JP7466997B2 - 刺しゅう装置 - Google Patents
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Description
この種の刺しゅう縫いと通常縫いとを切替え可能なミシンに装着する刺しゅう装置は、通常縫いの際に、ミシンから刺しゅう装置を取外すか、または、刺しゅう装置から刺しゅう枠を装着するキャリッジ部を取外す必要がある。
さらに、特許文献1記載の刺しゅう装置と同様に、非係合板81の左端部には下向きの当接ピン85が固着され、当接ピン85は、装置本体部31に左右方向向きに形成された直線状スリット31a内を係合板材80と共に左右方向に移動可能であるために、装置本体部31を通常縫いの補助テーブルとして使用する際に、縫製する布が直線状スリット31aに入り込み、引っかかるおそれがあるという問題もあった。
さらに、昇降機構の別の実施形態として、前記昇降機構は、前記第2移動機構に回動自在に支持され、正転または逆転することにより前記第1移動機構を昇降する昇降軸を備えることを特徴とする構成を採用し、また、前記昇降機構は、前記第2移動機構に設けられ、前記昇降軸を回動する駆動部と、前記第1移動機構を前記昇降軸によって昇降自在に支持する第2支持台部と、を有することを特徴とする構成を採用する。
また、本発明の刺しゅう装置は、刺しゅう縫いから通常縫いへの切替える際に、第1移動機構を装置本体部の上面から装置本体部外方へ自動的に退避した後、第1移動機構の上面を装置本体部の上面と面一にすることにより、装置本体部の上面とともに、第1移動機構の上面を補助テーブルとして活用できる。
以下の説明では、図1の斜視図でみて、縦方向を「上下」、左下から右上方向を「左右」、右下から左上方向を「前後」とし、さらに、左右方向を「X方向」、前後方向を「Y方向」ということもある。
装置本体部Cは、上面8aを補助テーブルとする外装カバー8を備え、外装カバー8には、ミシン本体Aのベッド部1の外側面と嵌合する形状に切欠いた切欠き凹部8bと、正面および背面の左方に水平方向のスリット部8cとが形成されている。
さらに、Xプーリ取付板19は、第2駆動ベルト17の緊張具合を調節するために設けている。
さらに、Yプーリ取付板39は、Y駆動ベルト37の緊張具合を調節するために設けている。
第1昇降モータ53は、ウォームギア55の回動によりウォームホイール56を減速回動すると、ウォームホイール56に固定した昇降駆動軸54が回動し、駆動台59は、昇降駆動軸54の回動方向に応じた方向へスラスト移動し、駆動台59に固定した第1Yキャリッジ台52も同様に、第3ガイドレール51上をスラスト移動する。
さらに、Yキャリッジベース板31の後部寄り下面には、後述する装置本体部Cのガイド溝67に沿って摺動するガイド部材62を固定している。
さらに、Yキャリッジ支え63の内側下部には、突き当て部材66を固定している。
しかしながら、キャリッジ部Dは、刺しゅう中に縫いずれなく縫うために、所定の位置で確実に固定しなければならない。このため、図7(b)に詳しく示すように、キャリッジ部Dが刺しゅう縫いの際に、上昇して装置本体部Cの上面にある時は、Yキャリッジ支え63の揺動を規制する部材として突き当て部材66を設けている。
まず、刺しゅう縫いを開始する場合の刺しゅう装置Bについて説明すると、図9(a)に示すように、キャリッジ部Dは、装置本体部Cの上面8aにおける刺しゅう縫いを開始するHP位置にあり、図2および3に示すように、X方向移動機構10の第1Xキャリッジ案内13は、昇降機構50によってキャリッジ部Dを支持している。
なお、刺しゅう装置Bによって刺しゅう縫いを開始するには、作業者は、布を保持した刺しゅう枠(図示せず)を刺しゅう枠保持部34に装着する必要がある。
刺しゅう縫いが終了すると、キャリッジ部Dは、図8に示すように、下面に固定されたガイド部材62が装置本体部C上面に形成されたガイド溝67に嵌合して図9(a)に示すHP位置に自動的に復帰するので、作業者は、Y方向移動機構30の刺しゅう枠保持部34から刺しゅう済みの布が保持された刺しゅう枠を取外す。
