JP2016130827A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】縦帯画像や全ベタ画像が長期に渡って連続印刷されても、画像の後端カスレや濃度低下が発生するのを防止する。
【解決手段】画像データに基いて像担持体の副走査方向に延在する複数の細長領域ごとの画像面積率を演算し、当該画像面積率のうちの最大の画像面積率の大きさに対応して、現像剤担持体と現像剤供給体の線速比や供給バイアス電圧を現像中に変化させる。
【選択図】図7a
【解決手段】画像データに基いて像担持体の副走査方向に延在する複数の細長領域ごとの画像面積率を演算し、当該画像面積率のうちの最大の画像面積率の大きさに対応して、現像剤担持体と現像剤供給体の線速比や供給バイアス電圧を現像中に変化させる。
【選択図】図7a
Description
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真式の画像形成装置に装備される現像装置と、当該現像装置を有する画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置に装備される一成分現像方式の現像装置として、感光体に一成分現像剤としてのトナーを供給する現像ローラと、当該現像ローラにトナーを供給する供給ローラとを有する現像装置が従来より知られている。当該供給ローラは、現像ローラとのニップ部の中心よりも回転方向上流側で現像ローラからトナーを回収し、当該ニップ部の中心よりも回転方向下流側で現像ローラにトナーを供給する。
このようにトナーの回収及び供給を1つの供給ローラで行う構成では、書き込み密度100%の帯画像(以下、縦帯画像と記す)が感光体の移動方向に長く伸びて出力されると、供給ローラから現像ローラへ供給されるトナーの量が徐々に低下するという課題がある。供給トナー量が低下すると、画像の後端カスレやページ内での画像濃度変動が生じる。また経時のトナー劣化が進行しやすくなってトナーの流動性が早期に低下し、前記画像後端カスレや画像濃度変動が悪化する。特に、縦帯画像が連続して印字される場合に当該現象がいっそう顕著になる。
前記画像後端カスレや画像濃度変動を防止するため、従来から様々な技術が提案されている。例えば特許文献1(特許第3479947号公報)は、画像濃度ムラやかぶりなどを抑制する2種類の画像形成装置を開示する。一つは、現像ローラに対して順方向に回転しながら当接する供給ローラに、トナーの帯電極性と同極性の供給バイアスを印加することで、供給ローラから現像ローラへのトナーの転移を助長し、ページ単位の画像面積率が高くなるほど、その供給バイアスの絶対値を大きくする。もう一つは、現像ローラに対して順方向に回転しながら当接する供給ローラの線速を、ページ単位の画像面積率が高くなるほど増速させる。
また特許文献2(特開2013−41010号公報)は、画像濃度ムラやかぶりなどを抑制する画像形成装置を開示する。この画像形成装置は、画像の出力対象となるページの全領域を潜像担持体の表面移動方向に沿って複数の分割領域に分割し、それぞれの分割領域における画像部の面積率を算出し、その算出結果に基づいて供給バイアスの出力値を制御する。
しかし、特許文献1ではページ単位で、特許文献2ではページ搬送方向の複数の分割領域で画像面積率を算出するので、副走査方向に細長く伸びるような縦帯画像は、画像面積率が低い画像として扱われてしまう。このため、これら特許文献の技術では、適切な供給バイアス設定や供給ローラの線速設定がなされず、縦帯画像の後端カスレや濃度低下を有効に防止することができなかった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、縦帯画像や全ベタ画像が長期に渡って連続して印字されても、画像の後端カスレや濃度低下が発生するのを防止することにある。
前記課題を解決するため、本発明の現像装置は、画像データに応じた静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持し現像バイアス電圧により当該現像剤を前記像担持体に供給する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に対して供給バイアス電圧により前記現像剤を供給する現像剤供給体とを有する画像形成部と、前記画像データに基いて前記像担持体の副走査方向に延在する複数の細長領域ごとの画像面積率を演算し、当該画像面積率のうちの最大の画像面積率の大きさに対応して、前記現像剤担持体と前記現像剤供給体の線速比を前記静電潜像の現像中に変化させる制御部と、を有することを特徴とする。
本発明は、制御部によって、像担持体の副走査方向に延在する複数の細長領域ごとの画像面積率を演算し、その最大の画像面積率の大きさに対応して、現像剤担持体と現像剤供給体の線速比を静電潜像の現像中に変化させることで、現像剤供給体のトナー供給機能が補完され、画像の後端カスレや濃度低下を防止することができる。
以下に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る図2の現像装置を搭載した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態を示す概略構成図である。図1は、本プリンタを正面側から示している。図の紙面に直交する方向の手前側がプリンタの前面であり、奥側が後面である。また、本プリンタの図中右側が右側面、左側が左側面である。本プリンタの右端部は、回動軸40aを中心に回動することで筐体本体に対して開閉可能な反転ユニット40になっている。
(画像形成装置としてプリンタの構成)
このプリンタは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す)のポリエステル系重合トナー(平均粒径6.5μm)からなるトナー像を形成するための4つの作像ユニット1Y、M、C、Kを備えている。なお、この重合トナーは、トナー母体100部に対して、疎水シリカRY50(アイロジル製)を2部添加し、20リットルヘンシェルミキサーで周速40m/s、5分間の混合処理を行なった後、目開き75ミクロンの篩で篩って得た、オイル含有シリカ外添トナーである。オイル含有シリカ外添トナーを用いることによって、帯電量の経時安定性とクリーニング性向上を図ることができる。
このプリンタは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す)のポリエステル系重合トナー(平均粒径6.5μm)からなるトナー像を形成するための4つの作像ユニット1Y、M、C、Kを備えている。なお、この重合トナーは、トナー母体100部に対して、疎水シリカRY50(アイロジル製)を2部添加し、20リットルヘンシェルミキサーで周速40m/s、5分間の混合処理を行なった後、目開き75ミクロンの篩で篩って得た、オイル含有シリカ外添トナーである。オイル含有シリカ外添トナーを用いることによって、帯電量の経時安定性とクリーニング性向上を図ることができる。
これらの作像ユニットは、画像形成物質として、互いに異なる色のY、M、C、Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Kトナー像を形成するための作像ユニット1Kを例にすると、図2に示されるように、潜像担持体たるドラム状の感光体2K(直径30mmの有機感光体)、ドラムクリーニング装置3K、除電装置(不図示)、帯電装置4K、現像装置としての現像器5K等を備えている。作像ユニット1Kは、プリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。なお、この感光体2Kの移動速度、すなわち、本装置のプロセス線速は140mm/sである。
帯電装置4Kは、駆動手段によって図中時計回りに回転される感光体2Kの表面を一様帯電させる。一様帯電された感光体2Kの表面は、レーザー光Lによって露光走査されてK用の静電潜像を担持する。より詳しくは、先に示した図1において、作像ユニット1Y、M、C、Kの鉛直方向上方には、光書込ユニット70が配設されている。潜像書込装置たる光書込ユニット70は、画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光Lにより、作像ユニット1Y、M、C、Kにおける感光体2Y、M、C、Kを光走査する。感光体2Y、M、C、Kにおける露光部は、電位を減衰してY、M、C、K用の静電潜像を担持する。例えば、感光体2Y、M、C、Kの一様帯電電位が−550[V]であるのに対し、静電潜像の電位は−50[V]まで減衰する。なお、光書込ユニット70は、光源から発したレーザー光(L)を、ポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラーで主走査方向に偏光させながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。或いは、レーザー光(L)に代えて、LEDアレイの複数のLEDから発したLED光によって光書込を行うものを採用してもよい。
