JPH10235420A - 冷間圧延におけるキャンバ制御方法 - Google Patents

冷間圧延におけるキャンバ制御方法

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JPH10235420A
JPH10235420A JP9054283A JP5428397A JPH10235420A JP H10235420 A JPH10235420 A JP H10235420A JP 9054283 A JP9054283 A JP 9054283A JP 5428397 A JP5428397 A JP 5428397A JP H10235420 A JPH10235420 A JP H10235420A
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rolling
dpi
rolling stand
tension
camber
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JP9054283A
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English (en)
Inventor
Atsushi Aizawa
敦 相沢
Kenji Hara
健治 原
Kazunari Nakamoto
一成 中本
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 予めキャンバの生じている金属帯であっても
破断すること無くキャンバを小さくして歩留の優れた圧
延を行う。 【解決手段】 金属帯Sをタンデム圧延するに際し、最
終の圧延スタンド2の出側のキャンバ曲率を連続的に測
定し、各圧延スタンド2の左右圧延荷重差dPiを補正量
Δ(dPi)だけ補正して圧延したときの最終の圧延スタン
ド2の出側のキャンバ曲率ρnを表す所定の式における
各圧延スタンド2の前記補正量Δ(dPi)を、このときの
補正量Δ(dPi)と金属帯Sの端縁近傍の張力Tiの変化量
ΔTiとの関係を表す所定の式より求められる補正量Δ
(dPi)であって、変化量ΔTiだけ変化した張力(Ti+ΔT
i)が変形抵抗値である上限値Ti(max)以下となる補正量
Δ(dPi)に制限し、上記キャンバ曲率ρnを目標値とし
得る補正量Δ(dPi)を選択し、この補正量Δ(dPi)だけ
左右圧延荷重差dPiを常時補正しながら圧延する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、予めキャンバの生
じている金属帯であっても、破断すること無くキャンバ
を小さくして歩留の優れた圧延を行うことのできる冷間
圧延におけるキャンバ制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に金属帯を圧延する際には、圧延
機,金属帯又はこれら両者について作業側と駆動側(以
下、この両側を総称して「左右」と言うことがある)に
例えば圧延機における左右の圧延荷重差等や金属帯にお
けるウエッジ等の種々の非対称が生じており、このよう
な非対称に起因して圧延された金属帯の左右両側縁でそ
れぞれ通板方向への伸びに差が生じることによってキャ
ンバが発生する。冷間圧延において前記した如きキャン
バが発生すると、製品価値が低下し歩留低下の原因とな
るばかりでなく、通板する金属帯の蛇行により絞り込み
等の圧延トラブルの原因ともなる。キャンバを抑制する
ためにはウエッジ率(金属帯の左右両側縁の板厚比)を
一定とすることによって金属帯の左右両側縁の伸びの差
の発生を防止すれば良く、そのためにウエッジ率を一定
とすることのできる条件、即ち左右の圧延荷重に所定量
の差を生じるように調整することにより圧延を行ってい
た。
【0003】しかしながら、圧延すべき金属帯に予めキ
ャンバが生じている場合には、前記した如くウエッジ率
を一定とすることのできる左右圧延荷重差に調整して圧
延すると、金属帯の左右両側縁の伸びの差が抑制されて
金属帯に予め生じていたキャンバが残存するのであり、
特に、形状矯正のために低圧下率で再び冷間圧延を行う
場合には、キャンバ曲率がそのまま残存するため、前記
した如く歩留低下と共に圧延トラブルが発生するという
欠点があった。
【0004】このような圧延前から予めキャンバが生じ
ている金属帯を、キャンバの小さな状態に圧延する方法
が特公平5−21648号公報に開示されている。この
方法は、少なくとも2つの最終圧延パスを除く任意の第
iパス通過後の金属帯のウエッジ率とキャンバ曲率とを
推定又は実測により求めて、ウエッジ率を横軸としキャ
ンバ曲率を縦軸とする座標において、前記第iパス通過
後のウエッジ率とキャンバ曲率とを表す点を求めて後、
