JP7449363B2 - 組成物、光学フィルムの製造方法、光学フィルム - Google Patents

組成物、光学フィルムの製造方法、光学フィルム Download PDF

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Description

本発明は、組成物、光学フィルムの製造方法、および、光学フィルムに関する。
屈折率異方性を持つ光学異方性層は、表示装置の反射防止膜、および、液晶表示装置の光学補償フィルムなどの種々の用途に適用されている。
特許文献1においては、光学異方性層を形成する方法として、基材にラビング処理を施して、その表面上に液晶化合物を含む組成物を塗布して、光学異方性層を形成する方法が開示されている。
特開2014-182217号公報
一方で、近年、基材と光学異方性層との間の密着性のより一層の向上が求められている。本発明者らの検討によれば、特許文献1に開示される態様においては、基材と光学異方性層との間の密着性が十分でなく、更なる改良が必要であることを知見した。
また、形成される光学異方性層においては、液晶化合物の配向不良に起因する光学的欠陥の発生が抑制されることも望まれている。
本発明は、上記実情に鑑みて、基材との密着性に優れ、光学的欠陥の発生が抑制された光学異方性層を形成できる組成物を提供することを課題とする。
本発明は、光学フィルムの製造方法、および、光学フィルムを提供することも課題とする。
本発明者らは、従来技術の問題点について鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決できることを見出した。
(1) 基材上に塗工して、光学異方性層を形成するために用いられる組成物であって、
重合性基を有する液晶化合物と、重合性基を有する繰り返し単位を含む高分子とを含み、
重合性基を有する繰り返し単位の含有量が、高分子の全繰り返し単位に対して、20質量%以上であり、
高分子のSP値と基材のSP値との差の絶対値が4.0MPa1/2以下であり、
高分子の含有量が、液晶化合物の全質量に対して、10質量%以下である、組成物。
(2) 重合性基を有する繰り返し単位が後述する式(1)で表される繰り返し単位である、(1)に記載の組成物。
(3) 高分子の重量平均分子量が5000以上である、(1)または(2)に記載の組成物。
(4) 液晶化合物が有する重合性基、および、重合性基を有する繰り返し単位中の重合性基が、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、および、スチリル基からなる群から選択される、(1)~(3)のいずれかに記載の組成物。
(5) 基材が透明基材である、(1)~(4)のいずれかに記載の組成物。
(6) 基材の表面エネルギーが35mN/m以上である、(1)~(5)のいずれかに記載の組成物。
(7) 基材の波長550nmにおける面内レタデーションが10nm以下である、(1)~(6)のいずれかに記載の組成物。
(8) (1)~(7)のいずれかに記載の組成物を基材上に塗工して組成物層を形成し、組成物層中の液晶化合物を配向させて、その後、液晶化合物の配向状態を固定化して、基材と基材上に形成された光学異方性層とを有する光学フィルムを製造する、光学フィルムの製造方法。
(9) 基材と、基材上に配置され、(1)~(7)のいずれかに記載の組成物を用いて形成された光学異方性層とを有する、光学フィルム。
(10) 光学異方性層の厚みが15μm以下である、(9)に記載の光学フィルム。
本発明によれば、基材との密着性に優れ、光学的欠陥の発生が抑制された光学異方性層を形成できる組成物を提供できる。
本発明によれば、光学フィルムの製造方法、および、光学フィルムを提供できる。
工程Aを説明するための組成物層の断面図である。 工程Bを説明するための組成物層の断面図である。 キラル剤Aおよびキラル剤Bの各々について、螺旋誘起力(HTP:Helical Twisting Power)(μm-1)×濃度(質量%)と光照射量(mJ/cm2)との関係をプロットしたグラフの模式図である。 キラル剤Aおよびキラル剤Bを併用した系において、加重平均螺旋誘起力(μm-1)と光照射量(mJ/cm2)との関係をプロットしたグラフの模式図である。 工程Eを実施した場合を説明するための組成物層の断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。まず、本明細書で用いられる用語について説明する。
本明細書中における「光」とは、活性光線または放射線を意味し、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光:Extreme Ultraviolet)、X線、紫外線、および、電子線(EB:Electron Beam)などを意味する。なかでも、紫外線が好ましい。
本明細書では、「可視光」とは、380~780nmの光のことをいう。また、本明細書では、測定波長について特に付記がない場合は、測定波長は550nmである。
本明細書では、「(メタ)アクリル」とはアクリルおよびメタクリルの総称であり、「(メタ)アクリレート」とはアクリレートおよびメタクリレートの総称である。
本発明において、Re(λ)およびRth(λ)は各々、波長λにおける面内のレタデーションおよび厚み方向のレタデーションを表す。特に記載がないときは、波長λは、550nmとする。
本発明において、Re(λ)およびRth(λ)はAxoScan、Axometrics社製において、波長λで測定した値である。AxoScanにて平均屈折率((nx+ny+nz)/3)と膜厚(d(μm))を入力することにより、
遅相軸方向(°)
Re(λ)=R0(λ)
Rth(λ)=((nx+ny)/2-nz)×d
が算出される。
なお、R0(λ)は、AxoScanで算出される数値として表示されるものであるが、Re(λ)を意味している。
本明細書において、屈折率nx、ny、および、nzは、アッベ屈折計(NAR-4T、アタゴ(株)製)を使用し、光源にナトリウムランプ(λ=589nm)を用いて測定する。また、波長依存性を測定する場合は、多波長アッベ屈折計DR-M2(アタゴ(株)製)にて、干渉フィルターとの組み合わせで測定できる。
また、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、および、各種光学フィルムのカタログの値を使用できる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、および、ポリスチレン(1.59)。
本発明の組成物の特徴点としては、液晶化合物とともに所定の高分子を含む点が挙げられる。
まず、所定の高分子は基材とのSP値の差が小さいため、組成物を基材上に塗工した際に、高分子が基材近傍に偏在しやすい。また、所定の高分子は重合性基を有するため、硬化処理に伴い、基材との密着性に優れる光学異方性層を形成できる。
また、所定の高分子の使用量を調整することにより、液晶化合物の配向不良に起因する光学的欠陥の発生が抑制されている。
なお、後述するように、本発明の組成物は、いわゆる配向膜を含まない基材上に直接塗布して光学異方性層を形成できるため、形成される光学フィルムの厚みを薄くできる。
本発明の組成物は、基材上に塗工して、光学異方性層を形成するために用いられる組成物であって、重合性基を有する液晶化合物と、重合性基を有する繰り返し単位を含む高分子とを含む。
以下では、組成物に含まれる各成分について詳述する。
<液晶化合物>
組成物は、重合性基を有する液晶化合物(以下、「重合性液晶化合物」ともいう。)を含む。
重合性液晶化合物の種類は、特に制限されない。一般的に、液晶化合物はその形状から、棒状タイプ(棒状液晶化合物)と円盤状タイプ(ディスコティック液晶化合物)とに分類できる。さらに、液晶化合物は、低分子タイプと高分子タイプとの分類できる。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶化合物を用いることもできるが、重合性棒状液晶化合物または重合性円盤状液晶化合物を用いるのが好ましく、重合性棒状液晶化合物を用いるのがより好ましい。2種以上の重合性棒状液晶化合物、2種以上の重合性円盤状液晶化合物、または、重合性棒状液晶化合物と重合性円盤状液晶化合物との混合物を用いてもよい。
