JPH08294957A - 布張り中空成形品およびその製造方法 - Google Patents

布張り中空成形品およびその製造方法

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JPH08294957A
JPH08294957A JP12569595A JP12569595A JPH08294957A JP H08294957 A JPH08294957 A JP H08294957A JP 12569595 A JP12569595 A JP 12569595A JP 12569595 A JP12569595 A JP 12569595A JP H08294957 A JPH08294957 A JP H08294957A
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Akira Murakami
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パネルの表面に張った装飾布の周辺部が剥が
れたり、また、特に毛足の長い装飾布であっても長い毛
足部が周縁部分からはみ出すことがなく、外観性にすぐ
れた布張り中空成形品、およびその製造方法を提供す
る。 【構成】 熱可塑性プラスチックをブロー成形してなる
中空構造のパネル1の意匠面をなす表面に、その周縁部
分より中空部側に低くした布張り面2を形成する。周縁
部分と布張り面2との境に、中空部側に窪む溝部3を形
成して周縁部分を布張り面に対して突出する縁取部4と
する。縁取部4で囲まれた布張り面2に装飾布5を張り
付ける。装飾布5は、ブロー成形時に一体成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物の内装壁、パー
ティション、扉などのパネル状の建築用中空成形品、ヘ
ッドレストやアームレストなどの自動車用中空成形品の
ようなプラスチック製中空構造の布張り中空成形品に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、この種の中空成形品、特に、
建築物の内装壁、パーティション、扉などをプラスチッ
ク製のパネル状の中空成形品は、そのパネルに意匠的効
果をもたせるため、パネルの表面に装飾布を張ったもの
も用いられている。
【0003】また、中空構造のプラスチック中空体をブ
ロー成形し、ブロー成形時に中空体の表面に織布を一体
成形する方法も、特開平3−69335号公報に記載さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、表面に装飾
布を張った中空体にあっては、その表面に張った装飾布
の周辺部が、手などの当たりによって次第にめくれあが
ったり、装飾布の縁がほつれたり、あるいは毛足の長い
装飾布の場合は周辺部の毛足部が周縁部分からはみ出す
など、比較的短期間のうちに外観が損なわれやすいもの
である。
【0005】また、中空体のブロー成形時に装飾布を一
体に成形する場合は、装飾布の毛足が長くなるほど周辺
部の毛足部がブロー過程で樹脂の移動に押されて、周辺
方向になぎ倒される現象を呈し、装飾布をその周辺部ま
で外観良好に一体成形することが難しい。
【0006】本発明は、上記のような問題点を解消しょ
うとするものであって、中空成形品の表面に張った装飾
布の周辺部が剥がれたり、また、特に毛足の長い装飾布
であっても長い毛足部が周縁部分からはみ出すことがな
く、外観性にすぐれた布張り中空成形品を提供すること
を目的とする。
【0007】また、本発明は、布張り中空成形品のブロ
ー成形時に装飾布を一体成形するにあたり、装飾布の毛
足部が長いものであっても、装飾布の周辺部の毛足部が
周辺方向になぎ倒されることなく、外観性にすぐれた布
張り中空成形品を製造する方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る布張り中空成形品は、熱可塑性プラスチ
ックをブロー成形してなる中空構造のパネルの成形品に
おいて、成形品の意匠面をなす表面にその周縁部分より
中空部側に低くした布張り面を形成し、上記周縁部分と
布張り面との境に中空部側に窪む溝部を形成して周縁部
分を布張り面に対して突出する縁取部とし、この縁取部
で囲まれた布張り面に装飾布を張り付けてなるものであ
る。
【0009】また、本発明に係る布張り中空成形品の製
造方法は、熱可塑性プラスチックからなる中空構造の成
形品をブロー成形する方法において、成形品の意匠面を
なす表面にその周縁部分より中空部側に低くした布張り
面を成形するキャビティと、周縁部分と布張り面との境
に中空部側に窪む溝部を成形するキャビティと、周縁部
分に布張り面より突出する縁取部を成形するキャビティ
を有する金型を用い、金型の上記溝部を成形するキャビ
ティに囲まれた布張り面を成形するキャビティに装飾布
を装填してブロー成形することにより、成形品の布張り
面に装飾布を張り付けるものである。
【0010】
【作用】本発明に係る布張り中空成形品によれば、成形
品の意匠面をなす表面にその周縁部分より中空部側に低
くした布張り面を形成し、周縁部分と布張り面との境に
中空部側に窪む溝部を形成して周縁部分を布張り面に対
して突出する縁取部としており、その縁取部で囲まれた
布張り面に装飾布を張り付けるので、布張り面に張り付
けた装飾布の周縁部分は、その張り付け面より突出して
いる縁取部により囲まれて保護される。
【0011】本発明に係る布張り中空成形品の製造方法
によれば、パネルの意匠面をなす表面にその周縁部分よ
り中空部側に低くした布張り面を成形するキャビティ
と、周縁部分と布張り面との境に中空部側に窪む溝部を
成形するキャビティと、周縁部分に布張り面より突出す
る縁取部を成形するキャビティを有する金型を用いて、
金型の上記溝部を成形するキャビティに囲まれた布張り
面を成形するキャビティに装飾布を装填してブロー成形
することにより、パネルの布張り面に装飾布を張り付け
るので、布張り中空成形品のブロー成形時に装飾布を一
体成形するにあたり、装飾布の毛足が長いものであって
も、装飾布の周辺部の毛足部が周辺方向になぎ倒される
ことなく、外観性にすぐれた布張り中空成形品が一体成
形される。
【0012】
【実施例】図1および図2は、本発明に係る布張り中空
