JP7485170B1 - 接合体の製造方法及び電気電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】接合プロセス時間が短く、異種材が強固に接合し、かつ密着性に優れた接合体の製造方法、及び電気電子部品を提供する。【解決手段】柱状基材Aと、熱可塑性フィルムBと、樹脂Cとを、この配置順で接合してなる接合体の製造方法であって、前記柱状基材Aの少なくとも一部の外周に、前記熱可塑性フィルムBを周方向に巻き付ける工程1、及び、前記柱状基材Aにおける熱可塑性フィルムBを巻き付けた部分に、前記樹脂Cを接合する工程2、を順次有し、前記柱状基材Aに対して、前記熱可塑性フィルムBの80℃でのせん断接着力が4.0MPa以上であり、測定周波数10Hzにて、0℃から200℃まで4℃/分の速度で昇温した場合の温度-tanδ曲線において、前記熱可塑性フィルムBの0℃以上及び200℃以下の温度範囲におけるtanδのピーク値が1.0以上、である接合体の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、異種材が接合した接合体の製造方法及び電気電子部品に関する。
近年、製品の軽量化及び高性能化等の観点より、自動車部品、医療機器、家電製品等、各種分野で部品のマルチマテリアル化が進んでいる。マルチマテリアル化とは、機能や材質の異なる材料(以下、異種材という)を併用することで材料の軽量化や高強度化を図る手法である。マルチマテリアル化の実現には、異種材を強固に接合する技術が不可欠である。
マルチマテリアル化を必要とする部品を用いた製品の一例として、端子台が挙げられる。電池ケースやインバータ、及びモータ等の外装容器の端子台では、その内部に少なくとも絶縁体と電極体を備えた構成となっている。電極体は、電気を外部とやり取りするために、金属部が外装容器の貫通孔から延出しているものが多い。外装容器内部を大気による変質等の不具合から保護するため、例えば、樹脂材料を封止材として用い、電極体と貫通孔との隙間を封止する手法がとられている。特に、電子機器は、わずかな湿気や粉塵等によって不具合を起こすことも多く、封止部には高度な密着性(耐リーク性)が求められる。
例えば、封止材となる樹脂材料を用い、射出成形等のインサート成形により金属端子周辺を封止する技術が知られている。しかし、金属に対し、インサート成形によって樹脂材料を封止すると、隙間からリークするおそれがある。特に、金属端子等に対してその周囲を覆うように樹脂材料を封止する際には、より優れた耐リーク性が要求される。
そこで、金属端子等を樹脂材料で封止する手段として、例えば、金属端子に液状接着剤やワニス等を塗布した後インサート成形によって樹脂材料で封止する方法の検討が行われている。具体的には、電極体に現場重合型組成物を塗布して重合することでプライマー層を設けた後、封止部を形成する技術が知られている(特許文献1等)。また、カチオン型エポキシ樹脂系電着塗料を満たした浴槽中に外部端子を浸漬し、通電させることで端子接着層を設けた後、封止部材を形成する技術が知られている(特許文献2等)。
また、金属端子の表面を粗化した後インサート成形によって樹脂材料で封止する方法等の検討が行われている。具体的には、金属端子における封止樹脂との接合面を、サンドブラスト加工、ショットブラスト加工、研削加工、バレル加工等の機械研磨や、化学研磨により表面層を研磨する技術が知られている(特許文献3等)。
特開2021-157887号公報 特開2020-88137号公報 特開2016-126989号公報
前記ポッティグの手法によれば、隙間が生じても水などの外気の侵入を防ぐことができる。しかしながら、ポッティング時に熱硬化性樹脂は液体であるため、液体の取り扱いが煩雑なだけでなく、熱硬化のために長時間の加熱もしくは静置が必要となり生産性に課題がある。
また特許文献1のように、予め金属表面を粗化する場合、金属が高温と低温に繰り返しさらされた際(冷熱サイクル時)に応力を緩和する層が無いため封止樹脂に応力がかかり剥離やすく、密着性の耐矯正に課題がある。さらに、金属の粗面と封止樹脂との間に隙間が生じやすく、密着性が不足することが懸念される。
また特許文献2のように、予め金属に液状の接着剤やワニス等を塗布する場合、塗布時に接着剤は液体であるため、接着に時間が掛かる場合があり、ポットライフ(可使時間)や手間などの課題が生じやすい。さらに、塗布量の不足や不均一な塗布作業によって密着性が損なわれたり、過剰な塗布量による汚染リスクが生じたりするなど、作業性に劣る場合がある。
また熱硬化性接着剤を用いる場合、金属と封止樹脂との線膨張係数の差により冷熱サイクル時に金属と樹脂とがずれ、接着層に応力がかかることで、当該接着層は応力を緩和できずに剥離してしまいリークが起こりやすくなる。これは熱硬化性の接着層が、熱可塑性を持たず、塑性変形域に達すると速やかに破断が起きるためと考えられる。
そこで本発明は、接合プロセス時間が短く、冷熱サイクルを経ても剥離しにくく、かつ密着性に優れる接合体の製造方法、及び電気電子部品を提供することを目的とする。
本発明者らは、特定の熱可塑性フィルムを介し、樹脂材と基材とを接合することにより、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1] 柱状基材Aと、熱可塑性フィルムBと、樹脂Cとを、この配置順で接合してなる接合体の製造方法であって、
前記柱状基材Aの少なくとも一部の外周に、前記熱可塑性フィルムBを周方向に巻き付ける工程1、及び、
前記柱状基材Aにおける熱可塑性フィルムBを巻き付けた部分に、前記樹脂Cを接合する工程2、
を順次有し、
前記柱状基材Aに対して、前記熱可塑性フィルムBの80℃でのせん断接着力が4.0MPa以上であり、
測定周波数10Hzにて、0℃から200℃まで4℃/分の速度で昇温した場合の温度-tanδ曲線において、前記熱可塑性フィルムBの0℃以上及び200℃以下の温度範囲におけるtanδのピーク値が1.0以上、である接合体の製造方法。
[2] 前記柱状基材Aと、前記熱可塑性フィルムBとを、接触加熱、温風加熱、熱プレス、赤外線加熱、熱板溶着、超音波溶着、振動溶着及び高周波誘導溶着からなる群より選ばれる少なくとも1種により接合する工程をさらに含む、前記[1]に記載の接合体の製造方法。
[3] 前記熱可塑性フィルムBの厚さが10μm以上3mm以下である、前記[1]又は[2]に記載の接合体の製造方法。
[4] 前記熱可塑性フィルムBが非晶性熱可塑性樹脂を50質量%超含む、前記[1]~[3]のいずれかに記載の接合体の製造方法。
[5] 前記非晶性熱可塑性樹脂が熱可塑性エポキシ樹脂及びフェノキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記[4]に記載の接合体の製造方法。
[6] 前記熱可塑性フィルムBがエポキシ当量1,600g/eq.以上もしくはエポキシ基を含まない熱可塑性樹脂である、前記[1]~[5]のいずれかに記載の接合体の製造方法。
[7] 前記柱状基材Aが金属である、前記[1]~[6]のいずれかに記載の接合体の製造方法。
[8] 前記[1]~[7]のいずれかに記載の接合体の製造方法により得られる接合体を備える電気電子部品。
本発明によれば、接合プロセス時間が短く、冷熱サイクルを経ても剥離しにくく、かつ密着性に優れる接合体の製造方法、及び電気電子部品を提供することができる。
本実施形態の接合体の製造方法により得られる接合体の一実施形態の構成を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本明細書において、「接合」とは、物と物とを繋合わせることを意味し、接着及び溶着はその下位概念である。「接着」とは、テープや接着剤の様な有機材(熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等)を介して、2つの被着材(接着しようとするもの)を接合状態とすることを意味する。「溶着」とは、熱可塑性樹脂等の表面を熱によって溶融し、冷却することにより、分子拡散による絡み合いを生じさせて接合状態とすることを意味する。「接着性」とは、物と物とを繋合わせ得る接着強度を有する性質を意味する。「密着性」とは、物と物との間における密着強度を有する性質を意味する。「密着性」と「接着性」とは異なる性質を意味する。
本明細書において、「接合プロセス時間」とは、接合体を構成する柱状基材Aとフィルムの接触時を始点、接合体の作製の完了時を終点として、始点から終点までの時間を意味する。
<接合体の製造方法>
本実施形態の接合体の製造方法は、柱状基材Aと、熱可塑性フィルムBと、樹脂Cとを、この配置順で接合してなる接合体の製造方法であって、
前記柱状基材Aの少なくとも一部の外周に、前記熱可塑性フィルムBを周方向に巻き付ける工程1、及び、前記柱状基材Aにおける熱可塑性フィルムBを巻き付けた部分に、前記樹脂Cを接合する工程2を順次有することを特徴とし、また、
