JP7160969B2 - 金融商品取引システム、プログラム及び金融商品取引方法 - Google Patents
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例えば、投資信託は、投資信託委託会社(以下、「委託会社」という)が、投資家から集めた資金を基に株式、債権、不動産等への投資・運用を行い、これにより得られた利益を投資家に還元する仕組みとなっている。
また、投資信託では、投資家は、商品である投資信託受益証券(受益権ともいう)を任意のタイミングで換金することができる。
以下、換金の手順を説明する。なお、「換金」には、証券会社などの販売会社に投資信託受益証券を買い取ってもらう「買取」による方法と、販売会社を通して、信託財産の一部を解約する「解約」による方法とがある。ここでは、「解約」による方法を例示して説明するが、「買取」による方法もほぼ同様の手順であることから詳細な説明は省略する。
(a)投資家が、販売会社に換金を申し込む。
(b)販売会社は、商品(投資信託受益証券)の換金申込みがあった場合、投資信託受益証券の発行者である委託会社に一部解約の連絡をする。ただし、解約代金の確定値の連絡は、解約基準価額の算定日(約定日)の翌営業日になる。(投資信託の解約基準価額は、投資家の換金の申込日又はその翌営業日の基準価額を時価として算出する。投資家の換金額(解約代金)は、解約基準価額により算出される。)
(c)委託会社は、販売会社から一部解約の連絡を受け付けると、解約代金の計算をした上で信託銀行(受託会社)に一部解約の指図を行う。ただし、指図を行うのは、解約基準価額の算定日(約定日)の翌営業日になる。
(d)受託会社は、受け付けた一部解約の指図に係る支払い開始日に、解約代金を投資信託の信託口座から委託会社の口座に振り替える。
(e)委託会社は、(d)で振り替えられた解約代金を、販売会社に送金し、販売会社が投資家の指定口座に解約代金を振り込む等により換金処理が終了する。
例えば、特許文献1には、投資信託の解約に関する各種処理を行うシステムが開示されている。
具体的には、委託会社は、投資家から(販売会社を通じて)解約の申込みを受け付けた場合、解約代金の支払開始日に当該解約代金を(販売会社を通じて)支払うことになるが、そのためには、投資信託の信託財産から解約代金相当額を出金する必要がある。
具体的には、投資信託の信託財産は、運用方針に従い投資対象である資産(主に有価証券)を保有しており、解約の申込みを受け付けた場合は、保有する資産を売却して現金化する必要がある。
そのため、保有資産の売却に必要な期間を考慮して解約代金の支払い開始日が設定されているために時間が掛かっていた。
特に、主要投資先が海外の場合、海外市場の休業日も考慮されて支払開始日が設定される。また、時差の関係により、解約申込日における投資信託が保有する資産の海外市場の時価の取り込みが翌営業日になることから、翌営業日の基準価額を当該解約申込日の時価として採用するため、主要投資先が国内の場合に比べ1営業日余計に掛かる。
このため、主要投資先が海外の場合、実際には、以下に示すように、「解約申込日(T日)」から「支払開始日」までには、最低5営業日掛かっていた。
T日:顧客の申込日(解約申込日)
T+1営業日:解約基準価額の算出日(約定日)
T+2営業日:解約代金の確定、保有資産の売却の発注(2~3営業日)
T+5営業日:保有資産の受渡し、支払い開始日
ブラインド方式は、基準価額が確定・公表された後に投資信託の取引ができるとすると、投資信託を保有している投資家の利益が阻害されるおそれがあることから、これを防止するため、すなわち、公平性確保のために採用されている方式である。
しかしながら、ブラインド方式を採用するゆえに、申込後にすぐに対価の算出など取引内容を確定することができず、このことも出金処理を遅らせる原因にもなっていた。
さらに、本発明は、上記のような本発明に係る情報処理装置によって実施可能な金融商品取引方法として構成することもできる。
ここで、金融商品取引システムは、プログラム(ソフトウェア)の命令によりコンピュータで実行される処理,手段,機能によって実現される。プログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、以下に示す本発明に係る所定の処理や機能等を行わせることができる。すなわち、本発明における各処理や手段,機能は、プログラムとコンピュータとが協働した具体的手段によって実現される。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明は、その技術的思想に含まれるものであれば種々変形、変更することが可能であり、以下の実施例に限定されるものではない。
図1は資金運用支援システムの全体構成を示す図である。
資金運用支援システム1は、商取引(買い物)においてユーザがお金を支払った際に生じるお釣りを資金運用に充てることを支援するシステムである。ここでいうユーザは、お釣りを資金運用に充てるお釣り運用サービスを利用するユーザであり、資金運用支援システム1において登録されているユーザである。
ユーザの登録は、例えば、所定のアプリ又はウェブサイトから所定のユーザ情報(所望のユーザID及びパスワードなど)の入力等の申込みを行うことで実行される。
つまり、資金運用支援システム1におけるユーザ登録を行うことで、お釣り運用サービスのユーザとして登録が行われる。
資金運用支援システム1は、このお釣り運用サービスを提供する事業者が中心となって運用されている。
また、これらの決済手段は、クレジットカード会社、電子マネー会社、銀行の違いから様々あるが、これらのうち、上記連携によりお釣りを資金運用(投資)に充てる決済手段をユーザが登録できるものとする。
具体的には、ユーザは、お釣りを認識する決済手段を自身が使用するユーザ端末30のアプリに登録することができる。
銀行サーバ4及び銀行サーバ5は、銀行の口座を管理する(詳細には口座に収められているお金を管理する)サーバであり、口座への入金処理及び口座からの出金処理を行う。
本実施形態において、銀行サーバ4は、ユーザが利用する銀行でユーザの利用可能なお金が収められた口座を管理するサーバであり、銀行サーバ5は、委託会社の運用のもと、投資の資金を管理する信託銀行の投信口座を管理するサーバであるものとする。
