JP7495642B2 - 圧延制御装置、圧延制御方法、およびプログラム - Google Patents

圧延制御装置、圧延制御方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、圧延制御装置、圧延制御方法、およびプログラムに関し、特に、調質圧延機の動作を制御するために用いて好適なものである。本願は、2020年11月4日に日本に出願された特願2020-184290号に基づき優先権を主張し、その内容を全てここに援用する。
冷間圧延鋼板の連続処理ラインにおいては、先行する鋼板の尾端と後行する鋼板の先端とが溶接される。溶接によって接合された複数の鋼板に対して、連続的な焼鈍処理と、連続的な調質圧延と、が行われる。その際、調質圧延機における圧延荷重に基づいて鋼板の伸び率を制御することが行われる。このような制御において、鋼板の溶接箇所が調質圧延機を通過する直前に、調質圧延機による圧延が中断(ミル開放)された状態または調質圧延機が軽圧下の状態になった後、さらに鋼板の溶接箇所が調質圧延機を通過した後に、前述した圧延荷重に基づく制御が再開される。この場合、圧延荷重に基づく鋼板の伸び率の制御の再開後、鋼板の伸び率が短時間に目標値になることが望まれる。
特許文献1には、以下の技術が開示されている。まず、鋼板の伸び率の実績値の目標値に対する偏差が大きい場合、プリセットされた圧延荷重を補正するための圧延荷重の補正量が導出される。圧延荷重の補正量は、調質圧延機の圧延荷重の実績値がプリセットされた圧延荷重になる前のタイミングにおける塑性係数および入側板厚に基づいて導出される。そして、調質圧延機は、調質圧延機の圧延荷重が、プリセットされた圧延荷重に補正量を加算した圧延荷重になるように鋼板を圧下する。
特開2002-282922号公報
久保岳明、小坂晃義著、「鉄鋼プラントにおける計算機制御システム」、日立評論、VOL.58、No.6、1976年6月
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、調質圧延機の圧延荷重の実績値がプリセットされた圧延荷重になる前のタイミングにおける鋼板の塑性係数を推定する。従って、補正後の圧延荷重になるように調質圧延機が鋼板を圧下しているタイミングでの鋼板の塑性係数と、推定された鋼板の塑性係数と、に乖離がある場合、補正後の圧延荷重になるように調質圧延機が鋼板を圧下したとしても所望の伸び率は達成されない。特に、推定された鋼板の塑性係数が実際の塑性係数に比較して過大の場合に圧延荷重が補正後の圧延荷重になるように調質圧延機が鋼板を圧下すると、圧下量が過大となる。これにより、鋼板の伸び率が目標値に対して過大になる。このため、鋼板の伸び率が短時間で目標値または目標値付近に収束しない虞がある。また、塑性係数が圧下率(伸び率)の変化に応じて大きく変化する鋼板では、前述した塑性係数の乖離が大きくなる。このため、このような鋼板に対して特許文献1に記載の技術を適用すると、鋼板の伸び率を目標値または目標値付近に収束させるのに要する時間が却って長くなる虞がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、鋼板の伸び率を目標値または目標値付近に収束させるのに要する時間を短くすることを目的とする。
本発明の圧延制御装置は、圧延を中断している状態または軽圧下の状態で金属板の溶接箇所が調質圧延機を通過した後に前記金属板の伸び率を目標値または目標範囲内にするためにプリセット荷重の値を導出し、当該プリセット荷重の値に基づく圧下指令を出力する圧延制御装置であって、第1のタイミングから第2のタイミングまでの第1の期間における操業実績値に基づいて、前記プリセット荷重の更新値を導出する第1のプリセット荷重更新手段と、前記第1の期間における前記金属板の塑性係数と、前記第2のタイミングから第3のタイミングまでの第2の期間における前記金属板の塑性係数と、の差の評価指標を導出する評価指標導出手段と、前記評価指標導出手段により導出された前記評価指標に基づいて、前記第1のプリセット荷重更新手段により導出された前記プリセット荷重の更新値を再更新する必要があるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記第1のプリセット荷重更新手段により導出された前記プリセット荷重の更新値を再更新する必要があると判定されると、前記第2の期間における操業実績値に基づいて、前記プリセット荷重の再更新値を導出する第2のプリセット荷重更新手段と、を有し、前記プリセット荷重は、前記調質圧延機の目標圧延荷重としてプリセットされる圧延荷重であり、前記第1のタイミングは、前記調質圧延機における圧延荷重の測定値が前記プリセット荷重になるタイミングよりも前のタイミングであり、前記第2のタイミングは、前記調質圧延機における圧延荷重の測定値が前記プリセット荷重になったタイミングであり、前記第3のタイミングは、前記調質圧延機における圧延荷重の測定値が前記第1のプリセット荷重更新手段により導出された前記プリセット荷重の更新値になる前のタイミングであることを特徴とする。
本発明の圧延制御方法は、圧延を中断している状態または軽圧下の状態で金属板の溶接箇所が調質圧延機を通過した後に前記金属板の伸び率を目標値または目標範囲内にするためにプリセット荷重の値を導出し、当該プリセット荷重の値に基づく圧下指令を出力する圧延制御方法であって、第1のタイミングから第2のタイミングまでの第1の期間における操業実績値に基づいて、前記プリセット荷重の更新値を導出する第1のプリセット荷重更新工程と、前記第1の期間における前記金属板の塑性係数と、前記第2のタイミングから第3のタイミングまでの第2の期間における前記金属板の塑性係数と、の差の評価指標を導出する評価指標導出工程と、前記評価指標導出工程により導出された前記評価指標に基づいて、前記第1のプリセット荷重更新工程により導出された前記プリセット荷重の更新値を再更新する必要があるか否かを判定する判定工程と、前記判定工程により、前記第1のプリセット荷重更新工程により導出された前記プリセット荷重の更新値を再更新する必要があると判定されると、前記第2の期間における操業実績値に基づいて、前記プリセット荷重の再更新値を導出する第2のプリセット荷重更新工程と、を有し、前記プリセット荷重は、前記調質圧延機の目標圧延荷重としてプリセットされる圧延荷重であり、前記第1のタイミングは、前記調質圧延機における圧延荷重の測定値が前記プリセット荷重になるタイミングよりも前のタイミングであり、前記第2のタイミングは、前記調質圧延機における圧延荷重の測定値が前記プリセット荷重になったタイミングであり、前記第3のタイミングは、前記調質圧延機における圧延荷重の測定値が前記第1のプリセット荷重更新工程により導出された前記プリセット荷重の更新値になる前のタイミングであることを特徴とする。
本発明のプログラムは、圧延を中断している状態または軽圧下の状態で金属板の溶接箇所が調質圧延機を通過した後に前記金属板の伸び率を目標値または目標範囲内にするためにプリセット荷重の値を導出し、当該プリセット荷重の値に基づく圧下指令を出力するための処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、第1のタイミングから第2のタイミングまでの第1の期間における操業実績値に基づいて、前記プリセット荷重の更新値を導出する第1のプリセット荷重更新工程と、前記第1の期間における前記金属板の塑性係数と、前記第2のタイミングから第3のタイミングまでの第2の期間における前記金属板の塑性係数と、の差の評価指標を導出する評価指標導出工程と、前記評価指標導出工程により導出された前記評価指標に基づいて、前記第1のプリセット荷重更新工程により導出された前記プリセット荷重の更新値を再更新する必要があるか否かを判定する判定工程と、前記判定工程により、前記第1のプリセット荷重更新工程により導出された前記プリセット荷重の更新値を再更新する必要があると判定されると、前記第2の期間における操業実績値に基づいて、前記プリセット荷重の再更新値を導出する第2のプリセット荷重更新工程と、をコンピュータに実行させ、前記プリセット荷重は、前記調質圧延機の目標圧延荷重としてプリセットされる圧延荷重であり、前記第1のタイミングは、前記調質圧延機における圧延荷重の測定値が前記プリセット荷重になるタイミングよりも前のタイミングであり、前記第2のタイミングは、前記調質圧延機における圧延荷重の測定値が前記プリセット荷重になったタイミングであり、前記第3のタイミングは、前記調質圧延機における圧延荷重の測定値が前記第1のプリセット荷重更新工程により導出された前記プリセット荷重の更新値になる前のタイミングであることを特徴とする。
図1は、調質圧延設備の一例を示す図である。 図2は、調質圧延の概要の一例を示す図である。 図3は、特許文献1に記載の技術の課題を説明する図である。 図4は、圧延制御装置の機能的な構成の第1の例を示す図である。 図5Aは、圧延制御方法の一例を説明するフローチャートである。 図5Bは、図5Aに続くフローチャートの第1の例を示す図である。 図6は、圧延制御装置の処理の一例を概念的に説明する図である。 図7は、圧延制御装置の機能的な構成の第2の例を示す図である。 図8は、図5Aに続くフローチャートの第2の例を示す図である。 図9は、圧延荷重と伸び率の数値シミュレーションの結果を示す図である。 図10は、圧延制御装置のハードウェアの構成の一例を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
尚、長さ、位置、大きさ、間隔等、比較対象が同じであることは、厳密に同じである場合の他、発明の主旨を逸脱しない範囲で異なるもの(例えば、設計時に定められる公差の範囲内で異なるもの)も含むものとする。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態を説明する。
<調質圧延設備の構成>
図1は、調質圧延設備(圧延システム)の一例を示す図である。
調質圧延機1は、金属板の一例である鋼板Mを調質圧延する。調質圧延機1は、例えば、一対のワークロールと、一対のバックアップロールと、を有する。
圧下位置制御装置2は、圧延制御装置10からの圧下指令に基づいて、調質圧延機1の圧下位置を制御する。
ロードセル3は、調質圧延機1の荷重(所謂圧延荷重)を測定する。
入側張力計4aは、鋼板Mの入側張力を測定する。鋼板Mの入側張力は、調質圧延機1の入側における鋼板Mの張力である。
