JP7469956B2 - 電子部品 - Google Patents

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Description

本発明は、コンデンサとコイルとを有する電子部品に関する。
実装基板上などにおいて、たとえばノイズフィルタのように、コイルとコンデンサとを
組み合わせた回路を形成する場合がある。従来では、たとえばコイル素子と、特許文献1
に示すようなコンデンサ素子とを個別に基板に実装し、これらの各素子を、実装基板を介
して電気的に接続することにより、ノイズフィルタ等を形成する。
しかしながら、コイルとコンデンサを個別に基板に実装する従来の方法では、コイルを
実装するための面積領域と、コンデンサを実装するための面積領域の両方を、実装基板上
に確保する必要がある。そのため、従来技術は、高密度実装などの観点について、課題を
有する。また、コイルとコンデンサを個別に基板に実装する場合、たとえば実装機などが
、実装基板上の実装位置に素子を搬送する回数が多いため、生産効率の観点でも課題を有
する。
特開平11-102837号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、高密度実装および実装工程の
簡素化に関して有利な電子部品を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る電子部品は、
第1端子電極と第2端子電極とを有する第1コンデンサと、
第3端子電極と第4端子電極とを有する第2コンデンサと、
前記第1コンデンサおよび前記第2コンデンサを収容する収容凹部を有するケースと、
前記ケースの一部により前記第1コンデンサおよび第2コンデンサに対して隔てられて
、前記収容凹部の外に配置されるコイルと、
前記第1端子電極に接続しており、一部が前記ケースの実装側底面に配置される第1導
電性端子と、
前記コイルの一方の端部および前記第2端子電極に接続しており、一部が前記実装側底
面に配置される第2導電性端子と、
前記コイルの他方の端部および前記第3端子電極に接続しており、一部が前記実装側底
面に配置される第3導電性端子と、
前記第4端子電極に接続しており、一部が前記実装側底面に配置される第4導電性端子
と、を有する。
本発明に係る電子部品は、少なくとも1つのコイルと2つのコンデンサを有しており、
ケースを介してコンデンサとコイルが一体に設けられている。さらに、第1~第4端子電
極を用いて、各コンデンサの端子電極およびコイルに接続しており、かつ、それぞれの導
電性端子の一部が、いずれもケースの実装側底面に配置される。このような電子部品は、
コンデンサとコイルが一体に設けられておりコイルをコンデンサとは別個に実装しないで
も済むため、高密度実装および実装工程の簡素化に関して有利である。また、各導電性端
子の一部がいずれもケースの実装側底面に配置されることにより、実装基板側で電子部品
に対する電気的な接続を任意に変えることが可能であり、これにより、電子部品を様々な
タイプのフィルタ等として用いることができる。さらに、ケースの収容凹部にコンデンサ
を収容しているため、このような電子部品は、組み立てが容易である。また、収容凹部の
中にコンデンサを配置し、収容凹部の外にコイルを配置することにより、コイルとコンデ
ンサとの間の絶縁性を容易に確保できる。
また、たとえば、前記ケースは、前記収容凹部の開口の周りに配置される開口縁面を有
し、前記開口縁面が、前記実装側底面であってもよい。
このような電子部品は、収容凹部内の第1~第4端子電極と実装側底面との距離を短く
することができるため、第1~第4導電性端子を小型化して、直流抵抗を低減する観点で
有利である。
また、たとえば、前記コイルは、前記ケースの外側壁を周回するワイヤで構成されてい
てもよい。
電子部品に含まれるコイルとしては特に限定されず、積層型のチップコイルなどであっ
てもよいが、ケースの外側壁を周回するワイヤで構成されたコイルを用いてもよい。この
ように、ワイヤで構成されたコイルを用いる電子部品は、直流抵抗を抑えることが可能で
あり、また、比較的高い電流値に容易に対応できるという利点を有する。
また、たとえば、前記ケースは、前記外側壁において前記コイルより前記実装側底面の
近くに形成される第1突出部と、前記外側壁において前記コイルより前記実装側底面から
遠くに形成される第2突出部と、を有してもよい。
ケースが第1突出部および第2突出部を有することにより、コイルがケースによってよ
り確実に保持される。したがって、このような電子部品は、耐衝撃性等の観点で有利であ
る。また、第1突出部および第2突出部は、ワイヤをケースの外側壁に巻く際に、ガイド
の役割を果たすことができる。
また、例えば、前記コイルと前記第1コンデンサおよび第2コンデンサとは、前記実装
側底面に平行な方向から見て、少なくとも一部が互いに重なっていてもよい。
コイルの内部にコンデンサの一部が配置される構成とすることができるため、このよう
な電子部品は、低背化の観点で有利である。
また、例えば、前記コイルと前記第1コンデンサおよび前記第2コンデンサとは、前記
実装側底面に平行な方向から見て、互いに重ならなくてもよい。
このような電子部品は、コイルの内部に配置される芯材を変更することにより、コイル
の特性を大きく調整することができる。たとえば、コイルの内部に透磁率の高い芯材を配
置することにより、インダクタンス値などを向上させることができる。
また、たとえば、前記第1導電性端子および前記第2導電性端子の少なくとも一方並び
に前記第3導電性端子および前記第4導電性端子の少なくとも一方は、前記収容凹部の中
で前記第1コンデンサまたは前記第2コンデンサに対して弾性的に接触する湾曲部を有し
ていてもよい。
導電性端子が湾曲部を構成することで、導電性端子と端子電極とが圧接状態で接続され
、これらをハンダや導電性接着剤などの接続部材で接続する必要がなくなる。ハンダを用
いないで端子と電極とを接続することができるため、端子の材料として銅や銅合金などを
用いることが可能になり、ESR(等価直列抵抗)を低減することができる。また、ハン
ダを用いる必要がないので、ハンダ接続時に生じる熱膨張差などによりチップ部品にクラ
ックが生じる問題などを回避できる。
また、たとえば、前記第1から第4導電性端子は、前記ケースに係合する係合片を有し
てもよい。
このような係合片を有する導電性端子は、ケースの内部に挿入するだけで、容易かつ確
実に、ケースに対して固定することができる。