前記柱状基材Aに対して、前記熱可塑性フィルムBの80℃でのせん断接着力が4.0MPa以上であり、
測定周波数10Hzにて、0℃から200℃まで4℃/分の速度で昇温した場合の温度-tanδ曲線において、前記熱可塑性フィルムBの0℃以上及び200℃以下の温度範囲におけるtanδのピーク値が1.0以上であることを特徴とする。
柱状基材Aと封止材である樹脂Cと間に熱可塑性フィルムBを設けることで、柱状基材Aと樹脂Cとは、冷熱サイクルを経ても剥離しにくく、かつ優れた密着性を有して接合される。さらに、柱状基材Aに熱可塑性フィルムBをそのまま接面させることは、液状接合剤等を塗布するよりも接合プロセスを短くする上で効果的な操作であるといえる。また、均一な厚さを有する熱可塑性フィルムBを用いることで、液状接合剤等を塗布する場合に比べて塗り残しやタレなどの不均一な部分が生じることがなくなり、優れた密着性を発現することができる。
本発明の効果が得られるより詳細な理由について、次のとおり考察する。
冷熱サイクルの際に、金属と封止樹脂の線膨張に差があるため、金属と封止樹脂が相対的にせん断方向に動く。封止樹脂/接着層、及び、金属/接着層でも同様にせん断方向の動きがあるが、接着層は樹脂組成物であるため、封止樹脂/接着層のせん断の動きは少なく、金属/接着層の動きのほうが大きくなる。そのため金属/接着層のせん断方向の動きに対応して、接着層の界面付近にせん断方向の変形が発生し、当該接着層の変形に対応して接着層に応力が発生する。その応力に対して、接着層もしくは接着層/金属界面が破壊されると、金属と封止樹脂とは剥離する。
なお、前記「/」は各層の境界を意味する。
本実施態様では、柱状基材Aと樹脂Cと間に重合などの化学反応が完了した熱可塑性フィルムBを接着層として設けることで、当該接着層のガラス転移点温度以上になる際に、熱可塑性により接着層は軟化するため著しく柔軟性が上がり、前記せん断方向の変形に対して応力が著しく小さくなる。その際、貯蔵弾性率E’に対して損失弾性率E”が増大しその比である損失正接tanδ=E”/E’が1を超えて粘性領域になる。一方で、ガラス転移点温度以上になった際に接着力は低下するが、それに比して前記柔軟性の向上が著しいため、応力は大幅に低下しかつ接着力の低下よりも大きいので、金属と封止樹脂とは剥離しにくくなる。
さらに、冷熱サイクルの高温(例えば120℃以上)時に接着層が軟化して(ひずみに比例して応力が発生する)弾性領域から、(外力を除くと応力の上昇が停止する)粘性領域になることで応力がリセットされ、繰り返しの冷熱サイクルの際に蓄積疲労がたまりにくく、剥離しにくくなる。そのため、熱可塑性フィルムBを用いることで塑性変形をすることができ、かつ、効果的に応力を緩和することができるので、冷熱サイクル時に剥離しにくく密着性に優れる接合体とすることができる。
また、常温で固体の熱可塑性フィルムBを接着層に用いるため、接着層を形成する際に液体の取り扱いが不要であり、接合プロセスが簡便である。また、熱可塑性であるので、接着の接合プロセスが固体と液体の相変化だけである。したがって、熱可塑性フィルムBを用いた場合は、化学反応を伴う熱硬化性の樹脂を用いた場合に比べて柱状基材Aへの密着のための接合プロセス時間が短くなる。
〔柱状基材A〕
柱状基材Aの形状は特に限定されない。柱状基材Aの形状は、例えば、断面が円形状、半円形状、楕円形状、並びに、正方形、長方形、三角形及びその他多角形状などを有する柱状であってもよく、また、断面の縦横比が大きい長方形である短冊状及び平板状であってもよい。
柱状基材Aの材質は、例えば、金属、無機物、樹脂等が挙げられる。柱状基材Aの材料は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
耐熱性や強度の観点から、柱状基材Aは金属であることが好ましい。
柱状基材Aの材質として用いる金属は、特に限定されるものではなく、例えば、アルミニウム、鉄、銅、マグネシウム、チタン等が挙げられる。
なお、本実施形態において、「鉄」の語は、鉄及びその合金を含む意味で用いられる。鉄の合金としては、例えば、鋼、ステンレス等が挙げられる。同様に、銅、アルミニウム、マグネシウム、チタンも、これらの単体及びその合金を含む意味で用いるものとする。
また、これら金属表面には、用途に応じた金属めっき加工を施してもよい。
柱状基材Aの材質として用いる無機物は、特に限定されるものではなく、例えば、ガラス、セラミック、カーボン成形体等が挙げられる。
ガラスとしては、例えば、一般的なガラスの他、耐熱ガラス、防火ガラス、耐火ガラス、スマートフォンの保護等に用いられる化学強化ガラス等であってもよい。具体的には、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス等が挙げられる。
セラミックスとしては、例えば、半導体、自動車、産業用機器等に用いられるファインセラミックス等が挙げられる。具体的には、アルミナ、ジルコニア、チタン酸バリウム等の酸化物系セラミックス;ハイドロキシアパタイト等の水酸化物系セラミックス、炭化ケイ素等の炭化物系セラミックス;窒化ケイ素等の窒化物系セラミックス等が挙げられる。
柱状基材Aの材質として用いる樹脂としては、ガラス繊維強化熱硬化性樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂の硬化物や、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン等の高耐熱性エンジニアリングプラスチックが挙げられる。
柱状基材Aの材質が樹脂である場合、当該樹脂の材質は、接合する工程(工程2)における接合の際の温度で変形しない融点又はガラス転移点温度を有することが必要である。
柱状基材Aには適した前処理を施してもよい。前処理としては、表面を洗浄する前処理又は表面に凹凸を付ける前処理が好ましい。具体的には、柱状基材Aがアルミニウム、セラミック、又は鉄からなる場合、脱脂処理、UVオゾン処理、ブラスト処理、研磨処理、プラズマ処理、エッチング処理からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。柱状基材Aが繊維強化プラスチック(FRP)、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミド、又はポリブチレンテレフタレートからなる場合、脱脂処理、UVオゾン処理、ブラスト処理、研磨処理、プラズマ処理及びコロナ放電処理からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
前処理は、1種のみであってもよく、2種以上を施してもよい。これらの前処理の具体的な方法としては、公知の方法を用いることができる。
〔熱可塑性フィルムB〕
熱可塑性フィルムBは、熱可塑性樹脂を主成分とする。また、熱可塑性フィルムBは、柱状基材Aに対して接着性を有することが好ましい。
本明細書において「主成分」とは、熱可塑性フィルムB中の樹脂成分のうちで最も含有量の高い成分を意味する。樹脂成分中の熱可塑性樹脂の含有量は50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましい。熱可塑性フィルムBは、樹脂成分を50質量%超含むことが好ましく、70質量%以上含むことがより好ましく、80質量%以上含むことが更に好ましく、90質量%以上含むことが特に好ましい。
また、前記「フィルム」とは、熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂組成物を薄い膜状に成形したものを意味する。
《tanδ》
熱可塑性フィルムBは、測定周波数10Hzにて、0℃から200℃まで4℃/分の速度で昇温した場合の温度-tanδ曲線において、前記熱可塑性フィルムBの0℃以上及び200℃以下の温度範囲におけるtanδのピーク値が1.0以上である。なお、tanδのピークが複数個出現する場合は、最も低温のピークのtanδの値を採用する。
tanδのピーク値が1.0未満であると、接着層は弾性域であるため、十分な柔軟性を有することができずに、接着層もしくは接着層/金属界面が破壊され、柱状基材Aと樹脂Cとの剥離を防ぐことが困難になる。前記tanδのピーク値は、好ましくは100以下、より好ましくは10以下である。
なお、tanδ(損失正接)は、貯蔵せん断弾性率と損失せん断弾性率の比で定義され、動的粘弾性測定装置により測定される値である。
本実施形態においてtanδのピーク値は、熱可塑性フィルムBを用いて作製される試験片を用い、動的粘弾性測定(DMA)装置(例えば、株式会社ユービーエム製 Rheogel-E4000)を用いて、下記の条件で測定される。
・試験片の大きさ:厚さ0.01~1mm、幅5mm、長さ20mm
・歪み量:0.1mm
・加振波形:正弦波
・周波数:10Hz
・測定温度:0~200℃(又は溶融するまで)
・昇温速度:4℃/分