図2の現像器5Kは、Kトナーを収容する縦長のホッパ部6Kと、画像形成部としての現像部7Kとを有する。現像部7K内には、感光体2K、現像剤担持体としての現像ローラ11K及び現像剤供給体としての供給ローラ10Kが配設されている。現像ローラ11Kは厚さ4mmの導電性ウレタンゴム層(ゴム硬度50°(JIS−A))を周囲に有する。供給ローラ10Kは、直径13mmで、金属製の芯金と、これの表面に被覆された導電性発泡ウレタン層(セル径100〜500μm)からなるローラ部とを有する。当該ローラ部に現像ローラ11Kが所定深さで食い込んだ状態で、当該ローラ部がホッパ部6K内のKトナーを捕捉しながら回転する。
現像ローラ11Kの側方に、先端を現像ローラ11Kの表面に当接させたステンレス製の薄層化ブレード12Kが配設されている。なお、薄層化ブレード12Kは現像ローラ11Kに対して、約40N/mの線圧で当接されている。
駆動手段によって図中反時計回り方向に回転される現像ローラ11Kには、現像バイアス電源によってKトナーの帯電極性と同極性であって、且つ、絶対値が感光体2Kの地肌部電位の絶対値と静電潜像の絶対値との間の値である現像バイアスが印加される。これにより、感光体2Kと現像ローラ11Kとが対向している現像領域においては、現像ローラ11Kの表面上に担持されているKトナーが感光体2Kの静電潜像に選択的に転移して、静電潜像を現像してKトナー像を生成する。このようにして現像されたKトナー像は、後述する中間転写ベルト16上に中間転写される。なお、現像ローラ11Kの線速は200mm/sで、現像バイアスは−150Vである。
現像部7Kの上方に配設されたホッパ部6K内には、駆動手段によって回転駆動されるアジテータ8K、これの鉛直方向下方で駆動手段によって回転駆動される撹拌パドル9K、これの鉛直方向下方で駆動手段によって回転駆動される供給ローラ10Kなどが配設されている。ホッパ部6K内のKトナーは、アジテータ8Kや撹拌パドル9Kの回転駆動によって撹拌されながら、自重によって供給ローラ10Kに向けて移動する。
図3は、現像器(5K)における供給ニップ部の周囲を拡大して示す拡大構成図である。現像ローラ11Kの図中右側方に配設された供給ローラ10Kは、駆動手段によって図中反時計回り方向に回転する。現像ローラ11Kと供給ローラ10Kとの当接による供給ニップ部(ニップ部幅4〜5mm)では、現像ローラ11Kの表面が鉛直方向下方から上方に向けて移動するのに対し、供給ローラ10Kの表面がそれとは正反対に鉛直方向上方から下方に向けて移動する。このように、供給ローラ10Kは、現像ローラ11Kに対してカウンタ方向に回転しながら当接して供給ニップ部を形成している。以下、供給ニップ部において、現像ローラ11Kの表面が供給ニップ部に進入する位置をニップ部入口という。また、現像ローラ11Kの表面が供給ニップ部から抜け出る位置をニップ部出口という。なお、供給ローラ10Kの線速は所定のアルゴリズムに基づいて、100〜400mm/s程度の範囲で可変に制御される。
上述したように、現像ローラ11Kには、現像バイアス電源151Kにより、Kトナーの帯電極性と同極性であって、且つ、絶対値が感光体2Kにおける地肌部電位の絶対値と静電潜像の絶対値との間の値の現像バイアスが印加される。一方、供給ローラ10Kには、供給バイアス電源152Kにより、Kトナーの帯電極性と同極性であって、且つ、絶対値が現像バイアスの絶対値よりも大きな値の直流電圧を具備する供給バイアスが印加される。なお、供給バイアスとして、前述した直流電圧だけからなるものを採用してもよいし、前述した直流電圧に交流電圧を重畳したものを採用してもよい。以下、前者の供給バイアスを採用した例について説明するが、後者の供給バイアスを採用した場合には、重畳バイアスの直流電圧に対して、前者の供給バイアスと同様の出力制御を行えばよい。
現像領域で感光体2K上の静電潜像を現像した現像ローラ11Kの表面は、現像ローラ11Kの回転に伴って供給ニップ部のニップ部入口に進入する。この際、供給ローラ10Kの表面は、ニップ部入口の付近において、現像ローラ11K表面に対して逆方向に移動しながら摺擦して現像ローラ11K表面からKトナーを掻き取って回収する。このようにしてKトナーが回収された現像ローラ11Kの表面は、現像ローラ11Kの回転に伴って供給ニップ部を通過する。この際、現像バイアスが印加される現像ローラ11Kと、供給バイアスが印加される供給ローラ10Kとの電位差により、供給ローラ10K上のKトナーが現像ローラ11Kに供給される。
供給ローラ10Kから現像ローラ11Kに供給されたKトナーは、現像ローラ11Kの回転に伴ってローラと薄層化ブレード12Kとの当接位置を通過する際に、ローラ表面上での層厚が規制される。そして、層厚規制後のKトナーは、現像領域において、感光体2K表面の静電潜像の現像に寄与する。なお、現像領域においては、図示のように、感光体2K表面と現像ローラ11K表面とが互いに同じ方向に移動する。
先に示した図2において、ドラムクリーニング装置3Kは、中間転写工程を経た後の感光体2K表面に付着している転写残トナーを除去する。また、除電装置は、クリーニング後の感光体2Kの残留電荷を除電する。この除電により、感光体2Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。図2を用いてK用の作像ユニット1Kについて説明したが、Y、M、C用の作像ユニット1Y、M、Cにおいても、同様のプロセスにより、感光体2Y、M、C表面にY、M、Cトナー像が形成されて、中間転写ベルト16に重ね合わせて中間転写される。
先に示した図1において、作像ユニット1Y、M、C、Kの鉛直方向下方には、無端状の中間転写ベルト16を図中反時計回り方向に無端移動させる転写ユニット15が配設されている。転写手段たる転写ユニット15は、中間転写ベルト16の他に、駆動ローラ17、従動ローラ18、4つの1次転写ローラ19Y、M、C、K、2次転写ローラ20、ベルトクリーニング装置21、クリーニングバックアップローラ22などを備えている。
中間転写ベルト16は、そのループ内側に配設された駆動ローラ17と従動ローラ18との間に架け渡されている。また、当該中間転写ベルト16に、クリーニングバックアップローラ22及び4つの1次転写ローラ19Y、M、C、Kが当接されている。そして中間転写ベルト16は、駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動される駆動ローラ17の回転力により、同方向に無端移動される。
4つの1次転写ローラ19Y、M、C、Kは、このように無端移動される中間転写ベルト16を間に挟んで感光体2Y、M、C、Kとは反対側に配設されている。この挟み込みにより、中間転写ベルト16の表面と、感光体2Y、M、C、Kの周面とが当接するY、M、C、K用の1次転写ニップ部が形成されている。
1次転写ローラ19Y、M、C、Kには、転写バイアス電源によってそれぞれ1次転写バイアスが印加されており、これにより、感光体2Y、M、C、Kの静電潜像と、1次転写ローラ19Y、M、C、Kとの間に転写電界が形成される。なお、1次転写ローラ19Y、M、C、Kに代えて、転写チャージャーや転写ブラシなどを採用してもよい。
Y用の作像ユニット1Yの感光体2Y表面に形成されたYトナーは、感光体2Yの回転に伴って上述のY用の1次転写ニップ部に進入すると、転写電界やニップ部圧の作用により、感光体2Y上から中間転写ベルト16上に1次転写される。このようにしてYトナー像が1次転写された中間転写ベルト16は、その無端移動に伴ってM、C、K用の1次転写ニップ部を通過する際に、感光体2M、C、K上のM、C、Kトナー像が、Yトナー像上に順次重ね合わせて1次転写される。この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト16上には4色トナー像が形成される。
転写ユニット15の2次転写ローラ20は、中間転写ベルト16のループ外側に配設されて、ループ内側の従動ローラ18との間に中間転写ベルト16を挟み込んでいる。この挟み込みにより、中間転写ベルト16の表面と、2次転写ローラ20とが当接する2次転写ニップ部が形成されている。2次転写ローラ20には、転写バイアス電源によって2次転写バイアスが印加される。この印加により、2次転写ローラ20と、アース接続されている従動ローラとの間には、2次転写電界が形成される。
転写ユニット15の鉛直方向下方には、記録紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容している給紙カセット30がプリンタの筐体に対してスライド着脱可能に配設されている。この給紙カセット30は、紙束の一番上の記録紙Pに給紙ローラ30aを当接させており、これを所定のタイミングで図中反時計回り方向に回転させることで、その記録紙Pを給紙路31に向けて送り出す。
