明 細 書
グリーンシート成形用離型フィルム
技術分野
[0001] 本発明はグリーンシート成形用離型フィルムに関し、詳しくは、セラミック積層コンデ ンサ一、セラミック基板などのセラミック電子部品製造時に使用するグリーンシート成 形用として、離型フィルムの離型面力 真空吸引などにより垂直方向にグリーンシー トを剥離する、いわゆる面剥離方式を採用する剥離工程に対応可能なグリーンシート 成形用離型フィルムに関する。また、本発明は、セラミック積層コンデンサー製造時 に使用する薄膜グリーンシート成形用として、特に厚み (乾燥後)が 2 μ m以下のダリ ーンシート成形用として用いた際に、セラミックスラリーに対する塗工性および成形後 のグリーンシートに対する剥離性が良好であるグリーンシート成形用離型フィルムに 関する。
背景技術
[0002] 従来、ポリエステルフィルムを基材とする離型フィルムがセラミック積層コンデンサー 、セラミック基板などの各種セラミック電子部品製造時に使用するグリーンシート成形 用に使用されている。近年、セラミック積層コンデンサーの小型化'大容量ィ匕が進む に伴い、ダリ—ンシートの厚みも益々薄膜ィ匕する傾向にある。グリーンシートの更なる 薄膜ィ匕に伴い、特に厚み (乾燥後)が 2 m以下の薄膜グリーンシートを成形しようと した場合、離型フィルムの離型層表面の表面粗度が高い場合には、セラミックスラリ 一塗工時にスラリーのはじきあるいはピンホールの発生、グリーンシート剥離時には グリーンシートの破断などの不具合を生じる場合がある。
[0003] 上記不具合を解決するために、表面粗度の低いポリエステルフィルムを基材とする 離型フィルムを使用すると、離型フィルムをロール状に卷取つた際にブロッキングある いはシヮ等が発生する等の不具合を生じる場合がある。
[0004] 一方、グリーンシートの剥離工程においては、真空吸引などにより、離型面からダリ ーンシートを垂直方向に剥離する、いわゆる面剥離方式を採用する場合がある(例え ば、特許文献 1一 3参照)。面剥離方式を採用する剥離工程においては、従来、セラ
ミック離型用として汎用的に使用されて ヽる離型フィルムでは対応が困難な場合があ る。そのため、離型面がより平坦で且つグリーンシートを面剥離する剥離工程に対応 可能な離型フィルムが必要とされて 、る。
[0005] また、上記の様にグリーンシートの更なる薄膜ィ匕に対応するため、使用するセラミツ クスラリー自身の粘度をより低粘度化させ、且つ離型面上へのスラリー塗布量を増加 させる手法などにより、グリーンシートの膜厚調整を行う傾向にある。その結果、従来 使用されている離型フィルムでは離型面のセラミックスラリーに対する濡れ性が不十 分となり、セラミックスラリー塗工時にスラリーのはじきが発生しやすい場合がある。そ のため、離型フィルムの離型面は、セラミックスラリーに対する濡れ性が良好であるこ とが更に必要とされる状況にある。
[0006] 離型フィルムを構成する離型層の濡れ性を向上させるための具体的手法として、例 えば、セルロース系榭脂、アルキッド系榭脂、アクリル系榭脂などの非シリコーン系榭 脂成分を使用することが提案されているが (例えば、特許文献 4及び 5参照)、当該非 シリコーン系榭脂成分はセラミックスラリーに対する濡れ性は向上する反面、往々に して成形後のグリーンシート剥離時に剥離困難になる場合がある。
[0007] 特に厚み (乾燥後)が 2 m以下の薄膜グリーンシート成形用として、セラミックスラリ 一に対する塗工性が良好であること及び成形後のグリーンシートに対する剥離性が 良好であるという、相反する特性を同時に満足することが出来る離型フィルムが必要 とされている。
[0008] 特許文献 1:特開 2000— 49060号公報
特許文献 2 :特開 2002— 254421号公報
特許文献 3:特開 2002 - 67018号公報
特許文献 4:特開 2003—318072号公報
特許文献 5 :特開 2003— 3183号公報
発明の開示
発明が解決しょうとする課題
[0009] 本発明は、上記の実情に鑑みなされたものであり、その目的は、セラミック積層コン デンサ一、セラミック基板など、各種電子部品製造時に使用するグリーンシート成形
用として、離型面より垂直方向にグリーンシートを剥離する、いわゆる面剥離方式を採 用する剥離工程に対応可能な離型フィルムを提供することにある。また、本発明の他 の目的は、セラミック積層コンデンサー製造時に使用する、特に厚み (乾燥後)が 2 m以下のグリーンシート成形用として、離型面が平坦でセラミックスラリーに対する塗 ェ性および成形後のグリーンシートに対する剥離性が良好な離型フィルムを提供す ることにめる。
[0010] 上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、特定の構成からな る離型フィルムを用いれば、上述の課題を容易に解決できることを見出し、本発明を 完成させるに至った。
[0011] 本発明の第 1の要旨は、ポリエステルフィルムの一方の面に離型層を有するフィル ムであって、下記式(1)及び(2)を同時に満足することを特徴とするグリーンシート成 形用離型フィルムに存する。
[0012] [数 1]
F (30 OmZm i n) /¥ (3 OmZm i n) ≤2. 0 (1) 0. 01≤S i≤0. 10 (2)
[0013] 上記式中、 F(300mZmin)及び F(30mZmin)は、離型フィルムにおいて、剥離 速度が各々 300mZmin、 30mZminにおける離型層表面とアクリル系粘着テープ との剥離力(mNZcm)を表し、 Siは乾燥状態での離型層の塗工量 (gZm2)を表す
[0014] 本発明の第 2の要旨は、ポリエステルフィルムの一方の面に、硬化型シリコーン榭脂 を含有する離型層を有するフィルムであって、下記式(3)及び (4)を同時に満足する ことを特徴とするグリーンシート成形用離型フィルムに存する。
[0015] [数 2]
(C A) wa t e r≥ 105 (3)
(CA) t o l ue ne≤27 (4) 上記式中、(CA) waterは離型層面の水滴接触角(度)を表し、(CA)tolueneは離 型層面のトルエン溶媒による接触角(度)を表す。
発明の効果
[0017] 本発明のグリーンシート成型用離型フィルムは、離型面力 真空吸引などにより垂 直方向にグリーンシートを剥離する、いわゆる面剥離方式を採用する剥離工程に対 応可能な離型フィルムを提供することが出来る。また、本発明のグリーンシート成型用 離型フィルムは、セラミック積層コンデンサー製造時に使用する、特に厚み(乾燥後) カ^ m以下の薄膜グリーンシート成形用として用いた際に、セラミックスラリーに対す る塗工性および成形後のグリーンシート剥離性が良好な離型フィルムを提供すること が出来る。
発明を実施するための最良の形態
[0018] 以下、本発明を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の 実施態様の代表例であり、これらの内容に本発明は限定されるものではない。本発 明の第 1及び第 2の要旨のグリーンシート成形用離型フィルムは、ポリエステルフィル ムの一方の面に離型層を有するフィルムである。ポリエステルフィルムは、単層構成 であっても積層構成であってもよい。積層構成としては、特に限定されず、 AZB、 A ZBZA、 A/B/C, AZBZA,等の 2層および 3層構成が挙げられ、それ以外にも 、本発明の要旨を越えない限り、 4層またはそれ以上の多層構成であってもよい。