出側張力計4bは、調質圧延機1の出側張力を測定する。鋼板Mの出側張力は、調質圧延機1の出側における鋼板Mの張力である。
入側ブライドルロール5aは、上流側から搬送される鋼板Mの搬送方向を規制することにより、鋼板Mを調質圧延機1の方向へ搬送するためのロールである。
出側ブライドルロール5bは、調質圧延機1で調質圧延された鋼板Mの搬送方向を規制することにより、鋼板Mを下流側に搬送するためのロールである。
電動機6a~6dは、入側ブライドルロール5aを回転させるための電動機である。電動機6a、6b、6c、6dと、入側ブライドルロール5aの各ロールと、の間には、減速機7a、7b、7c、7dが配置される。電動機6a~6dには、パルスジェネレータが取り付けられている。パルスジェネレータは、電動機6a~6dの回転に応じてパルス信号を発生する。本実施形態では、当該パルスジェネレータから発生するパルス信号に基づいて、鋼板Mの入側速度Vが測定される場合を例示する。鋼板Mの入側速度Vは、調質圧延機1の入側における鋼板Mの速度である。ただし、鋼板Mの入側速度Vは、板速計により測定されてもよい。
電動機6eは、調質圧延機1のワークロールを回転させるための電動機である。電動機6eと、調質圧延機1のワークロールと、の間には、減速機7eが配置される。電動機6eには、パルスジェネレータが取り付けられている。
電動機6f~6iは、出側ブライドルロール5bを回転させるための電動機である。電動機6f、6g、6h、6iと、出側ブライドルロール5bの各ロールと、の間には、減速機7f、7g、7h、7iが配置される。電動機6f~6iには、パルスジェネレータが取り付けられている。本実施形態では、当該パルスジェネレータから発生するパルス信号に基づいて、鋼板Mの出側速度Vが測定される場合を例示する。鋼板Mの出側速度Vは、調質圧延機1の出側における鋼板Mの速度である。ただし、鋼板Mの出側速度Vは、板速計により測定されてもよい。
速度制御装置8a、8b、8c、8dは、それぞれ、電動機6a、6b、6c、6dの回転速度を制御する。速度制御装置8a、8b、8c、8dは、例えば、電動機6a、6b、6c、6dの回転速度が、鋼板Mの入側速度Vの設定速度に対応する速度なるように、電動機6a、6b、6c、6dの回転速度を制御する。
速度制御装置8eは、張力制御装置9aから出力された速度指令に基づいて、電動機6eの回転速度を制御する。
速度制御装置8f、8g、8h、8iは、それぞれ、張力制御装置9bから出力された速度指令に基づいて、電動機6f、6g、6h、6iの回転速度を制御する。
尚、速度制御装置8a~8iは、ASR(Automatic Speed Regulator)と称される。
張力制御装置9aは、入側張力計4aで測定された鋼板Mの入側張力に基づいて、調質圧延機1のワークロールに対する速度指令を出力する。張力制御装置9aは、例えば、入側張力計4aで測定された鋼板Mの入側張力が目標張力になるようにフィードバック制御を行うことにより調質圧延機1のワークロールに対する速度指令を導出して出力する。
張力制御装置9bは、出側張力計4bで測定された鋼板Mの出側張力に基づいて、出側ブライドルロール5bに対する速度指令を出力する。張力制御装置9bは、例えば、出側張力計4bで測定された鋼板Mの出側張力が目標張力になるようにフィードバック制御を行うことにより出側ブライドルロール5bに対する速度指令を導出して出力する。尚、図1では、表記の都合上、張力制御装置9bから速度制御装置8iに向かう矢印線のみを示す。しかしながら、張力制御装置9bから速度制御装置8f~8hにも出側ブライドルロール5bに対する速度指令が出力される。張力制御装置9bは、例えば、速度制御装置8f~8iに対して、同じ速度指令を出力する。同じ速度指令とは、同じ速度で電動機6f~6iを回転させることを示す指令である。
張力制御装置9a~9bは、ATR(Automatic Tension Regulator)と称される。
圧延制御装置10は、鋼板Mの入側速度Vおよび出側速度Vに基づいて、鋼板Mの伸び率が目標値になるようにフィードバック制御を行うことにより圧下指令を生成して出力する。また、圧延制御装置10は、鋼板Mの溶接箇所WPが調質圧延機1の近くにある場合には、ロードセル3で測定された圧延荷重に基づいて、圧下指令を生成して出力する。圧下指令には、圧延荷重の指令値が含まれる。尚、図1では、表記の都合上、電動機6a、6iから圧延制御装置10に向かう矢印線のみを示す。しかしながら、電動機6b~6d、6f~6hに取り付けられているパルスジェネレータから圧延制御装置10にも、当該パルスジェネレータから発生するパルス信号の情報は出力される。
圧延制御装置10による制御は、AEC(Auto Elongation Control)と称される。AEC自体は、非特許文献1に記載されているように公知の技術である。ただし、AECを行うための具体的な処理は、非特許文献1に記載されている処理と異なる。
また、特許文献1等に記載されているように、調質圧延設備自体は公知の技術で実現される。従って、調質圧延設備自体は、図1に示すものに限定されない。
<調質圧延の概要>
図2は、調質圧延の概要の一例を示す図である。
図2の一番上の図は、鋼板Mの溶接箇所WPの各時刻における位置を示す。即ち、図2の一番上の図では1つの溶接箇所WPが、時間の経過と共に移動する様子を示す。図2の一番上の図に示す複数の溶接箇所WPは同じ溶接箇所である。図2の真ん中のグラフは、圧延荷重と時間との関係を示すグラフである。図2の一番下のグラフは、鋼板Mの伸び率と時間との関係を示すグラフである。タイミングt~tに付している破線は、当該タイミングt~tにおいて溶接箇所WPが一番上の図の位置にあるときの圧延荷重、伸び率が、それぞれ、真ん中のグラフ、一番下のグラフの当該破線と交差する点の値であることを示す。
調質圧延設備では、複数のコイル(コイル状の鋼板)を連続して調質圧延するために、先行するコイルの尾端と後行するコイルの先端とが溶接される。このようにして溶接される箇所が溶接箇所WPである。溶接箇所WPを含む領域は、製品としては使用されない。また、調質圧延機1が鋼板Mの他の領域と同様にして溶接箇所WPを調質圧延すると、圧延ロールに傷が形成されたり、溶接箇所WPでコイルが破断したりする等の不都合がある。
そこで、図2に示すように、調質圧延機1の入側の所定の位置に溶接箇所WPが到達したタイミングtにおいて、圧延制御装置10は、鋼板Mの入側速度Vおよび出側速度Vに基づくフィードバック制御を停止する。これにより、溶接箇所WPが調質圧延機1に到達する前に圧延荷重が所定値まで低下する。従って、調質圧延機1は軽圧下の状態になる(図2では、圧延荷重が所定値になったタイミングをtとする)。尚、軽圧下の状態とは、調質圧延機1の圧延荷重が、0(ゼロ)を上回り、鋼板Mの伸び率を制御しているときの圧延荷重を下回る状態であることをいう。軽圧下の状態は、鋼板Mの伸び率が変わらない状態で調質圧延機1のワークロールが、溶接箇所WPおよび溶接箇所WPの近辺の領域に接触する状態であるのが好ましい。また、調質圧延機1を軽圧下の状態にすることに代えて調質圧延機1による圧延を中断した状態(所謂ミル開放の状態)としてもよい。調質圧延機1による圧延を中断するとは、調質圧延機1の圧延荷重を0(ゼロ)にすることである。このように、溶接箇所WPは、鋼板Mの伸び率を制御しているときの圧延荷重よりも圧延荷重が小さい状態で調質圧延機1を通過する。
そして、溶接箇所WPが調質圧延機1の出側の所定の位置に到達すると、圧延制御装置10は、鋼板Mの圧延荷重がプリセットされた荷重値になるように調質圧延機1の圧下位置を制御する。即ち、圧延制御装置10は、プリセットされた荷重値を目標圧延荷重として調質圧延機1の圧下位置を制御する。このとき、例えば、調質圧延機1は、最大荷重で鋼板Mを圧下することと、単位時間当たりの圧延荷重が一定となるように鋼板Mを圧下することと、を含む動作を行う。以下の説明では、プリセットされた荷重値を、必要に応じてプリセット荷重値と称する。尚、プリセット荷重値の初期値は、セットアップ計算の結果に基づいて鋼板Mの調質圧延が開始される前に予め設定される。以下の説明では、プリセット荷重値の初期値を、必要に応じて初期プリセット荷重値と称する。セットアップ計算では、鋼板Mの伸び率が目標値になるように調質圧延設備に対して各種の設定を行うために必要な計算が実行される。尚、セットアップ計算自体は、既存の調質圧延設備で実行されているもので実現される。従って、ここでは、セットアップ計算の詳細な説明を省略する。
図2では、溶接箇所WPが調質圧延機1の出側の所定の位置に到達したタイミングをtとする。その後、タイミングtを経て、タイミングtにおいて、鋼板Mの伸び率eが目標値erefになったものとする。鋼板Mの伸び率eが目標値erefになると、圧延制御装置10は、前述した鋼板Mの入側速度Vおよび出側速度Vに基づくフィードバック制御を再開する。ここで、鋼板Mの伸び率eが目標値erefになることに代えて、鋼板Mの伸び率eの、目標値erefに対する誤差が所定の目標範囲内になるようにしてもよい。
尚、溶接箇所WPの位置は、例えば、鋼板Mのトラッキングを実行することにより特定される。鋼板Mのトラッキングは、例えば、溶接装置の位置と、鋼板Mの入側速度Vおよび出側速度Vと、に基づいて、溶接箇所WPの位置を特定することにより実現される。鋼板Mのトラッキング自体は公知の技術で実現される。従って、ここでは、鋼板Mのトラッキングの詳細な説明を省略する。
<知見>
本発明者らが得た知見について説明する。
本実施形態の圧延制御装置10の目的の一つは、溶接箇所WPが調質圧延機1の出側の所定の位置に到達してから、鋼板Mの伸び率eが目標値erefになるまでの期間(タイミングt~tの期間)における調質圧延機1の圧下位置の制御についての特許文献1に記載の技術の課題を解決することである。尚、この期間(タイミングt~tの期間)は、溶接箇所WPが調質圧延機1の出側の所定の位置に到達してから、鋼板Mの伸び率eの、目標値erefに対する誤差が所定の目標範囲内になるまでの期間であってもよい。ここで、図3を参照しながら、特許文献1に記載の技術の課題の一つを説明する。尚、当該期間以外の期間(タイミングt~t以外の期間)における調質圧延機1の圧下位置の制御は、公知の技術で実現することができる。従って、本実施形態では、当該制御の詳細な説明を省略する。
図3は、特許文献1に記載の技術の課題を説明する図である。
