JP7447002B2 - SHP2のオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロールのアロステリック阻害剤 - Google Patents

SHP2のオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロールのアロステリック阻害剤 Download PDF

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Description

本発明はSHP2の活性を阻害する能力を有する化合物に関する。本発明はさらには、本発明の化合物の製造方法、かかる化合物を含む医薬製剤、およびSHP2の異常活性に付随する疾患または障害の管理におけるかかる化合物および組成物の使用方法を提供する。
Srcホモロジー-2ホスファターゼ(SHP2)は、増殖、分化、細胞周期維持および移動を含む多数の細胞機能に関与する、PTPN11遺伝子によってコードされる非受容体型タンパク質チロシンホスファターゼである。SHP2はRas-マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ、JAK-STATまたはホスホイノシトール3-キナーゼ-AKT経路を介するシグナル伝達と関連付けられる。
SHP2は、2つのN-末端Srcホモロジー2ドメイン(N--SH2およびC--SH2)、触媒ドメイン(PTP)、およびC-末端鎖を有する。2つのSH2ドメインは、SHP2の細胞内局在および機能調節を制御する。該分子は、N--SH2およびPTPドメインの両方からの残基を含む結合ネットワークにより安定化される、不活性な、自己阻害の形態にて存在する。例えば、サイトカインまたは成長因子を用いた刺激は触媒部位を露出するに至り、SHP2の酵素活性化がもたらされる。
PTPN11遺伝子における、そしてその後のSHP2における突然変異が、ヌーナン症候群、レパード症候群、クルゾン症候群、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、黒色腫、急性骨髄性白血病および心臓、肺および結腸のがんなどの、数種のヒト疾患において同定されている。従って、SHP2は、種々の疾患を治療するための新規な治療法を開発するのに、極めて魅力的な標的となる。本発明の化合物は、小分子がSHP2の活性を阻害するとの要求を満足させる。
本発明は、とりわけ、式A1:
[式中、構成可変基は本明細書中にて定義されるとおりである]
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
本開示は、さらには、本開示の化合物またはその医薬的に許容される塩、および少なくとも1つの医薬的に許容される担体を含む、医薬組成物を提供する。
本開示は、さらには、SHP2活性を調節する(例えば、阻害する)方法であって、該開示の化合物またはその医薬的に許容される塩を個体に投与することを含む、方法を提供する。
本開示は、さらには、治療的に効果的な量の本発明の化合物、またはその医薬的に許容される塩を、治療または予防を必要とする患者に投与することを含む、該患者における疾患の治療または予防方法であって、該疾患がSHP2の活性により媒介されるところの、方法を提供する。
本開示はまた、治療において用いるための医薬の製造における本明細書に記載の化合物の使用を提供する。本開示はまた、治療において用いるための本明細書に記載の化合物を提供する。
本発明は、新規なオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロールであって、その医薬的に許容される塩を含む、化合物に関する。本発明はまた、医薬組成物を製造するための方法、その製造において用いられる中間体、およびがんなどのSHP2介在性障害の治療におけるかかる化合物の使用に関する。
化合物
本開示は、式A1:
[式中:
LはO、S、または不在であり;
はNまたはCRX1であり;
はNまたはCRX2であり;
はNまたはCRY1であり;
はNまたはCRY2であり;
ここで、X、X、YおよびYは、多くて3個が同時にNであり;
は、C6-10アリール、C3-14シクロアルキル、5-14員のヘテロアリール、または4-14員のヘテロシクロアルキルであり、各々、Cy、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、C(=NRe1)NRc1d1、NRc1C(=NRe1)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1S(O)Rb1、NRc1S(O)b1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、およびS(O)NRc1d1より独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基で所望により置換されてもよく、ここで該C1-6アルキル、C2-6アルケニル、およびC2-6アルキニルは、Cy、ハロ、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、C(=NRe1)NRc1d1、NRc1C(=NRe1)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1S(O)Rb1、NRc1S(O)b1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、およびS(O)NRc1d1より独立して選択される1、2または3個の置換基で所望により置換されてもよく;
2a、R2b、R4a、R4b、R5a、R5b、R7a、およびR7bは、H、C1-4アルキル、C1-4アルコキシ、アミノ、ヒドロキシ、C3-8シクロアルキルおよびC1-4アルキルアミノより各々独立して選択され;
およびRは、H、F、またはC1-4アルキルより各々独立して選択され;
およびRは、H、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-4ハロアルキル、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)ORa2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2S(O)Rb2、NRc2S(O)b2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、およびS(O)NRc2d2より各々独立して選択され、ここで該アルキル、C2-6アルケニル、およびC2-6アルキニルは、ハロ、CN、NO、ORa2、SRa2、C(O)Rb2、C(O)NRc2d2、C(O)ORa2、OC(O)Rb2、OC(O)NRc2d2、C(=NRe2)NRc2d2、NRc2C(=NRe2)NRc2d2、NRc2d2、NRc2C(O)Rb2、NRc2C(O)ORa2、NRc2C(O)NRc2d2、NRc2S(O)Rb2、NRc2S(O)b2、NRc2S(O)NRc2d2、S(O)Rb2、S(O)NRc2d2、S(O)b2、およびS(O)NRc2d2より独立して選択される1、2、または3個の置換基で所望により置換されてもよく;
ここでRおよびRのうち少なくとも1つはH以外の基であり;
X1、RX2、RY1、およびRY2は、H、Cy、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、CN、NO、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3d3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3d3、C(=NRe3)NRc3d3、NRc3C(=NRe3)NRc3d3、NRc3d3、NRc3C(O)Rb3、NRc3C(O)ORa3、NRc3C(O)NRc3d3、NRc3S(O)Rb3、NRc3S(O)b3、NRc3S(O)NRc3d3、S(O)Rb3、S(O)NRc3d3、S(O)b3、およびS(O)NRc3d3より各々独立して選択され、ここで該C1-6アルキル、C2-6アルケニル、およびC2-6アルキニルは、Cy、ハロ、CN、NO、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3d3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3d3、C(=NRe3)NRc3d3、NRc3C(=NRe3)NRc3d3、NRc3d3、NRc3C(O)Rb3、NRc3C(O)ORa3、NRc3C(O)NRc3d3、NRc3S(O)Rb3、NRc3S(O)b3、NRc3S(O)NRc3d3、S(O)Rb3、S(O)NRc3d3、S(O)b3、およびS(O)NRc3d3より独立して選択される1、2または3個の置換基で所望により置換されてもよく;
各Cyは、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5-10員のヘテロアリール、および4-10員のヘテロシクロアルキルより独立して選択され、各々、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル-C1-4アルキル、5-10員のヘテロアリール-C1-4アルキル、4-10員のヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、C(=NRe1)NRc1d1、NRc1C(=NRe1)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1S(O)Rb1、NRc1S(O)b1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、およびS(O)NRc1d1より独立して選択される1、2、3または4個の置換基で所望により置換されてもよく;
各Cyは、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5-10員のヘテロアリール、および4-10員のヘテロシクロアルキルより独立して選択され、各々、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル-C1-4アルキル、5-10員のヘテロアリール-C1-4アルキル、4-10員のヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、CN、NO、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3d3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3d3、C(=NRe3)NRc3d3、NRc3C(=NRe3)NRc3d3、NRc3d3、NRc3C(O)Rb3、NRc3C(O)ORa3、NRc3C(O)NRc3d3、NRc3S(O)Rb3、NRc3S(O)b3、NRc3S(O)NRc3d3、S(O)Rb3、S(O)NRc3d3、S(O)b3、およびS(O)NRc3d3より独立して選択される1、2、3または4個の置換基で所望により置換されてもよく;
各Ra1、Rb1、Rc1、Rd1、Ra3、Rb3、Rc3、およびRd3は、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5-10員のヘテロアリール、4-10員のヘテロシクロアルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル-C1-4アルキル、5-10員のヘテロアリール-C1-4アルキル、および4-10員のヘテロシクロアルキル-C1-4アルキルより独立して選択され、ここで該Ra1、Rb1、Rc1、Rd1、Ra3、Rb3、Rc3、およびRd3の該C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5-10員のヘテロアリール、4-10員のヘテロシクロアルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル-C1-4アルキル、5-10員のヘテロアリール-C1-4アルキル、および4-10員のヘテロシクロアルキル-C1-4アルキルは、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、CN、ORa4、SRa4、C(O)Rb4、C(O)NRc4d4、C(O)ORa4、OC(O)Rb4、OC(O)NRc4d4、NRc4d4、NRc4C(O)Rb4、NRc4C(O)NRc7d4、NRc4C(O)ORa4、C(=NRe4)NRc4d4、NRc4C(=NRe4)NRc3d4、S(O)Rb4、S(O)NRc4d4、S(O)b4、NRc4S(O)b4、NRc4S(O)NRc4d4、およびS(O)NRc4d4より独立して選択される1、2、または3個の置換基で所望により置換されてもよく;
あるいはRc1およびRd2は、それらが結合するN原子と一緒になって、CN、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、CN、ORa4、SRa4、C(O)Rb4、C(O)NRc4d4、C(O)ORa4、OC(O)Rb4、OC(O)NRc4d4、NRc4d4、NRc4C(O)Rb4、NRc4C(O)NRc7d4、NRc4C(O)ORa4、C(=NRe4)NRc4d4、NRc4C(=NRe4)NRc3d4、S(O)Rb4、S(O)NRc4d4、S(O)b4、NRc4S(O)b4、NRc4S(O)NRc4d4、およびS(O)NRc4d4より独立して選択される1、2、または3個の置換基で所望により置換されてもよい4-7員のヘテロシクロアルキル基を形成するか;
あるいはRc3およびRd3は、それらが結合するN原子と一緒になって、CN、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、CN、ORa4、SRa4、C(O)Rb4、C(O)NRc4d4、C(O)ORa4、OC(O)Rb4、OC(O)NRc4d4、NRc4d4、NRc4C(O)Rb4、NRc4C(O)NRc7d4、NRc4C(O)ORa4、C(=NRe4)NRc4d4、NRc4C(=NRe4)NRc3d4、S(O)Rb4、S(O)NRc4d4、S(O)b4、NRc4S(O)b4、NRc4S(O)NRc4d4、およびS(O)NRc4d4より独立して選択される1、2、または3個の置換基で所望により置換されてもよい4-7員のヘテロシクロアルキル基を形成し;
各Ra2、Rb2、Rc2、およびRd2は、HおよびC1-4アルキルより独立して選択され;
各Ra4、Rb4、Rc4、およびRd4は、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5-10員のヘテロアリール、4-10員のヘテロシクロアルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル-C1-4アルキル、5-10員のヘテロアリール-C1-4アルキル、および4-10員のヘテロシクロアルキル-C1-4アルキルより独立して選択され、ここで該C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5-10員のヘテロアリール、4-10員のヘテロシクロアルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル-C1-4アルキル、5-10員のヘテロアリール-C1-4アルキル、および4-10員のヘテロシクロアルキル-C1-4アルキルは、各々、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、およびC1-6ハロアルコキシより独立して選択される1、2、または3個の置換基で所望により置換されてもよく;ならびに
各Re1、Re2、Re3、およびRe4は、H、C1-4アルキル、およびCNより独立して選択され;
ここで上記したいずれのヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル基もO、N、およびSより独立して選択される1、2、3、または4個の環形成ヘテロ原子を含み;ならびに
ここで上記したいずれかのヘテロシクロアルキル基の1または複数の環形成CまたはN原子はオキソ(=O)基と所望により置き換えられてもよい]
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩である、SHP2の阻害剤を提供する。
いくつかの実施態様において、Lは不在である。
いくつかの実施態様において、LはOである。
いくつかの実施態様において、LはSである。
いくつかの実施態様において、XはNである。
いくつかの実施態様において、XはCRX1である。
いくつかの実施態様において、XはNである。
いくつかの実施態様において、XはCRX2である。
いくつかの実施態様において、XはCRX1であり、XはNである。
いくつかの実施態様において、YはNである。
いくつかの実施態様において、YはCRY1である。
いくつかの実施態様において、YはNである。
いくつかの実施態様において、YはCRY2である。
いくつかの実施態様において、XはCRX1であり、XはNであって、YはNである。
いくつかの実施態様において、XはCRX1であり、XはNであって、YはNである。
いくつかの実施態様において、XはCRX1であり、XはNであり、YはNであって、YはNである。
いくつかの実施態様において、RはC6-10アリールまたは5-14員のヘテロアリールであり、各々、Cy、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、C(=NRe1)NRc1d1、NRc1C(=NRe1)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1S(O)Rb1、NRc1S(O)b1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、およびS(O)NRc1d1より独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基で所望により置換されてもよく、ここで該アルキル、C2-6アルケニル、およびC2-6アルキニルは、Cy、ハロ、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、C(=NRe1)NRc1d1、NRc1C(=NRe1)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1S(O)Rb1、NRc1S(O)b1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、およびS(O)NRc1d1より独立して選択される1、2または3個の置換基で所望により置換されてもよい。
いくつかの実施態様において、Rはフェニルまたは6-員のヘテロアリールであって、各々、Cy、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、C(=NRe1)NRc1d1、NRc1C(=NRe1)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1S(O)Rb1、NRc1S(O)b1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、およびS(O)NRc1d1より独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基で所望により置換されてもよく、ここで該アルキル、C2-6アルケニル、およびC2-6アルキニルは、Cy、ハロ、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、C(=NRe1)NRc1d1、NRc1C(=NRe1)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1S(O)Rb1、NRc1S(O)b1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、およびS(O)NRc1d1より独立して選択される1、2または3個の置換基で所望により置換されてもよい。
いくつかの実施態様において、Rはフェニルまたは6-員のヘテロアリールであって、各々、Cy、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、C(=NRe1)NRc1d1、NRc1C(=NRe1)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1S(O)Rb1、NRc1S(O)b1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、およびS(O)NRc1d1より独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基で所望により置換されてもよく、ここで該アルキル、C2-6アルケニル、およびC2-6アルキニルは、Cy、ハロ、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、C(=NRe1)NRc1d1、NRc1C(=NRe1)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1S(O)Rb1、NRc1S(O)b1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、およびS(O)NRc1d1より独立して選択される1、2または3個の置換基で所望により置換されてもよい。
いくつかの実施態様において、Rはフェニルまたは6-員のヘテロアリールであって、各々、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1S(O)Rb1、NRc1S(O)b1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、およびS(O)NRc1d1より独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基で所望により置換されてもよく、ここで該アルキル、C2-6アルケニル、およびC2-6アルキニルは、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1S(O)Rb1、NRc1S(O)b1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、およびS(O)NRc1d1より独立して選択される1、2、または3個の置換基で所望により置換されてもよい。
いくつかの実施態様において、Rは、F、Cl、メチル、およびCFより独立して選択される1、2、または3個の置換基で所望により置換されてもよいフェニルである。
いくつかの実施態様において、Rは、F、Cl、メチル、およびCFより独立して選択される1、2、または3個の置換基で所望により置換されてもよいピリジルである。
いくつかの実施態様において、Rは、2-クロロ-3-メチルフェニル、2,3-ジクロロフェニル、2-クロロ-3-フルオロフェニル、2-クロロピリジン-3-イル、3-クロロ-2-フルオロフェニル、または2-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニルである。
いくつかの実施態様において、RおよびRは共にHである。
いくつかの実施態様において、R2a、R2b、R4a、R4b、R5a、R5b、R7a、およびR7bはすべてHである。
いくつかの実施態様において、RおよびRは、H、ハロ、C1-6アルキル、C1-4ハロアルキル、ORa2、およびNRc2d2より各々独立して選択され、ここで該アルキルは、ハロ、ORa2、およびNRc2d2より独立して選択される1、2、または3個の置換基で所望により置換されてもよい。
いくつかの実施態様において、RおよびRは、H、C1-4アルキル、OH、およびNHより各々独立して選択され、ここで該アルキルはNHで所望により置換されてもよい。
いくつかの実施態様において、RおよびRは、メチルおよびNHより各々独立して選択される。
いくつかの実施態様において、RX1、RX2、RY1、およびRY2は、H、C1-6アルキル、およびNRc3d3より各々独立して選択され、ここで該C1-6アルキルは、Cy、ハロ、CN、NO、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3d3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3d3、C(=NRe3)NRc3d3、NRc3C(=NRe3)NRc3d3、NRc3d3、NRc3C(O)Rb3、NRc3C(O)ORa3、NRc3C(O)NRc3d3、NRc3S(O)Rb3、NRc3S(O)b3、NRc3S(O)NRc3d3、S(O)Rb3、S(O)NRc3d3、S(O)b3、およびS(O)NRc3d3より独立して選択される1、2、または3個の置換基で所望により置換されてもよい。
いくつかの実施態様において、RX1は、H、C1-6アルキル、およびNRc3d3より選択され、ここで該C1-6アルキルは、Cy、ハロ、CN、NO、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3d3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3d3、C(=NRe3)NRc3d3、NRc3C(=NRe3)NRc3d3、NRc3d3、NRc3C(O)Rb3、NRc3C(O)ORa3、NRc3C(O)NRc3d3、NRc3S(O)Rb3、NRc3S(O)b3、NRc3S(O)NRc3d3、S(O)Rb3、S(O)NRc3d3、S(O)b3、およびS(O)NRc3d3より独立して選択される1、2、または3個の置換基で所望により置換されてもよい。
いくつかの実施態様において、RX1はメチルおよびNHより選択される。
いくつかの実施態様において、RX1はNHである。
いくつかの実施態様において、RX2はHである。
いくつかの実施態様において、RY1はHである。
いくつかの実施態様において、RY2はHである。
いくつかの実施態様において、式A1の化合物は、式A2:
で示されるか、またはその医薬的に許容される塩である。
いくつかの実施態様において、式A1の化合物は、式A2aまたはA2b:
で示されるか、またはその医薬的に許容される塩である。
いくつかの実施態様において、式A1の化合物は、式A3a、A3bまたはA3c:
で示されるか、またはその医薬的に許容される塩である。
いくつかの実施態様において、式A1の化合物は:
(3aR,5r,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5r,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5r,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5r,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2-クロロピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5r,6aS)-2-(6-アミノ-5-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
3aR,5r,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5s,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
6-((3aR,5r,6aS)-5-(アミノメチル)-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-アミン;
6-((3aR,5s,6aS)-5-(アミノメチル)-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-アミン;
(3aR,5r,6aS)-2-(4-アミノ-5-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピリミジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5r,6aS)-2-(4-アミノ-5-(2,3-ジクロロフェニル)ピリミジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
(3aR,5r,6aS)-2-(4-アミノ-5-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)ピリミジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;および
(3aR,5r,6aS)-2-(4-アミノ-5-(2-クロロピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
またはその医薬的に許容される塩
より選択される。
式B1:
[式中:R、L、Y、Y、R、およびRは、本明細書にて記載されるいずれかの実施態様に従って定義されるとおりである]
で示される化合物も提供される。いくつかの実施態様において、RおよびRの一方はメチルであり、他方はアミノである。式B1の化合物は、本明細書に記載のスキームにて示される合成経路と同様の方法にて、製造され得る。
式C1:
[式中:R、L、X、X、Y、R、およびRは、本明細書にて記載されるいずれかの実施態様に従って定義されるとおりである]
で示される化合物も提供される。いくつかの実施態様において、RおよびRの一方はメチルであり、他方はアミノである。式C1の化合物は、本明細書に記載のスキームにて示される合成経路と同様の方法にて、製造され得る。
式D1:
[式中:R、L、X、Y、Y、R、およびRは、本明細書にて記載されるいずれかの実施態様に従って定義されるとおりである]
で示される化合物も提供される。いくつかの実施態様において、RおよびRの一方はメチルであり、他方はアミノである。式D1の化合物は、本明細書に記載のスキームにて示される合成経路と同様の方法にて、製造され得る。
1の態様において、本発明は、式I:
[式中:
はCHおよびNより選択され;
はCR12およびNより選択され;
はNHおよびCRより選択され;
は(C6-C10)アリール、(C3-C8)シクロアルキル、(C3-C8)シクロアルケニル、およびN、OおよびSより選択される1ないし4個のヘテロ原子を含有する5-9員のヘテロアリール基より選択され;ここで該アリールまたはヘテロアリールは1~5個のR10基で所望により置換されてもよく;
2aおよびR2bは、水素、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)アルコキシ、アミノ、ヒドロキシ、(C3-C8)シクロアルキル、(C1-C4)アルキル-アミノおよびジ(C1-C4)アルキル-アミノより各々独立して選択され;
は、水素、フルオロまたは(C1-C4)アルキルであり;
