JP2003062846A - ボード製品の成形方法及びそれに用いる成形装置 - Google Patents
ボード製品の成形方法及びそれに用いる成形装置Info
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Abstract
成形と、このボード基材に対する表皮材の接着とを同時
に行え、しかもボード基材の開口部に巻き込むための表
皮片を確保できるようにする。 【解決手段】 繊維マットを加熱・圧縮することで所定
形状のボード基材14を成形するとともに、このボード
基材14に表皮材16を接着するボード製品の成形方法
であって、表皮材16において、ボード基材14に開口
部を形成することが予定されている箇所と対応する部分
を切断するとともに巻き込み用の表皮片18を形成す
る。そして、この表皮片18よりも突出した位置にある
カット刃によりボード基材14に開口部を形成する。ま
たボード基材14の成形と同時にその表側に表皮材14
を接着し、その後に開口部の縁を被うように表皮片18
をボード基材14の裏側へ巻き込む。
Description
あるドアトリムなどのボード製品であって、とくにポケ
ット用などの開口部をもつボード製品の成形方法及びそ
れに用いる成形装置に関する。
けるボード基材として、天然繊維と樹脂繊維とを混合し
た繊維マットを加熱・圧縮して所定の形状に成形したも
のが用いられている。この場合のボード製品の成形手順
としては、まずボード基材を熱プレス機などによって成
形し、この成形時あるいは成形後にポケット用の開口部
を形成しておく。つぎにボード基材の表面に接着剤を塗
布し、接着剤に含まれている溶剤を取り除くために乾燥
した後、ボード基材を真空成形型にセットする。そして
接着剤が塗布されているボード基材の表面に表皮材を載
せるとともに、このボード基材の裏面側から吸引するこ
とで、表皮材がボード基材の表面形状に倣って接着され
る。
基材を真空成形型から取り出すとともに、ポケット用の
開口部において表皮材を部分的に切り取り、かつその周
囲に切り込みを入れて巻き込み用の表皮片を形成する。
この表皮片を、それによって開口部の縁を被うようにボ
ード基材の裏面側に巻き込んで仕上げる。なお表皮片も
接着剤を用いてボード基材に接着する。
ード基材の成形と表皮材の接着とを個別に行っているの
で、このボード基材に対する接着剤の塗布およびその乾
燥工程を経た後に表皮材を接着するといった手順をとら
なければならない。結果としてドアトリムなどのボード
製品の成形工程が多くなり、設備費ならびに作業工数が
増えてコストアップにつながる。
ド基材の成形と該ボード基材に対する表皮材の接着とを
同時に行えばよいのであるが、その場合にはボード基材
の開口部となる箇所にも表皮材が接着されてしまう。し
たがってこの成形時あるいは成形後にボード基材の開口
部となる部分を切り取ると、表皮材も一緒に切り取られ
て巻き込み用の表皮片を確保することができない。な
お、これは繊維マットを加熱・圧縮してボード基材を成
形する場合の課題であって、例えば樹脂材の射出成形な
どによって開口部を有するボード基材を成形する場合に
は、その成形と同時に表皮材の接着を行い、かつこの表
皮材に巻き込み用の表皮片を確保することができる。
で、その目的は、繊維マットの加熱・圧縮によるボード
基材の成形と、このボード基材に対する表皮材の接着と
を同時に行え、しかもボード基材の開口部に巻き込むた
めの表皮片を確保できるようにすることである。
するためのもので、請求項1に記載の発明は、繊維マッ
トを加熱・圧縮することで所定形状のボード基材を成形
するとともに、このボード基材に表皮材を接着するボー
ド製品の成形方法であって、表皮材において、ボード基
材に開口部を形成することが予定されている箇所と対応
する部分を切断するとともに巻き込み用の表皮片を形成
する。そして、この表皮片よりも突出した位置にあるカ
ット刃によりボード基材に開口部を形成する。またボー
ド基材の成形と同時にその表側に表皮材を接着し、その
後に開口部の縁を被うように表皮片をボード基材の裏側
へ巻き込む。
樹脂繊維とを混合した繊維マットを用いてボード基材を
成形する場合であっても、このボード基材の成形と、該
