JPH04334437A - 自動車用内装部品における装飾シートの圧着方法および圧着装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、自動車用ドアトリム
等自動車用内装部品における装飾シートの圧着方法およ
び圧着装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】最近、自動車室内の居住性を高めるため
に、自動車用ドアトリム等の内装部品の材質をグレード
アップさせるか、あるいは、クロス等の装飾シートをド
アトリム表面の適宜箇所に装着する方法が試みられてい
る。

【０００３】図７は、自動車用ドアトリムの構成の概要
を示すもので、図面において、自動車用ドアトリムは、
所要形状に成形された芯材１の表面に表皮材２を貼着一
体化して形成したドアトリム本体３と、このドアトリム
本体３の表面適宜箇所に装飾性をさらに付与するために
装着されるクロス等の装飾シート４とから構成されてい
る。

【０００４】そして、ドアトリム本体３に対して装飾シ
ート４を装着する方法は、図８に示すように、圧着用上
型５にドアトリム本体３をセットするとともに、圧着用
下型６に装飾シート４を載置し、さらに装飾シート４の
周縁端末部をクランプ装置７により保持しておく。

【０００５】なお、圧着用下型６の外周には装飾シート
４をドアトリム本体３に圧着した後、所要外形状に沿っ
て切断する熱刃８と、装飾シート４の切断端末４ａをド
アトリム本体３の木目込み用溝部３ａ内に圧入する木目
込み用バー９が配設されている。

【０００６】そして、圧着用上下型５，６にドアトリム
本体３および装飾シート４のセット作業が完了すれば、
図９に示すように、圧着用上型５が圧着用下型６に対し
て下降し、圧着用上下型５，６によりドアトリム本体３
に対して装飾シート４が圧着される。

【０００７】このとき、ドアトリム本体３の表面側に接
着剤が予めコーティングされており、接着剤を介して装
飾シート４がドアトリム本体３の表面側に接着一体化さ
れる。

【０００８】その後、図１０に示すように、熱刃８が昇
降装置８ａの作動により、上昇し、装飾シート４を切断
し、トリムカット加工を行なった後、下降する。

【０００９】次いで、圧着用下型６が下降して、これと
同期して圧着用上型５も下降し、木目込み用バー９の先
端９ａがドアトリム本体３に形成された木目込み用溝部
３ａ内に入り込み、装飾シート４の切断端末４ａを溝部
３ａ内に圧入する、いわゆる木目込みが行なわれ、ドア
トリム本体３に対する装飾シート４の圧着工程が完了す
る。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来の装
飾シート４の圧着方法においては、圧着用上下型５，６
の係合作用により、ドアトリム本体３の表面側に装飾シ
ート４を圧着した後、熱刃８により装飾シートを所要外
形状にトリムカット加工を行なうというものであるから
、この熱刃８によるドアトリム本体３の悪影響を排除す
るために、プロテクタ等の付設が必要となり、工程数が
増えるとともに、プロテクタ等の付属設備も必要となり
、大巾なコストアップを招来するという不具合があった
。

【００１１】さらに、装飾シート４に多大の端材が生じ
、材料ロスが多く、製品コストの更なる高騰化を招くと
いう不具合も同時に指摘されている。

【００１２】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたもので、本発明の目的とするところは、トリム本体
に装飾シートを圧着する圧着方法および圧着装置におい
て、圧着工程における装飾シートのトリムカット加工を
省略するとともに、所要外形状にプレカットされた装飾
シートを位置ずれが生じることなくトリム本体の適正位
置に装飾シートを圧着することを可能にした装飾シート
の圧着方法および圧着装置を提供することにある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、所要の曲面形状に成形されたトリム本体
と、このトリム本体の表面側所定箇所に装着される装飾
シートとから自動車用内装部品が構成されるとともに、
上記装飾シートをトリム本体の曲面部に圧着する自動車
用内装部品における装飾シートの圧着方法において、ト
リム本体をセットした圧着用上型を、予め所要形状にト
リムカットされた装飾シートをセットした圧着用下型に
対して上記圧着用上型を、圧着用下型の可動型，固定型
に順次係合させる二段階圧着を行なうとともに、圧着用
下型の外周に設置し、装飾シート周縁を保持するクラン
プ装置を下降させることにより、トリム本体の曲面部に
装飾シートを馴染ませ、トリム本体に対して装飾シート
を圧着することを特徴とする。

