」は、かかるレベルの統計学的に有意な低下を指す。この低下は、例えば、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、またはそれ以上であってもよく、好ましくはかかる障害を有しない個体の正常範囲内として認められているレベルまで下がる。
本明細書で使用されるとき、「予防」または「予防する」は、APOC3遺伝子の発現の低減によって治療または改善し得る疾患、障害またはその病態に関連して使用されるとき、対象がかかる疾患、障害、または病態に関連する症状、例えば高トリグリセリド血症などの望ましくないまたは過剰なAPOC3発現の症状を発症する可能性の低減を指す。例えば高トリグリセリド血症を発症する可能性は、例えば、高トリグリセリド血症の1つ以上のリスク要因を有する個体が高トリグリセリド血症を発症しないか、あるいは同じリスク要因を有しかつ本明細書に記載されるとおりの治療を受けていない集団と比べて低い重症度で高トリグリセリド血症を発症するとき、低減される。疾患、障害または病態を発症しないこと、またはかかる疾患、障害または病態に関連する症状の発症が(例えば、当該の疾患または障害について臨床的に認められている尺度で少なくとも約10%)低減されること、または症状の(例えば、数日、数週間、数ヵ月または数年の)遅延を呈することは、有効な予防と見なされる。
本明細書で使用されるとき、用語「アポリポタンパク質C3関連疾患」または「APOC3関連疾患」は、望ましくないまたは過剰なAPOC3発現によって引き起こされるか、またはそれに関連する疾患、障害または病態である。用語「APOC3関連疾患」には、APOC3発現の低減によって治療または改善し得る疾患、障害または病態が含まれる。用語「APOC3関連疾患」には、高トリグリセリド血症、または高トリグリセリドレベルが含まれる。
高トリグリセリド血症の徴候があり得る対象、例えばヒト対象の血清中のトリグリセリドレベルについては、Oh,R.C.et al.,(2007)American Family Physician,75(9):1366-1371に記載されている。具体的には、高トリグリセリド血症は、「境界域高血清トリグリセリドレベル」(すなわち、150~199mg/dLまたは1.70~2.25mmol/L);「高血清トリグリセリドレベル」(すなわち、200~499mg/dLまたは2.26~5.64mmol/L);または「超高トリグリセリドレベル」(すなわち、500mg/dLまたはそれ以上(または5.65mmol/Lまたはそれ以上)に関連し得る。
一実施形態において、APOC3関連疾患は原発性高トリグリセリド血症である。「原発性トリグリセリド血症(primary triglyceridemia)」は、環境的または遺伝的原因によって生じる(例えば、明らかな基礎疾患の結果)。原発性高トリグリセリド血症として特徴付けられる例示的疾患としては、限定はされないが、家族性乳び血症(高リポタンパク血症I型)、原発性混合型高脂血症(5型)、家族性高トリグリセリド血症(高リポタンパク血症4型)、家族性複合型高リポタンパク血症(2B型)および家族性異常βリポタンパク血症(高リポタンパク血症3型)が挙げられる。
別の実施形態において、APOC3関連疾患は続発性高トリグリセリド血症である。「続発性トリグリセリド血症」は、他の基礎的障害および病態によって引き起こされるか、またはそれに関連する。かかる障害および/または病態としては、例えば、肥満症、メタボリックシンドローム、糖尿病、脂肪肝、アルコール摂取、腎疾患、妊娠、非アルコール性脂肪肝障害、甲状腺機能低下症、パラプロテイン血症(マクログロブリン血症における高ガンマグロブリン血症、骨髄腫、リンパ腫およびリンパ性白血病など)、自己免疫障害(全身性エリテマトーデスなど)、薬剤の服用(リトナビルおよびロピナビルを含む抗レトロウイルス薬、およびクロザピンおよびオランザピンを含む抗精神病薬療法など)が挙げられる(G.Yuan et al.,(2007)Canadian Medical Association Journal,176(8):1113-1120を参照のこと)。
高トリグリセリド血症の原因となり得る任意の障害(例えば、続発性高トリグリセリド血症)または高トリグリセリド血症の結果であり得る任意の障害(例えば、原発性または続発性高トリグリセリド血症)が、用語「APOC3関連疾患」に包含される。APOC3関連疾患の非限定的な例としては、代謝障害、例えば、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、多嚢胞性卵巣症候群、腎疾患、肥満症、2型真性糖尿病(インスリン抵抗性);高血圧症;心血管障害、例えばアテローム性動脈硬化症(artherosclerosis);および膵炎、例えば急性膵炎が挙げられる。
II.本発明のiRNA
本発明は、APOC3遺伝子の発現を阻害するiRNAを提供する。一実施形態において、このiRNA剤は、APOC3関連疾患、例えば高トリグリセリド血症を有する対象、例えばヒトなどの哺乳動物の体内にある細胞など、細胞におけるAPOC3遺伝子の発現を阻害するための二本鎖リボ核酸(dsRNA)分子を含む。dsRNAは、APOC3遺伝子の発現で形成されるmRNAの少なくとも一部と相補的な相補性領域を有するアンチセンス鎖を含む。相補性領域は約30ヌクレオチド長以下(例えば、約30、29、28、27、26、25、24、23、22、21、20、19、または18ヌクレオチド長以下)である。APOC3遺伝子を発現する細胞と接触すると、このiRNAはAPOC3遺伝子(例えば、ヒト、霊長類、非霊長類、またはトリAPOC3遺伝子)の発現を、例えばPCRまたは分岐DNA(bDNA)ベースの方法によるか、または例えばウエスタンブロッティング法またはフローサイトメトリー法を用いた、免疫蛍光分析によるなどのタンパク質ベースの方法によってアッセイしたとき、少なくとも約10%阻害する。
dsRNAは相補的な2本のRNA鎖を含み、それらはその中でdsRNAが使用される条件下でハイブリダイズして二本鎖構造を形成する。dsRNAの1本の鎖(アンチセンス鎖)は相補性領域を含み、それは標的配列と実質的に相補的であり、一般に完全に相補的である。標的配列は、APOC3遺伝子の発現中に形成されるmRNAの配列に由来し得る。他方の鎖(センス鎖)は、適切な条件下で組み合わせると、2本の鎖がハイブリダイズして二本鎖構造を形成するように、アンチセンス鎖と相補的な領域を含む。本明細書の他の箇所に記載されるように、そして当該技術分野で公知のように、dsRNAの相補配列はまた、別個のオリゴヌクレオチド上にあるものとは対照的に、単一核酸分子の自己相補領域として含有され得る。
一般に、二本鎖構造は、例えば15~29、15~28、15~27、15~26、15~25、15~24、15~23、15~22、15~21、15~20、15~19、15~18、15~17、18~30、18~29、18~28、18~27、18~26、18~25、18~24、18~23、18~22、18~21、18~20、19~30、19~29、19~28、19~27、19~26、19~25、19~24、19~23、19~22、19~21、19~20、20~30、20~29、20~28、20~27、20~26、20~25、20~24、20~23、20~22、20~21、21~30、21~29、21~28、21~27、21~26、21~25、21~24、21~23、または21~22塩基対長さなどの15~30塩基対長さである。列挙された範囲および長さの中間の範囲および長さもまた、本発明の一部であることが意図される。
同様に、標的配列の相補性領域は、例えば15~29、15~28、15~27、15~26、15~25、15~24、15~23、15~22、15~21、15~20、15~19、15~18、15~17、18~30、18~29、18~28、18~27、18~26、18~25、18~24、18~23、18~22、18~21、18~20、19~30、19~29、19~28、19~27、19~26、19~25、19~24、19~23、19~22、19~21、19~20、20~30、20~29、20~28、20~27、20~26、20~25、20~24、20~23、20~22、20~21、21~30、21~29、21~28、21~27、21~26、21~25、21~24、21~23、または21~22ヌクレオチド長など15~30ヌクレオチド長である。列挙された範囲および長さの中間の範囲および長さもまた、本発明の一部であることが意図される。
いくつかの実施形態では、dsRNAは、約15~約20ヌクレオチド長、または約25~約30ヌクレオチド長である。一般にdsRNAは、ダイサー酵素の基質の役割を果たすのに十分長い。例えば約21~23ヌクレオチド長より長いdsRNAが、ダイサーの基質の役割を果たしてもよいことは、当該技術分野で周知である。当業者は認識するであろうように、切断標的とされるRNAの標的領域は、ほとんどの場合、より大型のRNA分子の一部であり、それはmRNA分子であることが多い。該当する場合、mRNA標的の「部分」は、RNAi指向切断(すなわちRISC経路を通じた切断)の基質となるのに十分長い、mRNA標的の連続配列である。
当業者は、例えば約10~36、11~36、12~36、13~36、14~36、15~36、9~35、10~35、11~35、12~35、13~35、14~35、15~35、9~34、10~34、11~34、12~34、13~34、14~34、15~34、9~33、10~33、11~33、12~33、13~33、14~33、15~33、9~32、10~32、11~32、12~32、13~32、14~32、15~32、9~31、10~31、11~31、12~31、13~32、14~31、15~31、15~30、15~29、15~28、15~27、15~26、15~25、15~24、15~23、15~22、15~21、15~20、15~19、15~18、15~17、18~30、18~29、18~28、18~27、18~26、18~25、18~24、18~23、18~22、18~21、18~20、19~30、19~29、19~28、19~27、19~26、19~25、19~24、19~23、19~22、19~21、19~20、20~30、20~29、20~28、20~27、20~26、20~25、20~24,20~23、20~22、20~21、21~30、21~29、21~28、21~27、21~26、21~25、21~24、21~23、または21~22塩基対などの約9~36塩基対の二本鎖領域などの二本鎖領域が、dsRNAの主要機能部分であることもまた認識するであろう。したがって一実施形態では、それが例えば、所望のRNAを切断に標的化する15~30塩基対の機能性二本鎖にプロセシングされる範囲内で、30塩基対を超える二本鎖領域を有するRNA分子またはRNA分子複合体は、dsRNAである。したがって当業者は、一実施形態では、miRNAがdsRNAであることを認識するであろう。別の実施形態では、dsRNAは、天然miRNAでない。別の実施形態では、APOC3発現を標的化するのに有用なiRNA剤は、より大型のdsRNAの切断によって標的細胞内で生成されない。
本明細書に記載されるdsRNAは、例えば1、2、3、または4ヌクレオチドなどの1つまたは複数の一本鎖ヌクレオチドオーバーハングをさらに含み得る。少なくとも1つのヌクレオチドオーバーハングを有するdsRNAは、それらの平滑末端相当物と比較して、意外にも優れた阻害特性を有し得る。ヌクレオチドオーバーハングは、デオキシリボヌクレオチド/ヌクレオシドをはじめとする、ヌクレオチド/ヌクレオシド類似体を含み得て、またはそれからなる。オーバーハングは、センス鎖、アンチセンス鎖、またはそのあらゆる組み合わせ上にあり得る。さらにオーバーハングのヌクレオチドは、dsRNAのアンチセンスまたはセンス鎖のいずれかの5’末端、3’末端、または双方の末端上に存在し得る。
dsRNAは、以下でさらに考察されるように、例えばBiosearch,Applied Biosystems,Inc.から市販されるものなどの自動DNA合成機を使用して、当該技術分野で公知の標準法によって合成し得る。
本発明のiRNA化合物は、二段階法を使用して調製されてもよい。最初に、二本鎖RNA分子の個々の鎖が、別々に調製される。次に、構成要素鎖がアニールされる。siRNA化合物の個々の鎖は、溶液相または固相有機または双方を使用して調製し得る。有機合成は、非天然または修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド鎖を容易に調製し得る利点を提供する。本発明の一本鎖オリゴヌクレオチドは、溶液相または固相有機合成または双方を使用して調製し得る。
一態様において、本発明のdsRNAは、少なくとも2つのヌクレオチド配列、センス配列とアンチセンス配列とを含む。センス鎖および対応するアンチセンス鎖は、各々、表4A、4B、5、8、9、10、11A、11B、12、および13のいずれか1つに提供される配列の群から選択される。この態様において、これらの2つの配列の一方は、これらの2つの配列の他方と相補的であり、これらの配列の一方は、APOC3遺伝子の発現で生じるmRNAの配列と実質的に相補的である。したがって、この態様において、dsRNAは2つのオリゴヌクレオチドを含み、ここで一方のオリゴヌクレオチドは、表4A、4B、5、8、9、10、11A、11B、12、および13のいずれか1つにおけるセンス鎖として記載され、および第2のオリゴヌクレオチドは、表4A、4B、5、8、9、10、11A、11B、12、および13のいずれか1つにおけるセンス鎖の対応するアンチセンス鎖として記載される。一実施形態において、dsRNAの実質的に相補的な配列は、別個のオリゴヌクレオチドに含まれる。別の実施形態において、dsRNAの実質的に相補的な配列は単一のオリゴヌクレオチドに含まれる。
表4A、4B、5、8、9、10、11A、11B、12、および13の配列の一部は修飾配列および/または共役配列として記載されるが、本発明のiRNAのRNA、例えば本発明のdsRNAは、表4A、4B、5、8、9、10、11A、11B、12、および13に示される配列のいずれか1つであって、修飾されていない、共役されていない、および/またはそこに記載されるものとは別様に修飾および/または共役されているものを含み得ることは理解されるであろう。
当業者は、例えば21塩基対などの約20~23塩基対の二本鎖構造を有するdsRNAが、RNA干渉を誘発するのに特に効果的であるとして支持されていることを十分承知している(Elbashir et al.,EMBO 2001,20:6877-6888)。しかし他の当業者らは、より短いまたはより長いRNA二本鎖構造もまた、同様に効果的であり得ることを見出している。(Chu and Rana(2007)RNA 14:1714-1719;Kim et al.(2005)Nat Biotech 23:222-226)。上述の実施形態では、表4A、4B、5、8、9、10、11A、11B、12および13のいずれか1つで提供されるオリゴヌクレオチド配列の性質のために、本明細書に記載されるdsRNAは、最低限21ヌクレオチド長の少なくとも1本の鎖を含み得る。片方または両方の末端の数個のヌクレオチドのみが抜けている、表4A、4B、5、8、9、10、11A、11B、12および13のいずれか1つの配列の1つを有するより短い二本鎖が、上で説明したdsRNAと比較して同様に効果的であり得ることは、合理的に予想され得る。したがって表4A、4B、5、8、9、10、11A、11B、12および13のいずれか1つの配列の1つに由来する、少なくとも15、16、17、18、19、20以上の連続ヌクレオチドの配列を有して、APOC3遺伝子発現を阻害する能力が、完全長配列を含むdsRNAと、約5、10、15、20、25、または30%の以下異なるdsRNAは、本発明の範囲内であることが意図される。
さらに表4A、4B、5、8、9、10、11A、11B、12および13のいずれか1つで提供されるRNAは、RISC媒介切断に対する感受性が高いAPOC3転写物中の部位を同定する。したがって本発明は、これらの配列の1つ内を標的とするiRNAをさらに特徴とする。本明細書の用法では、iRNAが、特定部位内のどこかで転写物の切断を促進する場合、iRNAはRNA転写物のその特定部位内を標的にすると言われる。このようなiRNAは、一般に、APOC3遺伝子中の選択配列に隣接する領域からの追加的なヌクレオチド配列と連結する、表4A、4B、5、8、9、10、11A、11B、12および13のいずれか1つで提供される配列の1つからの約15個の連続ヌクレオチドを含む。
標的配列は、一般に約15~30ヌクレオチド長であるが、この範囲内の特定の配列が、あらゆる所与の標的RNAの切断を誘導する適合性には、幅広い多様性がある。本明細書で提示される様々なソフトウェアパッケージおよびガイドラインは、あらゆる所与の遺伝子標的の最適標的配列を同定するためのガイダンスを提供するが、標的RNA配列に、所与のサイズの「ウィンドウ」または「マスク」(非限定的例として21個のヌクレオチド)を実際にまたは比喩的に(例えばコンピュータシミュレーションによるものをはじめとする)配置させて、標的配列の役割を果たし得るサイズ範囲の配列を同定する、経験的アプローチもまた取り得る。配列「ウィンドウ」を最初の標的配列位置の1ヌクレオチド上流または下流に連続的に移動することで、選択されたあらゆる所与の標的サイズについて完全な可能な配列の組が同定されるまで、次の潜在的標的配列が同定され得る。このプロセスは、同定された配列の系統的合成、および(本明細書に記載されまたは当該技術分野で公知のアッセイを使用した)至適に機能する配列を同定する試験と相まって、iRNA剤で標的化した場合に、標的遺伝子発現の最良の阻害を媒介するRNA配列を同定し得る。したがって例えば表4A、4B、5、8、9、10、11A、11B、12および13のいずれか1つ中で同定される配列が、効果的な標的配列を表す一方で、所与の配列の1ヌクレオチド上流または下流に、連続的に「ウィンドウを歩行させる」ことにより、同等またはより良い阻害特性がある配列を同定することで、阻害効率のさらなる最適化を達成し得ることが検討される。
さらにヌクレオチドを体系的に付加または除去して、より長いまたはより短い配列を作成し、その位置から、標的RNAよりも長いまたはより短いサイズのウィンドウを歩行させることで、これらの作成された配列を試験することにより、例えば表4A、4B、5、8、9、10、11A、11B、12および13のいずれか1つ中で同定される、あらゆる配列のさらなる最適化を達成し得ることが検討される。この場合もやはり、この新しい標的候補を作成するアプローチと、当該技術分野で公知のおよび/または本明細書に記載される阻害アッセイにおける、これらの標的配列に基づくiRNAの有効性の試験とを組み合わせることにより、阻害効率にさらなる改善をもたらし得る。なおもさらに、例えば本明細書に記載されまたは当該技術分野で公知の修飾ヌクレオチドの導入、オーバーハングの付加またはその変更、または当該技術分野で公知のおよび/または本明細書で考察されるその他の修飾によって、発現阻害物質として分子をさらに最適化する(例えば血清安定性または循環半減期増大、熱安定増大、膜貫通送達促進、特定位置または細胞型の標的化、サイレンシング経路酵素との相互作用増大、エンドソームからの放出増大など)ことで、このような最適化配列を調節し得る。
本明細書に記載されるiRNAは、標的配列との1つまたは複数のミスマッチを含有し得る。一実施形態では、本明細書に記載されるiRNAは、3個以下のミスマッチを含有する。iRNAのアンチセンス鎖が、標的配列とのミスマッチを含有する場合、ミスマッチの範囲は、相補性領域の中心に位置しないことが好ましい。iRNAのアンチセンス鎖が標的配列とのミスマッチを含有する場合、ミスマッチは、相補性領域の5’または3’末端のいずれかから、最後の5ヌクレオチド内に限定されることが好ましい。例えばAPOC3遺伝子領域に相補的な23ヌクレオチドiRNA剤鎖では、RNA鎖は、一般に、中心的な13ヌクレオチド内にいかなるミスマッチも含有しない。本明細書に記載される方法または当該技術分野で公知の方法を使用して、標的配列とのミスマッチを含有するiRNAが、APOC3遺伝子の発現の阻害に効果的かどうかを判定し得る。APOC3遺伝子の発現の阻害における、ミスマッチがあるiRNAの有効性の検討は、特にAPOC3遺伝子の特定の相補性領域が、集団内で多型配列バリエーションを有することが知られている場合に、重要である。
III.発明の修飾iRNA
一実施形態では、例えばdsRNAなどの本発明のiRNAのRNAは、未変性であり、例えば当該技術分野で公知であり本明細書に記載される、化学修飾および/または結合を含まない。別の実施形態では、例えばdsRNAなどの発明のiRNAのRNAを化学的に修飾して、安定性またはその他の有益な特性を高める。本発明の特定の実施形態では、本発明のiRNAのヌクレオチドの実質的に全てが修飾されている。本発明の他の実施形態において、本発明のiRNAのヌクレオチドの全てが修飾ヌクレオチドである。「ヌクレオチドの実質的に全てが修飾されている」本発明のiRNAは、全てではないが、大部分が修飾されており、非修飾ヌクレオチドを5、4、3、2、または1個以下含み得る。
本発明の一部の態様では、本発明のiRNAのヌクレオチドの実質的に全てが修飾されており、iRNA剤は、2’-フルオロ修飾を含むヌクレオチドを10個以下含む(例えば、9個以下の2’-フルオロ修飾、8個以下の2’-フルオロ修飾、7個以下の2’-フルオロ修飾、6個以下の2’-フルオロ修飾、5個以下の2’-フルオロ修飾、4個以下の2’-フルオロ修飾、5個以下の2’-フルオロ修飾、4個以下の2’-フルオロ修飾、3個以下の2’-フルオロ修飾、または2個以下の2’-フルオロ修飾を含む)。例えば、一部の実施形態において、センス鎖は、2’-フルオロ修飾を含むヌクレオチドを4個以下含む(例えば、3個以下の2’-フルオロ修飾、または2個以下の2’-フルオロ修飾を含む)。他の実施形態において、アンチセンス鎖は、2’-フルオロ修飾を含むヌクレオチドを6個以下含む(例えば、5個以下の2’-フルオロ修飾、4個以下の2’-フルオロ修飾、4個以下の2’-フルオロ修飾、または2個以下の2’-フルオロ修飾を含む)。本発明の他の態様では、本発明のiRNAのヌクレオチドの全てが修飾されており、iRNA剤は、2’-フルオロ修飾を含むヌクレオチドを10個以下含む(例えば、9個以下の2’-フルオロ修飾、8個以下の2’-フルオロ修飾、7個以下の2’-フルオロ修飾、6個以下の2’-フルオロ修飾、5個以下の2’-フルオロ修飾、4個以下の2’-フルオロ修飾、5個以下の2’-フルオロ修飾、4個以下の2’-フルオロ修飾、3個以下の2’-フルオロ修飾、または2個以下の2’-フルオロ修飾を含む)。
本発明で取り上げる核酸は、参照によって本明細書に援用する、“Current protocols in nucleic acid chemistry,”Beaucage,S.L.et al.(Edrs.),John Wiley & Sons,Inc.,New York,NY,USAに記載されるものなどの当該技術分野で確立された方法によって、合成および/または修飾し得る。例えば修飾としては、例えば5’末端修飾(リン酸化、共役結合、逆転結合)または3’末端修飾(共役結合、DNAヌクレオチド、逆転結合など)などの末端修飾;例えば安定化塩基での、不安定化塩基での、または拡大パートナーのレパートリーと塩基対形成する塩基での置換、塩基除去(脱塩基ヌクレオチド)、または共役結合塩基などの塩基修飾;糖修飾(例えば2’位または4’位における)または糖置換;リン酸ジエステル結合の修飾または置換をはじめとする主鎖修飾が挙げられる。本明細書に記載される実施形態で有用なiRNA化合物の特定の例としては、修飾主鎖を含有するRNA、または天然ヌクレオシド間結合を含有しないRNAが挙げられるが、これに限定されるものではない。修飾主鎖を有するRNAとしては、特に主鎖中にリン原子を有しないものが挙げられる。本明細書の目的では、そして当該技術分野で時に言及されるように、それらのヌクレオシド間主鎖中にリン原子を有しない修飾RNAもまた、オリゴヌクレオシドであると見なされる。いくつかの実施形態では、修飾iRNAは、そのヌクレオシド間主鎖中にリン原子を有する。
修飾RNA主鎖としては、例えばホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、3’-アルキレンホスホネートおよびキラルホスホネートをはじめとするメチルおよびその他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、3’-アミノホスホロアミダートおよびアミノアルキルホスホルアミダートをはじめとするホスホロアミダート、チオノホスホルアミダート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル、およびノルマル3’-5’結合、それらの2’-5’連結アナログを有するボラノホスフェート、および隣接するヌクレオシド単位対が3’-5’から5’-3’、または2’-5’から5’-2’に連結する、逆転極性を有するボラノホスフェートが挙げられる。様々な塩、混合塩、および遊離酸形態もまた挙げられる。
上記リン含有結合の調製を教示する、代表的な米国特許としては、その全体がそれぞれ参照によって本明細書によりここに援用される、米国特許第3,687,808号明細書;米国特許第4,469,863号明細書;米国特許第4,476,301号明細書;米国特許第5,023,243号明細書;米国特許第5,177,195号明細書;米国特許第5,188,897号明細書;米国特許第5,264,423号明細書;米国特許第5,276,019号明細書;米国特許第5,278,302号明細書;米国特許第5,286,717号明細書;米国特許第5,321,131号明細書;米国特許第5,399,676号明細書;米国特許第5,405,939号明細書;米国特許第5,453,496号明細書;米国特許第5,455,233号明細書;米国特許第5,466,677号明細書;米国特許第5,476,925号明細書;米国特許第5,519,126号明細書;米国特許第5,536,821号明細書;米国特許第5,541,316号明細書;米国特許第5,550,111号明細書;米国特許第5,563,253号明細書;米国特許第5,571,799号明細書;米国特許第5,587,361号明細書;米国特許第5,625,050号明細書;米国特許第6,028,188号明細書;米国特許第6,124,445号明細書;米国特許第6,160,109号明細書;米国特許第6,169,170号明細書;米国特許第6,172,209号明細書;米国特許第6、239,265号明細書;米国特許第6,277,603号明細書;米国特許第6,326,199号明細書;米国特許第6,346,614号明細書;米国特許第6,444,423号明細書;米国特許第6,531,590号明細書;米国特許第6,534,639号明細書;米国特許第6,608,035号明細書;米国特許第6,683,167号明細書;米国特許第6,858,715号明細書;米国特許第6,867,294号明細書;米国特許第6,878,805号明細書;米国特許第7,015,315号明細書;米国特許第7,041,816号明細書;米国特許第7,273,933号明細書;米国特許第7,321,029号明細書;および米国特許第RE39464号明細書が挙げられるが、これに限定されるものではない。
その中にリン原子を含まない修飾RNA主鎖は、短鎖アルキルまたはシクロアルキルヌクレオシド間結合、混合ヘテロ原子およびアルキルまたはシクロアルキルヌクレオシド間結合、または1つまたは複数の短鎖ヘテロ原子または複素環式ヌクレオシド間結合によって形成された主鎖を有する。これらとしては、モルホリノ結合(一部はヌクレオシドの糖部分から形成される);シロキサン主鎖;スルフィド、スルホキシドおよびスルホン主鎖;ホルムアセチルおよびチオホルムアセチル主鎖;メチレンホルムアセチルおよびチオホルムアセチル主鎖;アルケン含有主鎖;スルファメート主鎖;メチレンイミノおよびメチレンヒドラジノ主鎖;スルホネートおよびスルホンアミド主鎖;アミド主鎖を有するもの;および混合N、O、S、およびCH2構成成分を有するその他のものが挙げられる。
上記オリゴヌクレオシドの調製を教示する、代表的な米国特許としては、その全体がそれぞれ参照によって本明細書によりここに援用される、米国特許第5,034,506号明細書;米国特許第5,166,315;5,185,444号明細書;米国特許第5,214,134号明細書;米国特許第5,216,141号明細書;米国特許第5,235,033号明細書;米国特許第5,64,562号明細書;米国特許第5,264,564号明細書;米国特許第5,405,938号明細書;米国特許第5,434,257号明細書;米国特許第5,466,677号明細書;米国特許第5,470,967号明細書;米国特許第5,489,677号明細書;米国特許第5,541,307号明細書;米国特許第5,561,225号明細書;米国特許第5,596,086号明細書;米国特許第5,602,240号明細書;米国特許第5,608,046号明細書;米国特許第5,610,289号明細書;米国特許第5,618,704号明細書;米国特許第5,623,070号明細書;米国特許第5,663,312号明細書;米国特許第5,633,360号明細書;米国特許第5,677,437号明細書;および米国特許第5,677,439号明細書が挙げられるが、これに限定されるものではない。
別の実施形態では、適切なRNA模倣物がiRNA中での使用のために検討され、その中では、糖およびヌクレオシド間結合の双方、すなわち、ヌクレオチド単位の骨格が、新しいグループで置換されている。塩基単位は、適切な核酸標的化合物とのハイブリダイゼーションのために維持される。このような1つのオリゴマー化合物であり、優れたハイブリダイゼーション特性を有することが示されているRNA模倣体は、ペプチド核酸(PNA)と称される。PNA化合物中では、RNAの糖主鎖が、アミド含有主鎖、特にアミノエチルグリシン主鎖で置換されている。核酸塩基は保持されて、主鎖のアミド部分のアザ窒素原子と直接または間接的に結合する。PNA化合物の調製を教示する代表的な米国特許としては、そのそれぞれの内容全体を参照によって本明細書に援用する、米国特許第5,539,082号明細書;米国特許第5,714,331号明細書;および米国特許第5,719,262号明細書が挙げられるが、これに限定されるものではない。さらに本発明のiRNA中で使用するのに適するPNA化合物は、例えばNielsen et al.,Science,1991,254,1497-1500に記載される。
本発明で取り上げるいくつかの実施形態は、ホスホロチオエート主鎖があるRNA、および特に先述の米国特許第5,489,677号明細書の--CH2--NH--CH2-、--CH2--N(CH3)--O--CH2--[メチレン(メチルイミノ)またはMMI主鎖として知られている]、--CH2--O--N(CH3)--CH2--、--CH2--N(CH3)--N(CH3)--CH2--、および--N(CH3)--CH2--CH2--[天然リン酸ジエステル主鎖は--O--P--O--CH2--として表される]であるヘテロ原子主鎖がある、および先述の米国特許第5,602,240号明細書のアミド主鎖がある、オリゴヌクレオシドとを含む。いくつかの実施形態では、本明細書で取り上げるRNAは、先述の米国特許第5,034,506号明細書のモルホリノ主鎖構造を有する。
修飾RNAはまた、1つまたは複数の置換糖部分を含有し得る。例えば本明細書で取り上げるdsRNAなどのiRNAは、2’位に、OH;F;O-、S-、またはN-アルキル;O-、S-、またはN-アルケニル;O-、S-、またはN-アルキニル;またはO-アルキル-O-アルキルの1つを含み得て、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、置換または非置換C1~C10アルキル、またはC2~C10アルケニルおよびアルキニルであり得る。例示的な適切な修飾としては、O[(CH2)nO]mCH3、O(CH2).nOCH3、O(CH2)nNH2、O(CH2)nCH3、O(CH2)nONH2、およびO(CH2)nON[(CH2)nCH3)]2(式中、nおよびmは1~約10である)が挙げられる。別の実施形態では、dsRNAは、2’位に以下の1つを含む:C1~C10低級アルキル、置換低級アルキル、アルカリール、アラルキル、O-アルカリールまたはO-アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカアリール、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、介入物、iRNAの薬物動態特性を改善する基、またはiRNAの薬力学的特性を改善する基、および同様の特性を有するその他の置換基。いくつかの実施形態では、修飾は、2’-メトキシエトキシ(2’-O-CH2CH2OCH3、2’-O-(2-メトキシエチル)または2’-MOEとしてもまた知られている)(Martin et al.,Helv.Chim.Acta,1995,78:486-504)、すなわちアルコキシ-アルコキシ基を含む。別の例示的な修飾は、以下に本明細書の実施例で記載されるように、2’-DMAOEとしてもまた知られている、2’-ジメチルアミノオキシエトキシ、すなわちO(CH2)2ON(CH3)2基、および、2’-ジメチルアミノエトキシエトキシ(当該技術分野で2’-O-ジメチルアミノエトキシエチルまたは2’-DMAEOEとしても公知である)、すなわち2’-O-CH2-O-CH2-N(CH2)2である。
その他の修飾としては、2’-メトキシ(2’-OCH3)、2’-アミノプロポキシ(2’-OCH2CH2CH2NH2)、および2’-フルオロ(2’-F)が挙げられる。同様の修飾はまた、具体的には3’末端ヌクレオチド上の糖の3’位、または2’-5’結合dsRNA中、および5’末端ヌクレオチドの5’位など、iRNAのRNA上のその他の位置でも行い得る。iRNAはまた、ペントフラノシル糖の代わりにシクロブチル部分などの糖模倣体を有してもよい。上記修飾糖構造の調製を教示する、代表的な米国特許としては、特定のものは本出願と所有者が共通である、米国特許第4,981,957号明細書;米国特許第5,118,800号明細書;米国特許第5,319,080号明細書;米国特許第5,359,044号明細書;米国特許第5,393,878号明細書;米国特許第5,446,137号明細書;米国特許第5,466,786号明細書;米国特許第5,514,785号明細書;米国特許第5,519,134号明細書;米国特許第5,567,811号明細書;米国特許第5,576,427号明細書;米国特許第5,591,722号明細書;米国特許第5,597,909号明細書;米国特許第5,610,300号明細書;米国特許第5,627,053号明細書;米国特許第5,639,873号明細書;米国特許第5,646,265号明細書;米国特許第5,658,873号明細書;米国特許第5,670,633号明細書;および米国特許第5,700,920号明細書が挙げられるが、これに限定されるものではない。上記のそれぞれの内容全体を参照によって本明細書によりここに援用する。
iRNAはまた、核酸塩基(当該技術分野では単に「塩基」と称されることが多い)修飾または置換を含み得る。本明細書の用法では、「未修飾」または「天然」核酸塩基としては、プリン塩基アデニン(A)およびグアニン(G)、およびピリミジン塩基チミン(T)、シトシン(C)およびウラシル(U)が挙げられる。修飾核酸塩基としては、デオキシ-チミン(dT)、5-メチルシトシン(5-me-C);5-ヒドロキシメチルシトシン;キサンチン;ヒポキサンチン;2-アミノアデニン;アデニンおよびグアニンの6-メチルおよびその他のアルキル誘導体;アデニンおよびグアニンの2-プロピルおよびその他のアルキル誘導体;2-チオウラシル、2-チオチミンおよび2-チオシトシン;5-ハロウラシルおよびシトシン;5-プロピニルウラシルおよびシトシン;6-アゾウラシル、シトシン、およびチミン;5-ウラシル(プソイドウラシル);4-チオウラシル;8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシルおよびその他の8置換アデニンおよびグアニン;5-ハロ、具体的には5-ブロモ、5-トリフルオロメチル、およびその他の5置換ウラシルおよびシトシン;7-メチルグアニンおよび7-メチルアデニン;8-アザグアニンおよび8-アザアデニン;7-デアザグアニンおよび7-ダアザアデニン(daazaadenine);および3-デアザグアニンおよび3-デアザアデニンなどのその他の合成および天然核酸塩基が挙げられる。さらに核酸塩基としては、米国特許第3,687,808号明細書で開示されるもの、Modified Nucleosides in Biochemistry,Biotechnology and Medicine,Herdewijn,P.ed.Wiley-VCH,2008で開示されるもの;The Concise Encyclopedia Of Polymer Science And Engineering,pages 858-859,Kroschwitz,J.L,ed.John Wiley & Sons,1990で開示されるもの、Englisch et al.,Angewandte Chemie,International Edition,1991,30,613によって開示されるもの、およびSanghvi,Y S.,Chapter 15,dsRNA Research and Applications,pages 289-302,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,Ed.,CRC Press, 1993によって開示されるものが挙げられる。これらの核酸塩基のいくつかは、本発明で取り上げるオリゴマー化合物の結合親和性を増大させるのに特に有用である。これらとしては、2-アミノプロピルアデニン、5-プロピニルウラシル、および5-プロピニルシトシンをはじめとする、5-置換ピリミジン、6-アザピリミジン、およびN-2、N-6および0-6置換プリンが挙げられる。5-メチルシトシン置換は、核酸二重鎖安定性を0.6~1.2℃増大させることが示されており(Sanghvi,Y.S.,Crooke,S.T.and Lebleu,B.,Eds.,dsRNA Research and Applications,CRC Press,Boca Raton,1993,pp.276-278)、模範的な塩基置換であり、なおもより特に、2’-O-メトキシエチル糖修飾と組み合わされた場合にそうである。
上記の特定の修飾核酸塩基ならびにその他の修飾核酸塩基の調製を教示する、代表的な米国特許としては、その内容全体をそれぞれ参照によって本明細書によりここに援用する、上記の米国特許第3,687,808号明細書、米国特許第4,845,205号明細書;米国特許第5,130,30号明細書;米国特許第5,134,066号明細書;米国特許第5,175,273号明細書;米国特許第5,367,066号明細書;米国特許第5,432,272号明細書;米国特許第5,457,187号明細書;米国特許第5,459,255号明細書;米国特許第5,484,908号明細書;米国特許第5,502,177号明細書;米国特許第5,525,711号明細書;米国特許第5,552,540号明細書;米国特許第5,587,469号明細書;米国特許第5,594,121、5,596,091号明細書;米国特許第5,614,617号明細書;米国特許第5,681,941号明細書;米国特許第5,750,692号明細書;米国特許第6,015,886号明細書;米国特許第6,147,200号明細書;米国特許第6,166,197号明細書;米国特許第6,222,025号明細書;米国特許第6,235,887号明細書;米国特許第6,380,368号明細書;米国特許第6,528,640号明細書;米国特許第6,639,062号明細書;米国特許第6,617,438号明細書;米国特許第7,045,610号明細書;米国特許第7,427,672号明細書;および米国特許第7,495,088号明細書が挙げられるが、これに限定されるものではない。
iRNAのRNAはまた、1つ以上の二環式糖部分を含むように修飾されていてもよい。「二環式糖」は、2つの原子の架橋によって修飾されたフラノシル環である。「二環式ヌクレオシド」(「BNA」)は、糖環の2つの炭素原子を結び付ける架橋を含む糖部分を有し、それによって二環式の環系を形成するヌクレオシドである。特定の実施形態において、架橋は糖環の4’-炭素と2’-炭素とを結び付ける。したがって、一部の実施形態において本発明の薬剤は、1つ以上のロックド核酸(LNA)を含み得る。ロックド核酸は、リボース部分が2’および4’炭素を結び付けるさらなる架橋を含む修飾リボース部分を有するヌクレオチドである。換言すれば、LNAは、4’-CH2-O-2’架橋を含む二環式糖部分を含むヌクレオチドである。この構造は、3’末端構造コンホメーションにおいてリボースを有効に「ロック」する。siRNAにロックド核酸を加えると、血清中のsiRNA安定性が増加し、かつオフターゲット効果が低下することが示されている(Elmen,J.et al.,(2005)Nucleic Acids Research 33(1):439-447;Mook,OR.et al.,(2007)Mol Canc Ther 6(3):833-843;Grunweller,A.et al.,(2003)Nucleic Acids Research 31(12):3185-3193)。本発明のポリヌクレオチドに使用される二環式ヌクレオシドの例としては、限定なしに、4’および2’リボシル環原子間に架橋を含むヌクレオシドが挙げられる。特定の実施形態において、本発明のアンチセンスポリヌクレオチド剤は、4’-2’架橋を含む1つ以上の二環式ヌクレオシドを含む。かかる4’-2’架橋二環式ヌクレオシドの例としては、限定はされないが、4’-(CH2)-O-2’(LNA);4’-(CH2)-S-2’;4’-(CH2)2-O-2’(ENA);4’-CH(CH3)-O-2’(「拘束エチル」または「cEt」とも称される)および4’-CH(CH2OCH3)-O-2’(およびその類似体;例えば、米国特許第7,399,845号明細書を参照);4’-C(CH3)(CH3)-O-2’(およびその類似体;例えば、米国特許第8,278,283号明細書を参照);4’-CH2-N(OCH3)-2’(およびその類似体;例えば、米国特許第8,278,425号明細書を参照);4’-CH2-O-N(CH3)-2’(例えば、米国特許出願公開第2004/0171570号明細書を参照);4’-CH2-N(R)-O-2’[式中、Rは、H、C1~C12アルキル、または保護基である](例えば、米国特許第7,427,672号明細書を参照);4’-CH2-C(H)(CH3)-2’(例えば、Chattopadhyaya et al.,J.Org.Chem.,2009,74,118-134を参照);および4’-CH2-C(=CH2)-2’(およびその類似体;例えば、米国特許第8,278,426号明細書を参照)が挙げられる。前述の各々の内容は全て、本明細書によって参照により本明細書に援用される。