4aおよびR4bは、水素、ハロ、カルボニル、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)アルコキシ、アミノ、ヒドロキシ、(C3-C8)シクロアルキル、(C1-C4)アルキルアミノおよびジ(C1-C4)アルキルアミノより各々独立して選択され;
5aおよびR5bは、水素、ハロ、カルボニル、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)アルコキシ、アミノ、ヒドロキシ、(C3-C8)シクロアルキル、(C1-C4)アルキルアミノおよびジ(C1-C4)アルキルアミノより各々独立して選択され;
は、水素、フルオロまたは(C1-C4)アルキルより選択され;
7aおよびR7bは、水素、カルボニル、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)アルコキシ、アミノ、ヒドロキシ、(C3-C8)シクロアルキル、(C1-C4)アルキルアミノおよびジ(C1-C4)アルキルアミノより各々独立して選択され;
は、水素、(C1-C4)アルキル、(C3-C6)シクロアルキル、(C6-10)アリール、およびN、OおよびSより選択される1~4個のヘテロ原子を含有する5-9員のヘテロアリール基より選択され;
は、NH、(C1-C4)アルキルアミノ、ジ(C1-C4)アルキルアミノ、NH-(CH)-、(C1-C4)アルキル-NH-(CH)-、およびジ[(C1-C4)アルキル]N-(CH)-より選択され;
各R10は、ハロ、アミノ、ヒドロキシ、N、(C1-C4)アルキル、ヒドロキシ置換の(C1-C4)アルキル、ハロ置換の(C1-C4)アルキル、 アミノ置換の(C1-C4)アルキル、-C(O)OR11および-NHC(O)R11より独立して選択され;
各R11は、水素、フェニルおよびナフチルより独立して選択され;ここで該フェニルはメトキシで所望により置換されてもよく;
12は、水素、ハロ、シアノ、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)アルコキシ、アミノ-カルボニル、ハロ置換の(C1-C4)アルキル、ハロ置換の(C1-C4)アルコキシ、ヒドロキシ置換の(C1-C4)アルキル、アミノ置換の(C1-C4)アルキル、-S(=O)R12a、-SO2R12a、-C(=S)R12a、-C(=O)NR12a12b、-C(NH)NR12a12bおよび-NR12aC(=O)R12bより選択され;ここで各R12aおよびR12bは、水素および(C1-C4)アルキルより独立して選択される]
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩が本明細書にて提供される。
本発明の1の態様は、YがNであり;YがCR12であって、R12が水素であり;YがCRであり;Rが1または2個のR10基で所望により置換されてもよい(C6-C10)アリールである、式Iの化合物に関する。
本発明のもう一つ別の態様は、各R10基が独立してハロである、式Iの化合物に関する。
本発明のもう一つ別の態様は、各R10基が、独立して、クロロまたはフルオロである、式Iの化合物に関する。
本発明のもう一つ別の態様は、YがCRであって;Rが水素または(C1-C4)アルキルである、式Iの化合物に関する。
本発明のもう一つ別の態様は、YがCRであって;Rがアミノ、アミノ-メチルおよびメチル-アミノより選択される、式Iの化合物に関する。
本発明の1の態様は、
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩に関する。
本発明のもう一つ別の実施態様は、
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩に関する。
本発明のもう一つ別の実施態様は、
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩に関する。
本発明のもう一つ別の実施態様は、
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩に関する。
本発明のもう一つ別の実施態様は、
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩に関する。
本発明のもう一つ別の実施態様は、
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩に関する。
もう一つ別の態様において、本発明は、本発明の化合物、そのプロドラッグ誘導体、保護誘導体、個々の異性体および異性体混合物、およびそれらの医薬的に許容される塩の製造方法を提供する。
さらには、明確にするには、別個の実施態様という形式で記載される、本発明のある特徴も、単一の実施態様にて組み合わせて提供され得ることがよく分かる(それらの実施態様は組み合わされるものとするが、あたかも複合的に依存する形態であるかのように記載される)。対照的に、簡潔にするために、単一の実施態様という形式で記載される、本発明の種々の特徴は、別々に、または適切ないずれかのサブコンビネーションにて提供され得る。このように、本発明の化合物の実施態様として記載される特徴はいずれか適切なコンビネーションにて組み合わせることができると思量される。
本明細書の様々な箇所で、化合物のある特徴が群または範囲の形で開示される。具体的には、かかる開示は、そのような群または範囲にあるメンバーのありとあらゆる個々のサブコンビネーションを包含するものとする。例えば、「C1-6アルキル」なる語は、具体的に、(限定することなく)メチル、エチル、Cアルキル、Cアルキル、CアルキルおよびCアルキルを個々に開示するものとする。
上記および下記にて使用される一般的用語は、当該分野における当業者によって十分に理解され、好ましくはこの開示の文脈の範囲内で特記されない限り次の意義を有するものとする。どこでも使用されるより一般的な用語は、相互に独立して、より明確な定義と置き換えられても、そのまま使用されてもよく、本発明をより詳細な実施態様にて規定してもよい:
「n員(nは整数)」なる語は、典型的には、環形成原子の数がnである部分での環形成原子の数を記載する。例えば、ピペリジニルは6員のヘテロシクロアルキル環の一例であり、ピラゾリルは5員のヘテロアリール環の一例であり、ピリジルは6員のヘテロアリール環の一例であり、1,2,3,4-テトラヒドロ-ナフタレンは10員のシクロアルキル基の一例である。
本明細書の様々な箇所で、二価の連結基を定義する可変基が記載されてもよい。各連結置換基は連結置換基の前方形態と後方形態の両方を包含することを具体的には意図とする。例えば、-NR(CR’R’’)-は、-NR(CR’R’’)-および-(CR’R’’)NR-の両方を包含し、各形態を個々に開示するものとする。構造が連結基を必要とする場合、その基について列挙されるマーカッシュ可変基は連結基であると解される。例えば、仮に構造が連結基を必要とし、その可変基についてのマーカッシュ基の定義が「アルキル」または「アリール」を含むならば、その場合、その「アルキル」または「アリール」は、各々、連結するアルキレン基またはアリーレン基を示すと解される。
「置換される」なる語は、原子または一群の原子が、形式的に、別の基に結合した「置換基」として水素と置き換わることを意味する。「置換される」なる語は、特記されない限り、かかる置換が容認されるところの、どのレベルの置換、例えば、モノ、ジ、トリ、テトラ、またはペンタ置換をもいう。置換基は独立して選択され、置換は化学的に利用可能ないずれの位置であってもよい。所定の原子での置換は原子価で制限されることを認識すべきである。所定の原子での置換は化学的に安定した分子をもたらすことを認識すべきである。「所望に置換されてもよい」なる語は、置換されていないか、置換されていることを意味する。「置換される」なる語は水素原子が取り外され、置換基と置き換えられていることを意味する。単一の二価置換基、例えば、オキソは2個の水素原子と置き換わることができる。
「Cn-m」なる語は、nおよびmが整数であり、終点を含む、炭素の数を示す範囲を示唆する。例として、C1-4、C1-6等が挙げられる。
単独で、または他の用語と組み合わせて利用される「アルキル」なる語は、直鎖または分岐鎖であってもよい、飽和炭化水素基をいう。「Cn-mアルキル」なる語は、nないしm個の炭素原子を有するアルキル基をいう。アルキル基は、形式的には、1個のC-H結合が、アルキル基の化合物の残部との付着点と置き換えられる、アルカンに相当する。アルキル基は、形式的には、アルキル基の化合物の残基との結合点で1個のC-H結合で置換されているアルカンに相当する。いくつかの実施態様において、アルキル基は1~6個の炭素原子、1~4個の炭素原子、1~3個の炭素原子、または1~2個の炭素原子を含有する。アルキル部分の例として、以下に限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、tert-ブチル、イソブチル、sec-ブチル;2-メチル-1-ブチル、n-ペンチル、3-ペンチル、n-ヘキシル、1,2,2-トリメチルプロピル等などの高級ホモログなどの化学基が挙げられる。
単独で、または他の用語と組み合わせて利用される「アルケニル」なる語は、1または複数の炭素-炭素二重結合を有するアルキル基に対応する直鎖または分岐鎖の炭化水素基をいう。アルケニル基は、形式的には、1個のC-H結合が、アルケニル基の化合物の残部との付着点と置き換えられる、アルケンに相当する。「Cn-mアルケニル」なる語はn~m個の炭素を有するアルケニル基をいう。いくつかの実施態様において、アルケニル部分は2~6個、2~4個、または2~3個の炭素原子を含有する。アルケニル基の例として、以下に限定されないが、エテニル、n-プロぺニル、イソプロぺニル、n-ブテニル、sec-ブテニル等が挙げられる。
単独で、または他の用語と組み合わせて利用される「アルキニル」なる語は、1または複数の炭素-炭素三重結合を有するアルキル基に対応する直鎖または分岐鎖の炭化水素基をいう。アルキニル基は、形式的には、1個のC-H結合が、アルキニル基の化合物の残部との付着点と置き換えられる、アルキンに相当する。「Cn-mアルキニル」なる語はn~m個の炭素を有するアルキニル基をいう。アルキニル基の例として、以下に限定されないが、エチニル、プロピン-1-イル、プロピン-2-イル等が挙げられる。いくつかの実施態様において、アルキニル部分は2~6個、2~4個、または2~3個の炭素原子を含有する。
単独で、または他の用語と組み合わせて利用される「アルキレン」なる語は、二価のアルキル連結基をいう。アルキレン基は、形式的には、2個のC-H結合が、アルキレン基の化合物の残部との結合点と置き換えられる、アルカンに相当する。「Cn-mアルキレン」なる語はn~m個の炭素原子を有するアルキレン基をいう。アルキレン基の例として、以下に限定されないが、エタン-1,2-ジイル、エタン-1,1-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、プロパン-1,2-ジイル、プロパン-1,1-ジイル、ブタン-1,4-ジイル、ブタン-1,3-ジイル、ブタン-1,2-ジイル、2-メチル-プロパン-1,3-ジイル等が挙げられる。
単独で、または他の用語と組み合わせて利用される「アルコキシ」なる語は、式:-O-アルキルで示される基をいい、ここで該アルキル基は上記にて定義されるとおりである。「Cn-mアルコキシ」なる語は、アルコキシ基であって、そのアルキル基がn~m個の炭素を有する基をいう。アルコキシ基の例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n-プロポキシおよびイソプロポキシ)、t-ブトキシ等が挙げられる。いくつかの実施態様において、アルキル基は、1~6個、1~4個、または1~3個の炭素原子を有する。「Cn-mジアルコキシ」なる語は、式:-O-(Cn-mアルキル)-O-で示される連結基であって、そのアルキル基はn~m個の炭素を有する、基をいう。ジアルコキシ基の例として、-OCHCHO-および-OCHCHCHO-が挙げられる。いくつかの実施態様において、Cn-mジアルコキシ基の2個のO原子は、同じC原子と結合し、5または6員のヘテロシクロアルキル基を形成してもよい。
「アミノ」なる語は、式:-NHで示される基をいう。
単独で、または他の用語と組み合わせて利用される「カルボニル」なる語は、-C(=O)-基をいい、それはまたC(O)と書くこともできる。
「シアノ」または「ニトリル」なる語は、式:-C≡Nで示される基をいい、それはまた-CNと書くこともできる。
単独で、または他の用語と組み合わせて利用される「ハロ」または「ハロゲン」なる語は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードをいう。いくつかの実施態様において、「ハロ」は、F、Cl、またはBrより選択されるハロゲン原子をいう。いくつかの実施態様において、ハロ原子はFである。
本明細書にて使用される「ハロアルキル」なる語は、アルキル基であって、そのうちの1または複数の水素原子がハロゲン原子で置換されている、アルキル基をいう。「Cn-mハロアルキル」なる語は、n~m個の炭素原子を有し、少なくとも1個から{2(n~m)+1}個までのハロゲン原子(同じであっても、異なってもいずれであってもよい)を有する、Cn-mアルキル基をいう。いくつかの実施態様において、ハロゲン原子はフルオロ原子である。いくつかの実施態様において、ハロアルキル基は1~6個の、または1~4個の炭素原子を有する。ハロアルキル基の例として、CF、C、CHF、CHF、CCl、CHCl、CCl等が挙げられる。いくつかの実施態様において、ハロアルキル基はフルオロアルキル基である。
単独で、または他の用語と組み合わせて利用される「ハロアルコキシ」なる語は、式:-O-ハロアルキルで示される基をいい、ここで該ハロアルキル基は上記にて定義されるとおりである。「Cn-mハロアルコキシ」なる語はハロアルコキシ基であって、そのうちのハロアルキル基がn~m個の炭素を有する基をいう。ハロアルコキシ基の例として、トリフルオロメトキシ等が挙げられる。いくつかの実施態様において、ハロアルコキシ基は、1~6個、1~4個、または1~3個の炭素原子を有する。
「オキソ」なる語は、炭素と結合した場合にカルボニル基を形成し、ヘテロ原子に結合した場合にスルホキシドまたはスルホン基、またはN-オキシド基を形成する、二価の置換基としての酸素原子をいう。いくつかの実施態様において、ヘテロ環基は、1または2個のオキソ(=O)置換基で所望により置換されてもよい。
「スルフィド」なる語は、炭素と結合した場合に、チオカルボニル基(C=S)を形成する、二価の置換基としての硫黄原子をいう。
環を形成するN原子に関連して「酸化される」なる語は、環を形成するN-オキシドをいう。
環を形成するS原子に関連して「酸化される」なる語は、環を形成するスルホニルまたは環を形成するスルフィニルをいう。
「芳香族」なる語は、芳香族特性を有する1または複数の多価不飽和環を有する(すなわち、(4n+2)個(nは整数である)の脱局在化π(パイ)電子を有する)炭素環またはヘテロ環をいう。
単独で、または他の用語と組み合わせて利用される「アリール」なる語は、単環または多環(例えば、2個の縮合環を有する環)であってもよい、芳香族炭化水素基をいう。「Cn-mアリール」なる語は、n~m個の環炭素原子を有するアリール基をいう。アリール基は、例えば、フェニル、ナフチル等を包含する。いくつかの実施態様において、アリール基は6~約10個の炭素原子を有する。いくつかの実施態様において、アリール基は6個の炭素原子を有する。いくつかの実施態様において、アリール基は10個の炭素原子を有する。いくつかの実施態様において、アリール基はフェニルである。
単独で、または他の用語と組み合わせて利用される「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」なる語は、窒素、硫黄、および酸素より選択される少なくとも1つのヘテロ原子の環構成員を有する単環または多環式芳香族ヘテロ環をいう。いくつかの実施態様において、ヘテロアリール環は、窒素、硫黄、および酸素より独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子の環構成員を有する。いくつかの実施態様において、ヘテロアリール部分にあるいずれかの環形成のNはN-オキシドであり得る。いくつかの実施態様において、該ヘテロアリールは、炭素原子と、窒素、硫黄および酸素より独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子の環構成員とを含む、5-14個の環原子を有する。いくつかの実施態様において、該ヘテロアリールは、炭素原子と、窒素、硫黄および酸素より独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子の環構成員とを含む、5-10個の環原子を有する。いくつかの実施態様において、該ヘテロアリールは、5-6個の環原子と、窒素、硫黄および酸素より独立して選択される1または2個のヘテロ原子とを有する。いくつかの実施態様において、該ヘテロアリールは6員または5員のヘテロアリール環である。他の実施態様において、該ヘテロアリールは8員、9員または10員の縮合した二環式ヘテロアリール環である。ヘテロアリール基の例として、以下に限定されないが、ピリジニル(ピリジル)、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピロリル、ピラゾリル、アゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、フラニル、チオフェニル、キノリニル、イソキノリニル、ナフチリジニル(1,2-、1,3-、1,4-、1,5-、1,6-、1,7-、1,8-、2,3-および2,6-ナフチリジンを含む)、インドリル、イソインドリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、ベンズイソキサゾリル、イミダゾ[1,2-b]チアゾリル、プリニル等が挙げられる。
5員ヘテロアリール環は、5個の環原子を有するヘテロアリール基であり、ここで1または複数の(例えば、1、2または3個の)環原子は、N、OおよびSより独立して選択される。5員環のヘテロアリールは、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、1,2,3-トリアゾリル、テトラゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、1,3,4-チアジアゾリルおよび1,3,4-オキサジアゾリルを包含する。
6員ヘテロアリール環は、6個の環原子を有するヘテロアリール基であり、ここで1または複数の(例えば、1、2または3個の)環原子は、N、OおよびSより独立して選択される。6員環のヘテロアリールは、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、トリアジニル、イソインドリル、およびピリダジニルを包含する。
単独で、または他の用語と組み合わせて利用される「シクロアルキル」なる語は、環状アルキルおよびアルケニル基を含む、非芳香族炭化水素環系(単環、二環または多環式環系)をいう。「Cn-mシクロアルキル」なる語は、n~m個の環構成員の炭素原子を有するシクロアルキルをいう。シクロアルキル基は単または多環(例えば、2、3または4個の縮合環を有する)基およびスピロ環を包含し得る。シクロアルキル基は3、4、5、6または7個の環形成炭素(C3-7)を有し得る。いくつかの実施態様において、シクロアルキル基は3~6個の環構成員、3~5個の環構成員、または3~4個の環構成員を有する。いくつかの実施態様において、シクロアルキル基は単環基である。いくつかの実施態様において、シクロアルキル基は単環または二環基である。いくつかの実施態様において、シクロアルキル基はC3-6単環式シクロアルキル基である。シクロアルキル基の環形成の炭素原子は所望により酸化されてオキソまたはスルフィド基を形成してもよい。シクロアルキル基はまたシクロアルキリデンを包含する。いくつかの実施態様において、シクロアルキルはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルである。シクロアルキル環と縮合した(すなわち、結合を共通して有する)1または複数の芳香族環、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン等のベンゾまたはチエニル誘導体を有する部分もシクロアルキルの定義に含まれる。縮合芳香族環を含有するシクロアルキル基は、縮合した芳香族環の環形成の原子を含むいずれかの環形成原子を介して結合することができる。シクロアルキル基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタトリエニル、ノルボニル、ノルピニル、ノルカルニル、ビシクロ[1.1.1]ペンタニル、ビシクロ[2.1.1]ヘキサニル等が挙げられる。いくつかの実施態様において、該シクロアルキル基はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、またはシクロヘキシルである。
単独で、または他の用語と組み合わせて利用される「ヘテロシクロアルキル」なる語は、環構造の一部として1または複数のアルケニレン基を所望により含有してもよく、窒素、硫黄、酸素およびリンより独立して選択される、少なくとも1つのヘテロ原子の環構成員を有し、そして4-10個の環構成員、4-7個の環構成員、または4-6個の環構成員を有する、非芳香族環または環系をいう。ヘテロシクロアルキル基は単環または二環式環系(例えば、2個の縮合または架橋環を有する)またはスピロ環式環系を包含し得る。いくつかの実施態様において、該ヘテロシクロアルキル基は窒素、硫黄および酸素より独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子を有する単環基である。ヘテロシクロアルキル基の環形成の炭素原子およびヘテロ原子は所望により酸化されてもよく、オキソまたはスルフィド基または他の酸化連結(例えば、C(O)、S(O)、C(S)またはS(O)、N-オキシド等)を形成することができ、あるいは窒素原子は四級化され得る。ヘテロシクロアルキル基は環形成の炭素原子または環形成のヘテロ原子を介して結合し得る。いくつかの実施態様において、ヘテロシクロアルキル基は0~3個の二重結合を含有する。いくつかの実施態様において、ヘテロシクロアルキル基は0~2個の二重結合を含有する。ヘテロシクロアルキル環と縮合した(すなわち、結合を共通して有する)1または複数の芳香族環、例えば、ピペリジン、モルホリン、アゼピン等のベンゾまたはチエニル誘導体を有する部分もヘテロシクロアルキルの定義に含まれる。縮合した芳香族環を含有するヘテロシクロアルキル基は、縮合した芳香族環の環形成原子を含むいずれの環形成原子を介しても結合し得る。
ある場合には、定義または実施態様は特定の環(例えば、アゼチジン、ピリジン環等)をいう。特記されない限り、これらの環は、原子の原子価が超過されない限り、いずれの環構成員とも結合し得る。例えば、アゼチジン環はその環のいずれの位置で結合してもよく、一方でアゼチジン-3-イル環は3-位で結合する。
いくつかの式Iの化合物と関連付けられる実施態様において、「アルキル」は、20個までの炭素原子を有する完全に飽和した分岐または直鎖の炭化水素部分をいう。特記されない限り、アルキルは1~7個の炭素原子(C1-C7アルキル)、または1~4個の炭素原子(C1-C4アルキル)を有する炭化水素部分をいう。アルキルの代表例として、以下に限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、イソブチル、tery-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル等が挙げられる。置換アルキルは、1、2または3個などの1または複数の、ハロゲン、ヒドロキシまたはアルコキシ基より選択される置換基を含有するアルキル基である。
いくつかの式Iの化合物と関連付けられる実施態様において、本明細書にて使用される「カルボニル」は、官能基のC=Oをいい、アルデヒド(H-C=O)-を包含する。
いくつかの式Iの化合物と関連付けられる実施態様において、「ハロゲン」(またはハロ)は、好ましくは、クロロまたはフルオロを示すが、ブロモまたはヨードであってもよい。
いくつかの式Iの化合物と関連付けられる実施態様において、ハロ置換のアルキルおよびハロ置換のアルコキシは、直鎖または分岐鎖のいずれかとすることができ、メトキシ、エトキシ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ等を包含する。
いくつかの式Iの化合物と関連付けられる実施態様において、「アリール」は6~10個の環炭素原子を含有する、単環式または縮合した二環式芳香族環アセンブリーを意味する。例えば、アリールは、フェニルまたはナフチルであってもよく、好ましくはフェニルである。
いくつかの式Iの化合物と関連付けられる実施態様において、「アリーレン」は、アリール基より誘導される二価の基を意味する。アリール基はアルキルまたはハロなどの1~5個の適切な置換基で所望により置換されてもよい。
いくつかの式Iの化合物と関連付けられる実施態様において、「ヘテロアリール」は、1または複数の環構成員がヘテロ原子である、上記したアリールについて定義されるとおりである。例えば、(C5-C10)ヘテロアリールは、最低5個の炭素原子で示される構成員からなるが、これらの炭素原子はヘテロ原子と置き換えられ得る。結果として、(C5-C10)ヘテロアリールは、ピリジル、インドリル、インダゾリル、キノキサリニル、キノリニル、ベンゾフラニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、ベンゾ[1,3]ジオキソール、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピリミジニル、フラニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、チエニル等を包含する。ヘテロアリール基は、アルキルまたはハロなどの1~5個の適切な置換基で所望により置換されてもよい。
いくつかの式Iの化合物と関連付けられる実施態様において、「シクロアルキル」は、飽和または部分的に不飽和の、表示される数の環原子を含有する、単環、縮合環、二環または架橋した多環アセンブリーを意味する。例えば、(C3-C10)シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル等を包含する。シクロアルキル基は、アルキルまたはハロなどの1~5個の適切な置換基で所望により置換されてもよい。
いくつかの式Iの化合物と関連付けられる実施態様において、「ヘテロシクロアルキル」は、本願において定義されるシクロアルキルであるが、その表示される1または複数の環炭素が、-O-、-N=、-NR-、-C(=O)-、-S-、-S(=O)-または-SO2-(ここでRは水素、(C1-C4)アルキルまたは窒素保護基である)から選択される部分によって置き換えられる、シクロアルキルを意味する。例えば、本願にて使用される(C3-C8)ヘテロシクロアルキルは、モルホリノ、ピロリジニル、ピロリジニル-2-オン、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリジニロン、1,4-ジオキサ-8-アザ-スピロ[4.5]デカ-8-イル、チオモルホリノ、スルファノモルホリノ、スルホノモルホリノ等を記載する。ヘテロシクロアルキル基は、アルキルまたはハロなどの1~5個の適切な置換基で所望により置換されてもよい。
本明細書に記載の化合物は非対称(例えば、1または複数の立体中心を有する)であり得る。特記されない限り、エナンチオマーおよびジアステレオマーなどのすべての立体異性体が意図される。非対称に置換された炭素原子を含有する本発明の化合物は、光学活性な形態またはラセミ体の形態にて単離され得る。光学的に不活性な出発材料から光学活性な形態をどのようにして製造するかの方法は、ラセミ混合物を分割するか、立体選択的に合成するなどで当該分野にて既知である。オレフィン、C=Nの二重結合等の多くの幾何異性体も本明細書に記載の化合物にて存在することができ、そのような安定した異性体はすべて本発明の意図するところである。本発明の化合物のシスおよびトランス幾何異性体が記載されており、異性体の混合物として、または分離した異性体の形態として単離されてもよい。
化合物のラセミ混合物の分割は当該分野にて既知の多数のいずれかの方法により実施され得る。一の方法は、光学的に活性で、塩形成の有機酸である、キラル分割酸を用いる、分別晶析法を包含する。分別晶析法に使用する適切な分割剤は、例えば、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、またはβ-カンファースルホン酸などの種々の光学的に活性なカンファースルホン酸のDおよびL形態などの光学的に活性な酸である。分別晶析法に適する他の分割剤は、α-メチルベンジルアミンの立体異性的に純粋な形態(例えば、SおよびR形態、またはジアステレオマー的に純粋な形態)、2-フェニルグリセノール、ノルエフェドリン、エフェドリン、N-メチルエフェドリン、シクロヘキシルエチルアミン、1,2-ジアミノシクロヘキサン等を包含する。
ラセミ混合物の分割は、光学活性な分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)を充填したカラムでの溶出によってもなされ得る。適切な溶出溶媒の組成は当業者にて決定され得る。
いくつかの実施態様において、本発明の化合物は(R)-配置を有する。他の実施態様にて、該化合物は(S)-配置を有する。二つ以上のキラル中心を有する化合物において、該化合物におけるキラル中心は、各々、特記されない限り、独立して(R)または(S)であってもよい。
本発明の化合物は不斉炭素原子を有してもよく、2種またはそれ以上の立体異性体として存在してもよい。式Iの化合物の炭素-炭素結合は、本明細書にて、実線
くさび形の実線
またはくさび形の点線
を用いて記載される。実線を用いて不斉炭素原子との結合を記載するのは、その炭素原子で可能な全ての立体異性体(例えば、特異的エナンチオマー、ラセミ混合物等)が包含されることを意図するものとする。くさび形の実線または点線のいずれかを用いて不斉炭素原子との結合を記載するのは、示される立体異性体だけが包含されることを示すものとする。本発明の化合物は2以上の不斉炭素原子を含有することが可能である。それらの化合物において、実線を用いて不斉炭素原子との結合を記載することは可能な全ての立体異性体が包含されることを示すものとする。例えば、特記されない限り、本発明の化合物はエナンチオマーおよびジアステレオマーとして、またはラセミ体およびその混合物として存在し得る。実線を用いて本発明の化合物中の1または複数の不斉炭素原子との結合を記載すること、およびくさび形の実線または点線を用いてその同じ化合物中の他の不斉炭素原子との結合を記載することは、ジアステレオマーの混合物が存在することを示すものとする。
本発明の化合物は、示される特定のエナンチオマーに限定されないだけでなく、あらゆる立体異性体およびそれらの混合物を含むことが理解されよう。
式Iの化合物の一つの態様は、式:
で示される。
