図1を参照して、この発明の一実施例である訪日外国人用サンプルマッチング販売システム10は、このECサイト(訪日外国人用サンプルマッチング販売サイト)を運営するサーバ12を含み、このサーバ12に対して、訪日外国人が使用する訪日外国人端末(以下、単に「ユーザ端末」という。)16およびそのユーザに対して商品の販売を希望する商品販売希望者が使用する業者端末18が、インタネットのようなネットワーク14を介して通信可能に接続される。
なお、ユーザ端末16および業者端末18は、ネットワーク14を介してサーバ12と通信可能なネットワーク端末であれば、その種類に制限はないが、ユーザ端末16は、スマートフォン、携帯電話機、タブレットPC、ノートPCなどの携帯可能なネットワーク端末であることが望ましい。
サーバ12は、ネットワーク14を介して複数のユーザ端末16および業者端末18と通信可能なサーバコンピュータであって、この実施例のサーバ12は、複数のウェブページ(後述)を介して複数のユーザ端末16および業者端末18と通信し、商品販売希望者が販売を希望する商品を訪日外国人に対して、最初にサンプルを提供し、そのサンプルを訪日外国人に使用してもらい、その評価に基づいて特典付きで販売するEC(Electronic Commerce)サイトを構築している。
図2に示すように、サーバ12は、CPU20を含み、このCPU20には、バス22を介して、メモリ24およびディスプレイ26が接続されると共に、通信モジュール28で接続される。通信モジュール28は、サーバ12すなわちCPU20がネットワーク14を介してユーザ端末16や業者端末18と通信するためのものである。
メモリ24は、任意の記憶媒体であってよいが、実施例では、RAMやROMなどの半導体メモリあるいはHDDなどを含む。
メモリ24には、たとえば図3に示すようなメモリマップで示すように、プログラム記憶領域30およびデータ記憶領域32を含む。
プログラム記憶領域30には、たとえば訪日外国人の個人情報を登録したり、商品販売希望者が提供を希望する商品の情報を登録したり、後述のようなサンプルの送付を受けた訪日外国人がそのサンプルの評価情報(口コミなども含む)を登録したりするための情報登録プログラム34、訪日外国人が希望する商品(サンプル)と商品販売希望者が提供する商品のマッチングを行うためのマッチングプログラム36、たとえばマッチング時に訪日外国人に問合せをたとえばメールで行うための問い合わせプログラム38、訪日外国人が希望する商品のサンプルの送付先を商品販売希望者に通知するための送付先通知プログラム40、訪日外国人が上述のようにして当該サンプル(商品)に関する評価を登録したり、友達を紹介したりした場合に、その訪日外国人に特典を付与するための特典付与プログラム42、および最終的に訪日外国人が、商品販売希望者が提供する商品を購入するときの処理を実行する商品購入プログラム44などを、予め設定している。
データ記憶領域32には、データベース46が設定されていて、このデータベース46には、ユーザ端末16や業者端末18からこの訪日外国人用サンプルマッチング販売サイト(この明細書では、単に「ECサイト」ということがある。)すなわちサーバ12にアクセスがあったとき、それぞれの認証に使用するための基礎的な情報(データ)を記憶する。たとえば、商品販売希望者がこのECサイトに出店登録した際の会員登録情報や、訪日外国人が過去にも訪日外国人用サンプルマッチング販売サイトにアクセスしたことのある者の場合の、過去のアクセス情報などが考えられる。
データ記憶領域32にはさらにGUI表示データ48を記憶していて、このGUI表示で48に従って、後述の図4、図5、図7、図9、図11、図13‐図16のようなGUI画面を表示する。
データ記憶領域32は、さらに、商品情報テーブル50、訪日外国人情報テーブル52、評価情報テーブル54および決済情報テーブル56などを記憶する他、データ処理のために必要なバッファ、レジスタ、タイマ、フラグなどの領域を保有する。
