JP3806439B2 - 表皮付き中空成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヘッドレスト、アームレスト、カーゴフロアボックスなどの自動車用プラスチック成形品、建築物の内装壁、パーティション、扉などのパネル状の建築用プラスチック成形品、その他のプラスチック成形品であって表面に表皮材を貼着した表皮付き中空成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、この種のプラスチック成形品、特に、ヘッドレスト、アームレスト、カーゴボックスなどの自動車用プラスチック成形品は、その表面の感触を良好にし、意匠的効果をもたせるため、パネルの表面に装飾布を貼ったものが用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、自動車のカーゴボックスのように、プラスチックの成形体に凹部を形成して別工程でハンドルを取り付ける場合、図8に示すように、ブロー成形時に表皮材cが凹部eの形状に正しく沿わず、隅部fで少なくとも浮いてしまう現象を避けることが難しい。図8において、aは基材、bは毛羽、dは成形体を示す。
【0004】
ところで、特開平8−281779号公報に記載されている技術のように、表皮材である樹脂シートに微小な孔を形成することにより、ブロー成形時に表皮材を曲げやすくして、凹部の形状に正しく沿わせることで、隅部の浮きを防止することが考えられる。
【0005】
しかしながら、表皮材の樹脂シートに微小な孔を形成しているので、成形品の溶融樹脂が孔を通して表面側に滲出する現象を呈し、表皮材の外観性が損なわれるという欠点がある。
【0006】
本発明の目的は、凹部を有する成形品に表皮材を貼着する場合の上記問題点を解消しようとするものであって、中空成形品の凹部が形成される部位に対応した基材の一部に切り目を入れることにより、ブロー成形時に表皮材の基材を成形品の凹部に正しく沿わせることができ、成形品が凹部を有するものであっても表皮材を全体にわたって完全に密着させた、しかも外観性が損なわれることがない表皮付き中空成形品を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る表皮付き中空成形品の製造方法は、熱可塑性プラスチック材料をブロー成形して得られる表皮付き中空成形品の製造方法であって、熱可塑性プラスチック材料をブロー成形して得られる表皮付き中空成形品の製造方法であって、型開きした金型間にパリスンを配置するとともに、基材に毛羽を有しかつ中空成形品の凹部が形成される部位の凹部の底面に対応した基材の一部に凹部の隅部に達するように切り目を入れた表皮材をパリスンと金型との間にその毛羽の面が金型のキャビティ側に、かつ基材面がパリスン側に対向するように配置してブロー成形することにより、表面に表皮材が貼着された中空成形品を得ることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の製造方法により製造された表皮付き中空成形品の一例を示す全体斜視図、図2は図1に示す表皮付き中空成形品のブロー成形態様を示す断面図、図3は成形された表皮付き中空成形品の一部を示す断面図、図4は中空成形品と表皮材の基材の切り目との関係を示す概要図、図5は図4の部分拡大斜視図、図6は中空成形品と表皮材の基材の切り目との他の関係を示す概要図、図7は図6の部分拡大斜視図である。なお、図4、図5、図6および図7においては表皮材の毛羽を省略して示している。
【0009】
図1において、1は表皮付き中空成形品である。この表皮付き中空成形品1は、熱可塑性プラスチック材料をブロー成形したものであり、ブロー成形時にプラスチックの成形体2の表面に、図3に示すように基材3に毛羽4を有する表皮材5を貼着して一体に形成してなるものである。表皮付き中空成形品1には凹部6が形成されており、この凹部6の部分も他の部分と同様に、基材3に毛羽4を有する表皮材5が一連に貼着されている。
【0010】
本発明に係る表皮付き中空成形品1は、図2に示す態様でブロー成形により製造される。図2において、7,8は一対の分割形式の金型であり、その一方の金型7は、中空成形品1の裏壁を形成する凹状のキャビテイ9を有し、他方の金型8は、中空成形品1の表壁を形成する凹状のキャビティ10を有するとともに凹部6を形成する凸部11を有している。12は押出ヘッドである。
【0011】
