JP7467081B2 - 経口組成物 - Google Patents

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本発明は、自然な梅の香味が改善された経口組成物に関する。
酸味のある梅の香味が好まれており、練り梅等の調味料、梅飲料等の商品が上市されている。ここで、商品の組成物中に含まれる梅原料の含有量が高ければ、伴って梅の香味も十分に得ることができるが、商品の貯蔵性やコスト等の理由により梅原料の含有量を極端に高くすることは困難であり、実際の商品においては、梅原料以外にも他の成分が加えられる場合がある。しかしながら、梅原料の含有量が低くなると、梅の香味を十分に感じ難いものとなる。
ここで、食品の製品においては、風味増強、保存性向上、色劣化防止等などを目的として、様々な食品添加物が使用される。そのような食品添加物として、各種アミノ酸の使用が認められている。食品添加物として使用されるアミノ酸としては、例えばL-アスパラギン酸ナトリウムがあり、特許文献1には、破砕した野菜を含む酸性調味料であって、L-アスパラギン酸ナトリウムを含有する、風味及び色調の安定性に優れた酸性調味料が記載されている。しかしながら、引用文献1には、L-アスパラギン酸ナトリウムを用いることによって梅の香味を改善できることは記載されていない。
特許第3443403号公報
本発明は、梅原料の量の多寡にかかわらず、自然な梅の香味が十分に感じられる、経口組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、梅原料を含む経口組成物についてアスパラギン酸ナトリウムを配合させることにより、組成物の梅の香味が増強できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、梅原料及びアスパラギン酸ナトリウムを含有する経口組成物を提供する。
また、本発明は、梅原料を含有する経口組成物の製造方法であって、アスパラギン酸ナトリウム由来のアスパラギン酸質量が、梅原料の梅由来のアスパラギン酸質量の2倍以上となる量で、アスパラギン酸ナトリウムを加配する工程を含む、製造方法を提供する。
さらに、本発明は、梅原料を含有する経口組成物の梅の香味を増強する方法であって、前記組成物に対してアスパラギン酸ナトリウムを加配する工程を含む、方法を提供する。
さらに、アスパラギン酸ナトリウムを含む、梅香味増強剤を提供する。
本発明により、梅の香味が増強された梅原料含有経口組成物を得ることができる。
本発明の経口組成物は、梅原料及びアスパラギン酸ナトリウムを含有する。本発明における梅原料とは、梅に由来する成分を含むものであれば特に限定されず、好ましくは梅の果肉(梅肉)を含有するものである。梅原料の成分は梅そのものに由来するものには限定されず、経口組成物に配合する原料としての利便性や保存性等を考慮して、他の液体又は固体成分と混合することにより溶液状又はペースト状としたものであってもよいし、磨砕、破砕、溶媒抽出、加熱などの任意の加工処理をしたものであってもよい。本発明における梅原料としては、梅肉そのもの(必要により磨砕してもよい)、梅果汁、梅肉の抽出物(梅エキス)、これらの濃縮物等が挙げられる。
また、本発明の経口組成物が含有するアスパラギン酸ナトリウムは、典型的にはアスパラギン酸ナトリウムの塩物質として添加されたものを意味する。すなわち、本発明の典型的な態様は、梅原料に対してアスパラギン酸ナトリウムを添加してなる経口組成物である。なお、アスパラギン酸ナトリウムは、第9版食品添加物公定書に基づいて食品添加物としての使用が認められたものであり、通常はL-アスパラギン酸ナトリウムが使用される。
