JP7378173B1 - 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】信託を活用した新株予約権の管理の利便性を向上する情報処理装置を提供する。【解決手段】情報処理装置であるサーバ装置において、制御部は、発行会社が信託設定する新株予約権の情報と新株予約権の信託に関する情報を受け付け、発行会社が随時行う採用・評価に関する情報を受け付ける。信託は、法人課税信託であり、信託の設定者は、発行会社であり、採用・評価に関する情報に基づき、複数の受益者それぞれへの新株予約権の割当数を求め、信託に設定された受益者指定時に新株予約権の分配処理を実行する。新株予約権の割当ては、発行会社によって信託された金銭を受託者が発行会社に払い込むことによって金銭に応じてなされる。複数の受益者は、新株予約権の権利行使価額の支払いと同時又はこれに前後して、受託者から発行会社に払い込まれた金銭と同額以上の金銭を発行会社又は受託者に対して支払うことを要する。【選択図】図4

Description

本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
株式報酬制度としてストックオプション制度がある。ストックオプション制度とは、会社が取締役等に対して、「予め定められた価額(権利行使価額)で会社の株式を取得することのできる権利」を付与する報酬制度である。
特許文献1には、ストックオプションの取得による対価受領の支援システムが開示されている。
特開2002-183458号公報
従来のストックオプション制度では、発行時に付与する相手方を決める必要があった。また、通常、ストックオプションは発行時点の株価以上の株価を権利行使価額としなければならないものとされているため、発行時期によって権利行使価額が異なり、結果として、ストックオプションを行使して株式を取得し、株式を売却したときに得られるキャピタルゲインの金額が異なり、会社設立後早い段階で付与を受けた役職員と、その後に付与を受けた役職員との間に価値の差が生じてしまう問題があった。
これを解消するために、信託型ストックオプションが導入されることが増えている。信託型ストックオプションは、発行会社ではなく、オーナー経営者や株主など発行会社の成長により間接的に利益を得るものが金銭を信託し、新株予約権を取得し、貢献度に応じて役職員等に交付する制度である。なぜならば、発行会社の資金を拠出する場合には、将来の役職員等からすれば当初新株予約権を取得するために支払うべきコストを負担せずに新株予約権、ひいては株式を取得することになってしまい、有利発行に該当すると評価されてしまう可能性があること、発行会社の資金を拠出する場合には、実質的に発行会社の資金が信託を介して発行会社に払い込まれることになってしまい、会社法において規制された仮装払込みとして、新株予約権の権利行使を行う者に負担が生じることが理由である。
しかし、オーナー経営者・株主などが資金を拠出する場合には、発行会社の時価総額によっては高額の資金が必要となってしまい、信託の導入を見送らざるを得ない場合があった。
また、オーナー経営者・株主などが資金を拠出する場合には、受益者指定権者である発行会社と受託者との間の3者間契約が必要になるため、本人確認手続き等が困難である場合があるほか、上記のとおりオーナー経営者・株主など主体的に資金を拠出する意向を有する者がいない場合には信託型ストックオプションを設定できない課題があった。
本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、信託を活用した新株予約権の管理の利便性を向上することを目的とする。
本発明は、情報処理装置であって、制御部を有し、前記制御部は、発行会社の上場・非上場を問わず、前記発行会社が信託設定する新株予約権の情報と新株予約権の信託に関する情報を受け付け、発行会社が随時行う役職員や社外協力者の採用・評価に関する情報を受け付け、前記信託は、法人課税信託であり、前記信託の設定者は、発行会社であり、前記役職員や社外協力者の採用・評価に関する情報に基づき、複数の受益者それぞれへの新株予約権の割当数を求め、発行会社の上場・非上場を問わず、信託に設定された受益者指定時に前記新株予約権の分配処理を実行し、前記複数の受益者それぞれは、前記発行会社又はその子会社・関連会社の役職員、社外協力者又は他の信託の受託者であり、前記信託の設定は、前記発行会社による受託者に対する金銭又は新株予約権の信託によりなされ、前記発行会社によって信託された金銭に応じて法人税を支払う処理が実行され、前記新株予約権の割当ては、前記発行会社によって信託された金銭を前記受託者が発行会社に払い込むことによって前記金銭に応じてなされ、前記複数の受益者は、前記新株予約権の権利行使価額の支払いと同時又はこれに前後して、前記受託者から発行会社に払い込まれた金銭と同額以上の金銭を発行会社又は受託者に対して支払うことを要する。
本発明によれば、信託を活用した新株予約権の管理の利便性を向上することができる。
情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。 サーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 本実施形態のトラスト・オプション(第1の仕組み)について説明する図である。 本実施形態のトラスト・オプション(第2の仕組み)について説明する図である。 情報処理システムの情報処理の一例を示すシーケンス図である。 新株予約権に関する情報と当該新株予約権を管理する信託に関する情報の構成の一例を示す図である。
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
本明細書において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、0又は1で構成される2進数のビット集合体として信号値の高低によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
本発明は、従来、発行会社が拠出して信託型ストックオプションを導入する場合に問題となっていた仮装払込や有利発行の問題を解決するものである。即ち、本発明では、発行会社の拠出した金銭が信託の受託者を介して改めて新株予約権の発行価額(払込価額)という形で発行会社に戻ってくることが、資本の空洞化を招く仮装払込みや役職員に対する有利発行に該当してしまい、会社法上問題が生じる可能性がある点を、改めて役職員や社外協力者が新株予約権を取得した後、権利行使を行うに際して、必ず払込価額相当額の金銭を発行会社に払い込ませることを担保することにより解決することを可能とする。また、発行会社又は発行会社が定めた第三者を受益者指定権者とすることにより、後から受益者を自由に決められる点に特徴がある。
