JP7507985B2 - 交流回転機の制御装置、車両用駆動装置、及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

交流回転機の制御装置、車両用駆動装置、及び電動パワーステアリング装置 Download PDF

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本願は、交流回転機の制御装置、車両用駆動装置、及び電動パワーステアリング装置に関するものである。
特許文献1の回転電機制御システムでは、第1インバータと第2インバータのうち片方または両方を動作させたときの損失を比較して、損失の最も少ない駆動方法を選択している。
特許文献2に記載の電力変換装置では、2組のインバータが同時に有効電圧ベクトルになるモードを回避するため、3次高調波重畳による変調時には搬送波信号を90度ずらして、母線電流のリップル成分を低減している。また、2つの搬送波信号を相互に180度ずらすと共に、第1組及び第2組の電圧指令値を搬送波信号の最小値に一致するように変調を加えることにより、母線電流のリプル成分を低減している。
特許文献3に記載の電力変換装置では、3相巻線電流の絶対値が最大になる相のスイッチング動作を停止し、最大相以外の2相について、一方の相の電圧指令値と比較される搬送波信号と、他方の相の電圧指令値と比較される搬送波信号とを異なるものにすることで、母線に最大相の電流を流さないようにし、母線電流のリプル成分を低減している。
特開2020-18148号公報 特開2011-188674号公報 特開2020-137232号公報
しかし、特許文献1の制御方法では、損失最小の駆動方法を選択するために、第1インバータのみを用いた場合の損失、第2インバータのみを用いた場合の損失、双方を用いた場合の損失を算出し、比較する必要がある。動作中に常時演算すると、処理負荷が増加する。
特許文献2の制御方法を用いることで、母線電流のリプル成分は抑制できるが、2つの組間の相互インダクタンスを考慮すると、第1組の有効電圧ベクトルの出力時に、第2組の電流変化を招き、第2組の有効電圧ベクトルを出力時に、第1組の電流変化を招く。つまり、見かけ上は有効電圧ベクトル区間が増加したのと同様の状況となるため、各相の巻線電流のリプル成分が大きくなり、損失が大きくなる。
特許文献3の制御方法を用いることで、母線電流のリプル成分は抑制できるが、相間で同じ搬送波信号を用いる場合に比べて、有効電圧ベクトルの出力区間が増加するため、各相の巻線電流のリプル成分が大きくなり、損失は大きくなる。
そこで、本願は、母線電流のリプル成分の低減、各相の巻線電流のリプル成分の低減、又はスイッチング損失の低減を、適切に図ることができる交流回転機の制御装置、車両用駆動装置、及び電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
本願に係る交流回転機の制御装置は、
単数組又は複数組の3相の巻線を設けたステータを有する交流回転機を、単数組又は複数組のインバータを介して制御する交流回転機の制御装置であって、
各組について、前記3相の巻線に印加する3相の電圧指令値を算出する電圧指令演算部と、
各組について、前記3相の電圧指令値のそれぞれと、搬送波信号との比較結果に基づいて、前記インバータが有する複数のスイッチング素子をオンオフ制御するPWM制御部と、を備え、
前記電圧指令演算部は、各組について、前記交流回転機の運転状態に基づいて、第1制御モード、第2制御モード、及び第3制御モードを切り替え、
前記第1制御モードでは、正弦波の3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、各相の巻線に流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する相電流リプル抑制制御を実行し、
前記第2制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、直流電源と前記インバータとの間を流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する母線電流リプル抑制制御を実行し、
前記第3制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、前記スイッチング素子の損失が低減するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出するスイッチング損失抑制制御を実行し、
前記電圧指令演算部は、各組について、
前記3相の巻線に流れる電流の電流ベクトルの絶対値、及び前記交流回転機の出力トルクの絶対値の1つである出力パラメータと、
前記交流回転機の回転速度の絶対値、及び前記3相の電圧指令値の電圧ベクトルの絶対値の1つである領域パラメータと、に少なくとも基づいて、
前記第1制御モード、前記第2制御モード、及び前記第3制御モードを切り替えるものである。
本願に係る車両用駆動装置は、
上記の交流回転機の制御装置と、
前記交流回転機と、
前記交流回転機の駆動力を車両の車輪に伝達する駆動力伝達機構と、を備えたものである。
本願に係る電動パワーステアリング装置は、
上記の交流回転機の制御装置と、
前記交流回転機と、
前記交流回転機の駆動力を車両の操舵装置に伝達する駆動力伝達機構と、を備えたものである。
本願に係る交流回転機の制御装置、車両用駆動装置、及び電動パワーステアリング装置によれば、交流回転機の運転状態に基づいて、相電流リプル抑制制御が実行される第1制御モード、母線電流リプル抑制制御が実行される第2制御モード、及びスイッチング損失抑制制御が実行される第3制御モードを適切に切り替えて、母線電流のリプル成分の低減、各相の巻線電流のリプル成分の低減、又はスイッチング損失の低減を、適切に図ることができる。
実施の形態1に係る交流回転機、インバータ、及び制御装置の概略構成図である。 実施の形態1に係る制御装置の概略ブロック図である。 実施の形態1に係る制御装置のハードウェア構成図である。 実施の形態1に係る搬送波信号を用いたPWM制御を説明するタイムチャートである。 実施の形態1に係る電圧ベクトルを説明する図である。 実施の形態1に係る位相の異なる2つの搬送波信号を用いたPWM制御を説明するタイムチャートである。 実施の形態1に係る母線電流リプル抑制制御における変調を説明するフローチャートである。 実施の形態1に係る母線電流リプル抑制制御における力率角=0度の場合の搬送波信号の切り替えを説明する図である。 実施の形態1に係る母線電流リプル抑制制御における力率角=60度の場合の搬送波信号の切り替えを説明する図である。 実施の形態1に係る母線電流リプル抑制制御における一方方向の回転の場合の搬送波信号の切り替えを説明するフローチャートである。 実施の形態1に係る母線電流リプル抑制制御における他方方向の回転の場合の搬送波信号の切り替えを説明するフローチャートである。 実施の形態1に係る母線電流リプル抑制制御における搬送波信号の切り替えの別例を説明する図である。 実施の形態1に係るスイッチング損失抑制制御を説明するフローチャートである。 実施の形態1に係るスイッチング損失抑制制御の別例を説明するフローチャートである。 実施の形態1に係る制御モードの切り替えを説明する図である。 実施の形態1に係る制御モードの切り替えを説明する図である。 実施の形態1に係る車両用駆動装置の概略構成図である。 実施の形態1に係る電動パワーステアリング装置の概略構成図である。 実施の形態2に係る交流回転機、インバータ、及び制御装置の概略構成図である。 実施の形態2に係る第1組の巻線と第2組の巻線の位相差を説明する図である。 実施の形態2に係る制御装置の概略ブロック図である。 実施の形態3に係る母線電流リプル抑制制御の第3例を説明するタイムチャートである。 実施の形態3に係る母線電流リプル抑制制御の第3例を説明するタイムチャートである。
1.実施の形態1
実施の形態1に係る交流回転機の制御装置30(以下単に、制御装置30と称す)について図面を参照して説明する。各図において、同一又は相当部については、同一符号を付して説明する。図1は、本実施の形態に係る交流回転機1、インバータ4、及び制御装置30の概略構成図である。
1-1.交流回転機1
交流回転機1は、ステータ7と、ステータ7の径方向内側に配置されたロータ8と、を備えている。ステータ7には、単数組(1組)の3相の巻線Cu、Cv、Cwが設けられている。ロータ8には、永久磁石が設けられており、交流回転機1は、永久磁石式の同期回転機とされている。3相の巻線は、スター結線されてもよいし、デルタ結線されてもよい。なお、ロータに電磁石が設けられた界磁巻線型の同期回転機であってもよく、ロータに鉄心が設けられた誘導回転機であってもよい。
ロータ8には、ロータの回転角度を検出するための回転センサ6が設けられている。回転センサ6の出力信号は、制御装置30に入力される。回転センサ6には、ホール素子、レゾルバ、又はエンコーダ等の各種のセンサが用いられる。回転センサ6が設けられず、後述する電流指令値に高調波成分を重畳することによって得られる電流情報等に基づいて、回転角度(磁極位置)を推定するように構成されてもよい(いわゆる、センサレス方式)。
1-2.インバータ4
インバータ4は、直流電源2の高電位側に接続される高電位側のスイッチング素子SPと直流電源2の低電位側に接続される低電位側のスイッチング素子SNとが直列接続された直列回路(レッグ)を、3相各相に対応して3セット設けている。そして、各相の直列回路における2つのスイッチング素子の接続点が、対応する相の巻線に接続されている。
具体的には、U相の直列回路では、U相の高電位側のスイッチング素子SPuとU相の低電位側のスイッチング素子SNuとが直列接続され、2つのスイッチング素子の接続点がU相の巻線Cuに接続されている。V相の直列回路では、V相の高電位側のスイッチング素子SPvとV相の低電位側のスイッチング素子SNvとが直列接続され、2つのスイッチング素子の接続点がV相の巻線Cvに接続されている。W相の直列回路では、Wの高電位側のスイッチング素子SPwとW相の低電位側のスイッチング素子SNwとが直列接続され、2つのスイッチング素子の接続点がW相の巻線Cwに接続されている。平滑コンデンサ3が、直流電源2の高電位側と低電位側との間に接続されている。
スイッチング素子には、ダイオードが逆並列接続されたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、ダイオードが逆並列接続されたバイポーラトランジスタ等が用いられる。各スイッチング素子のゲート端子は、ゲート駆動回路等を介して、制御装置30に接続されている。各スイッチング素子は、制御装置30から出力されたスイッチング信号QPu~QNwによりオン又はオフされる。
直流電源2は、インバータ4に直流電圧Vdcを出力する。直流電源2は、バッテリー、DC-DCコンバータ、ダイオード整流器、PWM整流器等、直流電圧Vdcを出力する機器であれば、どのような機器であってもよい。
各相の巻線に流れる電流を検出するための電流センサ5が設けられている。電流センサ5は、シャント抵抗又はホール素子等の電流センサとされる。電流センサ5の出力信号は、制御装置30に入力される。
本実施の形態では、電流センサ5は、各相のスイッチング素子の直列回路と各相の巻線とをつなぐ電線上に備えられている。電流センサ5の各相の電流検出信号は、制御装置30に入力される。なお、電流センサ5は、各相のスイッチング素子の直列回路に直列に接続されてもよい。或いは、電流センサは、インバータ4と直流電源2と接続する電線上に設けられ、公知の「母線1シャント方式」により、各相の巻線の電流が検出されてもよい。
1-3.制御装置30
制御装置30は、インバータ4を介して交流回転機1を制御する。図2に示すように、制御装置30は、回転検出部31、電流検出部32、電圧指令演算部33、及びPWM制御部34等を備えている。制御装置30の各機能は、制御装置30が備えた処理回路により実現される。具体的には、制御装置30は、図3に示すように、処理回路として、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置90(コンピュータ)、演算処理装置90とデータのやり取りする記憶装置91、演算処理装置90に外部の信号を入力する入力回路92、及び演算処理装置90から外部に信号を出力する出力回路93等を備えている。
演算処理装置90として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、IC(Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、各種の論理回路、及び各種の信号処理回路等が備えられてもよい。また、演算処理装置90として、同じ種類のもの又は異なる種類のものが複数備えられ、各処理が分担して実行されてもよい。記憶装置91として、演算処理装置90からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(Random Access Memory)、演算処理装置90からデータを読み出し可能に構成されたROM(Read Only Memory)等が備えられている。入力回路92は、電流センサ5、回転センサ6等の各種のセンサが接続され、これらセンサの出力信号を演算処理装置90に入力するA/D変換器等を備えている。出力回路93は、スイッチング素子をオンオフ駆動するゲート駆動回路等の電気負荷が接続され、これら電気負荷に演算処理装置90から制御信号を出力する駆動回路等を備えている。
そして、制御装置30が備える各制御部31~34等の各機能は、演算処理装置90が、ROM等の記憶装置91に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置91、入力回路92、及び出力回路93等の制御装置30の他のハードウェアと協働することにより実現される。なお、各制御部31~34等が用いる判定値等の設定データは、ソフトウェア(プログラム)の一部として、ROM等の記憶装置91に記憶されている。以下、制御装置30の各機能について詳細に説明する。
