JP7446584B2 - 手乾燥装置、手乾燥装置の成形方法、及び、手洗い乾燥ユニット - Google Patents

手乾燥装置、手乾燥装置の成形方法、及び、手洗い乾燥ユニット Download PDF

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Description

本発明は、開口部に挿入された手等に空気等を吹き付けて乾燥させる、手乾燥装置及び該手乾燥装置の成形方法に関する。
駅やデパート等の公共のトイレにおいて、手洗い後に手の水滴を拭き取るペーパータオルの使用を削減するため、手乾燥装置(ハンドドライヤ―)を設置されることが多くなってきている。手乾燥装置は、洗面台の脇や側面、あるいはトイレ空間の個室内外の壁面付近等に設置され、手洗い後に手乾燥装置の開口部に手を挿入することで手拭きを完了できることが知られている(特許文献1等)。
手乾燥装置は、乾燥室の上方から開口部内へ挿入された手を、開口部内に設けられたセンサが検知すると、手に温風を吹き付け、手に付着した水滴を吹き飛ばすものである。手から吹き飛ばされた水滴が、ハウジング内部(乾燥室と手乾燥装置の外側表面との間)の制御部や機械部に侵入すると手乾燥装置の不具合が発生しやすくなるため、該水滴が乾燥室の表面に形成された水平な溝部をまわり込んでハウジング内部に侵入することを防止する手乾燥装置等が、従来より提案されている。
しかしながら、手洗い後の濡れた手の水滴を吹き飛ばすことを繰り返すと、乾燥室の表面に吹き飛ばされた水滴や、濡れた手を挿入する手乾燥装置の開口部付近に飛び散った水滴は、完全に乾燥する前に次々と手乾燥が行われる状態となる。さらには、手乾燥装置の部材の接合部の隙間に水滴が入り込むと、より乾燥しづらくなる上、かかる水滴は手の油分や垢、洗剤の残り、埃等が含まれる。このため、手乾燥装置の乾燥室表面、開口部付近や部材の接合部の隙間に滞留した汚れを含む水滴は、汚れの堆積につながり、特に部材の接合部の隙間に滞留した汚れは簡単な清掃では除去することが難しいという問題があった。
特開2016-7400号公報
本発明は、部材の接合部の隙間をなくした手乾燥装置及び該手乾燥装置の成形方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記事情に鑑みて鋭意検討した結果、乾燥室を構成する第1側(甲側)乾燥室用部材と、第2側(掌側)乾燥室用部材の接合部の隙間をなくした手乾燥装置、及び、該手乾燥装置の成形方法を見出した。
すなわち、本発明の手乾燥装置は、乾燥室(5)の第1側に取り付けられる、樹脂製の第1側乾燥室用部材(2)と、前記乾燥室(5)の第2側に取り付けられる、樹脂製の第2側乾燥室用部材(3)と、第1樹脂接着部(13)と、を備え、前記第1側乾燥室用部材(2)と前記第2側乾燥室用部材(3)が接合する第1接合部(10)は、前記乾燥室(5)側に隣接した第1樹脂充填用空洞部(12)、前記第1樹脂充填用空洞部(12)の前記乾燥室(5)とは反対側に設けられる第1嵌合部(11)、及び、前記第1樹脂充填用空洞部(12)に充填された樹脂接着剤からなる前記第1樹脂接着部(13)を含み、前記第1樹脂充填用空洞部(12)は、前記乾燥室(5)へ連通する第1連通部(12a)を含むことを特徴とする。
前記第1側乾燥室用部材(2)及び前記第2側乾燥室用部材(3)の前記第1接合部(10)とは反対側の両端をそれぞれ連結して補強する、樹脂製の一対の補強部材(4)と、第2樹脂接着部(23)と、をさらに備え、前記第2側乾燥室用部材(3)と前記一対の補強部材(4)の第2側の第2接合部(20)は、前記乾燥室(5)側に隣接した第2樹脂充填用空洞部(22)、前記第2樹脂充填用空洞部(22)の前記乾燥室(5)とは反対側に設けられる第2嵌合部(21)、及び、前記第2樹脂充填用空洞部(22)に充填された樹脂接着剤からなる前記第2樹脂接着部(23)を含み、前記第2樹脂充填用空洞部(22)は、前記乾燥室(5)へ連通する第2連通部(22a)を含み、前記第1側乾燥室用部材(2)と前記一対の補強部材(4)の第1側の第3接合部(30)は、前記第1側乾燥室用部材(2)と前記一対の補強部材(4)が一体成形されることが好ましい。
前記第1側乾燥室用部材(2)及び前記第2側乾燥室用部材(3)の前記第1接合部(10)とは反対側の両端をそれぞれ連結して補強する、樹脂製の一対の補強部材(4)と、第2樹脂接着部(23)及び第3樹脂接着部(33)と、をさらに備え、前記第2側乾燥室用部材(3)と前記一対の補強部材(4)の第2側の第2接合部(20)は、前記乾燥室(5)側に隣接した第2樹脂充填用空洞部(22)、前記第2樹脂充填用空洞部(22)の前記乾燥室(5)とは反対側に設けられる第2嵌合部(21)、及び、前記第2樹脂充填用空洞部(22)に充填された樹脂接着剤からなる前記第2樹脂接着部(23)を含み、前記第2樹脂充填用空洞部(22)は、前記乾燥室(5)へ連通する第2連通部(22a)を含み、前記第1側乾燥室用部材(2)と前記一対の補強部材(4)の第1側の第3接合部(30)は、前記乾燥室(5)側に隣接した第3樹脂充填用空洞部(32)、前記第3樹脂充填用空洞部(32)の前記乾燥室(5)とは反対側に設けられる第3嵌合部(31)、及び、前記第3樹脂充填用空洞部(32)に充填された樹脂接着剤からなる前記第3樹脂接着部(33)を含み、前記第3樹脂充填用空洞部(32)は、前記乾燥室(5)へ連通する第3連通部(32a)を含んでもよい。
