JP7454369B2 - 成形用アルミニウム合金箔およびその製造方法 - Google Patents

成形用アルミニウム合金箔およびその製造方法 Download PDF

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この発明は、成形加工に供される成形用アルミニウム合金箔およびその製造方法に関する。
主に深絞り加工で製造される食品や薬品の容器としてアルミニウム合金箔が用いられている。その場合アルミニウム箔には高い成形性に加え、深絞り加工で発生する凹凸である”耳”や、さらに機械的性質の異方性が小さいことが求められる。
例えば、特許文献1では、成分範囲を規定するとともに、結晶粒の粒径を規定し、さらに、Cube方位の面積率を規定することで成形性を高めるとしている。
また、特許文献2では、(111)面、(100)面、(110)面、および、(311)面のそれぞれを示す各回折強度の比率を規定する成形性を高めるとしている。
特開2018-115376号公報 特開2012-052158号公報
しかし、従来のアルミニウム合金箔では成形性が充分であるとは言えず、集合組織、特にCube方位の発達に伴う0-90°耳の発達により、成形時にしわが生じたり、結晶粒径が粗大かつ不均一な為に成形時に肌荒れが生じ、成形時に割れが生じたりしてしまう問題がある。
本発明は上記事情を背景とし、集合組織の発達を抑制し、機械的性質の異方性を低減させ、微細かつ均一な結晶粒組織をもったアルミニウム合金箔によって成形時のシワや割れの防止を目的としたものである。
すなわち、本発明の成形用アルミニウム合金箔のうち、第1の形態は、Si:0.2~1.2質量%、Fe:0.5~1.5質量%、Cu:0.05~0.20質量%、Mn:0.0020~0.010質量%を含有し、残部がAl及びその他の不可避不純物からなる組成を有し、集合組織としてCube方位密度8.0以下、Cu方位密度5.0以下、R方位密度5.0以下であり、且つこれら集合組織の最大方位密度と最小方位密度の差分が4.0以内であることを特徴とする。
第3の形態の成形用アルミニウム合金箔の発明は、前記形態の発明において、平均結晶粒径が25μm以下であり、且つ最大結晶粒径が40μm以下であることを特徴とする。
第4の形態の成形用アルミニウム合金箔の発明は、前記形態の発明において、圧延方向に対する0°、45°および90°方向の伸びにおいて、箔厚あたりの伸び率(伸び率/箔厚)の最大値と最小値の差分が0.1%/μm以下であることを特徴とする。
本発明の成形用アルミニウム合金箔の製造方法のうち、第1の形態は、前記各形態に記載のアルミニウム合金箔の製造方法であって、
前記形態の発明の組成を有するアルミニウム合金の鋳塊に480~540℃で4時間以上保持する均質化処理を行い、均質化処理後に圧延仕上がり温度が230~320℃となるように熱間圧延を行い、冷間圧延の途中で中間焼鈍を行い、熱間圧延後から中間焼鈍までの冷間圧延率を20~80%とし、さらに中間焼鈍後から最終製品までの冷間圧延率を75~99%とし、冷間圧延後に最終焼鈍を行い、前記最終焼鈍が、昇温速度が40℃/秒以上であり、保持が温度220~450℃且つ100秒以下で行われることを特徴とする。
以下に、本発明で規定する技術的事項について以下で説明する。
Si:0.2~1.2質量%
Siはアルミニウム箔の強度を若干向上させ、Al-Fe合金箔の集合組織発達を抑制し、耳率の低減にも有効な元素である。Si含有量が0.2%未満ではその効果に乏しく、1.2%を超えると材料強度が高くなり、またAl-Fe-Si系の粗大な金属間化合物が生成し成形性や箔圧延性の低下を招く。
なお、同様の理由により、Si含有量の下限は0.4%、上限は0.7%とするのが望ましい。
Fe:0.5~1.5質量%
