JP7500221B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ又はファクシミリ等の画像形成装置に関する。
従来、複写機又はレーザービームプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置は、像担持体としての感光ドラムを帯電部材で一様に帯電した後に、帯電した感光ドラムに対して画像情報に対応した光を照射して静電潜像を形成する。また、画像形成装置は、静電潜像に対して現像部材としての現像ローラを用いてトナー像を現像し、転写部材によって記録紙等の記録媒体にトナー像を転写して記録媒体に画像を形成する。そして、画像形成装置は、クリーニングブレード等のクリーニング装置によって、感光ドラムに残ったトナーを除去する。
ここで、電子写真方式の画像形成装置には、複写機、プリンタ(レーザービームプリンタ、LEDプリンタ等)、ファクシミリ装置、ワードプロセッサ又はこれらの複合機(マルチファンクションプリンタ)等が含まれる。
また、従来、上記の画像形成装置では、感光ドラム上のトナーの粒径に応じてクリーニングブレードで適切にクリーニングされないクリーニング不良と呼ばれる状態を生じる場合がある。特に、現像部材上のトナーの粒径が小さい場合には感光ドラム上のトナーの粒径も小さくなるため、印字率の低い画像を繰り返し印刷した場合に、クリーニング不良を発生する可能性がある。
現像部材上のトナーの微粉率は、現像部材に印加される現像バイアスと、現像剤供給部材に印可される供給バイアスと、の差の大きさに応じて変化し、例えばこの差が大きいほど高くなる。従って、現像バイアスと供給バイアスとの差が大きいほど、クリーニング不良を発生する可能性が高くなる。ここで、トナーの微粉率とは、全トナー粒子の個数に対する円相当径が所定値未満のトナー粒子の個数の割り合いである。
一方、現像バイアスと供給バイアスとの差が小さい場合には、印字率の高い画像を印刷する際に、現像剤供給部材から現像部材へトナーを供給し難くなる。従って。現像バイアスと供給バイアスとの差が小さい場合において印字率の高い画像を印刷する場合には、感光ドラム上の静電潜像に対するトナーの供給量が不足して、所望の画像濃度を得られないベタ追従性不良を生じる。
このような状況において、特許文献1は、画像密度が高い場合には現像バイアスと供給バイアスとの差を大きくし、画像密度が低い場合には現像バイアスと供給バイアスとの差を小さくする画像形成装置を開示している。
特許第4364485号公報
しかしながら、特許文献1においては、現像バイアスと供給バイアスとの差の大小を変化させるのみでは現像部材上のトナーの粒径が顕著に変化しない。従って、特許文献1においては、現像部材上のトナーの微粉率を十分に抑制することができず、像担持体のクリーニング不良を生じる可能性がある。
本発明の目的は、印字率に応じて現像バイアスと供給バイアスとの差の極性を変化させることにより、例えば像担持体のクリーニング不良及びベタ追従性不良を抑制することができる画像形成装置を提供することである。
本発明の画像形成装置は、外部から入力される画像データに基づく静電潜像が形成される像担持体と、現像バイアスが印加されることにより前記静電潜像に現像剤を現像する現像部材と、現像剤供給バイアスが印加されることにより前記現像部材に現像剤を供給する現像剤供給部材と、前記入力された画像データに基づく印字率に応じて、前記現像バイアスと前記現像剤供給バイアスとの差である現像剤供給量制御バイアスの極性を変化させる制御手段と、装置本体に対して着脱可能に装着されると共に前記像担持体を備えるドラムカートリッジと、前記装置本体に対して着脱可能に装着されると共に前記現像部材を備える現像カートリッジと、を有し、前記制御手段は、前記ドラムカートリッジの使用履歴と、前記現像カートリッジの使用履歴と、前記印字率と、に応じて、前記現像剤供給量制御バイアスの前記極性を変化させる、ことを特徴とする。
本発明によれば、印字率に応じて現像バイアスと供給バイアスとの差の極性を変化させることにより、像担持体のクリーニング不良及びベタ追従性不良を抑制することができる。
実施の形態1に係る画像形成装置の模式図である。 実施の形態1に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る画像形成装置のドラムカートリッジの断面模式図である。 実施の形態1に係る画像形成装置の現像カートリッジの断面模式図である。 実施の形態1に係る画像形成装置のクリーニングブレードのエッジ部の拡大図である。 実施の形態1に係る画像形成装置の現像部材上のトナー微粉率とΔ供給バイアスとの関係を示す図である。 実施の形態1に係るΔ供給バイアス制御処理のフロー図である。 実施の形態1に係る画像形成装置、比較例1及び比較例2の効果を比較する図である。 実施の形態2に係る画像形成装置の模式図である。 実施の形態2に係る画像形成装置の現像カートリッジの模式図である。 実施の形態2に係る画像形成装置の感光ドラムのカブリ量とΔ供給バイアスとの関係を示す図である。 実施の形態2に係る画像形成装置のカートリッジの使用状態、印字率及びΔ供給バイアスの極性の関係を示す図である。 実施の形態2に係るΔ供給バイアス制御処理のフロー図である。 実施の形態2に係る画像形成装置の効果を示す図である。 実施の形態2に係る画像形成装置の効果との比較として比較例3の効果を示す図である。 実施の形態2に係る画像形成装置の効果との比較として比較例4の効果を示す図である。
以下、実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
<画像形成装置の構成>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置100の構成について、図1及び図2を参照しながら、詳細に説明する。
画像形成装置100は、電子写真複写機、LEDプリンタ若しくはレーザービームプリンタ等の電子写真プリンタ、又は電子写真ファクシミリ装置等のインライン方式及び中間転写方式を採用した電子写真画像形成装置である。画像形成装置100は、例えば電子写真画像形成プロセスを用いて、画像情報に従って記録用紙、プラスチックシート又は布等の記録材12に画像を形成する。
