JP7210428B2 - 清掃具 - Google Patents

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Description

本発明は、清掃具に関し、特に清掃具本体とハンドル部とを備え、清掃具本体に装着された清掃シートにより清掃対象を払拭する清掃具に関する。
清掃面を覆って不織布等からなる清掃シートが装着された清掃具本体によって、床面等の清掃対象の塵埃や汚れを取り除く清掃具は、清掃具本体に取り付けられたハンドル部を手で持って清掃対象を払拭することで、清掃シートに塵埃や汚れを付着させて、手軽に清掃を行うことができる(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1や特許文献2の清掃具は、弾性クッション材による清掃具本体の下面の清掃面を湾曲した形状として、塵埃や汚れを清掃面の周縁部分から内側に取り込み易くしたり、清掃面に多数の凹凸や波形突条を設けて、平坦ではない清掃対象を清掃し易くしたり、清掃対象の汚れを掻き取り易くすることができるようになっている。また、特許文献1や特許文献2の清掃具は、清掃具本体が、平面視して横長の矩形状の平面形状を有しており、矩形状の平面形状の短辺方向を主な清掃方向として、長辺方向の横幅が広くなっている清掃面によって、効率良く清掃作業を行うことが可能である。
特開2013-34766号公報 特開2013-176703号公報
一方、特許文献1や特許文献2の清掃具は、矩形状の平面形状の短辺方向を主な清掃方向として、長辺方向の横幅が広くなっている清掃面によって、リビングの床面等の広い領域の床面に対しては効率良く清掃作業を行うことができるようになっているが、例えば便器が設置されたトイレ等の、狭くて設置物のある領域の床面等の清掃対象を清掃する作業には不向きである。このため、例えば狭い領域の床面や設置物のある領域における、床面や設置物等の清掃対象を清掃する作業に適した清掃具を、新たに開発することが要望されている。
また、例えば清掃具本体が矩形状の平面形状を有する清掃具の場合、長辺方向を清掃方向として短辺方向の狭い横幅で清掃作業を行うことで、狭い領域の床面等に対しても清掃し易くなると考えられるが、従来の清掃具では、長辺方向を清掃方向とすると、短辺方向の狭い横幅の清掃面によって清掃作業が行なわれることになるため、清掃具本体とハンドル部とのジョイント部を中心とする横幅方向のモーメント力が、作業中に負荷されると、清掃面の横幅が狭くなっている分、ジョイント部から横幅方向に張り出す長さが短くなって、清掃面で清掃対象を押し付ける力の反力だけでは、負荷されるモーメント力を充分に支持することができなくなり、作業中に清掃具本体がぐらついたり、傾いて倒れたりすることで、操作の安定性を損ない易くなる。
本発明は、狭い領域の床面や設置物のある領域における床面や設置物等の清掃対象を清掃する作業を、効率良く行うことができると共に、操作の安定性を向上させることのできる清掃具を提供することを目的とする。
本発明は、清掃ヘッドと、該清掃ヘッドの一方の面を覆って取り付けられたベース体とを含む清掃具本体と、前記清掃ヘッドの一方の面と反対側の他方の面に取り付けられたハンドル部とを備え、前記ベース体による清掃面を覆って清掃シートが装着されて、該清掃シートにより清掃対象を払拭する清掃具であって、前記清掃具本体の前記清掃ヘッド及び前記ベース体は、平面視して、一対の短辺部分と、これらの一対の短辺部分の両側の一対の長辺部分とを有する平面形状を備えており、前記清掃ヘッドと前記ハンドル部とは、ジョイント部を介して連結しており、該ジョイント部は、前記清掃ヘッドの他方の面から突出して設けられたヘッド側ヨーク部と、前記ハンドル部の先端部に設けられた柄側ヨーク部とを、中心軸が直交する、短辺方向に中心軸が配置された第1回動軸心部と長辺方向に中心軸が配置された第2回動軸心部とを備える連結部材を介して接続することで、前記ハンドル部を前記清掃ヘッドに対して前後方向及び左右方向に回転可能に連結するようになっており、且つ前記ジョイント部は、前記第1回動軸心部を中心として回動する際の摺動抵抗よりも、前記第2回動軸心部を中心として回動する際の摺動抵抗の方が大きくなっている清掃具を提供することにより、上記目的を達成したものである。
なお、後述する本発明の実施形態では、前後、左右、上下の方向を規定する場合があるが、これらの方向は、本発明の構成要素の相対関係を簡易に説明するために便宜的に規定したものであり、本発明を実施する場合の製造時や使用時の方向を限定するものではない。
本発明の清掃具によれば、狭い領域の床面や設置物のある領域における床面や設置物等の清掃対象を清掃する作業を、効率良く行うことができると共に、操作の安定性を向上させることができる。
本発明の好ましい一実施形態に係る清掃具の全体構成を説明する斜視図である。 本発明の好ましい一実施形態に係る清掃具の構成を説明する要部分解斜視図である。 清掃具本体の構成を説明する、ハンドル部及び挟み込み蓋片を除いた状態の図2のA-Aに沿った断面図である。 清掃ヘッドを下面側から見た斜視図である。 ベース体による清掃面の平面図及び部分拡大図である。 (a)は、清掃具本体に清掃シートを装着した状態の清掃具の要部斜視図、(b)は、清掃具による障害物である便器の周囲の床面の製造作業を説明する斜視図である。 清掃具本体とハンドル部とのジョイント部の構成を説明する、(a)は清掃具本体の短辺方向から見た側面図、(b)は清掃具本体の長辺方向から見た正面図、(c)は、(b)のB部拡大図である。 清掃具本体とハンドル部とのジョイント部の構成を説明する分解斜視図である。 (a)は、清掃シートを係着する係着部の構成を説明する、挟み込み蓋片を開放した状態の部分斜視図、(b)は、挟み込み蓋片を閉じた状態の破断部分斜視図である。
図1に示す本発明の好ましい一実施形態に係る清掃具10は、清掃具本体11のベース体13による清掃面14を覆って、着脱交換可能に使い捨て用の清掃シート30(図6(a)参照)を取り付けて、例えば狭い領域の床面や設置物のある領域として、好ましくはトイレ、洗面所、キッチン、玄関棟の床面、壁、ドア、天井等を清掃対象として、或いは洗濯機の下や壁との隙間、冷蔵庫の天面等を清掃対象として、これらの床面や設置物を清掃する作業に用いられる(図6(b)参照)。例えばトイレは、一般に一畳程度以下の広さの領域となっており、また便器60等の設置物が障害となって、例えばリビングの床面を清掃する場合のように、清掃具10を自由に動かすことが難しく、さらに、作業者が便器60の後側に回り込んで作業を行うことは困難である。このため、狭い幅の空間や便器60の後側の空間に、清掃具本体11を差し込むようにしながら作業を行う必要を生じることになる。本実施形態の清掃具10は、このような、狭い領域の床面や設置物のある領域において床面や設置物等の清掃対象を清掃する作業を、小回りの良い安定した操作によって、効率良く行うことができるようにする機能を備えている。