商品情報テーブル50には、商品販売希望者が販売を希望する商品の商品情報、たとえば、販売を希望する商品の商品名、定価(割引特典が付与されていない訪日外国人に対する販売価格)、割引価格(割引特典が付与された訪日外国人に対する販売価格)、商品ジャンル、セット内容、賞味期限、取扱在庫個数、発送予定日、配送形態、商品情報詳細、商品取扱注意事項、サンプル情報(セット内容、賞味期限、取扱在庫個数、発送予定日、配送形態、商品情報詳細、商品取扱注意事項)などの情報の他、商品画像データ、マッチングの際に必要な、商品毎のサンプルを配布したい対象の属性情報(たとえば、性別、年齢層、職業、所得層など)を登録する。ただし、サンプルを配布したい対象の属性情報は、マッチングに際して、訪日外国人情報テーブル52に記録している属性情報と比較される。
上述の訪日外国人情報テーブル52には、たとえば、訪日外国人の氏名、性別、年齢、住所、メールアドレス、パスポート番号、日本での滞在期間、滞在宿泊施設、滞在宿泊施設毎の宿泊予定日、ニックネーム、職業、所得、希望パスワードなどのデータを登録する。特に、訪日外国人情報としては、サンプルの提供を希望するかどうかの情報も含むものとする。
評価情報テーブル54には、訪日外国人の商品販売希望者から提供されたサンプル(販売希望商品の)に対する評価情報(口コミを含む)を登録する。
決済情報テーブル56には、訪日外国人が決済を完了したときに、その決済情報を登録する。
サーバ12が運営するこのECサイトにアクセスすると、図4に示すトップ画面58が、図3に示すGUI表示データ48に基づいて、アクセスしたユーザ端末16または業者端末18のディスプレイ(図示せず)上に表示される。
この実施例のECサイトは、多言語対応であり、そのためにトップ画面58には言語選択のためのプルダウンメニュー58aが表示される。したがって、このサイトを利用する者は、まずこの言語選択のためのプルダウンメニュー58aによって使用言語を選択する。言語選択をすると、当該選択した言語で、以下の各GUI画面(トップ画面58も)が表示され、当該言語での入力が可能になる。つまり、このプルダウンメニュー58aで使用言語を選択すると、それ以降はすべての文字または文字列が当該選択言語によって処理される。
使用可能言語の数および種類は任意に設定できるが、一例として、英語、フランス語、中国語、韓国語などが選択可能である。
このトップ画面58では、図4に示すように、当該サイトの使い方58a、サイトの規約58b、新商品の紹介58c、人気商品ランキング58d、商品カテゴリ58gなどを表示する。たとえば、訪日外国人に対する使い方の表示では、訪日外国人情報を登録すると商品のサンプルが提供されること、サンプルの評価情報を登録すると割引特典が付与されること、割引特典を用いて商品を割引価格で購入できることなど、訪日外国人向けECサイトを利用した場合のメリットをアピールする。商品カテゴリとしては、たとえば、食品、薬、日用品、雑貨等などがある。
そして、図4に示すトップ画面58に表示されているメニューボタン58fを操作すると、サーバ12は、先にトップ画面58を呼び出した端末、ユーザ端末16または業者端末18のディスプレイに、たとえば図5に示すようなメニュー画面60を表示させる。このメニュー画面60には、商品情報登録用ボタン60a、訪日外国人情報登録用ボタン60b、評価情報登録用ボタン60cおよび商品購入ボタン60dなどが表示される。
商品情報登録用ボタン60aは、商品販売希望者が業者端末18(図1)からサーバ12に、提供を希望する商品の情報を登録するときに操作される。訪日外国人情報登録用ボタン60bは、訪日外国人が主として外国(発地国)からユーザ端末16を利用して自身の情報をサーバ12に登録するときに操作される。評価情報登録用ボタン60cは、商品販売希望者からサンプルの提供を受けた訪日外国人がそのサンプルについての評価をユーザ端末16から登録するときに、操作される。商品購入ボタン60dは、訪日外国人が、商品販売希望者が提供する商品を購入する際に操作するボタンである。
商品販売希望者が業者端末18にメニュー画面60を表示して、商品情報登録ボタン60aを操作すると、図3に示す情報登録プログラム34が起動され、たとえば図6に示すフロー図で示される商品情報登録処理が開始される。
商品情報登録処理の最初のステップS1では、サーバ12のCPU20(図2)は、業者端末18からアクセスがあったかどうか判断し、“YES”なら、ステップS3での認証処理を実行する。この認証処理では、通常の認証処理と同様に、商品販売希望者に業者ID(各商品販売希望者に固有に割り当てた識別情報)などを入力させることによって、当該商品販売希望者が正当にこのECサイトにおいて手続きできる業者であるかどうかを判断する。ただし、この認証方法としては、他の方法、たとえば生体認証など任意の認証方法を利用することができる。