表皮付き中空成形品1をブロー成形するにあたっては、図2に示すように金型7,8を開き、金型7,8の間にパリスン13を配置するとともに、パリスン13と金型8のキャビティ10との間に、基材3に毛羽4を有する表皮材5を配置する。この表皮材5は、その基材3の面をパリスン13側に、毛羽4の面を金型8のキャビティ10に対向するように配置する。表皮材5の基材3には、凹部6を形成する凸部11に対応する部位に、図4および図5に示すように凹部6の底面に対応してその対角線方向に隅部に至るX状の切り目14を入れてある。この切り目14は、図6および図7に示すように凹部6の底面に対応して凹部6の四隅部に達するようにH状に入れてもよい。このように、切り目14を凹部6の隅部に達するように入れると、表皮材5の復元力を最小限にすることができるので、凹部6において表皮材6が完全に密着した表皮付き中空成形品を得ることができる。
【0012】
図2の態様から、金型7,8を閉じ、パリスン13内に加圧流体を導入してブロー成形をすれば、金型7,8のキャビティ9,10に沿った中空状の成形体2が成形されるとともに、その表壁面には表皮材5が押圧されて一体状に貼着され、図1に示すような表皮付き中空成形品1が得られる。
【0013】
すなわち、表皮材5は、基材3に毛羽4を有するものであるから、その基材3が溶融状態の成形体2の表面に貼着されるが、凹部6はキャビティ10の凸部11に沿って形成され、この凹部6では表皮材5も凸部11に押されて凹部6の面に沿って貼着される。この場合、表皮材5の基材3には凹部6に対応する部位に切り目14が入っているので、凸部11に押されて凹部6の面に押し付けられる基材3は凹部6の隅部にあっても浮き上がることなく、表皮材5は凹部6の面に完全に沿った状態で貼着される。また、成形品の溶融樹脂が表皮材5の表面に滲出することがないので、表皮材5の外観性を損なうことがない。
【0014】
本発明において表皮付き中空成形品1を構成する熱可塑性プラスチックは、ブロー成形が可能なものであればよいが、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン樹脂)、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、さらには、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル等のエンジニアリング・プラスチックなどが好適である。
【0015】
また、本発明において基材3に毛羽4を有する表皮材5は、綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン等の再生繊維、アセテート、レーヨン、ナイロン等の合成繊維、これらのブレンド繊維を加工して得られる編物、織物、不織布や起毛した布地や剪毛した布地であり、またさらに、上記基材3に接着性などを有する合成樹脂からなるスキン層を形成したものであってもよい。
【0016】
【発明の効果】
本発明に係る表皮付き成形品の製造方法によれば、中空成形品の凹部が形成される部位に対応した基材の一部に切り目を入れることにより、ブロー成形時に表皮材の基材を成形品の凹部に正しく沿わせることができ、成形品が凹部を有するものであっても表皮材を全体にわたって完全に密着させた、しかも外観性が損なわれることがない表皮付き中空成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により製造された表皮付き中空成形品の一例を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示す表皮付き中空成形品のブロー成形態様を示す断面図である。
【図3】成形された表皮付き中空成形品の一部を示す断面図である。
【図4】 中空成形品と表皮材の基材の切り目との関係を示す概要図である。
【図5】図3の部分拡大斜視図である。
【図6】 中空成形品と表皮材の基材の切り目との他の関係を示す概要図である。
【図7】図5の部分拡大斜視図である。
【図8】従来の表皮付き中空成形品の一部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 表皮付き中空成形品
2 プラスチックの成形体
3 基材
4 毛羽
5 表皮材
6 凹部
7,8 金型
9,10 キャビティ
11 凸部
12 押出ヘッド
13 パリスン
14 切り目
Claims (1)
- 熱可塑性プラスチック材料をブロー成形して得られる表皮付き中空成形品の製造方法であって、型開きした金型間にパリスンを配置するとともに、基材に毛羽を有しかつ中空成形品の凹部が形成される部位の凹部の底面に対応した基材の一部に凹部の隅部に達するように切り目を入れた表皮材をパリスンと金型との間にその毛羽の面が金型のキャビティ側に、かつ基材面がパリスン側に対向するように配置してブロー成形することにより、表面に表皮材が貼着された中空成形品を得ることを特徴とする表皮付き中空成形品の製造方法。
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