JP7497728B2 - ガラス物品の製造方法及びガラス物品の製造装置 - Google Patents

ガラス物品の製造方法及びガラス物品の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス物品の製造方法及びガラス物品の製造装置に関する。
ガラス物品の製造工程では、溶融炉で溶融ガラスを生成した後に、溶融炉で生成された溶融ガラスを状態調整槽で成形に適した状態に調整し、その状態が調整された溶融ガラスを成形装置でガラス物品に成形するのが一般的である(例えば、特許文献1を参照)。
状態調整槽で溶融ガラスの状態を調整する際、例えば特許文献2に開示されているように、状態調整槽の通電加熱が利用される。これにより、状態調整槽から成形装置に供給される溶融ガラスの流量(粘度)が調整される。
特開2016-88754号公報 特開2017-14067号公報
状態調整槽は、上下方向に沿って延びる筒状の本体部を有する。特許文献2には、具体的な通電加熱の方法は開示されていないが、本体部の通電加熱の調整が不十分であると、次のような問題が生じるおそれがある。
すなわち、溶融ガラスの流量を減少させた際に、本体部の内部で液面付近の溶融ガラスの温度が低下し、失透(結晶化)が生じやすくなる。このような失透は、液面付近に異質ガラス層(例えばクリストバライト)を形成し得る。そのため、失透に伴う異質ガラス層が溶融ガラスに混入して成形装置に供給されると、製造されるガラス物品に欠陥が生じる原因となる。したがって、本体部の通電加熱の調整が不十分な場合、失透の発生を抑制しようとすると、溶融ガラスの流量の調整可能範囲は、必然的に非常に狭くなる。その結果、状態調整槽において、溶融ガラスの流量を適切に調整することが難しくなるという問題が生じる。
本発明は、状態調整槽において、溶融ガラスの失透を抑制しつつ、溶融ガラスの流量を適切に調整することを課題とする。
上記の課題を解決するために創案された本発明は、溶融炉で溶融ガラスを生成する溶融工程と、溶融炉で生成された溶融ガラスの状態を状態調整槽で調整する状態調整工程と、状態調整槽で状態が調整された溶融ガラスを成形装置でガラス物品に成形する成形工程と、を備えたガラス物品の製造方法において、状態調整槽は、上下方向に延びる筒状の本体部と、本体部の上部側方に設けられた溶融ガラスの流入口と、本体部の下部に設けられた溶融ガラスの流出口と、本体部の上部、中間部及び下部にそれぞれ設けられた上部電極、中間部電極及び下部電極と、を備え、状態調整工程では、上部電極と中間部電極との間に通電すると共に、中間部電極と下部電極との間に通電することを特徴とする。
このようにすれば、上部電極と中間部電極との間の通電により、本体部の内部で液面付近の溶融ガラスを加熱して高温に維持できるため、液面付近の溶融ガラスの失透を抑制できる。そして、この状態で、中間部電極と下部電極との間の通電量を調整すれば、液面付近の溶融ガラスの温度低下を招くことなく、溶融ガラスの流量調整を適正に行うことができる。
上記の構成において、本体部は、流入口が設けられた大径部と、大径部の下端に繋がりかつ下方に移行するに連れて内径が漸次小さくなる縮径部と、縮径部の下端に繋がりかつ流出口が設けられた小径部と、を備えていることが好ましい。
このようにすれば、大径部から縮径部を介して小径部に移行すると、溶融ガラスの流路断面積が小さくなるため、溶融ガラスの流量を調整しやすくなる。
上記の構成において、中間部電極は、縮径部に設けられていていることが好ましい。
大径部は小径部よりも筒状部の断面積が大きいため、通電時に大径部及び小径部に同じ電圧を印加すると、大径部の電流密度は小さく、小径部の電流密度は大きくなる。その結果、小径部の発熱が大きくなりすぎ、破損に至るおそれがある。これを低減するため、中間部電極は、大径部の下部、縮径部又は小径部の上部に設けることが好ましい。中でも、上記の構成のように、中間部電極を縮径部に設けることがより好ましい。このようにすれば、小径部において、通電時に大径部と同じ電圧が印加される範囲が非常に小さくなるか全くなくなるため、小径部の発熱による破損を抑制できる。
上記の構成において、上部電極と中間部電極との間の通電量が、中間部電極と下部電極との間の通電量よりも大きいことが好ましい。
このようにすれば、本体部の内部における液面付近の溶融ガラスの失透を確実に抑制しながら、溶融ガラスの流量を絞ることができる。
上記の構成において、状態調整工程では、通電時に供給する交流電流の位相を調整することにより、中間部電極に流れる電流が、(A2+B2+AB)1/2>Cを満足することが好ましい。ただし、Aは上部電極と中間部電極との間の本体部に流れる最大電流、Bは中間部電極と下部電極との間の本体部に流れる最大電流、Cは中間部電極に流れる最大電流である。
このように通電時に供給する交流電流の位相を調整することにより、上部電極と中間部電極との間に通電する際と、中間部電極と下部電極との間に通電する際の両方で使用される中間部電極(共通電極)に流れる電流の大きさを簡単かつ確実に調整できる。そして、中間部電極に流れる電流が、上記の式の関係を満たすように、通電時に供給する交流電流の位相(上部電極と中間部電極との間の本体部に流れる電流と、中間部電極と下部電極との間の本体部に流れる電流の位相差)を調整すれば、中間部電極に流れる電流が適度に小さくなる。そのため、通電時に、共通電極となる中間部電極に大電流が流れ、中間部電極が溶損(例えば溶断など)するという事態を抑制できる。
