JP7497416B2 - ポリエステルポリオールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエステルポリオールの製造方法に関し、特に最終的に生成されたポリエステルポリオールの耐加水分解性を向上させることができるポリエステルポリオールの製造方法に関する。
一般的なポリエステルポリオールは、化学構造中にエステル基を有するため、一定期間保管したり、空気と接触させたりすると、材料が吸湿して加水分解しやすくなり、材料の品質に影響を与える。又、一般的なポリエステルポリオールから製造される熱可塑性ポリウレタン樹脂の粘着テープをラミネート製品に適用すると、ポリエステルポリオールの分解により分子量の低下や黄変を起こしやすく、製品の寿命に影響を与える。
なお、従来技術では、一般的なポリエステルポリオールの調製プロセスにおいて、より高い合成温度とより長い縮合重合時間を必要とし、一般的なポリエステルポリオールは、より高い酸価を有するため、材料の色相は、高温で黄変を起こしやすい。熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造における前記材料の適用は、反応性が安定でないという欠点がある。又、熱可塑性ポリウレタン樹脂を靴材や布帛などのラミネート製品に使用すると、加水分解が起こりやすくなり、製品の寿命に影響を与える。
従って、本発明者は、前記欠陥を改善できると感じ、研究に専念し、科学的原理の適用と組み合わせ、最終的に合理的なデザインの発明を提案し、前記欠陥を効果的に改善し、耐加水分解性を向上させたポリエステルポリオール製法を提供する。
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の不足に対して、最終的に生成されたポリエステルポリオールの耐加水分解性を向上させることができるポリエステルポリオールの製造方法を提供する。
前記技術的課題を解決するために、本発明が採用する一つの技術的方案は、ポリエステルポリオールの製造方法を提供することである。前記ポリエステルポリオールの製造方法は、多塩基酸及びポリオールを含む原料反応物と、分子量が1000g/mol以上の高分子酸化防止剤である第1の酸化防止剤とを反応器に投入することと、続いて前記多塩基酸と前記ポリオールとを前記反応器にエステル化反応させてオリゴマーを形成させることと、前記反応器における前記オリゴマーを予備重合反応させて予備重合反応物を得ることを含む。前記予備重合反応のプロセスにおいて、前記方法は、前記予備重合反応物の酸価をサンプリング及びモニタリングすることを含み、前記予備重合反応物の前記酸価が第1の酸価に至った時に、前記方法は、エステル化反応触媒を前記予備重合反応物に添加して縮合重合反応を開始させると共に、ポリエステルポリオールを含む縮合重合反応物を生成させることを含み、前記第1の酸価は15mgKOH/gから35mgKOH/gの間であり、前記縮合重合反応のプロセスにおいて、前記方法は、前記縮合重合反応物の酸価をサンプリング及びモニタリングすることを含み、前記縮合重合反応物の前記酸価が第2の酸価に至った時に、前記縮合重合反応を停止し、前記第2の酸価は0.3mgKOH/g以下である。
好ましくは、さらに前記縮合重合反応物の前記酸価が前記第2の酸価に至った時に、加水分解防止剤及び第2の酸化防止剤を前記縮合重合反応物に添加することを更に含み、前記加水分解防止剤は単量体系加水分解防止剤又は重合体系加水分解防止剤であり、前記加水分解防止剤の添加量は前記縮合重合反応物の酸価当量の1倍から8倍の間であり、前記第2の酸化防止剤は分子量が1000g/mol以下の一般的な酸化防止剤であり、前記第2の酸化防止剤の添加量は50ppmから5000ppm(百万分の一の濃度)の間である。
好ましくは、前記エステル化反応は、第1の反応温度及び第1の反応圧力で、前記多塩基酸と前記ポリオールとをオリゴマー化反応させることであり、前記第1の反応温度は140℃から230℃の間であり、前記第1の反応圧力は740トルから780トルの間である。
好ましくは、前記予備重合反応は、前記反応器内を真空ポンプで吸引減圧することにより、前記反応器内のガス圧力が前記第1の反応圧力から第2の反応圧力に減圧し、前記予備重合反応が第2の反応温度に加熱される条件下で行われ、前記第2の反応温度は200℃から250℃の間であり、前記第2の反応圧力は20トルから70トルの間である。
好ましくは、前記反応器の内部には、前記多塩基酸及び前記ポリオールを撹拌するための撹拌機が設けられ、前記反応器の頂部が分離カラムと空間的に連通し、前記分離カラムの頂部には前記反応器の内部と連通する凝縮管が配置され、前記分離カラムの前記頂部温度を95℃から105℃の温度範囲に制御することにより、前記分離カラムで分離され、前記頂部から回流される分離物を前記温度範囲に制御することができる。
好ましくは、前記エステル化反応のエステル化率が80%から90%の間である場合、前記エステル化反応を終了させて、前記オリゴマーの調製を完了し、前記オリゴマーは、前記予備重合反応の次の段階に入る準備ができている。