Feはアルミニウム箔の強度を向上させることの出来る元素である。またAl-Fe系の第二相粒子が高密度に分布する事で、結晶粒が微細化し、成形性向上と深絞り時の肌荒れの抑制に効果がある。Fe含有量が0.5%未満ではそれらの効果に乏しく、1.5%を超えるとAl-Fe系の粗大な金属間化合物が生成し成形性の低下を招くだけでなく、集合組織の発達により機械的性質の異方性や耳率が大きくなる。
なお、同様の理由により、Fe含有量の下限は0.6%、上限は1.0%とするのが望ましい。
Cu:0.05~0.20質量%
Cuはアルミニウム箔の強度を大きく向上させ、また集合組織にも寄与し機械的性質の異方性と耳率に影響を及ぼす元素である。Cu含有量が0.05%未満ではCube方位密度が増加し機械的性質の異方性と耳率が大きくなる。Cu含有量が0.20%を超えると材料強度が高くなりすぎ成形性や箔圧延性が大きく低下する。
なお、同様の理由により、Cu含有量の下限は0.10%、上限は0.15%とするのが望ましい。
Mn:0.0020~0.010質量%
Mnはアルミニウム箔の強度を向上させ、且つアルミニウム箔の再結晶を強く阻害する元素であるので所望により含有させる。Mn含有量が0.0020%未満では冷間圧延中に回復・再結晶を起こしやすいAl-Fe合金において強度低下のリスクが高まり、また高純度のアルミニウム地金を使用する必要がある為製造コストが増加する。一方、Mn含有量が0.010%を超えると、材料強度が高くなり成形性や圧延性が低下する。
なお、同様の理由により、Mn含有量の下限は0.0025%、上限は0.005%とするのが望ましい。
なお、Mnを積極的に含有しない場合に、0.0020%未満でMnを不可避不純物として含有するものであってもよい。
Cube方位密度8.0以下、Cu方位密度5.0以下、R方位密度5.0以下、且つこれら集合組織の最大方位密度と最小方位密度の差分が4.0以下
集合組織の発達は機械的性質の異方性を増加させ、深絞り成形時の耳率の増加と、耳の発生に起因したシワの発生の要因となる。深絞り加工時に箔の圧延方向に対する0度と90度方向に生成する耳に寄与するCube方位密度、そして主に45度方向に生成する耳に寄与するCu方位とR方位密度を規定以下に制御し、且つこれら集合組織の最大方位密度と最小方位密度の差分(最大方位密度-最小方位密度)を4.0以下とする事で、耳率を小さくすることができ、機械的性質の異方性も小さいアルミニウム合金箔を得る事ができる。
平均結晶粒径が25μm以下、且つ最大結晶粒径が40μm以下
平均結晶粒径が25μmを超えると肌荒れによる成形時の割れのリスクが高まる。
平均結晶粒径は主に化学成分と製造工程の選択により変量することができる。Feは結晶粒を微細化する作用が強く、また中間焼鈍から最終厚みに至る冷間圧延率が高い程結晶粒は微細化される。また最終焼鈍の昇温速度がある一定以上であることも結晶粒の微細化には重要であり、粗大な結晶粒の生成を防ぎ、均一微細な結晶粒組織を得ることができる。これらの最適化により平均結晶粒径25μm以下、且つ最大結晶粒径40μm以下を達成する事が出来る。ただし結晶粒径はFeの存在状態や、中間焼鈍条件の影響も受ける為、同じFe添加量且つ同じ冷間圧延率であっても変化する事がある。
圧延方向に対する0°、45°および90°方向の伸びにおいて、箔厚あたりの伸び率の最大値と最小値の差分((最大伸び率/箔厚)-(最小伸び率/箔厚))が0.1以下
各方向の伸び率のバラツキが大きい場合、機械的性質の異方性が大きくなり、耳率の増加や成形時のシワ発生につながる。各方向全体において、箔厚あたりの伸び率の差分を0.1以下に制御することでこれらの問題発生を抑制出来る。
上記条件は、前記で記載したように、集合組織制御により達成することができる。
均質化処理工程:480~540℃で4時間以上保持する均質化処理
Feが析出しやすい温度で均質化処理を行う事で、Feの固溶量を低下させその後の製造工程におけるCube方位の発達を促す事が出来る。また1μm以上のAl-Fe系の第二相粒子の密度を増加させることで、結晶粒の微細化に繋がる。