なお、重合性棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11-513019号公報の請求項1または特開2005-289980号公報の段落0026~0098に記載のものを好ましく用いることができる。
重合性円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007-108732号公報の段落0020~0067または特開2010-244038号公報の段落0013~0108に記載のものを好ましく用いることができる。
重合性液晶化合物が有する重合性基の種類は特に制限されず、付加重合反応が可能な官能基が好ましく、重合性エチレン性不飽和基または環重合性基がより好ましく、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、または、スチリル基がさらに好ましい。
組成物中における重合性液晶化合物の含有量は特に制限されないが、組成物中の全固形分に対して、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、90質量%以下の場合が多い。
なお、固形分とは、溶媒を除去した光学異方性層を形成し得る成分を意味し、その性状が液体状であっても固形分とする。
<高分子>
組成物は、重合性基を有する繰り返し単位(以下、「単位1」ともいう。)を含む高分子(以下、「重合性高分子」ともいう。)を含む。
単位1が有する重合性基の種類は特に制限されず、付加重合反応が可能な官能基が好ましく、重合性エチレン性不飽和基または環重合性基がより好ましく、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、または、スチリル基がさらに好ましい。
単位1の主鎖の構造は特に限定されず、公知の構造が挙げられ、例えば、(メタ)アクリル系骨格、スチレン系骨格、シロキサン系骨格、シクロオレフィン系骨格、メチルペンテン系骨格、アミド系骨格、および、芳香族エステル系骨格からなる群から選択される骨格が好ましい。
これらのうち、(メタ)アクリル系骨格、シロキサン系骨格、および、シクロオレフィン系骨格からなる群から選択される骨格がより好ましく、(メタ)アクリル系骨格がさらに好ましい。
単位1としては、基材と光学異方性層との密着性がより優れる点、および、光学異方性層の光学的欠陥の発生がより抑制される点の少なくとも一方の効果が得られる点(以下、単に「本発明の効果がより優れる点」ともいう。)で、式(1)で表される繰り返し単位が好ましい。
は、水素原子または炭素数1~4のアルキル基を表す。
は、単結合またはn+1価の連結基を表す。例えば、nが1の場合、Lは2価の連結基を表し、nが2の場合、Lは3価の連結基を表す。なお、Lが単結合の場合、nは1を表す。
2価の連結基としては、2価の連結基としては、置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基(例えば、アルキレン基)、置換基を有していてもよいアリーレン基、置換基を有していてもよいヘテロアリーレン、-O-、-CO-、-NH-、または、これらを2つ以上組み合わせた基が挙げられる。上記のこれらを2つ以上組み合わせた基としては、-CO-O-置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基-O-、-CO-O-置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基-NH-、および、-CO-O-置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基-O-CO-NH-置換基を有していてもよい2価の脂肪族炭化水素基-O-が挙げられる。
3価の連結基としては、置換基を有していてもよい3価の脂肪族炭化水素基、置換基を有していてもよい3価の芳香族基、窒素原子(>N-)、および、これらの基と上記2価の連結基とを組み合わせた基が挙げられる。
は、重合性基を表す。重合性基の定義は、上述した通りである。
nは、1以上の整数を表す。なかでも、本発明の効果がより優れる点から、nとしては1または2が好ましく、1がより好ましい。
単位1の含有量は、重合性高分子の全繰り返し単位に対して、20質量%以上であり、本発明の効果がより優れる点から、30質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、100質量%が挙げられ、95質量%以下の場合が多い。
単位1としては、例えば、以下表1に示す繰り返し単位が挙げられる。
重合性高分子は、単位1以外の他の繰り返し単位(以下、「単位2」ともいう。)を含んでいてもよい。
単位2は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点から、式(2)で表される繰り返し単位が挙げられる。
は、水素原子または炭素数1~4のアルキル基を表す。
は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基としては、上述したLで表される2価の連結基として例示した基が挙げられる。
は、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、または、脂肪族炭化水素基を構成する-CH-の1個以上が-O-、-S-、-NH-、-N(Q)-、もしくは、-CO-に置換された基を表す。Qは、置換基を表す。
上記脂肪族炭化水素基に含まれる炭素数は特に制限されないが、1~20が好ましく、1~10がより好ましい。
脂肪族炭化水素基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、環状構造を有していてもよい。
置換基は特に制限されないが、例えば、アルキル基、アルコキシ基、アルキル置換アルコキシ基、環状アルキル基、アリール基(例えば、フェニル基、および、ナフチル基)、シアノ基、アミノ基、ニトロ基、アルキルカルボニル基、スルホ基、および、水酸基が挙げられる。
重合性高分子が他の繰り返し単位を含む場合、単位2(例えば、上記式(2)で表される繰り返し単位)の含有量は特に制限されないが、重合性高分子の全繰り返し単位に対して、80質量%以下が好ましく、50質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、10質量%以上が挙げられる。
他の繰り返し単位としては、例えば、以下表2に示す繰り返し単位が挙げられる。
重合性高分子の重量平均分子量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点から、5000以上が好ましい。上限は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点から、50000以下が好ましい。
本発明における重量平均分子量および数平均分子量は、以下に示す条件でゲル浸透クロマトグラフ(GPC)法により測定された値である。
・溶媒(溶離液):THF(テトラヒドロフラン)
・装置名:TOSOH HLC-8320GPC
・カラム:TOSOH TSKgel Super HZM-H(4.6mm×15cm)を3本接続して使用
・カラム温度:40℃
・試料濃度:0.1質量%
・流速:1.0ml/min
・校正曲線:TOSOH製TSK標準ポリスチレン Mw=2800000~1050(Mw/Mn=1.03~1.06)までの7サンプルによる校正曲線を使用
重合性高分子のSP値と後述する基材のSP値との差の絶対値は4.0MPa1/2以下であり、本発明の効果がより優れる点から、2.8MPa1/2以下が好ましく、1.9MPa1/2以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、0が挙げられる。
本明細書において、SP値は、Hoyらの方法により算出されるSP値(VAN KREVELEN,D.W.著、「PROPERTIES OF POLYMERS(ED.3)」ELSEVIER出版(1990)参照)の非分散力成分δaを意図する。
つまり、δa値は、Hoyらの方法により算出される3次元SP値(δd、δp、δh)を用いて、下記式(X)により算出することができる。
δa=(δp+δh0.5 式(X)
Hoyらの方法に従うと、求めたい化合物の化学構造式よりδd、δp、および、δhの各々の値が算出できる。
