以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係るシステムの構成の一例を示す。図1に示すシステム1は、例えばオンラインでユーザがゲームをプレイすることを実現するように構成されるシステム(以下、ゲームシステム1と表記)である。ゲームシステム1は、図1に示すように、複数のユーザ端末10およびサーバ装置20を備える。
複数のユーザ端末10の各々は、例えばユーザによって使用される携帯可能な電子機器である。本実施形態においては、複数のユーザ端末10の各々が例えばスマートフォンであるような場合を想定しているが、当該ユーザ端末10は、例えばタブレット端末のような他の携帯可能な電子機器であってもよい。
サーバ装置20は、インターネットのようなネットワーク30を介して、複数のユーザ端末10と通信可能に接続されている。
図2は、図1に示すユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示す。ここでは、図2を参照して、ユーザ端末10がスマートフォンである場合のハードウェア構成について説明する。
図2に示すように、ユーザ端末10は、不揮発性メモリ11、CPU12、メインメモリ13、無線通信デバイス14、ディスプレイ15およびタッチパネル16等を備える。
不揮発性メモリ11は、各種プログラムを格納する。不揮発性メモリ11に格納されている各種プログラムには、例えばオペレーティングシステム(OS)およびユーザ端末10上で動作する各種アプリケーションプログラム等が含まれる。
CPU12は、ユーザ端末10内の様々なコンポーネントの動作を制御するためのプロセッサであり、例えば不揮発性メモリ11に格納されている各種プログラムを実行する。CPU12は、単一のプロセッサであってもよいし、複数のプロセッサから構成されていてもよい。なお、不揮発性メモリ11に格納されている各種プログラムは当該不揮発性メモリ11からメインメモリ13にロードされてCPU12によって実行されるが、当該CPU12によって実行されるプログラム(アプリケーションプログラム)には、ゲームシステム1においてユーザ端末として動作するためのゲームプログラム13Aが含まれる。
無線通信デバイス14は、外部装置(例えば、サーバ装置20等)との無線通信を実行するためのデバイスである。
ディスプレイ15は、例えばユーザによってプレイされるゲームに関する各種画面を表示するための表示デバイスである。
タッチパネル16は、ユーザの指先等が接触した位置を検出する入力デバイスであり、例えばディスプレイ15の前面に重畳して配置される。
ディスプレイ15およびタッチパネル16はタッチスクリーンディスプレイを構成し、当該タッチスクリーンディスプレイにより、画面に対するユーザの各種操作を検知する(受け付ける)ことができる。
図3は、図1に示すサーバ装置20のハードウェア構成の一例を示す。図3に示すように、サーバ装置20は、不揮発性メモリ21、CPU22、メインメモリ23および無線通信デバイス24等を備える。
不揮発性メモリ21は、各種プログラムを格納する。不揮発性メモリ21に格納されている各種プログラムには、例えばオペレーティングシステム(OS)およびサーバ装置20上で動作する各種アプリケーションプログラム等が含まれる。
CPU22は、サーバ装置20内の様々なコンポーネントの動作を制御するためのプロセッサであり、例えば不揮発性メモリ21に格納されている各種プログラムを実行する。CPU22は、単一のプロセッサであってもよいし、複数のプロセッサから構成されていてもよい。なお、不揮発性メモリ21に格納されている各種プログラムは当該不揮発性メモリ21からメインメモリ23にロードされてCPU22によって実行されるが、当該CPU22によって実行されるプログラム(アプリケーションプログラム)には、ゲームシステム1においてサーバ装置として動作するためのゲームプログラム23Aが含まれる。
無線通信デバイス24は、外部装置(例えば、複数のユーザ端末10等)との無線通信を実行するためのデバイスである。
以下、本実施形態に係るゲームシステム1の機能構成について説明する。本実施形態に係るゲームシステム1は、例えば複数のユーザ端末10とサーバ装置20とが協働して動作することにより、ユーザがゲームをプレイすることを実現する機能を有する。
ここで、本実施形態においてユーザがプレイすることができるゲームの概要について説明する。本実施形態に係るゲームシステム1は、例えばユーザの位置を示す位置情報を利用した位置情報ゲームをプレイすることが可能なゲームプレイ環境を提供するものとする。位置情報ゲームにおいて、ユーザは、例えば現実空間の移動に関する情報に関連した仮想空間の移動により、仮想空間内の様々な位置に行って(仮想空間内の様々な場所を訪れ)、様々な報酬を獲得することができる。なお、本実施形態において、報酬とは、ユーザがゲーム内で使用可能なアイテムであってもよいし、ユーザがゲーム外で使用可能なもの(例えば、クーポン等)であってもよいし、ゲーム内で発生するイベントに参加できることであってもよい。
ところで、一般的な位置情報ゲームにおいては、「仮想空間内の特定の位置に到達した」という結果に対して報酬の付与が行われ、当該特定の位置に到達するまでの過程を考慮した報酬の付与は行われていない。このため、一般的な位置情報ゲームは、ユーザに対して、画一的な遊び方しか提供することができず、興趣性に欠けるといった問題がある。
また、「仮想空間内の特定の位置に到達した」という結果に対してのみ報酬の付与が行われると、例えば、ある位置L1から特定の位置L2まで最短経路を経由して到達したユーザと、ある位置L1から特定の位置L2まで上記した最短経路よりも距離が長い迂回経路を経由して到達したユーザとに、同じ報酬が付与されることになる。これは、ユーザ(特に、迂回経路を経由して特定の位置に到達したユーザ)に不公平感を与え、ゲームに対するモチベーション(意欲)の低下を招く恐れがある。
そこで、本実施形態に係るゲームシステム1においては、特定の位置(目的地)に到達するまでの過程に応じた報酬をユーザに付与することを可能にする。
図4は、ユーザ端末10の機能構成の一例を示す。図4に示すように、ユーザ端末10は、操作受付部101、制御部102、表示処理部103および格納部104を含む。
なお、図4に示す操作受付部101、制御部102および表示処理部103は、例えばユーザ端末10が備えるCPU12(ユーザ端末10のコンピュータ)が上記したゲームプログラム13Aを実行すること(すなわち、ソフトウェア)によって実現される機能部である。このゲームプログラム13Aは、例えばネットワーク30を介してユーザ端末10にダウンロードされてもよいし、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に予め格納して頒布されてもよい。
