JP5738154B2 - ミント風味香料組成物 - Google Patents

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本発明は、ミント風味香料組成物に関する。さらに詳しくは、メントール、ペパーミントオイル、薄荷油、スペアミントオイルなどのミント系香料および6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン、3−メチル−2,4−ノナンジオンおよび4−エチルグアヤコールからなる群から選ばれる1種以上を含有する、ミント風味の増強されたミント風味香料組成物に関する。
メントール、あるいは、ペパーミントオイル、薄荷油、スペアミントオイルなどのミント系香料は、ヒトの表皮膜、特に口腔、鼻、喉に冷たい感じ及び/又は爽やかな感じを与える。これらミント系香料は、いわゆる清涼剤として、キャンディー、ガム、菓子、歯磨、化粧品、医薬品等に幅広く用いられている。
ミント系香料の構成要素の中心はペパーミントオイル、薄荷油、スペアミントオイルなどのミント精油であるが、ミント精油は天産物由来であり、天候、作柄、世界需要による価格の変動などの影響を受け、品質が必ずしも一定しないのが現実である。
一方、近年消費者の健康志向の高まりに伴い、特に、飲食品においては、カロリーオフの製品や、新食感の製品開発が盛んで、香料が添加される基材も多様化しており、香料による香味の発現にも大きく影響を与えるため、製品にマッチした特徴を有する香料が従来にもまして求められている。また、消費者の嗜好性の多様化により、飲食品、香粧品等に使用する香料においても天然感、フレッシュ感あふれる素材が求められており、従来のメントール、ペパーミントオイル、薄荷油、スペアミントオイルなどのミント系香料を組み合わせることではその要求に十分対応しきれないのが現状である。
したがって、本発明の目的は、より安価な方法で、天然感、フレッシュ感があふれ、ミント風味の増強された香りを再現することができるミント風味香料組成物を提供することにある。
ミント系香料の風味を改良する従来技術としては、例えば、ペパーミント油中に含まれる酸化的オフノートの原因物質の1つであるメントフランを低減させるため、ペパーミント油をマレイン酸無水物と反応させ、メントフラン−マレイン酸無水物アダクトを選択的に形成させ、低減したメントフラン含量を有するペパーミント油を回収する方法(特許文献1)、ペパーミント油に対し光増感酸素酸化を行った後、得られた反応油を蒸留し、その蒸留物を採取することによる、サビネン、ミルセン及びサビネンハイドレートを実質的に低減させず、メンソフランのみを選択的に低減した改質ペパーミント油の製造方法(特許文献2)、ミント系香料にポリゴジアールもしくはポリゴジアールを含有する植物の抽出物を添加することにより、ミント系香料の香味を改善する方法(特許文献3)、粗ミント油類を、温度35〜100℃の範囲で、圧力76〜350kg/cmの領域下において、超臨界二酸化炭素と接触させ、粗ミント油類中の不快臭或いは不快味、不安定なテルペン炭化水素、雑草様香気、樹脂状の物質を分画除去する方法(特許文献4)、ミント系香料に8−オシメニルエステルを含有させることによる「甘さを増強し、香味の自然さを向上させ、干し草の特徴を増強し、メントールを隠し、丸みを与える作用を有し、基剤のわずかな苦みを隠すのを助ける」方法(特許文献5)、ミント系香料に食用油脂を含有させることによりミント系香料の苦味を抑制する方法(特許文献6)、ミント系香料に1,3,5,8−ウンデカテトラエン類を含有させることによる、拡散性、強さ、インパクト、天然感、嗜好性、持続性の優れたミント組成物(特許文献7)などが提案されている。
しかしながら、上記の従来提案されている方法は、現代における基材の多様化、消費者の嗜好の多様性を満足させるためには十分といえないものであった。
特公平2−26668号公報 特開平5−320688号公報 特開平7−145398号公報 特開平9−217085号公報 特開2000−351988号公報 特開2004−18829号公報 特開2007−246682号公報
本発明の目的は、多様化する製品基材および消費者の多様化する要望を満足することのできる、嗜好性が高く、香質、香味に優れ、香気・香味付け用として有用な香気・香味素材を提供することである。特に、本発明の目的は、香気・香味の拡散性および強さが増していてインパクトが強く、天然感および嗜好性に優れ、しかも香気・香味の持続性に優れる、改良されたミント風味香料組成物を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、ペパーミントオイルなどの天然のミント系精油からはこれまで検出された報告が無く、また、ミント系香料の素材としてもこれまで使用されたことのない、6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン(ユズノン:長谷川香料(株)の登録商標)、3−メチル−2,4−ノナンジオン、または、4−エチルグアヤコールを、メントール、ペパーミントオイル、薄荷油、スペアミントオイルなどの、いわゆるミント系香料に少量配合することで、従来のミント系香料のみを組み合わせて使用した場合に比べて、香気・香味の拡散性および強さが増してインパクトが強くなり、しかも天然感および嗜好性の点でも一層向上し、その上、香気・香味の持続性に優れる、ミント様の香気・香味を有するミント風味の増強されたミント風味香料組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明は、以下のものを提供する。
(1)以下の(A)および(B)成分、
(A)ミント系香料、
(B)6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン、3−メチル−2,4−ノナンジオンおよび4−エチルグアヤコールからなる群から選ばれる1種または2種以上、