なお、複数の繰り返し単位からなるコポリマーの場合、各繰り返し単位の3次元SP値の2乗値(δd、δp、δh)に、各繰り返し単位の体積分率を乗じて和を求めることでコポリマーの3次元SP値の2乗値(δd、δp、δh)を算出し、これを上記式(X)に代入することでコポリマーのδa値を求めることができる。
組成物中における重合性高分子の含有量は、液晶化合物の全質量に対して、10質量%以下であり、本発明の効果がより優れる点から、5質量%以下が好ましく、2質量%以下がより好ましい。下限は特に制限されないが、0.1質量%以上が好ましく、0.3質量%以上がより好ましい。
重合性高分子は、公知の方法で製造できる。
<その他の成分>
組成物は、上述した重合性液晶化合物および重合性高分子以外の他の成分を含んでいてもよい。
例えば、組成物は、溶媒を含んでいてもよい。
溶媒としては、例えば、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、カーボネート系溶媒、ケトン系溶媒、脂肪族炭化水素系溶媒、脂環式炭化水素系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン化炭素系溶媒、水、および、アルコール系溶媒が挙げられる。なかでも、エステル系溶媒、エーテル系溶媒、アミド系溶媒、カーボネート系溶媒、または、ケトン系溶媒が好ましい。
また、溶媒は1種のみを使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
組成物は、重合開始剤を含んでいてもよい。組成物が重合開始剤を含む場合、より効率的に重合性液晶化合物の重合が進行する。
重合開始剤としては公知の重合開始剤が挙げられ、光重合開始剤、および、熱重合開始剤が挙げられ、光重合開始剤が好ましい。
組成物中における重合開始剤の含有量は特に制限されないが、組成物中の全固形分に対して、0.01~20質量%が好ましく、0.5~10質量%がより好ましい。
組成物は、重合性液晶化合物とは異なる重合性モノマーを含んでいてもよい。重合性モノマーとしては、ラジカル重合性化合物、および、カチオン重合性化合物が挙げられ、多官能性ラジカル重合性モノマーが好ましい。重合性モノマーとしては、例えば、特開2002-296423号公報中の段落0018~0020に記載の重合性モノマーが挙げられる。
重合性モノマーは、非液晶性モノマー(液晶性を示さないモノマー)であることが好ましい。
組成物中の重合性モノマーの含有量は特に制限されないが、重合性液晶化合物全質量に対して、1~50質量%が好ましく、5~30質量%がより好ましい。
組成物は、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤としては、従来公知の化合物が挙げられるが、フッ素系化合物が好ましい。具体的には、例えば、特開2001-330725号公報中の段落0028~0056に記載の化合物、および、特開2005-062673号公報中の段落0069~0126に記載の化合物が挙げられる。
組成物は、ポリマーを含んでいてもよい。ポリマーとしては、セルロースエステルが挙げられる。セルロースエステルとしては、特開2000-155216号公報中の段落0178に記載のものが挙げられる。
組成物中のポリマーの含有量は特に制限されないが、重合性液晶化合物全質量に対して、0.1~10質量%が好ましく、0.1~8質量%がより好ましい。
組成物は、上液晶化合物を水平配向状態または垂直配向状態とするために、水平配向または垂直配向を促進する添加剤(配向制御剤)を含んでいてもよい。
組成物は、キラル剤をさらに含んでいてもよい。組成物がキラル剤を含むことにより、重合性液晶化合物を螺旋軸に沿って捩れ配向させることができる。
キラル剤の種類は、特に制限されない。公知のキラル剤(例えば、日本学術振興会第142委員会編「液晶デバイスハンドブック」,第3章4-3項,TN、STN用カイラル剤,199頁,1989年に記載)のいずれも用いることができる。
なお、キラル剤の螺旋誘起力(HTP)は、下記式(X)で表される螺旋配向能力を示すファクターである。
式(X) HTP=1/(螺旋ピッチの長さ(単位:μm)×液晶化合物に対するキラル剤の濃度(質量%))[μm-1
螺旋ピッチの長さとは、コレステリック液晶相の螺旋構造のピッチP(=螺旋の周期)の長さをいい、液晶便覧(丸善株式会社出版)の196ページに記載の方法で測定できる。
キラル剤としては、光照射により螺旋誘起力が変化する感光性キラル剤(以下、単に「キラル剤A」ともいう。)であってもよい。キラル剤Aは、液晶性であっても、非液晶性であってもよい。キラル剤Aは、一般に不斉炭素原子を含む場合が多い。なお、キラル剤Aは、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物または面性不斉化合物であってもよい。
キラル剤Aは、重合性基を有していてもよい。
キラル剤Aは、光照射によって螺旋誘起力が増加するキラル剤であってもよいし、減少するキラル剤であってもよい。なかでも、光照射により螺旋誘起力が減少するキラル剤であることが好ましい。
なお、本明細書において「螺旋誘起力の増加および減少」とは、キラル剤Aの初期(光照射前)の螺旋方向を「正」としたときの増減を表す。従って、光照射により螺旋誘起力が減少し続け、0を超えて螺旋方向が「負」となった場合(つまり、初期(光照射前)の螺旋方向とは逆の螺旋方向の螺旋を誘起する場合)にも、「螺旋誘起力が減少するキラル剤」に該当する。
キラル剤Aとしては、いわゆる光反応型キラル剤が挙げられる。光反応型キラル剤とは、キラル部位と光照射によって構造変化する光反応部位を有し、例えば、照射量に応じて液晶化合物の捩れ力を大きく変化させる化合物である。
キラル剤Aとしては、なかでも、光異性化部位を少なくとも有する化合物が好ましく、光異性化部位は光異性化可能な二重結合を有することがより好ましい。上記光異性化可能な二重結合を有する光異性化部位としては、光異性化が起こりやすく、かつ、光照射前後の螺旋誘起力差が大きいという点で、シンナモイル部位、カルコン部位、アゾベンゼン部位またはスチルベン部位が好ましく、さらに可視光の吸収が小さいという点で、シンナモイル部位、カルコン部位またはスチルベン部位がより好ましい。なお、光異性化部位は、上述した光照射によって構造変化する光反応部位に該当する。
組成物は、キラル剤Aを2種以上含んでいてもよいし、少なくとも1種のキラル剤Aと少なくとも1種の光照射により螺旋誘起力が変化しないキラル剤(以下、単に「キラル剤B」ともいう。)とを含んでいてもよい。
キラル剤Bは、液晶性であっても、非液晶性であってもよい。キラル剤Bは、一般に不斉炭素原子を含む場合が多い。なお、キラル剤Bは、不斉炭素原子を含まない軸性不斉化合物または面性不斉化合物であってもよい。
キラル剤Bは重合性基を有していてもよい。
キラル剤Bとしては、公知のキラル剤を使用できる。
キラル剤Bは、上述したキラル剤Aと逆向きの螺旋を誘起するキラル剤であることが好ましい。つまり、例えば、キラル剤Aにより誘起する螺旋が右方向の場合には、キラル剤Bにより誘起する螺旋は左方向となる。
キラル剤の加重平均螺旋誘起力の絶対値は、0.0~1.9μm-1であることが好ましく、0.0~1.5μm-1であることがより好ましく、0.0~1.0μm-1であることがさらに好ましく、0.0~0.5μm-1であることが特に好ましく、ゼロが最も好ましい。
キラル剤の加重平均螺旋誘起力の絶対値が上記範囲である場合、後述するように、光学異方性層の製造条件によっては、厚み方向に沿って光学的な特性の異なる2つ以上の層を有する光学異方性層を形成しやすい。
なお、キラル剤の加重平均螺旋誘起力とは、組成物中に2種以上のキラル剤が含まれる場合に、各キラル剤の螺旋誘起力と各キラル剤の重合性液晶化合物に対する濃度(質量%)との積をキラル剤の重合性液晶化合物に対する合計濃度(質量%)で除した値の合計値を表す。例えば、2種類のキラル剤(キラル剤Xおよびキラル剤Y)を併用した場合、下記式(Y)により表される。
式(Y) 加重平均螺旋誘起力(μm-1)=(キラル剤Xの螺旋誘起力(μm-1)×重合性液晶化合物に対するキラル剤Xの濃度(質量%)+キラル剤Yの螺旋誘起力(μm-1)×重合性液晶化合物に対するキラル剤Yの濃度(質量%))/(重合性液晶化合物に対するキラル剤Xの濃度(質量%)+重合性液晶化合物に対するキラル剤Yの濃度(質量%))