【００１４】さらに、本発明に使用する圧着装置は、ド
アトリム本体をセットする昇降可能な圧着用上型と、装
飾シートをセットする上下動可能な圧着用下型と、圧着
用下型の外周に配設され、装飾シートの周縁端末をクラ
ンプする上下動可能なクランプ装置とを備えたことを特
徴とする。

【００１５】

【作用】以上の構成から明らかなように、圧着用上下型
の係合により、トリム本体表面に装飾シートを圧着する
際、装飾シートに過度のテンションがかからないように
、二段階圧着を行なうとともに、プレカットされた装飾
シートの外周縁は上下方向に可動式のクランプ装置によ
り保持されているため、所要外形状にプレカットされた
装飾シートをトリム本体側の曲面部に適度のテンション
を付与して圧着することができる。

【００１６】

【実施例】以下、本発明による装飾シートの圧着方法お
よび圧着装置の一実施例について、添付図面を参照しな
がら詳細に説明する。

【００１７】図１，図２は本発明方法を適用して製作し
た自動車用ドアトリムを示す正面図および断面図、図３
は本発明に係る装飾シートの圧着装置の構成を示す断面
図、図４ないし図６は本発明方法の各工程を示す断面図
である。

【００１８】図１，図２において、自動車用ドアトリム
１０は、ドアトリム本体１１と、このドアトリム本体１
１の表面側所定箇所に装着されるクロス等の装飾シート
１２とから大略構成されている。

【００１９】さらに詳しくは、上記ドアトリム本体１１
は、所要形状に熱圧成形された木質繊維板等からなる芯
材１３と、この芯材１３の表面側に真空成形等により一
体貼着される表皮材１４とからなり、この表皮材１４は
ポリプロピレンフォーム，ポリエチレンフォーム等の発
泡層１５をＡＢＳ混入ＰＶＣシート等の表皮シート１６
裏面にラミネートして構成されている。

【００２０】そして、上記ドアトリム本体１１には、装
飾シート１２の側縁ならびに下縁に沿って、その周縁端
末１２ａを圧入する木目込み用溝部１７が凹設されてお
り、この溝部１７は芯材１３のプレス成形時に同時に形
成される。

【００２１】一方、装飾シート１２は、ベルベット，ジ
ャージ，トリコット，モケット等のクロスから適宜選択
されてよく、この装飾シート１２の周縁端末１２ａは、
上述したように木目込み用溝部１７内に圧入されて、端
末処理が行なわれることにより、優れた外観意匠性を備
えている。

【００２２】なお、芯材１３として、熱可塑性複合樹脂
板等を使用してもよく、この場合はシート状の素材を予
熱軟化させた後、所要形状のコールドプレス成形用金型
によりプレス成形することにより、所望形状の芯材１３
が得られる。

【００２３】ところで、本発明はドアトリム本体１１に
対して装飾シート１２を圧着する方法に関するものであ
るが、圧着方法を説明する前に、それに使用する圧着装
置の構成について、図３を基に説明する。

【００２４】この圧着装置は、ドアトリム本体１１をセ
ットする圧着用上型２０と、予め所要外形状にプレカッ
ト加工された装飾シート１２をセットする圧着用下型３
０と、圧着用下型３０の周囲３辺に沿ってその外周に設
置され、装飾シート１２の周縁端末１２ａをドアトリム
本体１１の木目込み用溝部１７内に圧入する木目込み用
バー４０と、さらにそれらの外周に設置され、装飾シー
ト１２の周縁を保持するクランプ装置５０，６０とから
大略構成されている。

【００２５】さらに詳しくは、圧着用上型２０は、上側
ベース２１に取付けられており、この上側ベース２１は
油圧あるいは空圧等の駆動用シリンダ２２により昇降可
能に構成されている。