また、たとえば、前記ケースは、前記収容凹部において前記第1コンデンサと前記第2
コンデンサとを仕切る仕切壁を有してもよい。
仕切壁があることにより、このような電子部品は、第1コンデンサの端子電極と第2コ
ンデンサの端子電極との絶縁距離を好適に確保することができる。また、ケースがこのよ
うな仕切り壁を有することにより、電子部品の組み立て時における第1~第4導電性端子
および第1および第2コンデンサの位置決めが容易になる。
また、たとえば、前記収容凹部には、樹脂が充填してあってもよい。
ケースの収容凹部は、樹脂の充填空間として使用することができ、樹脂を充填すること
により、このような電子部品は、絶縁性や放熱性などを向上させることができる。
また、たとえば、前記ケースは、前記実装側底面に垂直である外側壁に形成される係合
凸部と、前記外側壁において前記係合凸部と対向する側に形成されており、前記係合凸部
が係合可能な係合凹部を有してもよい。
このような係合凸部と係合凹部を有することにより、複数の電子部品同士を連結するこ
とが可能となる。複数の電子部品を連結することにより、実装工程の簡素化に関してより
有利な電子部品を実現できる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子部品の斜め上方からの概略斜視図である。 図2は、図1に示す電子部品の底面図である。 図3は、図1に示す電子部品のケースを透視して表示した概念図である。 図4は、図1に示す電子部品を斜め下方から見た概略斜視図であり、電子部品に含まれるコンデンサを非表示にした状態を表している。 図5は、図1に示す電子部品の斜め上方からの概略斜視図であり、電子部品に含まれるコイルを非表示にした状態を表している。 図6は、図1に示す電子部品の側面図であり、電子部品に含まれるコイルを非表示にした状態を表している。 図7は、図1に示す電子部品に含まれる第1~第4導電性端子を示す概略斜視図である。 図8は、図1に示す電子部品の斜め下方からの概略斜視図である。 図9は、本発明の第2実施形態に係る電子部品の斜め上方からの概略斜視図である。 図10は、図9に示す電子部品の側方からの概略斜視図であり、コイルを非表示にした状態を表している。 図11は、図9に示す電子部品についてケースおよびコイルを非表示にした状態を表す概略斜視図である。 図12は、本発明の第3実施形態に係る電子部品の斜め下方からの概略斜視図である。 図13は、図12に示す電子部品を異なる方向から見た概略斜視図である。 図14は、図12に示す電子部品を2つ連結した状態を表す概略斜視図である。 図15は、本発明の第1変形例に係る電子部品の概略斜視図である。 図16は、本発明の第2変形例に係る電子部品の概略斜視図である。 図17は、1つの電子部品を用いて形成される等価回路図を示す概念図である。 図18は、2つの電子部品を用いて形成される等価回路図を示す概念図である。 図19は、第3変形例に係る第3導電性端子を表す概念図である。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
第1実施形態
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子部品10の斜め上方からの概略斜視図である
。電子部品10は、図1に示すように、ケース70と、ケース70の外周に巻回されるコ
イル80と、第2導電性端子40と第4導電性端子60とを有する。電子部品10は略直
方体状の外形状を有するが、電子部品10の外形状としては直方体状に限定されず、円柱
状、六角柱状その他の形状であってもよい。
図2は、図1に示す電子部品10を下方から見た底面図である。図2に示すように、電
子部品10は、さらに、第1コンデンサ20aと、第2コンデンサ20bと、第1導電性
端子30と、第3導電性端子50とを有する。なお、電子部品10の説明においては、図
2に示すように、第1コンデンサ20aおよび第2コンデンサ20bが並ぶ方向をX軸方
向、X軸方向に垂直な方向であって、第1導電性端子30および第2導電性端子40(ま
たは第3導電性端子50および第4導電性端子60)が並ぶ方向をY軸方向、X軸方向お
よびY軸方向に垂直な方向をZ軸方向とする。
図3は、図1に示す電子部品10のケース70を透視して表示した概念図である。図3
に示すように、第1コンデンサ20aと第2コンデンサ20bは、略直方体形状のチップ
コンデンサであり、互いに略同一の形状およびサイズを有している。ただし、第1コンデ
ンサ20aと第2コンデンサ20bとは、異なる形状およびサイズを有していてもよい。
図3に示すように、第1コンデンサ20aは、第1端子電極21と第2端子電極22と
を有する。第1端子電極21は、第1コンデンサ20aにおけるY軸負方向側を向く端面
に設けられており、第2端子電極22は、第1コンデンサ20aにおけるY軸正方向側を
向く端面に設けられている。すなわち、第1端子電極21と、第2端子電極22とは、第
1コンデンサ20aにおける互いに対向する1対の面に形成されている。
第1コンデンサ20aの内部には、誘電体層と内部電極層とが交互に積層されている。
誘電体層の材質は、特に限定されず、たとえばチタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチ
ウム、チタン酸バリウムまたはこれらの混合物などの誘電体材料で構成される。各誘電体
層の厚みは、特に限定されないが、1μm~数百μmのものが一般的である。本実施形態
では、各誘電体層の厚みは、好ましくは1.0~5.0μmである。
内部電極層は、導電体材料を含有する。内部電極層が含有する導電体材料としては、特
に限定されないが、誘電体層の構成材料が耐還元性を有する場合には、比較的安価な卑金
属を用いることができる。内部電極層に用いられる卑金属としては、NiまたはNi合金
が好ましい。Ni合金としては、Mn、Cr、CoおよびAlから選択される1種以上の
元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi含有量は95重量%以上であることが好ま
しい。なお、NiまたはNi合金中には、P等の各種微量成分が0.1重量%程度以下含
まれていてもよい。また、内部電極層は、市販の電極用ペーストを使用して形成してもよ
い。内部電極層の厚みは用途等に応じて適宜決定すればよい。また、内部電極層は、金属
以外の導電性材料で構成されていてもよい。
第1コンデンサ20aの内部に積層される内部電極層は、第1端子電極21に接続して