1-3-1.回転検出部31
回転検出部31は、電気角でのロータの回転角度θ(ロータの磁極位置θ)及び回転角速度ωを検出する。本実施の形態では、回転検出部31は、回転センサ6の出力信号に基づいて、電気角での回転角度θ(磁極位置θ)及び回転角速度ωを検出する。回転角度θは、U相の巻線を基準にした、電気角でのN極(磁極)の角度(位置)である。
なお、回転検出部31は、電流指令値に高調波成分を重畳することによって得られる電流情報等に基づいて、回転センサを用いずに、回転角度(磁極位置)を推定するように構成されてもよい(いわゆる、センサレス方式)。
1-3-2.電流検出部32
電流検出部32は、電流センサ5の出力信号に基づいて、3相の巻線に流れる3相電流Ius、Ivs、Iwsを検出する。
1-3-3.PWM制御部34
PWM制御部34は、電圧指令演算部33により算出された3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoのそれぞれと、搬送波信号との比較結果に基づいて、インバータ4が有する複数のスイッチング素子をオンオフ制御する。
PWM制御部34は、3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoのそれぞれと搬送波信号Cとを比較することにより、各スイッチング素子をオンオフするスイッチング信号を生成する。
図4に、PWM周期Tcにおける、3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwo、搬送波信号C、各スイッチング素子のスイッチング信号を示す。搬送波信号Cは、PWM周期Tcで、直流電圧の中心値Vdc/2を中心に、直流電圧の半分値Vdc/2の振幅で振動する三角波とされている。三角波以外に鋸波等の任意の波形が用いられてもよい。なお、後述するように、特定の制御モードにおいて、搬送波信号Cとして、比較対象の相が相互に異なる第1搬送波信号C1と第2搬送波信号C2とが用いられる場合がある。
PWM制御部34は、各相について、搬送波信号Cが電圧指令値を下回った場合は、高電位側のスイッチング素子SPのスイッチング信号QPをオン(本例では、1)して、高電位側のスイッチング素子SPをオンし、搬送波信号Cが電圧指令値を上回った場合は、高電位側のスイッチング素子SPのスイッチング信号QPをオフ(本例では、0)して、高電位側のスイッチング素子SPをオフする。一方、PWM制御部34は、各相について、搬送波信号Cが電圧指令値を下回った場合は、低電位側のスイッチング素子SNのスイッチング信号QNをオフ(本例では、0)して、低電位側のスイッチング素子SNをオフし、搬送波信号Cが電圧指令値を上回った場合は、低電位側のスイッチング素子SNのスイッチング信号QNをオン(本例では、1)して、低電位側のスイッチング素子SNをオンする。
<電圧ベクトルV0~V7>
図4に示すように、PWM周期Tcにおいて、6つのスイッチング素子のオンオフパターンが変化し、各オンオフパターンに対応する電圧ベクトルV0~V7が切り替わる。図5に示すように、6つのスイッチング素子のオンオフパターンは8つある。図5において、「0」は、対応するスイッチング素子がオフであり、「1」は、対応するスイッチング素子がオンであることを示す。8つのオンオフパターンを、電圧ベクトルV0~V7と称す。
電圧ベクトルV0では、U相、V相、W相の低電位側のスイッチング素子SNu、SNv、SNwが全てオンになり、U相、V相、W相の高電位側のスイッチング素子SPu、SPv、SPwが全てオフになり、低電位側の電線を介して、3相の巻線Cu、Cv、Cwの端子が相互に接続される。この電圧ベクトルV0では、電流は、3相の巻線とインバータの間で還流し、直流電源2とインバータ4との間を流れる母線電流Iinvが0になる零ベクトルの状態になる。
電圧ベクトルV7では、U相、V相、W相の高電位側のスイッチング素子SPu、SPv、SPwが全てオンになり、U相、V相、W相の低電位側のスイッチング素子SNu、SNv、SNwが全てオフになり、高電位側の電線を介して、3相の巻線Cu、Cv、Cwの端子が相互に接続される。この電圧ベクトルV7では、電流は、3相の巻線とインバータの間で還流し、直流電源2とインバータ4との間を流れる母線電流Iinvが0になる零ベクトルの状態になる。
他の電圧ベクトルV1~V6では、母線電流Iinvは、U相、V相、W相の巻線を流れる電流Iu、Iv、Iwのいずれかと等しくなる。これらの電圧ベクトルV1~V6では、直流電源2とインバータ4との間を流れる母線電流Iinvが0にならず、有効ベクトルの状態になる。
<電圧ベクトルの切り替わり>
図4の場合では、電圧ベクトルは、時刻t1~t2及びt8~t9においてV7になり、t2~t3及びt7~t8においてV2になり、t3~t4及びt6~t7においてV1になり、t4~t6においてV0になる。U相の巻線電流Iuは、有効電圧ベクトルであるV1及びV2のときには、印加電圧に応じた傾きで増加し、零電圧ベクトルであるV0及びV7のときには0に向かって減少する。PWM周期Tcにおいて2回増減があるため、振幅が小さくなり、巻線電流のリプル成分が低下する。一方、Iu>Iv>Iwになる力率角が0度の場合において、母線電流Iinvは0~Iuの範囲で変化するため、母線電流のリプル成分は大きくなる。
<180度位相が異なる二つの搬送波信号を用いる場合>
図6のように、搬送波信号として、第1搬送波信号C1と、第1搬送波信号C1に対して180度位相が異なる第2搬送波信号C2とが用いられてもよい。図6の例では、V相の電圧指令値Vvoが、第1搬送波信号C1と比較され、W相の電圧指令値Vwoが、第2搬送波信号C2と比較され、U相の電圧指令値Vvoは、搬送波信号の最大値Vdcに一致しており、第1及び第2搬送波信号C1、C2のいずれと比較されても、U相の高電位側のスイッチング素子SPuは常時オンされ、U相の高電位側のスイッチング素子SNuは常時オフされる。
図6の場合では、電圧ベクトルは、時刻t1~t2及びt6~t7においてV2になり、t2~t3及びt5~t6においてV1になり、t3~t5においてV6になる。図4には存在した零電圧ベクトルの区間が無くなっており、母線電流リプルを低減できる。一方、U相の巻線電流Iuは、図4に比べて有効電圧ベクトルの各区間が長くなり、PWM周期Tcにおいて1回増減するため、振幅が大きくなり、巻線電流のリプル成分が増加する。
1-3-4.電圧指令演算部33
電圧指令演算部33は、3相の巻線に印加する3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoを算出する。本実施の形態では、電圧指令演算部33は、基本指令演算部33a、変調部33b、及び制御モード判定部33cを備えている。
1-3-4-1.基本指令演算部33a
基本指令演算部33aは、正弦波の3相の基本電圧指令値Vub、Vvb、Vwbを算出する。本実施の形態では、3相の基本電圧指令値Vub、Vvb、Vwbは、直流電源2からインバータ4に供給される直流電圧の中心値Vdc/2を中心に振動する正弦波とされる。なお、3相の基本電圧指令値Vub、Vvb、Vwbは、0を中心に振動する正弦波とされてもよい。
例えば、3相の基本電圧指令値の算出には、d軸及びq軸の回転座標系上で電流を制御するベクトル制御が用いられる。d軸及びq軸の回転座標系は、N極(磁極位置θ)の方向に定めたd軸及びd軸より電気角で90°進んだ方向に定めたq軸からなる2軸の回転座標である。
基本指令演算部33aは、3相の電流検出値Ius、Ivs、Iwsを、磁極位置θに基づいて、公知の3相2相変換及び回転座標変換を行って、d軸の電流検出値Ids及びq軸の電流検出値Iqsに変換する。また、基本指令演算部33aは、公知の各種の方法を用いて、d軸の電流指令値Ido及びq軸の電流指令値Iqoを算出する。そして、基本指令演算部33aは、d軸及びq軸の電流指令値Ido、Iqo、及びd軸及びq軸の電流検出値Ids、Iqsに基づいて、公知の電流フィードバック制御を行い、d軸の電圧指令値Vdo及びq軸の電圧指令値Vqoを算出する。なお、基本指令演算部33aは、d軸及びq軸の電流指令値Ido、Iqoに基づいて、公知のフィードフォワード制御によりd軸の電圧指令値Vdo及びq軸の電圧指令値Vqoを算出してもよい。
そして、基本指令演算部33aは、d軸及びq軸の電圧指令値Vdo、Vqoを、磁極位置θに基づいて、公知の固定座標変換及び2相3相変換を行なった後、直流電圧の中心値Vdc/2を加算して、3相の基本電圧指令値Vub、Vvb、Vwbを算出する。
なお、V/f制御等の公知の他の制御方法を用いて、3相の基本電圧指令値が算出されてもよい。
1-3-4-2.変調部33b
変調部33bは、3相の基本電圧指令値Vub、Vvb、Vwbに変調を加えて、3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoを算出する。本実施の形態では、変調部33bは、後述する制御モード判定部33cにより第1制御モードが選択されている場合は、相電流リプル抑制制御を実行し、制御モード判定部33cにより第2制御モードが選択されている場合は、母線電流リプル抑制制御を実行し、制御モード判定部33cにより第3制御モードが選択されている場合は、スイッチング損失抑制制御を実行する。以下で、各抑制制御について説明する。
1-3-4-2-1.相電流リプル抑制制御
相電流リプル抑制制御は、正弦波の3相の基本電圧指令値が3相の電圧指令値に設定される場合よりも、各相の巻線電流(相電流とも称す)のリプル成分が減少するように、3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、3相の電圧指令値を算出する制御である。なお、相電流リプル抑制制御の実行時の相電流のリプル成分は、母線電流リプル抑制制御の実行時の相電流のリプル成分及びスイッチング損失抑制制御の実行時の相電流のリプル成分よりも小さくなる。
本実施の形態では、次式に示すように、変調部33bは、相電流リプル抑制制御において、3相の電圧指令値の最大電圧Vmaxと最小電圧Vminの中心値を、直流電圧の中心値Vdc/2に一致させる3次高調波Voffを演算し、3次高調波Voffを3相の基本電圧指令値Vub、Vvb、Vwbから減算して、3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoを算出する。次式に示すように、3相の基本電圧指令値Vub、Vvb、Vwbの最大電圧Vmax及び最小電圧Vminを選択し、最大電圧Vmaxと最小電圧Vminの中心値を、直流電圧の中心値Vdc/2に一致させる3次高調波Voffを演算する。
Figure 0007507985000001
式(1)のように設定することで、図4のt2とt4の中間時刻を、t1とt5の中間時刻に一致させ、t6とt8の中間時刻を、t5とt9の中間時刻に一致させることができる。その結果、各相の巻線電流のリプル成分は最小になる。また、有効電圧ベクトルの各区間を短くするために、3相の電圧指令値について、同じ搬送波信号Cが用いられる。
1-3-4-2-2.母線電流リプル抑制制御
母線電流リプル抑制制御は、正弦波の3相の基本電圧指令値が3相の電圧指令値に設定される場合よりも、直流電源2とインバータ4との間を流れる母線電流Iinvのリプル成分が減少するように、3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、3相の電圧指令値を算出する制御である。なお、母線電流リプル抑制制御の実行時の母線電流のリプル成分は、相電流リプル抑制制御の実行時の母線電流のリプル成分及びスイッチング損失抑制制御の実行時の母線電流のリプル成分よりも小さくなる。
<電圧指令値の変調>
本実施の形態では、母線電流リプル抑制制御は、図7のフローチャート、及び式(2)に示すように行われる。ステップS01で、変調部33bは、3相電流の検出値Ius、Ivs、Iwsに基づいて、3相の巻線電流の絶対値の最大値である最大電流絶対値Iabsmaxを判定し、最大電流絶対値Iabsmaxの相を判定する。変調部33bは、電圧指令値又は電流指令値に基づいて、3相の巻線電流を推定し、判定に用いてもよい。
ステップS02で、変調部33bは、3相の電圧指令値における最大電圧Vmax、最小電圧Vmin、中間電圧Vmidを判定する。本実施の形態では、3相の基本電圧指令値Vub、Vvb、Vwbの最大電圧Vmax、最小電圧Vmin、中間電圧Vmidを判定する。
ステップS03で、変調部33bは、最大電流絶対値Iabsmaxの相が、3相の電圧指令値における最大電圧Vmaxの相と一致しているか否かを判定し、一致している場合はステップS04に進み、一致していない場合はステップS05に進む。ステップS04で、変調部33bは、最大電圧Vmaxの相の電圧指令値を搬送波信号の最大値(本例では、Vdc)に一致させるオフセット電圧Voffを演算し(Voff=Vmax-Vdc)、当該オフセット電圧Voffを3相の基本電圧指令値Vub、Vvb、Vwbから減算して、3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoを算出する上べた二相変調を実行する。
一方、ステップS05で、変調部33bは、最大電流絶対値Iabsmaxの相が、3相の電圧指令値における最小電圧Vminの相と一致しているか否かを判定し、一致している場合はステップS06に進み、一致していない場合はステップS07に進む。ステップS06で、変調部33bは、最小電圧Vminの相の電圧指令値を搬送波信号の最小値(本例では、0)に一致させるオフセット電圧Voffを演算し(Voff=Vmin)、当該オフセット電圧Voffを3相の基本電圧指令値Vub、Vvb、Vwbから減算して、3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoを算出する下べた二相変調を実行する。
