JP7494356B2 - サーバ - Google Patents

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Description

本発明は、特典付き金融商品を扱うサーバに関する。
日本人が投資に興味を持つきっかけとして株主優待などの特典は有力な要素である。株主優待をうまく活用することで、投資に無関心な層に投資を始めさせるきっかけを作ることができる。
現在の株主優待制度の課題は以下の通りである。
1.投資信託に含まれる株式の株主優待は、当該証券を保管している信託銀行により受け取られ、該信託銀行が投資信託協会の規則に則り、換金できるものは換金して信託財産に繰り入れ、換金できないものは辞退、寄付または処分している。しかしながら、換金にはコスト(費用として表面化しない負担も含む)がかかり、換金できないような優待については本来もらうべき投資信託の保有者である最終受益者にとってのメリットとなっていない。その結果、「株主優待そのもの」がほしい個人にとって、投資信託は魅力的ではない。
2.優待目当ての投資家にとっては、株の個別銘柄を購入しなければならないが、投資初心者にとって個別銘柄の購入はリスクが高く、本来適切ではない(銘柄の分散効果が働かない)。また、株主優待を得るには最低でも10万円程度の投資が必要なことが多く、優待目当てで一括で投資してしまうこととなる(「ドルコスト平均法」のような、購入タイミングの分散効果が働く戦略を取り辛い)。結果的に本来の主目的であるべき「資産形成」に繋がらないことが多い。
3.事業会社(発行体企業)にとって、株主優待は個人の安定株主を獲得するうえで有効であり、また節税効果によるメリットもある。しかしながら株主優待を管理し、個人投資家に届けるプロセス自体にコストがかかる。
このような課題に対して、例えば特許文献1には、運用利益として投資先から提示された有価値物を投資家に分配するシステムが開示されている。該システムでは、運用者システムは、投資先システムから受け取った有価値物の内容と数量を投資先DBの有価値物に登録し、ネットワークを介し投資家システムを通じて投資家に公開する。運用者システムは、投資家システムから有価値物についての応募情報を受け取り、内部の抽選によりこれを分配する投資家を選択する。
特開2004-038438号公報
引用文献1に記載のシステムでは、運用者が投資家に運用利益(金銭)を分配することに加えて、株主優待のような権利・物品等の「有価値物」を配分するための手段としてポイントを用いる。投資家システムは、投資家の口数と投資期間に応じたポイントを投資家データベースのポイントに登録し、現在のポイントを投資家システムに連絡する。運用者は、金融商品ごとにポイントを設定する。各投資家に対してその口数又は口数と投資期間、すなわち実質的な投資高に応じてポイントを付与する。口数が日々変更されるような場合には、過去のある一定期間(例えば1ヶ月、半年など)の投資家の口数の積分値に応じてポイントを算出し、算出したポイントをこの一定期間経過するごとにポイントに加算する。
このように、引用文献1に記載のシステムでは、所定の口数の投資を行いポイントを取得しておくことが、株主優待の抽選に参加する条件となっている。したがって、例えば、少額ずつ毎月積み立てていくタイプの投資を希望する者には、最初の比較的長い期間、ポイントが付与されず、したがって株主優待の抽選に参加できないこととなる。これでは、株主優待があったとしても、依然として個人投資家を投資に呼び込むにはしきいが高い。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、特典付きの金融商品により、個人投資家の裾野をさらに拡大することができる仕組みの提供にある。
本発明のある態様は、サーバに関する。このサーバは、特典付き銘柄を含む複数の銘柄からなる金融商品に投資している複数のユーザのうち、前記特典に応募した少なくとも1人のユーザに、前記特典付き銘柄の前記特典をオンラインで配布されるデジタルチケットとして発行するサーバであって、前記複数のユーザの各々について、前記金融商品への投資額に基づいて付与される前記特典への応募可能口数から応募済み口数を除いた残り口数、及び前記金融商品の積立投資プランへの加入状況を示すデータを記憶する記憶手段と、処理手段であって、前記複数のユーザのうちの第1ユーザのユーザ端末に、前記特典への応募を受付けるための画面を表示させ、前記第1ユーザの前記残り口数が前記特典への応募のための条件を充たすことを前記データが示す場合に、前記画面上で前記第1ユーザによる前記特典への応募を受付け、前記第1ユーザが前記特典に当選した場合に、前記第1ユーザに前記デジタルチケットを発行する、前記処理手段と、を備える。各ユーザの前記応募可能口数は、当該ユーザの前記金融商品への前記投資額に基づいて付与されることに加えて、当該ユーザが前記金融商品の前記積立投資プランへ申し込んだことに応じて付与される。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を装置、方法、システム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、特典付きの金融商品により、個人投資家の裾野をさらに拡大することができる。
実施の形態に係るデジタル株主優待配布システムを説明するための模式図である。 図1のデジタル株主優待配布サーバのハードウエア構成図である。 図1のデジタル株主優待配布サーバの機能および構成を示すブロック図である。 図3の保有状況保持部の一例を示すデータ構造図である。 図3の投信情報保持部の一例を示すデータ構造図である。 図3の優待応募情報保持部の一例を示すデータ構造図である。 図1のデジタル株主優待配布サーバにおける一連の処理の流れを示すフローチャートである。 ユーザ端末のディスプレイに表示されるログイン画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示されるメニュー画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示される優待応募付投信の管理画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示される優待抽選応募受付画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示される優待抽選応募受付画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示される提案画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示される更新された優待抽選応募受付画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示される管理画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示される警告画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示される確認画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示される管理画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示されるキャンセル対象選択画面の代表画面図である。 ユーザ端末のディスプレイに表示される管理画面の代表画面図である。