上記の構成において、上部電極は、流入口よりも上方に設けられていることが好ましい。
このようにすれば、上部電極と中間部電極との間に通電した際に、本体部の内部における液面付近の溶融ガラスを効率よく加熱できる。
上記の構成において、状態調整槽は、流入口に接続された筒状の流入部と、流入部に設けられた流入部電極と、をさらに備え、状態調整工程では、流入部電極と上部電極との間に通電することが好ましい。
このようにすれば、流入部電極と上部電極との間の通電により、本体部の内部で液面付近の溶融ガラスを効率よく加熱できる。特に、上部電極を流入口よりも上方に設ける場合、上記の流入部電極と上部電極との間の通電と、前述の上部電極と中間部電極との間の通電とにより、本体部の内部で液面付近の溶融ガラスが二重に加熱されて高温に維持されやすくなるため、液面付近の溶融ガラスの失透を確実に抑制できる。
上記の構成において、流入部に流入部電極を設ける場合、状態調整工程では、通電時に供給する交流電流の位相を調整することにより、上部電極に流れる電流が、(D2+E2+DE)1/2≦Fを満足することが好ましい。ただし、Dは流入部電極と上部電極との間の本体部に流れる最大電流、Eは上部電極と中間部電極との間の本体部に流れる最大電流、Fは上部電極に流れる最大電流である。
このように通電時に供給する交流電流の位相を調整することにより、流入部電極と上部電極との間に通電する際と、上部電極と中間部電極との間に通電する際の両方で使用される上部電極(共通電極)に流れる電流の大きさを簡単かつ確実に調整できる。そして、上部電極に流れる電流が、上記の式の関係を満たすように、通電時に供給する交流電流の位相(流入部電極と上部電極との間の本体部に流れる電流と、上部電極と中間部電極との間の本体部に流れる電流の位相差)を調整すれば、上部電極に流れる電流が適度に大きくなる。そのため、通電時に、共通電極となる上部電極や大径部の上部に流れる電流を増加でき、本体部の内部における液面付近の溶融ガラスを効率よく加熱できる。
上記の構成において、状態調整工程では、流入口の上端と下端との間に溶融ガラスの液面を位置させることが好ましい。
このようにすれば、本体部の内部における液面付近の溶融ガラスが、流入口から本体部の内部に流入する溶融ガラスにより押し流される。そのため、本体部の内部において、液面付近の溶融ガラスが長時間停滞して失透するという事態を抑制できる。
上記の課題を解決するために創案された本発明は、溶融ガラスを生成する溶融炉と、溶融炉で生成された溶融ガラスの状態を調整する状態調整槽と、状態調整槽で状態が調整された溶融ガラスからガラス物品に成形する成形装置と、を備えたガラス物品の製造装置において、状態調整槽は、上下方向に延びる筒状の本体部と、本体部の上部側方に設けられた溶融ガラスの流入口と、本体部の下部に設けられた溶融ガラスの流出口と、本体部の上部、中間部及び下部にそれぞれ設けられた上部電極、中間部電極及び下部電極と、上部電極と中間部電極との間に通電可能な第一電気回路と、中間部電極と下部電極との間に通電可能な第二電気回路と、を備えていることを特徴とする。
このようにすれば、上記の対応する構成と同様の作用効果を享受できる。
本発明によれば、状態調整槽において、溶融ガラスの失透を抑制しつつ、溶融ガラスの流量を適切に調整できる。
第一実施形態に係るガラス物品の製造装置を示す側面図である。 第一実施形態に係るガラス物品の製造装置の状態調整槽周辺を示す断面図である。 第二実施形態に係るガラス物品の製造装置の状態調整槽周辺を示す断面図である。 第三実施形態に係るガラス物品の製造装置の状態調整槽周辺を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態に係るガラス物品の製造装置及び製造方法について図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態において対応する構成要素には同一符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合わせることができる。
(第一実施形態)
図1に示すように、第一実施形態に係るガラス物品の製造装置は、上流側から順に、溶融炉1と、移送装置2と、成形装置3と、を備えている。
溶融炉1は、溶融ガラスGmを連続形成する溶融工程を実施するためのものである。溶融炉1における溶融ガラスGm(あるいはガラス原料)の加熱方式としては、例えば、通電加熱のみで加熱する方式(全電融方式)、ガス燃料の燃焼のみで加熱する方式、通電加熱とガス燃料の燃焼とを併用して加熱する方式を採用できる。
本実施形態では、溶融ガラスGmは、無アルカリガラスからなる。無アルカリガラスは、ガラス組成として、例えば、質量%で、SiO2 50~70%、Al23 12~25%、B23 0~12%、Li2O+Na2O+K2O(Li2O、Na2O及びK2Oの合量) 0~1%未満、MgO 0~8%、CaO 0~15%、SrO 0~12%、BaO 0~15%を含む。無アルカリガラスからなる溶融ガラスGmの電気抵抗率は、一般的に高く、例えば溶融炉1の加熱温度1500℃において100Ω・cm以上となる。
