JP3680194B2 - 布張り中空成形品およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建築物の内装壁、パーティション、扉などのパネル状の建築用中空成形品、コンソールボックスのリッド部、リヤーパーセルシュエルフなどの自動車用中空成形品のようなプラスチック製の布張り中空成形品、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、この種の中空成形品においては、意匠的効果をもたせたり、手触りを良くするため、繊維シートを張ったものが用いられている。
【0003】
また、中空成形品をブロー成形する際に、繊維シートをインサートして繊維シートを中空成形品の一面にブロー成形時に繊維シートを張り付け、その中空成形品の一面に張り付けた繊維シートの端部を中空成形品の周囲壁に折り返し状に張り付けてなるものは、特開平9−57826号公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種のプラスチック製中空成形品において、その用途により高い剛性が求められる場合には、中空部内に金属製のパイプを挿入して補強をすることが行われるが、そのためには、中空成形品の周囲壁の一端と他端にそれぞれパイプ挿通孔を設けるための切削加工をする必要がある。
【0005】
しかしながら、前掲の特開平9−57826号公報に記載されているように、中空成形品の一面に張り付けた繊維シートの端部を中空成形品の周囲壁に折り返し状に張り付けたものにあっては、パイプ挿通孔を切削加工する部位に繊維シートが張り出しているので、パイプ挿通孔の切削加工に支障をきたすばかりでなく、切削加工にともなって繊維シートに解れが生じてしまうという不具合がある。
【0006】
本発明は、このような問題点についてその解消を図ることを目的とするものであって、中空成形品の周囲壁の一端と他端に、それぞれパイプ挿通孔を設ける部位を回避するようにブロー成形時のパーティングラインを形成するとともに、周囲壁に折り返す布の端をパーティングラインに沿って張り付けることにより、周囲壁の一端および他端のパイプ挿通孔を設ける部位にパイプ挿通孔を容易に穿設することができ、しかも、その際に繊維シートを解れさせることがない布張り中空成形品、およびその製造方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る布張り中空成形品は、表壁と、表壁に間隔をおいて対向する裏壁と、表壁および裏壁との間に中空部を形成する周囲壁とで構成される中空成形品の一面にブロー成形時に繊維シートを張り付け、その中空成形品の一面に張り付けた繊維シートの端部を中空成形品の周囲壁に折り返し状に張り付けてなる布張り中空成形品であって、中空成形品の周囲壁の少なくとも一端にパイプ挿通孔を設ける部位を回避するようにブロー成形時のパーティングラインを形成するとともに、周囲壁に折り返す繊維シートの端をパーティングラインに沿って張り付け、上記周囲壁の少なくとも一端のパイプ挿通孔を設ける部位にパイプ挿通孔を穿設して、このパイプ挿通孔に1本のパイプを中空部を貫通して挿通してなることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明に係る布張り中空成形品の製造方法は、表壁と、表壁に間隔をおいて対向する裏壁と、表壁および裏壁との間に中空部を形成する周囲壁とで構成される中空成形品の一面にブロー成形時に繊維シートを張り付け、その中空成形品の一面に張り付けた繊維シートの端部を中空成形品の周囲壁に折り返し状に張り付けてなる布張り中空成形品の製造方法であって、中空成形品の周囲壁の少なくとも一端にパイプ挿通孔を設ける部位を回避するようにブロー成形時のパーティングラインを形成するピンチオフ部を有する一対の分割金型を用い、一対の分割金型間にパリソンを配置するとともに繊維シートをパリソンと一方の金型のキャビティとの間に配置して、周囲壁に折り返す繊維シートの端をパーティングラインに沿って張り付けた布張り中空成形品をブロー成形し、上記周囲壁の少なくとも一端のパイプ挿通孔を設ける部位にパイプ挿通孔を穿設して、このパイプ挿通孔に1本のパイプを中空部を貫通して挿通してなる中空成形品を得ることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1ないし図4は本発明の一実施の形態に係る布張り中空成形品であって、図1は全体の斜視図、図2は裏面側から見た全体の斜視図、図3は図1のA−A線拡大断面図、図4はパイプを挿通する前の図1の一部の拡大斜視図である。
【0010】
図5は本発明の一実施の形態に係る布張り中空成形品のブロー成形態様を示す断面図である。
【0011】
図1ないし図4において、1は布張り中空成形品であって、この布張り中空成形品1は、熱可塑性プラスチックをブロー成形してなるものである。布張り中空成形品1はパネル状をなしており、2は表壁、3は裏壁、4は周囲壁であって、図3に示すように、表壁2に対して裏壁3は間隔をおいて対向しており、周囲壁4によって表壁2および裏壁3との間に中空部5が形成されている。布張り中空成形品1は、その表壁2の表面に繊維シート6を張り付け、その表壁2の表面に張り付けた繊維シート6の端部を中空成形品の周囲壁4に折り返し状に張り付けてたものである。
【0012】
熱可塑性プラスチックをブロー成形してなる布張り中空成形品1は、ABS樹脂、変性ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等、ブロー成形可能な熱可塑性樹脂で構成される。
【0013】
繊維シート6は、綿、麻、羊毛、絹等の天然繊維、ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン等の再生繊維、アセテート、トリアセテート等の半合成繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリプロピレン、ポリウレタン等の合成繊維、およびこれらのブレンド繊維、ならびにこれらを加工して得られる織物、編物、不織布等である。
【0014】