好ましくは、前記縮合重合反応は、さらに5~30トルの間の脱アルコール圧力の下で、前記縮合重合反応物中の余分なポリオール反応単量体を除去するように前記縮合重合反応物に脱アルコール作業を行うことを含む。
好ましくは、前記加水分解防止剤及び前記第2の酸化防止剤は、前記縮合重合反応物を冷却温度まで降温させる条件下で添加され、前記冷却温度は、90℃から120℃の間である。
好ましくは、前記加水分解防止剤を前記縮合重合反応物に先に添加し、次いで前記第2の酸化防止剤を前記縮合重合反応物に添加する。好ましくは、前記加水分解防止剤は、炭素鎖長がC8~C18の長い炭素鎖で側鎖修飾された単量体系加水分解防止剤を含む。
本発明の有利な効果の一つは、本発明によって提供されるポリエステルポリオールの製造方法は、「多塩基酸及びポリオールを含む原料反応物と、分子量が1000g/mol以上の高分子酸化防止剤である第1の酸化防止剤とを反応器に投入し、続いて前記多塩基酸及び前記ポリオールを前記反応器にエステル化反応させてオリゴマーを形成させること、及び前記反応器における前記オリゴマーを予備重合反応させて予備重合反応物を得ることを含み、前記予備重合反応のプロセスにおいて、前記予備重合反応物の酸価をサンプリング及びモニタリングすることを含み、前記予備重合反応物の前記酸価が第1の酸価に至った時に、エステル化反応触媒を前記予備重合反応物に添加して縮合重合反応を開始させると共に、ポリエステルポリオールを含む縮合重合反応物を生成させることを含み、前記第1の酸価は15mgKOH/gから35mgKOH/gの間であり、前記縮合重合反応のプロセスにおいて、前記方法は、前記縮合重合反応物の酸価をサンプリング及びモニタリングすることを含み、前記縮合重合反応物の前記酸価が第2の酸価に至った時に、前記縮合重合反応を停止し、前記第2の酸価は0.3mgKOH/g以下である」という技術的方案によって、最終的に形成されたポリエステルポリオールの耐加水分解性を向上させ、分子量の低下と黄変を効果的に回避し、製品の寿命に影響を与える。
全体として、本発明によって提供されるポリエステルポリオールの製造方法は、原材料の配合を最適化し(加水分解防止剤及び酸化防止剤を添加することを含む)、プロセスパラメータを最適化することにより、低酸価、低色相、耐高温性、耐黄変性、耐加水分解性を有するポリエステルポリオールが生成された。本発明により製造されたポリエステルポリオールを利用して熱可塑性ポリウレタン樹脂を製造する場合、熱可塑性ポリウレタン樹脂の反応性を良好にすることができるため、該熱可塑性ポリウレタン樹脂は、貼り付け加工の製品(例えば、靴材料又は織物の貼り付け)、製品の耐久性を大幅に向上させることができる。
本発明の特徴と技術的内容をさらに理解するために、以下の本発明の詳細な説明と図面を参照するが、提供された図面は参照と説明のみを目的としており、本発明を限定するものではない。
本発明の実施例に係るポリエステルポリオールの製造方法のフローチャートである。
以下、本発明で開示する実施形態を具体例を挙げて説明するが、当業者は、本明細書で開示された内容から本発明の利点と効果を理解することができる。本発明は、他の異なる特定の実施例を通じて実施又は適用することができ、本明細書の様々な詳細は、本発明の概念から逸脱することなく、異なる観点及び用途に基づいて修正及び変更することもできる。又、本発明の図面は、模式的なもので、実際の大きさで描かれていないことが予め記載される。以下の実施形態は、本発明の関連する技術的内容をさらに詳細に説明するが、開示された内容は、本発明の保護範囲を限定することを意図するものではない。
「第1」、「第2」、及び「第3」などの用語は、本明細書では様々な要素又は信号を説明するために使用される場合があるが、これらの要素又は信号はこれらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は主に、ある素子を別の素子から、又はある信号を別の信号から区別するために使用される。又、本明細書で使用される「又は」という用語は、場合に応じて、関連する列挙項目のいずれか又は複数項目の組み合わせを含むべきである。
[ポリエステルポリオールの製造方法]
図1に示されるように、本発明の実施例は、ポリエステルポリオールの製造方法(method for producing polyester polyol)を提供する。前記ポリエステルポリオールの製造方法は、工程S110、工程S120、工程S130を含む。本発明の実施例で説明される様々な工程の順次及び実際の動作モードは、必要に応じて調整可能であり、本実施例で説明されるものに限定されないことに注意されたい。
本発明の実施例におけるポリエステルポリオールの製造方法は、各工程の前、間、又は後に追加の操作を提供することができ、記載された操作のいくつかは、方法の追加の実施形態を達成するために置換、除去、又は再配置され得る。
