JP7447987B2 - 剥離フィルムロール及びその製造方法、セラミック部品シート及びその製造方法、並びに、セラミック部品及びその製造方法 - Google Patents

剥離フィルムロール及びその製造方法、セラミック部品シート及びその製造方法、並びに、セラミック部品及びその製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、剥離フィルムロール及びその製造方法、セラミック部品シート及びその製造方法、並びに、セラミック部品及びその製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化の要求に伴い、電子部品も小型化されつつある。電子部品の一種であるセラミック部品も年々小型化されている。例えば、セラミック部品の一種である積層セラミックコンデンサは、誘電体層及び内部電極の厚みを薄くして大容量化が図られている。一般的な積層セラミックコンデンサは、剥離フィルムをキャリアフィルムとし、誘電体層及び内部電極をキャリアフィルム上に形成してグリーンシートとし、グリーンシートを剥離して積層することよって製造される。
積層セラミックコンデンサの誘電体層の厚みが薄くなると、ショート等の不具合を発生する電圧強度における耐性を示す耐圧性能が低下する傾向にある。特に、誘電体層の厚みが不均一である場合、薄い部分が耐圧性能の低下の要因となる。そのような薄い部分を有する誘電体層を備える積層セラミックコンデンサは耐圧不良となり、積層セラミックコンデンサの歩留まりが低下する。一方、誘電体層の厚みが均一であると耐圧性能が良好となり、積層セラミックコンデンサの歩留まりが向上する。
誘電体層のキャリアフィルムとして用いられる剥離フィルムに存在する傷等は、誘電体層の厚み変動の要因となる。また、剥離フィルムの表面の平滑性が誘電体層の厚みの均一性に影響を及ぼす。このような事情から、例えば、特許文献1では、剥離フィルムを平滑にして誘電体層の厚みのばらつきを低減することが可能な剥離フィルムロールが検討されている。
特開2011-206995号公報
セラミック部品の製造工程では、剥離フィルムロールから引き出された剥離フィルムの剥離層の表面にセラミックグリーンシートを形成する。ここで、セラミック部品の生産性を向上するための方策として、剥離フィルムロールに巻かれる剥離フィルムの巻き長さを長くして、剥離フィルムロールの取替頻度を減らすことが有効であると考えられる。
一方で、平滑化された剥離フィルムを巻き芯に巻き付ける場合に、隣接する剥離フィルム間の空気が抜け難い傾向にある。空気の抜けにばらつきがあると偏芯が生じ、剥離フィルムの巻き付け状態の品位が低下する。巻き付け状態の品位を向上するには、巻きずれ等の発生を抑制するため、巻き付け時の剥離フィルムの張力を大きくすることが必要となる。巻き付け時の剥離フィルムの張力を大きく維持するためには、巻き取りが進んで巻き取りロールの径が大きくなるにつれて、巻き取り軸のトルクを上昇させる必要がある。しかしながら、巻き取り軸のトルクを上昇させて、巻き付け時の張力を大きくし過ぎると、巻き芯の表面の突起、及び、剥離フィルムに含まれるフィラー等の形状が、剥離フィルムに転写され、剥離フィルムの剥離層の表面(剥離面)に凹凸及び変形が生じることが懸念される。このような形状転写を抑制するためには、剥離フィルムを低い張力で巻き付けることが必要となる。このような事情から、剥離フィルムの巻き取り長さが長くなってくると、巻き取り軸のトルク制御だけで、巻き付け状態の品位と剥離フィルムの凹凸及び変形の低減とを両立することは困難である。
そこで、本開示では、巻き付け状態の品位が高く、且つ、剥離フィルムの表面における凹凸及び変形を十分に低減することが可能な剥離フィルムロール及びその製造方法を提供する。また、本開示では、そのような剥離フィルムロールを用いることによって、優れた信頼性を有するセラミック部品シート及びその製造方法を提供する。また、本開示では、そのようなセラミック部品シートを用いることによって、優れた信頼性を有するセラミック部品及びその製造方法を提供する。
本開示の剥離フィルムロールの製造方法は、コンタクトロールを巻き取りロールに押圧しながら剥離フィルムを巻き取りロールに巻き取る巻取工程を有し、巻取工程では、コンタクトロールを回転駆動させながら剥離フィルムを巻き取るものである。剥離フィルムの搬送は搬送ロールを用いることができる。なお、巻き取りロールとは、巻き芯に剥離フィルムを含むフィルムの巻き取りが行われている状態のフィルムロールをいう。
上記製造方法では、巻取工程において、コンタクトロールを巻き取りロールに押圧するとともに、このコンタクトロールを回転駆動させながら剥離フィルムを巻き取りロールに巻き取っている。このコンタクトロールによる押圧と回転駆動によって、巻き取られる剥離フィルムの間における空気の抜けを促進することができる。これによって、巻き取りロールのトルクを小さくして剥離フィルムにおける凹凸形状の転写を抑制するとともに、巻きずれの発生を抑制することができる。したがって、巻き付け状態の品位が高く、且つ、剥離フィルムの表面の凹凸及び変形が十分に低減されている剥離フィルムロールを製造することができる。
上記製造方法では、巻取工程において、剥離フィルムの厚みをF[m]、剥離フィルムの幅をW[m]、巻き取りロールを回転駆動する巻き取り軸のトルクをT[N・m]としたときに、T/(F・W)の値を70,000~420,000N/mの範囲内に維持してよい。
従来のようにコンタクトロールを用いずに巻き取る場合は、T/(F・W)の値を上述の範囲とすると、転写による凹凸を十分に低減できるものの、剥離フィルムが巻かれるときの力がその内側に巻かれていた剥離フィルムに作用して巻かれる方向と直交する方向にずれる、所謂巻きずれが生じる。上記巻取工程では、コンタクトロールが剥離フィルムを押圧するとともに回転駆動しているため、T/(F・W)の値を上述の範囲としても巻きずれの発生を抑制することができる。その結果、剥離フィルムにおける凹凸形状の転写と巻きずれの発生を一層抑制することができる。したがって、巻き付け状態の品位が十分に高く、且つ、剥離フィルムの表面の凹凸及び変形が一層低減されている剥離フィルムロールを製造することができる。
上記製造方法では、巻取工程における、巻き取りロールを回転駆動する巻き取り軸のトルクT[N・m]の最大値をTmax[N・m]、最小値をTmin[N・m]、及び前記最大値と前記最小値の和の1/2をTave[N・m]としたときに、下記式(1)及び(2)を満足してもよい。
max≦1.2×Tave (1)
min≧0.8×Tave (2)
上記式(1)及び式(2)を満足することで、巻き取り軸のトルクの変動を小さくすることができる。これによって、巻き取られる剥離フィルムの張力が急変化して巻き取りロールにおける巻き位置がずれたり、皺が発生したりすることを十分に抑制できる。