また、図4に示す格納部104は、図2に示す不揮発性メモリ11またはその他の記憶装置(図示せず)等によって実現される。
操作受付部101は、位置情報ゲームをプレイするためのユーザの操作(指示)を受け付ける。上記したようにユーザ端末10がスマートフォンである場合、操作受付部101によって受け付けられる操作には、当該ユーザ端末10が備えるタッチパネル16(タッチスクリーンディスプレイ)に指先を接触させる操作(例えば、タップ操作、ドラッグ操作、フリック操作およびスワイプ操作等)が含まれる。
制御部102は、操作受付部101によって受け付けられた操作を解釈し、ゲームプレイ環境においてプレイされる位置情報ゲームを進行させるような制御を実行する。
表示処理部103は、例えばユーザ端末10を使用するユーザが移動する現実空間のマップ(地図)を含む画面(以下、マップ画面と表記)をディスプレイ15に表示する。なお、表示処理部103によって表示されるマップ画面において、例えばユーザの現在の位置には当該ユーザに対応する第1オブジェクト(例えば、ユーザがゲームにおいて使用するキャラクタ)が配置され、当該ユーザの目的地として設定された特定の位置には当該目的地に対応する第2オブジェクトが配置される。
なお、本実施形態におけるユーザの位置(を示す位置情報)は、例えばユーザ端末10に搭載されているGPS(Global Positioning System)を利用して取得される。表示処理部103は、ユーザの移動に応じて変化する当該ユーザの位置に基づいて、マップ画面に配置される当該ユーザに対応する第1オブジェクトの位置(場所)を更新する。
ここで、本実施形態における位置情報ゲームにおいて、ユーザが目的地に設定された特定の位置に移動する(つまり、表示処理部103によって表示されるマップ画面上に配置されている第1オブジェクトが目的地に対応する第2オブジェクトの位置に移動する)と、当該ユーザは報酬を獲得することができる。
格納部104は、例えばゲームデータおよびユーザデータを格納する。なお、ゲームシステム1においては位置情報ゲームをプレイすることが可能なユーザ毎にアカウントが発行されているが、ゲームデータは、当該アカウント間で共通のデータ(情報)であり、上記したゲームプログラム13Aを実行する際に参照される。具体的には、ゲームデータは、例えばゲームプレイ環境を定義するためのデータや位置情報ゲームに関する設定データ等を含む。一方、ユーザデータは、ユーザのアカウント毎に管理される当該ユーザに関するデータである。具体的には、ユーザ端末10に含まれる格納部104に格納されるユーザデータ(つまり、当該ユーザ端末10を使用するユーザに関するユーザデータ)は、例えば位置情報ゲームにおける当該ユーザのゲーム進行度や当該位置情報ゲームにおいて当該ユーザが獲得した各種ポイントおよびアイテム等を示すデータを含む。
図5は、サーバ装置20の機能構成の一例を示す。図5に示すように、サーバ装置20は、格納部201、データ管理部202および制御部203を含む。
なお、図5に示す格納部201は、図3に示す不揮発性メモリ21またはその他の記憶装置(図示せず)等によって実現される。
また、図5に示すデータ管理部202および制御部203は、例えばサーバ装置20が備えるCPU22(サーバ装置20のコンピュータ)が上記したゲームプログラム23Aを実行すること(すなわち、ソフトウェア)によって実現される機能部である。このゲームプログラム23Aは、例えばネットワーク30を介してサーバ装置20にダウンロードされてもよいし、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に予め格納して頒布されてもよい。
格納部201は、上記したユーザ端末10に含まれる格納部104に格納されているゲームデータと同様のゲームデータを格納する。また、格納部201は、ゲームシステム1(サーバ装置20)に予め登録しているユーザ(つまり、アカウントが発行されているユーザ)毎のユーザデータを格納する。
データ管理部202は、格納部201に格納されているゲームデータおよびユーザデータを管理する。具体的には、データ管理部202は、ゲームデータおよびユーザデータの追加、更新および削除等の処理を実行する。
なお、データ管理部202によって管理されているゲームデータおよびユーザデータは、当該データ管理部202(サーバ装置20)から複数のユーザ端末10の各々に送信され、当該ユーザ端末10に含まれる格納部104に格納される。この場合、ゲームデータは複数のユーザ端末10に共通に送信されるが、ユーザデータは、当該ユーザデータに対応するユーザが使用するユーザ端末10にのみ送信される。
ここでは、データ管理部202がゲームデータおよびユーザデータを管理するものとして説明したが、当該データ管理部202は、位置情報ゲームをプレイする複数のユーザの各々の位置(を示す位置情報)をさらに管理していてもよい。
制御部203は、位置情報ゲームをプレイするためのゲームプレイ環境を提供する(すなわち、ユーザによる位置情報ゲームのプレイを実現する)ための様々な処理を実行する。具体的には、制御部203は、例えば、ユーザが目的地に到達した際に報酬を付与する処理や、当該ユーザが目的地に到達するまでに経由する経路を設定する処理を実行する。
また、制御部203は、上記した位置情報ゲームにおけるマルチプレイを実現するための処理を実行する。
ここで、例えばユーザX1とユーザX2とがマルチプレイを行う場合を想定する。この場合、ユーザX1が使用するユーザ端末10にはマルチプレイを行うためのゲーム画面(以下、マルチプレイ画面と表記)が表示され、当該ユーザX1は、当該マルチプレイ画面上で当該ユーザX1のキャラクタを操作することによってユーザX2とのマルチプレイを行うことができる。また、ユーザX2が使用するユーザ端末10にも同様にマルチプレイ画面が表示され、ユーザX2は、当該マルチプレイ画面上で当該ユーザX2のキャラクタを操作することによってユーザX1とのマルチプレイを行うことができる。
なお、このようなマルチプレイを実現するためには、ユーザX1が使用するユーザ端末10に表示されるマルチプレイ画面にユーザX2の操作が反映され、ユーザX2が使用するユーザ端末10に表示されるマルチプレイ画面にユーザX1の操作が反映される必要がある。
このため、上記したようにユーザX1とユーザX2とがマルチプレイを行う場合、制御部203は、ユーザX1の操作を当該ユーザX1が使用するユーザ端末10から受信し、当該操作をユーザX2が使用するユーザ端末10に送信する処理を実行する。同様に、制御部203は、ユーザX2の操作を当該ユーザX2が使用するユーザ端末10から受信し、当該操作をユーザX1が使用するユーザ端末10に送信する処理を実行する。