特許文献1に記載の技術では、鋼板Mの圧延荷重が初期プリセット荷重値Pinitになる前のタイミングtにおける圧下位置S、圧延荷重P、および伸び率eと、鋼板Mの圧延荷重が初期プリセット荷重値Pinitになったタイミングtにおける圧下位置S、圧延荷重P、および伸び率eと、伸び率eの目標値erefと、に基づいて、鋼板Mの入側板厚Hおよび鋼板Mの塑性係数Qが導出される。ここで、鋼板Mの塑性係数Qは、圧下位置Sにおける鋼板Mの塑性係数である(このことは、以降の説明でも同じである)。また、鋼板Mの入側板厚Hは、調質圧延機1の入側の位置における鋼板Mの板厚である(このことは、以降の説明でも同じである)。そして、鋼板Mの入側板厚Hおよび塑性係数Qに基づいて、初期プリセット荷重値Pinitに対する圧延荷重の補正量Padj1(=ΔP)が導出される。そして、初期プリセット荷重値Pinitに補正量Padj1を加算した値が新たなプリセット荷重値Psetとして導出される。新たなプリセット荷重値Psetが導出されると、鋼板Mの圧延荷重が当該プリセット荷重値Psetになるように鋼板Mの圧下位置が制御される。
図3において、新たなプリセット荷重値Psetは、タイミングt、tにおける情報(圧下位置S、S、圧延荷重P、P、伸び率e、e)に基づく塑性係数Qを用いることにより導出される。従って、新たなプリセット荷重値Psetは、タイミングtからタイミングtまでの期間の塑性係数Qに依存する。本発明者らは、図3に示すように、初期プリセット荷重値Pinit付近で塑性係数Qが大きく低下する鋼板Mがあることを見出した。鋼板Mの塑性係数Qが初期プリセット荷重値Pinit付近で大きく低下するのは、初期プリセット荷重値Pinit付近の圧延荷重で調質圧延が行われると、鋼板Mの変形が弾性変形から塑性変形に変わるためであると考えられる。ここで、図3の一番下のグラフにおいて、弾性変形領域と示す期間は、鋼板Mの変形として弾性変形が支配的な期間を概念的に示す。塑性変形領域と示す期間は、鋼板Mの変形として塑性変形が支配的な期間を概念的に示す。弾性変形領域と示す期間と、塑性変形領域と示す期間と、の境界に近いタイミングであるほど、塑性変形および塑性変形のうちの何れの変形が支配的であるのかが明確でなくなる。
このような鋼板Mでは、図3の一番下のグラフに示すように、タイミングtからタイミングtまでの期間の塑性係数Qと、タイミングt以降の塑性係数Qと、が大きく異なる。このため、タイミングtからタイミングtまでの期間の塑性係数Qに基づいて導出される新たなプリセット荷重値Psetは、実際の塑性係数Qに対応しない値になる(図3の一番上のグラフを参照)。従って、鋼板Mの圧延荷重が当該プリセット荷重値Psetになるように鋼板Mの圧下位置が制御されると、図3の真ん中のグラフに示すように、鋼板Mの伸び率eが目標値erefを大きく上回る。よって、鋼板Mの伸び率eを目標値erefに近づくまで(即ち、タイミングtになるまで)の時間が長くなる(図3の真ん中のグラフを参照)。そこで、本発明者らは、鋼板Mの塑性係数Qが大きく変化している場合には、プリセット荷重値Psetを再更新すれば、鋼板Mの伸び率eを目標値erefまたは目標値付近に収束させるのに要する時間を短くすることができることを見出した。本発明の各実施形態は、このような知見に基づいてなされたものである。
尚、図3では、説明を簡単にするため、プリセット荷重値Psetの更新が1回だけ行われる場合を例示する。しかしながら、プリセット荷重値Psetの更新は繰り返し行われてもよい。プリセット荷重値Psetの更新が繰り返される場合、以上の説明において、初期プリセット荷重値Pinitを新たなプリセット荷重値に置き換えた処理が行われ、プリセット荷重値が更新される。
<圧延制御装置10>
図4は、圧延制御装置10の機能的な構成の一例を示す図である。図5A、図5Bは、圧延制御装置10を用いて実行される圧延制御方法の一例を説明するフローチャートである。図6は、圧延制御装置10の処理の一例を概念的に説明する図である。尚、前述したように本実施形態では、溶接箇所WPが調質圧延機1の出側の所定の位置に到達してから、鋼板Mの伸び率eが目標値erefになるまでの期間(タイミングt~tの期間)における制御について説明する。尚、前述したように、この期間(タイミングt~tの期間)は、溶接箇所WPが調質圧延機1の出側の所定の位置に到達してから、鋼板Mの伸び率eの、目標値erefに対する誤差が所定の目標範囲内になるまでの期間であってもよい。
図5A、図5Bおよび図6を参照しながら、図4に示す圧延制御装置10の各機能ブロックの処理の一例を説明する。
図5AのステップS501において、初期プリセット荷重設定部401は、鋼板Mのトラッキングの結果に基づいて、鋼板Mの溶接箇所WPが、調質圧延機1の出側の所定の位置を通過したか否かを判定する。ステップS501の判定は、図6のタイミングtになったか否かの判定と等価である。ステップS501の判定の結果、鋼板Mの溶接箇所WPが、調質圧延機1の出側の所定の位置を通過していない場合には、図5Aおよび図5Bの処理が終了する。この場合、図5Aのフローチャートが再び開始され、次の溶接箇所WPが調質圧延機1の出側の所定の位置を通過したか否かが判定される。
一方、ステップS501において、鋼板Mの溶接箇所WPが、調質圧延機1の出側の所定の位置を通過したと判定されると、ステップS502の処理が実行される。ステップS502において、初期プリセット荷重設定部401は、鋼板Mのプリセット荷重値Psetを初期プリセット荷重値Pinitに設定する。そして、初期プリセット荷重設定部401は、鋼板Mのプリセット荷重値Psetを含む圧下指令を圧下位置制御装置2に出力する。これにより図6において、圧下位置制御装置2は、鋼板Mの圧延荷重が初期プリセット荷重値Pinitに近づくように調質圧延機1の圧下位置を変更する。
次に、ステップS503において、荷重実績判定部402は、鋼板Mの圧延荷重の測定値Presが、プリセット荷重値Psetから定数αを減算した値(=Pset-α)以上であるか否かを判定する。鋼板Mの圧延荷重の測定値Presが、プリセット荷重値Psetから定数αを減算した値(=Pset-α)以上でない場合、ステップS503の処理が再び実行される。荷重実績判定部402は、鋼板Mの圧延荷重の測定値Presを、圧延制御装置10の制御周期で繰り返し取得する。ステップS503の判定には、鋼板Mの圧延荷重の最新の測定値Presが用いられる。ステップS503の判定は、溶接箇所WPが調質圧延機1の出側の所定の位置に到達した後に、現在時刻が図6のタイミングtになったか否かの判定と等価である。タイミングtからタイミングtまでの期間が短すぎると、センサの各種誤差の影響により計算精度が低下する虞がある。センサの各種誤差には、例えば、ノイズによる誤差、量子化誤差、および測定のバラツキ等が含まれる。定数αは、このような計算精度の低下が生じないように予め設定される。例えば、タイミングtにおける圧延荷重と、タイミングtにおける圧延荷重と、の差の絶対値が50ton以上になるように定数αは設定される。
ステップS503の判定の結果、鋼板Mの圧延荷重の測定値Presが、プリセット荷重値Psetから定数αを減算した値(=Pset-α)以上になると、ステップS504の処理が実行される。ステップS504において、第1の実績設定部403は、タイミングtにおける、圧下位置S、圧延荷重P、および伸び率eを設定する。本実施形態では、タイミングtが第1のタイミングの一例である。伸び率eは、特許文献1に記載されているように、以下の(1)式および(2)式から導出される。
e={(V2_ref-V)/V}-ΔV/V ・・・(1)
ΔV=V2_ref-V ・・・(2)
ここで、V2_refは、鋼板Mの出側速度Vの目標値である。V2_refは、鋼板Mの属性等に基づいて予め設定されている。本実施形態では、鋼板Mの入側速度V、出側速度Vは、電動機6a~6d、6f~6iに取り付けられているパルスジェネレータで発生するパルス信号に基づいて導出される。
また、圧下位置Sは、圧下位置制御装置2で調整されている圧下位置である。従って、第1の実績設定部403は、当該圧下位置を圧下位置制御装置2から取得する。圧延荷重Pは、ロードセル3で測定されている圧延荷重の測定値である。従って、第1の実績設定部403は、当該圧延荷重をロードセル3から取得する。
次に、ステップS505において、伸び率偏差判定部404は、鋼板Mの圧延荷重の測定値Presがプリセット荷重値Psetであるか否かを判定する。鋼板Mの圧延荷重の測定値Presがプリセット荷重値Psetでない場合、ステップS505の処理が再び実行される。ステップS502、S503、S504、S505の順でこれらの処理が連続して行われた場合、プリセット荷重値Psetは、初期プリセット荷重値Pinitである(ステップS502を参照)。この場合、ステップS505の判定は、図6のタイミングtになったか否かの判定と等価である。
ステップS505の判定の結果、鋼板Mの圧延荷重の測定値Presがプリセット荷重値Psetになると、ステップS506の処理が実行される。ステップS506において、伸び率偏差判定部404は、鋼板Mの圧延荷重の測定値Presがプリセット荷重値Psetになったタイミングにおける鋼板Mの伸び率eを(1)式および(2)式から導出する。そして、伸び率偏差判定部404は、鋼板Mの圧延荷重の測定値Presがプリセット荷重値Psetになったタイミングにおける伸び率偏差Δeを導出する。伸び率偏差Δeは、鋼板Mの伸び率eと、目標値erefと、の偏差である。そして、伸び率偏差判定部404は、伸び率偏差Δeの絶対値が定数β以下であるか否かを判定する。定数βは、伸び率偏差Δeとしてどの程度の誤差を許容するかを示す。定数βは、鋼板Mの属性等に基づいて予め設定される。
図2を参照しながら説明したように、鋼板Mの圧延荷重の測定値Presがプリセット荷重値Psetになったタイミングにおける鋼板Mの伸び率eが、目標値erefである場合、鋼板Mの入側速度Vおよび出側速度Vに基づくフィードバック制御が再開する。従って、ステップS506の判定の結果、伸び率偏差Δeの絶対値が定数β以下である場合、図5Aおよび図5Bのフローチャートによる処理は終了し、当該フィードバック制御が再開する。また、鋼板Mの入側速度Vおよび出側速度Vに基づくフィードバック制御は、鋼板Mの圧延荷重の測定値Presがプリセット荷重値Psetになったタイミングにおける鋼板Mの伸び率eの目標値erefに対する誤差が目標範囲内である場合に再開してもよい。