上記製造方法は、剥離フィルムを、搬送ロールを用いて搬送する搬送工程と、剥離フィルムを長手方向に沿って切断する切断工程を含んでよい。剥離フィルムを切断する前に、ニップロールと搬送ロールによって剥離フィルムを挟んでよい。ニップロールと搬送ロールで剥離フィルムを挟むことによって、切断される剥離フィルムに所定の張力を与えることができる。これによって、切断工程を円滑に行うことが可能になるとともに、剥離フィルムの切断部分の形状を高精度に整えることができる。
本開示の一側面に係る剥離フィルムロールは、上述のいずれかの製造方法によって得られる。この剥離フィルムロールは、上述のいずれかの製造方法よって得られるものであるため、巻き付け状態の品位が高く、且つ、剥離フィルムの表面の凹凸及び変形が十分に低減されている。
本開示の一側面に係るセラミック部品シートの製造方法は、上述のいずれかの剥離フィルムロールから引き出された剥離フィルムの剥離層の表面にセラミック粉末を含むペーストを用いてセラミックグリーンシートを形成する工程を有する。
上記製造方法は、上述のいずれかの剥離フィルムロールから引き出された剥離フィルムを用いている。上記剥離フィルムロールは、巻きずれによって剥離フィルムの表面に傷が生じること、及び、転写によって剥離フィルムの表面に凹凸が生じることを十分に抑制することができる。このため、剥離フィルムロールに巻かれた剥離フィルムの先端から後端の間の広い領域に亘って、厚み変動及びピンホールが十分に低減されたセラミックグリーンシートを形成することができる。したがって、信頼性に優れるセラミック部品シート製造することができる。本開示において剥離フィルムの「後端」とは、巻き芯に接する側の一端をいい、剥離フィルムの「先端」とは剥離フィルムロールの外周面に現れている側の一端をいう。
本開示の一側面に係るセラミック部品の製造方法は、上述の製造方法で得られたセラミック部品シートを用いてセラミックグリーンシートを含む積層体を得る工程と、積層体を焼成して焼結体を得る工程と、を有する。
上記製造方法では、巻きずれ及び転写による表面の凹凸及び厚み変動が十分に抑制された剥離フィルムを使用してセラミック部品を製造する。これによって、厚み変動及びピンホールが十分に低減されたセラミックグリーンシートを形成することができる。したがって、信頼性に優れるセラミック部品を製造することができる。
本開示の一側面に係るセラミック部品シートは、上述のいずれかの剥離フィルムロールから引き出された剥離フィルムの剥離層の表面にセラミックグリーンシートを含むグリーンシートを形成して得られる。
上述のセラミック部品シートは、上述のいずれかの剥離フィルムロールから引き出された剥離フィルムを用いて得られる。上記剥離フィルムの剥離層は、巻きずれ及び転写による表面の凹凸及び変形が十分に抑制されている。このため、セラミックグリーンシートの厚み変動及びピンホールを十分に低減することができる。このようなセラミックグリーンシートを含むグリーンシートを形成して得られるセラミック部品シートは、優れた信頼性を有する。
本開示の一側面に係るセラミック部品は、上記セラミック部品シートのセラミックグリーンシートを含む積層体を形成し、当該積層体を焼成して得られる焼結体を備える。上記セラミックグリーンシートは厚み変動及びピンホールが十分に低減されている。上記セラミック部品は、このようなセラミックグリーンシートを含む積層体を焼成して得られる焼結体を備えることから信頼性に優れる。
本開示によれば、剥離フィルムの巻き長さを長くしても、巻き付け状態の品位が高く、且つ、剥離フィルムの表面における凹凸及び変形を十分に低減することが可能な剥離フィルムロール及びその製造方法を提供することができる。また、そのような剥離フィルムロールを用いることによって、優れた信頼性を有するセラミック部品シート及びその製造方法を提供することができる。また、そのようなセラミック部品シートを用いることによって、優れた信頼性を有するセラミック部品シート及びその製造方法を提供することができる。
図1は、一実施形態に係る剥離フィルムロールの斜視図である。 図2は、剥離フィルムの一例を示す断面図である。 図3は、剥離フィルムロールの製造装置の一例を示す図である。 図4は、剥離フィルムロールの製造装置の別の一例を示す図である。 図5は、巻き取り部において巻き取りロールに巻き取られる剥離フィルムの張力の変化を模式的に示す図である。 図6は、巻き取り部における制御方法の一例を示す図である。 図7は、一実施形態に係るセラミック部品シートの断面図である。 図8は、一実施形態に係るセラミック部品を示す断面図である。
以下、場合により図面を参照して、本開示の実施形態を説明する。各図面において、同一又は同等の要素には同一の符号を付与し、重複する説明を場合により省略する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。
図1は、一実施形態に係る剥離フィルムロールの斜視図である。図1の剥離フィルムロール100は、基材フィルム及び剥離層を有する剥離フィルム20と、剥離フィルム20が巻かれている巻き芯10と、を備える。剥離フィルム20は、例えば、積層セラミックコンデンサに代表されるセラミック部品の製造工程において、キャリアフィルムとして用いられる。この製造工程では、例えば、剥離フィルムの上に、塗布又は印刷によって、誘電体グリーンシートとなるセラミックグリーンシート、及び内部電極となる電極グリーンシートが形成される、その後、これらを剥離して積層し、積層体を焼成してセラミック部品が製造される。剥離フィルム20は、剥離フィルムロール100から引き出されて使用される。
巻き芯10の材質としては、紙、プラスチック、金属等が挙げられる。セラミック部品の製造ではパーティクルがピンホール発生原因となるため、紙粉の生じない軽量なプラスチックを含むものが好ましい。そのようなものとして、ABS樹脂、ベークライト及び繊維強化プラスチック等が挙げられる。繊維強化プラスチックは、高い機械的強度に加えて柔軟性を有するため好ましく用いることができる。繊維強化プラスチックとしては、繊維を熱硬化性樹脂で補強したものが挙げられる。樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。繊維としては、ガラス繊維、アラミド繊維等が挙げられる。コスト面等を考慮して、樹脂は不飽和ポリエステル樹脂であってよい。同様の観点から、繊維はガラス繊維であってよい。
巻き芯10の外径は150mm以下であってよく、100mm以下であってもよい。これによって、剥離フィルムロール100のサイズを小さくして、設置スペース及び輸送コストを低減することができる。
巻き芯10に巻かれている剥離フィルム20の巻き長さは4000m以上であってよく、5000m以上であってよく、6000m以上であってもよい。これによって、セラミックグリーンシート及びセラミック部品等の製造工程において、剥離フィルムロール100の取替頻度を低減し、各種製品の生産効率をさらに向上することができる。剥離フィルム20の厚みは、10~110μmであってよく、20~60μmであってよい。剥離フィルム20の幅は、例えば0.1~2mであってよい。なお、本開示において、剥離フィルムの引き出し及び巻き取りの際に、剥離フィルムが搬送される方向を長手方向といい、剥離フィルムの長手方向と直交する方向を剥離フィルムの幅方向という。