を含有することを特徴とするミント風味香料組成物。
(2)(A)ミント系香料1質量部に対する(B)成分の含有量が、
(B−1)6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン1×10−8〜1×10−2質量部、(B−2)3−メチル−2,4−ノナンジオン1×10−9〜1×10−3質量部、
(B−3)4−エチルグアヤコール1×10−9〜1×10−3質量部
の範囲内であることを特徴とする(1)に記載のミント風味香料組成物。
(3)ミント系香料が、メントール、ペパーミントオイル、薄荷油およびスペアミントオイルからなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、(1)または(2)に記載のミント風味香料組成物。
(4)ミント系香料に対し、6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン、3−メチル−2,4−ノナンジオンおよび4−エチルグアヤコールからなる群から選ばれる1種または2種以上を配合することを特徴とするミント風味の増強方法。
(5)ミント系香料1質量部に対する、6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン、3−メチル−2,4−ノナンジオンおよび4−エチルグアヤコールからなる群から選ばれる1種または2種以上の配合量が、6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン1×10−8〜1×10−2質量部、3−メチル−2,4−ノナンジオン1×10−9〜1×10−3質量部および4−エチルグアヤコール1×10−9〜1×10−3質量部の範囲内であることを特徴とする、(4)に記載のミント風味の増強方法。
(6)ミント系香料が、メントール、ペパーミントオイル、薄荷油およびスペアミントオイルからなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、(4)または(5)に記載のミント風味の増強方法。
(7)6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン、3−メチル−2,4−ノナンジオンおよび4−エチルグアヤコールからなる群から選ばれる1種または2種以上を有効成分とするミント風味増強剤。
(8)(1)または(2)に記載のミント風味香料組成物を、飲食品の質量を基準として0.01〜3質量%添加したことを特徴とする飲食品。
(9)6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン、3−メチル−2,4−ノナンジオンおよび4−エチルグアヤコールからなる群から選ばれる1種または2種以上を、ミント風味飲食品1質量部に対して、
6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン1×10−12〜3×10−4質量部、
3−メチル−2,4−ノナンジオン1×10−13〜3×10−5質量部、
4−エチルグアヤコール1×10−13〜3×10−5質量部
添加したことを特徴とするミント風味飲食品。
本発明によれば、多様化する製品基材および消費者の多様化する要望を満足することのできる、嗜好性が高く、香質、香味に優れ、香気・香味付け用として有用なミント風味香料組成物を提供することができる。特に、本発明のミント風味香料組成物は、香気・香味の拡散性および強さが増していてインパクトが強く、天然感および嗜好性に優れ、しかも香気・香味の持続性に優れている。また、本発明によれば、ミント系香料に少量添加することにより、ミント風味を増強することのできる、ミント風味増強剤およびミント風味の増強方法を提供することができる。さらに、本発明により、ミント風味の増強された飲食品を提供することができる。
本発明における(A)成分であるミント系香料とは、従来から香気・香味付けに用いられているミント系香料であればいずれでもよく、特に制限されない。本発明で用い得るミント系香料としては、例えば、ペパーミントオイル、薄荷油(和種薄荷油とも呼ばれる)、スペアミントオイルなどの各種ミントオイル、あるいは、これらの精油から分画したもの、ユーカリプタスオイル、メントール、メントン、イソメントン、カルボン、イソプレゴール、1,8−シネオールなどを挙げることができる。本発明のミント風味香料組成物では、その用途などに応じて、ミント系香料として前記したものの1種類を単独で使用してもよいし、または2種類以上を併用してもよい。これらのうち、本発明のミント風味香料組成物は、ミント系香料として、特に、メントール、ペパーミントオイル、薄荷油およびスペアミントオイルのうちの1種または2種以上を使用することが、入手が容易であることおよび清涼性が高いことから好ましい。
本発明のミント風味香料組成物に用いる(B)成分の1つである、(B−1)6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンは天然物としてはガルバナムやユズ果皮などから見出されている既知の香料化合物であるが、ペパーミントオイルなどの天然のミント系精油からはこれまで検出された報告が無く、また、ミント系香料の素材としては、これまで使用されたことも示唆されたこともない。6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンは3個の2重結合を有し4種の幾何異性体が存在する。具体的には(6E,8E)体、(6Z,8E)体、(6E,8Z)体、(6Z,8Z)体の4種類が存在する。これらの6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン類は、いずれも常温でオイル状(液状)を呈している。