一方、ステップS07では、最大電流絶対値Iabsmaxの相が、最大電圧Vmaxの相及び最小電圧Vminの相に一致しておらず、最大電流絶対値Iabsmaxの相が、3相の電圧指令値における中間電圧Vmidの相と一致している。変調部33bは、この場合に、中間電圧Vmidがインバータに供給される直流電圧の中心値(本例では、Vdc/2)よりも大きいか否かを判定し、大きい場合はステップS08に進み、大きくない場合はステップS09に進む。ステップS08で、ステップS04と同様に、変調部33bは、最大電圧Vmaxの相の電圧指令値を搬送波信号の最大値(Vdc)に一致させるオフセット電圧Voffを演算し(Voff=Vmax-Vdc)、当該オフセット電圧Voffを3相の基本電圧指令値Vub、Vvb、Vwbから減算して、3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoを算出する上べた二相変調を実行する。一方、ステップS09で、ステップS06と同様に、変調部33bは、最小電圧Vminの相の電圧指令値を搬送波信号の最小値(0)に一致させるオフセット電圧Voffを演算し(Voff=Vmin)、当該オフセット電圧Voffを3相の基本電圧指令値Vub、Vvb、Vwbから減算して、3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoを算出する下べた二相変調を実行する。
Figure 0007507985000002
後述する力率角が0度である場合は、最大電流絶対値の相が、最大電圧の相又は最小電圧の相と一致し、中間電圧の相と一致しないため、ステップS03及びステップS05の一方が成立し、ステップS07からステップS09の処理が行われない。また、力率角を-30度~30度付近で動作させる場合は、最大電流絶対値の相が、中間電圧の相に一致する頻度が小さいため、ステップS07からステップS09の処理が行われず、代わりに、最後に成立したステップS03又はステップS05に対応するステップS04又はステップS06の処理が継続されてもよい。
<第1及び第2の搬送波信号の切り替え>
母線電流リプル抑制制御が行われる場合は、PWM制御部34は、搬送波信号として、第1搬送波信号C1と、第1搬送波信号C1に対して180度位相が異なる第2搬送波信号C2とを用いる。変調部33bは、上べた二相変調の実行時の最大電圧Vmaxの相以外の2相(最小電圧Vminの相、中間電圧Vmidの相)、又は下べた二相変調の実行時の最小電圧Vminの相以外の2相(最大電圧Vmaxの相、中間電圧Vmidの相)について、一方の相の電圧指令値を第1搬送波信号C1と比較させ、他方の相の電圧指令値を第2搬送波信号C2と比較させる。すなわち、変調部33bは、上べた二相変調又は下べた二相変調により搬送波信号の最大値(Vdc)又は最小値(0)に張り付いていない2相の電圧指令値について、一方の相の電圧指令値を第1搬送波信号C1と比較させると判定し、他方の相の電圧指令値を第2搬送波信号C2と比較させると判定する。
母線電流リプル抑制制御では、電圧指令値の振幅が低い領域では、3相の巻線電流の絶対値の最大値である最大電流絶対値が、母線を流れないようにでき、母線電流のリプル成分を低減できる。
<力率角が0度の場合の搬送波信号の切り替え>
力率角が0度の場合の搬送波信号の切り替え挙動を説明する。力率角は、電圧ベクトルに対する電流ベクトルの位相差である。力率角が0度である場合は、電圧ベクトルと電流ベクトルとの位相が一致している。力率角が0度である場合は、図8に示すように、電流ベクトルの位相(最大電流絶対値の相に対応)に応じて、第1搬送波信号C1と第2搬送波信号C2とを切り替えることで、搬送波信号の切り替えと印加電圧の反映を同期せずに実施できる。
電流ベクトルは、3相の巻線電流を3相2相変換して得られる電流ベクトルであり、電流ベクトルの位相は、U相の巻線位置に対する電流ベクトルの位相である。
図8のように第1及び第2搬送波信号C1、C2を設定することで、搬送波信号の切り替え頻度を低下させることができる。具体的には、図8に示すように、U相の電圧指令値Vuoと比較される搬送波信号は、電流ベクトルの位相210~330度において第1搬送波信号C1に切り替えられ、30~150度において第2搬送波信号C2に切り替えられる。また、V相の電圧指令値Vvoと比較される搬送波信号は、0~90度及び330~360度において第1搬送波信号C1に切り替えられ、150~270度において第2搬送波信号C2に切り替えられる。また、W相の電圧指令値Vwoと比較される搬送波信号は、90~210度において第1搬送波信号C1に切り替えられ、0~30度及び270~360度において第2搬送波信号C2に切り替えられる。
すなわち、各相において、120度ごとに第1搬送波信号C1と第2搬送波信号C2とが切り換えられ、第1搬送波信号C1の区間と第2搬送波信号C2の区間との間に、ハッチングで示したスイッチング動作の停止区間が挟まれる。スイッチング動作の停止区間では、電圧指令値が搬送波信号の最大値又は最小値に張り付き(上べた、下べた)、スイッチング素子がオン又はオフになったままになり、スイッチング動作が停止する。よって、スイッチング動作の停止区間では、第1及び第2搬送波信号C1、C2のいずれが設定されても、スイッチング素子がオン又はオフになったままになり、スイッチング信号は変化しない。
例えば、各スイッチング動作の停止区間について、図8の左から右に変化する回転方向であれば、U相の搬送波信号は、150~210度において第1搬送波信号C1に切り替えられ、330~360度及び0~30度において第2搬送波信号C2に切り替えられればよい。また、V相の搬送波信号は、270~330度において第1搬送波信号C1に切り替えられ、90~150度において第2搬送波信号C2に切り替えられればよい。また、W相の搬送波信号は、30~90度において第1搬送波信号C1に切り替えられ、210~270度において第2搬送波信号C2に切り替えられればよい。
これにより、U相の搬送波信号は、電流ベクトルの位相150~330度において第1搬送波信号C1に切り替えられ、330~360度及び0~150度において第2搬送波信号C2に切り替えられる。V相の搬送波信号は、270~360度及び0~90度において第1搬送波信号C1に切り替えられ、90~270度において第2搬送波信号C2に切り替えられる。W相の搬送波信号は、30~210度において第1搬送波信号C1に切り替えられ、210~360度及び0~30度において第2搬送波信号C2に切り替えられる。
つまり、変調部33bは、各相の電圧指令値と比較される各相の搬送波信号を、360度のうち、連続する180度間において第1搬送波信号C1に切り替え、残りの連続する180度間において第2搬送波信号C2に切り替える。これにより、搬送波信号の切り替え回数を低減できる。
例えば、電流ベクトルの位相が15度である場合は、最大電流絶対値の相はU相になるが、相電流リプル抑制制御が実施される場合には有効電圧ベクトル区間を最短にするので、設定される電圧ベクトルは、V1、V2及びV0になり、母線電流が、それぞれ、Iu、-Iw、及び0になる。電流絶対値が最大となるU相の電流Iuが母線に流れるため、相電流の増加とともに母線電流リプルは大きくなりやすい。したがって、電流ベクトルの絶対値が大きい場合には、母線電流リプル抑制制御を実施する。母線電流リプル抑制制御が実施される場合には、設定される電圧ベクトルは、V2、V6及びV7になり、母線電流が、それぞれ、-Iw、-Iv、及び0になり、最大電流絶対値のU相の電流Iuが母線に流れるのを回避できるため、母線電流リプルを低減できる。
<力率角が60度の場合の搬送波信号の切り替え>
力率角が60度の場合の搬送波信号の切り替え挙動を説明する。力率角は、電圧ベクトルに対する電流ベクトルの位相差である。図9に示すように、電流ベクトルの位相(最大電流絶対値の相に対応)に応じて、第1搬送波信号C1と第2搬送波信号C2とを切り替えることで、搬送波信号の切り替えと印加電圧の反映を同期せずに実施できる。
具体的には、U相の電圧指令値Vuoと比較される搬送波信号は、電流ベクトルの位相180~240度及び270~330度において第1搬送波信号C1に切り替えられ、0~60度及び90~150度において第2搬送波信号C2に切り替えられる。V相の電圧指令値Vvoと比較される搬送波信号は、30~90度及び300~360度で第1搬送波信号C1に切り替えられ、120~180度及び210~270度において第2搬送波信号C2に切り替えられる。W相の電圧指令値Vwoと比較される搬送波信号は、60~120度及び150~210度において第1搬送波信号C1に切り替えられ、0~30度、240~300度及び330~360度において第2搬送波信号C2に切り替えられる。
すなわち、各相において、60度ごとに、上べた又は下べたによる30度のスイッチング動作の停止区間を挟み、「C1」、「C1」、「C2」、「C2」、「C1」、「C1」、・・・の順に、搬送波信号が切り替えられる。すなわち、一方の搬送波信号が2回連続して選択された後に、他方の搬送波信号が2回連続して設定される。また、スイッチング動作の停止区間では、いずれの搬送波信号が設定されても、スイッチング素子はオン又はオフのままになるため、その間に搬送波信号を切り替えてもスイッチング信号は変化しない。
例えば、スイッチング動作の停止区間について、図9の左から右に変化する回転方向であれば、U相の搬送波信号は、電流ベクトルの位相150~180度において第1搬送波信号C1に切り替えられ、330~360度において第2搬送波信号C2に切り替えられる。また、V相の搬送波信号は、270~300度において第1搬送波信号C1に切り替えられ、90~120度において第2搬送波信号C2に切り替えられる。また、W相の搬送波信号は、30~60度において第1搬送波信号C1に切り替えられ、210~240度において第2搬送波信号C2に切り替えられる。
図9では、上べた二相変調又は下べた二相変調によりスイッチング動作が停止していない2相の搬送波信号が、60度ごとに、30度の間に同じになるようにしている。すなわち、例えば、図9の60~90度では、U相がスイッチング停止相であり、スイッチング停止相以外のV相及びW相の搬送波信号は、共に、第1搬送波信号C1である。また、120度~150度では、W相がスイッチング停止相であり、スイッチング停止相以外のU相及びV相の搬送波信号は、共に、第2搬送波信号C2である。
電圧ベクトルと電流ベクトルの位相が60度ずれていることで、2相の搬送波信号が同じになる領域では、最大電流絶対値の相が中間電圧の相になっている。例えば、V相とW相の搬送波信号が同じになる60~90度では、最大電流絶対値の相及び中間電圧の相は同じW相である。また、U相とV相の搬送波信号が同じになる120~150度では、最大電流絶対値の相及び中間電圧の相は同じV相である。このとき、仮にスイッチング停止相以外の2相の搬送波信号を異なるものにすると、最大電流絶対値の相の電流が母線に流れるため母線電流リプルが大きくなる。しかし、スイッチング停止相以外の2相の搬送波信号を同じものにすることで、最大電流絶対値の相の電流が母線に流れるのを回避できる。
例えば、電流ベクトルの位相が15度の場合、出力される電圧ベクトルは、V2、V3及びV7になり、母線電流が、それぞれ、-Iw1、Iv1及び0になる。そのため、電流絶対値が最大となるU相の電流Iuが母線に流れるのを回避できるため、母線電流リプルを低減できる。また、電流ベクトルの位相が45度の場合、出力される電圧ベクトルは、V1、V3及びV0になり、母線電流が、それぞれ、Iu1、Iv1及び0になる。そのため、電流絶対値が最大となるW相の電流Iwが母線に流れるのを回避できるため、母線電流リプルを低減できる。
なお、力率角を-30度~30度付近で動作させる場合は、最大電流絶対値の相が中間電圧の相に一致する頻度が小さいため、最大電流絶対値の相が中間電圧の相になる場合にスイッチング停止相以外の2相の搬送波信号を同じものとする処理が、行われなくてもよい。
力率角が60度の場合も、力率角が0度の場合と同様に、U相の搬送波信号は、電流ベクトルの位相150~330度において第1搬送波信号C1に切り替えられ、330~360度及び0~150度において第2搬送波信号C2に切り替えられる。V相の搬送波信号は、270~360度及び0~90度において第1搬送波信号C1に切り替えられ、90~270度において第2搬送波信号C2に切り替えられる。W相の搬送波信号は、30~210度において第1搬送波信号C1に切り替えられ、210~360度及び0~30度において第2搬送波信号C2に切り替えられる。すなわち、力率角の変化にかかわらず、同じ切り替え処理を行うことができる。
<一方方向回転時の搬送波の切り替え処理のフローチャート>
図8及び図9に示すように、一方方向に回転する場合に、搬送波信号の切り替えを行うためには、例えば、図10のフローチャートにより切り替え処理が行われるとよい。ステップS11で、変調部33bは、最大電流絶対値Iabsmaxの相が、3相の電圧指令値における最大電圧Vmaxの相と一致しているか否かを判定し、一致している場合はステップS12に進み、一致していない場合はステップS13に進む。ステップS12で、変調部33bは、最大電流絶対値の相の搬送波信号を、第2搬送波信号C2に切り替える。
一方、ステップS13で、変調部33bは、最大電流絶対値Iabsmaxの相が、3相の電圧指令値における最小電圧Vminの相と一致しているか否かを判定し、一致している場合はステップS14に進み、一致していない場合はステップS15に進む。ステップS14で、変調部33bは、最大電流絶対値の相の搬送波信号を、第1搬送波信号C1に切り替える。
一方、ステップS15では、最大電流絶対値Iabsmaxの相は、中間電圧Vmidの相と一致していることになり、変調部33bは、現在設定されている最大電流絶対値の相の搬送波信号を切り替えずに、保持する。