一方、ステップS506の判定の結果、伸び率偏差Δeの絶対値が定数β以下でない場合、ステップS507の処理が実行される。ステップS502、S503、S504、S505、S506の順でこれらの処理が連続して行われた場合、プリセット荷重値Psetは、初期プリセット荷重値Pinitである(ステップS502を参照)。図6の真ん中のグラフに示す例では、伸び率偏差Δeの絶対値|Δe|は定数β以下でないことを示す。
ステップS507において、第2の実績設定部405は、タイミングtにおける、圧下位置S、圧延荷重P、および伸び率eを設定する。尚、圧下位置S、圧延荷重P、および伸び率eの設定方法は、ステップS504の処理で説明した通りである。また、タイミングtにおける伸び率eは、ステップS506で導出された伸び率eでもよい。
次に、ステップS508において、第1の塑性係数導出部406は、ステップS504で設定された、タイミングtにおける、圧下位置Sおよび圧延荷重Pと、ステップS507で設定された、タイミングtにおける、圧下位置Sおよび圧延荷重Pと、に基づいて、塑性係数Qa-bを導出する。塑性係数Qa-bは、タイミングtからタイミングtまでの期間における塑性係数Qの総合的な値に対応する。総合的な値は、期間における総合的(全体的)な値であり、典型的には、当該期間における平均値や中央値である。また、入側板厚取得部407は、ステップS504で設定された、タイミングtにおける、圧下位置S、圧延荷重P、および伸び率eと、ステップS507で設定された、タイミングtにおける、圧下位置S、圧延荷重P、および伸び率eと、に基づいて、タイミングtにおける鋼板Mの入側板厚H1_bを導出する。
本実施形態では、タイミングtからタイミングtまでの期間が第1の期間の一例である。また、本実施形態では、タイミングtにおける、圧下位置Sの値および圧延荷重Pの値が、塑性係数Qa-bを導出する際に用いる第1のタイミングにおける操業実績値の一例である。また、本実施形態では、タイミングtにおける、圧下位置Sの値および圧延荷重Pの値が、塑性係数Qa-bを導出する際に用いる第2のタイミングにおける操業実績値の一例である。また、本実施形態では、第1の塑性係数導出部406が第1の塑性係数導出手段の一例である。ここで、操業実績値は、調質圧延機1で鋼板Mを実際に調質圧延することによって得られる実績値である。操業実績値には、例えば、鋼板Mの属性(例えば、鋼板Mの特性)を示す値と、調質圧延機1の動作結果を示す値と、が含まれる。また、操業実績値には、測定値および計算値の少なくとも何れか一方が含まれる。尚、操業実績値に含まれる調質圧延機1の動作結果を示す値は、圧下位置Sの値および圧延荷重Pの値に限定されない。例えば、操業実績値に含まれる調質圧延機1の動作結果を示す値には、圧下位置Sの値および圧延荷重Pの値に加えてまたは代えて、以下の(a1)~(a7)の少なくとも何れか1つが含まれていてもよい。
(a1) 調質圧延機1のワークロールの回転速度の実績値
(a2) 入側ブライドルロール5aの回転速度の実績値
(a3) 入側張力計4aで測定される、調質圧延機1の入側における鋼板Mの張力の実績値
(a4) 出側張力計4bで測定される、調質圧延機1の出側における鋼板Mの張力の実績値
(a5) 鋼板Mの伸び率eの実績値
(a6) 鋼板Mの出側板厚(調質圧延機1の出側の位置における鋼板Mの板厚)の実績値
(a7) 出側ブライドルロール5bの回転速度の実績値
塑性係数Q、入側板厚Hは、特許文献1に記載されているように、以下の(3)式、(4)式から導出される。即ち、塑性係数Qは、(3)式により導出される。入側板厚H1_bは、当該塑性係数Qとm(4)式と、に基づいて導出される。
Q=(P-P)/{1/M×(P-P)+(S-S)} ・・・(3)
=(P-P)/Q{1/(e+1)-1/(e+1)} ・・・(4)
ここで、添え字i、jは、タイミングi、jにある値であることを示し、jはiより後のタイミングを示す。ステップS508においては、iはaであり、jはbである。Mは、ミル定数である。
尚、特許文献1に記載されているように、鋼板Mの入側板厚Hの値は、板厚計の測定値であってもよい。
次に、ステップS509において、第1の補正量導出部408a(第1のプリセット荷重更新部408)は、ステップS507で設定されたタイミングtにおける伸び率eと、ステップS508で導出されたタイミングtにおける入側板厚H1_bおよび塑性係数Qa-bと、伸び率eの目標値erefと、に基づいて、圧延荷重の補正量Padj1を導出する。
本実施形態では、第1の補正量導出部408aを含む第1のプリセット荷重更新部408が第1のプリセット荷重更新手段の一例である。また、本実施形態では、第1の補正量導出部408aが第1の補正量導出手段の一例である。また、本実施形態では、伸び率eの値、入側板厚H1_bの値、および塑性係数Qa-bの値が、圧延荷重の補正量Padj1を導出する際に用いる第1の期間における操業実績値の一例である。尚、操業実績値に含まれる鋼板Mの属性を示す値は、伸び率eの値、入側板厚Hの値、および塑性係数Qの値に限定されない。例えば、操業実績値に含まれる鋼板Mの属性を示す値には、伸び率eの値、入側板厚Hの値、および塑性係数Qの値に加えてまたは代えて、以下の(b1)~(b3)の少なくとも何れか1つが含まれていてもよい。
(b1) 鋼板Mの降伏点(YP:Yield Point)の値
(b2) 鋼板Mの入側板幅(調質圧延機1の入側の位置における鋼板Mの板幅)の値
(b3) 調質圧延機1のミル定数(剛性係数)
ここで、鋼板Mの降伏点の値は、鋼板Mの降伏点の範囲を定める複数の区分のうちの何れか1つの区分を識別する値であってもよい。複数の区分には、それぞれ、鋼板Mの降伏点の下限値および上限値が設定される。このようにする場合、鋼板Mの降伏点の値が複数の区分のうちの何れの区分に属するのかが判定される。このようにして判定された区分を識別する値が、鋼板Mの降伏点の範囲を定める複数の区分のうちの何れか1つの区分を識別する値である。
補正量Padjは、特許文献1に記載されているように、以下の(5)式から導出される。
adj=Q×H×{1/(eref+1)-1/(e+1)} ・・・(5)
次に、ステップS510において、第1の補正量導出部408aは、ステップS509で導出した補正量Padj1の絶対値|Padj1|が定数γ以下であるか否かを判定する。定数γは、補正量Padj1の絶対値|Padj1|が大きくなりすぎることを抑制するためのものであり、このような観点から予め設定される。
ステップS510の判定の結果、ステップS509で導出した補正量Padj1の絶対値|Padj1|が定数γ以下である場合、ステップS511の処理が省略され後述するステップS512の処理が実行される。一方、ステップS510の判定の結果、ステップS509で導出した補正量Padj1の絶対値|Padj1|が定数γ以下でない場合、ステップS511の処理が実行される。
ステップS511において、第1の補正量導出部408aは、ステップS509で導出した補正量Padj1の絶対値|Padj1|が定数γになるように、ステップS509で導出した補正量Padj1を変更する。このとき第1の補正量導出部408aは、変更後の補正量Padj1の符号を、変更前の補正量Padj1の符号と同じにする。
次に、ステップS512において、第1の更新値導出部408b(第1のプリセット荷重更新部408)は、プリセット荷重値Psetの現在値に、ステップS509またはS511で導出された補正量Padj1を加算した値を新たなプリセット荷重値Psetとして導出する。そして、第1の更新値導出部408bは、当該新たなプリセット荷重値Psetを含む圧下指令を圧下位置制御装置2に出力する。これにより図6において、圧下位置制御装置2は、鋼板Mの圧延荷重が新たなプリセット荷重値Psetに近づくように調質圧延機1の圧下位置を変更する(図6に示す例では、新たなプリセットプリセット荷重値Psetは、Pset1である)。ステップS502、S503、S504、S505、S506、S507、S508、S509、S510、S512の順でこれらの処理が連続して行われた場合、新たなプリセット荷重値Psetは、初期プリセット荷重値Pinitと、ステップS509で導出された補正量Padj1と、の和になる(Pset=Pinit+Padj1)。前述したように図6に示す例では、このようにして導出される新たなプリセット荷重値Psetは、Pset1である。
また、第1の更新値導出部408bは、更新前のプリセット荷重値Psetを更新前プリセット荷重値Pset’として設定する。更新前プリセット荷重値Pset’を設定するのは、図5Bの処理(ステップS521、S530)で、更新前プリセット荷重値Pset’を用いるためである。ステップS502、S503、S504、S505、S506、S507、S508、S509、S510、S512の順でこれらの処理が連続して行われた場合、更新前のプリセット荷重値Psetは、初期プリセット荷重値Pinitである。
本実施形態では、新たなプリセット荷重値Pset(Pset1)がプリセット荷重の更新値の一例である。また、本実施形態では、第1の更新値導出部408bを含む第1のプリセット荷重更新部408が第1のプリセット荷重更新手段の一例である。また、本実施形態では、第1の更新値導出部408bが第1の更新値導出手段の一例である。
ステップS512の処理が終了すると、図5BのステップS521の処理が実行される。ステップS521において、荷重実績判定部409は、鋼板Mの圧延荷重の測定値Presが、更新前プリセット荷重値Pset’と、定数εおよび補正量Padj1の積と、の和(=Pset’+εPadj1)以上であるか否かを判定する。鋼板Mの圧延荷重の測定値Presが、更新前プリセット荷重値Pset’と、定数εおよび補正量Padj1の積と、の和(=Pset’+εPadj1)以上でない場合、ステップS521の処理が再び実行される。補正量Padj1は、ステップ509またはS511で導出される。荷重実績判定部409は、鋼板Mの圧延荷重の測定値Presを、圧延制御装置10の制御周期で繰り返し取得する。ステップS521の判定では、鋼板Mの圧延荷重の最新の測定値Presが用いられる。ステップ521の判定は、タイミングtになったか否かの判定と等価である。タイミングtの後、鋼板Mの圧延荷重の測定値PresがステップS512で導出された新たなプリセット荷重値Pset1になる前に、タイミングtにおける塑性係数Qchkが導出される(図6の一番上のグラフを参照)。従って、定数εは、0を上回り1を下回る値である(0<ε<1)。タイミングtからタイミングtまでの期間が短すぎると、センサの各種誤差の影響により計算精度が低下する虞がある。センサの各種誤差には、例えば、ノイズによる誤差、量子化誤差、および測定のバラツキ等が含まれる。定数εは、このような計算精度の低下が生じないように予め設定される。例えば、タイミングtにおける圧延荷重Pと、タイミングtにおける圧延荷重Pと、の差の絶対値が50ton以上になるように定数εは設定される。