ボード基材に対する表皮材の接着とを同時に行える。し
かもこの表皮材には開口部の縁を被うための表皮片が確
保される。このためボード基材の成形後に表皮材を接着
剤で接着するのと比べ、ボード基材に対する接着剤の塗
布およびその乾燥工程を経た後に表皮材を接着するとい
った手順が不要となる。結果として繊維マットを用いた
ボード基材によるボード製品の成形における設備費なら
びに作業工数が大幅に削減される。
されたボード製品の成形方法であって、表皮材を上下型
の一方にセットするとともに、その型に装着された刃物
ブロックの表皮カット刃で表皮材を切断するとともに表
皮片を形成する。これと並行して上下型の他方に繊維マ
ットが予備成形されたものをセットする。この後、上下
型の型締め状態において刃物ブロックの基材カット刃に
よってボード基材に開口部を形成する。そして上下型の
型締めによってボード基材の成形と同時にその表側に表
皮材を接着する。これにより、ボード製品の成形におけ
る前記の機能を、普及タイプのプレス金型を利用して発
揮することができる。
されたボード製品の成形方法であって、表皮材がセット
される方の型に内蔵された刃物ブロックを進出させるこ
とにより、その表皮カット刃で表皮材を切断するととも
に表皮片を形成する。そして刃物ブロックを後退させる
ことで表皮片を型の内部側に引き込む。このように上下
型の一方に内蔵された刃物ブロックを進退動作させると
いった操作だけで、表皮材に対して表皮片を形成した
後、この表皮片を型の内部側に引き込むといった二種類
の処理が完了するので、作業性が向上する。
されたボード製品の成形方法であって、ボード基材の成
形および前記表皮材の接着を終えた後、刃物ブロックを
進出させることによりその基材カット刃でボード基材に
開口部を形成するための加工を行う。これにより、刃物
ブロックを進退動作させるだけで表皮材に表皮片を形成
してそれを型の内部側に引き込み、さらにはボード基材
に開口部を形成することができ、これらの処理を個別に
行うのと比べれば作業効率が格段に向上する。なお「開
口部を形成するための加工」とは、ボード基材の開口部
となる部分を完全に切り取る加工と、ボード基材に切り
目を入れるだけの加工とを含む。
されたボード製品の成形方法であって、上下型の一方に
表皮材をセットした状態で、その型に刃物ブロックを装
着することによりその表皮カット刃で表皮材を切断する
とともに表皮片を形成する。また、その表皮片を型の成
形面と刃物ブロックとの間に挟み込んだ状態に保持す
る。このように表皮材がセットされた型に対し、例えば
ロボットにより刃物ブロックを装着することにより、こ
の装着工程を利用して表皮材に表皮片を形成できるので
有利である。
されたボード製品の成形方法であって、上下型の型締め
によって刃物ブロックの基材カット刃によってボード基
材を切断して開口部を形成する。表皮材がセットされた
型に刃物ブロックを装着することで表皮片を形成でき、
しかもこの刃物ブロックにより上下型の型締め状態にお
いてボード基材に開口部を形成することができるので、
作業性がよい。
されたボード製品の成形方法に用いる成形装置であっ
て、型締めおよび型開きが可能な上下型の一方が表皮材
のセットが可能で、かつ上下型の他方がボード基材のセ
ット可能になっている。表皮材がセットされる側の型に
対して刃物ブロックが進退動作可能に内蔵されている。
この刃物ブロックの進出動作によって表皮材を切断する
とともに表皮材に切り込みを入れて巻き込み用の表皮片
を形成することが可能である。また刃物ブロックの後退
動作によって表皮片を型の内部側に引き込むことが可能
になっている。
されたボード製品の成形装置であって、刃物ブロックが
型に内蔵されたシリンダの駆動制御によって進退動作す
る構成になっている。
されたボード製品の成形方法に用いる成形装置であっ
て、型締めおよび型開きが可能な上下型の一方が表皮材
のセットが可能で、かつ上下型の他方がボード基材のセ
ット可能になっている。表皮材がセットされる側の型が
刃物ブロックの装着可能である。この装着によって表皮
材を切断するとともに表皮材に切り込みを入れて巻き込
み用の表皮片を形成することが可能であり、かつその表
皮片を型の成形面と刃物ブロックとの間に挟み込んだ状