給紙路31の末端付近には、タイミングローラ対32が配設されている。このタイミングローラ対32は、給紙カセット30から送り出された記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに両ローラの回転を停止させる。そして、挟み込んだ記録紙Pを上述の2次転写ニップ部内で中間転写ベルト16上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで回転駆動を再開して、記録紙Pを2次転写ニップ部に向けて送り出す。
2次転写ニップ部で記録紙Pに密着された中間転写ベルト16上の4色トナー像は、2次転写電界やニップ部圧の影響を受けて記録紙P上に一括2次転写され、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。このようにして表面にフルカラートナー像が形成された記録紙Pは、2次転写ニップ部を通過すると、2次転写ローラ20や中間転写ベルト16から曲率分離する。そして、転写後搬送路33を経由して、後述する定着装置34に送り込まれる。
2次転写ニップ部を通過した後の中間転写ベルト16には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。当該転写残トナーは、中間転写ベルト16の表面に当接しているベルトクリーニング装置21によってベルト表面からクリーニングされる。中間転写ベルト16のループ内側に配設されたクリーニングバックアップローラ22は、ベルトクリーニング装置21によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップする。
定着装置34は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ34aと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ34bとによって定着ニップ部を形成している。定着装置34内に送り込まれた記録紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ34aに密着させるようにして、定着ニップ部に挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化されて、フルカラー画像が定着される。
定着装置34内から排出された記録紙Pは、定着後搬送路35を経由した後、排紙路36と反転前搬送路41との分岐点にさしかかる。定着後搬送路35の側方には、回動軸42aを中心にして回動駆動される切替爪42が配設されており、当該切替爪42の回動によって定着後搬送路35の末端付近を閉鎖したり開放したりする。定着装置34から記録紙Pが送り出されるタイミングでは、切替爪42が図中実線で示す回動位置で停止して、定着後搬送路35の末端付近を開放している。よって、記録紙Pが定着後搬送路35から排紙路36内に進入して、排紙ローラ対37のローラ間に挟み込まれる。
テンキー等からなる操作部に対する入力操作や、パーソナルコンピュータ等から送られてくる制御信号などにより、片面プリントモードが設定されている場合には、排紙ローラ対37に挟み込まれた記録紙Pがそのまま機外へと排出される。そして、筐体の上カバー50の上面であるスタック部にスタックされる。
一方、両面プリントモードに設定されている場合には、先端側を排紙ローラ対37に挟み込まれながら排紙路36内を搬送される記録紙Pの後端側が定着後搬送路35を通り抜けると、切替爪42が図中一点鎖線の位置まで回動して、定着後搬送路35の末端付近が閉鎖される。これとほぼ同時に、排紙ローラ対37が逆回転を開始する。すると、記録紙Pは、今度は後端側を先頭に向けながら搬送されて、反転前搬送路41内に進入する。
本プリンタの右端部は、前述したように筐体本体に対して開閉可能な反転ユニット40になっている。排紙ローラ対37が逆回転すると記録紙Pがこの反転ユニット40の反転前搬送路41内に進入して、鉛直方向上側から下側に向けて搬送される。そして、反転搬送ローラ対43のローラ間を経由した後、半円状に湾曲している反転搬送路44内に進入する。
更に、記録紙Pが反転搬送路44の湾曲形状に沿って搬送されるのに伴って上下面が反転されながら、鉛直方向上側から下側に向けての進行方向も反転して、鉛直方向下側から上側に向けて搬送される。その後、上述した給紙路31内を経て、2次転写ニップ部に再進入する。そして、記録紙Pのもう一方の面にもフルカラー画像が一括2次転写された後、当該記録紙Pは転写後搬送路33、定着装置34、定着後搬送路35、排紙路36、排紙ローラ対37を順次経由して、機外へと排出される。
(プリンタの電気回路)
図4は、本プリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図である。図中左側に示すメイン制御部100が本発明の「制御部」の中心的役割を果たすもので、プリンタ全体の各種機器の駆動の制御や演算処理を司る。当該メイン制御部100や後述の画像データ処理部105によって、後述するように現像ローラ線速に対する供給ローラ線速の線速比や供給バイアス電圧が制御される。
図4は、本プリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図である。図中左側に示すメイン制御部100が本発明の「制御部」の中心的役割を果たすもので、プリンタ全体の各種機器の駆動の制御や演算処理を司る。当該メイン制御部100や後述の画像データ処理部105によって、後述するように現像ローラ線速に対する供給ローラ線速の線速比や供給バイアス電圧が制御される。
なお、プリンタの内部には温度を検知する温度検知手段と、湿度を検知する湿度検知手段が配設されている。そしてこれら検知手段が前記画像データ処理部105に接続され、温度検知手段及び湿度検知手段で検知された温度情報及び湿度情報に基いても、後述の線速比や供給バイアス電圧の変化量を制御可能にしている。すなわち、トナーの粉体特性はプリンタが使用される環境毎に異なるため、環境によるトナーの粉体特性変化に応じて、より適切に線速比を制御可能にし、より適切に濃度低下や画像のカスレを抑制するようにしている。
メイン制御部100は、CPU(Central Processing Unit)100a、RAM(Random Access Memory)100b、ROM(Read Only Memory)100c、フラッシュメモリ100d等を有する。なお図4では、メイン制御部100に接続されている各種機器のうち、本発明の特徴部に関連するものだけを示している。
図4において、メイン制御部100、画像データ処理部105、光書込ユニット70、供給バイアス制御部153Y、M、C、Kは、互いにI/Oインターフェース101を介して電気的に接続されている。なお、LAN(Local Area Network)ポート102は、外部のローカルエリアネットワークを介して、パーソナルコンピュータやスキャナとの通信を行うためのものである。また、USBポート103は、USBケーブルを介して外部のパーソナルコンピュータと通信を行うためのものである。
パーソナルコンピュータからローカルエリアネットワークを介してLANポート102に入力されたカラー画像データは、プリントサーバー回路104を介して画像データ処理部105に入力される。また、パーソナルコンピュータからUSBポート103に入力されたカラー画像データは、そのまま画像データ処理部105に入力される。
画像データ処理部105は、受信したカラー画像データを、R(レッド)、G(グリーン)、B(ブルー)の色分解画像データに分離した後、それらをY、M、C、Kの4つの色分解画像データに変換する。そして、得られたY、M、C、Kの色分解画像データを、光書込ユニット70に送信する。光書込ユニット70は、画像データ処理部105から受信したY、M、C、Kの色分解画像データに基づいて、感光体2Y、M、C、Kをそれぞれ光走査する。また、各ページで同期をとるためのページ同期信号を、メイン制御部100や、供給ローラ駆動制御部163Y、M、C、Kに送信する。このページ同期信号に基づいて、メイン制御部100や供給ローラ駆動制御部163Y、M、C、Kが、記録紙Pを給紙カセット30やタイミングローラ対32から送り出したり、各種駆動を制御したりすることで、適切なプリントジョブが行われる。
画像データ処理部105は、Y、M、C、Kの色分解画像データを送信したり、同期信号を送信したりすることに加えて、Y、M、C、Kの各色のトナー像に関する面積率のデータである面積率データを、Y、M、C、K用の供給ローラ駆動制御部163Y、M、C、Kに送信する。供給ローラ駆動制御部163Y、M、C、Kは、画像データ処理部105から送られてくるY、M、C、K用の面積率データと、光書込ユニット70から送られてくる同期信号とに基づいて、Y、M、C、K用の駆動手段162Y、M、C、Kの供給ローラ線速の設定値を制御する。