本発明の手乾燥装置(1)の成形方法は、該手乾燥装置(1)は、乾燥室(5)の第1側に取り付けられる樹脂製の第1側乾燥室用部材(2)と、前記乾燥室(5)の第2側に取り付けられる樹脂製の第2側乾燥室用部材(3)を備え、前記第1側乾燥室用部材(2)と前記第2側乾燥室用部材(3)の第1接合部(10)の領域を嵌め込むステップであって、前記乾燥室(5)側に隣接した第1樹脂充填用空洞部(12)、及び、前記第1樹脂充填用空洞部(12)の前記乾燥室(5)とは反対側に設けられる第1嵌合部(11)を形成し、前記第1樹脂充填用空洞部(12)は、前記乾燥室(5)へ連通する第1連通部(12a)を含む、第1接合部(10)の領域を嵌め込むステップと、前記第1接合部(10)の領域を嵌め込むステップで形成された前記第1樹脂充填用空洞部(12)に、樹脂接着剤を射出して第1樹脂接着部(13)を形成するステップと、を含むことを特徴とする。
前記第1側乾燥室用部材(2)及び前記第2側乾燥室用部材(3)の前記第1接合部(10)とは反対側の両端をそれぞれ連結して補強する、樹脂製の一対の補強部材(4)をさらに備え、前記第2側乾燥室用部材(3)と前記一対の補強部材(4)の第2側の第2接合部(20)の領域を嵌め込むステップであって、前記乾燥室(5)側に隣接した第2樹脂充填用空洞部(22)、及び、前記第2樹脂充填用空洞部(22)の前記乾燥室(5)とは反対側に設けられる第2嵌合部(21)を形成し、前記第2樹脂充填用空洞部(22)は、前記乾燥室(5)へ連通する第2連通部(22a)を含む、第2接合部(20)の領域を嵌め込むステップと、前記第2接合部(20)の領域を嵌め込むステップで形成された前記第2樹脂充填用空洞部(22)に、樹脂を射出して第2樹脂接着部(23)を形成するステップと、前記第1側乾燥室用部材(2)と前記一対の補強部材(4)の第1側を一体成形して、第3接合部(30)を形成するステップと、をさらに含むことが好ましい。
1.前記第3接合部(30)を形成するステップ、
2.前記第1接合部(10)の領域を嵌め込むステップ及び前記第2接合部(20)の領域を嵌め込むステップ、
3.前記第1樹脂接着部(13)及び前記第2樹脂接着部(23)を形成するステップ、
を順に行うことが好ましい。
本発明の手洗い乾燥ユニットは、上記手乾燥装置(1)、又は、上記手乾燥装置(1)の成形方法で成形された手乾燥装置(1)を備える。
本発明の手乾燥装置及び手乾燥装置の成形方法により、部材の接合部の隙間がなくなるため、接合部に汚れた水滴が溜まりにくく、水滴が付着しても容易に清掃することができる。
また、接合部は、樹脂接着剤が乾燥室(5)への連通部を含む樹脂充填用空洞部に充填されているため、部材間に隙間がある従来の接合部に比べて、接合力を高めることができる。
本発明の手乾燥装置の一例の全体図であり、図1(a)は上面図、図1(b)は左側面図、図1(c)は正面図、図1(d)は右側面図、図1(e)は斜視図である。 本発明の手乾燥装置の他の一例であり、図2(a)は斜視図、図2(b)は一対の補強部材の周辺、図2(c)は第1接合部の周辺を示したものである。 本発明の手乾燥装置の他の一例の写真である。 本発明の手乾燥装置の他の一例であり、図4(a)はケースカバー内の正面図、図4(b)は側面図である。 図5(a)は従来の第1接合部の構成、図5(b)は本発明の第1接合部の構成の一例を示す、断面図である。図5(c)は図5(b)の拡大図である。 図6(a)は従来の第2接合部の構成、図6(b)は本発明の第2接合部の構成の一例を示す、断面図である。図6(c)は図6(b)の拡大図である。 図7(a)は従来の第3接合部の構成、図7(b)は本発明の第3接合部の構成の一例を示す、断面図である。 図8(a)は従来の第3接合部の構成、図8(b)は本発明の第3接合部の構成の一例を示す、断面図である。図8(c)は図8(b)の拡大図である。 本発明の手乾燥装置の成形方法の一例であり、図9(a)は第1側乾燥室用部材と補強部材を一体成形し第3接合部を形成したものであり、図9(b)は第1接合部の領域と第2接合部の領域を嵌め込み後、射出成形するときの側面図、図9(c)は図9(b)の斜視図、図9(d)は図9(c)の底面の斜視図である。 本発明の手乾燥装置の成形方法の他の一例であり、図10(a)は底面図、図10(b)は側面図である。
本発明の実施形態について、以下に具体的に説明する。なお、符号を付して実施形態を説明するが、符号や図面により権利範囲が限定されるものではない。
(手乾燥装置)
本発明の手乾燥装置(1)は、第1側乾燥室用部材(2)、第2側乾燥室用部材(3)、及び、第1樹脂接着部(13)を備えるものである。
本発明明細書において「第1側」と「第2側」は、乾燥室(5)の表面を構成する2つの主な部材を区別するために付される。手乾燥装置の開口部は上部にあっても側面にあってもよいし、斜め上方にあってもよく、また、使用者はどのような角度や向きで該開口部に手を挿入してもよいため、便宜上、第1側及び第2側とした。たとえば、開口部が上部にある手乾燥装置の正面に使用者が立ち、掌を自分の側に向けて乾燥室(5)の開口部から手を挿入した場合は、第1側は甲側となり、第2側は掌側となる。多くの場合、第1側は壁側、第2側は使用者側となるが、これに限定されない。
第1側乾燥室用部材(2)は、乾燥室(5)の第1側(甲側、壁側)の部材であり、樹脂からなる。
第2側乾燥室用部材(3)は、乾燥室(5)の第2側(掌側、正面側)の部材であり、樹脂からなる。