これによれば、ユーザX1およびX2が使用するユーザ端末10の両方でユーザX1およびX2の操作に基づいてマルチプレイを進行させる制御が実行され、当該ユーザX1およびX2の双方の操作が反映されたマルチプレイ画面を当該ユーザX1およびX2が使用するユーザ端末10の両方に表示することができる。換言すれば、本実施形態に係るゲームシステム1においては、ユーザX2の操作によって引き起こされるゲームのプレイ内容がユーザX1が使用するユーザ端末10のマルチプレイ画面上で再現(同期)され、かつ、ユーザX1の操作によって引き起こされるゲームのプレイ内容がユーザX2が使用するユーザ端末10のマルチプレイ画面上で再現(同期)されることにより、ユーザX1およびX2の各々のユーザ端末10を使用したリアルタイムでのマルチプレイを実現することができる。
なお、本実施形態に係るゲームシステム1はユーザが位置情報ゲームをプレイするためのゲームプレイ環境を提供するが、この「ゲームプレイ環境の提供」は、当該ゲームシステム1において動作するゲームプログラム(つまり、上記した複数のユーザ端末10において実行されるゲームプログラム13Aおよびサーバ装置20において実行されるゲームプログラム23A)により実現されるものとする。但し、本実施形態に係るゲームプログラムは、上記したゲームプログラム13Aおよび23Aの一部であっても構わない。
また、本実施形態に係るゲームシステム1においては、例えば複数のユーザ端末10が有する機能の少なくとも一部をサーバ装置20が有していてもよいし、サーバ装置20が有する機能の少なくとも一部を複数のユーザ端末10が有していてもよい。さらに、ゲームシステム1は、複数のユーザ端末10およびサーバ装置20以外の他の装置を備えていてもよい。すなわち、本実施形態に係るゲームプログラム(ゲームプログラム13Aおよび23A)は、複数のユーザ端末10、サーバ装置20または他の装置において実行され得る。
以下、図6のフローチャートを参照して、本実施形態に係るゲームシステム1の処理手順の一例について説明する。ここでは、複数のユーザ端末10のうちの1つのユーザ端末(以下、第1ユーザ端末10と表記)を使用するユーザ(以下、第1ユーザと表記)が位置情報ゲームをプレイする場合を想定する。
この場合、第1ユーザ端末10においてゲームプログラム13Aが起動され、当該第1ユーザ端末10(が備えるディスプレイ15)に現実空間のマップを含むマップ画面が表示される。
上記したように、第1ユーザ端末10に表示されるマップ画面において、第1ユーザの現在の位置には当該第1ユーザに対応する第1オブジェクトが配置され、当該第1ユーザの目的地に設定された特定の位置には当該目的地に対応する第2オブジェクトが配置される。ここでは、第1ユーザによって目的地の設定が既に行われ、当該目的地が、例えばサーバ装置20において、第1ユーザに関するユーザデータとして管理されている場合を想定するが、第1ユーザによって目的地の設定が行われていない場合、ゲームシステム1は、目的地の設定を促す旨の通知を第1ユーザ端末10に送信してもよい。
第1ユーザは、第1ユーザ端末10に表示されるマップ画面上の第1オブジェクトおよび第2オブジェクトの位置を確認しながら現実空間を移動する。
ゲームシステム1は、上記したように現実空間を移動する第1ユーザの位置を取得する(ステップS1)。なお、ステップS1において取得された第1ユーザの位置は、例えばサーバ装置20において、第1ユーザに関するユーザデータとして管理される。
なお、第1ユーザの位置(を示す位置情報)は、例えば、第1ユーザ端末10に搭載されているGPSを利用して取得可能であるが、他の手法により取得されてもよい。
第1ユーザ端末10に表示されるマップ画面に配置されている第1オブジェクトの位置は、ステップS1において取得された第1ユーザの位置に基づいて更新される。
次に、ゲームシステム1は、ステップS1において取得された第1ユーザの位置が、目的地に到達したか否かを判定する(ステップS2)。
なお、ゲームシステム1は、例えば、ステップS1において取得された第1ユーザの位置が目的地を示す場合に、当該第1ユーザの位置が当該目的地に到達したと判定する。あるいは、ゲームシステム1は、ステップS1において取得された第1ユーザの位置が目的地から所定の範囲内(距離内)の位置を示す場合に、当該第1ユーザの位置が当該目的地に到達したと判定する。
目的地に到達していないと判定された場合(ステップS2のNO)、ステップS1に戻って処理が繰り返される。
一方、目的地に到達したと判定された場合(ステップS2のYES)、ゲームシステム1は、例えばサーバ装置20において管理されている第1ユーザに関するユーザデータを参照して、当該第1ユーザが当該目的地に到達するまでに経由した経路を特定する(ステップS3)。
なお、第1ユーザが目的地に到達するまでに経由した経路は、例えば、目的地の設定を行った際の位置から、当該目的地に到達するまでに、上記したステップS1の処理によって取得された第1ユーザの位置に基づき特定することができる。
しかる後、ゲームシステム1は、ステップS3において特定された経路に応じた報酬を第1ユーザに付与し(ステップS4)、ここでの一連の処理を終了させる。なお、ユーザに付与される報酬については後述する。
なお、ここでは、ステップS1において第1ユーザの位置が取得されるものとして説明したが、ステップS1においては、第1ユーザの移動に関する情報として、第1ユーザの移動速度や、第1ユーザの現在の位置に対応する地理情報(地形情報)等がさらに取得されてもよい。第1ユーザの移動速度や第1ユーザの現在の位置に対応する地理情報がさらに取得されることによって、目的地までの経路だけでなく、これら情報をさらに考慮した報酬の付与を行うことが可能になる。
また、図6においてはステップS1~S4の処理を主にサーバ装置20(制御部203)が実行する場合を想定しているが、当該ステップS1~S4の処理のうちの少なくとも一部はユーザ端末10側(例えば、制御部102等)で実行されても構わない。換言すれば、図6に示す処理は、少なくともゲームシステム1全体として実行される処理であればよい。
次に、図7のフローチャートを参照して、本実施形態に係るゲームシステム1の処理手順の一例であって、図6とは異なる処理手順について説明する。図7に示す処理手順は、報酬と、当該報酬を獲得するための経路とが予め設定される場合に対応する。ここでは、図6の場合と同様に、第1ユーザ端末10を使用する第1ユーザが位置情報ゲームをプレイする場合を想定する。
この場合、第1ユーザ端末10においてゲームプログラム13Aが起動され、当該第1ユーザ端末10(が備えるディスプレイ15)に現実空間のマップを含むマップ画面が表示される。