具体的には、画像形成装置100は、スキャナユニット30と、中間転写ベルト31と、一次転写ローラ32と、二次転写ローラ33と、定着部34と、を有している。また、画像形成装置100は、エンジンコントローラ101と、CPU103と、ビデオコントローラ104と、現像バイアス印加電源105と、現像剤供給バイアス印加電源106と、画像形成部SY1、SM1、SC1及びSK1と、を有している。
スキャナユニット30は、画像形成部SY1、SM1、SC1及びSK1の感光ドラム1の周囲に配置されている露光装置であり、画像情報に基づいて、感光ドラム1上にレーザーを照射して静電像(静電潜像)を形成する。スキャナユニット30は、記録材12の搬送方向と直交する主走査方向においては、走査ライン毎にBDと呼ばれるポリゴンスキャナ内の位置信号の示す位置からレーザー露光の書き出しを行う。
また、スキャナユニット30は、記録材12の搬送方向と同一方向の副走査方向においては、記録材12の搬送路内の図示しないスイッチを起点とするTОP信号から所定の時間だけ遅延させたタイミングでレーザー露光の書き出しを行う。これにより、スキャナユニット30は、4つのプロセスステーションである画像形成部SY1、SM1、SC1及びSK1において、常に感光ドラム1上の同じ位置に対してレーザー露光を行うことができる。
中間転写ベルト31は、無端状のベルトで形成されていると共に、全ての感光ドラム1に当接しており、図1の矢印B方向(反時計方向)に移動(回転)する。中間転写ベルト31は、感光ドラム1上に形成されたトナー像を記録材12に転写するための中間転写体である。
一次転写ローラ32は、中間転写ベルト31の内周面側において、中間転写ベルト31を介して各感光ドラム1に対向するように設けられている一次転写手段である。一次転写ローラ32には、図示しない一次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。一次転写ローラ32は、一次転写バイアス電源からバイアスが印加されることにより、感光ドラム1上のトナー像を中間転写ベルト31上に転写(一次転写)する。
一次転写ローラ32は、フルカラー画像の形成時に、画像形成部SY1、SM1、SC1及びSK1において順次行われる所定のプロセスによって各感光ドラム1上に形成された各色のトナー像を、中間転写ベルト31に順次に重ね合わせて一次転写する。
二次転写ローラ33は、中間転写ベルト31の外周面側に設けられている二次転写手段であり、記録材12を介して中間転写ベルト31に当接している。二次転写ローラ33には、図示しない二次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。二次転写ローラ33は、二次転写バイアス電源からバイアスが印加されることにより、中間転写ベルト31の移動に同期して搬送されてくる記録材12に対して、中間転写ベルト31上のトナー像を転写(二次転写)する。二次転写ローラ33は、フルカラー画像の形成時に、中間転写ベルト31上の4色のトナー像を一括して記録材12上に二次転写する。
定着部34は、二次転写ローラ33より搬送されてくるトナー像が転写された記録材12に熱及び圧力を加えてトナー像を定着させる。
エンジンコントローラ101は、ビデオコントローラ104、現像バイアス印加電源105及び現像剤供給バイアス印加電源106に接続されており、制御手段としてのCPU103を備えている。
CPU103は、ビデオコントローラ104から入力されるビデオ信号及び印字率を示す信号に基づいて、現像バイアス印加電源105及び現像剤供給バイアス印加電源106の駆動を制御する。
ビデオコントローラ104は、画像形成装置100に接続された画像読み取り装置又は画像形成装置100に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器107に接続される。ビデオコントローラ104は、ここではホスト機器107に接続される場合を例示する。ビデオコントローラ104は、画像処理部401と、中間調処理部402と、印字率算出部403と、を備えている。
画像処理部401は、ホスト機器107からビデオコントローラ104に入力されたカラーのRGB画像の画像情報(画像データ)を展開すると共に、画像情報(画像データ)に基づくビデオ信号を生成してエンジンコントローラ101に出力する。
中間調処理部402は、画像処理部401により展開された画像情報に対してディザ法等により中間調処理を行って、画像情報をドットデータに変換する。ここで、ドットデータは、ドットの記録を示す例えば「1」又はドットの非記録を示す例えば「0」の2値データである。
印字率は、外部のホスト機器107から入力された画像データに基づき算出される。より具体的には、印字率算出部403は、中間調処理部402により変換されたドットデータに基づいて印字率を算出し、算出した印字率を示す信号をエンジンコントローラ101に出力する。ここで、印字率は、1ページ中の印字可能領域に対応する総ドット数に対してどれだけのドット数がレーザー照射(光照射)されるかの率を示す値である。
また、実際に感光ドラム1上にどれだけの現像剤(トナー)が現像されるかや、どれだけの現像剤が転写されるかは、環境に応じて異なってくる。従って、画像データから求めた印字率を環境(温湿度や各パーツの使用状況)に応じて適宜補正し、補正後の値を印字率としても良い。
また、実際に採用される印字率としては、これに限らず、画像形成装置100に入力されるプリントジョブ全体の平均印字率、或いはある一定期間における平均印字率でもよいし、10ページ等の予め設定したページ数における平均印字率でもよい。或いは、印字率算出部403が、ページ中の各領域で平均印字率を算出し、画像形成装置100が算出された平均印字率毎に、図7のステップS5~S8の処理を実行してもよい。
現像バイアス印加電源105は、エンジンコントローラ101のCPU103の制御に従って駆動して、後述の現像ローラ4に現像バイアスを印加する。
現像剤供給バイアス印加電源106は、エンジンコントローラ101のCPU103の制御に従って駆動して、後述の供給ローラ5に現像剤供給バイアスを印加する。
画像形成部SY1、SM1、SC1及びSK1は、鉛直方向と交差する方向に一列に配置されており、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のトナー像を中間転写ベルト31上に形成する。画像形成部SY1、SM1、SC1及びSK1は、画像形成装置100本体に設けられた図示しない装着ガイド及び位置決め部材等の装着手段を介して、画像形成装置100に着脱可能となっている。