以上の処理によれば、ステップS11が成立する場合に、上べた二相変調により、最大電流絶対値の相の電圧指令値が、搬送波信号の最大値に一致し、スイッチング動作が停止する。この状態で、最大電流絶対値の相の搬送波信号が、第2搬送波信号C2に切り替えられるため、切り替えによる印加電圧の乱れを抑制できる。また、ステップS13が成立する場合に、下べた二相変調により、最大電流絶対値の相の電圧指令値が、搬送波信号の最小値に一致し、スイッチング動作が停止する。この状態で、最大電流絶対値の相の搬送波信号が、第1搬送波信号C1に切り替えられるため、切り替えによる印加電圧の乱れを抑制できる。
<他方方向回転時の搬送波の切り替え処理のフローチャート>
図8及び図9とは逆に、他方方向に回転する場合に、搬送波信号の切り替えを行うためには、例えば、図11のフローチャートにより切り替え処理が行われるとよい。ステップS21で、変調部33bは、最大電流絶対値Iabsmaxの相が、3相の電圧指令値における最大電圧Vmaxの相と一致しているか否かを判定し、一致している場合はステップS22に進み、一致していない場合はステップS23に進む。ステップS22で、変調部33bは、最大電流絶対値の相の搬送波信号を、第1搬送波信号C1に切り替える。
一方、ステップS23で、変調部33bは、最大電流絶対値Iabsmaxの相が、3相の電圧指令値における最小電圧Vminの相と一致しているか否かを判定し、一致している場合はステップS24に進み、一致していない場合はステップS25に進む。ステップS24で、変調部33bは、最大電流絶対値の相の搬送波信号を、第2搬送波信号C2に切り替える。
一方、ステップS25では、最大電流絶対値Iabsmaxの相は、中間電圧Vmidの相と一致していることになり、変調部33bは、現在設定されている最大電流絶対値の相の搬送波信号を切り替えずに、保持する。
図6では、PWM周期Tcにおいて、第1搬送波信号C1が上に凸の三角波であり、第2搬送波信号C2が下に凸の三角波であるが、反対であってもよい。
<搬送波信号の切り替えの別例>
上記の例では、連続する180度間において第1搬送波信号C1に切り替え、残りの連続する180度間において第2搬送波信号C2に切り替えていたが、別の周期で、第1搬送波信号C1と第2搬送波信号C2とが切り換えられてもよい。例えば、図12に示すように、30度周期で、第1搬送波信号C1と第2搬送波信号C2とが切り換えられもよい。30度周期以外にも、60度周期等、任意の周期が設定されてもよい。この場合でも、上記のように、変調部33bは、上べた二相変調の実行時の最大電圧の相以外の2相、又は下べた二相変調の実行時の最小電圧の相以外の2相について、一方の相の電圧指令値を第1搬送波信号C1と比較させ、他方の相の電圧指令値を第2搬送波信号C2と比較させる。
1-3-4-2-3.スイッチング損失抑制制御
スイッチング損失抑制制御は、3相の基本電圧指令値が3相の電圧指令値に設定される場合よりも、スイッチング素子の損失が低減するように、3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、3相の電圧指令値を算出する制御である。なお、スイッチング損失抑制制御の実行時のスイッチング素子の損失は、相電流リプル抑制制御の実行時のスイッチング素子の損失及び母線電流リプル抑制制御の実行時のスイッチング素子の損失よりも小さくなる。
本実施の形態では、スイッチング損失抑制制御において、次式に示すように、変調部33bは、3相の電圧指令値の最大電圧Vmaxの相の電圧指令値を、搬送波信号の最大値(本例では、Vdc)に一致させる、又は3相の電圧指令値の最小電圧Vminの相の電圧指令値を、搬送波信号の最小値(本例では、0)に一致させるオフセット電圧Voffを演算し、オフセット電圧を3相の基本電圧指令値Vub、Vvb、Vwbから減算して、3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoを算出する。
Figure 0007507985000003
この構成によれば、最大電圧Vmax又は最小電圧Vminの相の電圧指令値を、搬送波信号の最大値又は最小値に一致させることができ、当該相の高電位側及び低電位側のスイッチング素子のスイッチング動作を停止させ、スイッチング損失を低減することができる。
<上べた及び下べたの切り替えの第1例>
本実施の形態では、スイッチング損失抑制制御は、図13のフローチャートに示すように行われる。ステップS31で、変調部33bは、3相の電圧指令値における最大電圧Vmax、最小電圧Vminを判定する。本実施の形態では、3相の基本電圧指令値Vub、Vvb、Vwbの最大電圧Vmax、最小電圧Vminを判定する。
ステップS32で、変調部33bは、最大電圧Vmaxと最小電圧Vminとの合計値が、直流電圧の中心値の2倍値(本例では、Vdc)よりも大きいか否かを判定し、大きい場合はステップS33に進み、大きくない場合はステップS34に進む。なお、直流電圧の中心値が0に設定されている場合は、Vmax+Vmin>0であるか否かが判定される。ステップS33で、変調部33bは、最大電圧Vmaxの相の電圧指令値を、搬送波信号の最大値(本例では、Vdc)に一致させるオフセット電圧Voffを演算し(Voff=Vmax-Vdc)、当該オフセット電圧Voffを3相の基本電圧指令値Vub、Vvb、Vwbから減算して、3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoを算出する上べた二相変調を実行する。
一方、ステップS34で、変調部33bは、最小電圧Vminの相の電圧指令値を、搬送波信号の最小値(本例では、0)に一致させるオフセット電圧Voffを演算し(Voff=Vmin)、当該オフセット電圧Voffを3相の基本電圧指令値Vub、Vvb、Vwbから減算して、3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoを算出する下べた二相変調を実行する。
このように、ステップS32において、最大電圧Vmaxと最小電圧Vminとの合計値に応じて、上べた二相変調と下べた二相変調とを切り替えるので、発熱が高電位側のスイッチング素子又は低電位側のスイッチング素子に偏るのを防止できる。
<上べた及び下べたの切り替えの第2例>
スイッチング素子を流れる電流が大きくなるに従って、スイッチング損失が大きくなる。そのため、巻線電流の絶対値が大きくなる相の電圧指令値を、上べた又は下べたにすることにより、スイッチング損失の低減効果を高めることができる。
力率角が0度付近又は180度付近にある場合には、巻線電流の絶対値が最大になる相と電圧指令値の絶対値が最大になる相とが、ほとんどの電流ベクトルの位相で同じになるため、上記の図13のような電圧指令値に基づいて切り替える判定方法で十分な効果を得られる。しかし、力率角が60度付近、120度付近、240度付近、又は300度付近にある場合には、巻線電流の絶対値が最大となる相と電圧指令値の絶対値が最大となる相とのずれが大きくなる。
そこで、図14のフローチャートに示すように、電圧指令値及び巻線電流の双方を考慮して、上べたと下べたとを切り替えるように構成してもよい。ステップS41で、変調部33bは、3相の電圧指令値における最大電圧Vmax、最小電圧Vminを判定する。本実施の形態では、3相の基本電圧指令値Vub、Vvb、Vwbの最大電圧Vmax、最小電圧Vminを判定する。
ステップS42で、変調部33bは、最大電圧Vmaxの相の巻線電流の絶対値が、最小電圧Vminの相の巻線電流の絶対値よりも大きいか否かを判定し、大きい場合はステップS43に進み、大きくない場合はステップS44に進む。ここで、巻線電流には、3相の巻線電流の検出値Ius、Ivs、Iwsが用いられるが、電圧指令値又は電流指令値に基づいて推定された3相電流が用いられてもよい。
ステップS43で、変調部33bは、最大電圧Vmaxの相の電圧指令値を、搬送波信号の最大値(本例では、Vdc)に一致させるオフセット電圧Voffを演算し(Voff=Vmax-Vdc)、当該オフセット電圧Voffを3相の基本電圧指令値Vub、Vvb、Vwbから減算して、3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoを算出する上べた二相変調を実行する。
一方、ステップS44で、変調部33bは、最小電圧Vminの相の電圧指令値を、搬送波信号の最小値(本例では、0)に一致させるオフセット電圧Voffを演算し(Voff=Vmin)、当該オフセット電圧Voffを3相の基本電圧指令値Vub、Vvb、Vwbから減算して、3相の電圧指令値Vuo、Vvo、Vwoを算出する下べた二相変調を実行する。
なお、以上で説明したように、回転に同期して、上べた二相変調と下べた二相変調とが切り換えられずに、回転に同期せずに(例えば、常時、又は定期的な入れ替えにより)、上べた二相変調又は下べた二相変調が設定されてもよい。
1-3-4-3.制御モード判定部33c
図15に示すように、制御モード判定部33cは、交流回転機の運転状態に基づいて、第1制御モード、第2制御モード、及び第3制御モードを切り替える。なお、第1から第3制御モード以外に他の制御モードがあり、他の制御モードに切り替えられてもよい。
上述したように、変調部33bは、第1制御モードが選択されている場合は、相電流リプル抑制制御を実行し、第2制御モードが選択されている場合は、母線電流リプル抑制制御を実行し、第3制御モードが選択されている場合は、スイッチング損失抑制制御を実行する。
制御モード判定部33cは、3相の巻線電流の電流ベクトルの絶対値(大きさ)、及び交流回転機の出力トルクの絶対値の1つである出力パラメータと、交流回転機の回転速度の絶対値、及び3相の電圧指令値の電圧ベクトルの絶対値の1つである領域パラメータと、に少なくとも基づいて、第1制御モード、第2制御モード、及び第3制御モードを切り替える。
この構成によれば、相電流リプルの増減、母線電流リプルの増減、及びスイッチング損失の増減に関係する出力パラメータ、及び領域パラメータに基づいて、各制御モードを切り替えて、各リプル又は損失を適切に低減することができる。
本実施の形態では、制御モード判定部33cは、出力パラメータが出力判定値よりも小さく、且つ、領域パラメータが、領域判定値よりも小さい場合は、第1制御モードに切り替える。制御モード判定部33cは、出力パラメータが出力判定値以上であり、且つ、領域パラメータが、領域判定値よりも小さい場合は、第2制御モードに切り替える。制御モード判定部33cは、領域パラメータが、領域判定値以上である場合は、第3制御モードに切り替える。
ここで、領域パラメータとして回転速度の絶対値又は電圧ベクトルの絶対値が用いられる場合は、領域パラメータは、領域判定値と比較される。
図16に、出力トルクと回転速度との交流回転機の運転領域において、各制御モードを概略的に示している。なお、制御モード判定部33cは、出力パラメータと領域パラメータと制御モードの設定との関係が予め設定されたマップデータを参照し、現在の出力パラメータと現在の領域パラメータに対応する制御モードを判定してもよい。或いは、出力判定値が、領域パラメータ等の特定の運転状態に応じて変化されてもよく、領域判定値が、出力パラメータ等の特定の運転状態に応じて変化されてもよい。また、各象限において、または直流電圧の大きさに応じて、出力判定値および領域判定値を変更してもよい。よりきめ細かい制御モードの設定が可能になる。
スイッチング損失は、電流ベクトルの絶対値に応じて大きくなるため、電流ベクトルの絶対値が大きい領域で、スイッチング損失を低減することで、スイッチング損失による発熱を低減し、廉価なスイッチング素子の選択、冷却機構の簡素化が可能になる。変調率が高いときには、公知の弱め磁束制御を用いて出力トルクの低下を抑制するため、負のd軸電流を積極的に流すことになる。その結果、出力トルクの増加につながらない場合でも、電流ベクトルの絶対値が増加するため、変調率が高いときにはスイッチング損失が大きくなりやすい。一方、変調率が高いときには誘起電圧が大きくなるため、相電流リプル抑制制御を用いなくても相電流リプルおよび鉄損が小さい。したがって、変調率が高いときには、鉄損よりもスイッチング損失の影響が相対的に大きくなる。効率向上のため、変調率が高いとき、つまり回転速度の絶対値、または電圧ベクトルの絶対値が大きい場合には、スイッチング損失の低減を優先するとよい。
上記の構成によれば、回転速度の絶対値、及び電圧ベクトルの絶対値の1つである領域パラメータが領域判定値よりも大きくなると、第3制御モードに切り替えられる。この運転状態では、上記のようにスイッチング損失が相対的に大きくなるため、スイッチング損失抑制制御によりスイッチング損失を効果的に低減することができる。
平滑コンデンサ3に流れる母線電流のリプル成分は、電流ベクトルの絶対値に応じて大きくなり、力率角に応じて変化する。そのため、電流ベクトルの絶対値が大きくなる領域では、母線電流のリプル成分を低減することで、コンデンサ電流を低減することができ、平滑コンデンサ3を小型化することができる。母線電流のリプル成分を抑制する場合、有効電圧ベクトル区間を分散して配置することになるため、相電流リプルは増加する傾向にある。また、変調率が高い場合には、有効電圧ベクトル区間の配置の自由度は小さく、方式による母線電流のリプル成分の差異は小さい。変調率が高いときには、効率向上を優先して、スイッチング損失の低減を優先するとよい。
上記の構成によれば、回転速度の絶対値、及び電圧ベクトルの絶対値の1つである領域パラメータが領域判定値よりも大きくなると、第3制御モードに切り替えられる。この運転状態では、上記のようにスイッチング損失が相対的に大きくなるため、スイッチング損失抑制制御によりスイッチング損失を効果的に低減することができる。
上記の構成によれば、電流ベクトルの絶対値及び出力トルクの絶対値の1つである出力パラメータが出力判定値よりも大きくなり、回転速度の絶対値、及び電圧ベクトルの絶対値の1つである領域パラメータが領域判定値よりも小さくなると、第2制御モードに切り替えられる。この運転状態では、上記のように、母線電流のリプル成分が大きくなるため、母線電流リプル抑制制御により母線電流のリプル成分を効果的に低減することができる。
