JP2020150825A - 酒粕を使用した甘酒飲料の製造方法および酒粕を使用した甘酒飲料 - Google Patents
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Abstract
【課題】酒粕甘酒の風味を維持しつつ、酒粕に含まれるエタノール含有量を低減した酒粕の甘酒飲料を提供すること。【解決手段】エタノールを除去した酒粕を得る工程と、エタノールを除去した酒粕とエタノールを含有しない香料とを混合させ、酒粕混合物を得る工程と、を含む甘酒飲料の製造方法によって製造される。また、エタノールを除去した酒粕粉末とエタノールを含有しない香料であるプロピレングリコールを有する香料とを混合させ、エタノール含有量が0.005体積%未満であることを特徴とする甘酒飲料である。【選択図】図1
Description
本発明は、酒粕を使用した甘酒飲料の製造方法および酒粕を使用した甘酒飲料に関するものである。
甘酒は、蒸した米と米麹とを混ぜて発酵させた米麹の甘酒と、酒粕を溶かし甘味をつけた酒粕の甘酒の2種類がある。甘酒はビタミン類、食物繊維、アミノ酸、ブドウ糖などの栄養分を豊富に含んでいることから、近年では美容や健康効果を目的として、幅広い年代の人が飲用している。さらに、生姜や柚子などの果汁や香料を添加して飲みやすくした甘酒もある。
米麹の甘酒は、蒸した米に米麹を加えて攪拌させ、米麹(コウジ菌)が産生する炭水化物分解酵素によって、米のでんぷんが加水分解され、分解された糖によって甘味を得ることができる。米麹の甘酒は、酵母によるアルコール発酵をしていないため、エタノール含有量は0体積%である。
一方、酒粕の甘酒は、清酒の搾りかすである酒粕を水または湯に溶かし、砂糖を加えることによって甘味を付与している。酒粕の甘酒は、清酒の製造において酵母によるアルコール発酵がなされており、圧搾した後の酒粕に約8体積%のエタノールが残留する。その後、酒粕の甘酒は酒粕を水または湯に溶解させるため、エタノール含有量は1体積%未満となる。ここで、酒税法において「酒類」とは、温度15℃の時においてアルコール分(エタノール含有量)が1度(1体積%)以上のものであると規定されている。したがって、酒粕の甘酒のエタノール含有量は1体積%未満であるため、酒類には含まれない。しかしながら、酒粕の甘酒はエタノールを含むため、エタノールの香り(いわゆるアルコール臭)がする。そのため、妊婦や子供等は避ける傾向にある。また、多量に飲用すると、呼気にエタノールが検出されるため、車を運転する運転手も避ける傾向にある。
そこで、特許文献1には表面が高温のドラムを使用して酒粕に含まれるエタノールを蒸発させることにより、エタノールを除去した酒粕粉末を得る方法が開示されている。特許文献1の方法により得られた酒粕粉末を水または湯に溶解させることによってエタノールが除去された甘酒飲料を得ることができる。
しかしながら、特許文献1のような方法によりエタノールを蒸発させて得た酒粕粉末は、酒粕の甘酒に特有の風味が損なわれるという問題があった。
それゆえに、本発明の主たる目的は、酒粕の甘酒の風味を維持しつつ、酒粕のエタノール含有量を低減した甘酒飲料の製造方法及び酒粕を使用した甘酒飲料を提供することである。
発明者らは鋭意研究の結果、酒粕に含まれるエタノールを除去し、除去したエタノール等の酒粕の甘酒に特有の香りを、エタノールを使用していない香料で補うことにより酒粕の甘酒の風味を維持した甘酒飲料を見出し、本発明を完成させた。
本発明に係る甘酒飲料の製造方法は、エタノールを除去した酒粕を得る工程と、エタノールを除去した酒粕とエタノールを含有しない香料とを混合させ、酒粕混合物を得る工程と、を含む甘酒飲料の製造方法であって、得られた甘酒飲料のエタノール含有量が0.005体積%未満であることを特徴とする。
本発明に係る甘酒飲料の製造方法は、エタノールを除去した酒粕を得る工程を含むことにより、酒粕に含まれるエタノールを低減することができ、甘酒飲料のエタノール含有量を0.005体積%未満にすることができる。また、本発明に係る甘酒飲料の製造方法は、エタノールを除去した酒粕とエタノールを含有しない香料とを混合させ、酒粕混合物を得る工程を含むことにより、エタノールを除去した酒粕を得る工程において損失したエタノール等の酒粕の甘酒に特有の香りを、エタノールを含有しない香料を添加することで、甘酒飲料のエタノール含有量を増加させず、エタノール等の酒粕の甘酒に特有の香りを補うことができる。したがって、エタノール含有量を低減しつつ酒粕の甘酒の風味を維持した甘酒飲料を製造することができる。