画像形成部SY1、SM1、SC1及びSK1は、現像カートリッジ200Y、200M、200C及び200Kと、ドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kと、が各々一体となったプロセスカートリッジとして構成されている。ここで、カートリッジとは、画像形成装置100の装置本体に着脱可能であるものを言う。なお、カートリッジのうちの感光ドラム1又は感光ドラム1に作用するプロセス手段を一体化したカートリッジを、ドラムカートリッジと呼ぶ。また、カートリッジのうちの現像に関わるプロセス手段を一体化したカートリッジを、現像カートリッジと呼ぶ。
現像カートリッジ200Y、200M、200C及び200Kは、全て同一形状を有している。現像カートリッジ200Y、200M、200C及び200Kには、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のトナーが各々収容されている。
ドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kは、全て同一形状を有している。
<ドラムカートリッジの構成>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置100に装着されるドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kの構成について、図3を参照しながら、詳細に説明する。なお、ドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kの各々は同一形状であるため、ドラムカートリッジ210Yの構成のみについて説明する。
ドラムカートリッジ210Yは、感光ドラム1と、帯電ローラ2と、クリーニングブレード6と、クリーニング枠体11と、不揮発性メモリm1と、を有している。
像担持体としての感光ドラム1は、ドラムカートリッジ210Yに対して図示しない軸受を介して回転可能に取り付けられている。感光ドラム1は、図示しない駆動モータの駆動力によって、画像形成動作に応じて図3の矢印A方向に回転駆動される。感光ドラム1は、φ30mmのアルミニウム製シリンダの外周面上に、機能性膜である下引き層、高抵抗層、キャリア層及びキャリア移送層(CT層)の順にコーティングした有機感光体を有している。ここで、キャリア移送層は、画像形成動作により削れて消耗していくため、プロセスカートリッジの寿命に応じた膜厚を有しており、例えば15μmの膜厚を有している。
感光ドラム1には、スキャナユニット30からレーザー光35が照射されることにより、レーザー光35の照射部は所定の明部電位(Vl)、及びレーザー光35の未照射部は所定の暗部電位(Vd)となる静電像(静電潜像)が形成される。感光ドラム1のレーザー光35が照射される照射部は、キャリア発生層からのキャリアにより表面の電荷が消失して電位が低下する。
帯電ローラ2は、感光ドラム1の外周面に接触している。帯電ローラ2には、図示しない帯電バイアス電源(高圧電源)より、感光ドラム1上に任意の電荷を載せるために十分な帯電バイアスが印加され、例えば感光ドラム1上の電位(帯電電位Vd)が-p500Vとなる帯電バイアスが印加される。
クリーニングブレード6は、弾性体によって形成されていると共に、感光ドラム1の外周面に接触している。クリーニングブレード6は、感光ドラム1の外周面に担持されている転写残トナーを除去する。
クリーニング枠体11は、クリーニングブレード6によって感光ドラム1から除去される転写残トナーを収容する。
不揮発性メモリm1には、ドラムカートリッジ210Yの使用量を把握するための感光ドラム1の回転数及び製造番号等の情報が記憶されている。不揮発性メモリm1は、エンジンコントローラ101のCPU103と非接触で又は電気接点を介して接触することにより通信可能になっており、情報の書き込み及び読み取りが行われる。
<現像カートリッジの構成>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置100に装着される現像カートリッジ200Y、200M、200C及び200Kの構成について、図4を参照しながら、詳細に説明する。なお、現像カートリッジ200Y、200M、200C及び200Kの各々は同一形状であるため、現像カートリッジ200Yの構成のみについて説明する。
現像カートリッジ200Yは、現像ローラ4と、供給ローラ5と、規制部材8と、現像室20aと、現像剤収容室20bと、現像剤搬送部材21と、を有している。
現像部材としての現像ローラ4は、金属芯金の周囲に所定の体積抵抗を有する導電性弾性ゴム層を設けて構成されており、感光ドラム1に接触している。現像ローラ4は、図示しない駆動モータの駆動力によって図4の矢印D方向に回転する。現像ローラ4には、感光ドラム1上の静電潜像をトナー像として現像及び可視化するのに十分なトナー9の正規の帯電極性と同極性の現像バイアスが現像バイアス印加電源105から印加される。
現像剤供給部材としての供給ローラ5は、導電性芯金の外周に発泡体を設けた弾性スポンジローラであり、現像ローラ4の周面上にニップ部を形成している。供給ローラ5は、図4の矢印E方向(反時計方向)に回転する。供給ローラ5は、現像ローラ4の電位に対してトナー9の正規の帯電極性と同極性側に高い現像剤供給バイアスが現像剤供給バイアス印加電源106から印加されることにより、現像室20aに搬送されたトナー9を現像ローラ4に供給する。
供給ローラ5は、現像ローラ4との接触部において現像ローラ4に対して所定の侵入量を有して接触しており、この接触部において現像ローラ4と同一方向に移動するように回転している。供給ローラ5は、現像ローラ4の周速に対して1.5倍の周速で回転することにより、現像ローラ4へのトナー9の供給及び現像ローラ4上の現像残トナーの剥ぎ取りを行う。
規制部材8は、供給ローラ5によって現像ローラ4に供給されたトナー9に対して、コート量の規制を行うと共に現像ローラ4と摺擦することによって摩擦帯電させて電荷の付与を行う。
現像室20aには、現像ローラ4及び供給ローラ5が設けられている。
現像剤収容室20bは、現像室20aの下方に配置されている。現像剤収容室20bには、現像剤としてのトナー9が収容されている。
現像剤搬送部材21は、現像剤収容室20bに設けられており、図4の矢印G方向に回転して、現像剤収容室20bに収容されているトナー9を現像室20aに搬送する。