ウエッジ率の変化に対するキャンバ曲率の変化を示す関
係式に基づき、ウエッジ率が変化しないときの第(i+
1)パス通過後のキャンバ曲率を表す点を求めると共
に、この点を通る所定の傾きの第1直線と、この第1直
線と横軸との交点を通る所定の傾きの第2直線と、原点
を通る所定の傾きの第3直線とを求め、第2直線と第3
直線との交点から縦軸と平行な線と第1直線との交点を
求め、この交点でもって少なくとも第(i+2)パス以降
のウエッジ率及びキャンバ曲率を零とするための第(i
+1)パス通過後の目標のウエッジ率及びキャンバ曲率
を推定し、この目標ウエッジ率から第(i+1)パス以降
における圧延機の作業側と駆動側との圧下位置差の修正
量を求め、この圧下位置差の修正量に応じて前記両側の
圧下位置を設定し、第(i+1)パス以降の圧延を行う方
法である。ここで、前記ウエッジ率ρiの変化に対する
キャンバ曲率φiの変化を示す関係式は、下記の式で表
される。 ρi−ρ(i-1)/λi2=ξ(ri)[φi−φ(i-1)] 但し、λi:伸び率であって第iパス通過前後の平均板
厚の比[(h(i-1)/hi] ξ(ri):キャンバ変化係数で圧下率riの関数
【0005】この方法を実施すると、キャンバ曲率を修
正するために第(i+1)パスを行う圧延スタンドでウエ
ッジ率を変更するので、この圧延スタンドで圧延された
金属帯の左右両側縁における通板方向への伸びに差が生
じて金属帯に予め生じているキャンバ曲率が修正される
のである。
【0006】しかしながら、特公平5−21648号公
報に開示されている前記方法を実施すると、上記した如
く第iパス後のウエッジ率及びキャンバ曲率から圧下位
置差の修正量が一義的に決定されるので、或る圧延スタ
ンドのみで前記圧下位置差の修正量が大きくなる場合が
あり、従ってウエッジ率の変更量が非常に大きい場合に
板破断を生じることがあるという欠点があった。即ち、
ウエッジ率が変更されると上記した如く左右両側縁の伸
びに差が生じるので、この伸びの差に起因して伸びの小
さい側縁側の張力が大きくなるため、このウエッジ率の
変更量が大きいとその圧延スタンドで生じる左右の伸び
の差が大きくなり、伸びの小さい側の張力が大きくなる
ために板破断を生じることがあるという欠点があったの
である。これは、この方法が張力変化を考慮していない
からである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を解消し、予めキャンバの生じている金属帯で
あっても、板破断すること無くキャンバを小さくして歩
留の優れた圧延を行うことのできる冷間圧延におけるキ
ャンバ制御方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決すべく鋭意検討した結果、予めキャンバの生じ
ている金属帯をキャンバの小さな状態にタンデム圧延す
るためには、キャンバ曲率と比例関係にあるウエッジ率
を変更すれば良く、このウエッジ率は各圧延スタンドの
左右圧延荷重差と比例関係にあり、更にこの左右圧延荷
重差を補正したときの補正量と圧延スタンド出側の張力
の変化量とが比例関係にあることに着目すると共に、左
右圧延荷重差を補正したときの張力が金属帯の変形抵抗
値を超えることがなければ金属帯に破断を生じることな
くキャンバを抑制することができることに着目した。
【0009】そして、複数の圧延スタンドが配設されて
いるタンデム圧延設備で金属帯を冷間圧延するに際し、
最終の圧延スタンドの出側のキャンバ曲率ρn1を連続的
に検出し、各圧延スタンドにおいて設定されていた左右
圧延荷重差dPiを補正量Δ(dPi)だけ補正して圧延した
ときの最終の圧延スタンドの出側のキャンバ曲率ρnを
表す下記の式
【0010】
【数4】
【0011】ここで、bi:各圧延スタンドにおける圧
下率,板厚等の圧延条件によって定まる影響係数 ζi:第i圧延スタンド通過後の平均板厚hiと最終の圧
延スタンド通過後の平均板厚hnとの比hi/hnで表さ
れる第(i+1)圧延スタンド以降の総伸び率 における各圧延スタンドの前記補正量Δ(dPi)を、各圧
延スタンドの設定されていた左右圧延荷重差dPiを補正
量Δ(dPi)だけ補正したときの各圧延スタンドの出側に
おける伸び率の小さい側の端縁近傍の張力Tiの変化量Δ
Tiを表す下記の式 ΔTi=d1i・Δ(dPi) ここで、d1i:左右圧延荷重差dPiのみを変えて圧延し
たときの左右圧延荷重差dPiと張力Tiとの関係における
傾きを示す影響係数 より求められる補正量Δ(dPi)であって、変化量ΔTiだ
け変化させた張力(Ti+ΔTi)が変形抵抗値である上限値
Ti(max)以下となる補正量Δ(dPi)に制限して、上記式
で表される最終の圧延スタンドの出側のキャンバ曲率ρ
nを目標値とするための各圧延スタンドの補正量Δ(dP