溶融ガラスGmは、無アルカリガラスに限定されるものではなく、例えば、ソーダガラス、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノシリケートガラス、アルカリ含有ガラスなどであってもよい。
移送装置2は、溶融炉1から成形装置3に向けて溶融ガラスGmを移送する移送工程を実施するためのものであり、必要に応じて通電加熱される。移送装置2は、清澄槽4と、攪拌槽5と、状態調整槽(ポット)6と、これら各部を接続する接続管7~10とを備えている。ここで、清澄槽4などの「槽」という用語には、槽状構造を有するものの他に、管状構造を有するものも含まれるものとする。
清澄槽4は、溶融炉1から供給された溶融ガラスGmを清澄剤などの働きによって清澄(泡抜き)する清澄工程を実施するためのものである。
攪拌槽5は、清澄された溶融ガラスGmを攪拌翼5aによって攪拌し、均一化する均質化工程を実施するためのものである。攪拌槽5は、複数の攪拌槽を連ねたものであってもよい。この場合、隣接する二つの攪拌槽の一方の上部と、他方の下部を接続管で連ねることが好ましい。
状態調整槽6は、溶融ガラスGmを成形に適した状態に調整する状態調整工程を実施するためのものである。詳細には、状態調整槽6は、攪拌翼などの機械攪拌手段のない槽であり、移送装置2が上述のように複数の槽を有する場合、最も下流側に位置する。換言すれば、状態調整槽6は、成形装置3の直前で溶融ガラスGmの流量や粘度等を調整する槽である。
接続管7~10は、例えば白金又は白金合金からなる筒状体(例えば円筒体)で構成されており、溶融ガラスGmを横方向(略水平方向)に移送する。本実施形態では、移送装置2のうち、最上流部に位置する接続管7及び攪拌槽5と状態調整槽6を接続する接続管9は、下流側が上流側よりも上方に位置するように傾斜している。
成形装置3は、溶融ガラスGmを所望の形状に成形する成形工程を実施するためのものである。本実施形態では、成形装置3は、オーバーフローダウンドロー法によって、溶融ガラスGmからガラスリボンGを連続成形する成形体を備えている。
成形装置3は、スロットダウンドロー法などの他のダウンドロー法や、フロート法など、オーバーフローダウンドロー法以外の公知の成形方法を実施するものであってもよい。
オーバーフローダウンドロー法の場合、成形装置3に供給された溶融ガラスGmは成形装置3の頂部に形成された溝部から溢れ出た溶融ガラスGmが成形装置3の断面楔状をなす両側面を伝って下端で合流することで、板状のガラスリボンGが連続成形される。成形されたガラスリボンGは、徐冷(アニール)及び冷却された後に所定サイズに切断され、ガラス物品としての板ガラスが製造される。
製造された板ガラスは、例えば、厚みが0.01~10mm(好ましくは0.1~3mm)であって、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ、有機EL照明、太陽電池などの基板や保護カバーに利用される。
図2に示すように、状態調整槽6は、上下方向に沿って延びる筒状の本体部11と、本体部の上部に設けられた溶融ガラスの流入口12と、本体部11の下部に設けられた溶融ガラスGmの流出口13と、筒状の流入部14と、を基本的な構成として備えている。
流入口12は、本体部11の上部側方に設けられている。一方、流出口13は、本体部11の下端に設けられているが、これに限定されない。流出口13は、流入口12よりも下方であればよく、例えば本体部11の下部側方に設けられていてもよい。
流入口12には、横方向に伸びる筒状(例えば円筒状)の流入部14が溶接等により接合されている。流入部14の上流側端部には、接続管9が接続されている。一方、流出口13は、流出部としての接続管10の一端の開口部10aからその内部に挿入されている。
本体部11の上部、中間部及び下部のそれぞれには、上部電極15、中間部電極16及び下部電極17が設けられている。流入部14の上流側端部には、流入部電極18が設けられている。これら電極15~18は、例えば白金又は白金合金からなるリング状のフランジ部からなり、本体部11又は流入部14の外周面に溶接等により接合されている。なお、図示は省略するが、電極15~18は、後述する電気回路19,21,23を接続するための引き出し電極(例えば白金又は白金合金製)や、冷却機構(例えば水冷)をさらに備えている。
本体部11は、流入口12が設けられた大径部11aと、大径部11aの下端に繋がりかつ下方に移行するに連れて内径が漸次小さくなる縮径部11bと、縮径部11bの下端に繋がりかつ流出口13が設けられた小径部11cと、を備えている。なお、大径部11a及び小径部11cは例えば円筒体であり、縮径部11bは例えば円錐体である。大径部11aの内径は、例えば小径部11cの内径の1.5~5倍であることが好ましい。
上部電極15は、大径部11aに設けられているが、流入口12よりも上方(図示例では、大径部11aの上端)に設けられていることが好ましい。換言すれば、上部電極15は、本体部11の内部における溶融ガラスGmの液面Gsよりも上方に位置していることが好ましい。
中間部電極16は、大径部11aの下部、縮径部11b又は小径部11cの上部に設けられていることが好ましい。本実施形態では、中間部電極16は、縮径部11bの上端と下端との間の中間部に設けられているが、縮径部11bの上端又は下端に設けられていてもよい。なお、中間部電極16の位置は、上部電極15と下部電極17との間であれば特に限定されない。