(本発明の第1実施形態の特徴部分)
次に、本発明の第1実施形態の現像装置の特徴部分について説明する。図4の画像データ処理部105は、Y、M、C、Kの各色についてそれぞれ、次のようにして面積率データを算出する。即ち、まず、画像の出力対象となるページの全領域を、図5に示すように、主走査方向(感光体表面移動方向と垂直方向)に沿って複数の分割領域(Δx1, Δx2, Δx3,…)に
分割する。画像の出力対象となるページは、画像の出力対象となる記録紙Pを出力時と同じ姿勢にした場合の紙面と同じ姿勢の仮想領域である。例えば、縦搬送しているA4サイズ記録紙に画像を形成する場合、当該ページは、長手方向を搬送方向に沿わせたA4サイズの紙面と同じ姿勢の仮想領域である。このような仮想領域からなるページを、主走査方向に沿って、副走査方向に延在する複数の細長領域に分割するのである。そして、それぞれの分割領域(細長領域)に存在している画像部の面積を、当該分割領域の面積で除算することで、当該分割領域における画像部の平均画像面積率ηを求める。
次に、本発明の第1実施形態の現像装置の特徴部分について説明する。図4の画像データ処理部105は、Y、M、C、Kの各色についてそれぞれ、次のようにして面積率データを算出する。即ち、まず、画像の出力対象となるページの全領域を、図5に示すように、主走査方向(感光体表面移動方向と垂直方向)に沿って複数の分割領域(Δx1, Δx2, Δx3,…)に
分割する。画像の出力対象となるページは、画像の出力対象となる記録紙Pを出力時と同じ姿勢にした場合の紙面と同じ姿勢の仮想領域である。例えば、縦搬送しているA4サイズ記録紙に画像を形成する場合、当該ページは、長手方向を搬送方向に沿わせたA4サイズの紙面と同じ姿勢の仮想領域である。このような仮想領域からなるページを、主走査方向に沿って、副走査方向に延在する複数の細長領域に分割するのである。そして、それぞれの分割領域(細長領域)に存在している画像部の面積を、当該分割領域の面積で除算することで、当該分割領域における画像部の平均画像面積率ηを求める。
画像データ処理部105は、このようにしてページを複数の分割領域に分割し、平均画像面積率ηを求めたら、それらの領域での画像面積率データ(η1,η2,η3,…)の最大値と、あらかじめ記憶していた同じ位置(領域)における、直前のページまたは非画像形成時の画像面積率データ、ページの用紙搬送方向における長さのデータである用紙長さデータ、の3つの情報を、同時に供給バイアス制御部153Y、M、C、Kに出力する。用紙長さデータは、例えば、A3サイズ記録紙の横搬送であれば、搬送方向に沿ったA3サイズ副走査方向の長さである420mmを用紙長さデータとして出力する。
各色の供給ローラ駆動制御部163Y、M、C、Kはそれぞれ、画像データ処理部105から送られてくる、画像面積率データ(最大値)と、当該画像面積率が最大となる主走査方向に対応する位置で直前に出力されたページの画像面積率η0、および用紙長さデータを、予め記憶している所定のアルゴリズムに基づいて、供給ローラ線速の設定値に変換する。なお、トナーの粉体特性はプリンタが使用される環境毎に異なるため、プリンタの内部の温度検知手段と湿度検知手段で検知された温度情報及び湿度情報に基いて線速比を修正制御してもよい。これにより、より適切に線速比を制御可能にし、より適切に濃度低下や画像のカスレを抑制することができる。
図5は、当該ページと、当該ページに出力される画像と、各分割領域との関係の一例を示す模式図である。ページの分割幅は、特に限定されることはないが、実験結果から4〜10mmの幅、とりわけ4mmの幅に設定されることが望ましい。4mmを下限とする理由は、幅が4mm未満、とりわけ3mm以下の縦帯画像(画像面積率100%)が出力されても、経験的に縦帯副走査方向に対する濃度低下がほとんど起きず、供給ローラ線速を積極的に制御する必要がないためである。
前記縦帯副走査方向に対する濃度低下がほとんど起きない理由としては、現像ローラと供給ローラとの供給ニップ部において、縦帯画像部の両脇の非画像部領域のトナー未消費領域からトナーが流れ込んで供給されることと、供給ローラ自体によるトナーの主走査方向の拡散によってトナーが補給されるためと推定される。すなわち、画像濃度低下が目視で確認できる縦帯の幅は4mm以上なのである。
一方、分割幅を4mmより著しく大きくなると、例えば幅4mmの細い縦帯画像が含まれる画像が出力された際に、最大画像面積率η1_maxの値が100%より小さな値で算出され、最適な供給ローラ線速が設定されない。このような、幅4mmの縦帯画像が出力される可能性は低いが、画像面積率としては低く算出されないよう、分割幅は4〜10mm幅、とりわけ4mm幅近くに設定されることが望ましい。
また、図6は、これから出力(現像)する画像の画像面積率η1_maxと、その主走査方向に対応する位置で直前に出力されたページの画像面積率(以下、直前の画像面積率η0と記す)の関係を示す図である。
一方、図7a、図7b、図7cは本画像形成装置において、A3の画像が出力される際の、副走査方向の位置に対する現像ローラ線速に対する供給ローラ線速の線速比の値を示したものである。なお、メイン制御部100による供給ローラ線速ないし線速比の制御は、画像形勢領域の先端が通過する時刻をtとするとき、当該時刻tよりもD/Vr[s]早いタイミングで開始される。
ここでDは、供給ローラと現像ローラとが当接する供給ニップ部の中心から、現像ローラと感光体が当接する現像ニップ部の中心までの、現像ローラ円周上の距離である。Vrは現像ローラ線速である。このように線速比制御を早いタイミングで開始することで、現像ニップ部で現像が始まるタイミングに合わせて、線速比制御の効果(トナー供給機能の補完による画像後端カスレや濃度低下防止)が発揮される。
図7aは直前の画像面積率η0が0〜20%のときの線速比VR_diffの値(もしくは1枚目の値)である。図7bは直前の画像面積率η0が21〜50%の時の線速比VR_diffの値である。図7cは直前の画像面積率η0が51〜100%の時の線速比VR_diffの値である。なお、グラフ中のパーセントの値は、出力される画像の画像面積率η1_maxを示している。
これらの制御アルゴリズムは、画像形成領域内の副走査方向の位置をX[mm]とするとき、Xの関数として下式(1)〜(12)で定義される。なお、式(1)〜(12)は実験結果に基づいて作成した式であり、Xは約42.3mm(=600dpi1000画素)間隔で更新され、VR_diffの値はステップ的に変化する。
VR_diff(X)= 0.5 (0≦η0≦20%、0≦η1_max≦20%) 式(1)
VR_diff(X)= 0.5+0.4×X/400 (0≦η0≦20%、21%≦η1_max≦50%) 式(2)
VR_diff(X)= 0.5+0.8×X/400 (0≦η0≦20%、51≦η1_max≦80%) 式(3)
VR_diff(X)= 0.5+1.2×X/400 (0≦η0≦20%、81≦η1_max≦100%) 式(4)
VR_diff(X)= 0.65 (21≦η0≦50%、0≦η1_max≦20%) 式(5)
VR_diff(X)= 0.65+0.4×X/400 (21≦η0≦50%、21≦η1_max≦50%) 式(6)
VR_diff(X)= 0.65+0.8×X/400 (21≦η0≦50%、51≦η1_max≦80%) 式(7)
VR_diff(X)= 0.65+1.2×X/400 (21≦η0≦50%、81≦η1_max≦100%) 式(8)
VR_diff(X)= 0.80 (51≦η0≦100%、0≦η1_max≦20%) 式(9)
VR_diff(X)= 0.80+0.4×X/400 (51≦η0≦100%、21≦η1_max≦50%) 式(10)
VR_diff(X)= 0.80+0.8×X/400 (51≦η0≦100%、51≦η1_max≦80%) 式(11)
VR_diff(X)= 0.80+1.2×X/400 (51≦η0≦100%、81≦η1_max≦100%) 式(12)
VR_diff(X)= 0.5 (0≦η0≦20%、0≦η1_max≦20%) 式(1)
VR_diff(X)= 0.5+0.4×X/400 (0≦η0≦20%、21%≦η1_max≦50%) 式(2)
VR_diff(X)= 0.5+0.8×X/400 (0≦η0≦20%、51≦η1_max≦80%) 式(3)
VR_diff(X)= 0.5+1.2×X/400 (0≦η0≦20%、81≦η1_max≦100%) 式(4)
VR_diff(X)= 0.65 (21≦η0≦50%、0≦η1_max≦20%) 式(5)
VR_diff(X)= 0.65+0.4×X/400 (21≦η0≦50%、21≦η1_max≦50%) 式(6)
VR_diff(X)= 0.65+0.8×X/400 (21≦η0≦50%、51≦η1_max≦80%) 式(7)