前記工程S110は、原料反応物を反応器に投入することを含む。ここで、前記原料反応物は、多塩基酸(polyacid)及びポリオール(polyol)を含む。
本発明の一つの実施形態において、前記多塩基酸は、アジピン酸(adipic acid)、テレフタル酸(terephthalic acid)、フタル酸(phthalic acid)、イソフタル酸(isophthalic acid)、セバシン酸(sebacic acid)、及び前記多塩基酸の誘導体からなる材料群から選ばれる少なくとも一つであってもよい。即ち、前記多塩基酸は、二塩基酸であることが好ましい。
本発明の一つの実施形態において、前記ポリオールは、エチレングリコール(ethylene glycol)、ジエチレングリコール(di-ethylene glycol)、トリエチレングリコール(tri-ethylene glycol)、1,3-プロパンジオール(1,3-propanediol)、2-メチル-1,3-プロパンジオール(2-methyl-1,3-propanediol)、1,4-ブタンジオール(1,4-butanediol)、ペンチレングリコール(pentylene glycol)、ネオペンチレングリコール(neopentyl glycol)、3-メチル-1,5-ペンチレングリコール(3-methyl-1,5-pentanediol)、ヘキシレングリコール(hexylene glycol)、1,4-シクロへキサンジメタノール(1,4-cyclo-hexane-dimethanol)、グリセロール(glycerol)、ペンタエリスリトール(2,2-bis(hydroxymethyl)1,3-propanediol)、ソルビトール(sorbitol)、及び上記ポリオールの誘導体からなる材料群から選ばれる少なくとも一つであってもよい。
前記工程S110は、さらに前記多塩基酸及びポリオールを反応器に投入してエステル化反応(esterification reaction)させて前記多塩基酸及びポリオールをオリゴマー(oligomer)にすることを含む。即ち、前記エステル化反応は、例えば、オリゴマー化反応であってもよい。なお、本明細書に記載の「オリゴマー化反応」とは、多塩基酸とポリオールとを予備重合させて二量体(dimer)、三量体(trimer)、及び/又は四量体(tetramer)などのオリゴマーを生成することを指す。
反応条件に関しては、前記エステル化反応は、例えば、前記多塩基酸とポリオールとを第1の反応温度及び第1の反応圧力の下で反応させてもよい。本発明の実施例において、前記第1の反応温度は、例えば、140℃から230℃の間であってもよく、前記第1の反応圧力は、例えば、大気圧(約740トル(torr)から780トル)であってもよいが、本発明はこれに限定されない。
本発明の一つの実施形態において、前記反応器内には、前記原料反応物中の多塩基酸及びポリオールを均一に撹拌するための撹拌機が設けられる。さらに、前記反応器の頂部が分離カラム(separation column)と空間的に連通する。前記分離カラムの頂部には、前記反応器内の流体(例えば、原料反応物又は反応生成物)と繋がる凝縮管が配置されている。このように、前記分離カラムの頂部から分離された物質(例えば、ポリオール)は、凝縮された後に反応器に回流されることにより、反応物の使用量を効果的に減少させることができる。
具体的には、前記多塩基酸とポリオールは、エステル化反応を起こし、エステル化反応の副生成物(水)が生成される。加水分解反応を避けるために、副生成物(水)は分離カラムを通して排出され、オリゴマー化反応への影響を避ける。又、ポリオールは、分離カラムを通過した後、凝縮されて反応器に回流され、多塩基酸とのエステル化反応(オリゴマー化反応)を継続する。
さらに、本発明の一つの実施形態において、最終的に生成されるポリエステルポリオールを低酸価にするために、前記分離カラムの頂部の温度を95℃~105℃に制御し、100℃~102℃の温度範囲内に制御することが好ましい。このように、分離カラムで分離され且つ頂部から回流される物質(例えば、ポリオール)を前記温度範囲内に制御することができる。それによって、分離カラムの頂部温度を前記温度範囲内に正確に制御することで、反応プロセス中のジオールの損失を効果的に減らすことができるため、アルコール/酸比を正確に制御することができ、ポリエステルポリオールの最終生成物の分子量や品質が保証されることができる。
本発明の一つの実施形態において、前記エステル化反応での多塩基酸及びポリオールのエステル化率(esterification rate)が80%から90%(好ましくは82%から85%の間である)である場合、前記エステル化反応を終了させて、前記オリゴマーの調製を完了し、前記オリゴマーは、次の段階の前記予備重合反応に入る準備ができている。特筆すべきことは、エステル化率を制御することにより、その後の縮合重合反応が効果的かつ迅速的に行われ、酸価とOH価とのバランスが保証され得る。説明すべきことは、本明細書におけるオリゴマーの「エステル化率」は、式(1)に従って酸価及びけん化価から計算されることができる。ここで、酸価は、オリゴマーをジメチルホルムアミドに溶解させて、0.1NのKOH/メタノール溶液で滴定して得るものである。けん化価は、0.5NのKOH/エタノール溶液でオリゴマーを加水分解させて0.5Nの塩酸で滴定して得るものである。