また本発明は、従来、発行会社が拠出して信託型ストックオプションを導入する場合に問題となっていた仮装払込や有利発行の問題を解決するものである。即ち、本発明では、発行会社の拠出した金銭が信託の受託者を介して改めて新株予約権の発行価額(払込価額)という形で発行会社に戻ってくることが、資本の空洞化を招く仮装払込みや役職員に対する有利発行に該当してしまい、会社法上問題が生じる可能性がある点を、改めて役職員や社外協力者が受益者指定によって直ちに新株予約権の交付を受けるのではなく、一旦信託受益権として給付を受けたうえで、受託者に権利行使させ、又は受益者が払い戻す前に、受益者又は発行会社に新株予約権の払込価額相当額を支払わせることを担保することにより解決することを可能とする。また、発行会社又は発行会社が定めた第三者を受益者指定権者とすることにより、後から受益者を自由に決められる点に特徴がある。
<実施形態1>
1.システム構成
図1は、情報処理システム1000のシステム構成の一例を示す図である。図1に示されるように、情報処理システム1000は、システム構成として、サーバ装置100と、クライアント装置110と、クライアント装置120と、クライアント装置130を含む。サーバ装置100は、受託者の装置である。クライアント装置110は、新株予約権の発行会社の装置である。クライアント装置120は、新株予約権の受益者指定権者の装置である。クライアント装置130は、受益者である発行会社の役職員や社外協力者等の装置である。
図1では、説明の簡略化のため、情報処理システム1000において、クライアント装置130は1台しか図示していないが、新株予約権を交付する対象者の数だけ情報処理システム1000に含まれる。新株予約権の発行会社の装置の一例としては、PC(Personal Computer)等がある。新株予約権の発行会社の役職員の装置の一例としては、スマートフォンがある。しかし、スマートフォンは一例である。新株予約権の発行会社の役職員の装置は、PCであってもよいし、タブレット型コンピュータであってもよい。サーバ装置100は、情報処理装置の一例である。
2.サーバ装置100のハードウェア構成
図2は、サーバ装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。サーバ装置100は、ハードウェア構成として、制御部201と、記憶部202と、通信部203と、を含む。制御部201は、CPU(Central Processing Unit)等であって、サーバ装置100の全体を制御する。記憶部202は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等であって、プログラム及び制御部201がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部201が、記憶部202に記憶されているプログラムに基づき、処理を実行することによって、サーバ装置100の機能等が実現される。通信部203は、NIC(Network Interface Card)等であって、サーバ装置100をネットワーク150に接続し、他の装置(例えば、クライアント装置110等)との通信を司る。
3.概要
図3及び図4は、本実施形態のトラスト・オプションについて説明する図である。サーバ装置100は、トラスト・オプションに関する処理を実行する。図3は、後述する第1の仕組みについて説明する図であり、図4は、後述する第2の仕組みについて説明する図である。
日本の会社法下で発行会社の拠出により新株予約権が発行される場合、当該払込価額は発行会社から信託を介して発行会社へ払い込まれることになるため、実質的に見て仮装払込ではないか、あるいは、役職員や社外協力者がそのような新株予約権を将来的に受け取ることができるのは有利発行に該当するのではないかというリスクが生じることになる。仮にこれらに該当する場合、仮装払込みとされた払込価額の全額、あるいは有利発行に該当する部分の全額を新株予約権者は支払わなければならない責任を負う。
仮装払込みや有利発行に係る責任が新株予約権の権利行使時に新株予約権者に対して生じるケースでは、新株予約権の発行に際して、発行時の公正価値を算出した上で公正価値での発行とし、ただ、新株予約権の内容のうち、権利行使時に新株予約権者が発行会社に対して払い込まなければならない金額(権利行使価額)を、新株予約権の発行時の株式の時価よりも高く、発行時の株式の時価に新株予約権の払込価額を加算した金額以上の金額にすることで、仮装払込みや有利発行と認定されないようにするといった仕組み(この仕組みを「第1の仕組み」という)によって仮装払込みや有利発行であったとして新株予約権者に責任が生じる状況を回避することが可能と考えられる。
また別の仕組みとして、仮装払込みや有利発行に係る責任が新株予約権の権利行使時に新株予約権者に対して生じるケースでは、万が一認定されたとしても問題なく法令を遵守できるように、権利行使時に新株予約権者が発行会社に対して仮装的に払い込んだとされる部分や有利発行に該当すると考えられる部分について発行会社に支払いを行うまで新株予約権を留め置くことで支払いを担保するといった仕組み(この仕組みを「第2の仕組み」という)によって仮装払込みや有利発行であったとして新株予約権者に責任が生じる状況を回避することが可能と考えられる。
第1の仕組みの場合について図3を参照して説明する。この場合のトラスト・オプションは、(1)発行会社が信託の受託者に対して金銭を信託拠出すること、(2)信託の受託者は、拠出額の一部を納税に使用し、その他を新株予約権の対価として発行会社に払い込むこと、これに伴い(3)受託者が発行会社から権利行使時点で払込価額と権利行使価額の合計額以上の金額(払込価額に対する金利その他の額を追加することも考えられる。以下同じ。)を支払うことを内容とする新株予約権の付与を受けること、(4)予め信託契約において定められたタイミングにおいて受益者たる役職員や社外協力者、他の信託の受託者に対して、受益者指定権者の指図により受益者指定を行うこと、(5)役職員等に対して新株予約権を給付すること、を含む仕組みということになる。