均質化処理温度が480℃未満では、微細な第二相粒子が多く析出し、結晶粒微細化の効果に乏しい。均質化処理温度が540℃超えると固溶Fe量が多くなり、再結晶挙動が変化する事でCube方位密度が低下し、Cu方位密度、R方位密度が増加し易くなる。 上記理由により、均質化処理温度は、好ましくは500~520℃である。保持時間については4時間以上が好ましい。Feはアルミニウムマトリックス中で非常に拡散しにくい元素であり、4時間未満では均質化の効果が十分に得られない。上限は特に設けないが経済性の観点を考慮すると20時間以下が望ましい。
熱間圧延工程:圧延仕上がり温度が230~320℃
均質化処理後の鋳塊を熱間圧延する場合、その仕上がり温度が重要となる。320℃を超えると熱間圧延後に板の一部で再結晶を生じ、最終製品における理想的な集合組織が得にくくなる。またファイバー粒と再結晶粒が混在する不均一な組織は、最終製品における結晶粒組織の不均一さにも寄与し、成形性の低下を招く恐れがある。圧延仕上がり温度が230℃未満で仕上げるには熱間圧延中の温度も極めて低温となる為、板のサイドにクラックが発生し生産性が大幅に低下する懸念がある。
冷間圧延、中間焼鈍、最終冷間圧延
一般には冷間圧延を行う事で圧延集合組織と呼ばれるCu方位やS方位が発達し、中間焼鈍で再結晶を生じる事で再結晶集合組織であるCube方位が発達する事が知られている。冷間圧延率と中間焼鈍条件の制御は理想的な集合組織を得る上で極めて重要である。熱間圧延から中間焼鈍までの冷間圧延率は、中間焼鈍後の集合組織の発達を抑制する為、20~80%とする事が望ましい。前記冷間圧延率が80%を超えると、中間焼鈍後もCube方位が発達せず圧延集合組織が維持されてしまい、また前記冷間圧延率が20%未満では冷間圧延で導入されるひずみ量が低くなり、Cube方位の過度な発達や中間焼鈍時の再結晶粒の粗大化やサイズの不均一化を招く。
中間焼鈍では、工業的な中間焼鈍の方式としては、一般的に、コイルを炉に投入し一定時間保持するバッチ焼鈍(Batch Annealing、BATCH)と、連続焼鈍ライン(Continuous Annealing Line、 CAL)により材料を急加熱・急冷するCAL焼鈍との2種類の方式が知られている。
本発明では、中間焼鈍方法は特に限定しないが、Cube方位粒の成長を抑制する目的でCAL焼鈍が望ましい。バッチ焼鈍の場合は、好適には、温度300~400℃、CAL焼鈍の場合は420~470℃が選択できる。バッチ焼鈍において、焼鈍温度が300℃未満では再結晶が完了せず、400℃を超えると再結晶粒の粗大化やFe析出が不十分となる恐れがある。CAL焼鈍においても焼鈍温度が420℃未満では再結晶が完了せず、470℃を超えると固溶Fe量が多くなり、最終製品においてCu方位やR方位の発達が促進する恐れがある。中間焼鈍は複数回行うことも可能である。
中間焼鈍後から最終製品までの最終冷間圧延率は75~99%とする事で、理想的な集合組織と微細な結晶粒組織を得る事が出来る。最終冷間圧延率が75%未満では再結晶粒の粗大化、及びCube方位密度の増加を招き、99%を超えるとCu方位とR方位密度が増加する。
最終焼鈍
最終焼鈍は箔を軟化させ、成形性を向上させると共に再結晶により各結晶方位密度のバランスを取る目的で行われる。またこの最終焼鈍時の昇温速度が速いと冷間圧延によって蓄積されたひずみの回復を抑制出来る為、再結晶後の結晶粒径が均一微細となることから、最終焼鈍の条件は昇温速度が40℃/秒以上であり、保持が温度220~450℃且つ100秒以下で行われることが必要である。昇温速度が40℃/秒未満であると、再結晶粒径の粗大化を招く。温度が220℃未満では再結晶が完了せず、450℃を超えると固溶Fe量が多くなり、強度の上昇に伴う伸びの低下によって成形性が害される。時間は100秒を超えると生産性を阻害することから制限するのが望ましい。
本発明によれば、成形時の耳率の増加やシワの発生を抑えることができ、さらに成形高さの向上や割れの防止をする。さらには成形時のトリミング量を小さくして製品の歩留まりを向上させることができる効果がある。