第1ユーザ端末10に表示されるマップ画面において、第1ユーザによって獲得したい報酬が指定されると、ゲームシステム1は、当該報酬を獲得するための経路の設定を促す旨の通知を第1ユーザ端末10に送信する。ゲームシステム1は、上記した通知に応じて第1ユーザにより指定された経路を、上記した報酬を獲得するための経路として設定する(ステップS11)。なお、経路の設定については後述する。
ステップS11の処理の後、第1ユーザ端末10に表示されるマップ画面には、第1ユーザにより設定された経路が識別可能に表示される。また、第1ユーザ端末10に表示されるマップ画面において、第1ユーザの現在の位置には当該第1ユーザに対応する第1オブジェクトが配置され、上記した経路の終点には目的地に対応する第2オブジェクトが配置される。ステップS11における経路の設定は、目的地の設定も含む。
第1ユーザは、第1ユーザ端末10に表示されるマップ画面上の経路、第1オブジェクトおよび第2オブジェクトの位置を確認しながら現実空間を移動する。
ゲームシステム1は、上記したように現実空間を移動する第1ユーザの位置を取得する(ステップS12)。なお、ステップS12において取得された第1ユーザの位置は、例えばサーバ装置20において、第1ユーザに関するユーザデータとして管理される。
なお、第1ユーザの位置(を示す位置情報)は、第1ユーザ端末10に搭載されているGPSを利用して取得可能であるが、他の手法により取得されてもよい。
第1ユーザ端末10に表示されるマップ画面に配置されている第1オブジェクトの位置は、ステップS12において取得された第1ユーザの位置に基づいて更新される。
次に、ゲームシステム1は、ステップS12において取得された第1ユーザの位置が、目的地に到達したか否かを判定する(ステップS13)。
なお、ゲームシステム1は、例えば、ステップS12において取得された第1ユーザの位置が目的地を示す場合に、当該第1ユーザの位置が当該目的地に到達したと判定する。あるいは、ゲームシステム1は、ステップS12において取得された第1ユーザの位置が目的地から所定の範囲内(距離内)の位置を示す場合に、当該第1ユーザの位置が当該目的地に到達したと判定してもよい。
目的地に到達していないと判定された場合(ステップS13のNO)、ステップS12に戻って処理が繰り返される。
一方、目的地に到達したと判定された場合(ステップS13のYES)、ゲームシステム1は、例えばサーバ装置20において管理されている第1ユーザに関するユーザデータを参照して、当該第1ユーザが当該目的地に到達するまでに経由した経路を特定する(ステップS14)。
なお、第1ユーザが目的地に到達するまでに経由した経路は、例えば、経路(目的地)の設定を行った際の位置から、当該目的地に到達するまでに、上記したステップS12の処理によって取得された第1ユーザの位置に基づき特定することができる。
しかる後、ゲームシステム1は、ステップS14において特定された経路がステップS11において設定された経路と一致する場合に、ステップS14において特定された経路に応じた報酬として、ステップS11において指定された報酬を当該第1ユーザに付与し(ステップS15)、ここでの一連の処理を終了させる。なお、ユーザに付与される報酬については後述する。また、ステップS11において指定された経路と、ステップS14において特定された経路とは、必ずしも完全に一致している必要はなく、これら2つの経路が所定の条件の下で等しい関係にあれば、これら2つの経路は一致しているとみなされて構わない。
なお、図6の場合と同様に、ステップS12においては、第1ユーザの移動に関する情報として、第1ユーザの移動速度や、第1ユーザの現在の位置に対応する地理情報(地形情報)等がさらに取得されてもよい。
また、図7においてはステップS11~S15の処理を主にサーバ装置20(制御部203)が実行する場合を想定しているが、当該ステップS11~S15の処理のうちの少なくとも一部はユーザ端末10側(例えば、制御部102等)で実行されても構わない。換言すれば、図7に示す処理は、少なくともゲームシステム1全体として実行される処理であればよい。
ここで、本実施形態に係るゲームシステム1においてユーザに付与される報酬について具体的に説明する。なお、以下では、本実施形態における位置情報ゲームが、例えば、複数のユーザが領土を奪い合う陣取りゲームの要素を含むゲームである場合を想定する。
図8は、ユーザ端末10に表示されるマップ画面400の一例を示す。図8においては模式的に示されるが、マップ画面400には、ユーザの現在の位置に対応する第1オブジェクト10aと、当該ユーザの目的地に対応する第2オブジェクト20aと、報酬として獲得可能な領土に対応する第3オブジェクト30aとが配置されている。
ここで、ユーザが現実空間を移動することによって、図9に示すように、当該ユーザに対応する第1オブジェクト10aが、経路401を経由して、第2オブジェクト20aに対応する目的地に到達したものとする。この場合、ゲームシステム1は、ユーザが目的地に到達するまでに経由した経路401によって囲まれる領域内に配置された第3オブジェクト30aに対応する領土を報酬として当該ユーザに付与する。報酬の付与は、例えば、サーバ20において管理されているユーザデータに、第3オブジェクト30aに対応する領土を所有している旨の情報が追加されることによって行われる。
なお、ゲームシステム1は、目的地に到達するまでに経由した経路に応じた報酬として、領土をユーザに付与するのではなく、目的地に到達するまでに、例えば図9に示す複数の地点P1~P8を通過したことに応じた報酬として、これら地点P1~P8を結ぶことで形成される領域内に配置された第3オブジェクト30aに対応する領土をユーザに付与してもよい。換言すると、ゲームシステム1は、第2オブジェクト20aに対応する目的地と複数の地点P1~P8とを含む複数の目的地に到達したことに応じた報酬として、第3オブジェクト30aに対応する領土をユーザに付与してもよい。
ここでは、ユーザに付与される報酬が領土であるとしたが、これに限定されず、ユーザに付与される報酬は、例えば、ゲーム内で使用可能なアイテムやポイント、抽選の権利、ゲームの進行を有利にする効果、他のユーザと対戦する際の有利な効果、他のユーザと協力する際(マルチプレイを行う際)の有利な効果、ユーザが使用するキャラクタ等の能力の向上、ユーザが使用するキャラクタ等のレベルを上昇させるための経験値等であってもよい。なお、この様々な報酬の種類は、ユーザが事前に複数の報酬の種類から選択可能にしても良いし、ランダムで決まる形式であってもよい。