本発明に係る布張り中空成形品1は、図4に示すように、その周囲壁4の一端と他端に、それぞれパイプ挿通孔7を設ける部位を回避するようにブロー成形時のパーティングライン8を形成するとともに、周囲壁4に折り返す繊維シート6の端をパーティングライン8に沿って張り付けてあり、パイプ挿通孔7に1本のパイプ9を中空部5を貫通して挿通してなるものである。パイプ9の両端はパイプ挿通孔7から少しだけ突出しており、パイプ9の両端にはキャップ10が被せてある。パイプ挿通孔7は布張り中空成形品1のブロー成形後に、切削加工によって設けられる。裏壁3にはパイプ9を受け止める凹部11が形成されている。パイプ9は金属製である。なお、パイプ挿通孔7は周囲壁4一端にだけ設けて、周囲壁4の他端にはパイプ9を支持する凹部を設ける構成とすることができる。
【0015】
本発明に係る布張り中空成形品1は、図5に示す態様でブロー成形される。図5において、12,13は一対の分割金型であり、この一対の分割金型12,13間には、ダイ14からパリソン15を配置するとともに、繊維シート6をパリソン15と一方の分割金型12のキャビティ16との間に配置する。一対の分割金型12,13は、周囲壁4の一端と他端に、それぞれパイプ挿通孔7を設ける部位を回避するようにブロー成形時のパーティングライン8を形成するピンチオフ部17を有するものである。
【0016】
図5に示す態様によりブロー成形された布張り中空成形品1においては、その周囲壁4に折り返す繊維シート6の端がパーティングライン8に沿って張り付けられているので、上記周囲壁4の一端および他端のパイプ挿通孔7を設ける部位には繊維シート6が張り出していない。このため、ブロー成形後に、パイプ挿通孔7の切削加工が容易であり、パイプ挿通孔7の切削加工の際に繊維シート6に解れを生じさせることもない。切削加工されたパイプ挿通孔7には、1本のパイプ9を中空部4を貫通して挿通し、図1および図2に示す布張り中空成形品1を得る。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、中空成形品の周囲壁の一端と他端に、それぞれパイプ挿通孔を設ける部位を回避するようにブロー成形時のパーティングラインを形成するとともに、周囲壁に折り返す布の端をパーティングラインに沿って張り付けることにより、周囲壁の少なくとも一端のパイプ挿通孔を設ける部位にパイプ挿通孔を容易に穿設することができ、しかも、その際に繊維シートを解れさせることがない布張り中空成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る布張り成形品の全体の斜視図である。
【図2】本発明に係る布張り成形品の裏面側から見た全体の斜視図である。
【図3】図1のA−A線拡大断面図である。
【図4】図1の一部の拡大斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る布張り中空成形品のブロー成形態様を示す断面図である。
【符号の説明】
1 布張り中空成形品
2 表壁
3 裏壁
4 周囲壁
5 中空部
6 繊維シート
7 パイプ挿通孔
8 パーティングライン
9 パイプ
10 キャップ
11 凹部
12,13 一対の分割金型
14 ダイ
15 パリソン
16 キャビティ
17 ピンチオフ部
Claims (2)
- 表壁と、表壁に間隔をおいて対向する裏壁と、表壁および裏壁との間に中空部を形成する周囲壁とで構成される中空成形品の一面にブロー成形時に繊維シートを張り付け、その中空成形品の一面に張り付けた繊維シートの端部を中空成形品の周囲壁に折り返し状に張り付けてなる布張り中空成形品であって、中空成形品の周囲壁の少なくとも一端にパイプ挿通孔を設ける部位を回避するようにブロー成形時のパーティングラインを形成するとともに、周囲壁に折り返す繊維シートの端をパーティングラインに沿って張り付け、上記周囲壁の少なくとも一端のパイプ挿通孔を設ける部位にパイプ挿通孔を穿設して、このパイプ挿通孔に1本のパイプを中空部を貫通して挿通してなることを特徴とする布張り中空成形品。
- 表壁と、表壁に間隔をおいて対向する裏壁と、表壁および裏壁との間に中空部を形成する周囲壁とで構成される中空成形品の一面にブロー成形時に繊維シートを張り付け、その中空成形品の一面に張り付けた繊維シートの端部を中空成形品の周囲壁に折り返し状に張り付けてなる布張り中空成形品の製造方法であって、中空成形品の周囲壁の少なくとも一端にパイプ挿通孔を設ける部位を回避するようにブロー成形時のパーティングラインを形成するピンチオフ部を有する一対の分割金型を用い、一対の分割金型間にパリソンを配置するとともに繊維シートをパリソンと一方の金型のキャビティとの間に配置して、周囲壁に折り返す繊維シートの端をパーティングラインに沿って張り付けた布張り中空成形品をブロー成形し、上記周囲壁の少なくとも一端のパイプ挿通孔を設ける部位にパイプ挿通孔を穿設して、このパイプ挿通孔に1本のパイプを中空部を貫通して挿通してなる中空成形品を得ることを特徴とする布張り中空成形品の製造方法。
Priority Applications (1)
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JP34210897A JP3680194B2 (ja) | 1997-11-27 | 1997-11-27 | 布張り中空成形品およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP34210897A JP3680194B2 (ja) | 1997-11-27 | 1997-11-27 | 布張り中空成形品およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH11156926A JPH11156926A (ja) | 1999-06-15 |
JP3680194B2 true JP3680194B2 (ja) | 2005-08-10 |
Family
ID=18351217
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34210897A Expired - Lifetime JP3680194B2 (ja) | 1997-11-27 | 1997-11-27 | 布張り中空成形品およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1997
- 1997-11-27 JP JP34210897A patent/JP3680194B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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