これらの装置は、いずれも、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信装置14と、入力装置15と、出力装置16とを備えるコンピュータである。プロセッサ11は、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ11は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置及びレジスタ等を含む中央処理装置(CPU)を備える。
ユーザ端末30は、プロセッサ31と、メモリ32と、ストレージ33と、通信装置34と、入力装置35と、出力装置36と、撮像装置37とを備えるコンピュータである。プロセッサ31から出力装置36までは、図2に示す同名の各装置と共通するハードウェアである。撮像装置37は、レンズ及び撮像素子等を備え、レンズから入射する光が表す周囲の人物や光景を撮影する。撮像装置37は、撮影した画像を示す画像データをプロセッサ31に供給する。なお、ディスプレイ、表示パネルなどの表示デバイスを表示部36とも称する。
図4は資金運用支援システム1が実現する機能構成を示す図である。
資金運用支援サーバ装置20は、支払額取得部201と、差額算出部202と、差額取得部203と、差額蓄積部204と、要求時期判断部205と、承諾要求部206と、承諾可否受付部207と、撤回受付部208と、資金移動時期判断部209と、移動指示処理実行部210とを備える。
ユーザ端末30は、レシート読取部301と、支出情報送信部302と、承諾要求表示部303と、承諾可否操作受付部304と、承諾可否通知部305と、履歴表示部306と、撤回操作受付部307と、撤回通知部308とを備える。
差額算出部202は、支払額が325円の場合に、切り上げ単位として100円単位が設定されている場合、325円を100円単位で切り上げた400円から325円を減算して得られる75円を差額として算出し、切り上げ単位として50円単位が設定されている場合、325円を50円単位で切り上げた350円から325円を減算して得られる25円を差額として算出する。差額算出部202は、こうして算出した差額を対応するユーザID(その差額が算出される支払いを行ったユーザのユーザID)及び支出情報に対応付けて差額取得部203に供給する。
差額蓄積部204は、差額取得部203により取得された差額を、対応するユーザID等に対応付けて記憶する。
図5は蓄積されている差額の一例を示す図である。図5の例では、差額蓄積部204は、ユーザIDと、支払日と、差額と、差額IDと、ステータスとを対応付けて記憶している。支払日は、差額が算出された支払額の商取引が行われた日を表し、支出情報により示される。差額IDは、各差額を識別する情報である。ステータスは、蓄積されている差額を資金運用に充てることについての承諾をユーザに要求した場合に承諾が得られた状況、又は、拒否された状況を表す。
承諾要求部206は、生成した要求データを、問い合わせ元のユーザ端末30に対して送信する。承諾要求部206は、この要求データをユーザ端末30に送信することで、資金運用の承諾をユーザに要求する。
また、承諾可否通知部305は、こうして資金運用を承諾又は拒否した差額の履歴が後から確認できるように、操作結果データ及びその操作結果データの送信日時を互いに対応付けて記憶しておく。この操作結果データは、資金運用を承諾する操作が受け付けられた場合におけるその資金運用に充てられる資金を示す情報である。
また、撤回操作受付部307は、個別選択ボタンB4をタップする操作を、図6の例と同様に各差額の選択の有無を切り替える操作として受け付け、その操作により或る差額について選択の有無を「○」から「×」に切り替えた後に変更の反映ボタンB5をタップする操作を、その差額についての承諾を撤回する撤回操作として受け付ける。撤回操作受付部307は、いずれかの撤回操作を受け付けると、承諾が撤回された差額の差額IDを撤回通知部308に供給する。
本実施形態では、銀行サーバ4がユーザ口座のお金を管理しており、信託銀行の銀行サーバ5が投信口座を管理している。
銀行サーバ4がこの要求に基づいて累積額と同じ額をユーザ口座から投信口座に振り込む処理を行い、銀行サーバ5が振り込まれた金額を投信口座に入金する処理を行うことで、資金の移動が完了する。
お釣り運用サービスのユーザは、この投資信託への投資により生じた利益を得ることができるほか、任意のタイミングで投資信託を解約等により換金することができる。
このような投資信託の換金については、従来のシステムで対応できるものの、上記[発明が解決しようとする課題]において説明したように、ユーザが投資信託の換金を申し込んでから解約代金(以下、「代金」という)である現金がユーザに受け渡されるまでに時間が掛かるという課題に対処できていなかった。
これに対し、本発明の一実施形態に係る投信取引システムSは、投資信託の換金の申込時における既知の時価に基づいて対価をすぐに算出し、電子マネーなどの電子有価財を用いて代金をユーザにすぐに受け渡すことで前記課題を解決するものである。
以下、投信取引システムSについて説明する。
図8は本発明の金融商品取引システムの一実施形態に係る投信取引システムSの全体構成を示す図である。
図8に示すように、投信取引システムSは、投資信託上の受益者であるユーザが使用するユーザ端末30、投資信託上の委託者である委託会社において管理される投信取引サーバ40、投資信託の取引業務の支援を行う業務支援サーバ50、及び所定の電子マネーサービスを運営する電子マネー会社において管理される電子マネー会社サーバ60等によって構成され、これら各装置と、資金運用支援システム1の各装置とがネットワーク2を介して通信可能に接続されている。
また、ユーザ端末30は、資金運用支援システム1におけるユーザ端末30と同じであり、お釣り運用サービスのユーザが使用する端末装置であるとともに、投信取引システムSにおけるユーザが使用する端末装置でもある。
ただし、これらは必ずしも同じ端末装置でなくてもよい。
図9に示すように、ユーザ端末30は、ログイン部311、及び換金申込部312を備える。
投信取引サーバ40は、投資信託の取引に係る各種処理を行う装置であり、認証部401、申込受付部402、対価算出部403、手数料算出部404、課税額算出部405、取引基準価格決定部406、電子マネー発注部407、及び現金処理部408を備える。
電子マネー会社サーバ60は、所定の電子マネーサービスを提供可能な装置であり、電子マネー処理部601を備える。
本実施形態の電子マネー会社サーバ60は、少なくとも、「前払式支払手段」に該当する電子マネー(以下、第1電子マネーと称する)のサービスと、「資金移動」に該当する電子マネー(以下、第2電子マネーと称する)のサービスと、を提供可能に構成されている。