立体異性体は、本発明の化合物の、シスおよびトランス異性体、光学異性体、例えばRおよびS-エナンチオマー、ジアステレオマー、幾何異性体、回転異性体、配座異性体、および互変異性体(2種以上の異性を示す化合物;およびそれらの混合物(ラセミ体およびジアステレオマー対など)を含む)を包含する。対イオンが光学的に活性である、酸付加塩または塩基付加塩、例えば、d-ラクテートまたはl-リジン、あるいはラセミ体、例えばdl-タートレートまたはdl-アルギニンも包含される。
いずれかのラセミ体が結晶化する場合、結晶において異なる2つの型が可能である。第1の型は、両方のエナンチオマーを等モル量で含有する1の均質な形態の結晶を生成する、上記されるラセミ化合物(真ラセミ体)である。第2の型は、2つの形態の結晶を等モル量で生成し、各々が単一のエナンチオマーを含む、ラセミ混合物または集合体である。
本発明の化合物は互変異性および構造異性の現象を示し得る。例えば、本発明の化合物は、数種の互変異性体の形態、例えば、エノールおよびイミン形、およびケトおよびエナミン形、ならびに幾何異性体およびその混合物の形態にて存在してもよい。そのような互変異性体の形態は本発明の化合物の範囲内に含まれる。互変異性体は溶液中にて互変異性の対の混合物として存在する。固体形では、通常、1の互変異性体が優勢である。仮に1の互変異性体が記載されるとしても、本発明は本発明の化合物の全ての互変異性体を包含する。互変異性形態は単結合をプロトンの同時移動と一緒に隣接する二重結合と交換することで得られる。互変異性形態は、同じ実験式および全電荷を有する異性プロトン化状態である、プロトトロピック互変異性体を包含する。プロトトロピック互変異性体の例として、ケトン-エノールの対、アミド-イミド酸の対、ラクタム-ラクチムの対、エナミン-イミンの対、およびプロトンがヘテロ環系の2またはそれ以上の位置を占有し得る、環状形態、例えば、1H-および3H-イミダゾール、1H-、2H-および4H-1,2,4-トリアゾール、1H-および2H-イソインドールおよび1H-および2H-ピラゾールが挙げられる。互変異性形態は平衡状態であっても、あるいは適切な置換により1の形態に立体的に固定することもできる。
本発明は、1または複数の原子が、原子番号は同じであるが、原子質量および質量数が自然界で優位を占める原子質量および質量数と異なる、原子と置き換えられている医薬的に許容される同位体で標識された本発明のすべての化合物を包含する。
本発明の化合物に含めるのに適する同位体の例として、HおよびHなどの水素、11C、13Cおよび14Cなどの炭素、36Clなどの塩素、18Fなどのフッ素、123Iおよび125Iなどのヨウ素、13Nおよび15Nなどの窒素、15O、17Oおよび18Oなどの酸素、32Pなどのリン、および35Sなどの硫黄の同位体が挙げられる。
本発明の化合物の特定の同位体で標識された化合物、例えば、放射性同位体を取り込んだ化合物は、薬物および/または基質の組織分布の研究に有用である。放射性同位体のトリチウム、すなわち、H、およびカーボン-14、すなわち14Cが、その取り込みの容易性および迅速な検出手段であるとの観点からこの目的に特に有用である。ジュウテリウム、すなわちHなどのより重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性、例えば、インビボでの半減期の増加または必要用量の減少をもたらす、特定の治療上の利点を付与するかもしれず、かくしてある環境下では好ましいかもしれない。11C、18F、15Oおよび13Nなどのポジトロン放出同位体は、基質受容体の占有性を試験するための研究であるポジトロン断層法(PET)において有用である。
同位体で標識された本発明の化合物は、一般に、当業者に既知の慣用的技法によって、またはこれまでに利用された標識されていない試薬の代わりに同位体で標識された適切な試薬を用いて後記の実施例および調製例において記載の方法と同様の方法によって製造され得る。同位体を有機化合物に組み込む合成方法は当該分野にて公知である(Deuterium Labeling in Organic Chemistry by Alan F. Thomas(New York, N.Y.、Appleton-Century-Crofts, 1971;The Renaissance of H/D Exchange by Jens Atzrodt、Volker Derdau、Thorsten FeyおよびJochen Zimmermann、Angew. Chem. Int. Ed. 2007, 7744-7765;The Organic Chemistry of Isotopic Labelling by James R. Hanson, Royal Society of Chemistry, 2011)。同位体で標識された化合物は、NMR分光法、代謝作用実験、および/またはアッセイなどの種々の研究において使用され得る。
ジュウテリウムなどのより重い同位体での置換は、より大きな代謝安定性、例えば、インビボでの半減期の増加または必要用量の減少をもたらす特定の治療上の利点を付与するかもしれず、かくしてある環境下では好ましいかもしれない(A. Kerekesら、J. Med. Chem. 2011, 54, 201-210;R. Xuら、J. Label Compd. Radiopharm. 2015, 58, 308-312)。
本明細書において使用される「化合物」なる語は、記載される構造のあらゆる立体異性体、幾何異性体、互変異性体および同位体を包含するものとする。該用語はまた、それらがどのようにして製造されるか、例えば、合成により生物学的工程(例えば、代謝作用または酵素変換)、またはその組み合わせを介して製造されるかに拘わらず、本発明の化合物をいうものとする。
全ての化合物およびその医薬的に許容される塩は、水および溶媒などの他の物質と一緒に(例えば、水和物および溶媒和物として)存在することができ、あるいは単離され得る。固体の状態である場合、本明細書に記載の化合物およびその塩は種々の形態にて生じてもよく、例えば、水和物を含む、溶媒和物の形態を取ることができる。該化合物は、特に明確に示されない限り、多形体または溶媒和物などのいずれの固体の状態であってもよく、本明細書において化合物およびその塩への言及はその化合物のいずれの固体の状態をも包含するものとして理解されるべきである。
いくつかの実施態様において、本発明の化合物、またはその塩は、実質的に単離される。「実質的に単離される」とは、化合物が、それが形成された、または検出されたその環境から、少なくとも部分的に、または実質的に分離されることを意味する。部分分離は、例えば、本発明の化合物に富む組成物を包含し得る。実質的分離は、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約97%、または少なくとも約99重量%の本発明の化合物、またはその塩を含有する組成物を包含し得る。
「医薬的に許容される」なる語は、本明細書において、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題または複雑化させる要因もなく、利益/危険の割合が合理的で整合して、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに適する、それらの化合物、材料、組成物および/または剤形をいうのに利用される。
本明細書中で使用される「外界温度」および「室温」なる語は、当該分野において理解されており、一般的には、反応を行う部屋のおよその温度、例えば、約20℃~約30℃の温度で表される温度、例えば、反応温度をいう。
本発明はまた、本明細書に記載の化合物の医薬的に許容される塩を包含する。「医薬的に許容される塩」なる語は、存在する酸または塩基部分をその塩の形態に変換することにより親化合物が修飾されるところの、開示される化合物の誘導体をいう。医薬的に許容される塩の例は、以下に限定されないが、アミンなどの塩基性残基の無機または有機酸との塩;カルボン酸などの酸性残基とのアルカリまたは有機塩等を包含する。本発明の医薬的に許容される塩は、例えば非毒性の無機または有機酸より形成される親化合物の非毒性の塩を包含する。本発明の医薬的に許容される塩は、通常の化学的方法により、塩基性または酸性の部分を含有する親化合物より合成され得る。一般に、かかる塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基を、化学量論量の適切な塩基または酸と、水中または有機溶媒中で、あるいはその両方の混合液中で反応させることで製造され得る;
一般に、エーテル、酢酸エチル、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールまたはブタノール)またはアセトニトリル(MeCN)のような非水性媒体が好ましい。適切な塩の一覧が、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th Ed., (Mack Publishing Company, Easton, 1985)、p.1418、Bergeら、J. Pharm. Sci., 1977, 66(1), 1-19およびStahlら、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties, Selection, and Use(Wiley, 2002)にて見られる。いくつかの実施態様において、本明細書に記載の化合物はN-オキシド形態を包含する。
本発明の化合物は、例えば、本発明の化合物の酸付加塩および塩基付加塩などの医薬的に許容される塩の形態にて存在してもよい。本明細書にて使用される「医薬的に許容される塩」なる語は、本発明の化合物において存在してもよい酸性または塩基性基の塩を包含する。
本発明の化合物はまた、かかる化合物のN-オキシドおよび/またはその互変異性体を含むものとする。
適切な酸付加塩は非毒性の塩を形成する酸より形成される。例として、アセテート、アジペート、アスパルテート、ベンゾエート、ベシレート、ビカルボネート/カルボネート、ビサルフェート/サルフェート、ボレート、カンシレート、シトレート、シクラメート、エジシレート、エシレート、ホルメート、フマレート、グルセプテート、グルコネート、グルクロネート、ヘキサフルオロホスフェート、ヒベンゼート、ヒドロクロリド/クロリド、ヒドロブロミド/ブロミド、ヒドロヨーダイド/ヨーダイド、イセチオネート、ラクテート、マレート、マレエート、マロネート、メシレート、メチルサルフェート、ナフチレート(naphthylate)、2-ナプシレート、ニコチネート、ニトレート、オロテート、オキサレート、パルミテート、パモエート、ホスフェート/水素ホスフェート/ジ水素ホスフェート、ピログルタメート、サッカレート、ステアレート、スクシネート、タンネート、タートレート、トシレート、トリフルオロアセテートおよびキシナホエートの塩が挙げられる。
適切な塩基付加塩は非毒性の塩を形成する塩基より形成される。例として、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオラミン、グリシン、リジン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミンおよび亜鉛の塩が挙げられる。
酸および塩基のヘミ塩、例えば、ヘミ硫酸塩およびヘミカルシウム塩を形成することもできる。
適切な塩を検討するには、Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties, Selection, and Use, StahlおよびWermuth(Wiley-VCH, 2002)を参照のこと。
本明細書にて使用される「式I」および「式Iまたはその医薬的に許容される塩」なる語は、その水和物、溶媒和物、異性体、結晶および非結晶形態、同形体、多形体、代謝産物、およびプロドラッグを含め、式Iの化合物のあらゆる形態を包含するように定義される。
本発明はまた、本発明の化合物のプロドラッグに関する。体内に投与または体外に適用された場合に、それ自体が薬理活性をほとんどまたは全く有しない、このような本発明の化合物の特定の誘導体は、例えば、加水分解による切断によって所望の活性を有する本発明の化合物に変換され得る。かかる誘導体は「プロドラッグ」と称される。プロドラッグの使用に関するさらなる情報は、Pro-drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14, ACS Symposium Series(T. HiguchiおよびW. Stella)およびBioreversible Carriers in Drug Design, Pergamon Press, 1987(E. B. Roche編、American Pharmaceutical Association)において見ることができる。
本発明に係るプロドラッグは、例えば、本発明の化合物にて存在する適切な官能基を、例えば、Design of Prodrugs by H. Bundgaard(Elsevier, 1985)にて記載されるように当業者に「プロ部分」として知られる特定の部分と置き換えることにより生成され得る。
本発明に係るいくつかのプロドラッグの例は、限定されないが:
(i)本発明の化合物が、適切には代謝的に不安定な基(エステル、カルバメート等)に官能基付与される、カルボン酸官能基を含有する場合;
(ii)本発明の化合物が、適切には代謝的に不安定な基(エーテル、エステル、カルバメート、アセタール、ケタール等)に官能基付与される、アルコール官能基を含有する場合;および
(iii)本発明の化合物が、適切には代謝的に不安定な基、例えば、加水分解可能な基(アミド、カルバメート、尿素、ホスホネート、スルホネート等)に官能基付与される、第1または第2アミノ官能基、またはアミドを含有する場合
を包含する。
上記した例に従った置換基のさらなる例および他のプロドラッグの型の例が、上記した参考文献にて見ることができる。
その上、本発明の特定の化合物は、それ自体が本発明の他の化合物のプロドラッグとして作用し得る。
本発明の化合物の代謝産物、すなわち、薬物を投与してからインビボにて形成される化合物も発明の範囲内に含まれる。
以下、本発明の化合物に対する言及はすべて、その塩、溶媒和物、多成分複合体および液体結晶に対する言及、ならびにその溶媒和物、多成分複合体および液体結晶の塩に対する言及を包含する。
本発明の化合物は、上記されるような、そのすべての多形体および晶相を含む、発明の化合物、下記されるような、そのプロドラッグおよび異性体(光学異性体、幾何異性体および互変異性体を含む)、ならびに同位体で標識された本発明の化合物を包含する。
合成
本発明の化合物は、その塩を含め、既知の有機合成技法を用いて製造することができ、下記のスキームにある合成経路などの多数のいずれか可能な合成経路に従って合成され得る。
本発明の化合物を製造するための反応は、有機合成の分野における当業者によって容易に選択され得る適切な溶媒中で実施され得る。適切な溶媒は、反応を実施する温度で、例えば溶媒が凍結する温度から溶媒が沸騰する温度までの範囲にある温度で、出発材料(反応体)、中間体または生成物と、実質的に反応しないものとすることができる。所定の反応は1の溶媒中または1種よりも多くの溶媒の混合液中で実施され得る。個々の反応工程に応じて、当業者であれば個々の反応工程についての適切な溶媒を選択することができる。
本発明の化合物の製造は種々の化学基の保護および脱保護を含み得る。保護および脱保護の必要性、および適切な保護基の選択は当業者であれば容易に決定しうる。保護基の化学的特性は、例えば、Kocienski、Protecting Groups(Thieme, 2007);Robertson、Protecting Group Chemistry(Oxford University Press, 2000);Smithら、March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions, Mechanisms, and Structure, 6th Ed.(Wiley, 2007);Peturssionら、「Protecting Groups in Carbohydrate Chemistry」 J. Chem. Educ., 1997, 74(11), 1297;およびWutsら、Protective Groups in Organic Synthesis, 4th Ed.(Wiley, 2006)において記載される。
反応は当該分野において既知のいずれか適切な方法に従ってモニターされ得る。例えば、生成物の形成は、核磁気共鳴分光法(例えば、Hまたは13C)、赤外線分光法、分光測光法(例えば、UV-可視分光法)、質量分光法などの分光学的手段により、あるいは高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)または薄層クロマトグラフィー(TLC)などのクロマトグラフィー方法によりモニターされ得る。
以下のスキームは、本発明の化合物の製造と関連付けられる一般的ガイダンスを提供する。当業者はスキームに示される製造が、本発明の種々の化合物を製造するために有機化学の一般的知識を用いて修飾または最適化され得ることを理解するであろう。
式A1の化合物は、例えば、スキーム1に示される方法に従って、製造され得る。
スキーム1
クロリドS-3は、スズキ(Suzuki)(例えば、Xphos Pd G2などのパラダサイクル触媒前駆体の存在下)またはスティル(Stille)(例えば、(PPhPdClなどのパラジウム触媒およびトリエチルアミンなどの塩基の存在下)などのクロスカップリングを用いて式S-1およびS-2の化合物より製造され得る。次に化合物S-3を塩基(例えば、炭酸セシウム)の存在下でアミン S-4とカップリングさせ、オクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール S-5を得ることができる。
加えて、本明細書に記載の化合物は、以下の反応スキームと、それに続く解説に従って製造され得る。特記されない限り、上記した式の可変基は、反応スキームと、それに続く解説にて上記されるとおりである。一般に、本発明の化合物は、化学の分野において既知の方法と同様の方法を含む方法によって、特に本明細書に含まれる記載を考慮して、製造されてもよい。本発明の化合物を製造するための特定の方法は本発明のさらなる特徴として提供され、次の反応スキームで説明される。他の方法が実験セクションにて記載される。
最初に注意すべきこととして、本発明の化合物を製造するにおいて、本明細書に記載の化合物を製造するのに有用な製造方法のいくつかは、リモート官能基(例えば、先駆体にある第1アミン、第2アミン、カルボキシル)の保護を必要とする可能性のあることに留意する。かかる保護の必要性は、リモート官能基の特性および製造方法の条件に応じて変化するであろう。かかる製造のための要件は当業者により容易に決定され得る。かかる保護/脱保護の使用もまた、当該技術の範囲内にある。保護基の一般的記載およびその使用については、T.W. Greene、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley & Sons, New York,. 1991を参照のこと。
例えば、特定の化合物は、保護されないままであったならば分子の別の部位で反応に干渉を及ぼすかもしれない第1アミンまたはカルボン酸を含有する。従って、かかる官能基は、その後の工程で除去され得る適切な保護基で保護されてもよい。アミンおよびカルボン酸を保護するのに適切な保護基は、記載の反応条件下で、一般に、化学的に反応性でなく、化合物にある他の官能基を化学的に改変することなく、典型的には取り除くことのできる、ペプチド合成にて一般的に使用されるそれらの保護基(アミンでは、N-t-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、および9-フルオレニルメチレンオキシカルボニル、およびカルボン酸では、低級アルキルまたはベンジルエステルなど)を包含する。
スキーム2
スキーム3
スキーム4
スキーム2に関して、ボレートとハロ-ピラジンとの間のカップリングは、RとYおよびYの範囲を網羅する、包括的なものであると解される。同様に、XおよびZは、RおよびRの範囲に及ぶものとする。
スキーム3および4は、一般的に、当業者に周知の方法により、最終の生成物に変換され得るA-F中間体の製造を記載する。
キラル中心を有する本発明の化合物は、ラセミ体、エナンチオマー、またはジアステレオマーなどの立体異性体として存在し得る。個々のエナンチオマーを製造/単離するための慣用的技法として、適切な光学的に純粋な先駆体からキラル合成する方法、あるいは、例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いてラセミ体を分割する方法が挙げられる。あるいはまた、ラセミ体(またはラセミ先駆体)を、適切な光学的に活性な化合物、例えば、アルコールと、または該化合物が酸性もしくは塩基性部分を含有する場合には、酒石酸または1-フェニルエチルアミンなどの酸または塩基と反応させてもよい。得られたジアステレオマー混合物が、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶により分離されてもよく、該ジアステレオマーの一方または両方が当業者に周知な手段により対応する純粋なエナンチオマーに変換されてもよい。キラル化合物(およびそのキラル先駆体)は、クロマトグラフィー、典型的にはHPLCを用い、非対称樹脂上で、炭化水素(典型的には、0~50%(典型的には2%~20%)のイソプロパノール、および0~5%のアルキルアミン(典型的には0.1%ジエチルアミン)を含有する、ヘプタンまたはヘキサン)からなる移動相を用いてエナンチオマーに富む形態にて得ることができる。溶出液を濃縮して濃縮混合物を得る。立体異性体のコングロマリットは当業者に公知の慣用的技法により分離されてもよい。例えば、E.L. Eliel、「有機化合物の立体化学(Stereochemistry of Organic Compounds)」(Wiley, New York, 1994)(その開示を出典明示により本明細書の一部とする)を参照のこと。
本発明の化合物がアルケニルまたはアルケニレン基を含有する場合、シス/トランス(またはZ/E)の幾何異性体が可能である。シス/トランス異性体は、当該分野における当業者に周知の慣用的技法、例えば、クロマトグラフィーおよび分別結晶により分離され得る。本発明の塩は当該分野における当業者に公知の方法に従って製造され得る。
本来は塩基性である本発明の化合物は、種々の無機および有機酸と、多種多様な塩を形成する能力を有する。かかる塩は動物に投与するのに医薬的に許容されなければならないが、実際には、本発明の化合物を反応混合物より医薬的に許容されない塩としてまず単離し、次にアルカリ性試薬で処理することにより後者を単に変換して遊離塩基の化合物に戻し、その後で後者の遊離塩基を医薬的に許容される酸付加塩に変換することが望ましいことも多い。本発明の塩基化合物の酸付加塩は、塩基化合物を、水性溶剤、あるいはメタノールまたはエタノールなどの適切な有機溶媒中にて実質的に当量の選択された無機または有機酸で処理することにより製造され得る。溶媒を蒸発させると、所望の固体の塩が得られる。所望の酸塩は、適切な無機または有機酸を遊離塩基の有機溶媒中溶液に添加することにより該溶液より沈殿させることができる。
本来は酸性である化合物は、種々の医薬的に許容されるカチオンとの塩基塩の形成能を有する。かかる塩基の例として、アルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、特にナトリウムおよびカリウム塩が挙げられる。これらの塩はすべて慣用的技法により製造される。本発明の医薬的に許容される塩基塩を製造するのに試薬として使用される化学的塩基は、本発明の酸性化合物との非毒性の塩基塩を形成する塩基である。これらの塩は、いずれか適切な方法、例えば、遊離酸を、アミン(第1、第2または第3アミン)、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等などの無機または有機塩基で処理することにより製造され得る。これらの塩はまた、対応する酸性化合物を所望の薬理学的に許容されるカチオンを含有する水溶液で処理し、ついで得られた溶液を、好ましくは減圧下で蒸発乾固させることにより製造することができる。別法として、それらはまた、酸性化合物の低級アルカノール性溶液を所望のアルカリ金属アルカノイドと一緒に混合し、ついでその得られた溶液を上記と同様の方法にて蒸発乾固させることにより製造されてもよい。いずれにしても、反応の完全性、および所望する最終生成物の最大収率を確保するために、化学量論的な量の試薬が利用されるのが好ましい。
本発明の化合物が塩基であるならば、所望の医薬的に許容される塩は当該分野において利用可能ないずれか適切な方法、例えば、遊離塩基を、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等などの無機酸で、あるいは酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、グルクロン酸またはガラクツロン酸などのピラノシジル酸(pyranosidyl acid)、クエン酸または酒石酸などのアルファ-ヒドロキシ酸、アスパラギン酸またはグルタミン酸などのアミノ酸、安息香酸またはケイ皮酸などの芳香族酸、p-トルエンスルホン酸またはエタンスルホン酸などのスルホン酸等などの有機酸で処理することにより製造されてもよい。
いくつかの実施態様において、医薬的に許容される塩は、例えば、ヘミ塩酸塩、モノ塩酸塩、ジ塩酸塩を含む、塩酸塩である。
本発明の化合物の医薬的に許容される塩は、3種の方法のうち1または複数の方法:
(i)本発明の化合物を所望の酸または塩基と反応させる工程を含む、方法;
(ii)所望の酸または塩基を用いて、酸または塩基に不安定な保護基を本発明の化合物の適切な先駆体から取り外すか、または適切な環状先駆体、例えば、ラクトンまたはラクタムを開環する工程を含む、方法;あるいは
(iii)本発明の化合物のある塩を、適切な酸または塩基と反応させる工程、または適切なイオン交換カラムでもう一つ別の塩に変換する工程を含む、方法;
を利用して製造されてもよい。
3種の方法はすべて典型的には溶液中で実施される。得られた塩を沈殿させ、濾過により集めてもよく、または溶媒を蒸発させることにより回収してもよい。得られた塩のイオン化度は、完全にイオン化した状態からほとんどイオン化していない状態に変化してもよい。
多形体は当該分野における当業者に周知の技法に従って製造され得る。
シス/トランス異性体は当該分野における当業者に周知の慣用的技法、例えば、クロマトグラフィーおよび分別結晶により分離されてもよい。
個々のエナンチオマーを製造/単離するための慣用的技法として、適切な光学的に純粋な先駆体からのキラル合成、あるいは例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いるラセミ体(または塩または誘導体のラセミ体)の分割が挙げられる。
あるいはまた、ラセミ体(またはラセミ先駆体)を、適切な光学的に活性な化合物、例えば、アルコールと、または該化合物が酸性もしくは塩基性部分を含有する場合には、1-フェニルエチルアミンまたは酒石酸などの塩基または酸と反応させてもよい。得られたジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶により分離されてもよく、該ジアステレオマーの一方または両方が当業者に周知な手段により対応する純粋なエナンチオマーに変換されてもよい。
本発明のキラル化合物(およびそのキラル先駆体)は、クロマトグラフィー、典型的にはHPLCを用い、非対称樹脂上で、炭化水素(典型的には、0~50容量%(典型的には2%~20容量%)のイソプロパノール、および0~5容量%のアルキルアミン(典型的には0.1%ジエチルアミン)を含有する、ヘプタンまたはヘキサン)からなる移動相を用いてエナンチオマーに富む形態にて得られてもよい。溶出液を濃縮して、濃縮混合物を得る。
いずれかのラセミ体が結晶化する場合、結晶において異なる2つの型が可能である。第1の型は、両方のエナンチオマーを等モル量で含有する1の均質な形態の結晶を生成する、上記されるラセミ化合物(真ラセミ体)である。第2の型は、2つの形態の結晶を等モル量で生成し、各々が単一のエナンチオマーを含む、ラセミ混合物または集合体である。
ラセミ混合物中に存在する両方の結晶形態は同一の物理特性を有するが、それらは真ラセミ体と比べて異なる物理特性を有してもよい。ラセミ混合物は当該分野における当業者に公知の慣用的技法により分けることができる-例えば、Stereochemistry of Organic Compounds, E.L. ElielおよびS. H. Wilen(Wiley, 1994)を参照のこと。
本発明はまた、1または複数の原子が、原子番号は同じであるが、自然界で一般的に見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する、同位体標識された本発明の化合物を包含する。本発明の同位体標識された化合物は、一般に、当業者に公知の慣用的技法により、あるいは本明細書に記載の方法と同様の方法により、そうでなければ利用される非標識の試薬の代わりに適切に同位体標識された試薬を用いて製造され得る。
本発明に係るプロドラッグは、例えば、本発明の化合物にて存在する適切な官能基を、例えば、Design of Prodrugs, H. Bundgaard(Elsevier、1985)において記載されるように「プロ部分」として当業者に公知の特定の部分と置き換えることにより生成され得る。
SHP2
本開示は、SHP2を本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩と接触させることにより、SHP2活性を調節(例えば、阻害)する方法を提供する。いくつかの実施態様において、接触させることは、患者に本明細書にて提供される化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することであり得る。
もう一つ別の態様において、本発明は、動物にて、好ましくはヒトにて、SHP2活性の調節が、疾患の病状および/または症候を防止、阻害または改善することができる、その疾患の治療方法であって、該動物、好ましくはヒトに、治療的に効果的な量の本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩を投与することを含む、方法を提供する。本開示の化合物は、単独で、他の薬剤または治療薬と組み合わせて、あるいは疾患を治療するためのアジュバントまたはネオアジュバントとして使用され得る。本明細書において記載される使用のために、本開示のいずれかの実施態様を含め、そのいずれの化合物が使用されてもよい。
もう一つ別の態様において、本発明は、SHP2活性が疾患の病状および/または症候に関与するところの、動物での疾患を治療するための医薬の製造における本発明の化合物の使用を提供する。
本明細書にて使用される「SHP2」は、「Srcホモロジー-2ホスファターゼ」を意味し、SH-PTP2、SH-PTP3、Syp、PTP1D、PTP2C、SAP-2またはPTPN11としても知られる。