[0019] さらにポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、ホモポリエステルであっても 共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステル力 成る場合、芳香族ジカルボ ン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ま 、。芳香族ジカルボ ン酸としては、テレフタル酸、 2, 6 ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族 グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、 1, 4ーシクロへキサン ジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレ ート(PET)、ポリエチレン 2, 6 ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示され る。
[0020] 一方、共重合ポリエステルの場合は 30モル%以下の第三成分を含有した共重合 体であることが好ましい。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタ ル酸、フタル酸、テレフタル酸、 2, 6 ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸セバシン 酸、ォキシカルボン酸 (例えば、 P ォキシ安息香酸など)等の一種または二種以上
が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロ ピレンダリコール、ブタンジオール、 1, 4—シクロへキサンジメタノール、ネオペンチル グリコール等の一種または二種以上が挙げられる。
[0021] 何れにしても本発明でいうポリエステルとは、通常 80モル%以上、好ましくは 90モ ル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフタレート、エチレン 2, 6 ナフタレート単位であるポリエチレン 2, 6 ナフタレート等であるポリエステル を指す。
[0022] 本発明におけるポリエステル層中には易滑性付与を主たる目的として粒子を配合 することが好ましい。配合する粒子の種類は、易滑性付与可能な粒子であれば特に 限定されず、具体例としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、 炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸ィ匕 アルミニウム、酸ィ匕チタン等の粒子が挙げられる。また、特公昭 59— 5216号公報、特 開昭 59— 217755号公報などに記載されているような耐熱性有機粒子を用いてもよ い。この他の耐熱性有機粒子の例として、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フエノール 榭脂、熱硬化性エポキシ榭脂、ベンゾグアナミン榭脂などが挙げられる。さらにポリエ ステル製造工程中、触媒などの金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子 を用いることも出来る。
[0023] 使用する粒子の形状は特に限定されず、球状、 塊状、棒状、扁平状などの何れを 用いてもよい。また、その硬度、比重、色などについても特に制限はない。これら一連 の粒子は必要に応じて 2種類以上を併用してもよい。
[0024] また、本発明において用いる粒子の平均粒径は、通常 0. 1— 5 μ mの好ましくは 0 . 5— 3 μ m、更に好ましくは 0. 5-2 μ mである。平均粒径が 0. 1 μ m未満の場合に は、粒子が凝集しやすい傾向があり、フィルム中での分散性が不十分となることがあ り、一方、 5 /z mを超える場合には、フィルムの表面粗度が粗くなりすぎて、後工程に おいて離型層を設ける場合などに不具合を生じることがある。
[0025] ポリエステル中の粒子含有量は、通常 0. 01— 5重量%、好ましくは 0. 01— 3重量 %である。粒子含有量が 0. 01重量%未満の場合には、フィルムの易滑性が不十分 になる場合があり、一方、 5重量%を超えて添加する場合には、フィルム表面の平滑
性が不十分になる場合がある。
[0026] ポリエステル中に粒子を添加する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法 を採用しうる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することが 出来るが、好ましくはエステルイ匕の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合 反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコール又は水 などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または混 練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによ つて行われる。
[0027] 本発明の離型フィルムを構成するポリエステルフィルムの厚みは、特にグリーンシー トに対する離型性を軽剥離化する点を配慮した場合、フィルムの腰による影響を低減 させるため、より薄膜であるのが好ましい。し力しながら、一方においては後述する離 型層積層時のフィルム平面性確保の必要があり、離型フィルムを構成するポリエステ ルフィルムの厚みが薄膜ィ匕しすぎる場合には、熱しわ等により、フィルム平面性が損 なわれる場合が多い。
[0028] 本発明の離型フィルムを構成するポリエステルフィルムの厚みは、特に限定されず 、通常 9一 38 μ m、好ましくは 9一 30 μ m、更に好ましくは 9一 26 μ mである。
[0029] 本発明における離型フィルムを構成するポリエステルフィルムの長手方向および幅 方向のフィルム厚みむらは、通常、共に 5%以下、好ましくは共に 3%以下に抑えるこ とが用途上好ましい。フィルム厚みむらを上述の範囲に抑えるための具体的手法とし ては、例えば、同時二軸延伸法を採用する方法などが例示される。フィルム厚みむら に関して、フィルム厚みむらが長手方向または幅方向の少なくとも一方が 5%を超え る場合、当該ポリエステルフィルムカゝら構成される離型フィルムを用いてグリーンシー トを成形した場合、得られるグリーンシートは厚みむらが大きくなる傾向があり、例え ば、グリーンシートの積層数力 00層以上の高容量のセラミック積層コンデンサー製 造用には不適当となる場合がある。
[0030] 次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明する力 以下の製造例に何ら限定されるものではない。
[0031] まず、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイ力 押し出された溶融シートを冷
却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させ るためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましぐ静電印加密着法お よび Zまたは液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二 軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロール又は テンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常 70— 120°C、好ましくは 8 0— 110°Cであり、延伸倍率は通常 2. 5— 7倍、好ましくは 3. 0— 6倍である。次いで 、一段目の延伸方向と直交する延伸温度は通常 130— 170°Cであり、延伸倍率は通 常 3. 0— 7倍、好ましくは 3. 5— 6倍である。そして、引き続き、通常 180— 270°Cの 温度で緊張下または通常 30%以内の弛緩下で熱処理を行 、、二軸配向フィルムを 得る。