また、本発明に係る甘酒飲料の製造方法に用いられる香料は、プロピレングリコール、トリアセチル、中鎖脂肪酸油のいずれかに溶解されていることが好ましい。一般に水溶性の香料は、エタノールを溶媒として抽出することが多いが、エタノールを溶媒として用いると、甘酒飲料のエタノール含有量を増加させてしまう。そこで、プロピレングリコール、トリアセチル、中鎖脂肪酸油などのエタノール以外の溶媒で香料を抽出することによって、甘酒飲料のエタノール含有量を増加させることなく、酒粕の甘酒特有の香りを付与することができる。
本発明に係る甘酒飲料は、酒粕粉末と、プロピレングリコールを有する香料とを含み、エタノール含有量が0.005体積%未満であることを特徴とする。
酒粕を乾燥させ、粉末状にすることで、エタノールを除去することができる。また、プロピレングリコールを溶媒とすることにより、甘酒飲料のエタノール含有量を増加させることなく、エタノール等の香りを付与することができる。したがって、いわゆるノンアルコール飲料と同等のエタノール含有量である0.005体積%未満のエタノールを有する酒粕を使用した甘酒飲料を提供することができる。
また、本発明に係る甘酒飲料は、甘酒飲料100g中に0.01g以上0.50g以下のプロピレングリコールが溶解されていることが好ましい。これにより、食品添加物の使用基準内で、酒粕の甘酒に特有の香りを付与することができる。
本発明に係る甘酒飲料は、酒粕を乾燥させて、水分含有量が10.00重量%以下、エタノール含有量が0.20体積%未満の粉末状とした酒粕粉末を1.00重量%以上4.00重量%以下と、砂糖を5.00重量%以上15.00重量%以下と、食物繊維を0.02重量%以上0.20重量%以下と、食塩を0.04重量%以上0.20重量%以下と、酒粕に近い香りを付与する香料を10.00重量%以上14.00重量%以下と、前記香料の溶媒としてプロピレングリコールを80.00重量%以上90.00重量%とを含有する、エタノール含有量が0体積%の第1の酒粕フレーバー剤を0.01重量%以上0.15重量%以下と、酒粕に近い香りを付与する香料を含む酒粕フレーバーベースを2.00重量%以上4.00重量%以下と、前記酒粕フレーバーベースの溶媒としてプロピレングリコールを85.00重量%以上98.00重量%以下と、グリセリン脂肪酸エステルを0.50重量%以上0.70重量%以下とを含有する、エタノール含有量が0体積%の第2の酒粕フレーバー剤が0.01重量%以上0.10重量%と、水を80.00重量%以上94.00重量%以下とを含むことを特徴とする。
酒粕を乾燥させて、エタノールを除去した酒粕粉末を用いることで、エタノール含有量を低減することができる。また、砂糖を添加することで、自然な甘味を付与することができる。また、食物繊維を添加することで、甘酒飲料にとろみ(粘性)を付与することができる。さらに、第1の酒粕フレーバー剤と第2の酒粕フレーバー剤とを添加することで、エタノール含有量を増加させることなく、酒粕を乾燥させた際に蒸発したエタノール等の香りを付与することができる。このような配合比とすることで、酒粕の甘酒に特有の風味を維持しつつ酒粕のエタノール含有量を低減した甘酒飲料を得ることができる。
本発明によれば、酒粕の甘酒の風味を維持しつつ、酒粕のエタノール含有量を低減した甘酒飲料の製造方法及び酒粕を使用した甘酒飲料を提供することができる。
本発明の上述の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
1.甘酒飲料
本発明に係る甘酒飲料は、エタノールを除去した酒粕とエタノールを含有しない香料とを含む。
本発明に係る甘酒飲料は、エタノールを除去した酒粕とエタノールを含有しない香料とを含む。
(1)酒粕
酒粕は、清酒製造において、蒸した米に米麹と酵母を加え、アルコール発酵させ、圧搾した後の固形成分である。酒粕は、清酒の原料である米や米麹、酵母由来の炭水化物、たんぱく質、食物繊維、ビタミン類などを多く含んでいる。また、酒粕はエタノールを約8体積%含有している。エタノール含有量を低減させる方法として、酒粕を乾燥させて粉末状にする方法がある。