その後、作業者は、ミシン本体Aの表示装置6に表示された通常縫いへの切替えキーをタッチすると、ミシン本体Aの制御装置は、切替えキーからの通常縫い切替え要求を受けることにより、刺しゅう装置Bに退避指令を発する。
図10(d)に示すように、Yキャリッジ案内33が移動すると、Yキャリッジ案内33に取付けたYセンサ遮蔽板40は、Yキャリッジベース板31に設けた退避位置検知用の第2Yセンサ42を遮蔽することにより、Y駆動モータ35は、Yキャリッジ案内33の後方への移動を停止し、図8に示すように、キャリッジ部Dは、刺しゅう枠保持部34を装置本体部Cよりも外側の退避位置に保持する。
図10(b)に示すように、第1Xキャリッジ案内13が移動すると、第1Xキャリッジ案内13に取付けたXセンサ遮蔽板20は、ベース台板11に設けた退避位置検知用の第2Xセンサ22を遮蔽することにより、X駆動モータ14は、第1Xキャリッジ案内13の左方への移動を停止し、図9(b)に示すように、装置本体部Cは、昇降機構50によりキャリッジ部Dを装置本体部Cよりも外方の退避位置に保持する。
すると、第1Yキャリッジ台52は、第1Xキャリッジ案内13に支点軸64によって第1端部63aを回動自在に接続するYキャリッジ支え63の第2端部63bが枢支軸65を回動自在に接続しているので、第1Yキャリッジ台52がキャリッジ部Dの両端方向に向けて移動すると、Yキャリッジ支え63は、それぞれの第1端部63aを支点として第2端部63bの間隔を拡げることにより、キャリッジ部Dがガイド部材62を装置本体部Cの左側面に形成されたガイド溝67に沿って下降を開始する。
この状態で通常縫いを行う場合、作業者は、ミシン本体Aのベッド部1とともに、装置本体部Cの外装カバー8の上面8aと、キャリッジ部Dのキャリッジカバー29の上面とを補助テーブルとして使用できる。
通常縫いから刺しゅう縫いに復帰するには、ミシン本体Aの表示装置6に表示された刺しゅう縫いへの切替えキーをタッチすると、ミシン本体Aの制御装置は、切替えキーからの刺しゅう縫い切替え要求を受けることにより、刺しゅう装置BにHP復帰指令を発する。
すると、第1Yキャリッジ台52は、第1Xキャリッジ案内13に支点軸64によって第1端部63aを回動自在に接続するYキャリッジ支え63の第2端部63bが枢支軸65を回動自在に接続しているので、第1Yキャリッジ台52がキャリッジ部Dの中央方向に向けて移動すると、Yキャリッジ支え63は、それぞれの第1端部63aを支点として第2端部63bの間隔を狭めることにより、キャリッジ部Dは、ガイド部材62を装置本体部Cのガイド溝67に沿って上昇を開始する。
図10(c)に示すように、Yキャリッジ案内33が移動すると、Yキャリッジ案内33に取付けたYセンサ遮蔽板40は、Yキャリッジベース板31に設けたHP位置検知用の第1Yセンサ41を遮蔽することにより、Y駆動モータ35は、Yキャリッジ案内33の前方への移動を停止し、キャリッジ部Dは、刺しゅう枠保持部34をHP位置に保持する。
図10(a)に示すように、第1Xキャリッジ案内13が移動すると、第1Xキャリッジ案内13に取付けたXセンサ遮蔽板20は、ベース台板11に設けたHP位置検知用の第1Xセンサ21を遮蔽することにより、X駆動モータ14は、第1Xキャリッジ案内13の右方への移動を停止し、図9(a)に示すように、装置本体部Cは、昇降機構50によりキャリッジ部DをHP位置に保持する。
なお、昇降機構50は、第1昇降モータ53と昇降駆動軸54との接続を一般的な平歯車などとしても、昇降駆動軸54の停止時に第1昇降モータ53を励磁しておけばキャリッジ部Dが荷重により下降するのを防止できるが、本実施例のように、第1昇降モータ53と昇降駆動軸54との接続をウォームギア55とウォームホイール56とし、セルフロックが働くようにしたことにより、勝手に昇降駆動軸54が回動することを阻止できるので、昇降駆動軸54の停止時に、第1昇降モータ53を励磁する必要がない。