そして、本実施形態の清掃具10は、清掃ヘッド12と、清掃ヘッド12の一方の面である下面を覆って取り付けられたベース体13とを含む清掃具本体11と、清掃ヘッド12の一方の面と反対側の他方の面である上面にジョイント部40を介して取り付けられたハンドル部20とを備え、ベース体13の一方の面である下面による清掃面14を覆って清掃シート30(図6(a)参照)が装着されて、清掃シート30により清掃対象である例えばトイレの床面を払拭するのに好適な、、リビングの床面等を清掃する作業に適した従来の清掃具と比較して、コンパクトな形状の清掃具である。図2及び図3にも示すように、清掃部本体11の清掃ヘッド12及びベース体13は、平面視して、一対の短辺部分12a,13aと、これらの一対の短辺部分12a,13aの両側の一対の長辺部分12b,13bとを有する平面形状を備えている。清掃ヘッド12とハンドル部20とは、ジョイント部40を介して連結しており、ジョイント部40は、図7(a)~(c)及び図8に示すように、清掃ヘッド12の他方の面である上面から突出して設けられたヘッド側ヨーク部19と、ハンドル部20の先端部に設けられた柄側ヨーク部24とを、中心軸が直交する、短辺方向(X方向)に中心軸C1が配置された第1回動軸心部41aと、長辺方向(Y方向)に中心軸C2が配置された第2回動軸心部41bとを備える連結部材41を介して接続することで、ハンドル部20を清掃ヘッド12に対して前後方向Yび左右方向Xに回転可能に連結するようになっている。ジョイント部40は、第1回動軸心部41aを中心として回動する際の摺動抵抗よりも、第2回動軸心部41bを中心として回動する際の摺動抵抗の方が大きくなっている。
また、本実施形態では、ヘッド側ヨーク部19は、好ましくは一対のヨーク突部19aによる二股状のヨーク部となっており、柄側ヨーク部24は、好ましくは一対のヨーク片24aによる二股状のヨーク部となっている。
さらに、本実施形態では、ベース体13の一方の面である、下面による清掃面14を覆う清掃シート30は、図6(a)に示すように、好ましくはベース体13の短辺部分13aで折り返されて、例えば端部が清掃ヘッド12の長辺方向の両側の端部分に設けられた一対の係着部50に各々係着されることで、清掃具本体11に装着されるようになっている。
ここで、本明細書では、清掃ヘッド12の短辺部分12aに沿った方向を短辺方向又は左右方向(X方向)とし、長辺部分12bに沿った方向を長辺方向又は前後方向(Y方向)として説明する(図2参照)。
本実施形態では、清掃具10の清掃具本体11を構成する清掃ヘッド12は、図1~図3に示すように、例えば短辺方向(X方向)の最大長さが50~90mm程度(本実施形態では、75mm)、長辺方向(Y方向)の最大長さが120~160mm程度(本実施形態では、140mm)の大きさの略矩形状の平面形状を有する、例えばABS樹脂(アクリルニトリルブタジエンスチレン)等からなるプラスチック製の平板状の部材となっている。これによって清掃ヘッド12は、主としてリビングの床面等を清掃する作業に適した従来の清掃具と比較して、コンパクトな形状を有している。清掃ヘッド12の一対の長辺部分12bは、例えば200~300mm程度の曲率半径で、ハンドル部20が連結する中央側に向けて凹状に湾曲する、クビレ部12cを備えている。また図4に示すように、清掃ヘッド12の周縁から例えば3~10mm程度の高さで下面側に突出して、環状周壁リブ16が、周方向に連続して形成されている。短辺部分12aにおける環状周壁リブ16の角部外周面は、円弧形状となるように形成されている。これによって、装着される清掃シート30が短辺部分12aで折り返される際に破損し易くなるのを、効果的に回避することが可能になる。
また、清掃ヘッド12の下面側には、図4に示すように、環状周壁リブ16によって囲まれる領域の中央部分に、上面側の中央部に取り付けられたハンドル部20から負荷される押圧力に対する剛性を高めるための、所定の形状の立体模様を形成する補強リブ17が、中央部分の相当の広さの領域に亘って、環状周壁リブ16の下端を超えない高さで突出して設けられている。環状周壁リブ16によって囲まれる領域の長辺方向(Y方向)の両側の短辺部分12aには、環状周壁リブ16に近接配置されて、短辺方向(X方向)に延設する接合リブ18aが、環状周壁リブ16の下端を超えない高さで突出して設けられている。これらの接合リブ18aを介することによって、ベース体13の短辺部分13aが、清掃ヘッド12の短辺部分12aに接合されるようになっている。
さらに、清掃ヘッド12の下面側には、各々の接合リブ18aの補強リブ17が設けられた中央部分側に隣接して、清掃ヘッド12の上面側に後述する円形の挿入凹部51(図9(a)参照)が形成されたことによる、円形凸部18bが配置されている。この円形凸部18bの下面側には、後述する係着部50を構成する磁石52を係止するための係止リブ18cが、円形凸部16bと同心円状に、分断された状態で配置されて、環状周壁リブ16の下端を超えない高さで突出して設けられている。また各々の円形凸部18bの補強リブ17が設けられた中央部分側に隣接して、後述する係着部50を構成する挟み込み蓋片54を回転可能にピン連結させるための、横長矩形形状の連結開口18dが、短辺方向(X方向)に延設して開口形成されている、連結開口18dの短辺方向(X方向)の両側の端部には、軸支リブ18eが、各々突出して設けられている。円形凸部16cを挟んだ短辺方向(X方向)の両側には、円弧形状の補助補強リブ18fが、各々突出して設けられている。
図2に示すように、清掃ヘッド12の上面側には、中央部分に、清掃具本体11のハンドル部20とのジョイント部40を形成する、好ましくは二股状のヘッド側ヨーク部19が、中央部分を隆起させるようにして設けられている。また、ヘッド側ヨーク部19を挟んだ長辺方向(Y方向)の両側部分には、清掃ヘッド12の上面における長辺方向(Y方句)の端部分に重ね合わせて、後述する係着部50を構成する挟み込み蓋片54が、開放可能に各々取り付けられている。