本発明では、6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン類として前記した異性体のいずれもが使用できるが、そのうちでも、(6E,8E)−6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンと(6Z,8E)−6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンが、香気・香味特性が優れている点から好ましく用いられる。6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン類は、ガルバナムやユズ果皮などの天然物から抽出して得られたものを用いてもよいし、化学合成により得られたもの(例えば、特開2009−19026号公報、または、特開2011−12037に記載の方法で合成されたもの)を用いてもよいし、または天然物から得られたものと化学合成により得られたものを併用してもよい。化学合成による場合は、6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン類を多量に取得することができる。
本発明のミント風味香料組成物に用いる(B)成分の別の1つである、(B−2)3−メチル−2,4−ノナンジオンは天然物としてはほうれん草、緑茶、ゆでた鯉などから見出されている既知の香料化合物であるが、ペパーミントオイルなどの天然のミント系精油からはこれまで検出された報告が無く、また、茶飲料(特開2002−171906号公報)、乳製品(特開2003−52330号公報)およびわさび(特開2008−306957)への用途が提案されているが、ミント系香料の素材としては、これまで使用されたことも示唆されたこともない。3−メチル−2,4−ノナンジオンはほうれん草、緑茶、ゆでた鯉などの天然物から抽出して得られたものを用いてもよいし、化学合成により得られたもの(例えば、特開2001−163818に記載の方法で合成されたもの)を用いてもよいし、または天然物から得られたものと化学合成により得られたものを併用してもよい。
本発明のミント風味香料組成物に用いる(B)成分の、また別の1つである、(B−3)4−エチルグアヤコールは天然物としてはコーヒー、ラム酒、ウイスキーなどから見出されている既知の香料化合物であるが、ペパーミントオイルなどの天然のミント精油からはこれまで検出された報告が無く、また、香料用途として用いられることは知られているが、ミント系香料の素材としては、これまで使用されたことも示唆されたこともない。4−エチルグアヤコールは市販品として容易に入手することができる。
なお、それぞれの(B)成分配合による効果としては、ミント系香料に6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンを微量配合することにより、ミント様のハーブ感、ミント感、天然感およびフレッシュ感が、また、3−メチル−2,4−ノナンジオンを微量配合することにより、ミント様のリーフ感、ミント感、天然感およびフレッシュ感が、また、ミント系香料に4−エチルグアヤコールを微量配合することにより、ミント様の甘いボディ感、ミント感、天然感およびフレッシュ感が増強される。
本発明のミント風味香料組成物の調製方法は、特に制限されず、(A)成分であるミント系香料と(B)成分である6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン、3−メチル−2,4−ノナンジオンおよび4−エチルグアヤコールからなる群から選ばれる1種または2種以上が均一に混合した組成物を調製し得るいずれの方法を採用してもよい。ミント系香料および6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン、3−メチル−2,4−ノナンジオンおよび4−エチルグアヤコールはいずれも常温で一般にオイル状を呈しているので、通常は両者を常温で単に混合するだけで、両者が均一に混合した本発明のミント風味香料組成物を得ることができる。しかしながら、それに限定されるものではなく、必要に応じて、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、トリアセチンなどを溶媒として使用してミント風味香料組成物を調製してもよい。
本発明のミント風味香料組成物におけるミント系香料に対する6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンの配合割合は、ミント風味香料組成物の使用目的、用途、製品などに応じて調製することができるが、一般的には、ミント系香料1質量部に対して、6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンを1×10−8〜1×10−2質量部(10ppb〜1%)の割合で配合することが好ましく、100ppb〜0.1%の割合で配合することがより好ましく、1ppm〜100ppmの割合で配合することが更に好ましい。
ミント風味香料組成物におけるミント系香料と6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンの配合割合を前記の範囲にすることで、強いインパクトがあって、フレッシュで天然感に優れ、ミント様のハーブ感のある良好なミント様の香気・香味を有するミント風味香料組成物が得られる。
かくして得られたミント風味香料組成物を、ミント風味を有さない飲食品に0.01〜3質量%添加することにより、飲食品に、強いインパクトがあって、フレッシュで天然感に優れ、ミント様のハーブ感のある良好なミント様の香気・香味を付与することができる。