いるものと、第2端子電極22に接続しているものがある。第1端子電極21と第2端子
電極22に加えられる電位差は、内部電極層を介して、第1コンデンサ20aの誘電体層
に加えられる。
第1端子電極21および第2端子電極22の材質も特に限定されず、通常、銅や銅合金
、ニッケルやニッケル合金などが用いられるが、銀や銀とパラジウムの合金なども使用す
ることができる。第1および第2端子電極21、22の厚みも特に限定されないが、通常
10~50μm程度である。なお、第1および第2端子電極21、22の表面には、Ni
、Cu、Sn等から選ばれる少なくとも1種の金属被膜が形成されていてもよい。
図3に示すように、第2コンデンサ20bは、第3端子電極23と第4端子電極24と
を有する。第3端子電極23は、第2コンデンサ20bにおけるY軸負方向側を向く端面
に設けられており、第4端子電極24は、第2コンデンサ20bにおけるY軸正方向側を
向く端面に設けられている。すなわち、第3端子電極31と、第4端子電極24とは、第
2コンデンサ20bにおける互いに対向する1対の面に形成されている。
第2コンデンサ20bの形状、構造および第2コンデンサ20bを構成する各部分の材
質については、上述した第1コンデンサ20aと同様である。
第1コンデンサ20aおよび第2コンデンサ20bの形状やサイズは、目的や用途に応
じて適宜決定すればよい。第1コンデンサ20aおよび第2コンデンサ20bは、たとえ
ば、縦(図3に示すY軸寸法)1.0~6.5mm×横(図3に示すZ軸寸法)0.5~
5.5mm×厚み(図3に示すX軸寸法)0.3~3.5mm程度である。複数のコンデ
ンサ20a、20bの各々について、互いに大きさや形状が異なっていてもかまわない。
なお、第1コンデンサ20aおよび第2コンデンサ20b内部の内部電極層および誘電体
層の積層方向は特に限定されず、X軸方向であってもよく、Z軸方向であってもよい。
図4は、電子部品10を斜め下方から見た概略指図である。ただし、図4では、第1コ
ンデンサ20aおよび第2コンデンサ20bを非表示にしている。図4に示すように、ケ
ース70は、第1コンデンサ20aと第2コンデンサ20bを収容する収容凹部72を有
する。
収容凹部72は、Z軸正方向側の上壁面73と、X軸方向両側およびY軸方向両側の4
つの内側面に囲まれており、Z軸負方向側に開口する略直方体状の空間を形成する。収容
凹部72におけるX軸方向中央部には、収容凹部72を分割し、収容凹部72において第
1コンデンサ20aと第2コンデンサ20bとを仕切る仕切壁74が備えらえる。
仕切壁74は、収容凹部72を略2等分し、仕切壁74の一方側(X軸負方向側)の部
分に第1コンデンサ20aが収容され、仕切壁74の他方側(X軸正方向側)に第2コン
デンサ20bが収容される。ケース70は、収容凹部72の開口の周りに配置される開口
縁面76を有する。開口縁面76は、Z軸負方向側を向く面であり、ケース70における
Z軸負方向側の端面である実装側底面を構成する。
開口縁面76は、収容凹部72の開口を取り囲んでおり、開口縁面76には、第1~第
4導電性端子30、40、50、60の一部が配置されている。
図5は、図1に示す電子部品10について、電子部品10に含まれるコイル80を非表
示にした状態を表す概念図である。図5に示すように、ケース70は、Z軸方向から見て
略矩形の外側壁71を有する。図1に示すように、コイル80は、第1コンデンサ20a
および第2コンデンサ20bが収容される収容凹部72の外に配置されており、図5に示
す外側壁71の周りに配置されている(図3参照)。
図1に示すコイル80は、ケース70の一部である外側壁71により、図3に示す第1
コンデンサ20aおよび第2コンデンサ20bに対して隔てられている。電子部品10に
おいて、コイル80は、ケース70の外側壁71(図5参照)を周回するワイヤで構成さ
れている。ただし、電子部品10に含まれるコイル80としては、外側壁71を周回する
ワイヤで構成されるものに限定されず、後述するようなチップインダクタや、ケース70
の外側に配置される他の形態のコイルなどで構成されていてもよい。
図5に示すように、ケース70は、外側壁71においてコイル80より開口縁面76(
図4参照)の近くに形成される第1突出部71aと、外側壁71においてコイル80より
開口縁面76の遠くに形成される第2突出部71bとを有する。第1突出部71aおよび
第2突出部71bは、外側壁71において、外側壁71の他の部分に比べて、コイル80
の径方向外側へ向かって突出している。
第1突出部71aは、ケース70におけるZ軸負方向端部に形成されており、第1突出
部71aの下端部は、開口縁面76まで続いている。図5に示すように、第1突出部71
aは、外側壁71の周方向に沿って形成されているが、周方向に連続していない。
すなわち、図5および図6に示すように、第1突出部71aは、Y軸正方向の側面とY
軸負方向側の側面に、突出していない途切れ部71aaを有する。途切れ部71aaには
、第1~第4導電性端子30、40、50、60の一部が配置される。
図5に示すように、第2突出部71bは、ケース70におけるZ軸正方向端部に形成さ
れており、第2突出部71bの上端部は、ケース70の上面78まで続いている。第2突
出部71bは、第1突出部71aとは異なり、外側壁71の周方向に沿って、周方向に連
続するように形成されている。ただし、第2突出部71bは、第1突出部71aと同様に
、周方向に断続的に形成されていてもよい。
図1に示すように、コイル80は、ケース70の第1突出部71aと第2突出部71b
の間に配置されている。第1突出部71aおよび第2突出部71bは、コイル80のZ軸
方向の位置を規制し、コイル80のケース70に対する固定をサポートする。
ケース70の材質としては、特に限定されないが、セラミック、ガラス、合成樹脂等の
絶縁性の材料が好ましく、耐熱性が良好な樹脂材料が特に好ましい。また、コイル80を
構成するワイヤとしても、導電性のワイヤであれば特に限定されないが、たとえば、単線
やより線などの被覆導線などが挙げられる。
図7は、電子部品10に含まれる第1~第4導電性端子30、40、50、60を示す
概略斜視図である。図7に示すように、第1導電性端子30は、内側電極部32と、開口
縁電極部34と、側面電極部36とを有する。第1導電性端子30は、屈曲したL字状ま
たはU字状の形状を有する。第1導電性端子30は、内側電極部32と開口縁電極部34
