JPH11105112A - 表皮付き中空成形品の製造方法 - Google Patents

表皮付き中空成形品の製造方法

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JPH11105112A
JPH11105112A JP9282792A JP28279297A JPH11105112A JP H11105112 A JPH11105112 A JP H11105112A JP 9282792 A JP9282792 A JP 9282792A JP 28279297 A JP28279297 A JP 28279297A JP H11105112 A JPH11105112 A JP H11105112A
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hollow molded
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molding
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Isao Kimura
功 木村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形品が凹部を有するものであっても表皮材
を完全に密着した表皮付き中空成形品を得る。 【解決手段】 熱可塑性プラスチック材料をブロー成形
して得られる表皮付き中空成形品の製造方法である。型
開きした金型間にパリスンを配置するとともに、基材3
に毛羽4を有する表皮材5をパリスンと金型との間にそ
の毛羽4の面が金型のキャビティ側に、かつ基材3の面
がパリスン側に対向するように配置する。表皮材5の基
材3には、成形品の凹部6が形成される部位に対応した
切り目を入れる。ブロー成形により表面に表皮材5が貼
着された表皮付き中空成形品を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘッドレスト、ア
ームレスト、カーゴフロアボックスなどの自動車用プラ
スチック成形品、建築物の内装壁、パーティション、扉
などのパネル状の建築用プラスチック成形品、その他の
プラスチック成形品であって表面に表皮材を貼着した表
皮付き中空成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、この種のプラスチック成形
品、特に、ヘッドレスト、アームレスト、カーゴボック
スなどの自動車用プラスチック成形品は、その表面の感
触を良好にし、意匠的効果をもたせるため、パネルの表
面に装飾布を貼ったものが用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば、自動車のカー
ゴボックスのように、プラスチックの成形体に凹部を形
成して別工程でハンドルを取り付ける場合、図8に示す
ように、ブロー成形時に表皮材cが凹部eの形状に正し
く沿わず、隅部fで少なくとも浮いてしまう現象を避け
ることが難しい。図8において、aは基材、bは毛羽、
dは成形体を示す。
【0004】ところで、特開平8−281779号公報
に記載されている技術のように、表皮材である樹脂シー
トに微小な孔を形成することにより、ブロー成形時に表
皮材を曲げやすくして、凹部の形状に正しく沿わせるこ
とで、隅部の浮きを防止することが考えられる。
【0005】しかしながら、表皮材の樹脂シートに微小
な孔を形成しているので、成形品の溶融樹脂が孔を通し
て表面側に滲出する現象を呈し、表皮材の外観性が損な
われるという欠点がある。
【0006】本発明の目的は、凹部を有する成形品に表
皮材を貼着する場合の上記問題点を解消しようとするも
のであって、中空成形品の凹部が形成される部位に対応
した基材の一部に切り目を入れることにより、ブロー成
形時に表皮材の基材を成形品の凹部に正しく沿わせるこ
とができ、成形品が凹部を有するものであっても表皮材
を全体にわたって完全に密着させた、しかも外観性が損
なわれることがない表皮付き中空成形品を得ることを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る表皮付き中
空成形品の製造方法は、熱可塑性プラスチック材料をブ
ロー成形して得られる表皮付き中空成形品の製造方法で
あって、型開きした金型間にパリスンを配置するととも
に、基材に毛羽を有しかつ中空成形品の凹部が形成され
る部位に対応した基材の一部に切り目を入れた表皮材を
パリスンと金型との間にその毛羽の面が金型のキャビテ
ィ側に、かつ基材面がパリスン側に対向するように配置
してブロー成形することにより、表面に表皮材が貼着さ
れた中空成形品を得ることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明の製造方法により製
造された表皮付き中空成形品の一例を示す全体斜視図、
図2は図1に示す表皮付き中空成形品のブロー成形態様
を示す断面図、図3は成形された表皮付き中空成形品の
一部を示す断面図、図4は中空成形品と表皮材の基材の
切れ目との関係を示す概要図、図5は図4の部分拡大斜
視図、図6は中空成形品と表皮材の基材の切れ目との他
の関係を示す概要図、図7は図6の部分拡大斜視図であ
る。なお、図4、図5、図6および図7においては表皮
材の毛羽を省略して示している。
【0009】図1において、1は表皮付き中空成形品で
ある。この表皮付き中空成形品1は、熱可塑性プラスチ
ック材料をブロー成形したものであり、ブロー成形時に
プラスチックの成形体2の表面に、図3に示すように基
材3に毛羽4を有する表皮材5を貼着して一体に形成し
てなるものである。表皮付き中空成形品1には凹部6が
形成されており、この凹部6の部分も他の部分と同様
に、基材3に毛羽4を有する表皮材5が一連に貼着され
ている。
【0010】本発明に係る表皮付き中空成形品1は、図
2に示す態様でブロー成形により製造される。図2にお
いて、7,8は一対の分割形式の金型であり、その一方
の金型7は、中空成形品1の裏壁を形成する凹状のキャ
ビテイ9を有し、他方の金型8は、中空成形品1の表壁
を形成する凹状のキャビティ10を有するとともに凹部
6を形成する凸部11を有している。12は押出ヘッド
である。
【0011】表皮付き中空成形品1をブロー成形するに