本発明の一実施形態における製造工程のフロー図を示す。
以下、本発明の一実施形態の成形用アルミニウム合金箔およびその製造方法について説
明する。
本実施形態の成形用アルミニウム合金箔の材料となるアルミニウム合金の鋳塊は、常法により鋳造することができ、例えば本発明の組成の成分範囲となるように成分調整し、鋳造することにより得ることができる。
次いで、得られたアルミニウム合金の鋳塊に対して、図1に示すように、均質化処理以降を実施する。均質化処理は、例えば480~540℃×4時間以上の条件で行い、均質化処理後、熱間圧延を行う。
熱間圧延の条件は、例えば熱間仕上り温度として230~320℃の間に制御して行う。
上記熱間圧延では、アルミニウム合金板の仕上がり板厚を3~8mmにすることが好ましい。また、上記熱間圧延後、最初の中間焼鈍までの冷間圧延率が、20~80%となるように仕上がり板厚を設定するのが望ましい。
上記熱間圧延後、熱間圧延材に対し冷間圧延を行う。
また、冷間圧延の途中には、少なくとも1回の中間焼鈍を実施する。
中間焼鈍の焼鈍炉として連続焼鈍炉やバッチ炉を使用し、焼鈍条件としては、バッチ炉の場合は昇温速度25~50℃/時で昇温し、300~400℃で3時間以上保持後、冷却速度20~40℃/時で冷却を実施することが望ましく、また連続焼鈍炉の場合は、昇温速度50~300℃/秒で昇温し、420~470℃で1~5秒の保持後、冷却速度20~200℃/秒にて冷却を実施することが望ましい。
冷間圧延途中で中間焼鈍を行う場合、冷間圧延は熱間圧延仕上がり後、最初の中間焼鈍前までの冷間圧延率が20~80%になるように行うのが望ましく、最終の中間焼鈍後、最終板厚に至るまでの最終冷間圧延率を75~99%とする。なお、いずれの冷間圧延率も、冷間圧延前の板厚を基準にしている。
上記冷間圧延により、例えば、40~200μm板厚の成形用アルミニウム合金箔を得る。なお、本発明としては、成形用アルミニウム合金箔の板厚が特定のものに限定されるものではない。
冷間圧延終了後には、最終焼鈍を行うのが望ましい。最終焼鈍の条件は、例えば昇温速度40℃/秒以上で、保持を220~450℃×100秒以下で行なうことが望ましい。また保持終了後の冷却については特に限定されないが、冷却速度を30~300℃/秒などの条件で行うことができる。最終焼鈍で速い昇温速度を得る為には従来のバッチ焼鈍では困難であり、例えばアルミニウム合金箔へのIR照射や過熱蒸気の噴射、高温のヒートロールにアルミニウム合金箔を接触させる方法などがある。本特許では加熱方式として過熱蒸気、ヒートロール及びIRを用いて供試材を作製し、種々の特性を評価した。
以上では、成形用アルミニウム合金箔の製造方法について説明したが、本発明としては成形用アルミニウム合金箔の製造方法が上記工程に限定されるものではない。
本発明の成形用アルミニウム合金箔は、その化学成分と集合組織の最適化により機械的性質の異方性が極めて小さいアルミニウム合金箔を得ることができる。
上記成形用アルミニウム合金箔は、深絞りや張出しなどの成形に供することができ、耳やシワの発生を抑えた成形を行うことができる。
例えば食品等の包装や電池の外装に用いることができる。この場合はアルミニウム箔の表面に樹脂を貼り合せ複合材でも使用される事がある。
次に、本発明について、比較例と比較しつつ実施例を説明する。
表1に示す組成(残部がAlと不可避不純物)の合金を溶製し、表1に示す条件で、均質化処理、熱間圧延、冷間圧延、中間焼鈍、最終焼鈍を行い供試材を得た。
Figure 0007454369000001
得られた供試材について、以下の項目についてそれぞれ評価を行い、評価結果を表2に示した。
結晶方位密度
Cube方位は{001}<100>、Cu方位は{112}<111>、R方位は{123}<634>を代表方位とした。それぞれの方位密度はX線回折法において、{111}、{200}、{220}の不完全極点図を測定し、その結果を用いて3次元方位分布関数(ODF;Orientation Distribution Function)を計算し、各結晶方位密度の評価を行った。