第1側乾燥室用部材(2)及び第2側乾燥室用部材(3)は、熱可塑性樹脂であり、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル等のポリエステルや、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン等のポリオレフィンや、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)などのポリアリーレンスルフィド、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの結晶性樹脂を用いることができる。
また、スチレン系樹脂の他、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリサルホン(PSU)、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート(PAR)などの非晶性樹脂、その他、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂、更にポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系、フッ素系樹脂、およびアクリロニトリル系等の熱可塑エラストマー等や、これらの共重合体および変性体等から選ばれる熱可塑性樹脂を用いることができる。
なかでも、ポリプロピレン(PP)が好ましい。
第1側乾燥室用部材(2)と第2側乾燥室用部材(3)は、乾燥室(5)の下方、好ましくは正面寄りの下方に、第1接合部(10)を備える。
従来の接合部の構造は、図5(a)に例示される。図5(a)は図4(a)のB-Bの断面図である。第1側乾燥室用部材(2)に第2側乾燥室用部材(3)を嵌め込んで組み立てたものであり、乾燥室(5)側の、第1側乾燥室用部材(2)及び第2側乾燥室用部材(3)の間には小さな隙間があった。かかる隙間は、手乾燥時の水滴が入り込みやすく、乾燥しにくく、汚れが堆積しやすいものであった。そして、隙間に入り込んでいる汚れは、清掃しにくいという問題があった。
図5(b)及び図5(c)に本発明の第1接合部(10)の例を示す。図5(b)及び図5(c)は、図4(a)のB-Bの断面図である。第1接合部(10)は、乾燥室(5)側に隣接した第1樹脂充填用空洞部(12)、前記第1樹脂充填用空洞部(12)の乾燥室(5)とは反対側に設けられる第1嵌合部(11)、及び、第1樹脂充填用空洞部(12)に充填された樹脂接着剤からなる第1樹脂接着部(13)を含むように構成される。
第1嵌合部(11)は、第1側乾燥室用部材(2)に凹部、凸部、段部、リブ部等を設けてあり、それらの形状に対応するように第2側乾燥室用部材(3)に凸部、凹部、リブ部、段部等を設けてあり、両部材の形状を対応させることにより第1側乾燥室用部材(2)と第2側乾燥室用部材(3)を嵌合させた構造を有する。嵌合のための凹凸構造は、両部材で正確に対応することが望ましいが、第1樹脂充填用空洞部(12)に所定の圧力をもって射出される樹脂接着剤が、第1嵌合部(11)の凹凸によって乾燥室(5)とは反対側に漏れにくい構造であれば、両部材の凹凸構造が正確に対応する形状でなくてもよいし、嵌合領域の一部に小さな隙間を作り、漏れ出ようとする樹脂接着剤を貯留するような構造であってもよい。
第1嵌合部(11)は、約5mm~10mmの幅にわたって形成されることが好ましい。
第1樹脂充填用空洞部(12)は、樹脂接着剤を充填するために設けられる。第1樹脂充填用空洞部(12)に樹脂接着剤が注入されると、樹脂接着剤の接着力により、第1側乾燥室用部材(2)及び第2側乾燥室用部材(3)がより強固に接合される。
第1樹脂充填用空洞部(12)は、乾燥室(5)へ連通する第1連通部(12a)を含む。また、第1側乾燥室用部材(2)及び/又は第2側乾燥室用部材(3)の乾燥室(5)側の表面部分のうち、第1連通部(12a)近傍の厚みは、他の部分より薄く形成することが望ましい。さらには、かかる薄い部分は薄板状であってもよく、また、薄板状の部分が乾燥室(5)側に1°~5°程度傾斜していてもよい。
金型を当てた上で、第1樹脂充填用空洞部(12)に樹脂接着剤が所定の圧力をもって注入されると、第1連通部(12a)にも樹脂接着剤が充填されるが、第1連通部(12a)近傍の厚みが薄い部分は圧力によって金型に押し付けられるため、樹脂接着剤が第1連通部(12a)から金型と第1側乾燥室用部材(2)や第2側乾燥室用部材(3)の間の隙間に漏れにくくなる。このため、金型との間に、漏れた樹脂接着剤による、いわゆるバリができにくく、バリを除去する工程を省略できる。
第1樹脂充填用空洞部(12)の断面は、5mm~10mm程度の径を有する。また、第1連通部(12a)断面は、0.5mm~1.5mm程度の幅で乾燥室(5)に連通する。さらに、第1側乾燥室用部材(2)及び/又は第2側乾燥室用部材(3)の乾燥室(5)側の表面部分の厚みは1mm~2mm程度が例示され、第1連通部(12a)近傍の第1側乾燥室用部材(2)及び/又は第2側乾燥室用部材(3)の厚みは0.5mm~1.5mm程度に薄く形成されることが好ましい。
第1樹脂充填用空洞部(12)には、第1連通部(12a)を含めて樹脂接着剤が充填され、第1樹脂接着部(13)が形成される。
樹脂接着剤は熱可塑性樹脂であり、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル等のポリエステルや、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン等のポリオレフィンや、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)などのポリアリーレンスルフィド、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの結晶性樹脂を用いることができる。