[0032] 上記の延伸においては、一方向の延伸を 2段階以上で行う方法を採用することも出 来る。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行う のが好ましい。また、同時二軸延伸を行うことも可能である。同時二軸延伸法としては 、通常 70— 120°C、好ましくは 80— 110°Cで温度コントロールされた状態で、前記の 未延伸シートを縦方向(あるいは機械方向)および横方向(あるいは幅方向)に同時 に延伸し、配向させる方法である。延伸倍率は、面積倍率で、通常 4一 50倍、好まし くは 7— 35倍、さらに好ましくは 10— 25倍である。そして、引き続き、通常 170— 250 °Cの温度で緊張下または通常 30%以内の弛緩下で熱処理を行 、、延伸配向フィル ムを得る。
[0033] 上述の延伸方式を使用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタ グラフ方式、リニア一駆動式など、従来から公知の延伸方式を採用することが出来る 。同時二軸延伸法を採用する場合における付随的効果としてフィルム表面キズの低 減効果が挙げられる。
[0034] 本発明において、同時二軸延伸により離型フィルムを構成するポリエステルフィル ムを延伸することによれば、従来、逐次二軸延伸では面積倍率が大きくなる場合にお いて、延伸時に破断する等の不具合を生じる場合があった力 同時二軸延伸におい ては延伸追従性が良好であるため、フィルム長手方向および幅方向において、逐次 二軸延伸よりも更に面積倍率を大きくすることが可能なため、更にフィルム厚みむら
の小さ!/、ポリエステルフィルムを製造することが可能となるので好まし!/、。
[0035] また、上述のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆ る塗布延伸法 (インラインコーティング)を施すことが出来る。それは以下に限定する ものではないが、例えば、逐次二軸延伸においては特に 1段目の延伸が終了して、 2 段目の延伸前にコーティング処理を施すことが出来る。塗布延伸法にてポリエステル フィルム上に塗布層が設けられる場合には、延伸と同時に塗布が可能になると共に 塗布層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることが出来、ポリエステルフィルムとして好 適なフィルムを製造できる。
[0036] 離型層は、上述の塗布延伸法 (インラインコーティング)によりポリエステルフィルム 上に設けられてもよいが、ー且製造したフィルム上に系外で塗布する、いわゆるオフ ラインコーティングで設けられてもよぐむしろその方が好ましい。
[0037] ポリエステルフィルムに離型層を設ける塗工方式としては、リバースグラビアコート、 バーコート、ダイコート等、従来公知の塗工方式を用いることが出来る。塗工方式に 関しては「コーティング方式」稹書店原崎勇次著 1979年発行に記載例がある。
[0038] 離型フィルムを構成するポリエステルフィルムには予めコロナ処理、プラズマ処理な どの表面処理を施してもよ ヽ。
[0039] さらに、離型フィルムを構成するポリエステルフィルムには予め接着層、帯電防止層 などの塗布層が設けられて 、てもよ!/、。
[0040] 次に、本発明の第 1の要旨のグリーンシート成形用離型フィルムについて説明する
。本発明の第 1の要旨の離型フィルムは、上記のポリエステルフィルムの一方の面に 離型層を有する。
[0041] 離型層は離型性を有するものであれば特に限定されず、中でも硬化型シリコーン 榭脂を含有することによれば、特に離型性が良好となるので好ましい。用いる榭脂は 、硬化型シリコーン榭脂を主成分とするタイプでもよいし、本発明の要旨を損なわな い範囲において、ウレタン榭脂、エポキシ榭脂、アルキッド榭脂などの有機樹脂との グラフト重合などによる変性シリコーンタイプ等を使用してもよい。
[0042] 硬化型シリコーン榭脂の種類としては付加型 ·縮合型 ·紫外線硬化型 ·電子線硬化 型'無溶剤型など、何れの硬化反応タイプでも用いることが出来る。これらの中でも硬
化反応が早い点で付加型が好ましぐさらに付加型の中でも、紫外線硬化型,電子 線硬化型'無溶剤型から成るタイプが、より低温で硬化可能であるために好ましい。ま た、離型層の剥離性などを調整するために剥離コントロール剤を併用してもよい。
[0043] 離型層中に含有される硬化型シリコーン榭脂の含有量は、通常 70重量%以上、好 ましくは 90重量%以上、さらに好ましくは 95重量%以上である。離型層中における 硬化型シリコーン榭脂の含有量が 70重量%未満の場合、成形するグリーンシートに 対する離型性が不十分となる場合がある。
[0044] 本発明者らは離型フィルムを構成する離型層に関して、面剥離方式を採用する剥 離工程において、軽剥離ィ匕を実現するための手法の一つとして、離型層の薄膜化が 有効であることを知見した。離型層の薄膜ィ匕に伴い、得られる離型面の剛性が増し、 グリーンシート剥離時の剥離性に大きく寄与するためと考えられる。
[0045] そのため、第 1の要旨のグリーンシート成形用離型フィルムにおいて、乾燥状態で の離型層の塗工量(Si)は 0. 01-0. 10gZm2 ( (2)式)、好ましくは 0. 01-0. 08g Zm2、更に好ましくは 0. 01-0. 06gZm2である。 Siが 0. OlgZm2未満の場合、 塗工性の面より安定性に欠け、均一な塗膜を得るのが困難になる。一方、 Siが 0. 10 gZm2を超える場合、面剥離方式を採用する剥離工程において、剥離困難になる等 の不具合を生じる様になる。
[0046] 離型層を形成する際の硬化条件に関しては、特に限定されず、例えば、オフライン コートによりポリエステルフィルム上に離型層を設ける場合、通常、 80— 200°Cで 3— 40秒間、好ましくは 100— 180°Cで 3— 40秒間を目安として熱処理を行うことが好ま しい。
[0047] また、必要に応じて熱処理と紫外線照射などの活性エネルギー線照射とを併用し てもよく、その場合、活性エネルギー線照射による硬化のためのエネルギー源として は、従来公知の装置,エネルギー源を用いることが出来る。具体例としては、殺菌灯 、紫外線用蛍光灯、カーボンアーク、キセノンランプ、複写用高圧水銀灯、中圧また は高圧水銀灯、超高圧水銀灯、無電極ランプ、メタルノヽライドランプ、自然光などを 光源とする紫外線、または走査型、カーテン型電子線加速器による電子線などを使 用する方法が挙げられる。また、活性エネルギー線照射による硬化においては反応
効率ィ匕の点で窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で照射することも可能である。