鉄損は、回転速度の絶対値が小さいほど大きくなり、低回転速度領域で各相の巻線電流(相電流)のリプル成分を低減することで、交流回転機1及びインバータ4の総合効率を向上させることができる。上記の構成によれば、電流ベクトルの絶対値及び出力トルクの絶対値の1つである出力パラメータが出力判定値よりも小さくなり、回転速度の絶対値、及び電圧ベクトルの絶対値の1つである領域パラメータが領域判定値よりも小さくなると、第1制御モードに切り替えられ、相電流リプル抑制制御が実行される。相電流リプル抑制制御により、相電流のリプル成分を低減し、鉄損を低減させ、効率を向上させることができる。
3相の巻線電流の検出値を3相2相変換して、α軸及びβ軸の固定座標系上の電流ベクトルが算出され、電流ベクトルの大きさが算出される。α軸は、U相の巻線方向に定められ、β軸は、α軸より電気角で90°進んだ方向に定められる。或いは、d軸及びq軸の電流検出値Ids、Iqs又はd軸及びq軸の電流指令値Ido、Iqoの電流ベクトルの大きさが算出されてもよい。又は、電圧指令値に基づいて電流ベクトルが推定され、電流ベクトルの大きさが算出されてもよい。
交流回転機の出力トルクは、d軸及びq軸の電流指令値、又はd軸及びq軸の電流検出値に基づいて算出される。3相の電圧指令値を3相2相変換して、α軸及びβ軸の固定座標系上の電圧ベクトルが算出され、電圧ベクトルの大きさが算出される。電圧ベクトルの絶対値に相当する値として、いわゆる、電圧利用率、変調率、3相の電圧指令値の相間電圧の振幅などが用いられてもよい。
各判定において、ヒステリシスが設けられてもよく、判定対象の各パラメータが正である場合と、負である場合とで、判定値又は判定範囲が異なっていてもよい。直流電圧Vdcが変化すると、母線電流のリプル成分、相電流のリプル成分、スイッチング損失が変化するため、直流電圧Vdcに応じて、出力判定値、又は領域判定値が変化されてもよい。
例えば、出力パラメータとして、3相の巻線電流の電流ベクトルの絶対値が用いられ、領域パラメータとして、交流回転機の回転速度の絶対値が用いられる。この場合は、以下のように、電流ベクトルの絶対値が、出力判定値よりも小さく、且つ、回転速度の絶対値が、領域判定値よりも小さい場合に、第1制御モードに切り替えられる。電流ベクトルの絶対値が、出力判定値以上であり、且つ、回転速度の絶対値が、領域判定値よりも小さい場合に、第2制御モードに切り替えられる。回転速度の絶対値が、領域判定値以上である場合に、第3制御モードに切り替えられる。上述したように、電流ベクトルの絶対値の代わりに、出力トルクの絶対値が用いられてもよく、回転速度の絶対値の代わりに、電圧ベクトルの絶対値が用いられてもよい。
・第1制御モード(相電流リプル抑制制御)
|電流ベクトル|<出力判定値
且つ
|回転速度|<領域判定値
・第2制御モード(母線電流リプル抑制制御)
|電流ベクトル|≧出力判定値
且つ
|回転速度|<領域判定値
・第3制御モード(スイッチング損失抑制制御)
|回転速度|≧領域判定値
1-4.車両用の交流回転機
本実施の形態に係る交流回転機1の用途は、特に限定されるものではないが、例えば、交流回転機1が、車両用の交流回転機として用いられる場合を説明する。車両用駆動装置100は、交流回転機の制御装置30と、交流回転機1と、交流回転機1の駆動力を車両の車輪103に伝達する駆動力伝達機構101と、を備えている。図17に示すように、車両用駆動装置100は、内燃機関102を備えており、交流回転機1は、プーリ及びベルト機構105を介して、内燃機関102のクランク軸に連結されている。交流回転機1の回転軸は、内燃機関102及び変速装置104を介して車輪103に連結される。交流回転機1は、電動機として機能し、内燃機関102の補機として、車輪103の駆動力源となると共に、発電機として機能し、内燃機関102の回転を利用して発電を行う。交流回転機1は、内燃機関102と変速装置104との間に設けられてもよいし、変速装置104内に設けられてもよい。また、内燃機関102が設けられなくてもよい。
内燃機関102及び交流回転機1の回転は、一方方向になるので、図11に示した他方方向の回転は考慮されなくてもよい。内燃機関102のアイドリング等の低回転速度及び低電流において、第1制御モードに設定され、相電流リプル抑制制御が実行されるので、鉄損を低減し、発電効率を向上させることができる。高回転速度において、第3制御モードに設定され、スイッチング損失抑制制御が実行されるので、スイッチング素子の発熱を抑制し、連続運転時間を延ばすことができる。頻度が高い低回転速度及び高電流において、第2制御モードに設定され、母線電流リプル抑制制御が実行されるので、コンデンサ電流を低減し、平滑コンデンサ3の小型化を図ることができる。
1-5.電動パワーステアリング装置
次に、交流回転機1が、電動パワーステアリング装置120の駆動力源として用いられる場合を説明する。電動パワーステアリング装置120は、交流回転機の制御装置30と、交流回転機1と、交流回転機1の駆動力を車両の操舵装置に伝達する駆動力伝達機構121と、を備えている。図18に示すように、交流回転機1の回転軸は、駆動力伝達機構121を介して車輪の操舵装置122に連結される。例えば、電動パワーステアリング装置120は、運転者が左右に回転するハンドル124と、ハンドル124に連結されて、ハンドル124による操舵トルクを車輪123の操舵装置122に伝達するシャフト125と、シャフト125に取り付けられ、ハンドル124による操舵トルクを検出するトルクセンサ126と、交流回転機1の回転軸をシャフト125に連結するウォームギヤ機構等の駆動力伝達機構121と、を備えている。トルクセンサ126の出力信号は、制御装置30に入力される。制御装置30は、トルクセンサ126により検出した操舵トルクに基づいて、トルク指令値又は電流指令値を算出し、トルク指令値又は電流指令値に基づいて3相の基本電圧指令値を算出する。なお、電動パワーステアリング装置120は、いわゆる、ステアバイワイヤのシステムであってもよい。
交流回転機1は、一方方向又は他方方向に回転するので、図10及び図11の処理が用いられる。操舵時の頻度が高い低回転速度及び高電流において、第2制御モードに設定され、母線電流リプル抑制制御が実行されるので、コンデンサ電流を低減し、平滑コンデンサ3の小型化を図ることができる。低回転速度及び低電流において、第1制御モードに設定され、相電流リプル抑制制御が実行されるので、出力トルクのリプル成分を低減し、ハンドル124を介して運転者に伝わる振動を低減し、車室内に伝わる騒音を低減できる。高回転速度において、第3制御モードに設定され、スイッチング損失抑制制御が実行されるので、スイッチング素子の発熱を抑制し、連続運転時間を延ばすことができる。
2.実施の形態2
実施の形態2に係る制御装置30について図面を参照して説明する。上記の実施の形態1と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態に係る交流回転機1、インバータ4、及び制御装置30の基本的な構成は実施の形態1と同様である。しかし、図19に示すように、本実施の形態では、ステータには、複数組(本例では2組)の3相の巻線が設けられており、各組の3相の巻線に対応して複数組(本例では2組)のインバータが設けられている。制御装置30は、各組のインバータを介して、各組の3相の巻線に供給する交流電力を制御する。
本実施の形態では、1つのステータ7に、第1組の3相の巻線Cu1、Cv1、Cw1と、第2組の3相の巻線Cu2、Cv2、Cw2と、が設けられている。各組の3相の巻線は、スター結線とされてもよいし、デルタ結線とされてもよい。第1組の3相を、U1相、V1相、W1相とする。第2組の3相を、U2相、V2相、W2相とする。
本実施の形態では、図20に模式図を示すように、第1組の3相の巻線Cu1、Cv1、Cw1の位置に対する第2組の3相の巻線Cu2、Cv2、Cw2の位置の電気角での位相差は、π/6(30度)に設定されている。なお、位相差は、任意の角度に設定されてもよい。
実施の形態1と同様に、ロータ8には、永久磁石が設けられている。第1組の3相の巻線Cu1、Cv1、Cw1に流れる電流を検出するための第1組の電流センサ51と、第2組の3相の巻線Cu2、Cv2、Cw2に流れる電流を検出するための第2組の電流センサ52とが設けられている。
第1組の3相の巻線用の第1組のインバータ41と、第2組の3相の巻線用の第2組のインバータ42と、が設けられている。各組のインバータ41、42は、実施の形態1のインバータ4の構成と同様であるので説明を省略する。
第1組のインバータ41及び第2組のインバータ42は、1つの直流電源2に接続されている。直流電源2には、1つの平滑コンデンサ3が並列に接続されている。なお、第1組及び第2組のインバータ41、42のそれぞれに、平滑コンデンサが設けられてもよい。
図21に示すように、制御装置30は、第1組及び第2組のインバータ41、42のそれぞれのスイッチング素子をオンオフ制御して、各組の3相の巻線に供給される交流電力を制御する。なお、各組の3相の巻線に対応して、複数組の制御装置が設けられてもよい。
回転検出部31は、回転センサ6の出力信号に基づいて、電気角での第1組の回転角度θ1(第1組の磁極位置θ1)、第2組の回転角度θ2(第2組の磁極位置θ2)、及び回転角速度ωを検出する。第1組の回転角度θ1は、第1組のU1相の巻線を基準にした、電気角でのN極(磁極)の角度(位置)である。第2組の回転角度θ2は、第2組のU2相の巻線を基準にした、電気角でのN極(磁極)の角度(位置)である。なお、センサレス方式とされてもよい。
電流検出部32は、第1組の電流センサ51の出力信号に基づいて、第1組の3相の巻線に流れる3相電流Ius1、Ivs1、Iws1を検出すると共に、第2組の電流センサ52の出力信号に基づいて、第2組の3相の巻線に流れる3相電流Ius2、Ivs2、Iws2を検出する。
本実施の形態では、電圧指令演算部33は、各組について、3相の巻線に印加する3相の電圧指令値を算出する。基本的には、各組の3相の電圧指令値の算出、及び各組の制御モードの切り替えは、実施の形態1と同様である。
電圧指令演算部33は、第1組の3相の電圧指令値Vuo1、Vvo1、Vwo1を算出し、第2組の3相の電圧指令値Vuo2、Vvo2、Vwo2を算出する。詳細には、基本指令演算部33aは、実施の形態と同様の方法で、第1組の3相の基本電圧指令値Vub1、Vvb1、Vwb1を算出し、第2組の3相の基本電圧指令値Vub2、Vvb2、Vwb2を算出する。なお、第1組の3相の基本電圧指令値を算出する際に、第1組の3相の電流検出値Ius1、Ivs1、Iws1、第1組の回転角度θ1が用いられ、第2組の3相の基本電圧指令値を算出する際に、第2組の3相の電流検出値Ius2、Ivs2、Iws2、第2組の回転角度θ2が用いられる。
制御モード判定部33cは、各組について、交流回転機の運転状態に基づいて、第1制御モード、第2制御モード、及び第3制御モードを切り替える。
具体的には、制御モード判定部33cは、第1組の3相の巻線電流の電流ベクトルの絶対値(大きさ)、及び第1組の3相巻線による交流回転機の出力トルクの絶対値の1つである出力パラメータと、交流回転機の回転速度の絶対値、及び第1組の3相の電圧指令値の電圧ベクトルの絶対値の1つである領域パラメータと、に少なくとも基づいて、第1組について、第1制御モード、第2制御モード、及び第3制御モードを切り替える。
制御モード判定部33cは、第2組の3相の巻線電流の電流ベクトルの絶対値(大きさ)、及び第2組の3相巻線による交流回転機の出力トルクの絶対値の1つである出力パラメータと、交流回転機の回転速度の絶対値、第2組の3相の電圧指令値の電圧ベクトルの絶対値、及び第2組の電圧ベクトルに対する第2組の電流ベクトルの位相差である第2組の力率角の1つである領域パラメータと、に少なくとも基づいて、第2組について、第1制御モード、第2制御モード、及び第3制御モードを切り替える。
制御モード判定部33cにおける各組の処理は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。なお、本実施の形態では、各組の電気定数は同等であり、各組の3相の巻線による各組の出力トルクは同等に設定される。そのため、正常時は、各組の電流ベクトルの絶対値、各組の出力トルクの絶対値、及び各組の電圧ベクトルの絶対値は、組間で同等になる。よって、基本的に、各組の制御モードは、同じになる。
変調部33bは、第1組の3相の基本電圧指令値Vub1、Vvb1、Vwb1に変調を加えて、第1組の3相の電圧指令値Vuo1、Vvo1、Vwo1を算出し、第2組の3相の基本電圧指令値Vub2、Vvb2、Vwb2に変調を加えて、第2組の3相の電圧指令値Vuo2、Vvo2、Vwo2を算出する。
第1組について、変調部33bは、第1制御モードが選択されている場合は、相電流リプル抑制制御を実行し、第2制御モードが選択されている場合は、母線電流リプル抑制制御を実行し、第3制御モードが選択されている場合は、スイッチング損失抑制制御を実行する。第2組について、変調部33bは、第1制御モードが選択されている場合は、相電流リプル抑制制御を実行し、第2制御モードが選択されている場合は、母線電流リプル抑制制御を実行し、第3制御モードが選択されている場合は、スイッチング損失抑制制御を実行する。各組の相電流リプル抑制制御、相電流リプル抑制制御、及びスイッチング損失抑制制御は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
PWM制御部34は、各組について、3相の電圧指令値のそれぞれと、搬送波信号との比較結果に基づいて、インバータが有する複数のスイッチング素子をオンオフ制御する。PWM制御部34は、第1組の3相の電圧指令値Vuo1、Vvo1、Vwo1のそれぞれと、搬送波信号との比較結果に基づいて、第1組のインバータ41が有する複数のスイッチング素子をオンオフ制御する。PWM制御部34は、第2組の3相の電圧指令値Vuo2、Vvo2、Vwo2のそれぞれと、搬送波信号との比較結果に基づいて、第2組のインバータ42が有する複数のスイッチング素子をオンオフ制御する。各組の搬送波信号の設定(1つの搬送波信号、又は位相差がある2つの搬送波信号を用いるか)は、各組の制御モードに基づいて行われる。