また、6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンはミント風味増強剤として、ミント風味飲食品そのものに直接添加することもできる。この場合、ミント風味飲食品への6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンの添加割合は、一般的には、ミント風味飲食品1質量部に対して、6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンを1×10−12〜3×10−4質量部(1ppt〜300ppm)の割合で添加することが好ましく、10ppt〜30ppmの割合で添加することがより好ましく、0.1ppb〜3ppmの割合で添加することが更に好ましい。この範囲内にて6,8,10−ウンデカトリエン−3−オンをミント風味増強剤として、ミント風味飲食品に添加することにより、飲食品に、強いインパクトがあって、フレッシュで天然感に優れ、ミント様のハーブ感のある良好なミント様の香気・香味を付与することができる。
なお、ミント風味飲食品とは、本発明のミント風味香料組成物が添加された飲食品の他、ペパーミントなどのミント風味があらかじめ付与されている飲食品、および、ペパーミントなどのミント風味を本発明のミント風味香料組成物以外の香気付与手段(例えば、飲食品調製時にミントエキスを配合する、飲食品調製時にミントの葉と接触処理する、飲食品調製時に本発明品以外のミント系香料を配合するなど)を用いてミント風味の付与が予定されている飲食品を意味する。
本発明のミント風味香料組成物におけるミント系香料に対する3−メチル−2,4−ノナンジオンの配合割合は、ミント風味香料組成物の使用目的、用途、製品などに応じて調整することができるが、一般的には、ミント系香料1質量部に対して、3−メチル−2,4−ノナンジオンを1×10−9〜1×10−3質量部(1ppb〜0.1%)の割合で配合することが好ましく、10ppb〜100ppmの割合で配合することがより好ましく、100ppb〜10ppmの割合で配合することが更に好ましい。
ミント風味香料組成物におけるミント系香料と3−メチル−2,4−ノナンジオンの配合割合を前記した範囲にすることで、強いインパクトがあって、フレッシュで天然感に優れ、ミント様のリーフ感のある良好なミント様の香気・香味を有するミント風味香料組成物が得られる。
かくして得られたミント風味香料組成物を、ミント風味を有さない飲食品に0.01〜3質量%添加することにより、飲食品に、強いインパクトがあって、フレッシュで天然感に優れ、ミント様のリーフ感のある良好なミント様の香気・香味を付与することができる。
また、3−メチル−2,4−ノナンジオンはミント風味増強剤として、ミント風味飲食品そのものに直接添加することもできる。この場合、ミント風味飲食品への3−メチル−2,4−ノナンジオンの添加割合は、一般的には、ミント風味飲食品1質量部に対して、3−メチル−2,4−ノナンジオンを1×10−13〜3×10−5質量部(0.1ppt〜30ppm)の割合で添加することが好ましく、1ppt〜3ppmの割合で添加することがより好ましく、0.01ppb〜0.3ppmの割合で添加することが更に好ましい。この範囲内にて3−メチル−2,4−ノナンジオンをミント風味増強剤として、ミント風味飲食品に添加することにより、飲食品に、強いインパクトがあって、フレッシュで天然感に優れ、ミント様のリーフ感のある良好なミント様の香気・香味を付与することができる。
本発明のミント風味香料組成物におけるミント系香料に対する4−エチルグアヤコールの配合割合は、ミント組成物の使用目的、用途、製品などに応じて調整することができるが、一般的には、ミント系香料1質量部に対して、4−エチルグアヤコールを1×10−9〜1×10−3質量部(1ppb〜0.1%)の割合で配合することが好ましく、10ppb〜100ppmの割合で配合することがより好ましく、100ppb〜10ppmの割合で配合することが更に好ましい。
ミント風味香料組成物におけるミント系香料と4−エチルグアヤコールの配合割合を前記した範囲にすることで、強いインパクトがあって、フレッシュで天然感に優れ、ミント様の甘いボディ感のある良好なミント様の香気・香味を有するミント風味香料組成物が得られる。
かくして得られたミント風味香料組成物を、ミント風味を有さない飲食品に0.01〜3質量%添加することにより、飲食品に、強いインパクトがあって、フレッシュで天然感に優れ、ミント様の甘いボディ感のある良好なミント様の香気・香味を付与することができる。
また、4−エチルグアヤコールはミント風味増強剤として、ミント風味飲食品そのものに直接添加することもできる。この場合、ミント風味飲食品への4−エチルグアヤコールの添加割合は、一般的には、ミント風味飲食品1質量部に対して、4−エチルグアヤコールを1×10−13〜3×10−5質量部(0.1ppt〜30ppm)の割合で添加することが好ましく、1ppt〜3ppmの割合で添加することがより好ましく、0.01ppb〜0.3ppmの割合で添加することが更に好ましい。この範囲内にて4−エチルグアヤコールをミント風味増強剤として、ミント風味飲食品に添加することにより、飲食品に、強いインパクトがあって、フレッシュで天然感に優れ、ミント様の甘いボディ感のある良好なミント様の香気・香味を付与することができる。
なお、6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン、3−メチル−2,4−ノナンジオンおよび4−エチルグアヤコールは前記濃度範囲内で、2種以上を併用して使用することもできる。
本発明のミント風味香料組成物は、ミント系香料と6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン、3−メチル−2,4−ノナンジオンおよび4−エチルグアヤコールからなる群から選ばれる1種または2種以上、のみからなっていてもよいし、または他の成分を更に含有していてもよい。
本発明のミント風味香料組成物が他の成分を更に含有する場合は、本発明のミント風味組成物の特徴に悪影響を及ぼさない範囲で、各種の合成香料、天然精油、天然香料、柑橘油、動物性香料などを用いることができる。かかる香料成分は、例えば、香料化学総覧,1,2,3[奥田治著 廣川書店出版]、Perfume and flavor Chemicals,1,2[Steffen Arctander著]、合成香料[印藤元一著 化学工業日報社出版]などに記載の香料化合物を挙げることができる。