ここで、アスパラギン酸ナトリウムが添加された後の組成物においては、アスパラギン酸ナトリウムは実際には「アスパラギン酸」と「ナトリウム」として個別に検出されるため、「アスパラギン酸ナトリウム」という塩物質として物理的に特定することは実質的に困難であるが、本発明においては便宜上、組成物の製造において添加された「アスパラギン酸ナトリウム」に由来する組成物中の成分は、そのまま「アスパラギン酸ナトリウム」と表す。また、組成物の製造において添加された「アスパラギン酸ナトリウム」に由来する「アスパラギン酸」に特に言及する場合は、「アスパラギン酸ナトリウムに由来するアスパラギン酸」等と表現することによって、梅原料中の梅に由来する「アスパラギン酸」と区別して取り扱う。すなわち、製造後の組成物に含まれる「アスパラギン酸」には、添加物として添加された「アスパラギン酸ナトリウム」に由来するものと、梅原料の梅に由来するものとが存在し得るが、本発明の構成上において両者は必要により区別されて特定される。なお、仮に梅原料中の梅以外の成分(例えば梅肉の抽出に用いた溶媒など)にもアスパラギン酸ナトリウムが添加物として含まれている場合には、当該アスパラギン酸ナトリウムについても、梅原料とは別に添加したアスパラギン酸ナトリウムと同等に、本発明における「アスパラギン酸ナトリウム」に該当するものとする。
ここで、「アスパラギン酸ナトリウム」の対応する「アスパラギン酸」の質量は、「アスパラギン酸」および「アスパラギン酸ナトリウム」の分子量の比率に基づいて算出し得る。具体的には、「アスパラギン酸ナトリウム」に由来する「アスパラギン酸」の質量は、「アスパラギン酸ナトリウム」の質量に、「アスパラギン酸」の分子量:133.1の「アスパラギン酸ナトリウム」の分子量:173.1に対する割合を乗じて求めることができる。
本発明の経口組成物は、梅風味を有することを所望する任意の食品、飲料、調味料、サプリメント、医薬品等であれば特に限定されず、例えば、練り梅、梅飲料、梅酒等が挙げられる。本発明の経口組成物は、好ましくは練り梅又は梅飲料である。
本発明の経口組成物は、好ましくは、アスパラギン酸ナトリウムに由来するアスパラギン酸の質量が、梅原料の梅由来のアスパラギン酸の質量よりも大きくなる量で、アスパラギン酸ナトリウムを含む。より好ましくは、アスパラギン酸ナトリウム由来のアスパラギン酸の質量が、梅原料の梅由来のアスパラギン酸の質量の1倍以上、2倍以上、4倍以上となる量で、特に好ましくは6倍以上となる量で、アスパラギン酸ナトリウムを含む。特に制限はないが、通常アスパラギン酸ナトリウム由来のアスパラギン酸の質量が、梅原料の梅由来のアスパラギン酸の質量の20倍以下となる量で、アスパラギン酸ナトリウムを含むとよい。
また、本発明の経口組成物は、好ましくはアスパラギン酸の含有量が、0.01質量%以上、さらに0.05質量%以上、さらに0.1質量%以上であり、さらに0.15質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上、特に好ましくは0.5質量%以上である。また、アスパラギン酸の含有量は、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは1質量%以下がよい。ここで、アスパラギン酸の質量は、梅原料の梅に由来するアスパラギン酸と、添加物として添加したアスパラギン酸ナトリウムに由来するアスパラギン酸の両方を含む、経口組成物中に含まれるすべてのアスパラギン酸の質量の合計量を意味する。経口組成物中のアスパラギン酸の質量は、下記の実施例に記載した測定法により求め得る。経口組成物中のアスパラギン酸ナトリウムの含有量は、前記のアスパラギン酸の各含有量の範囲において、アスパラギン酸ナトリウムに由来するアスパラギン酸が、各範囲の半分量以上を占める量とすることが好ましい。
本発明の経口組成物のpHは、経口組成物の種類等により異なってもよく、また、必要により所望の酸味に応じて適宜調整することもできるが、経口組成物のpHは好ましくは1.0~5.0であり、より好ましくは1.2~4.0であり、さらに好ましくは1.5~3.0である。pHの調整には任意のpH調整剤やpHを改変し得る任意の添加物を使用することが可能であり、例えばクエン酸、乳酸、酢酸等の酸やこれらの塩を使用することができる。添加される酸やその塩の量は、前述の通り所望のpH値などに基づいて当業者が適宜調整することができるが、例えばクエン酸の場合は、0.01~3.0質量%、好ましくは0.05~2.0質量%である。