本実施の形態では、複数組の3相の巻線が設けられる場合でも、各組について、運転状態に基づいて、母線電流リプル抑制制御、スイッチング損失抑制制御、スイッチング損失抑制制御を適切に切り替えて、各リプル又は損失を適切に低減することができる。
3.実施の形態3
実施の形態3に係る制御装置30について図面を参照して説明する。上記の実施の形態1又は2と同様の構成部分は説明を省略する。本実施の形態では、実施の形態2と同様に、複数組の3相の巻線、及び複数組のインバータが設けられている。しかし、本実施の形態では、複数組設けられたことを利用し、相電流リプル抑制制御、及び母線電流リプル抑制制御が一部変更されている。変更点を中心に説明する。
<相電流リプル抑制制御>
本実施の形態では、次式に示すように、変調部33bは、相電流リプル抑制制御において、第1組の3相の電圧指令値Vuo1、Vvo1、Vwo1の最大電圧Vmax1と最小電圧Vmin1の中心値αと、第2組の3相の電圧指令値Vuo2、Vvo2、Vwo2の最大電圧Vmax2と最小電圧Vmin2の中心値αと、を一致させる第1組の3次高調波Voff1及び第2組の3次高調波Voff2を演算し、第1組の3次高調波Voff1を第1組の3相の基本電圧指令値Vub1、Vvb1、Vwb1から減算して、第1組の3相の電圧指令値Vuo1、Vvo1、Vwo1を算出し、第2組の3次高調波Voff2を第2組の3相の基本電圧指令値Vub2、Vvb2、Vwb2から減算して、第2組の3相の電圧指令値Vuo2、Vvo2、Vwo2を算出する。ここで、第1組の中心値α及び第2組の中心値αは、同じ値に設定される。なお、中心値αが、直流電圧の中心値Vdc/2に設定されると、実施の形態1又は2と同様になる。
Figure 0007507985000004
このように、第1組の中心値α及び第2組の中心値αを、同じ値に設定にすることで、有効電圧ベクトル区間の中間時刻を揃えることができるため、相電流リプルを低減することができる。
<母線電流リプル抑制制御の第1例>
本実施の形態では、変調部33bは、母線電流リプル抑制制御において、第1組について上べた二相変調を行うときは、第2組について下べた二相変調を実行し、第1組について下べた二相変調を行うときは、第2組について上べた二相変調を実行する。変調部33bは、第1組の搬送波信号及び第2組の搬送波信号として、同じ位相の搬送波信号を用いる。なお、第1組の搬送波信号は、第1組の3相の電圧指令値と比較され、第2組の搬送波信号は、第2組の3相の電圧指令値と比較される。
この構成によれば、上べた二相変調が行われている組では、PWM周期Tcの中心付近に有効電圧ベクトルの区間が表れ、PWM周期Tcの両端付近に零電圧ベクトルの区間が表れる。一方、下べた二相変調が行われている組では、PWM周期Tcの中心付近に零電圧ベクトルの区間が表れ、PWM周期Tcの両端付近に有効電圧ベクトルの区間が表れる。よって、組間で、有効電圧ベクトルの区間をずらすことができ、母線電流のリプル成分を低減できる。
なお、実施の形態1又は2と同様に、変調部33bは、上べた二相変調では、上べた二相変調が実行される対象組の3相の電圧指令値における最大電圧の相の電圧指令値を搬送波信号の最大値に一致させるオフセット電圧を演算し、当該オフセット電圧を対象組の前記3相の基本電圧指令値から減算して、対象組の3相の電圧指令値を算出する。
また、変調部33bは、下べた二相変調では、下べた二相変調が実行される対象組の3相の電圧指令値における最小電圧の相の電圧指令値を搬送波信号の最小値に一致させるオフセット電圧を演算し、当該オフセット電圧を対象組の3相の基本電圧指令値から減算して、対象組の3相の電圧指令値を算出する。
各組の上べた二相変調及び下べた二相変調は、式(3)と同様の処理になるので、説明は省略する。
上べた二相変調が行われている組と、下べた二相変調が行われている組とが、定期的に入れ替えられるとよい。第1組について、図7のように、上べた二相変調又は下べた二相変調の実行が判定され、第2組については、第1組と反対になるように、上べた二相変調又は下べた二相変調の実行が判定されてもよい。或いは、第1組及び第2組のそれぞれについて、図7のように、上べた二相変調又は下べた二相変調の実行が判定されてもよい。この場合であっても、上べた二相変調と下べた二相変調とが同時に実行される区間が生じるため、母線電流のリプル成分の低減効果が得られる。
<母線電流リプル抑制制御の第2例>
或いは、変調部33bは、母線電流リプル抑制制御において、第1組について上べた二相変調を行うときは、第2組について上べた二相変調を実行し、第1組について下べた二相変調を行うときは、第2組について下べた二相変調を実行する。変調部33bは、第1組の搬送波信号として、第1搬送波信号C1を用い、第2組の搬送波信号として、第1搬送波信号C1に対して180度位相が異なる第2搬送波信号C2を用いる。
この構成によれば、第1組及び第2組について、上べた二相変調が行われる場合は、一方の組では、PWM周期Tcの中心付近に有効電圧ベクトルの区間が表れ、PWM周期Tcの両端付近に零電圧ベクトルの区間が表れ、他方の組では、PWM周期Tcの中心付近に零電圧ベクトルの区間が表れ、PWM周期Tcの両端付近に有効電圧ベクトルの区間が表れる。よって、組間で、有効電圧ベクトルの区間をずらすことができ、母線電流のリプル成分を低減できる。また、第1組及び第2組について、下べた二相変調が行われる場合は、一方の組では、PWM周期Tcの中心付近に零電圧ベクトルの区間が表れ、PWM周期Tcの両端付近に有効電圧ベクトルの区間が表れ、他方の組では、PWM周期Tcの中心付近に有効電圧ベクトルの区間が表れ、PWM周期Tcの両端付近に零電圧ベクトルの区間が表れる。よって、組間で、有効電圧ベクトルの区間をずらすことができ、母線電流のリプル成分を低減できる。
なお、実施の形態1又は2と同様に、変調部33bは、上べた二相変調では、上べた二相変調が実行される対象組の3相の電圧指令値における最大電圧の相の電圧指令値を搬送波信号の最大値に一致させるオフセット電圧を演算し、当該オフセット電圧を対象組の前記3相の基本電圧指令値から減算して、対象組の3相の電圧指令値を算出する。
また、変調部33bは、下べた二相変調では、下べた二相変調が実行される対象組の3相の電圧指令値における最小電圧の相の電圧指令値を搬送波信号の最小値に一致させるオフセット電圧を演算し、当該オフセット電圧を対象組の3相の基本電圧指令値から減算して、対象組の3相の電圧指令値を算出する。
各組の上べた二相変調及び下べた二相変調は、式(3)と同様の処理になるので、説明は省略する。
第1組及び第2組における上べた二相変調の実行と、第1組及び第2組における下べた二相変調の実行とが定期的に入れ替えられるとよい。第1組について、図7のように、上べた二相変調又は下べた二相変調の実行が判定され、第2組については、第1組と同じになるように、上べた二相変調又は下べた二相変調の実行が判定されてもよい。或いは、第1組及び第2組のそれぞれについて、図7のように、上べた二相変調又は下べた二相変調の実行が判定されてもよい。この場合であっても、第1組及び第2組において上べた二相変調又は下べた二相変調が実行される区間が生じるため、母線電流のリプル成分の低減効果が得られる。
<母線電流リプル抑制制御の第3例>
或いは、変調部33bは、第1組の搬送波信号として、第1搬送波信号C1を用い、第2組の搬送波信号として、第1搬送波信号に対して90度位相が異なる第2搬送波信号C2を用いる。変調部33bは、各組について、3相の電圧指令値の最大電圧と最小電圧の中心値を、直流電圧の中心値Vdc/2に一致させる3次高調波を演算し、3次高調波を3相の基本電圧指令値から減算して、3相の電圧指令値を算出する。この各組の変調は、式(1)と同様の処理になるので、説明は省略する。
図22に、PWM周期Tcにおける、第1搬送波信号C1と第1組の3相の電圧指令値Vuo1、Vvo1、Vwo1との比較による各スイッチング信号、電圧ベクトルを示す。図23に、第1搬送波信号に対して90度位相が異なる第2搬送波信号C2と第2組の3相の電圧指令値Vuo2、Vvo2、Vwo2との比較による各スイッチング信号、電圧ベクトルを示す。
第1搬送波信号C1の場合は、図22に示すように、有効電圧ベクトルV2、V1は、時刻t2、及び時刻t4を中心に生じている。第2搬送波信号C2の場合は、図23に示すように、有効電圧ベクトルV2、V1は、時刻t1、時刻t3、及び時刻t5を中心に生じている。よって、組間で、有効電圧ベクトルの区間をずらすことができ、母線電流のリプル成分を低減できる。式(1)の変調を加えることにより、有効電圧ベクトルの各区間を、t1、t2、t3、t4を中心に前後対称に設定することができ、組間の有効電圧ベクトルの区間のずらし効果を最大限にすることができ、母線電流のリプル成分の低減を最大限にすることができる。
なお、上記の各実施の形態では、直流電圧の中心値が、Vdc/2に設定されており、3相の電圧指令値、3相の基本電圧指令値、及び第1及び第2の搬送波信号が、Vdc/2を中心に振動する場合を例に説明した。しかし、直流電圧の中心値が0に設定され、3相の電圧指令値、3相の基本電圧指令値、及び第1及び第2の搬送波信号が、0を中心に振動するように構成されてもよい。この場合は、各実施の形態の3相の電圧指令値、3相の基本電圧指令値、及び第1及び第2の搬送波信号から、Vdc/2が減算される。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
2 直流電源、4 インバータ、30 交流回転機の制御装置、33 電圧指令演算部、34 PWM制御部、100 車両用駆動装置、120 電動パワーステアリング装置、C 搬送波信号、C1 第1搬送波信号、C2 第2搬送波信号、Vuo、Vvo、Vwo 3相の電圧指令値、Vub、Vvb、Vwb 3相の基本電圧指令値

Claims (15)

  1. 単数組又は複数組の3相の巻線を設けたステータを有する交流回転機を、単数組又は複数組のインバータを介して制御する交流回転機の制御装置であって、
    各組について、前記3相の巻線に印加する3相の電圧指令値を算出する電圧指令演算部と、
    各組について、前記3相の電圧指令値のそれぞれと、搬送波信号との比較結果に基づいて、前記インバータが有する複数のスイッチング素子をオンオフ制御するPWM制御部と、を備え、
    前記電圧指令演算部は、各組について、前記交流回転機の運転状態に基づいて、第1制御モード、第2制御モード、及び第3制御モードを切り替え、
    前記第1制御モードでは、正弦波の3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、各相の巻線に流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する相電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第2制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、直流電源と前記インバータとの間を流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する母線電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第3制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、前記スイッチング素子の損失が低減するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出するスイッチング損失抑制制御を実行し、
    前記電圧指令演算部は、各組について、
    前記3相の巻線に流れる電流の電流ベクトルの絶対値、及び前記交流回転機の出力トルクの絶対値の1つである出力パラメータと、
    前記交流回転機の回転速度の絶対値、及び前記3相の電圧指令値の電圧ベクトルの絶対値の1つである領域パラメータと、に少なくとも基づいて、
    前記第1制御モード、前記第2制御モード、及び前記第3制御モードを切り替える交流回転機の制御装置。
  2. 前記電圧指令演算部は、各組について、
    前記出力パラメータが出力判定値よりも小さく、且つ、前記領域パラメータが、領域判定値よりも小さい場合は、前記第1制御モードに切り替え、
    前記出力パラメータが前記出力判定値以上であり、且つ、前記領域パラメータが、前記領域判定値よりも小さい場合は、前記第2制御モードに切り替え、
    前記領域パラメータが、前記領域判定値以上である場合は、前記第3制御モードに切り替える請求項に記載に交流回転機の制御装置。
  3. 単数組又は複数組の3相の巻線を設けたステータを有する交流回転機を、単数組又は複数組のインバータを介して制御する交流回転機の制御装置であって、
    各組について、前記3相の巻線に印加する3相の電圧指令値を算出する電圧指令演算部と、
    各組について、前記3相の電圧指令値のそれぞれと、搬送波信号との比較結果に基づいて、前記インバータが有する複数のスイッチング素子をオンオフ制御するPWM制御部と、を備え、
    前記電圧指令演算部は、各組について、前記交流回転機の運転状態に基づいて、第1制御モード、第2制御モード、及び第3制御モードを切り替え、
    前記第1制御モードでは、正弦波の3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、各相の巻線に流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する相電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第2制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、直流電源と前記インバータとの間を流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する母線電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第3制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、前記スイッチング素子の損失が低減するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出するスイッチング損失抑制制御を実行し、