図2は、剥離フィルムの一例を示す断面図である。剥離フィルム20は、基材フィルム22とその一方面上に剥離層24とを有する。基材フィルム22は合成樹脂のフィルムであってよい。合成樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂及びポリエチレン樹脂等のポリオレフィン樹脂、ポリ乳酸樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等のアクリル系樹脂、ポリスチレン樹脂、ナイロン等のポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリレタン樹脂、フッ素系樹脂、並びにポリフェニレンスルフィド樹脂等が挙げられる。これらのうち、ポリエステル樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂のうち、力学的性質、透明性、コスト等の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)がより好ましい。
基材フィルム22の厚みは、好ましくは10~100μm、より好ましくは20~50μmである。厚みが10μm未満の場合、剥離フィルム20の寸法安定性等の物理特性が損なわれる傾向がある。厚みが100μmを超える場合、剥離フィルム20の単位面積当たりの製造コストが上昇してしまう傾向がある。
基材フィルム22は、剥離フィルム20の機械的強度を十分に高くする観点から、透明性が損なわれない程度にフィラー(充填剤)を含有してもよい。本実施形態の剥離フィルムロール100は、基材フィルム22がフィラーを含有しても、剥離フィルムロール100の径方向に沿って隣接する剥離フィルム20の剥離層24にフィラーの形状が転写されるのを十分に抑制することができる。フィラーは、特に限定されるものではなく、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、酸化チタン、フュームドシリカ、アルミナ、及び有機粒子等が挙げられる。
剥離層24は、基材フィルム22の一方面上に剥離剤を含む溶液を塗布し、乾燥及び硬化させて形成される。塗布方法は特に限定されず、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコート法、マイヤーバーコート法、ダイコート法、スプレーコート法等を用いればよい。乾燥は熱風乾燥、赤外線乾燥、自然乾燥等を用いることができる。乾燥時の水分結露を抑制するために加熱することが好ましく、60~120℃程度であってよい。
剥離層24の形成に用いられる剥離剤としては、例えば、シリコーン系剥離剤、長鎖アルキル系剥離剤、フッ素系剥離剤、及びアミノアルキド樹脂系のものが挙げられる。シリコーン系剥離剤は、硬化反応の違いから、付加反応系シリコーン剥離剤、縮合系シリコーン剥離剤、紫外線硬化系剥離剤等がある。
硬化条件は、剥離剤の硬化系統に合わせて適宜選択すればよい。例えば、剥離剤が付加反応系のシリコーンであれば、80~130℃で数十秒間の加熱処理を行うことで硬化させることができる。紫外線硬化系であれば、水銀ランプ、メタルハライドランプ等を光源として紫外線を照射して硬化させることができる。紫外線を照射してラジカル重合させる場合、酸素阻害を防止するために、硬化を窒素雰囲気下で行うことが好ましい。剥離層24の厚み変動幅は小さいことが好ましい。
付加反応系シリコーン剥離剤は、ポリジメチルシロキサンの末端及び/又は側鎖にビニル基が導入されたものと、ハイドロジェンシロキサンとを反応させて硬化させる。硬化には白金触媒を用いることができる。例えば、100℃前後の硬化温度で数十秒間から数分間で硬化させることができる。剥離層24の厚みは50~300nm程度であってよい。付加反応系の剥離剤としては信越化学工業株式会社製のK847、KS847T,KS-776L、KS-776A、KS-841、KS-774、KS-3703T、KS-3601等(いずれも商品名)を挙げることができる。
剥離層24は、例えば(メタ)アクリレート成分と(メタ)アクリレート変性シリコーンの硬化物で構成されてもよい。このような硬化物は紫外線で硬化できるので、剥離層24の厚みを大きくすることができる。このため、例えば、基材フィルム22がフィラーを含む場合に、フィラーに起因する突起を覆って剥離層24の表面(剥離面)を平滑にすることができる。この場合、剥離層24の厚みは、300~3000nmであってよい。
互いに相溶しない(メタ)アクリレートモノマーと(メタ)アクリレート変性シリコーンオイルを用いてもよい。これらを反応開始剤とともに溶剤中に混合し、基材フィルム22に塗布後、溶剤を乾燥させる。このようにして、シリコーン変性シリコーンオイルを表面近傍に局在化させた状態で、紫外線により硬化させて、剥離層24を形成してもよい。(メタ)アクリレート変性シリコーンオイルとしては公知のものが使用できる。例えば、信越化学工業株式会社製のX-22-164A、X-22-164B、X-22-174DX、X-22-2445(いずれも商品名)等を挙げることができる。
剥離フィルム20における剥離層24の表面は平滑であることが好ましい。具体的には剥離層24の表面粗さ(Rp)は100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましい。本実施形態における剥離層24の表面粗さ(Rp)は、JIS B 0601-2001で規定される最大山高さであり、接触式の表面粗さ計又は走査型白色干渉顕微鏡を用いて測定することができる。
一実施形態に係る剥離フィルムロール100の製造方法は、剥離フィルムを、搬送ロールを用いて搬送する搬送工程と、剥離フィルムを長手方向に沿って切断する切断工程と、コンタクトロールを巻き取りロールに押圧しながら剥離フィルムを巻き取りロールで巻き取る巻取工程と、を有する。搬送工程は、切断工程の前後のいずれか、又は両方で行ってよい。
図3は、剥離フィルムロール100の製造方法を行う製造装置の一例を示す図である。図3の製造装置300では、剥離フィルムロール200を用いる。剥離フィルムロール200は、剥離フィルム20よりも広い幅(例えば、1~2m)を有する剥離フィルム20Aが巻き芯11に巻き付けられている。剥離フィルムロール200は、公知の方法で、剥離フィルム20Aを巻き芯11に巻き付けることによって製造される。剥離層は、基材フィルムの長手方向に平行になるように縞状に複数並んで形成されていてもよい。このとき、剥離フィルム20Aの基材フィルム側を内側にして巻き芯11に巻き付けてもよいし、剥離層側を内側にして巻き付けてもよい。剥離フィルムロール200の巻き長さは剥離フィルムロール100の巻き長さよりも長くてもよい。剥離フィルムロール200を、剥離フィルムロール100の巻き長さの整数倍の長さに、切断作業に付随するロス分を加味した長さで作製してもよい。この場合、巻取工程において、剥離フィルムロール100が完成した後、剥離フィルムロール200から繰り出された剥離フィルム20Aを幅方向に沿って切断し、別の剥離フィルムロール100の製造にこの剥離フィルムロール200を引き続き用いてもよい。これによって生産性の効率化を図ることができる。