がんを誘発する「PTPN11変異」として、以下に限定されないが、N58Y;D61Y、V;E69K;A72V、T、D;E76G、Q、K(ALL);G60A;D61Y;E69V;F71K;A72V;T73I;E76G、K;R289G;G503V(AML);G60R、D61Y、V、N;Y62D;E69K;A72T、V;T73I;E76K、V、G、A、Q;E139D;G503A、R;Q506P(JMML);G60V;D61V;E69K;F71L;A72V;E76A(MDS);Y63C(CMML);Y62C;E69K;T507K(神経芽細胞腫);V46L;N58S;E76V(肺がん);R138Q(黒色腫);E76G(結腸がん)が挙げられる。
もう一つ別の態様において、本発明は、疾患の治療方法であり、動物、好ましくはヒトにて、SHP2活性の調節が、その疾患の病状および/または症候を防止、阻害または改善することができる方法であって、動物、好ましくはヒトに、治療的に効果的な量の本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩を、抗がん治療薬と同時にまたは連続して組み合わせて投与することを含む、方法を提供する。
Srcホモロジー-2ホスファターゼ(SHP2)は、増殖、分化、細胞周期維持および移動を含む多数の細胞機能に寄与する、PTPN11遺伝子によってコードされるタンパク質チロシンホスファターゼである。SHP2はRas-マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ、JAK-STATまたはホスホイノシトール3-キナーゼ-AKT経路を介するシグナル伝達と関連付けられる。SHP2は、ErbB1、ErbB2およびc-Metなどの受容体チロシンキナーゼによる、Erk1およびErk2(Erk1/2、Erk)MAPキナーゼの活性化を媒介する。
SHP2は2つのN-末端Srcホモロジー2ドメイン(N--SH2およびC--SH2)、触媒ドメイン(PTP)、およびC-末端テイルを有する。2つのSH2ドメインはSHP2の細胞内局在性および機能的調節を制御する。該分子は、それ自体の活性をN--SH2およびPTPの両方のドメインからの残りが関与する結合ネットワークを介して阻害する、不活性な構造にて存在する。成長因子の刺激に応じて、SHP2は、そのSH2ドメインを介して、Gab1およびGab2などのドッキングタンパク質上にあるチロシン-リン酸化された特異的部位に結合する。この結合はSHP2の活性化をもたらす構造的変化を誘発する。
PTPN11の変異は、ヌーナン症候群、レパード症候群、クルゾン症候群、若年性骨髄単球性白血病、神経芽細胞腫、黒色腫、急性骨髄性白血病、ならびに乳房、肺および結腸のがんなどの数種のヒト疾患にて同定されている。SHP2は、血小板由来成長因子受容体(PDGF-R)、線維芽細胞成長因子受容体(FGF-R)および上皮細胞成長因子受容体(EGF-R)を含む、種々の受容体チロシンキナーゼのための重要な下流シグナル伝達分子である。SHP2は、がんを発症するための必須条件である細胞形質転換に至り得る、マイトジョン活性化タンパク質(MAP)キナーゼ経路を活性化するための重要な下流シグナル伝達分子でもある。SHP2のノックダウンは、SHP2変異またはEML4/ALK転座のある肺がん細胞系の細胞増殖を、ならびにEGFR増幅の肺がんおよび食道がんの細胞増殖を有意に阻害した。SHP2は、胃がん、未分化大細胞リンパ腫およびグリア芽腫でのがん遺伝子の下流でも活性化される。
本発明の化合物をそれを必要とする患者に投与することによって治療または予防が可能な疾患および障害として、例えば、ヌーナン症候群、レパード症候群、クルゾン症候群、ジャクソン-ワイス症候群、ビーア-スティーブンソン・カーティス・ギラタ(Beare-Stevenson cutis gyrate)、アペール症候群、パイフェル症候群、ムエンク症候群(Muenke syndrome)、ゼーツレ-コッツェン様症候群、軟骨形成不全、SADDAN(発育遅延および黒色表皮症を伴う重度軟骨形成不全)、I型致死性形成異常、II型致死性形成異常、軟骨低形成症、カルマン症候群、骨髄増殖性症候群、若年性骨髄単球性白血病、多発性骨髄腫、8P11骨髄増殖性症候群(EMS)、膵臓腺がん、前立腺がん、星状細胞腫、膀胱移行上皮がん、甲状腺がん、子宮頸がん、大腸がん、末梢T細胞リンパ腫、精上皮腫、神経芽細胞腫、黒色腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、乳がん、食道がん、肺がん、結腸がん、頭部がん、頭頚部扁平上皮がん、胃がん、未分化大細胞リンパ腫およびグリア芽腫が挙げられる。
ヌーナン症候群(NS)およびレパード症候群(LS)--PTPN11変異は、LS(多発性黒子(multiple lentigenes)、心電図伝導異常、両眼隔離症、肺動脈弁狭窄、性器異常、発育遅延、感音難聴)およびNS(心臓欠陥、頭蓋顔面異常および小人症を含む先天性異常)を惹起する。該障害は、共に、正常な細胞増殖および分化に必要とされる、RAS/RAF/MEK/ERKマイトジェン活性化タンパク質キナーゼ経路のコンポーネントでの生殖細胞変異により惹起される一連の常染色体優性遺伝子症候群の一部である。この経路の調節の異常は、弁中隔欠損(valvuloseptal defect)および/または肥大性心筋症(HCM)を含め、種々の異常をもたらす、特に心臓の発達に対して大きな作用がある。MAPKシグナル伝達経路をかく乱することが、これらの疾患の中枢をなすものとして確立されており、この経路に沿った数種の候補遺伝子が、KRAS、NRAS、SOS1、RAF1、BRAF、MEK1、MEK2、SHOC2、およびCBLにおける変異を含め、ヒトで同定された。NSおよびLSにおいて最も一般的に変異した遺伝子がPTPN11である。PTPN11(SHP2)にて生殖細胞系列変異が、NSの場合で約50%、そしてNSと特定の特徴を共有するLSのほとんど全ての患者で認められる。NSでは、タンパク質のY62DおよびY63C置換はほとんど変わらず、最も多く見られる変異の一つである。これらの変異は共に、ホスファターゼのそのリン酸化シグナル伝達パートナーへの結合をかく乱することなく、SHP2の触媒能のない構造に影響を及ぼす。
クルゾン症候群は鰓弓症候群として知られる常染色体優性遺伝子障害である。この症候群は、上顎および下顎の前身である、第一鰓(または咽頭)弓に影響を及ぼす。鰓弓は胎児が成長する際の重要な発育的特徴であるため、その発育における混乱は持続的かつ広範囲な影響をもたらす。
若年性骨髄単球性白血病(JMML)--PTPN11(SHP2)における体細胞変異が、JMML、小児骨髄増殖性障害(MPD)の患者の約35%で生じる。これらの機能獲得型変異は、典型的には、N--SH2ドメインにおける、またはホスファターゼドメインにおける、触媒ドメインとN--SH2ドメインとの間の自己阻害を防止し、SHP2活性をもたらす、点変異である。
急性骨髄性白血病--PTPN11変異が、骨髄異形成症候群(MDS)などの小児急性白血病の約10%;B細胞急性リンパ芽球性白血球(B-ALL)の約7%;および急性骨髄性白血病(AML)の約4%で同定された。
NSおよび白血病の変異は、自己阻害のSHP2構造におけるN--SH2とPTPドメインにより形成される境界に位置するアミノ酸にて変化を生じさせ、阻害性分子内相互作用を破壊し、触媒ドメインの超活性をもたらす。
SHP2は、受容体チロシンキナーゼ(RTK)のシグナル伝達における正の調節因子として作用する。RTKの変更(EGFRamp、Her2amp、FGFRamp、Metamp、転座/活性化RTK、すなわち、ALK、BCR/ABL)を含有するがんとして、食道がん、乳がん、肺がん、結腸がん、胃がん、神経膠腫、頭頚部がんが挙げられる。
食道がんは、食道の悪性腫瘍である。種々の亜型、主に扁平上皮細胞がん(<50%)および腺がんがある。食道がん、腺がんおよび扁平上皮細胞がんでは高速でのRTK発現がある。従って、本発明のSHP2阻害剤は革新的な治療戦略に利用され得る。
乳がんは、女性における主たる型のがんで、死亡原因の最たるものであり、患者は現在利用の薬物に対して耐性を発展させている。乳がんには、ルミナル(luminal)A、ルミナルB、Her2様、およびトリプルネガティブ/基底細胞様を含む、主に4種の亜型がある。トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、特異的標的療法を欠く、侵襲性の強い乳がんである。上皮細胞成長因子受容体I(EGFR)はTNBCの有望な標的として出現した。Her2ならびにEGFRのSHP2を介しての阻害は乳がんにおける有望な治療法である可能性がある。
肺がん--NSCLCは、現在、肺がん(主に腺がんおよび扁平上皮細胞がん)の約85%の割合を占めており、がん関連の死亡率の主たる原因である。細胞毒性化学療法は依然として治療の重要な役割を担っているが、EGFRおよびALKなどの、腫瘍での遺伝子変化に基づく標的療法は、標的療法の利益を受けやすいようである。
結腸がん--大腸腫瘍の約30%~50%が変異した(異常な)KRASを有することが分かっており、BRAF変異が大腸がんの10~15%にて生じている。大腸腫瘍がEGFRを過剰発現すると実証されている患者の小集団では、これらの患者は抗EGFR療法に対して好ましい臨床応答を示す。
胃がんは最も一般的な型のがんの一つである。胃がん細胞での異常なチロシンリン酸化によって反映されるような、チロシンキナーゼの異常発現が、当該分野において知られている。胃がんにおいては、3種の受容体-チロシンキナーゼ、すなわち、c-met(HGF受容体)、FGF受容体2、およびerbB2/neuが頻繁に増幅される。このように、異なるシグナル伝達経路の破壊が異なる型の胃がんの進行に寄与しているかもしれない。
神経芽細胞腫は、小児がんの約8%を占める、進行性交感神経系の小児腫瘍である。未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)遺伝子のゲノム改変が、神経芽細胞腫の発症に寄与すると仮定されている。
頭頚部扁平上皮細胞がん(SCCHN)--高レベルのEGFR発現が、種々のがん、主に頭頚部扁平上皮がん(SCCHN)において、予後不良および放射線療法に対する抵抗性と関連付けられる。EGFRシグナル伝達経路の遮断は、受容体の刺激、細胞増殖の阻害、ならびに侵襲性および転移の減少をもたらす。従って、EGFRは、SCCHNにおける新規な抗がん療法のための最も重要な標的である。
もう一つ別の態様において、本発明はSHP2の活性の阻害能を有する化合物に関する。
もう一つ別の態様において、本発明は、本発明の化合物を製造するための方法、およびかかる化合物を含む医薬組成物に関する。
本発明のもう一つ別の態様は、SHP2介在性障害を治療する方法であって、その必要とする患者に治療的に効果的な量の本発明の化合物を投与する工程を含む、方法に関する。
ある実施態様において、本発明は、上記した方法であって、ここでそのSHP2-介在性障害が、限定されないが、JMML;AML;MDS;B-ALL;神経芽細胞腫;食道がん;乳がん;肺がん;結腸がん;胃がん、頭頚部がんより選択される、がんである、方法に関する。
本発明の化合物はまた、SHP2の異常活性と関連付けられる他の疾患または症状の治療においても有用であり得る。このように、さらなる態様として、本発明は、NS;LS;JMML;AML;MDS;B-ALL;神経芽細胞腫;食道がん;乳がん;肺がん;結腸がん;胃がん;頭頚部がんより選択される、障害の治療方法に関する。
もう一つ別の態様において、本発明は、本発明の化合物(または本発明の化合物を含む医薬組成物)の、本明細書に記載の1または複数の疾患の治療における使用に関するものであり;ここで治療に対する応答は、例えば、疾患の1または複数の徴候を完全に治癒するかまたは緩和するに至るまで部分的にまたは完全に取り除くことによって説明されるように有益である。
本明細書にて使用される「接触する」なる語は、インビトロ系またはインビボ系において、示唆される部分が物理的に十分に近く、相互に作用するように、それらの部分を一つにすることをいう。
互換的に使用される「個体」または「患者」なる語は、哺乳動物、好ましくはマウス、ラット、他の齧歯動物、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、または霊長類、最もこのましくはヒトを含む、いずれの動物をもいう。
本明細書にて使用される「治療的に効果的な量」なる語は、治療すべき障害の1または複数の徴候をある程度まで緩和するであろう、投与される化合物の量をいう。がんなどのSHP2介在性疾患(SHP2 Mediated Disease)の治療に関して、治療的に効果的な量は、ホスファターゼを阻害するのに効果のある、量をいう。
本明細書にて使用される「治療する」なる語は、特記されない限り、かかる用語が適用される障害または症状、あるいはかかる障害または症状の1または複数の徴候を退行させるか、緩和するか、その進行を阻害するか、または防止することを意味する。本明細書にて使用される「治療」なる語は、特記されない限り、直前にて定義される「治療する」のような治療行為をいう。「治療する」なる語は、対象のアジュバントおよびネオアジュバント治療も包含する。「治療する」または「治療」なる語はまた、1または複数の(1)疾患を阻害すること;例えば、疾患、症状または障害の病変または症候を経験しているまたは示している個体において、該疾患、症状または障害を阻害すること(すなわち、病変および/または症候のさらなる進行を阻むこと);および(2)疾患を改善すること;例えば、疾患、症状または障害の病変または症候を経験しているまたは示している個体において、疾患の重篤度を軽減するなどの、該疾患、症状または障害を改善すること(すなわち、病変および/または症候を退行させること)をいうことができる。
いくつかの実施態様において、本発明の化合物は、本明細書にて言及されるいずれの疾患も防止、またはその進行の危険性を軽減させるのに、例えば、疾患の病変または症候を未だに経験または表示していないが、疾患、症状または障害に罹りやすい可能性のある、個体において疾患、症状または障害を防止するか、またはその進行の危険性を軽減させるのに有用である。
併用療法
もう一つ別の態様において、本発明は、もう一つ別の薬理学的に活性な化合物と、あるいは2またはそれ以上の薬理学的に活性な化合物と、特にがんの治療において有用なように併用される、本発明のSHP2阻害剤に関する。例えば、上記されるような本発明の化合物またはその医薬的に許容される塩は、化学療法剤、例えば、タキサン、ビンカ・アルカロイド、パクリタキセル、ドセタキセル、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビノレルビンまたはビンフルニンなどの有糸分裂阻害剤、および他の抗がん剤、例えばシスプラチン、5-フルオロウラシルまたは5-フルオロ-2-4(1H,3H)-ピリミジンジオン(5FU)、フルタミドまたはゲムシタビンより選択される1または複数の薬剤と組み合わせて、同時に、連続して、または別々に投与され得る。
かかる組み合わせは、療法において、相乗活性を含め、有意な利点を提供しうる。
もう一つ別の態様において、本発明は、SHP2介在性障害の治療方法であって、その必要とする患者に、治療的に効果的な量の化学療法剤を、治療的に効果的な量の本発明の化合物と組み合わせて投与する工程を含む、方法に関する。
もう一つ別の態様において、本発明は、以下の化合物:
CR-ABL阻害剤:イマチニブ(Gleevec(登録商標));塩酸イニロチニブ;ニロチニブ(Tasigna(登録商標));ダサチニブ(BMS-345825);ボスチニブ(SKI-606);ポナチニブ(AP24534);バフェチニブ(INNO406);ダヌセルチブ(PHA-739358)、AT9283(CAS 1133385-83-7);
サラカチニブ(AZD0530);およびN-[2-[(1S,4R)-6-[[4-(シクロブチルアミノ)-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリミジニル]アミノ]-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン-1,4-イミン-9-イル]-2-オキソエチル]-アセトアミド(PF-03814735、CAS 942487-16-3);およびLGX818
ALK阻害剤:PF-2341066(XALKORI(登録商標);クリゾチニブ);5-クロロ-N4-(2-(イソプロピルスルホニル)フェニル)-N2-(2-メトキシ-4-(4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル)フェニル)ピリミジン-2,4-ジアミン;GSK1838705A;およびCH5424802
BRAF阻害剤:ベムラファニブ(PLX4032);およびダブラフェニブ
FLT3阻害剤:リンゴ酸スニチニブ(PfizerからSutent(登録商標)の商品名で販売されている);およびPKC412(ミドスタウリン)
MEK阻害剤:トラメチニブ
血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体阻害剤:ベバシズマブ(Genentech/RocheからAvastin(登録商標)の商標名で販売されている)、アキシチニブ(N-メチル-2-[[3-[(E)-2-ピリジン-2-イルエテニル]-1H-インダゾール-6-イル]スルファニル]ベンズアミド、AG013736としても知られており、PCT公開番号WO 01/002369において記載されている)、ブリバニブ・アラニネート((S)-((R)-1-(4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イルオキシ)-5-メチルピロロ[2,1-f][1,2,4]トリアジン-6-イルオキシ)プロパン-2-イル)2-アミノプロパノエート、BMS-582664としても知られている)、モテサニブ(N-(2,3-ジヒドロ-3,3-ジメチル-1H-インドール-6-イル)-2-[(4-ピリジニルメチル)アミノ]-3-ピリジンカルボキシアミド、PCT公開番号WO 02/066470に記載されている)、パシレオチド(SOM230としても知られており、PCT公開番号WO 02/010192において記載されている)、ソラフェニブ(Nexavar(登録商標)の商品名で販売されている);
HER2受容体阻害剤:トラスツズマブ(Genentech/RocheからHerceptin(登録商標)の商標名で販売されている)、ネラチニブ(HKI-272としても知られており、(2E)-N-[4-[[3-クロロ-4-[(ピリジン-2-イル)メトキシ]フェニル]アミノ]-3-シアノ-7-エトキシキノリン-6-イル]-4-(ジメチルアミノ)ブタ-2-エナミド、PCT公開番号WO 05/028443に記載されている)、ラパチニブまたはラパチニブ・ジトシレート(GlaxoSmithKlineからTykerb(登録商標)の商標名で販売されている);
D20抗体:リツキシマブ(Genentech/RocheからRiuxan(登録商標)およびMabThera(登録商標)の商標名で販売されている)、トシツモマブ(GlaxoSmithKlineからBexxar(登録商標)の商標名で販売されている)、オファツムマブ(GlaxoSmithKlineからArzerra(登録商標)の商標名で販売されている);
チロシンキナーゼ阻害剤:エルロチニブ塩酸塩(Genentech/RocheからTarceva(登録商標)商標名で販売されている)、リニファニブ(N-[4-(3-アミノ-1H-インダゾール-4-イル)フェニル]-N’-(2-フルオロ-5-メチルフェニル)尿素、ABT869としても知られており、Genentechより入手可能である)、スニチニブ・マレート(PfizerからSutent(登録商標)の商品名で販売されている)、ボスチニブ(4-[(2,4-ジクロロ-5-メトキシフェニル)アミノ]-6-メトキシ-7-[3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロポキシ]キノリン-3-カルボニトリル、SKI-606としても知られており、米国特許第6,780,996号に記載されている)、ダサチニブ(Bristol-Myers SquibbからSprycel(登録商標)の商品名で販売されている)、アルマラ(パゾラニブとしても知られており、GlaxoSmithKlineからVotrient(登録商標)の商品名で販売されている)、イマチニブおよびイマチニブ・メシレート(Novartis よりGilvec(登録商標)およびGleevec(登録商標)の商品名で販売されている);
DNA合成阻害剤:カペシタビン(RocheからXeloda(登録商標)の商標名で販売されている)、ゲムシタビン・塩酸塩(Eli Lilly and CompanyよりGemzar(登録商標)の商標名で販売されている)、ネララビン((2R,3S,4R,5R)-2-(2-アミノ-6-メトキシ-プリン-9-イル)-5-(ヒドロキシメチル)オキソラン-3,4-ジオール、GlaxoSmithKlineから Arranon(登録商標)およびAtriance(登録商標)の商品名で販売されている);
抗腫瘍剤:オキサリプラチン(Sanofi-AventisよりEloxatin(登録商標)の商品名で販売され、米国特許第4,169,846号に記載されている);
上皮細胞成長因子受容体(EGFR)阻害剤:ゲフィトニブ(Iressa(登録商標)の商品名で販売されている)、N-[4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-7-[[(3’’S’’)-テトラヒドロ-3-フラニル]オキシ]-6-キナゾリニル]-4(ジメチルアミノ)-2-ブテナミド、Boehringer IngelheimからTovok(登録商標)の商品名で販売されている)、セツキシマブ(Bristol-Myers SquibbからErbitux(登録商標)の商品名で販売されている)、パニツムマブ(AmgenからVectibix(登録商標)の商品名で販売されている);
HER二量化阻害剤:ペルツズマブ(GenentechからOmnitarg(登録商標)の商標名で販売されている);
ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)調整剤:フィルグラスチム(AmgenからNeupogen(登録商標)の商品名で販売されている);
免疫調節剤:アフツズマブ(Rocheより入手可能)、ペグフィルグラスチム(AmgenからNeulasta(登録商標)の商品名で販売されている)、レナリドミド(CC-5013としても知られており、Revlimid(登録商標)の商品名で販売されている)、タリドミド(Thalomid(登録商標)の商品名で販売されている);
CD40阻害剤:ダセツズマブ(SGN-40またはhuS2C6としても知られており、Seattle Genetics, Incより入手可能である);
プロアポトーシス受容体アゴニスト(PARA):ヅラネルミン(Amgen/Genentechから入手可能なAMG-951としても知られている);
ヘッジホッグアンタゴニスト:2-クロロ-N-[4-クロロ-3-(2-ピリジニル)フェニル]-4-(メチルスルホニル)-ベンズアミド(GDC-0449としても知られており、PCT公開番号WO 06/028958に記載されている);
PI3K阻害剤:4-[2-(1H-インダゾール-4-イル)-6-[[4-(メチルスルホニル)ピペラジン-1-イル]メチル]チエノ-[3,2-d]ピリミジン-4-イル]モルホリン(GDC0941としても知られており、PCT公開番号WO 09/036082およびWO 09/055730に記載されている)、2-メチル-2-[4-[3-メチル-2-オキソ-8-(キノリン-3-イル)-2,3-ジヒドロイミダゾ[4,5-c]-キノリン-1-イル]フェニル]プロピオニトリル(BEZ235またはNVP-BEZ235としても知られており、PCT公開番号WO 06/122806に記載されている);
ホスホリパーゼA2阻害剤:アナグレリド(Agrylin(登録商標)の商品名で販売されている);
BCL-2阻害剤:4-[4-[[2-(4-クロロフェニル)-5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル]メチル]-1-ピペラジニル]-N-[[4-[[(1R)-3-(4-モルホリニル)-1-[(フェニルチオ)メチル]プロピル]アミノ]-3-[(トリフルオロメチル)スルホニル]フェニル]スルホニル]ベンズアミド(ABT-263としても知られており、PCT公開番号WO 09/155386に記載されている);
マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ(MEK)阻害剤:XL-518(Cas番号1029872-29-4、ACC Corp.より入手可能である);
アロマターゼ阻害剤:エキセメスタン(PfizerからAromasin(登録商標)の商標名で販売されている)、レトロゾール(NovartisからFemara(登録商標)の商品名で販売されている)、アナストロゾール(Arimidex(登録商標)の商品名で販売されている);
トポイソメラーゼI阻害剤:イリノテカン(PfizerからCamptosar(登録商標)の商標名で販売されている)、トポテカン・塩酸塩(GlaxoSmithKlineからHycamtin(登録商標)の商品名で販売されている);
トポイソメラーゼII阻害剤:エトポシド(VP-16およびエトポシド・リン酸塩としても知られており、Toposar(登録商標)、VePesid(登録商標)およびEtopophos(登録商標)の商品名で販売されている)、テニポシド(VM-26としても知られており、Vumon(登録商標)の商品名で販売されている);
mTOR阻害剤:テムシロリムス(PfizerからTorisel(登録商標)の商品名で販売されている)、リダフォロリムス(以前はデフェロリムスとして知られていた、(1R,2R,4S)-4-[(2R)-2[(1R,9S,12S,15R,16E,18R,19R,21R,23S,24E,26E,28Z,30S,32S,35R)-1,18-ジヒドロキシ-19,30-ジメトキシ-15,17,21,23,29,35-ヘキサメチル-2,3,10,14,20-ペンタオキソ-11,36-ジオキサ-4-アザトリシクロ[30.3.1.04,9]ヘキサトリアコンタ-16,24,26,28-テトラエン-12-イル]プロピル]-2-メトキシシクロヘキシル・ジメチルホスフィネート、AP23573およびMK8669としても知られており、PCT公開番号WO 03/064383に記載されている)、エベロリムス(NovartisからAfinitor(登録商標)の商品名で販売されている);
破骨細胞骨吸収阻害剤:1-ヒドロキシ-2-イミダゾール-1-イル-ホスホノエチル)・ホスホン酸・一水和物(NovartisからZometa(登録商標)の商品名で販売されている);
CD33抗体薬物コンジュゲート:ゲムツズマブ・オゾガミシン(Pfizer/WyethからMylotarg(登録商標)の商品名で販売されている);
CD22抗体薬物コンジュゲート:イノツズマブ・オゾガミシン(CMC-544およびWAY-207294としても知られており、Hangzhou Sage Chemical Co.,Ltd.から入手可能である);
CD20抗体薬物コンジュゲート:イブリツモマブ・チウキセタン(Zevalin(登録商標)の商品名で販売されている);
ソマトスタチンアナログ:オクトレオチド(酢酸オクトレオチドとしても知られており、Sandostatin(登録商標)およびSandostatinLAR(登録商標)の商品名で販売されている);
合成インターロイキン-11(IL-11):オプレルベキン(Pfizer/WyethからNeumega(登録商標)の商品名で販売されている);
合成エリスロポエチン:ダルベポエチンアルファ(AmgenからAranesp(登録商標)の商品名で販売されている);
核因子カッパB用受容体活性化剤(RANK)阻害剤:デノスマブ(AmgenからProlia(登録商標)の商品名で販売されている);
トロンボポエチン模倣物ぺプチボディ:ロミプロスチム(AmgenからNplate(登録商標)の商品名で販売されている);
細胞増殖刺激剤:パリフェルミン(AmgenからKepivance(登録商標)の商品名で販売されている);
抗-インスリン様増殖因子-1受容体(IGF-1R)抗体:フィギツムマブ(CP-751,871としても知られており、ACC Corpから入手可能である)、ロバツムマブ(CAS番号934235-44-6);
抗-CS1抗体:エロツズマブ(HuLuc63、CAS番号915296-00-3);
CD52抗体:アレムツズマブ(Campath(登録商標)の商品名で販売されている);
CTLA-4阻害剤:トレメリムマブ(以前はチシリムマブとしても知られているPfizer から入手可能なIgG2モノクローナル抗体、CP-675,206)、イピリムマブ(CTLA-4抗体、MDX-010としても知られており、CAS番号477202-00-9);
ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDI):ボリノスタット(MerckからZolinza(登録商標)の商品名で販売されている);
アルキル化剤:テモゾロミド(Schering-Plough/MerckからTemodar(登録商標)およびTemodal(登録商標)の商品名で販売されている)、ダクチノマイシン(アクチノマイシン-Dとしても知られており、Cosmegen(登録商標)の商品名で販売されている)、メルファラン(asL-PAM、L-サルコリジン、およびフェニルアラニンマスタードとしても知られており、Alkeran(登録商標)の商品名で販売されている)、アルトレタミン(ヘキサメチルメラアミン(HMM)としても知られており、Hexalen(登録商標)の商品名で販売されている)、カルムスチン(BiCNU(登録商標)の商品名で販売されている)、ベンダムスチン(Treanda(登録商標)の商品名で販売されている)、ブスルファン(Busulfex(登録商標)およびMyleran(登録商標)の商品名で販売されている)、カルボプラチン(Paraplatin(登録商標)の商品名で販売されている)、ロムスチン(CCNUとしても知られており、CeeNU(登録商標)の商品名で販売されている)、シスプラチン(CDDPとしても知られており、Platinol(登録商標)およびPlatinol(登録商標)-AQの商品名で販売されている)、クロラムブシル(Leukeran(登録商標)の商品名で販売されている)、シクロホスファミド(Cytoxan(登録商標)およびNeosar(登録商標)の商品名で販売されている)、ダカルバジン(DTIC、DICおよびイミダゾールカルボキシアミドとしても知られており、DTIC-Dome(登録商標)の商品名で販売されている)、アルトレタミン(Hexalen(登録商標)の商品名で販売される、ヘキサメチルメラミン(HMM)としても知られている)、イフォスファミド(Ifex(登録商標)の商品名で販売されている)、プロカルバジン(Matulane(登録商標)の商品名で販売されている)、メクロレタミン(窒素マスタード、ムスチン、およびメクロロエタミン・塩酸塩としても知られており、Mustargen(登録商標)の商品名で販売されている)、ストレプトゾシン(Zanosar(登録商標)の商品名で販売されている)、チオテパ(チオホスホアミド、TESPAおよびTSPAとしても知られており、Thioplex(登録商標)の商品名で販売されている;