清掃ヘッド12と共に清掃具10の清掃具本体11を構成するベース体13は、図1~図3に示すように、清掃ヘッド12よりも一回り大きな、例えば短辺方向(X方向)の最大長さが60~100mm程度(本実施形態では、82mm)、長辺方向(Y方向)の最大長さが130~170mm程度(本実施形態では、152mm)の大きさの略矩形状の平面形状を有すると共に、好ましくは0.5~3.0mm程度の厚さを有する、例えば硬度90程度(JIS K 6253で規定する、デュロメータタイプA(ショアA)で測定した値)のエラストマ等からなる変形可能な薄板状の部材となっている。これによってベース体13は、清掃ヘッド12に一体として接合された際に、周縁部分が、好ましくは2~20mmの張出し幅で張り出す可撓変形可能な環状張出片15として、清掃ヘッド12の周縁よりも外側に、周方向に連続した状態で張り出すことになる。ベース体13は、清掃ヘッド12の長辺部分12bから外側に張り出す環状張出片15の縁部には、好ましくは清掃ヘッド12の長辺部分12bのクビレ部12cの曲率半径よりも大きな、例えば300~500mm程度の曲率半径で凹状に湾曲する、縁部クビレ部13eが設けられていても良い(図5参照)。
また、ベース体13は、長手方向である長辺方向(Y方向)に沿った断面が、好ましくは300~600mm程度の曲率半径で弧状に湾曲する薄板状に成形されている(図3参照)。これによってベース体13は、清掃ヘッド12に一体として接合された際に、清掃ヘッド12の下面から湾曲形状に突出した状態で取り付けられて、払拭時におけるハンドル部20を介した清掃ヘッド12への押圧力によって、押し潰されるようにして平坦な形状となるように弾性変形できるようになっている。ベース体13は、清掃ヘッド12に接合される前においても、湾曲形状を保持していることが好ましい。
さらに、本実施形態では、ベース体13の他方の面である上面側の両側の短辺部分13aには、図2及び図3に示すように、清掃ヘッド12の下面側に突出して形成された接合リブ18aと対応する位置に、ベース側接合リブ13cが、短辺方向(X方向)に延設して立設した状態で各々設けられている。またベース体13の上面側の両側の長辺部分13bには、一対のベース側接合リブ13cの両端部を互いに連結するようにして、一対の板状リブ13dが、清掃ヘッド12のクビレ部12cを備える一対の長辺部分12bの環状周壁リブ16と対応する位置に、ベース側接合リブ13cと共に環状に連続するリブを形成するようにして、立設した状態で各々設けられている。
両側の短辺部分13aの一対のベース側接合リブ13cを、清掃ヘッド12の両側の短辺部分12aの下面側に設けられた一対の接合リブ18aに、例えば接着剤を介して各々外側から接合することによって、ベース体13を清掃ヘッド12に、一体として接合することが可能になる。ベース側接合リブ13cは、接合リブ18aに、嵌め込み、挟み込み、超音波シール等の他の接合方法によって接合することもできる。一対のベース側接合リブ13cが、清掃ヘッド12の両側の短辺部分12aの一対の接合リブ18aに各々接合されることで、ベース体13の両側の長辺部分13bの一対の板状リブ13dを、清掃ヘッド12の一対の長辺部分12bの環状周壁リブ16の内側面に沿って、上下にスライド移動可能に配置することが可能になる。ベース体に、清掃ヘッド12の環状周壁リブ16の長辺部分の内側面に沿ってスライド可能な、一対の板状リブ13dが設けられていることにより、清掃ヘッド12の環状周壁リブ16の長辺部分と、長辺方向(Y方向)に湾曲するベース体13の長辺部分との間の隙間を閉塞して、清掃ヘッド12の内側に埃や屑等が入り込むのを、効果的回避することが可能になる。
またこれによって、ベース体13を、清掃ヘッド12の下面から湾曲形状に突出させた状態から、払拭時におけるハンドル部20を介した清掃ヘッド12への押圧力によって、一対の板状リブ13dを清掃ヘッド12の長辺部分12bの環状周壁リブ16に沿ってスライド移動させながら、弾性変形させて、平坦な形状となるように押し潰すことが可能になる。
さらにまた、本実施形態では、ベース体13の一方の面である、清掃面14を形成する下面には、図5に示すように、好ましくは複数の面状凸リブ14aが、全体に分散配置されて突出した状態で設けられている。面状凸リブ14aは、先端が好ましくは平坦な面となっている、立体形状のリブである。面状凸リブ14aは、ベース体13の下面から0.5~5mmの高さで突出していることが好ましく、1~3mmの高さで突出していることが更に好ましい。ベース体13の下面に、複数の面状凸リブ14aが、全体に分散配置されて設けられていることによって、例えば清掃対象である床面と、清掃面14であるベース体13の下面との間に清掃シート30を挟み込んだ状態で、清掃具本体11を床面に沿ってスライド移動させた際に、清掃シート30を、細かく分散配置された面状凸リブ14aによる複数の面で床面に押し付けることが可能になって、清掃シート30が滑って清掃面14に対する相対的な位置ずれを生じたり、特に清掃シート30が水解性シートである場合に、清掃シート30が破れて穴が開き易くなるのを、効果的に回避することが可能になる。
また、面状凸リブ14aは、平面視して、三角形状の平面形状を備えていることが好ましい。本実施形態では、正三角形状の平面形状を備えている。三角形状の平面形状を備えることによって、清掃具本体11を長辺方向(Y方向)だけでなく短辺方向(X方向)に動かして清掃対象を払拭しても、清掃シート30が滑って清掃面14に対する相対的な位置ずれを生じさせることなく清掃することが可能になる。正三角形状の平面形状を備える面状凸リブ14aは、各6箇所の当該面状凸リブ14aの底辺部分が、仮想の六角形の六辺の部分に各々配置されるように、放射状に配置されて設けられていることが好ましい。これによって、清掃具本体11を長辺方向(Y方向)と短辺方向(X方向)の動きが混在した複合的な動作に対しても、清掃シート30の清掃面14に対する相対的な位置ずれを効果的に防止し、確実な清掃が可能になる。
本実施形態では、清掃具本体11と共に清掃具10を構成するハンドル部20は、図1に示すように、細長いロッド状のハンドル本体21と、ハンドル本体21の上部に一体として連結固定される把持部22とからなる。
ハンドル本体21は、例えばアルミ合金やABS樹脂等からなるパイプ部材21aを、必要に応じて公知の連結部23を介して軸方向に連結することで、把持部22を含むハンドル部20の全体が、トイレ等の狭い空間を清掃するのに適した例えば50~70cm程度の長さとなるように組み立てられる。ハンドル本体21(ハンドル部20)の下端部には、好ましくは一対のヨーク片24aによる二股状の柄側ヨーク部24が、一体として設けられている。ハンドル本体21の上端部には、パイプ部材21aの連結部23と略同様の構造の公知の連結部23aを介して、把持部22が着脱可能に取り付けられる。ハンドル部20は、後述する回転連結部材41を介したジョイント部40によって、清掃ヘッド12の上面側の中央部分に、回転可能に取り付けられる。