本発明のミント風味香料組成物で用い得る代表的なものとしては、例えば、α−ピネン、リモネン、シス−3−ヘキセノール、アネトール、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、リナロール、ゲラニオール、オイゲノール、ノナジエナール、ノナジエノール、カリオフィレン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、ゲルマクレン−D、ビリジフロロール、1,3,5−ウンデカトリエン、ピペリトン、3−オクチルアセテート、イソ吉草酸イソアミル、ヘキサノール、ヘキサナール、α−テルピネオール、シス−カルビルアセテート、トランス−カルビルアセテート、p−サイメン、α−ダマセノン、β−ダマセノン、γ−ダマセノン、α−ダマスコン、β−ダマスコン、γ−ダマスコン、δ−ダマスコン、フェンコール、シス−4−ヘプテナール、イソブチルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、シス−ジャスモン、アニスアルデヒド、サリチル酸メチル、酢酸ミルテニル、2−フェニルエチルアルコール、イソ酪酸2−フェニルエチル、イソ吉草酸2−フェニルエチル、シンナムアルデヒド、アニス精油、スターアニス精油、ウインターグリーン精油、ティーツリー精油、チョウジ油、杜松実油、レモンオイル、オレンジオイル、グレープフルーツオイル、ライムオイル、シンナモンオイル、ダバナオイル、スプルースニードルオイル、フェンネルオイル、ガルバヌムオイル、ジンジャーオイル、カモミールオイル、キャラウェイオイル、ローズオイル、ゼラミウムオイル、セージオイル、タイムオイル、ヤローオイル、アンゲリカルートオイルなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
本発明のミント風味香料組成物は、必要に応じて、香気・香味組成物において通常使用されている香料保留剤の1種または2種以上を含有していてもよい。その場合の香料保留剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ヘキシルグリコール、ベンジルベンゾエート、トリエチルシトレート、ジエチルフタレート、ハーコリン、中鎖脂肪酸トリグリセライド、中鎖脂肪酸ジグリセライドなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を含有することができる。
また、本発明のミント風味香料組成物の全質量に対するミント系香料および6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン、3−メチル−2,4−ノナンジオンおよび4−エチルグアヤコールからなる群から選ばれる1種または2種以上の含有量は、ミント系香料と共に添加される他の香料、あるいは香料以外の成分の種類、ミント風味香料組成物の用途や使用目的などにより調整することができる。本発明のミント風味香料組成物が、ミント系香料および6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン、3−メチル−2,4−ノナンジオンおよび4−エチルグアヤコールからなる群から選ばれる1種または2種以上と共に他の成分を含有する場合は、ミント風味香料組成物の全質量に基づいて、ミント系香料を0.1〜99.9質量%、更には1〜99質量%、特に10〜90質量%、および他の成分を99.9〜0.1質量%、更には99〜1質量%、特に90〜10質量%の割合で含有することが、製品にミント様の香気・香味を良好に付与する上で好ましい。
本発明のミント風味香料組成物あるいはミント風味増強剤はそのまま飲食品に添加して使用することができるが、これらは油溶性であり、そのままでは水への分散性が悪いため、これらのミント風味香料組成物あるいはミント風味増強剤を水混和性有機溶媒に溶解した溶液、乳化製剤、粉末製剤などとし、それらを飲食品に配合する方法を採用することができる。
本発明のミント風味香料組成物あるいはミント風味増強剤を溶解するための水混和性有機溶媒としては、例えば、エタノール、メタノール、アセトン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、メチルエチルケトン、2−プロパノール、メチルエチルケトン、グリセリン、プロピレングリコールなどを例示することができる。これらのうち、飲食品への使用の観点から、エタノールまたはグリセリンが特に好ましい。
また、乳化製剤とするためには、本発明のミント風味香料組成物あるいはミント風味増強剤を乳化剤を用いて乳化することにより得ることができる。本発明のミント風味香料組成物あるいはミント風味増強剤の乳化方法としては特に制限されるものではなく、従来から飲食品などに用いられている各種の乳化剤、例えば、脂肪酸モノグリセリド、脂肪酸ジグリセリド、脂肪酸トリグリセリド、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、レシチン、化工でん粉、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリソルベート、キラヤ抽出物、アラビアガム、トラガントガム、グアーガム、カラヤガム、キサンタンガム、ペクチン、アルギン酸及びその塩類、カラギーナン、ゼラチン、カゼインなどを使用してホモミキサー、コロイドミル、回転円盤型ホモジナイザー、高圧ホモジナイザーなどを用いて乳化処理することにより安定性の優れた乳化液を得ることができる。これら乳化剤の使用量は厳密に制限されるものではなく、使用する乳化剤の種類などに応じて広い範囲にわたり変えることができるが、通常、本発明のミント風味香料組成物あるいはミント風味増強剤1質量部に対し、約0.01〜約100重量部、好ましくは約0.1〜約50重量部の範囲内が適当である。また、乳化を安定させるため、かかる水溶性溶液は水の他に、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、マルチトール、ショ糖、グルコース、トレハロース、糖液、還元水飴などの多価アルコール類の1種または2種以上の混合物を配合することができる。