ここで、トナー9は、正規帯電極性として負極性に帯電し、中心粒径が7μmである非磁性球形トナーである。また、トナー9の表面には、トナー外添剤(外添粒子)として粒径20nmのシリカ粒子が添加されている。なお、トナー9は、正規帯電極性として負極性に帯電するトナーに限定されるものではない。
<クリーニング不良の発生メカニズム>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置100におけるクリーニング不良の発生メカニズムについて、図5を参照しながら、詳細に説明する。なお、図5は、クリーニングブレード6のエッジ部を拡大した図である。
クリーニング不良は、1次転写後の感光ドラム1上にある残トナーの一部がクリーニングされないことにより発生する。
図5に示すように、クリーニングブレード6は、感光ドラム1の回転方向Aに対してカウンタ方向で当接しており、感光ドラム1の回転に伴ってクリーニングブレード6のエッジ部が巻き込まれた状態になってくさび部分6aを生じる。そして、くさび部分6aには、トナー9から感光ドラム1に移行した前述のトナー外添剤が溜まって阻止層9aが形成される。
ここで、クリーニングブレード6のエッジ部に阻止層9aが存在する場合には、くさび部分6aからのトナー9の潜り込みがなくなるため、クリーニング性能が向上する。一方、阻止層9aを形成している外添剤は、20nm程度であり、クリーニングブレード6のエッジ部から感光ドラム1の回転方向Aに常に一定量が抜けていく。そして、阻止層9aが少なくなった場合には、くさび部分6aからトナー9が潜り込み易くなるため、クリーニング不良を発生し易くなる。
また、トナー9は、粒径が小さいほど感光ドラム1との付着力が強くなる。従って、トナー9の粒径が小さいほど、感光ドラム1の回転に伴って阻止層9aに侵入して阻止層9aを破壊しやすいため、クリーニング不良を発生する可能性が高くなる。一方、印字率の大きい高印字画像が印刷された場合には、1次転写後の感光ドラム1上のトナー9の残量が多いため、阻止層9aに多くのトナー外添剤が供給され、クリーニング性能が向上する。
従って、CPU103は、印字率の小さい低印字率の画像を印刷する場合に、感光ドラム1に担持されるトナー9の微粉量を抑制する必要があるため、現像ローラ4に担持されるトナー9の微粉量を抑制する。ここで、トナー9の微粉量は、円相当径が所定値未満の小さい粒子のトナー9の量である。
<ベタ追従性不良の発生メカニズム>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置100におけるベタ追従性不良の発生メカニズムについて、詳細に説明する。
ベタ追従性不良は、高印字画像が繰り返し印刷される際に、現像ローラ4上のトナーが不足し、感光ドラム1に形成された静電潜像に所望量のトナー9が現像されないことにより発生する。
現像ローラ4には、現像剤供給バイアス印加電源106から現像剤供給バイアスを供給ローラ5に印加することにより、供給ローラ5からトナー9が供給される。画像形成中における現像ローラ4に担持されるトナー量は、現像剤供給バイアスと現像バイアスとの差である現像剤供給量制御バイアス(以下、「Δ供給バイアス」と記載する)に応じて変化する。ここで、「Δ供給バイアス(V)=現像剤供給バイアス(V)-現像バイアス(V)」と定義する。正規の帯電極性が負極性のトナー9においては、現像バイアスに対して負極性側に大きい電位差を有する現像剤供給バイアスを設定することにより、供給ローラ5から現像ローラ4へのトナー9の供給が積極的に行われる。
従って、高印字画像が繰り返し印刷される際には、Δ供給バイアスが負極性側に十分に大きくない場合にベタ追従性不良を発生する。
ここで、Δ供給バイアスを負極性にするとは、例えば現像剤供給バイアスを-400Vに設定すると共に現像バイアスを-350Vに設定することによりΔ供給バイアスを-50Vにする場合である。また、Δ供給バイアスを正極性にするとは、例えば現像剤供給バイアスを-250Vに設定すると共に現像バイアスを-350Vに設定することによりΔ供給バイアスを+100Vにする場合である。
<Δ供給バイアスと現像ローラ上のトナーの粒径との関係>
本発明の実施の形態1に係る画像形成装置100におけるΔ供給バイアスと現像ローラ4上のトナー9の粒径との関係について、図6を参照しながら、詳細に説明する。
供給ローラ5は、現像ローラ4との接触部において、現像ローラ4に対してトナー9の供給及び現像残トナーの剥ぎ取りを行っている。この際に、現像ローラ4上のトナー9の粒径が小さいほど、トナー9と現像ローラ4との付着力が強いため、現像ローラ4から剥ぎ取り難くなる。そのため、供給ローラ5によるトナー9の供給及び現像残トナーの剥ぎ取りを繰り返した場合には、現像ローラ4に担持されるトナー9の粒径が小さくなっていく。また、Δ供給バイアスを負極性側に大きくした場合に、供給ローラ5によるトナー9の剥ぎ取り量が減るため、現像ローラ4に担持されるトナー9の粒径は小さくなる。
一方、負極性に帯電するトナー9には、現像バイアスに対して正極性側に大きい電位差を有する現像剤供給バイアスを設定する場合に、現像ローラ4から供給ローラ5へ移動する力が働く。従って、Δ供給バイアスを正極性側に設定することにより、現像ローラ4に対する付着力が強い小粒径のトナー9の剥ぎ取りが盛んになり、現像ローラ4に担持されるトナー9の粒径は大きくなっていく。
これより、現像ローラ4に担持されるトナー9の微粉率は、図6に示すように、Δ供給バイアスを負極性側に設定することにより高くなり、Δ供給バイアスを正極性側に設定することにより低くなる。このように、Δ供給バイアスと現像ローラ4に担持されるトナー9の粒径とには相関がある。
<Δ供給バイアス制御処理>
本発明の実施の形態1に係るΔ供給バイアス制御処理について、図7を参照しながら、詳細に説明する。
図7に示すΔ供給バイアス制御処理は、画像形成装置100に搭載されている図示しないタッチパネル等の入力装置に対する操作によりプリント動作を開始する指示を受けたタイミングで開始される。
まず、画像形成装置100は、プリント動作を開始する(S1)。
次に、ビデオコントローラ104には、ホスト機器107から画像情報が入力される(S2)。
次に、ビデオコントローラ104の中間調処理部402は、画像情報をドットデータに変換する(S3)。
次に、ビデオコントローラ104の印字率算出部403は、ドットデータに基づいて、印字率を算出する(S4)。
次に、エンジンコントローラ101のCPU103は、印字率が閾値としての50%未満(閾値未満)であるか否かを判定する(S5)。