VR_diff(X)= 0.65+1.2×X/400 (21≦η0≦50%、81≦η1_max≦100%) 式(8)
VR_diff(X)= 0.80 (51≦η0≦100%、0≦η1_max≦20%) 式(9)
VR_diff(X)= 0.80+0.4×X/400 (51≦η0≦100%、21≦η1_max≦50%) 式(10)
VR_diff(X)= 0.80+0.8×X/400 (51≦η0≦100%、51≦η1_max≦80%) 式(11)
VR_diff(X)= 0.80+1.2×X/400 (51≦η0≦100%、81≦η1_max≦100%) 式(12)
ここで、表1は発明の本画像形成装置と、従来の画像形成装置とで、副走査方向の縦帯画像の先端と後端の画像濃度変化を比較した結果である。なお、画像出力時の転写・定着条件は一定(一次転写率、二次転写率と90〜95%になるように調整)とし、出力用紙にはNBSリコーマイペーパーA3記録紙を使用した。画像濃度はX−Rite社製濃度計310TRで計測し、画像濃度1.40〜1.50をOK(○)として評価した。
従来技術−1からわかるように、線速比VR_diffを低目一定に制御すると、比較的新しい、まだ劣化していない画像形成装置でも、後端の画像濃度が低下する。また、従来技術−2からわかるように、線速比VR_diffを高目一定に制御すると、比較的新しい、まだ劣化していない画像形成装置では、後端の画像濃度は低下しないが、経時で使用され寿命間近の画像形成装置では、画像先端でも比較的濃度が薄く、後端では顕著に画像濃度が低下してしまっている。これは、線速比VR_diffを高目一定にしてしまった為に、現像ローラと供給ローラの当接部での発熱が、必要以上に多くなり、その熱的なストレスでトナーを劣化させてしまうからである。
これに対し、この第1実施形態では、画像面積率ηが、低い場合には、線速比VR_diffを低めに設定することで現像ローラと供給ローラの当接部での発熱量を抑えてトナーの劣化を抑制し、画像面積率ηが高くなる場合に線速比VR_diffを高くして、供給ローラから現像ローラへのトナー搬送量を増やし、後端の画像濃度低下を抑制する。一方、画像面積率ηの高い状態が継続するような場合は、線速比VR_diffの高い状態が継続されることになるが、その場合は、トナー消費も多くなっているので、現像器内のトナー劣化が促進されるようなことはないので、不具合は生じない。
このような供給ローラの線速制御による画像濃度低下の抑制効果は、図6の(a)のように、直前の画像と、これから出力する画像の両方の画像面積率が大きい時に最も発揮されるが、画像濃度の低下や後端カスレは、書き込み密度が50%を超えるようなハーフトーン画像や、ある程度の長さ(例えばA3半分以上)を有する縦帯画像でも発生するため、図7a〜図7cのように線速比VR_diffを副走査方向位置に応じて制御している。その際、画像の先端と後端の線速比VR_diffの変化量は、画像面積率η1が大きくなるほど大きくなるように制御される。
また、図7のように、画像の先端の線速比VR_diffを、直前の画像面積率η0を考慮して設定している。すなわち、直前の画像面積率η0が大きい場合ほど、供給ローラで搬送しているトナーは少なくなっており、画像濃度の低下が起こりやすくなるため、直前の画像面積率η0が大きいほど、画像の先端での線速比VR_diffを大きくなるよう
に制御する。
に制御する。
ところで、直前の画像面積率η0に加えて、直前の画像の後端位置と、これから出力する画像の先端位置との間隔を考慮して線速比VR_diffを制御すると、1枚目と2枚目の画像濃度変動を抑えられる点で、より画像安定性に優れた画像形成装置となる。例えば、図8の2枚目の画像は同じ最大画像面積率だが、図8の(a)と比較して(b)は画像間の間隔が長く(非画像部の領域が長く)、供給ローラがトナーを取り込む時間が長くなるために、縦帯画像の濃度低下の観点では余裕がある。すなわち、同じ最大画像面積率であっても、画像間の間隔が長いほど、画像の先端と後端との線速比VR_diffを小さくなるように補正したり、あるいは画像先端の線速比VR_diffが小さくなるように補正したりすると、ページ間の画像濃度安定性が向上することが期待できる。
このような制御を行なうことによって最大画像面積率η1_maxが30%〜100%の縦帯画像で画像濃度1.40〜1.50を達成可能である。なお、上で示した線速比VR_diffの制御方法はあくまで一例であり、画像形成領域先端部、後端部の設定値や、その変化のさせ方(アルゴリズム)はこれに限られるものではない。アルゴリズムは一次関数だけでなく、二次関数や指数関数、ステップ関数など、線速比VR_diffが副走査位置に対して大きくなる傾向を示すものであればよい。
前述したように、従来、副走査方向に長く(細く)伸び、かつ、最大画像面積率η1_maxが高い帯画像を出力する場合、供給ローラから現像ローラへ供給されるトナーの量が低下し、画像後端部の濃度が低下したり、画像がカスレたりする問題が発生していた。そこで、本発明の第1実施形態では、主走査方向に分割した領域で画像面積率を算出し、その最大値である最大画像面積率η1_maxの大きさに対応して、現像ローラ線速に対す
る供給ローラ線速の線速比を現像中に変化させるようにメイン制御部100で制御する。
る供給ローラ線速の線速比を現像中に変化させるようにメイン制御部100で制御する。
ここで、当該線速比は、副走査方向の位置に対して徐々に大きくなるように制御される。このように制御することによって、必要な時に必要なだけ、供給ローラが現像ローラに単位時間あたりに搬送するトナー量を多くすることができる。その際、最大画像面積率η1_maxが大きい場合ほど、線速比の変化量を大きくすることによって、濃度低下や画像カスレを抑制することができる。
この反対に最大画像面積率η1_maxが小さい場合は供給ローラ線速を低くできるので、最低限のトナーを現像ローラに供給しつつ、トナーに与えるストレスを出来る限り低減でき、長期に渡って、この機能が維持可能になる。なお、従来知られているページ単位の画像面積率や(特許文献1)、副走査方向に分割した領域で画像面積率を算出する画像形成装置では(特許文献2)、縦帯画像の画像面積率は低く見積もられるから、適切な供給ローラ線速が設定されず、画像後端部の濃度低下やカスレを防止することができない。
(本発明の第2実施形態の特徴部分)
次に、本発明の第2実施形態に係る現像装置の特徴部分を図9と図10により説明する。この第2実施形態は、前記第1実施形態の線速制御に代えて、供給バイアス電圧を制御するものである。その他は基本的に第1実施形態と同じである。なお、当該供給バイアス電圧制御と併せて、第1実施形態の線速制御を行うことも可能である。また、トナーの粉体特性はプリンタが使用される環境毎に異なるため、プリンタの内部の温度検知手段と湿度検知手段で検知された温度情報及び湿度情報に基いて供給バイアス電圧を修正制御してもよい。これにより、より適切に線速比を制御可能にし、より適切に濃度低下や画像のカスレを抑制することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る現像装置の特徴部分を図9と図10により説明する。この第2実施形態は、前記第1実施形態の線速制御に代えて、供給バイアス電圧を制御するものである。その他は基本的に第1実施形態と同じである。なお、当該供給バイアス電圧制御と併せて、第1実施形態の線速制御を行うことも可能である。また、トナーの粉体特性はプリンタが使用される環境毎に異なるため、プリンタの内部の温度検知手段と湿度検知手段で検知された温度情報及び湿度情報に基いて供給バイアス電圧を修正制御してもよい。これにより、より適切に線速比を制御可能にし、より適切に濃度低下や画像のカスレを抑制することができる。
図9は前述した第1実施形態の図4に対応するものである。第1実施形態と異なり第2実施形態では線速を制御しないので、簡略のため図4の駆動手段と駆動制御手段は省略している。図9の画像データ処理部105は、前述した第1実施形態と同様の方法で、Y、M、C、Kの各色について複数の分割領域の面積率データ、画像面積率及び最大画像面積率を算出する。
各色の供給バイアス制御部153Y、M、C、Kはそれぞれ、画像データ処理部105から送られてくる、画像面積率データ(最大値)と、画像面積率が最大となる位置における、直前の画像面積率η0、および用紙長さデータを、予め記憶しているアルゴリズムに基づいて、供給バイアスの出力値に変換する。
図10a、図10b、図10cは、本画像形成装置において、A3の画像が出力される際の、副走査方向の位置に対する現像バイアスと供給バイアスの電位差の出力値を示したものである。なお、供給バイアスの制御は、供給ローラと現像ローラとが当接する供給ニップ部の中心から、現像ローラと感光体とが当接する現像ニップ部の中心までの、現像ローラ円周上の距離をD、現像ローラの線速をVrとし、画像形勢領域の先端が通過する時刻をtとするとき、供給バイアスの制御は時刻tよりもD/vr[s]だけ早いタイミングで開始される。