以下、各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面において説明上重要ではない部材の一部は省略して表示する。
実施の形態に係るデジタル株主優待配布システムでは、以下のような新しい株主優待の仕組みにより、株主優待を目当てとした個人が資産形成できるようにする。
1.株主優待は自社商品・サービスの引換券や申し込み券もしくは割引券といったモノを対象とすることとし、デジタル化によってデジタルチケットに換える。そして、限界費用が掛からない形で個人投資家の手元に届ける。
2.アセットマネジメント会社と提携し、「抽選で株主優待がもらえる投資信託」(株主優待付き投資信託であり、以下、優待応募付投信と称す)を組成する。デジタル株主優待配布システムを利用し、株主優待を出している企業を中心に投資信託を組成する。インデックスファンドの場合は、組み入れ銘柄のうち、デジタルチケットとして発行される株主優待については該チケットの形で投信の保有者に届ける。
3.個人投資家は積立投資額が基準額を超えた場合に、優待応募付投信に組み込まれている銘柄が発行する株主優待のうち、いずれかを抽選でもらえる権利を得る。(例えば、複数の選択肢の中から希望した株主優待が抽選でもらえるようにする。投資残高に応じて当選確率を調整する)。
4.長期的な投資を促す目的で、積立期間・額を事前に約束すれば、基準額達成前でも抽選に参加可能とする。(違反して、解約した場合は、既に受け取っていた優待分について相応の信託財産留保額を負担させる)。
5.投信協会の規則に違反しないよう、デジタルチケットは転売不可(換金不能)とし、且つ公表済みの一定のルールに従って分配に恣意性が入らないようにする。
図1は、実施の形態に係るデジタル株主優待配布システム2を説明するための模式図である。デジタル株主優待配布システム2は、インターネットなどのネットワーク(不図示)を介してユーザ端末4a、4b、4cと接続されている。デジタル株主優待配布システム2の運営体はアセットマネジメント会社(図1では「XXアセマネ」)と提携する。アセットマネジメント会社は優待応募付投信(図1では「XX投信」)を組成する。該ファンドには、株主優待の無い銘柄6aと、株主優待の有る銘柄6bと、が含まれる。株主優待のある銘柄6bに含まれる各銘柄の株主優待は、デジタル化されたデジタルチケット8として発行される。発行されたデジタルチケット8はデジタル株主優待配布システム2に登録され、そこで管理される。
以下、ユーザ端末4a、4b、4cのユーザが優待応募付投信を購入している前提で、デジタル株主優待配布システム2における株主優待取得の流れを説明する。
(1)デジタル株主優待配布システム2は、ユーザ端末4a、4b、4cに取得可能な株主優待のリストを送信し、ユーザに提示する。ユーザは、提示されている株主優待のなかから応募可能口数に応じて、希望する株主優待を選択する。この際、ユーザは積立投資プランに入っているまたは入った場合は先取りの応募可能口数を使用することができる。応募可能口数は、優待応募付投信に組み込まれている株主優待有り銘柄6bの株主優待を得るための抽選に参加する権利を、口数単位で表した数量である。デジタル株主優待配布システム2は、ユーザによる優待応募付投信への投資の状況、例えば購入口数および/または保有期間に応じて応募可能口数をユーザに割り当てる。また、デジタル株主優待配布システム2は、優待応募付投信への積立投資において、投資額および/または積立期間が事前に約束された場合、購入口数および/または保有期間が基準に達しない場合でも、ユーザに応募可能口数を割り当てる。
(2)デジタル株主優待配布システム2に含まれるデジタル株主優待配布サーバ10は、ユーザの希望に基づく抽選処理を行う。この際、デジタル株主優待配布サーバ10は、ユーザの優待応募付投信への投資額に応じて当選率を調整してもよい。
(3)デジタル株主優待配布システム2は、抽選の当選者(のユーザ端末)に株主優待をデジタルチケットで配布する。この場合、ユーザが希望とは異なる株主優待をもらうパターンもあり得る。その際、ユーザ個人の希望傾向から、近い業種・サービスの優待を送付することで、株主優待の発行体にとってこれまで接点のなかった新規顧客を開拓するきっかけになるという副次的メリットも提供できる。
(4)抽選の結果によっては、応募したが落選するユーザも発生する。なお、株主優待有りの銘柄だけで投資信託を組成し、ユーザがその投資信託に一定額以上投資している場合は必ず何等かの株主優待が当選するようにしてもよい。
なお、優待抽選への応募、抽選処理および株主優待の送付という処理の流れをブロックチェーンで管理・実現してもよい。株主優待の抽選に申し込みできる権利をトークンで表現することで、数カ月間溜めて当選確率を上げてからほしい株主優待に申し込むことなどができ、自由度が増える。また、株主優待の抽選に申し込みできる権利をトークンにすることで、簡単かつセキュアに投資家間で応募する権利の受け渡しや、当選したデジタルチケットの交換等も可能となる効果がある。
ユーザ端末4a、4b、4cは、投資信託の販売会社(証券会社または直販の場合はアセットマネジメント会社)に口座を開設し、デジタル株主優待配布サービスを利用するユーザの携帯端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ラップトップPCなどであってもよい。ユーザは、ダウンロードサイトからネットワークを介してオンライン取引用アプリケーションプログラム(以下、取引アプリと称す)をユーザ端末にダウンロードし、インストールする。あるいはまた、取引アプリはユーザ端末にプリインストールされていてもよい。取引アプリはデジタル株主優待配布システム2の運営体または販売会社により提供される。取引アプリがユーザ端末により実行されることにより、ユーザ端末は各種機能を実現する。
図2は、図1のデジタル株主優待配布サーバ10のハードウエア構成図である。デジタル株主優待配布サーバ10は、メモリ102と、プロセッサ104と、通信インタフェース106と、ディスプレイ108と、入力インタフェース110と、を備える。これらの要素はそれぞれバス112に接続され、バス112を介して互いに通信する。