第1電子マネーに係る「前払式支払手段」は、記録媒体であるカードや携帯電話に金銭的価値としての電子マネーをチャージすることで、その残高を増やすことができるものであり、残高の範囲内において商品やサービスを購入できるようになっている。
例えば、第1電子マネーには、所定のギフトサービスがあり、ギフトID発行者が発行する金銭的価値に相当するギフトIDを電子マネーサービスの会員に送り、当該会員が、受け取ったギフトIDや会員番号等を専用サイトにおいて入力することでもチャージ可能になっている。
便宜上、第1電子マネーにおいて、カードや携帯電話などの記録媒体を「nカード等」と称し、ギフトサービスを「nギフト」と称する。
第2電子マネーに係る「資金移動」は、犯罪収益移転防止法にて取引時確認をしなければならない取引と定められている。
例えば、第2電子マネーは、本人情報で本人確認を行った上で、Webサイト上に設けた会員の電子マネー口座(単に口座ともいう)に金銭的価値としての電子マネーを直接的にチャージできるようになっており、会員は、自身の口座の残高の範囲内において商品やサービスを購入できるようになっている。
なお、電子マネー会社サーバ60は、上記電子マネーに限らず様々なタイプの電子マネーを提供可能に構成することができる。
また、電子マネー会社サーバ60は、第1電子マネー(nギフト含む)と第2電子マネーの2つの電子マネーサービスを1台の装置で統括的に運営する態様でもよく、2台の装置でそれぞれ独立して運営する態様でもよい。
また、電子マネー会社サーバ60は、第1電子マネー及び第2電子マネーの運営の委託を受けた外部機関が運営する装置であってもよい。
図10は、ユーザ情報DBの一例であり、図11は、口座情報DBの一例であり、図12は、基準価額DBの一例である。
ユーザ情報DB501は、お釣り運用サービスのユーザのアカウント情報(ユーザID、パスワード)により構成されるデータベースである。
図10に示すように、ユーザ情報DB501には、ユーザが第1電子マネーや第2電子マネーの会員でもある場合には、それぞれのサービスを利用する際に必要な情報(アカウント情報等)を紐付けて登録しておくこともできる。
例えば、第1電子マネーを利用する場合には、会員の会員番号とパスワードが求められるが、そのうちの会員番号を紐付けて登録することができる(図10参照)。
また、第2電子マネーを利用する場合には、会員の口座番号や本人情報(ユーザ名等)が求められるが、そのうちの口座番号を紐付けて登録しておくことができる。
なお、パスワード(第1電子マネーの場合)や本人情報(第2電子マネーの場合)を登録することもできる。
図12に示すように、基準価額DB503は、委託会社によって毎日算出される投資信託の社内時価である基準価額のデータベースであり、基準価額と日付けとが対応付けて構成されている。
具体的には、ユーザのアプリ操作により、ユーザ端末30の表示部36にログインページ(図示省略)を表示させ、当該ログインページに設けられたログイン情報入力欄にログイン情報(お釣り運用サービスのユーザID及びパスワード等)を入力する。
これにより、ログイン部311は、入力されたログイン情報を投信取引サーバ40の認証部401に送信する。
照合の結果、一致が確認された場合、ユーザ端末30は、ログイン画面として、図13に示すホーム画面(アプリ画面)を表示部36に表示する。
これにより、ユーザは、ホーム画面に設けられた各メニューのサービスを利用できるようになる。
例えば、ホーム画面の各メニューの中から「各種設定」ボタンを選択することで、ユーザのアカウント情報を表示部36に表示することができ、当該アカウント情報を確認したり、変更することができる。
例えば、第1電子マネーでのチャージ(以下、nチャージという)が選択された場合には、アプリ画面上に会員番号及びパスワードなどの入力を求め、入力された情報が認証された場合に「nチャージ」を実行できるようにすることができる。
同様に、第2電子マネーのチャージ(以下、dチャージという)が選択された場合には、アプリ画面上に口座番号及び本人情報(会員のユーザ名等)などの入力を求め、入力された情報が認証された場合に「dチャージ」を実行できるようにすることができる。
なお、一度連携処理が行われると、アカウント情報をサーバ側で保持するようにして、一定期間はアカウント情報の入力を不要にすることもできる。
具体的には、ホーム画面(図13参照)の各メニューの中から「出金」を選択する。
なお、「出金」と「換金」とは同義であるが、主にアプリ上の用語として「出金」を用いる。
ホーム画面において「出金」を選択すると、図14に示す出金方法選択画面に遷移する。
出金方法選択画面には、現金による出金を選択する場合の操作手段として「現金で出金」ボタンb1が設けられており、電子マネーやポイントなどの電子有価財による出金(以下、電子チャージ出金という)を選択可能な操作手段として、「nチャージ」ボタンb2及び「dチャージ」ボタンb3が設けられている。
「dチャージ」は、第2電子マネーによる出金方法であって、ユーザの電子マネー口座に直接的に電子マネーをチャージするものである。
なお、第1電子マネーや第2電子マネー以外の他の電子マネーやポイントを用いた電子チャージ出金方法を採用することもできる。これについては、後記「応用例・変形例」において説明する。
このように、投資信託の換金の申込みとして、電子有価財での受渡しを求める申込み(第1申込み)と、現金での受渡しを求める申込み(第2申込み)とがあり、このうちのいずれかを選択して申込みできるようになっている。
「電子マネー」は、現金の代替となる支払手段(決済手段)の一種であり、決済の手段(現金や預金など)を電子化したものと、決済の方法(振込、口座振替、小切手、クレジットカードなど)だけを電子化したものとがあり、本発明の電子マネーはその両方を含む概念である。
「電子マネー」は、それ自体が価値を有する決済手段であるもの(決済手段性あり)と、それ自体が価値を有する決済手段ではないもの(決済手段性なし)に分けることもできる。
決済手段性があるものには、ネットワーク型の電子決済のシステムにおいて、金銭情報などの電子データをWeb上のサーバで管理するサーバ型電子マネーなどがあり、本発明の第1電子マネーはこのタイプに該当する。
第1電子マネーは、ギフトID自体が価値を有することから決済手段性を有しており、ギフトID自体が電子マネーに相当するともいえる。
決済手段性がないものには、預金通貨の移転を電子的に指示する仕組みを用いた支払手段を用いた支払指示型電子マネーがあり、第2電子マネーのほか、ドコモ(登録商標)口座、PayPay(登録商標)などのデポジット型電子マネーを例示することができる。