tanδ(損失正接)は貯蔵せん断弾性率(E”)と損失せん断弾性率(E’)の比、すなわち、E”/E’の値であり、tanδのピーク値は前記DMA測定で得られる、測定周波数10Hzでの、温度-tanδ曲線におけるtanδのピーク値である。
なお、本実施形態においてtanδの測定方法は、より詳細には実施例に記載のとおりである。
《せん断接着力》
柱状基材Aに対して、熱可塑性フィルムBの80℃でのせん断接着力が4.0MPa以上である。
冷熱サイクルを経ても剥離をより効果的に抑制する観点から、柱状基材Aに対して、熱可塑性フィルムBの80℃でのせん断接着力は、より好ましくは5MPa以上、更に好ましくは6MPa以上である。また、適度に柔軟性を付与する観点からの観点から、前記せん断接着力は、好ましくは50MPa以下、より好ましくは40MPa以下である。
本実施形態においてせん断接着力は、2枚の柱状基材Aの間に配置した熱可塑性フィルムBを溶融及び固化して柱状基材A同士を接合することによって作製される試験片を用い、80℃で10分以上静置後、JIS K6850:1999に準拠して、引張試験機にて、80℃雰囲気で測定される。
なお、本実施形態においてせん断接着力の測定方法は、より詳細には実施例に記載のとおりである。
本明細書において、熱可塑性樹脂の融点とは、DSCで測定される融解ピーク温度を意味する。なお、融解ピークが得られない場合や、融解熱が15J/g以下である場合は、ガラス転移点温度に70℃を加えた温度を融点とみなす。
また、本明細書において、ガラス転移点温度は、DSCで200℃まで昇温後、40℃以下に冷却し、さらに200℃まで加熱した2サイクル目のDSCカーブの降下開始時の温度を意味する。
融点及びガラス転移点温度は、具体的には、実施例に記載の方法で測定される値である。
《非晶性熱可塑性樹脂》
熱可塑性フィルムBは、非晶性熱可塑性樹脂を50質量%超含むことが好ましい。
熱可塑性フィルムBに非晶性熱可塑性樹脂の特性を十分に付与する点から、非晶性熱可塑性樹脂の含有量は、熱可塑性フィルムB中の樹脂成分のうち、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上、最も好ましくは90質量%以上である。
非晶性熱可塑性樹脂は、結晶を有さないか、有していても少量であり、その融解熱が15J/g以下の樹脂をいう。
融解熱は、DSC(示差走査熱量計)の吸熱ピークの面積と、熱可塑性樹脂成分の重量から算出する。無機充填剤等がフィルム中に含まれる場合には、無機充填剤は除いた、熱可塑性樹脂成分の重量から算出する。具体的には、試料を2~10mg秤量し、アルミ製パンに入れ、DSC(株式会社リガク製DSC8231)を用いて23℃から10℃/minで200℃以上まで昇温してDSCカーブを得、次いでそのDSCカーブから求めた融解時の吸熱ピークの面積と、前記秤量値から算出することができる。
非晶性熱可塑性樹脂の融解熱は、11J/g以下であることがより好ましく、7J/g以下であることが更に好ましく、4J/g以下であることがより更に好ましく、融解ピークが検出限界以下であることが特に好ましい。
融解熱が15J/g以下である非晶性熱可塑性樹脂を主成分とする熱可塑性フィルムBを用いることにより、加熱時に、従来のホットメルト接着剤で見られるような急激な粘度低下は起こらず、200℃を超える高温度領域においても低粘度(0.001~100Pa・s)状態には至らない。このため当該熱可塑性フィルムBは溶融した状態でも、柱状基材Aと樹脂Cとの間から流れ出すことはなく、熱可塑性フィルムBの厚さが安定して確保でき、高い密着性を安定して得ることができる。
また、密閉性及び強靭性の観点から、非晶性熱可塑性樹脂は、熱可塑性エポキシ樹脂及びフェノキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
中でも、密閉性及び強靭性の観点から、熱可塑性フィルムBは、熱可塑性エポキシ樹脂及びフェノキシ樹脂の少なくとも一方である非晶性熱可塑性樹脂を主成分とすることがより好ましい。また、密閉性及び強靭性の観点から、熱可塑性フィルムBは、熱可塑性エポキシ樹脂及びフェノキシ樹脂の少なくとも一方である非晶性熱可塑性樹脂であって、エポキシ当量が1,600以上であり、融解熱が15J/g以下の非晶性熱可塑性樹脂を主成分とすることがさらに好ましい。
熱可塑性エポキシ樹脂及びフェノキシ樹脂は、樹脂内の凝集力が低く、かつ水酸基を有し得るため、柱状基材A及び樹脂Cとの相互作用が強く、従来の結晶性のホットメルト接着剤よりも高い接合力で異種材を接合することが期待できる。
中でも、保管性の観点から、前記熱可塑性フィルムBが、エポキシ当量1,600g/eq.以上もしくはエポキシ基を含まない熱可塑性樹脂であることが好ましい。
前記エポキシ当量は、2,000g/eq.以上であることがより好ましく、5,000g/eq.以上であることが更に好ましく、9,000g/eq.以上であることがより更に好ましく、検出限界以上であってエポキシ基が実質的に検出されないことが特に好ましい。なお、エポキシ当量が検出限界以上とは、後述のJIS K 7236:2001に基づきエポキシ当量を測定した際に、エポキシ基が検出されないことを意味する。
ここで言うエポキシ当量(エポキシ基1モルが含まれる前記熱可塑性樹脂の重量)は、接合前の熱可塑性フィルムBに含まれる熱可塑性樹脂のエポキシ当量の値であり、JIS-K7236:2001に規定された方法で測定された値(単位「g/eq.」)である。具体的には、電位差滴定装置を用い、臭素化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液を加え、0.1mol/L過塩素酸-酢酸溶液を用い、溶媒希釈品(樹脂ワニス)は、不揮発分から固形分換算値としての数値を算出した値である。なお、2種以上の樹脂の混合物の場合はそれぞれの含有量とエポキシ当量から算出することもできる。
《熱可塑性エポキシ樹脂》
熱可塑性エポキシ樹脂は、(a)2官能エポキシ樹脂モノマーもしくはオリゴマーと、(b)フェノール性水酸基、カルボキシ基、メルカプト基、イソシアナト基及びシアネートエステル基からなる群より選ばれる同一の又は異なる2つの官能基を有する2官能性化合物との重合体であることが好ましい。
かかる化合物を使用することにより、直鎖状のポリマーを形成する重合反応が優先的に進行して、所望の特性を具備する熱可塑性エポキシ樹脂を得ることが可能となる。
(a)2官能エポキシ樹脂モノマーもしくはオリゴマーとは、分子内にエポキシ基を2個有するエポキシ樹脂モノマーもしくはオリゴマーをいう。
(a)2官能エポキシ樹脂モノマーもしくはオリゴマーの具体例として、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、2官能のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、2官能のナフタレン型エポキシ樹脂、2官能の脂環式エポキシ樹脂、2官能のグリシジルエステル型エポキシ樹脂(例えばジグリシジルフタレート、ジグリシジルテトラヒドロフタレート、ダイマー酸ジグリシジルエステルなど)、2官能のグリシジルアミン型エポキシ樹脂(例えばジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジンなど)、2官能の複素環式エポキシ樹脂、2官能のジアリールスルホン型エポキシ樹脂、ヒドロキノン型エポキシ樹脂(例えばヒドロキノンジグリシジルエーテル、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノンジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテルなど)、2官能のアルキレングリシジルエーテル系化合物(例えばブタンジオールジグリシジルエーテル、ブテンジオールジグリシジルエーテル、ブチンジオールジグリシジルエーテルなど)、2官能のグリシジル基含有ヒダントイン化合物(例えば1,3-ジグリシジル-5,5-ジアルキルヒダントイン、1-グリシジル-3-(グリシドキシアルキル)-5,5-ジアルキルヒダントインなど)、2官能のグリシジル基含有シロキサン(例えば1,3-ビス(3-グリシドキシプロピル)-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン、α,β-ビス(3-グリシドキシプロピル)ポリジメチルシロキサンなど)及びそれらの変性物などが挙げられる。これらのうち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂が、反応性及び作業性の点から好ましい。