[0048] 本発明の第 1の要旨のグリーンシート成形用離型フィルムにおいて、面剥離方式を 剥離伝搬速度がより速い、高速剥離領域での剥離方式と捉え、特に 30mZmin以 上の剥離速度領域における剥離力を軽剥離化することが面剥離方式に対応可能な 離型フィルムを設計する上で重要であることを知見した。すなわち、面剥離方式を採 用する剥離工程に対応するため、異なる剥離速度における剥離力の比率 (F (300m Zmin) ZF(30mZmin) )が、 2. 0以下((1)式)、好ましくは 1. 5以下である。 F (3 OOmZmin) ZF (30mZmin)が 2. 0を超える場合、成形後のグリーンシートを面剥 離させる際に剥離困難になる。
[0049] 離型層の特性が上記関係を満足するための具体的手法として、例えば、離型層が 硬化型シリコーン榭脂を含有する場合、離型層の構成単位として、 T単位 (SiO )
3/2 構造を有するシリコーン系化合物を併用する方法などが挙げられる。さらに τ単位を 有するシリコーン系化合物の具体例として、分岐構造を有する溶剤型シリコーン榭脂 、あるいは分岐構造を有する無溶剤型シリコーン榭脂などが挙げられる。
[0050] 離型層中に T単位構造を有するシリコーン系化合物を併用することにより、離型層 形成過程において、離型層を形成するバインダー榭脂側 (例えば、上述の分岐構造 を有する硬化型シリコーン榭脂を使用する等)から架橋反応における架橋点を意図 的に増加させることが可能となる。その結果、得られる離型層自体の架橋密度がさら に向上することにより、面剥離方式を採用する剥離工程、例えば、セラミック積層コン デンサ一製造時に使用するシート状のセラミックグリーンシートを成形後に離型フィル ムの離型面より剥離する工程などに対応可能となる。
[0051] また、本発明の第 1の要旨のグリーンシート成形用離型フィルムにおいて、剥離速 度 300 (mZmin)における離型層表面とアクリル系粘着テープとの剥離力(F(300 mZmin) )は、 200mNZcm以下、さらには 150mNZcm以下であることが好ましい 。 F(300mZmin)が 200mNZcmを超える場合には、グリーンシート剥離時に剥離 困難になる場合がある。上記の追加的要件を同時に満足することにより、面剥離方 式を採用する剥離工程において、更なる軽剥離ィ匕が可能となる。
[0052] 離型面の平坦性を確保する観点から、離型面の最大粗さ (P— V (Si) )は、通常 800
nm以下、好ましくは 700nm以下、さらに好ましくは 500nm以下、特に好ましくは 40 Onm以下、最も好ましくは 300 (nm)以下である。 P-V(Si)が OOnmnmを超える場 合には、離型面の平坦性が不十分となり、例えば、平坦な表面を有するグリーンシー トを得るのが困難になる場合がある。 P-V (Si)の下限に関しては、離型フィルムの搬 送性、作業性、卷取り性などを考慮して、 50nmとするのが好ましい。
[0053] さらに、背面 (離型層が設けられていない面)におけるフィルム卷取り性あるいは搬 送性を良好とするために、離型層が設けられていない面の最大粗さ(P— V)が 300η m以上を満足するのが好ましい。一方、 P— Vの上限に関しては、グリーンシートが積 層された離型フィルムを卷取った後、離型層が設けられていない面カゝらグリーンシー ト表面への粗度転写などを考慮し、 700nmを上限とするのが好ま 、。
[0054] 離型層の残留接着率は、成形するグリーンシート表面への離型成分の移行あるい は転着を抑制するため、通常 90%以上、好ましくは 95%以上である。残留接着率が
90%未満の場合、離型フィルムの離型面と接する相手方グリーンシート表面への離 型成分の移行が多くなり、例えば、グリーンシート積層時にシート間接着力が低下す る等の不具合を生じる場合がある。
[0055] 本発明の第 1の要旨のグリーンシート成形用離型フィルムは、例えば、詳しくはセラ ミック積層コンデンサー、セラミック基板などのセラミック電子部品製造時に使用する グリーンシート成形用として、離型フィルムの離型面力も真空吸引などにより垂直方 向にグリーンシートを剥離する、いわゆる面剥離方式を採用する剥離工程に対応可 能な離型フィルムとして好適に利用することが出来る。
[0056] 次に、本発明の第 2の要旨のグリーンシート成形用離型フィルムについて説明する 。本発明の第 2の要旨の離型フィルムは、上記のポリエステルフィルムの一方の面に 離型層を有する。
[0057] 第 2の要旨のグリーンシート成形用離型フィルムを構成する離型層は、貼り合わせ る相手方グリーンシートに対する離型性を良好とするために硬化型シリコーン榭脂を 含有する必要がある。硬化型シリコーン榭脂の種類および含有量としては、第 1の要 旨のグリーンシート成形用離型フィルムにおいて説明した種類および含有量を採用 することが出来る。
[0058] 乾燥状態での離型層の塗工量 (Si)は、通常 0. 005— 2gZm2、好ましくは 0. 005 一 lgZm2、更に好ましくは 0. 005—0. 5gZm2である。離型層の塗布量 (Si) (乾燥 後)が 0. 005gZm2未満の場合、塗工性の面より安定性に欠ける傾向があり、均一 な塗膜を得るのが困難な場合がある。一方、塗布量 (Si)が 2g/m2を超える場合、離 型層自体の塗膜密着性、硬化性などが低下する場合がある。
[0059] ポリエステルフィルム上に離型層を形成する際の硬化方法および硬化条件に関し ては、第 1の要旨のグリーンシート成形用離型フィルムにお 、て説明した方法および 条件を採用することが出来る。
[0060] 本発明の第 2の要旨のグリーンシート成形用離型フィルムにおいては、成形後のグ リーンシートに対する剥離性を良好とするために、離型面の水滴接触角(CA) water 力 度以上である必要があり、好ましくは 107度以上である。当該範囲を外れる場 合、所望する剥離性を得るのが困難になる。なお、セラミックスラリーに対する塗工性 などを配慮して、 110度を上限とするのが好ま U、。
[0061] さらに、離型面とトルエン溶媒との接触角(CA) tolueneが 27度以下である必要が あり、好ましくは 25度以下である。当該範囲を外れる場合、離型フィルムを構成する 離型層表面のトルエン溶媒に対する濡れ性が不十分となり、セラミックスラリー塗工時 にスラリーがはじく等の不具合を生じるようになる。
[0062] 上記の接触角の条件を同時に満足するための具体的手法として、例えば、離型層 中において、 T単位 (SiO )を有する分岐状硬化型シリコーン榭脂を 10重量%
3/2 — 9
0重量%の範囲で含有する手法などが例示される。さらに分岐状硬化型シリコーン榭 脂の具体例として、例えば、特開 2003— 3183号公報に記載例がある。
[0063] 本発明の第 2の要旨のグリーンシート成形用離型フィルムの離型層表面の最大粗 さ(P— V(Si) )及び離型層が設けられていない面の最大粗さは、第 1の要旨のダリー ンシート成形用離型フィルムにおいて説明した条件を採用することが出来る。
[0064] 本発明の第 2の要旨のグリーンシート成形用離型フィルムは、成形後のグリーンシ ートに対する剥離性を良好とするために、離型層表面と榭脂層との剥離力 (F (B) )が 80mNZcm以下、さらには 40mNZcm以下であることが好ましい。当該範囲を外れ る場合、離型フィルムの剥離力が重くなる傾向があり、剥離困難になる場合がある。
なお、 F (B)の下限に関しては、本発明の用途上、本来剥離する必要のない場面に ぉ 、て、グリーンシートが離型層表面から容易に剥離する等の不具合を生じな!/、よう にするため、 lOmNZcmを下限とするのが好ましい。
[0065] 本発明の第 2の要旨のグリーンシート成形用離型フィルムは、離型層表面とアクリル 系粘着テープとの剥離力が 10— 60mNZcm、さらには 10— 40mNZcmの範囲で あることが好ましい。