メモリ102は、データやプログラムを記憶するための記憶領域である。データやプログラムは、メモリ102に恒久的に記憶されてもよいし、一時的に記憶されてもよい。プロセッサ104は、メモリ102に記憶されているプログラムを実行することにより、デジタル株主優待配布サーバ10の各種機能を実現する。通信インタフェース106は、デジタル株主優待配布サーバ10の外部との間でデータの送受信を行うためのインタフェースである。通信インタフェース106はネットワークと接続され、ネットワークを介してユーザ端末4a、4b、4cとデータをやりとりする。ディスプレイ108は、各種情報を表示するためのデバイスである。入力インタフェース110は、デジタル株主優待配布システム2の運営体からの入力を受け付けるためのデバイスである。
図3は、図1のデジタル株主優待配布サーバ10の機能および構成を示すブロック図である。ここに示す各ブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、本明細書に触れた当業者には理解されるところである。
デジタル株主優待配布サーバ10は、ユーザ認証部112と、取引処理部114と、優待応募付投信管理部116と、優待応募受付部118と、リコメンド部120と、応募条件充足判定部122と、提案部124と、申込受付部126と、抽選処理部128と、監視部130と、ペナルティ処理部132と、保有状況保持部134と、投信情報保持部136と、優待応募情報保持部138と、を備える。
図4は、図3の保有状況保持部134の一例を示すデータ構造図である。保有状況保持部134は、ユーザによる優待応募付投信の保有状況を示す情報を保持する。保有状況保持部134は、ユーザを特定するユーザIDと、ユーザが保有している優待応募付投信の名称と、優待応募付投信への投資額の累計と、優待応募付投信の優待抽選への応募可能口数と、優待応募付投信の次回の優待抽選への応募の締め切り日と、優待応募付投信の積立投資プランへの加入の有無と、を対応付けて保持する。
図5は、図3の投信情報保持部136の一例を示すデータ構造図である。投信情報保持部136は、デジタル株主優待配布システム2が扱う優待応募付投信の情報を保持する。投信情報保持部136は、優待応募付投信の名称と、優待応募付投信の単価と、優待応募付投信の次回の優待抽選への応募の締め切り日と、優待応募付投信の次回の優待抽選の結果発表の日と、優待応募付投信において応募可能な株主優待のリストと、を対応付けて保持する。
図6は、図3の優待応募情報保持部138の一例を示すデータ構造図である。優待応募情報保持部138は、ユーザの優待抽選への応募状況および抽選結果を保持する。優待応募情報保持部138は、ユーザIDと、ユーザが保有する優待応募付投信の名称と、申込可能口数と、登録済み口数と、優待抽選への登録状況と、優待抽選の当選状況と、を対応付けて保持する。申込可能口数は、ユーザが優待応募付投信について有する応募可能口数のうち、優待抽選への申し込みに用いることができる口数(すなわち、残り口数)である。登録済み口数は、ユーザが優待応募付投信について有する応募可能口数のうち、既に優待抽選への申し込みに用いた口数(すなわち、応募済み口数)である。優待抽選への登録状況は、次回の優待抽選に対して、ユーザがどの株主優待に何口登録したかを示す情報を含む。優待抽選の当選状況は、前回の優待抽選の結果ユーザがどの株主優待を取得したかおよび何口分落選したかを示す情報を含む。
図3に戻り、ユーザ認証部112は、ユーザ端末4a、4b、4c(以下、ユーザ端末4と総称する)からネットワークを介してアクセス要求を受け付けると、ユーザ認証を実行する。具体的には、ユーザ認証部112は、ネットワークを介してユーザ端末4から、ユーザによりユーザ端末4に入力されたユーザIDおよびパスワードを含むクレデンシャルを受信する。ユーザ認証部112は、受信したクレデンシャルを用いてユーザ認証(またはログイン処理)を行う。ユーザ認証部112は、ユーザ認証に失敗すると、所定の認証エラー処理を行う。
取引処理部114は、ユーザ認証に成功すると、認証されたユーザが有する証券口座の管理やオンライン証券取引などを可能とするインタフェースをユーザ端末4に提供する。取引処理部114は、後述の優待応募付投信に関する処理以外の、口座管理処理や入出金処理やポートフォリオ管理処理や通常取引処理などを担当する。これらの処理はそれぞれ公知であるから本明細書では詳述しない。
優待応募付投信管理部116は、保有状況保持部134に保持される情報を管理する。優待応募付投信管理部116は、通常取引によりユーザが優待応募付投信を購入した場合、購入情報で保有状況保持部134を更新する。例えば、優待応募付投信管理部116は、保有状況保持部134において、購入された優待応募付投信の累計投資額に購入額を加算する。あるいはまた、優待応募付投信管理部116は、保有状況保持部134において、売却された優待応募付投信の累計投資額から売却額を減算する。
優待応募付投信管理部116は、ネットワークを介してユーザ端末4から、優待応募付投信の管理画面へのアクセスを求める要求を受け付ける。優待応募付投信管理部116は、保有状況保持部134から必要な情報を抽出することで管理画面を生成し、生成された管理画面を表示するための画面情報をユーザ端末4に送信する。ユーザ端末4は、受信した画面情報に基づいてユーザ端末4のタッチパネルディスプレイ(以下、単にディスプレイと称す)に管理画面を表示させる。管理画面には、優待応募付投信の優待抽選の応募ページへのリンクが提供される。
優待応募受付部118は、ユーザにより応募ページへのリンクが指定されると、投信情報保持部136および優待応募情報保持部138から必要な情報を抽出することで優待抽選応募受付画面を生成し、生成された優待抽選応募受付画面を表示するための画面情報をユーザ端末4に送信する。ユーザ端末4は、受信した画面情報に基づいてユーザ端末4のディスプレイに優待抽選応募受付画面を表示させる。ユーザは、優待抽選応募受付画面において、次回の優待抽選に応募する株主優待を選択する。優待応募受付部118は、ユーザがどの株主優待を選択したか(すなわち、どの株主優待に応募したか)を示す情報をユーザ端末4から受信し、受信した情報で優待応募情報保持部138を更新する。例えば、優待応募受付部118は、ユーザが株主優待「航空券割引」に1口応募したことを示す情報を受信した場合、優待応募情報保持部138の対応する優待応募付投信の申込可能口数から1口減算し、登録済み口数に1口加算し、登録状況に「航空券割引:1」を追加する。
リコメンド部120は、優待応募付投信で応募可能な株主優待のうち、ユーザに勧める株主優待を特定する。リコメンド部120は、特定した株主優待が強調または優先されるように優待抽選応募受付画面を変更する。例えば、リコメンド部120は特定した株主優待がリストの最初にくるように優待抽選応募受付画面を変更する。リコメンド部120におけるリコメンドエンジンは、顧客情報やアンケート情報やSNS情報を学習させた人工知能アルゴリズムにより実現されてもよい。この場合、リコメンド部120は、アンケート、SNS、購買履歴などのデータと連携することで、ユーザ個人の好みを特定し、興味がありそうな株主優待銘柄を優先的に表示させることができる。優待選びを楽しくすると共に、大量の優待件数から選択する負担を減らすことができる(2019年1月末時点で、株主優待のある銘柄件数は約1,500銘柄である)。