下部電極17は、小径部11cに設けられているが、小径部11cの下端近傍に設けられていることが好ましい。
上部電極15と中間部電極16との間には、これら電極15,16の間に通電するための第一電気回路19が設けられている。つまり、第一電気回路19は、電流供給経路である。第一電気回路19には、上部電極15と中間部電極16との間に電圧を印加する第一電源(電圧源)20が設けられている。
中間部電極16と下部電極17との間には、これら電極16,17の間に通電するための第二電気回路21が設けられている。つまり、第二電気回路21は、電流供給経路である。第二電気回路21には、中間部電極16と下部電極17との間に電圧を印加する第二電源(電圧源)22が設けられている。なお、中間部電極16は、第一電気回路19及び第二電気回路21の両方で使用される共通電極である。
流入部電極18と上部電極15との間には、これら電極18,15の間に通電するための第三電気回路23が設けられている。つまり、第三電気回路23は、電流供給経路である。第三電気回路23には、流入部電極18と上部電極15との間に電圧を印加する第三電源(電圧源)24が設けられている。なお、第三電気回路23(第三電源24)は省略してもよいが、液面Gs付近の溶融ガラスGmの失透を抑制する観点からは、第三電気回路23は設けることが好ましい。上部電極15は、第一電気回路19及び第三電気回路23の両方で使用される共通電極である。
なお、各電気回路19,21,23(各電源20,22,24)は、印加する電圧を個別に調整することができる。
次に、以上のように構成された製造装置によるガラス物品の製造方法を説明する。
本実施形態に係るガラス物品の製造方法は、上述のように、溶融工程と、移送工程と、成形工程と、を備えている。移送工程は、清澄工程と、均質化工程と、状態調整工程と、を含む。このうち、溶融工程、清澄工程、均質化工程及び成形工程は、上述の製造装置の構成に併せて説明した通りである。したがって、以下では、状態調整工程について詳しく説明する。
図2に示すように、状態調整工程では、攪拌槽5で均質化された溶融ガラスGmが、接続管9及び流入部14を通じて、流入口12から状態調整槽6の本体部11に供給される。本体部11に供給された溶融ガラスGmは、電極15~18により通電加熱されながら、大径部11a、縮径部11b及び小径部11cの順に下方に移動する。この間に、溶融ガラスGmの流量や粘度等が成形装置3に供給するのに適した状態に調整される。そして、状態が調整された溶融ガラスGmが流出口13から流出し、流出部としての接続管10を通じて成形装置3に供給される。
状態調整工程では、第一電気回路19及び第二電気回路21により、上部電極15と中間部電極16との間、及び中間部電極16と下部電極17との間にそれぞれ通電される。つまり、第一電気回路19により上部電極15と中間部電極16との間に通電すると、本体部11の内部における液面Gs付近の溶融ガラスGmが加熱されて高温に維持されるため、液面Gs付近の溶融ガラスGmの失透を抑制できる。一方、第二電気回路21は、第一電気回路19から独立しており、通電量を個別に調整できる。そのため、第二電気回路21により中間部電極16と下部電極17との間の通電量を調整すれば、本体部11の内部における液面Gs付近の溶融ガラスGmの温度低下を招くことなく、溶融ガラスGmの流量調整を適正に行うことができる。
上部電極15と中間部電極16との間の通電量(電流値)は、中間部電極16と下部電極17との間の通電量(電流値)よりも大きいことが好ましい。例えば、上部電極15と中間部電極16との間の通電量をX[A]、中間部電極16と下部電極17との間の通電量をY[A]とした場合、X/Yは1~4であることが好ましい。
ここで、通電時に大径部11a及び小径部11cに同じ電圧を印加すると、大径部11aの電流密度は小さく、小径部11cの電流密度は大きくなるため、小径部11cの発熱が大きくなりすぎ、破損に至るおそれがある。これを低減するため、本実施形態では、中間部電極16が縮径部11bに設けられており、小径部11cに対して大径部11aと同じ電圧が印加されないようになっている。なお、中間部電極16が、大径部11aの下部、小径部11cの上部に設けられている場合にも同様の効果を得ることができるが、中間部電極16が縮径部11bに設けられていることが最も好ましい。これは、中間部電極16を縮径部11bに設けた場合、溶融ガラスGmの貯留量が相対的に大きい大径部11aの広い範囲に高電圧を確実に印加でき、溶融ガラスGmの流量や粘度を調整する上でも効率がよいためである。
本実施形態では、第三電気回路23により、流入部電極18と上部電極15との間にも通電される。これにより、流入部電極18と上部電極15との間の通電と、上部電極15と中間部電極16との間の通電とにより、本体部11の内部における液面Gs付近の溶融ガラスが二重に加熱されるため、液面Gs付近の溶融ガラスGmの失透を確実に抑制できる。
例えば、流入部電極18と上部電極15との間の通電量をZ[A]、上部電極15と中間部電極16との間の通電量をX[A]とした場合、Z/Xは0~1.5であることが好ましい。