生物学的応答修飾剤:バシラスカルメット-グエリン(theraCys(登録商標)およびTICE(登録商標)BCGの商品名で販売されている)、デニロイキン・ジフチロックス(Ontak(登録商標)の商品名で販売されている);
抗ガン抗生物質:ドキソルビシン(Adriamycin(登録商標)およびRubex(登録商標)の商品名で販売されている)、ブレオマイシン(Lenoxane(登録商標)の商品名で販売されている)、ダウノルビシン(ダウノルビシン塩酸塩、ダウノマイシン、およびルビドマイシン塩酸塩としても知られており、Cerubidine(登録商標)の商品名で販売されている)、ダウノルビシン・リポソーマル(ダウノルビシンクエン酸塩リポソーム、DaunoXome(登録商標)の商品名で販売されている)、ミトキサントロン(DHADとしても知られており、Novantrone(登録商標)の商品名で販売されている)、エピルビシン(Ellence(登録商標)の商品名で販売されている)、イダルビシン(Idamycin(登録商標)、Idamycin PFS(登録商標)の商品名で販売されている)、ミトマイシンC(Mutamycin(登録商標)の商品名で販売されている);
微小管阻害剤:エストラムスチン(Emcyl(登録商標)の商品名で販売されている);
カテプシンK阻害剤:オダノカチブ(MK-0822としても知られており、N-(1-シアノシクロプロピル)-4-フルオロ-N-{(1S)-2,2,2-トリフルオロ-1-[4’-(メチルスルホニル)ビフェニル-4-イル]エチル}-L-ロイシンアミド、Lanzhou Chon Chemicals、ACC Corp.およびChemieTekより入手可能であり、PCT公開番号WO 03/075836に記載されている);
エポチロンBアナログ:イキサベピロン(Bristol-Myers SquibbからLxempra(登録商標)の商品名で販売されている);
熱ショックタンパク質(HSP)阻害剤:タネスピマイシン(17-アリルアミノ-17-デメトキシゲルダナマイシン、KOS-953および17-AAGとしても知られており、SIGMAから入手可能であり、米国特許第4,261,989号に記載されている);
TpoRアゴニスト:エルトロンボパグ(GlaxoSmithKlineからPromacta(登録商標)およびRevolade(登録商標)の商品名で販売されている);
抗有糸分裂剤:ドセタキセル(Sanofi-AventisからTaxotere(登録商標)の商品名で販売されている);
副腎皮質ステロイド阻害剤:アミノグルテチミド(Cytadren(登録商標)の商品名で販売されている);
抗アンドロゲン剤:ニルタミド(Nilandron(登録商標)およびAnandron(登録商標)の商品名で販売されている)、ビカルタミド(Casodex(登録商標)の商品名で販売されている)、フルタミド(Fulexin(登録商標))の商品名で販売されている);
アンドロゲン類:フルオキシメステロン(Halotestin(登録商標)の商品名で販売されている);
プロテアソーム阻害剤:ボルテゾミブ(Velcade(登録商標)の商品名で販売されている);
CDK1阻害剤:アルボシジブ(フロボピルドールまたはHMR-1275としても知られており、2-(2-クロロフェニル)-5,7-ジヒドロキシ-8-[(3S,4R)-3-ヒドロキシ-1-メチル-4-ピペリジニル]-4-クロメノン、および米国特許第5,621,002号に記載されている);
ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)受容体アゴニスト:リュープロリドまたはリュープロリド酢酸塩(Bayer AGから入手可能なViadure(登録商標)、Sanofi-AventisからEligard(登録商標)およびAbbott LabからLupron(登録商標)の商品名で販売されている);
タキサン抗腫瘍剤:カバジタキセル(1-ヒドロキシ-7β,10β-ジメトキシ-9-オキソ-5β,20-エポキシタック-11-エン-2-α,4,13α-トリイル-4-アセテート-2-ベンゾエート-13-[(2R,3S)-3-{[(tert-ブトキシ-)カルボニル]アミノ}-2-ヒドロキシ-3-フェニルプロパノエート)、ラロタキセル((2α,3Xi,4α,5β,7α,10β,13α)-4,10-ビス(アセチルオキシ)-13-({(2R,3S)-3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2-ヒドロキシ-3-フェニルプロパノイル}オキシ)-1-ヒドロキシ-9-オキソ-5,20-エポキシ-7,19-シクロタック-11-エン-2-イルベンゾエート);
5HT1a受容体アゴニスト:キサリプロデン(SR57746、1-[2-(2-ナフチル)エチル]-4-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-1,2,3,6-テトラヒドロピリジンとしても知られており、米国特許第5,266,573号に記載されている);
HPCワクチン:GlaxoSmithKlineから販売されているCervarix(登録商標)、Merckより販売されているGardasil(登録商標);
鉄キレート剤:Novartisよりデフェラシノックス(Exjade(登録商標)の商品名で販売されている);
抗代謝産物:クラリビン(Leustatin(登録商標)の商品名で販売されている2-クロロデオキシアデノシン)、5-フルオロウラシル(Adrucil(登録商標)の商品名で販売されている)、6-チオグアニン(Purinethol(登録商標)の商品名で販売されている)、ペメトレックスド(Alimta(登録商標)の商品名で販売されている)、シタラビン(アラビノシルシトシン(Ara-C)としても知られており、Cytosar-U(登録商標)の商品名で販売されている)、サイタラビン・リポソーマル(リポソーマルAra-Cとしても知られており、DepoCyt(登録商標))の商品名で販売されている)、デシタビン(Dacogen(登録商標)の商品名で販売されている)、ヒドロキシウレア(Hydrea(登録商標)、Droxia(登録商標)およびMylocel(登録商標)の商品名で販売されている)、フルダラビン(Fludara(登録商標)の商品名で販売されている)、フロクスウリジン(FUDR(登録商標)の商品名で販売されている)、クラドリビン(Leustatin(登録商標)の商品名で販売されている2-クロロデオキシアデノシン(2-CdA)としても知られている)、メトトレキサート(アメトプテリン、メトトレキサートナトリウム(MTX)としても知られており、Rheumatrex(登録商標)およびTrexall(登録商標)の商品名で販売されている)、ペントスタチン(Nipent(登録商標)の商品名で販売されている);
ビスホスホネート:パミドロナート(Aredia(登録商標)の商品名で販売されている)、ゾレドロン酸(Zometa(登録商標)の商品名で販売されている);
脱メチル化剤:5-アザシチジン(Vidaza(登録商標)の商品名で販売されている)、デシタビン(Dacogen(登録商標)の商品名で販売されている);
植物アルカロイド:プロテイン結合型パクリタキセル(Abraxane(登録商標)の商品名で販売されている)、ビンブラスチン(ビンブラスチン硫酸塩、ビンカロイコブラスチンおよびVLBとしても知られており、Alkaban-AQ(登録商標)およびVelban(登録商標)の商品名で販売されている)、ビンクリスチン(ビンクリスチン硫酸塩、LCR、およびVCRとしても知られており、Oncovin(登録商標)およびVincasarPfs(登録商標)の商品名で販売されている)、ビノレルビン(Navelbine(登録商標)の商品名で販売されている)、パクリタキセル(TaxolおよびOnxal(登録商標)の商品名で販売されている);
レチノイド:アリトレチノイン(Panretin(登録商標)の商品名で販売されている)、トレチノイン(すべてのレチノイン酸、ATRAとしても知られており、Vesanoid(登録商標)の商品名で販売されている)、イソトレチノイン(13-シス-レチノイン酸、Accutane(登録商標)、Amnesteem(登録商標)、Claravis(登録商標)、Clarus(登録商標)、Decutan(登録商標)、Isotane(登録商標)、Izotech(登録商標)、Oratane(登録商標)、Isotret(登録商標)、およびSotret(登録商標)の商品名で販売されている)、ベキサロテン(Targretin(登録商標)の商品名で販売されている);
グルココルチコステロイド:ヒドロコルチゾン(コルチゾン、ヒドロコルチゾンナトリウムスクシネート、ヒドロコルチゾンナトリウムホスフェート、ヒドロコルチゾンホスフェートとしても知られており、Ala-Cort(登録商標)、Solu-Cortef(登録商標)、Hydrocort Acetate(登録商標)およびLanacort(登録商標)の商品名で販売されている)、デキサメタゾン((8S,9R,10S,11S,13S,14S,16R,17R)-9-フルオロ-11,17-ジヒドロキシ-17-(2-ヒドロキシアセチル)-10,13,16-トリメチル-6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-ドデカヒドロ-3H-シクロペンタ[a]フェナントレン-3-オン)、プレドニゾロン(Delta-Cortel(登録商標)、Orapred(登録商標)、Pediapred(登録商標)およびPrelone(登録商標)の商品名で販売されている)、プレドニゾン(Deltasone(登録商標)、Liquid Red(登録商標)、Meticorten(登録商標)およびOrasone(登録商標)の商品名で販売されている)、メチルプレドニゾロン(6-メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセテート、メチルプレドニゾロンナトリウムスクシネート、Duralone(登録商標)、Medralone(登録商標)、Medrol(登録商標)、M-Prednisol(登録商標)およびSolu-Medrol(登録商標)の商品名で販売されている);
サイトカイン:インターロイキン-2(アルデスロイキンおよびIL-2としても知られており、Proleukin(登録商標)の商品名で販売されている)、インターロイキン-11(オプレベルキンとしても知られており、Neumega(登録商標)の商品名で販売されている)、アルファインターフェロンアルハ(IFN-アルファとしても知られており、Intron(登録商標)A、およびRoferon-A(登録商標)の商品名で販売されている);
エストロゲン受容体ダウンレギュレーター:フルベストラント(Faslodex(登録商標)の商品名で販売されている);
抗エストロゲン:タモキシフェン(Novaldex(登録商標)の商品名で販売されている);トレミフェン(商品名(Fareston)(登録商標)の下で販売されている);
選択的エストロゲン受容体調節剤(SERM):ラロキシフェン(Evista(登録商標)の商品名で販売されている);
黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)アゴニスト:ゴセレリン(Zoladex(登録商標)の商品名で販売されている);
プロゲステロン:メゲストロール(メガストロールアセテートとしても知られており、Megace(登録商標)の商品名で販売されている);
種々雑多な細胞毒性剤:アロセニックトリオキシド(Trisenox(登録商標)の商品名で販売されている)、アスパラギナーゼ(L-アスパラギナーゼ、エルビニアL-アスパラギナーゼとしても知られており、Elspar(登録商標)およびKidrolase(登録商標)の商品名で販売されている)
と組み合わせた、本発明の化合物に関する。
もう一つ別の態様において、本発明は、以下の補助療法:
制吐薬:NK-1受容体アンタゴニスト:カソピタント(GlaxoSmithKlineよりRezonic(登録商標)およびZunrisa(登録商標)の商品名で市販);および
細胞保護剤:アミフォスチン(Ethyol(登録商標)の商品名で市販)、ロイコボリン(カルシウム・ロイコボリン、シトロボラム因子およびフォリン酸としても公知)
と組み合わせた、本発明の化合物に関する。
複数の医薬品が患者に投与される場合、それらは、同時に、別々に、連続して、または組み合わせて(例えば、2つよりも多くの薬剤の場合に)投与され得る。
処方、剤形および投与
本開示の化合物は、医薬品として利用される場合、医薬組成物の形態にて投与され得る。このように、本開示は、式I、式A1、または本明細書に記載されるいずれかの式で示される化合物、特許請求の範囲のいずれかの請求項にて列挙され、本明細書に記載の化合物、またはそれらの医薬的に許容される塩、あるいはそれらのいずれかの実施態様と、少なくとも1つの医薬的に許容される担体または賦形剤とを含む、組成物を提供する。これらの組成物は、製薬の分野にて周知の方法にて製造することができ、局所または全身的治療が示唆されているかどうかに、治療されるべき領域に応じて種々の経路で投与され得る。
本発明の化合物をデリバリーするのに適する医薬組成物およびそれらの製造方法は当該分野の当業者にとって自明であろう。かかる組成物およびその製造方法は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、19th Edition(Mack Publishing Company, 1995)において見ることができる。
本発明の化合物の投与は、該化合物の作用部位へのデリバリーを可能とするいずれの方法でなされてもよい。これらの方法として、経口経路、十二指腸内経路、非経口注射(静脈内、皮下、筋肉内、または血管内注射あるいは点滴を含む)、局所、および経直腸投与が挙げられる。非経口投与は、単回ボーラス投与の形態とすることもできるし、例えば、持続的注入ポンプによるものであってもよい。局所投与用の医薬組成物および製剤は、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、ドロップ、坐剤、スプレー、液剤および散剤を包含しうる。慣用的な医薬担体、水性、粉末または油性基剤、増粘剤等は、必須であっても、任意であってもよい。
もう一つ別の態様において、本発明は、上記した方法であって、ここで該化合物が非経口的に投与される、方法に関する。
もう一つ別の態様において、本発明は、上記した方法であって、ここで該化合物が筋肉内に、静脈内に、皮下的に、経口的に、経肺的に、硬膜下に、局所的に、または鼻腔内に投与される、方法に関する。
もう一つ別の態様において、本発明は、上記した方法であって、ここで該化合物が全身的に投与される、方法に関する。
もう一つ別の態様において、初回投与は、子宮内で(直接か、または母体に投与するかのいずれかで)なされる。特定の態様において、初回投与は、血液-脳-関門が完全に形成される前になされる。他の態様において、初回投与は対象の誕生から1週間以内に投与される。他の態様において、初回投与は対象の誕生から1か月以内に投与される。他の態様において、初回投与は対象の誕生から3か月以内に投与される。他の態様において、初回投与は対象の誕生から6か月以内に投与される。
特定の実施態様において、本発明は、上記した方法であって、ここで該患者が哺乳動物である、方法に関する。
特定の実施態様において、本発明は、上記した方法であって、ここで該患者が霊長類である、方法に関する。
特定の実施態様において、本発明は、上記した方法であって、ここで該患者がヒトである、方法に関する。
本発明の化合物は、提案される指示の治療のために最も適する剤形および投与経路を選択するために、溶解性および溶液安定性(各pHにおける特性)、浸透性等などのその生物薬剤学的特性について評価されなければならない。
医薬としての使用を意図とする本発明の化合物は、結晶または非晶質の生成物として投与されてもよい。それらは、例えば、沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥または蒸発乾燥などの方法により、固形プラグ、散剤またはフィルムとして得ることができる。この目的のためにマイクロ波または無線周波数を用いて乾燥させてもよい。
それらは、単独で、または1もしくは複数の本発明の他の化合物と組み合わせて、あるいは1もしくは複数の他の薬剤と組み合わせて(あるいはそれらのいずれかの組み合わせとして)投与されてもよい。一般に、それらは1または複数の医薬的に許容される賦形剤と連携して製剤として投与されるであろう。「賦形剤」なる語は、本明細書において、本発明の化合物以外のいずれかの成分を記載するのに使用される。賦形剤の選択は、個々の投与方法、賦形剤の溶解性および安定性に対する効果、および剤形の特質などの因子に大きく依存するであろう。
本発明の組成物の製造において、典型的には活性成分を賦形剤と混合し、賦形剤で希釈するか、またはそのような担体の中に、例えば、カプセル、サッシェ、紙または他の容器の形態にて包み込む。賦形剤を希釈剤として供する場合、それは活性成分のためのビヒクル、担体または媒体として作用する、固体、半固体、または液体材料とすることができる。かくして、組成物は、錠剤、ピル、散剤、ロゼンジ、サッシェ、カシェー、エリキシル、懸濁液、エマルジョン、液剤、シロップ、エアロゾル(固体または液体の媒体中のエアロゾルとして)、活性化合物を、例えば10重量%まで含有する軟膏、ソフトおよびハードゼラチンカプセル、坐剤、滅菌注射液、および滅菌パッケージ化粉末の形態とすることができる。
製剤を製造するにおいて、活性化合物を粉砕し、他の成分と組み合わせる前に、適切な粒度を供給することができる。活性化合物が実質的に不溶性であるならば、粉砕して粒度を200メッシュよりも小さくすることができる。活性化合物が実質的に水溶性であるならば、粉砕して粒度を調整し、製剤中に実質的に均一な分布、例えば、約40メッシュを供給することができる。
本発明の化合物は、湿式粉砕などの既知の粉砕操作を用いて粉砕され、錠剤形態に、および他の製剤形態に適する粒度を得てもよい。本発明の細分割された(ナノ粒子の)調製物は、当該分野にて既知の方法により製造され得る;例えば、WO 2002/000196を参照のこと。
適切な賦形剤のいくつかの例として、ラクトース、ブドウ糖、シュークロース、ソルビトール、マンニトール、澱粉、アカシアガム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップおよびメチルセルロースが挙げられる。製剤は、付加的に、タルク、ステアリン酸マグネシウムおよび鉱油などの滑沢剤;湿潤剤;乳化および懸濁化剤;メチル-およびプロピルヒドロキシ-ベンゾエートなどの保存剤;甘味剤;および矯味矯臭剤を包含し得る。本発明の組成物は、患者に投与された後に、当該分野にて既知の操作を利用することにより活性成分の迅速な、持続された、または遅延した放出を提供するように処方され得る。
いくつかの実施態様において、医薬組成物は、ケイ化微結晶セルロース(SMCC)と、少なくとも1つの本明細書に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を含む。いくつかの実施態様において、ケイ化微結晶セルロースは、約98w/w%の微結晶セルロースおよび約2w/w%の二酸化ケイ素を含む。
本発明の化合物はまた、LiangおよびChen(2001)により、Expert Opinion in Therapeutic Patents, 11(6), 981-986において記載される剤形のように、速溶性、速崩壊性剤形にて使用されてもよい。
いくつかの実施態様において、該組成物は、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬的に許容される塩と、少なくとも1つの医薬的に許容される担体または賦形剤とを含む、徐放性組成物である。いくつかの実施態様において、該組成物は、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬的に許容される塩と、微結晶セルロース、ラクトース・一水和物、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリエチレンオキシドより選択される少なくとも1つの成分とを含む。いくつかの実施態様において、該組成物は、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬的に許容される塩と、微結晶セルロース、ラクトース・一水和物、およびヒドロキシプロピルメチルセルロースとを含む。いくつかの実施態様において、該組成物は、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬的に許容される塩と、微結晶セルロース、ラクトース・一水和物、およびポリエチレンオキシドとを含む。いくつかの実施態様において、該組成物は、ステアリン酸マグネシウムまたは二酸化ケイ素をさらに含む。いくつかの実施態様において、微結晶セルロースはアビセル(Avicel)PH102(登録商標)である。いくつかの実施態様において、ラクトース・一水和物はFast-flo316(登録商標)である。いくつかの実施態様において、ヒドロキシプロピルメチルセルロースはヒドロキシプロピルメチルセルロース2208 K4M(例えば、メトセルK4 M Premier(登録商標))および/またはヒドロキシプロピルメチルセルロース2208 K100LV(例えば、メトセルK00LV(登録商標))である。いくつかの実施態様において、ポリエチレンオキシドは、ポリエチレンオキシドWSR 1105(例えば、Polyox WSR 1105(登録商標))である。
いくつかの実施態様において、湿式顆粒方法を用いて該組成物を生成する。いくつかの実施態様において、乾式顆粒方法を用いて該組成物を生成する。
投薬計画を調整して望ましい最適な応答を得ることができる。例えば、ボーラスを単回投与してもよく、数回に分けた用量で経時的に投与してもよく、あるいは治療状況の要求により示されるように用量を比例して減少させても、増加させてもよい。投与を容易にし、投与量を均一にするために、非経口用組成物を単位剤形にて処方することが特に利点がある。本明細書において使用される単位剤形は、哺乳動物の対象を治療するための単位用量として用いるのに適する、物理的に別々の単位をいい;各単位は必要とされる医薬担体と合わさって所望の治療効果を生み出すように計算された所定量の活性化合物を含有する。
このように、本明細書において提供される開示に基づき、用量および用法が、治療学の分野にて周知の方法に従って、調整されることを当業者であれば理解するであろう。すなわち、許容できる最大用量は直ちに確立することができ、検出可能な治療的利益を患者に提供する効果的な量は、各薬剤を投与して検出可能な治療的利益を患者に提供するための時間的要件であるため、それもまた決定され得る。従って、特定の用量および投与計画が本明細書にて典型例として示されるが、これらの実施例は、本発明を実施するにおいて患者に提供することのできる用量および投与計画を、何ら限定するものではない。
投与量は、緩和すべき症状の型および重篤度で変化してもよく、単回または複数回の投与を含んでもよいことに留意すべきである。さらには、個々の対象について、特定の投与計画は、個々の要求に、および該組成物を投与するか、その投与を管理する人々の専門的判断に従って経時的に調整されるべきこと、および本明細書にて示される投与量の範囲は、例示に過ぎず、特許請求の範囲に記載の組成物の範囲および実施を制限することを意図としないことを理解すべきである。例えば、用量は、毒性作用および/または実験室での値などの臨床的効果を含んでもよい、薬物動態または薬力学的パラメーターに基づいて調整され得る。かくして、本発明は、当業者によって決定される、患者内用量増加を包含する。
活性剤の適切な投与量および投与計画の決定は、関連する分野において周知であり、一旦本明細書に開示の技法を習得した当業者であれば自分のものとしていると理解されるであろう。
本発明の化合物の投与量は、治療される対象、障害または症状の重篤度、投与率、化合物の体内動態、および処方医師の裁量に依存するであろう。
しかしながら、効果的な投与量は、単回または分割した用量において、体重1kgに付き一日当たり約0.001~約100mg、好ましくは約1~約35mg/kg/日の範囲にある。体重が70kgのヒトでは、これは約0.05~約7g/日、好ましくは約0.1~約2.5g/日の量となろう。ある場合には、上記した範囲の下限よりも低い投与量レベルで十二分であるかもしれず、その一方で他の場合には、有害な副作用を何ら引き起こすことなく、さらに多くの用量を利用することもできる:ただし、そのような多くの用量はまず、一日を通して投与するための数回の少ない用量に分割される。
本発明の化合物は経口投与されてもよい。経口投与は、化合物が胃腸管に入るように、および/またはバッカル、舌または舌下投与により、化合物が口腔から直接的に血流に入るように嚥下することを含んでもよい。
経口投与に適する処方として、錠剤;マルチまたはナノ粒子、液体または粉末を含有するソフトまたはハードカプセル;ロゼンジ(液体充填を含む);チューズ(chews);ゲル;速分散性剤形;フィルム;アーヴュール(ovule);スプレー;およびバッカル/粘膜付着性パッチなどの固体、半固体および液体系が挙げられる。
錠剤などの固形組成物を製造する場合、主活性成分を医薬用賦形剤と混合し、本発明の化合物の均一混合物を含有する固形の予備処方の組成物を形成する。これらの均一である予備処方の組成物に言及する場合、活性成分は、組成物が錠剤、ピルおよびカプセルなどの等しく効果的な単位剤形に容易に細分轄され得るように、典型的には組成物全体に均等に分散させる。
錠剤はまた、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80などの界面活性剤、および二酸化ケイ素およびタルクなどの流動促進剤を所望により含んでもよい。存在する場合、界面活性剤は錠剤の0.2重量%~5重量%を含んでもよく、流動促進剤は錠剤の0.2重量%~1重量%を含んでもよい。
用量に依存する錠剤の剤形では、薬物は、剤形の1重量%~80重量%を、より典型的には剤形の5重量%~60重量%を構成してもよい。薬物に加えて、錠剤は、一般に、崩壊剤を含有する。崩壊剤の例として、澱粉グリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶セルロース、低級アルキル置換のヒドロキシプロピルセルロース、澱粉、アルファ澱粉およびアルギン酸ナトリウムが挙げられる。一般に、崩壊剤は、剤形の1重量%~25重量%、好ましくは5重量%~20重量%からなるであろう。
錠剤はまた、一般に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物などの滑沢剤を含有する。滑沢剤は、一般に、錠剤の0.25重量%~10重量%、好ましくは0.5重量%~3重量%を構成する。
他の可能性のある成分として、酸化防止剤、着色剤、矯味矯臭剤、保存剤、および味マスキング剤を包含する。
結合剤は、一般に、錠剤に粘着性を付与するのに使用される。適切な結合剤として、微結晶セルロース、ゼラチン、糖類、ポリエチレングリコール、天然および合成ガム、ポリビニルピロリドン、アルファ澱粉、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。錠剤はまた、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水物等)、マンニトール、キシリトール、ブドウ糖、シュークロース、ソルビトール、微結晶セルロース、澱粉および二塩基性リン酸カルシウム・二水和物を含有してもよい。
典型的な錠剤は、約80%までの薬物、約10重量%~約90重量%の結合剤、約0重量%~約85重量%の希釈剤、約2重量%~約10重量%の崩壊剤、および約0.25重量%~約10重量%の滑沢剤を含有する。
錠剤用ブレンドは、直接的に、またはローラーにより圧縮され、錠剤を形成してもよい。錠剤用ブレンドまたはブレンドの一部は、別法として、打錠する前に、湿式、乾式または溶融造粒に、溶融ゼリー状に、または押し出しに付されてもよい。最終製剤は1または複数の層を含んでもよく、被覆されても、されなくてもよい;それはさらにカプセル化されてもよい。
錠剤の製剤は、Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets, Vol. 1, H.LiebermanおよびL.Lachman(Marcel Dekker, New York, 1980)にて説明されている。
ヒトまたは動物用の消耗経口フィルムは、典型的には、迅速に溶解するか、または粘膜に付着し得る柔軟な水溶性または水膨潤性の薄フィルム剤形であり、典型的には、本発明の化合物、フィルム形成ポリマー、結合剤、溶媒、保湿剤、可塑剤、安定化剤または乳化剤、粘度修飾剤、溶剤を含んでもよい。該製剤の成分のうちいくつかは2種以上の機能を発揮しうる。
本発明の化合物は水溶性であっても、非水溶性であってもよい。水溶性化合物は、典型的には、1重量%~80重量%、より典型的には20重量%~50重量%の溶質を含む。貧溶解性の化合物は、より高い割合の組成物、典型的には88重量%までの溶質を含んでもよい。あるいはまた、本発明の化合物はマルチパーティクルビーズの形態であってもよい。
フィルム形成ポリマーは、天然多糖類、タンパク質または合成親水コロイドより選択されてもよく、典型的には0.01~99重量%の範囲で、より典型的には30~80重量%の範囲で配合される。
他の可能性のある成分として、抗酸化剤、着色剤、矯味矯臭剤およびフレーバー強化剤、保存剤、唾液刺激剤、冷却剤、共溶媒(油を含む)、皮膚軟化剤、増量剤、消泡剤、界面活性剤および味マスキング剤が挙げられる。
本発明に係るフィルムは、典型的には、ピーラブルな裏当て支持体または裏紙に水性薄フィルムを被覆し、蒸発により乾燥させることにより製造される。この操作は、乾燥オーブンまたはトンネルにて、典型的には、複合式被覆乾燥機において、あるいは凍結乾燥または真空乾燥によりなされてもよい。
経口投与用固形製剤は、即時放出および/または修飾放出であるように、処方されてもよい。修飾放出製剤として、遅延化、持続化、パルス化、制御化、標的化、およびプログラム化放出製剤が挙げられる。
発明の目的としての適切な修飾放出製剤が米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散ならびに浸透性および被覆粒子などの他の適切な放出技法がPharmaceutical Technology On-line, 25(2), 1-14、Vermaら(2001)にて詳細に記載されている。チューイングガムを用いて制御放出を達成することがWO 00/35298に記載されている。
本発明の化合物はまた、血流中に、筋肉中に、または内臓中に直接投与されてもよい。非経口投与用の適切な手段として、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨下、頭蓋内、筋肉内、滑液嚢内、および皮内投与が挙げられる。非経口投与用の適切な装置として、ニードル(マイクロニードルを含む)注射器、ニードル-フリー注射器および注入技法が挙げられる。
非経口用製剤は、典型的には、塩、炭水化物および緩衝剤(好ましくはpHを3から9とする)を含有してもよい水溶液であるが、いくつかの適用では、滅菌非水溶液として、または滅菌した発熱性物質不含水などの適切なベヒクルと併せて使用することのできる乾燥形態として処方されるのがより適している。