把持部22は、例えばABS樹脂からなる成形品であって、手で把持しやすい太さ及び外形の略円筒形状を備える。把持部22の上端部には、ゴム硬度が40~80(JIS K 6253で規定する、デュロメータタイプA(ショアA)で測定した値)の比較的柔らかい弾性材料として、好ましくは、エチレン酢酸ビニル(EVA)樹脂からなる透明又は半透明な弾性部材であるエンドキャップ26が装着されており、これによって例えばハンドル部20を壁に立てかけた際の、安定性を向上させると共に、把持部22を把持して行う清掃具10の、操作性を向上させることが可能になる。
清掃ヘッド12とハンドル部20とを回転可能に連結するジョイント部40は、上述のように、清掃ヘッド12の他方の面である上面から突出して設けられたヘッド側ヨーク部19と、ハンドル部20の先端部に設けられた柄側ヨーク部24とを、回転連結部材41を介して接続することで、ハンドル部20を清掃ヘッド12に対して前後方向Y及び左右方向Xに回転可能に連結できるようになっている(図7(a)、(b)参照)。回転連結部材41、短辺方向(X方向)に中心軸C1(図8参照)が配置された第1回動軸心部41aと、長辺方向(Y方向)に中心軸C2(図8参照)が配置された第2回動軸心部41bとを備えており、中心軸C1と中心軸C2とは直交している。ジョイント部40は、第1回動軸心部41aを中心として回動する際の摺動抵抗よりも、第2回動軸心部41bを中心として回動する際の摺動抵抗の方が大きくなっている。
また、本実施形態では、ヘッド側ヨーク部19は、図2、図7(a)~(c)、及び図8に示すように、好ましくは一対のヨーク突部19aによる二股状のヨーク部となっており、柄側ヨーク部24は、好ましくは一対のヨーク片24aによる二股状のヨーク部となっている。ヘッド側ヨーク部19が一対のヨーク突部19aによる二股状のヨーク部となっており、柄側ヨーク部24が一対のヨーク片24aによる二股状のヨーク部となっていることにより、ハンドル部20を短辺方向(X方向)や長辺方向(Y方向)に傾けた際の摺動摩擦を個別に制御することや、回動軸芯部41a,41bの位置をずらすことが可能になる。さらに、本実施形態では、清掃ヘッド12の下面から、回転連結部材41の当該下面と近い側の第1回動軸心部41aの中心軸C1までの高さh1(図7(b)参照)が、好ましくは10~20mmとなっており、さらに好ましくは14~18mm(本実施形態では、16mm)となっている。
本実施形態では、ヘッド側ヨーク部19は、清掃ヘッド12の上面の中央部分からマウンド状に隆起して設けられた隆起部の中央部を、例えば10~30mm程度の切欠き幅で切り欠いた形状を有する。これによってヘッド側ヨーク部19は、清掃ヘッド12の下面と略垂直な切立ち面19bを対向面として、間隔をおいて配置された一対の対称形状のヨーク突部19aを備える。各々のヨーク突部19aの切立ち面19bには、図8に示すように、回転連結部材41の第1回動軸心部41aを係合させるための係合穴19cが開口形成されている。係合穴19cと切立ち面19bの先端縁部との間には、回転連結部材41を無理押して第1回動軸心部41aを係合穴19cに係合させる操作を容易にするための、案内テーパー面19dが、斜めに切り欠かれて形成されている。
また、本実施形態では、間隔をおいて配置された一対のヨーク突部19aの間の間隔部分の底面部分には、円弧上の凹曲面を備える摺動摩擦面部19eが設けられている。この摺動摩擦面部19eには、一対のヨーク突部19aの間に回転連結部材41が嵌め込むようして装着された際に、回転連結部材41の円柱形状の第1回動軸心部41aが密着することで、回転連結部材41の中心軸C1を中心とする回転に伴って、摩擦力による摺動抵抗を生じるようになっている。摺動摩擦面部19eと第1回動軸心部41aとの摺動抵抗は、例えば摺動摩擦面部19eに所定の幅や数となるように設定された凸リブ19fを設けて、接触面積とクリアランスを調整することで、容易に調節することができる。
柄側ヨーク部24は、本実施形態では、ハンドル部20の下端部において、ハンドル部20の先端から把持部22側に向けて相当の幅の貫通溝24bを軸方向に形成することで、一対の帯板形状のヨーク片24aによって、二股状に形成される。一対のヨーク片24aは、先端縁部が円弧状に形成されると共に、外周面が緩やかな湾曲凸面となるように形成され、貫通溝24bを挟んで両側に配置される。
また、本実施形態では、一対のヨーク片24aに、貫通溝24bを横断して回転ピン部材25を取り付けるための挿通固定孔24cが各々形成されている。一方のヨーク片24aの外面側には、回転ピン部材25の頭部25bが嵌め込まれる頭部装着凹部24dが形成されている。
回転ピン部材25は、貫通溝24bを横断して両端部が一対のヨーク片24aの挿通固定孔24cに各々固着される円柱状のピン本体25aと、ピン本体25aの一方の端部に一体として設けられた頭部25bとを備える。またピン本体25aには、回転連結部材41の第2回動軸心部41bの円形軸開口41eとの摩擦力を高めるための、ピン側摺動スリーブ25cが、一体として装着されている。回転ピン部材25aは、一対のヨーク片24aの間の貫通溝24bに、回転連結部材41の第2回動軸心部41bを差し込んで、これの円形軸開口41eの中心とヨーク片24aの挿通固定孔24cの中心とを合致させた状態で、回転ピン部材25のピン本体25aを挿通して両端部を固着することにより、ハンドル部20の下端部を、回転連結部材41に回転可能に連結することができる。
ヘッド側ヨーク部19と柄側ヨーク部24との間に介在して設けられる回転連結部材41は、本実施形態では、例えばプラスチック製の成形品であって、図7(a)~(c)及び図8に示すように、中心軸C1,C2が立体交差状に直交する第1回動軸心部41aと第2回動軸心部41bとを備えている。回転連結部材41の第1回動軸心部41aは、円柱形状を有しており、両側の端面から突出して、係合突起41cが各々設けられている。係合突起41cは、第1回動軸心部41aと同心状に配置された円柱形状を有しており、これの中心軸が、当該第1回動軸心部41aの中心軸C1となっている。