ステップS521において、鋼板Mの圧延荷重の測定値Presが、更新前プリセット荷重値Pset’と、定数εおよび補正量Padj1の積と、の和(=Pset’+εPadj1)以上になったと判定されると、ステップS522の処理が実行される。ステップS522において、第3の実績設定部410は、タイミングtにおける、圧下位置S、圧延荷重P、および伸び率eを設定する。尚、圧下位置S、圧延荷重P、および伸び率eの設定方法は、ステップS504の処理で説明した通りである。
次に、ステップS523において、第2の塑性係数導出部411は、ステップS507で設定された、タイミングtにおける、圧下位置Sおよび圧延荷重Pと、ステップS522で設定された、タイミングtにおける、圧下位置Sおよび圧延荷重Pと、に基づいて、(3)式により、塑性係数Qchkを導出する。このときの(3)式におけるiはbであり、jはcである。塑性係数Qchkは、タイミングtからタイミングtまでの期間における塑性係数Qの総合的な値に対応する。
本実施形態では、タイミングtが第3のタイミングの一例である。また、タイミングtからタイミングtまでの期間が第2の期間の一例である。また、本実施形態では、タイミングtにおける、圧下位置Sの値および圧延荷重Pの値が、塑性係数Qb-cを導出する際に用いる第2のタイミングにおける操業実績値の一例である。また、本実施形態では、タイミングtにおける、圧下位置Sの値および圧延荷重Pの値が、塑性係数Qb-cを導出する際に用いる第3のタイミングにおける操業実績値の一例である。また、本実施形態では、第2の塑性係数導出部411が第2の塑性係数導出手段の一例である。
次に、ステップS524において、評価指標導出部412は、塑性係数Qa-bに対する塑性係数Qchkの比(=Qchk/Qa-b)を導出する。
本実施形態では、評価指標導出部412が評価指標導出手段の一例である。また、本実施形態では、塑性係数Qa-bに対する塑性係数Qchkの比(=Qchk/Qa-b)が評価指標の一例である。
次に、ステップS525において、評価指標判定部413は、塑性係数Qa-bに対する塑性係数Qchkの比(=Qchk/Qa-b)が定数ζを下回るか否かを判定する。尚、塑性係数Qa-bは、ステップS508で導出される。塑性係数Qchkは、ステップS523で導出される。
本実施形態では、評価指標判定部413が判定手段の一例である。また、前述したように本実施形態では、塑性係数Qa-bに対する塑性係数Qchkの比(=Qchk/Qa-b)が評価指標の一例である。
定数ζは、0を上回り1を下回る値である(0<ζ<1)。従って、ステップS525では、塑性係数Qa-bが塑性係数Qchkに比べて過大であるか否かが判定される。即ち、ステップS525では、図6の一番下のグラフに示すように、タイミングtの後、塑性係数Qが大きく低下したか否かが判定される。図6の一番下のグラフに示すように、タイミングt付近において塑性係数Qが大きく低下すると、塑性係数Qa-bに基づいてステップS509で導出された補正量Padj1は過大になる((5)式を参照)。この場合、ステップS512で導出された新たなプリセット荷重値Psetは、鋼板Mの圧延荷重の測定値Presが、当該新たなプリセット荷重値Psetになる前に再更新される必要がある。従って、ステップS525の判定は、ステップS512で導出された新たなプリセット荷重値Pset(ステップS509で導出された補正量Padj1)を再更新するか否かの判定と等価である。
定数ζは、例えば、以下のようにして予め設定される。まず、鋼板Mの伸び率eを目標値erefまたは目標値付近に収束させるのに要する時間が導出される。この導出は、複数のプリセット荷重値Psetのそれぞれについて行われる。また、この導出は、数値シミュレーションや模擬実験等により行われる。そして、この導出の結果に基づいて、塑性係数Qa-bが塑性係数Qchkに比べてどのくらい過大になると、鋼板Mの伸び率eを目標値erefまたは目標値付近に収束させるのに要する時間が目標時間を超えるのかが特定される。定数ζは、この特定の結果に基づいて設定される。
ステップS525の判定の結果、塑性係数Qa-bに対する塑性係数Qchkの比(=Qchk/Qa-b)が定数ζを下回らない場合、ステップS512で導出された新たなプリセット荷重値Pset(ステップS509で導出された補正量Padj1)の再更新は必要ない。従って、図5AのステップS503の処理が再び実行される。この場合、ステップS503におけるプリセット荷重値Psetは、ステップS512で導出された新たなプリセット荷重値Psetになる。
一方、ステップS525の判定の結果、塑性係数Qa-bに対する塑性係数Qchkの比(=Qchk/Qa-b)が定数ζを下回る場合、ステップS526の処理が実行される。ステップS526において、板情報導出部414は、ステップS507で設定された、タイミングtにおける、圧下位置Sおよび圧延荷重Pと、ステップS522で設定された、タイミングtにおける、圧下位置Sおよび圧延荷重Pと、に基づいて、塑性係数Qb-cを導出する。塑性係数Qb-cは、タイミングtからタイミングtまでの期間における塑性係数Qの総合的な値に対応する。塑性係数Qb-cは、ステップS523で導出された塑性係数Qchkと同じである。従って、塑性係数Qb-cは、ステップS523で導出された塑性係数Qchkでもよい。また、板情報導出部414は、タイミングtにおける、圧下位置S、圧延荷重P、および伸び率eと、ステップS522で設定された、タイミングtにおける、圧下位置S、圧延荷重P、および伸び率eと、に基づいて、タイミングtにおける鋼板Mの入側板厚H1_cを導出する。尚、塑性係数Qおよび入側板厚Hの導出方法は、ステップS508の処理で説明した通りである。このときの(3)式および(4)式におけるiはbであり、jはcである。
次に、ステップS527において、第2の補正量導出部415a(第2のプリセット荷重更新部415)は、ステップS522で設定されたタイミングtにおける伸び率eと、ステップS526で導出された塑性係数Qb-cと、ステップS526で導出されたタイミングtにおける入側板厚H1_cと、伸び率eの目標値erefと、に基づいて、圧延荷重の補正量Padj2を導出する。圧延荷重の補正量Padjの導出方法は、ステップS509の処理で説明した通りである。(5)式に示すように補正量Padjは塑性係数Qに比例する。ステップS527では、ステップS508で導出された塑性係数Qa-bではなく、ステップS523で導出された塑性係数Qb-cが用いられる(図6の一番下のグラフを参照)。従って、図6の一番上のグラフに示すように、ステップS527で導出される補正量Padj2は、ステップS509で導出される補正量Padj1よりも小さくなる。
本実施形態では、第2の補正量導出部415aを含む第2のプリセット荷重更新部415が第2のプリセット荷重更新手段の一例である。また、本実施形態では、第2の補正量導出部415aが第2の補正量導出手段の一例である。また、本実施形態では、伸び率eの値、入側板厚H1_cの値、および塑性係数Qb-cの値が、圧延荷重の補正量Padj2を導出する際に用いる第2の期間における操業実績値の一例である。
次に、ステップS528において、第2の補正量導出部415aは、ステップS527で導出した補正量Padj2の絶対値|Padj2|が定数γ以下であるか否かを判定する。定数γは、例えば、ステップS511の処理で用いる定数γと同じにすればよい。
ステップS528の判定の結果、ステップS527で導出した補正量Padj2の絶対値|Padj2|が定数γ以下である場合、ステップS529の処理が省略され後述するステップS530の処理が実行される。一方、ステップS528の判定の結果、ステップS527で導出した補正量Padj2の絶対値|Padj2|が定数γ以下でない場合、ステップS529の処理が実行される。
ステップS529において、第2の補正量導出部415aは、ステップS527で導出した補正量Padj2の絶対値|Padj2|が定数γになるように、ステップS527で導出した補正量Padj2を変更する。このとき第1の補正量導出部415aは、変更後の補正量Padj2の符号を、変更前の補正量Padj2の符号と同じにする。
次に、ステップS530において、第2の更新値導出部415b(第2のプリセット荷重更新部415)は、更新前プリセット荷重値Pset’に、ステップS527またはS529で導出された補正量Padj2を加算した値を新たなプリセット荷重値Psetとして導出する。そして、第2の更新値導出部415bは、当該新たなプリセット荷重値Psetを含む圧下指令を圧下位置制御装置2に出力する。これにより図6において、圧下位置制御装置2は、鋼板Mの圧延荷重が新たなプリセット荷重値Psetに近づくように調質圧延機1の圧下位置を変更する(図6に示す例では、新たなプリセット荷重値Psetは、Pset2である)。ステップS502、S503、S504、S505、S506、S507、S508、S509、S510、S512、S521、S522、S523、S524、S525、S526、S527、S528、S530の順でこれらの処理が連続して行われた場合、新たなプリセット荷重値Psetは、初期プリセット荷重値Pinitと、ステップS527で導出された補正量Padj2と、の和になる(Pset=Pinit+Padj2)。前述したように図6に示す例では、このようにして導出される新たなプリセット荷重値Psetは、Pset2である。そして、図5AのステップS503の処理が再び実行される。この場合、ステップS503におけるプリセット荷重値Psetは、ステップS530で導出された新たなプリセット荷重値Psetになる。
本実施形態では、新たなプリセット荷重値Pset(Pset2)がプリセット荷重の再更新値の一例である。また、本実施形態では、第2の更新値導出部415bを含む第2のプリセット荷重更新部415が第2のプリセット荷重更新手段の一例である。また、本実施形態では、第2の更新値導出部415bが第2の更新値導出手段の一例である。
<まとめ>