製造装置300は、上流側に設けられる繰り出し部110において、剥離フィルムロール200の巻き芯11が回転軸202に挿入され、回転軸202は剥離フィルムロール200を回転可能に支持する。さらに、製造装置300は剥離フィルムロール200から引き出された剥離フィルム20Aを上下方向に挟む一対のロール50を備える。製造装置300は、搬送工程を行う一対のロール50の下流側に、切断工程を行う切断部120と、巻取工程を行う巻き取り部130とをこの順で備える。
一対のロール50の材質としては、金属、プラスチック、ゴム等が挙げられる。一対のロール50を構成する上ロール50aと下ロール50bは、互いに異なる材質で構成されていてもよい。例えば、上ロール50aは、剥離フィルム20Aを上ロール50aに十分に接触させる観点から、少なくとも表面がゴム製である搬送ロールであってよい。下ロール50bは、下ロール50b自体が変形して搬送速度が不安定になることを抑制するため、金属製のニップロールであってよい。一対のロール50の構成は特に限定されず、変形例では、上ロール50aがニップロールであり、下ロール50bが搬送ロールであってもよい。
一対のロール50は、その上流側と下流側とで剥離フィルム20Aの張力を異ならせる機能を有してよい。繰り出し部110の回転軸202には剥離フィルム20Aの進行方向とは逆向きのトルクが働き、剥離フィルム20Aに張力が付与される。逆向きのトルクとしては摩擦トルク、又は電磁ブレーキ等を用いて付与することができる。一対のロール50が剥離フィルム20Aの張力を異ならせる機能を有することによって、切断部120及び巻き取り部130における剥離フィルム20の張力の制御を高い自由度で行うことができる。
切断部120は、上刃ロール60aと下刃ロール60bとを有する。上刃ロール60aは、その回転軸方向に沿って複数枚の上刃が所定間隔で装着されていてよい。上刃ロール60aの上刃は、下刃ロール60bと噛み合うようになっていてよい。一対のロール50を通過した剥離フィルム20Aは、上刃ロール60aと下刃ロール60bの間で、長手方向に沿って切断される。これによって、例えば100~500mmの幅を有する剥離フィルム20に分割される。巻き取り軸102に複数の巻き芯10を取り付けて、切断された剥離フィルム20をコンタクトロール70で押圧しながら巻き芯10に巻き取れば、複数の剥離フィルムロール100を一度に製造することができる。切断部120には、ギャング刃等の公知のスリッターを用いることができる。なお、切断部120は有していなくてもよい。この場合、一つの剥離フィルムロール200から一つの剥離フィルムロール100が得られる。
巻き取り部130は、巻き取りロール100aの巻き芯10に挿入され、巻き芯10を回転可能に支持する巻き取り軸102を備える。切断部120で切断されて得られた剥離フィルム20は、巻き取り部130において巻き取り軸102に取り付けられた巻き芯10に巻き取られる。このとき、巻き取り軸102は所定のトルクで回転するとともに、コンタクトロール70が、巻き取られる剥離フィルム20を巻き芯10側に押圧する。すなわち、剥離フィルム20は、コンタクトロール70で押圧されながら巻き取られる。巻き取り軸102は所定の巻き取りトルクで回転駆動することによって、剥離フィルム20の巻き取り性を向上することができる。また、巻き取りロール100aへのコンタクトロール70の押圧の大きさは適宜調整してよい。
この例では、コンタクトロール70は、巻き取り軸102とは逆向きに回転しているが、これに限定されない。コンタクトロール70と巻き取り軸102は同じ向きに回転してもよい。ただし、巻き付け状態の品位を一層高くするとともに、剥離フィルム20の表面における凹凸及び変形を一層低減する観点から、コンタクトロール70は、巻き取り軸102とは逆向きに回転することが好ましい。
図4は、剥離フィルムロール100の製造方法を行う製造装置の別の例を示す図である。図4の製造装置301は、巻き取り部130の代わりに巻き取り部131を有する点で、図3の製造装置300と異なっている。製造装置301の繰り出し部110及び切断部120は、製造装置300と同様であってよい。製造装置301の巻き取り部131では、剥離フィルム20が、まずコンタクトロール70に接し、コンタクトロール70に接した状態でコンタクトロール70の周りを約半周回った後、コンタクトロール70と巻き取りロール100aとの間に挟まれる。剥離フィルム20は、コンタクトロール70と巻き取りロール100aの間で押圧されながら、所定のトルクで回転する巻き取り軸102によって巻き取られる。この例においても、剥離フィルム20は、コンタクトロール70で押圧されながら巻き取られる。コンタクトロール70が回転駆動するとともに、巻き取り軸102も所定の巻き取りトルクで回転駆動することによって、剥離フィルム20の巻き取り性を向上することができる。
図5は、巻き取り部130,131において巻き取りロール100aに巻き取られる剥離フィルム20にかかる張力の変化を模式的に示す図である。図5の横軸は巻き取りロール100aのロール形の大きさであり、縦軸は巻き取られる剥離フィルム20にかかる張力である。図5の直線1は、剥離フィルム20を一定の張力で巻き取る一定張力制御で巻き取ったときの張力の変化を示している。一定張力制御では、巻き取り開始時から終了時まで一定の張力で剥離フィルムを巻き取るため、内側において、巻き芯の表面の突起、及び、剥離フィルムに含まれるフィラー等の形状が、剥離フィルムに転写され、剥離フィルムの剥離層の表面に凹凸が生じやすくなる。
図5の曲線2は、テーパーテンション制御で剥離フィルムを巻き取るときの張力の変化を示している。この場合は、巻き取りが進行しロール径が大きくなるにつれて、直線1に比べて、巻き取られる剥離フィルム20にかかる張力を小さくすることができる。このため、剥離フィルム20の剥離層24の表面に凹凸が生じることを抑制できる。
図5の曲線3は、巻き取り軸102のトルクを一定に制御して、剥離フィルム20を巻き取るときの張力の変化を示している。この場合は、巻き取りが進行しロール径が大きくなるにつれて、曲線2よりも、巻き取られる剥離フィルム20にかかる張力をさらに小さくすることができる。したがって、剥離フィルム20の剥離層24の表面に凹凸が生じることを十分にすることが抑制できる。
コンタクトロール70は、駆動部によって回転駆動する。図5の曲線3のように剥離フィルム20を低い張力で巻き取っても、コンタクトロール70で押圧しながらコンタクトロール70を回転駆動させているため、巻き取りロール100aの径方向に沿って隣り合う剥離フィルム20の間の空気を低減することができる。これによって、巻きずれ、スライド現象及び巻き締りの発生が抑制され、剥離層24に皺及び傷等の凹凸が発生することを抑制できる。コンタクトロール70の回転速度は、適宜微調整してよい。切断部120における切断スピードが一定の場合、コンタクトロール70の回転速度は概ね一定としてよい。