係合突起41cは、回転連結部材41の第1回動軸心部41aがヘッド側ヨーク部19の一対のヨーク突部19aの間の間隔部分に無理押しされて装着される際に、一対のヨーク突部19aの各々の切立ち面19bに形成された係合穴19cに、回転可能に係合される。これによって第1回動軸心部41aの外周面は、一対のヨーク突部19aの間の底面部分に設けられた摺動摩擦面部19eに密着した状態となる。また、各々の係合突起41cにおける、第2回動軸心部41bが突出する側とは反対側の下半部分には、斜めに切り欠いて形成されたスライドテーパー面41dが設けられている。これらのスライドテーパー面41dを、ヨーク突部19aの切立ち面19bに形成された案内テーパー面19dに重ね合わせながら、例えばハンドル部20の下端部に取り付けられ回転連結部材41を、ヘッド側ヨーク部19の一対のヨーク突部19aの間の間隔部分に押し込むことで、回転連結部材41を無理押して第1回動軸心部41aを係合穴19cに係合させる操作を、よりスムーズに行えるようにすることが可能になる。
回転連結部材41の第2回動軸心部41bは、例えば第1回動軸心部41aの外周面から外側に突出して設けられた、半長円形状の正面形状を有する厚板状の部分となっている。第2回動軸心部41bの中央には、柄側ヨーク部24のヨーク片24aに形成された挿通固定孔24cと合致させて、回転ピン部材25のピン本体25aを挿通させるための円形軸開口41eが形成されている。円形軸開口41eの内周面を覆って、開口側摺動スリーブ41fが取り付けられている。開口側摺動スリーブ41fが、挿通された回転ピン部材25のピン本体25aに装着されたピン側摺動スリーブ25cの外周面と密着することで、回転ピン部材25との摩擦力を高めることができるようになっている。円形軸開口41e及びこれに挿通された回転ピン部材25の中心軸は、第2回動軸心部41bの中心軸C2となっている。
本実施形態では、例えば回転連結部材41は、一対のヨーク片24aの間の貫通溝24bに第2回動軸心部41bを差し込んだ状態で、柄側ヨーク部24に、回転ピン部材25を介して回転可能に取り付けられる。しかる後に、ハンドル部20の下端部の柄側ヨーク部24に取り付けられた回転連結部材41を、第1回動軸心部41aの係合突起41cのスライドテーパー面41dをヨーク突部19aの切立ち面19bの案内テーパー面19dに重ね合わせながら、ヘッド側ヨーク部19の一対のヨーク突部19aの間の間隔部分に無理押しして押し込み、係合突起41cを係合穴19cに回転可能に係合させることで、ジョイント部40が形成される。これによって、ハンドル部20の下端部が、回転連結部材41の第1回動軸心部41aの外周面を清掃ヘッド12の一対のヨーク突部19aの間の底面部分に設けられた摺動摩擦面部19eに密着させた状態で、清掃ヘッド12の上面の中央部分に回転可能に連結される。またこれによって、清掃具本体11の清掃ヘッド12に対してハンドル部20が垂直に立設する状態から、ハンドル部20を左右方向(X方向)や前後方向(Y方向)に回転させて傾倒させることが可能になると共に、回転連結部材41を回転中心とする周方向にも、自由にハンドル部20を回転させることが可能になる。
また、本実施形態では、このようにして形成された清掃ヘッド12とハンドル部20とのジョイント部40は、第1回動軸心部41aの外周面と、清掃ヘッド12のヨーク突部19aの間の底面部分の摺動摩擦面部19eとの密着による、第1回動軸心部41aを中心として回動する際の摺動抵抗よりも、第2回動軸心部41bの円形軸開口41eの内周面を覆う開口側摺動スリーブ41fと、回転ピン部材25のピン本体25aに装着されたピン側摺動スリーブ25cとの密着による、第2回動軸心部41bを中心として回動する際の摺動抵抗の方が、大きくなっている。これによって、第2回動軸心部41bを中心として左右方向(短辺方向)Xに回転しようとするモーメント力に対する抵抗力を大きくして、作業中に清掃具本体11が左右方向Xにぐらついたり、傾いて倒れたりするのを回避して、操作の安定性を向上させることが可能になる。このような観点から、第2回動軸心部41bを中心として回動する際の摺動抵抗は、第1回動軸心部41aを中心として回動する際の摺動抵抗の、1.2倍以上となっていることが好ましく、1.5倍以上となっていることがより好ましく、また、10倍以下となっていることが好ましい。
ここで、第2回動軸心部41bを中心として左右方向(短辺方向)Xに回動する際の摺動抵抗は、ハンドル部20を清掃ヘッド12に対して垂直に立てた状態から、ハンドル部20における第2回動軸心部41bの中心軸C2より50mm上方の位置を約45°傾くまで押した時の、プルプッシュゲージで測定されたピーク荷重である。第2回動軸心部41bを中心として左右方向(短辺方向)Xに回動する際の摺動抵抗は、0.8~2.0Nであることが好ましい。第1回動軸心部41aを中心として前後方向(長辺方向)Yに回動する際の摺動抵抗は、ハンドル部20を清掃ヘッド12に対して垂直に立てた状態から、ハンドル部20における第1回動軸心部41aの中心軸C1より50mm上方の位置を約45°傾くまで押した時の、プルプッシュゲージで測定されたピーク荷重である。第1回動軸心部41aを中心として回動する際の摺動抵抗は、0.2~1.2Nであることが好ましい。
第2回動軸心部41bを中心として回動する際の摺動抵抗や、第1回動軸心部41aを中心として回動する際の摺動抵抗は、例えば開口側摺動スリーブ41fやピン側摺動スリーブ25cの材質や厚さ(径も含む)を調整したり、第1回動軸心部41aの外周面や摺動摩擦面部19eの材質や密着面積を調整したりすることによって、容易に設定することが可能である。
本実施形態では、清掃具10は、清掃具本体11のベース体13の下面による清掃面14を覆って、着脱交換可能に使い捨て用の清掃シート30を取り付けて、清掃作業に用いられる。清掃シート30は、図6に示すように、好ましくは清掃ヘッド12及びベース体13の短辺部分12a,13aで折り返されて、係着部50を介して端部が清掃ヘッド12に係着されることで、清掃具本体11に装着されるようになっている。清掃シート30が、ベース体13の短辺部分12a,13aで折り返されて端部が清掃ヘッド12に係着されることにより、狭い領域を清掃する際に、短辺部分12a,13aから清掃シート30に塵埃や汚れを一層良好に捕集することが可能になる。
清掃シート30は、清掃具本体11のベース体13の下面による清掃面14を覆って取り付けられて、塵埃や汚れ等を付着させるのに適したシートとして、例えばオレフィン系極細繊維不織布等の、公知の各種の清掃用のシートを用いることができる。またトイレの床面等を清掃する作業に用いる場合、清掃シート30は、床面等を払拭した後にそのまま水洗用の便器に流すことが可能な、水解性を備える水解性シートであることが好ましい。