「ポイント」は、各種の商品・サービスの購入金額あるいは来店回数等に応じて、一定の条件で計算されユーザに付与される点数のことをいう。ユーザは、獲得したポイントを商品・サービスの購入代金の一部に充当したり、商品・サービスと交換することができる。
また、ポイントサービスの中には、ポイントを現金に交換できるサービスもあり、この場合、ポイントは、電子マネーにも該当し得る。
上記例以外の電子マネー及びポイントについては、後記「応用例・変形例」において説明する。
「換金申込情報」には、「電子チャージ出金が選択されたことを示す情報」及び「nチャージかdチャージかを特定可能な情報」からなる「電子チャージ選択情報」と、「ユーザID」とが含まれる。
具体的には、申込受付部402は、ユーザ端末30から換金申込情報を受信することに基づいて投資信託の換金の申込みを受け付ける。
このとき、申込受付部402は、換金申込情報に電子チャージ選択情報が含まれていることに基づき電子マネーの受け渡しを求める第1申込みを受け付ける。
また、申込受付部402は、ユーザIDをキーとして業務支援サーバ50に口数残高要求情報を送信することにより、口座情報DB502(図11)からユーザが保有する投資信託の現在の口数残高を取得し、これを応答情報に含めてユーザ端末30に送信する。
ユーザ端末30の換金申込部312は、投信取引サーバ40から応答情報を受信すると、図15に示す出金内容入力画面を表示部36に表示する。
これにより、表示部36の画面は、出金方法選択画面(図14)から出金内容入力画面(図15)に遷移する。
また、出金内容入力画面には、ユーザが保有する投資信託の現在の口数残高が表示される(領域c2参照)。
これにより、ユーザは、自身が保有する投資信託の口数残高を把握することでき、この口数残高の範囲内で円滑に換金口数を入力することができる。
ユーザ端末30の換金申込部312は、出金内容入力画面において換金口数が入力されると、当該入力された換金口数の情報を投信買取サーバ40の申込受付部402に送信する。
対価算出部403は、申込受付部402から「申込日」及び「電子チャージ選択情報」を入力すると、取引基準価格決定部406に対し「申込日」の前営業日の基準価額を取引基準価格とする情報の問い合わせを行う。
取引基準価格決定部406は、問い合わせに応じ、申込みを受け付けたときより前の時点における時価を取引基準価格として決定する。
具体的には、業務支援サーバ50の基準価額DB503(図12)にアクセスし、当該基準価額DB503に記憶されている過去の基準価額の中から申込日の前営業日の基準価額を抽出し取引基準価格として決定する。
なお、本実施形態では、申込日の前営業日の基準価額を取引基準価格としているが、これに限らず、例えば、申込日の2営業日前の基準価額を取引基準価格とすることもでき、申込日の過去の営業日における基準価額であれば、取引基準価格とすることができる。
取引基準価格決定部406は、決定した取引基準価格を対価算出部403に出力する。
具体的には、取引基準価格決定部406から入力した基準価額(申込日の前営業日の基準価額)と、申込受付部402から入力した換金口数とに基づいて、換金対象の投資信託の対価を算出する。
具体的には、対価算出部403の手数料算出部404が、手数料を算出する。
例えば、前営業日の基準価額が10,674円/1万口で、換金口数が3000口の場合、スプレッド(手数料5%)を控除した買取価額10,140円となるため、換金対象の投資信託の対価は3,042円と算出される。
つまり、元の対価(3,202円)から160円の手数料が控除された額(3,042円)が投資信託の対価として算出される。
手数料設定部においては、以下の(i)~(ii)の事項を加味して手数料を設定することができる。
(i)基準価額の変動リスクに対する委託会社のコスト負担
電子チャージ出金は、委託会社がユーザの保有する受益権(投資信託)の対価相当分の電子マネーをユーザに受け渡すことの引き換えに、ユーザが保有する受益権を委託会社が受け取ることで実現している。
つまり、委託会社が、ユーザが保有する受益権をユーザから買い取る形をとっている。
また、委託会社は、ユーザから買い取った受益権をその後に売却することで、電子マネーの購入、すなわち、受益権の買取りに要した費用を回収するようにしている。
このような仕組みでは、受益権を買い取ったときの基準価額と、買い取った受益権をその後に売却するときの基準価額との変動がある場合には、委託会社がその変動に伴うコスト(変動リスク)を負担しなければならない。
しかも、この変動リスクは、従来のブラインド方式においては、ユーザが負担していたものである。
具体的には、手数料設定部は、ユーザが保有する金融商品としての投資信託を委託者が購入したときの時価と、委託者がユーザから購入した投資信託を換金するときの時価との変動を加味して手数料を設定することができる。
従来の方式(現金での出金)では、換金の申込みから代金の受渡しまでに時間が掛かるところ、電子チャージ出金にすることで、申込み時に即時に代金をユーザに受渡すことを可能としている。
これにより、利便性が向上するなど付加価値の高いサービスを実現していることでユーザに利益を与えている。
また、このようなサービスを実現するための諸々のコストがかかっている。
具体的には、手数料設定部は、申込受付部402が、電子マネー等の電子有価財での受渡しを求める第1申込みを受け付けた場合、電子マネー等をユーザが受け取ることによるユーザの利益を加味して手数料を設定することができる。
また、対価算出部403は、課税額を加味して出金額を算出することもできる。
課税額は、課税額算出部405により算出することができる。
具体的には、前営業日の個別元本を用いて譲渡損益を算出する。算出した譲渡損益と年間の累計譲渡損益から、所得税及び住民税の源泉徴収額又は還付額を算出する。
このため、投資信託の対価が3,042円、源泉徴収額が29円の場合、出金額は3,013円と算出される。
対価算出部403は、算出した出金額の情報をメモリ等の記憶手段に一時的に記憶させるとともに、上記各算出結果の情報をユーザ端末30に送信する。
具体的には、図16の出金内容確認画面に示すように、「即時出金額」として出金額(3,013円)が表示され、「即時出金における取引価格」として換金対象の投資信託の対価(3,202円)が表示され、「源泉徴収(還付)」(-29円)が表示されるとともに、即時出金額(出金額)が、換金対象の投資信託の対価から源泉徴収を差し引いた金額であることを把握可能に表示される。
