JPH0885123A - 自動車用内装部品における装飾シートの圧着方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 曲面形状を有するトリム本体の表面所定箇所
に装飾シートを圧着加工する装飾シートの圧着方法にお
いて、伸び特性の良くない廉価クロス等を材質とした装
飾シートの成形性を高めることにより、コスト低減なら
びに生産性を高めることを目的とする。 【構成】 装飾シート３０の端材予定部分３４，３６
に、装飾シート３０とトリム本体２０との圧着加工時の
テンション方向と直交する方向に延びるスリット３５，
３７を穿設加工し、圧着用上下型４０，５０により、ト
リム本体２０に装飾シート３０を圧着加工する際、スリ
ット３５，３７を口開きさせることにより、トリム本体
２０の曲面部に装飾シート３０を容易に追従させたの
ち、端材予定部分３４，３６を切断除去する装飾シート
３０の圧着方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、自動車用ドアトリム
等、自動車用内装部品における装飾シートの圧着方法に
関する。

【０００２】

【従来の技術】最近、自動車室内の居住性を高めるため
に、自動車用ドアトリム等の内装部品の材質をグレード
アップさせるか、あるいは、クロス等の装飾シートをド
アトリム表面の適宜箇所に装着する方法が試みられてい
る。

【０００３】図１３は、自動車用ドアトリムの構成の概
要を示すもので、図面において、自動車用ドアトリム１
は、所要形状に成形された芯材２ａの表面に、表皮材２
ｂを貼着一体化して形成したドアトリム本体２と、この
ドアトリム本体２の表面適宜箇所に、装飾性をさらに付
与するために装着されるクロス等の装飾シート３とから
構成されている。

【０００４】そして、ドアトリム本体２に対して装飾シ
ート３を装着する方法は、図１４に示すように、圧着用
上型４にドアトリム本体２をセットするとともに、圧着
用下型５に装飾シート３を載置し、さらに、装飾シート
３の周縁端末をクランプ装置６により保持しておく。

【０００５】なお、圧着用下型５の外周には、装飾シー
ト３をドアトリム本体２に圧着したのち、所要外形状に
沿って切断するカット刃５ａと、さらにその内側に沿っ
て、装飾シート３の切断端末３ａをドアトリム本体２の
木目込み溝２ｃ内に圧入する木目込み用バー５ｂが配設
されている。

【０００６】そして、圧着用上下型４，５にドアトリム
本体２および装飾シート３のセット作業が完了すれば、
圧着用上型４が圧着用下型５に対して下降し、圧着用上
下型４，５により、ドアトリム本体２に対して装飾シー
ト３が圧着される。

【０００７】このとき、ドアトリム本体２の表面側に接
着剤が予めコーティングされており、接着剤を介して装
飾シート３がドアトリム本体２の表面側に接着一体化さ
れる。

【０００８】このように、従来の装飾シート３の圧着方
法においては、圧着用上下型４，５の係合作用により、
ドアトリム本体２の表面側に装飾シート３を圧着すると
いうものであり、例えば、装飾シート３が装着される部
位が単純な曲面形状の場合、あるいは装飾シート３が非
常に伸び特性の優れた材質のものを使用する場合には、
このような圧着方法を使用しても満足のいく製品が得ら
れたが、最近では、内装部品も複雑な曲面形状に設定さ
れる場合が多く、また、装飾シート３として伸び特性の
良くない廉価クロス等を使用する傾向が多くなってきて
いる。

【０００９】したがって、従来の圧着方法を使用して、
複雑な形状に設定されたドアトリム本体２あるいは伸び
特性の悪い装飾シート３を使用した場合、装飾シート３
がドアトリム本体２の曲面形状に追従することができ
ず、装飾シート３に剥がれやシワが発生する不具合が多
発するという欠点があった。