(b)のフェノール水酸基を持つ2官能性化合物としては、例えばカテコール、レゾルシン、ヒドロキノンなどのベンゼン環を1個有する一核体芳香族ジヒドロキシ化合物類、ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン(ビスフェノールF)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン(ビスフェノールAD)などのビスフェノール類、ジヒドロキシナフタレンなどの縮合環を有する化合物、ジアリルレゾルシン、ジアリルビスフェノールA、トリアリルジヒドロキシビフェニルなどのアリル基を導入した2官能フェノール化合物、ジブチルビスフェノールAなどが挙げられる。
(b)のカルボキシ基含有化合物の具体例としては、アジピン酸、コハク酸、マロン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、及びテレフタル酸などが挙げられる。
(b)のメルカプト基を持つ2官能性化合物としては、例えば、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネートなどが挙げられる。
(b)のイソシアナト基含有の2官能性化合物の具体例としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、へキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、及びトリレンジイソシアネート(TDI)などが挙げられる。
(b)のシアネートエステル基含有の2官能性化合物の具体例としては、2,2-ビス(4-シアナトフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-シアナトフェニル)エタン、及びビス(4-シアナトフェニル)メタンなどが挙げられる。
前記(b)の2官能性化合物のなかでもフェノール水酸基を持つ2官能性化合物が熱可塑性の重合物を得る観点から好ましく、フェノール性水酸基を2つ持ち、ビスフェノール構造もしくはビフェニル構造を持つ2官能性化合物が耐熱性及び接合性の観点から好ましく、ビスフェノールA、ビスフェノールFもしくはビスフェノールSが耐熱性及びコストの観点から好ましい。
(a)がビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂であり、(b)がビスフェノールA、ビスフェノールFもしくはビスフェノールSである場合、当該(a)と(b)の重合により得られるポリマーは、パラフェニレン構造とエーテル結合を主骨格とし、それらをアルキレン基で連結した主鎖と、重付加により生成した水酸基が側鎖に配置された構造を有する。
パラフェニレン骨格からなる直鎖状の構造により、重合後のポリマーの機械的強度を高めることができるとともに、側鎖に配置された水酸基により、基材への密着性を向上させることができる。この結果、熱硬化性樹脂の作業性を維持しながら、高い接合強度を実現することができる。さらに、熱可塑性樹脂である場合は、熱で軟化・溶融させることによってリサイクル及びリペアが可能となり、熱硬化性樹脂における問題点であるリサイクル性及びリペア性を改善することができる。
《フェノキシ樹脂》
フェノキシ樹脂は、ビスフェノール類と、エピクロルヒドリンより合成されるポリヒドロキシポリエーテルであり、熱可塑性を有する。フェノキシ樹脂の製造には、二価フェノール類とエピクロルヒドリンの直接反応による方法、二価フェノール類のジグリシジルエーテルと二価フェノール類の付加重合反応による方法が知られているが、本実施形態に用いられるフェノキシ樹脂はいずれの製法により得られるものであってもよい。二価フェノール類とエピクロルヒドリンの直接反応の場合は、二価フェノール類としては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビフェノール、ビフェニレンジオール、フルオレンジフェニル等のフェノール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等の脂肪族グリコールが挙げられる。中でも、コストや接合性、粘度、耐熱性の観点から、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSが好ましい。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
フェノキシ樹脂は、エポキシ樹脂に類似の化学構造をもち、パラフェニレン構造とエーテル結合を主骨格とし、それらを連結した主鎖と、水酸基が側鎖に配置された構造を有する。
《熱可塑性エポキシ樹脂及びフェノキシ樹脂の物性》
熱可塑性エポキシ樹脂及びフェノキシ樹脂は、GPC(ゲル・パーミエ―ション・クロマトグラフィー)測定によるポリスチレン換算の値である重量平均分子量が10,000~500,000であることが好ましく、18,000~300,000であることがより好ましく、20,000~200,000であることが更に好ましい。重量平均分子量はGPCによって検出される溶出ピーク位置から算出され、それぞれ標準ポリスチレン換算での分子量の値である。重量平均分子量がこの値の範囲であると熱可塑性と耐熱性のバランスが良く、効率よく溶融によって接合体が得られ、その耐熱性も高くなる。重量平均分子量が10,000以上であると耐熱性に優れ、500,000以下であると溶融時の粘度が低く、接合性が高くなる。
《熱可塑性フィルムB中における樹脂成分以外の成分》
必要に応じて、本実施形態の目的を阻害しない範囲で、熱可塑性フィルムBは、樹脂成分以外の成分として、フィラーや添加剤を含有してもよい。
フィラーとしては、無機フィラー及び有機フィラー(樹脂粉体等)が挙げられる。
無機フィラーとしては、例えば、球状溶融シリカ、鉄などの金属の金属粉、珪砂、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、酸性白土、珪藻土、カオリン、石英、酸化チタン、シリカ、ガラスバルーン等が挙げられる。
有機フィラーとしては、ゴム微粒子、エラストマー微粒子、コアシェル粒子、熱可塑性樹脂の微粒子、熱硬化性樹脂の微粒子、フェノール樹脂マイクロバルーンなどが挙げられる。
熱可塑性フィルムBがフィラーを含有する場合、熱可塑性フィルムBの全量100体積%中におけるフィラーの含有量は、50体積%以下であることが好ましく、30体積%以下であることがより好ましく、20体積%以下であることが更に好ましく、10体積%以下であることが最も好ましい。なお、フィラーの体積は、熱可塑性フィルムB中に含有されるフィラーの重量をフィラーの見かけ比重で除して求めることができる。
熱可塑性フィルムBの全量100体積%中における樹脂成分の含有量は、好ましくは10体積%以上、より好ましくは20体積%以上、更に好ましくは30体積%以上、より更に好ましくは50体積%以上、一態様では80体積%以上、別の態様では90体積%以上、別の態様では99体積%以上である。
添加剤としては、例えば、消泡剤、シランカップリング剤等のカップリング剤、顔料、粘着付与樹脂等を挙げることができ、これらは1種又は2種以上含有していてもよい。
熱可塑性フィルムB中における添加剤の含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
熱可塑性フィルムB中における樹脂成分の含有量は、好ましく10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは50質量%以上、一態様では80質量%以上、別の態様では90質量%以上、別の態様では99質量%以上である。
《熱可塑性フィルムBの形態》
熱可塑性フィルムBは、シート状物である。
熱可塑性フィルムBの厚さは、好ましくは10μm以上3mm以下である。
短い接合プロセス時間で強固に接合した接合体を得る観点から、熱可塑性フィルムBの厚さは、より好ましくは1mm以下、更に好ましくは0.5mm以下、より更に好ましくは0.3mm以下、特に好ましくは0.2mm以下、最も好ましくは0.1mm以下である。また、密着性及び耐剥離性をより一層高める観点から、熱可塑性フィルムBの厚さは、より好ましくは20μm以上、更に好ましくは30μm以上、より更に好ましくは40μm以上である。
熱可塑性フィルムBの厚さが前記数値範囲内であると、加熱等によって効率よく柱状基材Aとの接合面に広がることができ、高い密着性が得られる。
熱可塑性フィルムBは単層であってもよく複数層からなる積層体であってもよいが、製造容易性の観点及び密着性の向上の観点から、熱可塑性フィルムBは単層であることが好ましい。