また、かくして得られた乳化液は、所望により乾燥することにより粉末製剤とすることができる。粉末化に際して、さらに必要に応じて、トレハロース、デキストリン、砂糖、乳糖、ブドウ糖、水飴、還元水飴などの糖類を適宜配合することもできる。これらの使用量は粉末製剤に望まれる特性などに応じて適宜選択することができる。
本発明のミント風味香料組成物あるいはミント風味増強剤によって香気・香味付けできる飲食品の例としては、果汁飲料類、果実酒類、リキュール類、炭酸飲料、清涼飲料、ドリンク剤類、乳飲料類の如き飲料類;アイスクリーム類、シャーベット類、アイスキャンディー類の如き冷菓類;ゼリー、プリンなどのデザート類;ケーキ、チョコレート、チューインガム、キャンディーなどの洋菓子類;羊羹などの和菓子類;ジャム類;ハーブティー類;タバコなどを例示することができる。
以下、実施例、比較例および参考例をあげて本発明の好ましい態様をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
市販ペパーミントオイルに、(E,Z,Z)−6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン(ユズノン:長谷川香料(株)の登録商標)のエタノール希釈液を表1に示した濃度となるように配合し、比較品1〜3および本発明品1〜8を得た。
Figure 0005738154

実施例2(ペパーミントオイル粉末香料の調製)
軟水1300gに化工デンプン300gおよびデキストリン400gを溶解した後、比較品1〜3および本発明品1〜8をそれぞれ300gずつ加え、ホモミキサーにて乳化粒子経0.5μm〜2μm程度に乳化を行い、O/Wエマルジョンを得た。このエマルジョンをモービルマイナー型スプレードライヤー(ニロジャパン社製)を使用して、熱風入り口温度150℃、排風温度80℃、アトマイザー回転数20000rpmにて噴霧乾燥を行い、表1に示した量のユズノンを配合したペパーミントオイルを30質量%含有する粉末香料をそれぞれ980gずつ得た。
実施例3(チューインガムへの賦香試験および官能評価:ミント様のハーブ感、ミント感、天然感、フレッシュ感の評価)
下記に示すチューインガム基材に、本発明品1〜8または比較品1〜3の粉末香料をそれぞれ添加し、高せん断型ミキサーを用いて常法により約50℃で混合し、冷却後ロールにかけて圧展成型し、1枚3gのミントチューインガム(ペパーミントオイル0.3%含有)を調製した。
チューインガム基材組成
原料 配合量(質量部)
チューインガムベース 25部
砂糖 54
ブドウ糖 8
コーンシロップ(Bx85) 11.4
グリセリン 0.6
本発明品または比較品の粉末香料 1
このミントチューインガムについて10名の専門パネリストにより官能評価を行った。10人の平均的な官能評価結果を表2に示す。
官能評価は、それぞれのミントチューインガムについて、よく訓練された10名のパネリストにて、ミントチューインガムの咀嚼中におけるミント風味におけるミント様のハーブ感、ミント感、天然感、フレッシュ感を下記基準により採点し、また、官能評価を記した。10名のパネリストの採点の平均点および平均的な官能評価結果を表2に示す。
ミント風味の採点基準:
コントロール(無配合):0点
コントロールと比べ、ごくわずかにミント様のハーブ感、ミント感が強い:2点
コントロールと比べ、わずかに、ミント様のハーブ感、ミント感が強い:4点
コントロールと比べ、やや、ミント様のハーブ感、ミント感が増強し、天然感、フレッシュ感が感じられる:6点
コントロールと比べ、ミント様のハーブ感、ミント感が増強され、天然感、フレッシュ感が強く感じられる:8点
コントロールと比べ、ミント様のハーブ感、ミント感が大幅に増強し、天然感、フレッシュ感が極めて強く感じられる:10点
コントロールと比べ、ややグリーンノート、果実様香気が強すぎ、バランスがやや悪い:−2点
コントロールと比べ、グリーンノート、果実様香気が強すぎ、バランスが悪い:−4点
Figure 0005738154
表2に示したとおり、ペパーミントオイルにユズノンを0.01ppm(1×10−8質量部)〜10000ppm(1×10−2質量部)の濃度範囲で配合した場合には、ミントチューインガムにミント様のハーブ感が付与され、ミント感が増強された。また、ユズノンのペパーミントオイルに対する配合濃度が、0.01ppmでは、賦香したミントチューインガムは、ごくわずかにミント様のハーブ感、ミント感が増強される程度であるが、配合濃度の増加と共に、ミント様のハーブ感、ミント感の増強効果が高まり、さらに天然感、フレッシュ感が良好に感じられることが確認された。しかしながら、10000ppmの配合ではミント様のハーブ感、ミント感は強く感じられるが、ややユズノン特有のグリーンノート、果実様香気が強すぎるとの評価であった。また、さらに配合量を増やし、50000ppmではユズノン特有のグリーンノート、果実様香気が強すぎてバランスが悪くなるという結果であった。
以上より、ペパーミントオイル1質量部に対してユズノンの配合量が0.01ppm(1×10−8質量部)〜10000ppm(1×10−2質量部)の範囲であれば、ペパーミントオイルに良好なミント様のハーブ感が付与され、本発明のミント風味香料組成物を添加したミントチューインガムのミント感が増強できることが判明した。
実施例4
市販ペパーミントオイルに、3−メチル−2,4−ノナンジオンのエタノール希釈液を表3に示した濃度となるように配合し、比較品4〜6および本発明品9〜16を得た。
Figure 0005738154
実施例5(ペパーミントオイル粉末香料の調製)