そして、ステップS5で認証OKと判断するとステップS7に進み、そうでなければそのままこの商品情報登録処理を終了する。
ステップS7では、CPU20は、データ記憶領域32のGUI表示データ48を利用して、たとえば図7に大まかに示すような商品情報登録画面62を、アクセスしてきた業者端末18の画面に表示する。この商品情報登録画面62は、文字または文字列での情報入力を受け付ける入力フォーム62aと、画像データをアップロードさせるアップロードフォーム62bを有する。
したがって、商品販売希望者は、上で説明したような、たとえば、販売を希望する商品の商品名、定価(割引特典が付与されていない訪日外国人に対する販売価格)、割引価格(割引特典が付与された訪日外国人に対する販売価格)、商品ジャンル、セット内容、賞味期限、取扱在庫個数、発送予定日、配送形態、商品情報詳細、商品取扱注意事項、サンプル情報(セット内容、賞味期限、取扱在庫個数、発送予定日、配送形態、商品情報詳細、商品取扱注意事項)、サンプル配布対象者の希望属性などの文字情報を入力フォーム62aに入力する。そして、商品画像があれば、商品画像ファイルをアップロードフォーム62bに入力する。
ステップS7での商品情報の登録が終了すると、ステップS9で“YES”となり、したがって、CPU20は、ステップS11において、入力フォーム62aに入力された上述の文字情報データおよびアップロードフォーム62bに入力された商品画像データを、図3に示す商品情報テーブル50に登録する。
訪日外国人がユーザ端末16にメニュー画面60(図5)を表示して、訪日外国人情報登録ボタン60bを操作すると、図3に示す情報登録プログラム34が起動され、たとえば図8に示すフロー図で示される訪日外国人情報登録処理が開始される。ただし、基本的には、訪日外国人は、まだ日本に到着していないときに、本人の居住する外国(発地国)からこのECサイトをアクセスするので、この訪日外国人情報登録処理も外国から行われるものと考えられる。ただし、外国からアクセスすることはこのECサイトを利用する条件ではない。
図8に示す訪日外国人情報登録処理の最初のステップS21では、サーバ12のCPU20(図2)は、ユーザ端末16からアクセスがあったかどうか判断し、“YES”なら、ステップS23での認証処理を実行する。この認証処理では、通常の認証処理と同様に、訪日外国人にID(訪日外国人に固有に割り当てた識別情報)などを入力させることによって、当該訪日外国人が正当にこのECサイトにアクセスできるユーザであるかどうかを判断する。上述の業者認証のときと同様に、認証方法としては、他の方法、たとえば生体認証など任意の認証方法を利用することができる。
そして、ステップS25で認証OKと判断するとステップS7に進み、そうでなければ訪日外国人情報登録処理を終了する。
ステップS27では、CPU20は、データ記憶領域32のGUI表示データ48を利用して、たとえば図9に大まかに示すような訪日外国人情報登録画面64を、アクセスしてきたユーザ端末16の画面に表示する。この訪日外国人情報登録画面64は、文字または文字列での情報入力を受け付ける入力フォーム64aおよびサンプルの提供を希望するかどうかのボタン64bを有する。
したがって、訪日外国人は、上で説明したような、たとえば、訪日外国人の氏名、性別、年齢、住所、メールアドレス、パスポート番号、訪日滞在期間、滞在宿泊施設、滞在宿泊施設毎の宿泊予定日、ニックネーム、職業、年収、希望パスワードなどの文字列情報を入力フォーム64aに入力する。さらに、訪日外国人がサンプルの提供を希望する場合、サンプル希望ボタン64bを押す。もし、サンプルがほしい商品を入力することができるなら、サンプルを希望する商品の情報も入力する。その場合、このサンプル希望ボタン64bをプルダウン式のボタンにすることが考えられ、訪日外国人はそのプルダウンから商品を選択することで、サンプル希望を入力することができる。
ステップS27での訪日外国人情報の登録が終了すると、ステップS29で“YES”となり、したがって、CPU20は、ステップS31で、入力フォーム64aに入力された訪日外国人情報データを、図3に示す訪日外国人情報テーブル52に登録する。