また、スチレン系樹脂の他、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリサルホン(PSU)、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート(PAR)などの非晶性樹脂、その他、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂、更にポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系、フッ素系樹脂、およびアクリロニトリル系等の熱可塑エラストマー等や、これらの共重合体および変性体等から選ばれる熱可塑性樹脂を用いることができる。
なかでも、ポリプロピレン(PP)が好ましい。
第1樹脂充填用空洞部(12)に第1連通部(12a)が含まれることにより、樹脂接着剤は第1連通部(12a)にも充填されるため、第1接合部(10)の乾燥室(5)側の表面に隙間ができることなく第1側乾燥室用部材(2)と第2側乾燥室用部材(3)を接合することができる。
このような第1接合部(10)の構造を有することにより、第1連通部(12a)を有しない場合に比べ、より強固な接着力(接合力)で第1側乾燥室用部材(2)及び第2側乾燥室用部材(3)を接合することができる。また、第1接合部(10)は第1連通部(12a)まで樹脂接着剤が充填されているため、部材接合部の乾燥室(5)側の表面に隙間がなく、汚れが堆積しにくく、汚れても清掃しやすい、手乾燥装置を提供することができる。
本発明の手乾燥装置(1)は、第1側乾燥室用部材(2)及び第2側乾燥室用部材(3)の第1接合部(10)とは反対側の両端をそれぞれ連結して補強する、一対の補強部材(4)と第2樹脂接着部(23)をさらに備えることができる。一対の補強部材(4)は、通常、乾燥室(5)の上部の開口部に備えられる。
補強部材(4)は熱可塑性樹脂であり、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、液晶ポリエステル等のポリエステルや、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン等のポリオレフィンや、ポリオキシメチレン(POM)、ポリアミド(PA)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)などのポリアリーレンスルフィド、ポリケトン(PK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、液晶ポリマー(LCP)などの結晶性樹脂を用いることができる。
また、スチレン系樹脂の他、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリサルホン(PSU)、ポリエーテルサルホン、ポリアリレート(PAR)などの非晶性樹脂、その他、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂、更にポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、ポリイソプレン系、フッ素系樹脂、およびアクリロニトリル系等の熱可塑エラストマー等や、これらの共重合体および変性体等から選ばれる熱可塑性樹脂を用いることができる。
なかでも、ポリプロピレン(PP)が好ましい。
補強部材(4)を備えることにより、手の乾燥時に手や荷物が引っ掛ったり、子どもがぶら下がったりすることにより、使用者に近い第2側乾燥室用部材(3)に力がかかっても、損壊しにくくすることができる。
さらに、樹脂製の補強部材(4)を射出成形により他の部材と接合することにより、金属ネジや取付金具等の部品を減らすことができる。
第2側乾燥室用部材(3)と一対の補強部材(4)の第2側の第2接合部(20)は、乾燥室(5)側に隣接した第2樹脂充填用空洞部(22)、第2樹脂充填用空洞部(22)の前記乾燥室(5)とは反対側に設けられる第2嵌合部(21)、及び、第2樹脂充填用空洞部に充填された樹脂接着剤からなる第2樹脂接着部(23)を含む。
従来の接合部の構造は、図6(a)に例示される。図6(a)は図4(b)のG-Gの断面図である。第2側乾燥室用部材(3)に補強部材(4)を嵌め込んで組み立てたものであり、乾燥室(5)側の、第2側乾燥室用部材(3)及び補強部材(4)の間には小さな隙間があった。かかる隙間は、手乾燥時の水滴が入り込みやすく、乾燥しにくく、汚れが堆積しやすいものであった。そして、隙間に入り込んでいる汚れは、清掃しにくいという問題があった。
図6(b)及び図6(c)に本発明の第2接合部(20)の例を示す。図6(b)及び図6(c)は、図4(b)のG-Gの断面図である。第2接合部(20)は、乾燥室(5)側に隣接した第2樹脂充填用空洞部(22)、第2樹脂充填用空洞部(22)の乾燥室(5)とは反対側に設けられる第2嵌合部(21)、及び、第2樹脂充填用空洞部に充填された樹脂接着剤からなる第2樹脂接着部(23)含むように構成される。
第2嵌合部(21)は、第2側乾燥室用部材(3)に凹部、凸部、段部、リブ部等を設けてあり、それらの形状に対応するように補強部材(4)の第2側に凸部、凹部、リブ部、段部等を設けてあり、両部材の形状を対応させることにより第2側乾燥室用部材(3)と補強部材(4)を嵌合させた構造を有する。嵌合のための凹凸構造は、両部材で正確に対応することが望ましいが、第2樹脂充填用空洞部(22)に所定の圧力をもって射出される樹脂接着剤が、第2嵌合部(21)の凹凸によって乾燥室(5)とは反対側に漏れにくい構造であれば、両部材の凹凸構造が正確に対応する形状でなくてもよいし、嵌合領域の一部に小さな隙間を作り、漏れ出ようとする樹脂接着剤を貯留するような構造であってもよい。
