JPH10235421A - 冷間圧延におけるキャンバの制御法 - Google Patents

冷間圧延におけるキャンバの制御法

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JPH10235421A
JPH10235421A JP9054284A JP5428497A JPH10235421A JP H10235421 A JPH10235421 A JP H10235421A JP 9054284 A JP9054284 A JP 9054284A JP 5428497 A JP5428497 A JP 5428497A JP H10235421 A JPH10235421 A JP H10235421A
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rolling stand
camber
stand
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JP9054284A
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English (en)
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Atsushi Aizawa
敦 相沢
Kenji Hara
健治 原
Kazunari Nakamoto
一成 中本
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 予めキャンバの生じている金属帯であって
も、板破断すること無くキャンバを小さくでき歩留に優
れた圧延を行う。 【解決手段】 金属帯Sをタンデム冷間圧延するに際
し、第1圧延スタンド2の入側で金属帯Sのキャンバ曲
率を連続的に検出し、各圧延スタンド2の左右圧延荷重
差dPiを設定して圧延したときの最終の圧延スタンド2
の出側のキャンバ曲率ρnを表す所定の式における各圧
延スタンド2の左右圧延荷重差dPiを、このときの左右
圧延荷重差dPiと金属帯の端縁近傍の張力Tiとの関係を
表す所定の式より求められる張力Tiが変形抵抗値である
上限値Ti(max)以下となるように上記キャンバ曲率ρnを
目標値とし得る左右圧延荷重差dPiを選択し、この左右
圧延荷重差dPiに常時選定し直しながら圧延する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、予めキャンバの生
じている金属帯であっても、板破断すること無くキャン
バを小さくして歩留の優れた圧延を行うことのできる冷
間圧延におけるキャンバの制御法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に金属帯を圧延する際には、圧延
機,金属帯又はこれら両者について作業側と駆動側(以
下、この両側を総称して「左右」と言うことがある)に
例えば圧延機における左右の圧延荷重差等や金属帯にお
けるウエッジ等の種々の非対称が生じており、このよう
な非対称に起因して圧延された金属帯の左右両側縁でそ
れぞれ通板方向への伸びに差が生じることによってキャ
ンバが発生する。冷間圧延において前記した如きキャン
バが発生すると、製品価値が低下し歩留低下の原因とな
るばかりでなく、通板する金属帯の蛇行により絞り込み
等の圧延トラブルの原因ともなる。キャンバを抑制する
ためにはウエッジ率(金属帯の左右両側縁の板厚比)を
一定とすることによって金属帯の左右両側縁の伸びの差
の発生を防止すれば良く、そのためにウエッジ率を一定
とすることのできる条件、即ち左右の圧延荷重に所定量
の差を生じるように調整することにより圧延を行ってい
た。
【0003】しかしながら、圧延すべき金属帯に予めキ