[0066] 本発明の第 2の要旨のグリーンシート成形用離型フィルムは、成形するグリーンシ ートに対するシリコーン成分の移行を抑制するために、残留接着率が 90%以上、さら には 98%以上であることが好ましい。残留接着率が 90%未満の場合、成形するダリ ーンシート同士を使用して積層する際にシート間接着力が低下する等の不具合を生 じる場合がある。
[0067] 本発明の第 2の要旨のグリーンシート成形用離型フィルムは、セラミック積層コンデ ンサー製造時に使用する薄膜グリーンシート成形用フィルムとして好適に使用するこ とが出来る。
実施例
[0068] 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超え ない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例 1一 8及び 参考例 1一 3は本発明の第 1の要旨に係わるものであり、実施例 9一 17及び参考例 4 一 5は本発明の第 2の要旨に係わるものである。本発明で用いた測定法は次のとおり である。
[0069] (1)ポリエステルの固有粘度の測定:
ポリエステルに非相溶な他のポリマー成分および顔料を除去したポリエステル lgを 精秤し、フエノール/テトラクロロェタン = 50/50 (重量比)の混合溶媒 100mlをカロ えて溶解させ、 30°Cで測定した。
[0070] (2)平均粒径(d50: μ m)の測定:
遠心沈降式粒度分布測定装置( (株)島津製作所 (製) SA-CP3型)を使用して測 定し、価球形分布における積算 (重量基準) 50%の値を平均粒径とした。
[0071] (3)離型フィルムの剥離力 (F)の評価:
試料フィルムの離型層に粘着テープ(日東電工製「No. 31B」)を貼り付けた後、 5 Omm X 300mmのサイズにカットし、室温にて 1時間放置後の剥離力を測定する。 剥離力は弓 I張試験機 ( (株)インテスコ製「インテスコモデル 2001型」 )を使用し、 I 張速度 0. 3mZminの条件下、 180° 剥離を行った。
[0072] (4)離型フィルムの剥離力(F (30m/min)、 F (300m/min) )評価:
試料フィルムの離型層表面に粘着テープ(日東電工製「No. 31B」)を貼り付けた 後、 50mm X 300mmのサイズにカットし、室温にて 1時間放置後の剥離力を測定す る。剥離力はテスター産業 (製)高速剥離試験機「TE-702型」を使用し、 試料フィ ルムの離型面が上面になるように固定し、貼り合わせている相手方 No. 31B粘着テ 一プ側を剥離する方法にて、剥離速度が各々、 30mZmin、 300mZminの条件下 、 180° 剥離を行った。
[0073] (5)離型フィルムの剥離力 (F (H) )の評価 (面剥離力測定の代用評価):
試料フィルムの離型面に下記榭脂組成物から成る榭脂シートを湿潤状態で 150 (g Zm2)の塗布量にて塗布した後、熱風式オーブン中において、 120°C、 1分間乾燥 し、塗工量 (乾燥後)が 5gZm2の榭脂シートが積層された積層フィルムを得た。次に 得られた積層フィルムを 40mm角に切り出した後、ステンレス製平板治具 (サイズ: 50 mm角、厚み lmm) 2枚を用いて、積層フィルムの両面に日東電工製 No. 502両面 粘着テープを用いて貼付した。次に両面に治具を貼り付けた積層フィルムにお 、て、 榭脂シート面側が上面になるように (株)インテスコ製「インテスコモデル 2001型」に 固定し、積層フィルムのフィルム面に対して垂直方向に 400mmZminの剥離速度で 離型面力も榭脂シートを面剥離した。同様の作業を 10回繰り返した後の剥離成功率 (%)を用いて、下記判定基準により判定を行った。なお、試料フィルムの離型面より 榭脂シートが全面に剥離した場合にのみ、「剥離成功」と判定した。部分的に剥離す る場合、あるいは剥離困難な場合には「剥離不成功」として判定を行った。
[0074] [表 1] ぐ樹脂シート組成物 >
•ポリビニルプチラール樹脂 (積水化学製 エスレック B M— S ) 2 0部
。フタ—ル酸ジォクチル 5部
。 トルエン /エタノール (混合比率は 6: 4 ) 1 0 0部
[0075] [表 2]
<判定基準 >
〇:剥離成功率が 9 0 %以上 (実用上問題ないレベル)
Δ:剥離成功率が 7 0 %以上 9 0 %未満 (実用上問題となる場合があるレベル) X :剥離成功率が 5 0 %以上 7 0 %未満 (実用上、 問題あるレベル)
X X :剥離成功率が 5 0 %未満 (実用上、 特に問題あるレベル)
[0076] (6)離型フィルムの離型面および離型層が設けられて 、な 、面の最大粗さ(P— V (Si )、 P - V)評価:
直接位相検出干渉法、 V、わゆるマイケルソンの干渉を利用した 2光束干渉法を用 いた、非接触表面計測システム「マイクロマップ社製(Micromap512)」により、試料 フィルムの離型面の最大粗さ(P— V (Si) )及び離型層が設けられて 、な 、面の最大 粗さ(P— V)を計測した。なお、測定波長は 554nmとし、対物レンズは 20倍を用いて 、 20視野計測し、その平均値を採用した。
[0077] (7)離型層の塗布量 (Si)測定:
蛍光 X線測定装置( (株)島津製作所 (製)型式「XRF-1500」 )を用 ヽて FP (Fund amental Parameter Method)法により、下記測定条件下、離型フィルムの離型 層が設けられた面および離型層がない面の珪素元素量を測定し、その差をもって、 離型層中の珪素元素量とした。次に得られた珪素元素量を用いて、—SiO (CH ) の
3 2 ユニットとしての塗布量 (Si) (g/m2)を算出した。
[0078] [表 3] ぐ測定条件 >
分光結晶: P E T (ペン夕エリスリ トール)
2 0 : 1 0 8 . 8 8 0
管電流: 9 5 mA
管電圧: 4 0 k V
[0079] (8)離型フィルムの残留接着率評価:
(8— 1)残留接着力:
試料フィルムの離型面に日東電工 (製) No. 3 IB粘着テープを 2kgゴムローラーに て 1往復圧着し、 100°Cで 1時間加熱処理する。次いで、圧着したサンプルから No. 31B粘着テープを剥がし、 JIS-C-2107 (ステンレス板に対する粘着力、 180° 引き 剥がし法)の方法に準じて接着力を測定する。これを残留接着力とする。
[0080] (8— 2)基礎接着力
残留接着力の場合と同じ粘着テープ (No . 31 B)を用いて、 JIS-C-2107に準じて ステンレス板に粘着テープを圧着して、同様の要領にて測定を行う。この時の値を基 礎接着力とする。これらの測定値を用いて、下記式に基づいて残留接着率を求める oなお、測定は 20± 2。C、 65± 5%RHにて行う。
[0081] [数 3] 残留接着率 (%) = (残留接着力/基礎接着力) X 1 0 0
[0082] (9)離型フィルムの長手方向および幅方向のフィルム厚みむら測定:
試料フィルムを 30mm幅 X 3m長に切り出す。その後、安立電気社製連続フィルム 厚み測定器 (電子マイクロメーター使用)により測定し、下記式によりフィルム厚みむ らを算出した。例えば、試料サンプルが A4カット判サイズの場合には 30mm幅に切り 出したサンプル同士をつなぎ合わせて、測定長 3m分 (つなぎ部は除く)を確保する 要領にて測定を行うことが出来る。
[0083] [数 4] 厚みむら (! ¾) = (最大厚み一最小厚み) /平均厚み X 1 0 0
[0084] (10)セラミックグリーンシートの厚みむら評価:
下記組成力も構成されるセラミックスラリーを公知の手法により湿潤状態で 12 mと なるようにスロットダイを用いて、試料フィルムの離型面にセラミック層を塗設し、セラミ ックグリーンシートを作成し、セラミックグリーンシートの厚さを非接触式の j8線厚さ計 にてフィルム上における縦方向、横方向のセラミック層の厚さを実測し、その結果を 基に下記判定基準にて判定を行った。
[0085] [表 4] くセラミックスラリー組成 >
セラミック粉体 (チタン酸バリウム) 1 0 0部
結合剤 (ポリビニルプチラール樹脂) 5部
可塑剤 (フタル酸ジォクチル) 1部
トルエン/ M E K混合溶媒 (1 : 1の配合比率) 1 0 0部
[0086] [表 5]
<グリーンシート厚さムラ判定基準 >
〇:厚みむらが 3 %未満 (実用上問題のないレベル)
X :厚みむらが 3 %以上 (実用上問題あるレベル)
[0087] (11)離型フィルムの水滴接触角((CA) water)測定:
試料フィルムの離型面に関して、(株)協和界面科学製接触角計 (型式: CA-A)を 用いて、 5回測定を行い、その平均値をもって水滴接触角((CA) water)とした。な お、測定に際しては 20± 2°C、 65± 5%RHの雰囲気下、試料フィルムの測定面に 水滴を滴下後、 1分後に水滴のなす角度を読み取った。
[0088] (12)離型フィルムのトルエン溶媒による接触角((CA) toluene)測定:
試料フィルムの離型面に関して、(株)協和界面科学製接触角計 (型式: CA-A)を 用いて、 5回測定を行い、その平均値をもってトルエン溶媒による接触角((CA) tolu ene)とした。なお、測定に際しては 20± 2°C、 65± 5%RHの雰囲気下、試料フィル ムの測定面にトルエン溶媒を滴下後、 30秒後に液滴のなす角度を読み取った。
[0089] (13)離型フィルムにおける樹脂層との剥離力(F (B) )評価:
試料フィルムの離型面に下記榭脂組成物を塗工量 (乾燥後)が 2gZm2になるよう に塗布した。その後、 2kgのゴムローラーを用いて、 PETフィルム(三菱ィ匕学ポリエス テルフィルム社 (製):ダイァホイル T100タイプ 25 μ m)を 1往復させて榭脂層表面 に貼り合わせた。次に貼り合わせた積層フィルムを 20± 2°C、 65± 5%RHの雰囲気 下、 24時間放置した後、試料フィルムの離型面力も未処理の PETフィルムが積層さ れた榭脂層を 180度剥離させて剥離力 (F (B) )を測定した。剥離力は引張試験機 ( ( 株)インテスコ製「インテスコモデル 2001型」)を使用し、 I張速度 300mmZ分の条 件下、 180° 剥離を行った。
[0090] [表 6]
<樹脂組成物 >
•ポリビニルプチラール樹脂 2 0部
(積水化学製:エスレックシリーズ: 「B M— S」 タイプ)
'可塑剤 (フタール酸ジォクチル) 5部
• トルエン/エタノール (混合比率は 6 : 4 ) 2 0 0部
[0091] [表 7]
く乾燥条件 >
1 2 0 °C、 1分間 (ただし、 熱風式循環炉内を使用)
なお、 サンプル作製から剥離力測定までの一連の作業は 2 0 ± 2 °C、
6 5土 5 % R Hの雰囲気下にて行う。
[0092] (14)離型フィルムを用いた加工適性評価 (実用特性代用評価):
試料フィルムの離型面に下記組成カゝら成るセラミックスラリーを塗布し、塗布量 (乾 燥後)が 2gZm2のグリーンシートを成形した。スラリー塗工性および成形後のグリーン シート剥離性に関して、下記判定基準により判定を行った。
[0093] [表 8]
<セラミックスラリー組成 >
*チタン酸バリウム (富士チタン製:平均粒径 0 . 7 m) 1 0 0部 •ポリビニルプチラール樹脂 (積水化学製エスレック B M— 3 0部 •可塑剤 (フタール酸ジォクチル) 5部 ' トルエン/エタノール混合溶媒 (混合比率は 6 : 4 ) 2 0 0部
[0094] [表 9] セラミックスラリー塗工性:
<判定基準 >
〇:スラリーのはじき、 塗工むらが発生しない (実用上、 問題ないレベル)
△:微小なスラリーのはじき、 塗工むらが発生する場合がある (実用上、 問題に なる場合があるレベル)
X :スラリーのはじき、 塗工むらが発生する (実用上、 問題あるレベル)
[表 10] グリーンシート剥離性:
<判定基準 >
〇:グリーンシートの剥離性が特に良好 (実用ヒ、 問題ないレベル)
X :グリーンシートの剥離性不良 (実用上、 問題あるレベル)
(15)グリーンシート表面の平坦性評価 (実用特性代用評価):
(13)項で得られたグリーンシート表面 (測定対象面積; lm2)を走査型レーザー顕 微鏡 (レーザーテック社製)による表面観察を行い、下記判定基準により判定を行つ
[0097] [表 11]
<判定基準 >
〇:誘電体層表面に深さ 0 . 5 以上のクレー夕一 (凹み) が 1個 Zm2以下
(実用上、 問題ないレベル)
△:誘電体層表面に深さ 0 . 5 ^i m以上のクレーター (凹み) が 1個 Zm2を超え
2個/ m2未満 (実用上、 問題になる場合があるレベル)
X :誘電体層表面に深さ 0 . 以上のクレーター (凹み) が 2個/ m2以上
(実用上、 問題あるレベル)
[0098] <ポリエステルの製造 >
製造例 1 (ポリエチレンテレフタレート A1):
テレフタル酸 86部、エチレングリコール 70部を反応器にとり、約 250°Cで 4時間ェ ステル交換反応を行った。三酸ィ匕アンチモンを 0. 03部およびリン酸 0. 01部、平均 粒径 0. 2 /z mの酸ィ匕ァノレミニゥム粒子を 0. 2咅カロえ、 250oC力ら 285。Cまで徐々に 昇温すると共に圧力を徐々に減じて 0. 5mmHgとした。 4時間後、重合反応を停止 し、極限粘度 0. 65のポリエチレンテレフタレート A1を得た。
[0099] 製造例 2 (ポリエチレンテレフタレート A2):
製造例 1において、平均粒径 0. 2 /z mの酸ィ匕アルミニウム粒子 0. 2部用いる代わり に平均粒径 1. 5 mの二酸ィ匕珪素粒子 0. 1部用いる以外は製造例 2と同様にして 製造し、ポリエチレンテレフタレート A2を得た。
[0100] 製造例 3 (ポリエチレンテレフタレート A3) :
製造例 1において、平均粒径 0. 2 /z mの酸ィ匕アルミニウム粒子 0. 2部用いる代わり に平均粒径 0. 7 mの炭酸カルシウム粒子 0. 2部を用いる以外は製造例 2と同様に して製造し、ポリエチレンテレフタレート A3を得た。
[0101] 製造例 4 (ポリエチレンテレフタレート A4):
製造例 1において、平均粒径 0. 2 mの酸ィ匕アルミニウム粒子 0. 2部を用いる代 わりに平均粒径 0. 2 mの酸ィ匕アルミニウム粒子 1部を用いる以外は製造例 1と同様 にして製造し、ポリエチレンテレフタレート A4を得た。
[0102] 製造例 5 (ポリエチレンテレフタレート A5):
製造例 2において、平均粒径 1. 5 mの二酸ィ匕珪素粒子 0. 1部用いる代わりに平 均粒径 1. 5 mの二酸ィ匕珪素粒子 4部用いる以外は製造例 1と同様にして製造し、 ポリエチレンテレフタレート A5を得た。
[0103] <ポリエステルフィルムの製造 >
製造例 6 (PETフィルム F1):
製造例 1で製造したポリエチレンテレフタレート A1を 180°Cで 4時間、不活性ガス雰 囲気中で乾燥し、溶融押出機により 290°Cで溶融し、 口金から押出し静電印加密着 法を用いて表面温度を 40°Cに設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シート を得た。