あたっては、図2に示すように金型7,8を開き、金型
7,8の間にパリスン13を配置するとともに、パリス
ン13と金型8のキャビティ10との間に、基材3に毛
羽4を有する表皮材5を配置する。この表皮材5は、そ
の基材3の面をパリスン13側に、毛羽4の面を金型8
のキャビティ10に対向するように配置する。表皮材5
の基材3には、凹部6を形成する凸部11に対応する部
位に、図4および図5に示すように凹部6の底面に対応
してその対角線方向に隅部に至るX状の切れ目14を入
れてある。この切れ目14は、図6および図7に示すよ
うに凹部6の底面に対応して凹部6の四隅部に達するよ
うにH状に入れてもよい。このように、切れ目14を凹
部6の隅部に達するように入れると、表皮材5の復元力
を最小限にすることができるので、凹部6において表皮
材6が完全に密着した表皮付き中空成形品を得ることが
できる。
【0012】図2の態様から、金型7,8を閉じ、パリ
スン13内に加圧流体を導入してブロー成形をすれば、
金型7,8のキャビティ9,10に沿った中空状の成形
体2が成形されるとともに、その表壁面には表皮材5が
押圧されて一体状に貼着され、図1に示すような表皮付
き中空成形品1が得られる。
【0013】すなわち、表皮材5は、基材3に毛羽4を
有するものであるから、その基材3が溶融状態の成形体
2の表面に貼着されるが、凹部6はキャビティ10の凸
部11に沿って形成され、この凹部6では表皮材5も凸
部11に押されて凹部6の面に沿って貼着される。この
場合、表皮材5の基材3には凹部6に対応する部位に切
れ目14が入っているので、凸部11に押されて凹部6
の面に押し付けられる基材3は凹部6の隅部にあっても
浮き上がることなく、表皮材5は凹部6の面に完全に沿
った状態で貼着される。また、成形品の溶融樹脂が表皮
材5の表面に滲出することがないので、表皮材5の外観
性を損なうことがない。
【0014】本発明において表皮付き中空成形品1を構
成する熱可塑性プラスチックは、ブロー成形が可能なも
のであればよいが、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン
樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹
脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−スチレン−ブタジ
エン樹脂)、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ
エステル樹脂、さらには、ポリカーボネート樹脂、変性
ポリフェニレンエーテル等のエンジニアリング・プラス
チックなどが好適である。
【0015】また、本発明において基材3に毛羽4を有
する表皮材5は、綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維、ビス
コースレーヨン、銅アンモニアレーヨン等の再生繊維、
アセテート、レーヨン、ナイロン等の合成繊維、これら
のブレンド繊維を加工して得られる編物、織物、不織布
や起毛した布地や剪毛した布地であり、またさらに、上
記基材3に接着性などを有する合成樹脂からなるスキン
層を形成したものであってもよい。
【0016】
【発明の効果】本発明に係る表皮付き成形品の製造方法
によれば、中空成形品の凹部が形成される部位に対応し
た基材の一部に切り目を入れることにより、ブロー成形
時に表皮材の基材を成形品の凹部に正しく沿わせること
ができ、成形品が凹部を有するものであっても表皮材を
全体にわたって完全に密着させた、しかも外観性が損な
われることがない表皮付き中空成形品を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により製造された表皮付き中
空成形品の一例を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示す表皮付き中空成形品のブロー成形態
様を示す断面図である。
【図3】成形された表皮付き中空成形品の一部を示す断
面図である。
【図4】中空成形品と表皮材の基材の切れ目との関係を
示す概要図である。
【図5】図3の部分拡大斜視図である。
【図6】中空成形品と表皮材の基材の切れ目との他の関
係を示す概要図である。
【図7】図5の部分拡大斜視図である。
【図8】従来の表皮付き中空成形品の一部を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 表皮付き中空成形品 2 プラスチックの成形体 3 基材 4 毛羽 5 表皮材 6 凹部 7,8 金型 9,10 キャビティ 11 凸部 12 押出ヘッド 13 パリスン 14 切れ目

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性プラスチック材料をブロー成形
    して得られる表皮付き中空成形品の製造方法であって、
    型開きした金型間にパリスンを配置するとともに、基材
    に毛羽を有しかつ中空成形品の凹部が形成される部位に
    対応した基材の一部に切り目を入れた表皮材をパリスン
    と金型との間にその毛羽の面が金型のキャビティ側に、
    かつ基材面がパリスン側に対向するように配置してブロ
    ー成形することにより、表面に表皮材が貼着された中空
    成形品を得ることを特徴とする表皮付き中空成形品の製
    造方法。
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Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0885123A (ja) * 1994-09-20 1996-04-02 Kasai Kogyo Co Ltd 自動車用内装部品における装飾シートの圧着方法
JPH08281779A (ja) * 1995-04-14 1996-10-29 Hayashi Gijutsu Kenkyusho:Kk 中空体の製造方法
JPH08323849A (ja) * 1995-05-30 1996-12-10 Kyoraku Co Ltd 布張り中空成形品の製造方法およびその装置

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