本実施例については、第1実施例と同一の構成部分には同一の符号を付して図示することで詳しい説明を省略し、相違点を中心に説明する。
また、第2Xキャリッジ案内23には、Xセンサ遮蔽板20を取付け、Xセンサ遮蔽板20の移動方向に沿ってベース台板11上に、HP位置検知用の第1Xセンサ21と、退避位置検知用の第2Xセンサ22とを設けている。
また、Yキャリッジ案内33には、Yセンサ遮蔽板40を取付けられ、Yセンサ遮蔽板40の移動方向に沿ってYキャリッジベース板31上に、HP位置検知用の第1Yセンサ41と、退避位置検知用の第2Yセンサ42とを設けている。
図12および13に示すように、第2Yキャリッジ台71には、カムコロ74を回動自在に遊嵌したカシメ軸75aを固定したカム取付け板75が接続され、昇降軸72は、スパイラル溝72aにカムコロ74が嵌合し、昇降軸72が回動すると、嵌合するカムコロ74がスパイラル溝72aに沿って摺動することにより、カムコロ74がカム取付け板75によって接続された第2Yキャリッジ台71も昇降する。
このため、駆動ギア76は、外部動力と結合していない場合に、昇降軸72が第2Yキャリッジ台71の荷重によって回動しないように、駆動ギア76と係合するストッパ部材77を設け、ストッパ部材77は、爪部77aと離脱片77bとを備え、第2Xキャリッジ案内23のストッパ軸受け26に回動自在に支持され、ストッパ部材77とばね掛け27との間を連結する付勢ばね78によりストッパ部材77の爪部77aを駆動ギア76と係合する方向に付勢している。
なお、ベース台板11には、ストッパ部材77の移動する経路上に離脱片当接部28が立設されている。
昇降ギア79は、揺動ばね82によって駆動ギア76と噛み合う方向に付勢された揺動板83に取付けられ、駆動ギア76と昇降ギア79との噛み合い時に、歯先同士が衝突して破損するのを防止している。
なお、図15に示すように、昇降ギア79、揺動ばね82および揺動板83等の昇降軸72の駆動関係の部材は、概ねベース台板11上に前後対称に配置されている。
刺しゅう縫いの際には、刺しゅう装置Baは、キャリッジ部Dが昇降機構70によって装置本体部Cの上部に保持されており、昇降軸72が不用意に回動してキャリッジ部Dが下降しないように、駆動ギア76は、付勢ばね78の付勢力によりストッパ部材77の爪部77aと係合し、昇降軸72の回動を阻止している。
刺しゅう縫いが終了すると、キャリッジ部Dは、図11に示すHP位置に自動的に復帰するので、Y方向移動機構30の刺しゅう枠保持部34から刺しゅう枠を取外した後、第1実施例と同様に、ミシン本体Aの表示装置6に表示された通常縫いへの切替えキーをタッチすると、ミシン本体Aの制御装置は、切替えキーからの通常縫い切替え要求を受けることにより、刺しゅう装置Baに退避指令を発する。
昇降軸72が回動すると、昇降軸72のスパイラル溝72aに嵌合するカムコロ74は、スパイラル溝72aに沿って下降し、カムコロ74に追随して第2Yキャリッジ台71は、下降を開始する。
なお、本実施例では、昇降機構70は、昇降軸72の駆動ギア76と係合するストッパ部材77を設けたことにより、勝手に昇降軸72が回動することを阻止できるとともに、昇降軸72に形成されたスパイラル溝72aの最上死点と最下死点とを水平溝としたことと相まって、昇降軸72の駆動ギア76が外部動力と結合していない時に、キャリッジ部Dが荷重により下降することがない。
B、Ba 刺しゅう装置
C 装置本体部
D キャリッジ部(第1移動機構)
1 ベッド部
2 脚柱部
3 アーム部
4 ヘッド部
5 針板
6 表示装置
8 外装カバー
8a 上面
8b 切欠き凹部
8c スリット部
10 X方向移動機構(第2移動機構)
11 ベース台板
12 第1ガイドレール
13 第1Xキャリッジ案内
13a 支点軸受け
13b フラット面
14 X駆動モータ
15 Xアイドラープーリ
16 第1駆動ベルト
17 第2駆動ベルト
18 Xベルト固定台