【００２６】また、圧着用下型３０は、下側ベース３１
に対して油圧あるいは空圧等の駆動用シリンダ３２を介
して上下動可能に取付けられている可動型３３と、下側
ベース３１に直接固定されている固定型３４とに２分割
構成されている。

【００２７】なお、本実施例ではドアトリム本体１１の
中央部に可動型３３が位置し、ドアトリム本体１１のウ
エスト部に固定型３４が位置するように設置されている
。

【００２８】さらに、圧着用下型３０の周囲３辺に沿っ
てその外周に設置される木目込み用バー４０は、下側ベ
ース３１に固定されており、この木目込み用バー４０の
さらに外周に設置されるクランプ装置５０は、クランプ
アウター５１とクランプインナー５２とからなり、クラ
ンプアウター５１のフランジ部５３の下面とクランプイ
ンナー５２の上面５２ａとの間で装飾シート１２の数ｍ
ｍのクランプ代を保持することにより、予めプレカット
された装飾シート１２の保持を図るとともに、クランプ
アウター５１およびクランプインナー５２は独立して個
々のエアシリンダ５４，５５により独立して上下動可能
に構成されている。

【００２９】また、ドアトリム本体１１のウエスト部側
に位置するクランプ装置６０は、エアシリンダを使用し
た進退動作用シリンダ６１と上下動作用シリンダ６２と
により上下方向、かつ圧着用下型３０に対する進退方向
にそれぞれ可動できるように構成されているとともに、
装飾シート１２の周縁を保持するロック手段と、このロ
ックを解除するロック解除手段（本実施例においては開
閉式爪）が備わっている。

【００３０】次に、図３に示す圧着装置を使用して、ド
アトリム本体１１に対して装飾シート１２を圧着する方
法について、図４ないし図６を順次引用して説明する。

【００３１】まず、図４に示すように、圧着用上型２０
の型面に沿って、ドアトリム本体１１をセットするとと
もに、予め所要外形状にトリムカットされている装飾シ
ート１２の周縁をクランプ装置５０，６０により保持し
て、装飾シート１２を圧着用下型３０の上方に位置させ
る。

【００３２】このとき、ドアトリム本体１１における装
飾シート１２の圧着箇所には接着剤が予めコーティング
されている。また、圧着用下型３０の３辺に沿って設置
されているクランプ装置５０は、クランプアウター５１
がエアシリンダ５４の駆動により下降して、装飾シート
１２の周縁端末１２ａを保持しているとともに、他方側
のクランプ装置６０もまた、圧着用下型３０に近付き、
かつ下方向に可動している。

【００３３】このように、ドアトリム本体１１と装飾シ
ート１２のセット工程が完了すれば、駆動用シリンダ２
２が動作して、圧着用上型２０が下降し、図５に示すよ
うに、圧着用下型３０の可動型３３と圧着用上型２０と
が係合して、第１段階の圧着が行なわれ、ドアトリム本
体１１の中央部に装飾シート１２が圧着される。

【００３４】その後、装飾シート１２の周縁端末１２ａ
はクランプインナー５２が下降することにより、開放さ
れ、フリー状態となる。

【００３５】このとき、クランプ装置５０は、ドアトリ
ム本体１１に干渉しないように、下降する。

【００３６】次いで、図６に示すように、駆動用シリン
ダ２２および３０の動作により、圧着用上型２０と可動
型３３とが一体に下降して、圧着用下型３０の固定型３
４に対して圧着用上型２０が係合して、ドアトリム本体
１１のドアウエスト部に沿って装飾シート１２の圧着が
行なわれる。

【００３７】このとき、ドアトリム本体１１の木目込み
用溝部１７内に木目込み用バー４０が入り込むことによ
り、装飾シート１２の周縁端末１２ａが木目込み用溝部
１７内に圧入、いわゆる木目込みが行なわれる。

【００３８】さらに、ドアウエスト部側のクランプ装置
６０は、進退動作用シリンダ６１の動作により、装飾シ
ート１２がドアトリム本体１１のウエスト部曲面に沿っ
て適度のテンションが加わる形で圧着され、ロックが解
除される。