次いで、下記組成から成る塗布剤を塗布した後、フィルムをテンターに導き、 90°Cで 縦方向に 4. 5倍、横方向に 4. 8倍、同時二軸延伸した後、 230°Cにて熱固定を行い
、厚さ 38 μ mの PETフィルム F1を得た。
[0104] 製造例 7 (PETフィルム F2):
製造例 6において、ポリエチレンテレフタレート A1の代わりに製造例 2で製造したポ リエチレンテレフタレート A2を用いる以外は製造例 6と同様にして、厚さ 38 μ mの ΡΕ
Tフィルム F2を得た。
[0105] 製造例 8 (PETフィルム F3):
製造例 6において、ポリエチレンテレフタレート A1の代わりに製造例 3で製造したポ リエチレンテレフタレート A3を用いる以外は製造例 6と同様にして、厚さ 38 μ mの ΡΕ
Tフィルム F3を得た。
[0106] 製造例 9 (PETフィルム F4):
製造例 1で製造したポリエチレンテレフタレート A1を 180°Cで 4時間、不活性ガス雰 囲気中で乾燥し、溶融押出機により 290°Cで溶融し、 口金から押出し静電印加密着 法を用いて表面温度を 40°Cに設定した冷却ロール上で冷却固化して未延伸シート を得た。
次いで、 85°Cで縦方向に 3. 5倍延伸した。その後、フィルムをテンターに導き、横方 向に 3. 8倍延伸した後、 230°Cにて熱固定を行い、厚さ 38 /z mの PETフィルム F4を 得た。
[0107] 製造例 10 (PETフィルム F5):
製造例 9において、ポリエチレンテレフタレート A1の代わりに製造例 2で製造したポ リエチレンテレフタレート A4を用いる以外は製造例 9と同様にして、厚さ 38 μ mの ΡΕ
Tフィルム F5を得た。
[0108] 製造例 11 (PETフィルム F6):
製造例 9において、ポリエチレンテレフタレート A1の代わりに製造例 4で製造したポ リエチレンテレフタレート A5を用いる以外は製造例 9と同様にして、厚さ 38 μ mの ΡΕ
Tフィルム F6を得た。
[0109] 実施例 1 :
製造例 4で得た PETフィルム F1に下記組成から成る離型剤を塗布量 (乾燥後)が 0 . 06gZm2になるようにグラビアコート方式にて塗布し、 120°C、 30秒間熱処理した 後、離型フィルムを得た。
[0110] [表 12]
<離型剤組成 >
硬化型シリコーン樹脂 (信越化学製: K S— 7 7 4 ) 4 9 . 5重量% 硬化型シリコーン樹脂 (信越化学製: X— 6 2— 1 3 8 7 ) 4 9 . 5重量% 硬化剤 (信越化学製: P L - 5 0 T) 1重量% トルエン/ M E Kの混合溶媒 (混合比率は 1 : 1 ) にて希釈し、 固型分濃度が
2重量%の塗布液を作製した。
[0111] 実施例 2 :
実施例 1にお 、て、 PETフィルム F1の代わりに PETフィルム F2を用いる以外は実 施例 1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。
[0112] 実施例 3 :
実施例 1にお 、て、 PETフィルム F1の代わりに PETフィルム F3を用いる以外は実 施例 1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。
[0113] 実施例 4 :
実施例 1にお 、て、 PETフィルム F1の代わりに PETフィルム F4を用いる以外は実 施例 1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。
[0114] 実施例 5 :
実施例 1にお 、て、 PETフィルム F1の代わりに PETフィルム F5を用いる以外は実 施例 1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。
[0115] 実施例 6 :
実施例 1にお 、て、 PETフィルム F1の代わりに PETフィルム F6を用いる以外は実
施例 1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。
[0116] 実施例 7:
実施例 1にお ヽて離型剤組成を下記離型剤組成に変更する以外は実施例 1と同 様にして製造し、離型フィルムを得た。
[0117] [表 13]
<離型剤組成 >
硬化型シリコーン樹脂 (信越化学製: KS— 774) 64. 5重量% 硬化型シリコーン樹脂 (信越化学製: X— 62— 1 387) 34. 5重量% 硬化剤 (信越化学製: PL— 50T) 1重量% トルエン/ ME Kの混合溶媒 (混合比率は 1 : 1) にて希釈し、 固型分濃度が
2重量%の塗布液を作製した。
[0118] 実施例 8:
実施例 1にお 、て、 PETフィルム F1の代わりに三菱化学ポリエステルフィルム社製 ダイァホイル T300(厚み 30 m)を用いる以外は実施例 1と同様にして製造し、離型 フイノレムを得た。
[0119] 参考例 1:
実施例 1において、離型層の塗工量 (乾燥後)を 0. 12gZm2にする以外は実施例 1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。
[0120] 参考例 2:
実施例 1にお ヽて離型剤組成を下記離型剤組成に変更する以外は実施例 1と同 様にして製造し、離型フィルムを得た。
[0121] [表 14]
<離型剤組成 >
硬化型シリコーン樹脂 (信越化学製: KS— 774) 99重量% 硬化剤 (信越化学製: PL— 50T) 1重量% トルエン ZMEKの混合溶媒 (混合比率は 1 : 1) にて希釈し、 固型分濃度が
2重量%の塗布液を作製した。
[0122] 参考例 3:
実施例 1において、離型層の塗工量 (乾燥後)を 0.004gZm2にする以外は実施 例 1と同様にして製造し、離型フィルムを得た。得られた離型フィルムは離型面のはじ きが発生しているのが確認され、実用上問題あるレベルであった。
[0123] 以上、得られた結果をまとめて下記表 1一表 4に示す。
[0125] [表 16] 表 2
長手方向の 横方向の
F 残留接着率 フィルム厚みむら フィルム厚みむら
(mN/cm; (%)
(%) (%)
実施例 1 0. 06 1. 5 140 95 実施例 2 0. 06 1. 5 140 95 実施例 3 0. 06 1. 5 140 95 実施例 4 0. 06 1. 5 140 95 実施例 5 0. 06 1. 5 140 95 実施例 6 0. 06 1. 5 140 95 実施例 7 0. 06 1. 8 165 90 実施例 8 0. 06 1. 5 140 95 参考例 1 0. 12 2. 1 1 7 1 81 参考例 2 0. 06 1. 4 200 85 参考例 3 0. 004 1. 4 130 92
[0126] [表 17]
表 3
[0128] <ポリエステルの製造 >
製造例 12 (ポリエチレンテレフタレート A6):
テレフタル酸 86部、エチレングリコール 70部を反応器にとり、約 250°Cで 4時間ェ
ステル交換反応を行った。三酸ィ匕アンチモンを 0. 03部およびリン酸 0. 01部、平均 粒径 1. 5 mの二酸化珪素粒子を 0. 1部加え、 250°Cから 285°Cまで徐々に昇温 すると共に圧力を徐々に減じて 0. 5mmHgとした。 4時間後、重合反応を停止し、極 限粘度 0. 65のポリエチレンテレフタレート A6を得た。
[0129] 製造例 13 (ポリエチレンテレフタレート A7):
製造例 12において、平均粒径 1. 5 mの二酸ィ匕珪素粒子を 0. 1部添加する代わ りに平均粒径 0. 75 mの炭酸カルシウム粒子を 0. 1部添加する以外は製造例 12と 同様にして製造し、極限粘度 0. 65のポリエチレンテレフタレート A7を得た。