ただし、上記式(Y)において、キラル剤の螺旋方向が右巻きの場合、その螺旋誘起力は正の値とする。また、キラル剤の螺旋方向が左巻きの場合、その螺旋誘起力は負の値とする。つまり、例えば、螺旋誘起力が10μm-1のキラル剤の場合、上記キラル剤により誘起される螺旋の螺旋方向が右巻きであるときは、螺旋誘起力を10μm-1として表す。一方、上記キラル剤により誘起される螺旋の螺旋方向が左巻きであるときは、螺旋誘起力を-10μm-1として表す。
組成物中における上記キラル剤Aの含有量は特に制限されないが、重合性液晶化合物が均一に配向しやすい点で、重合性液晶化合物の全質量に対して、5.0質量%以下が好ましく、3.0質量%以下がより好ましく、2.0質量%以下がさらに好ましい。下限は特に制限されないが、0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましい。
なお、上記キラル剤Aは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の上記キラル剤Aを併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
組成物中における上記キラル剤Bの含有量は特に制限されないが、重合性液晶化合物が均一に配向しやすい点で、重合性液晶化合物の全質量に対して、5.0質量%以下が好ましく、3.0質量%以下がより好ましく、2.0質量%以下がさらに好ましい。下限は特に制限されないが、0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましい。
なお、上記キラル剤Bは1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。2種以上の上記キラル剤Bを併用する場合には、合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
組成物中におけるキラル剤の合計含有量(全てのキラル剤の総含有量)は、重合性液晶化合物の全質量に対して、5.0質量%以下が好ましく、4.0質量%以下がより好ましく、2.0質量%以下がさらに好まししい。下限は特に制限されないが、0.01質量%以上が好ましく、0.02質量%以上がより好ましい。
<光学フィルムの製造方法>
本発明の光学フィルムの製造方法は、上述した組成物を基材上に塗工して組成物層を形成し、組成物層中の液晶化合物を配向させて、その後、液晶化合物の配向状態を固定化して、基材と基材上に形成された光学異方性層とを有する光学フィルムを製造する方法である。
以下では、上記製造方法で使用される基材について詳述した後、各手順について詳述する。
(基材)
基材は、後述する光学異方性層を支持する部材である。なお、後述するように、基材の組成物が塗工される側の表面は配向規制力(液晶化合物を配向させる力)を有することが好ましい。
基材としては、透明基材が好ましい。なお、透明基材とは、可視光の透過率が60%以上である基材を意図し、その透過率は80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
基材を形成する材料としては、光学性能透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、および、等方性などに優れるポリマーが好ましい。
基材として用いることのできるポリマーフィルムとしては、例えば、セルロースアシレートフィルム(例えば、セルローストリアセテートフィルム(屈折率1.48)、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム)、ポリオレフィンフィルム(例えば、ポリエチレンフィルムおよびポリプロピレンフィルム)、ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムおよびポリエチレンナフタレートフィルム)、ポリアクリルフィルム(例えば、ポリメチルメタクリレート)、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、(メタ)アクリルニトリルフィルム、および、脂環式構造を有するポリマーのフィルム(ノルボルネン系樹脂(アートン:商品名、JSR社製、非晶質ポリオレフィン(ゼオネックス:商品名、日本ゼオン社製)))が挙げられる。
なかでも、ポリマーフィルムの材料としては、セルロースアシレート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、または、ポリカーボネートが好ましい。
基材には、種々の添加剤(例えば、光学的異方性調整剤、波長分散調整剤、微粒子、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、および、剥離剤など)が含まれていてもよい。
基材は、単層構造であっても、複層構造であってもよい。
基材が単層構造である場合、基材が上述したポリマーフィルムからなることが好ましい。
基材が単層構造である場合、基材の表面に直接ラビング処理を施してもよい。つまり、ラビング処理が施された基材を用いてもよい。ラビング処理の方向は特に制限されず、液晶化合物を配向させたい方向に応じて、適宜、最適な方向が選択される。
ラビング処理は、LCD(liquid crystal display)の液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を適用できる。即ち、基材の表面を、紙、ガーゼ、フェルト、ゴム、ナイロン繊維、または、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより、配向を得る方法を用いることができる。
基材表面に配向規制力を付与できればラビング処理以外の方法であってもよく、基材に延伸処理を施す方法も挙げられる。
基材が複層構造である場合、基材は、支持体と、支持体上に配置された配向膜とを含んでいてもよい。なお、配向膜とは、液晶化合物を配向させるためだけに支持体上に形成される膜であり、それ自体では自立性がない。
支持体としては、上述したポリマーフィルムが挙げられる。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログルーブを有する層の形成、または、ラングミュア・ブロジェット法(LB膜)による有機化合物(例、ω-トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチル)の累積のような手段で形成できる。
さらに、電場の付与、磁場の付与、または、光照射(好ましくは偏光)により、配向機能が生じる配向膜も知られている。
配向膜は、ポリマーのラビング処理により形成することが好ましい。
配向膜に含まれるポリマーとしては、例えば、特開平8-338913号公報中の段落0022に記載のメタクリレート系共重合体、スチレン系共重合体、ポリオレフィン、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコール、ポリ(N-メチロールアクリルアミド)、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、並びに、ポリカーボネートが挙げられる。また、シランカップリング剤をポリマーとして用いることもできる。
なかでも、水溶性ポリマー(例、ポリ(N-メチロールアクリルアミド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール)が好ましく、ゼラチン、ポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールがより好ましく、ポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールがさらに好ましい。
配向膜は、配向膜形成材料である上記ポリマーおよび任意の添加剤(例えば、架橋剤)を含む溶液を基材上に塗布した後、加熱乾燥(架橋させ)し、ラビング処理することにより形成できる。
基材の表面エネルギーは特に制限されないが、本発明の効果がより優れる点で、35mN/m以上が好ましい。上限は特に制限されないが、50mN/m以下の場合が多い。
