JP4206125B2 - 樹脂製中空二重壁構造体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱可塑性樹脂材料をブロー成形して得られる樹脂製中空二重壁構造体であって、浴室の壁面に取り付ける浴室用の棚パネルなどとして用いられる樹脂製中空二重壁構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
浴室には、壁面に石鹸やシャンプー、化粧小物などを載せる棚が備えられているが、この棚はたとえ下面であっても汚れやすいので、汚れがつきにくいことと併せて容易に清掃できることが好ましい。また、この種の棚パネルは、物をのせても変形しないように、剛性、強度性にすぐれたものであることが求められるので、その一方の壁の凹状リブを他方の壁に向けて形成し、凹状リブを介して両壁を溶着一体化することが行われている(特開平9−123261号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前掲の特開平9−123261号公報に示すように凹状リブを形成したパネルにあっては、凹状リブ内に汚れがたまりやすいうえ、その汚れの清掃が容易でないのが実情である。
【0004】
そこで、本発明の目的は、棚パネルなどとして所要の剛性、強度性をもたせるため、中空二重壁構造として、例えば棚パネルの場合にはその下面壁となる一方の壁に凹状リブを形成したものであっても、汚れがつきにくいうえ、汚れても清掃が容易にできる樹脂製中空二重壁構造体を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の請求項1に係る樹脂製中空二重壁構造体は、熱可塑性樹脂材料をブロー成形して得られる樹脂性中空二重壁構造体であって、前記中空二重壁構造体を、互いに対向する一方の壁と他方の壁が所定の距離をおいて対向する部分と、前記所定の距離よりも短い距離をおいて対向する部分から形成し、前記所定距離において対向する部分と前記所定距離よりも短い距離をおいて対向する部分の境目において、前記他方の壁は前記一方の壁に向けて屈曲する立上り部を形成しており、前記一方の壁に前記立ち上がり部に向けて膨出させて形成した凹状リブは、前記立ち上がり部に溶着して一方の壁と他方の壁とを一体化し、前記凹状リブは、一方の壁の表面に開口する面がなだらかな凹曲面をなしていることを特徴とするものである。
【0006】
また、請求項に係る樹脂製中空二重壁構造体は、請求項1記載の樹脂製中空二重壁構造体において、凹状リブの一方の壁の表面に開口する面が半球面をなしていることを特徴とするものである。
【0007】
さらに、請求項に係る樹脂製中空二重壁構造体は、請求項1または2記載の樹脂製中空二重壁構造体において、熱可塑性樹脂材料をブロー成形して得られるものであり、浴室を構成する成形品または浴室で使用される成形品であることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
図面には本発明に係る樹脂製中空二重壁構造体として浴室の棚パネルを例示している。図1は本発明の一実施の形態に係る浴室の棚パネルの斜視図、図2は図1のA−A線矢視方向の部分断面図、図3は浴室に本発明に係る棚パネルによる棚を備えた態様を示す斜視図、図4は図3の要部詳細斜視図、図5は同上折り上げた態様を示す斜視図である。
【0009】
図1および図2において、1は棚パネルである。この棚パネル1は、樹脂製中空二重壁構造体でなり、2は棚の下面となる一方の壁、3はその上面となる他方の壁4は中空部である。棚パネル1の基端側は、その両端部を切り欠いたように張出部5が一体に形成されており、その張出部5は、他方の壁3を一方の壁2に近づけた薄板状に形成されている。
【0010】
一方の壁2には、その基端側で張出部5にかかる部位に、凹状リブ6が横一列状に多数形成されている。この凹状リブ6は、一方の壁2を他方の壁3方向に膨出させて形成されたものであって、凹状リブ6の膨出部は、他方の壁3と張出部5との境をなす立ち上がり部7に溶着され、一方の壁2と他方の壁3とが凹状リブ6によって一体化されている。
【0011】
凹状リブ6は、一方の壁2の表面に開口する面が半球面ないしは略半球面をなすものである。なお、この凹状リブ6は、一方の壁2の表面に開口しているので、清掃が容易であるために、できるだけ浅くかつ一方の壁2の表面側からみて屈曲部分のない緩やかな曲面であることが好ましい。
【0012】
図3に示す浴室8には、その壁面9に棚10が備えれており、11は鏡である。12は浴槽、13は出入口扉である。