本実施形態では、清掃シート30を清掃ヘッド12に係着して清掃具本体11に装着させる係着部50は、図2、図6(a)及び図9(a),(b)に示すように、清掃ヘッド12の他方の面である上面側の部分における、長辺方向(Y方向)の好ましくは一段低くなった端部分に重ね合せ可能に配置される挟み込み蓋片54と、清掃ヘッド12における長辺方向の端部分、又は挟み込み蓋片54のいずれか一方(本実施形態では、清掃ヘッド12における長辺方向の端部分)に設けられる磁石52と、他方(本実施形態では、挟み込み蓋片54)に設けられる、磁石52と磁着可能な磁性体53とを含んで構成されている。清掃ヘッド12及びベース体13の短辺部分12a,13aで折り返される清掃シート30の端部は、清掃ヘッド12の長辺方向の好ましくは一段低くなった端部分の上面と、挟み込み蓋片54の下面との間に挟み込まれるようにして係着されることで、清掃シート30が、清掃具本体11に着脱可能に容易に装着されるようになっている(図6(a)参照)。また磁石52と磁性体53との磁力によって、清掃ヘッド12の端部分の上面と挟み込み蓋片54の下面との間のより確実な挟み込みによる係着が可能になると共に、蓋片54による開閉操作をよりスムーズに行うことが可能になる。
また、本実施形態では、挟み込み蓋片54は、例えば清掃ヘッド12に形成された連結開口18d(図3、図4参照)を挟んで両側に設けられた軸支リブ18eに両端部を支持させて、短辺方向(X方向)に延設して固定された回転軸54a(図9(b)参照)に、連結開口18dに挿入可能に形成されたフランジ状の回転基部54b(図9(a)、(b)参照)を、好ましくはピン連結することで、清掃ヘッド12に対して回転可能に取り付けられるようになっている。すなわち、挟み込み蓋片54は、清掃ヘッド12の短辺部12aと離間して短辺方向に配置された回転軸54aを中心に、回転できるようになっている。またこれによって、挟み込み蓋片54は、清掃ヘッド12の上面側の部分における長辺方向(Y方向)の端部分に、開放可能に重ね合わせて配置されるようになっている。
さらに、本実施形態では、係着部50を構成する磁石52は、図9(b)に示すように、清掃ヘッド12の上面側に形成された円形の挿入凹部51(図9(a)参照)の下面(裏面)側の、円形凸部18b(図4参照)として下方に突出している部分の下面に、円形凸部18bと同心円状に分断された状態で配置された係止リブ18cに係止されて、取り付けられている。またこれによって磁石52は、清掃ヘッド12の上面を形成する挿入凹部51の部分の板材によって被覆された状態で、当該板材の裏面側に取り付けられることになる。
係着部50を構成する磁性体53は、図9(b)に示すように、清掃ヘッド12の上面側に形成された挿入凹部51(図9(a)参照)の位置と対応させて、挟み込み蓋片54の下面側に設けられた円形の挿入凸部54cの内側領域に収容され、挿入凸部54cに外側から係止されるカバーキャップ54dによって覆われた状態で、取り付けられている。またこれによって磁性体53は、挟み込み蓋片54の下面を形成するカバーキャップ54dの部分の板材によって被覆された状態で、当該板材の裏面側に取り付けられることになる。
ここで、磁性体は、磁性を帯びることが可能な物質であり、磁石にくっつくものを意味する。磁性体は、好ましくは磁石を近づけると強く同じ方向に磁化する強磁性体である、鉄、ニッケル、コバルト等の金属からなるものの他、磁石自体であっても良い。
本実施形態では、清掃シート30は、好ましくは清掃具本体11を構成するベース体13の短辺方向(X方向)の長さよりも広い横幅を有すると共に、長辺方向(Y方向)の長さより広い縦幅を有する矩形形状を備えるものとなっている。清掃シート30は、縦幅方向をベース体13の長辺方向(Y方向)に沿わせてベース体13の下面側に配置すると共に、図9(a)に示すように挟み込み蓋片54を開放した状態で、当該清掃シート30の、ベース体13の短辺部分13aから長辺方向(Y方向)の外側に食み出した部分である端部を、好ましくは清掃ヘッド12及びベース体13の短辺部分12a,13aで折り返す。また短辺部分12a,13aで折り返した清掃シート30の端部を、清掃ヘッド12の上面の一段低くなっている端部分に敷設した後に、開放した状態の挟み込み蓋片54を、清掃シート30の端部が敷設された、清掃ヘッド12の上面の一段低くなっている端部分に重ね合わせるようして、図9(b)に示すように、閉じた状態とする。これによって挟み込み蓋片54は、好ましくはこれの上面が、ベース体13の中央部分の上面と面一に配置されることになると共に、清掃ヘッド12の端部分の一段低くなっている上面と、当該挟み込み蓋片54の下面との間に、磁石52と磁性体53との磁力によって、清掃シート30の端部を容易に挟み込むことが可能になり、また清掃シート30の端部を挟み込んだ状態を、強固に保持することが可能になる。
すなわち、本実施形態によれば、ベース体13の下面による清掃面14を覆って配設した清掃シート30の両側の端部を、清掃ヘッド12及びベース体13の短辺部分12a,13aで折り返して、好ましくは磁石52と磁性体53との磁力によって、清掃ヘッド12の両側の端部分の上面と両側の挟み込み蓋片54の下面との間に、各々挟み込むだけの簡易な操作によって、清掃シート30を清掃具本体11に、容易に且つ安定した状態で着脱可能に装着することが可能になる。特に、清掃シート30が水解性シートである場合に、清掃シート30の端部が破れたりしないように、清掃ヘッド12の端部分の上面と挟み込み蓋片54の下面とによる広い面積で、清掃シート30を挟み込んで係着することが可能になる。
また、本実施形態では、ベース体13の上面の一段低くなった端部分に、裏面側に磁石52が配置された円形の挿入凹部51が形成されていると共に、挟み込み蓋片54の下面の挿入凹部51と対応する部分に、係止されたカバーキャップ54dの裏面側に磁性体53が配置された円形の挿入凸部54cが形成されている。これによって、挟み込み蓋片54を閉じて、挟み込み蓋片54と、清掃ヘッド12の上面の一段低くなっている端部分との間に清掃シート30の端部を挟み込んだ際に、清掃シート30の端部は、挿入凹部51及びカバーキャップ54dが係止された挿入凸部54cの部分で、さらに一段低くなった挿入凹部51の底面部において、挿入凸部54cに係止されたカバーキャップ54dの下端面との間に、引き込まれるようにして挟み込まれることになる。またこれによって、挟み込まれたベース体13の端部分の上面と挟み込み蓋片54の下面との間で、清掃シート30の端部に位置ずれが生じるのを効果的に回避できるようになって、清掃シート30を、さらに安定した状態で清掃具本体11に装着することが可能になる。