ャンバが生じている場合には、前記した如くウエッジ率
を一定とすることのできる左右圧延荷重差に調整して圧
延すると、金属帯の左右両側縁の伸びの差が抑制されて
金属帯に予め生じていたキャンバが残存するのであり、
特に、形状矯正のために低圧下率で再び冷間圧延を行う
場合には、キャンバ曲率がそのまま残存するため、前記
した如く歩留低下と共に圧延トラブルが発生するという
欠点があった。
【0004】このような圧延前から予めキャンバが生じ
ている金属帯を、キャンバの小さな状態に圧延する方法
が特公平5−21648号公報に開示されている。この
方法は、少なくとも2つの最終圧延パスを除く任意の第
iパス通過後の金属帯のウエッジ率とキャンバ曲率とを
推定又は実測により求めて、ウエッジ率を横軸としキャ
ンバ曲率を縦軸とする座標において、前記第iパス通過
後のウエッジ率とキャンバ曲率とを表す点を求めて後、
ウエッジ率の変化に対するキャンバ曲率の変化を示す関
係式に基づき、ウエッジ率が変化しないときの第(i+
1)パス通過後のキャンバ曲率を表す点を求めると共
に、この点を通る所定の傾きの第1直線と、この第1直
線と横軸との交点を通る所定の傾きの第2直線と、原点
を通る所定の傾きの第3直線とを求め、第2直線と第3
直線との交点から縦軸と平行な線と第1直線との交点を
求め、この交点でもって少なくとも第(i+2)パス以降
のウエッジ率及びキャンバ曲率を零とするための第(i
+1)パス通過後の目標のウエッジ率及びキャンバ曲率
を推定し、この目標ウエッジ率から第(i+1)パス以降
における圧延機の作業側と駆動側との圧下位置差の修正
量を求め、この圧下位置差の修正量に応じて前記両側の
圧下位置を設定し、第(i+1)パス以降の圧延を行う方
法である。ここで、前記ウエッジ率ρiの変化に対する
キャンバ曲率φiの変化を示す関係式は、下記の式で表
される。 ρi−ρ(i-1)/λi2=ξ(ri)[φi−φ(i-1)] 但し、λi:伸び率であって第iパス通過前後の平均板
厚の比[h(i-1)/hi] ξ(ri):キャンバ変化係数で圧下率riの関数
【0005】この方法を実施すると、キャンバ曲率を修
正するために第(i+1)パスを行う圧延スタンドでウエ
ッジ率を変更するので、この圧延スタンドで圧延された
金属帯の左右両側縁における通板方向への伸びに差が生
じて金属帯に予め生じているキャンバ曲率が修正される
のである。
【0006】しかしながら、特公平5−21648号公
報に開示されている前記方法を実施すると、上記した如
く第iパス後のウエッジ率及びキャンバ曲率から圧下位
置差の修正量が一義的に決定されるので、或る圧延スタ
ンドのみで前記圧下位置差の修正量が大きくなる場合が
あり、従ってウエッジ率の変更量が非常に大きい場合に
板破断を生じることがあるという欠点があった。即ち、
ウエッジ率が変更されると上記した如く左右両側縁の伸
びに差が生じるので、この伸びの差に起因して伸びの小
さい側縁側の張力が大きくなるため、このウエッジ率の
変更量が大きいとその圧延スタンドで生じる左右の伸び
の差が大きくなり、伸びの小さい側の張力が大きくなる
ために板破断を生じることがあるという欠点があったの
である。これは、この方法が張力変化を考慮していない
からである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を解消し、予めキャンバの生じている金属帯で
あっても、板破断すること無くキャンバを小さくでき歩
留に優れた圧延を行うことのできる冷間圧延におけるキ
ャンバ制御法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決すべく鋭意検討した結果、予めキャンバの生じ
ている金属帯をキャンバの小さな状態にタンデム圧延す
るためには、キャンバ曲率と比例関係にあるウエッジ率
を変更すれば良く、このウエッジ率は各圧延スタンドの