なお、本実施形態では、手数料込みで出金額を表示する表示態様を採用しているが(図16参照)、手数料を外だし表示することで、手数料がいくらかわかるようにすることもできる。
出金手続きが完了すると、ユーザ端末30は、図17に示すように、出金手続きが完了した旨のメッセージを含む出金手続完了画面を表示部36にすることができる。
また、ユーザ端末30は、出金手続きの操作に応じ、出金を実行する旨の情報を投信取引サーバ40の対価算出部403に送信する。
電子マネー発注部407は、具体的には、以下の処理を実行する。
電子マネー発注部407は、n-APIを呼び出すと、メモリから出金額の情報を取出し、これを発注額として当該APIに入力するとともに、ユーザの会員番号等をユーザ情報DB501から取り出して当該APIに入力する。
これにより、電子マネー会社サーバ60は、電子マネー処理部601が、代金受渡部として、対価算出部403により算出した対価に相当する所定の電子有価財を、投資信託の代金としてユーザに受け渡す処理を実行する。具体的には、以下の処理を実行する。
具体的には、発注額に相当するギフトIDを発行し、当該ギフトIDを投信取引サーバ40に送信する。
ユーザ端末30は、ギフトIDを受信すると、当該ギフトIDを表示部36に表示することができる。
具体的には、図18に示すギフトID通知画面に示すように、ギフトIDをアプリ画面で表示することができる。
これにより、ユーザは、ギフトIDを知ることができるため、例えば、ユーザ端末30で第1電子マネーの専用サイト(チャージ画面)にアクセスし、当該専用サイトでギフトID、会員番号等の入力などを行うことで、自身のnカード等に換金額相当の電子マネーをチャージすることができる。
つまり、「nチャージ」においては、委託会社が運営する投信取引サーバ40において、ギフトIDを購入し、当該購入したギフトIDをユーザに通知するようにしており、これにより、電子マネーを投資信託の換金の代金としてユーザに受け渡すようにしている。
このようにすると、ユーザは、運用サイトを表示させる手間が省けるため、容易に電子マネーをチャージさせることができる。
さらに、ギフトIDをユーザ端末30に送信せず、第1電子マネーを運営するサーバ側で内部的にチャージ処理することによって、ユーザに確認や操作を課すことなく、電子マネーをチャージするようにもできる。
この場合でも、ギフトIDをアプリ画面上に表示する等してユーザが確認できるようにすることもできる。
これにより、ギフトIDをユーザに共有させることができ、履歴として記録を残すことができる。
また、ギフトIDをユーザが所持するユーザ端末30を介してユーザに通知するのではなく、外部の端末装置(例えば、コンビニエンスストアのサービス端末や店員用端末など)を介してユーザに通知することもできる。
電子マネー発注部407は、d-APIを呼び出すと、メモリから出金額の情報を取出し、これを発注額として当該APIに入力するとともに、ユーザの口座番号等をユーザ情報DB501から取り出して当該APIに入力する。
なお、このように口座番号等を自動的に入力するのではなく、ユーザに入力させることもできる。
つまり、「dチャージ」の場合、ユーザの電子マネー口座に直接チャージが行われ、これにより、投資信託の換金の代金をユーザに受け渡すことができる。
現金での出金は、従来からの方法を採用するため、詳細な説明は省略するが、電子チャージでの出金との主な相異点について以下に説明する。
投信取引サーバ40の申込受付部402は、ユーザ端末30から換金申込情報を受信すると、換金申込情報を受信した日を「申込日」として特定し、当該申込日の情報と前記現金選択情報とを対価算出部403に出力する。
なお、申込受付部402は、換金申込情報を受信することに基づいて換金の申込みを受け付けるが、換金申込情報に現金選択情報が含まれていることに基づき現金での代金受け渡しを求める第2申込みを受け付ける。
具体的には、換金対象の投資信託が国内商品の場合、申込日の翌営業日まで待って、申込日の基準価額を基準価額DB503から取得して、対価を算出する。
また、対価算出部403は、換金対象の投資信託が海外商品の場合、申込日の翌々営業日まで待って、申込日の翌営業日の基準価額を基準価額DB503から取得して、対価を算出する。従来のブラインド方式を採用するものである。
現金処理部408は、代金受渡部として機能することで、対価算出部403により算出された対価の現金をユーザに受け渡す処理を行う。
具体的には、投信口座を管理する銀行サーバ5に対し、対象の投資信託を売却する指図の情報(売却指図情報)を送信する。
銀行サーバ5は、投信取引サーバ40から売却指図情報を受信すると、当該売却指図情報に示される内容に基づき換金対象の投資信託について売却処理を行うとともに、売却により得られた現金(代金)を信託口座から委託会社の口座に振り替える。
そして、振り替えられた代金を、投資家の指定口座に振り込む処理を行う。
これにより、投信取引システムSとして、現金を投資信託の代金としてユーザに受け渡す処理が完了する。
このため、ユーザは、自身がどちらの代金受渡し方法が良いかを考慮したうえで換金の申込みを行うことができる。
図21は、電子チャージ出金による換金処理を時系列に表したチャート図である。
図21に示すように、電子チャージ出金に基づく換金処理では、まず、ユーザ端末30において投資信託の換金の申込みを行う(S101)。
具体的には、出金方法選択画面(図14)において「nチャージで出金」か「dチャージで出金」を選択する。
次に、投信取引サーバ40は、電子マネー会社サーバ60に対し、電子マネーの発注を行う(S105)。
具体的には、S104において算出した代金に相当する電子マネーに関する発注処理を行う。
例えば、nチャージが選択された場合、S104において算出された代金のギフトIDを発行するとともに、当該ギフトIDをユーザ端末30に送信する。
また、dチャージが選択された場合、S104において算出した代金の金銭がユーザの電子マネー口座にチャージされる。
このような手順に基づいて、投資信託の換金の代金としての電子マネーをユーザに受け渡すことができる。
このため、投資信託の取引を迅速に行うことができ、ユーザの利便性を向上することができる。
特に、図22に示すように、従来の換金方法に比べ出金までの時間を大幅に短縮することができる。
図22は、従来の換金方法(現金による出金方法)と、本発明の換金方法(電子チャージ出金方法)とを、時系列で比較できるように表した比較図である。
なお、便宜上、換金対象の投資信託は海外商品であるものとする。