i)を選定し、これらの補正量Δ(dPi)だけ各圧延スタン
ドの設定されていた左右圧延荷重差dPiを常時補正しな
がら圧延すれば上記課題を解決することができることを
究明し本発明を完成したのである。
【0012】また、各圧延スタンドの左右圧延荷重差d
Piを初期設定するに際し、先ず圧延すべき金属帯のキャ
ンバ曲率ρ0を予め検出し、各圧延スタンドにおける左
右圧延荷重差dPiを設定して圧延したときの最終の圧延
スタンドの出側のキャンバ曲率ρnを表す下記の式
【0013】
【数5】
【0014】ここで、bi:各圧延スタンドにおける圧
下率,板厚等の圧延条件によって定まる影響係数 ζ0:圧延すべき金属帯の平均板厚h0と最終の圧延スタ
ンド通過後の平均板厚hnとの比h0/hnで表される第
1圧延スタンド以降の総伸び率 ζi:第i圧延スタンド通過後の平均板厚hiと最終の圧
延スタンド通過後の平均板厚hnとの比hi/hnで表さ
れる第(i+1)圧延スタンド以降の総伸び率 における各圧延スタンドの左右圧延荷重差dPiを、その
ときの圧延スタンドの出側における伸び率の小さい側の
端縁近傍の張力Tiを表す下記の式 Ti=d1i・dPi+d2i ここで、d1i:左右圧延荷重差dPiのみを変えて圧延し
たときの左右圧延荷重差dPiと張力Tiとの関係における
傾きを示す影響係数 d2i:影響係数d1iのときに定められる影響係数 より求められる張力Tiが変形抵抗値である上限値Ti(ma
x)以下となる左右圧延荷重差dPiであって、上記式で表
される最終の圧延スタンドの出側のキャンバ曲率ρnを
目標値とするための各圧延スタンドの左右圧延荷重差d
Piに選定して初期設定すれば、圧延開始当初からキャン
バ曲率の小さな状態に破断を生じさせること無く圧延す
ることができることも究明したのである。
【0015】更に、各圧延スタンドの設定されていた左
右圧延荷重差dPiを補正量Δ(dPi)だけ補正したときの
圧延スタンドの出側における伸び率の小さい側の端縁近
傍の張力Tiの変化量ΔTiを、変形抵抗値である上限値Ti
(max)に対する各圧延スタンドの出側の張力(Ti+ΔTi)
の比に基づく評価関数J1を表す下記の式
【0016】
【数6】
【0017】における評価関数J1が最小値となる、各
圧延スタンドの張力Tiの変化量ΔTiに選定すると、各圧
延スタンド通過後の金属帯の張力の増加を小さくするこ
とができ破断を生じるような張力の増加を確実に防止す
ることができることも究明したのである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面により本発明に係る冷
間圧延におけるキャンバ制御方法について詳細に説明す
る。図1は本発明方法を実施するための制御機構の1例
の構成を簡略に示す説明図、図2は左右圧延荷重差のみ
を変化させて圧延した金属帯のキャンバ曲率の変化量と
左右圧延荷重差との関係を示す図、図3は左右圧延荷重
差のみを変化させて圧延された金属帯の伸びの小さな側
縁近傍の張力と左右圧延荷重差との関係を示す図であ
る。
【0019】本発明方法を実施するためには、先ず図1
に示す如く複数の圧延スタンド2がタンデムに配設され
ているタンデム圧延設備1の少なくとも最も下流側に配
設されている最終の圧延スタンド2の出側に、この最終
の圧延スタンド2で圧延された金属帯Sのキャンバ曲率
を連続的に検出せしめるキャンバ検出器3を設置する。
このキャンバ検出器3としては、板幅計やイメージセン
サー等を使用することができる。また、タンデム圧延設
備1には、圧延条件,キャンバ検出器3により検出され
たキャンバ曲率等の情報を入力される上位コンピュータ
4が設けられていると共に、この上位コンピュータ4か
らの情報を受けて各圧延スタンド2における左右圧延荷
重差dPiを演算せしめるプロセスコンピュータ5が設け
られており、更にこのプロセスコンピュータ5で演算せ
しめられた左右圧延荷重差dPiを受けて各圧延スタンド
2の左右圧延荷重差を制御せしめる左右圧延荷重差制御
装置6が設けられている。
【0020】本発明方法は、最終の圧延スタンド2で圧
延された金属帯Sのキャンバ曲率を連続的に検出し、こ
の検出したキャンバ曲率を受けて設定されていた各圧延
スタンド2における左右圧延荷重差dPiを各圧延スタン
ド2の出側の張力Tiが変形抵抗値である上限値Ti(max)
以下とすることができるように所定の補正量Δ(dPi)だ
け常時補正しながら圧延する方法である。
【0021】以下に、各圧延スタンド2における設定さ
れていた左右圧延荷重差dPiの補正すべき所定の補正量
Δ(dPi)を演算する手段について具体的に説明する。先
ず、第i圧延スタンド2の通過前後のキャンバ曲率の変
化量と左右圧延荷重差との関係を求める。図2は金属帯
Sを左右圧延荷重差のみを変化させて圧延したときのキ