ロックド核酸ヌクレオチドの調製について教示するさらなる代表的な米国特許および米国特許出願公開としては、限定はされないが、以下:米国特許第6,268,490号明細書;米国特許第6,525,191号明細書;米国特許第6,670,461号明細書;米国特許第6,770,748号明細書;米国特許第6,794,499号明細書;米国特許第6,998,484号明細書;米国特許第7,053,207号明細書;米国特許第7,034,133号明細書;米国特許第7,084,125号明細書;米国特許第7,399,845号明細書;米国特許第7,427,672号明細書;米国特許第7,569,686号明細書;米国特許第7,741,457号明細書;米国特許第8,022,193号明細書;米国特許第8,030,467号明細書;米国特許第8,278,425号明細書;米国特許第8,278,426号明細書;米国特許第8,278,283号明細書;米国特許出願公開第2008/0039618号明細書;および米国特許出願公開第2009/0012281号明細書(その各々の内容全体が、本明細書によって参照により本明細書に援用される)が挙げられる。
前述の二環式ヌクレオシドのいずれも、例えばα-L-リボフラノースおよびβ-D-リボフラノースを含む1つ以上の立体化学的糖配置を有するように調製することができる(国際公開第99/14226号パンフレットを参照)。
iRNAのRNAはまた、1つ以上の拘束エチルヌクレオチドを含むように修飾されてもよい。本明細書で使用されるとき、「拘束エチルヌクレオチド」または「cEt」は、4’-CH(CH3)-0-2’架橋を含む二環式糖部分を含むロックド核酸である。一実施形態において、拘束エチルヌクレオチドは、本明細書において「S-cEt」と称されるS配置である。
本発明のiRNAはまた、1つ以上の「配座固定ヌクレオチド」(「CRN」)も含み得る。CRNは、リボースのC2’およびC4’炭素またはリボースのC3および-C5’炭素を結び付けるリンカーを有するヌクレオチド類似体である。CRNはリボース環を安定した配置に固定し、mRNAに対するハイブリダイゼーション親和性を増加させる。リンカーは、酸素を安定性および親和性に関して最適な位置に置くのに十分な長さであり、リボース環のパッカリングが少なくなる。
上述のCRNの幾つかの調製について教示する代表的な文献としては、限定はされないが、米国特許出願公開第2013/0190383号明細書;および国際公開第2013/036868号パンフレット(これらの各々の内容全体が、本明細書によって参照により本明細書に援用される)が挙げられる。
本発明のiRNAのヌクレオチドの1つ以上はまた、ヒドロキシメチル置換ヌクレオチドも含み得る。「ヒドロキシメチル置換ヌクレオチド」は、非環式2’-3’-seco-ヌクレオチドであり、「アンロックド核酸」(「UNA」)修飾とも称される。
UNAの調製について教示する代表的な米国公報としては、限定はされないが、米国特許第8,314,227号明細書;および米国特許出願公開第2013/0096289号明細書;米国特許第2013/0011922号明細書;および米国特許第2011/0313020号明細書(これらの各々の内容全体が、本明細書によって参照により本明細書に援用される)が挙げられる。
RNA分子末端に対する潜在的安定化修飾としては、N-(アセチルアミノカプロイル)-4-ヒドロキシプロリノール(Hyp-C6-NHAc)、N-(カプロイル-4-ヒドロキシプロリノール(Hyp-C6)、N-(アセチル-4-ヒドロキシプロリノール(Hyp-NHAc)、チミジン-2’-0-デオキシチミジン(エーテル)、N-(アミノカプロイル)-4-ヒドロキシプロリノール(Hyp-C6-アミノ)、2-ドコサノイル-ウリジン-3”-リン酸、逆転塩基dT(idT)などが挙げられる。この修飾の開示は、国際公開第2011/005861号パンフレットにある。
A.本発明のモチーフを含む修飾iRNA
本発明の特定の態様では、本発明の二本鎖RNAi剤は、例えば、2012年11月16日に出願された国際公開第2013/075035号パンフレット(この内容は全て、参照により本明細書に援用される)に開示されるとおりの化学修飾を有する薬剤を含む。本明細書および国際公開第2013/075035号パンフレットに示されるとおり、RNAi剤のセンス鎖および/またはアンチセンス鎖に、特に切断部位またはその近傍へと3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾のモチーフを1つ以上導入することにより、優れた結果が得られ得る。一部の実施形態において、RNAi剤のセンス鎖およびアンチセンス鎖は、他の場合には完全に修飾されていてもよい。これらのモチーフの導入は、存在する場合には、センス鎖および/またはアンチセンス鎖の修飾パターンを分断する。RNAi剤は、任意選択で、例えばセンス鎖上でGalNAc誘導体リガンドと共役してもよい。得られるRNAi剤は優れた遺伝子サイレンシング活性を呈する。
より具体的には、意外にも、RNAi剤の少なくとも一方の鎖の切断部位またはその近傍における3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾のモチーフを1つ以上有するように二本鎖RNAi剤のセンス鎖およびアンチセンス鎖を完全に修飾すると、RNAi剤の遺伝子サイレンシング活性が優位に増強されたことが見出されている。
したがって、本発明は、インビボで標的遺伝子(すなわち、アポリポタンパク質C3(APOC3)遺伝子)の発現の阻害能を有する二本鎖RNAi剤を提供する。このRNAi剤はセンス鎖とアンチセンス鎖とを含む。RNAi剤の各鎖は12~30ヌクレオチド長であってもよい。例えば、各鎖は、14~30ヌクレオチド長、17~30ヌクレオチド長、25~30ヌクレオチド長、27~30ヌクレオチド長、17~23ヌクレオチド長、17~21ヌクレオチド長、17~19ヌクレオチド長、19~25ヌクレオチド長、19~23ヌクレオチド長、19~21ヌクレオチド長、21~25ヌクレオチド長、または21~23ヌクレオチド長であってもよい。
センス鎖およびアンチセンス鎖は、典型的には、本明細書では「RNAi剤」とも称される二重鎖の二本鎖RNA(「dsRNA」)を形成する。RNAi剤の二重鎖領域は12~30ヌクレオチド対長であってもよい。例えば、二重鎖領域は、14~30ヌクレオチド対長、17~30ヌクレオチド対長、27~30ヌクレオチド対長、17~23ヌクレオチド対長、17~21ヌクレオチド対長、17~19ヌクレオチド対長、19~25ヌクレオチド対長、19~23ヌクレオチド対長、19~21ヌクレオチド対長、21~25ヌクレオチド対長、または21~23ヌクレオチド対長であり得る。別の例において、二重鎖領域は、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、および27ヌクレオチド長から選択される。
一実施形態において、RNAi剤は、一方または両方の鎖の3’末端、5’末端、または両方の末端に1つ以上のオーバーハング領域および/またはキャッピング基を含み得る。オーバーハングは、1~6ヌクレオチド長、例えば、2~6ヌクレオチド長、1~5ヌクレオチド長、2~5ヌクレオチド長、1~4ヌクレオチド長、2~4ヌクレオチド長、1~3ヌクレオチド長、2~3ヌクレオチド長、または1~2ヌクレオチド長であり得る。オーバーハングは、一方の鎖が他方より長い結果、または同じ長さの2本の鎖がずれている結果であり得る。オーバーハングは標的mRNAとのミスマッチを形成し得るか、またはオーバーハングは標的とする遺伝子配列と相補的であり得るか、または別の配列であり得る。第1および第2の鎖はまた、例えばヘアピンを形成するように追加的な塩基によるか、または他の非塩基リンカーによってつなぎ合わされてもよい。
一実施形態において、RNAi剤のオーバーハング領域にあるヌクレオチドは、各々独立して、限定はされないが、2’-糖修飾、例えば、2-F、2’-Oメチル、チミジン(T)、2’-O-メトキシエチル-5-メチルウリジン(Teo)、2’-O-メトキシエチルアデノシン(Aeo)、2’-O-メトキシエチル-5-メチルシチジン(m5Ceo)、およびこれらの任意の組み合わせを含めた、修飾ヌクレオチドまたは非修飾ヌクレオチドであり得る。例えば、TTは、いずれかの鎖のいずれかの末端のオーバーハング配列であり得る。オーバーハングは標的mRNAとのミスマッチを形成し得るか、またはオーバーハングは標的とする遺伝子配列と相補的であり得るか、または別の配列であり得る。
RNAi剤のセンス鎖、アンチセンス鎖または両方の鎖の5’-または3’-オーバーハングはリン酸化されていてもよい。一部の実施形態において、1つまたは複数のオーバーハング領域は、間にホスホロチオエートを有する2つのヌクレオチドを含み、ここで2つのヌクレオチドは同じであっても、または異なってもよい。一実施形態において、オーバーハングは、センス鎖、アンチセンス鎖、または両方の鎖の3’末端に存在する。一実施形態において、この3’-オーバーハングはアンチセンス鎖に存在する。一実施形態において、この3’-オーバーハングはセンス鎖に存在する。
RNAi剤は、単一のオーバーハングのみを含有してもよく、これにより、その全体的な安定性に影響が及ぶことなくRNAiの干渉活性を強化し得る。例えば、この一本鎖オーバーハングはセンス鎖の3’末端端部に位置しても、あるいはアンチセンス鎖の3’末端端部に位置してもよい。RNAiはまた、アンチセンス鎖の5’末端(またはセンス鎖の3’末端)に位置するか、またはその逆の、平滑末端を有してもよい。概して、RNAiのアンチセンス鎖は3’末端にヌクレオチドオーバーハングを有し、5’末端は平滑末端である。理論によって拘束されることを望むものではないが、非対称であるアンチセンス鎖の5’末端の平滑末端およびアンチセンス鎖の3’末端オーバーハングは、RISCプロセスにロードするガイド鎖に有利である。
一実施形態において、RNAi剤は19ヌクレオチド長の両端ブラントマー(bluntmer)であり、ここでセンス鎖は、5’末端から7、8、9位の3連続ヌクレオチド上の3つの2’-F修飾のモチーフを少なくとも1つ含有する。アンチセンス鎖は、5’末端から11、12、13位の3連続ヌクレオチド上の3つの2’-O-メチル修飾のモチーフを少なくとも1つ含有する。
別の実施形態において、RNAi剤は20ヌクレオチド長の両端ブラントマーであり、ここでセンス鎖は、5’末端から8、9、10位の3連続ヌクレオチド上の3つの2’-F修飾のモチーフを少なくとも1つ含有する。アンチセンス鎖は、5’末端から11、12、13位の3連続ヌクレオチド上の2’-O-メチル修飾のモチーフを少なくとも1つ含有する。
さらに別の実施形態において、RNAi剤は21ヌクレオチド長の両端ブラントマーであり、ここでセンス鎖は、5’末端から9、10、11位の3連続ヌクレオチド上の3つの2’-F修飾のモチーフを少なくとも1つ含有する。アンチセンス鎖は、5’末端から11、12、13位の3連続ヌクレオチド上の3つの2’-O-メチル修飾のモチーフを少なくとも1つ含有する。
一実施形態において、RNAi剤は21ヌクレオチドセンス鎖および23ヌクレオチドアンチセンス鎖を含み、ここでセンス鎖は、5’末端から9、10、11位の3連続ヌクレオチド上の3つの2’-F修飾のモチーフを少なくとも1つ含有し;アンチセンス鎖は、5’末端から11、12、13位の3連続ヌクレオチド上の3つの2’-O-メチル修飾のモチーフを少なくとも1つ含有し、ここではRNAi剤の一方の端部が平滑末端であり、他方の端部が2ヌクレオチドオーバーハングを含む。好ましくは、この2ヌクレオチドオーバーハングはアンチセンス鎖の3’末端にある。
2ヌクレオチドオーバーハングがアンチセンス鎖の3’末端にある場合、末端3ヌクレオチドの間に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合があってもよく、ここでこの3ヌクレオチドのうちの2つはオーバーハングヌクレオチドであり、第3のヌクレオチドはオーバーハングヌクレオチドに隣接した対合ヌクレオチドである。一実施形態において、RNAi剤は、さらに、センス鎖の5’末端およびアンチセンス鎖の5’末端の両方の末端3ヌクレオチドの間に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合を有する。一実施形態では、モチーフの一部であるヌクレオチドを含めた、RNAi剤のセンス鎖およびアンチセンス鎖のあらゆるヌクレオチドが、修飾ヌクレオチドである。一実施形態では、各残基が、独立に、2’-O-メチルまたは3’-フルオロによって例えば交互モチーフで修飾される。任意選択で、RNAi剤はリガンド(好ましくはGalNAc3)をさらに含む。
一実施形態において、RNAi剤はセンス鎖とアンチセンス鎖とを含み、ここでセンス鎖は25~30ヌクレオチド残基長であり、5’末端ヌクレオチド(1位)を始端として第1の鎖の1~23位が少なくとも8リボヌクレオチドを含み;アンチセンス鎖は36~66ヌクレオチド残基長であり、3’末端ヌクレオチドを始端として、センス鎖の1~23位と対合する位置に少なくとも8リボヌクレオチドを含んで二重鎖を形成する;ここでアンチセンス鎖の少なくとも3’末端ヌクレオチドはセンス鎖と対合せず、および最大6連続3’末端ヌクレオチドがセンス鎖と対合せず、それによって1~6ヌクレオチドの3’一本鎖オーバーハングを形成する;アンチセンス鎖の5’末端は10~30連続ヌクレオチドを含み、これらはセンス鎖と対合せず、それによって10~30ヌクレオチドの一本鎖5’オーバーハングを形成する;センス鎖およびアンチセンス鎖が最大の相補性となるように整列したとき、少なくともセンス鎖5’末端および3’末端ヌクレオチドはアンチセンス鎖のヌクレオチドと塩基対合し、それによってセンス鎖とアンチセンス鎖との間に実質的に二重鎖の領域を形成する;およびアンチセンス鎖は、アンチセンス鎖長さの少なくとも19リボヌクレオチドに沿って標的RNAと十分に相補的であり、哺乳類細胞にこの二本鎖核酸が導入されたとき標的遺伝子発現を低減する;およびセンス鎖は、3連続ヌクレオチド上の3つの2’-F修飾のモチーフを少なくとも1つ含有し、ここでこれらのモチーフの少なくとも1つは切断部位またはその近傍に存在する。アンチセンス鎖は、切断部位またはその近傍の3連続ヌクレオチド上の3つの2’-O-メチル修飾のモチーフを少なくとも1つ含有する。
一実施形態において、RNAi剤はセンス鎖とアンチセンス鎖とを含み、ここでRNAi剤は、25ヌクレオチド以上29ヌクレオチド以下の長さを有する第1の鎖と、5’末端から11、12、13位の3連続ヌクレオチド上の3つの2’-O-メチル修飾のモチーフを少なくとも1つ有する30ヌクレオチド以下の長さを有する第2の鎖とを含み;ここで第1の鎖の3’末端と第2の鎖の5’末端とは平滑末端を形成し、第2の鎖はその3’末端で第1の鎖よりも1~4ヌクレオチド長く、二重鎖領域は少なくとも25ヌクレオチド長であり、および第2の鎖は第2の鎖長さの少なくとも19ヌクレオチドに沿って標的mRNAと十分に相補的であり、哺乳類細胞にこのRNAi剤が導入されたとき標的遺伝子発現を低減し、およびRNAi剤のダイサー切断は第2の鎖の3’末端を含むsiRNAを優先的にもたらし、それによって哺乳動物における標的遺伝子の発現を低減する。任意選択で、RNAi剤はリガンドをさらに含む。
一実施形態において、RNAi剤のセンス鎖は、3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾のモチーフを少なくとも1つ含有し、これらのモチーフのうちの1つはセンス鎖の切断部位に存在する。
一実施形態において、RNAi剤のアンチセンス鎖もまた、3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾のモチーフを少なくとも1つ含有することができ、ここでこれらのモチーフのうちの1つはアンチセンス鎖の切断部位またはその近傍に存在する。
17~23ヌクレオチド長の二重鎖領域を有するRNAi剤について、アンチセンス鎖の切断部位は、典型的には5’末端から約10、11および12位にある。したがって3つの同一の修飾のモチーフは、アンチセンス鎖の9、10、11位;10、11、12位;11、12、13位;12、13、14位;または13、14、15位に存在し得る(カウントはアンチセンス鎖の5’末端から1番目のヌクレオチドから始めるか、またはカウントはアンチセンス鎖の二重鎖領域内における5’末端から1番目の対合ヌクレオチドから始める)。アンチセンス鎖の切断部位はまた、5’末端からのRNAiの二重鎖領域の長さによっても変化し得る。
RNAi剤のセンス鎖は、鎖の切断部位にある3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾のモチーフを少なくとも1つ含有し得る;およびアンチセンス鎖は、鎖の切断部位またはその近傍の3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾のモチーフを少なくとも1つ有し得る。センス鎖およびアンチセンス鎖がdsRNA二重鎖を形成する場合、センス鎖およびアンチセンス鎖は、センス鎖上の3つのヌクレオチドの1つのモチーフおよびアンチセンス鎖上の3つのヌクレオチドの1つのモチーフが少なくとも1ヌクレオチドのオーバーラップを有する、すなわち、センス鎖内のモチーフの3つのヌクレオチドのうちの少なくとも1つがアンチセンス鎖内のモチーフの3つのヌクレオチドのうちの少なくとも1つと塩基対を形成するように整列し得る。あるいは、少なくとも2つのヌクレオチド、または3つ全てのヌクレオチドがオーバーラップしてもよい。
一実施形態において、RNAi剤のセンス鎖は、3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾のモチーフを2つ以上含有し得る。第1のモチーフは鎖の切断部位またはその近傍に存在してもよく、他のモチーフはウィング修飾であり得る。用語「ウィング修飾」は、本明細書では、同じ鎖の切断部位またはその近傍にあるモチーフから隔てられている鎖の別の部分に存在するモチーフを指す。ウィング修飾は、第1のモチーフに隣接するか、あるいは少なくとも1ヌクレオチド以上隔てられているかのいずれかである。モチーフが互いに直ちに隣接している場合、モチーフの化学は互いに異なり、モチーフが1ヌクレオチド以上隔てられている場合、それらの化学は同じまたは異なってもよい。2つ以上のウィング修飾が存在してもよい。例えば、2つのウィング修飾が存在する場合、各ウィング修飾は、切断部位またはその近傍にある第1のモチーフに対して片側に存在し得るか、またはリードモチーフの両側に存在し得る。
センス鎖と同様に、RNAi剤のアンチセンス鎖は、3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾のモチーフを2つ以上含有してもよく、それらのモチーフのうちの少なくとも1つは鎖の切断部位またはその近傍に存在し得る。このアンチセンス鎖はまた、センス鎖上に存在し得るウィング修飾と同様に整列して1つ以上のウィング修飾も含有し得る。
一実施形態において、RNAi剤のセンス鎖またはアンチセンス鎖上のウィング修飾は、典型的には、鎖の3’末端、5’末端または両方の末端における最初の1つまたは2つの末端ヌクレオチドを含まない。
別の実施形態において、RNAi剤のセンス鎖またはアンチセンス鎖上のウィング修飾は、典型的には、鎖の3’末端、5’末端または両方の末端にある二重鎖領域内の最初の1つまたは2つの対合ヌクレオチドを含まない。
RNAi剤のセンス鎖およびアンチセンス鎖が、各々、少なくとも1つのウィング修飾を含有する場合、それらのウィング修飾は二重鎖領域の同じ末端に位置して、1、2または3ヌクレオチドのオーバーラップを有し得る。
RNAi剤のセンス鎖およびアンチセンス鎖が、各々、少なくとも2つのウィング修飾を含有する場合、センス鎖およびアンチセンス鎖は、各々1つの鎖からの2つの修飾が二重鎖領域の一方の末端に位置して、1、2または3ヌクレオチドのオーバーラップを有する;各々1つの鎖からの2つの修飾が二重鎖領域の他方の末端に位置して、1、2または3ヌクレオチドのオーバーラップを有する;2つの修飾1つの鎖がリードモチーフの両側に位置して、二重鎖領域に1、2または3ヌクレオチドのオーバーラップを有するように整列してもよい。
一実施形態において、モチーフの一部であるヌクレオチドを含めた、RNAi剤のセンス鎖およびアンチセンス鎖のあらゆるヌクレオチドが修飾されていてもよい。各ヌクレオチドは、非結合リン酸酸素および/または結合リン酸酸素の1つ以上の一方または両方の1つ以上の改変;リボース糖の構成要素、例えばリボース糖上の2’ヒドロキシルの改変;「デホスホ」リンカーによるリン酸部分の大規模置換;天然に存在する塩基の修飾または置換;およびリボースリン酸骨格の置換または修飾を含み得る同じまたは異なる修飾によって修飾されていてもよい。
核酸はサブユニットのポリマーであるため、修飾の多くが、核酸内で繰り返される位置に存在し、例えば、塩基、またはリン酸部分、またはリン酸部分の非結合Oの修飾である。場合によっては、修飾は核酸内の対象位置の全てに存在し得るが、多くの場合にそうではない。例として、修飾は3’または5’末端位置にのみ存在してもよく、末端領域、例えば、末端ヌクレオチド上の位置または鎖の最後の2、3、4、5、または10ヌクレオチドに存在するのみであってもよい。修飾は、二本鎖領域、一本鎖領域、または両方に存在し得る。修飾は、RNAの二本鎖領域にのみ存在してもよく、またはRNAの一本鎖領域にのみ存在してもよい。例えば、非結合O位置にあるホスホロチオエート修飾は、一方または両方の末端に存在するのみであってもよく、末端領域、例えば、末端ヌクレオチド上の位置または鎖の最後の2、3、4、5、または10ヌクレオチドに存在するのみであってもよく、または二本鎖および一本鎖領域、特に末端に存在してもよい。1つまたは複数の5’末端がリン酸化されてもよい。
例えば安定性を増強するため、オーバーハングに特定の塩基を含めるか、または一本鎖オーバーハング、例えば5’または3’オーバーハング、または両方に修飾ヌクレオチドまたはヌクレオチドサロゲートを含めることが可能であり得る。例えば、オーバーハングにプリンヌクレオチドを含めることが望ましい場合もある。一部の実施形態において、3’または5’オーバーハング内のこれらの塩基の全てまたは一部が、例えば本明細書に記載される修飾によって修飾されていてもよい。修飾には、当該技術分野において公知の修飾、例えば核酸塩基のリボ糖の代わりに修飾されたデオキシリボヌクレオチド、2’-デオキシ-2’-フルオロ(2’-F)または2’-O-メチルの使用によるリボース糖の2’位における修飾、およびリン酸基における修飾、例えばホスホロチオエート修飾の使用が含まれ得る。オーバーハングは標的配列と相同である必要はない。
一実施形態において、センス鎖およびアンチセンス鎖の各残基は、独立して、LNA、CRN、cET、UNA、HNA、CeNA、2’-メトキシエチル、2’-O-メチル、2’-O-アリル、2’-C-アリル、2’-デオキシ、2’-ヒドロキシル、または2’-フルオロで修飾される。鎖は2つ以上の修飾を含有し得る。一実施形態において、センス鎖およびアンチセンス鎖の各残基は、独立して、2’-O-メチルまたは2’-フルオロで修飾される。
センス鎖およびアンチセンス鎖上には、少なくとも2つの異なる修飾が典型的には存在する。それらの2つの修飾は、2’-O-メチルまたは2’-フルオロ修飾などであってもよい。
一実施形態において、Naおよび/またはNbは交互パターンの修飾を含む。用語「交互モチーフ」は、本明細書で使用されるとき、1つ以上の修飾を有するモチーフであって、各修飾が一方の鎖の交互のヌクレオチド上に存在するものを指す。交互ヌクレオチドは、1つおきに1つのヌクレオチドまたは3つおきに1つのヌクレオチド、または同様のパターンを指し得る。例えば、A、BおよびCの各々がヌクレオチドに対する1つのタイプの修飾を表す場合、交互モチーフは、「ABABABABABAB...」、「AABBAABBAABB...」、「AABAABAABAAB...」、「AAABAAABAAAB...」、「AAABBBAAABBB...」、または「ABCABCABCABC...」等であり得る。
交互モチーフに含まれる修飾のタイプは同じであっても、または異なってもよい。例えば、A、B、C、Dの各々がヌクレオチド上の1つのタイプの修飾を表す場合、交互パターン、すなわち1つおきのヌクレオチド上の修飾は同じであってもよく、但しセンス鎖またはアンチセンス鎖の各々は、「ABABAB...」、「ACACAC...」、「BDBDBD...」または「CDCDCD...」など、交互モチーフ内で幾つか可能性のある修飾から選択され得る。
一実施形態において、本発明のRNAi剤は、センス鎖上の交互モチーフの修飾パターンがアンチセンス鎖上の交互モチーフの修飾パターンに対してシフトしたものを含む。このシフトは、センス鎖のヌクレオチドの修飾された基がアンチセンス鎖のヌクレオチドの別様に修飾された基に対応するようなもの、およびその逆であり得る。例えば、dsRNA二重鎖においてセンス鎖がアンチセンス鎖と対合しているとき、二重鎖領域内においてセンス鎖の交互モチーフは鎖の5’-3’に「ABABAB」で始まってもよく、アンチセンス鎖の交互モチーフは鎖の5’-3’に「BABABA」で始まってもよい。別の例として、二重鎖領域内においてセンス鎖の交互モチーフは鎖の5’-3’に「AABBAABB」で始まってもよく、アンチセンス鎖(antisenese strand)の交互モチーフは鎖の5’-3’に「BBAABBAA」で始まってもよく、したがってセンス鎖とアンチセンス鎖との間に修飾パターンの完全なまたは部分的なシフトがある。
一実施形態において、RNAi剤は、センス鎖上に2’-O-メチル修飾と2’-F修飾との交互モチーフのパターンを含み、これは、最初はアンチセンス鎖上の2’-O-メチル修飾と2’-F修飾との交互モチーフのパターンに対して最初はシフトを有し、すなわち、センス鎖上の2’-O-メチル修飾ヌクレオチドがアンチセンス鎖上の2’-F修飾ヌクレオチドと塩基対になる、およびその逆である。センス鎖の1位は2’-F修飾で始まってもよく、およびアンチセンス鎖の1位は2’-O-メチル修飾で始まってもよい。
センス鎖および/またはアンチセンス鎖に対して3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾のモチーフを1つ以上導入すると、センス鎖および/またはアンチセンス鎖に存在する当初の修飾パターンが分断される。センスおよび/またはアンチセンス鎖に対して3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾のモチーフを1つ以上導入することによるセンス鎖および/またはアンチセンス鎖の修飾パターンのこの分断は、意外にも、標的遺伝子に対する遺伝子サイレンシング活性を増強する。
一実施形態において、これらの鎖のいずれかに対して3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾のモチーフが導入される場合、モチーフに隣接するヌクレオチドの修飾は、モチーフの修飾と異なる修飾である。例えば、モチーフを含有する配列の部分は「...NaYYYNb...」[式中、「Y」は3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾のモチーフの修飾を表し、および「Na」および「Nb」は、モチーフ「YYY」に隣接したヌクレオチドに対する、Yの修飾と異なる修飾を表し、およびNaおよびNbは同じまたは異なる修飾であってもよい]である。あるいは、ウィング修飾が存在するときNaおよび/またはNbは存在しても、または存在しなくてもよい。
RNAi剤は、少なくとも1つのホスホロチオエートまたはメチルホスホネートヌクレオチド間結合をさらに含み得る。ホスホロチオエートまたはメチルホスホネートヌクレオチド間結合修飾は、センス鎖またはアンチセンス鎖または両方の鎖の、その鎖の任意の位置にある任意のヌクレオチド上に存在し得る。例えば、ヌクレオチド間結合修飾は、センス鎖および/またはアンチセンス鎖上のあらゆるヌクレオチドに存在し得る;各ヌクレオチド間結合修飾は、センス鎖および/またはアンチセンス鎖上に交互パターンで存在し得る;またはセンス鎖またはアンチセンス鎖は、両方ともにヌクレオチド間結合修飾を交互パターンで含有し得る。センス鎖上のヌクレオチド間結合修飾の交互パターンはアンチセンス鎖と同じであっても、または異なってもよく、センス鎖上のヌクレオチド間結合修飾の交互パターンは、アンチセンス鎖上のヌクレオチド間結合修飾の交互パターンに対してシフトを有してもよい。一実施形態において、二本鎖(double-standed)RNAi剤は6~8つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。一実施形態において、アンチセンス鎖は5’末端に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合および3’末端に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含み、センス鎖は5’末端または3’末端のいずれかに少なくとも2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合を含む。
一実施形態において、RNAiは、オーバーハング領域にホスホロチオエートまたはメチルホスホネートヌクレオチド間結合修飾を含む。例えば、オーバーハング領域は、間にホスホロチオエートまたはメチルホスホネートヌクレオチド間結合を有する2つのヌクレオチドを含有し得る。ヌクレオチド間結合修飾はまた、オーバーハングヌクレオチドを二重鎖領域内の末端対合ヌクレオチドと連結するために作製されてもよい。例えば、少なくとも2、3、4つ、または全てのオーバーハングヌクレオチドが、ホスホロチオエートまたはメチルホスホネートヌクレオチド間結合を介して連結されてもよく、任意選択で、オーバーハングヌクレオチドをオーバーハングヌクレオチドに隣接する対合ヌクレオチドと連結するさらなるホスホロチオエートまたはメチルホスホネートヌクレオチド間結合があってもよい。例えば、末端3つのヌクレオチドの間に少なくとも2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合があってもよく、これらの3つのヌクレオチドのうちの2つがオーバーハングヌクレオチドであり、第3のヌクレオチドがオーバーハングヌクレオチドに隣接する対合ヌクレオチドである。これらの末端3ヌクレオチドは、アンチセンス鎖の3’末端、センス鎖の3’末端、アンチセンス鎖の5’末端、および/またはアンチセンス鎖の5’末端にあってもよい。
一実施形態において、2ヌクレオチドオーバーハングはアンチセンス鎖の3’末端にあり、末端3ヌクレオチド間に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合があり、ここでこれらの3つのヌクレオチドのうちの2つはオーバーハングヌクレオチドであり、第3のヌクレオチドは、オーバーハングヌクレオチドに隣接する対合ヌクレオチドである。任意選択で、RNAi剤は、センス鎖の5’末端及びアンチセンス鎖の5’末端の両方における末端3ヌクレオチド間に2つのホスホロチオエートヌクレオチド間結合をさらに有し得る。
一実施形態において、RNAi剤は、二重鎖内に標的とのミスマッチ、またはこれらの組み合わせを含む。ミスマッチ(mistmatch)はオーバーハング領域または二重鎖領域に存在し得る。塩基対は、解離または融解を促進するそれらの傾向に基づき順位付けされ得る(例えば、特定の対合の会合または解離の自由エネルギーに関する、最も単純な手法は、個々の対塩基毎に対を調べることであるが、しかし次の隣接または同様の分析もまた用いることができる)。解離の促進の観点では:A:UがG:Cより好ましく;G:UがG:Cより好ましく;およびI:CがG:Cより好ましい(I=イノシン)。ミスマッチ、例えば非カノニカルなまたはカノニカル以外の対合(本明細書の他の部分に記載されるとおり)はカノニカルな(A:T、A:U、G:C)対合より好ましく;およびユニバーサル塩基を含む対合はカノニカル対合より好ましい。
一実施形態において、RNAi剤は、A:U、G:U、I:C、及びミスマッチ対、例えば非カノニカルなまたはカノニカル以外の対合またはユニバーサル塩基を含む対合の群から独立して選択される、アンチセンス鎖の二重鎖領域内における5’末端から最初の1、2、3、4、または5塩基対のうちの少なくとも1つを含み、二重鎖の5’末端におけるアンチセンス鎖の解離を促進する。
一実施形態において、アンチセンス鎖の二重鎖領域内における5’末端から1位にあるヌクレオチドは、A、dA、dU、U、およびdTからなる群から選択される。あるいは、アンチセンス鎖の二重鎖領域内における5’末端から最初の1、2または3塩基対のうちの少なくとも1つは、AU塩基対である。例えば、アンチセンス鎖の二重鎖領域内における5’末端から最初の塩基対は、AU塩基対である。
別の実施形態において、センス鎖の3’末端のヌクレオチドはデオキシチミン(dT)である。別の実施形態において、アンチセンス鎖の3’末端のヌクレオチドはデオキシチミン(dT)である。一実施形態において、センス鎖および/またはアンチセンス鎖の3’末端にデオキシチミンヌクレオチドの短い配列、例えば2つのdTヌクレオチドがある。
一実施形態において、センス鎖配列は、式(I):
5’np-Na-(XXX)i-Nb-YYY-Nb-(ZZZ)j-Na-nq3’(I)
[式中:
iおよびjは、各々独立して0または1であり;
pおよびqは、各々独立して0~6であり;
各Naは、独立して、0~25個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表し、各配列は少なくとも2つの異なる修飾のヌクレオチドを含み;
各Nbは、独立して、0~10個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表し;
各npおよびnqは、独立してオーバーハングヌクレオチドを表し;
ここでNbとYとは同じ修飾を有さず;および
XXX、YYYおよびZZZは、各々独立して、3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾の1つのモチーフを表す]によって表され得る。好ましくはYYYは全て2’-F修飾ヌクレオチドである。
一実施形態において、Naおよび/またはNbは交互パターンの修飾を含む。
一実施形態において、YYYモチーフはセンス鎖の切断部位またはその近傍に存在する。例えば、RNAi剤が17~23ヌクレオチド長の二重鎖領域を有するとき、YYYモチーフはセンス鎖の切断部位またはそれに近接して存在し得る(例えば:6、7、8、7、8、9、8、9、10、9、10、11、10、11,12または11、12、13位に存在し得る)(カウントは5’末端から1番目のヌクレオチドから始める;または任意選択で、カウントは二重鎖領域内における5’末端から1番目の対合ヌクレオチドから始める)。
一実施形態において、iは1であり、かつjは0であるか、またはiは0であり、かつjは1であるか、またはiおよびjの両方が1である。したがってセンス鎖は、以下の式:
5’np-Na-YYY-Nb-ZZZ-Na-nq3’(Ib);
5’np-Na-XXX-Nb-YYY-Na-nq3’(Ic);または
5’np-Na-XXX-Nb-YYY-Nb-ZZZ-Na-nq3’(Id)
によって表すことができる。
センス鎖が式(Ib)によって表されるとき、Nbは、0~10、0~7、0~5、0~4、0~2または0個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。各Naは、独立して、2~20、2~15、または2~10個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表し得る。
センス鎖が式(Ic)として表されるとき、Nbは、0~10、0~7、0~10、0~7、0~5、0~4、0~2または0個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。各Naは、独立して、2~20、2~15、または2~10個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。
センス鎖が式(Id)として表されるとき、各Nbは、独立して、0~10、0~7、0~5、0~4、0~2または0個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。好ましくは、Nbは、0、1、2、3、4、5または6である。各Naは、独立して、2~20、2~15、または2~10個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表し得る。
X、YおよびZの各々は互いに同じであっても、または異なってもよい。
他の実施形態において、iは0であり、かつjは0であり、およびセンス鎖は、式:
5’np-Na-YYY-Na-nq3’(Ia)
によって表され得る。
センス鎖が式(Ia)によって表されるとき、各Naは、独立して、2~20、2~15、または2~10個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表し得る。
一実施形態において、RNAiのアンチセンス鎖配列は、式(II):
5’nq’-Na’-(Z’Z’Z’)k-Nb’-Y’Y’Y’-Nb’-(X’X’X’)l-Na’-np’3’(II)
[式中:
kおよびlは、各々独立して0または1であり;
p’およびq’は、各々独立して0~6であり;
各Na’は、独立して、0~25個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表し、各配列は少なくとも2つの異なる修飾のヌクレオチドを含み;
各Nb’は、独立して、0~10個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表し;
各np’およびnq’は、独立してオーバーハングヌクレオチドを表し;
ここでNb’およびY’は同じ修飾を有さず;および
X’X’X’、Y’Y’Y’およびZ’Z’Z’は、各々独立して、3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾の1つのモチーフを表す]によって表され得る。
一実施形態において、Na’および/またはNb’は交互パターンの修飾を含む。
Y’Y’Y’モチーフはアンチセンス鎖の切断部位またはその近傍に存在する。例えば、RNAi剤が17~23ヌクレオチド長の二重鎖領域を有するとき、Y’Y’Y’モチーフはアンチセンス鎖の9、10、11位;10、11、12位;11、12、13位;12、13、14位;または13、14、15位に存在し得る(カウントは5’末端から1番目のヌクレオチドから始める;または任意選択で、カウントは二重鎖領域内における5’末端から1番目の対合ヌクレオチドから始める)。好ましくは、Y’Y’Y’モチーフは11、12、13位に存在する。
一実施形態において、Y’Y’Y’モチーフは全てが2’-OMe修飾ヌクレオチドである。
一実施形態において、kは1であり、かつlは0であるか、またはkは0であり、かつlは1であるか、またはkおよびlは両方ともに1である。
したがってアンチセンス鎖は、以下の式:
5’nq’-Na’-Z’Z’Z’-Nb’-Y’Y’Y’-Na’-np’3’(IIb);
5’nq’-Na’-Y’Y’Y’-Nb’-X’X’X’-np’3’(IIc);または
5’nq’-Na’-Z’Z’Z’-Nb’-Y’Y’Y’-Nb’-X’X’X’-Na’-np’3’(IId)
によって表され得る。
アンチセンス鎖が式(IIb)によって表されるとき、Nb’は、0~10、0~7、0~10、0~7、0~5、0~4、0~2または0個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。各Na’は、独立して、2~20、2~15、または2~10個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。
アンチセンス鎖が式(IIc)として表されるとき、Nb’は、0~10、0~7、0~10、0~7、0~5、0~4、0~2または0個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。各Na’は、独立して、2~20、2~15、または2~10個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。
アンチセンス鎖が式(IId)として表されるとき、各Nb’は、独立して、0~10、0~7、0~10、0~7、0~5、0~4、0~2または0個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。各Na’は、独立して、2~20、2~15、または2~10個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。好ましくは、Nbは、0、1、2、3、4、5または6である。
他の実施形態において、kは0であり、かつlは0であり、アンチセンス鎖は、式:
5’np’-Na’-Y’Y’Y’-Na’-nq’3’(Ia)
によって表され得る。
アンチセンス鎖が式(IIa)として表されるとき、各Na’は、独立して、2~20、2~15、または2~10個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。
X’、Y’およびZ’の各々は互いに同じであっても、または異なってもよい。
センス鎖およびアンチセンス鎖の各ヌクレオチドは、独立して、LNA、CRN、UNA、cEt、HNA、CeNA、2’-メトキシエチル、2’-O-メチル、2’-O-アリル、2’-C-アリル、2’-ヒドロキシル、または2’-フルオロで修飾されてもよい。例えば、センス鎖およびアンチセンス鎖の各ヌクレオチドは、独立して、2’-O-メチルまたは2’-フルオロで修飾される。各X、Y、Z、X’、Y’およびZ’は、詳細には、2’-O-メチル修飾または2’-フルオロ修飾を表し得る。
一実施形態において、RNAi剤のセンス鎖は、二重鎖領域が21ntであるとき鎖の9、10および11位に存在するYYYモチーフを含有してもよく(カウントは5’末端から1番目のヌクレオチドから始めるか、または任意選択で、カウントは二重鎖領域内における5’末端から1番目の対合ヌクレオチドから始める);およびYは2’-F修飾を表す。センス鎖は、二重鎖領域の反対側の末端にウィング修飾としてXXXモチーフまたはZZZモチーフをさらに含有し得る;およびXXXおよびZZZは、各々独立して2’-OMe修飾または2’-F修飾を表す。
一実施形態において、アンチセンス鎖は、鎖の11、12、13位に存在するY’Y’Y’モチーフを含有してもよく(カウントは5’末端から1番目のヌクレオチドから始めるか、または任意選択で、カウントは二重鎖領域内における5’末端から1番目の対合ヌクレオチドから始める);およびY’は2’-O-メチル修飾を表す。アンチセンス鎖は、二重鎖領域の反対側の末端にウィング修飾としてX’X’X’モチーフまたはZ’Z’Z’モチーフをさらに含有し得る;およびX’X’X’およびZ’Z’Z’は、各々独立して2’-OMe修飾または2’-F修飾を表す。
上記の式(Ia)、(Ib)、(Ic)、および(Id)のいずれか1つによって表されるセンス鎖は、それぞれ式(IIa)、(IIb)、(IIc)、および(IId)のいずれか1つによって表されるアンチセンス鎖と二重鎖を形成する。
したがって、本発明の方法に使用されるRNAi剤は、センス鎖とアンチセンス鎖とを含むことができ、各鎖が14~30ヌクレオチドを有し、RNAi二重鎖は、式(III):