【００１０】これを解決するために、本出願人は、特開
平４−３０８７３２号に示すような装飾シートの圧着方
法ならびに圧着装置を先に出願している。

【００１１】このものは、図１５に示すように、圧着用
下型５にプラグアシスト７を設置することにより、装飾
シート３をドアトリム本体２の曲面部分に先当たりさせ
るとともに、可動式クランプ装置８を使用することによ
り、装飾シート３の圧着加工時、ドアトリム本体２の曲
面部分に装飾シート３を追従させるようにしたものであ
る。

【００１２】なお、可動式クランプ装置８としては、装
飾シート３の周縁端末を保持するクランプ部８ａ，進退
動作用シリンダ８ｂ，上下動作用シリンダ８ｃとを組み
合わせた構成のものを採用している。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図１５
に示す圧着装置を使用して、装飾シート３をドアトリム
本体２に圧着する方法においては、可動式クランプ装置
８を使用するため、クランプ装置８の部品点数が多く、
構造が複雑化し、非常にコスト高になるという不具合が
指摘されている。

【００１４】さらに、装飾シート３としてのクロスの種
類，取り方向により、クロスの伸び率が相違するため、
それに対応した可動式クランプ装置８の可動量を制御す
る作業に熟練を要し、生産性を低下させる大きな要因と
なっていた。

【００１５】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたもので、複雑な曲面形状を有するトリム本体に対し
て、伸び特性の劣るコスト的に廉価な装飾シートを、剥
がれやシワが発生することなく圧着する装飾シートの圧
着方法において、金型構造の簡素化，低コスト化を図る
とともに、生産性をも高めた装飾シートの圧着方法を提
供することを目的としている。

【００１６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、所望の曲面形状に成形されたトリム本体
と、このトリム本体の表面所定箇所に装着される装飾シ
ートとから自動車用内装部品が構成されるとともに、上
記装飾シートをトリム本体の曲面部に圧着する自動車用
内装部品における装飾シートの圧着方法において、前記
装飾シートには、その端材予定部分に、圧着時のテンシ
ョン方向と直交する方向に沿って、延びるスリットが形
成されており、トリム本体をセットした圧着用上型を、
上記装飾シートの周縁をクランプ装置により保持した状
態でセットした圧着用下型に対して下降させるととも
に、圧着用上下型の係合時、装飾シートに設けたスリッ
トを口開きさせることにより、トリム本体の曲面部に装
飾シートを馴染ませ、トリム本体に対して装飾シートを
圧着することを特徴とする。

【００１７】前記装飾シートに形成されるスリットとし
ては、装飾シートの周縁に沿うトリムカットラインの外
側に沿ってスリット群として形成することが特徴であ
る。

【００１８】さらに、装飾シートに形成されるスリット
としては、インサイドハンドルエスカッションやパワー
ウインドウスイッチユニット等の部品取付用の開口部分
に設定されていることが特徴である。

【００１９】

【作用】以上の構成から明らかなように、装飾シートに
は、端材予定部分に圧着加工時のテンション方向と直交
する方向に沿って延びるスリットが形成されているた
め、装飾シートの周縁をクランプ装置により保持した状
態で、圧着用上下型内にセットし、トリム本体をセット
した圧着用上型を圧着用下型に対して下降させて、圧着
用上下型によりトリム本体表面に装飾シートを圧着する
際、装飾シートにテンションが加わるが、テンション方
向と直交する方向に延びるスリットが口開きすることよ
り、装飾シートはテンション方向に無理なく伸ばされ
て、特に展開率の高い部位など、装飾シートに過度のテ
ンションが加わるということがない。

【００２０】さらに、スリットを形成した箇所は、切断
カット工程において端材として切断除去するため、製品
表面に悪影響を及ぼすことがない。

【００２１】

【実施例】以下、本発明による装飾シートの圧着方法に
係る実施例について、添付図面を参照しながら詳細に説
明する。

【００２２】図１，図２は本発明方法を適用して製作し
た自動車用ドアトリムを示す正面図ならびに断面図、図
３は本発明方法に使用する装飾シートの平面図、図４は
本発明方法に使用する圧着装置の構成を示す断面図、図
５ないし図１０は本発明方法の各工程を示す断面図なら
びに説明図、図１１，図１２は本発明方法の第２実施例
を示すもので、図１１は本実施例における装飾シートの
平面図、図１２は装飾シートの圧着状態を示す説明図で
ある。