第2嵌合部(21)は、約10mm~15mmの幅にわたって2.5mm~3.5mm程度の凹凸が形成されることが好ましい。
第2樹脂充填用空洞部(22)は、乾燥室(5)へ連通する第2連通部(22a)を含む。また、第2側乾燥室用部材(3)及び/又は補強部材(4)の乾燥室(5)側の表面部分のうち、第2連通部(22a)近傍の厚みは、他の部分より薄く形成することが望ましい。さらには、かかる薄い部分は薄板状であってもよく、また、薄板状の部分が乾燥室(5)側に1°~5°程度傾斜していてもよい。
金型を当てた上で、第2樹脂充填用空洞部(22)に樹脂接着剤が所定の圧力をもって注入されると、第2連通部(22a)にも樹脂接着剤が充填されるが、第2連通部(22a)近傍の厚みが薄い部分は圧力によって金型に押し付けられるため、樹脂接着剤が第2連通部(22a)から金型と第2側乾燥室用部材(3)や補強部材(4)の間の隙間に漏れにくくなる。このため、金型との間に、漏れた樹脂接着剤による、いわゆるバリができにくく、バリを除去する工程を省略できる。
第2樹脂充填用空洞部(22)の断面は、長径3mm~5mm程度、短径2mm~2.5mm程度の径を有する。また、第2連通部(22a)断面は、0.5mm~1.5mm程度の幅で乾燥室(5)に連通する。さらに、第2側乾燥室用部材(3)の乾燥室(5)側の表面部分の厚み(第2接合部20の近傍)は2.5mm~4mm程度が例示され、第2連通部(22a)近傍の第2側乾燥室用部材(3)の厚みは0.5mm~1.5mm程度に薄く形成されることが好ましい。
第2樹脂充填用空洞部(22)には、第2連通部(22a)を含めて樹脂接着剤が充填され、第2樹脂接着部(23)が形成される。
第2樹脂充填用空洞部(22)に第2連通部(22a)が含まれることにより、樹脂接着剤は第2連通部(22a)にも充填されるため、第2接合部(20)の乾燥室(5)側の表面に隙間なく第2側乾燥室用部材(3)と第2側の補強部材(4)を接合することができる。
このような第2接合部(20)の構造を有することにより、第2連通部(22a)を有しない場合に比べ、より強固な接着力(接合力)で第2側乾燥室用部材(3)及び補強部材(4)を接合することができる。また、第2接合部(20)は第2連通部(22a)まで樹脂接着剤が充填されているため、部材接合部の乾燥室(5)側の表面に隙間がなく、汚れが堆積しにくく、汚れても清掃しやすい、手乾燥装置を提供することができる。
第1側乾燥室用部材(2)と一対の補強部材(4)の第1側の第3接合部(30)は、一体成形されてもよい。
従来の接合部の構造は、図7(a)に例示される。図7(a)は図4(b)のI-Iの断面図である。第1側乾燥室用部材(2)に補強部材(4)をビス止め等で組み立てたものであり、乾燥室(5)側の、第1側乾燥室用部材(2)及び補強部材(4)の間には小さな隙間があった。かかる隙間は、手乾燥時の水滴が入り込みやすく、乾燥しにくく、汚れが堆積しやすいものであった。そして、隙間に入り込んでいる汚れは、清掃しにくいという問題があった。
図7(b)に本発明の第3接合部(30)の例を示す。図7(b)は図4(b)のI-Iの断面図である。第1側乾燥室用部材(2)と補強部材(4)を一体的に成形したものである。一体成形することにより、樹脂接着剤の充填工程を省略することができる。
また、第1側乾燥室用部材(2)と一対の補強部材(4)の第1側の第3接合部(30)は、乾燥室(5)側に隣接した第3樹脂充填用空洞部(32)、前記第3樹脂充填用空洞部(32)の前記乾燥室(5)とは反対側に設けられる第3嵌合部(31)、及び、第3樹脂充填用空洞部(32)に充填された樹脂接着剤からなる第3樹脂接着部(33)を備えてもよい。
従来の接合部の構造は、図8(a)に例示されるように、第1側乾燥室用部材(2)に補強部材(4)をビス止め等で組み立てたものであり、乾燥室(5)側の、第1側乾燥室用部材(2)及び補強部材(4)の間には小さな隙間があった。かかる隙間は、手乾燥時の水滴が入り込みやすく、乾燥しにくく、汚れが堆積しやすいものであった。そして、隙間に入り込んでいる汚れは、清掃しにくいという問題があった。
図8(b)及び図8(c)に本発明の第3接合部(30)の例を示す。図8(b)は図4(b)のI-Iの断面図である。第3接合部(30)は、乾燥室(5)側に隣接した第3樹脂充填用空洞部(32)、前記第3樹脂充填用空洞部(32)の乾燥室(5)とは反対側に設けられる第3嵌合部(31)、及び、第3樹脂充填用空洞部(32)に充填された樹脂接着剤からなる第3樹脂接着部(33)を含むように構成される。
第3嵌合部(31)は、第1側乾燥室用部材(2)に凹部、凸部、段部、リブ部等を設けてあり、それらの形状に対応するように補強部材(4)の第2側に凸部、凹部、リブ部、段部等を設けてあり、両部材の形状を対応させることにより第1側乾燥室用部材(2)と補強部材(4)を嵌合させた構造を有する。嵌合のための凹凸構造は、両部材で正確に対応することが望ましいが、第3樹脂充填用空洞部(32)に所定の圧力をもって射出される樹脂接着剤が、第3嵌合部(31)の凹凸によって乾燥室(5)とは反対側に漏れにくい構造であれば、両部材の凹凸構造が正確に対応する形状でなくてもよいし、嵌合領域の一部に小さな隙間を作り、漏れ出ようとする樹脂接着剤を貯留するような構造であってもよい。