センス:5’np-Na-(XXX)i-Nb-YYY-Nb-(ZZZ)j-Na-nq3’
アンチセンス:3’np’-Na’-(X’X’X’)k-Nb’-Y’Y’Y’-Nb’-(Z’Z’Z’)l-Na’-nq’5’
(III)
[式中:
i、j、k、およびlは、各々独立して0または1であり;
p、p’、q、およびq’は、各々独立して0~6であり;
各NaおよびNa’は、独立して、0~25個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表し、各配列は少なくとも2つの異なる修飾のヌクレオチドを含み;
各NbおよびNb’は、独立して、0~10個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表し;
ここで各np’、np、nq’、およびnq(この各々は存在することもまたは存在しないこともある)は、独立してオーバーハングヌクレオチドを表し;および
XXX、YYY、ZZZ、X’X’X’、Y’Y’Y’、およびZ’Z’Z’は、各々独立して、3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾の1つのモチーフを表す]
によって表される。
一実施形態において、iは0であり、かつjは0であるか;またはiは1であり、かつjは0であるか;またはiは0であり、かつjは1であるか;またはiおよびjは両方ともに0であるか;またはiおよびjは両方ともに1である。別の実施形態において、kは0であり、かつlは0であるか;またはkは1であり、かつlは0であるか;kは0であり、かつlは1であるか;またはkおよびlは両方ともに0であるか;またはkおよびlは両方ともに1である。
RNAi二重鎖を形成するセンス鎖およびアンチセンス鎖の例示的組み合わせとしては、以下の式が挙げられる:
5’np-Na-YYY-Na-nq3’
3’np’-Na’-Y’Y’Y’-Na’nq’5’
(IIIa)
5’np-Na-YYY-Nb-ZZZ-Na-nq3’
3’np’-Na’-Y’Y’Y’-Nb’-Z’Z’Z’-Na’nq’5’
(IIIb)
5’np-Na-XXX-Nb-YYY-Na-nq3’
3’np’-Na’-X’X’X’-Nb’-Y’Y’Y’-Na’-nq’5’
(IIIc)
5’np-Na-XXX-Nb-YYY-Nb-ZZZ-Na-nq3’
3’np’-Na’-X’X’X’-Nb’-Y’Y’Y’-Nb’-Z’Z’Z’-Na-nq’5’
(IIId)
RNAi剤が式(IIIa)によって表されるとき、各Naは、独立して、2~20、2~15、または2~10個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。
RNAi剤が式(IIIb)によって表されるとき、各Nbは、独立して、1~10、1~7、1~5または1~4個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。各Naは、独立して、2~20、2~15、または2~10個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。
RNAi剤が式(IIIc)として表されるとき、各Nb、Nb’は、独立して、0~10、0~7、0~10、0~7、0~5、0~4、0~2または0個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。各Naは、独立して、2~20、2~15、または2~10個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。
RNAi剤が式(IIId)として表されるとき、各Nb、Nb’は、独立して、0~10、0~7、0~10、0~7、0~5、0~4、0~2または0個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。各Na、Na’は、独立して、2~20、2~15、または2~10個の修飾ヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチド配列を表す。Na、Na’、Nb、Nb’の各々は、独立して、交互パターンの修飾を含む。
式(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、および(IIId)におけるX、YおよびZの各々は、互いに同じであっても、または異なってもよい。
RNAi剤が式(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、および(IIId)によって表されるとき、Yヌクレオチドのうちの少なくとも1つがY’ヌクレオチドのうちの1つと塩基対を形成し得る。あるいは、Yヌクレオチドのうちの少なくとも2つが、対応するY’ヌクレオチドと塩基対を形成する;またはYヌクレオチドの3つ全てが、対応するY’ヌクレオチドと塩基対を形成する。
RNAi剤が式(IIIb)または(IIId)によって表されるとき、Zヌクレオチドのうちの少なくとも1つがZ’ヌクレオチドのうちの1つと塩基対を形成し得る。あるいは、Zヌクレオチドのうちの少なくとも2つが、対応するZ’ヌクレオチドと塩基対を形成する;またはZヌクレオチドの3つ全てが、対応するZ’ヌクレオチドと塩基対を形成する。
RNAi剤が式(IIIc)または(IIId)として表されるとき、Xヌクレオチドのうちの少なくとも1つがX’ヌクレオチドのうちの1つと塩基対を形成し得る。あるいは、Xヌクレオチドのうちの少なくとも2つが、対応するX’ヌクレオチドと塩基対を形成する;またはXヌクレオチドの3つ全てが、対応するX’ヌクレオチドと塩基対を形成する。
一実施形態において、Yヌクレオチド上の修飾はY’ヌクレオチド上の修飾と異なり、Zヌクレオチド上の修飾はZ’ヌクレオチド上の修飾と異なり、および/またはXヌクレオチド上の修飾はX’ヌクレオチド上の修飾と異なる。
一実施形態において、RNAi剤が式(IIId)によって表されるとき、Na修飾は2’-O-メチルまたは2’-フルオロ修飾である。別の実施形態において、RNAi剤が式(IIId)によって表されるとき、Na修飾は2’-O-メチルまたは2’-フルオロ修飾であり、np’>0および少なくとも1つのnp’がホスホロチオエート結合を介して隣接ヌクレオチドに連結されている。さらに別の実施形態において、RNAi剤が式(IIId)によって表されるとき、Na修飾は2’-O-メチルまたは2’-フルオロ修飾であり、np’>0および少なくとも1つのnp’がホスホロチオエート結合を介して隣接するヌクレオチドに連結され、およびセンス鎖は、二価または三価の分枝リンカーを介して付加された1つ以上のGalNAc誘導体(以下に記載される)と共役する。別の実施形態において、RNAi剤が式(IIId)によって表されるとき、Na修飾は2’-O-メチルまたは2’-フルオロ修飾であり、np’>0および少なくとも1つのnp’がホスホロチオエート結合を介して隣接ヌクレオチドに連結され、センス鎖は少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含み、およびセンス鎖は、二価または三価の分枝リンカーを介して付加された1つ以上のGalNAc誘導体と共役する。
一実施形態において、RNAi剤が式(IIIa)によって表されるとき、Na修飾は2’-O-メチルまたは2’-フルオロ修飾であり、np’>0および少なくとも1つのnp’がホスホロチオエート結合を介して隣接ヌクレオチドに連結され、センス鎖は少なくとも1つのホスホロチオエート結合を含み、およびセンス鎖は、二価または三価の分枝リンカーを介して付加された1つ以上のGalNAc誘導体と共役する。
一実施形態において、RNAi剤は、式(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、および(IIId)によって表される少なくとも2つの二重鎖を含有する多量体であり、この二重鎖はリンカーによって連結されている。リンカーは切断可能または非切断可能であり得る。任意選択で、多量体はリガンドをさらに含む。二重鎖の各々は、同じ遺伝子または2つの異なる遺伝子を標的化し得る;または二重鎖の各々は、2つの異なる標的部位にある同じ遺伝子を標的化し得る。
一実施形態において、RNAi剤は、式(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、および(IIId)によって表される3、4、5、6つまたはそれ以上の二重鎖を含有する多量体であり、この二重鎖はリンカーによって連結されている。リンカーは切断可能または非切断可能であり得る。任意選択で、多量体はリガンドをさらに含む。二重鎖の各々は、同じ遺伝子または2つの異なる遺伝子を標的化し得る;または二重鎖の各々は、2つの異なる標的部位にある同じ遺伝子を標的化し得る。
一実施形態において、式(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)、および(IIId)によって表される2つのRNAi剤は、5’末端、および3’末端の一方または両方で互いに連結され、任意選択でリガンドと共役する。この薬剤の各々は、同じ遺伝子または2つの異なる遺伝子を標的化し得る;またはこの薬剤の各々は、2つの異なる標的部位にある同じ遺伝子を標的化し得る。
特定の実施形態において、本発明のRNAi剤は、2’-フルオロ修飾を含有する少数のヌクレオチド、例えば2’-フルオロ修飾を含む10個またはそれ以下のヌクレオチドを含有し得る。例えば、RNAi剤は、2’-フルオロ修飾を含む10、9、8、7、6、5、4、3、2、1または0個のヌクレオチドを含有し得る。具体的な実施形態において、本発明のRNAi剤は、2’-フルオロ修飾を含む10個のヌクレオチド、例えば、センス鎖に2’-フルオロ修飾を含む4個のヌクレオチドおよびアンチセンス鎖に2’-フルオロ修飾を含む6個のヌクレオチドを含有する。別の具体的な実施形態において、本発明のRNAi剤は、2’-フルオロ修飾を含む6個のヌクレオチド、例えば、センス鎖に2’-フルオロ修飾を含む4個のヌクレオチドおよびアンチセンス鎖に2’-フルオロ修飾を含む2個のヌクレオチドを含有する。
他の実施形態において、本発明のRNAi剤は、2’-フルオロ修飾を含有する極少数のヌクレオチド、例えば2’-フルオロ修飾を含有する2個またはそれ以下のヌクレオチドを含有し得る。例えば、RNAi剤は、2’-フルオロ修飾を含む2、1または0個のヌクレオチドを含有し得る。具体的な実施形態において、RNAi剤は、2’-フルオロ修飾を含む2個のヌクレオチド、例えば、センス鎖に2-フルオロ修飾を含む0個のヌクレオチドおよびアンチセンス鎖に2’-フルオロ修飾を含む2個のヌクレオチドを含有し得る。
様々な文献が、本発明の方法において使用し得る多量体RNAi剤について記載している。かかる文献としては、国際公開第2007/091269号パンフレット、米国特許第7858769号明細書、国際公開第2010/141511号パンフレット、国際公開第2007/117686号パンフレット、国際公開第2009/014887号パンフレットおよび国際公開第2011/031520号パンフレット(これらの各々の内容全体が、本明細書によって参照により本明細書に援用される)が挙げられる。
以下にさらに詳細に記載するとおり、RNAi剤との1つ以上の炭水化物部分の共役を含有するRNAi剤が、RNAi剤の1つ以上の特性を最適化し得る。多くの場合、炭水化物部分は、RNAi剤の修飾サブユニットに付加され得る。例えば、dsRNA剤の1つ以上のリボヌクレオチドサブユニットのリボース糖を別の部分、例えば、炭水化物リガンドが付加される非炭水化物(好ましくは環状)担体に置き換えることができる。サブユニットのリボース糖がこのように置き換えられたリボヌクレオチドサブユニットは、本明細書ではリボース置換修飾サブユニット(RRMS)と称される。環状担体は炭素環系であってもよく、すなわち全ての環原子が炭素原子であるか、または複素環系であってもよく、すなわち1つ以上の環原子がヘテロ原子、例えば、窒素、酸素、硫黄であってもよい。環状担体は単環系であってもよく、または2つ以上の環を含有して、例えば縮合環であってもよい。環状担体は完全飽和環系であってもよく、または1つ以上の二重結合を含有してもよい。
リガンドは担体を介してポリヌクレオチドに付加され得る。担体は、(i)少なくとも1つの「骨格結合点」、好ましくは2つの「骨格結合点」と、(ii)少なくとも1つの「テザリング結合点」とを含む。「骨格結合点」は、本明細書で使用されるとき、官能基、例えばヒドロキシル基、または一般的に、骨格、例えばリボ核酸のリン酸骨格、または修飾リン酸骨格、例えば硫黄含有骨格への担体の組み込みに利用可能な、かつそれに好適な結合を指す。「テザリング結合点」(TAP)は、一部の実施形態では、選択の部分を結び付ける環状担体の構成環原子、例えば炭素原子またはヘテロ原子(骨格結合点を提供する原子とは異なる)を指す。この部分は、例えば、炭水化物、例えば単糖、二糖、三糖、四糖、オリゴ糖および多糖であり得る。任意選択で、選択の部分は介在するテザリングによって環状担体に結び付けられる。したがって、環状担体は多くの場合に官能基、例えばアミノ基を含み、または一般的には、構成環への別の化学物質、例えばリガンドの組み込みまたはテザリングに好適な結合を提供することになる。
RNAi剤は、担体を介してリガンドと共役してもよく、ここで担体は、環式基または非環式基であり得る;好ましくは、環式基は、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、[1,3]ジオキソラン、オキサゾリジニル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、キノキサリニル、ピリダジノニル、テトラヒドロフリルおよびデカリンから選択され;好ましくは、非環式基は、セリノール骨格またはジエタノールアミン骨格から選択される。
特定の具体的な実施形態において、本発明の方法に使用されるRNAi剤は、表4A、4B、5、8、9、10、11A、11B、12、および13のいずれか1つに列挙される薬剤の群から選択される薬剤である。これらの薬剤はリガンドをさらに含み得る。
IV.リガンド共役iRNA
本発明のiRNAのRNAの別の修飾は、iRNAの活性、細胞分布、または細胞内取り込みを高める、1つまたは複数のリガンド、部分または複合体を、RNAに化学的に連結することを伴う。このような部分としては、コレステロール部分(Letsinger et al.,Proc.Natl.Acid.Sci.USA,1989,86:6553-6556)などの脂質部分;コール酸(Manoharan et al.,Biorg.Med.Chem.Let.,1994,4:1053-1060);例えばベリル-S-トリチルチオール(Manoharan et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,1992,660:306-309;Manoharan et al.,Biorg.Med.Chem.Let.,1993,3:2765-2770)、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl.AcidsRes.,1992,20:533-538)などのチオエーテル;例えばドデカンジオールまたはウンデシル残基(Saison-Behmoaras et al.,EMBO J,1991,10:1111-1118;Kabanov et al.,FEBS Lett.,1990,259:327-330;Svinarchuk et al.,Biochimie,1993,75:49-54)などの脂肪族鎖;例えばジ-ヘキサデシル-rac-グリセロールまたはトリエチル-アンモニウム1,2-ジ-O-ヘキサデシル-rac-グリセロ-3-ホスホネート(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36:3651-3654;Shea et al.,Nucl.Acids Res.,1990,18:3777-3783)などのリン脂質;ポリアミンまたはポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides & Nucleotides,1995,14:969-973);またはアダマンタン酢酸(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36:3651-3654);パルミチル部分(Mishra et al.,Biochim.Biophys.Acta,1995,1264:229-237);またはオクタデシルアミンまたはヘキシルアミノ-カルボニルオキシコレステロール部分(Crooke et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1996,277:923-937)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
一実施形態では、リガンドは、それが組み込まれたiRNA剤の分布、標的化または寿命を変化させる。好ましい実施形態では、リガンドは、例えばこのようなリガンドが不在である化学種と比較して、例えば分子、細胞または細胞型、例えば細胞内または器官内区画などの区画、身体の組織または器官または領域などの選択された標的に対する、改善された親和性を提供する。好ましいリガンドは、二重鎖化核酸中の二本鎖対合形成に加わらない。
リガンドは、タンパク質(例えばヒト血清アルブミン(HSA:human serum albumin)、低密度リポタンパク質(LDL:low-density lipoprotein)、またはグロブリン);炭水化物(例えばデキストラン、プルラン、キチン、キトサン、イヌリン、シクロデキストリン、N-アセチルガラクトサミン、またはヒアルロン酸);または脂質などの天然物質を含み得る。リガンドはまた、例えば合成ポリアミノ酸などの合成ポリマーなど、組換えまたは合成分子であり得る。ポリアミノ酸の例はポリアミノ酸を含み、ポリリジン(PLL)、ポリL-アスパラギン酸、ポリL-グルタミン酸、スチレン-マレイン酸無水物共重合体、ポリ(L-ラクチド-コ-グリコリド(glycolied))共重合体、ジビニルエーテル-無水マレイン酸共重合体、N-(2-ヒドロキシプロピル)メタクリルアミド共重合体(HMPA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリウレタン、ポリ(2-エチルアクリル酸)、N-イソプロピルアクリルアミドポリマー、またはポリホスファジンが挙げられる。ポリアミンの例としては、ポリエチレンイミン、ポリリジン(PLL)、スペルミン、スペルミジン、ポリアミン、擬ペプチド-ポリアミン、ペプチド模倣ポリアミン、デンドリマーポリアミン、アルギニン、アミジン、プロタミン、カチオン性脂質、カチオン性ポルフィリン、ポリアミン四級塩、またはαらせんペプチドである。
リガンドはまた、例えばレクチン、糖タンパク質、脂質またはタンパク質など、例えば腎細胞などの特定細胞型に結合する抗体である、細胞または組織標的化剤などの標的化基を含み得る。標的化基は、甲状腺刺激ホルモン、メラノトロピン、レクチン、糖タンパク質、界面活性剤プロテインA、ムチン炭水化物、多価乳糖、多価ガラクトース、N-アセチル-ガラクトサミン、N-アセチルグルコサミン(gulucoseamine)多価マンノース、多価フコース、グリコシル化ポリアミノ酸、多価ガラクトース、トランスフェリン、ビスホスホネート、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、脂質、コレステロール、ステロイド、胆汁酸、葉酸、ビタミンB12、ビタミンA、ビオチン、またはRGDペプチドまたはRGDペプチド模倣体であり得る。
リガンドのその他の例としては、染料、挿入剤(例えばアクリジン)、架橋剤(例えばソラレン(psoralene)、マイトマイシンC)、ポルフィリン(TPPC4、テキサフィリン、サフィリン)、多環式芳香族炭化水素(例えばフェナジン、ジヒドロフェナジン)、人工エンドヌクレアーゼ(例えばEDTA)、例えばコレステロールなどの親油性分子、コール酸、アダマンタン酢酸、1-ピレン酪酸、ジヒドロテストステロン、1,3-ビス-O(ヘキサデシル)グリセロール、ゲラニルオキシヘキシル基、ヘキサデシルグリセロール、ボルネオール、メントール、1,3-プロパンジオール、ヘプタデシル基、パルミチン酸、ミリスチン酸、O3-(オレオイル)リトコール酸、O3-(オレオイル)コレン酸、ジメトキシトリチル、またはフェノキサジン)およびペプチド複合体(例えばアンテナペディアペプチド、Tatペプチド)、アルキル化剤、ホスフェート、アミノ、メルカプト、PEG(例えばPEG-40K)、MPEG、[MPEG]2、ポリアミノ、アルキル、置換アルキル、放射性標識マーカ、酵素、ハプテン(例えばビオチン)、輸送/吸収促進薬(例えばアスピリン、ビタミンE、葉酸)、合成リボヌクレアーゼ(例えばイミダゾール、ビスイミダゾール、ヒスタミン、イミダゾールクラスター、アクリジン-イミダゾール複合体、テトラアザ大環状化合物のEu3+複合体)、ジニトロフェニル、HRP、またはAPが挙げられる。
リガンドは、例えば糖タンパク質などのタンパク質;または例えば共リガンドに特異的親和性を有する分子などのペプチド;または例えば肝臓細胞などの指定された細胞型に結合する抗体などの抗体であり得る。リガンドはまた、ホルモンおよびホルモン受容体を含んでもよい。それらはまた、脂質、レクチン、炭水化物、ビタミン、補助因子、多価乳糖、多価ガラクトース、N-アセチル-ガラクトサミン、N-アセチル-グルコサミン多価マンノース、または多価フコースなどの非ペプチド化学種を含み得る。リガンドは、例えばリポ多糖、p38 MAPキナーゼ活性化因子、またはNF-κB活性化因子であり得る。
リガンドは、例えば細胞の微小管、微小繊維、および/または中間径フィラメントを破壊することで、例えば細胞の細胞骨格を破壊することにより、細胞へのiRNA剤の取り込みを増大させ得る薬剤などの物質であり得る。薬剤は、例えばタキソン(taxon)、ビンクリスチン、ビンブラスチン、サイトカラシン、ノコダゾール、ジャプラキノリド(japlakinolide)、ラトランクリンA、ファロイジン、スウィンホリドA、インダノシン、またはミオセルビンであり得る。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるiRNAに付着するリガンドは、薬物動態調節因子(PK調節因子)を指す。PK調節因子としては、親油性物質、胆汁酸、ステロイド、リン脂質類似体、ペプチド、タンパク質結合剤、PEG、ビタミンなどが挙げられる。例示的なPK調節因子としては、コレステロール、脂肪酸、コール酸、リトコール酸、ジアルキルグリセリド、ジアシルグリセリド、リン脂質、スフィンゴ脂質、ナプロキセン、イブプロフェン、ビタミンE、ビオチンなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。いくつかのホスホロチオエート結合を含むオリゴヌクレオチドもまた、血清タンパク質に結合することが、知られており、したがって例えば、主鎖中に複数のホスホロチオエート結合を含む、約5塩基、10塩基、15塩基、または20塩基オリゴヌクレオチドなどの短鎖オリゴヌクレオチドもまた、リガンドとして(例えばPK調節リガンドとして)本発明に適している。これに加えて、血清成分(例えば血清タンパク質)に結合するアプタマーもまた、本明細書に記載される実施形態中で、PK調節リガンドとして使用するのに適する。
本発明のリガンド共役オリゴヌクレオチドは、結合分子のオリゴヌクレオチド上への付加から誘導されるものなどの、ペンダント反応性官能基を有するオリゴヌクレオチドの使用によって、合成してもよい(下述)。この反応性オリゴヌクレオチドは、市販のリガンド、多様な保護基のいずれかを有する合成されたリガンド、または付着する結合部分を有するリガンドと、直接反応させてもよい。
本発明の複合体で使用されるオリゴヌクレオチドは、好都合に、そして慣例的に、周知の固相合成技術を通じて生成されてもよい。このような合成のための装置は、Applied Biosystems(Foster City,Calif.)をはじめとする、いくつかの供給業者によって販売される。それに加えて、または代案として、当該技術分野で公知のこのような合成のためのその他のあらゆる手段を用いてもよい。同様の技術を使用して、ホスホロチオエートおよびアルキル化誘導体などのその他のオリゴヌクレオチドを調製することもまた知られている。
本発明のリガンド共役オリゴヌクレオチド、およびリガンド分子を保有する配列特異的結合ヌクレオシド中では、オリゴヌクレオチドおよびオリゴヌクレオシドは、標準ヌクレオチドまたはヌクレオシド前駆体、または既に結合部分を保有するヌクレオチドまたはヌクレオシド複合体前駆体、既にリガンド分子を保有するリガンド-ヌクレオチドまたはヌクレオシド-複合体前駆体、または非ヌクレオシドリガンドを保有する基本単位を使用して、適切なDNA合成機上で組み立ててもよい。
既に結合部分を有するヌクレオチド複合体前駆体を使用する場合、配列特異的結合ヌクレオシドの合成が典型的に完了し、次にリガンド分子が結合部分と反応されて、リガンド共役オリゴヌクレオチドが生成する。いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチドまたは結合ヌクレオシドは、市販されて、慣例的にオリゴヌクレオチド合成で使用される、標準ホスホラミダイトおよび非標準ホスホラミダイトに加えて、リガンド-ヌクレオシド複合体から誘導されるホスホラミダイトを使用して、自動合成装置によって合成される。
A.脂質複合体
1つの実施形態では、リガンドまたは複合体は、脂質または脂質ベースの分子である。このような脂質または脂質ベースの分子は、好ましくは、例えばヒト血清アルブミン(HSA)などの血清タンパク質と結合する。HSA結合リガンドは、例えば身体の非腎臓標的組織などの標的組織への複合体の分布を可能にする。例えば標的組織は、肝臓の実質細胞をはじめとする肝臓であり得る。HSAに結合し得るその他の分子もまた、リガンドとして使用し得る。例えばナプロキセンまたはアスピリンを使用し得る。脂質または脂質ベースのリガンドは、(a)複合体の分解耐性を増大させ得て、(b)標的細胞または細胞膜の標的化またはそれへの輸送を増大させ得て、および/または(c)例えばHSAなどの血清タンパク質の結合を調節するのに使用し得る。
例えば複合体の標的組織への結合を制御するなど、阻害のために、脂質ベースのリガンドを使用し得る。例えばより強力にHSAに結合する脂質または脂質ベースのリガンドは、腎臓に標的化される可能性がより低く、したがって身体から除去される可能性がより低い。より弱くHSAに結合する脂質または脂質ベースのリガンドは、複合体を腎臓に標的化するのに使用し得る。
好ましい実施形態では、脂質ベースのリガンドはHSAに結合する。好ましくは、それは、複合体が好ましくは非腎臓組織に分布するように、十分な親和性でHSAと結合する。しかし親和性は、HSAリガンド結合が逆転され得ない程度にまで、強力ではないことが好ましい。
別の好ましい実施形態では、複合体が好ましくは腎臓に分布するように、脂質ベースのリガンドはHSAと弱く結合し、または全く結合しない。腎細胞を標的とするその他の部分もまた、脂質ベースのリガンドに代えて、またはそれに加えて使用し得る。
別の態様では、リガンドは、例えば増殖細胞などの標的細胞に取り込まれる、ビタミンなどの部分である。これらは、例えばがん細胞などの悪性または非悪性型などの望まれない細胞増殖によって特徴付けられる障害を治療するのに、特に有用である。例示的なビタミンとしては、ビタミンA、E、およびKが挙げられる。その他の例示的なビタミンとしては、例えば葉酸、B12、リボフラビン、ビオチン、ピリドキサールなどのBビタミン、または肝臓細胞などの標的細胞に取り込まれるその他のビタミンまたは栄養素が挙げられる。またHSAおよび低密度リポタンパク質(LDL)も挙げられる。
B.細胞透過剤
別の態様では、リガンドは細胞透過剤であり、好ましくはらせん細胞透過剤である。好ましくは、細胞透過剤は両親媒性である。例示的な細胞透過剤は、tatまたはアンテナペディア(antennopedia)などのペプチドである。細胞透過剤がペプチドである場合、それはペプチジル模倣薬、逆転異性体、非ペプチドまたは偽ペプチド結合、およびD-アミノ酸使用をはじめとする、修飾を受け得る。らせん剤は、好ましくは親油性および疎油性相を有するα-らせん剤である。
リガンドは、ペプチドまたはペプチド模倣体であり得る。ペプチド模倣薬(本明細書においてオリゴペプチド模倣薬とも称される)は、天然ペプチドに類似する定義された三次元構造に折り畳み可能な分子である。ペプチドおよびペプチド模倣薬のiRNA剤への付加は、細胞認識と吸収の促進などにより、iRNAの薬物動態分布に影響を及ぼし得る。ペプチドまたはペプチド模倣薬部分は、例えば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、または50アミノ酸長など、約5~50アミノ酸長であり得る。
ペプチドまたはペプチド模倣薬は、例えば細胞透過性ペプチド、カチオン性ペプチド、両親媒性ペプチド、または疎水性ペプチド(例えば主にTyr、TrpまたはPheからなる)であり得る。ペプチド部分は、デンドリマーペプチド、束縛ペプチドまたは架橋ペプチドであり得る。別の代案では、ペプチド部分は、疎水性膜移行配列(MTS)を含み得る。例示的な疎水性MTS含有ペプチドは、アミノ酸配列AAVALLPAVLLALLAP(配列番号24)を有するRFGFである。疎水性MTSを含有するRFGF類似体(例えばアミノ酸配列AALLPVLLAAP(配列番号25))もまた、標的部分であり得る。ペプチド部分は、細胞膜を越えて、ペプチド、オリゴヌクレオチド、およびタンパク質をはじめとする、多数の極性分子を輸送し得る「送達」ペプチドであり得る。例えばHIV Tatタンパク質(GRKKRRQRRRPPQ(配列番号26))およびショウジョウバエ(Drosophila)アンテナペディアタンパク質(RQIKIWFQNRRMKWKK(配列番号27))からの配列は、送達ペプチドとして機能できることが分かっている。ペプチドまたはペプチド模倣薬は、ファージ-ディスプレイライブラリー、または1ビーズ1化合物(OBOC)コンビナトリアルライブラリーから同定されるペプチドなどの、DNAのランダム配列によってコードされ得る(Lam et al.,Nature,354:82-84,1991)。細胞標的化目的のために、組み込まれたモノマー単位を通じて、dsRNA作用物質に係留されるペプチドまたはペプチド模倣体の例は、アルギニン-グリシン-アスパラギン酸(RGD)-ペプチド、またはRGD模倣体である。ペプチド部分は、約5アミノ酸~約40アミノ酸長に及び得る。ペプチド部分は、安定性を増大させ、または立体構造特性を誘導するような、構造修飾を有し得る。下述の構造修飾のいずれかを使用し得る。
本発明の組成物および方法で使用されるRGDペプチドは、直鎖または環状であってもよく、例えばグリコシル化またはメチル化により修飾して、特定組織への標的化を容易にしてもよい。RGD含有ペプチドおよびペプチド模倣剤(peptidiomimemtics)としては、D-アミノ酸、ならびに合成RGD模倣体が挙げられる。RGDに加えて、インテグリンリガンドを標的にするその他の部分を使用し得る。このリガンドの好ましい複合体は、PECAM-1またはVEGFを標的にする。
「細胞透過性ペプチド」は、例えば細菌または真菌細胞などの微生物細胞、またはヒト細胞などの哺乳類細胞などの細胞に浸透できる。微生物細胞透過性ペプチドは、例えばα-らせん直鎖ペプチド(例えばLL-37またはセクロピン(Ceropin)P1)、ジスルフィド結合含有ペプチド(例えばα-デフェンシン、β-デフェンシンまたはバクテネシン)、または1つまたは2つの主要アミノ酸(例えばPR-39またはインドリシジン)のみを含有するペプチドであり得る。細胞透過性ペプチドはまた、核局在化シグナル(NLS)を含み得る。例えば細胞透過性ペプチドは、HIV-1 gp41の融合ペプチドドメインおよびSV40大型T抗原のNLSに由来する、MPGなどの二分両親媒性ペプチドであり得る(Simeoni et al.,Nucl.Acids Res.31:2717-2724,2003)。
C.炭水化物複合体
本発明の組成物および方法のいくつかの実施形態では、iRNAオリゴヌクレオチドは、炭水化物をさらに含む。炭水化物共役iRNAは、本明細書に記載されるような、核酸ならびに生体内治療用途に適する組成物の生体内送達に、有利である。本明細書の用法では、「炭水化物」は、各炭素原子に結合する酸素、窒素またはイオウ原子がある、少なくとも6個の炭素原子(直鎖、分枝または環状であり得る)を有する、1つまたは複数の単糖単位で構成される炭水化物それ自体;各炭素原子に結合する酸素、窒素またはイオウ原子がある、少なくとも6個の炭素原子(直鎖、分枝または環状であり得る)をそれぞれ有する、1つまたは複数の単糖単位で構成される炭水化物部分をその一部として有する化合物のいずれかである化合物を指す。代表的な炭水化物としては、糖類(単糖類、二糖類、三糖類、および約4、5、6、7、8、または9個の単糖単位を含有するオリゴ糖類)、およびデンプン、グリコーゲン、セルロース、および多糖類ガムなどの多糖類が挙げられる。特定の単糖類としては、AGT以上(例えばAGT、C6、C7、またはC8)の糖類が挙げられ;二および三糖類としては、2または3個の単糖単位を有する糖類が挙げられる(例えばAGT、C6、C7、またはC8)。
一実施形態において、本発明の組成物および方法に使用される炭水化物共役体は単糖である。一実施形態において、単糖は、
などのN-アセチルガラクトサミンである。
別の実施形態において、本発明の組成物および方法に使用される炭水化物共役体は、
からなる群から選択される。
本明細書に記載される実施形態に使用される別の代表的な炭水化物共役体には、限定はされないが、
(式XXIII)[XまたはYの一方がオリゴヌクレオチドである場合、他方は水素である]が含まれる。
一部の実施形態において、炭水化物共役体は、限定はされないが、PK調節剤および/または細胞透過ペプチドなど、上記に記載したとおりの1つ以上の追加的なリガンドをさらに含む。
本発明での使用に好適なさらなる炭水化物共役体としては、国際公開第2014/179620号パンフレットおよび国際公開第2014/179627号パンフレット(これらの各々の内容は全て、参照により本明細書に援用される)に記載されるものが挙げられる。
D.リンカー
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される複合体またはリガンドは、切断可能または切断不能であり得る、様々なリンカーによって、iRNAオリゴヌクレオチドに付着し得る。
「リンカー」または「連結基」という用語は、例えば化合物の2つの部分に共有結合するなどの、化合物の2つの部分を結合する有機部分を意味する。リンカーは、典型的に、直接結合、または酸素またはイオウなどの原子、NR8、C(O)、C(O)NH、SO、SO2、SO2NHなどの単位、または置換または非置換アルキル、置換または非置換アルケニル、置換または非置換アルキニル、アリールアルキル、アリールアルケニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロアリールアルケニル、ヘテロアリールアルキニル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロシクリルアルケニル、ヘテロシクリルアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルキルアリールアルキル、アルキルアリールアルケニル、アルキルアリールアルキニル、アルケニルアリールアルキル、アルケニルアリールアルケニル、アルケニルアリールアルキニル、アルキニルアリールアルキル、アルキニルアリールアルケニル、アルキニルアリールアルキニル、アルキルヘテロアリールアルキル、アルキルヘテロアリールアルケニル、アルキルヘテロアリールアルキニル、アルケニルヘテロアリールアルキル、アルケニルヘテロアリールアルケニル、アルケニルヘテロアリールアルキニル、アルキニルヘテロアリールアルキル、アルキニルヘテロアリールアルケニル、アルキニルヘテロアリールアルキニル、アルキルヘテロシクリルアルキル、アルキルヘテロシクリルアルケニル、アルキルヘテロシクリルアルキニル(alkylhererocyclylalkynyl)、アルケニルヘテロシクリルアルキル、アルケニルヘテロシクリルアルケニル、アルケニルヘテロシクリルアルキニル、アルキニルヘテロシクリルアルキル、アルキニルヘテロシクリルアルケニル、アルキニルヘテロシクリルアルキニル、アルキルアリール、アルケニルアリール、アルキニルアリール、アルキルヘテロアリール、アルケニルヘテロアリール、アルキニルヘテロアリール(alkynylhereroaryl)などであるが、これに限定されるものではない原子鎖を含み、その1つまたは複数のメチレンは、O、S、S(O)、SO2、N(R8)、C(O)、置換または非置換アリール、置換または非置換ヘテロアリール、置換または非置換複素環(式中、R8は水素、アシル、脂肪族または置換脂肪族である)によって中断されまたは終結され得る。一実施形態では、リンカーは、約1~24個の原子、2~24個の原子、3~24個の原子、4~24個の原子、5~24個の原子、6~24個の原子、6~18個の原子、7~18個の原子、7~17この原子、8~17個の原子、6~16個の原子、7~16個の原子、または、8~16個の原子である。
切断可能連結基は、細胞外で十分に安定しているが、標的細胞への侵入時に切断されて、リンカーがつなぎ止めている2つの部分を放出するものである。好ましい実施形態では、切断可能連結基は、標的細胞中で、または第1の標準状態下(例えば細胞内条件を模倣し、またはそれに相当するように選択し得る)で、対象の血中において、または第2の標準状態下(例えば血中または血清に見られる条件を模倣し、またはそれに相当するように選択し得る)よりも、少なくとも約10倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍以上、または少なくとも約100倍より迅速に切断される。
切断可能連結基は、例えばpH、酸化還元電位または分解性分子の存在などの切断作用物質の影響を受けやすい。一般に切断作用物質は、血清または血液中よりも細胞中でより一般的であり、またはより高いレベルまたは活性で見られる。このような分解性作用物質の例としては、例えば還元によって酸化還元切断可能連結基を分解し得る、細胞中に存在する、酸化または還元酵素またはメルカプタンなどの還元剤をはじめとする、特定の基質のために選択された、または基質特異性がない酸化還元剤;エステラーゼ;エンドソームまたは例えば5以下のpHをもたらすものなどの酸性環境をもたらし得る作用物質;一般酸、ペプチダーゼ(基質特異性であり得る)、およびホスファターゼとして作用することで、酸切断可能連結基を加水分解または分解し得る酵素が挙げられる。
ジスルフィド結合などの切断可能連結基は、pHに対する感受性が高くあり得る。ヒト血清のpHが7.4であるのに対し、細胞内平均pHはわずかにより低く、約7.1~7.3の範囲にわたる。エンドソームは、5.5~6.0の範囲のより酸性のpHを有し、リソソームは、約5.0のさらにより酸性のpHを有する。いくつかのリンカーは、好ましいpHで切断される切断可能連結基を有し、それによって細胞中のリガンドから、または細胞の所望の区画へ、カチオン性脂質が放出される。
リンカーは、特定の酵素によって切断可能な切断可能連結基を含み得る。リンカーに組み込まれる切断可能連結基のタイプは、標的とされる細胞に左右され得る。例えば肝臓を標的化するリガンドは、エステル基を含むリンカーを通じてカチオン性脂質に連結し得る。肝細胞はエステラーゼに富み、したがってリンカーは、エステラーゼが豊富でない細胞型よりも、肝細胞中でより効率的に切断される。エステラーゼに富むその他の細胞型としては、肺、腎皮質、および精巣の細胞が挙げられる。
ペプチド結合を含有するリンカーは、肝細胞および滑膜細胞などのペプチダーゼに富んだ細胞型を標的化する際に使用し得る。
一般に切断可能連結基の候補の適合性は、候補連結基を切断する分解性作用物質(条件)の能力を検査することで評価し得る。切断可能連結基の候補は、血中において、またはその他の非標的組織との接触時に、切断に抵抗する能力についてもまた検査することもまた望ましい。したがって第1の条件が標的細胞中での切断を示すように選択され、第2の条件がその他の組織または例えば血液または血清などの生体液中での切断を示すように選択される、第1および第2の条件間の切断の相対的感受性を判定し得る。評価は、無細胞系中、細胞中、細胞培養中、臓器または組織培養中、または全身の動物中で実施し得る。無細胞または培養条件で最初の評価を行い、全身の動物中でのさらなる評価によって確認することが有用なこともあり得る。好ましい実施形態では、有用な候補化合物は、血液または血清(または細胞外条件を模倣するように選択された生体外条件下)と比較して、細胞中(または細胞内条件を模倣するように選択された生体外条件下)で、少なくとも約2、4、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100倍より迅速に切断される。
i.酸化還元切断可能連結基
1つの実施形態では、切断可能連結基は、還元または酸化に際して切断される酸化還元切断可能連結基である。還元的切断可能連結基の一例は、ジスルフィド連結基(-S-S-)である。切断可能連結基候補が、適切な「還元的切断可能連結基」か、または例えば特定のiRNA部分および特定の標的作用物質と共に使用するのに適するかどうかを判定するために、本明細書に記載される方法に頼ることができる。例えば候補は、例えば標的細胞などの細胞中で観察される切断速度を模倣する、当該技術分野で公知の試薬を使用して、ジチオスレイトール(DTT)、またはその他の還元剤とのインキュベーションによって評価し得る。候補はまた、血液または血清条件を模倣するように選択される条件下で評価し得る。1つの候補化合物は、血中で最大で約10%切断される。他の実施形態では、有用な候補化合物は、血液(または細胞外条件を模倣するように選択された生体外条件下)と比較して、細胞中(または細胞内条件を模倣するように選択された生体外条件下)で、少なくとも約2、4、10、20、30、40、50、60、70、80、90または約100倍より迅速に分解される。候補化合物の切断速度は、細胞内媒体を模倣するように選択された条件下で標準酵素動態アッセイを使用して、細胞外媒体を模倣するように選択された条件と比較して判定し得る。
ii.リン酸ベースの切断可能連結基
別の実施形態では、切断可能なリンカーは、リン酸ベースの切断可能連結基を含む。リン酸ベースの切断可能連結基は、リン酸基を分解または加水分解する作用物質によって切断され得る。細胞中でリン酸基を切断する作用物質の一例は、細胞内のホスファターゼなどの酵素である。リン酸ベースの連結基の例は、-O-P(O)(ORk)-O-、-O-P(S)(ORk)-O-、-O-P(S)(SRk)-O-、-S-P(O)(ORk)-O-、-O-P(O)(ORk)-S-、-S-P(O)(ORk)-S-、-O-P(S)(ORk)-S-、-S-P(S)(ORk)-O-、-O-P(O)(Rk)-O-、-O-P(S)(Rk)-O-、-S-P(O)(Rk)-O-、-S-P(S)(Rk)-O-、-S-P(O)(Rk)-S-、-O-P(S)(Rk)-S-である。好ましい実施形態は、-O-P(O)(OH)-O-、-O-P(S)(OH)-O-、-O-P(S)(SH)-O-、-S-P(O)(OH)-O-、-O-P(O)(OH)-S-、-S-P(O)(OH)-S-、-O-P(S)(OH)-S-、-S-P(S)(OH)-O-、-O-P(O)(H)-O-、-O-P(S)(H)-O-、-S-P(O)(H)-O、-S-P(S)(H)-O-、-S-P(O)(H)-S-、-O-P(S)(H)-S-である。好ましい実施形態は、-O-P(O)(OH)-O-である。これらの候補は、上述したものと類似の方法を使用して評価し得る。