左右圧延荷重差と比例関係にあり、更にこの左右圧延荷
重差と圧延スタンドの出側の張力とが比例関係にあるこ
とに着目すると共に、左右圧延荷重差を設定したときの
張力が金属帯の変形抵抗値を超えることがなければ金属
帯に板破断を生じることなくキャンバを小さくすること
ができることに着目した。
【0009】そして、複数の圧延スタンドが配設されて
いるタンデム圧延設備で金属帯を冷間圧延するに際し、
圧延すべき金属帯のキャンバ曲率ρ0を第1圧延スタン
ドの入側で連続的に検出し、各圧延スタンドにおいて左
右圧延荷重差dPiを設定して圧延したときの最終の圧延
スタンドの出側のキャンバ曲率ρnを表す下記の式
【0010】
【数3】
【0011】ここで、bi:各圧延スタンドにおける圧
下率,板厚等の圧延条件によって定まる影響係数 ζ0:圧延すべき金属帯の平均板厚h0と最終の圧延スタ
ンド通過後の平均板厚hnとの比h0/hnで表される第
1圧延スタンド以降の総伸び率 ζi:第i圧延スタンド通過後の平均板厚hiと最終の圧
延スタンド通過後の平均板厚hnとの比hi/hnで表さ
れる第(i+1)圧延スタンド以降の総伸び率 における各圧延スタンドの左右圧延荷重差dPiを、その
ときの圧延スタンドの出側における伸び率の小さい側の
端縁近傍の張力Tiを表す下記の式 Ti=d1i・dPi+d2i ここで、d1i:左右圧延荷重差dPiのみを変えて圧延し
たときの左右圧延荷重差dPiと張力Tiとの関係における
傾きを示す影響係数 d2i:影響係数d1iのときに定められる影響係数 より求められる張力Tiが変形抵抗値である上限値Ti(ma
x)以下となるように、上記式で表される最終の圧延スタ
ンドの出側のキャンバ曲率ρnを目標値とするための各
圧延スタンドの左右圧延荷重差dPiに選定し直しながら
圧延すれば、上記課題を解決することができることを究
明して本発明を完成したのである。
【0012】また、各圧延スタンドの左右圧延荷重差d
Piの選定を圧延開始時の初期設定から行うと、圧延開始
当初からキャンバ曲率の小さな状態に板破断を生じさせ
ること無く圧延することができてより歩留が向上するこ
とも究明した。
【0013】更に、各圧延スタンドにおける左右圧延荷
重差dPiを設定する際の各圧延スタンドの出側における
伸び率の小さい側の端縁近傍の張力Tiとして、変形抵抗
値である上限値Ti(max)に対する各圧延スタンドの出側
の張力Tiの比に基づく評価関数J1を表す下記の式
【0014】
【数4】
【0015】における評価関数J1が最小値となる、各
圧延スタンドの張力Tiを選定すると、各圧延スタンド通
過後の金属帯の張力の増加を小さくすることができるこ
とも究明したのである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明に係る冷
間圧延におけるキャンバの制御法について詳細に説明す
る。図1は本発明法を実施するための制御機構の1例の
構成を簡略に示す説明図、図2は左右圧延荷重差のみを
変化させて圧延した金属帯のキャンバ曲率の変化量と左
右圧延荷重差との関係を示す図、図3は左右圧延荷重差
のみを変化させて圧延された金属帯の伸びの小さな側縁
近傍の張力と左右圧延荷重差との関係を示す図である。
【0017】本発明法を実施するためには、先ず図1に
示す如く複数の圧延スタンド2がタンデムに配設されて
いるタンデム圧延設備1の最も上流側に配設されている
最初の圧延スタンド2の入側に、圧延すべき金属帯Sの
キャンバ曲率を連続的に検出せしめるキャンバ検出器3
を設置する。このキャンバ検出器3としては、板幅計や
イメージセンサー等を使用することができる。また、タ
ンデム圧延設備1には、圧延条件,キャンバ検出器3に
より検出されたキャンバ曲率等の情報を入力される上位
コンピュータ4が設けられていると共に、この上位コン