酒粕は、清酒製造において、蒸した米に米麹と酵母を加え、アルコール発酵させ、圧搾した後の固形成分である。酒粕は、清酒の原料である米や米麹、酵母由来の炭水化物、たんぱく質、食物繊維、ビタミン類などを多く含んでいる。また、酒粕はエタノールを約8体積%含有している。エタノール含有量を低減させる方法として、酒粕を乾燥させて粉末状にする方法がある。
酒粕は、以下の方法により得ることができる。
(a)蒸した米に米麹を加えて攪拌し、一定時間(24時間から48時間)放置させ、米麹を米に繁殖させる。米麹には、例えば、Aspergillus oryzaeなどのコウジ菌を繁殖させている。
(b)麹が繁殖した米に酵母を加え、アルコール発酵をさせる。
(c)アルコール発酵後のもろみを絞り、清酒と酒粕に分ける。このとき、酒粕1gあたりのエタノール含有量は約8体積%である。
(d)酒粕に含まれるエタノールを除去し、エタノール含有量が低減された酒粕粉末を得る。このとき、酒粕粉末1gあたりのエタノール含有量は0.20重量%未満である。また、水分含有量は10.00重量%以下である。この酒粕粉末を水または湯に溶解させることにより、エタノール含有量が0.005体積%未満となる。
(a)蒸した米に米麹を加えて攪拌し、一定時間(24時間から48時間)放置させ、米麹を米に繁殖させる。米麹には、例えば、Aspergillus oryzaeなどのコウジ菌を繁殖させている。
(b)麹が繁殖した米に酵母を加え、アルコール発酵をさせる。
(c)アルコール発酵後のもろみを絞り、清酒と酒粕に分ける。このとき、酒粕1gあたりのエタノール含有量は約8体積%である。
(d)酒粕に含まれるエタノールを除去し、エタノール含有量が低減された酒粕粉末を得る。このとき、酒粕粉末1gあたりのエタノール含有量は0.20重量%未満である。また、水分含有量は10.00重量%以下である。この酒粕粉末を水または湯に溶解させることにより、エタノール含有量が0.005体積%未満となる。
酒粕に含まれるエタノールを除去する方法は、スプレードライ(噴霧乾燥)、フリーズドライ(真空凍結乾燥)、ドラムドライ(ドラム乾燥)、減圧蒸留等がある。酒粕の成分の損傷を防ぐためにはフリーズドライによりエタノールを除去する方法が好ましいが、コストが高くなるというデメリットがある。本実施の形態では、ドラムドライによって酒粕に含まれるエタノールを除去した。ドラムドライによって酒粕に含まれるエタノールを除去することにより、短時間で、大量に酒粕を乾燥させることができる。また、ドラムドライに使用するドラムの温度は78℃以上150℃以下とすることが好ましい。エタノールの沸点は約78℃であるため、ドラムドライに使用するドラムの温度を78℃以上とすることで、エタノールを蒸発させることができる。また、150℃以下にすることにより、酒粕に含まれる栄養成分を維持することができる。
(2)香料
本発明に係る甘酒飲料は、エタノールを含有しない香料を有する。酒粕に含まれるエタノールを除去すると、エタノール等の酒粕の甘酒に特有の香りが失われる。酒粕の甘酒に特有の香りを補うために香料は添加される。
本発明に係る甘酒飲料は、エタノールを含有しない香料を有する。酒粕に含まれるエタノールを除去すると、エタノール等の酒粕の甘酒に特有の香りが失われる。酒粕の甘酒に特有の香りを補うために香料は添加される。
香料は、プロピレングリコール、トリアセチル、中鎖脂肪酸油のいずれかに溶解されていることが好ましい。一般に水溶性の香料は、エタノールを溶媒として抽出することが多いが、エタノールを溶媒として用いると、甘酒飲料のエタノール含有量を増加させてしまう。そこで、プロピレングリコール、トリアセチル、中鎖脂肪酸油などのエタノール以外の溶媒で香料を抽出することによって、甘酒飲料のエタノール含有量を増加させることなく、酒粕の甘酒に特有の香りを付与することができる。