コンタクトロール70の材質は金属、プラスチック及びゴム等が挙げられる。剥離フィルム20が帯電し易い場合、コンタクトロール70を導電性のものとしてよい。コンタクトロール70の材質に応じて、コンタクトロール70の直径を適宜調整してよい。例えば、硬めの材質であれば比較的大きな直径のものを用い、柔らかい材質であれば比較的小さい直径のものを用いてよい。
図6は、図3の巻き取り部130における制御方法の一例を示す図である。巻き取り部130は、巻き取りロール100aを回転駆動する巻き取り軸102のトルクTを制御するトルク制御部81aと、トルク制御部81aからのトルク情報に基づいて巻き取り軸102を回転駆動する回転駆動部82とを有してよい。回転駆動部82は、トルク制御部81aからのトルク情報に基づいて、巻き取り軸102のトルク(巻き取りトルク)がTとなるように回転駆動する。なお、巻き取りロール100aは、剥離フィルム20を巻き取り中である剥離フィルムロールであり、巻き取りが完了すると剥離フィルムロール100となる。
巻き取られる剥離フィルム20の厚みをF[m]、剥離フィルム20の幅をW[m]、巻き取りロール100aを回転駆動する巻き取り軸102のトルクをT[N・m]としたときに、T/(F・W)の値は、70,000~420,000N/mの範囲内に維持されてよい。この値は、巻き取り軸102が、剥離フィルム20の単位断面当たりに与えるトルクの大きさを示している。巻取工程におけるT/(F・W)の値を、上記範囲にすることによって、剥離フィルムロール100の径方向に沿って隣り合う剥離フィルム同士における凹凸の転写を抑制しつつ、剥離フィルム20間の空気を低減して剥離フィルム同士を十分に密着させることができる。同様の観点から、巻取工程におけるT/(F・W)の値は、70,000~280,000N/mの範囲内であってよく、100,000~210,000N/mの範囲内であってもよい。
巻き取り軸102のトルクTの変動は小さい方が好ましい。例えば、巻取工程における巻き取り軸102のトルクT[N・m]の最大値をTmax[N・m]、最小値をTmin[N・m]、及び最大値Tmaxと最小値Tminの和の1/2をTave[N・m]としたときに、下記式(1)及び(2)を満たしてよく、下記式(3)及び(4)を満たしてもよい。
max≦1.2×Tave (1)
min≧0.8×Tave (2)
max≦1.1×Tave (3)
min≧0.9×Tave (4)
巻取工程において、下記(1)及び(2)、又は式(3)及び(4)を満足することによって、巻き取り軸102のトルクTの変化幅を小さくすることができる。これによって、トルクTが大きくなることによって生じ得る巻き締りを十分に抑制することができる。なお、巻取工程においてトルクTを一定とすると、巻き取りロール100aのロール径rが大きくなるにつれて、剥離フィルム20の巻き取り張力が低くなる。本実施形態では、剥離フィルム20をコンタクトロール70で押圧しながら回転駆動によって巻き取りを行っているため、巻き取り張力が低くなっても、径方向に隣接する剥離フィルム20間の空気量を十分に低減することができる。
製造装置300は、コンタクトロール70の回転軸72のトルクT’を制御するトルク制御部81bと、トルク制御部81bからのトルク情報に基づいて回転軸72を回転駆動する回転駆動部83とを有してよい。回転駆動部83は、トルク制御部81bからのトルク情報に基づいて、回転軸72のトルクがT’となるように回転駆動する。コンタクトロール70のトルクT’を大きくすると、巻き取られる剥離フィルム20の張力は大きくなる。
例えば、ロール径rが小さいときには、剥離フィルム20に過剰に張力がかからないようにするために、コンタクトロール70のトルクT’を小さくしておく。そして、巻き取りが進行しロール径rが大きくなるにつれてトルクT’を大きくすれば、トルクTが一定の下における剥離フィルム20の張力の低下を、コンタクトロール70のトルクT’で補助することができる。これによって、巻き取りロール100aにおける空気量を低減するとともに、張力の低下に伴う剥離フィルム20のバタつきを抑制して切断時の安定性を向上することができる。
製造装置300は、巻き取りロール100aに対するコンタクトロール70の押圧Pを制御する押圧制御部81cと、実際の押圧を発生させるシリンダー部84により構成されることがある。シリンダー部84は、シリンダーに圧縮された空気を送り込むことで押圧が発生する。圧縮された空気の気圧を調整することでコンタクトロールの押圧が制御される。
コンタクトロール70の巻き取りロール100aに対する押圧Pは、ロール径rが大きくなるにつれて徐々に大きくしてもよい。巻き取り軸102のトルクTを一定にした場合、ロール径rが大きくなるにつれて、剥離フィルム20の張力が小さくなる。そこで、コンタクトロール70の押圧Pを大きくすれば、径方向に隣接する剥離フィルム20間の空気量を十分に低減することができる。押圧は、切断工程における切断スピード及び剥離フィルム20の幅等に応じて設定してよい。
巻き取り軸102は、巻き芯10を巻き取り軸102に固定するための固定機構を備えていてよい。剥離フィルム20の巻き取りが終了し、剥離フィルムロール100が得られた後は、コンタクトロール70を、シリンダー部84を用いて動かして剥離フィルムロール100から離す。そして、巻き取り軸102の固定機構を解除して剥離フィルムロール100を巻き取り軸102から取り外す。このようにして剥離フィルムロール100を製造することができる。
このようにして製造される剥離フィルムロール100は、巻取工程において、剥離フィルム20をコンタクトロール70で巻き取りロール100aに押圧するとともに、このコンタクトロール70を回転駆動させながら剥離フィルム20を巻き取っている。コンタクトロール70は押圧Pで巻き取りロール100aに巻き付けられる剥離フィルム20を巻き取りロール100aに向けて押圧している。また、コンタクトロール70はトルクT’で回転駆動する。したがって、巻き取られる剥離フィルム20の間における空気の抜けを促進し、巻きずれの発生を抑制できる。また、巻き取りロール100aの巻き取り軸102のトルクTを小さくして、剥離フィルム20の剥離層24の表面への凹凸形状の転写を低減することができる。したがって、巻き付け状態の品位が高く、且つ、剥離フィルム20の表面の凹凸及び変形が十分に低減されている剥離フィルムロール100を製造することができる。
制御部80は、トルク制御部81a,81b、及び押圧制御部81cを有する。制御部80は、CPU、ROM及びRAM等の主記憶装置、キーボード及びマウス等の入力デバイス、ディスプレイ等の出力デバイス、各種測定部との間でデータの送受信を行うための送受信部、及びハードディスク等の補助記憶装置等を含む通常のコンピュータシステムとして構成されてよい。トルク制御部81a,81b、及び押圧制御部81cは、一つのコンピュータシステムに含まれていてもよいし、それぞれが個別のコンピュータシステムによって構成されていてもよい。