実施例2と同様の製法にて、比較品4〜6および本発明品9〜16を粉末香料とし、表3に示した量の3−メチル−2,4−ノナンジオンを配合したペパーミントオイルを30質量%含有する粉末香料をそれぞれ980gずつ得た。
実施例6(チューインガムへの賦香試験および官能評価:ミント様のリーフ感、ミント感、天然感、フレッシュ感の評価)
比較品4〜6および本発明品9〜16を粉末香料としたものを用いて、実施例3と同様の組成および製法で、1枚3gのミントチューインガム(ペパーミントオイル0.3%含有)を調製した。
このミントチューインガムについて10名の専門パネリストにより官能評価を行った。10人の平均的な官能評価結果を表4に示す。
官能評価は、それぞれのミントチューインガムについて、よく訓練された10名のパネリストにて、チューインガムの咀嚼中におけるミント風味におけるミント様のリーフ感、ミント感、天然感、フレッシュ感を下記基準により採点し、また、官能評価を記した。10名のパネリストの採点の平均点および平均的な官能評価結果を表4に示す。
ミント風味の採点基準:
コントロール(無配合):0点
コントロールと比べ、ごくわずかにミント様のリーフ感、ミント感が強い:2点
コントロールと比べ、わずかに、ミント様のリーフ感、ミント感が強い:4点
コントロールと比べ、やや、ミント様のリーフ感、ミント感が増強し、天然感、フレッシュ感が感じられる:6点
コントロールと比べ、ミント様のリーフ感、ミント感が増強され、天然感、フレッシュ感が強く感じられる:8点
コントロールと比べ、ミント様のリーフ感、ミント感が大幅に増強し、天然感、フレッシュ感が極めて強く感じられる:10点
コントロールと比べ、ややグリーンノート、緑茶様香気が強すぎ、バランスがやや悪い:−2点
コントロールと比べ、グリーンノート、緑茶様香気が強すぎ、バランスが悪い:−4点
Figure 0005738154
表4に示したとおり、ペパーミントオイルに3−メチル−2,4−ノナンジオンを0.001ppm(1×10−9量部)〜1000ppm(1×10−3質量部)の濃度範囲で配合した場合は、ミントチューインガムにミント様のリーフ感が付与され、ミント感が増強された。また、3−メチル−2,4−ノナンジオンをペパーミントオイルに対する配合濃度が、0.001ppmではごくわずかにミント様のリーフ感、ミント感が増強される程度であるが、配合濃度の増加と共に、ミント様のリーフ感、ミント感の増強効果が高まり、さらに天然感、フレッシュ感が良好に感じられることが確認された。しかしながら、1000ppmの配合ではミント様のリーフ感、ミント感は強く感じられるが、やや3−メチル−2,4−ノナンジオン特有のグリーンノート、緑茶様香気が強すぎるという評価であった。また、さらに配合量を増やし、5000ppmでは3−メチル−2,4−ノナンジオン特有のグリーンノート、緑茶様香気が強すぎてバランスが悪くなるという結果であった。
以上より、ペパーミントオイル1質量部に対して3−メチル−2,4−ノナンジオンの配合量が0.001ppm(1×10−9質量部)〜1000ppm(1×10−3質量部)の範囲であれば、ペパーミントオイルに良好なミント様のリーフ感が付与され、本発明のミント風味香料組成物を添加したミントチューインガムのミント感が増強できることが判明した。
実施例7
市販ペパーミントオイルに、4−エチルグアヤコールのエタノール希釈液を表5に示した濃度となるように配合し、比較品7〜9および本発明品17〜24を得た。
Figure 0005738154
実施例8(ペパーミントオイル粉末香料の調製)
実施例2と同様の製法にて、比較品7〜9および本発明品17〜24を粉末香料とし、表5に示した量の4−エチルグアヤコールを配合したペパーミントオイルを30質量%含有する粉末香料をそれぞれ980gずつ得た。
実施例9(チューインガムへの賦香試験および官能評価:ミント様の甘いボディ感、ミント感、天然感、フレッシュ感の評価)
実施例3と同様の組成および製法で、1枚3gのミントチューインガム(ペパーミントオイル0.3%含有)を調製した。
このミントチューインガムについて10名の専門パネリストにより官能評価を行った。10人の平均的な官能評価結果を表6に示す。
官能評価は、それぞれのミントチューインガムについて、よく訓練された10名のパネリストにて、チューインガムの咀嚼中におけるミント風味におけるミント様の甘いボディ感、リーフ感、ミント感、天然感、フレッシュ感を下記基準により採点し、また、官能評価を記した。10名のパネリストの採点の平均点および平均的な官能評価結果を表6に示す。
ミント風味の採点基準:
コントロール(無配合):0点
コントロールと比べ、ごくわずかにミント様の甘いボディ感、ミント感が強い:2点
コントロールと比べ、わずかに、ミント様の甘いボディ感、ミント感が強い:4点
コントロールと比べ、やや、ミント様の甘いボディ感、ミント感が増強し、天然感、フレッシュ感が感じられる:6点
コントロールと比べ、ミント様の甘いボディ感、ミント感が増強され、天然感、フレッシュ感が強く感じられる:8点
コントロールと比べ、ミント様の甘いボディ感、ミント感が大幅に増強し、天然感、フレッシュ感が極めて強く感じられる:10点
コントロールと比べ、ややスパイシーノート、薬品様香気が強すぎ、バランスがやや悪い:−2点
コントロールと比べ、スパイシーノート、薬品様香気が強すぎ、バランスが悪い:−4点
Figure 0005738154
表6に示したとおり、ペパーミントオイルに4−エチルグアヤコールを0.001ppm(1×10−9量部)〜1000ppm(1×10−3質量部)の濃度範囲で配合した場合は、ペパーミントオイルにミント様の甘いボディ感が付与され、ミント感が増強された。また、4−エチルグアヤコールをペパーミントオイルに対する配合濃度が、0.001ppmではごくわずかにミント様の甘いボディ感、ミント感が増強される程度であるが、配合濃度の増加と共に、ミント様の甘いボディ感、ミント感の増強効果が高まり、さらに天然感、フレッシュ感が良好に感じられることが確認された。しかしながら、1000ppmの配合ではミント様の甘いボディ感、ミント感は強く感じられるが、やや4−エチルグアヤコール特有のスパイシーノート、薬品様香気が強すぎるという評価であった。また、さらに配合量を増やし、5000ppmでは4−エチルグアヤコール特有のスパイシーノート、薬品様香気が強すぎてバランスが悪くなるという結果であった。