さらに、本発明の経口組成物は、他にも食品や飲料等の通常の経口組成物に使用される周知の溶媒、添加物、調味料等を含んでもよい。そのような溶媒、添加物及び調味料は特に限定されないが、例えば、水、エタノール、各種油脂、液糖(ぶどう糖からなる糖液を酵素又はアルカリにより異性化したぶどう糖又は果糖を主成分とする液状の糖である異性化液糖等)、加工澱粉、デキストリン、食塩、香料、各種油脂等が挙げられる。
上記の追加成分の添加量は当業者が適宜決定することができる。例えば、加工澱粉は好ましくは3~10質量%、より好ましくは5~7質量%であり、デキストリンは好ましくは5~10質量%である。
特に、α化ハイアミロースコーンスターチ、ヒドロキシプロピル澱粉、ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉等の加工澱粉を含むことで、経口組成物に適度に粘性を付与することができ、例えば、ボトル容器等に収容し、容器の口部から、容易に絞り出すことができ、食材に帯状などで付着することができる粘性を付与し得る。
また、経口組成物が特に練り梅である場合、食塩及び食塩を含む原料に由来する塩分は1~20質量%であることが好ましく、より好ましくは8~18質量%である。「塩分」は、経口組成物に含まれる食塩相当量を意味する。
本発明において、特に経口組成物が練り梅である場合に、前述のように、アスパラギン酸質量を所定範囲とし、好適には、pH又は塩分含量を所定範囲とすることにより、梅原料の量の多寡にかかわらず、自然な梅の香味が十分に感じられる練り梅が得ることができる。
本発明の経口組成物は、アスパラギン酸ナトリウム由来のアスパラギン酸質量が、梅原料の梅由来のアスパラギン酸質量より大きくなる量で、アスパラギン酸ナトリウムを加配する工程を含む方法によって製造することができる。上記所定の工程を含む限り、本発明の製造方法の態様は特に限定はされず、前述したような梅原料に対してアスパラギン酸ナトリウムを添加することにより行われ、さらに必要により周知の溶媒、添加物、調味料等を添加してもよい。
また、梅原料を含有する経口組成物の梅の香味を増強する方法は、経口組成物に対してアスパラギン酸ナトリウムを加配する工程を含む。好ましくは、アスパラギン酸ナトリウムは、アスパラギン酸ナトリウム由来のアスパラギン酸質量が、梅原料の梅由来のアスパラギン酸質量より大きくなる量で加配される。
また、本発明の梅香味増強剤が含有する成分についてもアスパラギン酸ナトリウムを含む限り特に限定はされず、必要により周知の溶媒、添加物、調味料等を含んでいてもよい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本願発明はこれらの態様に限定されるものではない。
試験例1(梅飲料)
表1に示す原料を混合して、実施例1~3及び比較例1~3の梅飲料をそれぞれ調製した(表の数値は質量%で表す)。これらの梅飲料について、専門のパネラー5名により、以下の評価基準にしたがって、梅様の香味の評価を行った。
「梅果汁」としては、圧搾して得られた梅果実内の成分を5倍濃縮したものを使用した。「梅果汁」のアスパラギン酸質量は、下記する「梅肉ペースト」より明らかに少ない。
なお、試料中におけるアスパラギン酸の質量はカラムクロマトグラフ法により測定し、加水分解条件としては、6 mol/L の塩酸(0.04% 2-メルカプトエタノール含有)を使用して110℃、24時間で行った。
<評価基準>
5…トップの梅肉風味が強く、後引く梅肉の旨味も非常に強く感じる。
4…トップの梅肉風味が強く、後引く梅肉の旨味を感じる。
3…トップの梅肉風味はあるが、4に比べて後引く梅肉の旨味が弱く感じる。
2…トップに梅肉風味はあるが、酸味及び/又は塩味の方をより強く感じる。
1…トップに梅肉風味がなく、酸味及び/又は塩味しか感じられない。