態に保持することが可能になっている。
又は9に記載されたボード製品の成形装置であって、刃
物ブロックが表皮材を切断し、かつ表皮材に切り込みを
入れる表皮カット刃と、ボード基材を切断して開口部を
形成する基材カット刃とを備えている。
する。まず図1〜10により実施の形態1を説明する。
図1はボード製品としてのドアトリム10を表した外観
斜視図、図2は図1のII−II線矢視方向の断面図であ
る。これらの図面で示すようにドアトリム10はボード
基材14の表面が表皮材16で被われているとともに、
表面から裏面に貫通するポケット用開口12を備えてい
る。なお本実施の形態におけるボード基材14は、繊維
マットをプレス機で加熱・圧縮することによって所定の
形状に成形されたものである。
金型20を型開き状態で表した断面図である。このプレ
ス金型20は上型22(可動型)と下型24(固定型)
とからなり、上型22はその内部にバキュームチャンバ
26を備えている。このバキュームチャンバ26にはバ
キュームポンプ(図示外)などから負圧を作用させるこ
とが可能であり、またバキュームチャンバ26と上型2
2の成形面22aとは複数個の小孔28によって連通し
ている。
れており、そのシリンダロッド31の端部には可動刃3
2(刃物ブロック)が固定されている。この可動刃32
はシリンダロッド31が押し出されることで、上型22
の成形面22aに突出する。ただしシリンダロッド31
が引き込まれている状態での可動刃32は、成形面22
aから引っ込んだ位置にある。図4は刃物ブロックとし
ての可動刃32を拡大して表した斜視図である。この図
面で明らかなように可動刃32は、ドアトリム10にお
けるポケット用開口12の輪郭に対応した外形状の本体
35と、この本体35の端面に設けられた表皮カット刃
33および基材カット刃34とによって構成されてい
る。
に対応する部分の表皮材16を切るためのもので、この
表皮材16を部分的に切り取るループ形状の刃33a
と、その外側における複数箇所に切り込みを入れるフィ
ン形状の刃33bとからなっている。一方、基材カット
刃34は、ポケット用開口12になる部分のボード基材
14を切るためのもので、表皮カット刃33の外側にお
いて本体35の外周に沿ったループ形状に設定されてい
る。また本体35においてシリンダロッド31と連結さ
れている側には、後述する表皮片18を上型22の内部
側に引き込むための段付き状の引き込み部35aが形成
されている。
6が内蔵されており、そのシリンダロッド37の端部に
は支持体38が固定されている。この支持体38は可動
刃32の本体35とほぼ同じ外形状をしているととも
に、その端面が下型24の成形面24aとほぼ同一面と
なるようにシリンダ36により位置決めできるようにな
っている。そしてこの支持体38についても、シリンダ
36のシリンダロッド37が押し出されることで下型2
4の成形面24aから突出し、逆にシリンダロッド37
が引き込まれることによって成形面24aから入り込
む。なおシリンダ36と上型22のシリンダ30との軸
線は互いに平行に設定されており、型締め時には相互の
軸線が一直線となる。
成形について説明する。まず図3で示す型開き状態にお
いて上型22に表皮材16をセットし、かつバキューム
チャンバ26に負圧を作用させる。これにより各小孔2
8を通じて表皮材16が上型22の成形面22aに吸い
付けられ、この表皮材16が図5で示すように成形面2
2aに倣った形状に保持(真空引き)される。
たまま、図6で示すようにシリンダ30のシリンダロッ
ド31を押し出して可動刃32を成形面22aよりも突
出する位置に進出させる。この結果、可動刃32の表皮
カット刃33によって表皮材16が既に説明したように
部分的に切り取られ、かつ切り取られた部分の周囲に複
数の切り込みが入れられて表皮片18がつくられる。こ
の後、図7(A)に示すようにシリンダロッド31を引
き込んで可動刃32を後退させるとともに、下型24に
対して高温に加熱された繊維マットによる予備成形品1
4Aをセットする。なお予備成形品14Aは、ケナフや
綿といった天然繊維とポリプロピレンなどの熱可塑性の
樹脂繊維とを混合してマット状にした繊維マットをある
程度の形状に圧縮成形したものである。