19 Xプーリ取付板
20 Xセンサ遮蔽板
21 第1Xセンサ
22 第2Xセンサ
23 第2Xキャリッジ案内
24 昇降軸受け
25 案内軸固定部
26 ストッパ軸受け
27 ばね掛け
28 離脱片当接部
29 キャリッジカバー
30 Y方向移動機構(第1移動機構)
31 Yキャリッジベース板
31a 起立板部
32 第2ガイドレール
33 Yキャリッジ案内
34 刺しゅう枠保持部
35 Y駆動モータ
36 Yアイドラープーリ
37 Y駆動ベルト
38 Yベルト固定台
39 Yプーリ取付板
40 Yセンサ遮蔽板
41 第1Yセンサ
42 第2Yセンサ
50、70 昇降機構
51 第3ガイドレール
52 第1Yキャリッジ台(第1支持台部)
52a 枢支軸受け
53 第1昇降モータ
54 昇降駆動軸
54a 雄ねじ部
55 ウォームギア
56 ウォームホイール
57 駆動軸支え
58 ブッシュ
59 駆動台
60、84 昇降センサ遮蔽板
61、85 昇降センサ
62 ガイド部材
63 Yキャリッジ支え(ヒンジ腕)
63a 支点嵌合部(第1端部)
63b 枢支嵌合部(第2端部)
64 支点軸
65 枢支軸
66 突き当て部材
67 ガイド溝
71 第2Yキャリッジ台(第2支持台部)
71a 第1貫通孔
71b 第2貫通孔
72 昇降軸
72a スパイラル溝
73 案内軸
74 カムコロ
75 カム取付け板
75a カシメ軸
76 駆動ギア
77 ストッパ部材
77a 爪部
77b 離脱片
78 付勢ばね
79 昇降ギア
80 第2昇降モータ(駆動部)
81 昇降駆動ベルト
82 揺動ばね
83 揺動板
86 センサ取付け板
Claims (6)
- ミシンのベッド部に着脱する装置本体部と、
刺しゅう枠が装着される刺しゅう枠保持部を第1方向に移動する第1移動機構と、
前記第1移動機構を前記装置本体部の上面に沿って、前記第1方向と直交する第2方向に移動する第2移動機構と、
前記第1移動機構を前記第2移動機構によって前記装置本体部の側面から支持し、前記第1移動機構を昇降する昇降機構と、を備え、
刺しゅう縫いから通常縫いへ切替える際に、前記昇降機構により前記第1移動機構を装置本体部の上面から装置本体部外方へ自動的に退避させることを特徴とする刺しゅう装置。 - 前記昇降機構は、前記第2移動機構に揺動自在に支持され、互いに拡縮することにより前記第1移動機構を水平に昇降する一対のヒンジ腕を備えることを特徴とする請求項1に記載の刺しゅう装置。
- 前記第1移動機構は、第1方向を軸方向として回動する昇降駆動軸と、前記昇降駆動軸の回動により前記第1方向に移動する第1支持台部と、を有し、
前記ヒンジ腕は、前記第2移動機構に支点軸で支持された第1端部と、前記第1支持台部に回動自在に連結された第2端部と、を有することを特徴とする請求項2に記載の刺しゅう装置。 - 前記昇降機構は、前記第2移動機構に回動自在に支持され、正転または逆転することにより前記第1移動機構を昇降する昇降軸を備えることを特徴とする請求項1に記載の刺しゅう装置。
- 前記昇降機構は、前記第2移動機構に設けられ、前記昇降軸を回動する駆動部と、前記第1移動機構を前記昇降軸によって昇降自在に支持する第2支持台部と、を有することを特徴とする請求項4に記載の刺しゅう装置。
- 退避指令を受けると、前記第1移動機構は、前記刺しゅう枠保持部を前記第1移動機構の端部まで移動することにより第1退避準備完了通知を発するとともに、前記第2移動機構は、前記第1移動機構を前記第2方向の装置本体部外方まで移動することにより第2退避準備完了通知を発し、
前記第1退避準備完了通知および第2退避準備完了通知を受けると、前記昇降機構は、前記第1移動機構の上面が前記装置本体部の上面と面一になるように下降することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の刺しゅう装置。
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