エステル化率(%)=((けん化価-酸価)/けん化価)*100 式(1)
本発明の一つの実施形態において、前記工程S110は、さらに第1の酸化防止剤を前記原料反応物に添加することを含む。ここで、前記第1の酸化防止剤は、高分子酸化防止剤(antioxidant polymer)である。前記高分子酸化防止剤の数平均分子量は、1000g/mol以上であり、1500g/molから2500g/molの間であることが好ましい。前記第1の酸化防止剤は、エステル化反応前の原料反応物に添加され、その添加量は50ppmから300ppmの間である。前記第1の酸化防止剤は、エステル化反応の反応性を安定させ、最終反応生成物(ポリエステルポリオール)の色相を向上させ、反応副生成物(水)の生成を減少させることができる。
材料の種類について、前記高分子酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤及びホスファイト系酸化防止剤からなる材料群から選ばれる少なくとも一つであってもよい。本発明の一つの実施形態において、単一又は二つの種類の上記高分子酸化防止剤を使用して特定の比率(例えば、ヒンダードフェノール/亜リン酸の比は5/1~1/1)で混合することができ、合計量は50ppm~300ppmである。
本発明の一つの実施形態において、前記原料反応物の中で、前記ポリオール中のアルコール基のモル数と多塩基酸中の酸基のモル数との比(アルコール/酸比)は、1.005から1.4の間であり、1.015から1.25の間であることが好ましい。
前記工程S120において、前記反応器におけるオリゴマーを予備重合反応させて(prepolymerization reaction)、予備重合反応物を得ることを含む。前記予備重合反応は、反応器内を真空ポンプで吸引減圧することにより、前記反応器内のガス圧力が前記第1の反応圧力(例えば、大気圧)から第2の反応圧力まで低下する。
本発明の一つの実施形態において、真空減圧後の前記第2の反応圧力は、20トルから70トルの間であり、20トルから50トルの間である(第1の反応圧力740トル~780トルよりも低い)ことが好ましい。前記予備重合反応が第2の反応温度に加熱される条件下で行われるが(第1の反応温度140~230℃よりも高い)、本発明はこれに限定されない。
なお、前記工程S120は、さらに前記予備重合反応のプロセスにおいて、前記予備重合反応物の酸価をサンプリング及びモニタリングし、前記予備重合反応物の前記酸価が第1の酸価に至った時に、エステル化反応触媒を前記予備重合反応物に添加して縮合重合反応を開始させると共に、縮合重合反応物を生成させることを含む。エステル化反応触媒の添加量は、0.01~0.05wt%である。
ここで、上記「縮合重合反応」とは、前記予備重合反応物を末端の酸基と末端のアルコール基とのエステル化反応により、さらに直列に結合される反応を指す。ここで、前記第1の酸価は、15mgKOH/gから35mgKOH/gの間であり、20mgKOH/gから30mgKOH/gの間であることが好ましい。第1の酸価でエステル化反応触媒を投入することによる技術的効果は、最終生成物の分子量、分子量分布、及び粘度が規制に準拠するように、OH値が妥当な範囲内にあることが保証されることができる。前記酸価範囲外で触媒を投入すると、反応が完了する前にジオールが留出し、最終生成物の酸価が高くなったり、酸価は合格であるがOH価が低くなることがある。説明すべきことは、本明細書における「酸価」は、油脂1グラムを中和するのに必要な水酸化カリウム(KOH)のミリグラム数を指す。酸価は、化合物(例えば、脂肪酸)又は混合物中の遊離カルボン酸基の数を評価する基準である。標準的な測定手順は、既知量のサンプルを有機溶媒に溶解し、フェノールフタレイン溶液を色指示薬として使用し、既知濃度の水酸化カリウム溶液で滴定することである。
さらに、前記エステル化反応触媒は、例えば、有機チタン触媒(organotitanium catalyst)又は有機スズ触媒(organotin catalyst)であってもよい。
より具体的には、前記有機チタン触媒は、例えば、テトラブチルチタン(tetrabutyl titanium)、テトラメチルチタネート(tetramethyl titanate)、テトラエチルチタネート(tetraethyl titanate)、テトラプロピルチタネート(tetrapropyl titanate)、テトライソプロピルチタネート(tetraisopropyl titanate)、及びテトラブチルチタネート(tetrabutyl titanate)中の少なくとも一つであってもよい。