図10aは直前の画像面積率η0が0〜50%のときの現像/供給バイアス差Vdiffの出力値(もしくは1枚目の出力値)、図10bは直前の画像面積率η0が51〜80%の時の現像/供給バイアス差Vdiffの出力値、図10cは直前の画像面積率η0が81〜100%の時の現像/供給バイアス差Vdiffの出力値である。なお、グラフ中のパーセントの値は、出力される画像の画像面積率η1_maxを示している。
これらの制御アルゴリズムは、画像形成領域内の副走査方向の位置をX[mm]とするとき、Xの関数として下式(13)〜(21)で定義される。なお、式(13)〜(21)は実験結果に基づいて作成した式であり、Xは約42.3mm(=600dpi1000画素)間隔で更新され、Vdiffの値はステップ的に変化する。
Vdiff(X)=100 (0≦η0≦50%、0≦η1_max≦50%) 式(13)
Vdiff(X)= 100+20×X/420 (0≦η0≦50%、51%≦η1_max≦80%) 式(14)
Vdiff(X)= 100+50×X/420 (0≦η0≦50%、81≦η1_max≦100%) 式(15)
Vdiff(X)=100 (51≦η0≦80%、0≦η1_max≦50%) 式(16)
Vdiff(X)=95+25×X/420 (51≦η0≦80%、51%≦η1_max≦80%) 式(17)
Vdiff(X)= 90+60×X/420 (51≦η0≦80%、81≦η1_max≦100%) 式(18)
Vdiff(X)=100 (80≦η0≦100%、0≦η1_max≦50%) 式(19)
Vdiff(X)= 90+30×X/420 (80≦η0≦100%、51%≦η1_max≦80%) 式(20)
Vdiff(X)= 80+70×X/420 (80≦η0≦100%、81≦η1_max≦100%) 式(21)
Vdiff(X)=100 (0≦η0≦50%、0≦η1_max≦50%) 式(13)
Vdiff(X)= 100+20×X/420 (0≦η0≦50%、51%≦η1_max≦80%) 式(14)
Vdiff(X)= 100+50×X/420 (0≦η0≦50%、81≦η1_max≦100%) 式(15)
Vdiff(X)=100 (51≦η0≦80%、0≦η1_max≦50%) 式(16)
Vdiff(X)=95+25×X/420 (51≦η0≦80%、51%≦η1_max≦80%) 式(17)
Vdiff(X)= 90+60×X/420 (51≦η0≦80%、81≦η1_max≦100%) 式(18)
Vdiff(X)=100 (80≦η0≦100%、0≦η1_max≦50%) 式(19)
Vdiff(X)= 90+30×X/420 (80≦η0≦100%、51%≦η1_max≦80%) 式(20)
Vdiff(X)= 80+70×X/420 (80≦η0≦100%、81≦η1_max≦100%) 式(21)
ここで、以下の表2は、本発明の第2実施形態に係る画像形成装置と、従来の画像形成装置とで、副走査方向の縦帯画像の先端と後端の画像濃度変化を比較した結果である。なお、画像出力時の転写・定着条件は一定(一次転写率、二次転写率と90〜95%になるように調整)とし、出力用紙にはNBSリコーマイペーパーA3記録紙を使用した。画像濃度はX−Rite社製濃度計310TRで計測し、画像濃度1.40〜1.50をOK(○)として評価した。
従来技術−3、−4からわかるように、供給バイアスを一定に制御すると、後端の画像濃度が低下する。また、現像バイアスと供給バイアスの差を大きく設定すると、先端の画像濃度が高くなる一方で、後端の画像濃度の低下が大きいことがわかる。これは、現像/供給バイアス差Vdiffを大きくすると、供給ニップ部で摩擦帯電したトナーを、静電力によって速やかに現像ローラへ供給する能力が向上する一方で、供給ローラのセル内に保持されているトナーの吐き出し量も多くなり、供給ローラ内のトナーがより早く枯渇するためである。
これに対して、この第2実施形態では、初期の現像/供給バイアス差Vdiffを低めに設定する。こうすることで、供給ローラのセル内部のトナーの吐き出し量を抑えることができる。そして徐々に現像/供給バイアス差Vdiffを大きくして、静電力によるトナーの供給量を大きくしつつ、供給ローラのセル内部のトナーを徐々に吐き出させることで、供給ローラ内のトナーの急激な枯渇を抑制しつつ、画像濃度の低下を抑制する。
このような供給バイアス制御による画像濃度低下の抑制効果は、図6の(a)のように、直前の画像と、これから出力する画像の両方の画像面積率が大きい時に最も発揮される。また、画像濃度の低下や後端カスレは、書き込み密度が50%を超えるようなハーフトーン画像や、ある程度の長さ(例えばA3半分以上)を有する縦帯画像でも発生する。このため、図7a〜図7cのように現像/供給バイアス差Vdiffを副走査方向位置に応じて制御している。その際、画像の先端と後端の現像/供給バイアス差Vdiffの変化量は、画像面積率が大きくなるほど大きくなるように制御される。
さらに、第2実施形態では、画像の先端と後端の現像/供給バイアス差Vdiffの変化量を、直前の画像面積率η0を考慮して設定している。すなわち、直前の画像面積率η0が大きくい場合ほど、供給ローラ内部のトナーは枯渇しおり、画像濃度の低下が起こりやすくなるため、直前の画像面積率η0が大きいほど、画像の先端と後端の現像/供給バイアス差Vdiffの変化量が大きくなるように制御する。
ここで、供給ローラ内のトナーの枯渇は、供給バイアスを下げることによって遅らせることができるため、図7b、図7cのように、直前の画像面積率η0が大きくなるほど、画像先端の現像/供給バイアス差Vdiffが小さくなるように制御される。ただし、この制御を行なうと、2枚目の画像の端部の画像濃度は、一枚目に比べて低くなるため、現像/供給バイアス差Vdiffの下げ幅は所望の画像濃度内に入るように適宜設定される。
ところで、直前の画像面積率η0に加えて、直前の画像の後端位置と、これから出力する画像の先端位置との間隔を考慮して現像/供給バイアス差Vdiffを制御すると、1枚目と2枚目の画像濃度変動を抑えられる点でより、画像安定性に優れた画像形成装置となる。例えば、図8の2枚目の画像は同じ最大画像面積率だが、図8(a)と比較して、図8(b)は画像間の間隔が長く(非画像部の領域が長く)、供給ローラへの蓄積時間が長い。このため、図8(b)は縦帯画像の濃度低下の観点では図8(a)より余裕がある。すなわち、同じ最大画像面積率であっても、画像の間隔が長いほど、画像の先端と後端との現像/供給バイアス差Vdiffが小さくなるように補正したり、あるいは画像先端の現像/供給バイアス差Vdiffが小さくなるように補正したりすると、ページ間の画像濃度安定性が向上する。具体的には、紙間(約80mm)を除く、直前の画像の後端と、出力する画像との間隔をLmmとするとき、最大画像面積率η1_maxが81%以上の画像形成領域の先端の現像/供給バイアス差Vdiff(0)を式(10)のように補正する。
Vdiff(X,L)=100-20×(1-L/84) (X=0、η1_max≧81%)・・・式(22)
Vdiff(X,L)=100-20×(1-L/84) (X=0、η1_max≧81%)・・・式(22)
なお、式(22)は実験的に決定した式である。画像形成領域の後端の現像/供給バイアス差Vdiffは、間隔Lに依存せず一定としており、先端から後端までの間の現像/供給バイアス差Vdiffは、副走査位置の一次関数で設定する。このような制御を行なうことによって最大画像面積率η1_maxが30%〜100%の縦帯画像で画像濃度1.40〜1.50を達成可能である。
なお、前記現像/供給バイアス差Vdiffの制御方法はあくまで一例であり、画像形成領域先端部、後端部の設定値や、その変化のさせ方(アルゴリズム)はこれに限られるものではない。アルゴリズムは一次関数だけでなく、二次関数や指数関数、ステップ関数など、現像/供給バイアス差Vdiffが副走査位置に対して大きくなる傾向を示すものであればよい。
(本発明の第3実施形態の特徴部分)
次に、本発明の第3実施形態に係る現像装置の特徴部分を図11〜図13により説明する。この第3実施形態は、前記第2実施形態の供給バイアス電圧をいったん減少させた後に増大させるものである(降下・上昇制御)。その他は基本的に第2実施形態と同じである。
したがって、第2実施形態と同様に、供給バイアス電圧の降下・上昇制御と併せて、第1実施形態の線速制御を行うことも可能である。また、トナーの粉体特性はプリンタが使用される環境毎に異なるため、プリンタの内部の温度検知手段と湿度検知手段で検知された温度情報及び湿度情報に基いて供給バイアス電圧を修正制御してもよい。これにより、より適切に線速比を制御可能にし、より適切に濃度低下や画像のカスレを抑制することができる。
(供給バイアス制御テーブル)