成形品として、建築物の内壁やパーティションを構成す
るパネルを例示している。
【0013】図1において、1はパネルであって、この
パネル1は熱可塑性プラスチックをブロー成形したもの
である。パネル1は中空二重壁構造をなし、その表面
に、その周縁部分より中空部側に低くした布張り面2を
形成し、周縁部分と布張り面2との境に中空部側に窪む
溝部3を形成して、周縁部分を布張り面2に対して突出
する縁取部4としたものである。この縁取部4で囲まれ
た布張り面2には、装飾布5が張り付けられて、パネル
1の表面が意匠面をなしている。6は中空部、7は装飾
布5の基部、8はその起毛部である。
【0014】上記パネル1の表面において、布張り面2
は周縁部分の縁取部4よりHだけ中空部6側に低くなっ
ており、溝部3はさらにhだけ中空部6側に窪んでい
る。そして、布張り面2の周縁と縁取部4との境には溝
部3に相当する間隔9がとられており、布張り面2に張
り付けた装飾布5の周辺部の毛足部8aがその間隔9内
で自然に延びて、しかも縁取部4の立上り面によって外
方への広がりが押さえられている。また、布張り面2は
縁取部4より低く形成されているので、装飾布5の周辺
部が縁取部4により保護される。このため、装飾布5の
周辺部が剥がれたり、装飾布5の周辺部の毛足部8aが
外方に倒れることがなく、長期間にわたってパネル1の
意匠面の外観が良好に保たれる。
【0015】本発明に係るパネル1は、図3および図4
に示すように、熱可塑性プラスチックのブロー成形によ
り製造される。この図において、10,10は一対の分
割形式の金型であり、その一方の金型10には、パネル
の意匠面をなす表面にその周縁部分より中空部側に低く
した布張り面を成形するキャビティ11と、周縁部分と
布張り面11との境に中空部側に窪む溝部を成形するキ
ャビティ12と、周縁部分に布張り面より突出する縁取
部を成形するキャビティ13を有している。
【0016】上記のように構成された一対の分割形式の
金型10,10を用いて布張り中空成形品をブロー成形
するにあたっては、一方の金型10の布張り面を成形す
るキャビティ11に装飾布5をその起毛部8がキャビテ
ィ側で基部7が表面側となるように嵌め込み状に装填す
る(図3参照)。次いで、開かれた一対の分割形式の金
型10,10の間にパリスン14を配置し、一対の分割
形式の金型10,10を型締めして、パリスン14内に
圧力流体を導入すれば、パリスン14は金型10,10
のキャビティに沿った形状のパネルに成形されるととも
に、その布張り面には一方の金型10内に装填してあっ
た装飾布5が、その基部7がパリスン14に圧着され、
一体に成形される(図4参照)。
【0017】ところで、図3に示す状態から図4に示す
状態にパリスン14がブロー成形される過程では、装飾
布5の周辺部の樹脂が、内方に張り出している溝部を成
形するキャビティ12に沿って移動するので、樹脂の移
動により装飾布5の周辺部の毛足部8aが移動する樹脂
に押されることがない。このため、周辺部の毛足部8a
がなぎ倒される現象を呈しないので、ブロー成形によ
り、外観性にすぐれた布張り中空成形品が一体成形され
る。
【0018】
【発明の効果】本発明に係る布張り中空成形品によれ
ば、成形品の表面に張った装飾布の周辺部が剥がれた
り、また、特に毛足の長い装飾布であっても長い繊維が
周縁部分からはみ出すことがなく、外観性にすぐれたも
のが得られる。
【0019】また、本発明に係る布張り中空成形品の製
造方法によれば、布張り中空成形品のブロー成形時に装
飾布を一体成形するにあたり、装飾布の毛足が長いもの
であっても、装飾布の周辺部の繊維が周辺方向になぎ倒
されることなく、外観性にすぐれたものを製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る布張り中空成形品の一例を示す全
体斜視図である。
【図2】図1におけるA−A線拡大断面図である。
【図3】本発明に係る布張り中空成形品のブロー成形態
様を示す一部の断面図である。
【図4】図3の状態から型締めしてブロー成形後の状態
を示す一部の断面図である。
【符号の説明】
1 パネル 2 布張り面 3 溝部 4 縁取部 5 装飾布 6 中空部 7 装飾布の基部 8 起毛部 8a 毛足部 9 間隔 10 一対の分割形式の金型 11 布張り面を成形するキャビティ 12 溝部を成形するキャビティ 13 縁取部を成形するキャビティ 14 パリスン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性プラスチックをブロー成形して
    なる中空構造のパネルの成形品において、成形品の意匠
    面をなす表面にその周縁部分より中空部側に低くした布
    張り面を形成し、上記周縁部分と布張り面との境に中空
    部側に窪む溝部を形成して周縁部分を布張り面に対して
    突出する縁取部とし、この縁取部で囲まれた布張り面に
    装飾布を張り付けてなることを特徴とする布張り中空成
    形品。
  2. 【請求項2】 熱可塑性プラスチックからなる中空構造
    の成形品をブロー成形する方法において、成形品の意匠
    面をなす表面にその周縁部分より中空部側に低くした布
    張り面を成形するキャビティと、周縁部分と布張り面と
    の境に中空部側に窪む溝部を成形するキャビティと、周
    縁部分に布張り面より突出する縁取部を成形するキャビ
    ティを有する金型を用い、金型の上記溝部を成形するキ
    ャビティに囲まれた布張り面を成形するキャビティに装
    飾布を装填してブロー成形することにより、成形品の布
    張り面に装飾布を張り付けることを特徴とする布張り中
    空成形品の製造方法。
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US9974360B2 (en) 2015-04-08 2018-05-22 Nike, Inc. Method of manufacturing a bladder element with an etched feature and article having a bladder element with an etched feature
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