また、熱可塑性フィルムBは、本発明の効果を阻害しない範囲で、タック性があってもよい。タック性の付与は熱可塑性フィルムBを構成する熱可塑性樹脂に粘着付与樹脂を混合しても良く、粘着剤を熱可塑性フィルムBの表面に塗布しても良い。タック性の付与は片面でも両面でも良いが、片面であると柱状基材Aに接する面のみにタック性を持たせることができ、外側に粘着面が露出しにくいためより好ましい。また、粘着剤の塗布面積は全面でも良く、縞状、ドット状、格子状、タイル状(複数の四角が隙間を有して並んだ形状)などの一部の塗布でもよい。塗布面積が少ないと粘着剤が熱可塑性フィルムBの端面から外側にはみ出して露出しにくく、密着性が落ちにくく好ましい。また、タック性の付与は滑り止めが出来るだけの微小なものであってもよい。すなわち、熱可塑性フィルムBを柱状基材Aに接面させた際に、当該熱可塑性フィルムBが柱状基材Aに貼りつかなくてもよく、せん断方向の力を加えた際に抵抗が大きくなる(滑りにくくなる)程度であっても良い。タック性が低い方が、接着力が大きくなりやすく、耐剥離性及び密着性に優れて好ましい。
《熱可塑性フィルムBの製造方法》
熱可塑性フィルムBの製造方法は特に限定されないが、例えば、2官能エポキシ化合物のモノマーもしくはオリゴマーを加熱して重合させることで樹脂組成物を得、得られた樹脂組成物に必要に応じて溶剤を加え、離型フィルム等に塗布し、硬化及び乾燥、必要に応じて加圧することにより熱可塑性フィルムBを得てもよい。また、重合反応は、離型フィルムに塗布後でもよく、溶剤を除去してフィルム形状が得られた後でもよく、また、それらを組み合わせてもよい。
〔樹脂C〕
樹脂Cは、特に限定されるものではないが、インサート成形できるものが好ましく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、及び繊維強化プラスチック(FRP)からなる群から選択される1種からなることがより好ましい。前記熱可塑性樹脂とは、成形時に溶融および固化の相変化により成形品が成形されるものを指し、前記熱硬化性樹脂とは、成形時に重合反応をすることで成形品が成形されるものを指す。中でも、耐剥離性及び密着性、並びに、成形の容易性等の観点から、樹脂Cは、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂からなる群から選択される1種であることが好ましい。前記熱可塑性樹脂は、200~400℃の加熱温度の範囲で射出成形できるものが好ましく、前記熱硬化性樹脂は、40~200℃の加熱温度の範囲で射出成形、トランスファー成形、及び圧縮成形のいずれかで成形できるものが好ましい。
ただし、樹脂Cは、熱可塑性フィルムBを構成する樹脂成分とは異なることが好ましい。
本実施形態において、樹脂Cは封止部材として用いてもよい。
封止部材として用いる場合においても、樹脂Cは、インサート成形できるものが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン及びその酸変性物、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、AS樹脂、ABS樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性芳香族ポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル及びその変性物、ポリフェニレンスルフィド、ポリオキシメチレン、ポリアリレート、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、熱可塑性エポキシやそれらの繊維強化材等が挙げられる。耐熱性、コスト、成形の容易性等の観点から、ポリカーボネート、ガラス繊維強化ポリアミド、ガラス繊維強化ポリブチレンテレフタレート、ガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイドより選ばれる少なくとも1種からなることが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、及び不飽和ポリエステル樹脂が挙げられる。これら熱硬化性樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
熱硬化性樹脂は、好ましくはエポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂としては、例えば、2官能エポキシ樹脂、及び3官能以上の多官能エポキシ樹脂が挙げられる。2官能エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂、変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂、及びビフェニル型エポキシ樹脂が挙げられる。3官能以上の多官能エポキシ樹脂としては、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、及びジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が挙げられる。これらエポキシ樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。エポキシ樹脂としては、好ましくは2官能エポキシ樹脂が用いられ、より好ましくはビスフェノールF型エポキシ及びビスフェノールA型エポキシ樹脂からなる群より選ばれる1種以上が用いられる。
エポキシ樹脂が用いられる場合、熱硬化性樹脂は、好ましくはエポキシ樹脂用の硬化剤としてのフェノール樹脂を含む。フェノール樹脂としては、好ましくはノボラック型フェノール樹脂が用いられる。ノボラック型フェノール樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタンノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert-ブチルフェノールノボラック樹脂、及びノニルフェノールノボラック樹脂が挙げられる。これらフェノール樹脂は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
樹脂Cの成形温度(樹脂温度)は、100~400℃であることが好ましく、150~350℃であることがより好ましく、180~300℃であることが更に好ましい。100~400℃の範囲で成形することにより、熱可塑性フィルムBが加熱により効率よく変形及び溶融し、接合面に有効に濡れ広がるため高い密着性が得られる。
柱状基材Aの材質と樹脂Cとの組み合わせは特に限定されない。
〔工程1〕
工程1では、柱状基材Aの少なくとも一部の外周に、熱可塑性フィルムBを周方向に巻き付ける。
ここで、上記「少なくとも一部の外周」とは、柱状基材Aの長軸方向における少なくとも一部を意味する。また、上記「巻き付ける」とは、柱状基材Aの周方向に熱可塑性フィルムBを一周又は一周以上巻き付けることを意味する。
工程1の実施態様の一例を、図1を用いて説明する。
図1は、接合体の実施態様の一例を示す模式図である。
図1の1-1に示すように、熱可塑性フィルムB(B)は柱状基材A(A)の少なくとも一部の外周に巻き付けられていればよい。この時、図1-1に示すように、柱状基材A(A)の一部に熱可塑性フィルムB(B)の非着部分(a)を有してもよく、非着部分(a)を有しなくてもよく、非着部分(a)を柱状基材A(A)の一端のみに有してもよい。すなわち、前記柱状基材A(A)の少なくとも一部の外周が、熱可塑性フィルムB(B)を介して樹脂C(C)と接合していればよく、前記柱状基材A(A)は熱可塑性フィルムB(B)を介さずに樹脂C(C)と接合する部分を有して接合してもよい。
本発明の効果が得られ易くなる観点から、柱状基材A(A)は非着部分aを両端に有することが好ましい。
工程1では、まず、図1の1-1に示すように、柱状基材A(A)の外周に、熱可塑性フィルムB(B)を周方向に巻き付ける。この時、図1の1-1に示すように、熱可塑性フィルムB(B)が柱状基材A(A)の外周を連続して覆うように、熱可塑性フィルムB(B)を巻き付ければよい。柱状基材A(A)の周方向に、熱可塑性フィルムB(B)を一周又は一周以上巻き付けるので、巻き付けた熱可塑性フィルムB(B)の両端辺に隙間がなく、密閉性が高くなって、優れた耐リーク性を発現することができる。
また、熱可塑性フィルムBは、タック性を有していてもよい。取り扱い容易性の観点から、熱可塑性フィルムBがタック性を有し、柱状基材Aに対して仮固定されることが好ましい。
また、熱可塑性フィルムBは、耐リーク性を阻害しない範囲で粘着剤を塗布した後、柱状基材Aに巻き付けて仮固定してもよい。上記粘着剤として、市販品を使用することができる。
上述のように柱状基材Aの外周に熱可塑生成フィルムBを巻き付けた後、巻き付けた熱可塑性フィルムBを溶融及び固化して、柱状基材Aと熱可塑性フィルムBとを接合する操作を行うことができる。
具体的には、図1の1-1に示すように、柱状基材A(A)に熱可塑性フィルムB(B)を巻き付けた後、熱可塑性フィルムB(B)を溶融し、固化してもよい。熱可塑性フィルムB(B)は熱可塑性なので、柱状基材A(A)に対して隙間なく密着して接合することができる。