上述の訪日外国人情報登録処理が終了したとき、あるいはその他の任意のタイミングで、サーバ12は、サンプル希望の情報が登録されている訪日外国人に対して、図10に示すサンプル送付処理を実行し、サンプルマッチングの上、サンプルの送付の手配を行う。
サンプル希望の情報が登録されていれば、図10に示すステップS41で“YES”となり、サーバ12のCPU20は、図3のマッチングプログラム36、問合せプログラム38および送付先通知プログラム40を呼び出して、ステップS43以下の処理を実行する。
ステップS43では、CPU20はマッチング処理を実行する。このマッチング処理では、まず、商品情報テーブル50および訪日外国人情報テーブル52を参照して、業者がサンプルの提供を希望する商品と、その商品のサンプルの送付を希望する訪日外国人を抽出する。詳しくは、訪日外国人情報テーブル52に登録されている訪日外国人の属性(性別、年齢、国籍など)と、業者が当該サンプルを提供したい訪日外国人の属性(性別、年齢、国籍など。前述のように、商品情報テーブル50に登録されている。)がマッチングするかどうか判断する。そして、両方の属性がマッチングした訪日外国人に対して、サ
ンプルを提供する旨を知らせる。
なお、サンプルマッチングの方法は、別の方法で行われてもよい。この別の方法では、訪日外国人の属性(性別、年齢、国籍など)商品ジャンルの篩分けを行うとともに、訪日外国人が滞在する宿泊施設のランク付け情報に基づいて商品の価格帯を篩分けし、1人の訪日外国人に対して1または複数の商品をマッチングさせる。
そのマッチング結果に基づいて、次のステップS45では、サンプル提供の問い合わせを行う。つまり、訪日外国人に、マッチングされた商品のサンプル提供を希望するか否かをメールで問い合わせる。このステップS45では、たとえば、予め作成した問い合わせメール文章(テンプレート)に、マッチングステップ(S43)によってマッチングされた商品のサンプル情報を付加し、訪日外国人情報テーブル52に登録されている訪日外国人のメールアドレスに自動的に送信する。
そして、ステップS47でその問合せに対して返信があれば、次のステップS49に進むが、所定時間待っても返信がないときまたはサンプル不要の返信があったときは、このサンプル送付処理を終了する。
訪日外国人からのサンプル提供を希望する旨の回答があったとき、次のステップS49において、サーバ12は、図3に示すGUI表示データ48に基づいて、図11に示すようなサンプル送付確認画面66を訪日外国人のユーザ端末に表示する。このサンプル送付確認画面66には、訪日外国人の名前、年齢、性別、電話番号、メールアドレスなどの情報を、訪日外国人情報テーブル52(図3)から抽出して表示するとともに、同じ訪日外国人情報テーブル52から抽出した情報、日本国内での送り先(宿泊施設名)66a、宿泊予定日(サンプル受け取り可能日)66bを表示する。サンプル送付確認画面66にはさらに、サンプルを提供する商品名66cおよびその個数66dを表示する。したがって、訪日外国人は、そのサンプル送付確認画面66の表示内容を見て、正しいと判断したときには、確認ボタン66eを操作する。この確認ボタン66eの操作に応じて、サーバ12には、訪日外国人がサンプル送付を希望することの確認が返信されたことになる。つまり、ステップS51で“YES”が判断される。
なお、サンプルの送り先は、訪日外国人の指定する日本国内の場所、たとえば宿泊施設である。これに対して、後述の決済後の商品の送り先は、日本国内(宿泊施設、空港など)でも、訪日外国人の発地国(居住国)など任意の場所でよい。
ステップS53では、CPU20は、訪日外国人から商品のサンプル提供を希望する旨の回答があった場合に、上述のサンプル送付確認画面66に基づいて、その訪日外国人の氏名、宿泊施設、宿泊予定日などのサンプル送付先情報を訪日外国人情報テーブル52から抽出し、その商品サンプルを提供する商品販売希望者の業者端末18にメールなどの通知手段を用いて送信する。この場合の通知メールもテンプレートメッセージを利用するメールでよい。
そして、業者端末18から、その通知メールを受領した旨の返信があったことが確認できれば(ステップS55)、このサンプル送付処理を終了する。ただし、所定時間待ってもステップS51で“NO”のときには、タイムアウト処理を実行すればよい。