    前記電圧指令演算部は、各組について、前記相電流リプル抑制制御において、
    前記3相の電圧指令値の最大電圧と最小電圧の中心値を、前記インバータに供給される直流電圧の中心値に一致させる3次高調波を演算し、前記3次高調波を前記3相の基本電圧指令値から減算して、前記3相の電圧指令値を算出する交流回転機の制御装置。
  4. 単数組又は複数組の3相の巻線を設けたステータを有する交流回転機を、単数組又は複数組のインバータを介して制御する交流回転機の制御装置であって、
    各組について、前記3相の巻線に印加する3相の電圧指令値を算出する電圧指令演算部と、
    各組について、前記3相の電圧指令値のそれぞれと、搬送波信号との比較結果に基づいて、前記インバータが有する複数のスイッチング素子をオンオフ制御するPWM制御部と、を備え、
    前記電圧指令演算部は、各組について、前記交流回転機の運転状態に基づいて、第1制御モード、第2制御モード、及び第3制御モードを切り替え、
    前記第1制御モードでは、正弦波の3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、各相の巻線に流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する相電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第2制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、直流電源と前記インバータとの間を流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する母線電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第3制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、前記スイッチング素子の損失が低減するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出するスイッチング損失抑制制御を実行し、
    2組の前記3相の巻線が前記ステータに設けられている場合に、
    前記電圧指令演算部は、前記相電流リプル抑制制御において、
    第1組の前記3相の電圧指令値の最大電圧と最小電圧の中心値と、第2組の前記3相の電圧指令値の最大電圧と最小電圧の中心値と、を一致させる第1組の3次高調波及び第2組の3次高調波を演算し、前記第1組の3次高調波を第1組の前記3相の基本電圧指令値から減算して、第1組の前記3相の電圧指令値を算出し、前記第2組の3次高調波を第2組の前記3相の基本電圧指令値から減算して、第2組の前記3相の電圧指令値を算出する交流回転機の制御装置。
  5. 単数組又は複数組の3相の巻線を設けたステータを有する交流回転機を、単数組又は複数組のインバータを介して制御する交流回転機の制御装置であって、
    各組について、前記3相の巻線に印加する3相の電圧指令値を算出する電圧指令演算部と、
    各組について、前記3相の電圧指令値のそれぞれと、搬送波信号との比較結果に基づいて、前記インバータが有する複数のスイッチング素子をオンオフ制御するPWM制御部と、を備え、
    前記電圧指令演算部は、各組について、前記交流回転機の運転状態に基づいて、第1制御モード、第2制御モード、及び第3制御モードを切り替え、
    前記第1制御モードでは、正弦波の3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、各相の巻線に流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する相電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第2制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、直流電源と前記インバータとの間を流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する母線電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第3制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、前記スイッチング素子の損失が低減するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出するスイッチング損失抑制制御を実行し、
    前記電圧指令演算部は、各組について、前記スイッチング損失抑制制御において、
    前記3相の電圧指令値の最大電圧の相の前記電圧指令値を、前記搬送波信号の最大値に一致させる、又は前記3相の電圧指令値の最小電圧の相の前記電圧指令値を、前記搬送波信号の最小値に一致させるオフセット電圧を演算し、前記オフセット電圧を前記3相の基本電圧指令値から減算して、前記3相の電圧指令値を算出する交流回転機の制御装置。
  6. 単数組又は複数組の3相の巻線を設けたステータを有する交流回転機を、単数組又は複数組のインバータを介して制御する交流回転機の制御装置であって、
    各組について、前記3相の巻線に印加する3相の電圧指令値を算出する電圧指令演算部と、
    各組について、前記3相の電圧指令値のそれぞれと、搬送波信号との比較結果に基づいて、前記インバータが有する複数のスイッチング素子をオンオフ制御するPWM制御部と、を備え、
    前記電圧指令演算部は、各組について、前記交流回転機の運転状態に基づいて、第1制御モード、第2制御モード、及び第3制御モードを切り替え、
    前記第1制御モードでは、正弦波の3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、各相の巻線に流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する相電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第2制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、直流電源と前記インバータとの間を流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する母線電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第3制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、前記スイッチング素子の損失が低減するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出するスイッチング損失抑制制御を実行し、
    前記電圧指令演算部は、各組について、前記スイッチング損失抑制制御において、
    前記3相の電圧指令値の最大電圧の相の巻線電流の絶対値が、前記3相の電圧指令値の最小電圧の相の巻線電流の絶対値よりも大きい場合は、前記最大電圧の相の前記電圧指令値を、前記搬送波信号の最大値に一致させるオフセット電圧を演算し、大きくない場合は、前記最小電圧の相の前記電圧指令値を、前記搬送波信号の最小値に一致させるオフセット電圧を演算し、前記オフセット電圧を前記3相の基本電圧指令値から減算して、前記3相の電圧指令値を算出する交流回転機の制御装置。
  7. 単数組又は複数組の3相の巻線を設けたステータを有する交流回転機を、単数組又は複数組のインバータを介して制御する交流回転機の制御装置であって、
    各組について、前記3相の巻線に印加する3相の電圧指令値を算出する電圧指令演算部と、
    各組について、前記3相の電圧指令値のそれぞれと、搬送波信号との比較結果に基づいて、前記インバータが有する複数のスイッチング素子をオンオフ制御するPWM制御部と、を備え、
    前記電圧指令演算部は、各組について、前記交流回転機の運転状態に基づいて、第1制御モード、第2制御モード、及び第3制御モードを切り替え、
    前記第1制御モードでは、正弦波の3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、各相の巻線に流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する相電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第2制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、直流電源と前記インバータとの間を流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する母線電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第3制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、前記スイッチング素子の損失が低減するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出するスイッチング損失抑制制御を実行し、
    前記電圧指令演算部は、各組について、
    前記3相の巻線に流れる電流の電流ベクトルの絶対値、及び前記交流回転機の出力トルクの絶対値の1つである出力パラメータと、
    前記交流回転機の回転速度の絶対値、及び前記3相の電圧指令値の電圧ベクトルの絶対値の1つである領域パラメータと、に少なくとも基づいて、
    前記第1制御モード、前記第2制御モード、及び前記第3制御モードを切り替え、

    前記電圧指令演算部は、各組について、前記母線電流リプル抑制制御において、
    前記3相の巻線に流れる3相の電流の絶対値における最大電流絶対値の相が、前記3相の電圧指令値における最大電圧の相と一致している場合に、前記最大電圧の相の前記電圧指令値を前記搬送波信号の最大値に一致させるオフセット電圧を演算し、当該オフセット電圧を前記3相の基本電圧指令値から減算して、前記3相の電圧指令値を算出する上べた二相変調を実行し、
    前記最大電流絶対値の相が、前記3相の電圧指令値における最小電圧の相と一致している場合に、前記最小電圧の相の前記電圧指令値を前記搬送波信号の最小値に一致させるオフセット電圧を演算し、当該オフセット電圧を前記3相の基本電圧指令値から減算して、前記3相の電圧指令値を算出する下べた二相変調を実行し、
    前記搬送波信号として、第1搬送波信号と、前記第1搬送波信号に対して180度位相が異なる第2搬送波信号とを用い、
    前記上べた二相変調の実行時の前記最大電圧の相以外の2相、又は前記下べた二相変調の実行時の前記最小電圧の相以外の2相について、一方の相の前記電圧指令値を前記第1搬送波信号と比較させ、他方の相の前記電圧指令値を前記第2搬送波信号と比較させる交流回転機の制御装置。
  8. 単数組又は複数組の3相の巻線を設けたステータを有する交流回転機を、単数組又は複数組のインバータを介して制御する交流回転機の制御装置であって、
    各組について、前記3相の巻線に印加する3相の電圧指令値を算出する電圧指令演算部と、
    各組について、前記3相の電圧指令値のそれぞれと、搬送波信号との比較結果に基づいて、前記インバータが有する複数のスイッチング素子をオンオフ制御するPWM制御部と、を備え、
    前記電圧指令演算部は、各組について、前記交流回転機の運転状態に基づいて、第1制御モード、第2制御モード、及び第3制御モードを切り替え、
    前記第1制御モードでは、正弦波の3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、各相の巻線に流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する相電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第2制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、直流電源と前記インバータとの間を流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する母線電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第3制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、前記スイッチング素子の損失が低減するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出するスイッチング損失抑制制御を実行し、
    前記電圧指令演算部は、各組について、前記母線電流リプル抑制制御において、
    前記3相の巻線に流れる3相の電流の絶対値における最大電流絶対値の相が、前記3相の電圧指令値における最大電圧の相と一致している場合に、前記最大電圧の相の前記電圧指令値を前記搬送波信号の最大値に一致させるオフセット電圧を演算し、当該オフセット電圧を前記3相の基本電圧指令値から減算して、前記3相の電圧指令値を算出する上べた二相変調を実行し、