第2の仕組みの場合について図4を参照して説明する。この場合のトラスト・オプションは、(1)発行会社が信託の受託者に対して金銭を信託拠出すること、(2)信託の受託者は、拠出額の一部を納税に使用し、その他を新株予約権の対価として発行会社に払い込むこと、これに伴い(3)受託者が発行会社から新株予約権の付与を受けること、(4)予め信託契約において定められたタイミングにおいて受益者たる役職員や社外協力者、他の信託の受託者に対して、受益者指定権者の指図により受益者指定を行うこと、(5)役職員や社外協力者等が受益者となり信託受益権を取得すること、(6)受益者となった役職員や社外協力者等が仮装払込みや有利発行に該当する可能性のある金額、即ち新株予約権の払込価額相当額以上の額を受託者に支払い、受託者がそれを発行会社に支払うか、又は払込価額相当額を受益者が直接発行会社に支払うこと、(7)それらの支払いの完了後にその受領を発行会社が確認した後、受託者が留め置いていた新株予約権を受益者に給付すること、を含む仕組みをいうことになる。
トラスト・オプションに関して、重要なのは新株予約権の発行条件である。なぜならば、通常の信託型ストックオプションの場合には、オーナー経営者や株主など発行会社とは経済的に切り離された第三者が金銭を信託するため、時価で発行していれば足りるのに対して、トラスト・オプションの場合には発行会社が金銭を拠出することになるため、会社法上、これが仮装払込みに該当する場合には、新株予約権を行使した新株予約権者が払込価額を支払う義務を負い(会社法第286条の2)、支払いを完了するまでの間、株主としての権利を行使することができないものとされているからである。また、従業員による株式取得について導入企業が財政的支援を行うことが、払込金額を実質的にディスカウントしているものと評価される可能性があるため、単純に新株予約権の払込価額を時価算定するだけでは有利発行と評価される可能性があり(参考文献「新たな自社株式保有スキームに関する報告書」平成20年11月17日新たな自社株式保有スキーム検討会・22頁(3)有利発行規制との関係)、この場合に受益者となった従業員等が権利行使時に給与所得課税等を受けるリスクがあるからである。
そこで、トラスト・オプションでは、新株予約権の権利行使時に、仮装払込み又は有利発行であったと言われる当初の新株予約権の公正価値相当額以上の額を二重に新株予約権者が支払うことで仮装払込みや有利発行に該当するリスクを回避したり(第1の仕組み)、また、仮装払込み又は有利発行に該当するとした場合の新株予約権の権利行使時の追加払込み部分以上の額について、受益者が決まった後も受託者が新株予約権を管理することにより支払いを担保したり(第2の仕組み)する方法によって、発行会社による信託設定を可能とする必要がある。
本発明では、第1の仕組みや第2の仕組みを実現するために、前提として、新株予約権の時価部分に相当する金額に対する納税額を確定させるため、まず発行会社又はその他の第三者から取得した発行会社の新株予約権に関する情報と発行会社の現在の株価に関する情報を基準として、新株予約権の経済的な価値を算出する必要がある。そして、新株予約権の経済的な価値が算出でき、発行会社が希望する新株予約権の発行数量が確定した場合には、税率等を考慮することにより、発行会社が当初拠出する信託金の額(新株予約権の払込価額相当額と税額の合計額)が算出される。このようなプロセスの下で実施されるのがトラスト・オプションである。
そして、一旦、トラスト・オプションに基づく新株予約権を受託者が引き受けた後は、このようにして設定された新株予約権の個数を基に、受益者指定権者から受益者の指定に関する情報の入力を受けて、最終的に新株予約権を誰に、どれだけ付与するかを算出する。
このようにすることで、発行会社が金銭を拠出する場合に問題となる仮装払込みや有利発行の問題を解決しながら、信託設定後に入社した役職員や社外協力者等にも事後的に貢献度に応じて同一条件の新株予約権を与えることができる。
なお、本発明は、新株予約権以外の財産、例えばコール・オプションにも活用することができる。新株予約権は、権利行使をすると発行会社から株式を取得できる権利であるが、コール・オプションは、権利行使をするとコール・オプションの債務者である株主から株式を取得できる権利である。コール・オプションに利用する場合、発行会社の信託拠出金を用いて、受託者が株主からコール・オプションを取得し、コール・オプションを受益者指定権者の指図に従って受益者である役職員や社外協力者に対して交付することになる。コール・オプションの場合、新株予約権のように発行会社の資金が信託を介して発行会社に還流するという側面がないことから、コール・オプションの権利行使に際して支払いを要する金額は、権利行使価額と同じでよいが、当初の払込価額相当額を付加的に支払ってもよい。
4.情報処理
図5は、情報処理システム1000の情報処理の一例を示すシーケンス図である。
SQ301において、発行会社のクライアント装置110は、サーバ装置100に対して発行会社の信託型新株予約権の導入に関する信託要求を送信する。信託要求を送信するタイミングは、例えば、図3の(1)の前である。サーバ装置100の制御部201は、発行会社の当該信託要求を受信する。ここで、信託要求で要求される信託は、法人課税信託である。また、信託要求には、新株予約権に関する情報と当該新株予約権を管理する信託に関する情報が含まれる。ここでは、信託要求を受け付ける一例として、信託要求を受信する例を示したが、サーバ装置100に入力部等がある場合、制御部201は、入力部を介して発行会社の新株予約権の信託要求の入力を受け付けるようにしてもよい。
図6は、新株予約権に関する情報と当該新株予約権を管理する信託に関する情報の構成の一例を示す図である。新株予約権に関する情報には、発行会社情報と、新株予約権情報と、を含む。信託に関する情報には、信託契約を特定する情報と、信託拠出財産に関する情報と、受益者指定日時情報と、信託財産となっている新株予約権の個数及び内容に関する情報と、を含む。発行会社情報は、発行会社(委託者)に関する情報であって、発行会社の名称、郵便番号、住所、法人番号、連絡先情報(Eメールアドレス、電話番号等)等が含まれる。新株予約権情報は、発行会社の新株予約権の回号、払込価額、権利行使期間、権利行使条件、権利行使価額、発行個数、存続個数等が含まれる。信託契約を特定する情報には、契約締結日、契約種別コード、顧客ID、新株予約権の権利行使に際して支払いを要する金額などが含まれる。なお、新株予約権の権利行使に際して支払いを要する金額は、一般的には新株予約権の発行時の株価と同額として設定される権利行使価額に限られるが、本発明においては、新株予約権の権利行使に前後して、受益者が当初の発行時に払い込まれた新株予約権の払込価額相当額以上の額を支払うことになる点に特徴がある。払込価額相当額を権利行使価額に含むものとして発行会社に直接支払うのか、別途のものとして、発行会社に直接支払い、又は受託者を通じて間接的に支払うのかはいずれでもよい。また、信託拠出財産に関する情報は、拠出財産の種別(金銭か新株予約権かその他の財産かなど)、金銭が拠出される場合にはその金額、新株予約権が拠出される場合にはその時価(公正価値)が含まれる。なお、信託拠出財産の額は、新株予約権の払込価額に課税額等を加算して算出されるが、権利行使価額相当額は不要である。受益者指定日時情報には、信託契約に定められた受益者指定日時が含まれる。