なお、本実施形態における位置情報ゲームにおいては、図7に示したように、報酬と、当該報酬を獲得するための経路とが予め設定されて、当該経路の終点に対応する目的地までの移動が行われてもよい。この経路は、ユーザによって任意に設定されてもよいし、サーバ装置20により予め用意された経路の1つをユーザが指定(選択)することによって設定されてもよい。
図10は、報酬を獲得するための経路がユーザによって任意に設定される場合を説明するための図である。ユーザは、例えば図10に示すように、マップ画面400において、報酬として獲得したい領土に対応する第3オブジェクト30aを囲むように、複数のオブジェクト401a~401gを配置することによって、当該領土を獲得するための経路を設定することができる。
オブジェクト401aは、第3オブジェクト30aに対応する領土を獲得するための移動を開始する位置(経路の始点)に対応するオブジェクトであり、例えば、ユーザが経路の設定を行った際の位置に対応する。但し、上記した経路の始点と、ユーザが経路の設定を行った際の位置とは必ずしも一致している必要はなく、異なる位置であっても構わない。
オブジェクト401bは、第3オブジェクト30aに対応する領土を獲得するための移動を終了する位置(経路の終点)に対応するオブジェクトであり、ユーザの目的地に対応する。
オブジェクト401c~401gは、第3オブジェクト30aに対応する領土を獲得するために経由する中継点に対応するオブジェクトである。なお、第3オブジェクト30aに対応する領土を獲得するために配置する必要がある中継点の個数は、例えば、当該領土の大きさによって動的に変化してもよい。具体的には、報酬として獲得したい領土の大きさが大きいほど、必要な中継点の個数が増加し、報酬として獲得したい領土の大きさが小さいほど、必要な中継点の個数が減少してもよい。
なお、中継点に対応するオブジェクトは、例えば、ゲーム内のアイテムとしてユーザに付与されるものであってもよい。つまり、ユーザは、ゲーム内のアイテムとして自身が所有する中継点に対応するオブジェクトを消費することによって、マップ画面に当該オブジェクトを配置し、自身が所望する領土を獲得するための経路を設定してもよい。
このように、中継点に対応するオブジェクトを、ゲーム内のアイテムとすると、ユーザは、領土を獲得するためにはまず当該オブジェクトを収集する必要がある。これによれば、例えば特定のユーザによって多数の領土が独占されてしまうといった事態の発生を抑制することができる。また、中継点に対応するオブジェクトを、例えばユーザが所定の距離を歩く度に付与されるゲーム内のアイテムとすることで、当該ユーザに対して、歩くための動機を与えることができる。
なお、中継点に対応するオブジェクトを、ゲーム内のアイテムとする場合、例えば、100m毎に配置可能な中継点に対応するオブジェクトや、1000m毎に配置可能な中継点に対応するオブジェクト等、固有の特性を有した複数種類の中継点を示すオブジェクトが用意されてもよい。
さらに、ゲームシステム1は、ユーザが中継点のオブジェクトに対応する位置を通過する度に、目的地に到達した際に付与される報酬(領土)とは別の報酬を、当該ユーザに付与してもよい。これは、目的地までの経路が長い場合に有用であり、目的地に到達する前にユーザの意欲(モチベーション)が低下してしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態に係るゲームシステム1は、ユーザによって任意に設定された経路が所定の地形を含む場合、当該経路を、当該所定の地形を避けるような経路に変更してもよい。換言すると、ゲームシステム1は、ユーザによって任意に設定された経路が所定の地形を横切るような経路であった場合、当該経路を、当該所定の地形を横切らないような経路に変更してもよい。なお、ここでの「所定の地形」とは、ユーザが歩いて移動することが困難な地形や、ユーザが歩いて移動した際に当該ユーザに危険が及ぶ可能性のある地形を指し、例えば、海、山、川、森、等である。
図11では、一例として、第3オブジェクト30aに対応する領土を獲得するための経路として、経路401Aがユーザによって設定された場合を想定している。この場合、経路401Aは所定の地形に相当する海を横切る経路のため、ゲームシステム1は、図11に示すように、当該経路401Aを、所定の地形に相当する海を横切らないような経路401Bに変更する。これによれば、本実施形態における位置情報ゲームをプレイする過程で、ユーザに危険が及んでしまうことを防ぐことができる。
図12は、サーバ装置20により予め用意された経路のうちの1つをユーザが指定することによって、報酬を獲得するための経路が設定される場合を説明するための図である。ユーザは、報酬として獲得したい領土に対応する第3オブジェクト30aを指定することによって、例えば図12に示すように、当該第3オブジェクト30aに対応する領土を獲得するための経路として、サーバ装置20により予め用意された少なくとも1つの経路(この場合、2つの経路401,402)を、マップ画面400に表示させることができる。ユーザは、マップ画面400に表示された経路のうちの1つを指定することによって、第3オブジェクト30aに対応する領土を獲得するための経路を設定することができる。
図12に示す経路401は、例えば、第3オブジェクト30aに対応する領土のみを報酬として獲得するための経路である。一方、図12に示す経路402は、例えば、第3オブジェクト30aに対応する領土に加えて、追加で報酬を獲得するための経路である。このように、サーバ装置20は、1つの第3オブジェクト30aに対応する領土を獲得するための経路として、複数の経路を予め用意してもよい。なお、ここでは、サーバ装置20が、獲得可能な報酬の量(あるいは、報酬の質)に応じた複数の経路を予め用意するものとしたが、これに限定されず、サーバ装置20は、例えば目的地への到達難易度に応じた複数の経路(例えば、初級者用の経路、上級者用の経路等)を予め用意してもよい。
ここで、ユーザからの要望として、遠隔地の領土を報酬として獲得したいといった要望が来ることが考えられる。なお、ここでの「遠隔地」とは、ユーザの現在の位置から所定の距離以上離れた位置を指すものとする。
このような要望に対応するために、本実施形態に係るゲームシステム1は、報酬として獲得したい領土に対応する第3オブジェクトとして、遠隔地の領土に対応する第3オブジェクトがユーザによって指定された場合に、当該遠隔地の領土を現地(つまり、遠隔地)で獲得するための経路に則した経路であって、ユーザの現在の位置から所定の範囲内の経路を生成し(つまり、ユーザの現在の位置から移動可能な経路を生成し)、当該生成された経路を、当該遠隔地の領土を獲得するための経路として設定可能にしてもよい。これによれば、ユーザは、現在の位置から所定の距離以上離れた遠隔地の領土を、当該遠隔地まで行かずに、当該現在の位置近辺に設定される経路を経由して移動することで獲得することができる。