との接続部分で略90度屈曲しており、開口縁電極部34と側面電極部36との接続部分
で略90度屈曲している。内側電極部32、開口縁電極部34および側面電極部36は、
それぞれ矩形平板状である。
図3に示すように、第1導電性端子30は、第1コンデンサ20aの第1端子電極21
に接続している。図4に示すように、第1導電性端子30の内側電極部32は、収容凹部
72の内部に挿入されており、図2に示すように、収容凹部に収容される第1コンデンサ
20aの第1端子電極21が、第1導電性端子30の内側電極部32に対して接触して導
通する。
図4に示すように、第1導電性端子30の一部である開口縁電極部34は、ケース70
の開口縁面76に配置される。開口縁電極部34は、開口縁面76に沿って伸びており、
開口縁電極部34は、開口縁面76に略平行である。
図6に示すように、第1導電性端子30の側面電極部36は、ケース70の外側面71
aに配置されており、特に、第1突出部71aの途切れ部71aaに配置されている。図
7に示すように、第1導電性端子30の側面電極部36は、後述する第2導電性端子40
の側面電極部46より短い。そのため、図6に示す側面電極部36の上端部はコイル80
に接続しておらず、コイル80から離間している。
図7に示すように、第2導電性端子40は、内側電極部42と、開口縁電極部44と、
側面電極部46とを有する。第2導電性端子40は、屈曲したL字状またはU字状の形状
を有する。第2導電性端子40は、第1導電性端子30と同様に、内側電極部42と開口
縁電極部44との接続部分で略90度屈曲しており、開口縁電極部44と側面電極部46
との接続部分で略90度屈曲している。第2導電性端子40の開口縁電極部44および側
面電極部46は、それぞれ矩形平板状である。
図7に示すように、第2導電性端子40の内側電極部42は、Z軸負方向側の基部から
Z軸正方向側の先端に向かって湾曲する湾曲部42aを有する。図3に示すように、第2
導電性端子40は、第1コンデンサ20aの第2端子電極22に接続している。図2およ
び図3に示すように、第2導電性端子40の内側電極部42は、収容凹部72の内部に挿
入されており、収容凹部72に収容される第1コンデンサ20aの第2端子電極22が、
第2導電性端子40の内側電極部42に対して接触して導通する。ここで、図3に示すよ
うに、内側電極部42の湾曲部42aは、収容凹部72の内側面と第2端子電極22との
間に挟まれて弾性変形することにより、第2端子電極22に弾性的に接触する。
図4に示すように、第2導電性端子40の一部である開口縁電極部44は、ケース70
の開口縁面76に配置される。開口縁電極部44は、開口縁面76に沿って伸びており、
開口縁電極部44は、開口縁面76に対して略平行である。
図5に示すように、第2導電性端子40の側面電極部56は、ケース70の外側壁71
に配置されており、その一部は、第1突出部71aの途切れ部71aaに配置されている
。図7に示すように、第2導電性端子40の側面電極部46は、先述した第1導電性端子
30の側面電極部36より長い。図5に示す第2導電性端子40の側面電極部46の上端
部46aは、コイル80の一方の端部に接続している。第2導電性端子40とコイル80
の一方の端部との接続方法は、特に限定されないが、たとえば、溶接、圧接、はんだづけ
、ねじ止めなどの方法が挙げられる。
図7に示すように、第3導電性端子50は、内側電極部52と、開口縁電極部54と、
側面電極部56とを有する。第3導電性端子50は、屈曲したL字状またはU字状の形状
を有する。第3導電性端子50は、第1導電性端子30と同様に、内側電極部52と開口
縁電極部54との接続部分で略90度屈曲しており、開口縁電極部54と側面電極部56
との接続部分で略90度屈曲している。内側電極部52、開口縁電極部54および側面電
極部56は、それぞれ矩形平板状である。
図3に示すように、第3導電性端子50は、第2コンデンサ20bの第3端子電極23
に接続している。図4に示すように、第3導電性端子50の内側電極部52は、収容凹部
72の内部に挿入されており、図2に示すように、収容凹部72に収容される第2コンデ
ンサ20bの第3端子電極23が、第3導電性端子50の内側電極部52に対して接触し
て導通する。
図4に示すように、第3導電性端子50の一部である開口縁電極部54は、第1および
第2導電性端子30、40と同様に、ケース70の開口縁面76に配置される。開口縁電
極部54は、開口縁面76に沿って伸びており、開口縁電極部54は、開口縁面76に略
平行である。
図6に示すように、第3導電性端子50の側面電極部56は、ケース70の外側壁71
に配置されており、その一部は、第1突出部71aの途切れ部71aaに配置されている
。図7に示すように、第3導電性端子50の側面電極部56は、後述する第4導電性端子
60の側面電極部66より長い。図6に示す第3導電性端子50における側面電極部56
の上端部56aは、コイル80の他方の端部(第2導電性端子40が接続する端部とは反
対側の端部)に接続している。第3導電性端子50とコイル80の他方の端部との接続方
法は、第2導電性端子40とコイル80の一方の端部との接続方法と同様である。
図7に示すように、第4導電性端子60は、内側電極部62と、開口縁電極部64と、
側面電極部66とを有する。第4導電性端子60は、屈曲したL字状またはU字状の形状
を有する。第4導電性端子60は、第2導電性端子40と同様に、内側電極部62と開口
縁電極部64との接続部分で略90度屈曲しており、開口縁電極部64と側面電極部66
との接続部分で略90度屈曲している。第4導電性端子60の開口縁電極部64および側
面電極部66は、それぞれ矩形平板状である。
図7に示すように、第4導電性端子60の内側電極部62は、第2導電性端子40の内
側電極部42と同様に、Z軸負方向側の基部からZ軸正方向側の先端に向かって湾曲する
湾曲部62aを有する。図3に示すように、第2導電性端子40は、第2コンデンサ20
bの第4端子電極24に接続している。図2および図3に示すように、第4導電性端子6
0の内側電極部62は、収容凹部72の内部に挿入されており、収容凹部72に収容され
る第2コンデンサ20bの第4端子電極24が、第4導電性端子60の内側電極部62に
対して接触して導通する。ここで、図3に示すように、内側電極部62の湾曲部62aは
、収容凹部72の内側面と第2端子電極22との間に挟まれて弾性変形することにより、
第4端子電極24に弾性的に接触する。