例えば、制御部201は、クライアント装置110からの要求に基づいて、新株予約権に関する情報と当該新株予約権を管理する信託に関する情報等を入力する入力画面をクライアント装置110の表示部等に表示させるよう制御する。そして、入力画面において情報が入力され、送信ボタン等が選択されると、発行会社のクライアント装置110は、サーバ装置100に対して発行会社の信託型新株予約権の導入に関する信託要求を送信する。
SQ302において、制御部201は、信託要求に含まれる新株予約権に関する情報及び信託に関する情報を記憶部202に記憶する。例えば、図6に示したような各項目の値が記憶部202に記憶されることになる。
SQ303において、制御部201は、記憶部202に記憶されている信託に関する情報の新株予約権の受益者指定日時情報と、制御部201に含まれるリアルタイムクロックの情報と、に基づいて、受益者指定日時の一定期間前のタイミングが到来したか否かを判定する。制御部201は、受益者指定日時の一定期間前のタイミングが到来したと判定した場合、SQ304の処理を実行する。制御部201は、受益者指定日時の一定期間前のタイミングが到来していないと判定すると、SQ303の処理を繰り返す。SQ303の処理は、受益者指定日時の一定期間前のタイミングが到来したか否かを判定する処理の一例である。
SQ304において、制御部201は、受益者指定権者のクライアント装置120に対して、採用・評価に関する情報を入力するよう要求を送信する。ここで、採用・評価に関する情報には、複数の受益者の情報と、複数の受益者それぞれのポイント情報と、が含まれる。受益者の情報とは、受益者の人数、受益者それぞれの役職、受益者それぞれの名前等が含まれる。ここで、受益者の中には、新株予約権の発行後(又は新株予約権の信託後)に発行会社に入社した人も含まれる。また、ポイント情報とは、受益者の発行会社における在籍期間等に応じて付与されたポイントである。採用・評価に関する情報は、発行会社又は第三者が作成した分配ルールが含まれる場合がある。受益者指定権者は通常、発行会社であることが多いが、発行会社以外の第三者であっても良い。
SQ305において、制御部201は、受益者指定権者のクライアント装置120から、採用・評価に関する情報の送信を受ける。採用・評価に関する情報としては、例えば、採用時のインセンティブや、貢献度が挙げられる。採用時のインセンティブとしては、従業員等の採用時の職位に応じて予め定めた数の新株予約権を交付するように定めてもよい。貢献度としては、例えば、従業員等の評価期間における人事評価、従業員等の貢献期待度を示す一定の行動、勤務期間、評価期間における従業員等に対する表彰、従業員等の給与、発行会社におけるイベント、従業員等のライフイベント、事業計画の達成度、プロジェクトの達成度などが挙げられる。
SQ306において、制御部201は、新株予約権に関する情報と信託に関する情報から導かれた受益者指定時に受益者指定される対象となる新株予約権の個数と、採用・評価に関する情報を基に、複数の受益者それぞれに割り当てられる新株予約権の個数を求める。より具体的に説明すると、制御部201は、採用・評価に関する情報に含まれる、受益者の情報と、ポイント情報と、に基づき、交付されるべき新株予約権の、複数の受益者それぞれへの割当数を求める。例えば、受益者が3人、Aさん、Bさん、Cさんが存在し、Aさんのポイントが5000ポイント、Bさんのポイントが3000ポイント、Cさんのポイントが2000ポイントであり、SQ306において今回の受益者指定時に交付される対象となる新株予約権が20000個存在する場合、制御部201は、Aさんには10000個、Bさんには6000個、Cさんには4000個と、複数の受益者それぞれへの割当数を算出する。
SQ307において、クライアント装置110は、信託に関する情報の受益者指定日時の情報と、制御部201に含まれるリアルタイムクロックの情報と、に基づいて、受益者指定日時が到来したか否かを判定する。制御部201は、受益者指定日時が到来したと判定すると、SQ308の処理を実行する。制御部201は、受益者指定日時が到来していないと判定すると、SQ307の処理を繰り返す。
SQ306及びSQ307の処理は、新株予約権に関する情報と信託に関する情報と採用・評価に関する情報に基づき複数の受益者の新株予約権の割当数を確定させる処理の一例である。
なお、SQ304及びSQ305では、制御部201は、受益者指定日時の一定期間前(例えば、1週間前)になったと判定すると、採用・評価に関する情報の送信要求を送信した。しかし、制御部201は、受益者指定日時の一定期間前(例えば、1週間前)になったと判定し、発行会社より採用・評価に関する情報(最終的な確定した受益者を含む情報)を受け取っていない場合に、クライアント装置110に対して採用・評価に関する情報の送信要求を送信してもよい。
SQ308において、制御部201は、求められた割当数に基づき、複数の受益者それぞれに対して新株予約権の交付に関する処理を実行する。新株予約権の交付に関する処理には、例えば、受益者に対して、割り当てた新株予約権の個数を含む情報を送信する処理が含まれる。
本実施形態によれば、一律同条件のストックオプションを信託にプールすることができるため、ストックオプション発行に係る不公平感を解消することができる。また、本実施形態によれば、役職員(受益者)が取得した受益権につき、最終的な株式売却時まで課税を繰り延べることができる。さらに、本実施形態によれば、発行会社が資金を拠出する信託型ストックオプションであるにもかかわらず、発行会社において権利行使価額相当額を信託の受託者に対して信託する必要がなく、役職員や社外協力者が新株予約権の権利行使に際して支払いを要する金額として、権利行使価額に加えて発行価額相当額以上の額の支払いを要するものの、仮想払込みや有利発行に該当するリスクを低減することができ、また、受益者指定に関しても、あらかじめ定められた基準によるのではなく、随時、受益者指定権者が指定した分配ルールに従って分配することが可能となる。
ここで、トラスト・オプションのメリットを説明する。本実施形態のトラスト・オプションは、結論として、発行会社にとっては、自らの資金で準備できる分だけ導入が容易であり、なおかつ、権利行使価額を負担しなくてよい分だけ導入しやすい。権利行使価額を委託者が信託する必要がある場合、権利行使価額の負担だけでなく法人税の負担もしなければならないため、負担額が非常に重い。また、受益者指定ができるという点が本実施形態のメリットである。発行会社が権利行使価額まで資金拠出して株式に換える場合、子会社による親会社株式の取得規制の潜脱にならないために受益者指定ができない。