CPU103は、印字率が50%未満の場合に(S5:Yes)、低印字画像を印刷することによりクリーニング不良を生じる可能性があるため、現像剤供給バイアス印加電源106を制御してΔ供給バイアスを正極性に設定する(S6)。
一方、CPU103は、印字率が50%以上(閾値以上)の場合に(S5:No)、高印字画像を印刷することによりベタ追従性不良を生じる可能性があるため、現像剤供給バイアス印加電源106を制御してΔ供給バイアスを負極性に設定する(S7)。
そして、画像形成装置100は、画像形成を開始し(S8)、画像形成を終了した後にΔ供給バイアス制御処理を終了する。
このように、画像形成装置100は、プリント動作を開始する指示を受ける毎に、印字率に応じてΔ供給バイアスを制御するΔ供給バイアス制御処理を実行することにより、クリーニング不良及びベタ追従性不良を抑制することができる。
上記のΔ供給バイアス制御処理において、CPU103は、現像バイアス印加電源105から現像ローラ4に印加される現像バイアスを制御することによって、Δ供給バイアスの極性を変化させる。または、CPU103は、現像剤供給バイアス印加電源106から供給ローラ5に印加される現像剤供給バイアスを制御することによって、Δ供給バイアスの極性を変化させる。
なお、上記のΔ供給バイアス制御処理において、印字率が50%以上の場合を高印字画像とし、印字率が50%未満の場合を低印字画像としたが、これに限らず、50%以外の所定の閾値を設定することができる。
また、上記のΔ供給バイアス制御処理において、感光ドラム1の長手方向における領域を分割し、その領域毎に印字率と比較する閾値を設定しても良い。
また、上記のΔ供給バイアス制御処理において、印字率に応じてΔ供給バイアスの極性を変えたが、これに限らず、印字率に応じてΔ供給バイアスの大きさを変えても良い。例えば、Δ供給バイアスを、印字率<20%の場合には+100V、20%<印字率<40%の場合には+50V、40%<印字率<60%の場合には0V、60%<印字率<80%の場合には-50V、80%<印字率の場合には-100Vに設定しても良い。
また、上記のΔ供給バイアス制御処理において、印字率に応じて、Δ供給バイアスを線形に変化させても良い。
また、上記のΔ供給バイアス制御処理において、印字率に応じてΔ供給バイアスの極性を変えたが、これに限らず、画像の総ドット数に応じてΔ供給バイアスの極性を変えても良い。
また、上記のΔ供給バイアス制御処理において、画像形成開始前に印字率に応じてΔ供給バイアスの極性を変化させたが、これに限らず、記録材12に対する画像形成中において、印字率に応じてΔ供給バイアスの極性を変化させてもよい。
<本実施の形態と比較例1及び比較例2との効果の比較>
次に、本実施の形態と比較例1及び比較例2との効果の比較について、図8を参照しながら、詳細に説明する。
図8は、本実施の形態、比較例1及び比較例2における印字率の高低及びΔ供給バイアスの極性に応じたクリーニング不良及びベタ追従性不良の発生の有無を示している。なお、図8において、「OK」はクリーニング不良又はベタ追従性不良を発生していないことを意味している。
ここで、比較例1は、印字率に応じてΔ供給バイアスの極性を変化させずに、画像形成中のΔ供給バイアスを負極性に設定する。また、比較例2は、印字率に応じてΔ供給バイアスの極性を変化させずに、画像形成中のΔ供給バイアスを正極性に設定する。
この場合に、比較例1では、低印字率の画像を印刷する際において現像ローラ4に小粒径のトナー9が担持される。また、比較例2では、高印字率の画像を印刷する際において現像ローラ4に小粒径のトナー9が担持され難い。
これより、図8に示すように、比較例1においては、低印字率の画像を印刷した際にクリーニング不良を生じた。また、比較例2においては、高印字率の画像を印刷した際にベタ追従性不良を生じた。これらに対して、本実施の形態においては、印字率に応じてΔ供給バイアスの極性を変化させることにより、クリーニング不良及びベタ追従性不良を生じなかった。これより、比較例1と比較例2に対して、本実施の形態の優位性を確認できた。
このように、本実施の形態によれば、印字率に応じてΔ供給バイアスの極性を変化させることにより、感光ドラム1のクリーニング不良及びベタ追従性不良を抑制することができる。
(実施の形態2)
<画像形成装置の構成>
本発明の実施の形態2に係る画像形成装置500の構成について、図9を参照しながら、詳細に説明する。
なお、図9において図1と同一構成である部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
画像形成装置500は、スキャナユニット30と、中間転写ベルト31と、一次転写ローラ32と、二次転写ローラ33と、定着部34と、を有している。また、画像形成装置500は、エンジンコントローラ101と、CPU103と、ビデオコントローラ104と、現像バイアス印加電源105と、現像剤供給バイアス印加電源106と、画像形成部SY2、SM2、SC2及びSK2と、を有している。
スキャナユニット30は、画像形成部SY2、SM2、SC2及びSK2の感光ドラム1の周囲に配置されている露光装置であり、画像情報に基づいて、感光ドラム1上にレーザーを照射して静電像(静電潜像)を形成する。これにより、スキャナユニット30は、4つのプロセスステーションである画像形成部SY2、SM2、SC2及びSK2において、常に感光ドラム1上の同じ位置に対してレーザー露光を行うことができる。
中間転写ベルト31は、無端状のベルトで形成されていると共に、全ての感光ドラム
一次転写ローラ32は、フルカラー画像の形成時に、画像形成部SY2、SM2、SC2及びSK2において順次行われる所定のプロセスによって各感光ドラム1上に形成された各色のトナー像を、中間転写ベルト31に順次に重ね合わせて一次転写する。
画像形成部SY2、SM2、SC2及びSK2は、鉛直方向と交差する方向に一列に配置されており、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のトナー像を中間転写ベルト31上に形成する。画像形成部SY2、SM2、SC2及びSK2は、画像形成装置500本体に設けられた図示しない装着ガイド及び位置決め部材等の装着手段を介して、画像形成装置500に着脱可能となっている。