iii.酸切断可能連結基
別の実施形態では、切断可能なリンカーは、酸切断可能連結基を含む。酸切断可能連結基は、酸性条件下で切断される連結基である。好ましい実施形態では、酸切断可能連結基は、pH約6.5以下(例えば約6.0、5.75、5.5、5.25、5.0以下)の酸性環境内において、または一般酸として作用し得る酵素などの作用物質によって切断される。細胞内では、エンドソームおよびリソソームなどの特定の低pH細胞小器官が、酸切断可能連結基の切断環境を提供し得る。酸切断可能連結基の例としては、ヒドラゾン、エステル、およびアミノ酸エステルが挙げられるが、これに限定されるものではない。酸切断可能基は、一般式-C=NN-、C(O)O、または-OC(O)を有し得る。好ましい実施形態は、炭素がエステルの酸素に付着する場合(アルコキシ基)は、アリール基、置換アルキル基、またはジメチルペンチルまたはt-ブチルなどの三級アルキル基である。これらの候補は、上述したものと類似の方法を使用して評価し得る。
iv.エステルベースの連結基
別の実施形態では、切断可能なリンカーは、エステルベースの切断可能連結基を含む。エステルベースの切断可能連結基は、細胞内でエステラーゼおよびアミダーゼなどの酵素によって切断される。エステルベースの切断可能連結基の例としては、アルキレン、アルケニレン、およびアルキニレン基のエステルが挙げられるが、これに限定されるものではない。エステル切断可能連結基は、一般式-C(O)O-または-OC(O)-を有する。これらの候補は、上述したものと類似の方法を使用して評価し得る。
v.ペプチドベースの切断基
さらに別の実施形態では、切断可能なリンカーは、ペプチドベースの切断可能連結基を含む。ペプチドベースの切断可能連結基は、細胞内で、ペプチダーゼおよびプロテアーゼなどの酵素によって切断される。ペプチドベースの切断可能連結基は、アミノ酸の間に形成されて、オリゴペプチド(例えばジペプチド、トリペプチドなど)およびポリペプチドを生じる、ペプチド結合である。ペプチドベースの切断可能基には、アミド基(-C(O)NH-)は含まれない。アミド基は、あらゆるアルキレン、アルケニレンまたはアルキニレン(alkynelene)間に形成され得る。ペプチド結合は、アミノ酸の間に形成されて、ペプチドおよびタンパク質を生じる特殊なタイプのアミド結合である。ペプチドベースの切断基は、一般にアミノ酸の間に形成されて、ペプチドおよびタンパク質を生じるペプチド結合(すなわちアミド結合)に限定され、アミド官能基全体は含まない。ペプチドベースの切断可能連結基は、一般式-NHCHRAC(O)NHCHRBC(O)-を有し、式中、RAおよびRBは2つの隣接するアミノ酸のR基である。これらの候補は、上述したものと類似の方法を使用して評価し得る。
一実施形態において、本発明のiRNAはリンカーを介して炭水化物に共役する。本発明の組成物および方法のリンカーを含むiRNA炭水化物共役体の非限定的な例としては、限定はされないが、
[XまたはYの一方がオリゴヌクレオチドである場合、他方は水素である]が挙げられる。
本発明の組成物および方法の特定の実施形態において、リガンドは、二価または三価の分枝リンカーを介して付加された1つ以上の「GalNAc」(N-アセチルガラクトサミン)誘導体である。
一実施形態において、本発明のdsRNAは、式(XXXII)~(XXXV):
[式中:
q2A、q2B、q3A、q3B、q4A、q4B、q5A、q5Bおよびq5Cは、独立して存在毎に0~20を表し、かつ繰り返し単位は同じであってもまたは異なってもよく;
P2A、P2B、P3A、P3B、P4A、P4B、P5A、P5B、P5C、T2A、T2B、T3A、T3B、T4A、T4B、T4A、T5B、T5Cは、各々独立して存在毎に、存在しないか、CO、NH、O、S、OC(O)、NHC(O)、CH2、CH2NHまたはCH2Oであり;
Q2A、Q2B、Q3A、Q3B、Q4A、Q4B、Q5A、Q5B、Q5Cは、独立して存在毎に、存在しないか、アルキレン、置換アルキレンであり、ここで1つ以上のメチレンが、O、S、S(O)、SO2、N(RN)、C(R’)=C(R”)、C≡CまたはC(O)の1つ以上によって中断または終端されてもよく;
R2A、R2B、R3A、R3B、R4A、R4B、R5A、R5B、R5Cは、各々独立して存在毎に、存在しないか、NH、O、S、CH2、C(O)O、C(O)NH、NHCH(Ra)C(O)、-C(O)-CH(Ra)-NH-、CO、CH=N-O、
またはヘテロシクリルであり;
L2A、L2B、L3A、L3B、L4A、L4B、L5A、L5BおよびL5Cはリガンドを表し;すなわち、各々独立して存在毎に、単糖(GalNAcなど)、二糖、三糖、四糖、オリゴ糖、または多糖を表し;およびRaはHまたはアミノ酸側鎖である]のいずれかに示される構造の群から選択される二価または三価の分枝リンカーに共役する。三価共役GalNAc誘導体が、式(XXXV)
[式中、L5A、L5BおよびL5CはGalNAc誘導体などの単糖を表す]のものなど、標的遺伝子の発現を阻害するためのRNAi剤での使用に特に有用である。
GalNAc誘導体に共役する適切な二価および三価の分枝リンカー基の例としては、式II、VII、XI、X、およびXIIIとして、上で列挙された構造が挙げられるが、これに限定されるものではない。
RNA複合体の調製を教示する、代表的な米国特許としては、そのそれぞれの内容全体を参照によって本明細書によりここに援用する、米国特許第4,828,979号明細書;米国特許第4,948,882号明細書;米国特許第5,218,105号明細書;米国特許第5,525,465号明細書;米国特許第5,541,313号明細書;米国特許第5,545,730号明細書;米国特許第5,552,538号明細書;米国特許第5,578,717号明細書、米国特許第5,580,731号明細書;米国特許第5,591,584号明細書;米国特許第5,109,124号明細書;米国特許第5,118,802号明細書;米国特許第5,138,045号明細書;米国特許第5,414,077号明細書;米国特許第5,486,603号明細書;米国特許第5,512,439号明細書;米国特許第5,578,718号明細書;米国特許第5,608,046号明細書;米国特許第4,587,044号明細書;米国特許第4,605,735号明細書;米国特許第4,667,025号明細書;米国特許第4,762,779号明細書;米国特許第4,789,737号明細書;米国特許第4,824,941号明細書;米国特許第4,835,263号明細書;米国特許第4,876,335号明細書;米国特許第4,904,582号明細書;米国特許第4,958,013号明細書;米国特許第5,082,830号明細書;米国特許第5,112,963号明細書;米国特許第5,214,136号明細書;米国特許第5,082,830号明細書;米国特許第5,112,963号明細書;米国特許第5,214,136号明細書;米国特許第5,245,022号明細書;米国特許第5,254,469号明細書;米国特許第5,258,506号明細書;米国特許第5,262,536号明細書;米国特許第5,272,250号明細書;米国特許第5,292,873号明細書;米国特許第5,317,098号明細書;米国特許第5,371,241号明細書、米国特許第5,391,723号明細書;米国特許第5,416,203号明細書、米国特許第5,451,463号明細書;米国特許第5,510,475号明細書;米国特許第5,512,667号明細書;米国特許第5,514,785号明細書;米国特許第5,565,552号明細書;米国特許第5,567,810号明細書;米国特許第5,574,142号明細書;米国特許第5,585,481号明細書;米国特許第5,587,371号明細書;米国特許第5,595,726号明細書;米国特許第5,597,696号明細書;米国特許第5,599,923号明細書;米国特許第5,599,928および5,688,941号明細書;米国特許第6,294,664号明細書;米国特許第6,320,017号明細書;米国特許第6,576,752号明細書;米国特許第6,783,931号明細書;米国特許第6,900,297号明細書;米国特許第7,037,646号明細書、米国特許第8,106,022号明細書が挙げられるが、これに限定されるものではない。
所与の化合物中の全ての位置が一様に修飾される必要はなく、事実上、前述の修飾の2つ以上が、単一化合物中に、またはiRNA内の単一ヌクレオシド中にさえ、組み込まれ得る。本発明は、キメラ化合物であるiRNA化合物もまた含む。
「キメラ(chimeric)」iRNA化合物または「キメラ(chimeras)」は、本発明の文脈で、それぞれ少なくとも1つのモノマー単位から、すなわちdsRNA化合物の場合はヌクレオチドから構成される、2つ以上の化学的に異なる領域を含有するiRNA化合物、好ましくはdsRNAである。これらのiRNAは、典型的に、iRNAに、ヌクレアーゼ分解に対する耐性の増大、細胞内取り込みの増大、および/または標的核酸に対する結合親和性の増大を与えるように、RNAが修飾される少なくとも1つの領域を含有する。iRNAの追加的な領域が、RNA:DNAまたはRNA:RNAハイブリッドを切断できる、酵素基質の役割を果たしてもよい。一例として、RNase Hは、RNA:DNA二本鎖のRNA鎖を切断する細胞エンドヌクレアーゼである。したがってRNase Hの活性化はRNA標的の切断をもたらし、それによって遺伝子発現のiRNA阻害効率を大幅に高める。その結果、同一標的領域とハイブリダイズするホスホロチオエートデオキシdsRNAと比較して、キメラdsRNAが使用される場合、より短いiRNAによって、比較できる結果が得られることが多い。RNA標的の切断は、ゲル電気泳動、そして必要ならば当該技術分野で公知の関連核酸ハイブリダイゼーション技術によって、慣例的に検出し得る。
場合によっては、iRNAのRNAは、非リガンド基によって修飾し得る。iRNAの活性、細胞分布または細胞内取り込みを高めるために、いくつかの非リガンド分子がiRNAに共役結合されており、このような共役結合を実施する手順は、学術文献で入手できる。このような非リガンド部分は、コレステロールなどの脂質部分(Kubo,T.et al.,Biochem.Biophys.Res.Comm.,2007,365(1):54-61;Letsinger et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,1989,86:6553)、コール酸(Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,1994,4:1053)、例えばヘキシル-S-トリチルチオールなどのチオエーテル(Manoharan et al.,Ann.N.Y.Acad.Sci.,1992,660:306;Manoharan et al.,Bioorg.Med.Chem.Let.,1993,3:2765)、チオコレステロール(Oberhauser et al.,Nucl.Acids Res.,1992,20:533)、例えばドデカンジオールまたはウンデシル残基などの脂肪族鎖(Saison-Behmoaras et al.,EMBO J.,1991,10:111;Kabanov et al.,FEBS Lett.,1990,259:327;Svinarchuk et al.,Biochimie,1993,75:49)、例えばジ-ヘキサデシル-rac-グリセロールまたはトリエチルアンモニウム1,2-ジ-O-ヘキサデシル-rac-グリセロ-3-H-ホスホネートなどのリン脂質(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36:3651;Shea et al.,Nucl.Acids Res.,1990,18:3777)、ポリアミンまたはポリエチレングリコール鎖(Manoharan et al.,Nucleosides & Nucleotides,1995,14:969)、またはアダマンタン酢酸(Manoharan et al.,Tetrahedron Lett.,1995,36:3651)、パルミチル部分(Mishra et al.,Biochim.Biophys.Acta,1995,1264:229)、またはオクタデシルアミンまたはヘキシルアミノ-カルボニル-オキシコレステロール部分(Crooke et al.,J.Pharmacol.Exp.Ther.,1996,277:923)を含む。このようなRNA複合体の調製を教示する代表的な米国特許は、上に列挙した。典型的な共役結合プロトコルは、配列の1つまたは複数の位置にアミノリンカーを有するRNAの合成を伴う。次に適切なカップリングまたは活性化試薬を使用して、アミノ基を共役結合する分子と反応させる。共役結合反応は、溶液相中で、RNAが固体支持体になおも結合する間に、またはRNA切断に続いて実施することができる。HPLCによるRNA複合体精製は、典型的に純粋な複合体を与える。
V.発明のiRNAの送達
例えばヒト対象(例えばAPOC3関連疾患を有する対象などのそれを必要とする対象)などの対象内の細胞などの細胞への本発明のiRNAの送達は、いくつかの異なる方法で達成し得る。例えば送達は、試験管内または生体内のどちらかで、細胞を本発明のiRNAに接触させることで実施してもよい。生体内送達はまた、例えばdsRNAなどのiRNAを含む組成物を対象に投与することで直接実施してもよい。代案としては、生体内送達は、iRNAをコードして発現を誘導する、1つまたは複数のベクターを投与することで、間接的に実施してもよい。これらの代替案は、下でさらに考察される。
一般に、(試験管内または生体内で)核酸分子を送達するあらゆる方法が、本発明のiRNAで使用するために適応させ得る(例えば、その内容全体を参照によって本明細書に援用する、Akhtar S.and Julian RL.(1992)Trends Cell.Biol.2(5):139-144および国際公開第94/02595号パンフレットを参照されたい)。生体内送達では、iRNA分子を送達するために検討すべき要素としては、例えば、送達分子の生物学的安定性、非特異的効果の防止、および標的組織中の送達分子の蓄積が挙げられる。iRNAの非特異的効果は、例えば組織内への直接注射または移植または製剤を局所投与するなどの局所投与によって最小化し得る。治療部位への局所投与は、作用物質の局所濃度を最大化し、そうしなければ作用物質によって害を被り得る、または作用物質を分解し得る、全身組織の作用物質への曝露を限定し、iRNA分子のより低い総用量での投与を可能にする。いくつかの研究は、iRNAが局所的に投与された場合に、成功裏の遺伝子産物ノックダウン示している。例えばカニクイザルにおける硝子体内注射による(Tolentino,MJ.,et al(2004)Retina 24:132-138)、およびマウスにおける網膜下注射による(Reich,SJ., et al(2003)Mol.Vis.9:210-216)、VEGF dsRNAの眼内送達は、どちらも加齢黄斑変性の実験モデルで新血管形成を防止することを示した。これに加えて、マウスにおけるdsRNAの直接腫瘍内注射は、腫瘍体積を低下させ(Pille,J., et al(2005)Mol.Ther.11:267-274)、腫瘍を有するマウスの生存期間を延長し得た(Kim,WJ.,et al(2006)Mol.Ther.14:343-350;Li,S.,et al(2007)Mol.Ther.15:515-523)。RNA干渉は、直接注射によるCNSへの(Dorn,G.,et al.(2004)Nucleic Acids 32:e49;Tan,PH.,et al(2005)Gene Ther.12:59-66;Makimura,H.,et al(2002)BMC Neurosci.3:18;Shishkina,GT.,et al(2004)Neuroscience 129:521-528;Thakker,ER.,et al(2004)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.101:17270-17275;Akaneya,Y.,et al(2005)J.Neurophysiol.93:594-602)、および鼻腔内投与による肺への(Howard,KA.,et al(2006)Mol.Ther.14:476-484;Zhang,X.,et al(2004)J.Biol.Chem.279:10677-10684;Bitko,V.,et al(2005)Nat.Med.11:50-55)局所性送達の成功が示されている。疾患を治療するために、iRNAを全身的に投与するために、RNAは修飾され、または代案としては薬物送達系を使用して送達され得て;どちらの方法も、生体内エンド-およびエキソ-ヌクレアーゼによるdsRNAの迅速な分解を防止するように作用する。RNAまたは薬学的担体の修飾はまた、標的組織へのiRNA組成物の標的化も可能にし得て、望ましくない非特異的効果が回避される。コレステロールなどの親油性基の化学的結合によってiRNA分子を修飾し、細胞内取り込みを高め分解を防止し得る。例えば親油性コレステロール部分に共役結合されたApoBに対抗するiRNAがマウスに全身注射され、肝臓および空腸の双方でapoB mRNAノックダウンがもたらされた(Soutschek,J.,et al(2004)Nature 432:173-178)。iRNAのアプタマーへの共役結合は、前立腺がんのマウスモデルにおいて腫瘍増殖を抑制し、腫瘍退縮を媒介することが示されている。(McNamara,JO.,et al(2006)Nat.Biotechnol.24:1005-1015)。代案の実施形態では、iRNAは、ナノ粒子、デンドリマー、ポリマー、リポソーム、またはカチオン性送達系などの薬物送達システムを使用して送達され得る。正に帯電したカチオン性送達系は、iRNA分子(負に帯電)の結合を容易にして、負に帯電した細胞膜における相互作用もまた高めて、細胞によるiRNAの効率的な取り込みを可能にする。カチオン性脂質、デンドリマー、またはポリマーは、iRNAに結合され、またはiRNAを包む小胞またはミセルを形成するように誘導され得る(例えばKim SH.,et al(2008)Journal of Controlled Release 129(2):107-116を参照されたい)。小胞またはミセルの形成は、全身投与した際にiRNAの分解をさらに防止する。カチオン性iRNA複合体を作成して投与する方法は、十分に当業者の能力の範囲内である(例えばその内容全体を参照によって本明細書に援用する、Sorensen,DR.,et al(2003)J.Mol.Biol 327:761-766;Verma,UN.,et al(2003)Clin.Cancer Res.9:1291-1300;Arnold,AS et al(2007)J.Hypertens.25:197-205を参照されたい)。iRNAの全身性送達に有用な薬物送達系のいくつかのの非限定的例としては、DOTAP(Sorensen,DR.,et al(2003),前出;Verma,UN.,et al(2003),前出)、オリゴフェクトアミン(Oligofectamine)、“solid nucleicacid lipidparticles”(Zimmermann,TS.,et al(2006)Nature 441:111-114)、カルジオリピン(Chien,PY.,et al(2005)Cancer Gene Ther.12:321-328;Pal,A.,et al(2005)Int J.Oncol.26:1087-1091)、ポリエチレンイミン(Bonnet ME.,et al(2008)Pharm.Res.8月16日オンライン先行発表;Aigner,A.(2006)J.Biomed.Biotechnol.71659)、Arg-Gly-Asp(RGD)ペプチド(Liu,S.(2006)Mol.Pharm.3:472-487)、およびポリアミドアミン(Tomalia,DA.,et al(2007)Biochem.Soc.Trans.35:61-67;Yoo,H.,et al(1999)Pharm.Res.16:1799-1804)が挙げられる。いくつかの実施形態では、全身投与のために、iRNAはシクロデキストリンと複合体を形成する。iRNAおよびシクロデキストリンの投与方法および医薬組成物は、その内容全体を参照によって本明細書に援用する米国特許第7,427,605号明細書にある。
A.本発明のiRNAをコードするベクター
APOC3遺伝子標的化iRNAは、DNAまたはRNAベクターに挿入された転写単位から発現され得る(例えばCouture,A,et al.,TIG.(1996),12:5-10;Skillern,A.,et al.国際公開第00/22113号パンフレット;Conrad、国際公開第00/22114号パンフレット;およびConrad、米国特許第6,054,299号明細書を参照されたい)。発現は、使用される特定のコンストラクトおよび標的組織または細胞型次第で、一過性(数時間から数週間程度)または持続性(数週間から数ヶ月以上)であり得る。これらの導入遺伝子は、組み込み型または非組み込み型ベクターであり得る、直鎖コンストラクト、環状プラスミド、またはウイルスベクターとして導入し得る。導入遺伝子はまた、それが染色体外プラスミドとして遺伝するのを可能にするよう構築し得る(Gassmann,et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1995)92:1292)。
個々のiRNA鎖または鎖群は、発現ベクター上のプロモータから転写され得る。2つの別個の鎖を発現させて、例えばdsRNAを生成させる場合、(例えば形質移入または感染によって)2つの別個の発現ベクターを標的細胞に同時導入し得る。代案としては、そのどちらも同一発現プラスミド上に位置するプロモータによって、dsRNAの個々の鎖を転写し得る。一実施形態では、dsRNAは、dsRNAがステムループ構造を有するように、リンカーポリヌクレオチド配列によって連結する逆位反復ポリヌクレオチドとして発現される。
iRNA発現ベクターは、一般にDNAプラスミドまたはウイルスベクターである。真核生物細胞に適合し、好ましくは脊椎動物細胞に適合する発現ベクターを使用して、本明細書に記載されるiRNA発現のための組換えコンストラクトを生成し得る。真核細胞発現ベクターは当該技術分野で周知であり、いくつかの商業的供給元から入手できる。典型的にこのようなベクターは、所望の核酸断片を挿入するための都合良い制限酵素認識部位を含有させて、提供される。iRNA発現ベクターの送達は、静脈内または筋肉内投与などによる全身投与、患者から外植された標的細胞への投与とそれに続く患者への再導入、または所望の標的細胞に導入できるようにするあらゆる別の手段などであり得る。
iRNA発現プラスミドは、カチオン性脂質担体(例えばオリゴフェクトアミン)または非カチオン性脂質ベースの担体(例えばTransit-TKO(商標))との複合体として、標的細胞に形質移入し得る。1週間以上の期間にわたって標的RNAの異なる領域を標的化する、iRNA媒介ノックダウンのための複数脂質形質移入もまた、本発明により検討される。ベクターの宿主細胞への成功裏の導入は、様々な既知の方法を使用してモニタし得る。例えば一過性形質移入は、緑色蛍光タンパク質(GFP)などの蛍光性マーカなど、レポーターによって示し得る。生体外における細胞への安定した形質移入は、形質移入細胞に、ハイグロマイシンB耐性などの特定環境要素(例えば抗生物質および薬剤)耐性を提供するマーカを使用して、確実にし得る。
本明細書に記載される方法および組成物と共に利用し得るウイルスベクターシステムとしては、(a)アデノウイルスベクター;(b)レンチウイルスベクター、モロニーマウス白血病ウイルスなどをはじめとするが、これに限定されるものではないレトロウイルスベクター;(c)アデノ随伴ウイルスベクター;(d)単純ヘルペスウイルスベクター;(e)SV40ベクター;(f)ポリオーマウイルスベクター;(g)乳頭腫ウイルスベクター;(h)ピコルナウィルスベクター;(i)例えばワクシニアウイルスベクターなどのオルソポックス、または例えばカナリア痘または鶏痘などのアビポックスなどのポックスウイルスベクター;および(j)ヘルパー依存性またはガットレスアデノウイルスが挙げられるが、これに限定されるものではない。複製欠陥ウイルスもまた、有利であり得る。異なるベクターは、細胞のゲノムに組み込まれ、または組み込まれない。コンストラクトは、所望ならば、形質移入のためのウイルス配列を含み得る。代案としては、コンストラクトは、例えばEPVおよびEBVベクターなどのエピソーム複製ができるベクターに組み込まれ得る。iRNAの組換え発現のためのコンストラクトは、一般に、標的細胞中のiRNA発現を確実にするための、例えばプロモータ、エンハンサーなどの調節因子を必要とする。ベクターおよびコンストラクトについて検討されるその他の態様は、以下にさらに詳しく記載する。
iRNAを送達するのに有用なベクターは、所望の標的細胞または組織中のiRNAの発現に十分な調節因子(プロモータ、エンハンサーなど)を含む。調節因子は、構成的または調節/誘導性発現のいずれかを提供するように選択し得る。
iRNAの発現は、例えば循環グルコースレベル、またはホルモンなどの特定の生理学的制御因子に感受性の誘導性制御配列を使用して、正確に調節し得る(Docherty et al.,1994,FASEB J.8:20-24)。細胞または哺乳類におけるdsRNA発現の制御に適するこのような誘導性発現系としては、例えばエクジソン、エストロゲン、プロゲステロン、テトラサイクリン、二量体化の化学誘導物質、およびイソプロピル-β-D1-チオガラクトピラノシド(IPTG)による調節が挙げられる。当業者は、iRNA導入遺伝子の意図される用途に基づいて、適切な調節/プロモータ配列を選択できる。
iRNAをコードする核酸配列を含有するウイルスベクターを使用し得る。例えばレトロウイルスベクターを使用し得る(Miller et al.,Meth.Enzymol.217:581-599(1993)を参照されたい)。これらのレトロウイルスベクターは、ウイルスゲノムの正しいパッケージングと宿主細胞DNAへの組み込みに必要な成分を含有する。iRNAをコードする核酸配列は、患者への核酸の送達を容易にする、1つまたは複数のベクターにクローン化される。レトロウイルスベクターに関してより詳しくは、例えば化学療法により高い耐性を示す幹細胞を生成するために、mdr1遺伝子を造血幹細胞に送達するレトロウイルスベクターの使用を記載する、Boesen et al.,Biotherapy 6:291-302(1994)にある。遺伝子療法におけるレトロウイルスベクターの使用を例証するその他の参考文献は、Clowes et al.,J.Clin.Invest.93:644-651(1994);Kiem et al.,Blood 83:1467-1473(1994);Salmons and Gunzberg,Human Gene Therapy 4:129-141(1993);およびGrossman and Wilson,Curr.Opin.in Genetics and Devel.3:110-114(1993)である。使用が検討されるレンチウイルスベクターとしては、例えば参照によって本明細書に援用する、米国特許第6,143,520号明細書;米国特許第5,665,557号明細書;および米国特許第5,981,276号明細書に記載されるHIVベースのベクターが挙げられる。
アデノウイルもまた、本発明のiRNAの送達で使用するために検討される。アデノウイルは、例えば気道上皮に遺伝子を送達するために、特に魅力的なビヒクルである。アデノウイルは気道上皮に天然で感染して、軽症の疾患を引き起こす。アデノウイルスベースの送達系その他の標的は、肝臓、中枢神経系、内皮細胞、および筋肉である。アデノウイルは、非分裂細胞に感染できる利点を有する。Kozarsky and Wilson,Current Opinion in Genetics and Development 3:499-503(1993)は、アデノウイルスベースの遺伝子療法のレビューを提示する。Bout et al.,Human Gene Therapy 5:3-10(1994)は、遺伝子をアカゲザルの気道上皮に移入するための、アデノウイルスベクターの使用を実証した。遺伝子療法におけるアデノウイルの使用のその他の事例は、Rosenfeld et al.,Science 252:431-434(1991);Rosenfeld et al.,Cell 68:143-155(1992);Mastrangeli et al.,J.Clin.Invest.91:225-234(1993);国際公開第94/12649号パンフレット;およびWang,et al.,Gene Therapy 2:775-783(1995)にある。本発明で取り上げるiRNAを発現するための適切なAVベクター、組換えAVベクターを構築する方法、およびベクターを標的細胞に送達する方法は、Xia H et al.(2002),Nat.Biotech.20:1006-1010に記載される。
アデノ随伴ウイルス(AAV:Adeno-associated virus)ベクターもまた、本発明のiRNAを送達するために使用され得る(Walsh et al.,Proc.Soc.Exp.Biol.Med.204:289-300(1993);米国特許第5,436,146号明細書)。一実施形態では、iRNAは、例えば、U6またはH1 RNAプロモータ、またはサイトメガロウイルス(CMV)プロモータのいずれかを有する、組換えAAVベクターからの2つの別個の相補的一本鎖RNA分子として発現され得る。本発明で取り上げるdsRNAを発現するのに適切なAAVベクター、組換えAVベクターを構築する方法、およびベクターを標的細胞に送達する方法は、その開示全体を参照によって本明細書に援用する、Samulski R et al.(1987),J.Virol.61:3096-3101;Fisher K J et al.(1996),J.Virol,70:520-532;Samulski R et al.(1989),J.Virol.63:3822-3826;米国特許第5,252,479号明細書;米国特許第5,139,941号明細書;国際公開第94/13788号パンフレット;および国際公開第93/24641号パンフレットに記載される。
本発明のiRNAを送達するのに好適な別のウイルスベクターは、例えば、修飾ウイルスアンカラ(MVA)またはNYVACなどの弱毒化ワクシニアなどのワクシニアウイルス、鶏痘またはカナリア痘などのアビポックスなどのポックスウイルスである。
ウイルスベクターの親和性は、必要に応じて、その他のウイルスからの外被タンパク質またはその他の表面抗原でベクターをシュードタイピングすることで、または異なるウイルスからのカプシドタンパク質で置換することで、修飾し得る。例えば水疱性口内炎ウイルス(VSV:vesicular stomatitis virus)、狂犬病、エボラ、モコラなどからの表面タンパク質によって、レンチウイルスベクターをシュードタイピングし得る。AAVベクターは、ベクターを遺伝子操作して、異なるカプシドタンパク質血清型を発現させることで、異なる細胞を標的化するようにできる;例えばその開示全体を参照によって本明細書に援用する、Rabinowitz J E et al.(2002),J Virol 76:791-801を参照されたい。
ベクターの医薬品は、許容される希釈剤中のベクターを含み得て、またはその中に遺伝子送達ビヒクルが包埋される徐放マトリックスを含み得る。代案としては、例えばレトロウイルスベクターなどの完全な遺伝子送達ベクターが、組換え細胞から無傷で生成され得る場合、医薬品は遺伝子送達系を生成する1つまたは複数の細胞を含み得る。
VI.本発明の医薬組成物
本発明はまた、本発明のiRNAを含む医薬組成物および製剤も含む。一実施形態において、本明細書には、本明細書に記載されるとおりのiRNAと、薬学的に許容可能な担体とを含有する医薬組成物が提供される。iRNAを含有する医薬組成物は、APOC3遺伝子の発現または活性に関連する疾患または障害の治療に有用である。かかる医薬組成物は送達方法に基づき製剤化される。一例は、例えば皮下(SC)または静脈内(IV)送達による、非経口送達を介した全身投与用に製剤化される組成物である。別の例は、例えば連続ポンプ注入によるなどの脳への注入による、脳実質への直接送達用に製剤化される組成物である。本発明の医薬組成物は、APOC3遺伝子の発現を阻害するのに十分な投薬量で投与され得る。一般に、本発明のiRNAの好適な用量は、レシピエントの体重1キログラム当たり1日約0.001~約200.0ミリグラムの範囲、概して体重1キログラム当たり1日約1~50mgの範囲となり得る。例えば、dsRNAは、単回用量当たり約0.01mg/kg、約0.05mg/kg、約0.5mg/kg、約1mg/kg、約1.5mg/kg、約2mg/kg、約2.5mg/kg、約3mg/kg、約3.5mg/kg、約4mg/kg、約4.5mg/kg、約5mg/kg、約10mg/kg、約20mg/kg、約30mg/kg、約40mg/kg、または約50mg/kgで投与することができる。
例えば、dsRNAは、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、または約10mg/kgの用量で投与してもよい。列挙された値の中間の値および範囲もまた、本発明の一部であることが意図される。
別の実施形態では、dsRNAは、約0.1~約50mg/kg、約0.25~約50mg/kg、約0.5~約50mg/kg、約0.75~約50mg/kg、約1~約50mg/kg、約1.5~約50mg/kg、約2~約50mg/kg、約2.5~約50mg/kg、約3~約50mg/kg、約3.5~約50mg/kg、約4~約50mg/kg、約4.5~約50mg/kg、約5~約50mg/kg、約7.5~約50mg/kg、約10~約50mg/kg、約15~約50mg/kg、約20~約50mg/kg、約20~約50mg/kg、約25~約50mg/kg、約25~約50mg/kg、約30~約50mg/kg、約35~約50mg/kg、約40~約50mg/kg、約45~約50mg/kg、約0.1~約45mg/kg、約0.25~約45mg/kg、約0.5~約45mg/kg、約0.75~約45mg/kg、約1~約45mg/kg、約1.5~約45mg/kg、約2~約45mg/kg、約2.5~約45mg/kg、約3~約45mg/kg、約3.5~約45mg/kg、約4~約45mg/kg、約4.5~約45mg/kg、約5~約45mg/kg、約7.5~約45mg/kg、約10~約45mg/kg、約15~約45mg/kg、約20~約45mg/kg、約20~約45mg/kg、約25~約45mg/kg、約25~約45mg/kg、約30~約45mg/kg、約35~約45mg/kg、約40~約45mg/kg、約0.1~約40mg/kg、約0.25~約40mg/kg、約0.5~約40mg/kg、約0.75~約40mg/kg、約1~約40mg/kg、約1.5~約40mg/kg、約2~約40mg/kg、約2.5~約40mg/kg、約3~約40mg/kg、約3.5~約40mg/kg、約4~約40mg/kg、約4.5~約40mg/kg、約5~約40mg/kg、約7.5~約40mg/kg、約10~約40mg/kg、約15~約40mg/kg、約20~約40mg/kg、約20~約40mg/kg、約25~約40mg/kg、約25~約40mg/kg、約30~約40mg/kg、約35~約40mg/kg、約0.1~約30mg/kg、約0.25~約30mg/kg、約0.5~約30mg/kg、約0.75~約30mg/kg、約1~約30mg/kg、約1.5~約30mg/kg、約2~約30mg/kg、約2.5~約30mg/kg、約3~約30mg/kg、約3.5~約30mg/kg、約4~約30mg/kg、約4.5~約30mg/kg、約5~約30mg/kg、約7.5~約30mg/kg、約10~約30mg/kg、約15~約30mg/kg、約20~約30mg/kg、約20~約30mg/kg、約25~約30mg/kg、約0.1~約20mg/kg、約0.25~約20mg/kg、約0.5~約20mg/kg、約0.75~約20mg/kg、約1~約20mg/kg、約1.5~約20mg/kg、約2~約20mg/kg、約2.5~約20mg/kg、約3~約20mg/kg、約3.5~約20mg/kg、約4~約20mg/kg、約4.5~約20mg/kg、約5~約20mg/kg、約7.5~約20mg/kg、約10~約20mg/kg、または約15~約20mg/kgの用量で投与される。列挙された値の中間の値および範囲もまた、本発明の一部であることが意図される。
例えば、dsRNAは、約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、または約10mg/kgの用量で投与され得る。列挙された値の中間の値および範囲もまた、本発明の一部であることが意図される。
別の実施形態では、dsRNAは、約0.5~約50mg/kg、約0.75~約50mg/kg、約1~約50mg/kg、約1.5~約50mg/kg、約2~約50mg/kg、約2.5~約50mg/kg、約3~約50mg/kg、約3.5~約50mg/kg、約4~約50mg/kg、約4.5~約50mg/kg、約5~約50mg/kg、約7.5~約50mg/kg、約10~約50mg/kg、約15~約50mg/kg、約20~約50mg/kg、約20~約50mg/kg、約25~約50mg/kg、約25~約50mg/kg、約30~約50mg/kg、約35~約50mg/kg、約40~約50mg/kg、約45~約50mg/kg、約0.5~約45mg/kg、約0.75~約45mg/kg、約1~約45mg/kg、約1.5~約45mg/kg、約2~約45mg/kg、約2.5~約45mg/kg、約3~約45mg/kg、約3.5~約45mg/kg、約4~約45mg/kg、約4.5~約45mg/kg、約5~約45mg/kg、約7.5~約45mg/kg、約10~約45mg/kg、約15~約45mg/kg、約20~約45mg/kg、約20~約45mg/kg、約25~約45mg/kg、約25~約45mg/kg、約30~約45mg/kg、約35~約45mg/kg、約40~約45mg/kg、約0.5~約40mg/kg、約0.75~約40mg/kg、約1~約40mg/kg、約1.5~約40mg/kg、約2~約40mg/kg、約2.5~約40mg/kg、約3~約40mg/kg、約3.5~約40mg/kg、約4~約40mg/kg、約4.5~約40mg/kg、約5~約40mg/kg、約7.5~約40mg/kg、約10~約40mg/kg、約15~約40mg/kg、約20~約40mg/kg、約20~約40mg/kg、約25~約40mg/kg、約25~約40mg/kg、約30~約40mg/kg、約35~約40mg/kg、約0.5~約30mg/kg、約0.75~約30mg/kg、約1~約30mg/kg、約1.5~約30mg/kg、約2~約30mg/kg、約2.5~約30mg/kg、約3~約30mg/kg、約3.5~約30mg/kg、約4~約30mg/kg、約4.5~約30mg/kg、約5~約30mg/kg、約7.5~約30mg/kg、約10~約30mg/kg、約15~約30mg/kg、約20~約30mg/kg、約20~約30mg/kg、約25~約30mg/kg、約0.5~約20mg/kg、約0.75~約20mg/kg、約1~約20mg/kg、約1.5~約20mg/kg、約2~約20mg/kg、約2.5~約20mg/kg、約3~約20mg/kg、約3.5~約20mg/kg、約4~約20mg/kg、約4.5~約20mg/kg、約5~約20mg/kg、約7.5~約20mg/kg、約10~約20mg/kg、または約15~約20mg/kgの用量で投与される。一実施形態では、dsRNAは、約10mg/kg~約30mg/kgの用量で投与される。列挙された値の中間の値および範囲もまた、本発明の一部であることが意図される。
例えば、対象には、約0.1、0.125、0.15、0.175、0.2、0.225、0.25、0.275、0.3、0.325、0.35、0.375、0.4、0.425、0.45、0.475、0.5、0.525、0.55、0.575、0.6、0.625、0.65、0.675、0.7、0.725、0.75、0.775、0.8、0.825、0.85、0.875、0.9、0.925、0.95、0.975、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、31、32、33、34、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または約50mg/kgなど、単回治療量のiRNAが、例えば皮下または静脈内投与され得る。列挙された値の中間の値および範囲もまた、本発明の一部であることが意図される。
一部の実施形態において、対象には、用量約0.1、0.125、0.15、0.175、0.2、0.225、0.25、0.275、0.3、0.325、0.35、0.375、0.4、0.425、0.45、0.475、0.5、0.525、0.55、0.575、0.6、0.625、0.65、0.675、0.7、0.725、0.75、0.775、0.8、0.825、0.85、0.875、0.9、0.925、0.95、0.975、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、31、32、33、34、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または約50mg/kgなど、治療量のiRNAの複数用量が、例えば皮下または静脈内投与される。複数用量レジメン(regimine)は、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、またはそれ以上にわたるなどの、治療量のiRNAの毎日の投与を含み得る。
他の実施形態において、対象には、用量約0.1、0.125、0.15、0.175、0.2、0.225、0.25、0.275、0.3、0.325、0.35、0.375、0.4、0.425、0.45、0.475、0.5、0.525、0.55、0.575、0.6、0.625、0.65、0.675、0.7、0.725、0.75、0.775、0.8、0.825、0.85、0.875、0.9、0.925、0.95、0.975、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、31、32、33、34、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または約50mg/kgなど、治療量のiRNAの反復用量が、例えば皮下または静脈内投与される。反復用量レジメン(regimine)は、隔日、3日毎、4日毎、週2回、週1回、隔週、または月1回など、治療量のiRNAの定期的な投与を含み得る。