以上のように本実施形態では、圧延制御装置10は、鋼板Mの圧延荷重がプリセット荷重値Psetになったタイミングtよりも前のタイミングtから、タイミングtまでの期間における操業実績値に基づいてプリセット荷重値Psetに対する補正量Padj1を導出する。そして、圧延制御装置10は、補正量Padj1を用いてプリセット荷重値Psetを更新する。その後、圧延制御装置10は、タイミングtから、鋼板Mの圧延荷重の測定値Presが更新後のプリセット荷重値Psetになる前のタイミングtまでの期間における操業実績値に基づいて塑性係数Qchkを導出する。そして、圧延制御装置10は、塑性係数Qchkに基づいて、更新後のプリセット荷重値Psetを再更新する必要があるか否かを判定する。この判定の結果、更新後のプリセット荷重値Psetを再更新する必要がある場合、圧延制御装置10は、タイミングtからタイミングtまでの期間における操業実績値に基づいて更新前のプリセット荷重値Psetに対する補正量Padj2を導出する。そして、圧延制御装置10は、補正量Padj2を用いてプリセット荷重値Psetを再更新する。従って、鋼板Mの圧延荷重の測定値Presが、過大な塑性係数Qに基づいて更新されたプリセット荷重値Psetになる前に、塑性係数Qを現時点の実際の塑性係数Qに近い塑性係数Qb-cに基づいて、プリセット荷重値Psetを再更新することができる。よって、鋼板Mの伸び率eを目標値erefまたは目標値eref付近に収束させるのに要する時間が短くなる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態を説明する。第1の実施形態では、圧延制御装置10が、塑性係数Qchkに基づいて、更新後のプリセット荷重値Psetを再更新する必要があるか否かを判定する場合を例示した。しかしながら、鋼板Mの塑性係数Qが大きく変化しているか否かの判定は、塑性係数Qそのものではなく、塑性係数Qと相関関係がある物理量に基づいて行われてもよい。そこで、本実施形態では、このような物理量として鋼板Mの入側板厚Hを用いる場合について説明する。このように本実施形態と第1の実施形態とは、更新後のプリセット荷重値Psetを再更新する必要があるか否かを判定する手法が主として異なる。従って、本実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1~図6に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
<圧延制御装置10>
図7は、圧延制御装置10の機能的な構成の一例を示す図である。図8は、圧延制御装置10の処理の一例を説明するフローチャートである。図8は、第1の実施形態で説明した図5Bに置き換わるものである。図5Aのフローチャート(ステップS512の処理)が実行された後、図8のフローチャートによる処理が実行される(本実施形態の圧延制御装置10も図5Aのフローチャートによる処理を実行する)。
図8を参照しながら、図7に示す圧延制御装置10の各機能ブロックの処理の一例を説明する。ただし、初期プリセット荷重設定部401、荷重実績判定部402、第1の実績設定部403、伸び率偏差判定部404、第2の実績設定部405、第1の塑性係数導出部406、入側板厚取得部407、および第1のプリセット荷重更新部408(第1の補正量導出部408aおよび第1の更新値導出部408b)は、第1の実施形態で説明したものと同じである。従って、これらの機能ブロックの詳細な説明を省略する。
図5AのステップS512の処理が終了すると、図8のステップS801の処理が実行される。ステップS801において、荷重実績判定部409は、鋼板Mの圧延荷重の測定値Presが、更新前プリセット荷重値Pset’と、定数εおよび補正量Padj1の積と、の和(=Pset’+εPadj1)以上であるか否かを判定する。鋼板Mの圧延荷重の測定値Presが、更新前プリセット荷重値Pset’と、定数εおよび補正量Padj1の積と、の和(=Pset’+εPadj1)以上でない場合、ステップS801の処理が再び実行される。ステップS801の処理は、図5BのステップS521の処理と同じである。
ステップS801において、鋼板Mの圧延荷重の測定値Presが、更新前プリセット荷重値Pset’と、定数εおよび補正量Padj1の積と、の和(=Pset’+εPadj1)以上になったと判定されると、ステップS802の処理が実行される。ステップS802において、第3の実績設定部410は、タイミングtにおける、圧下位置S、圧延荷重P、および伸び率eを設定する。ステップS802の処理は、図5BのステップS522の処理と同じである。
次に、ステップS803において、入側板厚導出部701は、図5AのステップS507で設定された、タイミングtにおける、圧延荷重Pおよび伸び率eと、ステップS802で設定された、タイミングtにおける、圧延荷重Pおよび伸び率eと、図5AのステップS508で導出された塑性係数Qa-bと、に基づいて、鋼板Mの入側板厚H1_chkを導出する。
ステップS803以外の処理(S508、S526、S806)では、タイミングtにおける入側板厚H1_jは、、タイミングtからタイミングtまでの期間における総合的な塑性係数Qi-jが(4)式に代入されることにより導出される。タイミングtからタイミングtまでの期間における総合的な塑性係数Qi-jは、各タイミングt、tにおける圧延荷重P、Pおよび圧下位置S、Sに基づいて導出される。一方、ステップS803では、入側板厚導出部701は、図5AのステップS508で導出された塑性係数Qa-bと、タイミングtにおける、圧延荷重Pおよび伸び率eと、ステップS802で設定された、タイミングtにおける、圧延荷重Pおよび伸び率eと、を(4)式に代入することにより、入側板厚H1_chkを導出する。以下のステップS805において、ステップS525と同様に塑性係数Qa-bが過大であるか否かを評価するためである。
本実施形態では、タイミングtが第3のタイミングの一例である。また、本実施形態では、圧延荷重P、Pの値および伸び率e、eの値が、鋼板Mの入側板厚H1_chkを導出する際に用いる第2の期間における操業実績値の一例である。また、本実施形態では、入側板厚導出部701が入側板厚導出手段の一例である。
次に、ステップS804において、評価指標導出部702は、入側板厚の設定値H1_setに対する入側板厚H1_chkの比(=H1_chk/H1_set)を導出する。
本実施形態では、評価指標導出部702が評価指標導出手段の一例である。また、本実施形態では、入側板厚の設定値H1_setに対する入側板厚H1_chkの比(=H1_chk/H1_set)が評価指標の一例である。
次に、ステップS805において、評価指標判定部703は、入側板厚の設定値H1_setに対する入側板厚H1_chkの比(=H1_chk/H1_set)が定数ηを下回るか否かを判定する。尚、入側板厚H1_setの設定値は、鋼板Mの仕様に基づいて予め定められる。入側板厚H1_chkは、ステップS803で導出される。
本実施形態では、評価指標判定部703が判定手段の一例である。また、前述したように本実施形態では、入側板厚の設定値H1_setに対する入側板厚H1_chkの比(=H1_chk/H1_set)が評価指標の一例である。
定数ηは、0を上回り1を下回る値である(0<η<1)。従って、ステップS805では、塑性係数Qa-bがタイミングtからタイミングtまでの間の期間における塑性係数Qに比べて過大であるか否かが判定される。(4)式に示すように入側板厚Hと塑性係数Qとは反比例の関係にある。また、実際の入側板厚Hは、入側板厚の設定値H1_setと大きく異ならない。従って、塑性係数Qa-bに基づいて導出された入側板厚H1_chkよりも、入側板厚の設定値H1_setが過大であれば、塑性係数Qは、タイミングt付近で大きく低下しているとみなされる。そこで、本実施形態では、評価指標判定部703は、入側板厚の設定値H1_setに対する入側板厚H1_chkの比が定数ηを下回るか否かを判定する。
定数ηは、例えば、以下のようにして予め設定される。まず、鋼板Mの伸び率eを目標値erefまたは目標値付近に収束させるのに要する時間の導出が行われる。この導出は、複数のプリセット荷重値Psetのそれぞれについて行われる。また、この導出は、数値シミュレーションや模擬実験等により行われる。そして、この導出の結果に基づいて、入側板厚Hがどのくらい過大になると、鋼板Mの伸び率eを目標値erefまたは目標値付近に収束させるのに要する時間が目標時間を超えるのかが特定される。定数ηは、この特定の結果に基づいて設定される。
ステップS805の判定の結果、入側板厚の設定値H1_setに対する入側板厚H1_chkの比(=H1_chk/H1_set)が定数ηを下回らない場合、ステップS512で導出された新たなプリセット荷重値Pset(ステップS509で導出された補正量Padj1)の再更新は必要ない。従って、図5AのステップS503の処理が再び実行される。この場合、ステップS503におけるプリセット荷重値Psetは、ステップS512で導出された新たなプリセット荷重値Psetになる。
一方、ステップS805の判定の結果、入側板厚の設定値H1_setに対する入側板厚H1_chkの比(=H1_chk/H1_set)が定数ηを下回る場合、ステップS806の処理が実行される。ステップS806において、板情報導出部704は、ステップS507で設定された、タイミングtにおける、圧下位置Sおよび圧延荷重Pと、ステップS802で設定された、タイミングtにおける、圧下位置Sおよび圧延荷重Pと、に基づいて、塑性係数Qb-cを導出する。また、板情報導出部704は、タイミングtにおける、圧下位置S、圧延荷重P、および伸び率eと、ステップS802で設定された、タイミングtにおける、圧下位置S、圧延荷重P、および伸び率eと、に基づいて、タイミングtにおける鋼板Mの入側板厚H1_cを導出する。尚、塑性係数Qおよび入側板厚Hの導出方法は、ステップS508の処理で説明した通りである。このときの(3)式および(4)式におけるiはbであり、jはcである。
本実施形態では、板情報導出部704が板情報導出手段の一例である。また、本実施形態では、圧下位置S、Sの値、圧延荷重P、Pの値、および伸び率e、eの値が、鋼板Mの入側板厚H1_cを導出する際に用いる第2の期間における操業実績値の一例である。