ここで、いわゆるオーナー経営者などの第三者が信託拠出を行う信託型ストックオプションと、発行会社が拠出を行う既存のオプションプール信託と、本実施形態におけるトラスト・オプションの対比について説明する。
いわゆるオーナー経営者などの第三者が信託拠出を行う信託型ストックオプションにおいてはオーナー経営者などの第三者が発行価額(払込価額)部分を負担しなければならず、発行会社にとってそのような協力的な第三者がいない場合には導入ができないという欠点があった。
発行会社が拠出を行う既存のオプションプール信託は、発行会社が資金負担できるものの、権利行使価額と合計すると、発行会社の発行時点の(株式価値の1,2%であることも多い新株予約権の価値ではなく)株式価値そのものとそれに法人課税信託によって掛かる税負担の全部を信託拠出金として負担しなければならなかった。
これに対して、本実施形態によれば、発行会社は新株予約権の払込価額(1,2%相当)だけ負担すれば足り、第三者が関与しない分だけ導入が容易である点にメリットがある。このように本実施形態は、同じ内容の新株予約権を信託する場合であっても、導入のしやすさ、負担額の重さ、受益者指定の可否という観点で従来の信託型ストックオプションやオプションプール信託にはない利便性を提供する。
本発明の仕組みを用いることによって、発行会社は、自らの資金を使い、かつ、取引コストを削減した上で、信託型ストックオプションと同等の効果を得ることができる。即ち、従来の信託型ストックオプションでは、あらかじめ信託設定された時点の株価と、その後受益者指定が行われ、権利行使後の株式を売却する時点での株価の差額について、キャピタルゲインを享受することができるが、本発明では、そのようなメリットをより低いコストで実現することが可能である。また、現任の役員だけでなく、今後、入社・就任する役員も含むすべての役員に対し、同条件の新株予約権を付与することができる。既存のストックオプション制度で発生していた入社時期による(発行価額に係る)不公平感は発生しない。また、魅力あるインセンティブプランとして役職員の招聘にも資することができる。また、比較的会社規模が小さいうちに取り組むことで、費用負担を押さえつつ、効果的なインセンティブプランを導入することができる。
また、本発明の仕組みを用いることによって、受益者にとって、権利行使価額に加えて、時価発行の時点での払込価額と同額又はそれに合理的に計算された金利等の額が加算された金額につき追加負担が発生するのみで、発行会社の株式を取得できる。また、株式の交付を受けた時点では課税されず、取得した株式を売却した時点で譲渡益課税されるようにすることができる。
<付記1>
本発明は、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理装置において、前記制御部は、求められた前記割当数に基づき、複数の受益者それぞれに対して新株予約権の交付に関する処理を実行する、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記新株予約権の発行価額は固定されている、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記採用・評価に関する情報には、前記複数の受益者の情報も含まれ、前記複数の受益者には、前記新株予約権の発行後に前記発行会社に入社した人も含まれる、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記採用・評価に関する情報には、前記複数の受益者の情報と、前記複数の受益者それぞれのポイント情報と、が含まれ、前記制御部は、前記受益者の情報と、前記ポイント情報と、に基づき、交付された新株予約権の、複数の受益者それぞれへの割当数を求める、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記制御部は、前記新株予約権に関する情報及び当該新株予約権を管理する信託に関する情報に基づき前記採用・評価に関する情報の確定を受け付け、受け付けた確定された前記採用・評価に関する情報に基づき、前記新株予約権の行使処理によって取得された新株予約権の、複数の受益者それぞれへの割当数を求める、情報処理装置。
前記情報処理装置において、前記制御部は、前記新株予約権に関する情報及び当該新株予約権を管理する信託に関する情報に基づき前記受益者指定日時が到来したか否かを判定し、前記受益者指定日時が到来したと判定した場合、前記新株予約権の分配処理を実行する、情報処理装置。
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、前記発行会社の新株予約権に関する情報及び当該新株予約権を管理する信託に関する情報を受け付け、前記信託は、法人課税信託であり、前記新株予約権に関する情報及び当該新株予約権を管理する信託に関する情報に基づき受益者指定日時に先立ち前記採用・評価に関する情報の送信要求を実行し、受信した採用・評価に関する情報に基づき、前記新株予約権の分配処理によって取得されるべき新株予約権の、複数の受益者それぞれへの割当数を求める、情報処理方法。
プログラムであって、コンピュータを、前記情報処理装置の制御部として機能させるためのプログラム。
もちろん、この限りではない。
例えば、上述のプログラムを記憶させる、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体として提供してもよい。
また、上述した実施形態及び変形例を任意に組み合わせて実施するようにしてもよい。
例えば、受益者指定日時にすべての新株予約権について、受益者を指定できない場合には、別の信託の受託者に対して、新株予約権を引き継ぎ、当該別の信託の受益者指定日時に指定された受益者に対して新株予約権を交付するようにしてもよい。あるいは、例えば、数年間在籍したうえで新株予約権を渡したいといった場合に、当該受益者に対して停止条件の成就・不成就又は期限の到来をもって交付する旨の信託を組成し、当該信託の受託者に対して、新株予約権を引き継いだ上で、停止条件の成就・不成就又は期限の到来があった時点で、受益者に新株予約権を交付してもよい。
例えば、受益者指定日時に新株予約権を交付するのではなく、受益者には信託受益権を給付するのみに留め、仮装払込・有利発行に該当しないようにするために必要となる払込価額を支払うまでの間、新株予約権の交付や受託者による新株予約権の権利行使を停止させるようにしてもよい。
<付記2>
本発明は、以下に記載のものであってもよい。
1.