ステップS53で上述のように商品販売希望者にサンプルの提供を希望する訪日外国人へのサンプル送付先情報を通知した後は、商品販売希望者である業者は、直接またはその業者の依頼に従うたとえば宅配業者等(他者)を利用して、その情報が示す受け取り可能日である宿泊予定日に、商品のサンプルを、受け取り可能地または送り先である指定の宿泊施設に、当該訪日外国人が受け取れるように、送り届ける。つまり、サンプルは、業者または当該業者の依頼に従う他者が、上述の受け取り可能日までに上述の送り先に送付する。ただし、賞味期限や消費期限までの時間が短いサンプルについては、訪日外国人がその期限内にサンプルを受け取れるようにする必要がある。
なお、商品販売希望者が販売する商品は任意のものでよいが、サンプル(試供品)を提供して評価を求める種類の商品、たとえば食料品、飲料、化粧品、大衆医薬品、日用品、文房具などが考えられる。
このように、この実施例の訪日外国人用サンプルマッチング販売システム10によれば、訪日外国人がたとえば発地国においてこのECサイトにアクセスしてサンプルの提供を希望しておけば、当該訪日外国人が我が国に到着した後、日本国内でそのサンプルを受け取り、日本に滞在中にそのサンプルを実際に使用することができる。したがって、訪日外国人は、サンプルを実際に試した上で、当該商品を購入するかどうか、購入するとすればどれくらいの数量購入するか、などを決めることができる。
さらに、上述のように訪日外国人は我が国に入国した後に、指定する送り先でサンプルを受け取ることができ、他方、業者は、訪日外国人のためにサンプルを外国に送る必要はなく、国内の流通(配送)システムを利用して訪日外国人にサンプルを届けることができるので、サンプルの提供に過大な費用を掛ける必要はないという利点がある。
そして、このような商品のサンプルを入手しそれを実際に使用した(食べたり、飲んだり、服用することも含む。)訪日外国人は、使用結果を評価としてサーバ12に返す。
訪日外国人が評価を登録するためには、訪日外国人が使用しているユーザ端末16のディスプレイ(図示せず)上で、たとえば図5に示すメニュー画面60上で、評価情報登録ボタン60cを操作する。応じて、サーバ12のCPU20は、図3の情報登録プログラム34を読み出すとともに、GUI表示データ48を読み出して、たとえば図13に示す評価情報登録画面68を、ユーザ端末16のディスプレイに表示して、図12に示す評価情報登録処理を実行する。
図12のステップS61では、ユーザ端末からアクセスがあったとき“YES”となり、次のステップS63で、上述のような評価情報登録画面68を表示する。
図13に示す評価情報登録画面68は、訪日外国人がサンプルに関する評価情報を、ユーザ端末16を介して評価情報テーブル54(図3)に登録するための画面である。この評価情報登録画面68は、たとえば、サンプルの口コミに関する文字情報を入力するための入力フォーム68aや、サンプル自体やサンプル利用時の画像ファイルをアップロードするためのアップロードフォーム68bを表示する。また、この画面68では、商品販売希望者の要望に応じてアンケートフォーム68cを表示し、商品販売希望者が設定した質問に対する訪日外国人の回答を収集し、販売商品の選定や商品開発の現場にフィードバックすることができる。
評価情報の入力が終了したとき、訪日外国人は、終了ボタン68dを操作する。応じて、ステップS65で“YES”となり、次のステップS67に進む。
なお、評価情報登録画面68には、友達紹介ボタン68eが設定される。この友達紹介ボタン68eは、サンプルを受け取った訪日外国人がこのECサイトに、同じ訪日外国人の友達を紹介しようとするとき操作する。そして、この友達紹介ボタン68eが操作されると、サーバ12は、別のウインドウ(図示せず)を開き、友達の名前や友達のメールアドレスなどの所要事項を入力させる。サンプルの送付を受けた訪日外国人が友達を紹介すると、上述の評価情報(口コミを含む)を登録したり、アンケートに答えたりしたときと同様に、それに基づく特典を受けることができる。
このようにして友達情報を獲得したサーバ12は、該当の友達に、このECサイトに誘導するメールマガジンを送付するなど、必要な手続きを行うのであるが、ここではその詳細な説明は省略する。