本実施形態では、磁石52及び磁性体53は、清掃ヘッド12の挿入凹部51の裏面側や、挟み込み蓋片54の挿入凸部54cに係止されたカバーキャップ54dの裏面側に配置されて、清掃ヘッド12の上面を形成する板材、又は挟み込み蓋片54の下面を形成する板材によって被覆された状態で、これらの板材の裏面側に取り付けられている。このため、挟み込み蓋片54を開閉して清掃シート30を着脱する際の操作時に、磁石52や磁性体53が清掃ヘッド12から脱落するのを効果的に回避することが可能になると共に、特に、清掃シート30が清掃用の薬剤等を含んでいる場合に、これらの薬剤等と接触して磁石52や磁性体53が劣化することになるのを効果的に回避することが可能になる。
上述のようにして清掃具本体11に装着された清掃シート30は、図6(a)に示すように、好ましくは横幅方向の側部が清掃ヘッド12及びベース体13の長辺部分12b,13bよりも外側にはみ出した状態で、清掃具本体11に着脱交換可能に取り付けられて、清掃作業に用いられる。清掃作業に使用されて、例えば塵埃や汚れを充分に付着させた清掃シート30は、例えば手作業によって、磁力に抗して挟み込み蓋片54を回転させて開放させ、端部が挟み込まれた状態を解除することで、好ましくは手で触れることなく清掃具本体11から取り外して、例えばそのまま水洗用の便器に流して廃棄することが可能になる。
そして、上述の構成を備える本実施形態の清掃具10では、長辺方向(Y方向)を主な清掃方向として清掃作業を行ない易くなって、例えばトイレにおける、狭い領域の床面や設置物のある領域における床面や設置物等の清掃対象を清掃する作業を、効率良く行うことが可能になると共に、操作の安定性を向上させることが可能になる。
すなわち、本実施形態によれば、清掃具10は、好ましくは主としてリビングの床面等を清掃する作業に適した従来の清掃具と比較して、コンパクトな形状を備えると共に、清掃部本体11の清掃ヘッド12及びベース体13は、平面視して、一対の短辺部分12a,13aと、これらの一対の短辺部分12a,13aの両側の一対の長辺部分12b,13bとを有する平面形状を備えており、清掃ヘッド12とハンドル部20とはジョイント部40を介して連結しており、ジョイント部40は、清掃ヘッド12の上面から突出して設けられたヘッド側ヨーク部19と、ハンドル部20の先端部に設けられた柄側ヨーク部24とを、中心軸が直交する、短辺方向(X方向)に中心軸C1が配置された第1回動軸心部41aと、長辺方向(Y方向)に中心軸C2が配置された第2回動軸心部41bとを備える連結部材41を介して接続することで、ハンドル部20を清掃ヘッド12に対して前後方向Y及び左右方向Xに回転可能に連結するようになっている。ジョイント部40は、第1回動軸心部41aを中心として回動する際の摺動抵抗よりも、第2回動軸心部41bを中心として回動する際の摺動抵抗の方が大きくなっている。
これによって、清掃作業の作業者は、長辺方向Yを主な清掃方向とする方が、好ましくは湾曲形状で突出するベース体13の下面による清掃面14に、ハンドル部20から押圧力を加えて清掃面を変形させ易くなることから、例えば清掃部本体11を長辺方向Yに往復移動させつつ好ましくは湾曲する清掃面14を良好に弾性変形させることが可能になるので、清掃シート30によって覆われた清掃面14に、周縁部分から塵埃や汚れを内側に取り込み易くしながら、清掃シート30の全体に、効率良く塵埃や汚れを付着させて、清掃対象を清掃することが可能になる。また長辺方向を主な清掃方向とすることで、清掃部本体11を長辺方向に移動させる際に、清掃部本体11は短辺部分12aによる横幅が狭くなるので、コンパクトな形状を備えることと相俟って、狭い領域の床面や設置物のある領域の床面等の清掃対象を清掃する作業を、効率良く行うことが可能になる。
また、本実施形態によれば、ジョイント部40は、第1回動軸心部41aを中心として回動する際の摺動抵抗よりも、第2回動軸心部41bを中心として回動する際の摺動抵抗の方が大きくなっているので、第1回動軸心部41aを中心として左右方向(横幅方向)Xに回転しようとするモーメント力に対する抵抗力を大きくして、作業中に清掃具本体11が左右方向Xにぐらついたり、傾いて倒れたりするのを回避して、操作の安定性を向上させることが可能になる。
さらに、本実施形態では、清掃ヘッド12の下面から、回転連結部材41の当該下面と近い側の第1回動軸心部41aの中心軸C1までの高さh1が、例えば従来の短辺方向Xを主な清掃方向とする清掃具のものよりも低い、好ましくは10~20mmとなっているので、例えば従来の短辺方向Xを主な清掃方向とする清掃具と比較して、第1回動軸心部41aを中心として生じる、左右方向(横幅方向)Xに回転しようとするモーメント力を小さく留めて、操作の安定性をより一層向上させることが可能になる。
さらにまた、本実施形態によれば、好ましくは清掃ヘッド12の一対の長辺部分12bは、ハンドル部20が取り付けられた中央側に向けて凹状に湾曲するクビレ部12cを備えているので、図6(b)に示すように、凹状に湾曲するクビレ部12cを例えば便器60等の設置物の側面に沿わせるようにしながら、清掃部本体11を小回り良くスムーズに回転させ、例えばハンドル部20を持ち替えることなく旋回清拭させて、便器60等の後側の空間の床面まで清掃部本体11を差し込み易くすることで、さらに効率良く、狭い領域の床面や設置物のある領域の床面等を、清掃することが可能になる。同様の観点から、ベース体13にもまた、長辺部分13bから外側に張り出す部分の環状張出片15の縁部に、縁部クビレ部13eが設けられていることが好ましい(図5参照)。
また、本実施形態によれば、好ましくはベース体13は、清掃ヘッド12よりも一回り大きな平面形状を有しており、ベース体13の周縁部分は、可撓変形可能な環状張出片15として、清掃ヘッド12の周縁の外側に周方向に連続して張り出しているので、環状張出片15を可撓変形させながら例えば周囲の壁や設置物の周面にベース体13の周縁部分を容易に密着させて、例えばこれらの周囲の壁や設置物の周面と、床面との境界部分の凹部や隙間など、ホコリや紙粉の溜り易い隅の部分を、しっかりと清掃することが可能になる。