【００２３】図１，図２において、自動車用ドアトリム
１０は、ドアトリム本体２０と、このドアトリム本体２
０の表面所定箇所に装着されるクロス等の装飾シート３
０とから大略構成されている。

【００２４】さらに詳しくは、上記ドアトリム本体２０
は、所要形状にコールドプレス成形されたポリプロピレ
ン複合樹脂板等からなる芯材２１と、この芯材２１の表
面側にコールドプレス成形時、一体成形される表皮材２
２とからなり、この表皮材２２は、本実施例では発泡塩
ビシートが使用されている。

【００２５】そして、上記ドアトリム本体２０には、装
飾シート３０が圧着されているが、装飾シート３０の一
方側縁ならびに下縁に沿って、その周縁端末３０ａを木
目込みする木目込み溝２３が凹設されており、この木目
込み溝２３は芯材２１のプレス成形時、同時に形成され
ている。

【００２６】なお、芯材２１の成形素材ならびに成形方
法としては、繊維板等を熱圧成形してもよく、また、熱
可塑性樹脂材料を射出成形あるいはプレスモールディン
グ工法により所要形状に成形してもよく、表皮材２２と
しては、木質繊維板を芯材２１とした場合には、真空成
形により一体貼着され、射出成形，プレスモールディン
グ工法により芯材２１を成形する場合には、一体成形に
より表皮材２２を一体成形してもよい。

【００２７】さらに、表皮材２２の素材としては、発泡
塩ビシートのほかに、塩化ビニルシート等の合成樹脂シ
ート裏面に、ポリエチレンフォーム，ポリプロピレンフ
ォーム等の発泡層を裏打ちした積層シートを用いてもよ
い。

【００２８】一方、装飾シート３０は、クロス３１裏面
にポリウレタンフォーム３２が裏打ちされた表面風合い
ならびにクッション性能の良好なものが使用されてお
り、クロス３１としては、ベルベット，シャージー，ト
リコット，モケット等各種仕様のものを用途により適宜
選択されてよい。

【００２９】図３は、この装飾シート３０の原反状態を
示す平面図であり、製品部分と端材部分とを区画するト
リムカットライン３３が設定されるとともに、このトリ
ムカットライン３３の外側の端材予定部分３４（図中斜
線で示す）には、このトリムカットライン３３方向に沿
って延びるスリット３５がスリット群として形成されて
いる。

【００３０】なお、後述するが、このスリット３５のス
リット長さやスリット３５間の間隔，スリット３５の個
数は、使用するクロス３１の伸び特性や内装部品の曲面
形状の展開率等を考慮して適宜選択される。

【００３１】次に、図４は本発明方法を実施するための
圧着装置の概略構成を示すもので、この圧着装置は、ド
アトリム本体２０をセットする圧着用上型４０と、装飾
シート３０をセットする圧着用下型５０と、圧着用下型
５０の外周に設置される付属装置６０とから大略構成さ
れている。

【００３２】さらに詳しくは、上記圧着用上型４０は、
上側ベース４１に取付けられており、この上側ベース４
１は、油圧あるいは空圧等の駆動用シリンダ４２により
所定ストローク昇降可能に構成されている。

【００３３】また、圧着用下型５０は、下側ベース５１
に対して油圧あるいは空圧等の駆動用シリンダ５２を介
して上下動可能に取付けられている可動型５３と、下側
ベース５１に直接固定されている固定型５４に２分割構
成されている。