トルク制御部81a、回転駆動部82及び巻き取り軸102は、個別のハードウェアで構成される必要はなく、一つ又は二つのハードウェアによって構成されていてもよい。例えばトルク制御部81aと回転駆動部82の機能は市販のトルクモータで実現されてもよい。トルク制御部81によるトルク制御の手法は特に制限されず、例えば、フリクションシャフトを用いて行ってもよい。トルク制御部81b、回転駆動部83及び回転軸72も、個別のハードウェアで構成される必要はなく、一つ又は二つのハードウェアによって構成されていてもよい。例えばトルク制御部81bと回転駆動部83の機能は市販のトルクモータで実現されてもよい。また、押圧制御部81c及びシリンダー部84も、個別のハードウェアで構成される必要はなく、一つのハードウェアによって構成されていてもよい。
図7は、本開示の一実施形態に係るセラミック部品シートの断面図である。図7のセラミック部品シート40の製造方法は、剥離フィルムロール100から引き出された剥離フィルム20の剥離層24の表面24aにセラミック粉末を含むペーストと電極ペーストを用いてセラミックグリーンシート32及び電極グリーンシート34を含むグリーンシート30を形成する工程を有する。
セラミックグリーンシート32は、セラミック粉末を含有するセラミックペーストを塗布して乾燥させて形成することができる。電極グリーンシート34はセラミックグリーンシート32の上に電極ペーストを塗布して乾燥させて形成することができる。
セラミックペーストは、例えば、積層セラミックコンデンサであれば誘電体原料(セラミック粉末)と有機ビヒクルとを混練して調製できる。誘電体原料としては、焼成によって複合酸化物や酸化物となる各種化合物が挙げられる。例えば、炭酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物等から適宜選択して用いることができる。誘電体原料は、平均粒子径が4μm以下、好ましくは0.1~3.0μmの粉末であってよい。
電極ペーストは、例えば、各種導電性金属及び合金等の導電体材料、並びに、各種酸化物、有機金属化合物、及びレジネート等との焼成後に導電体材料となる材料等からなる群より選択される少なくとも一つと、有機ビヒクルとを混練して調製することができる。電極ペーストを製造する際に用いる導電体材料としては、Ni金属、Ni合金、またはこれらの混合物を用いることが好ましい。接着性向上のために、電極ペーストは、可塑剤を含んでいてもよい。可塑剤としては、フタル酸ベンジルブチル(BBP)等のフタル酸エステル、アジピン酸、燐酸エステル、グリコール類などが挙げられる。
セラミックペースト及び電極ペーストに含まれる有機ビヒクルは、バインダ樹脂を有機溶剤中に溶解して調製される。有機ビヒクルに用いられるバインダ樹脂としては、例えばエチルセルロース、アクリル系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、及びこれらの共重合体などが挙げられる。これらのうち、ブチラール系樹脂、具体的にはポリビニルブチラール系樹脂を用いることが好ましい。ブチラール系樹脂を用いることによって、セラミックグリーンシートの機械的強度を高くすることができる。セラミックペースト及び電極ペーストの一方又は双方は、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、帯電除剤、誘電体、ガラスフリット、絶縁体等からなる群より選ばれる少なくとも一種の添加物を含有してもよい。
上述のセラミックペーストを、例えばドクターブレード装置等を用いて、剥離フィルム20の剥離層24の表面24aに塗布する。そして、塗布したセラミックペーストを、乾燥装置内で、例えば50~100℃の温度で1~20分間乾燥させて、セラミックグリーンシート32を形成する。セラミックグリーンシート32は、乾燥前に比較して5~25%に収縮する。
その後、セラミックグリーンシート32の表面32a上に、例えばスクリーン印刷装置を用いて、所定のパターンとなるように上述の電極ペーストを印刷する。印刷した電極ペーストを、乾燥装置内で、例えば50~100℃の温度で1~20分間乾燥させて、電極グリーンシート34を形成する。このようにして、剥離フィルム20の剥離層24の上にセラミックグリーンシート32と電極グリーンシート34が順次積層されたセラミック部品シート40を得ることができる。
剥離フィルムロール100における剥離フィルム20の凹凸又は厚み変動が大きくなるとセラミックグリーンシート32の厚み変動幅が大きくなる。剥離フィルムロール100より引き出される剥離フィルム20は、剥離層24において、巻きずれ及びスライド現象等による傷の発生、及び、凹凸が十分に低減されている。このため、剥離フィルムロール100に巻かれた剥離フィルム20の先端から後端の間の広い領域に亘って、厚み変動及びピンホールが十分に抑制されたセラミックグリーンシート32を形成することができる。このようなセラミックグリーンシートを備えるセラミック部品シート40を用いて作製されるセラミック部品は信頼性に優れる。
セラミックグリーンシート32及び電極グリーンシート34の厚みは、それぞれ1.0μm以下であってよい。このように厚みが小さくても厚み変動が抑制されることから、高い信頼性を有するセラミック部品を得ることができる。本開示のセラミック部品シートは、図7のものに限定されず、例えば、電極グリーンシートを有さず、セラミックグリーンシート32のみで構成されていてもよい。
本開示の一実施形態に係るセラミック部品の製造方法は、複数のセラミック部品シートを準備し、セラミック部品シートのグリーンシートを複数積層して積層体を得る積層工程と、積層体を焼成して焼結体を得る焼成工程と、該焼結体に端子電極を形成して積層セラミックコンデンサを得る電極形成工程とを有する。
図8は、上述の製造方法で製造される積層セラミックコンデンサの一例を示す断面図である。積層セラミックコンデンサ90は、内層部92と、この内層部92を積層方向に挟む一対の外層部93とを備えている。積層セラミックコンデンサ90は、側面に端子電極95を有している。
内層部92は、複数(本例では13層)のセラミック層96(誘電体層)と、複数(本例では12層)の内部電極層94とを有している。セラミック層96と内部電極層94とは、交互に積層されている。内部電極層94は、端子電極95と電気的に接続されている。外層部93は、セラミック層により形成されている。このセラミック層は、例えば、セラミックグリーンシート32と同様にして形成してよい。
積層工程では、図7に示すセラミック部品シート40の剥離フィルム20を剥離してグリーンシート30を得る。このグリーンシート30の一方面30bを外層用グリーンシートに積層する。別のセラミック部品シート40から別の剥離フィルム20を剥離し別のグリーンシート30を得て、最初に剥離したグリーンシートの電極グリーンシート34と別のグリーンシート30の一方面30bが向き合うようにして積層する。その後、このような手順を繰り返し行って、グリーンシート30を積層することによって、積層体を得ることができる。すなわち、この積層工程では、剥離フィルム20を剥離してグリーンシート30を得て順次グリーンシート30を積層する。この手順を複数回繰り返すことによって、積層体を形成している。最後に外層用グリーンシートを積層することも行われる。