このような評価情報は、サーバ12が、該当するサンプルを提供した商品販売希望者の使用する業者端末18に通知するか、もしくは該当する商品販売希望者が業者端末18を通してこのECサイトのURLから取得することができる。
このようにして訪日外国人からサンプルの商品の実際の使用に基づいて評価情報が登録されると、サーバ12すなわちCPU20は、図3の特典付与プログラム42を読み出して、特典付与処理を実行する。なお、「特典」の内容は、商品価格の割引、送料無料化、ポイントの増大、おまけ商品の添付、など任意に設定できるが、実施例では、一例として、商品価格の割引という特典を付与する。
CPU20は、データ記憶領域32(図3)の評価情報テーブル54に評価情報を登録した訪日外国人の訪日外国人情報を訪日外国人情報テーブル52で検索し、サンプルに関する評価情報の登録に応じて当該訪日外国人に商品の割引特典を付与する。実施例では、訪日外国人情報テーブル52に登録されている該当する訪日外国人情報に割引特典の内容を示す割引特典情報を付加する。
さらに、表示情報登録画面68において、アンケートに答えたり、友達を紹介したりすると、評価情報とは別に、さらに特典が付与される。その場合の特典も、割引特典でも、おまけ付特典でも任意の特典であってよい。
特典付与の処理(内部処理)が終わると、ステップS67で“YES”となり、次のステップS69で、CPU20は、図14に示す特典付与画面70をユーザ端末に表示する。この特典付与画面70は、今回特典表示領域70aおよび累積特典表示領域70bを含み、今回特典表示領域70aには、今回の特典の種類と各種類の内容、たとえば割引特典の場合には、XXX円割引、のような表示が行われる。累積特典表示領域70bにも同様の特典の種類や内容が表示される。
商品表示画面72は、図15に示すように、商品販売希望者が業者端末18を介して商品情報テーブル50に登録した商品情報を表示するための画面である。商品情報表示領域70aには、たとえば、販売を希望する商品の画像、商品名、定価(割引特典が付与されていない訪日外国人に対する販売価格)、割引価格(割引特典が付与された訪日外国人に対する販売価格)、商品ジャンル、セット内容、賞味期限、取扱在庫個数、発送予定日、配送形態、商品情報詳細、商品取扱注意事項などが表示される。別の商品情報を表示したいときには、更新ボタン72bを操作する。また、商品情報表示画面72には、訪日外国人がユーザ端末16を介してサーバ12の評価情報テーブル54に登録した口コミ情報(文字および画像)を表示する口コミ表示領域72cが設けられる。なお、更新ボタン72bを操作して別の商品情報が表示されると、この口コミ表示領域72cの内容も、商品の変更に合わせて変更される。ショッピングカートボタン72dは、商品をショッピングカートに入れる、すなわちメモリ24のデータ記憶領域32に形成されているバッファ領域(図示せず)に商品選択情報を登録するためのボタンである。商品情報表示画面72にはさらに、決済画面74(図16)に移行する商品購入ボタン72dも表示される。
図16に示す決済画面74は、上述のように、ユーザ端末16のディスプレイに表示された商品情報表示画面72上で訪日外国人がショッピングカート72cに商品を登録した後、購入ボタン72dを操作したとき、当該ユーザ端末16のディスプレイに表示される。
この決済画面74は、たとえば、訪日外国人が購入した商品情報を確認のために表示する商品情報表示領域74a、決済に必要な情報を入力するための入力フォーム74bを含む。具体的には、商品情報表示領域74aには、購入した商品の画像、商品名、定価(割引特典が付与されていない訪日外国人に対する販売価格)、割引価格(割引特典が付与された訪日外国人に対する販売価格)、商品ジャンル、セット内容、賞味期限、取扱在庫個数、発送予定日、配送形態、商品情報詳細、商品取扱注意事項などを表示する。入力フォーム74bには、訪日外国人の氏名、住所、メールアドレス、クレジットカード情報(クレジットカード番号、有効期限、名義人氏名など)、配送先(宿泊施設または自宅)、配送方法、配達日などの入力を求める。そして、決済処理に際しては、割引特典が付与された訪日外国人であるか否かを判定し、割引特典が付与された訪日外国人である場合は、この決済画面74に設けられた割引表示74cを表示する。それによって、訪日外国人は、購入した商品の代金が割引価格で決済されることを知る。ただし、割引特典が付与されていない訪日外国人である場合は、購入した商品の代金が割引なしの定価で決済される。