以上より、ペパーミントオイル1質量部に対して4−エチルグアヤコールの配合量が0.001ppm(1×10−9質量部)〜1000ppm(1×10−3質量部)の範囲であれば、ペパーミントオイルに良好なミント様の甘いボディ感を付与し、本発明のミント風味香料組成物を添加したミントチューインガムのミント感が増強できることが判明した。
参考例1
下記処方にて、ミント系香料、その他の成分および溶剤からなる調合香料組成物を調製し、参考品1とした。
配 合 成 分 配合量(質量部)
ミント系香料:
ペパーミントオイル 20
スペアミントオイル 10
薄荷白油 10
l−メントール 30
l−カルボン 12.5
ユーカリプタスオイル 5
その他の成分:
アネトール 1
レモンオイル 0.5
シナモンオイル 0.5
ガルバナムオイル 0.2
シス−3−ヘキセノール 0.1
1,3,5−ウンデカトリエン 0.1
β−ダマセノン 0.1
溶剤:
エタノール 10
合計 100(このうちミント系香料87.5)
実施例10
参考品1に本発明のミント風味増強剤である、6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン(ユズノン:長谷川香料(株)の登録商標)を87.5ppm(ミント系香料に対し100ppm)、3−メチル−2,4−ノナンジオンを8.75ppm(ミント系香料に対し10ppm)および4−エチルグアヤコールを8.75ppm(ミント系香料に対し10ppm)配合し、本発明のミント風味香料組成物(本発明品25)を得た。
参考品1および本発明品25をそれぞれ実施例2と同様の製法にて、粉末香料とした。得られた粉末香料を用いて、実施例3と同様の方法にて、実施例3と同様の組成および製法で、1枚3gのミントチューインガム(調合香料組成物0.3%含有)を調製した。
このチューインガムについて10名の専門パネリストにより官能評価を行った。その結果、10名が10名とも本発明品25を添加したチューインガムの方が参考品1を添加したチューインガムと比較して、ミントの香気、香味の拡散性、強さ、インパクトが増強されており、香気・香味の持続性においても優れており、また、格段に優れた天然感があるとして、おいしいと評価した。
実施例11
市販ミントリキュール(比較品10とする)に本発明のミント感増強剤として(E,Z,Z)−6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン(ユズノン:長谷川香料(株)の登録商標)のエタノール希釈液をユズノンとして30ppbとなるように配合したもの(本発明品26)、3−メチル−2,4−ノナンジオンを3ppbとなるように配合したもの(本発明品27)、および、4−エチルグアヤコールを3ppbとなるように配合したもの(本発明品28)を調製した。
ミントムースの調製
水150gにゼラチン50gを加え、約60分間放置した。これとは別に、卵黄200g(約10個分)と上白糖30gを良く攪拌混合した。これとはまた別に、牛乳450mlと生のペパーミント葉50gを混合し、ミキサーを用いて液中粉砕し、さらし布にて不溶解物を除去した後、分離液を徐々に加熱し、95℃に達温した時点で、先に調製した卵黄と上白糖の混合物を攪拌しながら混合し、90℃にて5分間攪拌加熱を続けた。加熱を止めた後、水で湿潤したゼラチンを添加し、良く溶解し、20℃まで冷却したところで、7分目に泡立てた生クリーム1250mlと比較品10または本発明品26〜28のいずれかのミントリキュール15mlを加え、良く混合した。容器に少量(約100ml)ずつ小分けし、5℃冷蔵庫で約2時間冷却し、比較品10または本発明品26〜28のいずれかのミントリキュールを添加したミントムースを調製した。
これらのミントムースについて10名の専門パネリストにより官能評価を行った。その平均的な官能評価結果を表7に示す。
Figure 0005738154
表7に示した通り、10名のパネリストのほぼ全員が本発明のミント風味増強剤を添加したミントムースの方がコントロールと比較して、ミントの香気、香味の拡散性、強さ、インパクトが増強されており、香気・香味の持続性においても優れており、また、格段に優れた天然感があるとして、おいしいと評価した。

Claims (2)

  1. ペパーミントオイル、和種薄荷油、スペアミントオイル、ユーカリプタスオイル、メントール、メントン、イソメントン、カルボン、イソプレゴール、1,8−シネオールからなる群から選ばれる1種または2種以上からなるミント系香料に対し、6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン、3−メチル−2,4−ノナンジオンおよび4−エチルグアヤコールからなる群から選ばれる1種または2種以上を配合することを特徴とするミント系香料のミント風味の増強方法。
  2. ミント系香料1質量部に対する、6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン、3−メチル−2,4−ノナンジオンおよび4−エチルグアヤコールからなる群から選ばれる1種または2種以上の配合量が、6,8,10−ウンデカトリエン−3−オン1×10−8〜1×10−2質量部、3−メチル−2,4−ノナンジオン1×10−9〜1×10−3質量部および4−エチルグアヤコール1×10−9〜1×10−3質量部の範囲内であることを特徴とする、請求項に記載のミント系香料のミント風味の増強方法。
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