※同量の梅肉ペーストを含むものの間で、最も評価の高かったものを「5」とし、他をこれと相対で、前記の基準により評価した。トップの梅肉風味は、試料を口に含んだ直後における香りを伴う風味を指す。
表1
Figure 0007467081000001
<試験結果>
1.実施例1の梅飲料は、梅果汁を1質量%含み、アスパラギン酸ナトリウムを0.13質量%含み、アスパラギン酸ナトリウム由来のアスパラギン酸質量が、梅果汁由来のアスパラギン酸質量より大きくなる量で、アスパラギン酸ナトリウムを含有する。
これに対して、比較例1の梅飲料は、実施例1と同量梅果汁を含み、アスパラギン酸ナトリウムを含まないことを除いて実施例1と同じである。
上記の実施例1及び比較例1を比較すると、同量の梅果汁を含むが、アスパラギン酸ナトリウムを含まない比較例1の梅飲料では、梅様の香味が十分に感じられなかった。これに対して、アスパラギン酸ナトリウムを含む実施例1の梅飲料では、梅様の香味が強く、かつ良好に感じられることが確認できた。すなわち、梅果汁とアスパラギン酸ナトリウムが合わさることで、より梅様の香味が付与されることが確認された。
2.実施例2及び比較例2の梅飲料は、実施例1と比較例1より多い6質量%の梅果汁を含むものである。実施例2はアスパラギン酸ナトリウムを含むのに対して、比較例2はアスパラギン酸ナトリウムを含まない。
また、実施例3及び比較例3の梅飲料は、実施例1と比較例1より少ない0.1質量%の梅果汁を含むものである。実施例3はアスパラギン酸ナトリウムを含むのに対して、比較例3はアスパラギン酸ナトリウムを含まない。
上記の各実施例及び比較例の比較結果から、梅果汁の量に拘らず、アスパラギン酸ナトリウムを含むことにより、これを含まない比較例の梅飲料と比較して、明らかに梅様の香味が強く、かつ良好に感じられることが確認できた。梅果汁の量を変えた場合でも、各々にアスパラギン酸ナトリウムを添加すると、梅風味を無添加時よりも強く感じることがわかった。
同時に、各実施例の結果から、アスパラギン酸ナトリウムに由来するアスパラギン酸の質量が、梅原料の梅由来のアスパラギン酸の質量より大きくなる量で、アスパラギン酸ナトリウムを含有すると、梅風味をアスパラギン酸ナトリウム無添加時よりも強く感じることがわかった。
以上により、梅原料を含む水溶液に、アスパラギン酸ナトリウムを添加することにより、梅原料のみでアスパラギン酸ナトリウムを含まない場合にみられた、梅様の香味を感じ難い傾向が改善され、梅様の香味の増強効果が確認できた。
試験例2(練り梅)
表2に示す原料を混合して、実施例4~7及び比較例4の練り梅を得た。これらの練り梅の資料について、試験例1と同様に評価を行った。
原料の「梅肉ペースト」としては、梅干から種子を除去した後、磨砕して得たものを使用し、当該梅肉ペーストのアスパラギン酸の含有量は約0.3質量%であった。また、加工澱粉としては、α化ハイアミロースコーンスターチを使用した。
なお、アスパラギン酸ナトリウムに由来する「アスパラギン酸」の質量の算出方法は前述した通りであり、表2において、「アスパラギン酸ナトリウム(アスパラギン酸Na)」の項目に示す質量の数値に、「アスパラギン酸」の分子量:133.1の「アスパラギン酸ナトリウム」の分子量:173.1に対する割合を乗じて求める。
すなわち、実施例4の練り梅においては、アスパラギン酸ナトリウム由来のアスパラギン酸質量が約0.46質量%、梅肉ペースト由来のアスパラギン酸質量が約0.07質量%で、梅飲料中トータルのアスパラギン酸質量が約0.53質量%となる。また、アスパラギン酸ナトリウム由来のアスパラギン酸質量が、梅肉ペースト由来のアスパラギン酸質量の約6.4倍量となる。
表2の「アス/梅由来の割合」の項に、各実施例及び比較例におけるアスパラギン酸質量、及びアスパラギン酸ナトリウム由来のアスパラギン酸質量の、梅肉ペースト由来のアスパラギン酸質量に対する割合を示す。
表2
Figure 0007467081000002
<試験結果>