特定の実施形態において、例えば、本発明の組成物が本明細書に記載されるとおりのdsRNAと脂質とを含む場合、対象には、約0.01mg/kg~約5mg/kg、約0.01mg/kg~約10mg/kg、約0.05mg/kg~約5mg/kg、約0.05mg/kg~約10mg/kg、約0.1mg/kg~約5mg/kg、約0.1mg/kg~約10mg/kg、約0.2mg/kg~約5mg/kg、約0.2mg/kg~約10mg/kg、約0.3mg/kg~約5mg/kg、約0.3mg/kg~約10mg/kg、約0.4mg/kg~約5mg/kg、約0.4mg/kg~約10mg/kg、約0.5mg/kg~約5mg/kg、約0.5mg/kg~約10mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、約1mg/kg~約10mg/kg、約1.5mg/kg~約5mg/kg、約1.5mg/kg~約10mg/kg、約2mg/kg~約2.5mg/kg、約2mg/kg~約10mg/kg、約3mg/kg~約5mg/kg、約3mg/kg~約10mg/kg、約3.5mg/kg~約5mg/kg、約4mg/kg~約5mg/kg、約4.5mg/kg~約5mg/kg、約4mg/kg~約10mg/kg、約4.5mg/kg~約10mg/kg、約5mg/kg~約10mg/kg、約5.5mg/kg~約10mg/kg、約6mg/kg~約10mg/kg、約6.5mg/kg~約10mg/kg、約7mg/kg~約10mg/kg、約7.5mg/kg~約10mg/kg、約8mg/kg~約10mg/kg、約8.5mg/kg~約10mg/kg、約9mg/kg~約10mg/kg、または約9.5mg/kg~約10mg/kgなど、治療量のiRNAが投与され得る。列挙された値の中間の値および範囲もまた、本発明の一部であることが意図される。
例えば、dsRNAは、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、または約10mg/kgの用量で投与されてもよい。列挙された値の中間の値および範囲もまた、本発明の一部であることが意図される。
本発明の特定の実施形態において、例えば、二本鎖RNAi剤が修飾(例えば、3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾の1つ以上のモチーフ)、例えば、薬剤の切断部位またはその近傍にある1つのかかるモチーフ、6つのホスホロチオエート結合、およびリガンドを含む場合、かかる薬剤は、約0.01~約0.5mg/kg、約0.01~約0.4mg/kg、約0.01~約0.3mg/kg、約0.01~約0.2mg/kg、約0.01~約0.1mg/kg、約0.01mg/kg~約0.09mg/kg、約0.01mg/kg~約0.08mg/kg、約0.01mg/kg~約0.07mg/kg、約0.01mg/kg~約0.06mg/kg、約0.01mg/kg~約0.05mg/kg、約0.02~約0.5mg/kg、約0.02~約0.4mg/kg、約0.02~約0.3mg/kg、約0.02~約0.2mg/kg、約0.02~約0.1mg/kg、約0.02mg/kg~約0.09mg/kg、約0.02mg/kg~約0.08mg/kg、約0.02mg/kg~約0.07mg/kg、約0.02mg/kg~約0.06mg/kg、約0.02mg/kg~約0.05mg/kg、約0.03~約0.5mg/kg、約0.03~約0.4mg/kg、約0.03~約0.3mg/kg、約0.03~約0.2mg/kg、約0.03~約0.1mg/kg、約0.03mg/kg~約0.09mg/kg、約0.03mg/kg~約0.08mg/kg、約0.03mg/kg~約0.07mg/kg、約0.03mg/kg~約0.06mg/kg、約0.03mg/kg~約0.05mg/kg、約0.04~約0.5mg/kg、約0.04~約0.4mg/kg、約0.04~約0.3mg/kg、約0.04~約0.2mg/kg、約0.04~約0.1mg/kg、約0.04mg/kg~約0.09mg/kg、約0.04mg/kg~約0.08mg/kg、約0.04mg/kg~約0.07mg/kg、約0.04mg/kg~約0.06mg/kg、約0.05~約0.5mg/kg、約0.05~約0.4mg/kg、約0.05~約0.3mg/kg、約0.05~約0.2mg/kg、約0.05~約0.1mg/kg、約0.05mg/kg~約0.09mg/kg、約0.05mg/kg~約0.08mg/kg、または約0.05mg/kg~約0.07mg/kgの用量で投与される。前述の列挙された値の中間の値および範囲もまた本発明の一部であることが意図され、例えば、RNAi剤は、約0.015mg/kg~約0.45mg/kgの用量で対象に投与され得る。
例えば、RNAi剤、例えば、医薬組成物中のRNAi剤は、約0.01mg/kg、0.0125mg/kg、0.015mg/kg、0.0175mg/kg、0.02mg/kg、0.0225mg/kg、0.025mg/kg、0.0275mg/kg、0.03mg/kg、0.0325mg/kg、0.035mg/kg、0.0375mg/kg、0.04mg/kg、0.0425mg/kg、0.045mg/kg、0.0475mg/kg、0.05mg/kg、0.0525mg/kg、0.055mg/kg、0.0575mg/kg、0.06mg/kg、0.0625mg/kg、0.065mg/kg、0.0675mg/kg、0.07mg/kg、0.0725mg/kg、0.075mg/kg、0.0775mg/kg、0.08mg/kg、0.0825mg/kg、0.085mg/kg、0.0875mg/kg、0.09mg/kg、0.0925mg/kg、0.095mg/kg、0.0975mg/kg、0.1mg/kg、0.125mg/kg、0.15mg/kg、0.175mg/kg、0.2mg/kg、0.225mg/kg、0.25mg/kg、0.275mg/kg、0.3mg/kg、0.325mg/kg、0.35mg/kg、0.375mg/kg、0.4mg/kg、0.425mg/kg、0.45mg/kg、0.475mg/kg、または約0.5mg/kgの用量で投与され得る。前述の列挙された値の中間の値もまた、本発明の一部であることが意図される。
医薬組成物は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、および21、22、23、24、または約25分の時間にわたるなど、所定の時間にわたる静脈内注入によって投与することができる。投与は、例えば、1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月、4ヵ月またはそれ以上にわたって毎週、隔週(すなわち2週間毎)など、定期的に繰り返されてもよい。初期治療レジメンの後、治療はより低頻度で投与することができる。例えば、3ヵ月間にわたる毎週または隔週の投与後、投与は月1回、6ヵ月間または1年間またはそれ以上にわたって繰り返すことができる。
医薬組成物は、毎日1回投与し得て、またはiRNAは、一日を通して適切な間隔で、2、3回以上の部分用量として投与し得て、または持続注入または放出制御製剤を通じた送達さえも使用して、投与し得る。その場合、各部分用量に含有されるiRNAは、1日あたり総用量を達成するために、対応してより少量でなくてはならない。投薬単位はまた、例えば数日間にわたってiRNAの徐放を提供する、従来型の徐放性製剤を使用して、数日間にわたる送達のために配合し得る。徐放性製剤は当該技術分野で周知であり、特に、本発明の作用物質で使用し得る、特定部位への作用物質送達のために有用である。この実施形態では、投薬単位は、相当する複数の1日量を含有する。
別の実施形態では、医薬組成物の単回投与は、引き続く用量が、3、4、または5日間以下の間隔で、または1、2、3、または4週間以下の間隔で投与されるように、長期にわたり得る。本発明のいくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物の単回投与は、週1回投与される。本発明の別の実施形態では、本発明の医薬組成物の単回投与は、月2回投与される。
当業者は、疾患または障害の重症度、以前の治療、対象の総体的な健康および/または年齢、および存在するその他の疾患をはじめとするが、これに限定されるものではない、特定の要因が、対象を効果的に治療するのに要求される用量およびタイミングに影響し得ることを理解するであろう。さらに治療有効量の組成物による対象の治療は、単回治療または一連の治療を含み得る。本発明に包含される個々のiRNAの有効投与量および生体内半減期は、本明細書の他の箇所で記載されるように、従来の手順を使用して、または適切な動物モデルを使用した生体内試験に基づいて、推定し得る。
本発明の医薬組成物は、局所性または全身性の治療が所望されるかどうかに応じて、そして治療領域次第で、いくつかの方法で投与し得る。投与は、局所(例えば経皮パッチによる)、例えばネブライザーをはじめとする、粉末または煙霧剤の吸入または吹送による経肺;気管内、鼻腔内、経表皮および経皮、経口または非経口であってもよい。非経口投与としては、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内または筋肉内注射または点滴;例えば埋め込みデバイスを通じた真皮下投与;または例えば脳実質内、クモ膜下腔内または脳室内などの頭蓋内投与が挙げられる。
iRNAは、肝臓(例えば肝臓の実質細胞)などの特定組織を標的化する様式で、送達され得る。
局所投与のための医薬組成物および製剤としては、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、坐薬、スプレー、液体、および粉末が挙げられる。従来の薬学的担体、水性、粉末または油性基剤、増粘剤などが、必要でありまたは望ましい可能性もある。被覆コンドーム、手袋などもまた、有用であり得る。適切な局所製剤としては、その中で、本発明で取り上げるiRNAが、脂質、リポソーム、脂肪酸、脂肪酸エステル、ステロイド、キレート化作用物質、および界面活性剤などの局所送達作用物質との混和材料中にあるものが挙げられる。適切な脂質およびリポソームとしては、中性(例えばジオレオイルホスファチジルDOPEエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルコリンDMPC、ジステアロイルホスファチジル(distearolyphosphatidyl)コリン)、陰性(例えばジミリストイルホスファチジルグリセロールDMPG)およびカチオン性(例えばジオレオイルテトラメチルアミノプロピルDOTAPおよびジオレオイルホスファチジルエタノールアミンDOTMA)が挙げられる。本発明で取り上げるiRNAは、リポソーム内にカプセル化されることができ、またはそれと、特にカチオン性リポソームと、複合体形成することができる。代案としては、iRNAは、脂質、特にカチオン性脂質と複合体形成することができる。適切な脂肪酸およびエステルとしては、アラキドン酸、オレイン酸、エイコサン酸、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプレート、トリカプレート、モノオレイン、ジラウリン、グリセリル1-モノカプレート、1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン、アシルカルニチン、アシルコリン、またはC1~20アルキルエステル(例えばイソプロピルミリスチン酸IPM)、モノグリセリド、ジグリセリド、または薬学的に許容可能なその塩)が挙げられるが、これに限定されるものではない。局所製剤は、参照によって本明細書に援用する、米国特許第6,747,014号明細書に詳述される。
A.膜様分子アセンブリーを含むiRNA製剤
本発明の組成物および方法で使用されるiRNAは、例えばリポソームまたはミセルなどの膜様分子アセンブリー内の送達のために調合し得る。本明細書の用法では、「リポソーム」という用語は、例えば1つの二重層または複数の二重層などの、少なくとも1つの二重層に配列された両親媒性脂質から構成される小胞を指す。リポソームは、親油性材料と水性内部から形成される膜を有する、単層のまたは多重膜小胞を含む。水性部分は、iRNA組成物を含有する。親油性材料は、水性内部を水性外部から隔離し、水性外部は、典型的にiRNA組成物を含まないが、場合によっては含んでもよい。リポソームは、活性成分の作用部位への移行と送達のために有用である。リポソーム膜は生体膜と構造的に類似するので、リポソームを組織に適用すると、リポソーム性二重層は細胞膜の二重層と融合する。リポソームと細胞の融合が進行するにつれて、iRNAを含む内部水性内容物が細胞内に送達され、そこではiRNAが標的RNAに特異的に結合し得て、iRNAを媒介し得る。場合によっては、リポソームもまた特異的に標的化され、例えばiRNAを特定の細胞型に誘導する。
iRNA剤を含有するリポソームは、多様な方法によって調製し得る。一例では、リポソームの脂質成分は、脂質成分なしでミセルが形成されるように、洗剤に溶解される。例えば脂質成分は、両親媒性カチオン性脂質または脂質複合体であり得る。洗剤は、高い臨界ミセル濃度を有し得て、非イオン性であってもよい。例示的な洗剤としては、コール酸、CHAPS、オクチルグルコシド、デオキシコール酸、およびラウロイルサルコシンが挙げられる。次にiRNA剤調製物は、脂質成分を含むミセルに添加される。脂質上のカチオン基はiRNA剤と相互作用して、iRNA剤周囲で凝縮してリポソームを形成する。凝縮後、例えば透析によって洗剤を除去し、iRNA剤のリポソーム調製物を得る。
必要ならば、例えば凝縮を助ける担体化合物を、制御された添加によって縮合反応中に添加し得る。例えば担体化合物は、核酸以外のポリマー(例えばスペルミンまたはスペルミジン)であり得る。pHもまた調節して、凝縮を支援し得る。
送達ビヒクルの構造的構成要素としてポリヌクレオチド/カチオン性脂質複合体を組み込む、安定したポリヌクレオチド送達ビヒクルを生成する方法は、例えばその内容全体を参照によって本明細書に援用する、国際公開第96/37194号パンフレットにさらに記載される。リポソーム形成は、Felgner,P.L.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 8:7413-7417,1987;米国特許第4,897,355号明細書;米国特許第5,171,678号明細書;Bangham,et al.M.Mol.Biol.23:238,1965;Olson,et al.Biochim.Biophys.Acta 557:9,1979;Szoka,et al.Proc.Natl.Acad.Sci.75:4194,1978;Mayhew,et al.Biochim.Biophys.Acta 775:169,1984;Kim,et al.Biochim.Biophys.Acta 728:339,1983;およびFukunaga,et al.Endocrinol.115:757,1984に記載される例示的な方法の1つまたは複数の態様も含み得る。送達ビヒクルとして使用される適切なサイズの脂質凝集体を調製する一般に使用される技術としては、超音波処理、および凍結解凍と押出の組み合わせが挙げられる(例えばMayer,et al.Biochim.Biophys.Acta 858:161,1986を参照されたい)。一貫して小型(50~200nm)で比較的均一な凝集体が所望される場合は、顕微溶液化を使用し得る(Mayhew,et al.Biochim.Biophys.Acta 775:169,1984)。これらの方法は、リポソーム内のRNAi剤調製品の詰め込みに容易に適応される。
リポソームは、2つの大まかなクラスに分類される。カチオン性リポソームは、負に帯電した核酸分子と相互作用して安定した複合体を形成する、正に帯電したリポソームである。正に帯電した核酸/リポソーム複合体は、負に帯電した細胞表面に結合してエンドソーム内部に取り入れられる。エンドソーム内の酸性pHのためにリポソームは破裂して、それらの内容物を細胞質内へ放出する(Wang et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,1987,147,980-985)。
pH感受性または負電荷のリポソームは、核酸と複合体を形成せず、むしろそれを封入する。核酸と脂質は、どちらも同様の荷電を持つため、複合体形成ではなく反発が起きる。それでもなおいくらかの核酸は、これらのリポソームの水性内部に封入される。pH感受性リポソームは、培養中で、チミジンキナーゼ遺伝子をコードする核酸を細胞単層に送達するのに使用されている。外来性遺伝子の発現は、標的細胞内で検出された(Zhou et al.,Journal of Controlled Release,1992,19,269-274)。
1つの主要タイプのリポソーム組成物は、天然由来ホスファチジルコリン以外に、リン脂質を含む。例えば中性リポソーム組成物は、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)またはジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)から形成され得る。アニオン性リポソーム組成物が、一般にジミリストイルホスファチジルグリセロールから形成されるのに対し、アニオン性融合性リポソームは、主にジオレオイルスファチジルエタノールアミン(DOPE)から形成される。別のタイプのリポソーム組成物は、例えばダイズPC、および卵PCなどのホスファチジルコリン(PC)から形成される。別のタイプは、リン脂質および/またはホスファチジルコリンおよび/またはコレステロールの混合物から形成される。
試験管内および生体内でリポソームを細胞内に導入するその他の方法の例としては、米国特許第5,283,185号明細書;米国特許第5,171,678号明細書;国際公開第94/00569号パンフレット;国際公開第93/24640号パンフレット;国際公開第91/16024号パンフレット;Felgner,J.Biol.Chem.269:2550,1994;Nabel,Proc.Natl.Acad.Sci.90:11307,1993;Nabel,Human Gene Ther.3:649,1992;Gershon,Biochem.32:7143,1993;およびStrauss EMBO J.11:417,1992が挙げられる。
非イオン性リポソーム系、特に非イオン性界面活性剤とコレステロールを含む系が研究され、皮膚への薬剤送達におけるそれらの効用が判定されている。Novasome(商標)I(ジラウリン酸グリセリル/コレステロール/ポリオキシエチレン-10-ステアリルエーテル)およびNovasome(商標)II(ジステアリン酸グリセリル/コレステロール/ポリオキシエチレン-10-ステアリルエーテル)を含む非イオン性リポソーム製剤を使用して、マウス皮膚真皮内へシクロスポリンAが送達された。結果は、このような非イオン性リポソーム系が、皮膚の異なる層内へのシクロスポリンAの沈着を容易にする上で、効果的であることを示唆した(Hu et al.S.T.P.Pharma.Sci.,1994,4,6,466)。
リポソームはまた、「立体的安定化」リポソームを含み、この用語は本明細書の用法では、1つまたは複数の特殊化された脂質を含むリポソームを指し、それは、リポソーム中に組み込まれると、このような特殊化された脂質を欠くリポソームと比較して、改善された循環寿命をもたらす。立体的安定化リポソームの例は、その中で、リポソームの小胞形成脂質部分の一部が、(A)モノシアロガングリオシドGM1などの1つまたは複数の糖脂質を含み、または(B)ポリエチレングリコール(PEG)部分などの1つまたは複数の親水性ポリマーで誘導体化されているものである。いかなる特定の理論による拘束も望まないが、当該技術分野では、少なくともガングリオシド、スフィンゴミエリン、またはPEG誘導体化脂質を含有する立体的安定化リポソームでは、これらの立体的安定化リポソームの循環半減期の改善は、細網内皮系(RES:reticuloendothelial system)細胞への取り込み低下に由来するものと考えられる(Allen et al.,FEBS Letters,1987,223,42;Wu et al.,Cancer Research,1993,53,3765)。
1つまたは複数の糖脂質を含む様々なリポソームが、当該技術分野で公知である。Papahadjopoulosら(Ann.N.Y.Acad.Sci.,1987,507,64)は、モノシアロガングリオシドGM1、ガラクトセレブロシドサルフェートおよびホスファチジルイノシトールが、リポソームの血液半減期を改善する能力を報告した。これらの知見は、Gabizonら(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.,1988,85,6949)によって詳しく説明された。どちらもAllenらに付与された、米国特許第4,837,028号明細書および国際公開第88/04924号パンフレットは、(1)スフィンゴミエリンと、(2)ガングリオシドGM1またはガラクトセレブロシド硫酸エステルとを含む、リポソームを開示する。米国特許第5,543,152号明細書(Webbら)は、スフィンゴミエリンを含むリポソームを開示する。1,2-sn-ジミリストイルホスファチジルコリンを含むリポソームは、国際公開第97/13499号パンフレット(Limら)で開示される。
一実施形態では、カチオン性リポソームが使用される。カチオン性リポソームは、細胞膜に融合できる利点を有する。非カチオン性リポソームは、原形質膜と効率的に融合できないが、生体内でマクロファージに取り込まれ、iRNA剤をマクロファージに送達するのに使用され得る。
リポソームのさらなる利点としては、以下が挙げられる。天然リン脂質から得られるリポソームは、生体適合性かつ生分解性であり;リポソームには、幅広い水および脂質可溶性薬剤を組み込み得て;リポソームは、それらの内部区画にカプセル化されたiRNA剤を代謝および分解から保護し得る(Rosoff,“Pharmaceutical Dosage Forms,”Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,volume 1,p.245)。リポソーム製剤の調製における重要な考察は、リポソームの脂質表面電荷、小胞サイズ、および水性容量である。
正に帯電した合成カチオン性脂質であるN-[1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウム塩化物(DOTMA)を使用して、小型リポソームを形成し得て、それは核酸と自然発生的に相互作用して、組織培養細胞の細胞膜の負に帯電した脂質と融合できる脂質-核酸複合体を形成し、iRNA剤送達をもたらす(DOTMAおよびそのDNAとの併用の説明については、例えばFelgner,P.L.et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA 8:7413-7417,1987および米国特許第4,897,355号明細書を参照されたい)。
ADOTMA類似体である1,2-ビス(オレオイルオキシ)-3-(トリメチルアンモニア)プロパン(DOTAP)をリン脂質と組み合わせて使用し、DNA錯化小胞を形成し得る。リポフェクチン(商標)Bethesda Research Laboratories,Gaithersburg,Md.)は、生体組織培養細胞に、高アニオン性核酸を送達するための効果的薬剤であり、それは負に帯電したポリヌクレオチドと自然発生的に相互作用して複合体を形成する、正に帯電したDOTMAリポソームを含む。十分に正に帯電したリポソームを使用すれば、得られる複合体上の正味電荷もまた正である。このようにして調製された正に帯電した複合体は、負に帯電した細胞表面に自然発生的に付着して、原形質膜と融合し、例えば組織培養細胞内に機能性核酸を効率的に送達する。別の市販のカチオン性脂質、1,2-ビス(オレオイルオキシ)-3,3-(トリメチルアンモニア)プロパン(「DOTAP」)(Boehringer Mannheim,Indianapolis,Indiana)は、オレオイル部分がエーテル結合でなくエステルによって結合することで、DOTMAと異なる。
その他の報告されたカチオン性脂質化合物としては、2つの脂質タイプの1つと共役するカルボキシスペルミンをはじめとする、多様な部分と共役しているものが挙げられ、例えば、5-カルボキシスペルミルグリシンジオクタオレオイルアミド(「DOGS」)(Transfectam(商標),Promega,Madison,Wisconsin)およびジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン5-カルボキシスペルミル-アミド(「DPPES」)などの化合物が挙げられる(例えば米国特許第5,171,678号明細書を参照されたい)。
別のカチオン性脂質複合体は、DOPEと組み合わされてリポソームに調合されているコレステロール(「DC-Chol」)による、脂質の誘導体化を含む(Gao,X.and Huang,L.,Biochim.Biophys.Res.Commun.179:280,1991を参照されたい)。ポリリジンをDOPEに共役させて生成されるリポポリリジンが、血清存在下における形質移入に効果的であると報告されている(Zhou,X.et al.,Biochim.Biophys.Acta 1065:8,1991)。特定の細胞系では、共役するカチオン性脂質を含有するこれらのリポソームは、DOTMA含有組成物より低い毒性を示し、より効率的な形質移入を提供すると言われている。その他の市販のカチオン性脂質製品としては、DMRIEおよびDMRIE-HP(Vical,La Jolla,California)、およびリポフェクタミン(DOSPA)(Life Technology,Inc.,Gaithersburg,Maryland)が挙げられる。オリゴヌクレオチドの送達に適したその他のカチオン性脂質は、国際公開第98/39359号パンフレットおよび国際公開第96/37194号パンフレットに記載される。
リポソーム製剤は局所投与に特に適しており、リポソームはその他の製剤に優るいくつかの利点を示す。このような利点としては、投与薬剤の高い全身性吸収に関連した副作用の低下、所望標的における投与薬剤の蓄積増大、およびiRNA剤を皮膚内に投与する能力が挙げられる。いくつかの実装では、リポソームは、iRNA剤を表皮細胞に送達するのに、また例えば皮膚内などの皮膚組織内へのiRNA剤の浸透を高めるのに使用される。例えばリポソームは、局所的に塗布し得る。リポソームとして調合された治療薬の皮膚への局所送達が、実証されている(例えば、Weiner et al.,Journal of Drug Targeting,1992,vol.2,405-410およびdu Plessis et al.,Antiviral Research,18,1992,259-265;Mannino,R.J.and Fould-Fogerite,S.,Biotechniques 6:682-690,1988;Itani,T.et al.Gene 56:267-276.1987;Nicolau,C.et al.Meth.Enz.149:157-176,1987;Straubinger,R.M.and Papahadjopoulos,D.Meth.Enz.101:512-527,1983;Wang,C.Y.and Huang,L.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:7851-7855,1987を参照されたい)。
非イオン性リポソームシステム、特に非イオン性界面活性剤とコレステロールを含むシステムが研究され、皮膚への薬剤送達におけるそれらの効用が判定されている。Novasome I(ジラウリン酸グリセリル/コレステロール/ポリオキシエチレン-10-ステアリルエーテル)およびNovasome II(ジステアリン酸グリセリル/コレステロール/ポリオキシエチレン-10-ステアリルエーテル)を含む非イオン性リポソーム製剤が、マウスの皮膚の真皮内に薬剤を送達するのに使用された。iRNA剤を含むこのような製剤は、皮膚疾患を治療するのに有用である。
iRNAを含むリポソームは、高度に変形可能にし得る。このような変形能は、リポソームの平均半径よりも小さい孔を通り抜けて、リポソームが浸透できるようにし得る。例えばトランスファーソームは、変形可能なリポソームの一種である。トランスファーソーム(Transferosomes)は、通常は界面活性剤である表面エッジ活性化剤を、標準リポソーム組成物に添加して、作成し得る。iRNA剤を含むトランスファーソームは、皮膚内のケラチノサイトにiRNA剤を送達するために、例えば感染によって皮下送達し得る。無傷の哺乳類皮膚を越えるために、脂質小胞は、適切な経皮勾配の影響下で、それぞれ直径が50nm未満の一連の細孔を通過しなくてはならない。さらに脂質特性のために、これらのトランスファーソーム(Transferosomes)は、自己最適化し(例えば皮膚孔の形状に適応する)、自己修復し得て、断片化することなく頻繁にそれらの標的に到達し得て、自己装填することが多い。
本発明を適用できるその他の製剤は、2008年1月2日に出願された米国仮特許出願第61/018,616号明細書;2008年1月2日に出願された米国仮特許出願第61/018,611号明細書;2008年3月26日に出願された米国仮特許出願第61/039,748号明細書;2008年4月22日に出願された米国仮特許出願第61/047,087号明細書、および2008年5月8日に出願された米国仮特許出願第61/051,528号明細書に記載される。2007年10月3日に出願されたPCT出願PCT/US2007/080331号明細書もまた、本発明を適用できる製剤を記載する。
トランスファーソームはなおも別のタイプのリポソームであり、薬物送達ビヒクルのための魅力的な候補である、高度に変形可能な脂質凝集体である。トランスファーソームは、非常に高度に変形可能であるために、小滴よりも小さい孔を通じて容易に浸透できる脂肪滴と説明され得る。トランスファーソームは、それらが使用される環境に適応でき、例えばそれらは自己最適化し(皮膚孔形状に適応する)、自己修復し、しばしば断片化することなくそれらの標的に到達し、自己装填することが多い。トランスファーソームを作成するために、通常は界面活性剤である表面縁活性化剤を標準リポソーム組成物に添加することができる。トランスファーソームは、血清アルブミンを皮膚に送達するのに使用されている。血清アルブミンのトランスファーソーム媒介送達は、血清アルブミンを含有する溶液の皮下注射と同程度に、効果的であることが示されている。
界面活性剤には、(マイクロエマルションをはじめとする)エマルションおよびリポソームなどの製剤における、幅広い応用がある。天然および合成双方の多数の異なる界面活性剤型の特性の分類および格付けの最も一般的な方法は、親水性/親油性バランス(HLB:hydrophile/lipophile balance)の使用による。親水性基(「ヘッド」としてもまた知られている)の性質は、製剤中で使用される異なる界面活性剤を分類する、最も有用な手段を提供する(Rieger,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,1988,p.285)。
界面活性剤分子がイオン化されない場合、それは非イオン性界面活性剤に分類される。非イオン性界面活性剤には、医薬および美容製品における幅広い用途があり、広いpH価範囲にわたって使用できる。一般にそれらのHLB値は、それらの構造に応じて2~約18の範囲である。非イオン性界面活性剤としては、エチレングリコールエステル、プロピレングリコールエステル、グリセリルエステル、ポリグリセリルエステル、ソルビタンエステル、スクロースエステル、およびエトキシル化エステルなどの非イオン性エステルが挙げられる。脂肪アルコールエトキシレート、プロポキシル化アルコールおよびエトキシル化/プロポキシル化ブロックポリマーなどの非イオン性アルカノールアミドおよびエーテルもまた、このクラスに含まれる。ポリオキシエチレン界面活性剤は、非イオン性界面活性剤クラスの最も良く見られる構成員である。
界面活性剤分子が、水への溶解または分散時に負電荷を保有する場合、界面活性剤はアニオン性に分類される。アニオン性界面活性剤としては、石鹸などのカルボン酸塩、ラクチル酸アシル、アミノ酸のアシルアミド、硫酸アルキルおよびエトキシル化硫酸アルキルなどの硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホネートなどのスルホネート、イセチオン酸アシル、タウリン酸アシルおよびスルホコハク酸アシル、およびリン酸アシルが挙げられる。アニオン性界面活性剤クラスの最も重要な構成員は、硫酸アルキルおよび石鹸である。
界面活性剤分子が、水への溶解または分散時に正電荷を保有する場合、界面活性剤はカチオン性に分類される。カチオン性界面活性剤としては、四級アンモニウム塩およびエトキシル化アミンが挙げられる。四級アンモニウム塩が、このクラスで最も良く使用される構成員である。
界面活性剤分子が、陽性または陰性電荷のいずれかを有する能力を有する場合、界面活性剤は両性に分類される。両性界面活性剤としては、アクリル酸誘導体、置換アルキルアミド、N-アルキルベタイン、およびリン脂質が挙げられる。
医薬品、製剤中およびエマルション中の界面活性剤の使用については、概説されている(Rieger,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,1988,p.285)。
本発明の方法で使用されるiRNAはまた、ミセル製剤として提供し得る。「ミセル」は、その中で、分子の疎水性部分が全て内側を向き、親水性部分が周囲の水性相に接したままであるように、両親媒性分子が球状構造に配列される、特定タイプの分子アセンブリーと、本明細書で定義される。環境が疎水性であれば、逆の配置が存在する。
経皮膜を通じた送達に適した混合ミセル調合物は、siRNA組成物、アルカリ金属C8~C22アルキル硫酸塩、およびミセル形成化合物の水溶液を混合して、調製してもよい。例示的なミセル形成化合物としては、レシチン、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸の薬学的に許容可能な塩、グリコール酸、乳酸、カモミール抽出物、キュウリ抽出物、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、モノオレイン、モノオレアート、モノラウレート、ルリヂサ油、月見草油、メントール、トリヒドロキシオキソコラニルグリシンとその薬学的に許容可能な塩、グリセリン、ポリグリセリン、リジン、ポリリジン、トリオレイン、ポリオキシエチレンエーテルおよびその類似体、ポリドカノールアルキルエーテルおよびその類似体、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、およびそれらの混合物が挙げられる。ミセル形成化合物は、アルカリ金属アルキル硫酸塩の添加と同時に、またはその後に添加してもよい。混合ミセルは、成分を実質的にどのように混合しても形成するが、より小型のミセルを提供するためには、激しく混合される。
一方法では、siRNA組成物と、少なくともアルカリ金属アルキル硫酸塩とを含有する、第1のミセル組成物が調製される。次に第1のミセル組成物は、少なくとも3つのミセル形成化合物と混合されて、混合ミセル組成物が形成する。別の方法では、ミセル組成物は、siRNA組成物、アルカリ金属アルキル硫酸塩、および少なくとも1つのミセル形成化合物を混合して調製され、激しい混合を伴う残りのミセル形成化合物の添加がそれに続く。
フェノールおよび/またはm-クレゾールを混合ミセル組成物に添加して、調合物を安定化し、細菌増殖から保護してもよい。代案としては、ミセル形成成分と共に、フェノールおよび/またはm-クレゾールを添加してもよい。グリセリンなどの等張剤もまた、混合ミセル組成物形成後に添加してもよい。
ミセル調合物を噴霧として送達するためには、調合物を煙霧剤計量分配装置に入れて、計量分配装置に噴霧剤を装填し得る。加圧下にある噴霧剤は、計量分配装置内で液体形態である。成分の比率は、水性相と噴霧剤相が1つになるように、すなわち1つの相になるように調節される。2つの相がある場合、例えば定量バルブを通じて内容物の一部を分散する前に、計量分配装置を振盪する必要がある。医薬品の分注用量は、定量バルブから精微噴霧で噴射される。
噴霧剤としては、水素含有クロロフルオロカーボン、水素含有フルオロカーボン、ジメチルエーテル、およびジエチルエーテルが挙げられる。特定の実施形態では、HFA 134a(1,1,1,2ーテトラフルオロエタン)を使用してもよい。
必須成分の特定濃度は、比較的簡単な実験法によって判定し得る。口腔を通じた吸収のためには、注射を通じた用量、または胃腸管を通じた投与の例えば少なくとも2倍または3倍に増大させることが、往々にして望ましい。
B.脂質粒子
本発明のiRNA、例えばdsRNAは、脂質製剤、例えばLNP、または他の核酸-脂質粒子中に完全に封入されてもよい。
本明細書で使用されるとき、用語「LNP」は、安定した核酸-脂質粒子を指す。LNPは、典型的には、カチオン性脂質、非カチオン性脂質、および粒子の凝集を防ぐ脂質(例えば、PEG-脂質共役体)を包含する。LNPは、静脈内(i.v.)注射後に長い循環寿命を呈し、かつ遠位部位(例えば、投与部位と物理的に隔たった部位)に蓄積するため、全身適用に極めて有用である。LNPとしては、国際公開第00/03683号パンフレットに記載のカプセル化縮合剤-核酸複合体を含む「pSPLP」が挙げられる。本発明の粒子は、典型的に約50nm~約150nm、より典型的に約60nm~約130nm、より典型的に約70nm~約110nm、最も典型的に約70nm~約90nmの平均径を有して、実質的に無毒である。これに加えて、本発明の核酸-脂質粒子中に存在する場合、核酸は、水溶液中でヌクレアーゼ分解耐性である。核酸-脂質粒子、およびそれらを調製する方法は、例えば米国特許第5,976,567号明細書;米国特許第5,981,501号明細書;米国特許第6,534,484号明細書;米国特許第6,586,410号明細書;米国特許第6,815,432号明細書;米国特許出願公開第2010/0324120号明細書;および国際公開第96/40964号パンフレットで開示される。
一実施形態では脂質と薬剤の比率(質量/質量比)(例えば脂質対dsRNA比)は、約1:1~約50:1、約1:1~約25:1、約3:1~約15:1、約4:1~約10:1、約5:1~約9:1、または約6:1~約9:1の範囲である。上記に引用した範囲の中間にある範囲も、本発明の一部と考えられる。
カチオン性脂質は、例えばN,N-ジオレイル-N,N-ジメチルアンモニウム塩化物(DODAC)、N,N-ジステアリル-N,N-ジメチルアンモニウム臭化物(DDAB)、N-(I-(2,3-ジオレオイルオキシ)プロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウム塩化物(DOTAP)、N-(I-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル)-N,N,N-トリメチルアンモニウム塩化物(DOTMA)、N,N-ジメチル-2,3-ジオレイルオキシ)プロピルアミン(DODMA)、1,2-ジリノレイルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)、1,2-ジリノレニルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLenDMA)、1,2-ジリノレイルカルバモイルオキシ-3-ジメチルアミノプロパン(DLin-C-DAP)、1,2-ジリノレイオキシ(Dilinoleyoxy)-3-(ジメチルアミノ)アセトキシプロパン(DLin-DAC)、1,2-ジリノレイオキシ(Dilinoleyoxy)-3-モルホリノプロパン(DLin-MA)、1,2-ジリノレオイル-3-ジメチルアミノプロパン(DLinDAP)、1,2-ジリノレイルチオ-3-ジメチルアミノプロパン(DLin-S-DMA)、1-リノレオイル-2-リノレイルオキシ-3-ジメチルアミノプロパン(DLin-2-DMAP)、1,2-ジリノレイルオキシ-3-トリメチルアミノプロパン塩化物塩(DLin-TMA.Cl)、1,2-ジリノレオイル-3-トリメチルアミノプロパン塩化物塩(DLin-TAP.Cl)、1,2-ジリノレイルオキシ-3-(N-メチルピペラジノ)プロパン(DLin-MPZ)、または3-(N,N-ジリノレイルアミノ)-1,2-プロパンジオール(DLinAP)、3-(N,N-ジオレイルアミノ)-1,2-プロパンジオ(propanedio)(DOAP)、1,2-ジリノレイルオキソ-3-(2-N,N-ジメチルアミノ)エトキシプロパン(DLin-EG-DMA)、1,2-ジリノレニルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA)、2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノメチル-[1,3]-ジオキソラン(DLin-K-DMA)またはそのアナログ、(3aR,5s,6aS)-N,N-ジメチル-2,2-ジ((9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエニル)テトラヒドロ-3aH-シクロペンタ[d][1,3]ジオキソール-5-アミン(ALN100)、(6Z,9Z,28Z,31Z)-ヘプタトリアコンタ-6,9,28,31-テトラエン-19-イル-4-(ジメチルアミノ)ブタン酸(MC3)、1,1’-(2-(4-(2-((2-(ビス(2-ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)(2-ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)ピペラジン-1-イル)エチルアザンジイル)ジドデカン-2-オール(Tech G1)、またはその混合物であり得る。カチオン性脂質は、粒子中に存在する総脂質の約20モル%~約50モル%または約40モル%を構成し得る。
別の実施形態では、化合物2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソランを使用して、脂質-siRNAナノ粒子を作成し得る。2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソランの合成は、参照によって本明細書に援用する、2008年10月23日に出願された米国仮特許出願第61/107,998号明細書に記載される。
一実施形態では、脂質-siRNA粒子は、40%の2,2-ジリノレイル-4-ジメチルアミノエチル-[1,3]-ジオキソラン:10%のDSPC:40%のコレステロール:10%のPEG-C-DOMG(モル百分率)を含み、粒度63.0±20nmのおよびsiRNA/脂質比0.027である。