ピュータ4からの情報を受けて各圧延スタンド2におけ
る左右圧延荷重差dPiを演算せしめるプロセスコンピュ
ータ5が設けられており、更にこのプロセスコンピュー
タ5で演算せしめられた左右圧延荷重差dPiを受けて各
圧延スタンド2の左右圧延荷重差を制御せしめる左右圧
延荷重差制御装置6が設けられている。
【0018】本発明法は、金属帯Sをタンデム圧延する
際の圧延すべき金属帯Sのキャンバ曲率を第1圧延スタ
ンド2の入側で連続的に検出せしめ、この検出されたキ
ャンバ曲率を受けて各圧延スタンド2における左右圧延
荷重差dPiを、各圧延スタンド2の出側の張力Tiが変形
抵抗値である上限値Ti(max)以下とすることのできる値
に常時選定し直しながら圧延する方法である。
【0019】以下に、各圧延スタンド2における左右圧
延荷重差dPiの設定値を演算する手段について具体的に
説明する。先ず、第i圧延スタンド2の通過前後のキャ
ンバ曲率の変化量と左右圧延荷重差との関係を求める。
図2は金属帯Sを左右圧延荷重差のみを変化させて圧延
したときのキャンバ曲率の変化量を示しており、キャン
バ曲率の変化量と左右圧延荷重差とは比例関係にある。
即ち、第i圧延スタンド2の通過後と第(i−1)圧延ス
タンド通過後との金属帯Sのウエッジ率φi,φ(i-1)と
キャンバ曲率ρi,ρ(i-1)との関係は、下記の式(1)で
表される。 ρi−ρ(i-1)/λi2=ξi[φi−φ(i-1)] (1) ここで、λi:伸び率であって、第i圧延スタンド2の
通過前後の平均板厚の比[h(i-1)/hi] ξi:圧下率,板厚等の圧延条件の関数 式(1)から、ウエッジ率の変化量[φi−φ(i-1)]と伸び
率の分だけ小さくなることを考慮したキャンバ曲率の変
化量[ρi−ρ(i-1)/λi2]は比例関係にあることが判
る。
【0020】また、第i圧延スタンド2のウエッジ率の
変化量[φi−φ(i-1)と]左右圧延荷重差dPiとの関係
は、下記の式(2)で表される。 φi−φ(i-1)=ai・dPi (2) ここで、ai:圧下率,板厚等圧延条件の関数 即ち、ウエッジ率の変化量[φi−φ(i-1)]と左右圧延荷
重差dPiとは、比例関係にあることが判る。
【0021】上記式(1)及び(2)より、伸び率の分だけ
小さくなることを考慮したキャンバ曲率の変化量[ρi−
ρ(i-1)/λi2]と左右圧延荷重差dPiとの関係は、下記
の式(3)で表される。 ρi−ρ(i-1)/λi2=bi・dPi (3) ここで、bi:各圧延スタンドにおける圧下率,板厚等
の圧延条件によって定まる影響係数なお、実際のキャン
バ制御では、伸び率の分だけ小さくなることを考慮した
キャンバ曲率の変化量[ρi−ρ(i-1)/λi2]と左右圧延
荷重差dPiとの関係における傾きを示す影響係数bi
は、製造品種毎に実験又はロールの弾性変形解析と圧延
材の塑性変形解析とを連成させた解析モデルによるシミ
ュレーションからそれぞれ求められる。
【0022】従って、各圧延スタンド2の左右圧延荷重
差dPiを設定したときの最終の圧延スタンド2の出側の
キャンバ曲率ρnは、第1圧延スタンド2の入側で検出
されたキャンバ曲率ρ0の第1〜n圧延スタンドまでの
伸び率の分だけ小さくなることを考慮されたキャンバ曲
率(ρ0/ζ0)に、式(3)より第1〜(n−1)圧延スタン
ドにおいて左右圧延荷重差dPiを設定したことによる伸
び率の分だけ小さくなることを考慮されたキャンバ曲率
の変化量の和と、最終の圧延スタンド2でのキャンバ曲
率の変化量とを加えた値となり、下記の式(4)で表され
る。
【0023】
【数5】
【0024】ここで、bi:各圧延スタンドにおける圧
下率,板厚等の圧延条件によって定まる影響係数 ζ0:圧延すべき金属帯の平均板厚h0と最終の圧延スタ
ンド通過後の平均板厚hnとの比h0/hnで表される第