ャンバ曲率の変化量を示しており、キャンバ曲率の変化
量と左右圧延荷重差とは比例関係にある。即ち、第i圧
延スタンド2の通過後と第(i−1)圧延スタンド2の通
過後との金属帯Sのウエッジ率φi,φ(i-1)とキャンバ
曲率ρi,ρ(i-1)との関係は、下記の式(1)で表され
る。 ρi−ρ(i-1)/λi2=ξi[φi−φ(i-1)] (1) ここで、λi:伸び率であって、第i圧延スタンド2の
通過前後の平均板厚の比[h(i-1)/hi]で表される ξi:圧下率,板厚等の圧延条件の関数で表される 式(1)から、ウエッジ率の変化量[φi−φ(i-1)]と伸び
率の分だけ小さくなることを考慮したキャンバ曲率の変
化量[ρi−ρ(i-1)/λi2]は比例関係にあることが判
る。
【0022】また、第i圧延スタンド2のウエッジ率の
変化量[φi−φ(i-1)]と左右圧延荷重差dPiとの関係
は、下記の式(2)で表される。 φi−φ(i-1)=ai・dPi (2) ここで、ai:圧下率,板厚等圧延条件の関数で表され
る即ち、ウエッジ率の変化量[φi−φ(i-1)]と左右圧延
荷重差dPiとは、比例関係にあることが判る。
【0023】上記式(1)及び(2)より、伸び率の分だけ
小さくなることを考慮したキャンバ曲率の変化量[ρi−
ρ(i-1)/λi2]と左右圧延荷重差dPiとの関係は、下記
の式(3)で表される。 ρi−ρ(i-1)/λi2=bi・dPi (3) ここで、bi:ξi・aiであって、圧下率,板厚等圧延
条件の関数で表される影響係数 なお、実際のキャンバ制御では、伸び率の分だけ小さく
なることを考慮したキャンバ曲率の変化量[ρi−ρ(i-
1)/λi2]と左右圧延荷重差dPiとの関係における傾き
を示す影響係数biは、製造品種毎に実験又はロールの
弾性変形解析と圧延材の塑性変形解析とを連成させた解
析モデルによるシミュレーションからそれぞれ求められ
る。また、式(3)より、各圧延スタンドの設定されてい
た左右圧延荷重差dPiを補正量Δ(dPi)だけ補正したと
きにはキャンバ曲率の変化量がbi・Δ(dPi)分だけ加
えた変化量となることは言うまでもない。
【0024】従って、各圧延スタンド2で設定されてい
た左右圧延荷重差dPiを補正量Δ(dPi)だけ補正したと
きの最終の圧延スタンド2の出側のキャンバ曲率ρn
は、最終の圧延スタンド2の出側で検出されたキャンバ
曲率ρn1に、式(3)より第1〜(n−1)圧延スタンドに
おいて前記補正量Δ(dPi)だけ補正したことによる伸び
率の分だけ小さくなることを考慮されたキャンバ曲率の
変化量の和と、最終の圧延スタンド2でのキャンバ曲率
の変化量とを加えた値となり、下記の式(4)で表され
る。
【0025】
【数7】
【0026】ここで、ζi:第i圧延スタンド2の通過
後の平均板厚hiと最終の圧延スタンド2の通過後の平
均板厚hnとの比hi/hnで表される第(i+1)圧延ス
タンド2以降の総伸び率 この伸び率ζiは、各圧延スタンド2の圧下率から求め
られる。
【0027】そして、式(4)で表されるキャンバ曲率ρ
nが目標値となるように、各圧延スタンド2における設
定されていた左右圧延荷重差dPiを補正量Δ(dPi)の分
だけ常時補正するのであるが、このとき左右圧延荷重差
が補正されたことによって各圧延スタンド2を通過した
金属帯Sの左右の伸び率も変化するので、その結果張力
Tiも変化するのである。従って、破断すること無く圧延
するためには、設定されていた左右圧延荷重差dPiを補
正量Δ(dPi)だけ補正したときに変化量ΔTiだけ変化し
た張力(Ti+ΔTi)が、変形抵抗値である上限値Ti(max)
以下であることが必要である。ここで、張力Tiとは、左
右の張力を比較した場合伸び率の小さい側の張力が伸び
率の大きい側の張力より大きいので、大きな張力である
伸び率の小さい側の張力を指している。
【0028】そこで、左右圧延荷重差dPiと前記張力Ti
との関係を求める。図3は金属帯Sを左右圧延荷重差d
Piのみを変化させて圧延したときの金属帯Sの伸びの小
さな側縁近傍の張力Tiと左右圧延荷重差dPiとの関係を
示しており、金属帯Sの張力Tiと左右圧延荷重差dPiと
は比例関係にある。
【0029】即ち、金属帯Sの張力Tiと左右圧延荷重差
dPiとは図3に示す如く比例関係にあるので、各圧延ス
タンド2における左右圧延荷重差dPiに対する各圧延ス
タンド2の出側における伸び率の小さい側の端縁近傍の
張力Tiは、下記の式(5)で表される。 Ti=d1i・dPi+d2i (5) ここで、d1i:左右圧延荷重差dPiのみを変えて圧延し
たときの左右圧延荷重差dPiと張力Tiとの関係における
傾きを示す影響係数 d2i:影響係数d1iのときに定められる影響係数 式(5)におけるd1i,d2iは、実験又はロールの弾性変