上記の態様で状態調整槽6に供給された溶融ガラスGmを通電加熱する間、本体部11の内部における溶融ガラスGmの液面Gsは、流入口12の上端12aと下端12bとの間の領域H内に位置していることが好ましい。このようにすれば、液面Gs付近の溶融ガラスGmが、流入口12から本体部11に流入する溶融ガラスGmにより押し流される。そのため、液面Gs付近の溶融ガラスGmが長時間停滞して失透するという事態を抑制できる。なお、溶融ガラスGmの流量(粘度)を調整することで、溶融ガラスGmの液面Gsの高さは調整できる。つまり、流入部電極18と上部電極15との間の通電量、上部電極15と中間部電極16との間の通電量及び中間部電極16と下部電極17との間の通電量の中の少なくとも一つ以上により、溶融ガラスGmの液面Gsの高さは調整できる。
また、本体部11の内部における液面Gsの溶融ガラスGmの温度MT[℃]は、溶融ガラスGmの液相温度をLT[℃]とした場合、LT+100℃よりも高いことが好ましい。溶融ガラスGmの液相温度LTは、溶融体と結晶の初相の間の平衡温度であり、液相温度LT以上では、理論上、結晶が存在しない。ここで、「液相温度」は、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、温度勾配炉中に24時間保持した後、白金ボートを取り出し、結晶が析出する温度を測定することにより求めることができる。液面Gsの溶融ガラスGmの温度MTは、赤外放射温度計を用いて測定することができる。
(第二実施形態)
図3に示すように、第二実施形態では、状態調整槽6及び状態調整工程の変形例を例示する。なお、第二実施形態では位相調整部25が設けられており、この点が第一実施形態と相違する。
本実施形態では、第一電源20により電圧を印加することにより、上部電極15と中間部電極16との間に位置する本体部11の大径部11a及び縮径部11bに供給される第一交流電流をi1、第二電源22により電圧を印加することにより、中間部電極16と下部電極17との間に位置する本体部11の縮径部11b及び小径部11cに供給される第二交流電流をi2とする。また、第一交流電流i1及び第二交流電流i2の供給により、中間部電極16に流れる第三交流電流をi3とする。
状態調整槽6には、第一交流電流i1と第二交流電流i2との位相差θ1を調整する位相調整部25が設けられている。位相調整部25は、第一電源20及び第二電源22に接続されている。第一電源20、第二電源22及び位相調整部25は、例えば三相交流電源により構成される。三相交流電源の場合、接続端子を適宜変更することにより(例えばTR、RT、RS、SRなど)、第一交流電流i1と第二交流電流i2との位相差θ1を調整できる。
位相調整部25は、第一交流電流i1の最大値をA、第二交流電流i2の最大値をB、第一交流電流i1及び第二交流電流i2の供給により中間部電極16に流れる第三交流電流i3の最大値をCとした場合に、第三交流電流i3が、下記の式(1)の関係を満足するように、第一交流電流i1及び第二交流電流i2の位相差θ1を調整するように構成されている。つまり、ガラス物品の製造方法では、状態調整工程において、第三交流電流i3が、下記の式(1)の関係を満足するように、第一交流電流i1及び第二交流電流i2の位相差θ1を調整する。
(A2+B2+AB)1/2>C・・・(1)
ここで、i1=Asinωt、i2=Bsin(ωt+θ1)、i3=i1-i2と定義する。なお、ωは角速度、tは時間、θ1は第一交流電流i1に対する第二交流電流i2の位相差である。位相差θ1は、第一交流電流i1の位相を基準としているが、これに限定されない。図3において各電流の向きを定義しているので、中間部電極16の付け根(本体部11との接合部)を分岐点と考えた場合、分岐点への流入電流はi1、分岐点からの流出電流はi2及びi3となるため、第三交流電流i3は、キルヒホッフの法則より、上記のように「i1-i2」で表される。
この場合、第三交流電流i3は、三角関数の加法定理より、下記の式(2)で表すことができる。
i3=Asinωt-Bsin(ωt+θ1)
=(A-Bcosθ1)sinωt-Bsinθ1cosωt・・・(2)
さらに、式(2)は、三角関数の合成公式より、下記の式(2)’で表すことができる。
i3={(A-Bcosθ1)2+B2sin2θ1}1/2sin(ωt-α)
=(A2+B2-2ABcosθ1)1/2sin(ωt-α)・・・(2)’
ただし、sinα=Bsinθ1/(A2+B2-2ABcosθ1)1/2であり、cosα=(A-Bcosθ1)/(A2+B2-2ABcosθ1)1/2である。
-1≦sin(ωt-α)≦1であるので、sin(ωt-α)=1のときに、式(2)’は最大値を示す。つまり、第三交流電流i3の最大値Cは、下記の式(3)で表される。
C=(A2+B2-2ABcosθ1)1/2・・・(3)
このように第一交流電流i1と第二交流電流i2との位相差θ1を調整することにより、中間部電極16に流れる第三交流電流i3の大きさを簡単かつ確実に調整できる。そして、第三交流電流i3が、上記の式(1)の関係を満たすように、第一交流電流i1と第二交流電流i2との位相差θ1を調整すれば、中間部電極16に流れる第三交流電流i3が適度に小さくなり、中間部電極16や中間部電極16近傍の状態調整槽6の溶損を確実に抑制できる。