積層体におけるグリーンシートの積層枚数に特に制限はなく、例えば、数十層から数百層であってもよい。積層体の積層方向に直交する両端面に、電極層が形成されない厚めの外層用グリーンシートを設けてもよい。積層体を形成した後、積層体を切断してグリーンチップとしてもよい。
焼成工程では、積層工程で得られた積層体(グリーンチップ)を焼成して焼結体を得る。焼成条件は、1100~1300℃で、加湿した窒素と水素との混合ガス等の雰囲気下で行うとよい。ただし、焼成時の雰囲気中の酸素分圧は、好ましくは10-2Pa以下、より好ましくは10-2~10-8Paとする。なお、焼成前には、積層体の脱バインダ処理を施すことが好ましい。脱バインダ処理は、通常の条件で行うことができる。例えば、内部電極層の導電体材料として、Ni又はNi合金等の卑金属を用いる場合、200~600℃で行うことが好ましい。
焼成後、焼結体を構成するセラミック層を再酸化させるために、熱処理を行ってもよい。熱処理における保持温度又は最高温度は、1000~1100℃であることが好ましい。熱処理の際の酸素分圧は、焼成時の還元雰囲気よりも高い酸素分圧であることが好ましく、10-2Pa~1Paであることがより好ましい。このようにして得られた焼結体に、例えばバレル研磨、サンドブラスト等にて端面研磨を施すことが好ましい。
電極形成工程では、焼結体の側面上に、端子電極用ペーストを焼きつけて端子電極95を形成することにより、図8に示す積層セラミックコンデンサ90を得ることができる。この積層セラミックコンデンサ90の製造方法では、剥離フィルム20の凹凸及び巻きずれ等による傷が十分に低減された剥離層を有する剥離フィルムロール100を用いている。このため、セラミック層96及び内部電極層94における厚みのばらつき、及びピンホールを十分に低減することができる。したがって、耐圧の低下が抑制されており信頼性に優れる。
以上、幾つかの実施形態を説明したが、本開示は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、セラミック部品として積層セラミックコンデンサを形成する例を説明したが、本開示のセラミック部品は積層セラミックコンデンサに限定されず、例えば、他のセラミック部品であってよい。セラミック部品は、例えば、バリスタ、又は積層インダクタであってもよい。
実施例及び比較例を参照して本開示の内容をより詳細に説明するが、本開示は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<剥離フィルムロールの作製>
剥離フィルムを作製するため、以下の手順で剥離剤溶液を調製した。ノナンジオールジアクリレート100質量部に対して、アクリレート変性シリコーンオイル(商品名:X-22-2445,信越化学工業株式会社製)を0.25質量部、メチルエチルケトンを100質量部、及びトルエン100質量部を準備した。これらを金属製容器に入れて攪拌混合し、無色透明の溶液を得た。
上記溶液に、反応開始剤(商品名:Omnirad127、IGM Rasins B.V.製)を2.5質量部加えて塗布液を調製した。幅1100mmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム、厚み:30μm)の一方面に、塗布装置のスリットから塗布液を押し出して塗布し、温度80℃の熱風を30秒間当てて、メチルエチルケトン及びトルエンを蒸発させた。このようにしてPETフィルム上に塗布層を形成した。
次いで、酸素濃度100ppmの窒素雰囲気下にて紫外線を照射して塗布層を硬化し、剥離機能のある剥離層を形成した。このようにしてPETフィルムの一方面に剥離層を有する剥離フィルム(切断前)を得た。走査型白色干渉顕微鏡(装置名:VS1540、株式会社日立ハイテクサイエンス製)を用いて、剥離フィルムの剥離層の表面粗さ(Rp)を測定した。その結果、剥離層の表面粗さ(Rp)は30nmであった。剥離層の厚みは1μmであった。このような剥離フィルムを、巻き芯に巻き取って剥離フィルムロール(切断前)を得た。また、作製した剥離フィルムの全長は7000mであった。
図3に示すような製造装置を用い、上記剥離フィルムロール200(切断前)を、回転軸202に取り付けた。切断部120で、剥離フィルムロール200(切断前)から引き出された剥離フィルムを長手方法に沿って5つに切断し、幅200mmのサイズにした。5本の剥離フィルム(切断後)を、図3に示すようにして、剥離層24が外側になるようにして、外径が88.2mmのFRP製の巻き芯10にそれぞれ巻き取った。巻き取りに際しては、コンタクトロール70を巻き取りロール100aに対して押圧するとともに、巻き取り軸102とコンタクトロール70とを回転駆動させながら、剥離フィルムを巻き芯10に巻き取った。巻き取り軸102としてフリクションシャフトを用いた。
巻き取り軸102のトルクTは0.868N・mで一定とした。すなわち、最大値Tmax及び最小値Tminも0.868N/mであった。T/(F・W)の値は140,000N/mであった。得られた5本の剥離フィルムロールの巻き取り長さは、いずれも6000mであった。
<巻き状態の品位の評価>
剥離フィルムロールの巻き状態を目視で評価した。側面において、剥離フィルムの側端部が綺麗に並んでいて巻きずれがない場合を「A」、巻きずれがある場合を「B」と評価した。結果は表1に示すとおりであった。
<誘電体グリーンシートの形成及び評価>
作製した剥離フィルムロールを用い、以下の手順でセラミック部品シートとして誘電体グリーンシートを形成した。セラミック粉末としてBaTiO系の粉末、有機バインダとしてポリビニルブチラール(PVB)、及び溶媒としてメタノールをそれぞれ準備した。次に、セラミック粉末100質量部に対して、10質量部の有機バインダ、及び165質量部の溶媒を配合し、ボールミルで混練して誘電体スラリーを得た。
剥離フィルムロールを塗布機にセットして、剥離フィルムロールから引き出された剥離フィルムの剥離層側に誘電体スラリーを塗布し、剥離フィルムの剥離層の表面に誘電体グリーンシートを形成した。誘電体グリーンシートの厚みの設定値は0.9μmとした。誘電体グリーンシートの厚み変動幅は、インラインに設置した透過型X線膜厚計(商品名:AccureX、(株)ヒューテック製)を用いて、剥離フィルムの幅方向でトラバースしながら長手方向に沿って連続的に測定した。厚み変動幅は、厚みの平均値、最大値及び最小値から求めた。すなわち、最大値-平均値の絶対値と、最小値-平均値の絶対値のうち、大きい方の値を厚み変動幅とした。なお、巻き芯に巻かれた剥離フィルムロールの後端から長さが100mの範囲の剥離フィルムには、塗布機の装置上の制約から誘電体グリーンシートを形成しなかった。
作製した剥離フィルム上の誘電体グリーンシートについてピンホールと誘電体グリーンシートの厚み変動幅を調査した。誘電体グリーンシートの厚みが0.855μmから0.945μmの範囲つまり厚み変動幅が0.045μm(設定厚みの±5%)にはいっていれば良品とした。厚み変動幅は0.03μmであり、良品であった。また、ピンホールは検出されなかった。