形解析と圧延材の塑性変形解析とを連成させた解析モデ
ルによるシミュレーションにより、それぞれ予め求めら
れる。
【0030】また、式(5)より各圧延スタンド2で設定
されていた左右圧延荷重差dPiを補正量Δ(dPi)だけ補
正したときの各圧延スタンド2の出側における伸び率の
小さい側の端縁近傍の張力Tiの変化量ΔTiは、下記の式
(6)で表される。 ΔTi=d1i・Δ(dPi) (6)
【0031】上記式(5)における圧延スタンド2の出側
における伸び率の小さい側の端縁近傍の張力Tiが、変形
抵抗値である上限値Ti(max)以下であることが必要であ
り、従って上記式(6)における変化量ΔTiだけ変化した
ときの張力(Ti+ΔTi)が変形抵抗値である上限値Ti(ma
x)以下であることが必要であることは言うまでもない。
【0032】かかる左右圧延荷重差dPiと圧延スタンド
2の通過後の金属帯Sの張力Tiとの関係から、左右圧延
荷重差dPiの補正量Δ(dPi)を、この補正量Δ(dPi)に
起因して変化量ΔTiだけ変化する張力(Ti+ΔTi)が変形
抵抗値である上限値Ti(max)以下となる補正量Δ(dPi)
として、上述した式(4)における最終の圧延スタンド2
の出側のキャンバ曲率ρnを目標値とし得る左右圧延荷
重差dPiの補正量Δ(dPi)を任意に組み合わせて選定す
る。即ち、上述した式(4)で表される最終の圧延スタン
ド2の出側のキャンバ曲率ρnを目標キャンバ曲率とす
るための各圧延スタンド2の左右圧延荷重差dPiの補正
量Δ(dPi)は一義的に決定されるものではなく、種々の
組み合わせから選定される。
【0033】各圧延スタンド2の左右圧延荷重差dPiの
補正量Δ(dPi)を、種々の組み合わせから選定するに際
し、第1〜n圧延スタンドまでについて、圧延後の金属
帯Sの伸び率の小さな側の張力の前記上限値Ti(max)に
対する、左右圧延荷重差dPiを補正量Δ(dPi)だけ補正
したときの張力(Ti+ΔTi)の比(Ti+ΔTi)/Ti(max)を
自乗した値の和、即ち下記の式(7)で表される評価関数
1の値が最小となる組み合わせを算出することが、各
圧延スタンド2の通過後の金属帯Sの張力の増加を小さ
くすることができて好ましい。
【0034】
【数8】
【0035】また、キャンバの制御は圧延開始時から行
うことが歩留良く圧延作業を行うことができて好ましい
ので、以下に各圧延スタンド2の左右圧延荷重差dPiを
金属帯Sを通板する前の初期設定について説明する。
【0036】各圧延スタンド2の左右圧延荷重差dPiを
初期設定するには、先ず圧延すべき金属帯Sのキャンバ
曲率ρ0を予め検出する。各圧延スタンド2における左
右圧延荷重差dPiを設定して圧延されたときの最終の圧
延スタンド2の出側のキャンバ曲率ρnは、予め検出さ
れた圧延すべき金属帯Sのキャンバ曲率ρ0の第1〜n
圧延スタンドまでの伸び率の分だけ小さくなることを考
慮したキャンバ曲率ρ0/ζ0 2に、上述した式(3)より
第1〜(n−1)圧延スタンドにおいて左右圧延荷重差d
Piを設定したことによる伸び率の分だけ小さくなること
を考慮したキャンバ曲率の変化量(bi・dPi)/ζi2
和と第n圧延スタンド2でのキャンバ曲率の変化量とを
加えた値で予測でき、下記の式(8)で表される。
【0037】
【数9】
【0038】そして、式(8)で表されるキャンバ曲率ρ
nがその目標値となるように、各圧延スタンド2におけ
る左右圧延荷重差dPiを種々の組み合わせの中から選定
して設定するのであるが、この場合においても金属帯S
が破断すること無く圧延できるように伸び率の小さい側
の端縁近傍の出側の張力Tiが変形抵抗値である上限値Ti
(max)以下とすることのできる左右圧延荷重差dPiに設
定する。金属帯Sの伸び率の小さい側の端縁近傍の出側
の張力Tiと左右圧延荷重差dPiとの関係は上記式(5)で
表されるから、この式(5)の張力Tiが変形抵抗値である
上限値Ti(max)以下とすることのできる左右圧延荷重差
dPiに設定する。
【0039】各圧延スタンド2の左右圧延荷重差dPiを
種々の組み合わせから選定するに際し、第1〜n圧延ス
タンドまでについて、圧延後の金属帯Sの伸び率の小さ
な側の張力の前記上限値Ti(max)に対する、左右圧延荷
重差dPiに設定したときの張力Tiの比(Ti/Ti(max))
を自乗した値の和、即ち下記の式(9)で表される評価関
数J2の値が最小となる組み合わせを算出することが、
各圧延スタンド2の通過後の金属帯Sの張力を均すこと
ができて好ましい。
【0040】
【数10】
【0041】
【実施例】
実施例1 板厚1.0mm,板幅1240mmの金属板を、4機の6重圧延ス
タンドをタンデムに配設されたタンデム圧延設備に通板
して、第1〜4圧延スタンドでの圧下率をそれぞれ1.