位相調整部25は、下記の式(4)の関係を満足するように、第一交流電流i1及び第二交流電流i2の位相差θ1を調整するように構成されていることが好ましく、C=0Aであることが最も好ましい。
(A2+B2-AB)1/2≧C・・・(4)
ここで、位相差θ1は、-120°<θ1<120°であることが好ましく、-60°≦θ1≦60°であることがより好ましく、0°であることが最も好ましい。なお、式(1)の左辺は、θ1=120°(あるいは-120°)のときの式(3)の値であり、式(4)の左辺は、θ1=60°(あるいは-60°)のときの式(3)の値である。
第一交流電流i1の最大値Aと第二交流電流i2の最大値Bとは、異なる値であってもよいし、同じ値であってもよい。なお、上記の式(1)又は(4)の関係を満たすように、位相差θ1とともに、第一交流電流i1の最大値A及び第二交流電流i2の最大値Bのうちの少なくとも一つを調整してもよい。
(第三実施形態)
図4に示すように、第三実施形態では、状態調整槽6及び状態調整工程の変形例を例示する。なお、第三実施形態では、位相調整部25が、第一電源20及び第二電源22に加え、第三電源24にも接続されている。この点が第二実施形態と相違する。
本実施形態では、第一電源20により電圧を印加することにより、上部電極15と中間部電極16との間に位置する本体部11の大径部11a及び縮径部11bに供給される第一交流電流をi1、第三電源24により電圧を印加することにより、流入部電極18と上部電極15との間に位置する流入部14及び本体部11の大径部11aに供給される第四交流電流をi4とする。また、第一交流電流i1及び第四交流電流i4の供給により上部電極15に流れる第五交流電流i5とする。
位相調整部25は、第一電源20、第二電源22及び第三電源24に接続されており、第一交流電流i1と第二交流電流i2との位相差θ1と、第一交流電流i1と第四交流電流i4との位相差θ2とを調整するように構成されている。第一電源20、第二電源22、第三電源24及び位相調整部25は、例えば三相交流電源により構成される。
位相調整部25は、第二実施形態で説明した同様に、上記の式(1)又は(4)を満足するように、第一交流電流i1と第二交流電流i2との位相差θ1を調整するように構成されている。加えて、本実施形態では、位相調整部25は、第一交流電流i1と第四交流電流i4との位相差θ2は次のように調整するように構成されている。
つまり、位相調整部25は、第一交流電流i1の最大値をD(第二実施形態のAと同じ)、第四交流電流i4の最大値をE、第一交流電流i1及び第四交流電流i4の供給により上部電極15に流れる第五交流電流i5の最大値をFとした場合に、第五交流電流i5が、下記の式(5)の関係を満足するように、第一交流電流i1及び第四交流電流i4の位相差θ2を調整するように構成されている。つまり、ガラス物品の製造方法では、状態調整工程において、第三交流電流i3が、上記の式(1)(又は式(4))の関係を満足するように、第一交流電流i1及び第二交流電流i2の位相差θ1を調整するとともに、第五交流電流i5が、下記の式(5)の関係を満足するように、第一交流電流i1及び第四交流電流i4の位相差θ2を調整する。
(D2+E2+DE)1/2≦F・・・(5)
ここで、i1=Dsinωt、i4=Esin(ωt+θ2)、i5=i4-i1と定義する。なお、ωは角速度、tは時間、θ2は第一交流電流i1に対する第四交流電流i4の位相差である。位相差θ2は、第一交流電流i1の位相を基準としているが、これに限定されない。図4において各電流の向きを定義しているので、上部電極15の付け根(本体部11との接合部)を分岐点と考えた場合、分岐点への流入電流はi4、分岐点からの流出電流はi1及びi5となるため、第五交流電流i5は、キルヒホッフの法則より、上記のように「i4-i1」で表される。
この場合、第五交流電流i5は、三角関数の加法定理より、下記の式(6)で表すことができる。
i5=Esin(ωt+θ2)-Dsinωt
=(Ecosθ2-D)sinωt+Esinθ2cosωt・・・(6)
さらに、式(6)は、三角関数の合成公式より、下記の式(6)’で表すことができる。
i5={(Ecosθ2-D)2+E2sin2θ2}1/2sin(ωt+β)
=(D2+E2-2DEcosθ2)1/2sin(ωt+β)・・・(6)’
ただし、sinβ=Esinθ2/(D2+E2-2DEcosθ2)1/2であり、cosβ=(Ecosθ2-D)/(D2+E2-2DEcosθ2)1/2である。
-1≦sin(ωt+β)≦1であるので、sin(ωt+β)=1のときに、式(6)’は最大値を示す。つまり、第五交流電流i5の最大値Fは、下記の式(7)で表される。
F=(D2+E2-2DEcosθ2)1/2・・・(7)
このように第一交流電流i1と第四交流電流i4との位相差θ2を調整することにより、上部電極15に流れる第五交流電流i5の大きさを簡単かつ確実に調整できる。そして、第五交流電流i5が、上記の式(5)の関係を満たすように、第一交流電流i1と第四交流電流i4との位相差θ2を調整すれば、上部電極15に流れる第五交流電流i5が適度に大きくなる。このため、上部電極15や大径部11aの上部に流れる電流を増加でき、本体部11の内部における液面Gs付近の溶融ガラスGmを効率よく加熱できる。