なお、前記有機スズ触媒は、例えば、テトラブチルスズ(tetrabutyltin)、第一スズオクトアート(stannous octoate)、ジブチルスズオキサイド(di-n-butyltin oxide)及びモノブチルスズオキサイド(monobutyltin oxide)中の少なくとも一つであってもよい。
さらに、前記工程S120は、前記縮合重合反応のプロセスにおいて前記縮合重合反応物の酸価をサンプリング及びモニタリングし、前記縮合重合反応物の前記酸価が第2の酸価に至った時に、前記縮合重合反応を停止し、前記反応器の真空破れ及び前記縮合重合反応物の降温を行うことを含む。ここで、前記第2の酸価は、0.3mgKOH/g以下であり、0.1KOH/g以下であることが好ましい。それによって、ポリエステルポリオールの最終生成物は、良い耐加水分解性を有し、良い反応性を実現することができる。
本発明の一つの実施形態において、前記縮合重合反応は、さらに5トルから30トルの脱アルコール圧力の下で、前記縮合重合反応物中の余分なポリオール反応単量体を除去するように前記縮合重合反応物に脱アルコール作業を行うことを含むが、本発明はこれに限定されない。特筆すべきことは、本発明の実施形態において、前記工程S120で生成された前記縮合重合反応物は、縮合重合反応の主生成物であるポリエステルポリオール(polyester polyol)を主に含む。
前記縮合重合反応の継続時間は、ポリエステルポリオールの分子量と正の相関がある。本発明の一つの実施形態において、前記縮合重合反応の継続時間は、60分間から240分間の間であり、120分間から180分間の間であることが好ましい。前記ポリエステルポリオール生成物の数平均分子量は、600g/molから4000g/molの間であり、2000g/molから3500g/molの間であることが好ましいが、本発明はこれに限定されない。
前記工程S130は、前記縮合重合反応物の酸価が第2の酸価に至った時に、前記縮合重合反応物の酸価の上昇を抑止するために加水分解防止剤(anti-hydrolysis agent)及び第2の酸化防止剤(antioxidant)を前記縮合重合反応物に添加することを含む。
ここで、前記加水分解防止剤及び前記第2の酸化防止剤は、前記縮合重合反応物が冷却温度まで降温された条件で添加される。前記冷却温度は、90℃から120℃の間であり、100℃から120℃の間であることが好ましい。
本発明の一つの実施形態において、まず前記加水分解防止剤を前記縮合重合反応物に添加し、次いで前記第2の酸化防止剤を前記縮合重合反応物に添加する。
加水分解防止剤の材料種類について、前記加水分解防止剤は、例えば、単量体系加水分解防止剤及び重合体系加水分解防止剤の少なくとも一つであってもよい。例として、前記加水分解防止剤は、例えば、単量体系カルボジイミド系加水分解防止剤及び重合体系カルボジイミド系加水分解防止剤の少なくとも一つであってもよい。特筆すべきことは、前記カルボジイミド系加水分解防止剤は、ポリエステル分子鎖の末端カルボキシ基と反応して、副作用のないウレイド化合物を生成し、ポリエステル材料の末端カルボキシの含有量を減らし、ポリエステル加水分解反応の進行を緩和することにより、ポリエステル材料の総合的な性能と使用寿命を向上させることができる。本発明の一つの具体例において、前記加水分解防止剤は、ポリカルボジイミドポリウレタン加水分解防止剤(Stabaxol)であるが、本発明はこれに限定されない。
加水分解防止剤の添加量について、縮合重合反応物に添加される前記加水分解防止剤の添加量は、例えば、前記縮合重合反応物の酸価当量(即ち、第2の酸価の当量)の1倍から8倍の間であり、2倍から6倍の間であることが好ましい。例えば、本発明の一つの実施形態において、縮合重合反応物に添加される前記加水分解防止剤の添加量は、0.1wt%から2wt%の間であり、0.3wt%から0.8wt%の間であることが好ましいが、本発明はこれに限定されない。前記加水分解防止剤の添加量は、縮合重合反応物の酸価当量に基づいて適宜調整されてもよい。それによって、前記加水分解防止剤の添加量により、高温での酸価の経時安定性を確保することができ、製造されるポリエステルポリオールの酸価が低下し、長期の熱安定性が向上する。具体的な計算例では、酸価が0.3mgKOH/gであり、最終生成物100gあたりの必要添加量は、((0.3/1000×サンプル100g/56.1)×加水分解防止剤の分子量)×2倍、又は((0.3/1000×サンプル100g/56.1)×加水分解防止剤の分子量)×3倍である。
本発明の一つの実施形態において、前記加水分解防止剤は、例えば、炭素鎖長がC8~C18の長い炭素鎖を有する側鎖修飾を有する単量体系加水分解防止剤であることにより、最終的に生成されたポリエステルポリオールの耐熱性を向上させ、配合の長期安定性を向上させ、製品の物性保持率を向上させることができる。
酸化防止剤の材料種類について、前記第2の酸化防止剤は、一般的な酸化防止剤であり、即ち、1000g/mol以下(好ましくは800g/mol以下)の小分子量の酸化防止剤であるが、本発明はこれに限定されない。