この第3実施形態では、図11の各分割領域について算出した画像面積率データのうち、最も高い画像面積率ηmaxを持つ領域のデータを用いて供給バイアスVspを決定する。すなわち、最もカスレが起き易い部分の画像面積率ηmaxに合わせて供給バイアスVspを決定する。こうすることで、高印字率領域でも画像カスレが発生することが少なくなる。
この第3実施形態では、図11の各分割領域について算出した画像面積率データのうち、最も高い画像面積率ηmaxを持つ領域のデータを用いて供給バイアスVspを決定する。すなわち、最もカスレが起き易い部分の画像面積率ηmaxに合わせて供給バイアスVspを決定する。こうすることで、高印字率領域でも画像カスレが発生することが少なくなる。
詳しくは、図11で示すように、最高画像面積率ηmaxを有する分割領域の、全画素数に対して1%の画素を含む領域が用紙先端からΔy1の範囲(第1領域)であるとする。そして当該Δy1の後端位置(高印字率領域の始端)をy1とする。また、最高画像面積率ηmaxを有する分割領域の、全画素数に対して1%の画素を含む領域が用紙後端からΔy3の範囲(第3領域)にあるとする。そして当該Δy3の先端位置(高印字率領域の終端)をy2とする。なお、当該前位置y1と後位置y2は、全画素数に対してΔy1とΔy3の画素数の割合が何%であるかによるが、当該割合は1%に限られるものではなく、1%以上の所定%、例えば3%とか5%とかにしてもよい。
前位置y1と後位置y2との間の領域Δy2が、最高画像面積率ηmaxを持つ分割領域の中で
も最も印字率が高くなる領域(高印字率領域である第2領域)であると考えられる。このため、Δy2において最高画像面積率ηmax'を再計算し、当該計算結果に基いて供給バイアスを出力制御する。
も最も印字率が高くなる領域(高印字率領域である第2領域)であると考えられる。このため、Δy2において最高画像面積率ηmax'を再計算し、当該計算結果に基いて供給バイアスを出力制御する。
この再計算により、例えば最高画像面積率ηmaxが50%だった場合に、Δy2が短ければ、最高画像面積率ηmaxを持つ分割領域において、比較的高印字率の領域が短距離続いており、Δy2が長ければ、比較的低印字率の領域が多くの面積を占めているといったことが分かる。したがって、より正確に最高画像面積率ηmaxを算出することができ、それに基いてより適切な供給バイアス制御が可能となる。
このとき、高印字率領域の印字中はトナー供給量を上げるために、供給バイアスを上昇させていかなければならない。そのため、供給バイアス上昇制御のタイミングは、画像先端位置y1を基準として行う。こうすることで、より正確に画像の高印字率領域に合わせて出力を行うことができる。
さらに図12のように供給バイアスに勾配を設け、高印字率領域の画像先端位置y1において一旦供給バイアスを降下することにより、第2領域Δy2先端でのトナー消費が抑制され、第2領域Δy2後端においてトナーの不足ないし枯渇が生じにくくなる。また、第2領域Δy2先端でトナーが現像され過ぎることで第2領域Δy2先端のみが濃くなってしまうという現象も解消することができる。
このときの供給バイアス降下・上昇制御アルゴリズムは、印字率が高いほど上昇勾配を増大するのが好ましいので、図12にあるように、実験値から以下のように現像/供給バイアス差Vdiffを設定した。
Vdiff(X)=100 (0≦η0≦50%、0≦ηmax≦50%) 式(23)
Vdiff(X)= 90+40×X/420 (0≦η0≦50%、51%≦ηmax≦80%) 式(24)
Vdiff(X)= 80+80×X/420 (0≦η0≦50%、81≦ηmax≦100%) 式(25)
Vdiff(X)=100 (0≦η0≦50%、0≦ηmax≦50%) 式(23)
Vdiff(X)= 90+40×X/420 (0≦η0≦50%、51%≦ηmax≦80%) 式(24)
Vdiff(X)= 80+80×X/420 (0≦η0≦50%、81≦ηmax≦100%) 式(25)
以上要するに、本発明の現像装置は、以下の(1)〜(3)のように構成することも可能である。
(1)制御部は、最大画像面積率を有する細長領域先端から像担持体の副走査方向後方に延在すると共に所定の画素数p1を有する第1領域Δy1の長さy1の情報に基づいて、細長領域の高印字率領域の始端を求め、当該始端に合わせて供給バイアス電圧の絶対値をいったん減少させた後に増大させる。
(2)制御部は、最大画像面積率を有する細長領域後端から像担持体の副走査方向前方に延在すると共に所定の画素数p2を有する第3領域Δy3の長さy2の情報に基づいて、細長領域の高印字率領域の終端を求め、当該終端に合わせて供給バイアス電圧の絶対値を減少させる。
(3)制御部は、第1領域Δy1と第3領域Δy3に挟まれた第2領域Δy2の長さ情報に基づいて、細長領域ごとの画像面積率を再演算し、当該演算結果に基いて、供給バイアス電圧の絶対値を始端から終端の間で増大させる。
(1)制御部は、最大画像面積率を有する細長領域先端から像担持体の副走査方向後方に延在すると共に所定の画素数p1を有する第1領域Δy1の長さy1の情報に基づいて、細長領域の高印字率領域の始端を求め、当該始端に合わせて供給バイアス電圧の絶対値をいったん減少させた後に増大させる。
(2)制御部は、最大画像面積率を有する細長領域後端から像担持体の副走査方向前方に延在すると共に所定の画素数p2を有する第3領域Δy3の長さy2の情報に基づいて、細長領域の高印字率領域の終端を求め、当該終端に合わせて供給バイアス電圧の絶対値を減少させる。
(3)制御部は、第1領域Δy1と第3領域Δy3に挟まれた第2領域Δy2の長さ情報に基づいて、細長領域ごとの画像面積率を再演算し、当該演算結果に基いて、供給バイアス電圧の絶対値を始端から終端の間で増大させる。
表3は、供給バイアス上昇制御はどちらも「有り」のままとし、高印字率領域突入時の供給バイアス降下制御を、入れた場合と入れない場合で縦帯画像を出力し、その画像濃度値(ID値)をX−Rite社製濃度計310TRを用いて測定し比較したものである。供給バイアス降下制御「無し」では、先端部で多くのトナーを消費してしまい、ID値が上昇してしまったり(ID=1.47)、その分後端濃度が低下してしまったりする(ID=1.36)。
供給バイアス降下制御「有り」とした方が、先端の濃度が下がり(ID=1.41)、後端濃度(ID=1.42)も安定していることが分かる。画像後端においては、図11の位置y2において供給バイアスをデフォルト値である100に戻すことで、高供給バイアス負荷での付着量過多のために地汚れが増大してしまうのを抑えることができる。
図13は本発明の画像形成装置と、従来の画像形成装置(供給バイアス一定制御)と、特許文献1(特許第3479947号公報)及び特許文献2(特開2013−41010号公報)に記載の制御方法とで、副走査方向の縦帯画像のID値について比較評価した結果である。なお、画像出力時の転写・定着条件は一定(一次転写率、二次転写率と90〜95%になるように調整)とし、出力用紙にはNBSリコーマイペーパーA3紙を使用した。
ID値が低くなるほど現像ローラ上のトナーが少なくなるため、カスレに対するリスクは増大する。図13から、本特許ではID値が紙後端まで維持され、従来技術、特許文献1及び2に比べて、カスレに対する耐性が改善されていることが分かる。
以上、本発明の第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態を具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で種々変更可能であることは言うまでもない。
1Y,1M,1C,1K:作像ユニット P:記録紙
2Y,2M,2C,2K:感光体(像担持体) 3K:ドラムクリーニング装置
4K:帯電装置 5K:現像器
6K:ホッパ部 7K:現像部(画像形成部)
8K:アジテータ 9K:撹拌パドル
10K:供給ローラ(現像剤供給体) 11K:現像ローラ(現像剤担持体)
12K:薄層化ブレード 15:転写ユニット
16:中間転写ベルト 17:駆動ローラ
18:従動ローラ 19Y,19M,19C,19K:1次転写ローラ
20:2次転写ローラ 21:ベルトクリーニング装置
22:クリーニングバックアップローラ 30:給紙カセット
30a:給紙ローラ 31:給紙路
32:タイミングローラ対 33:転写後搬送路
34:定着装置 34a:定着ローラ
34b:加圧ローラ 35:定着後搬送路
36:排紙路 37:排紙ローラ対
40:反転ユニット 40a:回動軸
41:反転前搬送路 42:切替爪
42a:回動軸 43:反転搬送ローラ対
44:反転搬送路 50:上カバー
70:光書込ユニット 100:メイン制御部(制御部の一部)
100a:CPU 100b:RAM
100c:ROM 100d:フラッシュメモリ
101:I/Oインターフェース 100d:フラッシュメモリ
102:ポート 103:ポート
104:プリントサーバー回路 105:画像データ処理部(制御部の一部)
151K:現像バイアス電源 152Y,M,C,K:供給バイアス電源