応募条件充足判定部122は、ユーザによる優待応募付投信への投資の状況が、優待抽選に応募する権利を与えるための応募条件を充たすか否かを判定する。本実施の形態では、応募可能口数の判定日に保有している優待応募付投信の口数と同数の応募可能口数が、当該判定日に付与される。応募条件充足判定部122は、判定日になると保有状況保持部134を参照し、優待応募付投信の累計投資額と該投信の単価とに基づいて、付与される応募可能口数を算出し、算出された応募可能口数を保有状況保持部134に登録する。優待応募付投信の単価は投信情報保持部136から取得される。応募条件充足判定部122は、判定日にユーザが保有している優待応募付投信の口数が1口未満の場合には応募条件を充たさないと判定し、応募可能口数を0に設定する。
提案部124は、応募条件充足判定部122において応募条件を充たさないと判定された場合、優待応募付投信への将来の投資をユーザに提案するための情報を、ネットワークを介してユーザ端末4に送信する。提案部124は、ユーザにより管理画面の応募ページへのリンクが指定されると、保有状況保持部134を参照し、該ユーザの優待応募付投信の応募可能口数が0口かそうでないかを判定する。提案部124は、0口でない、すなわち応募可能口数が1以上ある場合は何もしないが、応募可能口数が0口である場合は、ユーザが優待応募付投信の積立投資プランに加入しているか否かを保有状況保持部134を参照して判定する。提案部124は、ユーザが積立投資プランに既に加入している場合は何もしないが、未加入の場合は優待応募付投信の積立投資プランへの加入をユーザに提案する提案画面を生成する。提案部124は、優待抽選応募受付画面を、提案画面へのリンクを含めるよう変更する。提案部124は、ユーザにより提案画面へのリンクが指定されると、提案画面を表示するための画面情報をユーザ端末4に送信する。ユーザ端末4は、受信した画面情報に基づいてユーザ端末4のディスプレイに提案画面を表示させる。
なお、上記では応募可能口数が0口かそうでないかを判定したが、これに限られず、例えば申込可能口数が0口かそうでないかを判定してもよい。判定のしきい値も0に限られず、1口以上の任意の口数が判定のしきい値として設定されてもよい。あるいはまた、応募可能口数や申込可能口数によらず、積立投資プランに未加入であれば常に積立投資プランを提案してもよい。この場合、累計投資額を優待応募付投信の単価で除した余りすなわち端数について、それだけでは応募可能口数を付与する条件を充たさないところ、積立投資プランに申し込むとその端数についても応募可能口数が付与されることに対応する。
申込受付部126は、優待応募付投信への将来の投資の申し込みを、ネットワークを介してユーザ端末4から受け付ける。ユーザは、ディスプレイに表示されている提案画面において積立投資プランを設計し、またはデフォルトで与えられているプランを採用する。ユーザ端末4は、提案画面において提案された積立投資プランに申し込むための指示を受け付ける。申込受付部126は、そのように提案された積立投資プランへの申し込みの指示を、ユーザ端末4から受信する。申込受付部126は、ユーザが優待応募付投信の積立投資プランに申し込んだことを示すように保有状況保持部134を更新する。具体的には、優待応募付投信の「積立投資プラン」のエントリが未加入から加入済みに変更される。併せて申込受付部126は、応募可能口数に1口追加する。
申込受付部126は、優待応募付投信の積立投資プランが申し込まれたことを条件として、累計投資額またはその端数が1口分未満であり応募条件が充たされない状態であっても、ユーザに応募可能口数を与えるための処理を実行する。例えば、申込受付部126は、所定の先取り付与ルールにしたがい、ユーザが積立投資プランに申し込んだことに応じて該ユーザが取得する応募可能口数を算出する。先取り付与ルールは、例えば、積立投資プランに申し込めばその内容によらず応募可能口数を1口付与するというルールであってもよい。あるいはまた、先取り付与ルールは、積立投資プランの総投資額が大きいほどより多くの応募可能口数を付与するというルールや、積立投資プランの期間が長い/短いほどより多くの応募可能口数を付与するというルールや、それらのルールの組み合わせであってもよい。申込受付部126は、ユーザに新たに付与された応募可能口数で優待抽選応募受付画面を更新する。そのように更新された優待抽選応募受付画面はユーザ端末4のディスプレイに表示され、該画面はユーザが積立投資プランに申し込んだことにより該ユーザに応募可能口数が付与されたことを示す。
抽選処理部128は、優待抽選の処理を実行する。本実施の形態では、抽選が行われる抽選日において各株主優待に応募されている口数に基づいて抽選が行われる。抽選処理自体は公知の抽選処理を用いて実現されてもよい。次回の抽選日は、次回応募締切り日と次回の抽選結果発表日との間にある。抽選処理部128は、抽選日になると優待応募情報保持部138を参照し、抽選を行う優待応募付投信の登録状況を取得する。抽選処理部128は、取得した登録状況に基づいて抽選を実行する。抽選処理部128は、結果発表日に、抽選の結果を優待応募情報保持部138の当選状況に登録する。
監視部130は、提案部124による提案を受けて申し込まれた積立投資プランが実際に行われているかを判定する。監視部130は、ユーザによる投資活動を監視し、ユーザによる積立投資プランの解約や売却を検出するとペナルティ処理部132に通知する。
ペナルティ処理部132は、積立投資プランが実際に行われていないと判定された場合、所定のペナルティ処理を実行する。ペナルティ処理部132は、監視部130から通知を受けると、優待抽選の進行の度合いにより異なるペナルティ処理を実行する。例えば、ペナルティ処理は、ユーザが優待抽選に参加する権利を行使する前、すなわち、優待抽選応募受付画面を介して次回の優待抽選に応募する前、であれば当該権利を取り消すための処理である。具体的には、ペナルティ処理部132は、保有状況保持部134において、ユーザの応募可能口数から、積立投資プランを申し込んだことにより付与された口数を減算する。ペナルティ処理は、ユーザが優待抽選に参加する権利を行使した後かつ抽選の結果が出る前であれば、抽選への参加を取り消すための処理である。具体的には、ペナルティ処理部132は、優待応募情報保持部138において、ユーザの登録済み口数から、積立投資プランを申し込んだことにより付与された口数を減算し、登録状況の対応する項目を削除する。ペナルティ処理は、抽選の結果が出た後であれば金銭で補償させるための処理(後述)である。
以上の構成によるデジタル株主優待配布サーバ10の動作を説明する。