図4に示すように、第4導電性端子60の一部である開口縁電極部64は、ケース70
の開口縁面76に配置される。開口縁電極部64は、開口縁面76に沿って伸びており、
開口縁電極部64は、開口縁面76に略平行である。
図5に示すように、第4導電性端子60の側面電極部66は、ケース70の外側壁71
に配置されており、特に、第1突出部71aの途切れ部71aaに配置されている。図7
に示すように、第4導電性端子60の側面電極部66は、先述した第1導電性端子30の
側面電極部36と同様に、第2および第3導電性端子40、50の側面電極部46、56
より短い。そのため、図5に示す側面電極部66の上端部は、コイル80に接続しておら
ず、コイル80から離間している。
図1と図3との比較から理解できるように、電子部品10において、コイル80と第1
コンデンサ20aおよび第2コンデンサ20bとは、開口縁面76に平行な方向であるY
軸方向から見て、少なくとも一部が重なる。このように、コイル80の中空部分に第1コ
ンデンサ20aおよび第2コンデンサ20bを配置することにより、電子部品10は、小
型化および低背化を好適に実現できる。
図8は、図1に示す電子部品10の斜め下方からの概略斜視図である。図8に示すよう
に、電子部品10は、第1~第4導電性端子30~60の開口縁電極部34、44、54
、64が、ケース70の開口縁面76側に露出する。電子部品10は、開口縁電極部34
、44、54、64を、実装基板のランド等にはんだなどを用いて接続することにより、
実装基板に実装されて使用される。
図8に示すように、電子部品10において、第1コンデンサ20aおよび第2コンデン
サ20bの下面は、収容凹部72の開口面よりやや上方に引っ込んだ位置に配置される。
したがって、第1コンデンサ20aおよび第2コンデンサ20bは、電子部品10の実装
時において、基板等に接触することが回避される。ただし、第1コンデンサ20aおよび
第2コンデンサ20bの下面の位置は、これに限定されず、開口縁電極部34、44、5
4、64の下面より上方に位置していれば足りる。
また、図8に示すように、電子部品10では、収容凹部72の開口は開放さされた状態
であるが、電子部品10は、収容凹部72の開口を部分的または全体的に塞ぐ底蓋を有し
ていてもよい。また、電子部品10では、収容凹部72の隙間には樹脂が充填されていて
もよく、収容凹部72の開口の一部または全部は、充填樹脂によって塞がれていてもよい
。このような樹脂は、収容凹部72の導電部分が実装基板などと短絡することや、第1コ
ンデンサ20aおよび第2コンデンサ20bが予期しない衝撃により脱落することなどを
、防止する効果を奏する。
図17は、図1に示す電子部品10を用いて形成される等価回路図を示す概念図である
。図17(a)~図17(c)に示すように、電子部品10は、実装基板等への接続方法
を変えることにより、3種類の異なるフィルタとして用いることができる。図17(a)
~図17(c)において、丸囲み数字の1~4は、それぞれ第1~第4導電性端子30~
60の開口縁電極部34、44、54、64に対応する。
図17(a)~図17(c)に示すように、電子部品10は、第2および第3導電性端
子40、50の開口縁電極部44、54を回路側に接続することにより、ノイズフィルタ
として使用することができる。ここで、図17(a)に示すように、第1および第4導電
性端子30、60の開口縁電極部34、64を両方ともGNDに接続すれば、電子部品1
0は、π型フィルタ(C-L-C)として使用することができる。
これに対して、図17(b)に示すように、第4導電性端子60の開口縁電極部64だ
けをGNDに接続すれば、第2コンデンサ20bを用いたLCフィルタ(L-C)として
使用することができる。また、図17(c)に示すように、第1導電性端子30の開口縁
電極部34だけをGNDに接続すれば、第1コンデンサ20aを用いたLCフィルタ(C
-L)として使用することができる。
以下に、電子部品10の製造方法の一例について説明する。
第1および第2コンデンサ20a、20bは、一般的な積層セラミックコンデンサの製
造方法により製造され、準備される。
第1~第4導電性端子30~60は、以下のように製造され、準備される。すなわち、
第1~第4導電性端子30~60の製造においては、まず、平板状の金属板材を準備する
。金属板材の材質は、導電性を有する金属材料であれば特に限定されず、たとえば鉄、ニ
ッケル、銅、銀等若しくはこれらを含む合金を用いることができる。次に、金属板材を機
械加工することにより、内側電極部32、42、52、62、開口縁電極部34、44、
54、64および側面電極部36、46、56、66の形状を付与した中間部材を得る。
次に、機械加工により形成された中間部材の表面に、めっきによる金属被膜を形成する
ことにより、第1~第4導電性端子30~60を得る。めっきに用いる材料としては、特
に限定されないが、たとえばNi、Sn、Cu等が挙げられる。
ケース70は、たとえば射出成形により製造し、準備される。
次に、上述のようにして準備された第1~第4導電性端子30~60を、ケース70に
取り付ける。第1~第4導電性端子30~60は、たとえば接着剤等を用いてケース70
に固定することができる。しかし、図19に示すように、第1~第4導電性端子30~6
0が、ケース70に係合する係合片662b(図19参照)を有している場合、第1~第
4導電性端子30~60は、ケース70に内側電極部32~62を挿入して係合片662
bをケース70に係合させることにより、ケース70に固定される。
つぎに、ケース70の外側壁71の周りにワイヤを巻回してコイル80を形成し、コイ
ル80の一方の端部を第2導電性端子40に接続し、コイル80の他方の端部を第3導電
性端子50に接続する。
最後に、それぞれの収容凹部72の内部に、第1および第2コンデンサ20a、20b
を挿入し、電子部品10を得る。なお、第1および第2コンデンサ20a、20bの挿入
と、コイル80の形成とは、上述とは逆の順番であってもよい。
本実施形態に係る電子部品10では、ケース70における収容凹部72の開口面から、
第1および第2コンデンサ20a、20bを収容凹部72の内部に収容するのみで、第1
および第2コンデンサ20a、20bの組み立てが完了する。したがって、電子部品10
の製造方法は、端子との溶接にはんだ付けが必要な従来のコンデンサの組み立て方法に比
べて容易であり、生産性に優れている。
また、電子部品10は、コンデンサ20a、20bとコイル80が一体に設けられてい