【００３４】さらに、可動型５３内にプラグアシスト５
５がスプリング５６により常時突出方向にバネ付勢され
た状態で、可動型５３の孔５７内に挿入されている。

【００３５】一方、付属装置６０としては、下側ベース
５１に固定されている木目込みバー６１と、さらにその
外周にエアシリンダ６２に連結され、上下方向に延びる
カット刃６３、さらにその外側に位置するクランプ装置
６４が装備されており、木目込みバー６１は、装飾シー
ト３０の一方側縁ならびに下縁に沿って２辺に設定され
ているとともに、カット刃６３は、図３に示す装飾シー
ト３０のトリムカットライン３３に沿うように、３辺に
沿って設定されており、さらにクランプ装置６４は、図
３に示す装飾シート３０の周縁４辺を保持するように、
圧着用下型５０の４辺に沿って設定されている。

【００３６】次に、図５ないし図１０に基づいて、本発
明方法をドアトリム本体２０に対して装飾シート３０を
圧着する方法に適用して説明する。

【００３７】まず、図５に示すように、圧着用上型４０
の型面に沿ってドアトリム本体２０をセットするととも
に、図３に示すように、スリット３６を所定パターンに
沿って設けた装飾シート３０の周縁をクランプ装置６４
により保持した状態で、圧着用上下型４０，５０内に装
飾シート３０をセットする。このとき、ドアトリム本体
２０には接着剤がコーティングされている。

【００３８】このように、ドアトリム本体２０と装飾シ
ート３０のセット工程が完了すれば、駆動用シリンダ４
２が動作して、圧着用上型４０が下降し、図６に示すよ
うに、圧着用上型４０にセットされたドアトリム本体２
０は、圧着用下型５０に設けたプラグアシスト５５の先
端に先当たりする。

【００３９】このとき、プラグアシスト５５は、ドアト
リム本体２０の凹部に位置するように設定されているた
め、まず、ドアトリム本体２０の凹部面に装飾シート３
０をプラグアシスト５５により圧着させ、装飾シート３
０の展開率を小さく設定できる。

【００４０】さらに、装飾シート３０は、その周縁に沿
って、テンション方向と直交する方向に沿って複数のス
リット３５が形成されているため、スリット３５が口開
きすることにより、装飾シート３０をテンション方向に
伸ばすことができ、ドアトリム本体２０の曲面形状に沿
って装飾シート３０を容易に追従させることができる。

【００４１】その後、圧着用上型４０がさらに下降し、
圧着用上型４０と圧着用下型５０の可動型５３とが係合
し、図７に示すように、ドアトリム本体２０に対して装
飾シート３０を圧着する。

【００４２】このとき、装飾シート３０に形成したスリ
ット３５がより口開きするため、装飾シート３０がテン
ション方向に沿って伸びるため、ドアトリム本体２０の
複雑な曲面形状に即して装飾シート３０を容易に追従さ
せることができる。

【００４３】すなわち、原反状態の装飾シート３０を製
品形状に絞り成形した際、図８に示すように、スリット
３５が開口３５´に移行することにより、装飾シート３
０がドアトリム本体２０の曲面部に追従することが容易
に理解できる。

【００４４】その後、図９に示すように、カット刃６３
がエアシリンダ６２の作動により上昇し、装飾シート３
０のトリムカットライン３３に沿ってトリムカット加工
を行なう。

【００４５】したがって、トリムカットライン３３に沿
ってカット刃６３により切断除去される端材予定部分３
４に、スリット３５から変化した開口３５´が形成され
ており、端材として除去すればよいため、この開口３５
´は製品表面に悪影響を与えることがない。

【００４６】トリムカット加工が完了すれば、カット刃
６３はエアシリンダ６２の作動により下降し、これにつ
れて圧着用下型５０の可動型５３も駆動用シリンダ５２
の動作により下降を始め、固定型５４の型面と可動型５
３の型面とが一致した時点で下降を停止する。