より、図7(B)で示すように表皮片18が可動刃32
における引き込み部35aに引っかけられて上型22の
内部側へ一時的に引き込まれる。この状態において基材
カット刃34は、各表皮片18よりも突出した位置にあ
る。つづいてバキュームチャンバ26に負圧を作用させ
たまま、上型22を下降させて図8で示す型締め状態と
する。これによって上型22および下型24における成
形面22a,24aの間で予備成形品14Aが圧縮され
てボード基材14が成形され、同時にこのボード基材1
4に表皮材16が接着される。この接着は、高温に加熱
された予備成形品14Aに含まれている樹脂の接着力に
よるものである。
引を止め、かつ型締め状態のままで図9に示すように上
型22側のシリンダ30のシリンダロッド31を再び押
し出し、それと同時に下型24側のシリンダ36のシリ
ンダロッド37を引き込む。これによって可動刃32が
進出するとともに支持体38が後退し、可動刃32の基
材カット刃34によってボード基材14が切り取られ、
ポケット用開口12のための開口部15(図10参照)
が形成される。
リム10を取り出すとともに、支持体38を下型24の
成形面24aから突出する位置まで進出させ、開口部1
5を形成するために切り取られたボード基材14の端材
14R(図9)を押し出す。図10(A)に型から取り
出したままのドアトリム10が示されている。そこで図
10(B)で示すように、ボード基材14にあけられて
いる開口部15の縁を被うように表皮片18をボード基
材14の裏面側に巻き込んで接着する。このときのボー
ド基材14に対する表皮片18の接着には、ボード基材
14の裏面を再度温めて樹脂を溶融させるか、あるいは
接着剤を使用する。
ボード基材14に対する表皮材16の接着を行うことが
できる。それにもかかわらず表皮片18については、そ
れを一時的にボード基材14に対する表皮材16の接合
面とは反対側に引き込んでおくことで、ボード基材14
に接着されることなく巻き込み可能な状態に確保され
る。したがって予備成形品14Aによってボード基材1
4を成形する場合において、従来のようにボード基材に
対する接着剤の塗布およびその乾燥工程を経た後に表皮
材を接着するといった手順をとるのと異なり、ドアトリ
ム10の成形工程が少なく、設備費ならびに作業工数を
低減できる。
るための他の手段として、図9で示す加工工程において
支持体38をほとんど後退させず、可動刃32の基材カ
ット刃34によってボード基材14に厚み方向の切り込
みを入れるだけにとどめる。そしてドアトリム10を型
から取り出した後、切り込みで囲まれた部分をハンマー
などで打ち抜いて開口部15を形成する。これにより、
ボード基材14の端材14Rを前記のように支持体38
で押し出して下型24から取り除くといった手間を省く
ことができる。またこの加工手段を専ら採用するのであ
れば、下型24からシリンダ36および支持体38を廃
止してもよい。
説明する。図11は実施の形態2における表皮材の真空
引き工程を表した断面図、図12は実施の形態2の刃物
ブロックであるポンチのみを表した斜視図である。実施
の形態2のプレス金型40(後で説明する図14参照)
においても、上型42のバキュームチャンバ(図示外)
に負圧を作用させることで、その成形面42aに表皮材
16を吸い付けた状態に保持(真空引き)できる(図1
1)。
42aにおいて開放された組込み空間46を備え、この
組込み空間46にはポンチ支持体50が図面の上下方向
に関して移動できるように組み付けられている。また組
込み空間46の内部には、ポンチ支持体50の奥におい
てバネ56が組み込まれており、このバネ56によって
ポンチ支持体50は成形面42aの側へ押されている。
ただし、ポンチ支持体50はそのフランジ52が組込み
空間46の段差部分に受け止められ、それによってバネ
56の弾性力による押し出し位置が規制されている。な
おポンチ支持体50には、そのほぼ中央部において成形
面42aの側に開放したガイド凹部54がある。
においてバキュームシリンダ48がそれぞれ設けられて
いる。両バキュームシリンダ48の内部には、ロック部
材58がそれぞれ図面の左右方向に関して移動可能に組
み込まれている。また両ロック部材58はそれぞれのシ