滅菌条件下で、例えば、凍結乾燥による非経口製剤の製造は、当業者に周知の標準的な調剤技法を用いて容易に達成され得る。
非経口用溶液の製造にて使用される本発明の化合物の溶解度は、溶解促進剤を加えるなどの適切な製剤技法を用いることで増大させることができる。
非経口投与用の製剤は即時および修飾放出であるように処方されてもよい。修飾放出製剤として、遅延化、持続化、パルス化、制御化、標的化、およびプログラム化放出製剤が挙げられる。このような本発明の化合物は、懸濁液として、または活性化合物の修飾放出を提供する埋込型デポーとして投与するための、固体、半固体、チキソトロピック液体として処方されてもよい。かかる製剤の例として、薬物被覆のステントならびに薬物負荷のdl-乳酸/グリコール酸共重合体(PGLA)ミクロスフェアを含む、半固体および懸濁液が挙げられる。
本発明の化合物はまた、局所的に、(皮内)皮膚に、または経皮的に皮膚または粘膜に投与されてもよい。この目的の局所製剤として、ゲル、ヒドロゲル、ローション、液剤、クリーム、軟膏、散粉、ガーゼ、フォーム、フィルム、皮膚パッチ、ウェハー、インプラント、スポンジ、ファイバー、包帯およびマイクロエマルジョンが挙げられる。また、リポソームを用いてもよい。典型的な担体として、アルコール、水、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールが挙げられる。浸透促進剤を配合してもよい-例えば、J Pharm Sci, 88(10), 955-958、FinninおよびMorgan(1999年, 12月)を参照のこと。
局所投与する他の手段として、電気穿孔法、電気泳動法、音波泳動法、超音波電気泳動法およびマイクロニードルまたはニードルフリー(例えば、Powderject(登録商標)、Bioject(登録商標)等)注射が挙げられる。
局所投与用製剤は即時および/または修飾放出であるように処方されてもよい。修飾放出製剤として、遅延化、持続化、パルス化、制御化、標的化およびプログラム化放出製剤が挙げられる。
本発明の化合物はまた、鼻腔内に、または吸入により、典型的には乾燥粉末吸入器からの乾燥粉末の形態(例えば、ラクトースとの乾燥ブレンド中の混合物として、単独でか、あるいは、例えば、ホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合した混合成分粒子としてのいずれか)で、1,1,1,2-テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴射剤を用いて、または用いることなく、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは電気流体力学を用いて細かなミストを生成するアトマイザー)またはネブライザーからのエアロゾルスプレーとして、あるいは点鼻液として投与され得る。鼻腔内で使用する場合、散剤は、生体付着剤、例えば、キトサンまたはシクロデキストリンを含んでもよい。
圧力容器、ポンプ、スプレー、アトマイザーまたはネブライザーは、例えば、エタノール、水性エタノール、あるいは活性剤を分散させるか、可溶化させるか、またはその放出を拡張する適切な別の物質、溶媒としての噴射剤、および三オレイン酸ソルビタン、オレイン酸またはオリゴ乳酸などの任意の界面活性剤を含む、本発明の化合物の溶液または懸濁液を含有する。
乾燥粉末または懸濁液の製剤にて使用する前に、薬物の生成物を吸入によるデリバリーに適する大きさ(典型的には5ミクロン未満)に微粉化する。この操作は、スパイラルジェットミル、流動床ジェットミル、ナノ粒子を形成するための超臨界流体加工処理、高圧均質操作または噴霧乾燥などの適切ないずれかの粉砕方法により達成され得る。
吸入器または注入器において用いるための、カプセル(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースより製造されるカプセル)、ブリスターおよびカートリッジは、本発明の化合物の粉末混合物、ラクトースまたは澱粉などの適切な粉末基剤、およびl-ロイシン、マンニトールまたはステアリン酸マグネシウムなどの性能修飾剤を含有するように処方されてもよい。ラクトースは無水物であっても一水和物の形態であってもよく、好ましくは後者である。他の適切な賦形剤として、デキストリン、グルコース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、シュークロースおよびトレハロースが挙げられる。
電気流体力学を用いて細かなミストを生成するアトマイザーにおいて使用するための適切な液剤の製剤は、一操作に付き本発明の化合物を1μg~20mg含有してもよく、その操作容量は1μl~100μlで変化してもよい。典型的な製剤は、本発明の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノールおよび塩化ナトリウムを含んでもよい。プロピレングリコールの代わりに用いることのできる代替溶媒として、グリセロールおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
メントールおよびレボメントールなどの適切な矯味矯臭剤、またはサッカリンまたはサッカリンナトリウムなどの甘味剤が、吸入/鼻腔内投与を意図とする本発明のこれらの製剤に添加されてもよい。
吸入/鼻腔内投与用の製剤は、例えば、PGLAを用いる即時および/または修飾放出であるように処方されてもよい。修飾放出製剤として、遅延化、持続化、パルス化、制御化、標的化およびプログラム化放出製剤が挙げられる。
乾燥粉末吸入器およびエアロゾルの場合には、その単位投与量は、計量された量をデリバリーするバルブ手段により決定される。発明に係る単位は、典型的には、0.05g~1gの本発明の化合物を含有する計量された用量または「パフ(puff)」を投与するようにアレンジされる。
本発明の化合物は、経直腸または経腟的に、例えば、坐剤、ペッサリーまたは浣腸剤の形態にて投与されてもよい。カカオバターが伝統的坐剤基剤であるが、適宜、種々の代替品を使用してもよい。
経直腸または経腟投与用製剤は、即時および/または修飾放出であるように処方されてもよい。修飾放出製剤として、遅延化、持続化、パルス化、制御化、標的化およびプログラム化放出製剤が挙げられる。
本発明の化合物はまた、典型的には、pH調節した等張滅菌セイライン中のマイクロ化懸濁液または溶液の点滴の形態にて眼または耳に直接投与されてもよい。経眼または経耳投与に適する他の製剤として、軟膏、ゲル、生分解性(例えば、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性(例えば、シリコーン)インプラント、ウェハー、レンズ、およびニオソーム(niosomes)またはリポソームなどの粒子または小胞システムが挙げられる。連結したポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、またはメチルセルロース、あるいはヘテロ多糖類ポリマー、例えばジェランガム(gelan gum)などのポリマーを、塩化ベンズアルコニウムなどの保存剤と一緒に配合してもよい。かかる製剤も電気泳動法のよってデリバリーされてもよい。
経眼または経耳投与用の製剤は、即時および/または修飾放出であるように処方されてもよい。修飾放出製剤として、遅延化、持続化、パルス化、制御化、標的化、またはプログラム化放出製剤が挙げられる。
本発明の化合物は、上記したいずれかの投与方法において使用するのに、その溶解性、溶解速度、味マスキング、生物学的利用能および/または安定性を改善するために、シクロデキストリンおよびその適切な誘導体などの可溶性巨大分子、またはポリエチレングリコール含有のポリマーと組み合わされてもよい。
例えば、薬物-シクロデキストリンの複合体は、大抵の剤形および投与経路で略有用であることが分かる。包接および非包接の両方の複合体が使用されてもよい。薬物との直接の複合体化に代わる手段として、シクロデキストリンを補助添加剤として、すなわち担体、希釈剤または可溶化剤として使用してもよい。これらの目的のために最も一般的に使用されるのが、アルファ-シクロデキストリン、ベータ-シクロデキストリン、およびガンマ-シクロデキストリンであり、その例が国際特許出願番号WO 91/11172、WO 94/02518およびWO 98/55148に記載される。
本発明は、別々に投与されてもよい活性成分の組み合わせを用いる、本明細書に記載の疾患/症状の治療に関する態様を有するため、本発明はまた、別個の医薬組成物を組み合わせてキット形態とすることに関する。該キットは、2種類の別個の医薬組成物:本発明の化合物、そのプロドラッグ、あるいはかかる化合物またはプロドラッグの塩、および上記した第2の化合物を含む。該キットは、容器、分離型ボトル、または分離型ホイルパケットなどの別個の組成物を含有するための手段を含む。典型的には、該キットは別個の成分を投与するための指示書を含む。別個の成分が異なる剤形(例えば、経口および非経口)にて投与され、異なる投与間隔で投与されるのが好ましい場合、あるいは処方医師が本発明の個々の成分の滴定を望む場合、このキットの形態が特に利点がある。
かかるキットの例が、いわゆるブリスターパックである。ブリスターパックは包装業界では周知であり、医薬単位剤形(錠剤、カプセルなど)の包装のために広く使用される。ブリスターパックは、一般に、相対的に硬い材料のシートを好ましくは透明なプラスチック材料のホイルで被覆して構成される。包装プロセスの間に、凹部をプラスチックホイールに形成する。その凹部は包装される錠剤またはカプセルの大きさおよび形状を有する。次に、錠剤またはカプセルをその凹部に入れ、相対的に硬い材料のシートで、凹部が形成される方向とは反対の方向にあるホイールの面でそのプラスチックホイールを密封する。結果として、錠剤またはカプセルはプラスチックホイールとシートの間で凹部に密封される。好ましくは、シートの強度は、手で該凹部に圧を加えることで、それにより凹部の場所で該シートに開口部が形成され、錠剤またはカプセルが該ブリスターパックから取り出すことができるような強度である。次に該開口部を通して錠剤またはカプセルを取り出すことができる。
キットには、例えば、記憶補助を錠剤またはカプセルの隣に番号の形態にて提供することが望ましく、その番号は投与計画の日数と一致し、そうして特定される錠剤またはカプセルが摂取されるはずである。かかる記憶補助のもう一つ別の例が、カードに、例えば、次のように「第1週目、月曜、火曜、等・・・、第2週目、月曜、火曜、・・・」等のように、印刷されたカレンダーである。記憶補助の別の変形は容易に明らかとなろう。「日用量」は、所定の日に服用される、単一の錠剤またはカプセル、あるいは複数のピルまたはカプセルとすることができる。また、本発明の化合物の日用量は1個の錠剤またはカプセルで構成することができ、一方で第2の化合物の日用量は数個の錠剤またはカプセルで構成することができる。逆の場合も同様である。記憶補助はこのことを反映しなければならない。
本発明のもう一つ別の具体的な実施態様において、日用量をその意図する順序で一度に分配するように設計されたディスペンサーが提供される。該ディスペンサーは、該治療計画の順守をさらに容易にするために、記憶補助を備えていることが好ましい。そのような記憶補助の一例が、分配された日用量の数を示す、機械カウンターである。かかる記憶補助のもう一つ別の例が、液晶読取装置、またはオーディブルリマインダーシグナルと合わせた、電池式マイクロチップメモリーであり、そのメモリーで、例えば、最後の日用量が服用されたデータを読み取るか、および/または次の用量を服用する場合のデータを思い出させる。
液体製剤は、懸濁液、溶液、シロップおよびエリキシルを包含する。かかる製剤は、ソフトまたはハードカプセル(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースより製造される)にて充填剤として利用されてもよく、典型的には、担体、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または適切な油、1または複数の乳化剤および/または懸濁化剤を含む。液体製剤はまた、固体を復元することにより、例えばサッシェより製造されてもよい。加えて、本発明の化合物および組成物が、経口による、または注射による投与用に配合され得る液体形態として、綿実油、ゴマ油、カカオ脂、または落花生油などの食用油を含む、水溶液、適切にフレーバーを付したシロップ、水性または油性懸濁液、およびフレーバーを付したエマルジョン、ならびにエリキシルおよび類似する医薬ベヒクルが挙げられる。
本発明の化合物はまた、患者に投与した場合に、デリバリー、安定性および/または効能を改善するように適切な担体と合わせることができる。
本願において引用される、発行特許、特許出願および学術論文を含め、限定されないが、すべての刊行物は、各々、出典明示によりその内容はすべて本明細書の一部とされる。
本発明は実施態様の開示を参照して上記されるが、当業者であれば、下記に詳説される実施態様が本発明の例示に過ぎないことを容易に理解するであろう。発明の精神を逸脱することなく種々の修飾がなされ得ることを理解すべきである。従って、本発明は特許請求の範囲によって限定されるにすぎない。
以下の実施例および調製例において、「BOC」、「Boc」または「boc」は、N-tert-ブトキシカルボニルを意味し、「DCM」(CHCl)は塩化メチレンを意味し、「DIPEA」または「DIEA」はジイソプロピルエチルアミンを意味し、「DMA」はN,N-ジメチルアセトアミドを意味し、「DMF」はN-N-ジメチルホルムアミドを意味し、「DMSO」はジメチルスルホキシドを意味し、「DPPP」は1,3-ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパンを意味し、「HOAc」は酢酸を意味し、「IPA」はイソプロピルアルコールを意味する。「MTBE」はメチルt-ブチルエーテルを意味し、「NMP」は1-メチル-2-ピロリジノンを意味し、「TEA」はトリエチルアミンを意味し、「TFA」はトリフルオロ酢酸を意味し、「DCM」はジクロロメタンを意味し、「EtOAc」は酢酸エチルを意味し、「MgSO」は硫酸マグネシウムを意味し、「NaSO」は硫酸ナトリウムを意味し、「MeOH」はメタノールを意味し、「EtOH」はエタノールを意味し、「HO」は水を意味し、「HCl」は塩酸を意味し、「POCl」はオキシ塩化リンを意味し、「DMSO」はジメチルスルホキシドを意味し、「KCO」は炭酸カリウムを意味し、「N」は規定を意味し、「M」はモルを意味し、「mL」はミリリットルを意味し、「mmol」はミリモルを意味し、「μmol」はマイクロモルを意味し、「eq」は当量を意味し、「℃」は摂氏度を意味し、「Pa」はパスカルを意味する。
本明細書にて報告される収率は(特記されない限り)純粋な生成物をいう。分析性TLCはメルク(Merck)シリカゲル60F254アルミニウムで裏打ちしたプレートで行われた。化合物をUV光で可視化させ、および/またはヨウ素、ニンヒドリンまたは過マンガン酸カリウム溶液で染色させ、つづいて乾燥させた。フラッシュカラムクロマトグラフィーはシリカゲル上で行われた。H-NMRスペクトルは、ブルカー(Bruker)400MHz、アバンス(Avance)IIスペクトロメーターを5mm DUL(Dual)13Cプローブで、およびブルカー400MHz、アバンスIII HDスペクトロメーターをBBFO(Broad Band Fluorine Observe)プローブで記録された。化学シフト(Λ)は、サンプルが製造される、重溶媒のピークに関連して百万分率(ppm)で表される。分裂パターンはs(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、q(四重項)、m(多重項)およびbs(ブロードな一重項)で指定される。
以下の溶媒、試薬、または科学用語はその略語で言及されてもよい:
中間体AおよびB:
tert-ブチル ((3aR,5s,6aS)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)カルバメート(中間体A)およびtert-ブチル ((3aR,5r,6aS)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)カルバメート(中間体B)の合成
工程1:2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-イソインドールの合成
水素化アルミニウムリチウム(44g、1.15モル)のTHF(2.2L)中の撹拌した0℃での溶液に、3a,4,7,7a-テトラヒドロ-1H-イソインドール-1,3(2H)-ジオン(70g、0.46モル)のTHF(500mL)中溶液を滴下して加えた。反応混合物を60℃で12時間撹拌させた。出発材料の消費をTLCで観察した後、反応混合物を0℃に冷却し、THF:水(70mL、9:1)で、つづいて15%NaOH水溶液(70mL)および水(140mL)で2時間にわたってクエンチさせた。内部温度が25℃よりも低く維持されるようにクエンチ速度を注意して行った。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、セライト床を通して濾過し、つづいてDCM(3x300mL)で洗浄した。濾液を集め、減圧下で濃縮し、2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-イソインドール(50g、収率87%)を褐色の半固体として得た。
MS(ESI+ve):124.0
H NMR(400MHz、CDCl) δ 5.29(s,2H)、3.88(bs,1H)、3.26(m,2H)、2.82(m,2H)、2.41-2.19(m,4H)、1.96(m,2H)
工程2:ベンジル 1,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-2H-イソインドール-2-カルボキシレートの合成
2,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-1H-イソインドール(90g、0.73モル)のDCM(2L)中の撹拌した溶液に、EtN(316mL、2.19モル)およびCbz-Cl(135mL)を0℃で添加した。反応混合物を室温で16時間撹拌した。反応の過程をTLCでモニター観察し、それにより出発材料が消費されたことが観察された。反応混合物を氷冷水(500mL)で希釈し、EtOAc(3x500mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(500mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)させ、濾過し、蒸発乾固させた。残渣をシリカゲル(100-200メッシュ)、勾配(ヘキサン中20%EtOAc)を用いるカラムクロマトグラフィーに付して精製し、ベンジル 1,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-2H-イソインドール-2-カルボキシレート(140g、74%)を褐色の半固体として得た。
MS(ESI+ve):258.08
H-NMR(400MHz;DMSO-d):δ 7.31-7.42(m,5H)、5.62(s,2H)、5.05(s,2H)、3.38-3.43(m,2H)、3.02-3.07(m,2H)、2.18-2.22(m,4H)、1.79-1.82(m,2H)
工程3:2,2’-(1-((ベンジルオキシ)カルボニル)ピロリジン-3,4-ジイル)二酢酸の合成
ベンジル 1,3,3a,4,7,7a-ヘキサヒドロ-2H-イソインドール-2-カルボキシレート(130g、0.50モル)のペンタン(2L)中の撹拌した溶液に、過マンガン酸カリウム(239g、1.51モル)および臭化テトラブチルアンモニウム(24.4g、0.077モル)の水(600mL)中の0℃での溶液を添加した。得られた懸濁液を室温で3時間撹拌させた。反応の進捗をTLCでモニター観察し、それにより出発材料が消費されたことが観察された。反応混合物をセライト床を通して濾過し、該床を水(2L)で洗浄した。濾液を合わせ、酢酸エチル(1L)で洗浄し、有機層を分離した。水層を集め、1N塩酸溶液で酸性にし、pHを約1に調整し、酢酸エチル(3x1L)で抽出した。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して2,2’-(1-((ベンジルオキシ)カルボニル)ピロリジン-3,4-ジイル)二酢酸(132g、粗製物)を褐色の半固体として得、それをさらに精製することなく、次の工程に使用した。
MS(ESI+ve):322.15
工程4:ベンジル 5-オキソヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレートの合成
2,2’-(1-((ベンジルオキシ)カルボニル)ピロリジン-3,4-ジイル)二酢酸(132g、0.411モル)の無水酢酸(1.3L)中の撹拌した溶液に、酢酸ナトリウム(40.4g、0.493モル)を不活性な雰囲気下で添加し、得られた懸濁液を120℃で5時間撹拌した。反応の進捗をTLCでモニター観察し、それにより出発材料が消費されたことが観察された。反応混合物を室温にまで冷却させ、固形材料を濾過により分離し、つづいて酢酸エチル(500mL)で洗浄した。濾液を合わせ、真空下で濃縮して粗材料を得、それをカラムクロマトグラフィーに付し、100-200メッシュシリカゲルおよび溶出液として30%酢酸エチル/ヘキサンを用いて精製し、ベンジル 5-オキソヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(57g、53%)をオフホワイトの固体として得た。
MS(ESI+ve):260.2
H-NMR(400MHz;DMSO-d):δ 7.30-7.36(m,5H)、5.05(s,2H)、3.59-3.62(m,2H)、3.17-3.20(m,2H)、2.89(s,2H)、2.37-2.42(m,2H)、2.07-2.12(m,2H)
工程5:ベンジル 5-ヒドロキシヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレートの合成
ベンジル 5-オキソヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(39.6g、0.15モル)のEtOH(650mL)中の撹拌した溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(9.8g、0.26モル)をアルゴン雰囲気下の0℃で滴下して加えた。該反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応の進捗をTLCでモニター観察し、それにより出発材料が消費されたことが観察された。反応混合物を減圧下で乾固するまで濃縮し、氷冷水(550mL)で希釈し、EtOAc(3x350mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(500mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させてベンジル 5-ヒドロキシヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(44.1g、粗製物)を褐色の半固体として得た。
MS(ESI+ve):262.19
H-NMR(400MHz;DMSO-d):δ 7.31-7.36(m,5H)、5.05(s,2H)、4.60-4.63(m,1H)、3.42-3.48(m,2H)、3.30-3.33(m,2H)、2.54-2.59(m,2H)、1.97-2.08(m,2H)、1.29-1.35(m,2H)
工程6:ベンジル 5-((メチルスルホニル)オキシ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレートの合成
ベンジル 5-ヒドロキシヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(44g、0.16モル)のDCM(700mL)中の撹拌した溶液に、EtN(70mL、0.50モル)およびMsCl(26mL、0.33モル)をアルゴン雰囲気下にて0℃で滴下して加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌させた。反応の進捗をTLCでモニター観察し、それにより出発材料が消費されたことが観察された。該反応混合物を氷冷水(550mL)で希釈し、DCM(3x350mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(300mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させてベンジル 5-((メチルスルホニル)オキシ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(55.6g、粗製物)を褐色の半固体として得た。この材料をさらに精製することなく、次の工程に用いた。
MS(ESI+ve):340.2
H-NMR(400MHz;DMSO-d):δ 7.31-7.36(m,5H)、5.05(s,2H)、3.48-3.53(m,2H)、3.29-3.33(m,3H)、3.13(s,3H)、2.65-2.69(m,2H)、2.26-2.29(m,2H)、1.68-1.74(m,2H)
工程7:ベンジル 5-シアノヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレートの合成
ベンジル 5-((メチルスルホニル)オキシ)ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(55g、0.16モル)のDMSO(850mL)中の撹拌した溶液に、NaCN(23.8g、0.48モル)を添加した。反応混合物を80℃で6時間撹拌した。反応の進捗をTLCでモニター観察し、それにより出発材料が消費されたことが観察された。得られた混合物を氷冷水(850mL)で希釈し、EtOAc(3x350mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(500mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)させ、濾過して濃縮乾固させた。該粗残渣をカラムクロマトグラフィーに付し、ヘキサン中15%EtOAcを用いて精製し、ベンジル 5-シアノヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(27g、61%)をオフホワイトの固体として得た。
MS(ESI+ve):271.15
H-NMR(400MHz;DMSO-d):δ 7.31-7.35(m,5H)、5.03(s,2H)、3.48-3.53(m,2H)、3.17-3.20(m,1H)、3.08-3.13(m,2H)、2.79-2.83(m,2H)、1.97-2.03(m,2H)、1.88-1.92(m,2H)
工程8:ベンジル 5-シアノ-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレートの合成
ベンジル 5-シアノヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(27g、0.10モル)のTHF(900mL)中の撹拌した溶液に、LiHMDS(120mL、0.12モル、THF中1M)を-78℃で15分間にわたって滴下して加えた。反応物を30分間撹拌し、次にMeI(18.4g、0.13モル)を添加した。得られた混合物を室温でさらに2時間撹拌した。反応の進捗をTLCでモニター観察し、それにより出発材料が消費されたことが観察された。該反応混合物を水(500mL)で希釈し、EtOAc(3x150mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(300mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)させ、濾過して濃縮乾固させ、ベンジル 5-シアノ-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(27.5g、粗製物)を(LCMSを介して約3:1の割合の)ジアステレオマーの混合物である褐色の半固体として得、さらに精製することなく、次の工程に使用した。
MS(ESI+ve):285.12
H-NMR(400MHz;DMSO-d):δ 7.31-7.35(m,5H)、5.05(s,2H)、3.48-3.53(m,2H)、3.27-3.30(m,2H)、2.79-2.83(m,2H)、1.98-2.03(m,2H)、1.87-1.90(m,2H)、1.31(s,3H)
工程9&10:2-((ベンジルオキシ)カルボニル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-カルボン酸の合成
ベンジル 5-シアノ-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(27g、0.09モル)の濃HCl(60mL)中溶液を110℃で16時間加熱した。反応の進捗をTLCでモニター観察し、それにより出発材料が消費されたことが観察された。反応混合物を濃縮乾固させて残渣を得、それをアセトン/水(30mL、1:1)に溶かし、NaCO(49.9g、0.47モル)を、つづいてCbz-Cl(17.5mL、0.12モル)を0℃で添加した。反応混合物を室温で7時間撹拌した。TLCにより出発材料の消費が観察された後、該反応混合物を真空下で濃縮してアセトンを除去し、EtOAc(3x250mL)で洗浄して非極性の不純物を取り除いた。水層をクエン酸で酸性(pH約3)にし、DCM(5x50mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(300mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させて2-((ベンジルオキシ)カルボニル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-カルボン酸(14g、粗製物)をジアステレオマーの混合物(LCMSで約3:1の割合)であるオフホワイトの固体として得、さらに精製することなく、次の工程に使用した。
MS(ESI-ve):302.0
H-NMR(400MHz;DMSO-d):δ 12.19(s,1H)、7.31-7.35(m,5H)、5.05(s,2H)、3.39-3.44(m,2H)、3.18-3.24(m,2H)、2.71-2.75(m,2H)、2.64-2.66(m,1H)、2.31-2.35(m,1H)、1.83-1.86(m,2H)、1.72-1.78(m,2H)、1.23(s,1H)、1.19(s,3H)
工程11:ベンジル 5-(アジドカルボニル)-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレートの合成