ることにより、高密度実装および実装工程の簡素化に関して有利である。また、コイル8
0が実装基板から離間しているため、コイル80と実装基板との間に、コンデンサなどの
他の部材を配置できる。特に、電子部品10は、コイル80の実装領域と、コンデンサ2
0a、20bの実装領域とが高さ方向に重複しているため、高密度実装の観点から非常に
有利である。また、各導電性端子30~60の一部がいずれもケース70の実装側底面で
ある開口縁面76に配置されることにより、実装基板側で電子部品10に対する電気的な
接続を任意に変えることが可能であり、これにより、電子部品10を様々なタイプのフィ
ルタ等として用いることができる。また、収容凹部72の中に第1および第2コンデンサ
20a、20bを配置し、収容凹部72の外にコイル80を配置することにより、コイル
80とコンデンサ20a、20bとの間の絶縁性を、好適に確保できる。
また、電子部品10は、開口縁面76が実装側底面であることにより、第1~第4導電
性端子30~60を小型化して、直流抵抗を低減する観点で有利である。また、電子部品
10では、収容凹部72に仕切壁74が設けられていることにより、第1コンデンサ20
aの端子電極21、22と第2コンデンサ20bの端子電極23、24との絶縁距離を好
適に確保することができる。また、ケース70がこのような仕切壁74を有することによ
り、電子部品10の組み立て時における第1~第4導電性端子30~60および第1およ
び第2コンデンサ20a、20bの位置決めが容易になる。
第2実施形態
図9は、本発明の第2実施形態に係る電子部品110の斜め下方からの概略斜視図であ
る。第2実施形態に係る電子部品110は、ケース170のZ軸方向の長さおよびコイル
80の取り付け位置が異なること等を除き、第1実施形態に係る電子部品10と同様であ
る。電子部品110の説明は、電子部品10との相違点を中心におこない、電子部品10
との共通点については、説明を省略する。
図9に示すように、電子部品110では、ケース170のZ軸方向の長さが、電子部品
110に比べて長くなっている。図10は、図9に示す電子部品10について、コイル8
0を非表示にした状態を表している。図9および図10から理解できるように、コイル1
80は、ケース170の外側壁171のうち、実装側底面である開口縁面176より、上
面178に近い外側壁上方部分171cに設けられている。
ケース170の外側壁171には、図5に示すケース70と同様に、第1突出部171
aと、第2突出部171bが形成されている。ただし、第1突出部171aと第2突出部
171bの形成位置は、図9に示すコイル80の配置に合わせて、図5に示すケース70
とは異なる位置になっている。
すなわち、第1突出部171aは、図5に示すケース70とは異なり、開口縁面176
まで続いておらず、開口縁面176からZ軸方向に離間した位置に配置されている。開口
縁面176から第1突出部171aまでのZ軸方向の距離は、特に限定されないが、たと
えば第1コンデンサ20aおよび第2コンデンサ20bのZ軸方向(高さ方向)の長さ以
上とすることができる。また、第1突出部171aは、図5に示す第1突出部71aと同
様に、途切れ部171aaを有する。
第2突出部171bは、図5に示す第2突出部71bと同様に、ケース170における
Z軸正方向端部に形成されており、第2突出部171bの上端部は、ケース170の上面
178まで続いている。
図11は、図9に示す電子部品110について、ケース170およびコイル80を非表
示にした状態を表す概念図である。図11に示すように、電子部品110は、図3に示す
電子部品10と同様に、第1導電性端子30(図9参照)と、第2導電性端子140と、
第3導電性端子150と、第4導電性端子60とを有する。
電子部品110が有する4つの導電性端子30、140、150、60のうち、第1導
電性端子30および第4導電性端子60は、図7等に示される電子部品10の第1導電性
端子30および第4導電性端子60と同様である。ただし、図9および図10に示すよう
に、第1導電性端子30および第4導電性端子60の側面電極部36、66は、第1突出
部171aが開口縁面176から離間して配置されている関係上、途切れ部171aaに
は配置されていない。
図11に示すように、電子部品110が有する第2導電性端子140と、第3導電性端
子150とは、図7に示す第2導電性端子40および第3導電性端子50に比べて、Z軸
方向の長さが長い側面電極部146、156を有する。これにより、第2導電性端子14
0における側面電極部146の上端部146aは、コイル80の一方の端部に接続し、第
3導電性端子150における側面電極部156の上端部156aは、コイル80の他方の
端部に接続する。
図9~図11に示すように、第2導電性端子140および第3導電性端子150の側面
電極部146、156は、それぞれケース70における外側壁171の途切れ部171a
aを通過して、コイル80に接続する。なお、第2導電性端子140および第3導電性端
子150における側面電極部146、156以外の形状は、図7に示す第2導電性端子4
0および第3導電性端子50と同様である。
図9に示すケース170の収容凹部72は、図4に示す電子部品10の収容凹部72と
同様の形状を有しており、内部に第1コンデンサ20aおよび第2コンデンサ20bを収
容する。図9と図11との比較から理解できるように、電子部品110において、コイル
80と第1コンデンサ20aおよび第2コンデンサ20bとは、開口縁面76に平行な方
向であるY軸方向から見て、互いに重ならない。このように、コイル80の中空部分に対
して、第1コンデンサ20aおよび第2コンデンサ20bをずらして配置することにより
、コイル80の中空部分に任意の磁性材料を配置するなどして、コイル80の特性を向上
させることができる。
その他、第2実施形態に係る電子部品110は、第1実施形態に係る電子部品10との
共通点については、電子部品10と同様の効果を奏する。
第3実施形態
図12は、本発明の第3実施形態に係る電子部品210の斜め下方からの概略斜視図で
ある。第3実施形態に係る電子部品210は、コイル280およびケース270の外形状
が異なり、第1コンデンサ20a、第1導電性端子30および第2導電性端子140の向
きが180度回転していること等を除き、第2実施形態に係る電子部品110と同様であ
る。電子部品210の説明は、電子部品110との相違点を中心におこない、電子部品1
10との共通点については、説明を省略する。