また得られたCube方位、Cu方位、R方位の方位密度の内、最大のものと最小のものの差分を計算し、評価を実施した。
平均結晶粒径と最大結晶粒径
最終焼鈍後のアルミニウム箔の供試材表面を20容量%過塩素酸+80容量%エタノール混合溶液を用い、電圧20Vで電解研磨を行った後、バーカー氏液中にて電圧30Vの条件で陽極酸化処理した。処理後の供試材について、光学顕微鏡にて300μm×300μmの範囲の結晶粒を観察した。撮影した写真から切断法により平均結晶粒径を算出した。また切断法計測時の最大の結晶組織の粒径を最大結晶粒径とした。
伸び率
伸び率は引張試験にて測定した。圧延方向に対し0°、45°、90°の各方向のJIS5号試験片を採取し、万能引張試験機(島津製作所社製 AGS-X 10kN)で引張り速度5mm/min.にて試験を行った。得られた伸び率を用い、(伸び率(%)/箔厚(μm))の計算によって箔厚あたりの伸び率を求めた。箔厚あたりの伸び率が0.1以下であれば異方性が小さく、成形性に問題はないが、それ以上の場合は異方性によって成形性が害される為、不可判定とした。
成形性の評価
絞り比1.75にて深絞りを行い、耳率の測定と成形カップのフランジ部にシワが生じているか否かについて評価を実施した。なおシワの判定については実体顕微鏡を用い、5mm幅のフランジ部に生じているシワを観察し、シワの長さが2mm未満であれば問題ないとし、2mm以上の場合は不可判定とした。
また耳率の測定は成形カップ全周の凹凸形状測定を行った後下記の式にて耳率を算出した。
耳率={山の平均高さ-谷の平均高さ}/{(山の平均高さ+谷の平均高さ)/2}×100(%)
耳率3%以上の場合はフランジの形状に耳が顕著となる為不可判定とした。
Figure 0007454369000002
以上本発明について、上記実施形態および実施例に基づいて説明を行ったが、本発明の
技術的範囲は上記説明の内容に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限り
は、上記実施形態に対する適宜の変更が可能である。

Claims (4)

  1. Si:0.2~1.2質量%、Fe:0.5~1.5質量%、Cu:0.05~0.20質量%、Mn:0.0020~0.010質量%を含有し、残部がAl及びその他の不可避不純物からなる組成を有し、集合組織としてCube方位密度8.0以下、Cu方位密度5.0以下、R方位密度5.0以下であり、且つこれら集合組織の最大方位密度と最小方位密度の差分が4.0以下であることを特徴とする成形用アルミニウム合金箔。
  2. 平均結晶粒径が25μm以下であり、且つ最大結晶粒径が40μm以下であることを特徴とする請求項に記載の成形用アルミニウム合金箔。
  3. 圧延方向に対する0°、45°および90°方向の伸びにおいて、箔厚あたりの伸び率(伸び率/箔厚)の最大値と最小値の差分が0.1%/μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の成形用アルミニウム合金箔。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載のアルミニウム合金箔の製造方法であって、
    請求項に記載の組成を有するアルミニウム合金の鋳塊に480~540℃で4時間以上保持する均質化処理を行い、均質化処理後に圧延仕上がり温度が230~320℃となるように熱間圧延を行い、冷間圧延の途中で中間焼鈍を行い、熱間圧延後から中間焼鈍までの冷間圧延率を20~80%とし、さらに中間焼鈍後から最終製品までの冷間圧延率を75~99%とし、冷間圧延後に最終焼鈍を行い、前記最終焼鈍が、昇温速度が40℃/秒以上であり、保持が温度220~450℃且つ100秒以下で行われることを特徴とする成形用アルミニウム合金箔の製造方法。
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