本実施態様では、次の工程2において樹脂Cを接合することで、熱可塑性フィルムBが溶融及び固化し得る。そのため、工程を簡略化するために、工程1の後に、熱可塑性フィルムBを溶融及び固化せずに、工程2において樹脂Cの成形工程で加熱されることで溶融及び固化されてもよい。一方で、予め熱可塑性フィルムBを溶融及び固化することで、より確実に柱状基材Aと熱可塑性フィルムBとを接合一体化させることができるので、密閉性、及び耐リーク性向上の観点から、工程1の後に、巻き付けた熱可塑性フィルムBを溶融及び固化して、柱状基材Aと熱可塑性フィルムBとを接合する操作を行うことが好ましい。
《溶融及び固化》
柱状基材Aと熱可塑性フィルムBとの接合において、熱可塑性フィルムBを溶融させる方法としては、接触加熱、温風加熱、熱プレス、熱板溶着、赤外線加熱、超音波溶着、振動溶着及び高周波誘導溶着からなる群より選ばれる少なくとも1種の方法が挙げられる。
中でも、製造容易性及び接合プロセス短縮の観点から、熱プレスもしくは高周波誘導溶着が好ましい。
熱可塑性フィルムBを加熱により溶融させる場合、柱状基材Aと熱可塑性フィルムBとの接合部の温度は、柱状基材Aの材質の耐熱温度を勘案して定めればよいが、100~300℃が好ましく、120~250℃がより好ましく、150℃~220℃が更に好ましい。100~300℃で接合することにより、熱可塑性フィルムBが効率よく変形、溶融し接合面に有効に濡れ広がるため高い密着性が得られる。
溶融した熱可塑性フィルムBを固化させる方法としては、常温で放冷する方法又は冷却装置を用いて放冷する方法が挙げられる。なお、「常温」とは、5~30℃の範囲内の一般的な室温を意味する。中でも、製造容易性の観点から、常温で放冷する方法が好ましい。
なお、本明細書において、「固化」とは、常温で固体、即ち23℃の加圧のない状態下において流動性が無いことを意味する。
〔工程2〕
工程2では、柱状基材Aにおける熱可塑性フィルムBを巻き付けた部分に、樹脂Cを接合する。樹脂Cを接合させる方法としては、接合プロセス時間、冷熱サイクルを経ても剥離しにくく、かつ密着性に優れる接合体を得る観点から、インサート成形により接合することが好ましい。樹脂Cをインサート成形することで、熱可塑性フィルムBは溶融及び固化し得ることから、工程2の前に熱可塑性フィルムBを溶融及び固化せずに、工程2において樹脂Cの成形工程で加熱されることで溶融及び固化されてもよい。
<接合体>
本実施形態の接合体の製造方法により得られる接合体は、柱状基材Aが、熱可塑性フィルムBが溶融後固化した接着層を介して、樹脂Cと、接合一体化されたものである。
本実施形態の接合体の製造方法により得られる接合体は、異種材の接合体でも、優れた密着性を示す。密着性は、熱可塑性フィルムBと柱状基材Aとの間、及び熱可塑性フィルムBと樹脂Cとの間に働く界面相互作用の強さの他に、熱可塑性フィルムBの厚さ、熱可塑性フィルムBを構成するポリマーの分子量や化学構造、力学的特性、粘弾性的特性など数多くの因子に影響を受けるため、前記接合体が優れた密着性を示す機構の詳細は明らかではない。また、tanδのピーク値との関係の詳細も明らかでない。
また、前記接合体のより好ましい一実施形態は、熱可塑性フィルムBが、熱可塑性エポキシ樹脂及びフェノキシ樹脂の少なくとも一方である非晶性熱可塑性樹脂を主成分とすることである。当該より好ましい一実施形態がより優れた密着性を示す機構の詳細は明らかではないが、非晶性熱可塑性樹脂内の凝集力が低いことと、樹脂内に水酸基が存在する場合、熱可塑性フィルムBと柱状基材Aの界面、及び熱可塑性フィルムBと樹脂Cの界面で水素結合やファンデルワールス力などの化学結合や分子間力を形成することが主な要因であると推測される。
しかしながら、前記接合体において、熱可塑性フィルムBと柱状基材Aの界面、及び熱可塑性フィルムBと樹脂Cの界面の状態又は特性は、ナノメーターレベル以下のごく薄い化学構造であり、分析が困難である。そのため、前記界面の状態又は特性を特定することにより、熱可塑性フィルムBの使用によらないものと区別すべく表現することは、現時点の技術において、不可能又は非実際的である。
本実施形態の接合体の製造方法により得られる接合体は、柱状基材Aと樹脂Cとが冷熱サイクルを経ても剥離し難くかつ密着性に優れることから、当該特性を発揮することができる用途に好適に使用することができる。例えば、本実施形態の接合体の製造方法により得られる接合体を備える電気電子部品を提供することができる。
本実施形態の接合体の製造方法により得られる接合体は、電気電子部品を提供することができる。より具体的には、自動車や電気電子部品の端子台、バスバー、電気素子等を提供することができる。
以下、本実施形態を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
実施例及び比較例において、柱状基材Aと、熱可塑性フィルムB又は接合剤と、樹脂Cとを、この配置順で接合してなる接合体を製造した。以下、前記熱可塑性フィルムB又は接合剤からなる層を中間層と称す。
実施例及び比較例において、以下の材料を使用した。
<柱状基材A>
柱状基材(角柱):幅12.4mm、長さ64.9mm、厚さ1.6mmのC1100(タフピッチ銅)
<熱可塑性フィルムB>
実施例1-1~1-3、及び2~5で製造したフィルムP-1~P-5
<接合剤>
比較例1~6で製造した接合剤Q-1~Q-6
<樹脂C>
《PPS(ポリフェニレンスルフィド)》
DIC株式会社製FZ-1130-D5(ガラス繊維30質量%)(融点280℃)
《PC(ポリカーボネート)》
SABIC製121R(軟化点:129℃、融点220℃)
《PA6T》
BASF製Ultramid T1000HG7(ガラス繊維35%)(融点320℃)
<熱可塑性フィルムB及び接合剤の融点、ガラス転移点温度及びエポキシ当量>
(融点及びガラス転移点温度)
熱可塑性フィルムB及び接合剤をそれぞれ2~10mg秤量し、アルミ製パンに入れ、DSC(株式会社リガク製DSC8231)で23℃から10℃/minで200℃まで昇温し、DSCカーブを得た。そのDSCカーブの融解時の吸熱ピークの面積と前記秤量値から融解熱を算出した。また、得られたDSCカーブの融解ピーク温度(融解より生じるDSCカーブの吸熱ピークの温度)を融点(X℃)とした。なお、融解ピークが得られない場合や、融解熱が15J/g以下である場合は、ガラス転移点温度に70℃を加えた温度を融点(X℃)とした。ガラス転移点温度は、DSCで200℃まで昇温(10℃/min)後、40℃以下に冷却(10℃/min)し、さらに200℃まで加熱した2サイクル目のDSCカーブの降下開始時の温度とした。なお、加熱により溶融しない熱硬化性樹脂については、融点はなしとした。測定結果を表1及び2に示した。
(エポキシ当量)
JIS K-7236:2001で測定し、樹脂固形分としての値に換算した。また、反応を伴わない単純混合物の場合はそれぞれのエポキシ当量と含有量から算出した。算出結果を表1及び2に示した。
<温度-tanδ曲線の測定>
各熱可塑性フィルムBを幅5mm、長さ20mmの大きさにカッターで裁断し、tanδ測定用の試験片を作製した。その試験片を用い、動的粘弾性測定(DMA)装置(株式会社ユービーエム製 Rheogel-E4000)を用いて、下記の条件で測定した。
測定周波数を10Hzに固定し、0℃から200℃まで4℃/分の速度で昇温しながら、各温度での貯蔵せん断弾性率(E”)と損失せん断弾性率(E’)を測定し、温度-tanδ曲線を得、測定範囲内で最初に(最も低温側に)出るピークの値をtanδのピーク値とした。なお、tanδ(損失正接)は、貯蔵せん断弾性率(E”)と損失せん断弾性率(E’)の比、すなわち、E”/E’の値とした。
・試験片の大きさ:厚さ0.01~1mm、幅5mm、長さ20mm
・歪み量:0.1mm
・加振波形:正弦波
・周波数:10Hz
・測定温度:0~200℃(又は溶融するまで)
・昇温速度:4℃/分
また、tanδのピーク値が1以上である場合は「A」、1未満である場合は「B」と評価した。評価結果を表1及び2に示した。
<熱可塑性フィルムB及び接合剤の表面タック性評価>
各熱可塑性フィルムB及び各接合剤を常温雰囲気で垂直に立てたガラス板に10Nの力で押し付け、圧力を解放した後もガラス板から落ちなければタック性ありとした。
<せん断接着力>
メチルエチルケトンを浸した布で拭いて表面を脱脂した銅基材(C1100、25mm×100mm×厚さ1.6mm)の上に、実施例で用いるフィルムP-1~P-5(15mm×25mm)、又は比較例で用いた接合剤Q-1~Q-5を載せた後、その上に同様に表面を処理した他の銅基材を載せて挟み、クリップで固定した。これらの基材同士の重なりは幅25mm、奥行き12.5mmとした。前記積層体を200℃で30分加熱して、室温まで放冷した。これらの試験片を使用して、JIS K6850:1999に準拠してせん断接着力を測定した。測定時の雰囲気温度は80℃とした。より詳細には、前記接合体を80℃で30分以上静置後、ISO19095:2015に準拠して、引張試験機(万能試験機オートグラフ「AG-X plus」(株式会社島津製作所製);ロードセル10kN、引張速度10mm/min)にて、80℃雰囲気での引張りせん断接合強度試験を行い、せん断接着力を測定した。