【００３９】このように、本発明方法によれば、プレカ
ットされた装飾シート１２をドアトリム本体１１の適切
箇所に精度よく圧着一体化するように、圧着を２段階で
行なうとともに、クランプ装置５０，６０を上下方向に
可動式に構成するようにしたから、従来のように圧着工
程において装飾シートのカット加工を施す方法に比べ、
工程数が短縮化できるとともに、装飾シートの端材が少
なくて済み、経済的にも有利である。

【００４０】

【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、圧
着用上下型を２段階圧着するとともに、装飾シートの周
縁端末を保持するクランプ装置を上下動可能に構成する
ようにしたから、ドアトリム本体の複雑な曲面部分にも
プレカットした装飾シートを精度よく圧着一体化できる
ため、従来、圧着時に装飾シートを熱刃によりトリムカ
ットを行なう方法に比べ、工程数が短縮化でき、かつプ
ロテクタ等の付属設備を省略できるとともに、装飾シー
トの端材も少なくて済むなどの種々の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明方法により製作された自動車用ドアトリ
ムの構成を示す正面図。

【図２】図１中ＩＩ−ＩＩ線断面図。

【図３】本発明による装飾シートの圧着装置の構成を示
す断面図。

【図４】本発明方法の一工程を示すもので、圧着装置へ
の材料のセット工程を示す断面図。

【図５】本発明方法の一工程を示すもので、圧着用上型
と圧着用下型の可動型との係合状態を示す断面図。

【図６】本発明方法の一工程を示すもので、圧着用上型
と固定型との係合状態を示す断面図。

【図７】従来の自動車用ドアトリムを示す断面図。

【図８】装飾シートの圧着方法の従来例を示すもので、
材料のセット工程を示す断面図。

【図９】従来の圧着方法を示すもので、圧着用上下型の
係合状態を示す断面図。

【図１０】従来の圧着方法を示すもので、トリムカット
工程を示す断面図。

【符号の説明】

１０　　自動車用ドアトリム １１　　ドアトリム本体 １２　　装飾シート １７　　木目込み用溝部 ２０　　圧着用上型 ２２　　駆動用シリンダ ３０　　圧着用下型 ３１　　ベース ３２　　駆動用シリンダ ３３　　可動型 ３４　　固定型 ４０　　木目込み用バー ５０　　クランプ装置 ５１　　クランプアウター ５２　　クランプインナー ５３　　フランジ ５４，５５　　エアシリンダ ６０　　クランプ装置 ６１　　進退動作用シリンダ ６２　　上下動作用シリンダ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所要の曲面形状に成形されたトリム本体（
   １１）と、このトリム本体（１１）の表面側所定箇所に
   装着される装飾シート（１２）とから自動車用内装部品
   （１０）が構成されるとともに、上記装飾シート（１２
   ）をトリム本体（１１）の曲面部に圧着する自動車用内
   装部品における装飾シートの圧着方法において、トリム
   本体（１１）をセットした圧着用上型（２０）を、予め
   所要形状にトリムカットされた装飾シート（１２）をセ
   ットした圧着用下型（３０）に対して、上記圧着用上型
   （２０）を、圧着用下型（３０）の可動型（３３），固
   定型（３４）に順次係合させる二段階圧着を行なうとと
   もに、圧着用下型（３０）の外周に設置し、装飾シート
   （１２）周縁（１２ａ）を保持するクランプ装置（５０
   ，６０）を下降させることにより、トリム本体（１１）
   の曲面部に装飾シート（１２）を馴染ませ、トリム本体
   （１１）に対して装飾シート（１２）を圧着することを
   特徴とする自動車用内装部品における装飾シートの圧着
   方法。
2. 【請求項２】ドアトリム本体（１１）をセットする昇降
   可能な圧着用上型（２０）と、装飾シート（１２）をセ
   ットする上下動可能な圧着用下型（３０）と、圧着用下
   型（３０）の外周に配設され、装飾シート（１２）の周
   縁端末（１２ａ）をクランプする上下動可能なクランプ
   装置（５０，６０）とを備えたことを特徴とする装飾シ
   ートの圧着装置。