例えば、プロピレングリコールは、無色無臭の液体である。プロピレングリコールを溶媒として香料を抽出することによって、エタノールを含有しない香料を製造することができる。また、プロピレングリコールは、湿潤作用、保潤作用、保存作用、乳化作用などを有する。さらに、プロピレングリコールは、毒性が低いため、食品や飲料に用いることができる。エタノールを含有しない溶媒としてプロピレングリコールを用いる場合は、甘酒飲料100g中に0.01g以上0.50g以下のプロピレングリコールが溶解されていることが好ましい。これにより、食品添加物の使用基準内で、酒粕の甘酒に特有の香りを付与することができる。また、プロピレングリコールを甘酒飲料100g中0.60g以上使用することは、食品添加物の使用基準において制限されているからである。さらに、プロピレングリコールの含有量が製品100g中0.01g以下となる場合は、香料の添加量も減少するため、十分に香りを付与することができないからである。
また、トリアセチルや中鎖脂肪酸油は、乳化剤を添加することにより、水や湯に溶解させることができる。
本実施の形態では、第1の酒粕フレーバー剤と第2の酒粕フレーバー剤との2種類の香料を酒粕に添加した。第1の酒粕フレーバー剤および第2の酒粕フレーバー剤は酒粕の甘酒に特有の香りを付与するものである。第1の酒粕フレーバー剤の組成を表1に示す。また、第2の酒粕フレーバー剤の組成を表2に示す。
本発明に係る甘酒飲料は、例えば、表3の成分を混合することにより得ることができる。なお、食物繊維は、例えばレモンやライムの皮の食物繊維である。食物繊維は、甘酒飲料に主にとろみ(粘性)を付与ために添加される。
2.甘酒飲料の製造方法
本発明に係る甘酒飲料は、以下の方法により製造される。
本発明に係る甘酒飲料は、以下の方法により製造される。
(1)蒸した米に米麹を加えて攪拌し、一定時間(24時間から48時間)放置させ、コウジ菌を米に繁殖させる。
(2)麹が繁殖した米に酵母を加え、アルコール発酵をさせる。
(3)もろみを絞り、清酒と酒粕に分ける。
(4)酒粕に含まれるエタノールを除去し、エタノールを除去した酒粕を得る。
(5)エタノールを除去した酒粕とエタノールを含有しない香料とを混合させ、酒粕混合物を得る。エタノールを含有しない香料としてプロピレングリコールを有する香料を用いることができる。
(6)酒粕混合物を水または湯に溶かし、甘酒飲料を得る。このとき、得られた甘酒飲料100gあたりのエタノール含有量は0.005体積%未満である。
以上の方法により、本発明に係る甘酒飲料を製造することができる。
(2)麹が繁殖した米に酵母を加え、アルコール発酵をさせる。
(3)もろみを絞り、清酒と酒粕に分ける。
(4)酒粕に含まれるエタノールを除去し、エタノールを除去した酒粕を得る。
(5)エタノールを除去した酒粕とエタノールを含有しない香料とを混合させ、酒粕混合物を得る。エタノールを含有しない香料としてプロピレングリコールを有する香料を用いることができる。
(6)酒粕混合物を水または湯に溶かし、甘酒飲料を得る。このとき、得られた甘酒飲料100gあたりのエタノール含有量は0.005体積%未満である。
以上の方法により、本発明に係る甘酒飲料を製造することができる。
3.実験例
(実験1:酒粕フレーバー剤の配合比)
第1の酒粕フレーバー剤と第2の酒粕フレーバー剤との配合比について、以下のように配合比を調整して官能試験を行った。表4は第1の酒粕フレーバー剤と第2の酒粕フレーバー剤との配合比と官能試験の評価を示す。
(実験1:酒粕フレーバー剤の配合比)
第1の酒粕フレーバー剤と第2の酒粕フレーバー剤との配合比について、以下のように配合比を調整して官能試験を行った。表4は第1の酒粕フレーバー剤と第2の酒粕フレーバー剤との配合比と官能試験の評価を示す。
表4において、評価が○の場合は、第1の酒粕フレーバー剤および第2の酒粕フレーバー剤を配合することにより、酒粕の甘酒の香りを付与することができた。評価が×の場合は、アルコール臭が強く、酒粕の甘酒の香りを付与することができなかった。表4の結果より、第1の酒粕フレーバー剤が0.01重量%以上0.15重量%以下であり、第2の酒粕フレーバー剤が0.01重量%以上0.10重量%以下で混合されている場合は、酒粕の甘酒のような香りを付与することができた。
(実験2:官能評価)
本発明に係る甘酒飲料(実施例)と、特許文献1の方法により得られた酒粕粉末を水または湯に溶かした甘酒飲料(比較例1)と、従来のエタノールを含む酒粕甘酒(比較例2)とを、20名に試飲してもらい、それぞれについて、酒粕の甘酒に近い風味であるか否かを判断した。結果を図1に示す。