    前記最大電流絶対値の相が、前記3相の電圧指令値における最小電圧の相と一致している場合に、前記最小電圧の相の前記電圧指令値を前記搬送波信号の最小値に一致させるオフセット電圧を演算し、当該オフセット電圧を前記3相の基本電圧指令値から減算して、前記3相の電圧指令値を算出する下べた二相変調を実行し、
    前記搬送波信号として、第1搬送波信号と、前記第1搬送波信号に対して180度位相が異なる第2搬送波信号とを用い、
    前記上べた二相変調の実行時の前記最大電圧の相以外の2相、又は前記下べた二相変調の実行時の前記最小電圧の相以外の2相について、一方の相の前記電圧指令値を前記第1搬送波信号と比較させ、他方の相の前記電圧指令値を前記第2搬送波信号と比較させ、
    前記電圧指令演算部は、各組について、前記母線電流リプル抑制制御において、
    前記最大電流絶対値の相が、前記3相の電圧指令値における中間電圧の相と一致している場合に、前記中間電圧が前記インバータに供給される直流電圧の中心値よりも大きい場合は、前記上べた二相変調を実行し、前記中間電圧が前記中心値よりも小さい場合は、前記下べた二相変調を実行する交流回転機の制御装置。
  9. 単数組又は複数組の3相の巻線を設けたステータを有する交流回転機を、単数組又は複数組のインバータを介して制御する交流回転機の制御装置であって、
    各組について、前記3相の巻線に印加する3相の電圧指令値を算出する電圧指令演算部と、
    各組について、前記3相の電圧指令値のそれぞれと、搬送波信号との比較結果に基づいて、前記インバータが有する複数のスイッチング素子をオンオフ制御するPWM制御部と、を備え、
    前記電圧指令演算部は、各組について、前記交流回転機の運転状態に基づいて、第1制御モード、第2制御モード、及び第3制御モードを切り替え、
    前記第1制御モードでは、正弦波の3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、各相の巻線に流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する相電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第2制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、直流電源と前記インバータとの間を流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する母線電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第3制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、前記スイッチング素子の損失が低減するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出するスイッチング損失抑制制御を実行し、
    前記電圧指令演算部は、各組について、前記母線電流リプル抑制制御において、
    前記3相の巻線に流れる3相の電流の絶対値における最大電流絶対値の相が、前記3相の電圧指令値における最大電圧の相と一致している場合に、前記最大電圧の相の前記電圧指令値を前記搬送波信号の最大値に一致させるオフセット電圧を演算し、当該オフセット電圧を前記3相の基本電圧指令値から減算して、前記3相の電圧指令値を算出する上べた二相変調を実行し、
    前記最大電流絶対値の相が、前記3相の電圧指令値における最小電圧の相と一致している場合に、前記最小電圧の相の前記電圧指令値を前記搬送波信号の最小値に一致させるオフセット電圧を演算し、当該オフセット電圧を前記3相の基本電圧指令値から減算して、前記3相の電圧指令値を算出する下べた二相変調を実行し、
    前記搬送波信号として、第1搬送波信号と、前記第1搬送波信号に対して180度位相が異なる第2搬送波信号とを用い、
    前記上べた二相変調の実行時の前記最大電圧の相以外の2相、又は前記下べた二相変調の実行時の前記最小電圧の相以外の2相について、一方の相の前記電圧指令値を前記第1搬送波信号と比較させ、他方の相の前記電圧指令値を前記第2搬送波信号と比較させ、
    前記電圧指令演算部は、各組について、前記母線電流リプル抑制制御において、
    前記最大電流絶対値の相が、前記3相の電圧指令値における最大電圧の相と一致している場合は、前記最大電流絶対値の相の前記搬送波信号を前記第2搬送波信号に切り替え、
    前記最大電流絶対値の相が、前記3相の電圧指令値における最小電圧の相と一致している場合は、前記最大電流絶対値の相の前記搬送波信号を前記第1搬送波信号に切り替える交流回転機の制御装置。
  10. 単数組又は複数組の3相の巻線を設けたステータを有する交流回転機を、単数組又は複数組のインバータを介して制御する交流回転機の制御装置であって、
    各組について、前記3相の巻線に印加する3相の電圧指令値を算出する電圧指令演算部と、
    各組について、前記3相の電圧指令値のそれぞれと、搬送波信号との比較結果に基づいて、前記インバータが有する複数のスイッチング素子をオンオフ制御するPWM制御部と、を備え、
    前記電圧指令演算部は、各組について、前記交流回転機の運転状態に基づいて、第1制御モード、第2制御モード、及び第3制御モードを切り替え、
    前記第1制御モードでは、正弦波の3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、各相の巻線に流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する相電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第2制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、直流電源と前記インバータとの間を流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する母線電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第3制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、前記スイッチング素子の損失が低減するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出するスイッチング損失抑制制御を実行し、
    2組の前記3相の巻線が前記ステータに設けられている場合に、
    前記電圧指令演算部は、前記母線電流リプル抑制制御において、
    第1組について上べた二相変調を行うときは、第2組について下べた二相変調を実行し、
    第1組について前記下べた二相変調を行うときは、第2組について前記上べた二相変調を実行し、
    第1組の前記搬送波信号、及び第2組の前記搬送波信号として、同じ位相の前記搬送波信号を用い、
    前記上べた二相変調では、前記上べた二相変調が実行される対象組の前記3相の電圧指令値における最大電圧の相の前記電圧指令値を前記搬送波信号の最大値に一致させるオフセット電圧を演算し、当該オフセット電圧を対象組の前記3相の基本電圧指令値から減算して、対象組の前記3相の電圧指令値を算出し、
    前記下べた二相変調では、前記下べた二相変調が実行される対象組の前記3相の電圧指令値における最小電圧の相の前記電圧指令値を前記搬送波信号の最小値に一致させるオフセット電圧を演算し、当該オフセット電圧を対象組の前記3相の基本電圧指令値から減算して、対象組の前記3相の電圧指令値を算出する交流回転機の制御装置。
  11. 単数組又は複数組の3相の巻線を設けたステータを有する交流回転機を、単数組又は複数組のインバータを介して制御する交流回転機の制御装置であって、
    各組について、前記3相の巻線に印加する3相の電圧指令値を算出する電圧指令演算部と、
    各組について、前記3相の電圧指令値のそれぞれと、搬送波信号との比較結果に基づいて、前記インバータが有する複数のスイッチング素子をオンオフ制御するPWM制御部と、を備え、
    前記電圧指令演算部は、各組について、前記交流回転機の運転状態に基づいて、第1制御モード、第2制御モード、及び第3制御モードを切り替え、
    前記第1制御モードでは、正弦波の3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、各相の巻線に流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する相電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第2制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、直流電源と前記インバータとの間を流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する母線電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第3制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、前記スイッチング素子の損失が低減するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出するスイッチング損失抑制制御を実行し、
    2組の前記3相の巻線が前記ステータに設けられている場合に、
    前記電圧指令演算部は、前記母線電流リプル抑制制御において、
    第1組について上べた二相変調を行うときは、第2組について前記上べた二相変調を実行し、
    第1組について下べた二相変調を行うときは、第2組について前記下べた二相変調を実行し、
    第1組の前記搬送波信号として、第1搬送波信号を用い、第2組の前記搬送波信号として、前記第1搬送波信号に対して180度位相が異なる第2搬送波信号を用い、
    前記上べた二相変調では、前記上べた二相変調が実行される対象組の前記3相の電圧指令値における最大電圧の相の前記電圧指令値を前記搬送波信号の最大値に一致させるオフセット電圧を演算し、当該オフセット電圧を対象組の前記3相の基本電圧指令値から減算して、対象組の前記3相の電圧指令値を算出し、
    前記下べた二相変調では、前記下べた二相変調が実行される対象組の前記3相の電圧指令値における最小電圧の相の前記電圧指令値を前記搬送波信号の最小値に一致させるオフセット電圧を演算し、当該オフセット電圧を対象組の前記3相の基本電圧指令値から減算して、対象組の前記3相の電圧指令値を算出する交流回転機の制御装置。
  12. 単数組又は複数組の3相の巻線を設けたステータを有する交流回転機を、単数組又は複数組のインバータを介して制御する交流回転機の制御装置であって、
    各組について、前記3相の巻線に印加する3相の電圧指令値を算出する電圧指令演算部と、
    各組について、前記3相の電圧指令値のそれぞれと、搬送波信号との比較結果に基づいて、前記インバータが有する複数のスイッチング素子をオンオフ制御するPWM制御部と、を備え、
    前記電圧指令演算部は、各組について、前記交流回転機の運転状態に基づいて、第1制御モード、第2制御モード、及び第3制御モードを切り替え、
    前記第1制御モードでは、正弦波の3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、各相の巻線に流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する相電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第2制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、直流電源と前記インバータとの間を流れる電流のリプル成分が減少するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出する母線電流リプル抑制制御を実行し、
    前記第3制御モードでは、前記3相の基本電圧指令値が前記3相の電圧指令値に設定される場合よりも、前記スイッチング素子の損失が低減するように、前記3相の基本電圧指令値に対して変調を加えて、前記3相の電圧指令値を算出するスイッチング損失抑制制御を実行し、
    2組の前記3相の巻線が前記ステータに設けられている場合に、
    前記電圧指令演算部は、前記母線電流リプル抑制制御において、
    各組について、前記3相の電圧指令値の最大電圧と最小電圧の中心値を、前記インバータに供給される直流電圧の中心値に一致させる3次高調波を演算し、前記3次高調波を前記3相の基本電圧指令値から減算して、前記3相の電圧指令値を算出し、
    第1組の前記搬送波信号として、第1搬送波信号を用い、第2組の前記搬送波信号として、前記第1搬送波信号に対して90度位相が異なる第2搬送波信号を用いる交流回転機の制御装置。
  13. 前記電圧指令演算部は、前記第3制御モードにおいても、前記母線電流リプル抑制制御を行う請求項1から1のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置。
  14. 請求項1から1のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置と、
    前記交流回転機と、
    前記交流回転機の駆動力を車両の車輪に伝達する駆動力伝達機構と、を備えた車両用駆動装置。
  15. 請求項1から1のいずれか一項に記載の交流回転機の制御装置と、
    前記交流回転機と、
    前記交流回転機の駆動力を車両の操舵装置に伝達する駆動力伝達機構と、を備えた電動パワーステアリング装置。
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