【００４７】そして、可動型５３と一体に、上型４０が
駆動用シリンダ４２の動作により下降し、圧着用下型５
０の固定型５４と圧着用上型４０との間で、ドアトリム
本体２０と装飾シート３０との圧着一体化を行なうとと
もに、ドアトリム本体２０の木目込み溝２３内に、木目
込み用バー６１が入り込むことにより、装飾シート３０
の切断端末を木目込み用溝部２３内に圧入する、いわゆ
る木目込み処理を行なう（図１０参照）。

【００４８】このように、本発明方法によれば、装飾シ
ート３０の端材予定部分３４に、装飾シート３０の圧着
加工時、テンション方向と直交する方向に延びるスリッ
ト３５を形成しておき、このスリット３５を装飾シート
３０の圧着加工時、口開きさせることにより、装飾シー
ト３０をドアトリム本体２０の複雑な曲面部に追従させ
るようにしたため、スリット３５のスリット長さやスリ
ット間隔を調整するだけで、装飾シート３０の仕様や伸
び特性の変化に容易に対応することができ、造形形状の
対応についても容易に行なえるという利点がある。

【００４９】上述した実施例では、金型構造の簡素化を
図り、装飾シート３０の追従性を高めるために、クラン
プ装置６４として、廉価な固定式のものを使用し、圧着
用下型５０にプラグアシスト５５を設置したが、装飾シ
ート３０の仕様や製品の造形形状によっては、可動式ク
ランプ装置を使用することも可能であり、また、プラグ
アシスト５５を省略しても良い。

【００５０】次に、図１１，図１２に基づいて、本発明
方法の第２実施例について説明する。

【００５１】本実施例においては、図１１に示すよう
に、装飾シート３０の周縁部ではなく、開口予定部分３
６に、スリット３７を設けることが特徴である。

【００５２】すなわち、インサイドハンドルエスカッシ
ョンおよびパワーウインドウスイッチユニットを取付け
るための開口に対応する箇所３６に装飾シート３０に加
わるテンション方向と直交する方向にスリット３７を設
ける。

【００５３】そして、本実施例においても、装飾シート
３０を圧着用上下型４０，５０によりドアトリム本体２
０に圧着加工する際、図１２に示すように、スリット３
７が開口３７´のように口開きをするため、テンション
に沿って装飾シート３０がドアトリム本体２０の曲面部
に追従することになり、この開口３７´は後工程のピア
ス工程で打ち抜かれ、インサイドハンドルエスカッショ
ンやパワーウインドウスイッチユニットが取付けられる
ことになるため、製品表面には現われず、意匠性を損う
ことがない。

【００５４】このように、装飾シート３０に形成される
スリット３５，３７としては、端材として除去される部
位に設定すれば良いため、第１実施例単独、第２実施例
単独、あるいは両実施例を組み合わせることも可能であ
る。

【００５５】

【発明の効果】以上説明した通り、本発明方法によれ
ば、以下に記載する格別の作用効果を有する。

【００５６】（１）装飾シートの端材予定部分に、圧着
時のテンション方向と直交する方向に延びるスリットを
形成することにより、装飾シートとトリム本体との圧着
加工時、装飾シートに設けたスリットを口開きさせ、ト
リム本体の曲面部に装飾シートを追従させることができ
るため、構造が複雑でかつ高価な可動式クランプ装置を
必ずしも必要とすることなく、装飾シートの良好な圧着
加工が可能となることから、型設備の簡素化に伴う大幅
なコストダウンを招来することができるという効果を有
する。

【００５７】（２）装飾シートの端材予定部分に、圧着
時のテンション方向と直交する方向に沿うスリットを設
け、トリム本体と装飾シートの圧着加工時、スリットを
口開きさせることにより、トリム本体の曲面部に装飾シ
ートを容易に追従させるようにしたものであるから、使
用する装飾シートの伸び特性や、トリムの展開率の変化
があっても、形成するスリットのスリット長さやスリッ
ト間隔を調整することにより、トリム部品の曲面形状や
装飾シートの伸び特性に合わせて装飾シートの仕様形態
を簡単に選択でき、従来のように、可動式クランプ装置
における可動量の制御のような面倒な制御方法に比べ、
管理が非常に容易なものとなり、生産性を著しく高める
ことができるという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明方法により製作された自動車用ドアトリ
ムを示す正面図。