図7は、図1のデジタル株主優待配布サーバ10における一連の処理の流れを示すフローチャートである。デジタル株主優待配布サーバ10は、ユーザ認証を行う(S702)。デジタル株主優待配布サーバ10は、認証されたユーザの応募可能口数を算出する(S704)。デジタル株主優待配布サーバ10は、提案表示条件が充たされるか否かを判定する(S706)。提案表示条件は、対象の優待応募付投信について、ユーザの応募可能口数が0口であり、かつ、積立投資プランに加入していない場合に充たされ、それ以外の場合は充たされない条件である。
デジタル株主優待配布サーバ10は、提案表示条件が充たされる場合(S706のY)、ユーザに将来の投資すなわち優待応募付投信への積立投資プランを提案する(S708)。デジタル株主優待配布サーバ10は、提案した投資が申し込まれたか否かを判定する(S710)。申し込まれた場合(S710のY)、デジタル株主優待配布サーバ10はユーザに新たな応募可能口数を付与する(S712)。S706で提案表示条件が充たされない場合、または、S710で提案した投資が申し込まれなかった場合、または、S712の後、デジタル株主優待配布サーバ10は優待抽選への応募を受け付ける(S714)。デジタル株主優待配布サーバ10は、抽選処理を行う(S716)。デジタル株主優待配布サーバ10は、ユーザに当選/落選を通知する(S718)。
以下のシナリオの下、画面の遷移を参照して実施の形態のユースケースを説明する。
XXアセットマネジメント社にて、以下の2種類の優待応募付投信を組成し、販売中。
●X1投信:株主優待付TOPIX連動インデックスファンド
・TOPIXに連動することを目指すインデックスファンド。東証市場第一部に上場している銘柄のうち、オンラインチケット(デジタルチケット)タイプの株主優待を有するものについて、抽選で当選者に優待を配布。
・株主優待の権利月は銘柄による。
・投資金額12万円につき、応募可能口数(応募権利)を毎年1月に1口付与。
●X2投信:株主優待付アクティブファンド
・独自の銘柄を組み合わせたアクティブファンド。クルージング招待券や旅行券など高級な株主優待など優待付き銘柄を中心に集めて投信を組成。
・権利月は4月と10月の年二回。
・投資金額100万円につき、応募可能口数を毎年1月に1口付与。
●X1投信、X2投信に共通の仕組み:先取り応募可能口数
・積立投資プランを契約している場合、累計投資額が最低投資口数に満たない場合や累計投資額の端数が最低投資口数に満たない場合であっても「先取りで応募可能口数」を得ることができる。
・積立投資プランを契約していて、当選したケースにおいて、あらかじめ定められた期間内(例えば次回の応募可能口数付与までの期間など)に積立投資プランを解約(または当該投信を売却)した場合、あらかじめ定められた算定式に従いペナルティ金額が信託財産留保額に追加される。(算定式の例:当該期間における総応募済み口数における「先取り応募可能口数」の比率を、単位当たりペナルティ割合に乗じた値に、売却金額を乗じて算出)
YY証券を販売会社として、当該投資信託を販売。ZZ信託銀行にて資産管理。
AさんはYY証券に投信口座を保有。以下のようにX1投信、X2投信に投資している。
●X1投信:50万円分を一括購入。積立投資プランには申し込んでいない。次回追加投資は未定。(毎年1月に4口獲得)
●X2投信:9万円分購入済み、100万円未満のため0口。毎月3万円積立投資コースを設定すると、1口先取りで申し込み可能。(仮に積立投資コースに入らずに毎月3万円投資を続ける場合、2年10ヶ月後(34ヶ月後)に100万円を超えて1口の申し込みが可能になる)
(ケース1 累計投資額に応じて付与された応募可能口数による応募)
Aさんが50万円投資済のX1投信において、4口応募する場合を説明する。Aさんが使用するユーザ端末を単にユーザ端末と称す。図8は、ユーザ端末のディスプレイに表示されるログイン画面802の代表画面図である。Aさんはログイン画面802のID入力領域にユーザIDを、パスワード入力領域にパスワードを、それぞれ入力し、ログインボタンをタップする。ユーザ端末は当該タップが検出されると、入力されたユーザIDおよびパスワードをデジタル株主優待配布サーバ10に送信する。デジタル株主優待配布サーバ10のユーザ認証部112は受信したユーザIDおよびパスワードを基にユーザ認証を行う。
図9は、ユーザ端末のディスプレイに表示されるメニュー画面804の代表画面図である。ユーザ認証に成功すると、ユーザ端末のディスプレイにメニュー画面804が表示される。メニュー画面804に表示されるメニューは、「優待応募付投信の管理」という項目806を有する。他のメニュー項目は公知であるから詳述しない。
図10は、ユーザ端末のディスプレイに表示される優待応募付投信の管理画面808の代表画面図である。メニュー画面804においてユーザが項目806をタップすると、ユーザ端末は管理画面808へのアクセスを求める要求を生成し、デジタル株主優待配布サーバ10に送信する。優待応募付投信管理部116が管理画面808を生成、送信し、ユーザ端末が管理画面808を表示させる処理は上述の通りである。
管理画面808は、ユーザを特定する情報810と、現在の日付け812と、優待応募付投信の名称814と、優待応募付投信の単価816と、累計投資額818と、応募可能口数820と、次回応募締め切り日822と、積立投資プラン加入の有無824と、応募ページへのリンク826と、を表示する。
図11は、ユーザ端末のディスプレイに表示される優待抽選応募受付画面830の代表画面図である。管理画面808においてユーザがX1投信の応募ページへのリンク826をタップすると、ユーザ端末のディスプレイに優待抽選応募受付画面830が表示される。優待抽選応募受付画面830の生成、送信、表示処理は上述の通りである。
優待抽選応募受付画面830は、優待応募付投信の名称832と、ユーザを特定する情報834と、ユーザが優待応募付投信について有している申込可能口数836と、登録済み口数838と、抽選に応募可能な株主優待の一覧840と、応募ボタン850と、を表示する。一覧840において各株主優待は、当該株主優待の内容を表すテキスト842およびイラスト844と、当該株主優待に応募した口数を示す口数表示領域846と、により表される。口数表示領域846に関連付けて上下の矢印848が表示され、ユーザがこれをタップすることにより口数表示領域846に表示される応募口数を増減させることができる。ユーザが応募ボタン850をタップすると、ユーザ端末はその時点で一覧840の口数表示領域846に入力されている情報から、ユーザがどの株主優待に何口応募したかを示す情報を生成し、デジタル株主優待配布サーバ10に送信する。
本例では、図11に示されるように、優待抽選応募受付画面830においてAさんは和食料理に1口、温泉旅館に2口、ワインに1口応募し、応募ボタン850をタップする。これにより、デジタル株主優待配布サーバ10の優待応募情報保持部138に、Aさんの応募状況が登録される。
あるいはまた、上下の矢印848がタップされるたびに対応する応募口数の増減がユーザ端末からデジタル株主優待配布サーバ10に送信され、優待応募情報保持部138に登録されてもよい。申込可能口数836および登録済み口数838も併せて更新される。この場合、応募ボタン850は不要である。