4,1.4,1.2,1.1%にして、最終の圧延スタンド通過後
の板厚が0.95mmとなる冷間圧延を行った。
【0042】このとき、最終の圧延スタンドである第4
圧延スタンドの出側における金属帯のキャンバ曲率をキ
ャンバ検出器により連続的に検出し、各圧延スタンドの
ロールの弾性変形,圧延すべき金属帯の塑性変形等を考
慮した上述した式(4)における影響係数bi,同じく上
述した式(5)における影響係数d1i及びd2i,圧下
率,金属帯の変形抵抗値である張力の上限値Ti(max)等
の圧延条件を入力されている上位コンピュータに前記検
出したキャンバ曲率を入力した。ここで、張力の上限値
Ti(max)は、伸びの小さい側の板端から10mm位置での張
力としている。そして、プロセスコンピュータにより、
上位コンピュータの情報を受けて上述した式(4),(5)
及び(6)に基づいて、先ず式(5)により各圧延スタンド
出側の金属帯の張力Tiを算出すると共に、左右圧延荷重
差dPiの補正量Δ(dPi)を仮定して式(6)により前記張
力Tiの変化量ΔTiを算出し、左右圧延荷重差dPiを補正
したときの張力(Ti+ΔTi)を算出し、この張力(Ti+ΔT
i)が前記張力の上限値Ti(max)を超える場合には前記左
右圧延荷重差dPiの補正量Δ(dPi)を小さく仮定し直す
作業を各圧延スタンドについて行って、式(4)の最終の
圧延スタンドの出側のキャンバ曲率ρnを算出し、この
キャンバ曲率ρnが目標値の0になるまで各圧延スタン
ドについて前記左右圧延荷重差dPiの補正量Δ(dPi)を
修正し、更にこの補正量Δ(dPi)より上述した式(7)で
表される評価関数J1の値が最小となる組み合わせとな
るまで前記左右圧延荷重差dPiの補正量Δ(dPi)を修正
しながら繰返し演算した。ここで、前記金属帯の張力Ti
は、伸びの小さい側の端縁から10mm位置の張力である。
このようにして演算された各圧延スタンドにおける左右
圧延荷重差dPiの補正量Δ(dPi)だけ左右圧延荷重差制
御装置により補正して圧延した。
【0043】その結果、1.13×10-6mm-1のキャンバ曲率
が生じていた圧延すべき金属帯を、破断を発生させるこ
と無く0.04×10-6mm-1の小さなキャンバ曲率の状態に圧
延することができた。
【0044】実施例2 各圧延スタンドの左右圧延荷重差dPiを圧延開始時から
以下の如く初期設定した以外は、実施例1と同様に圧延
した。先ず、圧延すべき金属帯のキャンバ曲率を予め検
出し、各圧延スタンドのロールの弾性変形,圧延すべき
金属帯の塑性変形等を考慮された上述した式(4)におけ
る影響係数bi,同じく上述した式(5)における影響係
数d1i及びd2i,圧下率,金属帯の変形抵抗値である
張力の上限値Ti(max)等の圧延条件を入力されている上
位コンピュータに前記検出したキャンバ曲率を入力し
た。ここで、張力の上限値Ti(max)は、伸びの小さい側
の板端から10mm位置での張力としている。
【0045】そして、プロセスコンピュータにより、上
位コンピュータの情報を受けて上述した式(5)及び(8)
に基づいて、先ず各圧延スタンドの左右圧延荷重差dPi
を仮定して式(5)により各圧延スタンド出側の金属帯の
張力Tiを算出すると共に、この算出した張力Tiが前記張
力の上限値Ti(max)を超える場合には前記左右圧延荷重
差dPiを小さく仮定し直す作業を各圧延スタンドについ
て行って、式(8)の最終の圧延スタンドの出側のキャン
バ曲率ρnを算出し、このキャンバ曲率ρnが目標値の0
になるまで各圧延スタンドについて前記左右圧延荷重差
dPiを修正し、更にこの左右圧延荷重差dPiに基づいて
算出される張力Tiにより上述した式(9)で表される評価
関数J2の値が最小となる組み合わせとなるまで前記左
右圧延荷重差dPiを修正しながら繰返し演算した。この
ようにして演算された各圧延スタンドにおける左右圧延
荷重差dPiを左右圧延荷重差制御装置により初期設定し
て圧延を開始した。
【0046】その結果、前記した如く初期設定されて圧
延された金属帯は、圧延前に生じていた1.07×10-6mm-1
のキャンバ曲率を0.07×10-6mm-1の小さなキャンバ曲率
の状態に破断が発生すること無く圧延することができ、
その後実施例1と同様に圧延を行った結果、更に0.03×
10-6mm-1と小さなキャンバ曲率の状態に圧延することが
でき、圧延開始当初からキャンバ曲率の小さな状態に圧