なお、上記した遠隔地の領土を現地で獲得するための経路に則した経路は、例えば、当該遠隔地の領土を現地で獲得する際に設定される経路よりも距離の長い経路であることが望ましい。具体的には、遠隔地の領土を現地で獲得する際に設定される経路(遠隔地の経路)が、図12に示した経路401のような経路であった場合、当該遠隔地の経路に則した経路は、図12に示した経路402のように当該経路401よりも距離の長い経路であることが望ましい。あるいは、遠隔地の経路が図12に示した経路401のような経路であった場合、当該遠隔地の経路に則した経路は、当該経路401を複数回経由する(複数回周回する)ような経路であることが望ましい。
これによれば、遠隔地にいるユーザ(あるいは、遠隔地まで赴き領土を獲得しようとするユーザ)が、当該遠隔地まで行かずに当該遠隔地の領土を獲得しようとするユーザに対して抱き得る不公平感を緩和することができる。
ここで、本実施形態に係るゲームシステム1は、報酬を獲得するための経路の設定に関する機能として、経路検索機能を有していてもよい。経路検索機能は、例えば、報酬として獲得したい領土が位置する地域に関連したキーワードや条件がユーザによって入力された場合に、当該地域において獲得可能な領土と、当該領土を獲得するための経路とを検索して当該ユーザに提示する機能である。なお、検索を行ったユーザには、当該ユーザにより入力されたキーワードや条件に対応する地域において、まだ他のユーザによって獲得されていない領土と、当該領土を獲得するための経路とが、優先的に提示される態様が望ましい。また、検索を行ったユーザに対して、当該ユーザにより入力されたキーワードや条件に対応する地域において、既に他のユーザによって獲得されている領土が提示される場合には、当該領土を獲得するための経路として、後述する移転に関する条件を満たす経路が提示されてもよい。
上記したように、本実施形態における位置情報ゲームは、例えば、領土を奪い合う陣取りゲームの要素を含んでいてもよい。このため、本実施形態に係るゲームシステム1は、例えば、ある領土が第1ユーザに報酬として既に付与されている状態で、当該領土の移転に関する条件が他のユーザ(第2ユーザ)によって満たされた場合に、当該領土を第1ユーザから第2ユーザに移転させる処理を実行してもよい。具体的には、ゲームシステム1は、サーバ20によって管理されている第1ユーザに関するユーザデータから、報酬として付与されたある領土に関する情報を削除し、第2ユーザに関するユーザデータに、当該ある領土に関する情報を追加する(つまり、報酬として付与する)処理を実行してもよい。
第1ユーザに報酬として既に付与されている領土の移転に関する条件は、例えば、当該第1ユーザが当該領土を獲得するために経由した経路と同じ経路を経由して移動することであってもよい。あるいは、第1ユーザに報酬として既に付与されている領土の移転に関する条件は、例えば、当該第1ユーザが当該領土を獲得するために経由した経路と同じ経路を複数回経由して移動することであってもよい。さらに、第1ユーザに報酬として既に付与されている領土の移転に関する条件は、当該第1ユーザが当該領土を獲得するために経由した経路に則した経路であって、当該経路よりも距離の長い経路を経由して移動することであってもよい。
なお、第1ユーザが領土を獲得するために経由した経路に則した経路は、上記した遠隔地の経路に則した経路と同様に、例えば第1ユーザが領土を獲得するために経由した経路が図12に示した経路401のような経路であった場合、第1ユーザが領土を獲得するために経由した経路に則した経路は図12に示した経路402のような経路であることが望ましい。また、第1ユーザが領土を獲得するために経由した経路と、当該経路に則した経路とは、必ずしも同様な形状を有している必要はなく、当該経路に則した経路は、第1ユーザが領土を獲得するために経由した経路を少なくとも囲むような経路であれば任意の形状であって構わない。
なお、第1ユーザに報酬として既に付与されている領土の移転に関する条件は、当該領土が報酬として獲得された後の当該第1ユーザの行動によって動的に変化する条件であってもよい。例えば、第1ユーザに報酬として既に付与されている領土の移転に関する条件は、当該第1ユーザが当該領土を獲得するために経由した経路と同じ経路を当該第1ユーザよりも多い回数だけ経由して移動することであってもよい。
これによれば、第1ユーザは、報酬として領土を獲得した後に、当該領土を獲得するために経由した経路を移動した回数だけ、上記した条件を厳しくすることが可能であり、当該領土を第2ユーザに奪われにくくすることができる。なお、ゲームシステム1は、第1ユーザに報酬として既に付与されている領土の移転に関する条件が厳しくなるにつれて、当該領土に対応する第3オブジェクト(の見た目)を段階的に変化させてもよい。
本実施形態における位置情報ゲームにおいて、第1ユーザと第2ユーザとが共に所定の領土を獲得するための経路を移動している過程で、当該第1ユーザの位置と当該第2ユーザの位置とが重なった場合(つまり、第1ユーザに対応する第1オブジェクトと第2ユーザに対応する第1オブジェクトが遭遇した場合)、ゲームシステム1は、当該第1ユーザと当該第2ユーザとに所定のイベント(例えば、バトルイベント)を発生させてもよい。
この場合、ゲームシステム1は、所定のイベントの結果(つまり、勝敗)に応じた報酬を第1ユーザおよび第2ユーザに付与してもよい。この報酬は、例えば、上記した所定の領土を獲得するための経路の終点(目的地)に到達した際に、当該所定の領土を報酬として獲得するための権利であってもよい。あるいは、この報酬は、目的地に到達した際に付与される報酬(領土)とは別の報酬であって、例えば、ゲーム内で使用可能なアイテム等であってもよい。
上記では、第1ユーザと第2ユーザとが敵対関係にある場合について説明したが、以下では、第1ユーザと第2ユーザとが協力関係にある場合(つまり、第1ユーザと第2ユーザとがマルチプレイを行う場合)について説明する。
例えば、第1ユーザおよび第2ユーザが、獲得したい報酬として、図13に示す第3オブジェクト30aに対応する領土を指定し、当該指定された領土を獲得するための経路として、図13に示す経路403が設定された場合を想定する。この場合、第1ユーザおよび第2ユーザは、第3オブジェクト30aに対応する領土を獲得するための経路403を、2人で分担して移動してもよい。