なお、図11の抽選に応募可能な株主優待の一覧840において、リコメンド部120が特定した株主優待が上部にくるような配列が実現されてもよい。あるいはまた、リコメンド部120が特定した株主優待を、それ以外の株主優待と分けて表示してもよい。
(ケース2 積立投資プラン加入によって付与された応募可能口数による応募)
図12は、ユーザ端末のディスプレイに表示される優待抽選応募受付画面852の代表画面図である。図10の管理画面808においてユーザがX2投信の応募ページへのリンク854をタップすると、ユーザ端末のディスプレイに優待抽選応募受付画面852が表示される。優待抽選応募受付画面852の生成、送信、表示処理は上述の通りである。この場合、AさんのX2投信への累計投資額が9万円であり1口未満であるから、応募可能口数は0口である。かつ、AさんはX2投信の積立投資プランに加入していない。したがって、提案部124は後述の提案画面を生成すると共に、優待抽選応募受付画面852に該提案画面へのリンク856を含める。
図13は、ユーザ端末のディスプレイに表示される提案画面858の代表画面図である。優待抽選応募受付画面852においてユーザがリンク856をタップすると、ユーザ端末のディスプレイに提案画面858が表示される。提案画面858は、積立投資プランの各種パラメータの設定を可能とする設定領域860と、設定領域860に入力されたパラメータで行った損益シミュレーションの結果を示すシミュレーション結果表示領域862と、確定ボタン864と、を表示する。パラメータは例えば総投資額や総投資期間や積立の間隔や額を含んでもよい。
Aさんは、ディスプレイに表示されている提案画面858において積立投資プランを設計し、またはデフォルトで与えられているプランを採用する。ユーザ端末は、確定ボタン864がタップされると、提案画面858の設定領域860に入力されている各種パラメータの値で特定される積立投資プランに申し込むための指示を受け付ける。申込受付部126は、そのように提案された積立投資プランへの申し込みの指示を、ユーザ端末から受信する。ユーザ端末は、申し込みに応じて更新された優待抽選応募受付画面852の画面情報をデジタル株主優待配布サーバ10から受信する。
図14は、ユーザ端末のディスプレイに表示される更新された優待抽選応募受付画面852の代表画面図である。図14の優待抽選応募受付画面852において、AさんがX2投信の積立投資プランに加入したことからリンク856が消え、代わりに申込可能口数860が「0口」から「1口」に更新されている。Aさんは、このように新たに割り当てられた申込可能口数を、所望の株主優待への抽選に割り当てることができる。
(ケース3 先取り応募可能口数で優待抽選へ応募する前に積立投資プランを解約するか、または投信を売却)
210万円投資済のX2投信(積立投資プラン加入済みでそれにより端数に対応する先取りの応募可能口数「1口」を取得済み)で、優待抽選へ応募する前にX2投信を売却するか積立を解約する場合を説明する。図15は、ユーザ端末のディスプレイに表示される管理画面868の代表画面図である。図15の管理画面868は、図10を参照して説明したAさんの保有状況を示す保有情報表示領域870に加えて、Aさんの優待抽選への応募状況を示す応募状況表示領域872とメニューボタン888とを表示する。応募状況表示領域872は、優待応募付投信の名称874と、優待応募付投信の単価876と、応募済み口数878と、優待抽選のステータス880と、優待抽選の結果発表日882と、残り口数884と、詳細ページボタン886と、を表示する。詳細ページボタン886がタップされると、対応する優待応募付投信の優待抽選応募受付画面(例えば、図11に示される優待抽選応募受付画面830や図12、14に示される優待抽選応募受付画面852)がディスプレイに表示される。
保有情報表示領域870に表示される情報には、AさんがX2投信に210万円を投資済みで、さらに積立投資プランにも加入済みであることが反映されている。AさんのX2投信の優待抽選への応募可能口数は、X2投信を210万円/100万円=2口保有していることにより得られる2口と、積立投資プランに加入していることにより得られる先取りの1口と、を合わせた3口である。
応募状況表示領域872に表示される情報には、AさんがX2投信の優待抽選に応募する前であることが反映されている。AさんのX2投信の優待抽選への応募済み口数は0口であり、ステータスは「未応募」であり、残り口数は応募可能口数と同じ3口となっている。
この状態でAさんがメニューボタン888をタップすると、図9に示されるようなメニュー画面804が表示される。そこでAさんが取引を選択し、不図示の取引画面を介してX2投信をいくらか売却したか、X2投信の積立投資プランを解約したとする。この場合、まず、X2投信が売却の対象として選択されたとき、売却の指示をAさんから受け付ける前に、または、X2投信の積立投資プランが解約の対象として選択されたとき、解約の指示をAさんから受け付ける前に、警告画面890がディスプレイに表示される。なお、売却の対象が優待応募付投信でない場合は、警告画面は表示されない。
図16は、ユーザ端末のディスプレイに表示される警告画面890の代表画面図である。デジタル株主優待配布サーバ10側の処理としては、取引処理部114が売却対象の投信が優待応募付投信であるか否かを判定し、優待応募付投信であると判定されたなら監視部130に通知する。監視部130は、その通知を受けて警告画面890を生成し、Aさんのユーザ端末に送信する。AさんがX2投信の積立投資プランの解約を選択した場合は、警告画面890には「優待応募付投信を売却しようとしています。」の代わりに「優待応募付投信への積立投資プランを解約しようとしています。」と表示される。
警告画面890で続けるボタン894がタップされると、デジタル株主優待配布サーバ10のペナルティ処理部132は、売却であれば売却予定額をユーザから受け付け、当該売却により応募可能口数が減少するか否かを判定する。例えば、AさんがX2投信を5万円売却する場合、210万円-5万円=205万円、205万円/100万円=2口なので、売却後も応募可能口数に変更はないと判定される。しかしながら、例えばAさんがX2投信を20万円売却する場合、210万円-20万円=190万円、190万円/100万円=1口なので、売却後は応募可能口数が1口減少すると判定される。
ペナルティ処理部132において応募可能口数が減少すると判定された場合、または、AさんがX2投信の積立投資プランの解約を要求している場合、ペナルティ処理部132は確認画面892を生成し、Aさんのユーザ端末に送信する。
図17は、ユーザ端末のディスプレイに表示される確認画面892の代表画面図である。図17の確認画面892は売却数が多い場合のものであり、AさんがX2投信の積立投資プランの解約を要求している場合は、確認画面892には「今回の「X2投信」の「20万円」の売却」の代わりに「今回の「X2投信」の積立投資プランの解約」と表示される。