情報処理装置であって、
制御部を有し、
前記制御部は、
発行会社の上場・非上場を問わず、前記発行会社が信託設定する新株予約権の情報と新株予約権の信託に関する情報を受け付け、
発行会社が随時行う役職員や社外協力者等の採用・評価に関する情報を受け付け、
前記信託は、法人課税信託であり、
前記信託の設定者は、発行会社であり、
前記役職員や社外協力者等の採用・評価に関する情報に基づき、複数の受益者それぞれへの新株予約権の割当数を求め、
発行会社の上場・非上場を問わず、信託に設定された受益者指定時に前記新株予約権の分配処理を実行し、
前記複数の受益者それぞれは、前記発行会社又はその子会社・関連会社の役職員、社外協力者又は他の信託の受託者であり、
前記信託の設定は、前記発行会社による受託者に対する金銭又は新株予約権の信託によりなされ、
前記発行会社によって信託された金銭に応じて法人税を支払う処理が実行され、
前記新株予約権の割当ては、前記発行会社によって信託された金銭を前記受託者が発行会社に払い込むことによって前記金銭に応じてなされ、
前記複数の受益者は、前記新株予約権の権利行使価額の支払いと同時又はこれに前後して、前記受託者から発行会社に払い込まれた金銭と同額以上の金銭を発行会社又は受託者に対して支払うことを要する、
情報処理装置。
2.
1.に記載の情報処理装置であって、
新株予約権の全部について受益者を決定しない場合には、割り当てない新株予約権の数に関する情報を受け付ける、
情報処理装置。
3.
1.又は2.に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、求められた前記割当数に基づき、複数の受益者それぞれに対して新株予約権の交付に関する処理を実行する、
情報処理装置。
4.
1.から3.の何れか1項に記載の情報処理装置であって、
前記新株予約権の権利行使に際して受益者が支払うべき金銭の額が新株予約権の払込価額(発行価額)と権利行使価額を加算した金額以上の額と設定される、
情報処理装置。
5.
1.から4.の何れか1項に記載の情報処理装置であって、
前記採用・評価に関する情報には、前記複数の受益者の情報も含まれ、
前記複数の受益者には、前記新株予約権の発行後に前記発行会社又はその子会社・関連会社に入社した人も含まれる、
情報処理装置。
6.
1.から5.の何れか1項に記載の情報処理装置であって、
前記採用・評価に関する情報には、前記複数の受益者の情報と、前記複数の受益者それぞれのポイント情報と、が含まれ、
前記制御部は、前記受益者の情報と、前記ポイント情報と、に基づき、交付されるべき新株予約権の、複数の受益者それぞれへの割当数を求める、
情報処理装置。
7.
1.から6.の何れか1項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記新株予約権の信託に関する情報に基づき前記採用・評価に関する情報の確定を受け付け、
受け付けた確定された前記採用・評価に関する情報に基づき、前記新株予約権の、複数の受益者それぞれへの割当数を求める、
情報処理装置。
8.
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
発行会社の上場・非上場を問わず、前記発行会社が信託設定する新株予約権の情報と新株予約権の信託に関する情報を受け付け、
発行会社が随時行う役職員や社外協力者等の採用・評価に関する情報を受け付け、
前記信託は、法人課税信託であり、
前記信託の設定者は、発行会社であり、
前記役職員や社外協力者等の採用・評価に関する情報に基づき、複数の受益者それぞれへの新株予約権の割当数を求め、
発行会社の上場・非上場を問わず、信託に設定された受益者指定時に前記新株予約権の分配処理を実行し、
前記複数の受益者それぞれは、前記発行会社又はその子会社・関連会社の役職員、社外協力者又は他の信託の受託者であり、
前記信託の設定は、前記発行会社による受託者に対する金銭又は新株予約権の信託によりなされ、
前記発行会社によって信託された金銭に応じて法人税を支払う処理が実行され、
前記新株予約権の割当ては、前記発行会社によって信託された金銭を前記受託者が発行会社に払い込むことによって前記金銭に応じてなされ、
前記複数の受益者は、前記新株予約権の権利行使価額の支払いと同時又はこれに前後して、前記受託者から発行会社に払い込まれた金銭と同額以上の金銭を発行会社又は受託者に対して支払うことを要する、
情報処理方法。
9.
プログラムであって、コンピュータを、請求項1に記載の情報処理装置の制御部として機能させるためのプログラム。
10.
情報処理装置であって、
制御部を有し、
前記制御部は、
発行会社の上場・非上場を問わず、前記発行会社が信託設定する新株予約権の情報と新株予約権の信託に関する情報を受け付け、
発行会社が随時行う役職員や社外協力者等の採用・評価に関する情報を受け付け、
前記信託は、法人課税信託であり、
前記信託の設定者は、発行会社であり、
前記役職員や社外協力者等の採用・評価に関する情報に基づき、複数の受益者それぞれへの新株予約権を信託財産とする信託受益権の割当割合を求め、
発行会社の上場・非上場を問わず、信託に設定された受益者指定時に前記新株予約権を信託財産とする信託受益権の給付処理を実行し、
当該信託に関する情報に従い、受益者に対して信託受益権の内容である新株予約権の交付を、受益者が当該新株予約権の取得に関する金銭を支払うまで停止することができ、
前記複数の受益者それぞれは、前記発行会社又はその子会社・関連会社の役職員、社外協力者又は他の信託の受託者であり、
前記信託の設定は、前記発行会社による金銭又は新株予約権の信託によりなされ、
前記新株予約権の割当ては、前記発行会社によって信託された金銭を前記発行会社に払い込むことによって前記金銭に応じてなされる、
情報処理装置。
11.
10.に記載の情報処理装置であって、
新株予約権の全部について受益者を決定しない場合には、割り当てない新株予約権の数に関する情報を受け付ける、
情報処理装置。
12.
10.又は11.に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、求められた前記割当数に基づき、複数の受益者それぞれに対して信託受益権の給付及び新株予約権の交付に関する処理を実行する、
情報処理装置。
13.
10.から12.の何れか1項に記載の情報処理装置であって、
前記新株予約権の発行価額は固定されている、
情報処理装置。
14.
10.から13.の何れか1項に記載の情報処理装置であって、
前記採用・評価に関する情報には、前記複数の受益者の情報も含まれ、
前記複数の受益者には、前記新株予約権の発行後に前記発行会社又はその子会社・関連会社に入社した人も含まれる、
情報処理装置。
15.
10.から14.の何れか1項に記載の情報処理装置であって、
前記採用・評価に関する情報には、前記複数の受益者の情報と、前記複数の受益者それぞれのポイント情報と、が含まれ、
前記制御部は、前記受益者の情報と、前記ポイント情報と、に基づき、給付されるべき信託受益権の、複数の受益者それぞれへの割当割合を求める、
情報処理装置。
16.