画像形成部SY2、SM2、SC2及びSK2は、ドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kと、現像カートリッジ300Y、300M、300C及び300Kと、を備えている。
現像カートリッジ300Y、300M、300C及び300Kは、全て同一形状を有している。現像カートリッジ300Y、300M、300C及び300Kには、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の各色のトナーが各々収容されている。
ドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kは、現像カートリッジ300Y、300M、300C及び300Kの寿命の2倍の寿命を有している。ドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kの感光ドラム1のCT層は、ドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kの寿命に応じた膜厚を有しており、例えば25μmである。
<現像カートリッジの構成>
本発明の実施の形態2に係る画像形成装置500に装着される現像カートリッジ300Y、300M、300C及び300Kの構成について、図10を参照しながら、詳細に説明する。なお、現像カートリッジ300Y、300M、300C及び300Kの各々は同一形状であるため、現像カートリッジ300Yの構成のみについて説明する。また、図10において図4と同一構成である部分については同一符号を付して、その説明を省略する。
現像カートリッジ300Yは、現像ローラ4と、供給ローラ5と、規制部材8と、現像室20aと、現像剤収容室20bと、現像剤搬送部材21と、不揮発性メモリm2と、を有している。
不揮発性メモリm2には、現像カートリッジ300Yの使用量を把握するための現像ローラ4の回転数及びトナー9の残量等の情報が記憶されている。不揮発性メモリm2は、エンジンコントローラ101のCPU103と非接触で又は電気接点を介して接触することにより通信可能になっており、情報の書き込み及び読み取りが行われる。
<クリーニングブレードのめくれ発生のメカニズム>
本発明の実施の形態2に係る画像形成装置500のクリーニングブレード6のめくれ発生のメカニズムについて、詳細に説明する。
クリーニングブレード6のめくれは、クリーニングブレード6と感光ドラム1との間の摩擦力が大きい場合に発生する。
クリーニングブレード6は、感光ドラム1の回転方向に対してカウンタ方向で当接しているため、感光ドラム1の表面粗さが小さい場合には感光ドラム1との間の摩擦力が大きくなってめくれが発生する場合がある。また、クリーニングブレード6は、感光ドラム1の表面粗さが小さい場合であっても、阻止層9aの量が十分であれば感光ドラム1との間の摩擦力が低くなってめくれを発生しない。
また、感光ドラム1の膜厚が厚い場合において低印字画像を印刷する際には、感光ドラム1の非露光部に現像するトナー(以下、「カブリトナー」と記載する)が少ないため、感光ドラム1上のトナー量が減少して阻止層9aを形成する外添剤がなくなる。そのため、感光ドラム1の膜厚が厚い場合において低印字画像を印刷する際には、クリーニングブレード6のめくれを発生する場合がある。ここで、カブリトナーは、正極性に帯電してしまったトナー9である。
ドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kは、寿命の長いものを使用する場合に、新品時に膜厚が厚く又は表面硬度が高い感光ドラム1を用いる。また、新品の現像カートリッジ300Y、300M、300C及び300Kを使用する場合には、カブリトナー量が減少する。そのため、新品のドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kと、新品の現像カートリッジ300Y、300M、300C及び300Kと、を組み合わせて使用する場合には、クリーニングブレード6のめくれを発生する可能性がある。従って、この場合には、阻止層9aの量を十分に確保するために、感光ドラム1上のトナー量を多くする必要がある。
<Δ供給バイアスとカブリトナー量との関係>
次に、本発明の実施の形態2に係る画像形成装置500におけるΔ供給バイアスとカブリトナー量との関係について、図11を参照しながら、詳細に説明する。
現像ローラ4は、Δ供給バイアスが負極性側に高い場合に、供給ローラ5から供給されるトナー量が増えるため、多量のトナー9を担持した状態で規制部材8を通過する。この場合、現像ローラ4には、十分に電荷を付与されないトナー9が増えて、正極性に帯電したトナー9又は負電荷の小さいトナー9が増える。
正極性に帯電したトナー9又は負電荷の小さいトナー9は、感光ドラム1の非露光部の電位が現像バイアスに対して負極性側に高いため、感光ドラム1の非露光部に現像してしまう。そのため、感光ドラム1上のカブリトナー量は、図11に示すように、Δ供給バイアスが負極性側に高い場合に多くなる。このように、感光ドラム1上のカブリトナー量は、現像ローラ4に担持されるトナー9の電荷の大きさで決まる。
また、現像カートリッジ300Y、300M、300C及び300Kでは、使用されるにつれて、収容されているトナー9が劣化し、トナー9の帯電性能が低下する。そのため、新品ではない現像カートリッジ300Y、300M、300C及び300Kを使用した場合には、感光ドラム1上のカブリトナー量は多くなる。
また、現像ローラ4と感光ドラム1とが接触する箇所において、現像ローラ4に担持されるトナーの電荷は感光ドラム1側に流れる。この際に、感光ドラム1のCT層の膜厚は、使用されるにつれ薄くなっていく。CT層の膜厚が薄い感光ドラム1は抵抗が低いため、現像ローラ4に担持されるトナーの電荷は小さくなり、感光ドラム1上のカブリトナー量は多くなる。
これより、新品のドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kと、新品の現像カートリッジ300Y、300M、300C及び300Kと、を組み合わせて使用する場合には、感光ドラム1上のカブリトナー量は少ない。また、この場合において、感光ドラム1上のトナー量は、Δ供給バイアスを負極性側に設定することにより増える。
<印字率及びカートリッジの使用状態に応じたΔ供給バイアスの設定>
次に、本発明の実施の形態2に係る画像形成装置500における印字率及びカートリッジの使用状態(カートリッジの寿命)に応じたΔ供給バイアスの設定について、図12を参照しながら、詳細に説明する。