図17に示す商品購入処理は、訪日外国人がユーザ端末16上で、図5に示すメニュー画面60の中の商品購入ボタン60dを操作したときに開始される。つまり、CPU20(図2)は、図3に示す商品購入プログラム44を読み出し、最初のステップS71で、図3に示すGUI表示データ48を読み出して、図12に示す商品情報表示画面72をそのユーザ端末16のディスプレイに表示させる。
訪日外国人は、その商品情報表示画面72で、購入を希望する商品をショッピングカート72cに入れる。そして、訪日外国人が、商品情報表示画面72の購入ボタン72dを操作すると、CPU20は、次のステップS73において、該当の訪日外国人には特典が付与されているかどうか、訪日外国人情報テーブル52を参照して判断する。
特典が付与されていない訪日外国人に対しては、ステップS74での定価決済処理を実行し、特典が付与されている訪日外国人に対しては、ステップS75での割引決済を実行する。ステップS74およびS75の処理は、割引処理をするかどうかの違いであり、ここではまとめて説明する。
ステップS75(S74)での決済では、商品購入プログラム44の指示の下で、CPU20は、図3に示すGUI表示データ48を読出し、図13に示す決済画面74を、ユーザ端末16のディスプレイに表示する。
訪日外国人は、この決済画面74の入力フォーム74bに、上述のように決済情報、すなわち、訪日外国人の氏名、住所、メールアドレス、クレジットカード情報(クレジットカード番号、有効期限、名義人氏名など)、配送先(宿泊施設または自宅)、配送方法、配達日などを入力する。なお、配送先としては、日本国内(宿泊施設、空港など)でも、訪日外国人の発地国(居住国)など任意の場所でよい。
決済処理においては、CPU20は、決済画面74から入力された訪日外国人からの決済情報に基づいて、その条件で決済してもよいかどうかの検査を実行する。たとえば、訪日外国人がクレジットカードや銀行カードを使用する者である場合、いわゆるブラックリスト該当者であるかどうかなどの信用情報を該当カード会社から取得したり、または、日本で謂うところの「CIC(シー・アイ・シー)(Credit Information Center)」、「JICC(日本信用情報機構)」と、「KSC(全国銀行個人信用情報センタ)」のような公的機関から取得したりして、そのとき訪日外国人が提示した決済条件で決済できるかどうか、判断する。さらには、カードの1回の決済上限金額を超えているかなども当然検査の対象である。
決済情報を検査した結果、提示した決済条件では決済できないときは、決済処理の中で、条件の変更を求めるなどを行い、どうしても決済条件を受け入れることが出来なければ、商品購入不可を通知して、この処理を終了する。
他方、決済条件が受け入れ可能である場合には、決済の完了を通知し、完了した決済情報を決済情報テーブル56に登録する。
その後、ステップS77に進み、CPU20は、図3の送付先通知プログラム40の指示に従って、決済情報テーブル56に登録された送付先情報に基づいて、1つまたは2以上の商品販売希望者の業者端末18に、その商品販売希望者が販売した商品の送付先をたとえばメールなどで通知する。
そして、業者端末18から、その通知メールを受領した旨の返信があったことが確認できれば(ステップS79)、この商品購入処理を終了する。ただし、所定時間待ってもステップS79で“NO”のときには、タイムアウト処理を実行すればよい。
以上説明した、実施例のECサイトでのサーバ12、ユーザ端末16および業者端末18の時系列に従った動作を略記すると以下のようである。
サーバ12を介して訪日外国人に商品を販売したい商品販売希望者は、商品およびそのサンプルを用意するとともに、予め会員登録を行った後、業者端末18からサーバ12の商品情報登録画面62(図7)にアクセスし、販売したい商品に係る商品情報およびサンプル情報をサーバ12に送信する。
サーバ12は、業者端末18から商品情報およびサンプル情報を受信したら、これらの情報を商品情報テーブル50(図3)に登録する。この商品情報テーブル50に登録された商品情報は、商品情報表示画面72(図15)で公開される。