具体的には、第1ユーザは、第2ユーザとマルチプレイを行うための設定を行った上で、獲得したい報酬として第3オブジェクト30aに対応する領土を指定し、当該指定された領土を獲得するための経路403のうちの半分に相当する経路403aを自身が移動する経路に設定して、当該経路403aを移動する。同様に、第2ユーザは、第1ユーザとマルチプレイを行うための設定を行った上で、獲得したい報酬として第3オブジェクト30aに対応する領土を指定し、当該指定された領土を獲得するための経路403のうちの半分に相当する経路403bを自身が移動する経路に設定して、当該経路403bを移動する。
ゲームシステム1は、第1ユーザが経路403aを移動した旨の情報(つまり、第1ユーザに対応する第1オブジェクト10aが経路403aの終点に到達した旨の情報)と、第2ユーザが経路403bを移動した旨の情報(つまり、第2ユーザに対応する第1オブジェクト10bが経路403bの終点に到達した旨の情報)とを取得した場合に、当該経路403a,403bを含む経路403に応じた報酬として、第3オブジェクト30aに対応する領土を第1ユーザおよび第2ユーザの双方に付与する。
なお、この場合、第3オブジェクト30aに対応する領土の半分が、第1ユーザおよび第2ユーザにそれぞれ付与されてもよい。あるいは、第3オブジェクト30aに対応する領土が、第1ユーザおよび第2ユーザによって共有される領土として、第1ユーザおよび第2ユーザに付与されてもよい。
ここでは、第1ユーザと第2ユーザの2人がマルチプレイを行う場合について説明したが、3人以上のユーザによってマルチプレイが行われてもよい。これによれば、1つの領土(報酬)を獲得するための1人あたりの移動量(移動距離)を少なくすることが可能である。また、このようなマルチプレイによれば、1人では獲得することが困難な広大な領土を報酬として獲得することも可能である。
また、ここでは、第1ユーザが移動する経路403aの距離と、第2ユーザが移動する経路403bの距離とが等しい場合を想定したが、経路403a,403bの距離は互いに異なっていてもよい。この場合、ゲームシステム1は、第1ユーザが移動した経路403aの距離と、第2ユーザが移動した経路403bの距離とに応じて、第1ユーザおよび第2ユーザに付与される報酬の内容を変化させたり、当該報酬の配分を変化させてもよい。
なお、目的地までの経路に応じてユーザに付与された報酬(領土)は、例えば一定期間毎に全てリセットされてもよい。あるいは、目的地までの経路に応じて所定のユーザに付与された報酬(領土)は、例えば当該所定のユーザが位置情報ゲームをプレイしていない期間が所定の期間を超えた場合にリセットされてもよい。
以上説明した本実施形態では、位置情報ゲームが陣取りゲームの要素を含み、ユーザに付与される報酬が領土であるものとしたが、これに限定されず、ユーザに付与される報酬は、例えば、位置情報ゲームにおいて発生する所定のイベントに関連した報酬であってもよい。
図14は、本実施形態における位置情報ゲームにおいて、ユーザに付与される報酬を説明するための図である。図14に示すマップ画面400には、ユーザの現在の位置に対応する第1オブジェクト10aと、所定のイベントの発生位置に対応する第4オブジェクト40aとが配置されている。なお、ここでは、所定のイベントの発生位置が、ユーザの目的地に設定されているものとする。
まず、ユーザが現実空間を移動することによって、当該ユーザに対応する第1オブジェクト10aが、図14に示す経路404を経由して、第4オブジェクト40aに対応する所定のイベントの発生位置に到達した場合を想定する。この場合、ゲームシステム1は、ユーザが所定のイベントの発生位置に到達するまでに経由した経路404に応じた報酬として、例えば、所定のイベントの難易度を下げるように変更する。
次に、ユーザが現実空間を移動することによって、当該ユーザに対応する第1オブジェクト10aが、図14に示す経路405を経由して、第4オブジェクト40aに対応する所定のイベントの発生位置に到達した場合を想定する。この場合、ゲームシステム1は、ユーザが所定のイベントの発生位置に到達するまでに経由した経路405に応じた報酬として、上記した経路404を経由した場合よりも、所定のイベントの難易度を下げるように変更する。
つまり、本実施形態に係るゲームシステム1は、所定のイベントの発生位置に到達するまでに経由した経路が、ユーザに負荷のかかる経路であるほど、当該イベントの難易度を下げるように変更してもよい。この場合、ゲームシステム1は、ユーザの位置(を示す位置情報)だけでなく、当該ユーザの移動に関する情報として、当該ユーザの移動速度や、当該ユーザの現在の位置に対応する地理情報(地形情報)をさらに取得してもよい。これによれば、ゲームシステム1は、所定のイベントの発生位置に到達するまでの経路がユーザに与える負荷を、詳細に特定することができる。
本実施形態において説明したユーザ(第1ユーザおよび第2ユーザ)の位置および目的地は、現実空間の位置や現実空間の位置に関連した仮想空間位置である場合を想定しているが、当該ユーザの位置および目的地は、緯度および経度を用いて絶対位置座標で表されてもよいし、所定の位置を基準とした相対位置座標で表されてもよい。さらに、ユーザの位置および目的地は、例えばメルカトル図法やモルワイデ図法等に基づく地図(マップ)上に規定された位置であってもよいし、他の座標体系に基づく位置であってもよい。
また、本実施形態においてはユーザ(第1ユーザおよび第2ユーザ)の位置が例えばGPSを利用して取得される場合を想定しているが、当該ユーザの位置は、所定の建物やオブジェクトを基準として特定される位置であってもよいし、各種センサ(赤外線センサまたはLiDAR等)で検出された位置であってもよい。さらに、ユーザの位置は、ユーザ端末10の通信可能範囲、通信強度、またはユーザ端末10と接続される基地局の位置等に基づいて特定される位置であってもよい。
さらに、本実施形態におけるユーザ(第1ユーザおよび第2ユーザ)の位置および目的地は、ゲームまたはメタバースを実現する位置座標の変異に関する情報等であってもよい。なお、この場合における仮想空間は、例えば複数のゲームまたはメタバースを跨いで構築されたものであってもよい。
また、本実施形態においては、ユーザ端末10がスマートフォンである場合を想定し、当該ユーザ端末10にはマップ画面(仮想空間)が表示され、当該マップ画面には当該ユーザ端末10のユーザに対応する第1オブジェクトや、当該ユーザの目的地に対応する第2オブジェクトが配置(表示)される場合について説明したが、これに限定されず、ユーザ端末10は、例えばウェアラブルグラスであっても構わない。この場合、ウェアラブルグラス(ユーザ端末10)を装着したユーザは、いわゆる3人称視点ではなく、1人称視点で現実空間と連動した仮想空間を視認するため、当該仮想空間には、当該ユーザに対応する第1オブジェクトが配置(表示)されなくても構わない。このような場合、ユーザ端末10は、当該ユーザ端末10(ウェアラブルグラス)を装着したユーザが例えば仮想空間に表示される目的地に対応する第2オブジェクトに近づいた際に、当該ユーザが当該目的地に到達したと判定し、当該目的地に到達するまでの経路に応じた報酬の付与を行うとしてもよい。