特筆すべきは、前記本発明の実施形態において、第1の酸化防止剤及び第2の酸化防止剤を採用している。前記第1の酸化防止剤(高分子酸化防止剤)は、エステル化反応前の原料反応物に添加される。前記第1の酸化防止剤は、エステル化反応の反応性を安定させ、最終反応生成物(ポリエステルポリオール)の色相を向上させ、反応副生成物(水)の生成を減少させることができる。
なお、前記第2の酸化防止剤(一般的な酸化防止剤)は、縮合重合反応物の酸価が第2の酸価に達した後に加水分解防止剤を添加してから添加され、前記第2の酸化防止剤の添加は、ポリエステルポリオールに保存する中に材料の酸素化や着色を抑える。
酸化防止剤の添加量について、縮合重合反応物に添加される前記第2の酸化防止剤の添加量は、例えば50ppm(百万分の1の濃度)から5、000ppmの間である。本発明の一つの好ましい実施形態において、縮合重合反応物に添加される前記第2の酸化防止剤の添加量は、例えば500ppmから3、000ppmの間である。
さらに、本発明の一つの実施形態において、前記縮合重合反応物に前記加水分解防止剤及び第2の酸化防止剤を添加した後、1~2時間撹拌を継続することにより、加水分解防止剤及び第2の酸化防止剤を縮合重合反応物中のポリエステルポリオールと完全に混合して、最終反応生成物であるポリエステルポリオールの調製を完了することができる。
前記実施例で説明したポリエステルポリオールの製造方法によれば、最終的に生成されたポリエステルポリオールは、酸価が低く、前記ポリエステルポリオールの耐加水分解性が高く、反応性に優れた熱可塑性ポリウレタン樹脂(thermoplastic polyurethane resin、TPU resin)への適用に寄与する。
全体として、本発明によって提供されるポリエステルポリオールの製造方法は、原材料の配合を最適化し(加水分解防止剤及び酸化防止剤を添加することを含む)、プロセスのパラメータを最適化することにより、低酸価、低色相、耐高温性、耐黄変性、耐加水分解性を有するポリエステルポリオールが生成された。本発明により製造されたポリエステルポリオールを利用して熱可塑性ポリウレタン樹脂を製造する場合、熱可塑性ポリウレタン樹脂の反応性を良好にすることができるため、該熱可塑性ポリウレタン樹脂は、貼り付け加工の製品(例えば、靴材料又は織物の貼り付け)、製品の耐久性を大幅に向上させることができる。
[実験データと実験結果]
以下、本発明のポリエステルポリオールの製造方法の技術的効果を確認するために、実験データ及び実験結果と共に説明する。但し、以下の実施例及び比較例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明の保護範囲はこれらに限定されない。
実施例1:アジピン酸(多塩基酸)600g及び1,4―ブタンジオール(ポリオール)440gを含む原料反応物と、ホスファイト(高分子酸化防止剤、分子量は約3,000)である第1の酸化防止剤0.1gとを反応器に投入し、多塩基酸及びポリオールを反応器にエステル化反応させて(第1の反応温度が140℃~200℃に、第1の反応圧力が760トルに制御される)、オリゴマーを生成させ、オリゴマーを予備重合反応させて(第2の反応温度が200℃~220℃に、第2の反応圧力が20トル~50トルに制御される)予備重合反応物を得て、予備重合反応のプロセスにおいて、予備重合反応物の酸価をサンプリング及びモニタリングし、予備重合反応物の酸価が25KOH/g(第1の酸価)に至った時に、第一スズオクトアート(エステル化反応触媒)1.2gを予備重合反応物に添加して縮合重合反応させると共に、ポリエステルポリオールを含む縮合重合反応物を生成し、縮合重合反応のプロセスで、縮合重合反応物の酸価をサンプリング及びモニタリングし、縮合重合反応物の酸価が0.1KOH/g(第1の酸価)に至った時に、縮合重合反応を停止させ、カルボジイミド(加水分解防止剤)及びI1010(第2の酸化防止剤)を縮合重合反応物に順次添加し、加水分解防止剤の添加量は縮合重合反応物の酸価当量の2倍であり、第2の酸化防止剤の添加量は約3000ppmであった。最終的には実施例1のポリエステルポリオール生成物が得られた。又、実施例1における前記反応器の分離カラムの頂部温度は、反応中のジオールの損失を低減するように100℃~102℃の温度範囲に制御された。
実施例2:実施例1とほぼ同じであるが、実施例1との違いは、加水分解防止剤の添加量が縮合重合反応物の酸価当量の3倍であった。
実施例3:実施例1とほぼ同じであるが、実施例1との違いは、加水分解防止剤が高分子(重合体)の加水分解防止剤であり、その添加量が縮合重合反応物の酸価当量の2倍であった。
実施例4:実施例1とほぼ同じであるが、実施例1との違いは、原料反応物がアジピン酸(多塩基酸)600g及び1,4―ブタンジオール(ポリオール)480gを含み、第1の酸化防止剤(高分子酸化防止剤)の分子量調整が3000から2000に低下させ、第1の酸化防止剤の使用量が0.1gであった。加水分解防止剤の添加量は、縮合重合反応物の酸価当量の3倍であった。