本発明に係る甘酒飲料(実施例)と、特許文献1の方法により得られた酒粕粉末を水または湯に溶かした甘酒飲料(比較例1)と、従来のエタノールを含む酒粕甘酒(比較例2)とを、20名に試飲してもらい、それぞれについて、酒粕の甘酒に近い風味であるか否かを判断した。結果を図1に示す。
なお、本発明に係る甘酒飲料(実施例)の配合比は以下の表5の配合比とした。
図1より、本発明に係る甘酒飲料(実施例)は試飲した20名のうち60%の人が酒粕の甘酒に風味が近いという結果となった。また、特許文献1の方法により得られた酒粕粉末を水または湯に溶かした甘酒飲料(比較例1)は試飲した20名のうち10%の人が酒粕の甘酒に風味が近いという結果となった。また、従来のエタノールを含有する酒粕の甘酒(比較例2)は試飲した20名のうち90%の人が酒粕の甘酒に風味が近いという結果となった。これにより、特許文献1の方法により得られた酒粕粉末を水または湯に溶かした甘酒飲料(比較例1)に甘酒の香りを含む香料を加えることにより、酒粕の甘酒の風味を得つつ、甘酒飲料を得ることができる。また、エタノール含有量が0.005体積%未満であるため、子供や妊婦や運転手など今までエタノールが含まれるため避けていた方も飲用することができる。
以上より、エタノールを除去した酒粕を得る工程と、エタノールを除去した酒粕とエタノールを含有しない香料とを混合させ、酒粕混合物を得る工程と、を含み、得られた甘酒飲料のエタノール含有量が0.005体積%未満である、甘酒飲料の製造方法を用いて酒粕の甘酒を製造することにより、いわゆるノンアルコール飲料と同等であるエタノール含有量が0.005体積%未満の甘酒飲料を製造することができ、年齢性別等に関係なく飲用することができる。
以上のように、本発明の実施の形態は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置または配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
すなわち、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施の形態に対し、機序、形状、材質、数量、位置または配置等に関して、様々の変更を加えることができるものであり、それらは、本発明に含まれるものである。
Claims (5)
- エタノールを除去した酒粕を得る工程と、
前記エタノールを除去した酒粕とエタノールを含有しない香料とを混合させ、酒粕混合物を得る工程と、
を含む甘酒飲料の製造方法であって、
得られた甘酒飲料のエタノール含有量が0.005体積%未満である、甘酒飲料の製造方法。 - 前記香料は、プロピレングリコール、トリアセチル、中鎖脂肪酸油のいずれかに溶解されていることを特徴とする、請求項1に記載の甘酒飲料の製造方法。
- 酒粕粉末とプロピレングリコールを有する香料とを含み、エタノール含有量が0.005体積%未満であることを特徴とする甘酒飲料。
- 前記甘酒飲料100g中に0.01g以上0.50g以下のプロピレングリコールが溶解されていることを特徴とする、請求項3に記載の甘酒飲料。
- 酒粕を乾燥させて、水分含有量が10.00重量%以下、エタノール含有量が0.20体積%未満の粉末状とした酒粕粉末を1.00重量%以上4.00重量%以下と、
砂糖を5.00重量%以上15.00重量%以下と、
食物繊維を0.02重量%以上0.20重量%以下と、
食塩を0.04重量%以上0.20重量%以下と、
酒粕に近い香りを付与する香料を10.00重量%以上14.00重量%以下と、前記香料の溶媒としてプロピレングリコールを80.00重量%以上90.00重量%とを含有する、エタノール含有量が0体積%の第1の酒粕フレーバー剤を0.01重量%以上0.15重量%以下と、
酒粕に近い香りを付与する香料を含む酒粕フレーバーベースを2.00重量%以上4.00重量%以下と、前記酒粕フレーバーベースの溶媒としてプロピレングリコールを85.00重量%以上98.00重量%以下と、グリセリン脂肪酸エステルを0.50重量%以上0.70重量%以下とを含有する、エタノール含有量が0体積%の第2の酒粕フレーバー剤が0.01重量%以上0.10重量%と、
水を80.00重量%以上94.00重量%以下と、
を含む、甘酒飲料。
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