尚、ステップS806においては、タイミングtからタイミングtまでの期間における総合的な塑性係数Qb-cは、タイミングt、tにおける圧延荷重P、Pおよび圧下位置S、Sに基づいて導出される。タイミングtにおける鋼板Mの入側板厚H1_cは、当該塑性係数Qb-cと、(4)式と、に基づいて導出される。従って、ステップS806で導出される入側板厚H1_cは、ステップS803で導出された入側板厚H1_chkとは異なる。
以降のステップS807~S810の処理は、図5BのステップS528~S530の処理と同じである。即ち、ステップS807において、第2の補正量導出部415aは、ステップS802で設定されたタイミングtにおける伸び率eと、ステップS806で導出された塑性係数Qb-cと、ステップS806で導出されたタイミングtにおける入側板厚H1_cと、伸び率eの目標値erefと、に基づいて、圧延荷重の補正量Padj2を導出する。
本実施形態では、第2の補正量導出部415aを含む第2のプリセット荷重更新部415が第2のプリセット荷重更新手段の一例である。また、本実施形態では、第2の補正量導出部415aが第2の補正量導出手段の一例である。
次に、ステップS808において、第2の補正量導出部415aは、ステップS807で導出した補正量Padj2の絶対値|Padj2|が定数γ以下であるか否かを判定する。
ステップS808の判定の結果、ステップS807で導出した補正量Padj2の絶対値|Padj2|が定数γ以下である場合、ステップS809の処理が省略されステップS810の処理が実行される。一方、ステップS808の判定の結果、ステップS807で導出した補正量Padj2の絶対値|Padj2|が定数γ以下でない場合、ステップS809の処理が実行される。
ステップS809において、第2の補正量導出部415aは、ステップS807で導出した補正量Padj2の絶対値が定数γになるように、ステップS807で導出した補正量Padj2を変更する。
次に、ステップS810において、第2の更新値導出部415bは、更新前プリセット荷重値Pset’に、ステップS807またはS809で導出された補正量Padj2を加算した値を新たなプリセット荷重値Psetとして導出する。そして、図5AのステップS503の処理が再び実行される。この場合、ステップS503におけるプリセット荷重値Psetは、ステップS810で導出された新たなプリセット荷重値Psetになる。
本実施形態では、新たなプリセット荷重値Pset(Pset2)がプリセット荷重の再更新値の一例である。また、本実施形態では、第2の更新値導出部415bを含む第2のプリセット荷重更新部415が第2のプリセット荷重更新手段の一例である。また、本実施形態では、第2の更新値導出部415bが第2の更新値導出手段の一例である。
<まとめ>
以上のように本実施形態では、圧延制御装置10は、タイミングtから、鋼板Mの圧延荷重の測定値Presが更新後のプリセット荷重値Psetになる前のタイミングtまでの期間における操業実績値に基づいて、鋼板Mの入側板厚H1_chkを導出する。ただし、塑性係数Qは、鋼板Mの圧延荷重がプリセット荷重値Psetになったタイミングtよりも前のタイミングtから、タイミングtまでの期間における操業実績値に基づいて導出された塑性係数Qa-bである。その後、圧延制御装置10は、鋼板Mの入側板厚H1_chkに基づいて、更新後のプリセット荷重値Psetを再更新する必要があるか否かを判定する。本実施形態では、プリセット荷重値Psetを再更新する必要があるか否かを判定する際の指標として、現場のオペレータが直観的に差を把握しやすい入側板厚Hが用いられる。従って、例えば、圧延制御装置10が鋼板Mの入側板厚H1_chkの情報を出力(例えば表示)することにより、現場のオペレータは、当該情報を、作業の指針となる情報として活用することができる。
<変形例>
本実施形態では、鋼板Mの入側板厚H1_chkと、入側板厚の設定値H1_setと、が比較される場合を例示した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、ステップS806において導出される鋼板Mの入側板厚H1_cが、入側板厚の設定値H1_setの代わりに用いられてもよい。このようにする場合、ステップS806の処理は、ステップS804の前に実行される。
また、塑性係数Qと相関関係がある物理量は、鋼板Mの入側板厚Hに限定されない。例えば、(3)式より、2つのタイミングにおける圧延荷重の差や、2つのタイミングにおける圧下位置の差は、塑性係数Qと相関関係がある。従って、塑性係数Qと相関関係がある物理量は、圧延荷重または圧下位置であってもよい。
尚、本実施形態では、ステップS803以外の処理では、鋼板Mの入側板厚Hの値は、板厚計の測定値であってもよい。
(実施例)
次に、実施例を説明する。本実施例では、鋼板Mを調質圧延したときの圧延荷重と伸び率とを数値シミュレーションにより導出した。図9は、その結果の一例を示す図である。尚、図9において、圧延荷重の値および伸び率の値の単位は、任意単位である。
図9において、グラフ911は、第2の実施形態の手法で鋼板Mを調質圧延したときの圧延荷重と時間との関係を示す。グラフ912は、特許文献1に記載の手法で鋼板Mを調質圧延したときの圧延荷重と時間との関係を示す。グラフ921は、第2の実施形態の手法で鋼板Mを調質圧延したときの伸び率と時間との関係を示す。グラフ922は、特許文献1に記載の手法で鋼板Mを調質圧延したときの伸び率と時間との関係を示す。
図9に示すように、第2の実施形態の手法では、特許文献1に記載の手法に比べて、鋼板Mの伸び率eを目標値erefに収束させるのに要する時間を短くすることができることが分かる。
(圧延制御装置10のハードウェア)
圧延制御装置10のハードウェアの一例について説明する。図10において、圧延制御装置10は、CPU1001、主記憶装置1002、補助記憶装置1003、通信回路1004、信号処理回路1005、画像処理回路1006、I/F回路1007、ユーザインターフェース1008、ディスプレイ1009、およびバス1010を有する。
CPU1001は、圧延制御装置10の全体を統括制御する。CPU1001は、主記憶装置1002をワークエリアとして用いて、補助記憶装置1003に記憶されているプログラムを実行する。主記憶装置1002は、データを一時的に格納する。補助記憶装置1003は、CPU1001によって実行されるプログラムの他、各種のデータを記憶する。
通信回路1004は、圧延制御装置10の外部との通信を行うための回路である。通信回路1004は、圧延制御装置10の外部と無線通信を行っても有線通信を行ってもよい。
信号処理回路1005は、通信回路1004で受信された信号や、CPU1001による制御に従って入力した信号に対し、各種の信号処理を行う。
画像処理回路1006は、CPU1001による制御に従って入力した信号に対し、各種の画像処理を行う。この画像処理が行われた信号は、例えば、ディスプレイ1009に出力される。
ユーザインターフェース1008は、オペレータが圧延制御装置10に対して指示を行う部分である。ユーザインターフェース1008は、例えば、ボタン、スイッチ、およびダイヤル等を有する。また、ユーザインターフェース1008は、ディスプレイ1009を用いたグラフィカルユーザインターフェースを有していてもよい。
ディスプレイ1009は、画像処理回路1006から出力された信号に基づく画像を表示する。I/F回路1007は、I/F回路1007に接続される装置との間でデータのやり取りを行う。図10では、I/F回路1007に接続される装置として、ユーザインターフェース1008およびディスプレイ1009を示す。しかしながら、I/F回路1007に接続される装置は、これらに限定されない。例えば、可搬型の記憶媒体がI/F回路1007に接続されてもよい。また、ユーザインターフェース1008の少なくとも一部およびディスプレイ1009は、圧延制御装置10の外部にあってもよい。
尚、CPU1001、主記憶装置1002、補助記憶装置1003、信号処理回路1005、画像処理回路1006、およびI/F回路1007は、バス1010に接続される。これらの構成要素間の通信は、バス1010を介して行われる。また、圧延制御装置10のハードウェアは、前述した圧延制御装置10の機能を実現することができれば、図10に示すものに限定されない。例えば、圧延制御装置10のハードウェアは、AECを実現するために用いられる公知のハードウェアであってもよい。
(その他の実施形態)
尚、以上説明した本発明の実施形態は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
(請求項との関係)
以下に、請求項と実施形態との関係の一例を示す。尚、請求項の記載が実施形態の記載に限定されないことは前述した通りである。
<請求項1>
第1のタイミングは、例えば、タイミングtにより実現される。
第2のタイミングは、例えば、タイミングtにより実現される。
第1のプリセット荷重更新手段は、例えば、第1のプリセット荷重更新部408(第1の補正量導出部408aおよび第1の更新値導出部408b)を用いることにより実現される。
プリセット荷重の更新値は、例えば、新たなプリセットプリセット荷重値Pset(Pset1)により実現される。
第3のタイミングは、例えば、タイミングtにより実現される。
評価指標導出手段は、例えば、評価指標導出部412、または、評価指標導出部702を用いることにより実現される。
評価指標は、例えば、塑性係数Qa-bに対する塑性係数Qchkの比(=Qchk/Qa-b)、または、入側板厚の設定値H1_setに対する入側板厚H1_chkの比(=H1_chk/H1_set)を用いることにより実現される。
判定手段は、例えば、評価指標判定部413、または、評価指標判定部703を用いることにより実現される。
第2のプリセット荷重更新手段は、例えば、第2のプリセット荷重更新部415(第2の補正量導出部415aおよび第2の更新値導出部415b)を用いることにより実現される。
プリセット荷重の再更新値は、例えば、新たなプリセットプリセット荷重値Pset(Pset2)により実現される。
<請求項2>
第1の補正量導出手段は、例えば、第1の補正量導出部408aを用いることにより実現される。
第1の補正量は、例えば、補正量Padj1により実現される。
第1の更新値導出手段は、例えば、第1の更新値導出部408bを用いることにより実現される。
第2の補正量導出手段は、例えば、第2の補正量導出部415aを用いることにより実現される。
第2の補正量は、例えば、補正量Padj2により実現される。
第2の更新値導出手段は、例えば、第2の更新値導出部415bを用いることにより実現される。