確認画面892で続けるボタン896がタップされると、要求されているX2投信の売却または積立投資プランの解約が実行され、それに応じてペナルティ処理部132は保有状況保持部134の対応する応募可能口数を更新する(すなわち、減らす)。
(ケース4 先取り応募可能口数で優待抽選に応募した後、抽選が行われる前に積立投資プランを解約するか、または投信を売却)
210万円投資済のX2投信(積立投資プラン加入済みでそれにより端数に対応する先取りの応募可能口数「1口」を取得済み)で、優待抽選へ応募した後、抽選が行われる前にX2投信を売却するか積立を解約する場合を説明する。図18は、ユーザ端末のディスプレイに表示される管理画面868の代表画面図である。
保有情報表示領域870に表示される情報には、AさんがX2投信に210万円を投資済みで、さらに積立投資プランにも加入済みであることが反映されている。AさんのX2投信の優待抽選への応募可能口数は、X2投信を210万円/100万円=2口保有していることにより得られる2口と、積立投資プランに加入していることにより得られる先取りの1口と、を合わせた3口である。
応募状況表示領域872に表示される情報には、AさんがX2投信の優待抽選に応募した後かつ抽選が行われる前であることが反映されている。AさんのX2投信の優待抽選への応募済み口数は応募可能口数と同じ3口であり、ステータスは「抽選待ち」であり、残り口数は0口となっている。
この状態でAさんがメニューボタン888をタップすると、図9に示されるようなメニュー画面804が表示される。そこでAさんが取引を選択し、不図示の取引画面を介してX2投信をいくらか売却したか、X2投信の積立投資プランを解約したとする。この場合、まず、X2投信が売却の対象として選択されたとき、売却の指示をAさんから受け付ける前に、または、X2投信の積立投資プランが解約の対象として選択されたとき、解約の指示をAさんから受け付ける前に、図16に示される警告画面890がディスプレイに表示される。
警告画面890で続けるボタン894がタップされると、デジタル株主優待配布サーバ10のペナルティ処理部132は、売却であれば売却予定額をユーザから受け付け、当該売却により応募可能口数が減少するか否かを判定する。例えば、AさんがX2投信を5万円売却する場合、210万円-5万円=205万円、205万円/100万円=2口なので、売却後も応募可能口数に変更はないと判定される。しかしながら、例えばAさんがX2投信を20万円売却する場合、210万円-20万円=190万円、190万円/100万円=1口なので、売却後は応募可能口数が1口減少すると判定される。
ペナルティ処理部132において応募可能口数が減少すると判定された場合、または、AさんがX2投信の積立投資プランの解約を要求している場合、Aさんは本来2口しか応募できなかったことになるため、応募済みの3口のうちどちらか1つを選んでキャンセルさせる必要がある。この場合、ペナルティ処理部132はキャンセル対象選択画面898を生成し、Aさんのユーザ端末に送信する。
図19は、ユーザ端末のディスプレイに表示されるキャンセル対象選択画面898の代表画面図である。キャンセル対象選択画面898は、キャンセルする必要がある口数を示す口数表示領域900と、応募をキャンセルする株主優待をユーザに選択させるための選択領域902と、OKボタン904と、を有する。選択領域902には、Aさんが応募したX2投信の各株主優待が、当該株主優待の内容を表すテキストおよびイラストで表される。2口以上応募している株主優待は、その口数分だけ重複して表示される。図19の例では、「温泉旅館」に2口応募されているので、「温泉旅館」を表すイラスト/テキストが二つ表示されている。各イラスト/テキストにはラジオボタンが関連付けて表示されており、Aさんは応募をキャンセルする株主優待をラジオボタンで指定し、OKボタン904をタップする。すると、要求されているX2投信の売却または積立投資プランの解約が実行され、それに応じてペナルティ処理部132は、優待応募情報保持部138において、ラジオボタンで指定された株主優待への応募を登録状況から削除し、登録済み口数を1口減算する。
(ケース5 先取り応募可能口数で優待抽選に応募して当選した後に積立投資プランを解約するか、または投信を売却)
210万円投資済のX2投信(積立投資プラン加入済みでそれにより端数に対応する先取りの応募可能口数「1口」を取得済み)で、優待抽選へ応募して当選した後、次回の応募可能口数が付与される前にX2投信を売却するか積立を解約する場合を説明する。図20は、ユーザ端末のディスプレイに表示される管理画面868の代表画面図である。
保有情報表示領域870に表示される情報には、AさんがX2投信に210万円を投資済みで、さらに積立投資プランにも加入済みであることが反映されている。AさんのX2投信の優待抽選への応募可能口数は、X2投信を210万円/100万円=2口保有していることにより得られる2口と、積立投資プランに加入していることにより得られる先取りの1口と、を合わせた3口である。
応募状況表示領域872に表示される情報には、AさんがX2投信の優待抽選に応募して当選した後かつ次回の応募可能口数の付与前であることが反映されている。AさんのX2投信の優待抽選への応募済み口数は応募可能口数と同じ3口であり、ステータスは抽選結果すなわち「1口当選、2口落選」であり、残り口数は0口となっている。
この状態でAさんがメニューボタン888をタップすると、図9に示されるようなメニュー画面804が表示される。そこでAさんが取引を選択し、不図示の取引画面を介してX2投信をいくらか売却したか、X2投信の積立投資プランを解約したとする。この場合、まず、X2投信が売却の対象として選択されたとき、売却の指示をAさんから受け付ける前に、または、X2投信の積立投資プランが解約の対象として選択されたとき、解約の指示をAさんから受け付ける前に、図16に示される警告画面890がディスプレイに表示される。
警告画面890で続けるボタン894がタップされると、デジタル株主優待配布サーバ10のペナルティ処理部132は、売却であれば売却予定額をユーザから受け付け、当該売却により応募可能口数が減少するか否かを判定する。例えば、AさんがX2投信を5万円売却する場合、210万円-5万円=205万円、205万円/100万円=2口なので、売却後も応募可能口数に変更はないと判定される。しかしながら、例えばAさんがX2投信を20万円売却する場合、210万円-20万円=190万円、190万円/100万円=1口なので、売却後は応募可能口数が1口減少すると判定される。
ペナルティ処理部132において応募可能口数が減少すると判定された場合、または、AさんがX2投信の積立投資プランの解約を要求している場合、Aさんは本来2口しか応募できなかったことになるため、信託財産留保額に上乗せされたペナルティを売却額から差し引く。ペナルティ金額は例えば以下の式により算出される。
売却金額×a%×(売却により減少する口数)/(抽選応募時の総口数)