【0013】
棚10は、棚基部14と、棚基部14による棚面を拡張する棚拡張部15とで構成され、棚基部14に対して棚拡張部15が棚面拡張姿勢で係止固定され、かつ垂直に折り上げ可能となっている。棚10の棚拡張部15は、図1に示すような棚パネルで構成される。なお、図3ないし図5に示す態様にあっては、棚拡張部15を構成する棚パネルが図1に示すもののような張出部5はなく、その基端側両端部の一方の壁2に係止凹部16,16が形成されたものである。そして、棚基部14の両端には、棚拡張部15の係止凹部16,16に対応する係止突部17,17が形成されていて、棚拡張部15を水平姿勢に支持するようになっている。
【0014】
上記のもののように、棚10は棚拡張部15により、棚基部14の棚面を広くしたり狭くすることができるので、入浴時など棚を使用するときは棚面を広くし、使用しないときには棚面を狭くしておくことができて、使用上便利であるうえ、浴室の構造上やまた浴室の機能面からみても好適である。
【0015】
本発明に係る棚パネル1は、ブロー成形された中空二重壁構造体である。そして、それを構成する熱可塑性樹脂は、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタート樹脂、ポリブチレンテレフタート樹脂あるいは変性PPOなどのエンジニアリングプラスチックおよびこれらのブレンド体である。
【0016】
さらに、熱可塑性樹脂の単体だけでなく、表面に抗菌性の素材からなる層を構成したり、あるいは上記の熱可塑性樹脂に抗菌性樹脂を混入することも可能である。そして、このようにすることによって、浴室にありがちな表面のヌメリやカビの発生を防止することができる。
【0017】
本発明に係る棚パネル1は、その一方の壁2にその表面に開口する凹状リブ6が形成されていても、その凹状リブ6は少なくとも半球状であるから、凹状リブ6には汚れがたまりにくいうえ、汚れても一方の壁2の表面を拭くだけで、凹状リブ6内の汚れも容易清掃できるものである。また、本発明に係る棚パネル1は、その一方の壁2と他方の壁3とが凹状リブ6により溶着一体化されているので、剛性および強度性にすぐれている。
【0018】
【発明の効果】
本発明によれば、棚パネルなどとして所要の剛性、強度性をもたせるため、中空二重壁構造として、例えば棚パネルの場合にはその下面壁となる一方の壁に凹状リブを形成したものであっても、汚れがつきにくいうえ、汚れても清掃が容易にできる樹脂製中空二重壁構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る浴室の棚パネルの斜視図である。
【図2】 図1のA−A線矢視方向の部分断面図である。
【図3】 浴室に本発明に係る棚パネルによる棚を備えた態様を示す斜視図である。
【図4】 図3の要部詳細斜視図である。
【図5】 同上折り上げた態様を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 棚パネル
2 一方の壁
3 他方の壁
4 中空部
5 張出部
6 凹状リブ
7 立ち上がり部
8 浴室
9 壁面
10 棚
11 鏡
12 浴槽
13 出入口扉
14 棚基部
15 棚拡張部
16,16 係止凹部
17,17 係止突部

Claims (3)

  1. 熱可塑性樹脂材料をブロー成形して得られる樹脂性中空二重壁構造体であって、
    前記中空二重壁構造体を、互いに対向する一方の壁と他方の壁が所定の距離をおいて対向する部分と、前記所定の距離よりも短い距離をおいて対向する部分から形成し、
    前記所定距離において対向する部分と前記所定距離よりも短い距離をおいて対向する部分の境目において、前記他方の壁は前記一方の壁に向けて屈曲する立上り部を形成しており、
    前記一方の壁に前記立ち上がり部に向けて膨出させて形成した凹状リブは、前記立ち上がり部に溶着して一方の壁と他方の壁とを一体化し、
    前記凹状リブは、一方の壁の表面に開口する面がなだらかな凹曲面をなしている
    ことを特徴とする樹脂製中空二重壁構造体。
  2. 凹状リブの一方の壁の表面に開口する面が半球面をなしていることを特徴とする請求項1記載の樹脂製中空二重壁構造体。
  3. 熱可塑性樹脂材料をブロー成形して得られる樹脂性中空二重壁構造体は、浴室を構成する成形品または浴室で使用される成形品であることを特徴とする請求項1または記載の樹脂製中空二重壁構造体。
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