イオン性/非カチオン性脂質は、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、ジオレオイルホスファチジルグリセリン(DOPG)、ジパルミトイルホスファチジルグリセリン(DPPG)、ジオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC)、パルミトイルオレオイルホスファチジルエタノールアミン(POPE)、ジオレオイル-ホスファチジルエタノールアミン-4-(N-マレイミドメチル)-シクロヘキサン-1-カルボン酸(DOPE-mal)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(DPPE)、ジミリストイルホスホエタノールアミン(DMPE),ジステアロイル-ホスファチジル-エタノールアミン(DSPE)、16-O-モノメチルPE、16-O-ジメチルPE、18-1-transPE、1-ステアロイル-2-オレオイル-ホスファチジエタノールアミン(SOPE)、コレステロール、またはその混合物をはじめとすることができるが、これに限定されるものではない、アニオン性脂質または中性脂質とすることもできる。コレステロールが含まれる場合、非カチオン性脂質は、粒子中に存在する総脂質の約5モル%~約90モル%、約10モル%、または約58モル%であり得る。
粒子凝集を阻害する共役結合脂質は、例えば制限なしに、PEG-ジアシルグリセロール(DAG)、PEG-ジアルキルオキシプロピル(DAA)、PEG-リン脂質、PEG-セラミド(Cer)をはじめとする、ポリエチレングリコール(PEG)-脂質、またはその混合物であり得る。PEG-DAA複合体は、例えばPEG-ジラウリルオキシプロピル(Ci2)、PEG-ジミリスチルオキシプロピル(Ci4)、PEG-ジパルミチルオキシプロピル(Ci6)、またはPEG-ジステアリルオキシプロピル(C]8)であり得る。粒子凝集を妨げる共役結合脂質は、粒子中に存在する総脂質の0モル%~約20モル%または約2モル%であり得る。
いくつかの実施形態では、核酸-脂質粒子は、例えば、粒子中に存在する総脂質の約10モル%~約60モル%または約48モル%のコレステロールをさらに含む。
一実施形態では、リピドイドND98・4HCl(MW 1487)(その内容を参照によって本明細書に援用する、2008年3月26日に出願された米国特許出願第12/056,230号明細書を参照されたい)、コレステロール(Sigma-Aldrich)、およびPEG-セラミドC16(Avanti Polar Lipids)を使用して、脂質-dsRNAナノ粒子(すなわちLNP01粒子)を作成し得る。エタノール中の各原液は、次のように調製し得る:ND98、133mg/ml;コレステロール、25mg/ml;PEG-セラミドC16、100mg/ml。次にND98、コレステロール、およびPEG-セラミドC16の原液を例えば42:48:10のモル比で合わせ得る。合わせた脂質溶液は、最終エタノール濃度が約35~45%で最終酢酸ナトリウム濃度が約100~300mMになるように、(例えばpH5の酢酸ナトリウム中で)水性dsRNAと混合し得る。脂質-dsRNAナノ粒子は、典型的に、混合に際して自然発生的に形成する。所望の粒度分布次第で、結果として生じるナノ粒子混合物は、例えばLipex Extruder(Northern Lipids,Inc)などのサーモバレル押出機を使用して、ポリカーボネートメンブラン(例えば100nmカットオフ)を通じて押出し得る。場合によっては、押出ステップは省き得る。エタノール除去および同時緩衝液交換は、例えば透析または接線流濾過によって達成し得る。緩衝液は、例えば約pH6.9、約pH7.0、約pH7.1、約pH7.2、約pH7.3、または約pH7.4など、約pH7のリン酸緩衝食塩水(PBS:phosphate buffered saline)で交換し得る。
LNP01製剤が、例えば、国際公開第2008/042973号パンフレット(本明細書によって参照により援用される)に記載されている。
さらなる例示的脂質-dsRNA製剤を表1に記載する。
SNALP(1,2-ジリノレニルオキシ-N,N-ジメチルアミノプロパン(DLinDMA))を含む製剤は、参照によって本明細書に援用する、2009年4月15日に出願された、国際公開第2009/127060号パンフレットに記載される。
XTCを含む製剤は、例えば、参照によって本明細書に援用する、2009年1月29日に出願された米国仮出願第61/148,366号明細書;2009年3月2日に出願された米国仮出願第61/156,851号明細書;2009年6月10日に出願された米国仮出願第号明細書;2009年7月24日に出願された米国仮出願第61/228,373号明細書;2009年9月3日に出願された米国仮出願第61/239,686号明細書、および2010年1月29日に出願された国際出願第PCT/US2010/022614号明細書に記載される。
MC3を含む製剤は、例えばその内容全体を参照によって本明細書に援用する、2010年6月10日に出願された、米国特許出願公開第2010/0324120号明細書に記載される。
ALNY-100含有製剤は、例えば参照によって本明細書に援用する、2009年11月10日に出願された、国際出願PCT/US第09/63933号明細書に記載される。
C12-200含有製剤は、参照によって本明細書に援用する、2009年5月5日に出願された米国仮特許出願第61/175,770号明細書、および2010年5月5日に出願された国際出願PCT/US10/33777号明細書に記載される。
経口投与のための組成物および製剤としては、粉末または顆粒、微小粒子、ナノ微粒子、水または非水性媒体中の懸濁液または溶液、カプセル、ゲルカプセル、サッシェ剤、錠剤またはミニ錠剤が挙げられる。増粘剤、着香剤、希釈剤、乳化剤、分散助剤またはバインダーが望ましい可能性がある。いくつかの実施形態では、経口製剤は、その中で本発明で取り上げるDsRNAが、1つまたは複数の浸透促進界面活性剤およびキレート化剤と併せて投与されるものである。適切な界面活性剤としては、脂肪酸および/またはエステルまたはそれらの塩、胆汁酸および/またはそれらの塩が挙げられる。適切な胆汁酸/塩としては、ケノデオキシコール酸(CDCA:chenodeoxycholic acid)およびウルソデオキシケノデオキシコール酸(UDCA:ursodeoxychenodeoxycholic acid)、コール酸、デヒドロコール酸、デオキシコール酸、グルコール酸、グリコール酸、グリコデオキシコール酸、タウロコール酸、タウロデオキシコール酸、タウロ-24,25-ジヒドロ-フシジン酸ナトリウム、およびグリコジヒドロフシジン酸ナトリウムが挙げられる。適切な脂肪酸としては、アラキドン酸、ウンデカン酸、オレイン酸、ラウリン酸、カプリル酸、カプリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプレート、トリカプレート、モノオレイン、ジラウリン、グリセリル1-モノカプレート、1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン、アシルカルニチン、アシルコリン、またはモノグリセリド、ジグリセリド、または薬学的に許容可能なその塩(例えばナトリウム)が挙げられる。いくつかの実施形態では、例えば胆汁酸/塩と組み合わされた脂肪酸/塩などの浸透促進剤の組み合わせが使用される。1つの例示的組み合わせは、ラウリン酸、カプリン酸、およびUDCAのナトリウム塩である。浸透促進剤としては、さらにポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン-20-セチルエーテルが挙げられる。本発明で取り上げるDsRNAは、噴霧乾燥粒子をはじめとする顆粒形態で、経口的に送達されてもよく、または複合体化してマイクロまたはナノ粒子を形成してもよい。DsRNA複合化剤としては、ポリアミノ酸;ポリイミン;ポリアクリレート;アクリル酸ポリアルキル、ポリオキセタン、ポリアルキルシアノアクリル酸;カチオン化ゼラチン、アルブミン、デンプン、アクリレート、ポリエチレングリコール(PEG)およびデンプン;ポリアルキルシアノアクリル酸;DEAE誘導体化ポリイミン、プルラン(pollulans)、セルロースおよびデンプンが挙げられる。適切な複合化剤としては、キトサン、N-トリメチルキトサン、ポリ-L-リジン、ポリヒスチジン、ポリオルニチン、ポリスペルミン、プロタミン、ポリビニルピリジン、ポリチオジエチルアミノメチルエチレンP(TDAE)、ポリアミノスチレン(例えばp-アミノ)、ポリ(メチルシアノアクリル酸)、ポリ(エチルシアノアクリル酸)、ポリ(ブチルシアノアクリル酸)、ポリ(イソブチルシアノアクリル酸)、ポリ(イソヘキシルシナオアクリル酸(isohexylcynaoacrylate))、DEAE-メタクリレート、DEAE-ヘキシルアクリレート、DEAE-アクリルアミド、DEAE-アルブミンおよびDEAE-デキストラン、ポリアクリル酸メチル、ポリヘキシルアクリレート、ポリ(D,L-乳酸)、ポリ(DL-乳酸‐コ‐グリコール酸(PLGA)、アルギン酸塩、およびポリエチレングリコール(PEG)が挙げられる。dsRNAの経口製剤およびそれらの調製は、そのそれぞれを参照によって本明細書に援用する、米国特許第6,887,906号明細書、米国特許出願公開第20030027780号明細書、および米国特許第6,747,014号明細書に詳細に記載される。
非経口、脳実質内(脳内)、クモ膜下腔内、脳室内または肝臓内投与のための組成物および製剤は無菌水溶液を含むことができ、それはまた、緩衝液と、希釈剤と、浸透促進剤、担体化合物、およびその他の薬学的に許容可能な担体または賦形剤などをはじめとするが、これに限定されるものではないその他の適切な添加剤とを含有し得る。
本発明の医薬組成物としては、溶液、エマルション、およびリポソーム含有製剤.が挙げられるが、これに限定されるものではない。これらの組成物は、既製液体、自己乳化固体および自己乳化半固体をはじめとするが、これに限定されるものではない、多様な成分から生成され得る。肝臓がんなどの肝臓の障害を治療する場合、特に好ましいのは、肝臓を標的とする製剤である。
好都合には単位剤形で提示され得る本発明の医薬製剤は、製薬産業で周知の従来の技術に従って調製され得る。このような技術は、活性成分を薬学的担体または賦形剤に組み合わせるステップを含む。一般に、製剤は、活性成分を液体担体または超微粒子固体担体またはその双方と一様に密接に組み合わせ、次に、必要ならば生成物を整形することで調製される。
本発明の組成物は、錠剤、カプセル、ゲルカプセル、液体シロップ、軟質ゲル、坐薬、および浣腸などであるが、これに限定されるものではない、多数の可能な剤形のいずれかに調合され得る。本発明の組成物は、また、水性、非水性または混合媒体中の懸濁液として調合され得る。水性懸濁液は、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトールおよび/またはデキストランをはじめとする、懸濁液の粘度を増大させる物質をさらに含有し得る。懸濁液は、安定剤もまた含有し得る。
C.追加的な製剤
i.エマルション
本発明の組成物は、エマルションとして調製し調合し得る。エマルションは、典型的に、通常、直径が0.1μmを超える小滴形態で、別の液体中に分散する1つの液体の不均一系である(例えばAnsel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Allen,LV.,Popovich NG.,and Ansel HC.,2004,Lippincott Williams & Wilkins(8th ed.),New York,NY;Idson,Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.199;Rosoff,Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,Volume 1,p.245;Block in Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 2,p.335;Higuchi et al.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1985,p.301を参照されたい)。エマルションは、密接に混合して互いに分散する、2つの不混和性液体相を含む、二相性システムであることが多い。一般にエマルションは、油中水型(w/o)または水中油型(o/w)のいずれかであり得る。水性相がバルク油性相中に微細分散して、微小滴として分散される場合、得られた組成物は、油中水型(w/o)エマルションと称される。代案としては、油性相がバルク水性相中に微細分散して、微小滴として分散される場合、得られた組成物は、水中油型(o/w)エマルションと称される。エマルションは、分散相と、水性相および油性相いずれかの中の溶液として、またはそれ自体が別個の相として存在し得る、活性薬剤とに加えて、追加的な成分を含有し得る。乳化剤、安定剤、染料、および抗酸化物質などの医薬品賦形剤はまた、必要に応じてエマルション中に存在し得る。医薬品エマルションはまた、例えば油中水中油(o/w/o)および水中油中水型(w/o/w)エマルションなどの場合、2つを超える相を含む複数エマルションであり得る。このような複合体製剤は、単純な二成分エマルションが提供しない、特定の利点を提供することが多い。その中でo/wエマルションの個々の油滴が小さな水滴を囲い込む複数エマルションは、w/o/wエマルションを構成する。同様に、水の小球中に封入されて、油性連続相内で安定化される油滴システムは、o/w/oエマルションを提供する。
エマルションは、熱力学的安定性がわずかまたは皆無であることによって、特徴付けられる。頻繁に、エマルションの分散または不連続相は、外部または連続相内に良く分散し、乳化剤または製剤粘度の手段を通じて、この形態に保たれる。エマルション様式の軟膏基剤およびクリームの場合のように、エマルション相のいずれかが、半固体または固体であり得る。エマルションを安定化する別の手段は、エマルション相のいずれかに組み込まれ得る、乳化剤の使用を伴う。乳化剤は、広義に4つのカテゴリー分類され得る:合成界面活性剤、天然乳化剤、吸収基剤、および微細分散固体(例えばAnsel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Allen,LV.,Popovich NG.,and Ansel HC.,2004,Lippincott Williams & Wilkins(8th ed.),New York,NY;Idson,Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.199を参照されたい)。
表面活性剤としてもまた知られている合成界面活性剤は、エマルション製剤において幅広い用途があり、文献で概説されている(例えばAnsel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Allen,LV.,Popovich NG.,and Ansel HC.,2004,Lippincott Williams & Wilkins(8th ed.),New York,NY;Rieger,Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.285;Idson,Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,1988,volume 1,p.199を参照されたい)。界面活性剤は典型的に両親媒性であり、親水性および疎水性部分を含む。親水性と疎水性の比率は、界面活性剤の親水性/親油性バランス(HLB)と称され、製剤の調製において界面活性剤を分類し選択する上での有益な手段である。界面活性剤は、親水性基の性質に基づいて、異なるクラスに分類され得る:非イオン性、アニオン性、カチオン性、および両性(例えばAnsel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Allen,LV.,Popovich NG.,and Ansel HC.,2004,Lippincott Williams & Wilkins(8th ed.),New York,NY Rieger,Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.285を参照されたい)。
エマルション製剤で使用される天然乳化剤としては、ラノリン、蜜蝋、リン脂質、レシチン、およびアカシアが挙げられる。無水ラノリンおよび親水性ペトロラタムなどの、水を吸い上げてw/oエマルションを形成し得るような親水特性を有する吸収基剤は、なおもそれらの半固体粘稠度を維持する。微細分散固体はまた、優れた乳化剤として、特に界面活性剤と組み合わされて、粘稠な調製品中で使用されている。これらとしては、重金属水酸化物などの極性無機固体、ベントナイトなどの非膨張性粘土、アタパルガイト、ヘクトライト、カオリン、モンモリロナイト、ケイ酸アルミニウムのコロイドおよびケイ酸アルミニウムマグネシウムのコロイド、顔料、および炭素またはトリステアリン酸グリセリルなどの非極性固形分が挙げられる。
多岐にわたる非乳化材料もまたエマルション製剤に含まれて、エマルションの特性に寄与する。これらとしては、脂肪、油、ワックス、脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸エステル、湿潤剤、親水性コロイド、保存料、および抗酸化剤が挙げられる(Block,Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.335;Idson,Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.199)。
親水性コロイドまたは親水コロイドとしては、多糖類(例えばアカシア、寒天、アルギン酸、カラゲナン、グアーガム、カラヤガム、およびトラガカント)、セルロース誘導体(例えばカルボキシメチルセルロースおよびカルボキシプロピルセルロース)、および合成ポリマー(例えばカルボマー、セルロースエーテル、およびカルボキシビニルポリマー)などの天然ガムおよび合成ポリマーが挙げられる。これらは水中に分散しまたは水中で膨張して、分散相小滴周囲に強力な界面膜を形成することで、および外部相の粘度を増大させることで、エマルションを安定化するコロイド溶液を形成する。
エマルションは、微生物の増殖を容易に支持し得る、炭水化物、タンパク質、ステロール、およびリン脂質などのいくつかの成分を含有することが多いので、これらの製剤には保存料が組み込まれることが多い。エマルション製剤に含まれる一般に使用される保存料としては、メチルパラベン、プロピルパラベン、四級アンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム、p-ヒドロキシ安息香酸のエステル、およびホウ酸が挙げられる。抗酸化剤もまた、一般にエマルション製剤に添加されて、製剤の劣化を防止する。使用される抗酸化剤は、トコフェロール、没食子酸アルキル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエンなどのフリーラジカルスカベンジャー;またはアスコルビン酸およびメタ重亜硫酸ナトリウムなどの還元剤;およびクエン酸、酒石酸、およびレシチンなどの抗酸化剤共力剤であり得る。
皮膚、経口、および非経口経路を通じたエマルション製剤の適用と、それらを製造する方法については、文献で概説されている。(例えばAnsel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Allen,LV.,Popovich NG.,and Ansel HC.,2004,Lippincott Williams & Wilkins(8th ed.),New York,NY;Idson,Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.199を参照されたい)。経口送達のためのエマルション製剤は、調合の容易さ、ならびに吸収および生物学的利用能の観点からの効率のために、非常に広く使用されている(例えばAnsel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Allen,LV.,Popovich NG.,and Ansel HC.,2004,Lippincott Williams & Wilkins(8th ed.),New York,NY;Rosoff,Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.245;Idson,Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.199を参照されたい)。鉱物油ベースの緩下剤、油溶性ビタミン、および高脂肪栄養剤は、一般にo/wエマルションとして経口投与されている材料の一つである。
ii.マイクロエマルション
本発明の一実施形態では、iRNAと核酸の組成物は、マイクロエマルションとして調合される。マイクロエマルションは、単一の光学的に等方性で熱力学的に安定している溶液である、水、油、および両親媒性物質のシステムと定義され得る(例えばAnsel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Allen,LV.,Popovich NG.,and Ansel HC.,2004,Lippincott Williams & Wilkins(8th ed.),New York,NY;Rosoff,Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.245を参照されたい)。典型的に、マイクロエマルションは、最初に油を水性界面活性剤溶液に分散して、次に一般に中間鎖長のアルコールである、十分な量の第4の成分を添加し、透明なシステムを形成することで、調製されるシステムである。したがって、マイクロエマルションは、界面活性分子の界面膜によって安定化された、2つの不混和性液体の熱力学的に安定した等方的に透明な分散体として記述されている(Leung and Shah,Controlled Release of Drugs:Polymers and Aggregate Systems,Rosoff,M.,Ed.,1989,VCH Publishers,New York,pages 185-215)。マイクロエマルションは、通常、油、水、界面活性剤、共界面活性剤、および電解質をはじめとする、3~5成分の組み合わせを通じて調製される。マイクロエマルションが、油中水型(w/o)または水中油型(o/w)であるかどうかは、使用される油および界面活性剤の特性と、界面活性剤分子の極性頭部および炭化水素尾部の構造および幾何学的充填とに左右される(Schott,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1985,p.271)。
状態図を利用した現象学的アプローチは、広範に研究されており、マイクロエマルションの調合法に関する包括的知識が、当業者にもたらされている(例えばAnsel’s Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Allen,LV.,Popovich NG.,and Ansel HC.,2004,Lippincott Williams & Wilkins(8th ed.),New York,NY;Rosoff,Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.245;Block,Pharmaceutical Dosage Forms,Lieberman,Rieger and Banker(Eds.),1988,Marcel Dekker,Inc.,New York,N.Y.,volume 1,p.335を参照されたい)。従来のエマルションと比較して、マイクロエマルションは、水不溶性薬剤を自然発生的に形成される熱力学的に安定した小滴の配合物に可溶化する利点を提供する。
マイクロエマルションの調製で使用される界面活性剤としては、単独のまたは共界面活性剤と組み合わされた、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、Brij 96、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリグリセロール脂肪酸エステル、テトラグリセロールモノラウレート(ML310)、テトラグリセロールモノオレアート(MO310)、ヘキサグリセロールモノオレアート(PO310)、ヘキサグリセロールペンタオレアート(PO500)、デカグリセロールモノカプレート(MCA750)、デカグリセロールモノオレエート(MO750)、デカグリセロールセキオレアート(sequioleate)(SO750)、デカグリセロールデカオレアート(DAO750)が挙げられるが、これに限定されるものではない。通常、エタノール、1-プロパノール、および1-ブタノールなどの短鎖アルコールである共界面活性剤は、界面活性剤塗膜に浸透することにより界面流動性を増大させるのに役立ち、その結果、界面活性剤分子間に生じる隙間に起因する不規則塗膜を作り出す。しかしマイクロエマルションは、共界面活性剤の使用なしに調製され得、アルコール非含有自己乳化マイクロエマルション系は、当該技術分野で公知である。水性相は、典型的に、水、薬剤水溶液、グリセロール、PEG300、PEG400、ポリグリセロール、プロピレングリコール、およびエチレングリコール誘導体であり得るが、これに限定されるものではない。油相としては、Captex 300、Captex 355、Capmul MCM、脂肪酸エステル、中鎖(C8~C12)モノ、ジ、およびトリ-グリセリド、ポリオキシエチル化グリセリル脂肪酸エステル、脂肪アルコール、ポリグリコール化(polyglycolized)グリセリド、飽和ポリグリコール化(polyglycolized)C8-C10グリセリド、植物油、およびシリコーン油などの材料が挙げられるが、これに限定されるものではない。
マイクロエマルションは、薬剤可溶化と薬剤吸収改善の観点から、特に興味深い。脂質ベースのマイクロエマルション(o/wおよびw/oの双方)が、ペプチドをはじめとする薬剤の経口バイオアベイラビリティを高めるために、提案されている(例えば米国特許第6,191,105号明細書;米国特許第7,063,860号明細書;米国特許第7,070,802号明細書;米国特許第7,157,099号明細書;Constantinides et al.,Pharmaceutical Research,1994,11,1385-1390;Ritschel,Meth.Find.Exp.Clin.Pharmacol.,1993,13,205を参照されたい)。マイクロエマルションは、薬剤可溶化改善、酵素加水分解からの薬剤保護、界面活性剤が誘発する膜の流動性と透過度の変化に起因する予想される薬剤吸収増強、調製の容易さ、固体剤形に比べた経口投与の容易さ、臨床効力改善、および毒性低下の利点をもたらす(例えば米国特許第6,191,105号明細書;米国特許第7,063,860号明細書;米国特許第7,070,802号明細書;米国特許第 7,157,099号明細書;Constantinides et al.,Pharmaceutical Research,1994,11,1385;Ho et al.,J.Pharm.Sci.,1996,85,138-143を参照されたい)。マイクロエマルションは多くの場合、それらの成分を周囲温度で一緒に合わせた場合に、自然発生的に形成することができる。これは、熱不安定性薬剤、ペプチドまたはiRNAを調合する場合に、特に有利となり得る。マイクロエマルションは、美容および医薬用途の双方で、活性成分の経皮送達に効果的であった。本発明のマイクロエマルション組成物および製剤は、iRNAおよび核酸の胃腸管からの全身性吸収の増大を容易にし、ならびにiRNAおよび核酸の局所性細胞内取り込みを改善することが期待される。
本発明のマイクロエマルションは、ソルビタンモノステアレート(Grill 3)、Labrasol、および浸透促進剤などの追加的な成分および添加剤もまた含有して、製剤の特性を改善し、本発明のiRNAおよび核酸の吸収を高め得る。本発明のマイクロエマルション中で使用される浸透促進剤は、界面活性剤、脂肪酸、胆汁酸塩、キレート化剤、および非キレート化非界面活性剤の5つの広義のカテゴリーの1つに属すると分類され得る(Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,p.92)。これらの各クラスについては、上で論じた。
iii.微粒子
本発明のiRNA剤は、例えば微粒子などの粒子に組み込まれてもよい。微粒子は、噴霧乾燥によって製造し得るが、それはまた、凍結乾燥、蒸発、流動床乾燥、真空乾燥、またはこれらの技術の組み合わせをはじめとする、その他の方法によって製造してもよい。
iv.浸透促進剤
一実施形態では、本発明は、様々な浸透促進剤を用いて、核酸、特にiRNAの動物皮膚への効率的な送達をもたらす。ほとんどの薬剤は、イオン化および非イオン化形態の双方で、溶液中に存在する。しかし通常、脂質可溶性または親油性薬剤のみが、細胞膜を容易に通過する。通過する膜が浸透促進剤で処理されれば、非親油性薬剤でさえも細胞膜を通過し得ることが発見されている。細胞膜横切る非親油性薬剤の拡散を助けるのに加えて、浸透促進剤はまた、親油性薬剤の透過性を高める。
浸透促進剤は、5つの広義のカテゴリー、すなわち界面活性剤、脂肪酸、胆汁酸塩、キレート化作用物質、および非キレート化非界面活性剤の1つに属すると、分類され得る(例えばMalmsten,M.Surfactants and polymers in drug delivery,Informa Health Care,New York,NY,2002;Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,p.92を参照されたい)。前述の浸透促進剤の各クラスについては、以下でより詳しく説明される。
界面活性剤(または「表面活性剤」)は、水溶液に溶解すると、溶液の表面張力、または水溶液と別の液体との界面張力を低下させて、粘膜を通じたiRNA吸収の改善をもたらす、化学物質である。胆汁塩と脂肪酸に加えて、これらの浸透促進剤としては、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテル、およびポリオキシエチレン-20-セチルエーテル)(例えばMalmsten,M.Surfactants and polymers in drug delivery,Informa Health Care,New York,NY,2002;Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,p.92を参照されたい);およびFC-43などのペルフルオロ化合物エマルション.Takahashi et al.,J.Pharm.Pharmacol.,1988,40,252)が挙げられる。
浸透促進剤として作用する様々な脂肪酸およびそれらの誘導体としては、例えばオレイン酸、ラウリン酸、カプリン酸(n-デカン酸)、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ジカプレート、トリカプレート、モノオレイン(1-モノオレオイル-rac-グリセロール)、ジラウリン、カプリル酸、アラキドン酸、グリセロール1-モノカプレート、1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン、アシルカルニチン、アシルコリン、そのC1~20アルキルエステル(例えばメチル、イソプロピル、およびt-ブチル)、およびそのモノ-およびジ-グリセリド(すなわちオレアート、ラウレート、カプレート、ミリステート、パルミテート、ステアレート、リノレアートなど)が挙げられる。(例えばTouitou,E.,et al.Enhancement in Drug Delivery,CRC Press,Danvers,MA,2006;Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,p.92;Muranishi,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1990,7,1-33;El Hariri et al.,J.Pharm.Pharmacol.,1992,44,651-654を参照されたい)。
胆汁の生理学的役割としては、脂質および脂溶性ビタミンの分散および吸収の促進が挙げられる(例えばMalmsten,M.Surfactants and polymers in drug delivery,Informa Health Care,New York,NY,2002;Brunton,Chapter 38,Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,9th Ed.,Hardman et al.Eds.,McGraw-Hill,New York,1996,pp.934-935を参照されたい)。様々な天然胆汁酸塩、およびそれらの合成誘導体が、浸透促進剤として作用する。したがって「胆汁酸塩」という用語は、胆汁の天然成分のいずれかならびにそれらの合成誘導体のいずれかを含む。適切な胆汁酸塩としては、例えばコール酸(またはその薬学的に許容可能なナトリウム塩、コール酸ナトリウム)、デヒドロコール酸(デヒドロコール酸ナトリウム)、デオキシコール酸(デオキシコール酸ナトリウム)、グルコール酸(グルコール酸ナトリウム)、グリコール酸(グリココール酸ナトリウム)、グリコデオキシコール酸(グリコデオキシコール酸ナトリウム)、タウロコール酸(タウロコール酸ナトリウム)、タウロデオキシコール酸(タウロデオキシコール酸ナトリウム)、ケノデオキシコール酸(ケノデオキシコール酸ナトリウム)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、タウロ-24,25-ジヒドロ-フシジン酸ナトリウム(STDHF:sodium tauro-24,25-dihydrofusidate)、グリコジヒドロフシジン酸ナトリウム、およびポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテル(POE)が挙げられる。(例えばMalmsten,M.Surfactants and polymers in drug delivery,Informa Health Care,New York,NY,2002;Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,page 92;Swinyard,Chapter 39,Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.,Gennaro,ed.,Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1990,pages 782-783;Muranishi,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1990,7,1-33;Yamamoto et al.,J.Pharm.Exp.Ther.,1992,263,25;Yamashita et al.,J.Pharm.Sci.,1990,79,579-583を参照されたい)。
本発明との関連で使用されるキレート化剤は、金属イオンと複合体を形成することによって、それを溶液から除去して、粘膜を通したiRNA吸収の改善をもたらす化合物と定義され得る。本発明における浸透促進剤としてのそれらの使用に関して、ほとんどのDNAヌクレアーゼは、触媒作用のために二価の金属イオンを要し、キレート化剤によって阻害されるので、キレート化作用物質は、デオキシリボヌクレアーゼ阻害物質の役割も果たすという追加的利点を有する(Jarrett,J.Chromatogr.,1993,618,315-339)。 適切なキレート化作用物質としては、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA:ethylenediaminetetraacetate)、クエン酸、サリチル酸塩(例えばサリチル酸ナトリウム、5-メトキシサリチル酸、およびホモバニレート(homovanilate))、コラーゲンのN-アシル誘導体、ラウレス-9、およびβ-ジケトン(エナミン)のN-アミノアシル誘導体が挙げられるが、これに限定されるものではない。(例えばKatdare,A.et al.,Excipient development for pharmaceutical,biotechnology,and drug delivery,CRC Press,Danvers,MA,2006;Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,page 92;Muranishi,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1990,7,1-33;Buur et al.,J.Control Rel.,1990,14,43-51を参照されたい)。
本明細書の用法では、非キレート化非界面活性剤浸透促進化合物は、キレート化作用物質としてまたは界面活性剤として有意でない活性を実証するが、それでもなお消化器粘膜を通じてiRNAの吸収を高める化合物と定義し得る(例えばMuranishi,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1990,7,1-33を参照されたい)。このクラスの浸透促進剤としては、例えば不飽和環式尿素、1-アルキル-および1-アルケニルアザシクロ-アルカノン誘導体(Lee et al.,Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems,1991,page 92);およびジクロフェナクナトリウム、インドメタシンおよびフェニルブタゾンなどの非ステロイド性抗炎症剤(Yamashita et al.,J.Pharm.Pharmacol.,1987,39,621-626)が挙げられる。
細胞レベルのiRNA取り込みを高める作用物質もまた、本発明医薬およびその他の組成物に添加し得る。例えばリポフェクチンなどのカチオン性脂質(Junichiらに付与された米国特許第5,705,188号明細書)、カチオン性グリセロール誘導体、およびポリリジンなどのポリカチオン性分子(Lolloらに付与された国際公開第97/30731号パンフレット)もまた、dsRNAの細胞内取り込みを高めることが知られている。市販される形質移入試薬の例としては、例えば特に、Lipofectamine(商標)(Invitrogen;Carlsbad,CA)、Lipofectamine 2000(商標)(Invitrogen;Carlsbad,CA)、293fectin(商標)(Invitrogen;Carlsbad,CA)、Cellfectin(商標)(Invitrogen;Carlsbad,CA)、DMRIE-C(商標)(Invitrogen;Carlsbad,CA)、FreeStyle(商標)MAX(Invitrogen;Carlsbad,CA)、Lipofectamine(商標)2000 CD(Invitrogen;Carlsbad,CA)、Lipofectamine(商標)(Invitrogen;Carlsbad,CA)、iRNAMAX(Invitrogen;Carlsbad,CA)、Oligofectamine(商標)(Invitrogen;Carlsbad,CA)、Optifect(商標)(Invitrogen;Carlsbad,CA)、X-tremeGENE Q2 Transfection Reagent(Roche;Grenzacherstrasse,Switzerland)、DOTAP Liposomal Transfection Reagent(Grenzacherstrasse,Switzerland)、DOSPER Liposomal Transfection Reagent(Grenzacherstrasse,Switzerland)、またはFugene(Grenzacherstrasse,Switzerland)、Transfectam(登録商標)Reagent(Promega;Madison,WI)、TransFast(商標)Transfection Reagent(Promega;Madison,WI)、Tfx(商標)-20 Reagent(Promega;Madison,WI)、Tfx(商標)-50 Reagent(Promega;Madison,WI)、DreamFect(商標)(OZ Biosciences;Marseille,France)、EcoTransfect(OZ Biosciences;Marseille,France)、TransPassa D1 Transfection Reagent(New England Biolabs;Ipswich,MA,USA)、LyoVec(商標)/LipoGen(商標)(Invitrogen;San Diego,CA,USA)、PerFectin Transfection Reagent(Genlantis;San Diego,CA,USA)、NeuroPORTER Transfection Reagent(Genlantis;San Diego,CA,USA)、GenePORTER Transfection Reagent(Genlantis;San Diego,CA,USA)、GenePORTER 2 Transfection reagent(Genlantis;San Diego,CA,USA)、Cytofectin Transfection Reagent(Genlantis;San Diego,CA,USA)、BaculoPORTER Transfection Reagent(Genlantis;San Diego,CA,USA)、TroganPORTER(商標)transfection Reagent(Genlantis;San Diego,CA,USA)、RiboFect(Bioline;Taunton,MA,USA)、PlasFect(Bioline;Taunton,MA,USA)、UniFECTOR(B-Bridge International;Mountain View,CA,USA)、SureFECTOR(B-Bridge International;Mountain View,CA,USA)、またはHiFect(商標)(B-Bridge International,Mountain View,CA,USA)が挙げられる。
エチレングリコールおよびプロピレングリコールなどのグリコール;2-ピロールなどのピロール;アゾン;およびリモネンおよびメントンなどのテルペンをはじめとするその他の作用物質が、投与された核酸の浸透を高めるのに利用され得る。
v.担体
本発明の特定の組成物は、また配合中に担体化合物が組み込まれる。本明細書の用法では、「担体化合物」または「担体」は、不活性(すなわちそれ自体は生物学的活性を有しない)であるが、例えば生物学的に活性の核酸を分解し、またはその循環からの除去を促進することで、生物学的活性を有する核酸の生物学的利用能を低下させる、生体内過程によって、核酸と認識される、核酸、またはその類似体を指し得る。核酸および担体化合物の、典型的に後者の物質の過剰量での同時投与は、恐らく通常の受容体に対する担体化合物と核酸間の競合のために、肝臓、腎臓またはその他の循環外貯蔵所で回収される核酸量の実質的低下をもたらし得る。例えば肝臓組織内の部分的ホスホロチオエートdsRNAの回収は、それが、ポリイノシン酸、硫酸デキストラン、ポリシチジック(polycytidic)または4-アセトアミド-4’-イソチオシアノ-スチルベン-2,2’-ジスルホン酸と同時投与された場合に、低下し得る(Miyao et al.,DsRNA Res.Dev.,1995,5,115-121;Takakura et al.,DsRNA & Nucl.Acid Drug Dev.,1996,6,177-183。
