JP2017056624A - 成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
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電子機器の筐体向けでは、新た(固有)な目的として、加飾対象である電子機器の操作パネルの表示に応じた動作を機器に実行させるため、機器の駆動回路への電気信号を伝達する機能を付加する必要がある。
具体的には、操作パネルのボタン表示部に触れたことを検出するタッチパネル(タッチセンサー,タッチパッド:以下、それらは同義語として用いる)の機能を、成形品に併せ持たせる要求である。
また、フィルム状のセンサ形態への適用の上では、抵抗膜方式,投影型静電容量方式に優位性がある。
ベースフィルムと、前記ベースフィルムの一方の面に設けられた、少なくとも一層以上からなる加飾層とを備えるインサート成形用加飾フィルムを一対の射出成形用金型間に供給し、前記一対の射出成形用金型によって形成されたキャビティ内に前記インサート成形用加飾フィルムのベースフィルムとは反対側より、加熱加圧した溶融樹脂を充填後、前記一対の射出成形用金型を開放し、前記インサート成形用加飾フィルムの加飾層を樹脂成形品の表面に形成するフィルムインサート成形品の製造方法において、
前記インサート成形用加飾フィルムを一対の射出成形用金型間に供給する際に、タッチセンサーを構成する電極配線層を形成してなるセンサーフィルムを、前記インサート成形用加飾フィルムの加飾層側に配置した状態で、前記インサート成形用加飾フィルムと積層一体化して、一方の射出成形用金型面に沿わせて配置することを特徴とする。
一対の射出成形用金型の一方のモールドにインサート成形用加飾フィルム,他方のモールドにタッチセンサーを構成する電極配線層を形成してなるセンサーフィルムを配置した上で、前記一対の射出成形用金型によって形成されたキャビティ内に、加熱加圧した溶融樹脂を充填後、前記一対の射出成形用金型を開放し、前記加飾フィルムの加飾層および前記センサーフィルムを樹脂成形品の表面に形成することを特徴とする。
フィルムインサート成形品の形状が曲率(凹凸)を有する場合、センサーフィルムが平坦には形成されず、形状に応じた伸縮を受けてしわ,たるみを伴い、配線パターンの変形や破損を伴う惧れがある。
図3に示すフィルムインサート成形品1は、樹脂成形品6の表面(図1における上面)に、インサート成形用加飾フィルム5とセンサーフィルム15を積層してなる複合フィルム20を形成してなる。
複合フィルム20のセンサーフィルム15(反加飾フィルム5側)には、樹脂成形品6の表面に接着させるための接着層4を備えている。
ベースフィルム2は、加飾層3を支持し3次元形状を有する樹脂成形品6への加飾を可能とするものであり、またその厚みによってインサート成形用加飾フィルム5による加飾に深みを与えるものである。ベースフィルム2の材料は、ポリエステル系(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)や、オレフィン系、アクリル、ポリイミド系が使用できる。
加飾層3は、金属薄膜層のみからなるもの、あるいはインキ層と金属薄膜層との組合せからなるものであってもよい。金属薄膜層の形成方法としては、真空蒸着法,スパッタリング法,イオンプレーティング法等が挙げられる。真空蒸着法は、真空中で蒸着材料を加熱蒸発させ、蒸着対象物の表面にそれを析出させる方法である。スパッタリング法は、アルゴンガス中でグロー放電を行うことでアルゴンイオンを生成し、生成したアルゴンイオンを加速してターゲットに衝突させ、ターゲットを飛散させて対象物にその飛散原料を付着させる方法である。イオンプレーティング法は、低圧のアルゴンガス中で蒸着原料を蒸発させ、その蒸着原料の原子・分子をグロー放電領域中に通過させることでイオン化、励起させ、その中性状態の粒子とともにマイナスの高電圧をかけた蒸着対象物に析出させるという方法である。
センサーフィルム15の一例では、基材と、基材の観察者側(加飾フィルム側)の面に設けられた複数の第1検出パターンと、基材の表示装置側(樹脂成形物側)の面に設けられた複数の第2検出パターンと、を備えている。
第1・第2検出パターンは、例えば直交座標を規定するx方向の電極配線層およびy方向の電極配線層がそれぞれ形成され、投影型静電容量方式タッチセンサーフィルムを構成するタイプが例示されるが、それに限らず、種々の変形例が適用されうる。
例えば、1枚の基材の表裏に電極配線層が形成されてなる「GF2タイプ」のタッチセンサーフィルムに限らず、基材の片面に電極配線層が形成されてなる2枚のフィルムを組み合わせてなる「GFFタイプ」のタッチセンサーフィルムでも良く、あるいは電極配線層が極座標を規定するタイプでも良い。また、投影型静電容量方式タッチセンサーフィルム以外の方式(抵抗膜方式,表面弾性波方式,赤外線方式,電磁誘導方式,表面型静電容量方式)の何れも採用されうる。