これに対し、本発明の換金方法である電子チャージ出金においては、従来の換金方法で行われる「解約指図」や「現金の振り込み」を必要としていない。
つまり、本発明においては、「解約指図」、解約指図に基づく保有資産の売却、当該売却で得た現金を用いた「現金の振り込み」を省くことができることに加え、対価・代金の算出、電子マネーの購入・チャージといった各処理をすべて即時に行われる結果、即時に出金を完了することができる。
このように、従来の換金では、複数の処理工程を一連に直列的に行っていたところ、本発明においては、その一部の処理工程を除外する(後処理に回す)ことで、迅速化を図っている。
これにより、営業日か休日かを問わず、常時、換金処理を実行することができる。
また、APIを活用することで、電子マネー会社サーバ60とは、即時に電子マネーの購入及び受渡し(ギフトIDの送信、口座への送金等)ができるようになっている。
また、換金申込時に即時に対価を算出することで即時出金に貢献している。
具体的には、申込時に既知の直前(申込日の前営業日)の基準価額を採用することで、対価・代金の算出を即時に実行できるようにしている。
これに対し、従来では、ブラインド方式のもと、対価の算出を翌営業日まで待って(国内商品の場合)又は翌々営業日まで待って(海外商品の場合)行わざるを得なかった。
このため、本発明によれば、従来に比べ極めて迅速に換金を完了することができ、換金を望むユーザの利便を向上させることができる。
(1)電子チャージ出金だけでなく、現金での出金を選択できるようにしている。
これにより、ユーザの好みで出金方法を選ぶことができるようになっている。
また、この点に関し、投信法第8条第1項には、「委託者指図型投資信託(主として換価の容易な資産に対する投資として運用することを目的とする投資信託であって受益者の保護に欠けるおそれがないものとして政令で定めるものを除く。)は、金銭信託でなければならない。」と定められているところ、本発明は、電子チャージ出金を選択肢で提示しているのみで、常に「現金で出金」を選択できるようにしているため、上記投信法に抵触しない。
つまり、単に現金での出金を電子チャージ出金に代えただけでは、上記投信法に抵触するおそれのあるところ、本発明では、電子チャージ出金と現金での出金を選択可能な構成にすることで、この問題を回避している。
ブラインド方式は投資家間の公平性の確保のためであるところ、電子チャージ出金の際に行われる受益権の売買は、ユーザと委託会社との間で個別に行われる相対取引である。
なお、委託会社は、ユーザから買い取った受益権は、後に売却するなど、自身の裁量で処理することになる(後記「後処理について」参照)。
このため、ブラインド方式を採用しない本発明の電子チャージ出金であっても、信託財産からの資金の流出を伴うものではなく、他の受益者に対して損害を与えることはない。
つまり、単にブラインド方式を採用しないだけでは他の受益者に損害を与えるおそれのあるところ、本発明では、そのような問題が生じないよう必要な措置を施している。
(4)様々な要素を加味した手数料を設定可能である(前記(i)~(ii)及び後記「手数料について」参照)。
以下、応用例・変形例等について説明する。
上述の実施形態においては、第1電子マネーと第2電子マネーの2つの電子マネーを用いた代金の受渡方法について詳細に説明したが、これに限らず、他の電子有価財を用いることもできる。
例えば、nanaco(登録商標)などの第1電子マネーは、前払式支払手段としての共通型の電子マネー(プリペイド型電子マネー)であるが、スターバックス(登録商標)カードなどハウス型の電子マネーを本発明に適用することもできる。
この場合も、nチャージと同様、金額に紐付いたIDを、ユーザ端末30を介してユーザに知らせるなどによりユーザのアカウントにその金額分の電子マネーをチャージすることができる。
また、他の共通型の電子マネー(例えば、Edy(登録商標)など)やギフトIDと同様のギフトコードを採用するamazon(登録商標)についても、勿論、本発明に適用することができる。
また、上述の実施形態において、第1電子マネー(前払式支払手段)については、ギフトIDを介した方法によりチャージすることについて説明したが、第1電子マネーにおいて、ギフトIDを介さず、第2電子マネー(資金移動)と同様に、サーバの電子マネー口座に直接チャージするようにもできる。
つまり、LINE Payにも本人確認に係る処理を予め行っておくことで、指定口座に送金することができるため、ドコモ口座と同様に換金の代金をユーザ口座に直接チャージすることができる。
例えば、Fincポイントは、有効期限6ヶ月未満の場合には現金化ができ、現金での購入もできる。
このため、購入したポイントを対価としてユーザのアカウントに追加するといった実施形態をとることができる。
なお、ポイントは本発明の電子有価財の一例であるが、Fincポイントのように現金化できるものは電子マネーにも該当する。
現金化できないポイントサービスであっても、商品・サービスの購入代金の一部に充当したり、商品・サービスと交換することが可能なポイントであれば、当然に本発明の電子有価財に該当する。
電子チャージ出金における手数料は上記(i)~(ii)の他、様々な要素に基づいて設定することができる。
例えば、対象の電子マネーでの買い物/決済を一定期間内に一定回数又は一定金額以上した場合に手数料を低くすることができる。
「対象の電子マネー」は、例えば、電子チャージ出金に用いる電子マネーサービス(例えば第1電子マネーや第2電子マネー)とすることができる。
このようにすると、電子チャージ出金を利用するほど手数料を抑えることができるため電子チャージ出金の利用を促すことができる。
また、電子マネーの利用が促され、電子マネー会社にとっても他の電子マネーサービスよりも優位に事業を進めることができる。
委託会社にとっても、自身が運営する投信取引システムSの活性化を促すことができる。
つまり、「対象の電子マネー」でお買い物をするユーザに対しては手数料を低く設定することができる。
また、「対象の電子マネー」でのお買い物の金額や頻度が多いほど手数料が低くなるように設定することもできる。
このようにすると、お買い物をするほどお釣りが増えるので、手数料を低減することができるとともに、お釣り運用サービスにおけるお釣りによる投資を増やすことができる。
例えば、電子マネーのアプリ画面において登録サイトのURLをリンク表示したり、電子マネー会社のウェブ画面においてお釣り運用サービスのバナーを表示させる。