1.実施例4及び5の練り梅は、いずれもアスパラギン酸ナトリウム由来のアスパラギン酸質量が、梅肉ペースト由来のアスパラギン酸質量の約6.4倍量となる量で、アスパラギン酸ナトリウムを含む。クエン酸を添加せず、クエン酸ナトリウムを添加した実施例5の練り梅はpHが3.8であり、クエン酸を1質量%添加した実施例4の練り梅はpHが1.9であった。
これに対して、比較例4の練り梅は、実施例4と同量の梅肉ペーストを含み、アスパラギン酸ナトリウムを含まず、pHが2.2である。
これらの実施例及び比較例について、試験例1と同じ評価基準に基づいて専門のパネラー5名による梅様の香味の評価を行ったところ、比較例4の練り梅は梅肉ペーストを比較的多く含むものの、梅様の香味が十分に感じられなかった。
これに対して、実施例4及び5の練り梅では、アスパラギン酸ナトリウムを添加することにより、いずれも梅様の香味が強く、かつ良好に感じられることが確認できた。同時に、実施例4及び5より、練り梅をより低酸性とすることによって、より梅様の香味が付与されることが分かった。
2.実施例6の練り梅は、実施例4のものよりアスパラギン酸ナトリウムの添加量を減じたもので、練り梅中のアスパラギン酸量、及びアスパラギン酸ナトリウム由来のアスパラギン酸質量の、梅肉ペースト由来のアスパラギン酸質量に対する割合が低くなっている。
同様に評価試験を行ったところ、実施例6の練り梅では、比較例4に比べて梅様の香味が改善されており、アスパラギン酸ナトリウムの含有量が少ない場合にも、梅様の香味の増強効果が確認できた。
3.実施例7の練り梅は、実施例4のものに比べて、食塩を加えないものである。
評価試験の結果、実施例4の練り梅と比べて、食塩量の少ない実施例7の練り梅では、梅様の香味がややよわく感じられる傾向があった。
以上の結果に基づいて、練り梅が食塩を含む場合、特に食塩量が3~20質量%程度で、梅様の香味の増強効果が、良好に達成されることが確認できた。
また、実施例4~7の練り梅については、加工澱粉により適度に粘性が付与されており、ボトル容器等に収容し、容器の口部から、容易に絞り出すことができ、食材に帯状などで付着することができるものであることが確認された。
4.実施例4~7の結果からも、アスパラギン酸ナトリウムに由来するアスパラギン酸の質量が、梅原料の梅由来のアスパラギン酸の質量より大きくなる量で、アスパラギン酸ナトリウムを含有すると、梅風味をアスパラギン酸ナトリウム無添加時よりも強く感じることがわかった。
また、アスパラギン酸ナトリウム由来のアスパラギン酸の質量が、梅原料の梅由来のアスパラギン酸の質量の1倍以上(実施例6)、6倍以上(実施例4、5、7)となる量で、アスパラギン酸ナトリウムを含むと、梅風味をアスパラギン酸ナトリウム無添加時よりも強く感じることがわかった。

Claims (9)

  1. 梅原料アスパラギン酸ナトリウム(梅原料に含まれるものを除く)、加工澱粉及び水を含有する練り梅であって、アスパラギン酸の含有量が0.5質量%以上である、練り梅
  2. 前記アスパラギン酸ナトリウムに由来するアスパラギン酸の質量が、梅原料の梅由来のアスパラギン酸の質量より大きくなる量で、アスパラギン酸ナトリウムを含有する、請求項1に記載の練り梅
  3. pHが1.0~5.0である、請求項1又は2に記載の練り梅
  4. 加工澱粉の含有量が5~7質量%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の練り梅。
  5. 梅原料の含有量が24質量%である、請求項1~4のいずれか1項に記載の練り梅。
  6. 塩分の含有量が1~20質量%である、請求項1~5のいずれか1項に記載の練り梅
  7. 練り梅の製造方法であって、梅原料に対して、アスパラギン酸の含有量が0.5質量%以上となる量のアスパラギン酸ナトリウム、加工澱粉及び水を加配する工程を含む、製造方法。
  8. 練り梅の梅の香味を増強する方法であって、前記練り梅に対してアスパラギン酸ナトリウムを加配する工程を含む、方法。
  9. アスパラギン酸ナトリウムを含む、練り梅用の梅香味増強剤。
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