[実施例1-1]
(フィルムP-1)
撹拌機、環流冷却器、ガス導入管、及び温度計を付した反応装置に、フェノトート(登録商標)YP-50S(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、フェノキシ樹脂、重量平均分子量約50,000)20g、シクロヘキサノン80gを仕込み、撹拌しながら60℃まで昇温した。目視で溶解したことを確認し、40℃まで冷却して固形分20質量%のフェノキシ樹脂組成物を得た。離型処理したPETフィルム上に前記フェノキシ樹脂組成物を塗布し、140℃で30分加熱して溶剤を乾燥させることで固形分100質量%、厚さ40μmのフィルムP-1を得た。
(工程1)
フィルムP-1を、2~3mmのラップ部ができるように、柱状基材Aに1周巻き付けた。図1の1-1が示すように、フィルムP-1(B)の非着部分(a)を設け、フィルムP-1(B)を柱状基材A(A)に巻き付けた。
次に、前記フィルムP-1(B)が巻き付いた柱状基材A(A)を、200℃15分加熱し、フィルムP-1(B)を溶融させた。その後、常温にて1分放冷して、フィルムP-1(B)を固化し、柱状基材A(A)とフィルムP-1(B)とが接合したフィルム付き柱状基材とした。
(工程2)
射出成形機(東洋機械金属株式会社製、機種名「Si-100-6s」)及び成形金型を用いて、前記フィルム付き基材のフィルムP-1(B)を巻き付けた部分に、樹脂CとしてPPSをインサート成形し接合することで、柱状基材Aと樹脂Cとの接合体を得た。インサート成形の条件は、射出成形温度(樹脂温度)300℃、金型温度135℃、射出速度15mm/秒、射出圧力130MPa、保圧圧力70MPa、保圧時間4秒、冷却時間30秒であった。図1の1-2に、工程2により得られた柱状基材A(A)と樹脂C(C)との接合体の模式図を示す。
[実施例1-2]
工程2において、樹脂CとしてPCを用い、インサート成形の条件を、射出成形温度(樹脂温度)265℃、金型温度90℃、射出速度8mm/秒、射出圧力100MPa、保圧圧力50MPa、保圧時間8秒、冷却時間30秒としたこと以外は実施例1-1と同様に接合体を得た。
[実施例1-3]
工程2において、樹脂CとしてPA6Tを用い、インサート成形の条件を、射出成形温度(樹脂温度)340℃、金型温度155℃、射出速度15mm/秒、射出圧力130MPa、保圧圧力70MPa、保圧時間4秒、冷却時間30秒としたこと以外は実施例1-1と同様に接合体を得た。
[実施例2]
(フィルムP-2)
撹拌機、環流冷却器、ガス導入管、及び温度計を付した反応装置に、jER(登録商標)1007(三菱ケミカル株式会社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、重量平均分子量約10,000)1.0当量(203g)、ビスフェノールS1.0当量(12.5g)、トリフェニルホスフィン2.4g、及びメチルエチルケトン1,000gを仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温した。目視で溶解したことを確認し、40℃まで冷却して固形分約20質量%の熱可塑性エポキシ樹脂組成物を得た。これにKMP-605(信越シリコーン製 シリコーンパウダー)を固形分に対して10質量%(24g)添加し、撹拌して分散後、これから溶剤を除去して、固体成分として熱可塑性エポキシ樹脂組成物を得た。プレス機の上板及び下板に非粘着フッ素樹脂フィルム(ニトフロン(登録商標)No.900UL、日東電工株式会社製)を設置し、下板の非粘着フッ素樹脂フィルム上に前記熱可塑性エポキシ樹脂組成物を配置した後、前記プレス機を160℃に加熱し、前記熱可塑性エポキシ樹脂組成物を2時間加熱圧縮して固形分100質量%、厚さ40μmのフィルムP-2を得た。
(工程1及び工程2)
フィルムP-1の代わりにフィルムP-2を用いること以外は実施例1-1の工程1及び工程2と同様にして接合体を得た。
[実施例3]
(フィルムP-3)
撹拌機、環流冷却器、ガス導入管、及び温度計を付した反応装置に、フェノトート(登録商標)YP-50S(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、フェノキシ樹脂、重量平均分子量約50,000)18g、YSポリスターK125(ヤスハラケミカル製 テルペンフェノール樹脂 軟化点125℃)2g、シクロヘキサノン80gを仕込み、撹拌しながら60℃まで昇温した。目視で溶解したことを確認し、40℃まで冷却して固形分20質量%のフェノキシ樹脂組成物を得た。離型処理したPETフィルム上に前記フェノキシ樹脂組成物を塗布し、140℃で30分加熱して溶剤を乾燥させることで厚さ40μmのフィルムP-3を得た。
(工程1)
柱状基材AにフィルムP-3を、2~3mmのラップ部ができるように、柱状基材Aに1周巻き付けた。図1の1-1で示すように、フィルムP-3の非着部分(a)を設け、フィルムP-3を柱状基材Aに巻き付け、200℃15分加熱し、フィルムP-3(B)を溶融させた。その後、常温にて1分放冷して、フィルムP-3(B)を固化し、柱状基材AとフィルムP-3とが接合したフィルム付き基材とした。
(工程2)
フィルムP-1の代わりにフィルムP-3を用いたこと以外は実施例1-1の工程2と同様にして接合体を得た。
[実施例4]
実施例1-1において、厚さが150μmであるフィルムP-4を得、フィルムP-1の代わりにフィルムP-4を用いたこと以外は同様にして接合体を得た。
[実施例5]
(フィルムP-5)
撹拌機、環流冷却器、ガス導入管、及び温度計を付した反応装置に、フェノトート(登録商標)YP-50S(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、フェノキシ樹脂、重量平均分子量約50,000)12g、カルボジライト(日清紡ケミカル製、ポリカルボジイミド樹脂)8g、シクロヘキサノン80gを仕込み、撹拌しながら60℃まで昇温した。目視で溶解したことを確認し、40℃まで冷却して固形分20質量%の樹脂組成物を得た。離型処理したPETフィルム上に前記樹脂組成物を塗布し、140℃で30分加熱して溶剤を乾燥させることで厚さ40μmのフィルムP-5を得た。
(工程1及び工程2)
フィルムP-1の代わりにフィルムP-5を用いたこと以外は実施例1-1の工程1及び工程2と同様にして接合体を得た。
[実施例6]
(フィルムP-6)
結晶性のポリアミド系ホットメルト接着剤フィルム(エルファン(登録商標)NT-120 日本マタイ株式会社製)を用い、表1に示す厚さのフィルムP-6とした。
フィルムP-6においては、溶剤に不溶のため重量平均分子量及びエポキシ当量は測定できなかった。
(工程1及び工程2)
フィルムP-1の代わりにフィルムP-6を用いたこと以外は実施例1-1の工程1及び工程2と同様にして接合体を得た。
[実施例7]
(フィルムP-7)
撹拌機、環流冷却器、ガス導入管、及び温度計を付した反応装置に、フェノトート(登録商標)YP-50S(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、フェノキシ樹脂、重量平均分子量約50,000)19g、タマノル803L(荒川化学工業株式会社製 テルペンフェノール樹脂 軟化点145~160℃)1g、シクロヘキサノン80gを仕込み、撹拌しながら60℃まで昇温した。目視で溶解したことを確認し、40℃まで冷却して固形分20質量%のフェノキシ樹脂組成物を得た。離型処理したPETフィルム上に前記フェノキシ樹脂組成物を塗布し、140℃で30分加熱して溶剤を乾燥させることで厚さ40μmのフィルムP-3を得た。
(工程1及び工程2)
フィルムP-1の代わりにフィルムP-7を用いたこと以外は実施例1-1の工程1及び工程2と同様にして接合体を得た。
[比較例1]
フィルムP-1の代わりにポリカーボネートフィルム(三菱ガス化学株式会社製、ユーピロンFE-2000)であるフィルムQ-1を用いたこと以外は実施例1-1と同様にして接合体を得た。
[比較例2]
(フィルムQ-2)
実施例3の(フィルムP-3)において、YSポリスターK125(ヤスハラケミカル製 テルペンフェノール樹脂)の代わりに、JP-100(日本曹達株式会社製、 エポキシ化ポリブタジエン)を用いたこと以外は同様にして、フィルムQ-2を得た。
(工程1及び工程2)
フィルムP-3の代わりにフィルムQ-2を用いたこと以外は実施例3の工程1及び工程2と同様にして接合体を得た。
[比較例3]
(フィルムQ-3)
YSポリスターK125(ヤスハラケミカル株式会社製 テルペンフェノール樹脂 軟化点125℃)の代わりにYSポリスターT100(ヤスハラケミカル株式会社製 テルペンフェノール樹脂 軟化点100℃)を用いたこと以外は同様にして、フィルムQ-3を得た。