上記基材の表面エネルギーとは、組成物が塗布される基材の表面の表面エネルギーを意味する。
表面エネルギー(γsv:単位、mN/m)の測定方法としては、D.K.Owens:J.Appl.Polym.Sci.,13,1941(1969)を参考に、純水HOとヨウ化メチレンCHのそれぞれの接触角θH2O、θCH2I2から以下の連立方程式a、bより求めたγsとγsの和で表される値γs(=γs+γs)で定義する。
なお、γH2O =21.8、γH2O =51.0、γH2O =72.8、γCH2I2 =49.5、γCH2I2 =1.3、γCH2I2 =50.8である。
基材の波長550nmにおける面内レタデーションは特に制限されないが、光学異方性層の光学特性をより発揮しやすい点で、10nm以下が好ましい。下限は特に制限されないが、0が挙げられる。
基材のSP値は、上述した通り、重合性高分子と所定の関係を満たしていればよい。
基材のSP値とは、基材を構成する材料のSP値に該当する。ただし、基材が複層構造である場合、組成物が塗布される表面側に配置される層を構成する材料のSP値に該当する。
基材を構成する材料が樹脂である場合、上述した重合性高分子のSP値の算出方法で述べたように、基材を構成する樹脂に含まれる繰り返し単位のSP値を算出して、樹脂のSP値を算出する。
また、基材が複層構造であり、組成物が塗布される表面側に配置される層(例えば、配向膜)を構成する材料が樹脂である場合、上記樹脂に含まれる繰り返し単位のSP値を算出して、樹脂のSP値を算出する。
基材の厚みは特に制限されないが、10~200μmが好ましく、10~100μmがより好ましく、20~90μmがさらに好ましい。また、基材は複数枚の積層からなっていてもよい。
基材が上述した支持体および配向膜を有する場合、配向膜の厚みは特に制限されないが、0.1~2μmが好ましい。
基材はその上に設けられる層との接着を改善するため、基材の表面に表面処理(例えば、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、および、火炎処理)を実施してもよい。
(手順)
光学フィルムを製造する際には、基材上に組成物を塗布して、組成物層を形成する。組成物は、基材上に直接塗布する。言い換えれば、基材表面と組成物とが接するように、組成物を塗布する。
塗布方法は特に制限されず、例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、および、ダイコーティング法が挙げられる。
なお、必要に応じて、組成物の塗布後に、基材上に塗布された組成物層を乾燥する処理を実施してもよい。乾燥処理を実施することにより、組成物層から溶媒を除去できる。
組成物層の膜厚は特に制限されないが、0.1~20μmが好ましく、0.2~15μmがより好ましく、0.5~10μmがさらに好ましい。
次に、組成物層中の重合性液晶化合物を配向させる。
重合性液晶化合物を配向させる処理は特に制限されないが、加熱処理が好ましい。
加熱処理の条件としては、使用される重合性液晶化合物に応じて最適な条件が選択される。
なかでも、加熱温度としては、10~250℃の場合が多く、40~150℃の場合がより多く、50~130℃の場合がさらに多い。
加熱時間としては、0.1~60分間の場合が多く、0.2~5分間の場合がより多い。
重合性液晶化合物の配向状態は、組成物層中の材料によって異なる。配向状態としては、例えば、ホモジニアス配向が挙げられる。また、組成物層にキラル剤が含まれる場合は、組成物層の厚み方向に沿って延びる螺旋軸に沿って重合性液晶化合物は捩れ配向する。
次に、重合性液晶化合物の配向状態を固定化して、光学異方性層を形成する。
配向状態を固定化するする方法は特に制限されず、組成物層に対して硬化処理を施して、重合性液晶化合物中の重合性基を反応させ、光学異方性層(硬化層)を形成する方法が挙げられる。
硬化処理の方法は特に制限されず、光硬化処理および熱硬化処理が挙げられる。なかでも、光照射処理が好ましく、紫外線照射処理がより好ましい。
紫外線照射には、紫外線ランプなどの光源が利用される。
光(例えば、紫外線)の照射量は特に制限されないが、一般的には、100~800mJ/cm程度が好ましい。
硬化処理を実施して得られる光学異方性層では、重合性液晶化合物の配向状態が固定されている。
例えば、光学異方性層としては、ホモジニアス配向した重合性液晶化合物を固定してなる層が挙げられる。また、光学異方性層としては、厚み方向を螺旋軸とする捩れ配向した重合性液晶化合物を固定してなる層も挙げられる。
なお、「固定した」状態は、液晶化合物の配向が保持された状態を意味する。それだけには制限されず、具体的には、通常0~50℃、より過酷な条件下では-30~70℃の温度範囲において、層に流動性がなく、また、外場もしくは外力によって配向形態に変化を生じさせることなく、固定された配向形態を安定に保ち続けることができる状態であることが好ましい。
なお、光学異方性層においては、最終的に層中の組成物がもはや液晶性を示す必要はない。
光学異方性層の厚みは特に制限されないが、薄膜化の点から、15μm以下が好ましい。下限は特に制限されないが、0.2μm以上が好ましい。
光学異方性層は、単層構造であっても、複層構造であってもよい。複層構造とは、光学特性が異なる層を2つ以上積層した構造を意味する。
例えば、組成物がキラル剤Aを含む場合、以下の工程A~工程Eを実施することにより、塗布工程1回で光学特性が異なる2つの層を有する光学異方性層を製造することができる。
工程A:キラル剤Aを含む本発明の組成物を基材上に塗布して、組成物層を形成する工程
工程B:組成物層に加熱処理を施して、組成物層中の重合性液晶化合物を配向させる工程
工程C:工程Bの後、酸素濃度1体積%以上の条件下にて、組成物層に対して光照射を行う工程
工程D:工程Cの後、組成物層に加熱処理を施す工程
工程E:工程Dの後、組成物層に対して硬化処理を施して、重合性液晶化合物の配向状態を固定し、光学異方性層を形成する工程
以下、上記各工程の手順について詳述する。
(工程A)
工程Aの手順としては、組成物を塗布する上述した手順が挙げられる。
なお、工程Aで使用される組成物には、上述した液晶化合物および高分子以外に、キラル剤Aが含まれる。後述するように、組成物はキラル剤Bを含んでいてもよい。
(工程B)
工程Bの手順は特に制限されないが、上述した重合性液晶化合物を配向させる方法が挙げられる。
(工程C)
工程Cに関して、以下図面を用いて説明する。
以下の説明では、組成物にキラル剤Aおよびキラル剤Bの2種のキラル剤が含まれ、工程Aにより形成される組成物層中のキラル剤の加重平均螺旋誘起力の絶対値が0である場合について代表的に説明する。
図1に示すように、工程Bによって、基材10上に、重合性液晶化合物LCがホモジニアス配向した組成物層12が形成される。なお、図1は、基材10と組成物層12との断面の概略図である。なお、図1に示す組成物層12にはキラル剤Aとキラル剤Bとが同濃度で存在しており、キラル剤Aにより誘起される螺旋方向が左巻きであり、キラル剤Bにより誘起される螺旋方向が右巻きであるとする。また、キラル剤Aの螺旋誘起力の絶対値と、キラル剤Bの螺旋誘起力の絶対値は同じとする。
図2に示すように、上述した工程Cでは酸素濃度1体積%以上の条件下にて、基材10の組成物層12側とは反対側の方向(図2中の白矢印の方向)から光照射を行う。なお、図2では光照射は基材10側から実施されているが、組成物層12側から実施されてもよい。
その際、組成物層12の基材10側の下側領域12Aと、基材10側とは反対側の上側領域12Bとを比較すると、上側領域12Bの表面のほうが空気側にあるため、上側領域12B中の酸素濃度が高く、下側領域12A中の酸素濃度は低い。そのため、組成物層12に対して光照射がなされると、下側領域12Aにおいては重合性液晶化合物の重合が進行しやすく、重合性液晶化合物の配向状態が固定される。なお、下側領域12Aにおいてもキラル剤Aが存在しており、キラル剤Aも感光し、螺旋誘起力が変化する。しかしながら、下側領域12Aでは重合性液晶化合物の配向状態が固定されているため、後述する、光照射された組成物層に対して加熱処理を施す工程Dを実施しても、液晶化合物の配向状態の変化は生じない。