延することができた。
【0047】
【発明の効果】以上に詳述した如く、本発明に係る冷間
圧延におけるキャンバ制御方法は、各圧延スタンドの左
右圧延荷重差を補正したときの最終の圧延スタンドの出
側のキャンバ曲率が、各圧延スタンドにおける左右圧延
荷重差と圧延スタンド通過前後のキャンバ曲率の変化量
とが比例関係にあることを利用して、最終の圧延スタン
ドの出側のキャンバ曲率を連続的に検出し、この検出さ
れたキャンバ曲率に、各圧延スタンドにおける左右圧延
荷重差を補正したことによる伸び率の分だけ小さくなる
ことを考慮されたキャンバ曲率の変化量の和と、最終の
圧延スタンドでのキャンバ曲率の変化量とを加えた値と
して補正後の最終の圧延スタンドの出側のキャンバ曲率
を予測し、このキャンバ曲率を目標値とすることのでき
る左右圧延荷重差として、左右圧延荷重差と伸び率が小
さく大きな張力を生じる側の張力とが比例関係にあるこ
とを利用して、左右圧延荷重差を補正したときの張力が
変形抵抗値である上限値以下とすることのできる左右圧
延荷重差の補正量を演算して各圧延スタンドの左右圧延
荷重差を常時補正しながら圧延するので、予めキャンバ
が生じている金属帯であっても、最終の圧延スタンド出
側のキャンバ曲率を目標のキャンバ曲率に略一致する小
さなキャンバ曲率の状態に破断を生じること無く圧延す
ることができ、通板する金属帯の蛇行による絞り込みが
発生すること無く品質に優れた状態に圧延することがで
きると共に歩留の向上を図ることができる。
【0048】更に、圧延すべき金属帯のキャンバ曲率を
検出しておき、この検出されたキャンバ曲率に、各圧延
スタンドにおける左右圧延荷重差を設定したことによる
伸び率の分だけ小さくなることを考慮されたキャンバ曲
率の変化量の和と、最終の圧延スタンドでのキャンバ曲
率の変化量とを加えた値として補正後の最終の圧延スタ
ンドの出側のキャンバ曲率を予測し、このキャンバ曲率
を目標値とすることのできる左右圧延荷重差として、左
右圧延荷重差と伸び率が小さく大きな張力を生じる側の
張力とが比例関係にあることを利用して、左右圧延荷重
差を補正したときの張力が変形抵抗値である上限値以下
とすることのできる左右圧延荷重差を演算して各圧延ス
タンドの左右圧延荷重差を設定して圧延すれば、圧延開
始時からキャンバ曲率の小さな状態に圧延することがで
き、歩留の向上をより図ることができると共に通板する
金属帯の蛇行による絞り込みを防止することができる。
【0049】また、各圧延スタンドの左右圧延荷重差の
補正量を演算する際し、第1〜n圧延スタンドまでにつ
いて、圧延後の金属帯の伸び率の小さな側の張力の上限
値に対する、左右圧延荷重差を補正量Δ(dPi)だけ補正
したときの張力(Ti+ΔTi)の比(Ti+ΔTi)/Ti(max)を
自乗した値の和で表される評価関数J1が最小となる組
み合わせの補正量Δ(dPi)とすれば、各圧延スタンド通
過後の金属帯の張力の増加を小さくすることができる。
【0050】このように種々の効果を奏する本発明に係
る冷間圧延におけるキャンバ制御方法は、その工業的価
値の非常に大きなものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための制御機構の1例の
構成を簡略に示す説明図である。
【図2】左右圧延荷重差のみを変化させて圧延した金属
帯のキャンバ曲率の変化量と左右圧延荷重差との関係を
示す図である。
【図3】左右圧延荷重差のみを変化させて圧延された金
属帯の伸びの小さな側縁近傍の張力と左右圧延荷重差と
の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 タンデム圧延設備 2 圧延スタンド 3 キャンバ検出器 4 上位コンピュータ 5 プロセスコンピュータ 6 左右圧延荷重差制御装置 S 金属帯

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の圧延スタンドが配設されているタ
    ンデム圧延設備で金属帯を冷間圧延するに際し、最終の
    圧延スタンドの出側のキャンバ曲率ρn1を連続的に検出
    し、各圧延スタンドにおいて設定されていた左右圧延荷
    重差dPiを補正量Δ(dPi)だけ補正して圧延したときの
    最終の圧延スタンドの出側のキャンバ曲率ρnを表す下
    記の式 【数1】 ここで、bi:各圧延スタンドにおける圧下率,板厚等