上述のように、画像形成装置500においては、クリーニングブレード6のめくれ、ベタ追従性不良及びクリーニング不良を発生する可能性がある。
クリーニングブレード6のめくれは、新品のドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kと、新品の現像カートリッジ300Y、300M、300C及び300Kと、を組み合わせて低印字画像を印刷する際に発生する可能性がある。また、ベタ追従性不良は、高印字画像が印刷される場合に発生する可能性がある。
更に、クリーニング不良は、新品ではないドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kを使用する場合において、低印字画像を印刷する際に発生する可能性がある。一方、クリーニング不良は、感光ドラム1の表面粗さが低い新品のドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kを使用する場合に、感光ドラム1のトナー搬送力が十分小さいために発生しない。
これより、本実施の形態においては、CPU103は、現像剤供給バイアス印加電源106を制御して、図12に示すようにΔ供給バイアスを設定する。具体的には、CPU103は、新品のドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kと、新品の現像カートリッジ300Y、300M、300C及び300Kと、を組み合わせて使用する場合に、Δ供給バイアスを常に負極性側に設定する。一方、CPU103は、これ以外の場合において、低印字画像を印刷する際にΔ供給バイアスを正極性側に設定し、高印字画像を印刷する際にΔ供給バイアスを負極性側に設定する。
ここで、ドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kは、新品の状態から1000枚印刷されるまでを新品とし、1001枚以降を印刷する場合を使用済とする。なお、ドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kが新品か否かの区別は、これに限定されるものではなく、1000枚以外の枚数にしても良い。また、ドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kの寿命に対する使用状態を利用しても良い。
また、本実施の形態において、カートリッジの使用状態に応じて、Δ供給バイアスの大きさを変えても良い。例えば、使用状態として1000枚未満、1000枚以上且つ5000枚未満、5000枚以上且つ10000枚未満、及び10000枚以上の領域に分けて、各領域における印字率に応じたΔ供給バイアスを設定しても良い。
また、本実施の形態において、カートリッジの使用状態に対して、Δ供給バイアスを線形に設定しても良い。
<Δ供給バイアス制御処理>
本発明の実施の形態2に係るΔ供給バイアス制御処理について、図13を参照しながら、詳細に説明する。
図13に示すΔ供給バイアス制御処理は、画像形成装置500に搭載されている図示しないタッチパネル等の入力装置に対する操作によりプリント動作を開始する指示を受けたタイミングで開始される。
まず、画像形成装置500は、プリント動作を開始する(S11)。
次に、ビデオコントローラ104には、ホスト機器107から画像情報が入力される(S12)。
次に、ビデオコントローラ104の中間調処理部402は、画像情報をドットデータに変換する(S13)。
次に、ビデオコントローラ104の印字率算出部403は、ドットデータに基づいて、印字率を算出する(S14)。
次に、エンジンコントローラ101のCPU103は、ドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kと、現像カートリッジ300Y、300M、300C及び300Kと、の使用履歴をチェックする(S15)。ここで、使用履歴は、記録材12に画像形成した際の使用状態である。
次に、CPU103は、ドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kと、現像カートリッジ300Y、300M、300C及び300Kと、の使用履歴を示す値が所定値としての1000枚以内(所定値以下)か否かを判定する(S16)。ここで、使用履歴を示す値は、画像形成した記録材12の枚数である。
CPU103は、使用履歴を示す値が1000枚以内である場合に(S16:Yes)、新品のドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kと、新品の現像カートリッジ300Y、300M、300C及び300Kと、の組み合わせと判断する。そして、CPU103は、クリーニングブレード6のめくれを生じる可能性があるため、感光ドラム1上のトナー量を多くしてクリーニングブレード6のエッジ部における阻止層9aの量を十分に確保するために、Δ供給バイアスを負極性に設定する(S17)。
一方、CPU103は、各々の使用履歴を示す値の少なくとも一方が1000枚より多い場合に(S16:No)、印字率が50%未満であるか否かを判定する(S18)。
CPU103は、印字率が50%未満の場合に(S18:Yes)、低印字画像を印刷することによりクリーニング不良を生じる可能性があるため、Δ供給バイアスを正極性に設定する(S19)。
一方、CPU103は、印字率が50%以上の場合に(S18:No)、高印字画像を印刷することによりベタ追従性不良を生じる可能性があるため、Δ供給バイアスを負極性に設定する(S20)。
そして、画像形成装置100は、画像形成を開始し(S21)、画像形成を終了した後にΔ供給バイアス制御処理を終了する。
このように、印字率とカートリッジの使用状態とに応じてΔ供給バイアスを設定することにより、クリーニングブレード6のめくれ、クリーニング不良及びベタ追従性不良を抑制することができる。
上記のΔ供給バイアス制御処理において、使用履歴を示す値及び使用履歴をチェックする際に比較される所定値は、第1の記録手段としての不揮発性メモリm1及び第2の記憶手段としての不揮発性メモリm2に各々予め記憶されている。
<本実施の形態と比較例3及び比較例4との効果の比較>
次に、本実施の形態と比較例3及び比較例4との効果の比較について、図14乃至図16を参照しながら、詳細に説明する。