位相調整部25は、下記の式(8)の関係を満足するように、第一交流電流i1及び第四交流電流i4の位相差θ2を調整するように構成されていることが好ましい。
D+E=F・・・(8)
ここで、位相差θ2は、120°≦θ2≦240°(あるいは-120°≧θ2≧-240°)であることが好ましく、180°(あるいは-180°)であることがより好ましい。なお、式(5)の左辺は、θ2=120°(あるいは-120°)のときの式(7)の値であり、式(8)の左辺は、θ2=180°(あるいは-180°)のときの式(7)の値である。
上部電極15近傍の状態調整槽6の溶損を確実に防止する観点では、(D2+E2+DE)1/2>Fを満足するように、第一交流電流i1及び第四交流電流i4の位相差θ2を調整することが好ましい。
第一交流電流i1の最大値Dと第四交流電流i4の最大値Eとは、異なる値であってもよいし、同じ値であってもよい。なお、上記の式(5)又は(8)の関係を満たすように、位相差θ2とともに、第一交流電流i1の最大値D及び第四交流電流i4の最大値Eのうちの少なくとも一つを調整してもよい。
なお、本発明は、上記の実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の実施形態において、状態調整槽6の本体部11の上端の開口部は、溶融ガラスGmの下方に向かう流れを堰き止めるプランジャの挿入口としての役割を果たす。本体部11の上端の開口部は蓋体で覆ってもよい。このようにすれば、本体部11の上部を高温に維持しやすくなるため、液面Gs付近の溶融ガラスGmの失透をより抑制できる。
上記の実施形態では、状態調整槽6の本体部11が、大径部11a、縮径部11b及び小径部11cを有する場合を例示したが、本体部11は、一定の内径を有する単一の筒状体であってもよい。
上記の実施形態において、液面Gs付近の溶融ガラスGmを加熱するため、補助加熱装置を状態調整槽6の本体部11の外部に設けてもよい。これにより、液面Gs付近の溶融ガラスGmの失透をより抑制できる。補助加熱装置には、抵抗加熱式のものや誘導加熱式のもの等を採用できる。
上記の実施形態では、成形装置で成形されるガラス物品が板ガラスである場合を説明したが、これに限定されない。成形装置で成形されるガラス物品は、例えば、ガラスフィルムをロール状に巻き取ったガラスロール、光学ガラス部品、ガラス管、ガラスブロック、ガラス繊維などであってもよいし、任意の形状であってよい。
1 溶融炉
2 移送装置
3 成形装置
4 清澄槽
5 攪拌槽
6 状態調整槽
9 接続管
10 接続管(流出部)
11 本体部
11a 大径部
11b 縮径部
11c 小径部
12 流入口
13 流出口
14 流入部
15 上部電極
16 中間部電極
17 下部電極
18 流入部電極
19 第一電気回路
20 第一電源
21 第二電気回路
22 第二電源
23 第三電気回路
24 第三電源
25 位相調整部
G ガラスリボン
Gm 溶融ガラス
Gs 液面

Claims (10)

  1. 溶融炉で溶融ガラスを生成する溶融工程と、前記溶融炉で生成された前記溶融ガラスの状態を状態調整槽で調整する状態調整工程と、前記状態調整槽で状態が調整された前記溶融ガラスを成形装置でガラス物品に成形する成形工程と、を備えたガラス物品の製造方法において、
    前記状態調整槽は、
    上下方向に沿って延びる筒状の本体部と、
    前記本体部の上部側方に設けられた前記溶融ガラスの流入口と、
    前記本体部の下部に設けられた前記溶融ガラスの流出口と、
    前記本体部の上部、中間部及び下部にそれぞれ設けられた上部電極、中間部電極及び下部電極と、を備え、
    前記状態調整工程では、前記上部電極と前記中間部電極との間に通電すると共に、前記中間部電極と前記下部電極との間に通電し、
    前記本体部は、前記流入口が設けられた大径部と、前記大径部の下端に繋がりかつ下方に移行するに連れて内径が漸次小さくなる縮径部と、前記縮径部の下端に繋がりかつ前記流出口が設けられた小径部と、を備えていることを特徴とするガラス物品の製造方法。
  2. 前記中間部電極が、前記縮径部に設けられていることを特徴とする請求項に記載のガラス物品の製造方法。
  3. 溶融炉で溶融ガラスを生成する溶融工程と、前記溶融炉で生成された前記溶融ガラスの状態を状態調整槽で調整する状態調整工程と、前記状態調整槽で状態が調整された前記溶融ガラスを成形装置でガラス物品に成形する成形工程と、を備えたガラス物品の製造方法において、
    前記状態調整槽は、
    上下方向に沿って延びる筒状の本体部と、
    前記本体部の上部側方に設けられた前記溶融ガラスの流入口と、
    前記本体部の下部に設けられた前記溶融ガラスの流出口と、
    前記本体部の上部、中間部及び下部にそれぞれ設けられた上部電極、中間部電極及び下部電極と、を備え、
    前記状態調整工程では、前記上部電極と前記中間部電極との間に通電すると共に、前記中間部電極と前記下部電極との間に通電し、
    前記状態調整工程では、通電時に供給する交流電流の位相を調整することにより、前記中間部電極に流れる電流が、次式を満足することを特徴とするガラス物品の製造方法。
    (A +B +AB) 1/2 >C
    ただし、A:前記上部電極と前記中間部電極との間の前記本体部に流れる最大電流