そして、リンク又はバナーの選択により表示される登録サイトからユーザ登録を行ったユーザに対しては、手数料を低くする。
また、お釣り運用サービスにおけるお釣りによる投資総額が、一定の金額以上のユーザに対しては手数料を低くすることができる。
また、お釣り運用サービスの投信口座の残高の多寡に応じ、手数料を変動することもできる。
例えば、投信口座の残高が多いほど、手数料を低く設定することができる。
これにより、投資信託サービスの利用を促すとともに、電子マネーの利用を促すことができる。
なお、このような手数料の設定は、お釣り運用サービスだけでなく、通常の投資信託、その他の投資サービスにおいて適用することもできる。
委託会社は、電子マネー会社に対し、ユーザに受け渡すために購入した電子マネーの代金の支払いを、電子チャージ出金後に行うようにしている。
この他、委託会社は、電子チャージ出金後の後処理として、ユーザから買い取った投資信託(受益権)を従来の投資信託上の慣習ルールに則って売却することができる。
図23は、ユーザから買い取った受益権を売却する処理を説明するための図である。
なお、ユーザから買い取った受益権の売却の申込みを、電子チャージ出金が行われた日の翌営業日(T日とする)に行うものとする。
従来の株式投信の換金取引では、投信取引システムSで作成される顧客帳票は「申込日」、「約定日」及び「受渡日」が異なる日付となる。
従来の換金方法とはまったく異なる取引態様である電子チャージ出金では、これらの日付がすべて同じ日になるが、従来の投信取引システムではこれは想定されていない。
そうすると、後処理における買取受益権の解約処理は、従来の換金方式において行われるため、いわゆる投信窓販システムの機能により自動的に顧客帳票を作成することができる。
具体的にはユーザの換金リクエストを販売会社が受付けた日をT日とすると、顧客帳票に記載される「申込日」はT+1営業日、「約定日」はT+2営業日、「受渡日」はT+6営業日となる。
ただし、顧客帳票の日付項目の読替え方法を帳票上で案内したり、実際の日付を設定するよう投信取引システムを改修したりもできる。
なお、振替機関(証券保管振替機構)は、図23に示すように、ユーザに対する換金と引き換えに受益権がユーザから販売会社に移転するが、振替機構向けには即時出金後の翌々営業日に、顧客口から自己口への振替および自己口の抹消の申請を行い、受渡日に振替機関にて振替および抹消の処理を行う。
前述した実施形態では、予め所得税及び住民税の源泉徴収額又は還付額を算出し、当該算出した源泉徴収額又は還付額を控除又は加算して出金する即時出金の態様について説明したが、これに限らず、即時出金時に多めに源泉徴収しておき、後に源泉徴収額又は還付額が確定した後に差額を追加出金する態様とすることもできる。
例えば、解約申込日をT日とした場合において、以下の(1)~(4)のフローが想定される。
(1)T日:「買取約定金額」、「譲渡損益額」及び「即時出金額」を算出し、電子マネーにて出金。
・譲渡損益額>0円の場合
「買取約定金額」=出金口数×社内時価÷計算口数
「源泉徴収額」=譲渡益×住民税率+譲渡益×所得税率
「即時出金額」=買取約定金額-源泉徴収額
なお、「社内時価」とは、即時出金日(解約申込日)の前営業日の基準価額からスプレッド(手数料)を控除した額のことをいう。
・譲渡損益額≦0円の場合
「買取約定金額」=出金口数×社内時価÷計算口数
「源泉徴収額」=0円
「即時出金額」=買取約定金額
(2)T+1日:投信窓販システムに買取注文ファイルを接続
(3)T+2日:投信窓販システムが買取約定計算を実施。これにより、源泉徴収額又は還付額が確定。
(4)T+3日:確定した源泉徴収額又は還付額に応じて次の通り電子マネーにて出金
・譲渡損益額>0円の場合
出金額=T日の源泉徴収額-確定した源泉徴収額
・譲渡損益額≦0円の場合
出金額=確定した還付額
このように、本発明においては、即時出金時に予め源泉徴収額又は還付額を加味して出金する態様や、段階的に出金する態様など、複数の出金態様を選択的に採用することができる。
例えば、上述した実施形態は、本発明をお釣り運用サービスにおける投資信託の換金処理に適用した一例であるが、本発明を通常の投資信託の換金処理に適用することは当然にできる。
また、この場合、電子チャージ出金において設けられる手数料を、上記「手数料について」にて説明した内容と同様に様々な観点で設定することもできる。
例えば、投資総額や投信口座の残高に応じ手数料を変動することができる。
例えば、定期的に金利が変わる金利変動型の定期預金など、時価変動型の金融商品を途中解約する場合に、手数料を差し引かれたり金利が下げられるタイプの金融商品がある。
この種の金融商品において、任意のタイミングでの換金が可能である場合には、過去の直近の時価に基づいて商品の対価を算出し、算出された額の電子マネーをユーザに受け渡すようにすることができる。
また、金融商品の換金だけでなく、金融商品の購入にも本発明を適用することができる。
例えば、金融商品の購入申込時の直前の既知の時価に基づいてその商品の購入額を算出し、当該購入額の電子マネーを購入して販売先に受け渡すことと引き換えにユーザが金融商品を取得できるようにすることができる。
さらには、投信取引サーバ40や投信取引システムSがユーザ認証機能を有する必要はなく、例えば、資金運用システム1の装置等、ネットワークでつながれた外部装置にユーザ認証機能があれば、投信取引システムSは、その機能を利用することで足りる。
例えば、チャージしたい金額を入力するようにもできる。
この場合、ユーザ端末30の操作画面に金額入力欄を設けることで、チャージしたい金額を金額入力欄に入力できるようにできる。
なお、金額入力欄と共に口座残高(金額)を表示するようにして、チャージ可能な金額をユーザに示すこともできる。
金額が入力されると、投信取引サーバ40において、直近の基準価額、手数料、税金調整額を求め、これらを加味した口数を算出する。
具体的には、入力金額を超える最小の口数を算出することができる。
より具体的には、下記式の算出結果を超える最小の口数を算出する。
[(入力金額+税金調整額)/(1-手数料率)]/前営業日の基準価額
例えば、入力金額が3000円、前営業日の基準価額が12000円/1万口、手数料率が5%、課税額が100円とすると、[(3000+100)/(1-0.05)]/1.2=2719.3という算出結果になることから、2720が口数として算出される。
そして、この結果、3264円(≒2720×1.2)から手数料(163円)及び課税額(100円)が引かれた3001円分の電子マネーがチャージされることになる。