153Y,M,C,K:供給バイアス制御部(制御部の一部) 162Y、M、C、K:駆動手段
163Y、M、C、K:供給ローラ駆動制御部(制御部の一部)
2Y,2M,2C,2K:感光体(像担持体) 3K:ドラムクリーニング装置
4K:帯電装置 5K:現像器
6K:ホッパ部 7K:現像部(画像形成部)
8K:アジテータ 9K:撹拌パドル
10K:供給ローラ(現像剤供給体) 11K:現像ローラ(現像剤担持体)
12K:薄層化ブレード 15:転写ユニット
16:中間転写ベルト 17:駆動ローラ
18:従動ローラ 19Y,19M,19C,19K:1次転写ローラ
20:2次転写ローラ 21:ベルトクリーニング装置
22:クリーニングバックアップローラ 30:給紙カセット
30a:給紙ローラ 31:給紙路
32:タイミングローラ対 33:転写後搬送路
34:定着装置 34a:定着ローラ
34b:加圧ローラ 35:定着後搬送路
36:排紙路 37:排紙ローラ対
40:反転ユニット 40a:回動軸
41:反転前搬送路 42:切替爪
42a:回動軸 43:反転搬送ローラ対
44:反転搬送路 50:上カバー
70:光書込ユニット 100:メイン制御部(制御部の一部)
100a:CPU 100b:RAM
100c:ROM 100d:フラッシュメモリ
101:I/Oインターフェース 100d:フラッシュメモリ
102:ポート 103:ポート
104:プリントサーバー回路 105:画像データ処理部(制御部の一部)
151K:現像バイアス電源 152Y,M,C,K:供給バイアス電源
153Y,M,C,K:供給バイアス制御部(制御部の一部) 162Y、M、C、K:駆動手段
163Y、M、C、K:供給ローラ駆動制御部(制御部の一部)
Claims (15)
- 画像データに応じた静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持し現像バイアス電圧により当該現像剤を前記像担持体に供給する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に対して供給バイアス電圧により前記現像剤を供給する現像剤供給体とを有する画像形成部と、
前記画像データに基いて前記像担持体の副走査方向に延在する複数の細長領域ごとの画像面積率を演算し、当該画像面積率のうちの最大の画像面積率の大きさに対応して、前記現像剤担持体と前記現像剤供給体の線速比を前記静電潜像の現像中に変化させる制御部と、を有することを特徴とする現像装置。 - 前記制御部は、前記最大画像面積率の大きさに対応して前記線速比の変化量を前記静電潜像の現像中に増大させることを特徴とする請求項1の現像装置。
- 前記制御部は、前記画像データに応じて前記画像形成部で今回形成する画像の先端における前記線速比の大きさを、今回形成する画像の前記最大画像面積率を有する細長領域の主走査方向位置に対応する位置で前記画像形成部により直前に形成された画像の細長領域の画像面積率の大きさに対応して大きくすることを特徴とする請求項1又は2の現像装置。
- 前記制御部は、前記画像データに応じて前記画像形成部で今回形成する画像の先端における前記線速比の大きさを、今回形成する画像の前記最大画像面積率を有する細長領域先端と、前記画像形成部により直前に形成された画像の前記最大画像面積率を有する細長領域後端との間の間隔の長さに対応して、小さくすることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項の現像装置。
- 温度を検知する温度検知手段と、湿度を検知する湿度検知手段とを有し、前記制御手段は、前記温度検知手段及び前記湿度検知手段で検知された温度情報及び湿度情報に基いて、前記線速比の変化量を制御することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項の現像装置。
- 画像データに応じた静電潜像が形成される像担持体と、前記静電潜像を現像するための現像剤を担持し現像バイアス電圧により当該現像剤を前記像担持体に供給する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に対して供給バイアス電圧により前記現像剤を供給する現像剤供給体とを有する画像形成部と、
前記画像データに基いて前記像担持体の副走査方向に延在する複数の細長領域ごとの画像面積率を演算し、当該画像面積率のうちの最大の画像面積率の大きさに対応して、前記供給バイアス電圧の絶対値を前記静電潜像の現像中に変化させる制御部と、を有することを特徴とする現像装置。 - 前記制御部は、前記最大画像面積率の大きさに対応して前記供給バイアス電圧の絶対値の変化量を前記静電潜像の現像中に増大させることを特徴とする請求項6の現像装置。
- 前記制御部は、前記画像データに応じて前記画像形成部で今回形成する画像に使用する前記供給バイアス電圧の絶対値の大きさの変化量を、今回形成する画像の前記最大画像面積率を有する細長領域の主走査方向位置に対応する位置で前記画像形成部により直前に形成された画像の細長領域の画像面積率の大きさに対応して大きくすることを特徴とする請求項6又は7の現像装置。
- 前記制御部は、前記画像データに応じて前記画像形成部で今回形成する画像の先端における前記供給バイアス電圧の絶対値の大きさを、今回形成する画像の前記最大画像面積率を有する細長領域の主走査方向位置に対応する位置で前記画像形成部により直前に形成された画像の細長領域の画像面積率が大きいほど、小さくすることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項の現像装置。
- 前記制御部は、前記画像データに応じて前記画像形成部で今回形成する画像に使用する前記供給バイアス電圧の絶対値の大きさの変化量を、今回形成する画像の前記最大画像面積率を有する細長領域先端と、前記画像形成部により直前に形成された画像の前記最大画像面積率を有する細長領域後端との間隔が長いほど、小さくすることを特徴とする請求項6から9のいずれか1項の現像装置。
- 前記制御部は、前記画像データに応じて前記画像形成部で今回形成する画像の先端における前記供給バイアス電圧の絶対値の大きさを、今回形成する画像の前記最大画像面積率を有する細長領域先端と、前記画像形成部により直前に形成された画像の前記最大画像面積率を有する細長領域後端との間隔が長いほど、小さくすることを特徴とする請求項6から10のいずれか1項の現像装置。
- 温度を検知する温度検知手段と、湿度を検知する湿度検知手段とを有し、前記制御手段は、前記温度検知手段及び前記湿度検知手段で検知された温度情報及び湿度情報に基いて、前記供給バイアス電圧の絶対値の変化量を制御することを特徴とする請求項6から11のいずれか1項の現像装置。
- 前記制御部は、前記複数の細長領域ごとの前記画像面積率のうちの最大の画像面積率の大きさに対応して、前記供給バイアス電圧の絶対値を増大させることを特徴とする請求項6の現像装置。
- 請求項1から13のいずれか1項の現像装置に対して、一成分現像剤のトナーを収容するトナー収容器がユニット化され、当該ユニットとして画像形成装置の装置本体に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする作像ユニット。
- 請求項14の作像ユニットを有することを特徴とする画像形成装置。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2015004113 | 2015-01-13 | ||
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JP2015047111A Pending JP2016130827A (ja) | 2015-01-13 | 2015-03-10 | 現像装置及び画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016130827A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11300896B2 (en) | 2020-02-26 | 2022-04-12 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus |
-
2015
- 2015-03-10 JP JP2015047111A patent/JP2016130827A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US11300896B2 (en) | 2020-02-26 | 2022-04-12 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus |
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