リンダ48から組込み空間46にまで貫通し、個々の先
端部が組込み空間46に突出可能となっている。両ロッ
ク部材58は、シリンダ48の内部に組み込まれたバネ
59によって組込み空間46に押し出される方向の弾性
力を受けている。しかも両シリンダ48の内部に対して
は負圧を作用させることが可能で、図11では負圧によ
りロック部材58がバネ59の弾性力に逆らって引き込
まれた状態が示されている。
は、その本体61の上端部にガイド突部62を備え、本
体61の下端部にフランジ64を備えた構造になってい
る。本体61は上型42の組込み空間46に挿入可能で
あり、ガイド突部62はポンチ支持体50のガイド凹部
54に挿入可能である。なおフランジ64は組込み空間
46よりも大きな寸法に設定されている。また本体61
の両サイドには、ポンチ60が組込み空間46に挿入さ
れたときにロック部材58の先端部が入り込むロック溝
66が形成されている。
トアーム80のポンチ取付け部82にセット可能であ
る。このセット状態では、ポンチ60の下面に形成され
ている二つの凹部68が、ポンチ取付け部82の上面に
設けられている突部84にはまり合って互いに位置決め
される。ロボットアーム80は、ポンチ60を上型42
のポンチ支持体50に向けて接近させた後、ポンチ60
を残して上型42から離れるように自動制御される。
る。まず本体61の上端周縁は、ポケット用開口12に
対応する部分の表皮材16を切断する表皮カット刃70
になっている。またガイド突部62の先端は、表皮材1
6を切り裂くための刃63になっている。またフランジ
64の上面には、表皮材16に切り込みを入れるための
複数枚の切り込み刃72がポンチ60の周方向に沿って
所定の間隔で設けられている。さらにフランジ64はポ
ケット用開口12の輪郭に対応した外形状になってお
り、その下端周縁はボード基材14を切断する基材カッ
ト刃76になっている。なおフランジ64の上面には、
各切り込み刃72よりも低く設定された押し付け面74
がポンチ60の周方向に連続して形成されている。
る。図11で示すように表皮材16を上型42の成形面
42aに吸い付けた真空引きの状態に保持するととも
に、ポンチ60をロボットアーム80のポンチ取付け部
82にセットする。ここでロボットの自動制御によるロ
ボットアーム80の作動により、まずポンチ60のガイ
ド突部62が刃63で表皮材16を切り裂きながらポン
チ支持体50のガイド凹部54に入る。さらにロボット
アーム80が作動し、ポンチ60がポンチ支持体50を
バネ56に逆らって押し上げながら組込み空間46の中
に挿入される。この挿入に伴い、表皮材16が表皮カッ
ト刃70によって組込み空間46の開放部の形状に切断
され、かつ切断された開口部の周縁には各切り込み刃7
2により複数の切り込みが入れられて表皮片18がつく
られる。
面で明らかなように、表皮カット刃70で切断された表
皮材16の端材16Rは、本体61の上端面とポンチ支
持体50の下端面との間に挟み込まれている。この時点
では両バキュームシリンダ48に対する負圧は解除され
ており、個々のロック部材58がバネ59によって本体
61のロック溝66にそれぞれ入り込んでいる。したが
ってポンチ60は上型42に装着された状態に保持され
る。
各切り込み刃72は、上型42に対してその成形面42
aから切り込まれた形状の逃がし溝47にそれぞれ入っ
ている。そしてポンチ60の押し付け面74が表皮片1
8の先端部を挟み込んだ状態で成形面42aに受け止め
られている。これにより、つぎに説明するボード基材1
4の切断時にポンチ60に加わる荷重をダイレクトに上
型42で受け止めることができる。なお成形面42aと
押し付け面74とで挟まれた表皮片18の先端部は押し
つぶされて変形するが、成形面42aとポンチ60のフ
ランジ64との間に位置している部分の表皮片18が押
しつぶされることはない。この部分の表皮片18の寸法
S(図13)をボード基材14の肉厚以上に設定してい
る。
まで、ロボットアーム80を上型42から離れた位置に
作動させる。この状態において表皮片18は成形面42
aとポンチ60のフランジ64との間に挟み込まれたま
まであり、当然のことながら基材カット刃76は表皮片