商品のサンプル提供を希望する訪日外国人は、ユーザ端末16からサーバ12の訪日外国人情報登録画面64(図9)にアクセスし、少なくとも、ユーザ端末16で受信可能なメールアドレス、訪日の際に宿泊する宿泊施設、その宿泊予定日を含む訪日外国人情報をサーバ12に送信する。
サーバ12は、ユーザ端末16から訪日外国人情報を受信したら、これらの情報を訪日外国人情報テーブル52(図3)に登録する。
また、サーバ12は、訪日外国人情報テーブル52に新たな訪日外国人情報を登録したタイミングまたは任意のタイミングで、商品情報テーブル50および訪日外国人情報テーブル54に登録された訪日外国人の属性情報および業者が当該サンプルの提供を希望する対象者の属性情報に基づいて訪日外国人と商品とのマッチングを行う。
続いて、サーバ12は、訪日外国人にマッチングされた商品のサンプル提供を希望するか否かの問い合わせメールを当該訪日外国人が登録したメールアドレス宛に送信する。
ユーザ端末16は、サーバ12が送信した問い合わせメールを受信し、訪日外国人は、問い合わせメールに記載されているサンプルの提供を希望する場合は、ユーザ端末16に表示されるサンプル送付確認画面66(図11)において、確認ボタン66eを操作する。
サーバ12は、ユーザ端末16からサンプル希望確認を受信したら、その訪日外国人の氏名、宿泊施設、宿泊予定日などのサンプル送付先情報を訪日外国人情報テーブル52から抽出し、その商品サンプルを提供する商品販売希望者が会員登録時に登録したメールアドレス宛てにメールで送信する。
業者端末18は、サーバ12が送信したサンプル送付先情報メールを受信し、商品販売希望者は、サンプル送付先情報メールに記載されている送付先にオフラインでサンプルを発送し、サンプルを希望した訪日外国人は、宿泊施設でサンプルを受け取る。
サンプルを使用した訪日外国人は、その評価情報をサーバ12に投稿する場合、ユーザ端末16からサーバ12の評価情報登録画面68(図13)にアクセスし、サンプルの評価情報をサーバ12に送信する。
サーバ12は、ユーザ端末16から評価情報を受信したら、その情報を評価情報テーブル54(図3)に登録するとともに、当該訪日外国人に割引特典を付与する。特典は、特典付与画面70(図14)で訪日外国人に個人的に通知される。なお、登録された評価情報は、商品情報表示画面72(図15)において、たとえば口コミ欄72cにおいて、公開される。
サンプルを使用した訪日外国人は、その商品を購入する場合、ユーザ端末16からサーバ12の決済画面74(図16)にアクセスし、決済に必要な情報をサーバ12に送信する。
サーバ12は、ユーザ端末16から決済に必要な情報を受信したら、その訪日外国人に割引特典が付与されているか否かを判断し、割引特典が付与されている場合は、割引価格で決済処理を実行する。
また、サーバ12は、決済処理が完了したら、その情報を決済情報テーブル56に登録するとともに、決済が完了した訪日外国人の氏名、住所、メールアドレス、配送先(宿泊施設または自宅)、配送方法、配達日などの商品送付先情報を、その商品を提供する商品販売希望者が登録したメールアドレス宛にメールで送信する。
業者端末18は、サーバ12が送信した商品送付先情報メールを受信し、商品販売希望者は、商品送付先情報メールに記載されている送付先にオフラインで商品を発送し、商品を購入した訪日外国人は、宿泊施設または自宅で商品を受け取る。
このように、この実施例の訪日外国人向けサンプルマッチング販売システム10によれば、サンプルの提供を前提とし、訪日外国人に、メールアドレス、宿泊施設、宿泊予定日を含む訪日外国人情報の登録を促すことができる。また、割引特典の付与を前提とし、サンプルを受け取った訪日外国人に、当該サンプルに関する評価情報の登録を促すことができる。また、割引価格による購入を前提とし、割引特典が付与された訪日外国人に、商品の購入を促すことができる。また、登録される評価情報の増加に伴い、割引特典が付与されていない訪日外国人による商品の購入も促すことができる。その結果、訪日外国人向け商品販売サーバを介した商品の売上を増加させ、商品販売希望者(商品のメーカ、通販業者、宿泊施設など)による商品情報の登録も促すことができる。