実施例5:実施例1とほぼ同じであるが、実施例1との違いは、原料反応物が600グラムのアジピン酸(多塩基酸)及び1,4―ブタンジオール(ポリオール)512gを含み、第1の酸化防止剤(高分子酸化防止剤)の分子量調製が3000から2000に低下させ、第1の酸化防止剤の使用量が0.2gであった。加水分解防止剤の添加量は、縮合重合反応物の酸価当量の2倍であった。
比較例1:実施例1とほぼ同じであるが、実施例1との違いは、原料反応物がアジピン酸(多塩基酸)600g及び1,4―ブタンジオール(ポリオール)460gを含み、第1の酸化防止剤が低分子量のホスファイト(分子量は約600~800)であり、加水分解防止剤の添加量は、縮合重合反応物の酸価当量の4倍であった。反応器の分離カラムの頂部温度は106℃であった。説明すべきことは、比較例1で使用される酸化防止剤は、高分子酸化防止剤ではなく、一般的な低分子量のホスファイトであった。
比較例2:実施例1とほぼ同じであるが、実施例1との違いは、原料反応物は、アジピン酸(多塩基酸)600g及びの1,4―ブタンジオール(ポリオール)460gを含み、加水分解防止剤を添加しなかった。反応器の分離カラムの頂部温度は106℃であった。
次に、前記実施例及び比較例で調製したポリエステルポリオールについて、酸価、色相、耐加水分解性、耐高温性、耐黄変性の試験を行った。関わる試験方法を以下に説明し、関わる試験結果を表1に示す。
酸価:ASTM D974測量方法に従って試験され、単位はmgKOH/gであった。又、酸価は油脂1gを中和するのに必要な水酸化カリウム(KOH)のミリグラムを表す。
色相:色差計で試験され、GB/T 5698-2001の試験方法に従って試験され、測定値は0度から360度の間である。
耐加水分解性:サンプルを150℃のオーブンに7日間保存し、試料の酸価の変化率(%)を観察し、その値を記録する(低いほど良い)。
耐高温性:サンプルを150℃のオーブンに7日間保存し、オンライン色差計HunterLab STHT 0/30で色差変化率(%)を検出し、その値を記録する(低いほど良い)。
耐黄変性:サンプルを200℃のオーブンに7日間保存し、オンライン色差計HunterLab STHT 0/30で色差変化率(%)を検出し、その値を記録する(低いほど良い)。
Figure 0007497416000001
前記実験結果によれば、比較例1~2と比較して、実施例1~5は酸価及び色相が相対的に低く、耐加水分解性、耐高温性及び耐黄変性に優れている。その中で、実施例1~5では、加水分解防止剤が添加され、高温は酸価の安定性に寄与するため、耐加水分解性は明らかに改善され、耐高温性も酸価の安定性のために効果的に改善されることができる。実施例3は、重合体系加水分解防止剤の添加が、他の実施例と比較して特定の物理的特性を依然として維持できることを証明している。ポリエステルポリオールは分子量が低く、耐加水分解性が比較的低く、構造的要因により耐高温性が低いため、加水分解防止剤を添加することで改善できる。高分子のリン系酸化防止剤は、親水性が低いため耐水性が高く、添加量を増やすことで耐黄変性も向上する。
[実施例の有益効果]
本発明の有利な効果の一つは、本発明によって提供されるポリエステルポリオールの製造方法は、「多塩基酸及びポリオールを含む原料反応物と、分子量が1000g/mol以上の高分子酸化防止剤である第1の酸化防止剤とを反応器に投入し、続いて前記多塩基酸及び前記ポリオールを前記反応器にエステル化反応させてオリゴマーを形成させること、及び前記反応器における前記オリゴマーを予備重合反応させて予備重合反応物を得ることを含み、前記予備重合反応のプロセスにおいて、前記予備重合反応物の酸価をサンプリング及びモニタリングすることを含み、前記予備重合反応物の前記酸価が第1の酸価に至った時に、エステル化反応触媒を前記予備重合反応物に添加して縮合重合反応を開始させると共に、ポリエステルポリオールを含む縮合重合反応物を生成させることを含み、前記第1の酸価は15mgKOH/gから35mgKOH/gの間であり、前記縮合重合反応のプロセスにおいて、前記縮合重合反応物の酸価をサンプリング及びモニタリングすることを含み、前記縮合重合反応物の前記酸価が第2の酸価に至った時に、前記縮合重合反応を停止し、前記第2の酸価は0.3mgKOH/g以下である」という技術的方案によって、最終的に形成されたポリエステルポリオールの耐加水分解性を向上させ、分子量の低下と黄変を効果的に回避し、製品の寿命に影響を与える。全体として、本発明によって提供されるポリエステルポリオールの製造方法は、原材料の配合を最適化し(加水分解防止剤及び酸化防止剤を添加することを含む)、プロセスパラメータを最適化することにより、低酸価、低色相、耐高温性、耐黄変性、耐加水分解性を有するポリエステルポリオールが生成された。本発明により製造されたポリエステルポリオールを利用して熱可塑性ポリウレタン樹脂を製造する場合、熱可塑性ポリウレタン樹脂の反応性を良好にすることができるため、該熱可塑性ポリウレタン樹脂は、貼り付け加工の製品(例えば、靴材料又は織物の貼り付け)、製品の耐久性を大幅に向上させることができる。