【図２】図１中II−II線断面図。

【図３】本発明方法に使用する装飾シートの第１実施例
を示す平面図。

【図４】本発明方法に使用する圧着装置の全体構成を示
す断面図。

【図５】本発明方法の一工程を示すもので、圧着装置へ
の材料のセット工程を示す断面図。

【図６】本発明方法の一工程を示すもので、圧着用下型
と圧着用上型との先当たり状態を示す断面図。

【図７】本発明方法の一工程を示すもので、圧着用上型
と圧着用下型の可動型との係合状態を示す断面図。

【図８】本発明に使用する装飾シートの圧着状態を示す
平面図。

【図９】本発明方法の一工程を示すもので、装飾シート
のトリムカット工程を示す断面図。

【図１０】本発明方法の一工程を示すもので、木目込み
工程ならびに圧着用上型と固定型との係合状態を示す断
面図。

【図１１】本発明方法の第２実施例に使用する装飾シー
トの平面図。

【図１２】図１１に示す装飾シートの圧着状態を示す平
面図。

【図１３】従来の自動車用ドアトリムの構成を示す断面
図。

【図１４】従来の装飾シートの圧着方法に使用する圧着
装置の構成を示す断面図。

【図１５】従来の装飾シートの圧着方法に使用する圧着
装置の先願例を示す断面図。

【符号の説明】

１０ 自動車用ドアトリム ２０ ドアトリム本体 ２１ 芯材 ２２ 表皮材 ２３ 木目込み溝 ３０ 装飾シート ３１ クロス ３３ トリムカットライン ３４，３６ 端材予定部分 ３５，３７ スリット ３５´，３７´ 開口 ４０ 圧着用上型 ４２ 駆動用シリンダ ５０ 圧着用下型 ５２ 駆動用シリンダ ５３ 可動型 ５４ 固定型 ６１ 木目込み用バー ６３ カット刃 ６４ クランプ装置

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所望の曲面形状に成形されたトリム本体
   （２０）と、このトリム本体（２０）の表面所定箇所に
   装着される装飾シート（３０）とから自動車用内装部品
   （１０）が構成されるとともに、上記装飾シート（３
   ０）をトリム本体（２０）の曲面部に圧着する自動車用
   内装部品における装飾シートの圧着方法において、 前記装飾シート（３０）には、その端材予定部分（３
   ４，３６）に、圧着時のテンション方向と直交する方向
   に沿って、延びるスリット（３５，３７）が形成されて
   おり、トリム本体（２０）をセットした圧着用上型（４
   ０）を、上記装飾シート（３０）の周縁をクランプ装置
   （６４）により保持した状態でセットした圧着用下型
   （５０）に対して下降させるとともに、圧着用上下型
   （４０，５０）の係合時、装飾シート（３０）に設けた
   スリット（３５，３７）を口開きさせることにより、ト
   リム本体（２０）の曲面部に装飾シート（３０）を馴染
   ませ、トリム本体（２０）に対して装飾シート（３０）
   を圧着することを特徴とする自動車用内装部品における
   装飾シートの圧着方法。
2. 【請求項２】 前記装飾シート（３０）に形成されるス
   リット（３５）は、装飾シート（３０）のトリムカット
   形状に沿うトリムカットライン（３３）の外側に沿う端
   材予定部分（３４）にスリット群として形成されている
   ことを特徴とする請求項１記載の自動車用内装部品にお
   ける装飾シートの圧着方法。
3. 【請求項３】 前記装飾シート（３０）に形成されるス
   リット（３７）は、インサイドハンドルエスカッショ
   ン，パワーウインドウスイッチユニット等の開口予定箇
   所（３６）に形成されていることを特徴とする請求項１
   記載の自動車用内装部品における装飾シートの圧着方
   法。