aは適宜設定される定数である。図20に示される例の場合、ペナルティ金額は20万円×a%×1/3により算出される。ペナルティ処理部132は、算出されたペナルティ金額をX2投信の売却額から差し引くための処理を行う。
上述の実施の形態において、保持部の例は、ハードディスクや半導体メモリである。また、本明細書の記載に基づき、各部を、図示しないCPUや、インストールされたアプリケーションプログラムのモジュールや、システムプログラムのモジュールや、ハードディスクから読み出したデータの内容を一時的に記憶する半導体メモリなどにより実現できることは本明細書に触れた当業者には理解される。
本実施の形態に係るデジタル株主優待配布サーバ10によると、ユーザは、積立投資プランに申し込むことで、累計投資額が基準に到達していなくても、優待抽選への応募可能口数を得ることができる。したがって、ユーザは、無理なく投資を続けつつ、株主優待を得ることができるようになる。これにより、株主優待目的のユーザをより多く取り込んで、投資信託への個人投資の裾野をより拡大することができる。
また、本実施の形態に係るデジタル株主優待配布サーバ10は、ユーザが、株主優待によるメリット享受と長期の堅実な資産形成の両立を図ることを可能とする。さらにデジタル株主優待配布サーバ10は、株発行体企業が、株主優待の管理コストを低減し、安定個人株主の獲得機会を拡大し、新規顧客開拓の可能性(ダイレクトマーケティングサービス)を広げることを可能とする。さらにデジタル株主優待配布サーバ10は、アセットマネジメント会社が、価格競争に入っている投信業界において、新たな収益源(信託報酬上乗せ)を得、新規の個人投資家顧客の獲得の機会を得ることを可能とする。
以上、実施の形態に係るデジタル株主優待配布サーバ10の構成と動作について説明した。この実施の形態は例示であり、各構成要素や各処理の組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解される。
実施の形態では、優待応募付投信への将来の投資として積立投資プランを採用したが、これに限られず、積立期間および積立額の少なくとも一方により特定される投資であれば他の投資であってもよい。
実施の形態では、株主優待がデジタルチケットとして発行される場合を説明したが、これに限られず、株主優待を実際の物品の形で提供する場合にも、本実施の形態の技術的思想を適用可能である。
実施の形態では、ユースケースにおいて、応募可能口数に応じて優待抽選応募受付画面に提案画面へのリンクを含めたり含めなかったりする場合を説明したが、これに限られず、例えば、応募可能口数にかかわらず、積立投資プランに未加入なら必ずリンクを含めるようにしてもよい。
実施の形態では、抽選に参加する権利を特典とする例で説明したが、投資信託の株主優待が十分な数ある場合は、抽選を実施せず、希望者全員に希望の株主優待を与えても良い。この場合、特典は抽選に参加する権利ではなく株主優待そのものとなる。
実施の形態では、優待応募付投信を例として説明したが、これに限られず、特典付き金融商品であれば他の金融商品であってもよい。
あるいはまた、株主優待付きの株式そのものに、本実施の形態の技術的思想を適用してもよい。この場合、特典(=株主優待)を与えるための条件は、株主優待を得るための条件であり、例えば権利付き最終日に当該株式を所定数保有していることである。投資信託の長期積立と同様に、個別の株式についても、投資累計額が株主優待がもらえる水準(1単元以上)に達していなくても、積立プランに入ることで、先取りして優待をもらえるようにしてもよい。例えば、毎月3万円(自動引落し等)の株式積立プラン(24ヶ月)に加入した場合、開始月には5株しかなくても、プラン満了時は株主優待がもらえる条件(1単元以上)を満たすのであれば、先取りしてプラン開始時などに優待をもらえるようにしてもよい。
上記は、既存の株主積立(株式累積投資)サービスのオプションとして導入されてもよい。例えば、https://www.nomura.co.jp/retail/stock/tsumitate/には、銘柄毎に月々1万円以上1000円単位の費用で投資を始めることができ、まとまった資金がなくても資産形成ができるサービスが開示されており、このサービスのオプションとして、上記の株主優待先取り機能を設けてもよい。
株主優待に限らず、投資家に対して優待特典が付与される証券は他にも存在する。例えば、地方債における特典の事例が知られている。「住民参加型市場公募地方債」において、以下(出典:「住民参加型市場公募地方債について」、平成30年8月、総務省自治財政局地方債課、7頁、http://www.chihousai.or.jp/05/pdf/05_03_01_01.pdf)のような特典付きの銘柄が発行されたことがある。
Figure 0007494356000001
このような地方債は、株主優待付きの株式と同様の魅力がある金融商品である。この特典付きの地方債に、本実施の形態に係る技術的思想を適用してもよい。
2 デジタル株主優待配布システム、 4a ユーザ端末、 8 デジタルチケット、 10 デジタル株主優待配布サーバ。

Claims (3)

  1. 特典付き銘柄を含む複数の銘柄からなる金融商品に投資している複数のユーザのうち、前記特典に応募した少なくとも1人のユーザに、前記特典付き銘柄の前記特典をオンラインで配布されるデジタルチケットとして発行するサーバであって、
    前記複数のユーザの各々について、前記金融商品への投資額に基づいて付与される前記特典への応募可能口数から応募済み口数を除いた残り口数、及び前記金融商品の積立投資プランへの加入状況を示すデータを記憶する記憶手段と、
    処理手段であって、
    前記複数のユーザのうちの第1ユーザのユーザ端末に、前記特典への応募を受付けるための画面を表示させ、
    前記第1ユーザの前記残り口数が前記特典への応募のための条件を充たすことを前記データが示す場合に、前記画面上で前記第1ユーザによる前記特典への応募を受付け、
    前記第1ユーザが前記特典に当選した場合に、前記第1ユーザに前記デジタルチケットを発行する、前記処理手段と、
    を備え、
    各ユーザの前記応募可能口数は、当該ユーザの前記金融商品への前記投資額に基づいて付与されることに加えて、当該ユーザが前記金融商品の前記積立投資プランへ申し込んだことに応じて付与される、
    サーバ。
  2. 各ユーザの前記応募可能口数は、当該ユーザが前記金融商品の前記積立投資プランへ申し込んだことに応じて、当該積立投資プランの総投資額及び積立期間の長さのうちの少なくとも一方に基づいて決定される口数だけ付与される、請求項に記載のサーバ。
  3. 前記処理手段は、前記特典へ応募したユーザのうち前記デジタルチケットの発行先として当選するユーザを決定するための抽選を行う、請求項1又は2に記載のサーバ。
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