[0130] 製造例 14 (ポリエチレンテレフタレート A8):
製造例 12において、平均粒径 1. 5 mの二酸ィ匕珪素粒子を 0. 1部添加する代わ りに平均粒径 1. 5 mの二酸ィ匕珪素粒子を 0. 2部添加する以外は製造例 12と同様 にして製造し、極限粘度 0. 65のポリエチレンテレフタレート A8を得た。
[0131] <ポリエステルフィルムの製造 >
製造例 15 (PETフィルム F7):
製造例 13で製造したポリエチレンテレフタレート A7を原料とし、ベント式二軸押出 機に供給し、 285°Cで溶融した後、 20°Cに冷却したキャスティングドラム上に押出し 冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、 90°Cにて縦方向に 3. 5倍の縦延伸 倍率で延伸した後、テンター内で予熱工程を経て 100°Cで 4. 0倍の横延伸倍率で 延伸し、 210°Cで 10秒間の熱処理を行い、 25 mの PETフィルム F7を得た。
[0132] 製造例 16 (PETフィルム F8):
製造例 15にお 、て、フィルム厚みが異なる以外は製造例 15と同様にして製造し、 厚さ 30 μ mの PETフィルム F8を得た。
[0133] 製造例 17 (PETフィルム F9):
製造例 15にお 、て、フィルム厚みが異なる以外は製造例 15と同様にして製造し、 厚さ 38 μ mの PETフィルム F9を得た。
[0134] 製造例 18 (PETフィルム F 10):
製造例 15において、ポリエチレンテレフタレート A7の代わりにポリエチレンテレフタ レート A6を用いる以外は製造例 15と同様にして製造し、厚さ 25 μ mの PETフィルム
F 10を得た。
[0135] 製造例 19 (PETフィルム F 11):
製造例 15において、ポリエチレンテレフタレート A7の代わりにポリエチレンテレフタ レート A8を用いる以外は製造例 15と同様にして製造し、厚さ 25 μ mの PETフィルム
F11を得た。
[0136] 実施例 9:
製造例 15で得られた PETフィルム F7に下記離型剤組成から成る離型層を塗布量 (乾燥後)が 0. lgZm2になるようにグラビアコート方式にて塗布し、 120°C、 30秒間 熱処理した後、離型フィルムを得た。
[0137] [表 19]
<離型剤組成 >
硬化型シリコーン樹脂 (信越化学製: KS— 774) 49重量% 硬化型シリコーン樹脂 (信越化学製: X— 62— 1387) 49重量% 硬化剤 (信越化学製: PL— 50T) 2重量% トルエン/ ME K混合溶媒 (混合比率は 1 : 1) にて希釈し、 固型分濃度が 2重量%の塗布液を作製した。
[0138] 実施例 10:
実施例 9にお!/、て、 PETフィルム F7の代わりに PETフィルム F8を用いる以外は実 施例 9と同様に製造し、離型フィルムを得た。
[0139] 実施例 11:
実施例 9にお!/、て、 PETフィルム F7の代わりに PETフィルム F9を用いる以外は実 施例 9と同様に製造し、離型フィルムを得た。
[0140] 実施例 12:
実施例 9にお!/、て、 PETフィルム F7の代わりに PETフィルム F10を用いる以外は 実施例 9と同様に製造し、離型フィルムを得た。
[0141] 実施例 13:
実施例 9にお!/、て、 PETフィルム F7の代わりに三菱化学ポリエステルフィルム (株) 社製「ダイァホイル (T300の厚み 30 mのタイプ)」を用いる以外は実施例 9と同様 にして製造し、離型フィルムを得た。
[0142] 実施例 14:
実施例 9にお!/、て、 PETフィルム F7の代わりに三菱化学ポリエステルフィルム (株) 社製「ダイァホイル (T100タイプ 30 μ m)」を用いる以外は実施例 9と同様にして製 造し、離型フィルムを得た。
[0143] 実施例 15:
実施例 9にお ヽて、離型剤組成を下記組成に変更する以外は実施例 9と同様にし て製造し、離型フィルムを得た。
[0144] [表 20]
<離型剤組成 >
硬化型シリコーン樹脂 (信越化学製: KS一 723A) 75重量% 硬化型シリコーン樹脂 (信越化学製: KS - 723 B) 20重量% 硬化剤 (信越化学製: P S— 3 ) 5重量% トルエン/ ME K混合溶媒 (混合比率は 1 : 1) にて希釈し、 固型分濃度が
2重量! ¾の塗布液を作製した。
[0145] 実施例 16:
実施例 9にお!/、て、 PETフィルム F7の代わりに PETフィルム Fl 1を用いる以外は 実施例 9と同様にして製造し、離型フィルムを得た。
[0146] 実施例 17:
実施例 9にお ヽて、離型剤組成を下記組成に変更する以外は実施例 9と同様にし て製造し、離型フィルムを得た。
[0147] [表 21]
<離型剤組成 >
硬化型シリコーン樹脂 (信越化学製: KS— 847H) 99重量% 硬化剤 (信越化学製: PL— 50T) 1重量% 卜ルェン ZMEK混合溶媒 (混合比率は 1 : 1) にて希釈し、 固型分濃度が
2重量%の塗布液を作製した。
[0148] 参考例 4:
実施例 9にお ヽて、離型剤組成を下記組成に変更する以外は実施例 9と同様にし て製造し、離型フィルムを得た。
[0149] [表 22]
く离佳型斉 !j組成 >
硬化型シリコーン樹脂 (信越化学製: KS— 774) 99重量% 硬化剤 (信越化学製: P L 3 ) 1重量% トルエン ZMEK混合溶媒 (混合比率は 1 : 1) にて希釈し、 固型分濃度が
2重量%の塗布液を作製した。
[0150] 参考例 5:
実施例 9にお 、て、離型剤組成を下記組成に変更する以外は実施例 9と同様にし て製造し、離型フィルムを得た。
[0151] [表 23]
<離型剤組成 >
硬化型シリコーン樹脂 (信越化学製: X— 62— 1387) 98重量% 硬化剤 (信越化学製: P L— 50 T) 2重量% トルエン ZMEK混合溶媒 (混合比率は 1 : 1) にて希釈し、 固型分濃度が 2重量%の塗布液を作製した。
[0152] 以上、得られた結果をまとめて下記表 5—表 7にまとめて示す。
[0153] [表 24] 表 5
[0154] [表 25]
F ( B ) F 残留接着率
unN/cm) κπιΝ/ cm) (%)
実施例 9 2 9 3 3 1 0 2 実施例 1 0 3 1 3 5 1 0 2
実施例 1 1 3 0 3 5 1 0 2
実施例 1 2 3 0 3 4 1 0 3
実施例 1 3 2 8 3 6 1 0 3
実施例 1 4 2 9 3 6 1 0 3
実施例 1 5 3 5 4 2 8 8
実施例 1 6 3 2 3 5 1 0 2
実施例 1 7 2 6 2 8 1 0 8
参考例 4 2 0 3 0 1 0 4
参考例 5 8 5 5 4 1 0 7 [表 26]
以上、現時点において、最も実践的であり、且つ、好ましいと思われる実施形態に 関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に 限定されるものではなぐ請求の範囲および明細書全体力 読みとれる発明の要旨 或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、その様な変更を伴う場合も本発
明の技術的範囲であると理解されなければならない。なお、本出願は、 2004年 3月 1 6日付で出願された日本特許出願 (特願 2004-73929号および特願 2004-7393 0号)に基づいており、その全体が引用により援用される。