以上説明したように、本実施形態においては、現実空間におけるユーザの位置の変化に応じて仮想空間内を移動するオブジェクト(第1オブジェクト)が、仮想空間内の特定の位置(目的地)に到達した際に、当該特定の位置に到達するまでの経路に応じた報酬を当該ユーザに付与する。
本実施形態においては、上記した構成により、目的地に到達するまでの過程(例えば経路)に応じた報酬を付与することが可能である。
また、本実施形態に係るゲームシステム1は、所定の1つの報酬が第1ユーザに既に付与されている状態で、当該報酬の移転に関する条件が第2ユーザによって満たされた場合に、当該報酬を第1ユーザから第2ユーザに移転させる。これによれば、例えば陣取りゲーム等、1つの報酬を複数のユーザで奪い合う要素を含んだ位置情報ゲームを実現させることが可能である。
なお、本実施形態においては、第1ユーザに既に付与された報酬の移転に関する条件が、当該第1ユーザが当該報酬を獲得した際に経由した第1経路を移動すること、当該第1経路を複数回移動すること、当該第1経路に則した経路であって当該第1経路よりも距離の長い経路を移動すること、のうちの少なくとも1つを含む。つまり、第2ユーザが第1ユーザから報酬を奪うためには、当該第2ユーザは、少なくとも当該第1ユーザが当該報酬を獲得した際に経由した第1経路以上の距離を移動する必要がある。これによれば、1つの報酬を複数のユーザで奪い合う要素を含んだ位置情報ゲームであって、適度なゲームバランスの位置情報ゲームを実現させることが可能である。
また、本実施形態においては、第1ユーザに既に付与された報酬の移転に関する条件を、当該報酬が付与された後の当該第1ユーザの行動に応じて変化させることができる。これによれば、獲得した報酬を第2ユーザに奪われないようにするために歩く(行動する)といったモチベーションを第1ユーザに対して与えることができる。
以上説明した本実施形態においては、システム1がゲームシステムである場合について説明したが、これに限定されず、システム1は、ユーザの位置(を示す位置情報)に基づき当該ユーザに報酬を付与することを実現するように構成されるシステムであれば、任意のシステムであって構わない。
なお、本願発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組合せてもよい。
以下、本開示の内容を付記する。
<1>
コンピュータを、
現実空間におけるユーザの位置の変化に応じて仮想空間内を移動するオブジェクトが、前記仮想空間内の特定の位置に到達した際に、前記特定の位置に到達するまでの経路に応じた報酬を前記ユーザに付与する付与手段、
として機能させる、プログラム。
<2>
第1ユーザの位置と、前記第1ユーザとは異なる第2ユーザの位置とが、前記経路上で重なると、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザに所定のイベントを発生させる、
<1>に記載のプログラム。
<3>
前記付与手段は、
前記イベントの結果に応じた報酬を、前記第1ユーザおよび前記第2ユーザに付与する、
<2>に記載のプログラム。
<4>
前記付与手段は、
前記報酬が第1ユーザに既に付与されているときに、前記報酬の移転に関する条件が、前記第1ユーザとは異なる第2ユーザによって満たされると、前記報酬を前記第1ユーザから前記第2ユーザに移転させる、
<1>に記載のプログラム。
<5>
前記条件は、前記第1ユーザが前記報酬を獲得した際の第1経路を経由して、前記特定の位置に到達することを含む、
<4>に記載のプログラム。
<6>
前記条件は、前記第1経路に則した経路であって前記第1経路よりも距離の長い経路を経由して前記特定の位置に到達することを含む、
<5>に記載のプログラム。
<7>
前記条件は、前記第1経路を複数回経由して前記特定の位置に到達することを含む、
<6>に記載のプログラム。
<8>
前記条件は、前記報酬が付与された後の前記第1ユーザの行動に応じて変化する、
<4>~<7>のいずれかに記載のプログラム。
<9>
前記経路は、前記特定の位置と共に前記ユーザによって設定される、
<1>に記載のプログラム。
<10>
前記ユーザによって設定された経路が、所定の地形を含む際には、当該経路を、前記所定の地形を避けるような経路に変更する、
<9>に記載のプログラム。
<11>
前記経路は、前記報酬に応じて予め設定されている、
<1>に記載のプログラム。
<12>
前記ユーザの現在の位置から所定の距離以上離れた経路であって、前記報酬が設定されている第1経路を、前記ユーザの現在の位置から所定の範囲内の経路であって、前記報酬が設定された第2経路として設定可能にする、
<11>に記載のプログラム。
<13>
前記第2経路は、前記第1経路よりも距離の長い経路である、
<12>に記載のプログラム。
<14>
前記付与手段は、
第1ユーザと、前記第1ユーザとは異なる第2ユーザとの間に、所定の関係性が構築された状態で、前記第1ユーザに対応するオブジェクトと前記第2ユーザに対応するオブジェクトとがそれぞれ前記仮想空間内の特定の位置に到達すると、前記報酬を前記第1ユーザおよび前記第2ユーザに付与する、
<1>に記載のプログラム。
<15>
前記付与手段は、
前記経路が前記ユーザに与える負荷に応じた報酬を前記ユーザに付与する、
<1>に記載のプログラム。
<16>
前記負荷は、前記経路の距離、前記経路の地形、および、前記経路を移動した際の前記ユーザの移動速度のうちの少なくとも1つに基づき特定される、
<15>に記載のプログラム。
<17>
現実空間におけるユーザの位置の変化に応じて仮想空間内を移動するオブジェクトが、前記仮想空間内の特定の位置に到達した際に、前記特定の位置に到達するまでの経路に応じた報酬を前記ユーザに付与する付与手段、
を具備するシステム。
<18>
現実空間におけるユーザの位置の変化に応じて仮想空間内を移動するオブジェクトが、前記仮想空間内の特定の位置に到達した際に、前記特定の位置に到達するまでの経路に応じた報酬を前記ユーザに付与すること、
を具備する方法。
<19>
コンピュータを、
現実空間におけるユーザの位置の変化に応じて仮想空間内を移動するオブジェクトが、前記仮想空間内のイベントが発生する位置に到達すると、前記イベントが発生する位置に到達するまでの経路に応じて前記イベントに関連した報酬を変更する変更手段、
として機能させる、プログラム。
<20>
前記変更手段は、
前記イベントに関連した報酬として、前記イベントの難易度を変更する、
<19>に記載のプログラム。