    の圧延条件によって定まる影響係数 ζi:第i圧延スタンド通過後の平均板厚hiと最終の圧
    延スタンド通過後の平均板厚hnとの比hi/hnで表さ
    れる第(i+1)圧延スタンド以降の総伸び率 における各圧延スタンドの前記補正量Δ(dPi)を、各圧
    延スタンドの設定されていた左右圧延荷重差dPiを補正
    量Δ(dPi)だけ補正したときの各圧延スタンドの出側に
    おける伸び率の小さい側の端縁近傍の張力Tiの変化量Δ
    Tiを表す下記の式 ΔTi=d1i・Δ(dPi) ここで、d1i:左右圧延荷重差dPiのみを変えて圧延し
    たときの左右圧延荷重差dPiと張力Tiとの関係における
    傾きを示す影響係数 より求められる補正量Δ(dPi)であって、変化量ΔTiだ
    け変化させた張力(Ti+ΔTi)が変形抵抗値である上限値
    Ti(max)以下となる補正量Δ(dPi)に制限して、上記式
    で表される最終の圧延スタンドの出側のキャンバ曲率ρ
    nを目標値とするための各圧延スタンドの補正量Δ(dP
    i)を選定し、これらの補正量Δ(dPi)だけ各圧延スタン
    ドの設定されていた左右圧延荷重差dPiを常時補正しな
    がら圧延することを特徴とする冷間圧延におけるキャン
    バ制御方法。
  2. 【請求項2】 各圧延スタンドの左右圧延荷重差dPiを
    初期設定するに際し、先ず圧延すべき金属帯のキャンバ
    曲率ρ0を予め検出し、各圧延スタンドにおける左右圧
    延荷重差dPiを設定して圧延したときの最終の圧延スタ
    ンドの出側のキャンバ曲率ρnを表す下記の式 【数2】 ここで、bi:各圧延スタンドにおける圧下率,板厚等
    の圧延条件によって定まる影響係数 ζ0:圧延すべき金属帯の平均板厚h0と最終の圧延スタ
    ンド通過後の平均板厚hnとの比h0/hnで表される第
    1圧延スタンド以降の総伸び率 ζi:第i圧延スタンド通過後の平均板厚hiと最終の圧
    延スタンド通過後の平均板厚hnとの比hi/hnで表さ
    れる第(i+1)圧延スタンド以降の総伸び率 における各圧延スタンドの左右圧延荷重差dPiを、その
    ときの圧延スタンドの出側における伸び率の小さい側の
    端縁近傍の張力Tiを表す下記の式 Ti=d1i・dPi+d2i ここで、d1i:左右圧延荷重差dPiのみを変えて圧延し
    たときの左右圧延荷重差dPiと張力Tiとの関係における
    傾きを示す影響係数 d2i:影響係数d1iのときに定められる影響係数 より求められる張力Tiが変形抵抗値である上限値Ti(ma
    x)以下となる左右圧延荷重差dPiであって、上記式で表
    される最終の圧延スタンドの出側のキャンバ曲率ρnを
    目標値とするための各圧延スタンドの左右圧延荷重差d
    Piに選定して初期設定する請求項1に記載の冷間圧延に
    おけるキャンバ制御方法。
  3. 【請求項3】 各圧延スタンドの設定されていた左右圧
    延荷重差dPiを補正量Δ(dPi)だけ補正したときの圧延
    スタンドの出側における伸び率の小さい側の端縁近傍の
    張力Tiの変化量ΔTiを、変形抵抗値である上限値Ti(ma
    x)に対する各圧延スタンドの出側の張力(Ti+ΔTi)の比
    に基づく評価関数J1を表す下記の式 【数3】 における評価関数J1が最小値となる、各圧延スタンド
    の張力Tiの変化量ΔTiに選定する請求項1又は2に記載
    の冷間圧延におけるキャンバ制御方法。
JP9054283A 1997-02-24 1997-02-24 冷間圧延におけるキャンバ制御方法 Withdrawn JPH10235420A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106914495A (zh) * 2015-12-25 2017-07-04 宝山钢铁股份有限公司 一种热轧带钢镰刀弯控制方法及系统
JP2021109185A (ja) * 2020-01-08 2021-08-02 Jfeスチール株式会社 圧延装置の制御方法、圧延装置の制御装置、および鋼板の製造方法

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