図14乃至図16は、カートリッジの使用状態、印字率の高低及びΔ供給バイアスの極性に応じた、クリーニングブレード6のめくれ、クリーニング不良及びベタ追従性不良の発生の有無を示している。なお、図14乃至図16において、「OK」はクリーニングブレード6のめくれ、クリーニング不良又はベタ追従性不良を発生していないことを意味している。
ここで、図15に示す比較例3は、印字率とカートリッジの使用状態に応じてΔ供給バイアスを設定せずにΔ供給バイアスを負極性に設定する。また、図16に示す比較例4は、印字率とカートリッジの使用状態に応じてΔ供給バイアスを設定せずにΔ供給バイアスを正極性に設定する。
これより、比較例3では、図15に示すように、使用済のドラムカートリッジを使用し、低印字画像を印刷した際に、クリーニング不良が発生した。比較例4では、図16に示すように、新品ドラムカートリッジと新品現像カートリッジとを組み合わせて使用し、低印字画像を印刷した際に、クリーニングブレード6のめくれが発生した。また、比較例4では、高印字画像を印刷した際に、ベタ追従性不良が発生した。
これらに対して、本実施の形態では、図14に示すように、印字率及びカートリッジの使用状態に応じてΔ供給バイアスの極性を変化させることにより、クリーニングブレード6のめくれ、クリーニング不良及びベタ追従性不良を生じなかった。これより、比較例3と比較例4に対して、本実施の形態の優位性を確認できた。
本実施の形態では、ドラムカートリッジ210Y、210M、210C及び210Kと現像カートリッジ300Y、300M、300Cとの使用状態と、印字率と、に応じて、Δ供給バイアスの極性を変化させる。これにより、上記の実施の形態1の効果に加えて、クリーニングブレード6のめくれを抑制することができる。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることは言うまでもない。
具体的には、上記実施の形態1及び実施の形態2において、4個のプロセスカートリッジを着脱可能に設けているが、装着されるプロセスカートリッジの個数はこれに限定されるものではない。
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
4 現像ローラ
5 供給ローラ
6 クリーニングブレード
6a くさび部分
8 規制部材
9 トナー
9a 阻止層
12 記録材
100 画像形成装置
101 エンジンコントローラ
103 CPU
105 現像バイアス印加電源
106 現像剤供給バイアス印加電源
200Y、200M、200C、200K 現像カートリッジ
210Y、210M、210C、210K ドラムカートリッジ
300Y、300M、300C、300K 現像カートリッジ
401 画像処理部
402 中間調処理部
403 印字率算出部
500 画像形成装置
SY1、SM1、SC1、SK1 画像形成部
SY2、SM2、SC2、SK2 画像形成部

Claims (8)

  1. 外部から入力される画像データに基づく静電潜像が形成される像担持体と、
    現像バイアスが印加されることにより前記静電潜像に現像剤を現像する現像部材と、
    現像剤供給バイアスが印加されることにより前記現像部材に現像剤を供給する現像剤供給部材と、
    前記入力された画像データに基づく印字率に応じて、前記現像バイアスと前記現像剤供給バイアスとの差である現像剤供給量制御バイアスの極性を変化させる制御手段と、
    装置本体に対して着脱可能に装着されると共に前記像担持体を備えるドラムカートリッジと、
    前記装置本体に対して着脱可能に装着されると共に前記現像部材を備える現像カートリッジと、
    を有し、
    前記制御手段は、
    前記ドラムカートリッジの使用履歴と、前記現像カートリッジの使用履歴と、前記印字率と、に応じて、前記現像剤供給量制御バイアスの前記極性を変化させる、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記現像部材に印加される前記現像バイアスを制御することによって前記現像剤供給量制御バイアスの前記極性を変化させる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記現像剤供給部材に印加される前記現像剤供給バイアスを制御することによって前記現像剤供給量制御バイアスの前記極性を変化させる、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記印字率が閾値以上の場合に、前記現像剤供給部材から前記現像部材に現像剤を供給する前記極性の前記現像剤供給量制御バイアスを設定し、前記印字率が閾値未満の場合に、前記現像部材から前記現像剤供給部材へ現像剤を移動させる前記極性の前記現像剤供給量制御バイアスを設定する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記制御手段は、
    記録媒体に対する画像形成中において前記印字率に応じて前記現像剤供給量制御バイアスの前記極性を変化させる、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、
    前記ドラムカートリッジの使用履歴を示す値が所定値以下、且つ、前記現像カートリッジの使用履歴を示す値が所定値以下の場合に、前記印字率に関わらず前記現像剤供給部材から前記現像部材に現像剤を供給する前記極性の前記現像剤供給量制御バイアスを設定する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、
    前記ドラムカートリッジの使用履歴を示す値が所定値より大きく、且つ、前記印字率が閾値未満の場合に、前記現像部材から前記現像剤供給部材に現像剤を供給する前記極性の前記現像剤供給量制御バイアスを設定する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記ドラムカートリッジは、
    前記ドラムカートリッジの使用履歴と、前記ドラムカートリッジの使用履歴を示す値と比較する所定値と、を記憶する第1の記憶手段を備え、
    前記現像カートリッジは、
    前記現像カートリッジの使用履歴と、前記現像カートリッジの使用履歴を示す値と比較する所定値と、を記憶する第2の記憶手段を備える、
    ことを特徴とする請求項又は請求項に記載の画像形成装置。
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