図12に示すように、電子部品210のコイル280は、略矩形の巻回形状を有する。
電子部品210が有するコイル280の巻回形状は、円形、楕円形、矩形その他の多角形
など、いずれの形状であってもかまわない。また、コイル280は、ワイヤをケース27
0の外側壁271に巻回させて形成してもよく、空芯コイルをケース270の外側壁27
1に取り付けてもよい。
図12および図13から理解できるように、電子部品210では、第1コンデンサ20
aの第1端子電極21がY軸正方向側を向き、第2端子電極22がY軸負方向側を向いて
おり、図9に示す電子部品110に対して、第1コンデンサ20aが、Z軸に平行な回転
軸を基準として、180度回転して配置されている。
図12に示すように、電子部品210では、コイル280に接続する第2導電性端子1
40と第3導電性端子150とが、同じ方向を向いて並んで配置される。また、図13に
示すように、電子部品210では、コイル280に接続しない第1導電性端子30と第4
導電性端子60とが、同じ方向を向いて並んで配置される。第1~第4導電性端子30、
140、150、60は、図12に示す電子部品210のように配置してもよいし、図9
に示す電子部品110のように配置してもよい。
図12に示すように、ケース270は、実装底面である開口縁面276に垂直である外
側壁271に形成される係合凸部271fと係合凹部271eとを有する。係合凸部27
1fおよび係合凹部271eは、外側壁271のうち、コイル280より開口縁面276
に近い外側壁下方部分271da、271dbに形成されている。
図12に示すように、係合凸部271fは、側面電極部146、156が配置される側
とは垂直である外側壁下方部分271daに形成されている。係合凸部271fは、外側
壁下方部分271daにおいて、他の部分より外側に突出するように形成されており、係
合凹部271eに係合可能な形状を有する。
係合凹部271eは、係合凸部271fと対向する側の外側壁下方部分271dbに形
成されている。係合凹部271eは、開口縁面276まで続くアリ溝形状であり、係合凸
部271fを開口縁面276側からスライドして挿入可能になっている。
図14は、図12に示す電子部品210を2つ連結した電子部品310を示す概略斜視
図である。図14に示すように、一方の電子部品210の係合凸部271fと他方の電子
部品210の係合凹部271eとを係合させることにより、電子部品310を作製するこ
とができる。
図14に示すように、電子部品310では、2つの電子部品210の開口縁面276が
同一平面上に配置される。これにより、電子部品310は、2つの電子部品210の第1
~第4導電性端子30、140、150、60の開口縁電極部の全てを、実装基板に対し
て容易に接続し、実装することができる。
図18は、図14に示す電子部品310を用いて形成される等価回路図を示す概念図で
ある。図18に示すように、電子部品310は、一方の電子部品210の第3導電性端子
150(丸囲みの数字「3」参照)と、他方の電子部品210の第2導電性端子140(
丸囲みの数字「6」参照)とを、実装基板を介して電気的に接続することにより、2つの
電子部品210が接続された電子部品310として使用することができる。ただし、電子
部品310は、一方の電子部品210の第3導電性端子150と、他方の電子部品210
の第2導電性端子140とを接続する接続端子を有してもよい。このような接続端子を有
する電子部品310においては、一方の電子部品210と他方の電子部品210とは、実
装基板に実装されなくても、互いに電気的に接続される。
図18(a)および図18(b)に示すように、電子部品310は、実装基板への接続
方法を変えることにより、働きの異なるフィルタとして用いることができる。図18(a
)および図18(b)において、丸囲み数字の1~4は、電子部品310に含まれる一方
の電子部品210における第1~第4導電性端子30、140、150、60の開口縁電
極部に、それぞれ対応する。また、丸囲み数字の5~8は、電子部品310に含まれる他
方の電子部品210における第1~第4導電性端子30、140、150、60の開口縁
電極部に、それぞれ対応する。
電子部品310は、図18(a)に示すように実装基板を介して接続されることにより
、π型フィルタ(C-L-C C-L-C)として使用することができる。また、電子部品
310は、図18(b)に示すように実装基板を介して接続されることにより、LCフィ
ルタ(C-L-C-L-C)として使用することができる。なお、図18(b)に示す例
では、一方の電子部品210と他方の電子部品210との接続部分につながる第1導電性
端子30(図18(a)における丸囲みの数字「5」)を、電気的に浮かせている。
複数の電子部品210は、図14に示すように容易に連結され、1つの電子部品310
を構成する。連結された電子部品310は、実装基板における所定の実装位置に対して、
実装機などにより一度で搬送される。したがって、このような電子部品210は、コンデ
ンサやコイルなどを個別に実装する場合に比べて、実装機による実装工程を簡素化するこ
とができる。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明してきたが、本発明の技術的範囲は、これらの実
施形態のみには限定されず、本発明は、他の実施形態や変形例を多く含むことは言うまで
もない。図15は、本発明の第1変形例に係る電子部品410の概略斜視図である。
図15に示すように、電子部品410は、チップ型のコイル(チップインダクタ)48
0を有する。コイル480は、ケース470の外側壁471に設けられている。コイル4
80の一方の端部は、コイル480の第1端子部481を介して、第2導電性端子40の
側面電極部46に接続されている。また、コイル480の他方の端部は、コイル480の
第2端子部482を介して、第3導電性端子50の側面電極部56に接続されている。
また、図16は、本発明の第2変形例に係る電子部品510の概略斜視図である。図1
6に示すように、チップ型のコイル480は、ケース470の上面478に設けられてい
てもよい。電子部品510において、コイル480の一方の端部が第2導電性端子40に
接続され、コイル480の他方の端部が第3導電性端子50に接続されている点は、他の
電子部品410と同様である。
図15および図16に示すように、電子部品410、510が有するコイルは、チップ