2-((ベンジルオキシ)カルボニル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-カルボン酸(14.1g、0.04モル)のTHF(280mL)中の撹拌した溶液に、EtN(16.2mL、0.11モル)およびクロロギ酸エチル(6.64mL、0.06モル)を-20℃で滴下して加えた。該反応物を-20℃で10分間撹拌し、ついでNaN(7.56g、0.11モル)の水(30mL)中溶液を滴下して加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。反応の進捗をTLCでモニター観察し、それにより出発材料が消費されたことが観察された。反応混合物を水(250mL)で希釈し、EtOAc(3x150mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(200mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)させ、濾過し、真空下で蒸発させてベンジル 5-(アジドカルボニル)-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(13.3g、粗製物)をジアステレオマーの混合物(約3:1の割合)である半固体として得、さらに精製することなく、次の工程に使用した。
MS(ESI+ve):329.1
工程12&13:ベンジル (3aR,5s,6aS)-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート、およびベンジル (3aR,5r,6aS)-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレートの合成
ベンジル 5-(アジドカルボニル)-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(13.2g、0.04モル)のトルエン(132mL)中溶液を80℃で2時間加熱した。次にt-BuOH(66mL)およびPTSA(0.69g、0.004モル)を該反応混合物に加え、その同じ温度で3時間撹拌させた。反応の進捗をTLCでモニター観察し、それにより出発材料が消費されたことが観察された。反応混合物を濃縮し、水(250mL)で希釈し、EtOAc(3x150mL)で抽出した。有機層を分離し、ブライン(250mL)で洗浄し、乾燥(NaSO)させ、濾過し、真空下で蒸発乾固させた。残渣を分取性HPLC(表3にて示される条件に従う)に付して精製し、ベンジル (3aR,5s,6aS)-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(2.5g)を白色固体として、ベンジル (3aR,5r,6aS)-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(9.5g)を白色固体として得た。両方の立体化学は2D-NOESYを用いて決定された。
ベンジル (3aR,5s,6aS)-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ-5-メチルヘキサヒドロ-シクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレートの分析データ
MS(ESI+ve):375.16
H-NMR(400MHz;DMSO-d):δ 7.31-7.35(m,5H)、6.57(bs,1H)、5.05(s,2H)、3.35-3.38(m,2H)、3.18-3.22(m,2H)、2.64-2.69(m,2H)、2.33-2.36(m,2H)、1.36(s,9H)、1.28(s,3H)、1.14-1.18(m,2H)
ベンジル (3aR,5r,6aS)-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレートの分析データ
MS(ESI+ve):375.19
H-NMR(400MHz;DMSO-d):δ 7.31-7.35(m,5H)、6.78(bs,1H)、5.05(s,2H)、3.39-3.43(m,2H)、3.28-3.32(m,2H)、2.60-2.63(m,2H)、1.84-1.88(m,2H)、1.73-1.77(m,2H)、1.36(s,9H)、1.19(s,3H)
工程14:tert-ブチル ((3aR,5s,6aS)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)カルバメート(中間体A)の合成
ベンジル (3aR,5s,6aS)-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(2.5g、0.006モル)のMeOH(25mL)中の撹拌した溶液に、Pd/C(0.73g、30%w/w)をN雰囲気下で加えた。反応混合物をH雰囲気下にて室温で2時間撹拌した。反応の進捗をTLCでモニター観察し、それにより出発材料が消費されたことが観察された。反応混合物をセライト床を通して濾過し、MeOH(80mL)で洗浄した。濾液を真空下で蒸発させ、tert-ブチル ((3aR,5s,6aS)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)カルバメート(中間体A、1.36g、85%)をオフホワイトの固体として得た。
MS(ESI+ve):241.0
H-NMR(400MHz;CDOD):δ 2.69-2.74(m,6H)、2.31-2.36(m,2H)、1.42(s,9H)、1.36(s,3H)、1.10-1.15(m,2H)
13C-NMR(400MHz;DMSO-d):154.4、76.9、62.5、53.5、45.0、42.7、28.3、23.8
工程15:tert-ブチル ((3aR,5r,6aS)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)カルバメート(化合物-A)の合成
ベンジル (3aR,5r,6aS)-5-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(8.2g、0.02モル)のMeOH(82mL)中の撹拌した溶液に、Pd/C(2.4g、30%w/w)をN雰囲気下で添加した。反応混合物をH雰囲気下にて室温で2時間撹拌した。反応の進捗をTLCでモニター観察し、それにより出発材料が消費されたことが観察された。反応混合物をセライト床を通して濾過し、MeOH(250mL)で洗浄した。濾液を真空下で蒸発乾固させた。残渣をジエチルエーテルおよびペンタンでトリチュレートし、tert-ブチル ((3aR,5r,6aS)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)カルバメート(中間体B、5.06g、96%)をオフホワイトの固体として得た。
MS(ESI+ve):241.0
H-NMR(400MHz;CDOD):δ 2.79-2.82(m,2H)、2.69-2.74(m,2H)、2.63-2.65(m,2H)、2.02-2.07(m,2H)、1.54-1.58(m,2H)、1.42(s,9H)、1.27(s,3H)
13C-NMR(400MHz;DMSO-d):154.4、76.9、59.9、53.3、44.8、41.6、28.3、24.5
実施例1:(3aR,5r,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン・塩酸塩の合成
工程1:2-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロランおよび(2-クロロ-3-メチルフェニル)ボロン酸の合成
1-ブロモ-2-クロロ-3-メチルベンゼン(2g、9.73ミリモル)の1,4-ジオキサン(15mL)中の撹拌した溶液に、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’-オクタメチル-2,2’-ビ(1,3,2-ジオキサボロラン)(3.7g、14.6ミリモル)および酢酸カリウム(2.86g、29.1ミリモル)を添加した。反応混合物をアルゴンで10分間脱気処理に付した。次にPd(PPhCl(1.02g、1.45ミリモル)を加え、撹拌しながら85℃で12時間加熱した。反応混合物の色彩が黄色から赤色に、最終的に黒色に変化した。反応の進捗をTLCでモニター観察し、それにより出発材料が消費されたことが観察された。反応混合物を室温に冷却し、セライトを通して濾過し、つづいて酢酸エチル(100mL)での洗浄に付した。濾液を減圧下で濃縮乾固させ、生成物の混合物(1.5g、LCMSにて60%純度)を赤色の油として得、それを次の工程に直接使用した。
工程2:6-クロロ-3-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピラジン-2-アミンの合成
3-ブロモ-6-クロロピラジン-2-アミン(0.3g、1.43ミリモル)のTHF:HO(20ml、9:1)中の撹拌した溶液に、ボロン酸およびエステルの混合物(0.3g、粗製物)および炭酸ナトリウム(0.46g、4.31ミリモル)を添加した。反応混合物をアルゴンで10分間脱気処理に付し、Pd(PPh(0.16g、0.14ミリモル)を添加した。反応混合物を再びアルゴンで脱気処理に付し、80℃で撹拌しながら12時間加熱した。反応の進捗をTLCでモニター観察し、それにより出発材料が完全に消費されたことが観察された。反応混合物を室温に冷却し、濃縮した。残渣を水(20mL)で希釈し、EtOAc(3x20mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(40mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮させた。残渣をカラムクロマトグラフィー[シリカゲル(100-200メッシュ)、ヘキサン中4%~6%酢酸エチルの勾配]に付して精製し、6-クロロ-3-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピラジン-2-アミン(0.28g、76%)を黄色の固体として得た。
MS(ESI+ve):253.92
H-NMR(400MHz;DMSO-d):δ 7.82(s,1H)、7.44-7.46(d,J=7.20Hz,1H)、7.32-7.36(t,J=7.6Hz,1H)、7.20-7.22(d,J=6.8Hz,1H)、6.51(bs,2H)、2.40(s,3H)
工程3:tert-ブチル ((3aR,5r,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)カルバメートの合成
6-クロロ-3-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピラジン-2-アミン(0.22g、0.92ミリモル)のDMF(5mL)中の撹拌した溶液に、tert-ブチル ((3aR,5r,6aS)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)カルバメート(中間体B、0.24g、0.96ミリモル)および炭酸セシウム(0.89g、2.74ミリモル)を添加した。反応混合物を140℃で16時間加熱した。反応の進捗をTLCでモニター観察し、それにより出発材料が消費されたことが観察された(注記:Boc保護基が部分的に除去された)。反応混合物を室温に冷却し、水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(3x15mL)で抽出した。有機溶液を合わせ、無水硫酸塩で乾燥させ、真空下で濃縮して表記化合物のtert-ブチル ((3aR,5r,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)カルバメート(42%)を(3aR,5r,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン・塩酸塩(実施例1の化合物;16%)と一緒に得た。混合物の収量は380mgであり、それをさらに精製することなく、次に持ち越した。
MS(ESI+ve):458.12
工程4:(3aR,5r,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン・塩酸塩の合成
HCl(g)を工程3から由来の粗生成物の混合物(0.37g)のDCM(15mL)中溶液上に20分間にわたってパージした。反応物をLCMSでモニター観察し、それにより出発材料が消費されたことが観察された。揮発物を減圧下で除去し、MTBE(20mL)でトリチュレートし、得られた残渣を分取性HPLCで精製し、表記化合物(57mg)を得た(表3に示される分取性HPLC方法)。
MS(ESI+ve):358.27
H-NMR(400MHz;CDOD):δ 7.43-7.45(d,J=8Hz,1H)、7.33-7.37(t,J=7.56Hz,1H)、7.24-7.26(m,1H)、7.24(s,1H)、3.55-3.59(m,4H)、3.03-3.04(m,2H)、2.45(s,3H)、2.19-2.24(m,2H)、1.74-1.79(m,2H)、1.42(s,3H)
実施例2-6の化合物は、実施例1と同様の方法にて中間体Bより製造された。実施例7および8の化合物は、実施例1と同様の方法にて、出発アミンとして中間体Aだけを用いて製造された。実施例2-8についてのスペクトルデータを表1に示す。
表1
*:この化合物は、実施例1にて提供される操作に従って、実施例1、工程3にて6-クロロ-3-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピラジン-2-アミンの代わりに、6-クロロ-3-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-アミン(実施例9、工程1より)を用いて製造された。
実施例9:6-((3aR,5r,6aS)-5-(アミノメチル)-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-アミンおよび6-((3aR,5s,6aS)-5-(アミノメチル)-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-アミン
工程1:6-クロロ-3-(2、3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-アミンの合成
3-ブロモ-6-クロロピラジン-2-アミン(2g、9.61ミリモル)のACN:HO(20ml、9:1)中の撹拌した溶液に、(2、3-ジクロロフェニル)ボロン酸(2、2.7g、14.2ミリモル)、三塩基性リン酸カリウム(6.10g、28.8ミリモル)を添加した。反応混合物をアルゴンで10分間脱気処理に付し、Pd(dppf)ClCHCl(0.78g、0.96ミリモル)を添加した。反応混合物をアルゴンで再び脱気処理に付し、撹拌しながら130℃で18時間加熱した。反応の進捗をTLCでモニター観察し、それにより出発材料が完全に消費されたことが観察された。該反応混合物を室温まで冷却させて濃縮した。残渣を水(100mL)で希釈し、EtOAc(3x200mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(300mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して濃縮させた。該残渣をカラムクロマトグラフィー[シリカゲル(100-200メッシュ)、ヘキサン中10-12%酢酸エチルの勾配]に付して精製し、6-クロロ-3-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-アミン(1.0g、38%)を黄色の固体として得た。
MS(ESI+ve):274.12
H-NMR(400MHz;CDCl):δ 8.02(s,1H)、7.58-7.60(d,J=8.02Hz,1H)、7.32-7.36(m,2H)、4.63(bs,2H)
工程2:(3aR,6aS)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-カルボニトリルの合成
ベンジル (3aR,6aS)-5-シアノ-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-カルボキシレート(1g、3.51モル;中間体AおよびB、工程8の合成から由来)のEtOH(30mL)中の撹拌した溶液に、Pd/C(0.3g、30%w/w)をN雰囲気下で添加した。反応混合物をH雰囲気下にて室温で3時間撹拌した。反応の進捗をTLCでモニター観察し、それにより出発材料が完全に消費されたことが観察された。反応混合物をセライト床を通して濾過し、つづいてEtOH(80mL)の洗浄に付した。濾液を真空下で蒸発乾固させた。該残渣をジエチルエーテルでトリチュレートし、(3aR,6aS)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-カルボニトリル(0.5g、粗製物)をジアステレオマー混合物(LCMSによれば約3:1の割合)である粘着性の褐色の固体として得、それをさらに精製することなく、次の工程に使用した。
MS(ESI+ve):151.1
工程3:(3aR,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-カルボニトリル
(3aR,6aS)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-カルボニトリル(0.32g、2.16ミリモル)のDMF(8mL)中の撹拌した溶液に、6-クロロ-3-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-アミン(0.65g、2.38ミリモル)および炭酸セシウム(2.11g、6.49ミリモル)を添加した。反応混合物を140℃で12時間加熱した。反応の進捗をTLCで、およびLCMSで大雑把にモニター観察し、それらにより出発材料が消費されたことが観察された。反応混合物を室温に冷却し、揮発物を減圧下で除去した。得られた材料を水(80mL)で希釈し、酢酸エチル(3x25mL)で抽出した。有機溶液を合わせ、無水硫酸塩で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィーに付し、100-200メッシュのシリカゲル、および溶出液として10-20%酢酸エチル/ヘキサンを用いて精製し、(3aR,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-カルボニトリルを黄色の固体のジアステレオマー混合物(0.26g、収率:31%;H NMRによれば約3:1の割合)として得、それをさらにジアステレオマー分離を行うことなく、次の工程に使用した。
MS(ESI+ve):388.10
H-NMR(400MHz;CDOD):δ 7.58-7.59(d,J=4Hz,1H)、7.30-7.48(m,1H)、7.34-7.36(m,1H)、7.22(s,1H)、3.58-3.60(m,4H)、3.10-3.13(m,2H)、2.30-2.32(m,2H)、1.50-1.52(m,2H)、1.49(s,1H)、1.43(s,3H)
工程4:6-((3aR,6aS)-5-(アミノメチル)-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-アミンの合成
LAH(48mg、1.23ミリモル)のTHF(5mL)中の0℃での撹拌した溶液に、(3aR,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-カルボニトリル(5、0.24g、0.61ミリモル)のTHF(5mL)中溶液を滴下して加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌させた。TLCにより観察されるように、SMが消費された後に、反応混合物を0℃に冷却し、THF:水(9mL、9:1)で、つづいて15%NaOH水溶液(2mL)および水(3mL)で30分間にわたってクエンチさせた。クエンチは、内部温度が20℃より下を維持するように、その速度を注意してなされた。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、セライト床を通して濾過し、つづいてDCM:EtOH(40mL、1:1)の洗浄に付した。濾液を集め、減圧下で濃縮して(3aR,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-カルボニトリル(6、粗製物220mg)を約2:1のジアステレオマー割合で得、それをSFC(ラックス・アミロース(Lux Amylose)カラム、移動相 CO/0.2%DEA/EtOH(60:40)および逆相を用いる)を通して精製し、化合物9aをTFA塩として(主生成物、20mg、LCMSによれば98%)および化合物9bをTFA塩として(副生成物、12mg、LCMSによれば91%)得た。逆相精製についての詳細なデータを表3にて記載する。
6-((3aR,5r,6aS)-5-(アミノメチル)-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-アミン(9a):
MS(ESI+ve):392.26
H NMR(400MHz,CDOD) δ 7.62-7.65(dd,J=1.24Hz,7.92Hz,1H)、7.40-7.43(t,J=7.76Hz,1H)、7.35-7.37(dd,J=1.32Hz,7.72Hz,1H)、7.22(s,1H)、3.58-3.60(m,2H)、3.49-3.51(m,2H)、3.04-3.06(m,2H)、2.96(s,2H),1.90-1.95(m,2H)、1.44-1.49(m,2H)、1.15(s,3H)
6-((3aR,5s,6aS)-5-(アミノメチル)-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-アミン(9b):
MS(ESI+ve):392.13
H NMR(400MHz,CDOD) δ 7.63-7.65(dd,J=1.32Hz,6.42Hz,1H)、7.36-7.40(m,2H)、7.22(s,1H)、3.56-3.60(m,2H)、3.49-3.51(m,2H)、2.94-2.96(m,2H)、2.89(s,2H)、2.02-2.07(m,2H)、1.46-1.51(m,2H)、1.22(s,3H)
実施例10:(3aR,5r,6aS)-2-(4-アミノ-5-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピリミジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン・塩酸塩の合成
工程1:2-クロロ-5-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピリミジン-4-アミンの合成
5-ブロモ-2-クロロピリミジン-4-アミン(0.5g、2.39ミリモル)のTHF:HO(15ml、9:1)中の撹拌した溶液に、2-クロロ-3-メチルフェニル)ボロン酸(2、0.61g、3.58モル)、炭酸ナトリウム(0.71g、7.17ミリモル)を添加した。反応混合物をアルゴンで10分間脱気処理に付し、Pd(PPh(0.27g、0.24ミリモル)を加えた。該反応混合物を再びアルゴンで脱気処理に付し、撹拌しながら85℃で16時間加熱した。反応の進捗をTLCでモニター観察し、それにより出発材料が消費されたことが観察された。反応混合物を室温まで冷却させて濃縮した。残渣を水(20mL)で希釈し、EtOAc(3x20mL)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(40mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過して濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー[シリカゲル(100-200メッシュ)、ヘキサン中6-8%酢酸エチルの勾配]に付して精製し、2-クロロ-5-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピリミジン-4-アミン(0.4g、67%)を淡黄色の固体として得た。
MS(ESI+ve):254.14
H-NMR(400MHz;DMSO-d):δ 7.82(s,1H)、7.44-7.46(d,J=7.20Hz,1H)、7.32-7.36(t,J=7.6Hz,1H)、7.18-7.20(d,J=6.8Hz,1H)、2.40(s,3H)
工程2:tert-ブチル ((3aR,5r,6aS)-2-(4-アミノ-5-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピリミジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)カルバメートの合成
2-クロロ-5-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピリミジン-4-アミン(0.22g、0.91ミリモル)のDMF(5mL)中の撹拌した溶液に、tert-ブチル ((3aR,5r,6aS)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-イル)カルバメート(中間体B、0.24g、0.96ミリモル)および炭酸セシウム(0.89g、2.74ミリモル)を添加した。該反応混合物を140℃で16時間加熱した。反応の進捗をTLCでモニター観察し、それにより出発材料が消費されたことが観察された(注記:Boc保護基が部分的に除去された)。反応混合物を室温に冷却し、水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(3x20mL)で抽出した。有機溶液を合わせ、無水硫酸塩で乾燥させ、真空下で濃縮して13%の(3aR,5r,6aS)-2-(4-アミノ-5-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピリミジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミンを、23%の(3aR,5r,6aS)-2-(4-アミノ-5-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピリミジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン(実施例の化合物、348mg、LCMSのよる粗製物)と一緒に得、それをさらに精製することなく、次の工程に持ち越した。
工程3:(3aR,5r,6aS)-2-(4-アミノ-5-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピリミジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン・塩酸塩の合成
工程2から由来の粗生成物(0.34g)のDCM(25mL)中の0℃での撹拌した溶液に、HClガスを20分間にわたってパージした。得られた混合物を室温にまで加温させ、揮発物を減圧下で除去し、つづいてMTBE(20mL)でトリチュレートした。そうして得られた残渣を分取性HPLCに付して精製し、(3aR,5r,6aS)-2-(4-アミノ-5-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピリミジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン・HCl塩を黄色の固体(15mg)として得た。分取性HPLC方法は表3において記載される。
MS(ESI+ve):358.21
H-NMR(400MHz;DMSO-d):δ H-NMR(400MHz;CDOD):δ 7.59(s,1H)、7.32-7.34(d,J=8.00Hz,1H)、7.25-7.28(t,J=7.60Hz,1H)、7.12-7.14(d,J=7.60Hz,1H)、3.55-3.64(m,4H)、2.93-2.95(m,2H)、2.43(s,3H)、2.14-2.19(m,2H)、1.69-1.74(m,2H)、1.38(s,3H)
実施例11、12および13の化合物は、実施例10と同様の方法にて製造され、分析データを表2に示す。
表2:
分取HPLC精製条件が表3にて提供される。
表3:分取HPLC精製条件
本発明の化合物を、SHP2活性を選択的に阻害する、その能力について評価した。本明細書に記載される本発明の化合物の阻害特性は、次のいずれか1つのアッセイにて試験することによって明らかにされ得る。
実施例A:SHP2阻害アッセイ
SHP2は、ビス-チロシル-リン酸化ペプチド(phorphorylated peptide)のそのSrcホモロジー2(SH2)ドメインとの結合を介して、アロステリックに活性化される。後の活性化工程はSHP2の自己阻害インターフェイスのリリースをもたらし、それにより、順次、SHP2 PTPが活性化し、基質認識および反応性触媒作用が利用可能となる。SHP2の触媒活性は、プロンプト蛍光アッセイフォーマットにおいて代理基質のDiFMUPを用いて、モニター観察される。より具体的には、ホスファターゼ反応は、384ウェルのローフランジ黒平底ポリスチレン製ノンバインディングサーフェースプレート(Corning、カタログ番号3575)において、25μLの最終反応容量および次のアッセイ緩衝条件:60mM HEPES、pH7.2、75mM NaCl、75mM KCl、1mM EDTA、0.05%P-20、5mM DTTを用いて室温にて実施される。SHP2の試験化合物(濃度が0.003~100μMで変化する)からの阻害は、アッセイ(0.5nMのSHP2を0.5μMのペプチド IRS1_pY1172(dPEG8)pY1222(配列 H2N-LN(pY)IDLDLV-(dPEG8)LST(pY)ASINFQK-アミド)(配列番号1)と一緒にインキュベートする)にてモニター観察される。25℃で30-60分間インキュベートした後、代理基質DiFMUP(Invitrogen、カタログ番号D6567、200μM)を反応物に加え、25℃で30分間インキュベートする(残基2-593構築物については200μM、残基1-525については100μM)。
次に、5μLの160μMのbpV(Phen)溶液(Enzo Life Sciences、カタログ番号ALX-270-204)を添加することで反応をクエンチさせる。マイクロプレートリーダー2101マルチラベルリーダー(PerkinElmer Envision)を用いて蛍光シグナルをモニター観察する。全ERKシグナルによって阻害パーセントを正規化し、DMSOビヒクル対照と比較する。
実施例B:SHP2アロステリック阻害アッセイ
SHP2は、ビス-チロシル-リン酸化ペプチド(phorphorylated peptide)のそのSrcホモロジー2(SH2)ドメインとの結合を介して、アロステリックに活性化される。後の活性化工程はSHP2の自己阻害インターフェイスのリリースをもたらし、それにより、順次、SHP2タンパク質チロシンホスファターゼ(PTP)が活性化し、基質認識および反応性触媒作用が利用可能となる。SHP2の触媒活性は、プロンプト蛍光アッセイフォーマットにおいて代理基質のDiFMUPを用いて、モニター観察される。