以上に開示された内容は、本発明の実施可能な好ましい実施例に過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の説明及び図面の内容を用いてなされた均等な技術的変更はすべて本発明の特許請求の範囲内に含まれる。

Claims (10)

  1. 多塩基酸及びポリオールを含む原料反応物と、分子量が1000g/mol以上の高分子酸化防止剤である第1の酸化防止剤とを反応器に投入することと、
    続いて前記多塩基酸と前記ポリオールとを前記反応器にエステル化反応させてオリゴマーを形成させることと、
    前記反応器における前記オリゴマーを予備重合反応させて予備重合反応物を得ることと、を含むポリエステルポリオールの製造方法であって、
    前記予備重合反応のプロセスにおいて、前記予備重合反応物の酸価をサンプリング及びモニタリングすることを含み、前記予備重合反応物の前記酸価が第1の酸価に至った時に、エステル化反応触媒を前記予備重合反応物に添加して縮合重合反応を開始させると共に、ポリエステルポリオールを含む縮合重合反応物を生成させ、前記第1の酸価は15mgKOH/gから35mgKOH/gの間であり、
    前記縮合重合反応のプロセスにおいて、前記縮合重合反応物の酸価をサンプリング及びモニタリングすることを含み、前記縮合重合反応物の前記酸価が第2の酸価に至った時に、前記縮合重合反応を停止し、前記第2の酸価は0.3mgKOH/g以下であり、
    前記縮合重合反応物の前記酸価が前記第2の酸価に至った後に、加水分解防止剤を前記縮合重合反応物に添加することを更に含み、
    前記高分子酸化防止剤は、ホスファイト系酸化防止剤であることを特徴とする、
    ポリエステルポリオールの製造方法。
  2. 前記縮合重合反応物の前記酸価が前記第2の酸価に至った後に、第2の酸化防止剤を前記縮合重合反応物に添加することを更に含み、
    前記加水分解防止剤は単量体系加水分解防止剤又は重合体系加水分解防止剤であり、前記加水分解防止剤の添加量は前記縮合重合反応物の酸価当量の1倍から8倍の間であり、
    前記第2の酸化防止剤は分子量が1000g/mol以下の一般的な酸化防止剤であり、前記第2の酸化防止剤の添加量は50ppmから5000ppmの間である、請求項1に記載のポリエステルポリオールの製造方法。
  3. 前記エステル化反応は、第1の反応温度及び第1の反応圧力で、前記多塩基酸と前記ポリオールとをオリゴマー化反応させることであり、
    前記第1の反応温度は140℃から230℃の間であり、前記第1の反応圧力は740トルから780トルの間である、請求項1に記載のポリエステルポリオールの製造方法。
  4. 前記予備重合反応は、前記反応器内を真空ポンプで吸引減圧することにより、前記反応器におけるガス圧力が前記第1の反応圧力から第2の反応圧力に減圧され、前記予備重合反応が第2の反応温度に加熱される条件下で行われ、
    前記第2の反応温度は200℃から250℃の間であり、前記第2の反応圧力は20トルから70トルの間である、請求項3に記載のポリエステルポリオールの製造方法。
  5. 前記反応器の内部には、前記多塩基酸及び前記ポリオールを撹拌するための撹拌機が設けられ、前記反応器の頂部が分離カラムと空間的に連通し、前記分離カラムの頂部には前記反応器の内部と連通する凝縮管が配置され、前記分離カラムの前記頂部の温度を95℃から105℃の温度範囲に制御することにより、前記分離カラムで分離され、前記頂部から回流される分離物を前記温度範囲に制御することができる、請求項1に記載のポリエステルポリオールの製造方法。
  6. 前記エステル化反応のエステル化率が80%から90%の間である場合、前記エステル化反応を終了させて、前記オリゴマーの調製を完了することを特徴とする、請求項1に記載のポリエステルポリオールの製造方法。
  7. 前記縮合重合反応は、さらに5~30トルの間の脱アルコール圧力の下で、前記縮合重合反応物中の余分なポリオール反応単量体を除去するように前記縮合重合反応物に脱アルコール作業を行うことを含む、請求項2に記載のポリエステルポリオールの製造方法。
  8. 前記加水分解防止剤及び前記第2の酸化防止剤は、前記縮合重合反応物を冷却温度まで降温させる条件で添加され、前記冷却温度は、90℃から120℃の間である、請求項2に記載のポリエステルポリオールの製造方法。
  9. 前記加水分解防止剤を前記縮合重合反応物に先に添加し、次いで前記第2の酸化防止剤を前記縮合重合反応物に添加する、請求項2に記載のポリエステルポリオールの製造方法。
  10. 前記加水分解防止剤は、炭素鎖長がC8~C18の長い炭素鎖で側鎖修飾された単量体系加水分解防止剤を含む、請求項2に記載のポリエステルポリオールの製造方法。
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