第3嵌合部(31)は、30mm~40mmの幅にわたって2.5mm~3.5mm程度の凹凸が形成されることが好ましい。
第3樹脂充填用空洞部(32)は、乾燥室(5)へ連通する第3連通部(32a)を含む。また、第1側乾燥室用部材(2)及び/又は補強部材(4)の乾燥室(5)側の表面部分のうち、第3連通部(32a)近傍の厚みは、他の部分より薄く形成することが望ましい。さらには、かかる薄い部分は薄板状であってもよく、また、薄板状の部分が乾燥室(5)側に1°~5°程度傾斜していてもよい。
金型を当てた上で、第3樹脂充填用空洞部(32)に樹脂接着剤が所定の圧力をもって注入されると、第3連通部(32a)にも樹脂接着剤が充填されるが、第3連通部(32a)近傍の厚みが薄い部分は圧力によって金型に押し付けられるため、樹脂接着剤が第3連通部(32a)から金型と第1側乾燥室用部材(2)や補強部材(4)の間の隙間に漏れにくくなる。このため、金型との間に、漏れた樹脂接着剤による、いわゆるバリができにくく、バリを除去する工程を省略できる。
第3樹脂充填用空洞部(32)の断面は、長径3mm~5mm程度、短径2mm~2.5mm程度の径を有する。また、第3連通部(32a)断面は、0.5mm~1.5mm程度の幅で乾燥室(5)に連通する。さらに、補強部材(4)の乾燥室(5)側の表面部分の厚みは2.5mm~3.5mm程度が例示され、第3連通部(32a)近傍の補強部材(4)の厚みは0.5mm~1.5mm程度に薄く形成されることが好ましい。
第3樹脂充填用空洞部(32)には、第3連通部(32a)を含めて樹脂接着剤が充填され、第3樹脂接着部(33)が形成される。
第3樹脂充填用空洞部(32)に第3連通部(32a)が含まれることにより、樹脂接着剤は第3連通部(32a)にも充填されるため、第3接合部(30)の乾燥室(5)側の表面に隙間なく第1側乾燥室用部材(2)と第2側の補強部材(4)を接合することができる。
このような第3接合部(30)の構造を有することにより、第3連通部(32a)を有しない場合に比べ、より強固な接着力(接合力)で第1側乾燥室用部材(2)及び補強部材(4)を接合することができる。第3接合部(30)は第3連通部(32a)まで樹脂接着剤が充填されているため、部材接合部の乾燥室(5)側の表面に隙間がなく、汚れが堆積しにくく、汚れても清掃しやすい、手乾燥装置を提供することができる。
(手乾燥装置の成形方法)
本発明の手乾燥装置(1)の成形方法は、上述した手乾燥装置(1)の第1側乾燥室用部材(2)と第2側乾燥室用部材(3)の第1接合部(10)の領域を嵌め込むステップと、第1接合部(10)の領域を嵌め込むステップで形成された第1樹脂充填用空洞部(12)に、樹脂接着剤を射出して第1樹脂接着部(13)を形成するステップとを含む。
第1側乾燥室用部材(2)と第2側乾燥室用部材(3)の第1接合部(10)の領域を嵌め込むステップでは、一例として第1嵌合部(11)及び第1樹脂充填用空洞部(12)を形成するように両部材を相対的に移動させながら嵌め込む。
第1樹脂充填用空洞部(12)に樹脂接着剤を射出して第1樹脂接着部(13)を形成するステップでは、下型(K2)と第1接合部用金型(K3)を用いて第1接合部(10)を挟み込み、プチ射出機(P)を用いて樹脂接着剤を充填する工程が例示される。下型(K2)は手乾燥装置(1)の第1側の外表面から第1接合部(10)を押さえ、第1接合部用金型(K3)は乾燥室(5)の表面から第1接合部(10)を押さえる。所定の圧力をもって第1樹脂充填用空洞部(12)に注入された樹脂接着剤は、第1連通部(12a)の近傍の厚みが薄い部分に到達すると、該薄い部分が金型に押し付けられる。このため、樹脂接着剤が第1連通部(12a)から金型と第1側乾燥室用部材(2)や第2側乾燥室用部材(3)の間の隙間に漏れることなく、樹脂接着剤が充填され、第1樹脂接着部(13)が形成される。さらに、第1樹脂充填用空洞部(12)に第1連通部(12a)が含まれることにより、樹脂接着剤は第1連通部(12a)にも充填されるため、第1接合部(10)の乾燥室(5)側の表面に隙間ができることなく第1側乾燥室用部材(2)と第2側乾燥室用部材(3)を接合することができる。
一方、所定の圧力をもってプチ射出機(P)から射出された樹脂接着剤が、第1嵌合部(11)に到達しても乾燥室(5)の反対側、すなわち、手乾燥装置(1)の内部に漏れずに樹脂接着剤を充填することができる。
手乾燥装置(1)が、第1側乾燥室用部材(2)及び第2側乾燥室用部材(3)の第1接合部(10)とは反対側の両端をそれぞれ連結して補強する、樹脂製の一対の補強部材(4)をさらに備える場合、上述した第1接合部(10)を形成するステップに加え、第2接合部(20)の領域を嵌め込むステップと、第2接合部(20)の領域を嵌め込むステップで形成された第2樹脂充填用空洞部(22)に樹脂接着剤を射出して第2樹脂接着部(23)を形成するステップと、第3接合部(30)を形成するステップと、をさらに含む。
図9、図10に成形方法の一例を示す。
第2側乾燥室用部材(3)と一対の補強部材(4)の第2側の第2接合部(20)を形成するステップでは、一例として第2嵌合部(21)及び第2樹脂充填用空洞部(22)を形成するように両部材を相対的に移動させながら嵌め込む。