また、上側領域12Bにおいては酸素濃度が高いため、光照射がなされても、重合性液晶化合物の重合が酸素により阻害され、重合が進行しにくい。そして、上側領域12Bにおいてもキラル剤Aが存在しているため、キラル剤Aが感光し、螺旋誘起力が変化する。そのため、後述する工程D(加熱処理)を実施すると、変化した螺旋誘起力に沿って重合性液晶化合物の配向状態が変化する。
つまり、工程Cを実施することにより、組成物層の基材側の領域(下側領域)においては重合性液晶化合物の配向状態の固定化が進行しやすい。また、組成物層の基材側と反対側の領域(上側領域)においては、重合性液晶化合物の配向状態の固形化は進行しづらく、感光したキラル剤Aに応じて螺旋誘起力が変化する状態となる。
工程Cは、酸素濃度1体積%以上の条件下にて実施される。なかでも、光学異方性層中において重合性液晶化合物の配向状態が異なる層が形成しやすい点で、酸素濃度は2体積%以上が好ましく、5体積%以上がより好ましい。上限は特に制限されないが、100体積%が挙げられる。
工程Cにおける光照射の照射強度は特に制限されず、キラル剤Aの螺旋誘起力に基づいて適宜決定できる。工程Cにおける光照射の照射量は特に制限されないが、所定の光学異方性層が形成されやすい点で、300mJ/cm以下が好ましく、200mJ/cm以下がより好ましい。下限としては、所定の光学異方性層が形成されやすい点で、10mJ/cm以上が好ましく、30mJ/cm以上がより好ましい。
なお、工程Cでの光照射は、15~70℃(好ましくは、15~50℃)にて実施されることが好ましい。
光照射に使用される光は、キラル剤Aが感光する光であればよい。つまり、光照射に使用される光は、キラル剤Aの螺旋誘起力を変化させる活性光線または放射線であれば特に制限されず、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、紫外線、および、電子線が挙げられる。なかでも、紫外線が好ましい。
(工程D)
工程Dは、工程Cの後、組成物層に加熱処理を施す工程である。本工程を実施することにより、光照射が施された組成物層中のキラル剤Aの螺旋誘起力が変化した領域において、液晶化合物の配向状態が変化する。
以下では、図面を用いて本工程の機構を説明する。
上述したように、図1に示した組成物層12に対して工程Cを実施すると、図2に示すように下側領域12Aにおいては重合性液晶化合物の配向状態が固定されるのに対して、上側領域12Bでは重合性液晶化合物の重合は進行しづらく、重合性液晶化合物の配向状態が固定されていない。また、上側領域12Bにおいてはキラル剤Aの螺旋誘起力が変化している。このようなキラル剤Aの螺旋誘起力の変化が生じると、光照射前の状態と比較すると、上側領域12Bにおいて重合性液晶化合物を捩じる力が変化している。この点をより詳細に説明する。
上述したように、図1に示す組成物層12にはキラル剤Aとキラル剤Bとが同濃度で存在しており、キラル剤Aにより誘起される螺旋方向が左巻きであり、キラル剤Bにより誘起される螺旋方向が右巻きである。また、キラル剤Aの螺旋誘起力の絶対値と、キラル剤Bの螺旋誘起力の絶対値は同じである。よって、光照射を行う前の組成物層中のキラル剤の加重平均螺旋誘起力は0である。
上記の態様を図3に示す。図3においては、縦軸が「キラル剤の螺旋誘起力(μm-1)×キラル剤の濃度(質量%)」を表し、その値がゼロから離れるほど、螺旋誘起力が大きくなる。横軸は「光照射量(mJ/cm)」を表す。
まず、光照射を行う前の組成物層中のキラル剤Aとキラル剤Bとの関係は、光照射量が0の時点に該当し、「キラル剤Aの螺旋誘起力(μm-1)×キラル剤Aの濃度(質量%)」の絶対値と、「キラル剤Bの螺旋誘起力(μm-1)×キラル剤Bの濃度(質量%)」の絶対値とが等しい状態に該当する。つまり、左巻きを誘起するキラル剤Aと右巻きを誘起するキラル剤Bとの両者の螺旋誘起力は相殺されている。
このような状態の上側領域12Bにおいて光照射が行われ、図3に示すように、光照射量によってキラル剤Aの螺旋誘起力が減少する場合、図4に示すように、上側領域12Bにおけるキラル剤の加重平均螺旋誘起力は大きくなり、右巻きの螺旋誘起力が強くなる。つまり、重合性液晶化合物の螺旋を誘起する螺旋誘起力は、照射量が大きいほど、キラル剤Bが誘起する螺旋の方向(+)に螺旋誘起力が大きくなる。
そのため、このような加重平均螺旋誘起力の変化が生じている工程C後の組成物層12に対して、加熱処理を施して液晶化合物の再配向を促すと、図5に示すように、上側領域12Bにおいては、組成物層12の厚み方向に沿って延びる螺旋軸に沿って重合性液晶化合物LCが捩れ配向する。
一方で、上述したように、組成物層12の下側領域12Aにおいては工程Cの際に重合性液晶化合物の重合が進行して重合性液晶化合物の配向状態が固定されているため、重合性液晶化合物の再配向は進行しない。
上記のように、工程Dを実施することにより、組成物層の厚み方向に沿って、重合性液晶化合物の配向状態が異なる領域が複数形成される。
上記重合性液晶化合物LCの捩れの程度は、使用されるキラル剤Aの種類、および、工程Cの露光量などによって適宜調整できる。
なお、上記図3および4においては、キラル剤Aとして光照射により螺旋誘起力が減少するキラル剤を用いた態様について説明したが、この態様には限定されない。例えば、キラル剤Aとして光照射により螺旋誘起力が増加するキラル剤を用いてもよい。その場合、光照射によりキラル剤Aの誘起する螺旋誘起力が大きくなり、キラル剤Aの誘起する旋回方向に液晶化合物が捩れ配向することになる。
また、上記図3および4においては、キラル剤Aとキラル剤Bとを併用する態様について説明したが、この態様には限定されない。例えば、2種のキラル剤Aを用いる態様であってもよい。具体的には、左巻きを誘起するキラル剤A1と、右巻きを誘起するキラル剤A2とを併用する態様であってもよい。キラル剤A1およびA2は、それぞれ独立に、螺旋誘起力が増加するキラル剤であってもよいし、螺旋誘起力が減少するキラル剤であってもよい。例えば、左巻きを誘起するキラル剤であって、光照射により螺旋誘起力が増加するキラル剤と、右巻きを誘起するキラル剤であって、光照射により螺旋誘起力が減少するキラル剤とを併用してもよい。
加熱処理の条件としては、使用される液晶化合物に応じて最適な条件が選択される。
なかでも、加熱温度としては、工程Cの状態から加熱する温度であることが好ましく、35~250℃の場合が多く、50~150℃の場合がより多く、50℃超150℃以下の場合がさらに多く、60~130℃の場合が特に多い。
加熱時間としては、0.01~60分間の場合が多く、0.03~5分間の場合がより多い。
また、光照射後の組成物層中のキラル剤の加重平均螺旋誘起力の絶対値は特に制限されないが、光照射後の組成物層中のキラル剤の加重平均螺旋誘起力と光照射前の加重平均螺旋誘起力との差の絶対値が、0.05μm-1以上が好ましく、0.05~10.0μm-1がより好ましく、0.1~10.0μm-1がさらに好ましい。
(工程E)
工程Eの手順は特に制限されないが、上述した工程2で実施される硬化処理が挙げられる。
図5に示す組成物層に対して硬化処理が施される場合、形成される光学異方性層は、基材側から、ホモジニアス配向した重合性液晶化合物の配向状態を固定してなる層と、厚み方向に沿って延びる螺旋軸に沿って捩れ配向した重合性液晶化合物の配向状態を固定してなる層との2層を含む。つまり、形成される光学異方性層は、複層構造を有する。
<光学フィルム>
上記製造方法を実施することにより、基材と、基材上に配置された光学異方性層とを有する光学フィルムが製造される。基材と光学異方性層とは直接接触している。
得られた光学フィルムは、種々の用途の適用でき、例えば、液晶セルを光学補償するための光学補償フィルム、および、有機エレクトロルミネッセンス表示装置などの表示装置に用いられる反射防止膜が挙げられる。
<円偏光板>
上述した光学フィルムは、偏光子と組み合わせて、円偏光板として使用してもよい。
偏光子は、自然光を特定の直線偏光に変換する機能を有する部材であればよく、例えば、吸収型偏光子が挙げられる。
偏光子の種類は特に制限はなく、通常用いられている偏光子を利用でき、例えば、ヨウ素系偏光子、二色性染料を利用した染料系偏光子、および、ポリエン系偏光子が挙げられる。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子は、一般に、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料を吸着させ、延伸することで作製される。