また、本実施形態では、好ましくは清掃シート30は、横幅方向の側部が清掃ヘッド12及びベース体13の長辺部分12b,13bよりも外側にはみ出した状態で、清掃具本体11に着脱可能に取り付けられて、清掃作業に用いられるようになっているので、これらの長辺部分12b,13bよりも外側にはみ出した部分によって、周囲の壁や設置物の周面と、床面との境界部分の凹部や隙間など、ホコリや紙粉の溜り易い隅の部分を、さらに効率良く、しっかりと清掃することが可能になる。
さらに、本実施形態では、ベース体13の短辺部13aで折り返された清掃シート30の端部を、挟み込み蓋片54を開閉して、好ましくは磁石52と磁性体53との磁力によって、ベース体13の長辺方向の端部分と挟み込み蓋片54との間に挟み込んで係着することにより、簡易に、清掃面14を覆って清掃シート30を、清掃具本体11に着脱可能に装着することが可能になる。塵埃や汚れを充分に付着させた清掃シート30は、例えば磁力に抗して挟み込み蓋片54を回転させることにより開放させて、端部が挟み込まれた状態を解除することで、簡易に、好ましくは手で触れることなく、清掃具本体11から取り外して、例えば清掃シート30が水解性シートである場合に、そのまま水洗用の便器60に流して廃棄することが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、清掃シートの端部は、挟み込み蓋と、好ましくは磁石及び磁性体とからなる係着部に挟み込まれて、清掃ヘッドの上面に係着される必要は必ずしも無く、清掃ヘッドの上面に形成された係着用のスリットに差し込むことで、係着されるようになっていても良い。ベース体は、長手方向に沿った断面が、弧状に湾曲する薄板状に成形されている必要は必ずしも無く、平坦な形状となるように成形されていても良い。ヘッド側ヨーク部や柄側ヨーク部は、二股状のヨーク部となっている必要は必ずしも無く、清掃ヘッドの長辺部分は、中央側に向けて凹状に湾曲するクビレ部を備えている必要は必ずしも無い。本発明の清掃具は、トイレの床面等の狭い領域の床面や障害物のある領域の床面の他、壁や窓や天井等を清掃する作業にも用いることができ、リビング等の比較的広い領域を清掃する作業に用いることもできる。
10 清掃具
11 清掃具本体
12 清掃ヘッド
12a 短辺部分
12b 長辺部分
12c クビレ部
13 ベース体
13a 短辺部分
13b 長辺部分
13c ベース側接合リブ
13d 板状リブ
14 清掃面
14a 面状凸リブ
15 環状張出片
16 環状周壁リブ
17 補強リブ
18a 接合リブ
18b 円形凸部
18c 係止リブ
18d 連結開口
18e 軸支リブ
19 ヘッド側ヨーク部
19a ヨーク突部
19b 対向面
19c 係合穴
19d 案内テーパー面
19e 摺動摩擦面部
20 ハンドル部
21 ハンドル本体
22 把持部
23,23a 連結部
24 柄側ヨーク部
24a ヨーク片
24b 貫通溝
24c 挿通固定孔
25 回転ピン部材
25a ピン本体
25b 頭部
25c ピン側摺動スリーブ
30 清掃シート
40 ジョイント部
41 回転連結部材
41a 第1回動軸心部
41b 第2回動軸心部
41c 係合突起
41d スライドテーパー面
41e 円形軸開口
41f 開口側摺動スリーブ
50 係着部
51 挿入凹部
52 磁石
53 磁性体
54 挟み込み蓋片
54a 回転軸
54b 回転基部
54c 挿入凸部
54d カバーキャップ
60 便器(障害物)
C1 第1回動軸心部の中心軸
C2 第2回動軸心部の中心軸
X 短辺部分に沿った方向(短辺方向、左右方向)
Y 長辺部分に沿った方向(長辺方向、前後方向)

Claims (5)

  1. 清掃ヘッドと、該清掃ヘッドの一方の面を覆って取り付けられたベース体とを含む清掃具本体と、前記清掃ヘッドの一方の面と反対側の他方の面に取り付けられたハンドル部とを備え、前記ベース体による清掃面を覆って清掃シートが装着されて、該清掃シートにより清掃対象を払拭する清掃具であって、
    前記清掃具本体の前記清掃ヘッド及び前記ベース体は、平面視して、一対の短辺部分と、これらの一対の短辺部分の両側の一対の長辺部分とを有する平面形状を備えており、
    前記清掃ヘッドと前記ハンドル部とは、ジョイント部を介して連結しており、該ジョイント部は、前記清掃ヘッドの他方の面から突出して設けられた、二股状のヨーク部となっているヘッド側ヨーク部と、前記ハンドル部の先端部に設けられた、二股状のヨーク部となっている柄側ヨーク部とを、中心軸が直交する、短辺方向に中心軸が配置された円柱形状の第1回動軸心部と、長辺方向に中心軸が配置された第2回動軸心部とを備える回転連結部材を介して接続することで、前記ハンドル部を前記清掃ヘッドに対して前後方向及び左右方向に回転可能に連結するようになっており、
    且つ前記ジョイント部は、前記第1回動軸心部を中心として回動する際の摺動抵抗よりも、前記第2回動軸心部を中心として回動する際の摺動抵抗の方が大きくなっており、
    前記ヘッド側ヨーク部における、間隔をおいて配置された一対のヨーク突部の間の間隔部分の底面部分には、摺動摩擦面部が設けられており、該摺動摩擦面部は、一対のヨーク突部の間に前記回転連結部材が嵌め込むようして装着された際に、前記回転連結部材の円柱形状の前記第1回動軸心部の外周面が密着することで、前記回転連結部材の回転に伴って、摩擦力による摺動抵抗を生じるようになっており、
    前記摺動摩擦面部には、円弧上の凹曲面を備える凸リブが設けられており、前記第1回動軸心部の中心軸方向における該凸リブの幅を、前記第1回動軸心部の幅よりも小さくして、前記第1回動軸心部の外周面の一部のみを前記凸リブの前記凹曲面と接触させることで、前記第1回動軸心部を中心として回動する際の摺動抵抗が、前記第2回動軸心部を中心として回動する際の摺動抵抗よりも小さくなっている清掃具。
  2. 前記清掃ヘッドの下面から当該下面と近い側の前記第1回動軸心部の中心軸までの高さが、10~20mmとなっている請求項1記載の清掃具。
  3. 前記清掃ヘッドの一対の長辺部分は、前記ハンドル部が連結する中央側に向けて凹状に湾曲するクビレ部を備えている請求項1又は2記載の清掃具。
  4. 前記ベース体の一方の面による清掃面を覆う前記清掃シートは、前記ベース体の短辺部分で折り返されて、端部が前記清掃ヘッドに係着されることで、前記清掃具本体に装着されるようになっている請求項1~3のいずれか1項記載の清掃具。
  5. 前記清掃ヘッドは、短辺方向の最大長さが50~90mm、長辺方向の最大長さが120~160mmの大きさの略矩形状の平面形状を有している請求項1~4のいずれか1項記載の清掃具。
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