1圧延スタンド以降の総伸び率 ζi:第i圧延スタンド通過後の平均板厚hiと最終の圧
延スタンド通過後の平均板厚hnとの比hi/hnで表さ
れる第(i+1)圧延スタンド以降の総伸び率 この伸び率ζiは、各圧延スタンドの圧下率から求めら
れる。
【0025】そして、式(4)で表されるキャンバ曲率ρ
nがその目標値となるように、各圧延スタンド2におけ
る左右圧延荷重差dPiを新たに設定するのであるが、こ
のとき左右圧延荷重差dPiを新たに設定したことによっ
て金属帯Sの左右の伸び率が変化するので、その結果張
力も変化するのである。従って、板破断すること無く圧
延するためには、左右圧延荷重差dPiを新たに設定した
ときの張力Tiが、変形抵抗値である上限値Ti(max)以下
であることが必要である。ここで、張力Tiとは、左右の
張力を比較した場合伸び率の小さい側の張力が伸び率の
大きい側の張力より大きいので、大きな張力である伸び
率の小さい側の張力を指している。
【0026】そこで、左右圧延荷重差dPiと圧延後の張
力Tiとの関係を求める。図3は金属帯Sを左右圧延荷重
差dPiのみを変化させて圧延したときの金属帯Sの伸び
の小さな側縁近傍の張力Tiと左右圧延荷重差dPiとの関
係を示しており、金属帯Sの張力Tiと左右圧延荷重差d
Piとは比例関係にある。
【0027】即ち、金属帯Sの張力Tiと左右圧延荷重差
dPiとは図3に示す如く比例関係にあるので、各圧延ス
タンド2における左右圧延荷重差dPiに対する各圧延ス
タンド2の出側における伸び率の小さい側の端縁近傍の
張力Tiは、下記の式(5)で表される。 Ti=d1i・dPi+d2i (5) ここで、d1i:左右圧延荷重差dPiのみを変えて圧延し
たときの左右圧延荷重差dPiと張力Tiとの関係における
傾きを示す影響係数 d2i:影響係数d1iのときに定められる影響係数 式(5)におけるd1i,d2iは、実験又はロールの弾性変
形解析と圧延材の塑性変形解析とを連成させた解析モデ
ルによるシミュレーションにより、それぞれ予め求めら
れる。そして、この張力Tiは、変形抵抗値である上限値
Ti(max)以下であることが必要である。
【0028】かかる各左右圧延荷重差dPiと金属帯Sの
張力Tiとの関係から、設定すべき左右圧延荷重差dPi
を、上記式(5)で求められる金属帯Sの張力Tiが変形抵
抗値である上限値Ti(max)以下となるように、上述した
式(4)における最終の圧延スタンド2の出側のキャンバ
曲率ρnがその目標キャンバ曲率とし得る各圧延スタン
ドにおける左右圧延荷重差dPiを任意に組み合わせて選
定する。従って、上述した式(4)で表される最終の圧延
スタンド2の出側のキャンバ曲率ρnが目標キャンバ曲
率とするための各圧延スタンド2の左右圧延荷重差dPi
は一義的に決定されるものではなく、種々の組み合わせ
から選定される。
【0029】各圧延スタンド2の左右圧延荷重差dPi
を、種々の組み合わせから選定するに際し、第1〜n圧
延スタンドまでについて、圧延後の金属帯2の伸び率の
小さな側の張力の前記上限値Ti(max)に対する、左右圧
延荷重差dPiを設定したときの張力Tiの比Ti/Ti(max)
を自乗した値の和、即ち下記の式(6)で表される評価関
数J1の値が最小となる組み合わせを算出することが、
各圧延スタンド2の通過後の金属帯Sの張力の増加を小
さくすることができて好ましい。
【0030】
【数6】
【0031】また、キャンバの制御は圧延開始時から行
うことが歩留良く圧延作業を行うことができて好ましい
ので、上述した如き各圧延スタンドの左右圧延荷重差d
Piを圧延開始時の初期設定から行うことが好ましい。
【0032】
【実施例】
実施例1 板厚1.0mm,板幅1240mmの金属板を、4機の6重圧延ス
タンドをタンデムに配設されたタンデム圧延設備に通板
して、第1〜4圧延スタンドでの圧下率をそれぞれ1.