より具体的には、ホスファターゼ反応は、384ウェルのローフランジ黒平底ポリスチレン製ノンバインディングサーフェースプレート(Corning、カタログ番号3575)において、25μLの最終反応容量および次のアッセイ緩衝条件:60mM HEPES、pH7.2、75mM NaCl、75mM KCl、1mM EDTA、0.05%P-20、5mM DTTを用いて室温にて実施される。
SHP2の本発明の化合物(濃度が0.003~100μMで変化する)による阻害は、アッセイ(0.5nMのSHP2を0.5μMのペプチド IRS1_pY1172(dPEG8)pY1222(配列:H2N-LN(pY)IDLDLV(dPEG8)LST(pY)ASINFQK-アミド)(配列番号1)と一緒にインキュベートする)にてモニター観察される。例えば、米国特許公報2017/204080 配列番号:1を参照のこと。25℃で30-60分間インキュベートした後、代理基質DiFMUP(Invitrogen、カタログ番号D6567)を反応物に加え、25℃で30分間インキュベートする。次に、5μlの160μMのbpV(Phen)溶液(Enzo Life Sciences、カタログ番号ALX-270-204)を添加することで反応をクエンチさせる。マイクロプレートリーダー(Envision, Perki-Elmer)を用い、各々、340nmおよび450nmの励起および発光波長を利用して蛍光シグナルをモニター観察する。阻害剤用量応答曲線は、対照ベースの正規化と適合する、正規化IC50回帰曲線を用いて解析されてもよい。
実施例C:p-ERK細胞アッセイ
Alpha Screen(登録商標)Sure Fire.TM. Phospho-ERK 1/2 Kit(PerkinElmer)を用いるp-ERK細胞アッセイ:
KYSE-520細胞(30,000細胞/ウェル)を96ウェルプレートカルチャーにて一夜増殖させ、20、6.6、2.2、0.74、0.24、0.08、0.027μMの濃度のShp2阻害剤で37℃にて2時間処理する。SureFireホスホ-細胞外シグナル制御キナーゼ(pERK)アッセイキット(PerkinElmer)で供給される、30μLの溶菌緩衝液(PerkinElmer)を添加することでインキュベーションを終える。製造業者の指示に従ってサンプルを処理する。pERKからの蛍光シグナルを2101マルチラベルリーダー(Perkin Elmer Envision)を用いて二回重複にて測定する。阻害パーセントを全ERKシグナルによって正規化し、DMSOビヒクル対照と比較する。
実施例D:コロニー形成アッセイおよび細胞増殖アッセイ
KYSE-520細胞(1500細胞/ウェル)を24-ウェルプレート上の300μLの培地(10%FBS含有のRPMI-1640、Lonza)にプレートする。薬物処理のために、細胞をプレートした24時間および5日後に、本発明の化合物を種々の濃度(20、10、5、2.5、1.25μM)で添加する。11日目に、コロニーを0.2%クリスタル・バイオレット(MP Biomedicals)で染色し、その後でスペクトラマックス(Spectramax)リーダー(Thermo Scientific)を用いて定量するために20%酢酸に溶かす。細胞増殖アッセイにおいては、細胞(1500細胞/ウェル)を96-ウェルプレート上の100μLの培地(10%FBS含有のRPMI-1640、Lonza)にプレートする。6日目に、50μLのセルタイター・グロ(Celltiter-Glo)試薬(Promega)を添加し、供給業者(Promega)の指示に従って、発光シグナルを測定した。
実施例E:タンパク質チロシンホスファターゼ(PTP)アッセイおよび阻害剤のIC50測定
SHP2のホスファターゼ活性は、蛍光アッセイフォーマットにおいて代理基質のDiFMUPを用いて、モニター観察された。ホスファターゼ反応は、96-ウェルの黒平底プレートのポリスチレン製プレートにおいて、100μLの最終反応容量を次のアッセイ緩衝条件:60mM HEPES、pH7.2、75mM NaCl、75mM KCl、1mM EDTA、0.05%ツィーン-20(Tween-20)、5mM DTTを用いて室温にて実施された。
化合物のIC50を決定するために、8点の用量応答曲線を二回重複して作成した。化合物を0μM~10μMの範囲にある濃度で100ng/mLのヒト組換えSHP2および0.5μMの活性化ペプチド IRS1_pY1172(dPEG8)pY1222(配列 H2N-LN(pY)IDLDLV(dPEG8)LST(pY)ASINFQK-アミド)(配列番号1)と一緒にインキュベートした。室温(23-27℃)で30分間インキュベートした後、代理基質のDiFMUP(200μM)を該反応物に加え、室温で30分間インキュベートした。マイクロプレートリーダー(Spectramax M5e、Molecular Dynamics)を用い、各々、340nmおよび450nmの励起および発光波長を利用して蛍光シグナルをモニター観察した。阻害剤用量応答曲線は、SoftmaxPro v5.2ソフトウェアを用いて解析された。
実施例1、2、4、5、7、8、11、および12の化合物は、上記したアッセイに従って、IC50が9μM未満のSHP2阻害剤であることが判明した。実施例13の化合物は、上記したアッセイに従って、IC50が10μMより大きいことが判明した。
本明細書に記載の修飾に加えて、本発明の種々の修飾は、上述した記載から当業者に明らかであろう。かかる修飾も添付した特許請求の範囲の範囲内にあるものとする。本願にて引用される参考文献は、各々、限定されることなく、あらゆる特許、特許出願、および刊行物を含め、その出典を明示することにより本明細書の一部とされる。

Claims (30)

  1. 式A1:
    [式中:
    LはO、S、または不在であり;
    はNまたはCRX1であり;
    はNまたはCRX2であり;
    はNまたはCRY1であり;
    はNまたはCRY2であり;
    ここで、X、X、YおよびYは、多くて3個が同時にNであり、X、X、YおよびYの少なくとも1つは、Nであり;
    は、C6-10アリール、または5-14員のヘテロアリールであり、各々、Cy、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、C(=NRe1)NRc1d1、NRc1C(=NRe1)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1S(O)Rb1、NRc1S(O)b1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、およびS(O)NRc1d1より独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されてもよく、ここで該C1-6アルキル、C2-6アルケニル、およびC2-6アルキニルは、Cy、ハロ、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、C(=NRe1)NRc1d1、NRc1C(=NRe1)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1S(O)Rb1、NRc1S(O)b1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、およびS(O)NRc1d1より独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されてもよく;
    2a、R2b、R4a、R4b、R5a、R5b、R7a、およびR7bは、各々、Hであり
    およびRは、各々、Hであり
    およびRは、各々独立して、 1-4 アルキルおよびNH より選択され、ここで、アルキルは、NH で置換されてもよく;
    ここでRおよびRのうち少なくとも1つはH以外の基であり;
    X1、RX2、RY1、およびRY2は、各々独立して、H、Cy、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、CN、NO、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3d3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3d3、C(=NRe3)NRc3d3、NRc3C(=NRe3)NRc3d3、NRc3d3、NRc3C(O)Rb3、NRc3C(O)ORa3、NRc3C(O)NRc3d3、NRc3S(O)Rb3、NRc3S(O)b3、NRc3S(O)NRc3d3、S(O)Rb3、S(O)NRc3d3、S(O)b3、およびS(O)NRc3d3より選択され、ここで該C1-6アルキル、C2-6アルケニル、およびC2-6アルキニルは、Cy、ハロ、CN、NO、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3d3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3d3、C(=NRe3)NRc3d3、NRc3C(=NRe3)NRc3d3、NRc3d3、NRc3C(O)Rb3、NRc3C(O)ORa3、NRc3C(O)NRc3d3、NRc3S(O)Rb3、NRc3S(O)b3、NRc3S(O)NRc3d3、S(O)Rb3、S(O)NRc3d3、S(O)b3、およびS(O)NRc3d3より独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されてもよく;
    各Cyは、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5-10員のヘテロアリール、および4-10員のヘテロシクロアルキルより独立して選択され、各々、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル-C1-4アルキル、5-10員のヘテロアリール-C1-4アルキル、4-10員のヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、C(=NRe1)NRc1d1、NRc1C(=NRe1)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1S(O)Rb1、NRc1S(O)b1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、およびS(O)NRc1d1より独立して選択される1、2、3または4個の置換基で置換されてもよく;
    各Cyは、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5-10員のヘテロアリール、および4-10員のヘテロシクロアルキルより独立して選択され、各々、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル-C1-4アルキル、5-10員のヘテロアリール-C1-4アルキル、4-10員のヘテロシクロアルキル-C1-4アルキル、CN、NO、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3d3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3d3、C(=NRe3)NRc3d3、NRc3C(=NRe3)NRc3d3、NRc3d3、NRc3C(O)Rb3、NRc3C(O)ORa3、NRc3C(O)NRc3d3、NRc3S(O)Rb3、NRc3S(O)b3、NRc3S(O)NRc3d3、S(O)Rb3、S(O)NRc3d3、S(O)b3、およびS(O)NRc3d3より独立して選択される1、2、3または4個の置換基で置換されてもよく;
    各Ra1、Rb1、Rc1、Rd1、Ra3、Rb3、Rc3、およびRd3は、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5-10員のヘテロアリール、4-10員のヘテロシクロアルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル-C1-4アルキル、5-10員のヘテロアリール-C1-4アルキル、および4-10員のヘテロシクロアルキル-C1-4アルキルより独立して選択され、ここで該Ra1、Rb1、Rc1、Rd1、Ra3、Rb3、Rc3、およびRd3の該C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5-10員のヘテロアリール、4-10員のヘテロシクロアルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル-C1-4アルキル、5-10員のヘテロアリール-C1-4アルキル、および4-10員のヘテロシクロアルキル-C1-4アルキルは、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、CN、ORa4、SRa4、C(O)Rb4、C(O)NRc4d4、C(O)ORa4、OC(O)Rb4、OC(O)NRc4d4、NRc4d4、NRc4C(O)Rb4、NRc4C(O)NRc7d4、NRc4C(O)ORa4、C(=NRe4)NRc4d4、NRc4C(=NRe4)NRc4d4、S(O)Rb4、S(O)NRc4d4、S(O)b4、NRc4S(O)b4、NRc4S(O)NRc4d4、およびS(O)NRc4d4より独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換されてもよく
    あるいはRc3およびRd3は、それらが結合するN原子と一緒になって、CN、ハロ、C1-4アルキル、C1-4ハロアルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、CN、ORa4、SRa4、C(O)Rb4、C(O)NRc4d4、C(O)ORa4、OC(O)Rb4、OC(O)NRc4d4、NRc4d4、NRc4C(O)Rb4、NRc4C(O)NRc7d4、NRc4C(O)ORa4、C(=NRe4)NRc4d4、NRc4C(=NRe4)N c4 d4、S(O)Rb4、S(O)NRc4d4、S(O)b4、NRc4S(O)b4、NRc4S(O)NRc4d4、およびS(O)NRc4d4より独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換されてもよい4-7員のヘテロシクロアルキル基を形成し
    各Ra4、Rb4、Rc4、およびRd4は、H、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5-10員のヘテロアリール、4-10員のヘテロシクロアルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル-C1-4アルキル、5-10員のヘテロアリール-C1-4アルキル、および4-10員のヘテロシクロアルキル-C1-4アルキルより独立して選択され、ここで該C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C6-10アリール、C3-7シクロアルキル、5-10員のヘテロアリール、4-10員のヘテロシクロアルキル、C6-10アリール-C1-4アルキル、C3-7シクロアルキル-C1-4アルキル、5-10員のヘテロアリール-C1-4アルキル、および4-10員のヘテロシクロアルキル-C1-4アルキルは、各々、OH、CN、アミノ、ハロ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、およびC1-6ハロアルコキシより独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換されてもよく;ならびに
    各Re1 e3、およびRe4は、H、C1-4アルキル、およびCNより独立して選択され;
    ここで上記したいずれのヘテロアリールまたはヘテロシクロアルキル基もO、N、およびSより独立して選択される1、2、3、または4個の環形成ヘテロ原子を含み;ならびに
    ここで上記したいずれかのヘテロシクロアルキル基の1または複数の環形成CまたはN原子はオキソ(=O)基と置き換えられてもよい]
    で示される化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  2. Lが不在である、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  3. がCRX1である、請求項1または2に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  4. がNである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  5. がNである、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  6. がCRY1である、請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  7. がNである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  8. がCRY2である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  9. がCRX1であり、XがNであって、YがNである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  10. がCRX1であり、XがNであって、YがNである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  11. がCRX1であり、XがNであり、YがNであって、YがNである、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  12. がフェニルまたは6員のヘテロアリールであり、各々が、Cy、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、C(=NRe1)NRc1d1、NRc1C(=NRe1)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1S(O)Rb1、NRc1S(O)b1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、およびS(O)NRc1d1より独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されてもよく、ここで該アルキル、C2-6アルケニル、およびC2-6アルキニルが、Cy、ハロ、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、C(=NRe1)NRc1d1、NRc1C(=NRe1)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1S(O)Rb1、NRc1S(O)b1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、およびS(O)NRc1d1より独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されてもよい、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  13. がフェニルまたは6員のヘテロアリールであり、各々が、Cy、ハロ、C1-6アルキル、C2-6アルケニル、C2-6アルキニル、C1-6ハロアルキル、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、C(=NRe1)NRc1d1、NRc1C(=NRe1)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1S(O)Rb1、NRc1S(O)b1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、およびS(O)NRc1d1より独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されてもよく、ここで該アルキル、C2-6アルケニル、およびC2-6アルキニルが、Cy、ハロ、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、OC(O)Rb1、OC(O)NRc1d1、C(=NRe1)NRc1d1、NRc1C(=NRe1)NRc1d1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1S(O)Rb1、NRc1S(O)b1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、およびS(O)NRc1d1より独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されてもよい、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  14. がフェニルまたは6員のヘテロアリールであり、各々が、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1S(O)Rb1、NRc1S(O)b1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、およびS(O)NRc1d1より独立して選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されてもよく、ここで該アルキル、C2-6アルケニル、およびC2-6アルキニルが、ハロ、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル、CN、NO、ORa1、SRa1、C(O)Rb1、C(O)NRc1d1、C(O)ORa1、NRc1d1、NRc1C(O)Rb1、NRc1C(O)ORa1、NRc1C(O)NRc1d1、NRc1S(O)Rb1、NRc1S(O)b1、NRc1S(O)NRc1d1、S(O)Rb1、S(O)NRc1d1、S(O)b1、およびS(O)NRc1d1より独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換されてもよい、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  15. が、F、Cl、メチル、およびCFより独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換されてもよいフェニルである、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  16. が、F、Cl、メチル、およびCFより独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換されてもよいピリジルである、請求項1~11のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  17. およびRが、メチルおよびNHより各々独立して選択される、請求項1~16のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  18. X1、RX2、RY1、およびRY2が、H、C1-6アルキル、およびNRc3d3より各々独立して選択され、ここで該C1-6アルキルが、Cy、ハロ、CN、NO、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3d3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3d3、C(=NRe3)NRc3d3、NRc3C(=NRe3)NRc3d3、NRc3d3、NRc3C(O)Rb3、NRc3C(O)ORa3、NRc3C(O)NRc3d3、NRc3S(O)Rb3、NRc3S(O)b3、NRc3S(O)NRc3d3、S(O)Rb3、S(O)NRc3d3、S(O)b3、およびS(O)NRc3d3より独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換されてもよい、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  19. X1が、H、C1-6アルキル、およびNRc3d3より選択され、ここで該C1-6アルキルが、Cy、ハロ、CN、NO、ORa3、SRa3、C(O)Rb3、C(O)NRc3d3、C(O)ORa3、OC(O)Rb3、OC(O)NRc3d3、C(=NRe3)NRc3d3、NRc3C(=NRe3)NRc3d3、NRc3d3、NRc3C(O)Rb3、NRc3C(O)ORa3、NRc3C(O)NRc3d3、NRc3S(O)Rb3、NRc3S(O)b3、NRc3S(O)NRc3d3、S(O)Rb3、S(O)NRc3d3、S(O)b3、およびS(O)NRc3d3より独立して選択される1、2、または3個の置換基で置換されてもよい、請求項1~17のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  20. X1がメチルおよびNHより選択される、請求項1~19のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  21. X2がHである、請求項1~20のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  22. Y1がHである、請求項1~21のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  23. Y2がHである、請求項1~22のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  24. 式A2:
    で示される、請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  25. 式A2aまたはA2b:
    で示される、請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  26. 式A3a、A3b、またはA3c:
    で示される、請求項1~23のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  27. (3aR,5r,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
    (3aR,5r,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
    (3aR,5r,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
    (3aR,5r,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2-クロロピリジン-3-イル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
    (3aR,5r,6aS)-2-(6-アミノ-5-(3-クロロ-2-フルオロフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
    (3aR,5r,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
    (3aR,5s,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
    (3aR,5s,6aS)-2-(6-アミノ-5-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピラジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
    6-((3aR,5r,6aS)-5-(アミノメチル)-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-アミン;
    6-((3aR,5s,6aS)-5-(アミノメチル)-5-メチルヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)-3-(2,3-ジクロロフェニル)ピラジン-2-アミン;
    (3aR,5r,6aS)-2-(4-アミノ-5-(2-クロロ-3-メチルフェニル)ピリミジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
    (3aR,5r,6aS)-2-(4-アミノ-5-(2,3-ジクロロフェニル)ピリミジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
    (3aR,5r,6aS)-2-(4-アミノ-5-(2-クロロ-3-フルオロフェニル)ピリミジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;および
    (3aR,5r,6aS)-2-(4-アミノ-5-(2-クロロピリジン-3-イル)ピリミジン-2-イル)-5-メチルオクタヒドロシクロペンタ[c]ピロール-5-アミン;
    より選択される、請求項1に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩。
  28. 請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体を含む、医薬組成物。
  29. 患者における疾患を治療または予防するための医薬組成物であって、治療的に効果的な量の請求項1~27のいずれか一項に記載の化合物、またはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物であって、該疾患がSHP2の活性により媒介される、医薬組成物。
  30. 疾患が、ヌーナン症候群、レパード症候群、クルゾン症候群、ジャクソン-ワイス症候群、ビーア-スティーブンソン・カーティス・ギラタ、アペール症候群、パイフェル症候群、ムエンク症候群、ゼーツレ-コッツェン様症候群、軟骨形成不全、SADDAN(発育遅延および黒色表皮症を伴う重度軟骨形成不全)、I型致死性形成異常、II型致死性形成異常、軟骨低形成症、カルマン症候群、骨髄増殖性症候群、若年性骨髄単球性白血病、多発性骨髄腫、8P11骨髄増殖性症候群(EMS)、膵臓腺がん、前立腺がん、星状細胞腫、膀胱移行上皮がん、甲状腺がん、子宮頸がん、大腸がん、末梢T細胞リンパ腫、精上皮腫、神経芽細胞腫、黒色腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、乳がん、食道がん、肺がん、結腸がん、頭部がん、頭頚部扁平上皮がん、胃がん、未分化大細胞リンパ腫およびグリア芽腫より選択される、請求項29に記載の医薬組成物。
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