第2樹脂充填用空洞部(22)に樹脂接着剤を射出して第2樹脂接着部(23)を形成するステップでは、下型(K2)と第2接合部用金型(K4)を用いて第2接合部(20)を挟み込み、プチ射出機(P)を用いて樹脂接着剤を充填する工程が例示される。下型(K2)は手乾燥装置(1)の第1側の外表面から第2接合部(20)を押さえ、第2接合部用金型(K4)は乾燥室(5)の表面から第2接合部(20)を押さえる。所定の圧力をもって第2樹脂充填用空洞部(22)に注入された樹脂接着剤は、第2連通部(22a)の近傍の厚みが薄い部分に到達すると、該薄い部分が金型に押し付けられる。このため、樹脂接着剤が第2連通部(22a)から金型と第2側乾燥室用部材(3)や補強部材(4)の間の隙間に漏れることなく、樹脂接着剤が充填され、第2樹脂接着部(23)が形成される。さらに、第2樹脂充填用空洞部(22)に第2連通部(22a)が含まれることにより、樹脂接着剤は第2連通部(22a)にも充填されるため、第2接合部(20)の乾燥室(5)側の表面に隙間ができることなく第2側乾燥室用部材(3)と補強部材(4)の第2側を接合することができる。
第1側乾燥室用部材(2)と一対の補強部材(4)の第1側の第3接合部(30)は、一体成形によって形成されてもよい。
第3接合部(30)の形成ステップの他の例としては、上述した第2接合部(20)と同様に両部材を嵌め込んだ後に、樹脂接着剤を射出して形成してもよい。
すなわち、まず、第3嵌合部(31)及び第3樹脂充填用空洞部(32)を形成するように、第1側乾燥室用部材(2)と一対の補強部材(4)を相対的に移動させながら嵌め込む。
次に、第3樹脂充填用空洞部(32)に樹脂接着剤を射出して第3樹脂接着部(33)を形成するステップでは、上型(K1)と第3接合部用金型(K5、図示せず)を用いて第3接合部(30)を挟み込み、プチ射出機(P)を用いて樹脂接着剤を充填する工程が例示される。上型(K1)は手乾燥装置(1)の第1側の外表面から第3接合部(30)を押さえ、第3接合部用金型(K5)は乾燥室(5)の表面から第3接合部(30)を押さえる。所定の圧力をもって第3樹脂充填用空洞部(32)に注入された樹脂接着剤は、第3連通部(32a)の近傍の厚みが薄い部分に到達すると、該薄い部分が金型に押し付けられる。このため、樹脂接着剤が第3連通部(32a)から金型と第1側乾燥室用部材(2)や補強部材(4)の間の隙間に漏れることなく、樹脂接着剤が充填され、第3樹脂接着部(33)が形成される。さらに、第3樹脂充填用空洞部(32)に第3連通部(32a)が含まれることにより、樹脂接着剤は第3連通部(32a)にも充填されるため、第3接合部(30)の乾燥室(5)側の表面に隙間ができることなく第1側乾燥室用部材(2)と補強部材(4)の第1側を接合することができる。
手乾燥装置(1)の第1側乾燥室用部材(2)、第2側乾燥室用部材(3)及び一対の補強部材(4)を、第1接合部(10)、第2接合部(20)及び第3接合部(30)で接合するステップの順序は、3つの部材同士の嵌め込みやすさや各接合部における金型それぞれの形状、プチ射出機(P)からの樹脂接着剤の射出経路等を考慮して決めることができる。
図9、図10に示した例においては、第1接合部(10)及び第2接合部(20)は同一面内にあり、部材の嵌め込みもしやすく、プチ射出機(P)からの樹脂接着剤の射出の経路設計もシンプルなものにすることができる。また、乾燥室(5)の表面から押さえる第1接合部用金型(K3)や第2接合部用金型(K4)の金型も、下型(K2)とともに同時に配置することが可能である。
一方で、異なる面に配置された第3接合部(30)は、第1接合部(10)や第2接合部(20)と同時に樹脂接着剤を射出するための金型を配置することは難しく、別途形成が必要となる。このため、第1接合部(10)や第2接合部(20)の形成の前に、第3接合部(30)の形成を行うことが望ましい。この場合、第3接合部(30)を一体成形すれば、プチ射出機(P)からの射出工程1つを省略することができる。
以上の観点から、手乾燥装置(1)の成形は、
1.第3接合部(30)を形成するステップ、
2.第1接合部(10)の領域を嵌め込むステップ及び第2接合部(20)の領域を嵌め込むステップ、
3.第1樹脂接着部(13)及び第2樹脂接着部(23)を形成するステップ、
の順に行うことが好ましく例示される。
(手洗い乾燥ユニット)
本発明の手洗い乾燥ユニットは、以上の構成を有する手乾燥装置(1)、又は、手乾燥装置(1)の成形方法で成形された手乾燥装置(1)を備える。すなわち、洗面台の脇や側面、あるいはトイレ空間の個室内外の壁面付近等に設置され得る。
1 手乾燥装置
2 第1側乾燥室用部材
3 第2側乾燥室用部材
4 補強部材
5 乾燥室
10 第1接合部
11 第1嵌合部
12 第1樹脂充填用空洞部
12a 第1連通部
13 第1樹脂接着部
20 第2接合部
21 第2嵌合部
22 第2樹脂充填用空洞部
22a 第2連通部
23 第2樹脂接着部
30 第3接合部
31 第3嵌合部
32 第3樹脂充填用空洞部
32a 第3連通部
33 第3樹脂接着部
K1 上型
K2 下型
K3 第1接合部用金型
K4 第2接合部用金型
K5 第3接合部用金型(図示せず)
P プチ射出機

Claims (7)

  1. 手乾燥装置(1)であって、
    乾燥室(5)の第1側に取り付けられる、樹脂製の第1側乾燥室用部材(2)と、
    前記乾燥室(5)の前記第1側と、前記乾燥室(5)を挟んで対向した第2側に取り付けられる、樹脂製の第2側乾燥室用部材(3)と、
    前記乾燥室(5)の開口部とは反対側に設けられ、前記第1側乾燥室用部材(2)及び前記第2側乾燥室用部材(3)を接合する、第1接合部(10)と、
    を備え、
    前記第1接合部(10)は、前記乾燥室(5)側に隣接した第1樹脂充填用空洞部(12)、前記第1樹脂充填用空洞部(12)の前記乾燥室(5)とは反対側に設けられる第1嵌合部(11)、及び、前記第1樹脂充填用空洞部(12)に充填された樹脂接着剤からなる第1樹脂接着部(13)を含み、