4,1.4,1.2,1.1%にして、最終の圧延スタンド通過後
の板厚が0.95mmとなる冷間圧延を行った。
【0033】このとき、第1圧延スタンドの入側におけ
る金属帯のキャンバ曲率をキャンバ検出器により連続的
に検出し、各圧延スタンドのロールの弾性変形,圧延す
べき金属帯の塑性変形等を考慮した上述した式(4)にお
ける影響係数bi,同じく上述した式(5)における影響
係数d1i及びd2i,圧下率,金属帯の変形抵抗値であ
る上限値Ti(max)等の圧延条件を入力されている上位コ
ンピュータに前記検出したキャンバ曲率ρ0を入力し
た。そして、プロセスコンピュータにより、上位コンピ
ュータの情報を受けて上述した式(4)及び(5)に基づい
て、先ず左右圧延荷重差dPiを仮定してこの左右圧延荷
重差dPiから式(5)により導き出される各圧延スタンド
の出側の金属帯の張力Tiを算出し、この張力Tiが前記張
力の上限値Ti(max)を超える場合には前記左右圧延荷重
差dPiの設定値を小さく修正する作業を各圧延スタンド
について行って、式(4)の最終の圧延スタンドの出側の
キャンバ曲率ρnを算出し、このキャンバ曲率ρnが目標
値の0になるまで各圧延スタンドについて前記左右圧延
荷重差dPiを修正する作業を、この左右圧延荷重差dPi
より導き出される各圧延スタンドの出側の金属帯の張力
Tiから上述した式(6)で表される評価関数J1の値が最
小となる組み合わせとなるまで前記左右圧延荷重差dPi
を修正しながら繰返し演算した。ここで、前記金属帯の
張力Ti及び張力Tiの上限値Ti(max)は、伸びの小さい側
の端縁から10mm位置の張力である。こうして新たに演算
された各圧延スタンドにおける左右圧延荷重差dPiを左
右圧延荷重差制御装置により設定して圧延した。
【0034】その結果、0.99×10-6mm-1のキャンバ曲率
が生じていた圧延すべき金属帯を、破断が発生すること
無く0.03×10-6mm-1の小さなキャンバ曲率の状態に圧延
することができた。
【0035】
【発明の効果】以上に詳述した如く、本発明に係る冷間
圧延におけるキャンバの制御法は、各圧延スタンドの左
右圧延荷重差を設定したときの最終の圧延スタンドの出
側のキャンバ曲率が、各圧延スタンドにおける左右圧延
荷重差と圧延スタンドで通板前後のキャンバ曲率の変化
量とが比例関係にあることを利用して、新たに左右圧延
荷重差を設定したときの最終の圧延スタンドの出側のキ
ャンバ曲率を、第1圧延スタンドの入側のキャンバ曲率
を連続的に検出し、この検出されたキャンバ曲率に、第
1〜(n−1)圧延スタンドにおける左右圧延荷重差を設
定したことによる伸び率の分だけ小さくなることを考慮
されたキャンバ曲率の変化量の和と、最終の圧延スタン
ドでのキャンバ曲率の変化量とを加えた値として予測
し、更に左右圧延荷重差と伸び率が小さく大きな張力を
生じる側の張力とが比例関係にあることを利用して、前
記キャンバ曲率を目標値とすることのできる左右圧延荷
重差として、左右圧延荷重差を新たに設定したときの圧
延スタンドの出側の張力が変形抵抗値である上限値以下
とすることのできる左右圧延荷重差を演算して各圧延ス
タンドの左右圧延荷重差を常時設定しながら圧延するの
で、予めキャンバが生じている金属帯であっても、最終
の圧延スタンドの出側のキャンバ曲率を目標のキャンバ
曲率に略一致する小さなキャンバ曲率の状態に板破断を
生じること無く圧延することができ、通板する金属帯の
蛇行による絞り込みが発生すること無く品質に優れた状
態に圧延することができると共に歩留の向上を図ること
ができる。
【0036】また、このような冷間圧延におけるキャン
バの制御方法を、各圧延スタンドの左右圧延荷重差を圧
延開始時の初期設定から行うと、圧延開始時からキャン
バ曲率の小さな状態に圧延することができ、歩留の向上
をより図ることができると共に通板する金属帯の蛇行に
よる絞り込みを防止することができる。
【0037】また各圧延スタンドの左右圧延荷重差を演
算するに際し、第1〜n圧延スタンドまでについて、各
圧延スタンド通過後の金属帯の伸び率の小さな側の張力
の上限値に対する、左右圧延荷重差を設定したときの張