(工程1及び工程2)
フィルムP-3の代わりにフィルムQ-3を用いたこと以外は実施例3の工程1及び工程2と同様にして接合体を得た。
[比較例4]
撹拌機、環流冷却器、ガス導入管、及び温度計を付した反応装置に、jER(登録商標)1001(三菱ケミカル株式会社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、分子量約900)を1.0当量(285g)、ショウノール(登録商標)BRG-556(アイカ工業株式会社製、ノボラック型フェノール樹脂)を1.0当量(63g)、トリフェニルホスフィンを1.4g、メチルエチルケトンを650g仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温した。目視で溶解したことを確認し、40℃まで冷却して固形分20質量%の熱硬化性エポキシ樹脂の溶液を得た。これから溶剤を除去して、固体成分として熱可塑性エポキシ樹脂組成物を得た。プレス機の上板及び下板に非粘着フッ素樹脂フィルム(ニトフロン(登録商標)No.900UL、日東電工株式会社製)を設置し、下板の非粘着フッ素樹脂フィルム上に前記熱可塑性エポキシ樹脂組成物を配置した後、前記プレス機を160℃に加熱し、前記熱可塑性エポキシ樹脂組成物を2時間加熱圧縮して厚さ40μmのフィルムQ-4を得た。
(工程1及び工程2)
フィルムP-3の代わりにフィルムQ-4を用いたこと以外は実施例1-1の工程1及び工程2と同様にして接合体を得た。
[比較例5]
(フィルムQ-5)
熱硬化性液状エポキシ接着剤BETAMETE 1496S(DUPONT社製、エポキシ樹脂ベース)を離型フィルムに塗布し、100℃で1時間硬化させた後、冷却し、離型フィルムから剥がして、厚さ100μmのフィルムQ-5を得た。
(工程1及び工程2)
フィルムP-3の代わりにフィルムQ-5を用いたこと以外は実施例1-1の工程1及び工程2と同様にして接合体を得た。
[比較例6]
(接合材Q-6)
撹拌機、環流冷却器、ガス導入管、及び温度計を付した反応装置に、フエノトート(登録商標)YP-50S(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、フェノキシ樹脂、重量平均分子量約50,000)20g、シクロヘキサノン80gを仕込み、撹拌しながら60℃まで昇温し、目視で溶解したことを確認し、40℃まで冷却して固形分20質量%の液状の接合剤Q-6を得た。
(工程1)
柱状基材Aに接合剤Q-6を幅5mmになるように周状に塗布し、140℃のオーブンで30分静置した後、室温で冷却することで接着層付き基材を作製した。
(工程2)
フィルム付き基材の代わりに前記接着層付き基材を用いたこと以外は実施例1-1と同様に接合体を得た。
[比較例7]
フィルムP-1の代わりにポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製、東洋紡エステルフィルムE-5100)であるフィルムQ-7を用いたこと以外は実施例1-1と同様にして接合体を得た。
[比較例8]
(フィルムQ-8)
熱硬化性液状エポキシ接着剤ボンドクイック5(コニシ株式会社製、2液タイプ、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とチオール系硬化剤とアミン系硬化剤)のA液とB液を混合し、離型フィルムに塗布し、100℃で1時間硬化させた後、冷却し、離型フィルムから剥がして、厚さ40μmのフィルムQ-8を得た。
(工程1及び工程2)
フィルムP-3の代わりにフィルムQ-8を用いたこと以外は実施例1-1の工程1及び工程2と同様にして接合体を得た。
<作業性>
作業性は、工程1に要した接合プロセス時間及びハンドリング性の観点から評価した。工程1においてフィルムを用いた場合は、溶液を用いた場合に比べ接合プロセス時間が短く、また液だれなどが生じないため、簡便に中間層を形成することができた。
よって、フィルムを用いた場合の作業性評価は、良好とし、「良」として表1及び2に示した。また、溶液を用いた場合の作業性評価は、フィルムの場合と比べ極めて劣るとし、「不良」として表1及び2に示した。
<リーク試験>
図1の1-3に示すように、各実施例及び比較例で製造した接合体に、シリコーンブレードホースH(内径9.5mm、外径16.5mmを差し込み、樹脂CとホースHとの継ぎ目及びその周辺にシリコーン樹脂用接着剤を塗布しシーリングした。樹脂CとホースHとの継ぎ目の断面図を図1の1-4に示す。続いて、接合体を取り付けていないホースHの先端にプラグカプラーを取り付け、コンプレッサーに接続した。接合体を取り付けたホースの先端にある接合体全体を水中に沈めた後、ホースHに、空気圧0.1MPaGで空気Xを接合体方向に送り込み、リークする水中の気泡を目視で観測した。この操作を各実施例及び比較例で製造した10個の接合体について行い、柱状基材Aと樹脂Cとの密着性を下記評価基準により評価した。評価結果を表1及び2に示した。
なお、水中の気泡が観測されない場合、空気のリーク量は1ml/分以下であるとみなすことができる。
〈評価基準〉
A:10回中、10回気泡が観測されなかった。
B:10回中、8~9回気泡が観測されなかった。
C:10回中、5~7回気泡が観測されなかった。
D:10回中、0~4回気泡が観測されなかった。
<冷熱サイクル後のリーク試験>
各実施例及び比較例で製造した接合体について、125℃と-40℃の雰囲気に交互に置く冷熱サイクル処理を1000サイクル行い、その後、前記リーク試験を行った。評価基準も前記リーク試験と同様に実施した。評価結果を表1及び2に示した。
本実施形態の製造方法及び接合体は、例えば、自動車や電気電子部品の端子、バスバー、及び電気素子等の用途、並びに、パワーモジュールの封止部品、及び半導体パッケージ等の電気電子部品の用途で用いられるが、特にこれら例示の用途に限定されるものではない。
a 熱可塑性フィルムB非着部分
A 柱状基材A
B 熱可塑性フィルムB
C 樹脂C
H ホース
X 空気
D 接合体

Claims (8)

  1. 柱状基材Aと、熱可塑性フィルムBと、樹脂Cとを、この配置順で接合してなる接合体の製造方法であって、
    前記柱状基材Aの少なくとも一部の外周に、前記熱可塑性フィルムBを周方向に巻き付ける工程1、及び、
    前記柱状基材Aにおける熱可塑性フィルムBを巻き付けた部分に、前記樹脂Cを接合する工程2、
    を順次有し、
    前記柱状基材Aに対して、前記熱可塑性フィルムBの80℃でのせん断接着力が4.0MPa以上であり、
    測定周波数10Hzにて、0℃から200℃まで4℃/分の速度で昇温した場合の温度-tanδ曲線において、前記熱可塑性フィルムBの0℃以上及び200℃以下の温度範囲におけるtanδのピーク値が1.0以上、である接合体の製造方法。
  2. 前記柱状基材Aと、前記熱可塑性フィルムBとを、接触加熱、温風加熱、熱プレス、赤外線加熱、熱板溶着、超音波溶着、振動溶着及び高周波誘導溶着からなる群より選ばれる少なくとも1種により接合する工程をさらに含む、請求項1に記載の接合体の製造方法。
  3. 前記熱可塑性フィルムBの厚さが10μm以上3mm以下である、請求項1又は2に記載の接合体の製造方法。
  4. 前記熱可塑性フィルムBが非晶性熱可塑性樹脂を50質量%超含む、請求項1又は2に記載の接合体の製造方法。
  5. 前記非晶性熱可塑性樹脂が熱可塑性エポキシ樹脂及びフェノキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記熱可塑性エポキシ樹脂が、(a)2官能エポキシ樹脂モノマーもしくはオリゴマーと(b)フェノール性水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、イソシアネート基及びシアネートエステル基からなる群より選ばれる同一の又は異なる2つの官能基を有する2官能性化合物との重合体であり(ただし、ビスフェノール類と、エピクロルヒドリンより合成されるポリヒドロキシポリエーテルは除く)、
    前記フェノキシ樹脂が、ビスフェノール類と、エピクロルヒドリンより合成されるポリヒドロキシポリエーテルである、請求項4に記載の接合体の製造方法。
  6. 前記熱可塑性フィルムBがエポキシ当量1,600g/eq.以上もしくはエポキシ基を含まない熱可塑性樹脂である、請求項1又は2に記載の接合体の製造方法。
  7. 前記柱状基材Aが金属である、請求項1又は2に記載の接合体の製造方法。
  8. 接合体を備える電気電子部品の製造方法であって、
    請求項1又は2に記載の接合体の製造方法により前記接合体を製造する工程を有する、電気電子部品の製造方法
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