なお、偏光子の片面または両面には、保護膜が配置されていてもよい。
円偏光板の製造方法は特に制限されず、公知の方法を採用できる。
例えば、密着層を介して、光学フィルムおよび偏光子を貼り合わせる方法が挙げられる。
上記円偏光板は、有機EL表示装置の反射防止フィルムとして好適に適用できる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、および、処理手順などは、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更できる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<実施例1>
(セルロースアシレートフィルム(基板)の作製)
下記成分をミキシングタンクに投入し、攪拌して、90℃で10分間加熱した後、平均孔径34μmのろ紙および平均孔径10μmの焼結金属フィルターでろ過して、セルロースアシレートドープ(以下、単に「ドープ」ともいう。)を製造した。得られたドープの固形分濃度は23.5質量%であり、溶剤の質量割合は塩化メチレン/メタノール/ブタノール=81/18/1であった。
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セルロースアシレートドープ
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セルロースアシレート(アセチル置換度2.86、粘度平均重合度310)
100質量部
糖エステル化合物1(化学式(S4)に示す) 6.0質量部
糖エステル化合物2(化学式(S5)に示す) 2.0質量部
シリカ粒子分散液(AEROSIL R972、日本アエロジル(株)製)
0.1質量部
溶剤(塩化メチレン/メタノール/ブタノール) 所定量
――――――――――――――――――――――――――――――――――
上述のドープを、ドラム製膜機を用いて流延した。0℃に冷却された金属基板上に接するようにコア層を形成するための上記ドープと、コア層上に表層を形成するための上記ドープとをダイから共流延し、その後、得られたフィルムを剥ぎ取った。なお、ドラムはSUS(Steel Use Stainless)製であった。
クリップでフィルムの両端をクリップして搬送するテンター装置を用いて、ドラムから剥ぎ取られたフィルムを搬送時に30~40℃で20分間乾燥した。次に、得られたフィルムをロール搬送しながら、ゾーン加熱により後乾燥した。その後、得られたフィルムにナーリングを施した後、巻き取った。得られたセルロースアシレートフィルムの膜厚は40μmであった。この得られたセルロースアシレートフィルムの表面エネルギーを測定したところ、38.5mN/mであった。また、波長550nmにおける面内レタデーションは1nm以下であった。さらに、得られたセルロースアシレートフィルムの可視光の透過率は60%以上であった。
(光学異方性層の形成)
上記で作製したセルロースアシレートフィルムに、連続的にラビング処理を施した。このとき、長尺状のフィルムの長手方向と搬送方向は平行であり、フィルム長手方向(搬送方向)とラビングローラーの回転軸とのなす角度は74.5°であった。なお、フィルム長手方向(搬送方向)を90°とし、フィルム側から観察してフィルム幅手方向を基準(0°)に反時計回り方向を正の値で表すと、ラビングローラーの回転軸は15.5°であった。言い換えれば、ラビングローラーの回転軸の位置は、フィルム長手方向を基準に、時計回りに74.5°回転させた位置であった。
ラビング処理されたセルロースアシレートフィルム上に、ギーサー塗布機を用いて下記の組成物(1)を塗布し、組成物層が形成されたフィルムを80℃で60秒間加熱した。その後、空気下、30℃にて、365nmのLEDランプ(アクロエッジ(株)製)を使用して、組成物層に対して紫外線照射した(30mJ/cm)。
次に、80℃で10秒間加熱後、窒素パージ下酸素濃度100ppmとして、80℃にて、メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を使用して紫外線照射し(500mJ/cm)、液晶化合物の配向を固定化した光学異方性層(厚み:2μm)を形成し、光学フィルム(F-1)を作製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――
組成物(1)
――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の棒状液晶化合物(LC1) 100質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 4質量部
光重合開始剤(Irgacure819、IGM社製) 2質量部
下記の左キラル剤(L1) 1.05質量部
下記の右キラル剤(R1) 0.51質量部
下記のポリマー(G1) 0.10質量部
後述する表3に示す重合性高分子(C1) 0.50質量部
メチルイソブチルケトン 325質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――
棒状液晶化合物(LC1)(以下、液晶化合物の混合物である。以下の数値(%)は、各液晶化合物の質量割合を表す。)
左キラル剤(L1)
右キラル剤(R1)
ポリマー(G1)(式中、各繰り返し単位に記載の数値は、全繰り返し単位に対する各繰り返しの含有量(質量%)を表す。)
<実施例2~14、および比較例1~4>
使用する重合性高分子の種類とその添加量を下記表3の通りに変更した以外は、実施例1と同様の手順に従って、実施例の光学フィルム(F-2~F-14)と比較例の光学フィルム(F-101~104)を作製した。
なお、比較例4においては、重合性高分子を使用していない。
<実施例15>
実施例1で用いたセルロースアシレートフィルムに、連続的にラビング処理を施した。このとき、長尺状のフィルムの長手方向と搬送方向は平行であり、フィルム長手方向(搬送方向)とラビングローラーの回転軸とのなす角度は74.5°であった。なお、フィルム長手方向(搬送方向)を90°とし、フィルム側から観察してフィルム幅手方向を基準(0°)に反時計回り方向を正の値で表すと、ラビングローラーの回転軸は15.5°であった。言い換えれば、ラビングローラーの回転軸の位置は、フィルム長手方向を基準に、時計回りに74.5°回転させた位置であった。
ラビング処理されたセルロースアシレートフィルム上に、ギーサー塗布機を用いて下記の組成物(2)を塗布し、組成物層が形成されたフィルムを90℃で60秒間加熱した。次に、窒素パージ下酸素濃度100ppmとして、80℃にて、メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を使用して紫外線照射し(500mJ/cm)、液晶化合物の配向を固定化した光学異方性層(厚み:1μm)を形成し、光学フィルム(F-15)を作製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
組成物(2)
――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の円盤状液晶化合物(LC2) 80質量部
下記の円盤状液晶化合物(LC3) 20質量部
エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製) 5質量部
光重合開始剤(Irgacure907、IGM社製) 4質量部
ピリジニウム塩(A) 1.2質量部
上記のポリマー(G1) 0.2質量部
下記のポリマー(G2) 0.1質量部
下記のポリマー(G3) 0.1質量部
後述する表3に示す重合性高分子(C1) 0.5質量部
メチルイソブチルケトン 211質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
円盤状液晶化合物(LC2)
円盤状液晶化合物(LC3)
ピリジニウム塩(A)
ポリマー(G2)(式中、各繰り返し単位に記載の数値は、全繰り返し単位に対する各繰り返しの含有量(質量%)を表す。)
ポリマー(G3)
上記aおよびbは、全繰り返し単位に対する各繰り返し単位の含有量(質量%)を表し、aは90質量%、bは10質量%を表す。
<実施例16>