10.から15.の何れか1項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記新株予約権の情報と前記信託に関する情報に基づき前記採用・評価に関する情報の確定を受け付け、
受け付けた確定された前記採用・評価に関する情報に基づき、前記給付されるべき信託受益権の、複数の受益者それぞれへの割当割合を求める、
情報処理装置。
17.
10.から16.の何れか1項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記信託受益権の割当割合に関する情報と前記信託に関する情報に基づき、複数の受益者それぞれが支払うべき前記新株予約権の取得に関する金銭の額を求める、
情報処理装置。
18.
10.から17.の何れか1項に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、
前記新株予約権の取得に関する金銭の額に関する情報に基づき、複数の受益者のそれぞれが、前記新株予約権の取得に関する金銭の支払いを行ったか否かを判定し、前記金銭の支払いが完了したと判定されない場合に、前記新株予約権の交付処理を停止する、
情報処理装置。
19.
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
発行会社の上場・非上場を問わず、前記発行会社が信託設定する新株予約権の情報と新株予約権の信託に関する情報を受け付け、
発行会社が随時行う役職員や社外協力者等の採用・評価に関する情報を受け付け、
前記信託は、法人課税信託であり、
前記信託の設定者は、発行会社であり、
前記役職員や社外協力者等の採用・評価に関する情報に基づき、複数の受益者それぞれへの新株予約権を信託財産とする信託受益権の割当割合を求め、
発行会社の上場・非上場を問わず、信託に設定された受益者指定時に前記新株予約権を信託財産とする信託受益権の給付処理を実行し、
当該信託に関する情報に従い、受益者に対して信託受益権の内容である新株予約権の交付を、受益者が当該新株予約権の取得に関する金銭を支払うまで停止することができ、
前記複数の受益者それぞれは、前記発行会社又はその子会社・関連会社の役職員、社外協力者又は他の信託の受託者であり、
前記信託の設定は、前記発行会社による金銭又は新株予約権の信託によりなされ、
前記新株予約権の割当ては、前記発行会社によって信託された金銭を前記発行会社に払い込むことによって前記金銭に応じてなされる、
情報処理方法。
20.
プログラムであって、コンピュータを、10.に記載の情報処理装置の制御部として機能させるためのプログラム。
以上、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
100 サーバ装置
110 クライアント装置
120 クライアント装置
130 クライアント装置
150 ネットワーク
201 制御部
202 記憶部
203 通信部
1000 情報処理システム

Claims (20)

  1. 情報処理装置であって、
    制御部を有し、
    前記制御部は、
    発行会社の上場・非上場を問わず、前記発行会社が信託設定する新株予約権の情報と新株予約権の信託に関する情報を受け付け、
    発行会社が随時行う役職員や社外協力者の採用・評価に関する情報を受け付け、
    前記信託は、法人課税信託であり、
    前記信託の設定者は、発行会社であり、
    前記役職員や社外協力者の採用・評価に関する情報に基づき、複数の受益者それぞれへの新株予約権の割当数を求め、
    発行会社の上場・非上場を問わず、信託に設定された受益者指定時に前記新株予約権の分配処理を実行し、
    前記複数の受益者それぞれは、前記発行会社又はその子会社・関連会社の役職員、社外協力者又は他の信託の受託者であり、
    前記信託の設定は、前記発行会社による受託者に対する金銭又は新株予約権の信託によりなされ、
    前記発行会社によって信託された金銭に応じて法人税を支払う処理が実行され、
    前記新株予約権の割当ては、前記発行会社によって信託された金銭を前記受託者が発行会社に払い込むことによって前記金銭に応じてなされ、
    前記複数の受益者は、前記新株予約権の権利行使価額の支払いと同時又はこれに前後して、前記受託者から発行会社に払い込まれた金銭と同額以上の金銭を発行会社又は受託者に対して支払うことを要する、
    情報処理装置。
  2. 請求項1に記載の情報処理装置であって、
    前記制御部は、受益者指定日時にすべての新株予約権について、受益者を指定できない場合には、別の信託の受託者に対して、新株予約権を引き継ぎ、当該別の信託の受益者指定日時に指定された受益者に対して新株予約権を交付する処理を実行する、
    情報処理装置。
  3. 請求項1に記載の情報処理装置であって、
    前記制御部は、求められた前記割当数に基づき、複数の受益者それぞれに対して新株予約権の交付に関する処理を実行する、
    情報処理装置。
  4. 請求項1に記載の情報処理装置であって、
    前記新株予約権の権利行使に際して受益者が支払うべき金銭の額が新株予約権の払込価額(発行価額)と権利行使価額を加算した金額以上の額と設定される、
    情報処理装置。
  5. 請求項1に記載の情報処理装置であって、
    前記採用・評価に関する情報には、前記複数の受益者の情報も含まれ、
    前記複数の受益者には、前記新株予約権の発行後に前記発行会社又はその子会社・関連会社に入社した人も含まれる、
    情報処理装置。
  6. 請求項1に記載の情報処理装置であって、
    前記採用・評価に関する情報には、前記複数の受益者の情報と、前記複数の受益者それぞれのポイント情報と、が含まれ、
    前記制御部は、前記受益者の情報と、前記ポイント情報と、に基づき、交付されるべき新株予約権の、複数の受益者それぞれへの割当数を求める、
    情報処理装置。
  7. 請求項1に記載の情報処理装置であって、
    前記制御部は、
    前記新株予約権の信託に関する情報に基づき前記採用・評価に関する情報の確定を受け付け、
    受け付けた確定された前記採用・評価に関する情報に基づき、前記新株予約権の、複数の受益者それぞれへの割当数を求める、
    情報処理装置。
  8. 情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
    発行会社の上場・非上場を問わず、前記発行会社が信託設定する新株予約権の情報と新株予約権の信託に関する情報を受け付け、
    発行会社が随時行う役職員や社外協力者の採用・評価に関する情報を受け付け、
    前記信託は、法人課税信託であり、
    前記信託の設定者は、発行会社であり、
    前記役職員や社外協力者の採用・評価に関する情報に基づき、複数の受益者それぞれへの新株予約権の割当数を求め、
    発行会社の上場・非上場を問わず、信託に設定された受益者指定時に前記新株予約権の分配処理を実行し、