    B:前記中間部電極と前記下部電極との間の前記本体部に流れる最大電流
    C:前記中間部電極に流れる最大電流
  4. 溶融炉で溶融ガラスを生成する溶融工程と、前記溶融炉で生成された前記溶融ガラスの状態を状態調整槽で調整する状態調整工程と、前記状態調整槽で状態が調整された前記溶融ガラスを成形装置でガラス物品に成形する成形工程と、を備えたガラス物品の製造方法において、
    前記状態調整槽は、
    上下方向に沿って延びる筒状の本体部と、
    前記本体部の上部側方に設けられた前記溶融ガラスの流入口と、
    前記本体部の下部に設けられた前記溶融ガラスの流出口と、
    前記本体部の上部、中間部及び下部にそれぞれ設けられた上部電極、中間部電極及び下部電極と、を備え、
    前記状態調整工程では、前記上部電極と前記中間部電極との間に通電すると共に、前記中間部電極と前記下部電極との間に通電し、
    前記状態調整槽は、前記流入口に接続された筒状の流入部と、前記流入部に設けられた流入部電極と、をさらに備え、
    前記状態調整工程では、前記流入部電極と前記上部電極との間に通電することを特徴とするガラス物品の製造方法。
  5. 前記状態調整工程では、通電時に供給する交流電流の位相を調整することにより、前記上部電極に流れる電流が、次式を満足する請求項に記載のガラス物品の製造方法。
    (D+E+DE)1/2≦F
    ただし、D:前記流入部電極と前記上部電極との間の前記本体部に流れる最大電流
    E:前記上部電極と前記中間部電極との間の前記本体部に流れる最大電流
    F:前記上部電極に流れる最大電流
  6. 溶融炉で溶融ガラスを生成する溶融工程と、前記溶融炉で生成された前記溶融ガラスの状態を状態調整槽で調整する状態調整工程と、前記状態調整槽で状態が調整された前記溶融ガラスを成形装置でガラス物品に成形する成形工程と、を備えたガラス物品の製造方法において、
    前記状態調整槽は、
    上下方向に沿って延びる筒状の本体部と、
    前記本体部の上部側方に設けられた前記溶融ガラスの流入口と、
    前記本体部の下部に設けられた前記溶融ガラスの流出口と、
    前記本体部の上部、中間部及び下部にそれぞれ設けられた上部電極、中間部電極及び下部電極と、を備え、
    前記状態調整工程では、前記上部電極と前記中間部電極との間に通電すると共に、前記中間部電極と前記下部電極との間に通電し、
    前記状態調整工程では、前記流入口の上端と下端との間に前記溶融ガラスの液面を位置させることを特徴とするガラス物品の製造方法。
  7. 前記上部電極と前記中間部電極との間の通電量が、前記中間部電極と前記下部電極との間の通電量よりも大きいことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のガラス物品の製造方法。
  8. 前記上部電極は、前記流入口よりも上方に設けられていることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のガラス物品の製造方法。
  9. 溶融ガラスを生成する溶融炉と、前記溶融炉で生成された前記溶融ガラスの状態を調整する状態調整槽と、前記状態調整槽で状態が調整された前記溶融ガラスからガラス物品に成形する成形装置と、を備えたガラス物品の製造装置において、
    前記状態調整槽は、
    上下方向に沿って延びる筒状の本体部と、
    前記本体部の上部側方に設けられた前記溶融ガラスの流入口と、
    前記本体部の下部に設けられた前記溶融ガラスの流出口と、
    前記本体部の上部、中間部及び下部にそれぞれ設けられた上部電極、中間部電極及び下部電極と、
    前記上部電極と前記中間部電極との間に通電可能な第一電気回路と、
    前記中間部電極と前記下部電極との間に通電可能な第二電気回路と、を備え
    前記本体部は、前記流入口が設けられた大径部と、前記大径部の下端に繋がりかつ下方に移行するに連れて内径が漸次小さくなる縮径部と、前記縮径部の下端に繋がりかつ前記流出口が設けられた小径部と、を備えていることを特徴とするガラス物品の製造装置。
  10. 溶融ガラスを生成する溶融炉と、前記溶融炉で生成された前記溶融ガラスの状態を調整する状態調整槽と、前記状態調整槽で状態が調整された前記溶融ガラスからガラス物品に成形する成形装置と、を備えたガラス物品の製造装置において、
    前記状態調整槽は、
    上下方向に沿って延びる筒状の本体部と、
    前記本体部の上部側方に設けられた前記溶融ガラスの流入口と、
    前記本体部の下部に設けられた前記溶融ガラスの流出口と、
    前記本体部の上部、中間部及び下部にそれぞれ設けられた上部電極、中間部電極及び下部電極と、
    前記上部電極と前記中間部電極との間に通電可能な第一電気回路と、
    前記中間部電極と前記下部電極との間に通電可能な第二電気回路と、を備え
    前記状態調整槽は、前記流入口に接続された筒状の流入部と、前記流入部に設けられた流入部電極と、をさらに備え、
    前記流入部電極と前記上部電極との間に通電可能であることを特徴とするガラス物品の製造装置。
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