組成物(2)のかわりに組成物(3)を用いた以外は、実施例15と同様の手順に従って、光学フィルム(F-16)を作製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
組成物(3)
――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記の棒状液晶化合物(LC4) 42.0質量部
下記の棒状液晶化合物(LC5) 42.0質量部
下記の重合性化合物(LC6) 16.0質量部
下記の重合開始剤(S-1) 0.5質量部
上記のポリマー(G2) 0.2質量部
ハイソルブMTEM(東邦化学工業社製) 2.0質量部
NKエステルA-200(新中村化学工業社製) 1.0質量部
後述する表3に示す重合性高分子(C8) 0.5質量部
メチルイソブチルケトン 424質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――
なお、下記棒状液晶化合物(LC4)および(LC5)のアクリロイルオキシ基に隣接する基は、プロピレン基(メチル基がエチレン基に置換した基)を表し、メチル基の位置が異なる位置異性体の混合物を表す。
棒状液晶化合物(LC4)
棒状液晶化合物(LC5)
重合性化合物(LC6)
重合開始剤(S-1)
<評価>
(配向性)
偏光顕微鏡においてクロスニコル状態で得られた光学フィルム中の光学異方性層を観察し、以下の基準に従って評価した。
「A」:光学的欠陥が観察されない。
「B」:光学的欠陥が僅かに観察されるが、軽微であり、実用上は問題ない。
「C」:光学的欠陥が多数観察され、実用上も問題がある。
(密着性)
得られた光学フィルムの光学異方性層に対して、JIS D0202-1988に準拠するクロスカット試験(碁盤目テープ剥離試験)を実施した。光学異方性層に格子状のカットで形成された100マスのうち、セロハンテープ(「CT24」,ニチバン(株)製)の貼り付けおよび剥ぎ取りにより、剥離したマス目の個数を数え、以下の基準に従って評価した。
「S」:剥がれるマス目の個数が0個
「A」:剥がれるマス目の個数が1~30個
「B」:剥がれるマス目の個数が31~50個
「C」:剥がれるマス目の個数が51個以上
上記表3中、「高分子」欄は、各実施例および比較例で使用した高分子の種類を表す。表3中の単位の構造は表4および5に示す。
なお、例えば、実施例1では高分子(C1)を用いており、高分子(C1)は後述するA1で表される繰り返し単位を100質量%含む高分子に該当する。
また、例えば、実施例2では高分子(C2)を用いており、高分子(C2)は後述するA1で表される繰り返し単位を全繰り返し単位に対して80質量%、B3で表される繰り返し単位を全繰り返し単位に対して20質量%含む高分子に該当する。
表3中、「単位1」欄および「単位2」欄の「共重合比」は、各繰り返し単位の全繰り返し単位に対する含有量(質量%)を表す。
表3中、「Mw」欄は、高分子の重量平均分子量を表す。
表3中、「ΔSP値」欄は、高分子のSP値と基材のSP値との差の絶対値(MPa1/2)を表す。
表3中、「添加量」欄は、液晶化合物の全質量に対する高分子の含有量(質量%)を表す。
表3に示すように、本発明の組成物を用いた場合、所望の効果が得られた。
実施例1~5の比較より、単位1の含有量が30質量%以上(好ましくは、50質量%以上)の場合、より効果が優れることが確認された。
実施例6、14および他の実施例の比較より、ΔSP値が2.8MPa1/2以下(好ましくは、1.9MPa1/2以下)の場合、より効果が優れることが確認された。
実施例9と10との比較より、添加量が2.0質量%以下の場合、より効果が優れることが確認された。
10 基材
12 組成物層

Claims (13)

  1. 基材上に塗工して、光学異方性層を形成するために用いられる組成物であって、重合性基を有する液晶化合物と、重合性基を有する繰り返し単位を含む高分子とを含む組成物を前記基材上に塗工して組成物層を形成し、前記組成物層中の前記液晶化合物を配向させて、その後、前記液晶化合物の配向状態を固定化して、前記基材と前記基材上に形成された前記光学異方性層とを有する光学フィルムを製造する、光学フィルムの製造方法であって、
    前記重合性基を有する繰り返し単位の含有量が、前記高分子の全繰り返し単位に対して、20質量%以上であり、
    前記高分子のSP値と前記基材のSP値との差の絶対値が4.0MPa1/2以下であり、
    前記高分子の含有量が、前記液晶化合物の全質量に対して、10質量%以下であり、
    前記基材が、セルロースアシレートフィルムであり
    前記基材と前記光学異方性層とが直接接触している、光学フィルムの製造方法
  2. 前記重合性基を有する繰り返し単位が式(1)で表される繰り返し単位である、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法

    は、水素原子または炭素数1~4のアルキル基を表す。Lは、単結合またはn+1価の連結基を表す。Pは、重合性基を表す。nは、1以上の整数を表す。
  3. 前記高分子の重量平均分子量が5000以上である、請求項1または2に記載の光学フィルムの製造方法
  4. 前記液晶化合物が有する前記重合性基、および、前記重合性基を有する繰り返し単位中の前記重合性基が、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、および、スチリル基からなる群から選択される、請求項1~3のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法
  5. 前記基材の表面エネルギーが35mN/m以上である、請求項1~のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法
  6. 前記基材の波長550nmにおける面内レタデーションが10nm以下である、請求項1~のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法
  7. 基材と、前記基材上に配置され、組成物を用いて形成された光学異方性層とを有する、光学フィルムであって、
    前記組成物が、前記基材上に塗工して、前記光学異方性層を形成するために用いられる組成物であり、
    前記組成物が、重合性基を有する液晶化合物と、重合性基を有する繰り返し単位を含む高分子とを含み、
    前記重合性基を有する繰り返し単位の含有量が、前記高分子の全繰り返し単位に対して、20質量%以上であり、
    前記高分子のSP値と前記基材のSP値との差の絶対値が4.0MPa 1/2 以下であり、
    前記高分子の含有量が、前記液晶化合物の全質量に対して、10質量%以下であり、
    前記基材が、セルロースアシレートフィルムであり、
    前記基材と前記光学異方性層とが直接接触している、光学フィルム。
  8. 前記重合性基を有する繰り返し単位が式(1)で表される繰り返し単位である、請求項7に記載の光学フィルム。

    は、水素原子または炭素数1~4のアルキル基を表す。L は、単結合またはn+1価の連結基を表す。P は、重合性基を表す。nは、1以上の整数を表す。
  9. 前記高分子の重量平均分子量が5000以上である、請求項7または8に記載の光学フィルム。
  10. 前記液晶化合物が有する前記重合性基、および、前記重合性基を有する繰り返し単位中の前記重合性基が、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、および、スチリル基からなる群から選択される、請求項7~9のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  11. 前記基材の表面エネルギーが35mN/m以上である、請求項7~10のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  12. 前記基材の波長550nmにおける面内レタデーションが10nm以下である、請求項7~11のいずれか1項に記載の光学フィルム。
  13. 前記光学異方性層の厚みが15μm以下である、請求項7~12のいずれか1項に記載の光学フィルム
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