(実施例2~7)
巻き取り軸102として用いるフリクションシャフトを変更することによって、巻き取り軸102のトルクTを表1に示すとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様にして剥離フィルムロールを作製した。巻き状態の品位の評価、誘電体グリーンシートの形成及び評価を実施例1と同様にして行った。結果は表1に示すとおりであった。
(比較例1)
実施例7と同じフリクションシャフトを用いた。コンタクトロールを用いずに剥離フィルムの巻き取りを行った。得られた剥離フィルムロールの巻き状態の品位の評価を行ったところ、剥離フィルムロールの側面において、剥離フィルムの切断面(端面)は不揃いになっていた。また、巻き取り終了後、巻き取り軸から剥離フィルムロールを取り外そうとしたら、内側の剥離フィルムがスライドし、剥離フィルムロールが竹の子状に変形した。この原因は、ロール径が大きくなるにつれて、巻き取られる剥離フィルムの張力が低下しているにもかかわらず、コンタクトロールを用いなかったためと考えられる。この状態では、塗布装置で誘電体スラリーを塗布することができないので、この時点で評価を終了した。なお、剥離フィルムロールをほどいて剥離フィルムを観察したところ、側端部から内側約3cm以内の領域で剥離フィルムが折れたような変形がみられた。
(比較例2)
巻き取りロールの巻き取り軸のトルクを調整し、巻き取られる剥離フィルムにかかる張力が一定となるようにして、剥離フィルムを巻き取った(張力一定制御)。得られた剥離フィルムロールの巻き状態の品位の評価、誘電体グリーンシートの形成及び評価を実施例1と同様にして行った。結果は表1に示すとおりであった。
剥離フィルムロールは空気の抱き込みが観察された。また、剥離フィルムロールの巻き芯に近い部分、具体的には、巻き芯に巻かれた剥離フィルムロールの後端から長さが100mから500mの範囲の剥離フィルムでは、内側になるに従い誘電体グリーンシートの厚み変動幅が悪化し、誘電体グリーングリーンシートの厚み変動幅が0.06μmであった。このように、厚み変動幅が、設定厚みの±5%の範囲を超えている部分があり、不良であった。また、巻き芯に巻かれた剥離フィルムロールの後端から長さが100mから250mの範囲の剥離フィルムでは、ピンホールのような形態で誘電体グリーンシートが薄くなっている部分が観察された。
Figure 0007447987000001
本開示によれば、剥離フィルムの巻き長さを長くしても、巻き付け状態の品位が高く、且つ、剥離フィルムの表面における凹凸及び変形が十分に低減されている剥離フィルムロール及びその製造方法を提供することができる。また、そのような剥離フィルムロールを用いることによって、優れた信頼性を有するセラミック部品シート及びその製造方法を提供することができる。また、そのようなセラミック部品シートを用いることによって、優れた信頼性を有するセラミック部品及びその製造方法を提供することができる。
10,11…巻き芯,20…剥離フィルム,22…基材フィルム,24…剥離層,24a…表面,30…グリーンシート,30b…一方面,32…セラミックグリーンシート,32a…表面,34…電極グリーンシート,40…セラミック部品シート,50…ロール,50a…上ロール,50b…下ロール,70…コンタクトロール,72…回転軸,80…制御部,81a,81b…トルク制御部,81c…押圧制御部,82,83…回転駆動部,84…シリンダー部,90…積層セラミックコンデンサ,92…内層部,93…外層部,94…内部電極層,95…端子電極,96…セラミック層,100…剥離フィルムロール,102…巻き取り軸,110…繰り出し部,120…切断部,130,131…巻き取り部,200…剥離フィルムロール,202…回転軸,300,301…製造装置。

Claims (9)

  1. コンタクトロールを巻き取りロールに押圧しながら、基材フィルムと剥離層とを有する剥離フィルムを前記巻き取りロールに巻き取る巻取工程を有し、
    前記巻取工程では、前記コンタクトロールを回転駆動させながら、前記巻き取りロールのロール径が大きくなるにつれて前記剥離フィルムにかかる張力が小さくなるように、前記巻き取りロールを回転駆動する巻き取り軸のトルクを制御しつつ前記剥離フィルムを巻き取る、剥離フィルムロールの製造方法。
  2. 前記巻取工程において、
    前記剥離フィルムの厚みをF[m]、前記剥離フィルムの幅をW[m]、前記巻き取りロールを回転駆動する前記巻き取り軸のトルクをT[N・m]としたときに、T/(F・W)の値を70,000~420,000N/mの範囲内に維持する、請求項1に記載の剥離フィルムロールの製造方法。
  3. 前記巻取工程における、前記巻き取りロールを回転駆動する前記巻き取り軸のトルクT[N・m]の最大値をTmax[N・m]、最小値をTmin[N・m]、及び前記最大値と前記最小値の和の1/2をTave[N・m]としたときに、下記式(1)及び(2)を満足する、請求項1又は2に記載の剥離フィルムロールの製造方法。
    max≦1.2×Tave (1)
    min≧0.8×Tave (2)
  4. 前記剥離フィルムを、搬送ロールを用いて搬送する搬送工程と、
    前記剥離フィルムを長手方向に沿って切断する切断工程と、を含み、
    前記剥離フィルムを切断する前に、ニップロールと前記搬送ロールによって前記剥離フィルムを挟む、請求項1~3のいずれか一項に記載の剥離フィルムロールの製造方法。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法によって得られる剥離フィルムロール。
  6. 請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法で得られる剥離フィルムロールから引き出された前記剥離フィルムの前記剥離層の表面にセラミック粉末を含むペーストを用いてセラミックグリーンシートを形成する工程を有する、セラミック部品シートの製造方法。
  7. 請求項6に記載の製造方法で得られた前記セラミック部品シートを用いて前記セラミックグリーンシートを含む積層体を得る工程と、
    前記積層体を焼成して焼結体を得る工程と、を有する、前記焼結体を備えるセラミック部品の製造方法。
  8. 請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法によって得られた剥離フィルムロールから引き出された前記剥離フィルムの前記剥離層の表面にセラミックグリーンシートを含むグリーンシートを形成して得られる、セラミック部品シート。
  9. 請求項8に記載のセラミック部品シートのセラミックグリーンシートを含む積層体を形成し、当該積層体を焼成して得られる焼結体を備えるセラミック部品。
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