<請求項3>
第1の塑性係数導出手段は、例えば、第1の塑性係数導出部406を用いることにより実現される。
第2の塑性係数導出手段は、例えば、第2の塑性係数導出部411を用いることにより実現される。
前記第1の塑性係数導出手段により導出された前記金属板の塑性係数は、例えば、塑性係数Qa-bを用いることにより実現される。
前記第2の塑性係数導出手段により導出された前記金属板の塑性係数は、例えば、塑性係数Qchkを用いることにより実現される。
<請求項4、5>
金属板の塑性係数と相関関係のある物理量は、例えば、鋼板の入側板厚H、圧延荷重P、または圧下位置Sを用いることにより実現される。
<請求項6>
第1の塑性係数導出手段は、例えば、第1の塑性係数導出部406を用いることにより実現される。
入側板厚導出手段は、例えば、入側板厚導出部701を用いることにより実現される。
前記第1の塑性係数導出手段により導出された前記金属板の塑性係数は、例えば、塑性係数Qa-bを用いることにより実現される。
前記入側板厚導出手段により導出された前記金属板の入側板厚は、例えば、鋼板Mの入側板厚H1_chkにより実現される。
前記金属板の仕様に基づく前記金属板の入側板厚の設定値は、例えば、鋼板Mの入側板厚の設定値H1_setにより実現される。
前記第3のタイミングにおける前記金属板の入側板厚は、例えば、タイミングtにおける鋼板Mの入側板厚H1_cにより実現される。
<請求項7>
板情報導出手段は、例えば、板情報導出部414を用いることにより実現される。
本発明は、例えば、金属板を調質圧延することに利用することができる。

Claims (9)

  1. 圧延を中断している状態または軽圧下の状態で金属板の溶接箇所が調質圧延機を通過した後に前記金属板の伸び率を目標値または目標範囲内にするためにプリセット荷重の値を導出し、当該プリセット荷重の値に基づく圧下指令を出力する圧延制御装置であって、
    第1のタイミングから第2のタイミングまでの第1の期間における操業実績値に基づいて、前記プリセット荷重の更新値を導出する第1のプリセット荷重更新手段と、
    前記第1の期間における前記金属板の塑性係数と、前記第2のタイミングから第3のタイミングまでの第2の期間における前記金属板の塑性係数と、の差の評価指標を導出する評価指標導出手段と、
    前記評価指標導出手段により導出された前記評価指標に基づいて、前記第1のプリセット荷重更新手段により導出された前記プリセット荷重の更新値を再更新する必要があるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により、前記第1のプリセット荷重更新手段により導出された前記プリセット荷重の更新値を再更新する必要があると判定されると、前記第2の期間における操業実績値に基づいて、前記プリセット荷重の再更新値を導出する第2のプリセット荷重更新手段と、
    を有し、
    前記プリセット荷重は、前記調質圧延機の目標圧延荷重としてプリセットされる圧延荷重であり、
    前記第1のタイミングは、前記調質圧延機における圧延荷重の測定値が前記プリセット荷重になるタイミングよりも前のタイミングであり、
    前記第2のタイミングは、前記調質圧延機における圧延荷重の測定値が前記プリセット荷重になったタイミングであり、
    前記第3のタイミングは、前記調質圧延機における圧延荷重の測定値が前記第1のプリセット荷重更新手段により導出された前記プリセット荷重の更新値になる前のタイミングであることを特徴とする圧延制御装置。
  2. 前記第1のプリセット荷重更新手段は、前記第1の期間における操業実績値に基づいて、前記第1のプリセット荷重更新手段による更新前の前記プリセット荷重に対する第1の補正量を導出する第1の補正量導出手段と、
    前記更新前の前記プリセット荷重と、前記第1の補正量導出手段により導出された前記第1の補正量と、に基づいて、前記プリセット荷重の更新値を導出する第1の更新値導出手段と、を更に有し、
    前記第2のプリセット荷重更新手段は、前記第2の期間における操業実績値に基づいて、前記第1のプリセット荷重更新手段による更新前の前記プリセット荷重に対する第2の補正量を導出する第2の補正量導出手段と、
    前記更新前の前記プリセット荷重と、前記第2の補正量導出手段により導出された前記第2の補正量と、に基づいて、前記プリセット荷重の再更新値を導出する第2の更新値導出手段と、を更に有することを特徴とする請求項1に記載の圧延制御装置。
  3. 前記第1のタイミングにおける操業実績値と、前記第2のタイミングにおける操業実績値と、に基づいて、前記金属板の塑性係数を導出する第1の塑性係数導出手段と、
    前記第2のタイミングにおける操業実績値と、前記第3のタイミングにおける操業実績値と、に基づいて、前記金属板の塑性係数を導出する第2の塑性係数導出手段と、を更に有し、
    前記評価指標は、前記第1の塑性係数導出手段により導出された前記金属板の塑性係数と、前記第2の塑性係数導出手段により導出された前記金属板の塑性係数と、に基づいて定まる指標であることを特徴とする請求項1または2に記載の圧延制御装置。
  4. 前記評価指標は、前記金属板の塑性係数と相関関係のある物理量に基づいて定まる指標であることを特徴とする請求項1または2に記載の圧延制御装置。
  5. 前記金属板の塑性係数と相関関係のある物理量は、前記金属板の入側板厚を含むことを特徴とする請求項4に記載の圧延制御装置。
  6. 前記第1のタイミングにおける操業実績値と、前記第2のタイミングにおける操業実績値と、に基づいて、前記金属板の塑性係数を導出する第1の塑性係数導出手段と、
    前記第1の塑性係数導出手段により導出された前記金属板の塑性係数と、前記第2の期間における操業実績値と、に基づいて、前記金属板の入側板厚を導出する入側板厚導出手段と、を更に有し、
    前記評価指標導出手段は、前記入側板厚導出手段により導出された前記金属板の入側板厚と、前記金属板の仕様に基づく前記金属板の入側板厚の設定値、または、前記第3のタイミングにおける前記金属板の入側板厚と、に基づいて、前記評価指標を導出することを特徴とする請求項5に記載の圧延制御装置。
  7. 前記第2の期間における前記金属板の塑性係数と、前記第2の期間における操業実績値と、に基づいて、前記第3のタイミングにおける前記金属板の入側板厚を導出する板情報導出手段を更に有することを特徴とする請求項6に記載の圧延制御装置。
  8. 圧延を中断している状態または軽圧下の状態で金属板の溶接箇所が調質圧延機を通過した後に前記金属板の伸び率を目標値または目標範囲内にするためにプリセット荷重の値を導出し、当該プリセット荷重の値に基づく圧下指令を出力する圧延制御方法であって、
    第1のタイミングから第2のタイミングまでの第1の期間における操業実績値に基づいて、前記プリセット荷重の更新値を導出する第1のプリセット荷重更新工程と、
    前記第1の期間における前記金属板の塑性係数と、前記第2のタイミングから第3のタイミングまでの第2の期間における前記金属板の塑性係数と、の差の評価指標を導出する評価指標導出工程と、
    前記評価指標導出工程により導出された前記評価指標に基づいて、前記第1のプリセット荷重更新工程により導出された前記プリセット荷重の更新値を再更新する必要があるか否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程により、前記第1のプリセット荷重更新工程により導出された前記プリセット荷重の更新値を再更新する必要があると判定されると、前記第2の期間における操業実績値に基づいて、前記プリセット荷重の再更新値を導出する第2のプリセット荷重更新工程と、
    を有し、
    前記プリセット荷重は、前記調質圧延機の目標圧延荷重としてプリセットされる圧延荷重であり、
    前記第1のタイミングは、前記調質圧延機における圧延荷重の測定値が前記プリセット荷重になるタイミングよりも前のタイミングであり、
    前記第2のタイミングは、前記調質圧延機における圧延荷重の測定値が前記プリセット荷重になったタイミングであり、
    前記第3のタイミングは、前記調質圧延機における圧延荷重の測定値が前記第1のプリセット荷重更新工程により導出された前記プリセット荷重の更新値になる前のタイミングであることを特徴とする圧延制御方法。
  9. 圧延を中断している状態または軽圧下の状態で金属板の溶接箇所が調質圧延機を通過した後に前記金属板の伸び率を目標値または目標範囲内にするためにプリセット荷重の値を導出し、当該プリセット荷重の値に基づく圧下指令を出力するための処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    第1のタイミングから第2のタイミングまでの第1の期間における操業実績値に基づいて、前記プリセット荷重の更新値を導出する第1のプリセット荷重更新工程と、
    前記第1の期間における前記金属板の塑性係数と、前記第2のタイミングから第3のタイミングまでの第2の期間における前記金属板の塑性係数と、の差の評価指標を導出する評価指標導出工程と、
    前記評価指標導出工程により導出された前記評価指標に基づいて、前記第1のプリセット荷重更新工程により導出された前記プリセット荷重の更新値を再更新する必要があるか否かを判定する判定工程と、
    前記判定工程により、前記第1のプリセット荷重更新工程により導出された前記プリセット荷重の更新値を再更新する必要があると判定されると、前記第2の期間における操業実績値に基づいて、前記プリセット荷重の再更新値を導出する第2のプリセット荷重更新工程と、
    をコンピュータに実行させ、
    前記プリセット荷重は、前記調質圧延機の目標圧延荷重としてプリセットされる圧延荷重であり、
    前記第1のタイミングは、前記調質圧延機における圧延荷重の測定値が前記プリセット荷重になるタイミングよりも前のタイミングであり、
    前記第2のタイミングは、前記調質圧延機における圧延荷重の測定値が前記プリセット荷重になったタイミングであり、
    前記第3のタイミングは、前記調質圧延機における圧延荷重の測定値が前記第1のプリセット荷重更新工程により導出された前記プリセット荷重の更新値になる前のタイミングであることを特徴とするプログラム。
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