    前記第1樹脂充填用空洞部(12)は、前記乾燥室(5)へ連通する第1連通部(12a)を含む、手乾燥装置(1)。
  2. 前記第1側乾燥室用部材(2)及び前記第2側乾燥室用部材(3)の開口部の両端をそれぞれ連結して補強する、樹脂製の一対の補強部材(4)と、
    前記第2側乾燥室用部材(3)と前記一対の補強部材(4)の第2側の第2接合部(20)と、
    前記第1側乾燥室用部材(2)と前記一対の補強部材(4)の第1側の第3接合部(30)と、
    をさらに備え、
    前記第2接合部(20)は、前記乾燥室(5)側に隣接した第2樹脂充填用空洞部(22)、前記第2樹脂充填用空洞部(22)の前記乾燥室(5)とは反対側に設けられる第2嵌合部(21)、及び、前記第2樹脂充填用空洞部(22)に充填された樹脂接着剤からなる第2樹脂接着部(23)を含み、前記第2樹脂充填用空洞部(22)は、前記乾燥室(5)へ連通する第2連通部(22a)を含み、
    前記第3接合部(30)は、前記第1側乾燥室用部材(2)と前記一対の補強部材(4)が一体成形された、請求項1に記載の手乾燥装置(1)。
  3. 前記第1側乾燥室用部材(2)及び前記第2側乾燥室用部材(3)の開口部の両端をそれぞれ連結して補強する、樹脂製の一対の補強部材(4)と、
    前記第2側乾燥室用部材(3)と前記一対の補強部材(4)の第2側の第2接合部(20)と、
    前記第1側乾燥室用部材(2)と前記一対の補強部材(4)の第1側の第3接合部(30)と、をさらに備え、
    前記第2接合部(20)は、前記乾燥室(5)側に隣接した第2樹脂充填用空洞部(22)、前記第2樹脂充填用空洞部(22)の前記乾燥室(5)とは反対側に設けられる第2嵌合部(21)、及び、前記第2樹脂充填用空洞部(22)に充填された樹脂接着剤からなる第2樹脂接着部(23)を含み、前記第2樹脂充填用空洞部(22)は、前記乾燥室(5)へ連通する第2連通部(22a)を含み、
    前記第3接合部(30)は、前記乾燥室(5)側に隣接した第3樹脂充填用空洞部(32)、前記第3樹脂充填用空洞部(32)の前記乾燥室(5)とは反対側に設けられる第3嵌合部(31)、及び、前記第3樹脂充填用空洞部(32)に充填された樹脂接着剤からなる第3樹脂接着部(33)を含み、前記第3樹脂充填用空洞部(32)は、前記乾燥室(5)へ連通する第3連通部(32a)を含む、請求項1に記載の手乾燥装置(1)。
  4. 手乾燥装置(1)の成形方法であって、
    該手乾燥装置(1)は、乾燥室(5)の第1側に取り付けられる樹脂製の第1側乾燥室用部材(2)と、前記乾燥室(5)の前記第1側と前記乾燥室(5)を挟んで対向した第2側に取り付けられる樹脂製の第2側乾燥室用部材(3)と、前記乾燥室(5)の開口部とは反対側に設けられ、前記第1側乾燥室用部材(2)及び前記第2側乾燥室用部材(3)を接合する、第1接合部(10)を備え、
    前記第1接合部(10)の領域を嵌め込むステップであって、前記乾燥室(5)側に隣接した第1樹脂充填用空洞部(12)、及び、前記第1樹脂充填用空洞部(12)の前記乾燥室(5)とは反対側に設けられる第1嵌合部(11)を形成し、前記第1樹脂充填用空洞部(12)は、前記乾燥室(5)へ連通する第1連通部(12a)を含む、前記第1接合部(10)の領域を嵌め込むステップと、
    前記第1接合部(10)の領域を嵌め込むステップで形成された前記第1樹脂充填用空洞部(12)に、樹脂接着剤を射出して第1樹脂接着部(13)を形成するステップと、
    を含む、手乾燥装置(1)の成形方法。
  5. 前記第1側乾燥室用部材(2)及び前記第2側乾燥室用部材(3)の開口部の両端をそれぞれ連結して補強する、樹脂製の一対の補強部材(4)と、前記第2側乾燥室用部材(3)と前記一対の補強部材(4)の第2側の第2接合部(20)と、前記第1側乾燥室用部材(2)と前記一対の補強部材(4)の第1側の第3接合部(30)とをさらに備え、
    前記第2接合部(20)の領域を嵌め込むステップであって、前記乾燥室(5)側に隣接した第2樹脂充填用空洞部(22)、及び、前記第2樹脂充填用空洞部(22)の前記乾燥室(5)とは反対側に設けられる第2嵌合部(21)を形成し、前記第2樹脂充填用空洞部(22)は、前記乾燥室(5)へ連通する第2連通部(22a)を含む、前記第2接合部(20)の領域を嵌め込むステップと、
    前記第2接合部(20)の領域を嵌め込むステップで形成された前記第2樹脂充填用空洞部(22)に、樹脂を射出して第2樹脂接着部(23)を形成するステップと、
    前記第1側乾燥室用部材(2)と前記一対の補強部材(4)の第1側を一体成形して、前記第3接合部(30)を形成するステップと、
    をさらに含む、請求項4に記載の手乾燥装置(1)の成形方法。
  6. 1.前記第3接合部(30)を形成するステップ、
    2.前記第1接合部(10)の領域を嵌め込むステップ及び前記第2接合部(20)の領域を嵌め込むステップ、
    3.前記第1樹脂接着部(13)及び前記第2樹脂接着部(23)を形成するステップ、
    を順に行う、請求項5に記載の手乾燥装置(1)の成形方法。
  7. 請求項1~3いずれか一項に記載の手乾燥装置(1)、又は、請求項4~6いずれか一項に記載の手乾燥装置(1)の成形方法で成形された手乾燥装置(1)を備える、手洗い乾燥ユニット。
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