18よりも突出した位置にある。そこで、ボード基材1
4の素材である繊維マットを実施の形態1と同様に加熱
して図14で示す下型44の成形面44aにセットし、
かつ上型42を下降させて型締め状態とする。これによ
って繊維マットが圧縮されてボード基材14が成形さ
れ、同時にボード基材14の表面に表皮材16が接着さ
れる。
入る大きさで、かつ成形面44aで開放した空間78が
あり、型締めによって空間78にフランジ64が入り込
むのと同時に基材カット刃76でボード基材14が切断
される(図14)。これによってボード基材14には、
ドアトリム10におけるポケット用開口12のための開
口部が形成される。このボード基材14の切断時におい
て、ポンチ60に作用する荷重は先に説明したように上
型42でダイレクトに受けられるので、例えばロック部
材58に余分な負荷がかかることがない。なお基材カッ
ト刃76で切断されたボード基材14の端材14Rは空
間78の底で受けられている。
リム10を取り出すとともに、ロボットアーム80を作
動させてポンチ60をポンチ取付け部82に対し、最初
のセット状態に支持する。これと並行して上型42の両
バキュームシリンダ48に再び負圧を作用させ、個々の
ロック部材58をバネ59に逆らって後退させること
で、それぞれの先端部をポンチ60のロック溝66から
抜き取る。そこでロボットアーム80を作動させ、ポン
チ60を例えば図11で示すように上型42の組込み空
間46から取り外す。なおボード基材14の端材14R
を下型44の空間78から回収し、表皮材16の端材1
6Rはポンチ60に付いて運ばれるので、そこから回収
する。
部の縁を被うように表皮材16の各表皮片18をこのボ
ード基材14の裏面側に巻き込んで接着するのは、実施
の形態1の場合と同様である。ただ、実施の形態2では
既に説明したように表皮片18の先端部が、上型42の
成形面42aとポンチ60の押し付け面74とで挟み付
けられて変形する。しかしながら表皮片18は、ボード
基材14の開口縁を被うのに必要な寸法S(図13)の
範囲では変形やキズが生じないので、ドアトリム10に
おけるポケット用開口12の仕上がりを損なうことはな
い。
に表皮材16をセットした状態で、この上型42にポン
チ60(刃物ブロック)を装着することにより、表皮カ
ット刃70および各切り込み刃72によって表皮片18
を形成することができる。また、この装着状態において
表皮片18よりも突出した位置に基材カット刃76があ
るので、表皮片18を確保したまま基材カット刃76で
ボード基材14を切断できる。
視図
表した断面図
引き工程を表した断面図
た断面図
型に対する予備成形品のセット工程を表した断面図
した断面図
図
を表した断面図
みを表した斜視図
表した断面図
程を表した断面図
Claims (10)
- 【請求項1】 繊維マットを加熱・圧縮することで所定
形状のボード基材を成形するとともに、このボード基材
に表皮材を接着するボード製品の成形方法であって、表
皮材において、ボード基材に開口部を形成することが予
定されている箇所と対応する部分を切断するとともに巻
き込み用の表皮片を形成し、この表皮片よりも突出した
位置にあるカット刃によりボード基材に開口部を形成す
るとともに、このボード基材の成形と同時にその表側に
表皮材を接着し、その後に開口部の縁を被うように表皮
片をボード基材の裏側へ巻き込むことを特徴としたボー
ド製品の成形方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載されたボード製品の成形
方法であって、表皮材を上下型の一方にセットするとと
もに、その型に装着された刃物ブロックの表皮カット刃
で表皮材を切断するとともに表皮片を形成し、これと並
行して上下型の他方に繊維マットが予備成形されたもの
をセットした後、この上下型の型締め状態において刃物
ブロックの基材カット刃によってボード基材に開口部を
形成するとともに、上下型の型締めによってボード基材
の成形と同時にその表側に表皮材を接着することを特徴
としたボード製品の成形方法。 - 【請求項3】 請求項2に記載されたボード製品の成形
方法であって、表皮材がセットされる方の型に内蔵され
た刃物ブロックを進出させることにより、その表皮カッ