本発明の用途(非ディスプレイ)では、センサーフィルム15には透光性,透明性は不要であり、基材は誘電性を持つ材質であれば良く、第1検出パターン,第2検出パターンにも透明性は要求されず、導電性を有する導電材料から構成される。
第2実施形態では、成形品の一方の表面だけではなく、同図の上方には加飾フィルム5,下方にはセンサーフィルム15が、それぞれ成形樹脂層を介して離間して形成されてなる点で第1実施形態と相違する。
図4〜図6において、図1〜図3に示す部材と同一の部材については同一の符号を付し、その説明を省略することがある。
樹脂成形品6の樹脂厚が過剰だと、ユーザーの接触を検知する感度低下が問題となるが、成形品がアクリル樹脂材料の5mm厚程度(誘電率比では、ガラス10mm相当)まではポインティングデバイス(センサー)としての感度には問題ないことが確認されている。本実施形態においては、樹脂厚(タッチ面とセンサーの離間距離)を2mm程度に設定している。
実施形態1,2に共通して適用可能で、本発明における他の主要部である「センサーフィルムへの切り込み形成」について説明する。
最終的な成形品の外装となる加飾フィルム5では、筐体の美観を損ねることにつながるため、積極的には採用されないが、筐体の内面(反ユーザー側)に形成され、美観低下の問題が少なく機能確保が優先されるセンサーフィルムのインサート成形では、以下の改善が有効である。
意匠的,機能的な目的で、各種の凹凸や曲率を具備する多岐な3次元形状の成形用金型によるフィルムインサート成形に対応する必要がある。
既存のフィルムインサート成形における準備段階で、成形用金型の型面に設置する加飾フィルムに、予め型面になじませるためのプレ加工を施すことが行なわれている。
すなわち、フィルムインサート成形時と同一あるいは同様な形状の型面に沿わせやすい様に、予め平坦な加飾フィルムを加工するため、加熱による軟化〜真空・圧空・プレス成形を加え、不要箇所のトリミングなどを施しておく前処理である。
元々が平坦なフィルムセンサを、多岐な3次元形状の成形用金型の型面に沿わせやすくする上で、本発明では、フィルムセンサの所定箇所への切り込み形成を行なう。
2 ベースフィルム
3 加飾層
4 接着層
5 インサート成形用加飾フィルム
6 樹脂成形品
8,9 射出成形用金型
15 センサーフィルム
20 加飾フィルム5とセンサーフィルム15とを積層してなる複合フィルム
Claims (5)
- ベースフィルムと、前記ベースフィルムの一方の面に設けられた、少なくとも一層以上からなる加飾層とを備えるインサート成形用加飾フィルムを一対の射出成形用金型間に供給し、前記一対の射出成形用金型によって形成されたキャビティ内に前記インサート成形用加飾フィルムのベースフィルムとは反対側より、加熱加圧した溶融樹脂を充填後、前記一対の射出成形用金型を開放し、前記インサート成形用加飾フィルムの加飾層を樹脂成形品の表面に形成するフィルムインサート成形品の製造方法において、
前記インサート成形用加飾フィルムを一対の射出成形用金型間に供給する際に、タッチセンサーを構成する電極配線層を形成してなるセンサーフィルムを、前記インサート成形用加飾フィルムの加飾層側に配置した状態で、前記インサート成形用加飾フィルムと積層一体化して、一方の射出成形用金型面に沿わせて配置することを特徴とするフィルムインサート成形品の製造方法。 - 一対の射出成形用金型の一方のモールドにインサート成形用加飾フィルム,他方のモールドにタッチセンサーを構成する電極配線層を形成してなるセンサーフィルムを配置した上で、前記一対の射出成形用金型によって形成されたキャビティ内に、加熱加圧した溶融樹脂を充填後、前記一対の射出成形用金型を開放し、前記加飾フィルムの加飾層および前記センサーフィルムを樹脂成形品の表面に形成することを特徴とするフィルムインサート成形品の製造方法。
- フィルムインサート成形品の形状(凹凸,曲率)に依存してインサート成形用加飾フィルムおよびセンサーフィルムに伸縮を生じせしめる応力を分散・緩和させるように、前記センサーフィルムの予め設計された箇所に切込みを入れることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルムインサート成形品の製造方法。
- 前記センサーフィルムは、1枚のベースフィルムの表裏に、直交座標を規定するx方向の電極配線層およびy方向の電極配線層がそれぞれ形成されてなる投影型静電容量方式タッチセンサーフィルムであることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルムインサート成形品の製造方法。
- 前記センサーフィルムは、片面に直交座標を規定するx方向の電極配線層が形成されたベースフィルムと、片面に直交座標を規定するy方向の電極配線層が形成されたベースフィルムの2枚を組合せて積層されてなる投影型静電容量方式タッチセンサーであることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルムインサート成形品の製造方法。
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