vi.賦形剤
担体化合物とは対照的に、「薬学的担体」または「賦形剤」は、1つまたは複数の核酸を動物に送達するための、薬学的に許容可能な溶媒、懸濁剤またはあらゆるその他の薬理学的に不活性なビヒクルである。賦形剤は液体または固体であり得、核酸および所与の医薬組成物のその他の成分と組み合わせた際に、所望の嵩、粘稠度などを提供するように、計画される投与様式を念頭に置いて選択される。典型的な薬学的担体としては、結合剤(例えばα化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースなど);増量剤(例えば乳糖およびその他の糖類、微結晶セルロース、ペクチン、ゼラチン、硫酸カルシウム、エチルセルロース、ポリアクリレートまたはリン酸水素カルシウムなど);潤滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム、滑石、シリカ、二酸化ケイ素のコロイド、ステアリン酸、ステアリン酸金属塩、水素化植物油、コーンスターチ、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウムなど);崩壊剤(例えばデンプン、デンプングリコール酸ナトリウムなど);および湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウムなど)が挙げられるが、これに限定されるものではない。
核酸と有害反応しない、経口投与に適する、薬学的に許容可能な有機または無機賦形剤を使用して、本発明の組成物を調合し得る。適切な薬学的に許容可能な担体としては、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、乳糖、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、滑石、ケイ酸、粘性パラフィン、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
核酸の局所投与のための製剤は、無菌および非無菌水性溶液、アルコールなどの共通溶剤中の非水性溶液、または液体または固体油基剤中の核酸溶液を含み得る。溶液はまた、緩衝液、希釈剤、およびその他の適切な添加剤も含有し得る。核酸有害反応しない、経口投与に適する、薬学的に許容可能な有機または無機賦形剤を使用し得る。
適切な薬学的に許容可能な賦形剤としては、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、乳糖、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、滑石、ケイ酸、粘稠なパラフィン、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
vii.その他の成分
本発明の組成物は、医薬組成物中に従来法で見られるその他の補助剤成分を、技術分野で確立されたそれらの使用レベルで、さらに含有し得る。したがって例えば組成物は、例えば、止痒剤、渋味剤、局所麻酔薬または抗炎症剤などの追加的な適合性薬理的活性材料を含有することができ、または染料、着香剤、保存料、抗酸化剤、乳白剤、増粘剤、および安定剤などの本発明の組成物の様々な剤形を物理的に調合する上で有用な追加的材料を含有し得る。しかしこのような材料は、添加した場合に、本発明の組成物の成分の生物学的活性に過度に干渉すべきでない。製剤は滅菌され得て、所望ならば、製剤の核酸と有害に相互作用しない、例えば、潤滑剤、保存料、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧圧力に影響を及ぼす塩、緩衝液、着色料、着香料および/または芳香族物質などなどの助剤と混合される。
水性懸濁液は、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトールおよび/またはデキストランをはじめとする、懸濁液の粘度を増大させる物質を含有し得る。懸濁液は、安定剤もまた含有し得る。
いくつかの実施形態では、本発明で取り上げる医薬組成物は、(a)1つまたは複数のiRNA化合物、および(b)非iRNA機序によって機能し、APOC関連障害の治療に有用な1つまたは複数の薬剤を含む。このような薬剤の例としては、抗炎症剤、抗脂肪症薬、抗ウイルス、および/または抗線維症薬が挙げられるが、これに限定される(lmited)ものではない。それに加えて、シリマリンなどの肝臓を保護するのに一般に使用されるその他の物質もまた、本明細書に記載されるiRNAと併用し得る。肝臓疾患の治療に有用なその他の薬剤としては、テルビブジンと、エンテカビルと、テラプレビルおよび例えばTungらに付与された米国特許出願公開第2005/0148548号明細書、米国特許出願公開第2004/0167116号明細書、および米国特許出願公開第2003/0144217号明細書;およびHaleらに付与された米国特許出願公開第2004/0127488号明細書で開示されたものなどのプロテアーゼインヒビターが挙げられる。
このような化合物の毒性および治療効果は、例えばLD50(集団の50%に致死性の用量)およびED50(集団の50%に治療的に有効な用量)を判定するための細胞培養物または実験動物中などで、標準薬学的手順によって判定し得る。毒性および治療効果間の用量比が治療指数であり、それはLD50/ED50比として表し得る。高い治療指数を示す化合物が、好ましい。
細胞培養アッセイと動物実験から得られるデータは、ヒトで使用するための投与範囲を策定するのに使用し得る。本発明で取り上げる組成物の投与量は、一般に、毒性がわずかまたは皆無であるED50をはじめとする、循環濃度の範囲内にある。投与量は、用いられる剤形および利用される投与経路に応じて、この範囲内で変動し得る。本発明で取り上げる方法で使用されるあらゆる化合物について、最初に、治療有効用量を細胞培養アッセイから推定し得る。用量は、細胞培養中で判定される、IC50(すなわち症状の最大半量阻害を達成する試験化合物濃度)をはじめとする、化合物の、または適切な場合には標的配列のポリペプチド産物の、循環血漿濃度範囲を達成する(例えばポリペプチド濃度の低下を達成する)ように、動物モデル中で策定されてもよい。このような情報を使用して、ヒトにおける有用な用量をより正確に判定し得る。血漿中のレベルは、例えば高速液体クロマトグラフィーによって測定し得る。
本明細書で取り上げるiRNAは、上で考察されるそれらの投与に加えて、APOC3発現によって媒介される病理過程の治療に効果的なその他の既知の作用物質と組み合わせて、投与し得る。いずれにしても処置を行う医師は、当該技術分野で公知のまたは本明細書に記載される、有効性の標準的手段を使用して観察される結果に基づいて、iRNA投与の量およびタイミングを調節し得る。
VII.本発明の方法
本発明は、APOC3関連疾患、障害、および/または病態(例えば、高トリグリセリド血症)を有するか、またはそれを発症し易い対象に対し、本発明のiRNA剤、またはiRNAを含むベクターを含む医薬組成物を投与するステップを含む治療および予防方法を提供する。
一態様において、本発明は、APOC3発現の低減から利益を受け得る障害、例えば、高トリグリセリド血症および他のAPOC-3関連疾患、例えば、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、多嚢胞性卵巣症候群、腎疾患、肥満症、2型真性糖尿病(インスリン抵抗性);高血圧症;心血管障害、例えばアテローム性動脈硬化症(artherosclerosis);および膵炎、例えば急性膵炎を有する対象を治療する方法を提供する。
本発明の治療方法(および使用)は、APOC3遺伝子を標的化するiRNA剤またはAPOC3遺伝子を標的化するiRNA剤を含む医薬組成物の治療有効量を対象、例えばヒトに投与し、それによってAPOC3発現の低減から利益を受け得る障害を有する対象を治療するステップを含む。
一態様において、本発明は、APOC3発現の低減から利益を受け得る障害、例えば、高トリグリセリド血症などのAPOC3関連疾患、および高トリグリセリド血症によって引き起こされ得るか、それに関連し得るか、またはそれの結果であり得る他の疾患を有する対象の少なくとも1つの症状を予防する方法を提供する。後者の疾患としては、限定はされないが、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、多嚢胞性卵巣症候群、腎疾患、肥満症、2型真性糖尿病(インスリン抵抗性)、アテローム性動脈硬化症(artherosclerosis)、心血管疾患または膵炎が挙げられる。本方法は、本発明のiRNA剤、例えばdsRNA、またはベクターの治療有効量を対象に投与し、それによってAPOC3発現の低減から利益を受け得る障害を有する対象の少なくとも1つの症状を予防するステップを含む。
別の態様において、本発明は、対象、例えばAPOC3発現の低減および/または阻害から利益を受け得る対象を治療するための、本発明のiRNA剤の治療有効量の使用を提供する。
さらなる態様において、本発明は、対象、例えばAPOC3発現の低減および/または阻害から利益を受け得る対象、例えば、APOC3発現の低減から利益を受け得る障害、例えば、高トリグリセリド血症などのAPOC3関連疾患、および高トリグリセリド血症によって引き起こされ得るか、それに関連し得るか、またはそれの結果であり得る他の疾患を有する対象などを治療するための医薬の製造における、APOC3遺伝子を標的化する本発明のiRNA剤、例えばdsRNAまたはAPOC3遺伝子を標的化するiRNA剤を含む医薬組成物の使用を提供する。後者の疾患としては、限定はされないが、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、多嚢胞性卵巣症候群、腎疾患、肥満症、2型真性糖尿病(インスリン抵抗性)、アテローム性動脈硬化症(artherosclerosis)、心血管疾患または膵炎を挙げることができる。
別の態様において、本発明は、APOC3発現の低減および/または阻害から利益を受け得る障害、例えば、APOC3関連疾患、例えば高トリグリセリド血症および高トリグリセリド血症によって引き起こされ得るか、それに関連し得るか、またはそれの結果であり得る他の疾患に罹患している対象の少なくとも1つの症状を予防するための、本発明のiRNA、例えばdsRNAの使用を提供する。後者の疾患としては、限定はされないが、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、多嚢胞性卵巣症候群、腎疾患、肥満症、2型真性糖尿病(インスリン抵抗性)、アテローム性動脈硬化症(artherosclerosis)、心血管疾患または膵炎を挙げることができる。
さらなる態様において、本発明は、APOC3発現の低減および/または阻害から利益を受け得る障害、例えば、APOC3関連疾患、例えば、高トリグリセリド血症および高トリグリセリド血症によって引き起こされ得るか、それに関連し得るか、またはそれの結果であり得る他の疾患に罹患している対象の少なくとも1つの症状を予防するための医薬の製造における、本発明のiRNA剤の使用を提供する。後者の疾患としては、限定はされないが、非アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝炎、多嚢胞性卵巣症候群、腎疾患、肥満症、2型真性糖尿病(インスリン抵抗性)、アテローム性動脈硬化症(artherosclerosis)、心血管疾患または膵炎を挙げることができる。
一実施形態において、APOC3を標的化するiRNA剤は、APOC3関連疾患を有する対象に対し、dsRNA剤を対象に投与したとき対象の例えば細胞、組織、血液または他の組織もしくは体液中のAPOC3レベルが少なくとも約10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、62%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または少なくとも約99%またはそれ以上低下するように投与される。
本発明の方法および使用は、約1、2、3、4、5、6、7、8、12、16、18、24、28、32、36、40、44、48、52、56、60、64、68、72、76、または約80時間などにわたって標的APOC3遺伝子の発現が低下するように、本明細書に記載される組成物を投与するステップを含む。一実施形態において、標的APOC3遺伝子の発現は、長時間、例えば、少なくとも約2、3、4、5、6、7日間またはそれ以上、例えば、約1週間、2週間、3週間、または約4週間またはそれ以上にわたって低下する。
本発明の方法および使用に係るdsRNAの投与は、APOC3関連疾患を有する患者におけるかかる疾患または障害の重症度、徴候、症状、および/またはマーカの低減をもたらし得る。これに関連して「低減」とは、かかるレベルの統計学的に有意な低下を意味する。低減は、例えば、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または約100%であり得る。
疾患の治療または予防の有効性は、例えば、疾患の進行、疾患の寛解、症状の重症度、疼痛の低下、クオリティ・オブ・ライフ、治療効果の持続に必要な医薬の用量、疾患マーカまたは治療下のもしくは予防の標的とされる所与の疾患に適切な任意の他の計測可能なパラメータのレベルを計測することにより評価し得る。かかるパラメータのいずれか1つ、またはパラメータの任意の組み合わせを計測することによって治療または予防の有効性をモニタすることは、十分に当業者の能力の範囲内にある。例えば、高トリグリセリド血症の治療の有効性は、例えば、血中トリグリセリドレベルの定期的なモニタリングによって評価し得る。後の読取りを最初の読取りと比較することにより、医師は治療が有効かどうかの指標を得る。かかるパラメータのいずれか1つ、またはパラメータの任意の組み合わせを計測することによって治療または予防の有効性をモニタすることは、十分に当業者の能力の範囲内にある。APOC3を標的化するiRNAまたはその医薬組成物の投与に関して、APOC3関連疾患「に対して有効」とは、臨床的に適切な方法での投与が、症状の改善、治癒、疾患の軽減、寿命の延長、クオリティ・オブ・ライフの改善、またはAPOC3関連疾患および関連原因の治療に精通している医師らによって肯定的であると一般的に認められている他の効果など、有益な効果を少なくとも統計学的に有意な割合の患者にもたらすことを示す。
病態の1つまたは複数のパラメータに統計的に有意な改善がある場合、または処置がなければ予期される症状悪化または発症の欠如によって、治療または予防効果は明らかである。一例として、疾患の測定可能なパラメータの少なくとも10%の、好ましくは少なくとも20%、30%、40%、50%以上の好ましい変化は、効果的な治療を示唆し得る。所与のiRNA薬剤またはその薬剤の配合物の有効性はまた、当該技術分野で公知の所与の疾患のための実験動物モデルを使用して、判定し得る。実験動物モデルを使用する場合、治療の有効性は、マーカまたは症状の統計的に有意な低下が観察される場合に、証明される。APOC3関連疾患の好適な動物モデルには、例えば高トリグリセリド血症を有する任意の動物モデルが含まれる。かかる動物モデルとしては、例えば、ヒトアポリポタンパク質C2(APOC2)遺伝子を発現するトランスジェニックマウス(Bar Harbor,MaineのJackson Laboratoryから入手可能な系統B6;CBA-Tg(APOC2)2Bres/JまたはB6.Cg-Tg(APOC2)2Bres/Jのマウスなど);ヒトアポリポタンパク質(apopoprotein)C3(APOC3)遺伝子を発現するトランスジェニックマウス(系統B6;CBA-Tg(APOC3)3707Bres/Jのマウスなど、Jackson Laboratoryから入手可能);ホモ接合脂肪肝ジストロフィー(fld)マウス(系統C3H/HeJ-Lpin1fld-2J/Jのマウスなど、Jackson Laboratoryから入手可能);Sec61a1Y344Hと呼ばれるENU誘導ミスセンス突然変異に関してホモ接合のマウス(系統C57BL/6J-Sec61a1m1Gek/Jのマウスなど、Jackson Laboratoryから入手可能);食餌誘発性肥満マウス(60%kcal脂肪食を与えた系統C57BL/6Jのマウス、Jackson Laboratoryから入手可能、または60%kcal脂肪食を与えた系統C57BL/6NTacのマウス、Taconicから入手可能);および肝臓特異的TBGプロモータ下でヒトApoC3遺伝子を過剰発現するトランスジェニックC57Bl/6マウスまたは本明細書に記載されるとおりのトランスジェニックC57Bl/6マウスが挙げられる。
特定の実施形態において、本発明のiRNAまたはiRNAを含む製剤の有効性の試験に好適な実験動物モデルには、ウサギが含まれる。例示的ウサギモデルとしては、例えば、ワタナベ遺伝性高脂質血症(WHHL)ウサギが挙げられる。WHHLウサギは、低密度リポタンパク質(LDL)受容体の欠損に起因する高コレステロール血症の動物モデルである。WHHLウサギの特徴およびWHHLウサギを使用して行われた研究の歴史が、例えば、Shiomi,M.and Ito,T.,Artherosclerosis(2009),207(1):1-7(この内容は全て、本明細書によって参照により本明細書に援用される)によって記載されている。WHHLウサギは、以下に示すとおりコレステロールおよびトリグリセリドレベルの増加を呈する:
特定の実施形態では、WHHLウサギがAPOC3発現の阻害の研究に好ましい動物モデルであることもあり、なぜなら、WHHLウサギは他の動物モデルと比べてよりヒトに近い脂質プロファイルを呈し、かつApoC3ノックダウンとトリグリセリドの低下との間の関係の理解に寄与し得るとともに、非ヒト霊長類が関与する研究のための用量決定について情報を与え得るためである。様々な動物種間での酵素およびリポタンパク質プロファイルの比較を以下の表2に提供する。
本発明のiRNAまたはiRNAを含む製剤の有効性の試験に好適であり得る他の例示的ウサギモデルとしては、例えば、食餌誘発性肥満ウサギが挙げられる。食餌誘発性肥満ウサギについては、例えば、Taylor and Fan,Front.Biosci.(1997),2:298-308;Carroll et al.,Am.J.Physiol.(1996),271:H373-8;Antic et al.,Am.J.Hypertens.(2000),13:556-9;Carroll et al.,Acta Physiol.Scand.(2004),181:183-91;およびRong et al.,Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.(1999),19:2179-88(これらの内容は全て、参照により本明細書に援用される)によって以前文献に記載されている。
対象には、約0.01mg/kg、0.02mg/kg、0.03mg/kg、0.04mg/kg、0.05mg/kg、0.1mg/kg、0.15mg/kg、0.2mg/kg、0.25mg/kg、0.3mg/kg、0.35mg/kg、0.4mg/kg、0.45mg/kg、0.5mg/kg、0.55mg/kg、0.6mg/kg、0.65mg/kg、0.7mg/kg、0.75mg/kg、0.8mg/kg、0.85mg/kg、0.9mg/kg、0.95mg/kg、1.0mg/kg、1.1mg/kg、1.2mg/kg、1.3mg/kg、1.4mg/kg、1.5mg/kg、1.6mg/kg、1.7mg/kg、1.8mg/kg、1.9mg/kg、2.0mg/kg、2.1mg/kg、2.2mg/kg、2.3mg/kg、2.4mg/kg、2.5mg/kgのdsRNA、2.6mg/kgのdsRNA、2.7mg/kgのdsRNA、2.8mg/kgのdsRNA、2.9mg/kgのdsRNA、3.0mg/kgのdsRNA、3.1mg/kgのdsRNA、3.2mg/kgのdsRNA、3.3mg/kgのdsRNA、3.4mg/kgのdsRNA、3.5mg/kgのdsRNA、3.6mg/kgのdsRNA、3.7mg/kgのdsRNA、3.8mg/kgのdsRNA、3.9mg/kgのdsRNA、4.0mg/kgのdsRNA、4.1mg/kgのdsRNA、4.2mg/kgのdsRNA、4.3mg/kgのdsRNA、4.4mg/kgのdsRNA、4.5mg/kgのdsRNA、4.6mg/kgのdsRNA、4.7mg/kgのdsRNA、4.8mg/kgのdsRNA、4.9mg/kgのdsRNA、5.0mg/kgのdsRNA、5.1mg/kgのdsRNA、5.2mg/kgのdsRNA、5.3mg/kgのdsRNA、5.4mg/kgのdsRNA、5.5mg/kgのdsRNA、5.6mg/kgのdsRNA、5.7mg/kgのdsRNA、5.8mg/kgのdsRNA、5.9mg/kgのdsRNA、6.0mg/kgのdsRNA、6.1mg/kgのdsRNA、6.2mg/kgのdsRNA、6.3mg/kgのdsRNA、6.4mg/kgのdsRNA、6.5mg/kgのdsRNA、6.6mg/kgのdsRNA、6.7mg/kgのdsRNA、6.8mg/kgのdsRNA、6.9mg/kgのdsRNA、7.0mg/kgのdsRNA、7.1mg/kgのdsRNA、7.2mg/kgのdsRNA、7.3mg/kgのdsRNA、7.4mg/kgのdsRNA、7.5mg/kgのdsRNA、7.6mg/kgのdsRNA、7.7mg/kgのdsRNA、7.8mg/kgのdsRNA、7.9mg/kgのdsRNA、8.0mg/kgのdsRNA、8.1mg/kgのdsRNA、8.2mg/kgのdsRNA、8.3mg/kgのdsRNA、8.4mg/kgのdsRNA、8.5mg/kgのdsRNA、8.6mg/kgのdsRNA、8.7mg/kgのdsRNA、8.8mg/kgのdsRNA、8.9mg/kgのdsRNA、9.0mg/kgのdsRNA、9.1mg/kgのdsRNA、9.2mg/kgのdsRNA、9.3mg/kgのdsRNA、9.4mg/kgのdsRNA、9.5mg/kgのdsRNA、9.6mg/kgのdsRNA、9.7mg/kgのdsRNA、9.8mg/kgのdsRNA、9.9mg/kgのdsRNA、9.0mg/kgのdsRNA、10mg/kgのdsRNA、15mg/kgのdsRNA、20mg/kgのdsRNA、25mg/kgのdsRNA、30mg/kgのdsRNA、35mg/kgのdsRNA、40mg/kgのdsRNA、45mg/kgのdsRNA、または約50mg/kgのdsRNAなどの治療量のiRNAを投与し得る。列挙された値の中間の値および範囲もまた、本発明の一部であることが意図される。
例えば本発明の組成物が、本明細書に記載されるdsRNAと、脂質とを含む特定の実施形態では、対象に、約0.01mg/kg~約5mg/kg、約0.01mg/kg~約10mg/kg、約0.05mg/kg~約5mg/kg、約0.05mg/kg~約10mg/kg、約0.1mg/kg~約5mg/kg、約0.1mg/kg~約10mg/kg、約0.2mg/kg~約5mg/kg、約0.2mg/kg~約10mg/kg、約0.3mg/kg~約5mg/kg、約0.3mg/kg~約10mg/kg、約0.4mg/kg~約5mg/kg、約0.4mg/kg~約10mg/kg、約0.5mg/kg~約5mg/kg、約0.5mg/kg~約10mg/kg、約1mg/kg~約5mg/kg、約1mg/kg~約10mg/kg、約1.5mg/kg~約5mg/kg、約1.5mg/kg~約10mg/kg、約2mg/kg~約2.5mg/kg、約2mg/kg~約10mg/kg、約3mg/kg~約5mg/kg、約3mg/kg~約10mg/kg、約3.5mg/kg~約5mg/kg、約4mg/kg~約5mg/kg、約4.5mg/kg~約5mg/kg、約4mg/kg~約10mg/kg、約4.5mg/kg~約10mg/kg、約5mg/kg~約10mg/kg、約5.5mg/kg~約10mg/kg、約6mg/kg~約10mg/kg、約6.5mg/kg~約10mg/kg、約7mg/kg~約10mg/kg、約7.5mg/kg~約10mg/kg、約8mg/kg~約10mg/kg、約8.5mg/kg~約10mg/kg、約9mg/kg~約10mg/kg、または約9.5mg/kg~約10mg/kgなどの治療量のiRNAを投与し得る。列挙された値の中間の値および範囲もまた、本発明の一部であることが意図される。
例えばdsRNAは、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、または約10mg/kgの用量で投与されてもよい。列挙された値の中間の値および範囲もまた、本発明の一部であることが意図される。
例えば本発明の組成物が、本明細書に記載されるdsRNAと、N-アセチルガラクトサミンとを含む別の実施形態では、対象に、約0.1~約50mg/kg、約0.25~約50mg/kg、約0.5~約50mg/kg、約0.75~約50mg/kg、約1~約50mg/kg、約1.5~約50mg/kg、約2~約50mg/kg、約2.5~約50mg/kg、約3~約50mg/kg、約3.5~約50mg/kg、約4~約50mg/kg、約4.5~約50mg/kg、約5~約50mg/kg、約7.5~約50mg/kg、約10~約50mg/kg、約15~約50mg/kg、約20~約50mg/kg、約20~約50mg/kg、約25~約50mg/kg、約25~約50mg/kg、約30~約50mg/kg、約35~約50mg/kg、約40~約50mg/kg、約45~約50mg/kg、約0.1~約45mg/kg、約0.25~約45mg/kg、約0.5~約45mg/kg、約0.75~約45mg/kg、約1~約45mg/kg、約1.5~約45mg/kg、約2~約45mg/kg、約2.5~約45mg/kg、約3~約45mg/kg、約3.5~約45mg/kg、約4~約45mg/kg、約4.5~約45mg/kg、約5~約45mg/kg、約7.5~約45mg/kg、約10~約45mg/kg、約15~約45mg/kg、約20~約45mg/kg、約20~約45mg/kg、約25~約45mg/kg、約25~約45mg/kg、約30~約45mg/kg、約35~約45mg/kg、約40~約45mg/kg、約0.1~約40mg/kg、約0.25~約40mg/kg、約0.5~約40mg/kg、約0.75~約40mg/kg、約1~約40mg/kg、約1.5~約40mg/kg、約2~約40mg/kg、約2.5~約40mg/kg、約3~約40mg/kg、約3.5~約40mg/kg、約4~約40mg/kg、約4.5~約40mg/kg、約5~約40mg/kg、約7.5~約40mg/kg、約10~約40mg/kg、約15~約40mg/kg、約20~約40mg/kg、約20~約40mg/kg、約25~約40mg/kg、約25~約40mg/kg、約30~約40mg/kg、約35~約40mg/kg、約0.1~約30mg/kg、約0.25~約30mg/kg、約0.5~約30mg/kg、約0.75~約30mg/kg、約1~約30mg/kg、約1.5~約30mg/kg、約2~約30mg/kg、約2.5~約30mg/kg、約3~約30mg/kg、約3.5~約30mg/kg、約4~約30mg/kg、約4.5~約30mg/kg、約5~約30mg/kg、約7.5~約30mg/kg、約10~約30mg/kg、約15~約30mg/kg、約20~約30mg/kg、約20~約30mg/kg、約25~約30mg/kg、約0.1~約20mg/kg、約0.25~約20mg/kg、約0.5~約20mg/kg、約0.75~約20mg/kg、約1~約20mg/kg、約1.5~約20mg/kg、約2~約20mg/kg、約2.5~約20mg/kg、約3~約20mg/kg、約3.5~約20mg/kg、約4~約20mg/kg、約4.5~約20mg/kg、約5~約20mg/kg、約7.5~約20mg/kg、約10~約20mg/kg、または約15~約20mg/kgの用量などの治療量のiRNAを投与し得る。一実施形態では、本発明の組成物が本明細書に記載のdsRNAおよびN-アセチルガラクトサミンを含む場合、対象には、治療量の約10~約30mg/kgのdsRNAが投与され得る。列挙された値の中間の値および範囲もまた、本発明の一部であることが意図される。
例えば、対象には、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8、8.1、8.2、8.3、8.4、8.5、8.6、8.7、8.8、8.9、9、9.1、9.2、9.3、9.4、9.5、9.6、9.7、9.8、9.9、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、20.5、21、21.5、22、22.5、23、23.5、24、24.5、25、25.5、26、26.5、27、27.5、28、28.5、29、29.5、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または約50mg/kgなどの治療量のiRNAを投与し得る。列挙された値の中間の値および範囲もまた、本発明の一部であることが意図される。
本発明の特定の実施形態において、例えば、二本鎖RNAi剤が修飾(例えば、3連続ヌクレオチド上の3つの同一の修飾の1つ以上のモチーフ)、例えば、薬剤の切断部位またはその近傍の1つのかかるモチーフ、6つのホスホロチオエート結合、およびリガンドを含む場合、かかる薬剤は、約0.01~約0.5mg/kg、約0.01~約0.4mg/kg、約0.01~約0.3mg/kg、約0.01~約0.2mg/kg、約0.01~約0.1mg/kg、約0.01mg/kg~約0.09mg/kg、約0.01mg/kg~約0.08mg/kg、約0.01mg/kg~約0.07mg/kg、約0.01mg/kg~約0.06mg/kg、約0.01mg/kg~約0.05mg/kg、約0.02~約0.5mg/kg、約0.02~約0.4mg/kg、約0.02~約0.3mg/kg、約0.02~約0.2mg/kg、約0.02~約0.1mg/kg、約0.02mg/kg~約0.09mg/kg、約0.02mg/kg~約0.08mg/kg、約0.02mg/kg~約0.07mg/kg、約0.02mg/kg~約0.06mg/kg、約0.02mg/kg~約0.05mg/kg、約0.03~約0.5mg/kg、約0.03~約0.4mg/kg、約0.03~約0.3mg/kg、約0.03~約0.2mg/kg、約0.03~約0.1mg/kg、約0.03mg/kg~約0.09mg/kg、約0.03mg/kg~約0.08mg/kg、約0.03mg/kg~約0.07mg/kg、約0.03mg/kg~約0.06mg/kg、約0.03mg/kg~約0.05mg/kg、約0.04~約0.5mg/kg、約0.04~約0.4mg/kg、約0.04~約0.3mg/kg、約0.04~約0.2mg/kg、約0.04~約0.1mg/kg、約0.04mg/kg~約0.09mg/kg、約0.04mg/kg~約0.08mg/kg、約0.04mg/kg~約0.07mg/kg、約0.04mg/kg~約0.06mg/kg、約0.05~約0.5mg/kg、約0.05~約0.4mg/kg、約0.05~約0.3mg/kg、約0.05~約0.2mg/kg、約0.05~約0.1mg/kg、約0.05mg/kg~約0.09mg/kg、約0.05mg/kg~約0.08mg/kg、または約0.05mg/kg~約0.07mg/kgの用量で投与される。前述の列挙された値の中間の値および範囲もまた本発明の一部であることが意図され、例えば、RNAi剤は、約0.015mg/kg~約0.45mg/kgの用量で対象に投与され得る。
例えば、RNAi剤、例えば医薬組成物中のRNAi剤は、約0.01mg/kg、0.0125mg/kg、0.015mg/kg、0.0175mg/kg、0.02mg/kg、0.0225mg/kg、0.025mg/kg、0.0275mg/kg、0.03mg/kg、0.0325mg/kg、0.035mg/kg、0.0375mg/kg、0.04mg/kg、0.0425mg/kg、0.045mg/kg、0.0475mg/kg、0.05mg/kg、0.0525mg/kg、0.055mg/kg、0.0575mg/kg、0.06mg/kg、0.0625mg/kg、0.065mg/kg、0.0675mg/kg、0.07mg/kg、0.0725mg/kg、0.075mg/kg、0.0775mg/kg、0.08mg/kg、0.0825mg/kg、0.085mg/kg、0.0875mg/kg、0.09mg/kg、0.0925mg/kg、0.095mg/kg、0.0975mg/kg、0.1mg/kg、0.125mg/kg、0.15mg/kg、0.175mg/kg、0.2mg/kg、0.225mg/kg、0.25mg/kg、0.275mg/kg、0.3mg/kg、0.325mg/kg、0.35mg/kg、0.375mg/kg、0.4mg/kg、0.425mg/kg、0.45mg/kg、0.475mg/kg、または約0.5mg/kgの用量で投与され得る。前述の列挙された値の中間の値もまた、本発明の一部であることが意図される。
iRNAは、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または約25分間などにわたる静脈輸液によって投与し得る。投与は、例えば1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月以上などにわたり、毎週、隔週(すなわち2週毎)で、定期的に繰り返してもよい。最初の治療計画の後に、治療は、より低い頻度で行い得る。例えば3ヶ月にわたる毎週または隔週の投与後、6ヶ月または1年以上にわたり月1回の投与を反復し得る。
iRNAの投与は、例えば、患者の細胞、組織、血液、尿または他のコンパートメントにおけるAPOC3レベルを少なくとも約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または少なくとも約99%またはそれ以上低減し得る。
iRNAの総用量の投与前に、5%輸液などのより少ない用量を患者に投与して、アレルギー反応などの悪影響についてモニタし得る。別の実施例では、サイトカイン(例えばTNF-αまたはINF-α)レベル増大などの望まれない免疫賦活性効果について、患者をモニタし得る。
APOC3発現に対する阻害効果のために、本発明に従った組成物またはそれから調製される医薬組成物は、生活の質を高め得る。
本発明のiRNAは「ネイキッド」形態で投与されてもよく、ここでは修飾または非修飾iRNA剤が水性溶媒または好適な緩衝溶媒中に「遊離iRNA」として直接懸濁される。遊離iRNAは医薬組成物の非存在下で投与される。遊離iRNAは好適な緩衝液中にあってもよい。緩衝液は、酢酸塩、クエン酸塩、プロラミン、炭酸塩、またはリン酸塩、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。一実施形態において、緩衝液はリン酸緩衝生理食塩水(PBS)である。iRNAを含有する緩衝液のpHおよび容量オスモル濃度は、対象への投与に好適となるように調整することができる。
あるいは、本発明のiRNAは、dsRNAリポソーム製剤など、医薬組成物として投与されてもよい。
APOC3遺伝子発現の低減および/または阻害から利益を受け得る対象は、本明細書に記載されるとおりのAPOC3関連疾患または障害を有する者である。
APOC3遺伝子発現の低減および/または阻害から利益を受け得る対象の治療には、療法的および予防的治療が含まれる。
本発明はさらに、APOC3発現の低減および/または阻害から利益を受け得る対象、例えば、APOC3関連疾患を有する対象を治療するための、他の医薬品および/または他の治療法、例えば、既知の医薬品および/または既知の治療法、例えば、これらの疾患の治療に現在用いられているものと併用したiRNA剤またはその医薬組成物の方法および使用を提供する。例えば、特定の実施形態では、APOC3を標的化するiRNAが、例えば、APOC3関連疾患の治療において有用な追加的な薬剤と併用して投与される。
追加的な療法剤の例としては、高トリグリセリド血症および高トリグリセリド血症によって引き起こされるか、それに関連するか、またはそれの結果である他の疾患を治療することが知られているものが挙げられる。例えば、本発明の特徴であるiRNAは、例えば、HMG-CoAレダクターゼ阻害薬(例えば、スタチン)、フィブラート、胆汁酸捕捉剤、ナイアシン、抗血小板剤、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(例えば、Merck & Co.のCozaar(登録商標)などのロサルタンカリウム)、アシルCoAコレステロールアセチルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害薬、コレステロール吸収阻害薬、コレステロールエステル転移タンパク質(CETP)阻害薬、ミクロソームトリグリセリド転移タンパク質(MTTP)阻害薬、コレステロールモジュレーター、胆汁酸モジュレーター、ペルオキシソーム増殖活性化受容体(PPAR)作動薬、遺伝子ベース療法、複合血管保護剤(例えば、AtherogenicsのAGI-1067)、糖タンパク質Ilb/IIIa阻害薬、アスピリンまたはアスピリン様化合物、IBAT阻害薬(例えば、ShionogiのS-8921)、スクアレンシンターゼ阻害薬、単球走化性タンパク質(MCP)-I阻害薬、または魚油と共に投与することができる。例示的HMG-CoAレダクターゼ阻害薬としては、アトルバスタチン(PfizerのLipitor(登録商標)/Tahor/Sortis/Torvast/Cardyl)、プラバスタチン(Bristol-Myers SquibbのPravachol、SankyoのMevalotin/Sanaprav)、シンバスタチン(MerckのZocor(登録商標)/Sinvacor、Boehringer IngelheimのDenan、BanyuのLipovas)、ロバスタチン(MerckのMevacor/Mevinacor、BexalのLovastatina、Cepa;Schwarz PharmaのLiposcler)、フルバスタチン(NovartisのLescol(登録商標)/Locol/Lochol、FujisawaのCranoc、SolvayのDigaril)、セリバスタチン(BayerのLipobay/GlaxoSmithKlineのBaycol)、ロスバスタチン(AstraZenecaのCrestor(登録商標))、およびピチバスタチン(pitivastatin)(イタバスタチン/リシバスタチン(risivastatin))(Nissan Chemical、Kowa Kogyo、Sankyo、およびNovartis)が挙げられる。例示的フィブラート系薬としては、例えば、ベザフィブラート(例えば、RocheのBefizal(登録商標)/Cedur(登録商標)/Bezalip(登録商標)、KisseiのBezatol)、クロフィブラート(例えば、WyethのAtromid-S(登録商標))、フェノフィブラート(例えば、FournierのLipidil/Lipantil、AbbottのTricor(登録商標)、TakedaのLipantil、ジェネリック薬)、ゲムフィブロジル(例えば、PfizerのLopid/Lipur)およびシプロフィブラート(Sanofi-SynthelaboのModalim(登録商標))が挙げられる。例示的胆汁酸捕捉剤としては、例えば、コレスチラミン(Bristol-Myers SquibbのQuestran(登録商標)およびQuestran Light(商標))、コレスチポール(例えば、PharmaciaのColestid)、およびコレセベラム(Genzyme/SankyoのWelChol(商標))が挙げられる。例示的ナイアシン療法としては、例えば、即効型製剤、例えば、AventisのNicobid、Upsher-SmithのNiacor、AventisのNicolar、およびSanwakagakuのPerycitが挙げられる。ナイアシン徐放製剤としては、例えば、Kos PharmaceuticalsのNiaspanおよびUpsher-SmithのSIo-Niacinが挙げられる。例示的抗血小板剤としては、例えば、アスピリン(例えば、Bayerのアスピリン)、クロピドグレル(Sanofi-Synthelabo/Bristol-Myers SquibbのPlavix)、およびチクロピジン(例えば、Sanofi-SynthelaboのTiclidおよびDaiichiのPanaldine)が挙げられる。APOC3を標的化するdsRNAとの併用で有用な他のアスピリン様化合物としては、例えば、Asacard(Pharmaciaの徐放性アスピリン)およびPamicogrel(Kanebo/Angelini Ricerche/CEPA)が挙げられる。例示的アンジオテンシン変換酵素阻害薬としては、例えば、ラミプリル(例えば、AventisのAltace)およびエナラプリル(例えば、Merck & Co.のVasotec)が挙げられる。例示的アシルCoAコレステロールアセチルトランスフェラーゼ(AC AT)阻害薬としては、例えば、アバシミベ(Pfizer)、エフルシミベ(BioMsrieux Pierre Fabre/Eli Lilly)、CS-505(SankyoおよびKyoto)、およびSMP-797(Sumito)が挙げられる。例示的コレステロール吸収阻害薬としては、例えば、エゼチミブ(Merck/Schering-Plough Pharmaceuticals Zetia(登録商標))およびPamaqueside(Pfizer)が挙げられる。例示的CETP阻害薬としては、例えば、トルセトラピブ(CP-529414とも称される、Pfizer)、JTT-705(Japan Tobacco)、およびCETi-I(Avant Immunotherapeutics)が挙げられる。例示的ミクロソームトリグリセリド転移タンパク質(MTTP)阻害薬としては、例えば、インプリタピド(Bayer)、R-103757(Janssen)、およびCP-346086(Pfizer)が挙げられる。他の例示的コレステロールモジュレーターとしては、例えば、NO-1886(Otsuka/TAP Pharmaceutical)、CI-1027(Pfizer)、およびWAY-135433(Wyeth-Ayerst)が挙げられる。