ト刃で表皮材を切断するとともに表皮片を形成し、かつ
刃物ブロックを後退させることで表皮片を型の内部側に
引き込むことを特徴としたボード製品の成形方法。 - 【請求項4】 請求項3に記載されたボード製品の成形
方法であって、ボード基材の成形および前記表皮材の接
着を終えた後、刃物ブロックを進出させることによりそ
の基材カット刃でボード基材に開口部を形成するための
加工を行うことを特徴としたボード製品の成形方法。 - 【請求項5】 請求項2に記載されたボード製品の成形
方法であって、上下型の一方に表皮材をセットした状態
で、その型に刃物ブロックを装着することによりその表
皮カット刃で表皮材を切断するとともに表皮片を形成
し、かつその表皮片を型の成形面と刃物ブロックとの間
に挟み込んだ状態に保持することを特徴としたボード製
品の成形方法。 - 【請求項6】 請求項5に記載されたボード製品の成形
方法であって、上下型の型締めによって刃物ブロックの
基材カット刃によってボード基材を切断して開口部を形
成することことを特徴としたボード製品の成形方法。 - 【請求項7】 請求項2に記載されたボード製品の成形
方法に用いる成形装置であって、型締めおよび型開きが
可能な上下型の一方が表皮材のセットが可能で、かつ上
下型の他方がボード基材のセット可能になっており、表
皮材がセットされる側の型に対して刃物ブロックが進退
動作可能に内蔵され、この刃物ブロックの進出動作によ
って表皮材を切断するとともに表皮材に切り込みを入れ
て巻き込み用の表皮片を形成することが可能であり、ま
た刃物ブロックの後退動作によって表皮片を型の内部側
に引き込むことが可能になっているボード製品の成形装
置。 - 【請求項8】 請求項7に記載されたボード製品の成形
装置であって、刃物ブロックが型に内蔵されたシリンダ
の駆動制御によって進退動作する構成になっているボー
ド製品の成形装置。 - 【請求項9】 請求項2に記載されたボード製品の成形
方法に用いる成形装置であって、型締めおよび型開きが
可能な上下型の一方が表皮材のセットが可能で、かつ上
下型の他方がボード基材のセット可能になっており、表
皮材がセットされる側の型が刃物ブロックの装着可能
で、この装着によって表皮材を切断するとともに表皮材
に切り込みを入れて巻き込み用の表皮片を形成すること
が可能であり、かつその表皮片を型の成形面と刃物ブロ
ックとの間に挟み込んだ状態に保持することが可能にな
っているボード製品の成形装置。 - 【請求項10】 請求項7,8又は9に記載されたボー
ド製品の成形装置であって、刃物ブロックが表皮材を切
断し、かつ表皮材に切り込みを入れる表皮カット刃と、
ボード基材を切断して開口部を形成する基材カット刃と
を備えているボード製品の成形装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016026921A (ja) * | 2014-06-12 | 2016-02-18 | レイデル オートモーティヴ ベースローテン フェンノートシャップ | 熱成形モールド装置並びにその製造及び使用方法 |
KR101646875B1 (ko) * | 2015-05-27 | 2016-08-10 | 전주대학교 산학협력단 | 도어트림 컷팅장치 |
EP3222399A1 (de) * | 2016-03-23 | 2017-09-27 | SMP Deutschland GmbH | Vorrichtung und verfahren zum herstellen eines formpressteils, welches mindestens einen durchbruch aufweist |
CN107442772A (zh) * | 2017-09-18 | 2017-12-08 | 常州中车铁马科技实业有限公司 | 冲压机器及列车制动闸片粉末冶金压制成型方法 |
-
2001
- 2001-12-06 JP JP2001373364A patent/JP4110770B2/ja not_active Expired - Fee Related
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