このような方法によれば、ユーザは、まさに使いたい金額を入力することができるため、出金時の利便性をさらに向上させることができる。
なお、口数の算出においては、上述した「入力金額を超える最小の口数」以外にも、例えば「入力金額を超えない最大の口数(前述の例の場合2719口)」や「入力金額に最も近い口数」を採用してもよく、これらを選択的(例えばユーザに選択させるなど)に採用することもできる。また、「超える」、「超えない」の代わりに「以上」、「以下」であってもよい。
30 ユーザ端末
312 換金申込部
40 投信取引サーバ
402 申込受付部
403 対価算出部
404 手数料算出部
406 取引基準価格決定部
407 電子マネー発注部
50 業務支援サーバ
60 電子マネー会社サーバ
601 電子マネー処理部(代金受渡部)
Claims (9)
- ユーザ端末と情報処理装置とを備えた金融商品取引システムであって、
前記情報処理装置は、
日毎に変動する金融商品の基準価格を、日毎に記憶する基準価格記憶手段と、
前記ユーザ端末における操作に基づいて、ユーザが保有する金融商品の換金の申込みを受け付ける申込受付部と、
前記申込受付部により金融商品の換金の申込みを受け付けたことに応じて、前記基準価格記憶手段に記憶されている、前記申込みを受け付けた日の前営業日の基準価格を取引基準価格として決定する取引基準価格決定部と、
前記取引基準価格決定部が取引基準価格を決定したことに応じて、当該決定した取引基準価格に基づいて前記金融商品の対価を算出する対価算出部と、
前記対価算出部が対価を算出したことに応じて、当該算出した対価に相当する電子マネーを、前記申込受付部により金融商品の換金の申込みを受け付けたタイミングで、前記ユーザが管理する記録媒体又は口座に加算した態様で記憶する代金受渡部と、を備えた
ことを特徴とする金融商品取引システム。 - 前記代金受渡部は、
遅くとも、前記申込受付部により金融商品の換金の申込みを受け付けた日に、前記対価算出部が対価を算出した対価に相当する電子マネーを、前記ユーザが管理する記録媒体又は口座に加算した態様で記憶可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の金融商品取引システム。 - 前記申込受付部は、
所定操作に基づいて、ユーザが保有する金融商品の換金の申込みとして、前記電子マネーの受渡しを求める第1申込みと、現金の受渡しを求める第2申込みとを行うことが可能であり、
前記取引基準価格決定部は、
前記第1申込みを受け付けた場合、前記申込みを受け付けたタイミングで、当該受け付けた日の前営業日の基準価格を取引基準価格として決定し、前記第2申込みを受け付けた場合、前記申込みを受け付けた日の後に、当該受け付けた日の基準価格を取引基準価格として決定する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の金融商品取引システム。 - 前記金融商品には、投資信託が含まれ、
前記申込受付部により前記投資信託の換金の申込みを受け付けたことに応じて、前記申込みを受け付けた日の前営業日の基準価額を取引基準価格として決定する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の金融商品取引システム。 - 即時に出金する場合のコストに対応した手数料を設定可能な手数料設定部を備え、
前記代金受渡部は、前記対価算出部により算出した対価から前記手数料を減じた額に基づく額の電子マネーを、前記申込受付部により金融商品の換金の申込みを受け付けたタイミングで、前記ユーザが管理する記録媒体又は口座に加算した態様で記憶可能である
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の金融商品取引システム。 - 前記手数料設定部は、前記申込受付部により金融商品の換金の申込みを受け付けたときにユーザが保有する金融商品を委託者が購入したときの基準価格と、前記申込みを受け付けた後で委託者がユーザから購入した前記金融商品を換金するときの基準価格との変動に対応した前記手数料を設定可能である
ことを特徴とする請求項5に記載の金融商品取引システム。 - 前記代金受渡部は、
前記対価算出部が対価を算出したことに応じて、当該算出した対価に相当するポイントを、前記申込受付部により金融商品の換金の申込みを受け付けたタイミングで、前記ユーザが管理する記録媒体又は口座に加算した態様で記憶する
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の金融商品取引システム。 - 情報処理装置を、
日毎に変動する金融商品の基準価格を、日毎に記憶する基準価格記憶手段、
ユーザ端末における操作に基づいて、ユーザが保有する金融商品の換金の申込みを受け付ける申込受付部、
前記申込受付部により金融商品の換金の申込みを受け付けたことに応じて、前記基準価格記憶手段に記憶されている、前記申込みを受け付けた日の前営業日の基準価格を取引基準価格として決定する取引基準価格決定部、
前記取引基準価格決定部が取引基準価格を決定したことに応じて、当該決定した取引基準価格に基づいて前記金融商品の対価を算出する対価算出部、
前記対価算出部が対価を算出したことに応じて、当該算出した対価に相当する電子マネーを、前記申込受付部により金融商品の換金の申込みを受け付けたタイミングで、前記ユーザが管理する記録媒体又は口座に加算した態様で記憶する代金受渡部、として機能させる
ことを特徴とするプログラム。 - 日毎に変動する金融商品の基準価格を、日毎に記憶する情報処理装置が、
ユーザ端末における操作に基づいて、ユーザが保有する金融商品の換金の申込みを受け付ける第1ステップと、
前記第1ステップにより金融商品の換金の申込みを受け付けたことに応じて、前記基準価格記憶手段に記憶されている、前記申込みを受け付けた日の前営業日の基準価格を取引基準価格として決定する第2ステップと、
前記第2ステップにより前記取引基準価格決定部が取引基準価格を決定したことに応じて、当該決定した取引基準価格に基づいて前記金融商品の対価を算出する第3ステップと、
前記第3ステップにより前記対価算出部が対価を算出したことに応じて、当該算出した対価に相当する電子マネーを、前記申込受付部により金融商品の換金の申込みを受け付けたタイミングで、前記ユーザが管理する記録媒体又は口座に加算した態様で記憶する第4ステップと、を有する
ことを特徴とする金融商品取引方法。
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