力Tiの比Ti/Ti(max)を自乗した値の和で表される評価
関数J1が最小となる組み合わせとし得る左右圧延荷重
差をとすれば、各圧延スタンド通過後の金属帯の張力の
増加を小さくすることができる。
【0038】このように種々の効果を奏する本発明に係
る冷間圧延におけるキャンバの制御法は、その工業的価
値の非常に大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法を実施するための制御機構の1例の構
成を簡略に示す説明図である。
【図2】左右圧延荷重差のみを変化させて圧延した金属
帯のキャンバ曲率の変化量と左右圧延荷重差との関係を
示す図である。
【図3】左右圧延荷重差のみを変化させて圧延した金属
帯の伸びの小さな側縁近傍の張力と左右圧延荷重差との
関係を示す図である。
【符号の説明】
1 タンデム圧延設備 2 圧延スタンド 3 キャンバ検出器 4 上位コンピュータ 5 プロセスコンピュータ 6 左右圧延荷重差制御装置 S 金属帯

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の圧延スタンドが配設されているタ
    ンデム圧延設備で金属帯を冷間圧延するに際し、圧延す
    べき金属帯のキャンバ曲率ρ0を第1圧延スタンドの入
    側で連続的に検出し、各圧延スタンドにおいて左右圧延
    荷重差dPiを設定して圧延したときの最終の圧延スタン
    ドの出側のキャンバ曲率ρnを表す下記の式 【数1】 ここで、bi:各圧延スタンドにおける圧下率,板厚等
    の圧延条件によって定まる影響係数 ζ0:圧延すべき金属帯の平均板厚h0と最終の圧延スタ
    ンド通過後の平均板厚hnとの比h0/hnで表される第
    1圧延スタンド以降の総伸び率 ζi:第i圧延スタンド通過後の平均板厚hiと最終の圧
    延スタンド通過後の平均板厚hnとの比hi/hnで表さ
    れる第(i+1)圧延スタンド以降の総伸び率 における各圧延スタンドの左右圧延荷重差dPiを、その
    ときの圧延スタンドの出側における伸び率の小さい側の
    端縁近傍の張力Tiを表す下記の式 Ti=d1i・dPi+d2i ここで、d1i:左右圧延荷重差dPiのみを変えて圧延し
    たときの左右圧延荷重差dPiと張力Tiとの関係における
    傾きを示す影響係数 d2i:影響係数d1iのときに定められる影響係数 より求められる張力Tiが変形抵抗値である上限値Ti(ma
    x)以下となるように、上記式で表される最終の圧延スタ
    ンドの出側のキャンバ曲率ρnを目標値とするための各
    圧延スタンドの左右圧延荷重差dPiに選定し直しながら
    圧延することを特徴とする冷間圧延におけるキャンバの
    制御法。
  2. 【請求項2】 各圧延スタンドの左右圧延荷重差dPiの
    選定を圧延開始時の初期設定から行う請求項1に記載の
    冷間圧延におけるキャンバの制御法。
  3. 【請求項3】 各圧延スタンドにおける左右圧延荷重差
    dPiを設定する際の各圧延スタンドの出側における伸び
    率の小さい側の端縁近傍の張力Tiとして、変形抵抗値で
    ある上限値Ti(max)に対する各圧延スタンドの出側の張
    力Tiの比に基づく評価関数J1を表す下記の式 【数2】 における評価関数J1が最小値となる、各圧延スタンド
    の張力Tiを選定する請求項1又は2に記載の冷間圧延に
    おけるキャンバの制御法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018094608A (ja) * 2016-12-15 2018-06-21 Jfeスチール株式会社 圧下レベリング制御装置および圧下レベリング制御方法
JP2021109186A (ja) * 2020-01-08 2021-08-02 Jfeスチール株式会社 圧延装置の制御方法、圧延装置の制御装置、および鋼板の製造方法

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