    前記複数の受益者それぞれは、前記発行会社又はその子会社・関連会社の役職員、社外協力者又は他の信託の受託者であり、
    前記信託の設定は、前記発行会社による受託者に対する金銭又は新株予約権の信託によりなされ、
    前記発行会社によって信託された金銭に応じて法人税を支払う処理が実行され、
    前記新株予約権の割当ては、前記発行会社によって信託された金銭を前記受託者が発行会社に払い込むことによって前記金銭に応じてなされ、
    前記複数の受益者は、前記新株予約権の権利行使価額の支払いと同時又はこれに前後して、前記受託者から発行会社に払い込まれた金銭と同額以上の金銭を発行会社又は受託者に対して支払うことを要する、
    情報処理方法。
  9. プログラムであって、コンピュータを、請求項1に記載の情報処理装置の制御部として機能させるためのプログラム。
  10. 情報処理装置であって、
    制御部を有し、
    前記制御部は、
    発行会社の上場・非上場を問わず、前記発行会社が信託設定する新株予約権の情報と新株予約権の信託に関する情報を受け付け、
    発行会社が随時行う役職員や社外協力者の採用・評価に関する情報を受け付け、
    前記信託は、法人課税信託であり、
    前記信託の設定者は、発行会社であり、
    前記役職員や社外協力者の採用・評価に関する情報に基づき、複数の受益者それぞれへの新株予約権を信託財産とする信託受益権の割当割合を求め、
    発行会社の上場・非上場を問わず、信託に設定された受益者指定時に前記新株予約権を信託財産とする信託受益権の給付処理を実行し、
    当該信託に関する情報に従い、受益者に対して信託受益権の内容である新株予約権の交付を、受益者が当該新株予約権の取得に関する金銭を支払うまで停止することができ、
    前記複数の受益者それぞれは、前記発行会社又はその子会社・関連会社の役職員、社外協力者又は他の信託の受託者であり、
    前記信託の設定は、前記発行会社による金銭又は新株予約権の信託によりなされ、
    前記新株予約権の割当ては、前記発行会社によって信託された金銭を前記発行会社に払い込むことによって前記金銭に応じてなされる、
    情報処理装置。
  11. 請求項10に記載の情報処理装置であって、
    前記制御部は、受益者指定日時にすべての新株予約権について、受益者を指定できない場合には、別の信託の受託者に対して、新株予約権を引き継ぎ、当該別の信託の受益者指定日時に指定された受益者に対して新株予約権を交付する処理を実行する、
    情報処理装置。
  12. 請求項10に記載の情報処理装置であって、
    前記制御部は、求められた前記割当割合に基づき、複数の受益者それぞれに対して信託受益権の給付及び新株予約権の交付に関する処理を実行する、
    情報処理装置。
  13. 請求項10に記載の情報処理装置であって、
    前記新株予約権の発行価額は固定されている、
    情報処理装置。
  14. 請求項10に記載の情報処理装置であって、
    前記採用・評価に関する情報には、前記複数の受益者の情報も含まれ、
    前記複数の受益者には、前記新株予約権の発行後に前記発行会社又はその子会社・関連会社に入社した人も含まれる、
    情報処理装置。
  15. 請求項10に記載の情報処理装置であって、
    前記採用・評価に関する情報には、前記複数の受益者の情報と、前記複数の受益者それぞれのポイント情報と、が含まれ、
    前記制御部は、前記受益者の情報と、前記ポイント情報と、に基づき、給付されるべき信託受益権の、複数の受益者それぞれへの割当割合を求める、
    情報処理装置。
  16. 請求項10に記載の情報処理装置であって、
    前記制御部は、
    前記新株予約権の情報と前記信託に関する情報に基づき前記採用・評価に関する情報の確定を受け付け、
    受け付けた確定された前記採用・評価に関する情報に基づき、前記給付されるべき信託受益権の、複数の受益者それぞれへの割当割合を求める、
    情報処理装置。
  17. 請求項10に記載の情報処理装置であって、
    前記制御部は、
    前記信託受益権の割当割合に関する情報と前記信託に関する情報に基づき、複数の受益者それぞれが支払うべき前記新株予約権の取得に関する金銭の額を求める、
    情報処理装置。
  18. 請求項10に記載の情報処理装置において、
    前記制御部は、
    前記新株予約権の取得に関する金銭の額に関する情報に基づき、複数の受益者のそれぞれが、前記新株予約権の取得に関する金銭の支払いを行ったか否かを判定し、前記金銭の支払いが完了したと判定されない場合に、前記新株予約権の交付処理を停止する、
    情報処理装置。
  19. 情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
    発行会社の上場・非上場を問わず、前記発行会社が信託設定する新株予約権の情報と新株予約権の信託に関する情報を受け付け、
    発行会社が随時行う役職員や社外協力者の採用・評価に関する情報を受け付け、
    前記信託は、法人課税信託であり、
    前記信託の設定者は、発行会社であり、
    前記役職員や社外協力者の採用・評価に関する情報に基づき、複数の受益者それぞれへの新株予約権を信託財産とする信託受益権の割当割合を求め、
    発行会社の上場・非上場を問わず、信託に設定された受益者指定時に前記新株予約権を信託財産とする信託受益権の給付処理を実行し、
    当該信託に関する情報に従い、受益者に対して信託受益権の内容である新株予約権の交付を、受益者が当該新株予約権の取得に関する金銭を支払うまで停止することができ、
    前記複数の受益者それぞれは、前記発行会社又はその子会社・関連会社の役職員、社外協力者又は他の信託の受託者であり、
    前記信託の設定は、前記発行会社による金銭又は新株予約権の信託によりなされ、
    前記新株予約権の割当ては、前記発行会社によって信託された金銭を前記発行会社に払い込むことによって前記金銭に応じてなされる、
    情報処理方法。
  20. プログラムであって、コンピュータを、請求項10に記載の情報処理装置の制御部として機能させるためのプログラム。
JP2022083428A 2022-05-20 2022-05-20 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム Active JP7378173B1 (ja)

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野口 真人,新株予約権等・種類株式の発行戦略と評価 第1版,日本,(株)中央経済社 山本 継,2020年04月20日,ISBN 978-4-502-32681-3

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