型のコイルであってもよく、チップ型のコイルは、積層型、薄膜型、巻線型のいずれのタ
イプであってもよい。なお、図15、図16では図示していないが、ケース470は、図
2、図12等に示すケース70、270と同様に、第1コンデンサおよび第2コンデンサ
を収容する収容凹部を有する。
また、上述した実施形態において、電子部品10が有するコンデンサの数は2つであっ
たが、電子部品10が有するコンデンサの数はこれに限定されず、3つ以上のコンデンサ
を有していてもよい。また、電子部品10は、コイルを複数有していてもよく、また、コ
ンデンサおよびコイルとは異なるチップ部品を有していてもよい。
また、図7に示すように、電子部品10では、第2導電性端子40と第4導電性端子6
0とが湾曲部42a、62aを有していたが、第1~第4導電性端子30~60の全てが
湾曲部を有していてもよい。ただし、第1導電性端子30および第2導電性端子40の少
なくとも一方並びに第3導電性端子50および第4導電性端子60の少なくとも一方が湾
曲部を有することが、第1および第2コンデンサ20a、20bを確実に保持する観点か
ら好ましい。
また、電子部品10に含まれる第1~第4導電性端子30~60の形状は、図7等に示
されるもののみには限定されない。図19は、第3変形例に係る第4導電性端子660を
示す概略斜視図である。図19に示すように、第4導電性端子660の内側電極部662
は、ケース70に係合する係合片662bを有する。また、第4導電性端子660の内側
電極部662には、実装時のはんだ等の這い上がりを防止するための貫通孔662cが形
成されている。
図19に示すような第4導電性端子660を、図7に示す第4導電性端子60の代わり
に用いてもよい。また、第1~第3導電性端子30~60も、第4導電性端子660と同
様の係合片662bおよび貫通孔662cを有してもよい。
10、110、210、310、410、510…電子部品
20a…第1コンデンサ
20b…第2コンデンサ
21…第1端子電極
22…第2端子電極
23…第3端子電極
24…第4端子電極
30…第1導電性端子
40、140…第2導電性端子
50、150…第3導電性端子
60、660…第4導電性端子
32、42、52、62、662…内側電極部
34、44、54、64…開口縁電極部
36、46、56、66、146、156…側面電極部
42a、62a…湾曲部
46a、56a、146a、156a…上端部
662b…係合片
662c…貫通孔
70、170、270、470…ケース
71、171、271、471…外側壁
71a、171a…第1突出部
71b、171b…第2突出部
71aa…途切れ部
171c…外側壁上方部分
271da、271db…外側壁下方部分
271e…係合凹部
271f…係合凸部
72…収容凹部
73…上壁面
74…仕切壁
76、176、276…開口縁面
78、478…上面
80、280、480…コイル
481…第1端子部
482…第2端子部

Claims (10)

  1. 第1端子電極と第2端子電極とを有する第1コンデンサと、
    第3端子電極と第4端子電極とを有する第2コンデンサと、
    前記第1コンデンサおよび前記第2コンデンサを収容する収容凹部を有するケースと、
    前記ケースの一部により前記第1コンデンサおよび第2コンデンサに対して隔てられて、前記収容凹部の外に配置されるコイルと、
    前記第1端子電極に接続しており、一部が前記ケースの実装側底面に配置される第1導電性端子と、
    前記コイルの一方の端部および前記第2端子電極に接続しており、一部が前記実装側底面に配置される第2導電性端子と、
    前記コイルの他方の端部および前記第3端子電極に接続しており、一部が前記実装側底面に配置される第3導電性端子と、
    前記第4端子電極に接続しており、一部が前記実装側底面に配置される第4導電性端子と、を有し、
    前記ケースは、前記収容凹部の開口の周りに配置される開口縁面を有し、前記開口縁面が、前記実装側底面であり、
    前記第1~第4導電性端子は、それぞれ、前記ケースの前記実装側底面に配置される前記一部として、前記ケースの前記開口縁面に配置され、前記開口縁面に沿って伸びており、前記開口縁面に略平行である開口縁電極部を有しており、
    前記第1コンデンサおよび前記第2コンデンサの前記収容凹部の開口側の面は、前記収容凹部の前記開口縁面より前記収容凹部の内部方向に引っ込んだ位置に配置されている電子部品。
  2. 前記コイルは、前記ケースの外側壁を周回するワイヤで構成されていることを特徴とする請求項に記載の電子部品。
  3. 前記ケースは、前記外側壁において前記コイルより前記実装側底面の近くに形成される第1突出部と、前記外側壁において前記コイルより前記実装側底面から遠くに形成される第2突出部と、を有する請求項に記載の電子部品。
  4. 前記コイルと前記第1コンデンサおよび第2コンデンサとは、前記実装側底面に平行な方向から見て、少なくとも一部が互いに重なることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれかに記載の電子部品。
  5. 前記コイルと前記第1コンデンサおよび前記第2コンデンサとは、前記実装側底面に平行な方向から見て、互いに重ならないことを特徴とする請求項1から請求項までのいずれかに記載の電子部品。
  6. 前記第1導電性端子および前記第2導電性端子の少なくとも一方並びに前記第3導電性端子および前記第4導電性端子の少なくとも一方は、前記収容凹部の中で前記第1コンデンサまたは前記第2コンデンサに対して弾性的に接触する湾曲部を有する請求項1から請求項までのいずれかに記載の電子部品。
  7. 前記第1から第4導電性端子のうち少なくとも1つは、前記ケースに係合する係合片を有する請求項1から請求項までのいずれかに記載の電子部品。
  8. 前記ケースは、前記収容凹部において前記第1コンデンサと前記第2コンデンサとを仕切る仕切壁を有する請求項1から請求項までのいずれかに記載の電子部品。
  9. 前記収容凹部には、樹脂が充填してある請求項1からまでのいずれかに記載の電子部品。
  10. 前記ケースは、前記実装側底面に垂直である外側壁に形成される係合凸部と、前記外側壁において前記係合凸部と対向する側に形成されており、前記係合凸部が係合可能な係合凹部を有する請求項1から請求項までのいずれかに記載の電子部品。

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