例示的胆汁酸モジュレーターとしては、例えば、HBS-107(Hisamitsu/Banyu)、Btg-511(British Technology Group)、BARI-1453(Aventis)、S-8921(Shionogi)、SD-5613(Pfizer)、およびAZD-7806(AstraZeneca)が挙げられる。例示的ペルオキシソーム増殖活性化受容体(PPAR)作動薬としては、例えば、テサグリタザル(AZ-242)(AstraZeneca)、ネトグリタゾン(MCC-555)(Mitsubishi/Johnson & Johnson)、GW-409544(Ligand Pharniaceuticals/GlaxoSmithKline)、GW-501516(Ligand Pharmaceuticals/GlaxoSmithKline)、LY-929(Ligand PharmaceuticalsおよびEli Lilly)、LY-465608(Ligand PharmaceuticalsおよびEli Lilly)、LY-518674(Ligand PharmaceuticalsおよびEli Lilly)、およびMK-767(MerckおよびKyorin)が挙げられる。例示的遺伝子ベースの療法薬としては、例えば、AdGWEGF 121.10(GenVec)、ApoAl(UCB Pharma/Groupe Fournier)、EG-004(Trinam)(Ark Therapeutics)、およびATP結合カセットトランスポーター-Al(ABCA1)(CV Therapeutics/Incyte、Aventis、Xenon)が挙げられる。例示的糖タンパク質Ilb/IIIa阻害薬としては、例えば、ロキシフィバン(DMP754とも称される、Bristol-Myers Squibb)、ガントフィバン(Merck KGaA/Yamanouchi)、およびクロマフィバン(Millennium Pharmaceuticals)が挙げられる。例示的スクアレンシンターゼ阻害薬としては、例えば、BMS-1884941(Bristol-Myers Squibb)、CP-210172(Pfizer)、CP-295697(Pfizer)、CP-294838(Pfizer)、およびTAK-475(Takeda)が挙げられる。例示的MCP-I阻害薬としては、例えば、RS-504393(Roche Bioscience)が挙げられる。抗アテローム硬化剤BO-653(Chugai Pharmaceuticals)、およびニコチン酸誘導体Nyclin(Yamanouchi Pharmacuticals)もまた、本発明の特徴であるdsRNAと併用して投与するのに適切である。APOC3を標的化するdsRNAと共に投与するのに好適な例示的併用療法薬としては、例えば、アドビコール(advicor)(Kos Pharmaceuticalsのナイアシン/ロバスタチン)、アムロジピン/アトルバスタチン(Pfizer)、およびエゼチミブ/シンバスタチン(例えば、Merck/Schering-Plough PharmaceuticalsによるVytorin(登録商標)10/10、10/20、10/40、および10/80錠)が挙げられる。高トリグリセリド血症の治療用の、APOC3を標的化するdsRNAと併用して投与するのに好適な薬剤としては、例えば、ロバスタチン、ナイアシンAltoprev(登録商標)徐放錠(Andrx Labs)、ロバスタチンCaduet(登録商標)錠(Pfizer)、ベシル酸アムロジピン、アトルバスタチンカルシウムCrestor(登録商標)錠(AstraZeneca)、ロスバスタチンカルシウムLescol(登録商標)カプセル(Novartis)、フルバスタチンナトリウムLescol(登録商標)(Reliant、Novartis)、フルバスタチンナトリウムLipitor(登録商標)錠(Parke-Davis)、アトルバスタチンカルシウムLofibra(登録商標)カプセル(Gate)、Niaspan徐放錠(Kos)、ナイアシンPravachol錠(Bristol-Myers Squibb)、プラバスタチンナトリウムTriCor(登録商標)錠(Abbott)、フェノフィブラートVytorin(登録商標)10/10錠(Merck/Schering-Plough Pharmaceuticals)、エゼチミブ、シンバスタチンWelChol(商標)錠(Sankyo)、塩酸コレセベラムZetia(登録商標)錠(Schering)、エゼチミブZetia(登録商標)錠(Merck/Schering-Plough Pharmaceuticals)、およびエゼチミブZocor(登録商標)錠(Merck)が挙げられる。
一実施形態において、iRNA剤は、エゼチミブ/シンバスタチンの組み合わせ(例えば、Vytorin(登録商標)(Merck/Schering-Plough Pharmaceuticals))と併用して投与される。一実施形態において、iRNA剤が患者に投与され、次に追加的な療法剤が患者に投与される(またはその逆)。別の実施形態において、iRNA剤と追加的な療法剤とは同時に投与される。
iRNA剤および追加的な療法剤および/または治療は、同時におよび/または同じ組み合わせで、例えば非経口的に投与されてもよく、または追加的な療法剤は、別個の組成物の一部として、または別個の時点で、および/または当該技術分野において公知のまたは本明細書に記載される別の方法によって投与することができる。
本発明はまた、本発明のiRNA剤および/または本発明のiRNA剤を含有する組成物を使用して細胞におけるAPOC3発現を低減および/または阻害する方法も提供する。他の態様において、本発明は、細胞におけるAPOC3発現の低減および/または阻害に使用される本発明のiRNAおよび/または本発明のiRNAを含む組成物を提供する。さらに他の態様において、細胞におけるAPOC3発現を低減および/または阻害する医薬を製造するための、本発明のiRNAおよび/または本発明のiRNAを含む組成物の使用が提供される。
本方法および使用は、細胞を、本発明のiRNA、例えばdsRNAと接触させるステップと、APOC3遺伝子のmRNA転写物の分解を達成するのに十分な時間にわたって細胞を維持し、それによって細胞におけるAPOC3遺伝子の発現を阻害するステップとを含む。
遺伝子発現の低減は、当該技術分野において公知の任意の方法によって評価することができる。例えば、APOC3の発現の低減は、当業者にとってルーチンの方法、例えば、ノーザンブロッティング、qRT-PCRを用いてAPOC3のmRNA発現レベルを決定し、当業者にとってルーチンの方法、例えば、ウエスタンブロッティング、免疫学的技法、フローサイトメトリー法、ELISAを用いてAPOC3のタンパク質レベルを決定し、および/またはAPOC3の生物学的活性を決定することによって決定し得る。
本発明の方法および使用において、細胞はインビトロまたはインビボで接触させてもよく、すなわち細胞は対象の体内にあり得る。
本発明の方法を用いた治療に好適な細胞は、APOC3遺伝子を発現する任意の細胞であり得る。本発明の方法および使用における使用に好適な細胞は、哺乳類細胞、例えば、霊長類細胞(ヒト細胞または非ヒト霊長類細胞、例えば、サル細胞またはチンパンジー細胞など)、非霊長類細胞(雌ウシ細胞、ブタ細胞、ラクダ細胞、ラマ細胞、ウマ細胞、ヤギ細胞、ウサギ細胞、ヒツジ細胞、ハムスター、モルモット細胞、ネコ細胞、イヌ細胞、ラット細胞、マウス細胞、ライオン細胞、トラ細胞、クマ細胞、またはスイギュウ細胞など)、トリ細胞(例えば、アヒル細胞またはガチョウ細胞)、またはクジラ細胞であり得る。一実施形態において、細胞はヒト細胞、例えばヒト肝細胞である。
APOC3発現は、細胞において少なくとも約5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、32%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または約100%阻害され得る。
本発明のインビボ方法および使用は、iRNAを含有する組成物を対象に投与するステップを含むことができ、ここでiRNAは、治療する哺乳動物のAPOC3遺伝子のRNA転写物の少なくとも一部と相補的なヌクレオチド配列を含む。治療する生物がヒトである場合、本組成物は、限定はされないが、皮下、静脈内、経口、腹腔内、または非経口経路、例えば、頭蓋内(例えば、脳室内、実質内およびくも膜下腔内)、筋肉内、経皮、気道(エアロゾル)、経鼻、直腸、および局所(頬側および舌下を含む)投与を含めた、当該技術分野において公知の任意の手段により投与することができる。特定の実施形態において、本組成物は皮下または静脈内注入または注射によって投与される。
一部の実施形態において、投与はデポー注射を介する。デポー注射は、iRNAを長期間にわたって一貫した形で放出し得る。したがって、デポー注射は、所望の効果、例えば所望のAPOC3阻害、または療法的もしくは予防的効果を得るために必要な投与頻度を減らすことができる。デポー注射はまた、より一貫した血清濃度も提供し得る。デポー注射は皮下注射または筋肉内注射を含み得る。好ましい実施形態において、デポー注射は皮下注射である。
一部の実施形態において、投与はポンプを介する。ポンプは外部ポンプまたは外科的に埋め込まれたポンプであってもよい。特定の実施形態において、ポンプは皮下に埋め込まれた浸透圧ポンプである。他の実施形態において、ポンプは輸液ポンプである。輸液ポンプは、静脈内、皮下、動脈内、または硬膜外注入に用いられ得る。好ましい実施形態において、輸液ポンプは皮下注入ポンプである。他の実施形態において、ポンプは、iRNAを肝臓に送達する外科的に埋め込まれたポンプである。
投与方法は、局所治療か、それとも全身治療が所望されるかに基づき、および治療範囲に基づき選択し得る。投与経路および部位は、標的化が増強されるように選択し得る。
一態様において、本発明はまた、哺乳動物、例えばヒトにおけるAPOC3遺伝子の発現を阻害する方法も提供する。本発明はまた、哺乳動物におけるAPOC3遺伝子の発現の阻害に使用するための、哺乳動物の細胞におけるAPOC3遺伝子を標的化するiRNA、例えばdsRNAを含む組成物も提供する。別の態様において、本発明は、哺乳動物におけるAPOC3遺伝子の発現を阻害するための医薬の製造における、哺乳動物の細胞におけるAPOC3遺伝子を標的化するiRNA、例えばdsRNAの使用を提供する。
本方法および使用は、哺乳動物、例えばヒトに対し、哺乳動物の細胞におけるAPOC3遺伝子を標的化するiRNA、例えばdsRNAを含む組成物を投与するステップと、APOC3遺伝子のmRNA転写物の分解を達成するのに十分な時間にわたって哺乳動物を維持し、それによって哺乳動物におけるAPOC3遺伝子の発現を阻害するステップとを含む。
遺伝子発現の低減は、iRNAを投与した対象の末梢血試料において、当該技術分野において公知の任意の方法、例えば本明細書に記載されるqRT-PCRによって評価することができる。タンパク質産生の低減は、当該技術分野において公知の任意の方法、および本明細書に記載される方法、例えばELISAまたはウエスタンブロッティングによって評価することができる。一実施形態では、穿刺肝生検試料が、APOC3遺伝子および/またはタンパク質発現の低減をモニタするための組織材料として働く。別の実施形態では、血液試料が、APOC3遺伝子および/またはタンパク質発現の低減をモニタするための組織材料として働く。
一実施形態において、iRNA剤投与後のRISCの媒介によるインビボ標的切断の確認は、5’-RACEまたは当該技術分野において公知のとおりのプロトコルの修正版の実施によって行われる(Lasham A et al.,(2010)Nucleic Acid Res.,38(3)p-e19)(Zimmermann et al.(2006)Nature 441:111-4)。
本発明は以下の例によってさらに例示され、これらの例は限定するものと解釈されてはならない。本出願全体を通じて引用される全ての参考文献、特許および公開特許出願の内容全体、ならびに図および配列表は、本明細書によって参照により本明細書に援用される。
材料および方法
本実施例では、以下の材料および方法を使用した。
試薬の供給元
試薬の供給元が本明細書に具体的に示されない場合、かかる試薬は、任意の分子生物学試薬供給業者から分子生物学における適用の品質/純度基準で入手することができる。
siRNA合成
Mermade 192シンセサイザー(BioAutomation)において、固体支持体媒介ホスホラミダイト化学を用いてAPOC3 siRNA配列を1μmol規模で合成した。固体支持体は、カスタムGalNAcリガンドを負荷したコントロールド・ポア・グラス(500Å)またはユニバーサル固体支持体(AM biochemical)であった。補助合成試薬、2’-Fおよび2’-O-メチルRNAおよびデオキシホスホラミダイトは、Thermo-Fisher(Milwaukee,WI)およびHongene(China)から入手した。対応するホスホラミダイトを用いて2’F、2’-O-メチル、GNA(グリコール核酸)、5’リン酸および脱塩基修飾を導入した。3’GalNAc共役一本鎖の合成は、GalNAc修飾CPG支持体で実施した。アンチセンス一本鎖の合成には、カスタムCPGユニバーサル固体支持体を使用した。全てのホスホラミダイト(アセトニトリル中100mM)のカップリング時間は、5-エチルチオ-1H-テトラゾール(ETT)をアクチベーター(アセトニトリル中0.6M)として用いて5分であった。無水アセトニトリル/ピリジン(1:1v/v)中50mM溶液の3-((ジメチルアミノ-メチリデン)アミノ)-3H-1,2,4-ジチアゾール-3-チオン(DDTT、Chemgenes(Wilmington,MA,USAから入手した)を使用して、ホスホロチオエート結合を作成した。酸化時間は3分であった。配列は全て、DMT基を最終的に除去して合成した(「DMTオフ」)。
初めに、「TOFFEE-6PS」モチーフを使用してインビトロスクリーニングアッセイ用のAPOC3配列を合成した。TOFFEE-6PS設計では、3’末端にGalNAcリガンド、5’末端に2つのホスホロチオエート(phosporothioate)ならびに9、10および11位に2’Fヌクレオチドのトリプレットがある21ヌクレオチド長のセンス鎖が作製される。TOFFEE-6PS設計におけるアンチセンス配列は23ヌクレオチド長であり;11、12および13位に2’-OMeヌクレオチドの3ヌクレオチドトリプレットを含有し、3’末端および5’末端のそれぞれに2つのホスホロチオエートを有する。
固相合成の完了後、オリゴリボヌクレオチドを固体支持体から切断し、密閉した96ディープウェルプレートにおいて200μLメチルアミン水溶液試薬を60℃で20分間使用して脱保護した。tert-ブチルジメチルシリル(TBDMS)基で保護されている2’リボ残基(2’-OH)を含有する配列について、TEA.3HF(トリエチルアミン三フッ化水素酸塩)試薬を使用して第2の脱保護ステップを実施した。このメチルアミン脱保護溶液に、200μLのジメチルスルホキシド(DMSO)および300μl TEA.3HF試薬を添加し、溶液を60℃でさらに20分間インキュベートした。切断および脱保護ステップが終了したところで合成プレートを室温に至らせ、1mLのアセトニトリル(acetontile):エタノール混合物(9:1)を添加することによって沈殿させた。プレートを-80℃で2時間冷却し、マルチチャンネルピペットを用いて上清(superanatant)を慎重にデカントした。オリゴヌクレオチドペレットを20mM NaOAc緩衝液に再懸濁し、A905オートサンプラーおよびFrac 950フラクションコレクターを備えたAKTA Purifier Systemで5mL HiTrapサイズ排除カラム(GE Healthcare)を使用して脱塩した。脱塩した試料を96ウェルプレートに収集した。各配列からの試料をLC-MSによって分析してアイデンティティを確認し、UV(260nm)で定量化し、およびIEXクロマトグラフィーによって選択の試料セットの純度を決定した。
Tecan液体ハンドリングロボットでAPOC3一本鎖のアニーリングを実施した。96ウェルプレートにおいてセンスおよびアンチセンス一本鎖の等モル混合物を合わせ、アニールした。相補的な一本鎖を合わせた後、96ウェルプレートをしっかりと密閉し、100℃のオーブンで10分間加熱し、2~3時間の時間をかけてゆっくりと室温に至らせた。各二重鎖の濃度は1×PBS中10μMに標準化し、次にインビトロスクリーニングアッセイにかけた。
細胞培養および96ウェルトランスフェクション
10%FBS、ストレプトマイシン、およびグルタミン(ATCC)を補足したRPMI(ATCC)中5%CO2の雰囲気下37℃でHep3B細胞(ATCC,Manassas,VA)をほぼコンフルエンスになるまで成長させた後、トリプシン処理によってプレートから剥がした。トランスフェクションは、96ウェルプレートにウェル当たり14.8μlのOpti-MEM+0.2μlのLipofectamine RNAiMax(Invitrogen,Carlsbad CA.カタログ番号13778-150)をウェル当たり5μlのsiRNA二重鎖に添加することによって行い、室温で15分間インキュベートした。次に、約2×104個のHep3B細胞を含有する80μlの抗生物質不含完全成長培地をsiRNA混合物に添加した。RNA精製に先立ち細胞を24時間または120時間のいずれかにわたってインキュベートした。10nMおよび0.1nMの最終二重鎖濃度で単回用量実験を実施し、8つの6倍希釈にわたる10nM~36fMの最終二重鎖濃度の用量範囲にわたって反応実験を行った。
DYNABEADS mRNA単離キット(Invitrogen;パーツ番号610-12)を使用した全RNA単離
細胞を収集して150μlの溶解/結合緩衝液に溶解し、次にEppendorf Thermomixerを使用して、850rpmで5分間混合した(混合速度は、処理全体にわたり同一であった)。10μlの磁性ビーズと、80μlの溶解/結合緩衝液混合物を丸底プレートに入れて、1分間混合した。磁性スタンドを使用して磁性ビーズを捕捉し、ビーズをかき乱すことなく上清を除去した。上清を除去した後、溶解細胞を残留ビーズに入れて、5分間混合した。上清を除去した後、磁性ビーズを150μlの洗浄液緩衝液Aで2回洗浄し、1分間混合した。ビーズを再度捕捉して、上清を除去した。次にビーズを150μlの洗浄緩衝液Bで洗浄し、捕捉して上清を除去した。次にビーズを150μlの溶出緩衝液で洗浄し、捕捉して上清を除去した。ビーズを2分間乾燥させた。乾燥後、50μlの溶出緩衝液を添加して、5℃で70分間混合した。ビーズを磁石上に5分間捕捉した。40μlの上清を除去して、別の96ウェルプレートに入れた。
ABIハイキャパシティcDNA逆転写キット(Applied Biosystems,Foster City,CA、カタログ番号4368813)を使用したcDNA合成
反応当たり2μl 10×緩衝液、0.8μl 25×dNTP、2μlランダムプライマー、1μl逆転写酵素、1μl RNアーゼ阻害薬および3.2μlのH2Oのマスターミックスを10μlの全RNAに添加した。Bio-Rad C-1000またはS-1000サーマルサイクラー(Hercules,CA)を使用して、以下のステップ:25℃10分、37℃120分、85℃5秒、4℃保持によってcDNAを作成した。
リアルタイムPCR
384ウェルプレート(Roche カタログ番号04887301001)内のウェル当たり0.5μl GAPDH TaqManプローブ(Applied Biosystems カタログ番号4326317E)、0.5μl ApoC3 TaqManプローブ(Applied Biosystems カタログ番号Hs00163644_m1)および5μl Lightcycler 480プローブマスターミックス(Roche カタログ番号04887301001)を含有するマスターミックスに、2μlのcDNAを添加した。LightCycler480リアルタイムPCRシステム(Roche)でΔΔCt(RQ)アッセイを用いてリアルタイムPCRを行った。概要の表に特に注記しない限り、各二重鎖は2つの独立したトランスフェクションで試験し、各トランスフェクションはデュプリケートでアッセイした。
相対変化倍数を計算するため、ΔΔCt法を用いてリアルタイムデータを分析し、10nM AD-1955をトランスフェクトした細胞またはモックトランスフェクト細胞で実施したアッセイに対して正規化した。XLFitを使用して4パラメータフィットモデルを用いてIC50を計算し、AD-1955をトランスフェクトした細胞またはナイーブ細胞に対して正規化した。
AD-1955のセンス配列およびアンチセンス配列は以下である:
センス:cuuAcGcuGAGuAcuucGAdTsdT(配列番号28)
アンチセンス:UCGAAGuACUcAGCGuAAGdTsdT(配列番号29)
実施例1.iRNA合成
APOC3を標的化するiRNA剤の初期セットの作成
ヒトAPOC3、「アポリポタンパク質C-III」(ヒト:NCBI参照配列番号NM_000040.1)、ならびにtox種APOC3オルソログ(カニクイザル:XM_005579730;アカゲザル、XM_001090312.2;マウス:NM_023114;ラット、NM_012501)を標的化する一組のiRNAを、カスタムRおよびPythonスクリプトを使用して設計した。ヒトAPOC3 REFSEQ mRNAは533塩基の長さを有する。この一組のsiRNA設計の理論的根拠および方法は、以下のとおりである:47位~533位の可能性のあるあらゆる19mer iRNAの予想有効性を、多数の脊椎動物遺伝子を標的化する20,000個超の異なるiRNA設計からのmRNAノックダウンを直接測定して導き出した線形モデルで決定した。ヒト、カニクイザルおよびアカゲザルの間で完全なまたはほぼ完全なマッチを有するAPOC3 siRNAのサブセットを設計した。マウスおよびラットAPOC3オルソログと完全なまたはほぼ完全なマッチを有するさらなるサブセットを設計した。iRNAの各鎖について、カスタムPythonスクリプトを総当たり検索で使用して、siRNAと標的種トランスクリプトームにおける可能性のあるあらゆるアラインメントとの間のミスマッチの数および位置を測定した。シード領域のミスマッチ(ここではアンチセンスオリゴヌクレオチドの2~9位として定義される)、またiRNAの切断部位(ここではアンチセンスオリゴヌクレオチドの10~11位として定義される)には、追加の重みを加えた。ミスマッチの相対的な重みは、シードミスマッチ、切断部位、およびアンチセンス19位までの他の位置について2.8;1.2:1であった。1番目の位置のミスマッチは無視した。各鎖について、各重み付きミスマッチの値を合計することにより、特異性スコアを計算した。ヒトおよびカニクイザルにおけるアンチセンススコアが>=3.0であり、かつ予想有効性が>=APOC3転写物の70%ノックダウンであったsiRNAを優先して選択した。
上記に記載したとおり設計した配列を有する一連のiRNA二重鎖を合成し、上記に記載した技法を用いてセンス鎖の3末端で三価GalNAcと共役した。これらの二重鎖の配列を表4Aおよび4Bに示す。これらの同じ配列であって、様々なヌクレオチド修飾を有するものもまた合成し、三価GalNAcと共役した。修飾二重鎖の配列は表5に示す。
実施例2.siRNA配列のインビトロ試験
表6は、選択された修飾APOC3 iRNAを使用したHep3B細胞における単回用量スクリーンの結果を示す。データは、AD-1955非標的化対照をトランスフェクトした細胞中に残存するAPOC3 mRNAに対するiRNAをトランスフェクトした細胞中に残存するAPOC3 mRNAの割合として表す。
表7は、指示されるカニクイザル/ヒト交差反応性修飾APOC3 iRNAをトランスフェクトしたHep3B細胞の用量反応を示す。指示されるIC50値は、未処理細胞に対するIC50値を表す。APOC3 iRNAの単回用量スクリーンの結果(10nM平均値青色バーおよび0.1nM平均値赤色バー)を図1に示す。このスクリーンの結果に基づき、さらなるインビボ試験に3つのiRNA(AD-57553.1、AD-57547.1およびAD-58924.1)を選択した。
実施例3.野生型マウスにおけるAD-57558 siRNA配列のインビボ試験
野生型マウスにおいて、げっ歯類特異的AD-57558-GalNAc3配列を、APOC3の発現を阻害し、かつ血清脂質を低減するその能力に関して試験した。AD-57558-GalNAc3を単回用量として3mg/kg、10mg/kgまたは30mg/kgで皮下(cubsutaneously)投与し、PBSを陰性対照として使用した。投与5日後にRT-PCRによってAPOC3の発現を計測した。図2に示す結果は、AD-57558-GalNAc3がAPOC3の発現を約60%(3mg/kg用量について)、約80%(10mg/kg用量について)および約85%(30mg/kg用量について)低減可能であることを示している。
実施例4.APOC3過剰発現マウスモデルの作成および特徴付け
げっ歯類APOC3遺伝子と交差反応しない化合物でインビボでのApoC3 GalNAc共役リード発見を可能にするため、C57Bl/6マウスの肝臓におけるヒトAPOC3遺伝子の過剰発現系を用いた。肝臓特異的TBGプロモータ下でヒトAPOC3を発現する、アデノ随伴ウイルス血清型8(AAV8)キャプシド形成AAV2ベクターゲノムを作成した。AAV形質導入マウスにおけるヒトApoC3の高い持続的な発現に必要なウイルスゲノムコピー(GC)数および時間を含め、最適条件を同定するため、モデルの特徴付け研究を実施した。
マウス当たり1011個のゲノムコピーのAAV2ベクターの投与を用いてさらなる試験を実施した。hAPOC3 AAVベクターの投与後1.5週間、6.5週間、8週間および16週間に、AAV-hApoC3マウスの肝臓におけるAPOC3 mRNAレベルをRT-PCRによって計測した。RT-PCRの結果は(データは示さず)、1011個のhAPOC3 AAVゲノムコピーの投与後10日以内にマウスにおいてヒトAPOC3遺伝子の高い発現レベルが達成され、少なくとも6ヵ月間持続し、動物間のばらつきはほとんどなかったことを示している。
実施例5.APOC3過剰発現マウスモデルにおける可能性のあるリードiRNAの試験
特徴付けの後、APOC3過剰発現のAPOC3-AAVマウスモデル系を使用して、インビトロでの効力に基づき同定されたAD-57553、AD-57547およびAD-58924のインビボスクリーニングを行った。単回高用量スクリーン実験については、1011個のhAPOC3 AAVゲノムコピーを予め注射したAPOC3-AAVマウスに単回10mg/kg用量のAD-57553、AD-57547およびAD-58924またはPBS(対照として)を投与し、続いてAPOC3 mRNAを計測した。結果は図3および図4に提供する。具体的には、図3は、AD-57553、AD-57547およびAD-58924またはPBSを注射した個々のAPOC3-AAVマウスにおいて計測されたAPOC3 mRNAレベルを示し、一方、図4はmRNA群平均を示す。データは、APOC3発現の阻害にAD-57553が最も有効であることを示している。
用量反応および複数用量試験におけるさらなるインビボ試験にAD-57553を選択した。用量反応実験については、1011個のhAPOC3 AAVゲノムコピーを予め注射したAPOC3-AAVマウスに、1.25mg/kg、2.5mg/kgおよび5mg/kg用量を毎週、4週間にわたって投与し、続いてAPOC3 mRNAレベルを計測した。結果は図5および図6に提供する。具体的には、図5は、AD-57553を注射した個々のAPOC3-AAVマウスにおいて計測されたAPOC3 mRNAレベルを示し、一方、図6はmRNA群平均を示す。これらのデータは、AD-57553の用量増加に伴うAPOC3 mRNA発現の阻害の増加を示している。
実施例6.AD-57553に基づくさらなるRNA配列の作成およびインビボ試験
iRNA化学のSAR最適化の初回ラウンドから、AD-57553リード配列に基づき、2’F、2’OMeおよび5’P修飾における変化を導入することによって10個のさらなるiRNA配列を作成した。さらなるiRNAを以下の表8および表9に提供する。
APOC3-AAVマウスにおいて、これらのさらなる配列を、APOC3タンパク質の発現を阻害するそれらの能力に関して試験した。具体的には、1011個のhAPOC3 AAVゲノムコピーを予め注射したAPOC3-AAVマウスに単回用量の3mg/kgの指示される修飾iRNAを投与し、投与後5、10および20日目に、得られた循環中血清APOC3タンパク質レベルを計測した。図7Aは、試験した各iRNA配列について計測した血清APOC3タンパク質レベルの20日目までの経時変化を提供し、図7Bは、6つの選択されたiRNA配列に関する血清APOC3タンパク質レベルの30日目までの経時変化を提供する。図8および図9は、試験した各iRNA配列のそれぞれ10日目および20日目のデータを表す。これらのデータは、AD-65704など、最も活性の高いiRNA配列が、10日目および20日目に血清APOC3タンパク質の約80%のノックダウンを達成可能であることを示している。
実施例7.APOC3過剰発現マウスモデルにおける新規リードiRNAの試験
AD-57553、AD-65696、AD-65703およびAD-65704をフォローオン研究に選択し、フッ素含有量およびビニルリン酸がインビボでAPOC3タンパク質の発現を阻害するiRNA剤の能力に及ぼす効果を試験した。上記の表9は、AD-57553、AD-65696、AD-65703およびAD-65704の修飾配列を示し、以下の表10は、各鎖に存在する修飾の簡単な説明を含む。
APOC3過剰発現のAPOC3-AAVマウスモデル系において、iRNAがインビボでヒトAPOC3タンパク質の発現を阻害する能力を試験した。単回用量スクリーン研究については、1011個のAPOC3 AAVゲノムコピーを予め注射したAPOC3-AAVマウスに単回3mg/kg用量のAD-57553、AD-65696、AD-65703およびAD-65704またはPBS(対照として)を投与し、投与後0、3、10、20、30、41、55および70日目に投与前と比べたAPOC3タンパク質レベルを計測した。図10は、試験した4つ全てのiRNAのデータを提供する。図10のデータは、2’F含有量が低いiRNA(AD-65703およびAD-65704)が、APOC3の約80%のノックダウンを30日間にわたって維持可能であることを示している。データはまた、単回3mg/kg用量後にAPOC3レベルが対照(PBS)群で観察されるレベルに戻るのに55~70日かかることも実証している。
用量反応および複数用量試験におけるさらなるインビボ試験にAD-57553、AD-65696、AD-65699、AD-65703およびAD-65704を使用した。用量反応実験については、1011個のAPOC3 AAVゲノムコピーを予め注射したAPOC3-AAVマウスが、0.3mg/kg、1mg/kgおよび3mg/kgの各iRNAの皮下用量を4回受けた(Q2W×4投薬スケジュール)。0、7、14、21、35、49、62および77日目に動物を出血させて、APOC3の量を評価した。この実験に用いた投薬スケジュールを図11に概略的に図示する。
0.3mg/kg、1mg/kgおよび3mg/kg用量についての経時変化をそれぞれ図12A、図12Bおよび図12Cに示す。図12A~図12Cのデータは、0.3mg/kg用量で、試験したiRNAの各々がAPOC3タンパク質の発現を投与前計測値の50%まで阻害可能であることを実証している。これらのデータはまた、1mg/kgおよび3mg/kg用量で、2’F修飾を含有しないAD-65699が試験した他のiRNAと比べてAPOC3の発現を阻害する有効性が低いことも実証している。これらのデータはさらに、3mg/kg用量のAD-57553、AD-65696、AD-65703およびAD-65704を動物に投与した後に最大94%の相対APOC3レベルの低下が達成されることを示している。APOC3レベルのこのノックダウンは最終用量後少なくとも3週間持続する。試験したiRNAのうちの2つ、AD-65696およびAD-65704は、最終用量後少なくとも5週間にわたってAPOC3タンパク質の約80%の阻害を維持することが可能であった。
APOC3過剰発現のAPOC3-AAVマウスモデル系を使用した単回用量タイトレーション研究において、選択されたリード配列のうちの1つ、センス鎖およびアンチセンス鎖上に6つの2’F修飾を含有するAD-65704を試験した。用量スクリーン実験については、1011個のhAPOC3 AAVゲノムコピーを予め注射したAPOC3-AAVマウスに、単回用量の0.3mg/kg、1mg/kgまたは3mg/kgのAD-65704またはPBS(対照として)を投与し、14日後に投与前と比べたAPOC3タンパク質レベルを計測した。図13に提供する結果は、APOC3発現の80%阻害を達成するのに有効な用量(ED80)が約3mg/kgであり、一方、APOC3発現の40%阻害を達成するのに有効な用量(ED40)が1mg/kgであることを示している。
用量タイトレーション実験については、1011個のAPOC3 AAVゲノムコピーを予め注射したAPOC3-AAVマウスにAD-65704を0.3mg/kg、1mg/kgまたは3mg/kgの用量で皮下投与した。各用量レベルについて、隔週で1回、合計4用量を投与した(Q2W×4投与)。図14は、最終用量後20日に計測した、投与前と比べたAPOC3タンパク質の量を示す。これらのデータは、APOC3発現の90%阻害を達成するのに有効な用量(ED90)が≦3mg/kgであり;APOC3発現の70%阻害を達成するのに有効な用量(ED70)が1mg/kgであり;およびAPOC3発現の50%阻害を達成するのに有効な用量(ED50)が0.3mg/kgであることを示している。
この例で提供される結果(図10~図14)は、低フッ素含有量のiRNA(AD-65703およびAD-65704)が、単回3mg/kg用量として投与したとき、少なくとも30日間にわたって持続するAPOC3の約80%のノックダウンを達成することを実証している(図10を参照)。2週間毎に3mg/kg用量を4回投与すると、APOC3レベルの最大94%の低下が達成され、90%超のノックダウンが少なくとも3週間持続する(図12Cを参照)。
超低フッ素含有量のiRNA(AD-65698)の結果は、このiRNAが、2週間毎に投与する3mg/kgの4用量で最大83%のノックダウンを達成可能であり、75%のノックダウンが最終用量後3週間持続することを示している(図12Cを参照)。フッ素不含のiRNA(AD-65699)の結果は、3mg/kgの単回用量で、このiRNAが極めて短期間のノックダウンを達成可能であることを示している。2週間毎に投与する4回の3mg/kg用量は、ノックダウンを最大50%まで増加させることができ、APOC3レベルは最終用量の投与後2週間以内にベースラインに戻る(図12Cを参照)。
アンチセンス鎖の5’にVPを付加すると、iRNAがAPOC3発現を阻害する能力のブーストがもたらされる。これは、VPを有しない親iRNA AD-57553で観察される約80%のノックダウンと比較したときの、VP含有AD-65696の単回3mg/kg用量後に観察される94%のAPOC3ノックダウンから明らかである(図10を参照のこと)。AD-65696による複数用量実験は、3mg/kgでAPOC3の最大99%のノックダウン、1mg/kgで約80%のノックダウンおよび0.3mg/kg用量で50%超のノックダウンをもたらした(図12A~図12Cを参照)。
実施例8.ウサギAPOC3と交差反応するiRNAの同定
表7に示すiRNA剤を、ウサギAPOC3と交差反応するそれらの能力に関して分析した。ウサギAPOC3とのミスマッチの数に基づき、AD-58911、AD-58924、AD-58922およびAD-58916がウサギAPOC3と交差反応性を有することが決定された。
4つのウサギ交差反応性配列を、センス鎖およびアンチセンス鎖に合計10個の2’F修飾を含有するように修飾して、iRNA AD-67221、AD-67222、AD-67223、およびAD-67224を得た。AD-67221、AD-67222、AD-67223、およびAD-67224の非修飾配列および修飾配列は、それぞれ以下の表11Aおよび表11Bに提供する。
APOC3過剰発現のAPOC3-AAVマウスモデル系を使用した単回投与試験においてこれらのiRNAを試験した。1011個のhAPOC3 AAVゲノムコピーを予め注射したAPOC3-AAVマウスに、単回用量の1mg/kgのAD-65704、AD-67221、AD-67222、AD-67223、AD-67224、またはPBS(対照として)を投与し、投与後14日目および26日目の投与前と比べたAPOC3タンパク質レベルを計測した。図15に提供される結果は、14日目に、1mg/kgではiRNA AD-67222およびAD-67224が活性でなく、AD-67223はAPOC3タンパク質の30%阻害を示し、およびAD-67221はAD-65704と同等で、1mg/kg用量でAPOC3タンパク質の約40%阻害であったことを示している。14日目においてAPOC3タンパク質の当初のサイレンシングはAD-65704とAD-67221との間で同様であるが、26日目の活性レベルはAD-65704がAD-67221よりも持続的である(それぞれAPOC3タンパク質の46%および33%阻害を達成する)ことを示している。
実施例9.ビニルリン酸修飾の効果の試験
この研究の目的は、アンチセンス鎖上のビニルリン酸(VP)および2’F修飾がAPOC3発現を阻害するiRNAの能力に及ぼす効果を試験することであった。本研究に用いたiRNAを以下の表12に要約する。
iRNA剤AD-65698およびAD-66239は同じセンス鎖を有するが、アンチセンス鎖は異なる。同様に、二重鎖AD-65701およびAD-66240は同じセンス鎖を有するが、アンチセンス鎖は異なる。iRNA剤AD-65704およびAD-66241は同じセンス鎖を含有するが、アンチセンス鎖は異なる。AD-65698、AD-65701およびAD-65704のアンチセンス鎖は同じであり、ホスホロチオエートを含有する4つのヌクレオチドと、2’-フルオロ修飾を含有する2つのヌクレオチドとを含有する。AD-66239、AD-66240およびAD-66241のアンチセンス鎖は同じであり、ホスホロチオエートを含有する4つのヌクレオチドと、2’-フルオロ修飾を含有する9つのヌクレオチドと、アンチセンス鎖の5’末端に1つのビニルリン酸とを含有する。
1011個のAPOC3 AAVゲノムコピーを予め注射したAPOC3-AAVマウスに単回1mg/kg用量の表11に列挙される各iRNAまたはPBS(対照として)を投与し、投与後10日目および24日目に、投与前と比べたAPOC3タンパク質レベルを計測した。10日目のデータを図16Aに示し、24日目のデータを図16Bに示す。
これらの結果は、アンチセンス鎖上のVP修飾とセンス鎖の低フッ素含有量との混合適合が活性の同程度のブーストをもたらしたが、しかしながら、センス鎖とVP修飾を有しないアンチセンス鎖との対合と比べて持続期間を改善することはできなかったことを実証している。
実施例10.AD-65704ベースのさらなるiRNA配列のインビボ試験
AD-65704化学のSAR最適化により、10個のさらなるiRNA配列が生じた(表13)。
APOC3過剰発現のAPOC3-AAVマウスモデル系を使用した単回投与試験においてこれらのiRNAを試験した。簡潔に言えば、APOC3-AAVマウスに1011個のhAPOC3 AAVゲノムコピーを注射した2週間後、マウス(n=3)に単回1mg/kg用量のiRNA剤またはPBS(対照として)を皮下投与した。投与後14、28、および42日目に、投与前レベルと比べた血清APOC3タンパク質レベルをELISAアッセイによって計測した。図17Aおよび図17Bに提供する結果は、14日目に、試験したiRNAの全てが1mg/kgで活性であったことを示している。
実施例11.非ヒト霊長類におけるiRNA剤のインビボ試験
実施例10に記載する結果に基づき、3つのiRNA剤、AD-65704、AD-69535およびAD-69541を、非ヒト霊長類(primtaes)における評価に選択した。
カニクイザルで単回および複数用量実験を実施した。一つの実験セットでは、未処置雄カニクイザル(n=3)に1日目に単回週用量の1mg/kg用量のAD-65704を皮下投与し、または未処置雄カニクイザル(n=3)に1、8、15、22、29、36、43、および50日目に週1回1mg/kg用量のAD-65704を皮下投与した。-7、-1、1、8、11、15、22、29、36、43、57、64、および71日目に血清を採取した。カニクイザルApoC3タンパク質のレベルをELISAによって決定した。-7、12、30、および64日目に肝生検を実施し、ApoC3 mRNAレベルを決定した。単回投与試験の結果は図18Aおよび図18Bに図示し、1mg/kgのAD-65704の週1回投与が総血清ApoC3の>80%の低下および総ApoC3タンパク質の最大50%の低下(図18B)を達成することを実証している。これらのデータはまた、1mg/kgのAD-65704の週1回投与が、投与前レベルと比較したとき60%の肝臓ApoC3 mRNAの低下を達成することも実証している。図18Cに図示されるとおり、1mg/kgのAD-65704の週1回投与はApoC3 mRNAレベルを投与前レベルと比べて95%低下させる。
別の実験セットでは、未処置雄カニクイザル(n=3)に1日目に単回週用量の1mg/kg用量のAD-65704、AD-69535、またはAD-69541を皮下投与した。-7、-1、1、8、11、15、22、29、および36日目に血清を採取した。カニクイザルApoC3タンパク質のレベルをELISAによって決定した。-7、12、30、および64日目に肝生検を実施し、ApoC3 mRNAレベルを決定した。これらのデータは、試験した3つ全てのiRNA剤の単回1mg/kg用量がApoC3タンパク質レベルをベースラインレベルの約50%に低下させる(ED50 タンパク質=約1mg/kg)ことを実証している(図19A)。図19Bに示されるとおり、単回1mg/kg用量のAD-65704がApoC3 mRNAを投与前レベルと比べて60%低下させ、AD-69535がApoC3 mRNAを投与前レベルと比べて68%低下させ、およびAD-69541がApoC3 mRNAを投与前レベルと比べて64%低下させる(ED50mRNA<1mg/kg)。
カニクイザルにおいてAD-65704、AD-69535、およびAD-69541でさらなる複数用量試験を実施した。未処置雄カニクイザルに1日目に単回1mg/kg用量のAD-65704、AD-69535、またはAD-69541を皮下投与し、続いて36日目に単回皮下3mg/kg用量の同じ薬剤を投与した。N=3/群。-7、-1、1、8、11、15、22、29、36、43、50、57、64、および71日目に血清を採取した。カニクイザルApoC3タンパク質のレベルをELISAによって決定した。-7、12、30、および64日目に肝生検を実施し、ApoC3 mRNAレベルを決定した。図20Aは、3mg/kg用量のAD-65704またはAD-69535の投与がApoC3タンパク質レベルを投与前レベルと比べて約70%低下させる(ED70 タンパク質=約3mg/kg)ことを実証しており、および図20Bは、3mg/kg用量のAD-65704の投与後64日目にApoC3 mRNAレベルが投与前レベルと比べて81%低下し、3mg/kg用量のAD-69535の投与後64日目にApoC3 mRNAレベルが投与前レベルと比べて88%低下し、および3mg/kg用量のAD-69541の投与後64日目にApoC3 mRNAレベルが投与前レベルと比べて84%低下する(ED80mRNA≦3mg/kg)ことを実証している。
均等物
当業者は、本明細書に記載される具体的な実施形態および方法の多くの均等物を認識し、または常法の域を越えない実験を用いて確認することができるであろう。かかる均等物は、以下の特許請求の範囲に包含されることが意図される。